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特開2022-37178スポーツ衣料用の緩衝要素を製造するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037178
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】スポーツ衣料用の緩衝要素を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   A43B 13/12 20060101AFI20220301BHJP
   A43B 7/32 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
A43B13/12 A
A43B7/32
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021208415
(22)【出願日】2021-12-22
(62)【分割の表示】P 2020109299の分割
【原出願日】2014-02-06
(31)【優先権主張番号】10 2013 002 519.2
(32)【優先日】2013-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】14152903.2
(32)【優先日】2014-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】510204998
【氏名又は名称】アディダス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100114409
【弁理士】
【氏名又は名称】古橋 伸茂
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100141025
【弁理士】
【氏名又は名称】阿久津 勝久
(72)【発明者】
【氏名】アンガス,ワードロウ
(72)【発明者】
【氏名】ゲルド ライナー マンツ
(72)【発明者】
【氏名】トゥルー,リ
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン フリーマン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】製造時に緩衝要素の特徴に対して影響を及ぼす可能性を高めることにより、製造ステップ数を削減し、製造プロセスを単純化し、大幅に自動化された製造を可能にする、スポーツ衣料用の緩衝要素のための製造方法を提供すること。
【解決手段】スポーツ衣料用の緩衝要素を製造するための方法600が説明される。本発明の一態様によれば、発泡材料のランダム構成粒子610からスポーツ衣料用の緩衝要素を製造するための方法600が提供される。この方法600は、型620、630内に機能要素640を配置するステップと、発泡材料の粒子610で型620、630を充填するステップとを含み、この充填は、型内の少なくとも2つの開口625、635を通して行われる、および/または、この充填は、型620、630の異なる複数の可動部分の間において行われる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子(110、210、510
、610、710、1010、1110)からスポーツ衣料用(例えば、スポーツシュー
ズ用)の緩衝要素を製造するための方法であって、
a.型(120、122、125、220、222、225、620、630、720
、730、1020、1030、1120、1125、1130、1135)内に機能要
素(640、740、1040、1140、1240)を前記型に接触しないように配置
するステップと、
b.前記発泡された材料からなる、前記複数の粒子(110、210、510、610
、710、1010、1110)で前記型(120、122、125、220、222、
225、620、630、720、730、1020、1030、1120、1125、
1130、1135)を充填するステップと
を含み、
c1.前記充填するステップは、前記型(620、630、1020、1120)内の
少なくとも2つの開口(625、635)を介して行われる、および/または
c2.前記充填するステップは、前記型の異なる複数の可動部分(122、125、2
22、225、720、730、1020、1120、1125)の間で行われ、
前記機能要素は、前記緩衝要素の寸法安定性に対して影響を及ぼすように機能する、方
法。
【請求項2】
前記発泡された材料からなる、前記複数の粒子(110、210、510、610、7
10、1010、1110)は、圧力および/または熱および/または蒸気により前記型
(120、122、125,220、222、225、620、630、720、730
、1020、1030、1120、1125、1130、1135)内において処理され
る、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも2つの開口(625、635、725)は、前記発泡された材料からな
る、前記充填される前記複数の粒子(110、210、510、610、710、101
0、1110)が、少なくとも2つの異なる側から前記機能要素(640、740、10
40、1140、1240)を囲むような態様で配置される、請求項1または2に記載の
方法。
【請求項4】
前記機能要素(640、740、1040、1140、1240)は、フォイル(12
40)、特に熱可塑性ウレタンを含むフォイル(1240)を備える、請求項1から3の
いずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記フォイル(1240)は、第2の発泡された材料からなる、ランダムに配置された
複数の粒子(1245)を収容する容器(1240)として提供される、請求項4に記載
の方法。
【請求項6】
前記機能要素(640、740、1040、1140、1240)は、前記発泡された
材料からなる、前記複数の粒子(110、210、510、610、710、1010、
1110)を含まない、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の粒子(110、210、510、610、710、1010、1110)は
、輸送液体の流れ(130)および/または蒸気の流れ(130)内において前記型(1
20、122、125、220、222、225、620、630、720、730、1
020、1030、1120、1125、1130、1135)内へと充填される、請求
項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
圧力および/または熱および/または蒸気による処理の前に、前記輸送液体は、前記型
(120、122、125、220、222、225、620、630、720、730
、1020、1030、1120、1125、1130、1135)から少なくとも部分
的に除去される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記型(120、122、125、220、222、225、620、630、720
、730、1020、1030、1120、1125、1130、1135)内に残留す
る前記輸送液体は、前記圧力処理および/または前記熱処理および/または前記蒸気処理
の影響下において固化する、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記圧力処理および/または前記熱処理および/または前記蒸気処理の終了後に、前記
液体および/または前記固化した液体は、前記緩衝要素(300、400、500)から
の圧力により少なくとも部分的に溶解する、および/または溶融する、および/または除
去される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記型(120、122、125、220、222、225、620、630、720
、730、1020、1030、1120、1125、1130、1135)の壁部の少
なくとも一部分(230)を、前記型(120、122、125、220、222、22
5、620、630、720、730、1020、1030、1120、1125、11
30、1135)の前記壁部の前記部分(230)に隣接して位置する前記発泡された材
料からなる、前記複数の粒子(110、210、510、610、710、1010、1
110)を少なくとも部分的にまたは完全に溶融する温度にまで加熱するステップをさら
に含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
液体マトリクス材料で前記発泡された材料からなる、前記複数の粒子(110、210
、510、610、710、1010、1110)を被覆することにより、前記液体マト
リクス材料内における前記粒子(110、210、510、610、710、1010、
1110)の実質的に均一な分布を実現するステップをさらに含む、請求項1から11の
いずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記発泡された材料からなる、前記複数の粒子(110、210、510、610、7
10、1010、1110)および/または前記第2の発泡された材料からなる、前記複
数の粒子(1245)は、原料および/またはサイズおよび/または密度および/または
色において異なる、少なくとも2つの異なる種類の粒子の混合物を含む、請求項5に記載
の方法。
【請求項14】
前記緩衝要素(300、400、500)は、シューズ用のソールの一部として提供さ
れる、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記方法の前記各ステップは、自動製作設備(800、900)の2つ以上のステーシ
ョン(805、810、820、825、830、840、850、860、910、9
20)において行われる、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポーツ衣料用の、特にスポーツシューズ用の緩衝要素を製造するための方
法に関する。
【背景技術】
【0002】
緩衝要素は、スポーツ衣料の分野において非常に重要であり、非常に様々なスポーツ用
の衣類において使用される。この場合の例には、冬季スポーツ衣料、ランニング衣料、ア
ウトドア衣料、フットボール衣料、ゴルフ衣料、または格闘技衣料等々がある。一般的に
は、これらの緩衝要素は、衝突および強打から着用者を保護する役割を、ならびに例えば
着用者の転倒時などにおける詰め物としての役割を果たす。そのため、緩衝要素は、一般
的に、外圧または衝撃の下で変形し、それにより衝撃エネルギーを吸収する、1つまたは
複数の変形要素を含む。
【0003】
緩衝要素は、シューズ、特にスポーツシューズの作製において非常に重要な役割を果た
す。ソールまたはソールの一部として配置される緩衝要素の補助により、シューズは、特
殊なタイプのシューズに応じた様々な強度の点で顕著となり得る多様な種々の特徴を備え
る。主に、これらのシューソールは、保護機能を有する。シューアッパーに比較してそれ
らの剛直性が高いことにより、シューソールは、シューズ着用者が踏む鋭利な物体による
傷害から各着用者の足を保護する。さらに、シューソールは、一般的には高められた耐摩
耗性により、過度の摩耗からシューズを保護する。さらに、シューソールは、各地面上に
おけるシューズのグリップを高め、したがってより高速な移動を助長し得る。シューソー
ルのさらなる機能は、幾分かの安定性をもたらすことであり得る。これに加えて、シュー
ソールは、例えばシューズが地面に衝突する際に発生する力を緩衝するためなどのクッシ
ョンとしての役割を果たし得る。最後に、シューソールは、泥もしくは水しぶきから足を
保護する、および/または複数の他の機能を実現することが可能である。
【0004】
これらの多数の機能性を満たすために、スポーツ衣料用の緩衝要素を作製し得る種々の
材料および製造方法が、先行技術において公知である。
【0005】
例としては、エチレン酢酸ビニル(EVA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ゴム
、ポリプロピレン(PP)、またはポリスチレン(PS)から作製されるシューソールと
して構成される緩衝要素が挙げられる。これらの種々の材料はそれぞれ、各シューズタイ
プの特定の要件に応じて特定のシューズタイプのソールに多少なりともよく適した種々の
特徴の特殊な組合せを実現する。例えば、TPUは、摩損に対して非常に抵抗性が高く、
引裂き防止性を有する。さらにEVAは、その高い安定性および比較的良好な緩衝特徴に
おいて顕著である。
【0006】
さらに、発泡材料の使用が、シューソールを製造するために考慮されていた。発泡熱可
塑性ポリウレタン(eTPU)が、とりわけWO2008/087078、WO2007
/082838、WO2010/136398、およびWO2005/066250から
公知である。発泡熱可塑性ポリウレタンは、その軽量性と、特に良好な弾性および緩衝特
徴において顕著である。さらに、WO2005/066250によれば、発泡熱可塑性ポ
リウレタンから作製されるソールは、追加の接着作用剤を用いずにシューアッパーに対し
て固着され得る。
【0007】
EP1854620A1は、発泡粒子で空洞部を充填するための方法を教示している。
DE202008017042U1は、部分閉鎖表面を有する合成材料の粒子から作製さ
れる発泡構成要素を製造するための成形ツールを開示している。DE4236081A1
は、発泡合成材料から構成要素を製造するための方法と、かかる方法を実施するための型
とを説明している。DE19652690A1は、構成要素、製造するための方法、およ
びその方法を実施するための装置を説明している。DE202010008893U1は
、粒子発泡構成要素を製造するための装置を開示している。
【0008】
発泡熱可塑性ウレタンから粒子を製造するためには、熱可塑性ウレタンは、例えば、初
めに、懸濁プロセスまたは押出プロセスにおいて発泡剤で充填され、次いで、熱可塑性ウ
レタンの発泡に至る。例えば、熱可塑性ウレタンは、初めは、水中に保管することが可能
であり、それにより、水が、熱可塑性ウレタンによって吸収され、さらなるステップにお
いて気化されることにより、発泡熱可塑性ウレタンが得られる。
【0009】
例えばEVAからなるミッドソール部分、TPUからなるねじれ要素、ゴムからなるア
ウトソール、変性EVAからなる粘着性緩衝要素、等々の、シューズ用のソールを製造す
るための種々の構成要素を作製し、次いでさらなる製造ステップにおいてこれらをシュー
ソールへと組み立てることが、先行技術より公知である。
【0010】
先行技術から公知である製造方法の1つの欠点は、これらの方法が、まさに説明した通
りに、後に相互に連結させることが必要となる、緩衝要素の種々の個別の部分の製造を含
む点である。これは、例えば個別の部分を製造するために種々の型が使用されること、個
別の部分がそれぞれこれらの型から放出され新たな型に挿入される必要があること、およ
び製造プロセス時に緩衝要素の特徴に対して影響を及ぼす可能性がほぼ限定されることな
どにより、多額の追加費用を結果としてもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】WO2008/087078
【特許文献2】WO2007/082838
【特許文献3】WO2010/136398
【特許文献4】WO2005/066250
【特許文献5】EP1854620A1
【特許文献6】DE202008017042U1
【特許文献7】DE4236081A1
【特許文献8】DE19652690A1
【特許文献9】DE202010008893U1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、先行技術に基づき、本発明の1つの目的は、スポーツ衣料用の緩衝要素の
ための改良された製造方法を提供することである。特に、本発明の1つの目的は、製造プ
ロセス時に緩衝要素の特徴に対して影響を及ぼす可能性を高めることにより、製造ステッ
プ数を削減し、製造プロセスを単純化し、大幅に自動化された製造を可能にする、スポー
ツ衣料用の緩衝要素のための製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様によれば、これらの目的は、発泡された材料からなる、ランダムに
配置された複数の粒子からスポーツ衣料用の緩衝要素を製造するための方法により、少な
くとも部分的に達成される。この方法は、発泡された材料からなる、複数の粒子で型を充
填するステップを含み、これらの粒子は、輸送液体流および/または蒸気流中において型
内へと充填される。
【0014】
発泡された材料からなる、複数の粒子を使用することにより、これらの粒子の保管およ
び取扱いが特に容易であることから、緩衝要素用の製造プロセスが大幅に容易化される。
また、液体流および/または蒸気流の補助により粒子で型を充填することによって、型内
において粒子を追加的に分配する必要を伴わずに、粒子が可能な限り均一に充填されるこ
とが保証される。これは、緩衝要素の材料中における欠陥発生リスクを低下させ、製造プ
ロセスの著しい単純化を可能にする。
【0015】
好ましい一実施形態においては、発泡された材料からなる、複数の粒子は、型内におい
て圧力および/または熱および/または蒸気により処理される。
【0016】
これにより、発泡された材料からなる、複数の粒子は、例えば、粒子の少なくとも表面
が溶融し相互に合体することなどによって、結合する。特に好ましい一実施形態において
は、粒子は、圧力処理および/または熱処理および/または蒸気処理により化学結合する
。かかる結合は、特に耐久性および持続力を有し、例えば接着剤などの追加の結合剤の使
用を不要とし得る。さらに、処理圧力、処理温度、処理期間、等々の、圧力処理および/
または熱処理および/または蒸気処理のパラメータの変化により、製造時に緩衝要素の特
徴に影響を及ぼすことが可能となる。
【0017】
さらなる一実施形態においては、発泡された材料からなる、複数の粒子は、加圧下にお
いて型内に充填される。
【0018】
これにより、型内への導入時に既に粒子が圧縮された状態にあることが可能となり、粒
子が型内に充填された後に初めて型内において圧縮される追加の製造ステップに先立つこ
とが可能となる。粒子を型内に充填する圧力の変化により、例えば、製造されることとな
る緩衝要素の材料の密度が、さらに影響を被ることが可能となる。
【0019】
さらなる一実施形態においては、輸送液体は、圧力および/または熱および/または蒸
気による処理の前に、型から少なくとも部分的に除去される。
【0020】
一実施形態においては、残留輸送液体は、好ましくは圧力処理および/または熱処理お
よび/または蒸気処理の影響下において、型内で固化する。したがって、輸送液体は、緩
衝要素の製造においてさらなる機能を負い、緩衝要素の特徴にさらに影響を及ぼすことが
可能となり、やはりこれが、製造プロセスにおける著しい単純化をもたらす。固化した液
体は、例えば、緩衝要素の安定性およびその引裂き強度を向上させることが可能である。
これにより、例えば、非常に薄く非常に軽量の緩衝要素の製造が可能になる。
【0021】
さらなる一実施形態においては、液体および/または固化した液体は、圧力処理および
/または熱処理および/または蒸気処理の終了後に、緩衝要素からの圧力により少なくと
も部分的に溶解する、および/または溶融する、および/または除去される。
【0022】
これにより、例えば、緩衝要素の密度、したがって重量のさらなる軽減が可能となる。
【0023】
本発明のさらなる一態様は、発泡された材料からなる、複数の粒子で型を充填するステ
ップを含む、発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子からスポーツ衣
料用の緩衝要素を製造するための方法により構成される。この方法は、型の壁部の少なく
とも一部分を、型の壁部のこの部分に隣接する発泡された材料からなる、複数の粒子を部
分的にまたは完全に溶融させる温度にまで加熱するステップをさらに含む。
【0024】
型内部において型の壁部に隣接する発泡された材料が少なくとも部分的に既に溶融して
いることにより、この緩衝要素の表面の特徴は、追加の製造ステップを必要とすることな
くさらなる影響を及ぼすものとなり得る。
【0025】
一実施形態においては、発泡された材料からなる、複数の粒子は、型内において圧力お
よび/または熱および/または蒸気によりさらに処理される。
【0026】
さらなる一実施形態においては、上述の方法により加熱される型の壁部の前記部分は、
構造化表面を有する。
【0027】
これは、例えば光学設計としての役割を果たすことが可能である。緩衝要素がシューソ
ールとして設計される場合には、表面の構造は、例えば、牽引を向上させるソール用のプ
ロファイルとして設計され得る。
【0028】
一実施形態においては、少なくとも部分的に溶融された粒子は、冷却後に、緩衝要素を
選択的に硬化させるように構成される。
【0029】
部分的溶融および冷却により、表面上における部分的に溶融した粒子の密度および/ま
たは剛直性は、例えば、緩衝要素の内部の非溶融粒子に比べて上昇し得る。さらに、表面
は、例えば格子形状またはハニカム形状またはリブ形状を有するなど、さらに構造化され
得ることにより、1つまたは複数の方向において緩衝要素の剛直性を選択的に高めること
が可能となる。
【0030】
本発明のさらなる一態様によれば、発泡された材料からなる、ランダムに配置された複
数の粒子からスポーツ衣料用の緩衝要素を製造するための方法が、発泡された材料からな
る、複数の粒子で型を充填するステップと、液体マトリクス(基質、母材)材料で粒子を
被覆することにより、マトリクス材料中における粒子の実質的に均一な分布を実現するス
テップとを含む。
【0031】
好ましい一実施形態においては、発泡された材料からなる、複数の粒子および/または
マトリクス材料は、圧力および/または熱および/または蒸気によりさらに処理される。
【0032】
液体マトリクス材料で粒子を被覆することにより、粒子の均一な分布を実現するさらな
る可能性がもたらされる。同時に、マトリクス材料は、あらゆる種類の追加的な機能を負
うことができる。例えば、マトリクス材料は、圧力処理および/または熱処理および/ま
たは蒸気処理の影響下においてかように固化することが可能であり、より高い引裂き強度
および同時に高い柔軟性を与える。さらに、マトリクス材料は、例えば水分等々に対する
保護を果たすことも可能である。
【0033】
本発明のさらなる一態様は、型内に機能要素を配置するステップと、発泡された材料か
らなる、複数の粒子で前記型を充填するステップとを含み、充填するステップが、型中の
少なくとも2つの開口により行われる、および/または充填するステップが、型の異なる
複数の可動部分の間において行われる、発泡された材料からなる、ランダムに配置された
複数の粒子からスポーツ衣料用の緩衝要素を製造するための方法により構成される。
【0034】
これにより、機能要素は、緩衝要素と機能要素との間に接着結合剤を必要とすることな
く、緩衝要素内に固定され得る。なぜならば、機能要素と緩衝要素との間に形状閉鎖部が
存在するからである。代替的には、機能要素は、製造時に緩衝要素との間において接着結
合剤となることも可能である。このために、機能要素は、例えば、型内への配置前に、接
着剤などの接着作用剤で被覆され得る。
【0035】
そのため、一実施形態においては、発泡された材料からなる、複数の粒子は、型内にお
いて圧力および/または熱および/または蒸気により処理される。
【0036】
また、機能要素と緩衝要素との間における追加的な結合が、これにより確立され得る。
製造パラメータの変化により、かかる結合の特徴は、例えばさらに影響を被ることが可能
となる。
【0037】
好ましい一実施形態においては、少なくとも2つの開口は、発泡された材料からなる、
充填される粒子が、少なくとも2つの異なる側から機能要素を囲むように、配置される。
【0038】
これは、機能要素が発泡された材料からなる、複数の粒子により全ての側から可能な限
り均一に囲まれることを保証し、緩衝要素における欠陥をかなりの程度において回避する
のに役立つ。これは、平坦設計を有する機能要素にとっては特に有利である。
【0039】
特に好ましい一実施形態においては、直前に説明した緩衝要素内に機能要素を配置する
ための方法の種々の態様が、例えば型の壁部の一部分が加熱され結合される方法などの、
上記においてさらに説明された方法の中の1つの態様と組み合わされる。
【0040】
これにより、1つのみの型を使用することで、緩衝要素の特徴が、種々の様式で選択的
に影響を被ることが可能となる。
【0041】
別の好ましい実施形態においては、機能要素自体が、上述のように液体マトリクス材料
で発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子を被覆することにより製造
された緩衝要素を構成する。
【0042】
別の好ましい実施形態においては、機能要素が、フォイル(箔、薄片)を、特に熱可塑
性ウレタンを含むフォイルを備える。
【0043】
かかるフォイルは、複数の異なる様式で緩衝要素の特徴に影響を及ぼすことが可能であ
る。例えば、フォイルは、光学設計の役割を果たすか、または緩衝要素の安定性をさらに
向上させることが可能である。このフォイルは、一方においては例えば光学設計の目的な
どにおいて外部で緩衝要素を囲むことが可能であり、また例えば安定性を向上させるため
などに緩衝要素内に配置することも可能である。また、フォイルは、例えば、空気および
/または液体を一方向にのみ通過させ得るように配置されることも可能である。したがっ
て、フォイルは、膜として実装され、外部からの水分に対して着用者を同時に保護する通
気性緩衝要素を製造する役割を果たし得る。これを目的とする場合には、熱可塑性ウレタ
ンを含むフォイルが、特に発泡熱可塑性ウレタンからなる粒子との組合せにおいて特に有
利となる。なぜならば、これらは、極めて抵抗性の高いかかるフォイルとの間における化
学結合を開始し得るからである。
【0044】
フォイルは、例えば、緩衝要素に対して閉鎖表面構造を与え得る。これは、緩衝要素の
耐久性を高めるかまたは装飾目的を果たすのに有用となり得る。また、フォイルは、例え
ば緩衝要素がシューズのソールにおいて使用される場合には歩行時になど、使用時に、緩
衝要素の発泡された材料の移動および膨張を制御する「機能スキン」としての役割も果た
し得る。例えば、フォイルは、ある領域において緩衝要素の発泡された材料を包囲し、し
たがってこの領域における発泡された材料の膨張および/または移動を制限するために、
使用され得る。これは、高い安定性が重要となる領域においては望ましいものとなり得る
【0045】
他方において、フォイルは、例えばシューソールのつま先領域においてなど、例えば発
泡された材料のエネルギー回収能力の高さを有益に利用すべき領域などにおいて、発泡さ
れた材料の移動および膨張がより大きな度合いまで可能となる「自由」領域を、例えば以
下においてさらに説明する様式などにおいて形成するために使用することも可能である。
【0046】
特に、機能要素は、第2の発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子
を収容する容器または「バッグ」として提供されるフォイルを備えることが可能である。
第2の発泡された材料は、これまで述べた緩衝要素の発泡された材料と同一であってもよ
い(以降においては単に「発泡された材料」と呼ぶ)。しかし、第2の発泡された材料は
、発泡された材料とは異なることもまた可能である。
【0047】
かかる容器により、専用の型を必要とすることなく、緩衝要素中の多数の異なる形状の
領域に第2の発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子を配置すること
が可能となる。特に、これにより、単純な製造プロセスにおいて緩衝要素内に第2の発泡
された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子を配置することが可能となる。
【0048】
複数の種々のオプションが可能である。容器を形成するフォイルは、例えば、多孔性で
あってもよく、穿孔を有してもよく、メッシュ状構造を備えてもよく、あるいは異なる態
様において熱および/または蒸気に対して透過性を有してもよく、それにより、第2の発
泡された材料からなる、複数の粒子は、好ましくは緩衝要素の発泡された材料からなる、
複数の粒子と共に、型内において圧力および/または熱および/または蒸気によっても処
理され得る。この場合に、フォイルおよび容器の可能な開口は、第2の発泡された材料か
らなる、複数の粒子および好ましくはさらに発泡された材料からなる、複数の粒子がそれ
らの開口を通過することが不可能となるのに十分な小ささであるべきである。
【0049】
かかるプロセスにおいては、フォイルは、分解することにより、発泡された材料からな
る、ランダムに配置された複数の粒子と第2の材料のランダムに配置された複数の粒子と
が直接結合を形成し得るようにしてもよい。しかし、また、フォイルは、緩衝要素内に留
まってもよい。したがって、フォイルは、発泡された材料からなる、複数の粒子と第2の
発泡された材料からなる、複数の粒子との間の繋ぎとしての役割を果たしてもよい。また
、この場合には、フォイルは、例えば上述のような「機能スキン」としての役割を果たす
など、さらなる機能性を示してもよい。
【0050】
例えば、第2の発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子の密度が、
発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子の密度よりも高く、第2の発
泡された材料からなる、複数の粒子を囲むフォイルが、緩衝要素内における第2の発泡さ
れた材料の移動および膨張をさらに制限することにより、安定性の高い領域をもたらすこ
とが、可能である。
【0051】
また、第2の発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子の密度が、発
泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子の密度よりも低いことも可能で
ある。したがって、第2の発泡された材料からなる、複数の粒子が、「解放される」こと
により、これらの粒子のより顕著な移動および膨張と、例えば歩行中の踏切り時などにユ
ーザへの高いエネルギー回収とが可能となる領域が、緩衝要素内において形成され、緩衝
要素内の本質的に任意の所望の形状および/または位置に設けられ得る。
【0052】
さらに、フォイル、特に第2の発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の
粒子を収容する容器として提供されるフォイルが、明示的に記載されない場合であっても
、本明細書において説明される本発明のまたは当業者に想起される任意の他の方法、実施
形態、または態様と共に使用されてもよい点を、明確に指摘しておく。例えば、第2の発
泡された材料からなる、複数の粒子を有するかかるフォイル容器は、発泡された材料から
なる、複数の粒子が蒸気流/輸送液体流内において充填される型内に配置することも可能
である。
【0053】
好ましい一実施形態においては、機能要素は、発泡された材料からなる、複数の粒子を
含まない。
【0054】
機能要素は、既述の製造方法を利用することにより、接着結合剤を使用することなく緩
衝要素内に固定され得るため、これにより、かかる機能要素を設計するために多数の材料
を使用することが可能となる。特に、使用される材料は、緩衝要素の発泡された材料と接
着可能でなくてもよい。これにより、構成自由度が大幅に向上する。
【0055】
本発明のさらなる一態様によれば、本明細書において説明される方法において使用され
る発泡された材料からなる、複数の粒子および/または第2の発泡された材料からなる、
複数の粒子は、原料および/またはサイズおよび/または密度および/または色において
異なる、少なくとも2つの種類の粒子の混合物を含む。
【0056】
本発明の別の態様によれば、本明細書において説明される方法において使用される発泡
された材料からなる、複数の粒子および/または第2の発泡された材料からなる、複数の
粒子は、以下の材料、すなわち発泡エチレン酢酸ビニル、発泡熱可塑性ウレタン、発泡ポ
リプロピレン、発泡ポリアミド、発泡ポリエーテルブロックアミド、発泡ポリオキシメチ
レン、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリオキシエチレン、発泡エチレンプ
ロピレンジエンモノマーの中の1つまたは複数を含む。
【0057】
緩衝要素の特徴は、材料、サイズ、色、密度、等々が異なる発泡された材料からなる、
複数の粒子の異なる種類の適切な組合せにより、緩衝要素の要件プロファイルに応じて様
々な様式で影響を被ることが可能となる。これは、本明細書に挙げられる製造方法の中の
1つまたは複数との組合せにおいて、緩衝要素の製造に対して影響を及ぼすための多数の
様々な可能性およびオプションを結果的にもたらす。
【0058】
目下の本発明の特に好ましい一実施形態においては、緩衝要素は、シューソールまたは
シューソールの一部として提供される。
【0059】
これにより、既述の実施形態の個々の態様および本発明の態様は、ソールおよびシュー
ズの要件プロファイルに応じて、有利な態様で相互に組み合わせることが可能となる。さ
らに、シューズの意図される各目的にとって重要でない場合には、個々の態様を除外する
ことが可能である。
【0060】
本明細書において説明されるようなまたはその他の想起され得るような本発明による製
造方法の実施形態によって製造される緩衝要素は、本発明のさらなる態様を構成する。さ
らに、スポーツ衣料、特に本発明によるかかる緩衝要素(例えばシューソールまたはシュ
ーソールの一部として提供される)を備えるスポーツシューズは、本発明の一部も構成す
る。
【0061】
本発明のさらなる態様によれば、本明細書において説明される方法の1つまたは複数の
個々の方法ステップは、自動製作設備内の少なくとも2つのステーションにおいて実施さ
れる。
【0062】
説明される製造方法が、製造時に緩衝要素に対して影響を及ぼす可能性を高め、また同
時に必要となる型および/または製造ステップの個数を減少させる結果として、本明細書
において説明される方法は、緩衝要素の自動製造にとって特に適したものとなる。
【0063】
好ましい一実施形態においては、自動製作設備は、以下のステーション(場所、装置)
、すなわち型内に機能要素を配置するためのステーション、発泡された材料からなる、複
数の粒子で型を充填するための充填ステーション、蒸気ステーション、熱処理ステーショ
ン、冷却ステーション、安定化ステーション、および取外しステーションの中の少なくと
も2つを有する。
【0064】
さらなる一実施形態においては、型は、発泡された材料からなる、複数の粒子を受ける
ために、自動製作設備のあるステーションから次のステーションへと移動される。この前
進移動は、手動的でもコンピュータの制御下および/または自動式でも行われ得る。
【0065】
先述のように、本明細書において説明される製造方法により、型内の緩衝要素の特徴に
対して影響を選択的に及ぼすことが可能となるため、型から緩衝要素を取り外すことが、
および個々のステーション間において新たな型内へと配置することが、不要となる。これ
により、製造労力が著しく軽減され、自動製作設備に従った製造が可能となる。
【0066】
好ましい一実施形態においては、製作設備は、コンピュータ制御される態様で、複数の
型から発泡された材料からなる、複数の粒子を受けるための型を選択する。
【0067】
これにより、顧客の希望および必要に応じて緩衝要素を個別にカスタマイズすることが
可能となり、またはむしろ前記顧客が自分自身で極めて多数の可能な設計から選択を行う
ことが可能となる。
【0068】
本発明による方法の現時点において好ましい実施形態および設計を、以下の図面を参照
として以下の詳細な説明において述べる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】発泡された材料からなる、複数の粒子が輸送液体流および/または蒸気流により型内に充填される、緩衝要素を製造するための方法の一実施形態を示す図である。
図2】型の壁部の一部分が、壁部のこの部分に接する発泡された材料からなる、複数の粒子を少なくとも部分的に溶融する温度にまで加熱される、緩衝要素を製造するための方法の一実施形態を示す図である。
図3】ハニカム形状表面を有する、図2に示す方法により製造された緩衝要素の一実施形態を示す図である。
図4】不規則な突出部およびくぼみ部を有する表面を有する、図2に示す方法により製造された緩衝要素の一実施形態を示す図である。
図5】発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子が圧力処理および/または熱処理および/または蒸気処理の影響下において好ましくは固化する液体マトリクス材料で被覆される方法を利用して製造された、緩衝要素の一実施形態を示す図である。
図6】型内に機能要素を配置するステップと、型中の2つの開口を通して発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子で型を充填するステップとを含む、緩衝要素を製造するための方法の一実施形態を示す図である。
図7】型内に機能要素を配置するステップと、型の可動部分間の2つの開口を通して発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子で型を充填するステップとを含む、緩衝要素を製造するための方法の一実施形態を示す図である。
図8】緩衝要素を製造するための自動製造設備の実施形態を示す図である。
図9】緩衝要素を製造するための自動製造設備の実施形態を示す図である。
図10】型内に機能要素を配置するステップと、可動スタンプおよびネガ型を備える型中の2つの開口を通して発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子で型を充填するステップとを含む、緩衝要素を製造するための方法のさらなる実施形態を示す図である。
図11】型内に機能要素を配置するステップと、発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子で型を充填するステップとを含み、それにより、型が複数の可動スタンプを有する、緩衝要素を製造するための方法のさらなる実施形態を示す図である。
図12】機能要素が、第2の発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子を収用する容器として提供されたフォイルを備える、図6に示す本発明による方法の実施形態の一変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
本発明の現時点において好ましい実施形態を、スポーツシューズ用のソールを製造する
ための方法に主に関連する以下の詳細な説明において説明する。しかし、本発明は、これ
らの実施形態に限定されない点を強調しておく。例えば、本発明は、冬季スポーツ衣料、
ランニング衣料、アウトドア衣料、フットボール衣料、ゴルフ衣料、または格闘技衣料等
々のための緩衝要素を製造するための方法に対しても有利に適用することが可能である。
【0071】
図1は、緩衝要素を製造するための方法100を概略的に示す。方法100は、発泡さ
れた材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子110で、図示する実施形態におい
ては第1の部分122および第2の部分125から構成される型120を充填するステッ
プを含む。粒子100は、ここでは、輸送液体流および/または蒸気流130を介して型
120内へと充填される。
【0072】
液体流および/または蒸気流130は、型内への輸送を助長するために使用される。好
ましい一実施形態においては、輸送液体は、水である。特に好ましい一実施形態において
は、液体と同様に挙動する粉末が、輸送液体として使用され、これにより、発泡された材
料からなる、複数の粒子110が相互に付着するおよび/または相互連結することが防止
される。かかる粉末の一例は、BASFから入手可能なLuwax(登録商標)OP P
owderである。同様の特徴を有する他の材料も、全く同様に適したものとなる。
【0073】
このために、粒子110は、初めに、例えば収集槽140内において輸送液体または蒸
気と混合され、次いで入口パイプ150を通して型120内へとポンプ送給されるおよび
/または吹き込まれる。図1は、単一の入口パイプ150および単一の入口を示すに過ぎ
ないが、本発明は、粒子110が2つ以上の入口パイプ150を通しておよび/または2
つ以上の入口を通して型120内に充填される実施形態も包含する点をここで明確に示し
ておく。
【0074】
好ましい一実施形態においては、液体流および/または蒸気流130中の粒子110は
、加圧下において型120内に充填される。これにより、型120の充填時に既に発泡さ
れた材料からなる、複数の粒子がある程度まで圧縮されることによって、緩衝要素の材料
をより高密度にすることが可能となる。そのため、製造される緩衝要素の材料の密度は、
とりわけ、液体流および/または蒸気流130中の粒子を型120内に充填するための圧
力によって決定される。
【0075】
方法100のさらなる一実施形態においては、輸送液体および/または蒸気は、発泡さ
れた材料の所望量の粒子110の導入後に型120から少なくとも部分的にまたはさらに
は全てが除去され得る。例えば、このために、型120は、粒子110の導入後に輸送液
体および/または蒸気を除去するのを可能にする一連の開口(図示せず)を有する。例え
ば、開口は、真空システム(やはり図示せず)に対して連結され、このシステムが、吸入
により型120から輸送液体および/または蒸気を抽出する。
【0076】
液体流および/または蒸気流130の補助により型120内に充填される発泡された材
料からなる、ランダムに配置された複数の粒子110を使用することにより、かかる緩衝
要素の製造が大幅に容易化される。特に、液体流および/または蒸気流130により、ラ
ンダムに配置された複数の粒子110が可能な限り均一に型120に充填されることが保
証される。これは、緩衝要素の材料中における欠陥形成のリスクを低下させる。かかる方
法は、充填前に前記型120内に配置される追加の機能要素(図示せず)と共に使用され
ることが、特に好ましい。これにより、液体流および/または蒸気流130は、全ての側
からこの要素内を循環し、したがって機能要素の複数の側に対して粒子110を輸送する
ため、緩衝要素中における欠陥形成のリスクを低下させることが可能となる。
【0077】
液体流および/または蒸気流130との組合せにおいて、発泡された材料からなる、ラ
ンダムに配置された複数の粒子110を使用することが、特に有利である。なぜならば、
粒子110は、いかなる特殊な構成も必要とせず、低密度であることによりかかる液体流
および/または蒸気流130の中に容易に輸送され得るからである。
【0078】
さらなる一実施形態においては、型120の充填後に、粒子110が、圧力処理および
/または熱処理および/または蒸気処理にさらされる。特に好ましい一実施形態において
は、型120の充填後および圧力処理/熱処理/蒸気処理の前に、入口パイプ150(複
数可)、またはむしろ型120の入口開口(複数可)が、閉鎖される。圧力処理および/
または熱処理および/または蒸気処理により、発泡された材料からなる、複数の粒子11
0は、例えばそれらの表面が若干溶融することなどにより結合する。特に好ましい一実施
形態においては、粒子110は、圧力処理および/または熱処理および/または蒸気処理
により化学結合する。かかる結合は、特に恒久的かつ抵抗性のものとなり、接着剤などの
追加的な複合材料を不要とさせ得る。粒子間において生じる結合の厳密な特徴は、圧力処
理および/または熱処理および/または蒸気処理の、例えば圧力、温度、期間、および処
理等々の厳密なパラメータにより決定される。
【0079】
この方法のさらなる任意の一実施形態においては、輸送液体は、型120から部分的に
のみ除去されるか、または全く除去されない。残留液体は、自然に、あるいは上述の圧力
処理および/または熱処理および/または蒸気処理の影響下において、型120内で固化
する。したがって、輸送液体は、スポーツ衣料用の緩衝要素の製造において、材料および
製造費用をさらに削減させるさらなる機能を負うことができる。例えば、固化した輸送液
体は、緩衝要素の引裂き強度をさらに高めることが可能である。
【0080】
さらなる一実施形態においては、輸送液体および/または固化した液体は、さらに、圧
力処理および/または熱処理および/または蒸気処理の終了後に、圧力によりまたは緩衝
要素からの他の手段により、少なくとも部分的に溶解および/または溶融および/または
除去され得る。
【0081】
本明細書において説明される本発明による製造方法の様々な態様を組み合わせることに
より、方法およびかように製造された緩衝要素の特徴は、多数の点で影響を被り得る。
【0082】
本発明の一態様によるスポーツ衣料用の緩衝要素を製造するためのさらなる一方法20
0が、図2において概略的に示されるが、これは、発泡された材料からなる、ランダムに
配置された複数の粒子210で型220を充填するステップを含む。上述した実施形態1
00におけるのとやはり同様に、型220は、第1の部分222および第2の部分225
を備える。これにより、既述の製造プロセスの終了後の、部分222および225の両方
を相互に対して開くことによる型220からの緩衝要素の容易な取出しが可能となる。し
かし、本明細書に示す型220の構成は、一例としての役割を果たすに過ぎない点を、明
確に示しておく。この方法200は、単一の区分のみを有するまたは3つ以上の部分を有
する、別様に構成された型に対しても同様に適用し得る。同様のことが、図1に概略的に
示す製造方法に対しても当てはまる。
【0083】
方法200は、本発明に属する方法の好ましい実施形態において金属から作製される型
220の壁部の部分230を、この部分230の壁部に隣接する発泡された材料からなる
、複数の粒子の部分的なまたは完全な溶融を引き起こす温度にまで加熱するステップをさ
らに含む。好ましくは、型220の壁部の前記部分230は、電流がこの部分を流れるこ
とにより加熱される。例えば、1つまたは複数の導体螺旋が、壁部のこの部分230内に
配置され、電流が、この導体螺旋を通り流れて、型220の壁部を加熱することが可能で
ある。別の実施形態においては、電流の流れは、電磁誘導により誘発される。電流の流れ
が、型220の壁部の個別の部分230においてそれぞれ個別に選択的にオンおよびオフ
に切り替えられることにより、緩衝要素の種々のエリアが、単一の型220を用いて影響
を被り得る一実施形態が、特に好ましい。また、高温水/高温蒸気または他の手段を通し
流すことにより温度を上昇させるかあるいは後の冷却を行うための、例えば型220の空
洞部(図示せず)などによる温度制御に関する他のアプローチも考えられる。
【0084】
さらに、既に上述したようなランダムに配置された複数の粒子210が、型220内に
おいて圧力処理および/または熱処理および/または蒸気処理にさらされることも可能で
ある。
【0085】
本発明のさらなる一態様によれば、加熱される型220の壁部の少なくとも部分230
が、構造化表面を有する。この構造は、例えばハニカム形状、波形状、格子形状、リブ形
状、ジグザグ形状、または任意の他の様式による設計であることが可能である。型220
の壁部の加熱される部分230の構造を適切に選択することにより、緩衝要素の表面の対
応する部分の特徴が、所望に応じて影響を被ることが可能となる。したがって、例えば、
本明細書において説明される方法200は、シューソールとして設計された緩衝要素にあ
る構造を型押しするために利用することが可能である。これは、例えば、地面の上でのソ
ールの滑り抵抗を高めることができる。また、かかる構造は、例えば、構造または同様の
ものによる光学設計および装飾としての役割をより多く果たすことも可能である。
【0086】
既述の方法200のさらなる一実施形態においては、少なくとも部分的に溶融した粒子
が、冷却後に、緩衝要素を選択的に硬化させるように、さらに構成される。型220の壁
部の加熱された部分230のエリアに位置する粒子が部分的に溶融することと後の冷却と
の結果として、これらの粒子の強度は、型220の壁部の部分230から発散される熱に
より少なくとも部分的にすら溶融しなかった粒子に比較して上昇する。これは、このエリ
アにおける緩衝要素の剛直性の上昇をもたらす。したがって、特に、加熱されるように意
図され、上述のような構造を有するように設計された、型220の壁部の部分230と組
み合わされることにより、緩衝要素の挙動、特にその剛直性が、個別のエリアにおいて選
択的に影響を被ることが可能となる。
【0087】
図3および図4は、本明細書において説明される方法200により製造された緩衝要素
300および400の表面の設計例を示す。緩衝要素300は、個々のハニカム310と
、ハニカム310間に位置する細チャネル320とから構成される、ハニカム形状表面を
有する。例えば、ハニカム310により、例えば緩衝要素300がシューソールとして設
計された場合には、緩衝要素300のより大きな支持表面が与えられる。したがって、例
えば、チャネル320は、歩行時に変位される液体を吸収することが可能となり、これが
、かかるソールの滑り抵抗にプラスの影響をもたらす。
【0088】
他方で、緩衝要素400は、不規則な突出部410およびくぼみ部420から構成され
る表面を有する。
【0089】
緩衝要素300と比較した場合に、これにより、緩衝要素の表面の支持面積はより小さ
くなるが、また同時に、例えば液体変位を引き起こす能力を向上させる。
【0090】
さらに、緩衝要素300および400の表面の異なる設計が、異なる様式で緩衝要素の
剛直性に影響を及ぼす。
【0091】
要言すると、緩衝要素の表面構造およびその剛直性は、本明細書において説明される方
法200と、加熱されることとなる型220の壁部の部分230の構造の適切な選択とに
よって、多数の異なる様式で影響を被ることが可能となる。
【0092】
本発明のさらなる一態様は、型が、発泡された材料からなる、ランダムに配置された複
数の粒子で充填され、粒子が、液体マトリクス材料でさらに被覆されることにより、マト
リクス材料中における粒子の実質的に均一な分布を実現する、スポーツ衣料用の緩衝要素
を製造するための方法により構成される。例えば、液体ポリウレタン、すなわち液体PU
、または同等の特徴を有する材料が、液体マトリクス材料として議論となる。
【0093】
マトリクス材料の使用により、緩衝要素の特徴が実質的に一定となる確率が高まり、特
に材料中に欠陥が生ずるリスクが低下する。
【0094】
好ましい一実施形態においては、発泡された材料からなる、複数の粒子および/または
マトリクス材料は、圧力および/または熱および/または蒸気でさらに処理される。マト
リクス液体は、例えば、固化し、発泡された材料からなる、複数の粒子と結合し始めるこ
とが可能となる。さらに、これらは、上記において既述のように、例えば溶融によりまた
は好ましくは化学反応により、それらの間での結合し始めることが可能となる。したがっ
て、マトリクス液体は、2つの機能をとることができる。一方においては、マトリクス液
体は、型内において可能な限り均一となる材料の分布を促進し、他方においては、緩衝要
素の特徴に対してさらに影響を及ぼすことが可能である。したがって、固化したマトリク
ス液体は、例えば、緩衝要素の引裂き強度を高めることが可能であり、または、非常に薄
く軽量の緩衝要素を製造するために使用することが可能である。マトリクス材料の量と発
泡された材料からなる、複数の粒子の量との間の関係に応じて、および使用される材料に
応じて、種々の可能な設計によって緩衝要素が得られる。
【0095】
図5は、固化したマトリクス材料520中に実質的に均一に配置されるランダムに配置
された複数の粒子510を有する、本明細書において説明される方法によりミッドソール
として設計される緩衝要素の一実施形態を示す。かように製造されたミッドソール500
は、高い引裂き強度および変形能力を有しつつ、非常に極薄であり非常に軽量である。図
5に示す実施形態においては、液体PUが、マトリクス材料として使用された。
【0096】
本発明の一態様による緩衝要素を製造するためのさらなる方法600が、図6において
概略的に示される。この方法は、図6に示す例においては相互に対して移動され得るネガ
型620およびスタンプ630から構成される、型の中に機能要素640を配置するステ
ップを含む。しかし、上述の本発明に属する方法の実施形態と同様に、図6に示す型の設
計は、専ら一例として見なされるべきである。例えば、機能要素640は、針の上に固定
され、それと共に型620、630内に配置することが可能である。
【0097】
この段階では、本明細書において説明される全ての方法が、追加の機能要素等々を用い
ることなく緩衝要素を製造するために実施され得る点と、かかる実施形態がやはり本発明
の態様に相当するものである点とを、明確に示しておく。本明細書において詳細に説明さ
れるこれらの方法は、可能な適用分野および実施形態の概観を当業者に提供するための例
示としての役割を果たすに過ぎない。
【0098】
さらに、方法600は、図6の上方部分に概略的に示されるように、型中の少なくとも
2つの開口625、635を通して発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数
の粒子610で型を充填するステップ602を含む。少なくとも2つの開口625、63
5は、型の充填602の終了後に閉鎖されることが好ましい。
【0099】
特に好ましい一実施形態においては、少なくとも2つの開口625、632は、発泡さ
れた材料からなる、充填される粒子610が少なくとも2つの異なる側から機能要素64
0を囲むように、配置される。これにより、機能要素640の周囲における粒子610の
実質的に均一な分布が保証され、したがって緩衝要素の材料中における欠陥形成のリスク
が低下する。機能要素640の形状およびサイズによっては、特に機能要素640が平坦
設計を有する場合に、型内において可能な限り均一となる粒子610の分布が保証される
ように、型を充填するために3つ以上の開口を使用することが、および/または開口の位
置を変更することが、有利となる可能性がある。
【0100】
任意には、方法600は、ネガ型620の方向にスタンプ630を移動させることによ
り、型内に充填される粒子610を圧縮するステップ605をさらに含む。かかるステッ
プの結果が、図6の下方部分に概略的に示される。この圧縮605は、発泡された材料か
らなる、複数の粒子610の密度を、したがってまた既述の方法を利用して製造される緩
衝要素の密度を上昇させる。さらに、このステップは、緩衝要素の厚さを薄くする役割を
果たし得る。
【0101】
さらに、本明細書において説明される方法600は、本発明の他の態様による製造方法
との関連において既に上述したように、圧力および/または蒸気および/または熱を用い
て型内の粒子610を処理することを含むことが可能である。
【0102】
直前に説明した方法600の特に好ましい一実施形態においては、さらに型620、6
30により、型620、630の壁部の部分は、上述のように、壁部の部分に隣接する発
泡された材料からなる、複数の粒子を少なくとも部分的に溶融させる温度にまで選択的に
加熱され得る。
【0103】
さらなる一実施形態においては、機能要素は、その一部に、本明細書において説明され
るように液体マトリクス材料を用いて型内の発泡された材料からなる、複数の粒子を被覆
することにより製造された緩衝要素を備える。
【0104】
また、本明細書において説明される製造方法の個別の態様が、可能な限り相互に組み合
され得る点と、かかる組み合わされた方法が、本発明の主題に明らかに属するものである
点とを、概して指摘しておく。説明される方法の個別のステップは、それらが所望の機能
を有する緩衝要素の製造に必要ではない限りにおいては、省略し得る点を再度指摘してお
く。また、かかる変更された方法もやはり、本発明の態様に相当する。さらに、本発明の
一方法の実施形態により製造される緩衝要素およびかかる緩衝要素を備えるスポーツ衣料
は、やはり本発明の一部を構成する。
【0105】
図7は、本発明のさらなる一態様に相当する、緩衝要素を製造するための直前で説明し
た方法のさらなる一変形例700を示す。方法600とは対照的に、方法700において
は、図7の上部部分において概略的に示されるように、型内に機能要素740を配置した
後に、発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子710で型を充填する
こと702が、型の異なる複数の可動部分720、730間の少なくとも2つの開口72
5を介して目下行われている。本明細書において説明されるこの方法においては、型は、
型の充填702後に、型の部分720、730を相互方向へと移動する705ことにより
、閉鎖される。これにより、型内に配置されたランダムに配置された複数の粒子710は
、型のこれらの2つの部分720、730が相互方向にどの程度移動されるかに応じて、
必要な場合にはさらに圧縮される。このステップの結果が、図7の下部部分に概略的に示
される。
【0106】
また、この場合に、少なくとも2つの開口725は、型内における粒子710の可能な
限り均一な分布を達成するために、および緩衝要素における欠陥の発生を可能な限り回避
するために、粒子710が少なくとも2つの側から機能要素740を囲むように、配置さ
れることが好ましい。
【0107】
図10および図11は、緩衝要素を製造するための方法のさらなる実施形態1000、
1100を示す。
【0108】
図10に概略的に示す方法1000においては、初めに、任意ステップにおいて、機能
要素1040が、型内に配置される。図10に示す型は、可動スタンプ1020およびネ
ガ型1030を備える。さらなるステップにおいて、型は、可動スタンプ1020中の種
々の位置の2つ以上の開口を通して発泡された材料1010の粒子で充填される。充填後
に、充填1010を行うために使用された開口が、好ましくは閉鎖される。さらなる任意
ステップにおいて、スタンプ1020は、ネガ型1030の方向へとさらに移動され、さ
らには型が、そのようにして閉鎖され得る。これにより、型内に配置された発泡された材
料からなる、複数の粒子の圧縮が実現される。その後、発泡された材料からなる、複数の
粒子は、例えばさらなる圧力処理/蒸気処理/熱処理などにさらされ得る、型の壁部の一
部分が加熱され得る、等々となる。
【0109】
図11に概略的に示す方法1100においては、初めに、任意ステップにおいて、機能
要素1140が、やはり型内に配置される。しかし、図11に示す例における型は、2つ
の(またはさらにそれ以上の)可動スタンプ1120、1125を備え、これらは、相互
に対して移動可能である。型は、1つまたは複数の静止部分1130および1135をさ
らに備える。この場合に、型は、例えば可動スタンプ1120、1125中の開口を通し
て発泡された材料からなる、複数の粒子で充填する1110ことも可能である。しかし、
本発明に属する本明細書において説明される方法のさらなる一実施形態においては、例え
ば、初めに型から下方スタンプ1125をさらに外方へと移動させ、次いで上方から型内
に粒子を充填することなども可能である。これにより、初めに、例えば、型を転換する必
要性を伴わず、したがってそれにより下方からも粒子で充填することが可能になるため、
製造されることとなるソールの下面付近に配置されることとなる機能要素1140が、粒
子により十分に囲まれ得る。型が、このように充填されるとすぐに、下方スタンプ112
5は、機能要素1140に対してその最終位置をとるまで、さらに上方へと、すなわち型
内に移動され得る。好ましい一実施形態においては、このとき、下方スタンプと機能要素
1140との間に位置し得る発泡された材料からなる、余剰粒子が、さらなる開口を有す
る下方スタンプ1125を装填することにより、側部および/または上方へと押しやられ
る。その後、型は、さらに充填および/または閉鎖することが可能であり、緩衝要素が、
複数回にわたって既述のように製造され得る。したがって、図11に概略的に示すおよび
本明細書において論じる方法は、製造のために使用されるマシンを転換する必要性を伴わ
ずに、多数の異なる設計の機能要素との組合せにおいて緩衝要素を製造することを可能に
する。
【0110】
上述の方法600、700、1000、1100の好ましい一実施形態においては、機
能要素640、740、1040、1140は、フォイルを、特に好ましくは熱可塑性ウ
レタンを含むフォイルを備える。かかるフォイルとして提供される機能要素640、74
0、1040、1140は、特に、緩衝要素の表面特徴および寸法安定性に対して影響を
及ぼすために使用され得る。
【0111】
このために、フォイルは、一方においては、例えば光学設計を目的としてなど、外部に
おいて緩衝要素を囲み、ならびに、例えば安定性の向上を目的として等、緩衝要素内に配
置され得る。上記で他の機能要素640、740、1040、1140との関連において
既述したように、フォイルは、型内に挿入され得る。代替的には、フォイルは、型の表面
に対してぴったりと位置するように、型内に挿入することも可能である。例えば、フォイ
ルは、型内への挿入前に深絞り成形されていることが可能である。この場合には、粒子は
、ある種のフォイルシェル内に注がれ、それにより、フォイルは、完成した緩衝要素にお
いては緩衝要素を囲む。
【0112】
さらに、両変形例を組み合わせることが、すなわち、フォイルを緩衝要素のカバーとし
て、ならびに緩衝要素内の機能要素として使用することが可能である。
【0113】
特に、フォイルは、緩衝要素に対して閉鎖表面構造を与え得る。これは、緩衝要素の耐
久性を高めるかまたは装飾目的を果たすのに有用となり得る。また、フォイルは、例えば
緩衝要素がシューズのソールにおいて使用される場合には歩行時になど、使用時に、緩衝
要素の発泡された材料の移動および膨張を制御する「機能スキン」としての役割も果たし
得る。また、フォイルは、防水性を有し、例えばかかるフォイルを有する緩衝要素を備え
るシューズまたは衣類内への水の侵入などを防止する、通気性膜であってもよい。
【0114】
フォイルは、例えば、ある領域において緩衝要素の発泡された材料を包囲するために、
したがってその領域において発泡された材料の膨張および/または移動を制限するために
、使用することが可能である。これは、高い安定性が重要となる領域においては望ましい
ものとなり得る。
【0115】
他方において、フォイルは、すぐにより詳細に説明するように、例えばシューソールの
つま先領域においてなど、例えば発泡された材料のエネルギー回収能力の高さを有益に利
用すべき領域などにおいて、発泡された材料の移動および膨張がより大きな度合いまで可
能となる「自由」領域を形成するために使用することも可能である。
【0116】
図12は、図6に示す本発明の方法600の実施形態の一変形例1200を示す。図6
に関連して示される全ての説明および考察が、図12に示す実施形態1200に対しても
同様に該当する。
【0117】
上記で論じたように、図6の機能要素640が、フォイル1240を備えることが可能
である。さらに、フォイル1240は、図12に図示するように、第2の発泡された材料
からなる、ランダムに配置された複数の粒子1245を収用する容器1240または「バ
ッグ」として提供されることが可能である。
【0118】
本明細書に記載される機能要素640、740、1040、1140のいずれもが、か
かるフォイル1240、特に第2の発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数
の粒子1245を収用する容器1240として提供されるフォイル1240を備えること
が可能である点を、ここで明示的に述べておく。
【0119】
さらに、かかる容器は、明示的に記載されない場合であっても、本明細書において説明
されるまたは当業者により想起される、本発明の任意の実施形態または態様と共に使用さ
れてもよい。
【0120】
第2の発泡された材料は、これまでに述べた緩衝要素の発泡された材料と同一であって
もよい(以降においては単に「発泡された材料」と呼ぶ)。しかし、第2の発泡された材
料は、発泡された材料とは異なることもまた可能である。第2の発泡された材料からなる
、複数の粒子1245用に可能な材料には、発泡された材料からなる、複数の粒子110
、210、510、610、710、1010、および1110に関連して既に述べた材
料が含まれる。
【0121】
かかる容器1240により、専用の型620、630を必要とすることなく、緩衝要素
中の多数の異なる形状の領域に第2の発泡された材料からなる、ランダムに配置された複
数の粒子1245を配置することが可能となる。容器1245は、例えば事前に形状設定
されることが可能であり、この事前形状設定により、緩衝要素内に粒子1245を備える
領域の配置および形状が制御される。特に、これにより、単純な製造プロセスにおいて緩
衝要素内に第2の発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子1245を
配置することが可能となる。また、例えば、これにより、例えばシューズの着用者の足に
対して特に有益なエネルギー回収、緩衝、または安定性等々を与える入口/インサートな
ど、ソールの前足部領域または踵領域に入口またはインサートを設けることなどが可能と
なる。
【0122】
容器1240を形成するフォイル1240は、第2の発泡された材料からなる、複数の
粒子1245が、好ましくは緩衝要素の発泡された材料からなる、複数の粒子610と共
に、型620、630内において圧力および/または熱および/または蒸気でやはり処理
され得るように、例えば多孔性であってもよく、穿孔を有してもよく、メッシュ状構造を
備えてもよく、あるいは異なる態様で熱および/または蒸気に対して透過性を有してもよ
い。この場合に、フォイル1240および容器1240の可能な開口は、第2の発泡され
た材料からなる、複数の粒子1245および好ましくはさらに発泡された材料からなる、
複数の粒子610がそれらの開口を通過することが不可能となるのに十分な小ささである
べきである。
【0123】
かかるプロセスにおいて、フォイル1240は、分解することにより、発泡された材料
からなる、ランダムに配置された複数の粒子610と第2の材料のランダムに配置された
複数の粒子1245とが直接結合を形成し得るようにしてもよい。または、分解したフォ
イル1240が、結合剤としての役割を果たしてもよい。しかし、また、フォイル124
0は、緩衝要素内に留まってもよい。したがって、フォイル1240は、発泡された材料
からなる、複数の粒子610と第2の発泡された材料からなる、複数の粒子1245との
間の繋ぎとしての役割を果たしてもよい。また、この場合には、フォイル1240は、例
えば上述のような「機能スキン」としての役割を果たすなど、さらなる機能性を示しても
よい。
【0124】
例えば、第2の発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子1245の
密度が、発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子610の密度よりも
高いことと、第2の発泡された材料からなる、複数の粒子1245を囲むフォイル124
0が、緩衝要素内の第2の発泡された材料の移動および膨張をやはり制限することにより
、安定性の高い領域が形成されることとが、可能である。粒子1245は、例えば、型6
20、630内への挿入前に、容器1240内へと加圧下において圧縮されることにより
、より高い密度を実現し得る。
【0125】
また、第2の発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子1245の密
度が、発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子610の密度よりも低
いことも可能である。粒子1245は、例えば、型620、630内に挿入された容器1
240内に緩く配置されることにより、より低い密度を実現し得る。したがって、緩衝要
素内において本質的に任意の所望の形状および/または位置で設けられる領域が、緩衝要
素内に形成され得る。この領域においては、第2の発泡された材料からなる、複数の粒子
1245が、「解放される」ことにより、これらの粒子1245のより顕著な移動および
膨張と、例えば歩行中の踏切り時などにユーザへの高いエネルギー回収とが可能となる。
【0126】
別の実施形態においては、機能要素640、470は、発泡された材料からなる、複数
の粒子を含まないことにより、特に機能要素は、発泡された材料からなる、複数の粒子と
の間における化学的結合を開始しなくなる。これは、例えば、後に緩衝要素から機能要素
を取り除くか、または例えば電源を備える電子要素などの機能要素を置換する可能性が存
在することとなるため、機能要素にとっては有利となる。かかる機能要素のさらなる例は
、補強要素またはアウトソール要素または同様の何かであることが可能である。
【0127】
既述のように、緩衝要素の特徴は、本明細書において説明される方法の種々の態様の組
合せにより、および/または各プロセスパラメータ(例えば圧力、期間、温度、型の区画
数、等々)の変化により、および/または使用される型の種々の構成により、多数の異な
る様式で影響を被ることが可能となる。
【0128】
本発明のさらなる一態様によれば、本明細書において説明される方法の中の1つを利用
して製造された緩衝要素の特徴が、発泡された材料からなる、複数の粒子の適切な選択に
よってさらに影響を被ることが可能となる。
【0129】
特に、原料および/またはサイズおよび/または密度および/または色において異なる
少なくとも2つの種類の粒子の混合物を含む、発泡された材料からなる、複数の粒子を、
本明細書において説明される方法において使用することが可能である。特に、以下の材料
の中の1つまたは複数、すなわち、発泡エチレン酢酸ビニル、発泡熱可塑性ウレタン、発
泡ポリプロピレン、発泡ポリアミド、発泡ポリエーテルブロックアミド、発泡ポリオキシ
メチレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリオキシエチレン、発泡エチレ
ンプロピレンジエンモノマーを、原料として見なすことが可能である。
【0130】
原料の選択および粒子の設計に応じて、ならびに複数の異なる粒子タイプから構成され
る混合物を使用する場合の混合比に応じて、ならびに製造パラメータに応じて、製造され
る緩衝要素の異なる特徴が得られる。
【0131】
複数回にわたり既述したように、本明細書において説明される製造方法は、さらに、特
に有利には、シューズ用のソール、特にスポーツシューズ用のミッドソールの製造におい
て使用される。
【0132】
本発明のさらなる一態様に相当する自動製作設備800の一実施形態が、図8に図示さ
れる。かかる自動製作設備800に従い、緩衝要素が、本明細書において説明される製造
方法の1つまたは複数あるいはそれらの組合せにより大部分は自動的に製造され得る。こ
のために、自動製作設備800は、好ましくは複数のステーションを有する。1つまたは
複数の実施形態においては、自動製作設備800は、以下のステーション、すなわち、型
内に機能要素を配置するためのステーション805、発泡された材料からなる、複数の粒
子で型を充填するための充填ステーション810、蒸気ステーション820、825、熱
処理ステーション830、冷却ステーション840、安定化ステーション850、および
取外しステーション860の中の少なくとも2つを有する。
【0133】
本明細書において説明される製造方法のいずれの態様が、自動製作設備800に従った
個別の場合に該当するかに応じて、個々のステーション805、801、820、825
、830、840、850、860の全てまたはそれらの中の特定の個数のみが、通過を
受ける。本明細書において説明される製造方法の1つの利点は、工作物が、全くまたは非
常にごくまれにのみ、型からの取外しおよび新たな型内への配置を必要とする点である。
これにより、型が発泡された材料からなる、複数の粒子を受けるために自動製作設備80
0のあるステーションから次のステーションへと移動される、自動製作が可能となる。こ
の前進移動は、手動的および自動的の両方により、および/またはコンピュータの制御下
において、行うことが可能である。例えば、コンピュータ制御される前進移動は、個々の
ステーション805、810、820、825、830、840、850、860の利用
率の上昇と、生産能力の向上とをもたらし得る。さらに、製作プロセスにおけるエラーが
、これにより回避され得る。さらに、自動製作設備800は、例えば製造された緩衝要素
の後処理、完成品のスポーツ衣料へと向かうさらなる処理、自動検査および最終品質管理
、ならびに商品の包装および宛名書きなどの、一連のさらなる処理ステップ870を実施
することが可能である。
【0134】
図9において概略的に示され、一連の種々のステーション910、920、930を有
する、本発明に属する自動製作設備800の別の実施形態は、コンピュータ制御の態様で
極めて多数の型930から発泡された材料からなる、複数の粒子を受けるための型を選択
する。これにより、顧客の希望および必要に応じて個別に製造される緩衝要素をカスタマ
イズすることが可能となり、またはむしろ、前記顧客が自分自身で極めて多数の可能な設
計から選択を行うことが可能となり、そこから、顧客が所望する緩衝要素が、自動的に製
造され、場合によってはさらに上記において既に説明したように処理される。
【0135】
顧客は、例えば、所望の緩衝要素の、またはむしろ緩衝要素を備えるスポーツ用具の、
形状、機能要素、色、サイズ等々を選択することが可能である。顧客が例えば自宅におい
てコンピュータ上でまたはスポーツショップもしくはスポーツウェアショップにおいて選
択を行うことが可能であり、例えばインターネットもしくは他の通信媒体を介してまたは
データキャリアの補助により自動製作設備900に対して自身の選択を通信もしくは送信
することが可能であり、次いでこれにより所望の製品の製造(およびさらには必要な場合
にはそのさらなる処理、包装、発送、等々)が行われる、一実施形態が特に好ましい。ソ
ールの具体的な特徴(例えばシューズの複数部分におけるさらなる緩衝、シューズの他の
部分におけるより硬質のソールなど)を顧客が選択することにより、例えば、自動製作設
備900は、製造時に正確な材料、正確な機能要素、正確な型、正確な粒径および粒子密
度、等々を自動的に選択することが可能であり、次いで、緩衝要素または各最終製品全体
を自動的に製造する。
【0136】
以下、本発明の理解を促すために、さらなる例を説明する。
1.発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子からスポーツ衣料
用の緩衝要素を製造するための方法であって、
a.発泡された材料からなる、複数の粒子で型を充填するステップ
を含み、
b.粒子は、輸送液体流および/または蒸気流中において型内に充填される、
方法。
2.発泡された材料からなる、複数の粒子は、圧力および/または熱および/また
は蒸気により型内において処理される、例1に記載の方法。
3.発泡された材料からなる、複数の粒子は、加圧下において型内に充填される、
例1または例2に記載の方法。
4.圧力および/または熱および/または蒸気による処理の前に、輸送液体は、型
から少なくとも部分的に除去される、例2または例3に記載の方法。
5.型内に留まる輸送液体が、圧力処理および/または熱処理および/または蒸気
処理の影響下で固化する、例2から例4のいずれか1つに記載の方法。
6.圧力処理および/または熱処理および/または蒸気処理の終了後に、液体およ
び/または固化した液体は、緩衝要素からの圧力により、少なくとも部分的に溶解するお
よび/または溶融するおよび/または除去される、例2から例5のいずれか1つに記載の
方法。
7.発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子からスポーツ衣料
用の緩衝要素を製造するための方法であって、
a.発泡された材料からなる、複数の粒子で型を充填するステップと、
b.型の壁部の少なくとも一部分を、型の壁部のこの部分に隣接して位置する
発泡された材料からなる、複数の粒子を少なくとも部分的にまたは全て溶融する温度にま
で加熱するステップと
を含む、方法。
8.発泡された材料からなる、複数の粒子は、圧力および/または熱および/また
は蒸気により型内において処理される、例7に記載の方法。
9.ステップbにおいて加熱される型の壁部の少なくとも前記部分は、構造化表面
を有する、例7または例8に記載の方法。
10.少なくとも部分的に溶融される粒子は、冷却後に、緩衝要素を選択的に硬化
させるように構成される、例7から例9のいずれか1つに記載の方法。
11.発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子からスポーツ衣
料用の緩衝要素を製造するための方法であって、
a.発泡された材料からなる、複数の粒子で型を充填するステップと、
b.液体マトリクス材料で発泡された材料からなる、複数の粒子を被覆するこ
とにより、マトリクス材料内における粒子の実質的に均一な分布を実現するステップと
を含む、方法。
12.発泡された材料からなる、複数の粒子および/またはマトリクス材料は、圧
力および/または熱および/または蒸気によりさらに処理される、例11に記載の方法。
13.発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子からスポーツ衣
料用の緩衝要素を製造するための方法であって、
a.型内に機能要素を配置するステップと、
b.発泡された材料からなる、複数の粒子で型を充填するステップと
を含み、
c1.充填は、型内の少なくとも2つの開口を介して行われる、および/また

c2.充填は、型の異なる複数の可動部分の間で行われる、方法。
14.発泡された材料からなる、複数の粒子は、型内において圧力および/または
熱および/または蒸気により処理される、例13に記載の方法。
15.少なくとも2つの開口は、発泡された材料からなり、充填される複数の粒子
が、少なくとも2つの異なる側から機能要素を囲むような態様で配置される、例13また
は例14に記載の方法。
16.機能要素は、例11または例12の方法により製造された緩衝要素を備える
、例13から例15のいずれか1つに記載の方法。
17.機能要素は、フォイル、特に熱可塑性ウレタンを含むフォイルを備える、例
13から例16のいずれか1つに記載の方法。
18.フォイルは、第2の発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の
粒子を収用する容器として提供される、前述の例17に記載の方法。
19.機能要素は、発泡された材料からなる、複数の粒子を含まない、例13から
例15または例17から例18のいずれか1つに記載の方法。
20.発泡された材料からなる、複数の粒子および/または第2の発泡された材料
からなる、複数の粒子は、原料および/またはサイズおよび/または密度および/または
色において異なる少なくとも2つの異なる種類の粒子の混合物を含む、先述の例1から例
19のいずれか1つに記載の方法。
21.発泡された材料からなる、複数の粒子および/または第2の発泡された材料
からなる、複数の粒子は、以下の材料、すなわち、発泡エチレン酢酸ビニル、発泡熱可塑
性ウレタン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリアミド、発泡ポリエーテルブロックアミド、
発泡ポリオキシメチレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリオキシエチレ
ン、発泡エチレンプロピレンジエンモノマーの中の1つまたは複数を含む、先述の例1か
ら例20のいずれか1つに記載の方法。
22.緩衝要素は、シューズ用のソールの一部分として提供される、先述の例1か
ら例21のいずれか1つに記載の方法。
23.方法の個別のステップが、自動製作設備の2つ以上のステーションにおいて
行われる、先述の例1から例22のいずれか1つに記載の方法。
24.自動製作設備は、以下のステーション、すなわち、型内に機能要素を配置す
るためのステーション、発泡された材料からなる、複数の粒子で型を充填するための充填
ステーション、蒸気ステーション、熱処理ステーション、冷却ステーション、安定化ステ
ーション、および取外しステーションの中の少なくとも2つを備える、例23に記載の方
法。
25.発泡された材料からなる、複数の粒子で充填されることとなる型は、自動的
におよび/またはコンピュータの制御下において、自動製作設備のあるステーションから
次のステーションへと移動される、例23または例24に記載の方法。
26.製作設備は、コンピュータの制御下において複数の型から発泡された材料か
らなる、複数の粒子で充填されるべき型を選択する、例23から例25のいずれか1つに
記載の方法。
【符号の説明】
【0137】
100 方法
110 発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子
120 型
122 第1の部分
125 第2の部分
130 輸送液体流および/または蒸気流
140 収集槽
150 入口パイプ
200 方法
210 発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子
220 型
222 第1の部分
225 第2の部分
230 部分
300 緩衝要素
310 ハニカム
320 細チャネル
400 緩衝要素
410 不規則な突出部
420 不規則なくぼみ部
500 ミッドソール
510 ランダムに配置された複数の粒子
520 固化したマトリクス材料
600 方法
602 充填
605 圧縮
610 発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子
620 ネガ型、型
625 開口
630 スタンプ、型
635 開口
640 機能要素
700 方法
702 型の充填
705 移動
710 発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子
720 部分
725 開口
730 部分
740 機能要素
800 自動製作設備
805 型内に機能要素を配置するためのステーション
810 発泡された材料からなる、複数の粒子で型を充填するための充填ステーション
820 蒸気ステーション
825 蒸気ステーション
830 熱処理ステーション
840 冷却ステーション
850 安定化ステーション
860 取外しステーション
870 一連のさらなる処理ステップ
900 自動製作設備
910 ステーション
920 ステーション
930 ステーション
1000 方法
1010 発泡された材料
1020 可動スタンプ
1030 ネガ型
1040 機能要素
1100 方法
1110 充填
1120 可動スタンプ
1125 可動スタンプ
1130 静止部分
1135 静止部分
1140 機能要素
1200 方法600の実施形態の一変形例
1240 フォイル
1245 第2の発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-01-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子(110、210、510、610、710、1010、1110)からスポーツ衣料用の緩衝要素を製造するための方法であって、
a.型(120、122、125、220、222、225、620、630、720、730、1020、1030、1120、1125、1130、1135)内に機能要素(640、740、1040、1140、1240)を前記型に接触しないように配置するステップと、
b.前記発泡された材料からなる、前記複数の粒子(110、210、510、610、710、1010、1110)で前記型(120、122、125、220、222、225、620、630、720、730、1020、1030、1120、1125、1130、1135)を充填するステップと
を含み、
c1.前記充填するステップは、前記型(620、630、1020、1120)内の少なくとも2つの開口(625、635)を介して行われる、および/または
c2.前記充填するステップは、前記型の異なる複数の可動部分(122、125、222、225、720、730、1020、1120、1125)の間で行われ、
前記機能要素(640、740、1040、1140、1240)は、前記型内への配置前に、接着剤で被覆される、方法。
【請求項2】
前記発泡された材料からなる、前記複数の粒子(110、210、510、610、710、1010、1110)は、圧力および/または熱および/または蒸気により前記型(120、122、125,220、222、225、620、630、720、730、1020、1030、1120、1125、1130、1135)内において処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記機能要素(640、740、1040、1140、1240)は、フォイル(1240)、特に熱可塑性ウレタンを含むフォイル(1240)を備える、請求項1から2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記フォイル(1240)は、第2の発泡された材料からなる、ランダムに配置された複数の粒子(1245)を収容する容器(1240)として提供される、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記機能要素(640、740、1040、1140、1240)は、前記発泡された材料からなる、前記複数の粒子(110、210、510、610、710、1010、1110)を含まない、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の粒子(110、210、510、610、710、1010、1110)は、輸送液体の流れ(130)および/または蒸気の流れ(130)内において前記型(120、122、125、220、222、225、620、630、720、730、1020、1030、1120、1125、1130、1135)内へと充填される、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
圧力および/または熱および/または蒸気による処理の前に、前記輸送液体は、前記型(120、122、125、220、222、225、620、630、720、730、1020、1030、1120、1125、1130、1135)から少なくとも部分的に除去される、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記型(120、122、125、220、222、225、620、630、720、730、1020、1030、1120、1125、1130、1135)内に残留する前記輸送液体は、前記圧力処理および/または前記熱処理および/または前記蒸気処理の影響下において固化する、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記圧力処理および/または前記熱処理および/または前記蒸気処理の終了後に、前記液体および/または前記固化した液体は、前記緩衝要素(300、400、500)からの圧力により少なくとも部分的に溶解する、および/または溶融する、および/または除去される、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記型(120、122、125、220、222、225、620、630、720、730、1020、1030、1120、1125、1130、1135)の壁部の少なくとも一部分(230)を、前記型(120、122、125、220、222、225、620、630、720、730、1020、1030、1120、1125、1130、1135)の前記壁部の前記部分(230)に隣接して位置する前記発泡された材料からなる、前記複数の粒子(110、210、510、610、710、1010、1110)を少なくとも部分的にまたは完全に溶融する温度にまで加熱するステップをさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
液体マトリクス材料で前記発泡された材料からなる、前記複数の粒子(110、210、510、610、710、1010、1110)を被覆することにより、前記液体マトリクス材料内における前記粒子(110、210、510、610、710、1010、1110)の実質的に均一な分布を実現するステップをさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記発泡された材料からなる、前記複数の粒子(110、210、510、610、710、1010、1110)および/または第2の発泡された材料からなる、前記複数の粒子(1245)は、原料および/またはサイズおよび/または密度および/または色において異なる、少なくとも2つの異なる種類の粒子の混合物を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記方法の前記各ステップは、自動製作設備(800、900)の2つ以上のステーション(805、810、820、825、830、840、850、860、910、920)において行われる、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも2つの開口(625、635、725)は、前記発泡された材料からなる、前記充填される前記複数の粒子(110、210、510、610、710、1010、1110)が、少なくとも2つの異なる側から前記機能要素(640、740、1040、1140、1240)を囲むような態様で配置される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。