(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037188
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】保管および取り出しシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20220301BHJP
【FI】
B65G1/04 555A
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021209265
(22)【出願日】2021-12-23
(62)【分割の表示】P 2020114436の分割
【原出願日】2015-12-14
(31)【優先権主張番号】62/091,162
(32)【優先日】2014-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/966,978
(32)【優先日】2015-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513150764
【氏名又は名称】シムボティック エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パンクラトフ、キリル ケイ
(72)【発明者】
【氏名】スウィート、ラリー エム
(72)【発明者】
【氏名】コンラッド、ユルゲン ディー
(72)【発明者】
【氏名】キーティング、ジョン エフ
(72)【発明者】
【氏名】ゲイツ、マット
(57)【要約】 (修正有)
【課題】保管および取り出しシステム内の保管密度を増加させる。
【解決手段】自動保管および取り出しシステムの保管アレイは、取り出し通路に沿ってラック上に配列された保管スペースと、少なくとも1つのデッキが各通路と連通する複数レベル130L1、130L2のデッキとを含み、デッキおよび通路は、デッキの各レベル130L1、130L2での自律搬送車両の転動面を画定するように構成され、それぞれの通路の部分について、ラックレベル130L1、130L2間の垂直方向のピッチP1、P2が変動し、自律搬送車両が共通の通路経路で順序付けられたシーケンスの複数の取り出しをもたらすように、それぞれの通路の別の通路部分の、少なくとも2つの他のラックレベル130L1、130L2間の別の垂直方向のピッチP1、P2に関連付けられる。
【選択図】
図1E
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動保管および取り出しシステムの保管アレイであって、前記保管アレイは、
それぞれが積み重ねられた通路レベルに配置された、複数の積み重ねられた取り出し通路と、
前記積み重ねられた取り出し通路に沿ってラック上に配列された保管スペースと、
前記積み重ねられた取り出し通路のそれぞれと連通する、少なくとも1つのデッキと
を備え、
前記少なくとも1つのデッキおよび前記積み重ねられた取り出し通路のうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つのデッキの各レベルでの自律搬送車両の搬送面を画定するように構成され、
前記少なくとも1つのデッキの各レベルで少なくとも1つの取り出し通路に沿うラックは、複数のラックレベルに共通するそれぞれの搬送面からアクセスされる複数のラックレベルにあり、
ラックレベル間の垂直方向のピッチは、それぞれの取り出し通路の部分によって変動し、
それぞれの前記取り出し通路の部分の、少なくとも2つのラックレベル間の前記垂直方向のピッチは、順序付けられたシーケンスでの、前記自律搬送車両による処理量を最大化するための、所定の取り出し順序基準に基づいて、各取り出し通路の別の取り出し通路部分の少なくとも2つの他のラックレベルの間となる、別の垂直方向のピッチに関連付けられている、保管アレイ。
【請求項2】
最大化される処理量は、前記少なくとも1つのデッキの共通のレベルでの、1または複数の各取り出し通路の共通の経路における、順序付けられたシーケンスでの複数の取り出しをもたらす、前記自律搬送車両によって決定される、請求項1に記載の保管アレイ。
【請求項3】
前記自律搬送車両が、1または複数の各取り出し通路の共通の経路において混合ケースの複数の取り出しをもたらす、請求項1記載の保管アレイ。
【請求項4】
前記少なくとも1つのデッキが、前記取り出し通路の両端に配置される、請求項1記載の保管アレイ。
【請求項5】
前記少なくとも1つのデッキにより画定される前記搬送面の部分は、前記搬送面を横切る、および前記搬送面に沿った、前記自律搬送車両の非決定的な行き来のために構成される、請求項1記載の保管アレイ。
【請求項6】
前記少なくとも1つのデッキと連通する1または複数の垂直リフトをさらに備え、前記1または複数の垂直リフトは、少なくとも部分的に、前記保管スペースへおよび前記保管スペースから保管される品物を移送するように構成される、請求項1記載の保管アレイ。
【請求項7】
前記複数のラックレベルのそれぞれが、前記複数のラックレベルのそれぞれでのピックフェースの動的な割り当てを容易にする、開放した非決定的な保管面を画定する、請求項1記載の保管アレイ。
【請求項8】
前記少なくとも1つのデッキが、前記ラックレベルの前記垂直方向のピッチの整数倍ではないピッチで配置される複数レベルのデッキを含んでいる、請求項1記載の保管アレイ。
【請求項9】
自動保管および取り出しシステムの保管アレイであって、前記保管アレイは、
積み重ねられた通路レベルに配置された、複数の積み重ねられた取り出し通路と、
前記積み重ねられた取り出し通路のそれぞれに沿ってラック上に配列された保管スペースと、
各通路レベル上で前記積み重ねられた取り出し通路のそれぞれと連通する、少なくとも1つのデッキと
を備え、
前記少なくとも1つのデッキおよび前記積み重ねられた取り出し通路のうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つのデッキの各レベルでの自律搬送車両の搬送面を画定するように構成され、
前記少なくとも1つのデッキの各レベルで少なくとも1つの取り出し通路に沿うラックは、複数のラックレベルに共通するそれぞれの搬送面からアクセスされる複数のラックレベルにあり、
ラックレベル間の垂直方向のピッチは、それぞれの取り出し通路の部分によって変動し、
それぞれの前記取り出し通路の部分の、少なくとも2つのラックレベル間の前記垂直方向のピッチは、共通の搬送面からアクセスされる1または複数の取り出し通路それぞれの、別の取り出し通路部分の少なくとも2つの他のラックレベルの間となる、別の垂直方向のピッチに関連付けられており、前記垂直方向のピッチおよび前記別の垂直方向のピッチによって、処理量が最大化され、前記共通の搬送面からアクセスされる、積み重ねられた通路レベルの垂直方向のスペースが、保管された品物により実質的に埋められる、保管アレイ。
【請求項10】
前記少なくとも1つのデッキが、前記取り出し通路の両端に配置される、請求項9記載の保管アレイ。
【請求項11】
前記少なくとも1つのデッキにより画定される前記搬送面の部分は、前記搬送面を横切る、および前記搬送面に沿った、前記自律搬送車両の非決定的な行き来のために構成される、請求項9記載の保管アレイ。
【請求項12】
前記少なくとも1つのデッキと連通する1または複数の垂直リフトをさらに備え、前記1または複数の垂直リフトは、少なくとも部分的に、前記保管スペースへおよび前記保管スペースから保管される品物を移送するように構成される、請求項9記載の保管アレイ。
【請求項13】
前記複数のラックレベルのそれぞれが、前記複数のラックレベルのそれぞれでのピックフェースの動的な割り当てを容易にする、開放した非決定的な保管面を画定する、請求項9記載の保管アレイ。
【請求項14】
前記少なくとも1つのデッキが、前記ラックレベルの前記垂直方向のピッチの整数倍ではないピッチで配置される複数レベルのデッキを含んでいる、請求項9記載の保管アレイ。
【請求項15】
積み重ねられた通路レベルに配置された取り出し通路に沿ってラック上に配列された保管スペースを設けることと、
各通路レベルで、前記積み重ねられた取り出し通路のそれぞれと連通する少なくとも1つのデッキを設けることであって、前記少なくとも1つのデッキおよび前記積み重ねられた取り出し通路の少なくとも1つは、前記少なくとも1つのデッキの各レベルでの自律搬送車両の搬送面を画定する、少なくとも1つのデッキを設けることと、
複数のラックレベルに共通するそれぞれの搬送面から、複数のラックレベルにあり、少なくとも1つのデッキのレベルにおいて前記積み重ねられた取り出し通路のうちの少なくとも1つに沿って配置されるラックにアクセスすること
とを含むオーダーを満たす方法であって、
ラックレベル間の垂直方向のピッチは、それぞれの取り出し通路の部分によって変動し、
前記積み重ねられた取り出し通路のそれぞれの部分の、少なくとも2つのラックレベル間の前記垂直方向のピッチは、順序付けられたシーケンスでの、搬送による処理量を最大化するための、所定の取り出し順序基準に基づいて、前記積み重ねられた取り出し通路のそれぞれの別の取り出し通路部分の少なくとも2つの他のラックレベルの間となる、別の垂直方向のピッチに関連付けられている、方法。
【請求項16】
最大化される処理量は、前記少なくとも1つのデッキの共通のレベルでの、1または複数の各取り出し通路の共通の経路における、順序付けられたシーケンスでの複数の取り出しをもたらす、前記自律搬送車両によって決定される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記自律搬送車両によって、1または複数の各取り出し通路の共通の経路において混合ケースの複数の取り出しをもたらすことをさらに含む、請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つのデッキと連通する1または複数の垂直リフトを設けることと、
前記1または複数の垂直リフトによって、少なくとも部分的に、前記保管スペースへおよび前記保管スペースから保管される品物を移送すること
とをさらに含む、請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記複数のラックレベルのそれぞれによって、前記複数のラックレベルのそれぞれでのピックフェースの動的な割り当てを容易にする、開放した非決定的な保管面を画定することをさらに含む、請求項15記載の方法。
【請求項20】
積み重ねられた通路レベルに配置された取り出し通路のそれぞれに沿ってラック上に配列された保管スペースを設けることと、
各通路レベルで、前記積み重ねられた取り出し通路のそれぞれと連通する少なくとも1つのデッキを設けることであって、前記少なくとも1つのデッキおよび前記積み重ねられた取り出し通路は、前記少なくとも1つのデッキの各レベルでの自律搬送車両の搬送面を提供する、少なくとも1つのデッキを設けることと、
複数のラックレベルに共通するそれぞれの搬送面から、複数のラックレベルにあり、少なくとも1つのデッキの各レベルにおいて前記積み重ねられた取り出し通路のうちの少なくとも1つに沿って配置されるラックにアクセスすること
とを含むオーダーを満たす方法であって、
ラックレベル間の垂直方向のピッチは、それぞれの取り出し通路の部分によって変動し、
前記積み重ねられた取り出し通路のそれぞれ1つの部分の、少なくとも2つのラックレベル間の前記垂直方向のピッチは、共通の搬送面からアクセスされる1または複数の取り出し通路それぞれの、別の取り出し通路部分の少なくとも2つの他のラックレベルの間となる、別の垂直方向のピッチに関連付けられており、前記垂直方向のピッチおよび前記別の垂直方向のピッチによって、処理量が最大化され、前記共通の搬送面からアクセスされる、積み重ねられた通路レベルの垂直方向のスペースが、保管された品物により実質的に埋められる、方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つのデッキと連通する1または複数の垂直リフトを設けることと、
前記1または複数の垂直リフトによって、少なくとも部分的に、前記保管スペースへおよび前記保管スペースから保管される品物を移送すること
とをさらに含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記複数のラックレベルのそれぞれによって、前記複数のラックレベルのそれぞれでのピックフェースの動的な割り当てを容易にする、開放した非決定的な保管面を画定することをさらに含む、請求項20記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2014年12月12日に出願された米国仮特許出願第62/091,162号明細書の非仮特許出願であり、この出願の利益を主張し、開示内容はその全体を参照することによって本明細書に含まれる。
【0002】
[技術分野]
例示的な実施形態は、概して物品処理システムに関し、より詳細には、物品処理システム内での品物の搬送および保管に関する。
【背景技術】
【0003】
マルチレベルの保管および取り出しシステムは、商品の保管および取り出しのために倉庫において用いられ得る。概して、保管構造内および保管構造外への商品の搬送は、保管レベル上の車両への移送用のリフト、所定の保管レベルまで傾斜路を上がって移動する車両、または案内路に沿って移動するリフトを含む車両によって行われる。保管および取り出しシステム内に保管される商品は、概して、各保管レベル上の保管スペースに保管され、その保管レベル上に配置される搬送車両は、保管スペースの1つのレベルに対するアクセスを有する。いくつかの例において、保管スペースに保管される商品は、その商品に割り当てられた保管スペースの全ては占めず、これは保管スペースの非効率的な使用をもたらす。
【発明の概要】
【0004】
保管および取り出しシステム内の保管密度を増加させることが有利であるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
開示される実施形態の上述の態様および他の特徴は、添付の図面と関連して以下の記載において説明される。
【0006】
【
図1】開示される実施形態の態様による自動保管および取り出しシステムの概略図である。
【
図1A】開示される実施形態の態様による自動保管および取り出しシステムの部分概略図である。
【
図1B】開示される実施形態の態様による自動保管および取り出しシステムの部分概略図である。
【
図1C】開示される実施形態の態様による保管および取り出しシステムの概略図である。
【
図1D】開示される実施形態の態様による保管および取り出しシステムによって形成される混合パレット積載物の概略図である。
【
図1E】開示される実施形態の態様による保管および取り出しシステムの部分概略図である。
【
図1F】開示される実施形態の態様による保管および取り出しシステムの部分概略図である。
【
図2】開示される実施形態の態様による搬送車両の概略図である。
【
図3】開示される実施形態の態様による保管および取り出しシステムの部分概略図である。
【
図4】開示される実施形態の態様による搬送車両の部分概略図である。
【
図5】開示される実施形態の態様による搬送車両の部分概略図である。
【
図6】開示される実施形態の態様による搬送車両の部分概略図である。
【
図7】開示される実施形態の態様による搬送車両の部分概略図である。
【
図8】開示される実施形態の態様による搬送車両の部分概略図である。
【
図9】開示される実施形態の態様による搬送車両の部分概略図である。
【
図10】開示される実施形態の態様による保管および取り出しシステムの部分概略図である。
【
図11】開示される実施形態の態様による例示的なフロー図である。
【
図12】開示される実施形態の態様による例示的なフロー図である。
【
図13】開示される実施形態の態様による例示的なフロー図である。
【
図14】開示される実施形態の態様による例示的なフロー図である。
【
図15】開示される実施形態の態様による保管および取り出しシステムのオペレータステーションの概略図である。
【
図16】開示される実施形態の態様による例示的なフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、開示される実施形態の態様による自動保管および取り出しシステム100の概略図である。開示される実施形態の態様は図面を参照して記載されるが、開示される実施形態の態様は、多くの形態で具体化され得ることが理解されるべきである。加えて、任意の適切なサイズ、形状、または種類の、要素または材料が使用され得る。
【0008】
開示される実施形態の態様によれば、自動保管および取り出しシステム100は、たとえば、小売店から受けた、その開示内容の全てが参照により本明細書に組み込まれる、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,674号明細書に記載されるもののようなケースユニットに対する注文を満たすために、小売流通センターまたは倉庫において動作してもよい。たとえば、ケースユニットは、トレイ内、トート上もしくはパレット上に保管されていない(たとえば、収容されていない)商品のケースまたはユニットである。他の例において、ケースユニットは、トレイ内、トート上もしくはパレット上など、任意の適切な方法で収容されている商品のケースまたはユニットである。さらに別の例において、ケースユニットは、収容されていない品物と収容されている品物の組み合わせである。ケースユニットは、たとえば、箱に入れられた商品のユニット(たとえば、スープ缶のケース、シリアルの箱など)またはパレットから引き取られるかまたはパレット上に配置されるよう適合される個別の商品を含むことに留意する。開示される実施形態の態様によれば、ケースユニット用の配送ケース(たとえば、カートン、樽、箱、クレート(crates)、つぼ(jug)、またはケースユニットを保持するのに適切な任意の他の装置)は、大きさが変更可能であってもよく、配送においてケースユニットを保持するために使用されてもよく、配送のためにパレットに積載可能であるように構成されてもよい。たとえば、ケースユニットの一団またはパレットが保管および取り出しシステムに到着するとき、各パレットの内容物は、同一であってもよく(たとえば、各パレットが所定数の同一の品物を保持する(1つのパレットがスープを保持し、別のパレットがシリアルを保持する))、パレットが保管および取り出しシステムから離れるときに、パレットが、混合パレットを形成するように分類された配置でたとえばパレタイザへと供給される、適切な数および組み合わせの異なるケースユニットを含んでいてもよい(たとえば、混合パレットであり、各混合パレットは、異なる種類のケースユニットを保持する(1つのパレットがスープおよびシリアルの組み合わせを保持する))ことに留意する。実施形態において、本明細書に記載の保管および取り出しシステムは、ケースユニットが保管され取り出される任意の環境に適用されてもよい。
【0009】
また
図1Dを参照すると、たとえば、(たとえばケースユニットの製造業者または卸売業者から)入ってくる一団またはパレットが、自動保管および取り出しシステム100の補充のために保管および取り出しシステムに到着するとき、各パレットの内容物は同一であってもよい(たとえば、各パレットが所定数の同一の品物を保持する(1つのパレットがスープを保持し、別のパレットがシリアルを保持する))ことに留意する。理解され得るように、このようなパレット積載物のケースは、実質的に同様であってもよく、換言すれば、同種のケース(たとえば、同様の寸法)であってもよく、同一のSKUを有していてもよい(あるいは、上述のように、パレットは同種のケースで形成された層を有する「レインボー(rainbow)」パレットであってもよい)。ケースが補充命令を満たした状態で、パレットPALが保管および取り出しシステム100から離れるときに、パレットPALは、任意の適切な数および組み合わせの異なるケースユニットCUを含んでいてもよい(たとえば、各パレットは、異なる種類のケースユニットを保持してもよい-1つのパレットが、缶入りスープ、シリアル、飲料パック、化粧品および家庭用洗剤の組み合わせを保持する)。単一のパレット上で組み合されたケースは、異なる寸法および/または異なるSKUを有していてもよい。例示的な実施形態において、保管および取り出しシステム100は、概して、以下にさらに詳述されるような、搬入セクション、保管および分類セクションおよび搬出セクションを含むように構成されてもよい。理解され得るように、開示される実施形態の一態様において、たとえば小売流通センターとして動作するシステム100は、単一のパレット積載物のケースを受け取り、単一のパレット積載物からシステムにより個別に操作される独立したケースユニットへとパレットの商品を分解するか、またはケースを切り離し、各注文によって要求される異なるケースを取り出して対応する群へと分類し、対応するケースの群を搬送し、混合ケースパレット積載物MPLと呼ばれ得るものへと組み立てるように機能してもよい。理解され得るように、
図15に示されるように、開示される実施形態の一態様において、たとえば小売流通センターとして動作するシステム100は、単一のパレット積載物のケースを受け取り、単一のパレット積載物からシステムにより個別に操作される独立したケースユニットへとパレットの商品を分解するか、またはケースを切り離し、各注文によって要求される異なるケースを取り出して対応する群へと分類し、対応するケースの群を搬送し、オペレータステーション160EPで対応するケースの群を(本明細書に記載の方法で)順序付けるように機能してもよく、オペレータステーション160EPでは、たとえば、ケースユニットCUがオペレータステーション160EPで順序付けられた順番にしたがって、顧客の注文を満たすために、異なるケースユニットCUから取り出された品物および/または異なるケースユニットCUそのものが、バッグ、トートまたは他の適切な容器TOTへとオペレータ1500または任意の適切なオートメーションによって配置され、本明細書に記載のケースユニットCUの順序付けは、オペレータステーション160EPでの順序付けをもたらすことに留意する。
【0010】
搬入セクションは概して、単一のパレット積載物を個別のケースへと分解可能であってもよく、保管および分類セクションへの投入のために、適切な搬送部を介してケースを搬送可能であってもよい。次に保管および分類セクションは、個別のケースを受け取り、これらを保管領域において保管し、搬出セクションへの搬送のために倉庫管理システムへと入力された注文にしたがって生成された命令により、所望のケースを個別に取り出してもよい。注文にしたがったケースの分類およびグループ分け(たとえば、注文の搬出シーケンス)は、保管および取り出しセクションまたは搬出セクションのいずれか、またはその両方によって、全体または部分的に実施されてもよく、その間の境界は説明の便宜上の1つであり、分類およびグループ分けは多数の方法で実施されることができる。意図される結果は、搬出セクションが、SKU、寸法などが異なっている可能性がある注文されたケースの適切な群を、一態様においては、たとえば、その開示内容の全てが参照により本明細書に組み込まれる、2012年10月17日に出願された米国特許出願第13/654,293号明細書に記載される方法で、混合ケースパレット積載物へと組み立てることであるが、他の態様においては、搬出セクションが、オペレータステーション160EPで顧客の注文を満たすために、SKU、寸法などが異なっている可能性がある注文されたケースユニットの適切な群を、バッグ、トートまたは他の適切な容器内へと組み立てることである。
【0011】
開示される実施形態の一態様において、搬出セクションは、混合ケースのスタックの構築された構造とも呼ばれ得る構成でパレット積載物を生成する。パレット積載物の構築された構造は、いくつかの平坦なケースの層L121~L125、L12Tを有するものとして特徴付けられてもよく、その少なくとも1つは、交差しておらず、自立し安定した複数の混合ケースのスタックから形成される。所定の層の混合ケースのスタックは、略平坦であると認識され得るような上面および下面の所定の層を形成するために略同一の高さを有し、パレット領域またはパレット領域の所望の部分を覆うのに充分な数であってもよい。被覆層は、対応する層のケースが支持層のスタックの間にまたがるように配向されてもよい。ゆえに、スタックを安定化させることは、それに応じてパレット積載物の接続する層を安定化させる。パレット積載物を構築された層構造へと画定するときに、連結された3Dのパレット積載物のソリューションは、別個に確保され得る2つの部分、すなわち、積載物を層へと分解する垂直方向の(1D)部分と、各層のパレット高さを埋めるために等しい高さのスタックを効率的に分配する水平方向の(2D)部分とに分解される。他の態様において、混合ケースの積載物の充填は、他の任意の適切な順序付けられたシーケンスで構成されてもよく、たとえば、パレット積載を伴わないバッグ、トート、ショッピングカー、トラックまたは他の適切な容器の充填など、任意の適切な搬送装置上または搬送装置内へと積み込まれてもよい。後述されるように、一態様において、保管および取り出しシステムは、3Dのパレット積載物のソリューションの2つの部分が分解されるようにケースユニットを搬出セクションへと搬出するが、他の態様において、保管および取り出しシステムは、オペレータステーション160EPでパレット積載されない顧客注文を満たすためのシーケンスにしたがってケースユニットを搬出セクションへと搬出する。
【0012】
開示される実施形態の態様によれば、自動保管および取り出しシステム100は、搬入ステーション160IN(保管部内への進入のためにリフトモジュールへ品物を搬送するデパレタイザ160PAおよび/またはコンベヤ160CAを含む)と、搬出ステーション160UT(保管部からの取り外しのためにロフトモジュールからケースユニットを搬送するパレタイザ160PB、オペレータステーション160EP、および/またはコンベヤ160CBを含む)と、搬入および搬出垂直リフトモジュール150A、150B(概してリフトモジュール150という。搬入および搬出リフトモジュールが図示されているが、単一のリフトモジュールが保管構造へのケースユニットの搬入および保管構造からのケースユニットの取り外しの両方に用いられてもよい)と、保管構造130と、多数の無人ローバーまたは搬送車両110(本明細書においては「ボット(bot)」という)とを含む。本明細書で用いられる場合、リフトモジュール150、保管構造130およびボット110は、本明細書においては包括的に、上述の保管および分類セクションと呼ばれてもよい。また、デパレタイザ160PAは、搬入ステーション160INが保管構造130内への搬入のためにリフトモジュール150へと品物を搬送し得るように、パレットからケースユニットを取り外すように構成されてもよいことに留意する。パレタイザ160PBは、配送のために、保管構造130から取り外された品物をパレットPAL上へと載置するように構成されてもよい。
【0013】
また
図1Cを参照すると、保管構造130は、保管またはデッキレベル130Lからアクセス可能な、三次元アレイRMAで構成される複数の保管ラックモジュールRMを含んでもよい。各保管レベル130Lは、ラックモジュールRMにより形成される保管スペース130Sを含み、ラックモジュールは、保管構造130の(たとえば、ボット110が配置されるレベル上の)保管スペース130Sのいずれかとリフトモジュール150のいずれかとの間でケースユニットを移送するために、たとえば、ラックモジュールアレイRMAを通って線形に延び、ボット110がそれぞれの保管レベル130L上で移動する保管スペース130Sおよび移送デッキ130Bへのアクセスをもたらす保管または取り出し通路130Aに沿って配置される棚を含む(たとえば、ボット110はそれぞれ、それぞれのレベル上の各保管スペース130Sおよびそれぞれの保管レベル130L上の各リフトモジュール150へのアクセスを有する)。移送デッキ130Bは、たとえば、その開示内容の全てが参照により本明細書に組み込まれる、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,674号明細書に記載されるように、保管ラックアレイRMAE1の一方の端部または側部、または、保管ラックアレイのいくつかの端部または側部RMAE1、RMAE2に1つの移送デッキ130Bを有するなど、上下に積み重ねられるか、水平方向にオフセットであってもよい。
【0014】
移送デッキ130Bは実質的に開放しており、移送デッキ130Bにわたって、また移送デッキ130Bに沿ってボット110の非決定的に行き来させるために構成されている。理解され得るように、各保管レベル130Lの移送デッキ130Bは、それぞれの保管レベル130L上の取り出し通路130Aのそれぞれと連通する。ボット110は、取り出し通路130Aのそれぞれと並行するラック棚に配置される保管スペース130Sにアクセスするために、それぞれの保管レベル130L上で移送デッキ130Bと取り出し通路130Aとの間を双方向に行き来する(たとえば、ボット110は、各取り出し通路130Aを行き来するときに、以下にさらに詳細に記載されるように異なる対向面を有してもよいように、各通路の両側に分配される保管スペース130Sにアクセスしてもよい)。上述のように、移送デッキ130Bはそれぞれの保管レベル130L上のリフト150のそれぞれに対してボット110のアクセスを提供し、リフト150は各保管レベル130Lへ、および/または、各保管レベル130Lから、ケースユニットを搬入および取り外し、ボット110は、リフト150と保管スペース130Sとの間でケースユニットの移送をもたらす。各保管レベル130Lは、たとえば、その開示内容の全てが参照により本明細書に組み込まれる、2014年3月13日に出願された米国特許出願第14/209,086号明細書および2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,823号明細書に記載されるように、その保管レベル130L上のボット110のオンボードの電源を充電するための充電ステーション130Cを含んでもよい。
【0015】
ボット110は、保管および取り出しシステム100の全体を通してケースユニットを運搬および移送する、任意の適切な独立して動作可能な自律搬送車両であってもよい。一態様において、ボット110は、自動化され、独立した(たとえば、乗りかかっていない)自律搬送車両である。ボットの適切な例は、例示のみを目的として、その開示内容の全てが参照により本明細書に組み込まれる、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,674号明細書、2010年4月9日に出願された米国特許出願第12/757,312号明細書、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,423号明細書、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,447号明細書、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,505号明細書、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/327,040号明細書、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,952号明細書、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,993号明細書、2014年9月15日に出願された米国特許出願第14/486,008号明細書(代理人整理番号1127P014992-US(PAR))および「Storage and Retrieval System Transport Vehicle」と題され2015年1月23日に出願された、代理人整理番号が1127P015035-US(-#1)の米国仮特許出願第62/107,135号明細書に見られ得る。ボット110は、上述の小売商品などのケースユニットを、保管構造130の1つまたは複数のレベルの取り出し保管部内へと配置し、その後注文されたケースユニットを選択的に取り出すように構成されてもよい。
【0016】
保管および取り出しシステム100のボット110、リフトモジュール150および他の適切な特徴部は、たとえば、任意の適切なネットワーク180を通して、たとえば、1つまたは複数の中央システム制御コンピュータ(たとえば、制御サーバ)120によって制御される。一態様において、ネットワーク180は、任意の適切な種類および/または適切な数の通信プロトコルを用いた、有線ネットワーク、無線ネットワーク、または有線および無線ネットワークの組み合わせであってもよい。一態様において、制御サーバ120は、自動保管および取り出しシステム100の実質的に自動の制御のために、実質的に同時に実行するプログラムの集合(たとえば、システム管理ソフトウェア)を含む。たとえば、保管および取り出しシステム100を管理するように構成されている、実質的に同時に実行するプログラムの集合は、例示のみを目的として、アクティブな全てのシステム構成要素を制御、スケジューリングおよび監視すること、在庫(たとえば、どのケースユニットが搬入および取り外されたか、ケースユニットが取り外された順番、ケースユニットが保管される場所)およびピックフェースPF(
図6参照、たとえば、一体として可動であり、保管および取り出しシステムの構成要素によって一体として操作される1つまたは複数のケースユニット)を管理すること、および倉庫管理システム2500と接続することを含む。説明の簡潔性および容易さのために、「ケースユニット」という語は、本明細書においては概して、個別のケースユニットおよびピックフェース(たとえば、一体として移動あるいは操作される2つ以上のケース)の両方を言及するものとして用いられる。
【0017】
また
図1Aおよび1Bを参照すると、保管構造130のラックモジュールアレイRMAは、以下にさらに詳細に記載される高密度の自動保管アレイを画定する、垂直方向の支持部材1212および水平方向の支持部材1200を含む。たとえば、取り出し通路130Aにおいて、垂直方向および水平方向の支持部材1212、1200の1つまたは複数にレール1200Sが取り付けられてもよく、レール1200Sは、ボット110が取り出し通路130Aを通してレール1200Sに沿って乗りかかるように構成されてもよい。少なくとも1つの保管レベル130Lの少なくとも1つの取り出し通路130Aの、少なくとも1つの側部は、移送デッキ130Bにより画定される保管部またはデッキレベル130Lの間に複数の棚レベル130LS1~130LS4を形成するように、異なる高さに設けられる1つまたは複数の保管棚(たとえば、レール1210、1200およびスラット1210Sにより形成される)を有してもよい。したがって、それぞれの保管レベル130Lの移送デッキ130Bと連通する1つまたは複数の取り出し通路130Aに沿って延びる、各保管レベル130Lに対応する複数のラック棚レベル130LS1~130LS4が存在する。理解され得るように、複数のラック棚レベル130LS1~130LS4は、それぞれの保管レベル130Lの共通のデッキ1200Sからアクセス可能な、保管されるケースユニット(またはケースの層)のスタックを有する各保管レベル130Lをもたらす(たとえば、保管されるケースのスタックは、保管レベルの間に配置される)。
【0018】
理解され得るように、対応する保管レベル130Lで取り出し通路130Aを行き来するボット110は、(たとえば、ケースユニットを取り出し配置するために)各棚レベル130LS1~130LS4上で利用可能な各保管スペース130Sへのアクセスを有し、各棚レベル130LS1~130LS4は、取り出し通路130Aの1つまたは複数の側部PAS1、PAS2(
図1C)上の保管レベル130Lの間に配置される。上述のように、保管棚レベル130LS1~130LS4のそれぞれは、ボット110によってレール1200Sから(たとえば、それぞれの保管レベル130L上の移送デッキ130Bに対応する共通の取り出し通路デッキ1200Sから)アクセス可能である。
図1Aおよび1Bに見られ得るように、それぞれが共通のレール1200Sからボット110によってアクセス可能である複数の積み重ねられた保管スペース130Sを形成するために、互いから垂直方向に(たとえば、Z方向に)離間された1つまたは複数の棚レール1210が存在する。理解され得るように、水平方向の支持部材1200も、(棚レール1210に加えて)ケースユニットが配置される棚レールを形成する。
【0019】
各棚レベル130LS1~130LS4は、長手方向(すなわち、通路の長さに沿うか、取り出し通路により画定されるボット移動路と一致する)および横方向(すなわち、ボット移動の通路または経路に交差する)の両方でピックフェースの動的な割り当てを容易にする、開放した非決定的な二次元の保管面(たとえば、
図1Bに示されるようなケースユニットの支持面CUSPを有する)を画定する。ピックフェースおよびピックフェースを構成するケースユニットの動的な割り当ては、たとえば、その開示内容の全てが参照により本明細書に組み込まれる、2013年11月26日に発行された米国特許第8,594,835号明細書に記載の方法でもたらされる。このように、可変な長さおよび幅のケースユニット(またはトート)のピックフェースは、隣接する保管されるケースユニット/保管スペースの間の隙間が最小の状態で(たとえば、棚の上に保管される他のケースユニットと接触しないケースユニットの取り出し/配置をもたらす)、保管棚上(たとえば、各保管棚レベル130LS1~130LS4上)のそれぞれの二次元の保管位置に配置される。
【0020】
開示される実施形態の一態様において、ラック棚レベル130LS1~130LS4(各保管レベル130Lに対応する)の間の垂直方向のピッチは、棚の間の高さZ1A~Z1Eが等しいというよりもむしろ異なるように変更される。他の態様においては、
図1Eに示されるように、ラック棚の少なくともいくつかの間の垂直方向のピッチP1は、少なくともいくつかの棚の間の高さZ1A~Z1Eが等しくなるように同一であるが、他の棚の間の垂直方向のピッチP3は異なっている。さらに別の態様において、
図1Eに見られ得るように、1つの保管レベル130L2上のラック棚レベル130LS1~130LS4のピッチは、一定のピッチP1(たとえば、ラック棚レベルはZ方向において実質的に等しく離間される)であるが、異なる保管レベル130L1上のラック棚レベル130LS1~130LS4のピッチは、異なる一定のピッチP2を有する。
【0021】
一態様において、保管またはデッキレベル130Lの間の保管棚レベル130LS1~130LS4により画定される保管スペース130Sは、異なる棚レベル130LS1~130LS4で異なる高さ、長さ、幅および/または重さのケースユニットを収容する。たとえば、
図1Fおよび3を参照すると、保管レベル130Lは、少なくとも1つの中間棚を有する保管セクションを含む。図示される例において、1つの保管セクションは1つの中間棚1210Aを含む一方で、別の保管セクションは、棚レベル130LS1~130LS4を形成するために2つの中間棚1210B、1210Cを含む。一態様において、保管レベル130Lの間のピッチZ1は、たとえば、約32インチ~約34インチなど、任意の適切なピッチであり、他の態様において、ピッチは、約34インチよりも大きいか、および/または、約32インチよりも小さい。隣接して垂直方向に積み重ねられる保管レベル130Lのデッキ1200Sの間には、任意の適切な数の棚が設けられてもよく、棚は、棚の間に同一または異なるピッチを有する(たとえば、
図3を参照。ケースユニットCUD1、CUD2、CUE1~CUE3、CUF1、CUF2は取り出し通路の一方の側で垂直方向のスタックに配置され、ケースユニットCUA、CUB、CUCは、実質的に同様のピッチを有する保管棚上の取り出し通路の反対側で垂直方向のスタックに配置される)。たとえば、依然として
図1Fを参照すると、保管レベル130Lの1つのセクションは2つの保管棚を含み、1つの棚はZ1Aのピッチを有しもう一方の棚はZ1Bのピッチを有し、Z1AおよびZ1Bは互いに異なっている。この異なるピッチにより、共通の保管レベル130L上で上下のスタックに異なる高さZ5、Z6を有するケースユニットCUD、CUEを配置することが可能となる。他の態様において、ピッチZ1A、Z1Bは、実質的に同一であってもよい。この態様において、保管レベル130Lは3つの保管棚を有する別の保管セクションを含み、1つの棚はZ2のピッチを有し、1つの保管棚はZ3のピッチを有し、もう一方の保管棚はZ4のピッチを有し、Z2、Z3およびZ4は互いに異なっている。他の態様において、ピッチZ2、Z3およびZ4の少なくとも2つは実質的に同一である。一態様において、棚の間のピッチは、より大きなおよび/またはより重いケースユニットCUC、CUEが、より小さなおよび/またはより軽いケースユニットCUD、CUA、CUBよりもデッキ1200Sの近くに配置されるように配置される。他の態様において、棚の間のピッチは、ケースユニットが、ケースユニットの大きさおよび重さに関連付けられても関連付けられなくてもよい任意の適切な位置に配置されるように配置される。
【0022】
開示される実施形態の一態様において、保管またはデッキレベル130L(たとえば、ボット110が移動する面)は、たとえば、中間棚のピッチZ1A~Z1Eの整数倍ではない、任意の適切な所定のピッチZ1で配置される。他の態様において、ピッチZ1は、中間棚のピッチの整数倍であってもよく、たとえば、対応する保管スペースがピッチZ1と実質的に等しい高さを有するように、棚のピッチはピッチZ1と実質的に等しくてもよい。理解され得るように、棚のピッチZ1A~Z1Eは保管レベルのピッチ130Lからは実質的に切り離され、
図1Fに示されるような一般的なケースユニットの高さZ2~Z6に対応する。開示される実施形態の一態様において、異なる高さのケースユニットは、ケースユニットの高さに見合う棚の高さを有する保管スペース130S内の各通路に沿って動的に割り当てられるか、あるいは分配される。保管レベル130Lの間の残りのスペースは、保管されるケースユニットと一致する通路の長さ(たとえば、X方向)に沿っても、保管されるケースユニットに沿っても、対応する高さのケース用の動的な割り当てのために自由に用いることができる。理解され得るように、異なるピッチを有する棚の上へ異なる高さを有するケースユニットを動的に割り当てることは、各取り出し通路130Aの両側で保管レベル130Lの間に異なる高さの保管されるケースの層をもたらし、各ケースユニットは、各保管されるケースの層内の各ケースユニットが共通の通路のボットによって(たとえば、取り出し/配置のために)独立してアクセス可能であるように、共通の取り出し通路130Aに沿って動的に分配されている。各通路の長さは異なる高さの複数のケースユニットを含んでもよく、各ラック棚の少なくとも棚レベルは(たとえば、高密度の保管アレイを提供するために、長さ、幅および高さにおける三次元のラックモジュールアレイRMAのスペースを埋めるための)動的な割り当て/分配によって埋められてもよいので、このケースユニットの配置/割り当ておよび保管棚の配置は、最適化されたケースユニットSKUの分配により、保管レベル130L間の保管スペース/量の最大効率をもたらし、ゆえに、ラックモジュールアレイRMAの最大効率をもたらす。
【0023】
開示される実施形態の一態様において、依然として
図1Fを参照すると、各取り出し通路130Aに沿って、順序付けられるか、あるいは適合させられるラック棚のセクションを形成するために、ラック棚1210A~1210C(レール1200により形成されるラック棚を含む)は、長手方向に(たとえば、保管構造の参照フレームRFE2に対して、取り出し通路130Aの長さに沿ってX方向に)SECA、SECBに区分けされる。通路の棚セクションSECA、SECBは、たとえば、共通の経路において通路を行き来し、(たとえば、注文の搬出シーケンスに基づく)共通の注文対応により指定されるケースユニットを取り出すボット110の取り出し順序に基づき、互いに対して順序付けられ/適合させられる。換言すれば、ボット110は、ピックフェースをボット110上に構築するために、取り出し通路130Aの共通の側で通路の棚セクションSECA、SECBから1つまたは複数のケースユニットを取り出しながら、単一または共通の取り出し通路を下る単一の経路(たとえば、単一の方向における行き来)を作り出し、ピックフェースは、以下にさらに詳細に記載されるような注文の充填/注文の搬出シーケンスにしたがってボット上に配置されるケースユニットを含む。通路のラックセクションSECA、SECBは、上述のような方法で中間棚を含む。他の態様において、通路の棚のいくつかは中間棚を含まないが、中間棚を含むものもある。
【0024】
一態様において、順序付けられた通路のラックセクションSECA、SECBは、セクションSECA、SECBの間で異なる棚のピッチを含む。たとえば、
図1Fに見られ得るように、通路のラックセクションSECAは、ピッチがZ1C~Z1Eの棚を有するが、通路のラックセクションSECBは、ピッチがZ1B、Z1Aの棚を有する。開示される実施形態の一態様によれば、一方の通路のラックセクションSECA、SECBの少なくとも1つの中間棚1210A~1210CのピッチZ1A~Z1Eは、共通の取り出し通路130Aの順序付けられた通路のラックセクションSECA、SECBの他方の、少なくとも1つの中間棚1210A~1210CのピッチZ1A~Z1Eに関連付けられる。順序付けられた通路のラックセクションSECA、SECBにおける、中間棚1210A~1210Cの異なるピッチZ1A~Z1Eは、関連付けられるように、また共通の取り出し通路130Aの共通の経路の異なるピッチの棚から、混合されたSKU積載物の搬出シーケンス(たとえば、共通のパレット積載物へのパレット積載)にしたがってボット110による複数の(少なくとも2つの)順序付けられた取り出し(すなわち、順序付けられたシーケンスでの取り出し)をもたらすように選択される。理解され得るように、(たとえば、トラック積載物ポート/パレット積載物を充填するための)保管および取り出しシステム100からの混合積載物の搬出は、取り出し通路(たとえば、外に出るパレットへの移送のためにケースユニットが取り出される通路)を出る様々な積載物に応じて所定の順番に順序付けられ、順序付けられたセクションSECA、SECBの棚のピッチは、ボット110が、共通の取り出し通路経路における積載物の搬出シーケンスにしたがって、順序付けられた順番で2つ以上のケースユニットを取り出すことを容易にする(たとえば、共通の取り出し通路の1つの経路において、共通の取り出し通路から2つ以上のケースユニットが所定の順序で取り出される)。順序付けられたラックセクションSECA、SECBの異なる通路の棚のピッチZ1A~Z1Eは、各通路に沿った各ボットの注文達成経路によって複数取り出しが達成されるように、順序付けられた複数取り出し(上述のような単一の経路を備える単一の通路からの2つ以上のケースユニットの取り出し)の可能性を向上させるように関連付けられ、また、ボット110により保管および取り出しシステム100で取り出され、共通の積載物搬出(たとえば、共通のパレット積載物)を目的とするケースの過半数以上が、共通の取り出し通路の単一の経路中、積載物搬出シーケンスに応じた順序付けられた順番で共通のボット110によって取り出されるように関連付けられる(たとえば、ボット110により取り出される2つ以上のケースは、単一の経路の同一の取り出し通路から取り出され、たとえば、ボットは取り出し通路を通ると単一の方向に移動する)。理解され得るように、開示される実施形態の一態様においては、取り出し通路130Aの両側PAS1、PAS2(
図1C)が順序付けられた通路ラックセクションSECA~SECHを有し、1つの順序付けられたセクションは、共通の取り出し通路130Aの同一の側PAS1、PAS2上の1つまたは複数のセクションと適合させられてもよい。理解され得るように、適合させられた通路ラックセクションは、取り出し通路130Aに沿って、互いに隣接して配置されてもよいし、互いに離間されていてもよい。
【0025】
次に
図2および3を参照すると、上述のように、ボット110は、レール1210A~1210C、1200による、積み重ねられた保管スペース130S(少なくとも部分的に、Z方向において画定される)(たとえば、保管スペースは、上述のようなケースユニットの動的な割り当てを通して、XおよびY方向にさらに画定されてもよい)からのケースユニットの取り出しおよび配置をもたらす移送アーム110PAを含む。ボット110は、上述のように、それぞれの保管レベル130L上の各リフトモジュール150と各保管スペース130Sとの間でケースユニットを搬送する。ボット110は、駆動セクション110DRおよび積載セクション110PLを有するフレーム110Fを含む。駆動セクション110DRは、それぞれが各駆動ホイール202に接続されている1つまたは複数の駆動ホイールモータを含む。この態様において、ボット110は、適切な駆動面上のボット110を支持するためにボット110の端部110E1(たとえば、第1の長手方向の端部)でボット110の両側に配置される2つの駆動ホイール202を含むが、他の態様においては、任意の適切な数の駆動ホイールがボット110上に設けられる。一態様において、各駆動ホイール202は、ボット110が駆動ホイール202の差動回転を通して操縦され得るように独立して制御されるが、他の態様において、駆動ホイール202の回転は、実質的に同一速度で回転するように連結されてもよい。駆動面上のボット110を支持するために、ボット110の端部110E2(たとえば、第2の長手方向の端部)でボット110の両側のフレームに任意の適切なホイール201が取り付けられる。一態様において、ホイール201は、自由に回転するキャスターホイールであり、これによりボット110は、ボット110の移動方向を変更するために駆動ホイール202の差動回転を通して枢動できる。他の態様において、ホイール201は、ボット110の移動方向を変更するために、たとえば、(本明細書に記載されるようなボット110の制御をもたらすように構成されている)ボット制御装置110Cの制御下で向きを変える操縦可能なホイールである。一態様において、ボット110は、たとえば、フレーム110Fの1つまたは複数の角にある1つまたは複数のガイドホイール110GWを含む。ガイドホイール110GWは、たとえば、その開示内容の全てが参照により本明細書に組み込まれる、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,423号明細書に記載されるように、1つまたは複数のケースユニットが配置される場所へ、および/または、1つまたは複数のケースユニットが取り出される場所から、所定の距離だけボット110をガイドおよび/または配置するために、リフトモジュール150と相互作用するため、移送デッキ130B上および/または移送ステーションで、取り出し通路130A内のガイドレール(図示せず)などの保管構造130と相互作用してもよい。上述のように、ボット110は、取り出し通路130Aの両側に配置される保管スペース130Sにアクセスするために、異なる対向方向を有する取り出し通路130Aに入り得る。たとえば、ボット110は、端部110E2が移動方向を先導する状態で取り出し通路130Aに入ってもよいし、端部110E1が移動方向を先導する状態で取り出し通路130Aに入ってもよい。
【0026】
ボット110の積載セクション110PLは、積載ベッド110PB、フェンスまたは基準部材110PF、移送アーム110PAおよびプッシャーバーまたは部材110PRを含む。一態様において、積載ベッド110PBは、たとえば、積載セクション110PL内の所定の位置に、および/または、積載セクション110PL内の他のケースユニットに対して、ケースユニットを配置するために、積載セクション110PL内で運ばれる1つまたは複数のケースユニットがボットの長手軸に沿って長手方向に移動させられ得る(たとえば、フレーム/積載セクションの所定の位置、および/または、1つまたは複数のケースユニットの位置基準に対して位置合わせ(justify)される)ように、フレーム110Fに(たとえば、ボット110の長手軸LXに対して)横方向に取り付けられる1つまたは複数のローラ110RLを含む。一態様において、ローラ110RLは、積載セクション110PL内でケースユニットを移動させるために任意の適切なモータによって駆動されてもよい(たとえば、そのそれぞれの軸周りに回転させられる)。他の態様において、ボット110は、積載セクション110PL内の所定の位置までケースユニットを移動させるために、ローラ110RLを越えてケースユニットを押し出す1つまたは複数の長手方向に可動なプッシャーバー(図示せず)を含む。長手方向に可動なプッシャーバーは、たとえば、その開示内容の全てがすでに参照により本明細書に組み込まれている、2011年12月15日に出願された米国特許出願第13/326,952号明細書に記載されるものと実質的に同様であってもよい。プッシャーバー110PRは、その開示内容の全てがすでに参照により本明細書に組み込まれている、「Storage and Retrieval System Transport Vehicle」と題され2015年1月23日に出願された、代理人整理番号が1127P015035-US(-#1)の米国仮特許出願第62/107,135号明細書に記載の方法で、フェンス110PFおよび/または移送アーム110PAの取り出しヘッド270に沿って積載領域110PL内でケースユニットの横方向の位置合わせをもたらすために、ボット110の参照フレームREFに対してY方向に可動である。
【0027】
依然として
図2を参照すると、ケースユニットは、移送アーム110PAによって積載ベッド110PB上に載置され、また積載ベッド110PBから取り外される。移送アーム110PAは、たとえば、その開示内容の全てがすでに参照により本明細書に組み込まれている、「Storage and Retrieval System Transport Vehicle」と題され2015年1月23日に出願された、代理人整理番号が1127P015035-US(-#1)の米国仮特許出願第62/107,135号明細書に記載されるように、実質的に積載セクション110PL内に位置するリフト機構またはユニット200を含む。リフト機構200は、ピックフェースおよび/または個別のケースユニットを(たとえば、ボット110が配置されるそれぞれの保管レベル130L上の)保管スペース130Sへと取り出しおよび/または配置するために、保管構造130の場所へと垂直方向に持ち上げられる、ボット110により把持されるピックフェースの、大まかな配置および精密な配置の両方を提供する。たとえば、リフト機構200は、共通の取り出し通路デッキ1200S(たとえば、
図1Aおよび3ならびに上記記載を参照)からアクセス可能な複数の上昇された保管棚レベル130LS1~130LS4でのケースユニットの取り出しおよび配置をもたらす。
【0028】
リフト機構200は、異なる/複数のSKUまたは複数取り出しの積載物がボットにより操作されるように、組み合わされたロボット軸の移動が実施されるように構成される(たとえば、プッシャーバー110PR、リフト機構200、取り出しヘッドの延伸部および、たとえば上述の長手方向に可動なプッシャーバーなどの、前方/後方の位置合わせ機構の組み合わされた実質的に同時の移動)。一態様において、リフト機構200の作動は、後述されるようなプッシャーバー110PRの作動から独立している。リフト機構200およびプッシャーバー110PRの軸を切り離すことは、組み合わされた取り出し/配置シーケンスをもたらし、これは取り出し/配置サイクル時間の減少、保管および取り出しシステムの処理量の増加、および/または、上述のような保管および取り出しシステムの保管密度の増加をもたらす。たとえば、リフト機構200は、上述のような共通の取り出し通路デッキからアクセス可能な複数の上昇した保管棚レベルでのケースユニットの取り出しおよび配置をもたらす。
【0029】
リフト機構は、ボット110の取り出しヘッド270がZ軸に沿って(たとえば、Z方向において往復する、
図2参照)双方向に移動するように、任意の適切な方法で構成されてもよい。一態様において、リフト機構はマスト200Mを含み、取り出しヘッド270は任意の適切な方法でマスト200Mに可動に取り付けられる。マストは、ボット110の横方向の軸LTに沿って(たとえば、Y方向に)可動であるように任意の適切な方法でフレームに可動に取り付けられる。一態様において、フレームは、マスト200がスライド可能に取り付けられるガイドレール210A、210Bを含む。移送アーム駆動部250A、250Bは、少なくとも横方向の軸LT(たとえば、Y軸)およびZ軸に沿った移送アーム110PAの移動をもたらすために、フレームに取り付けられてもよい。
図2、2Aおよび3を参照すると、一態様において、移送アーム駆動部250A、250Bは、延伸モータ301およびリフトモータ302を含む。延伸モータ301は、フレーム110Fに取り付けられてもよく、ベルトおよびプーリー伝達部260A、ねじ駆動伝達部(図示せず)および/またはギヤ駆動伝達部(図示せず)など、任意の適切な方法でマスト200Mに連結されてもよい。リフトモータ302は、マスト200Mに取り付けられてもよく、ベルトおよびプーリー伝達部271、ねじ駆動伝達部(図示せず)および/またはギヤ駆動伝達部(図示せず)など、任意の適切な方法で取り出しヘッド270に連結されてもよい。一例として、マスト200Mはガイドレール280A、280Bなどのガイドを含み、取り出しヘッド270は、ガイドレール280A、280Bに沿ったZ方向でのガイドされた移動のために、ガイドレール280A、280Bに沿って取り付けられる。他の態様において、取り出しヘッドは、Z方向でのガイドされた移動のために任意の適切な方法でマストに取り付けられる。伝達部271に関して、ベルトおよびプーリー伝達部271のベルト271Bは、(たとえば、モータ302により駆動される)ベルト271が取り出しヘッド270を移動させると、取り出しヘッド270がベルト271と共に移動しガイドレール280A、280Bに沿ってZ方向で双方向に駆動されるように、取り出しヘッド270に固定されて連結される。理解され得るように、取り出しヘッド270をZ方向に駆動するためにねじ駆動部が用いられる場合、ねじがモータ302により方向転換されると、ナットとねじとの間の係合が取り出しヘッド270の移動を生じさせるように、ナットは取り出しヘッド270に取り付けられてもよい。同様に、ギヤ駆動伝達部が用いられる場合、ラックアンドピニオンまたは他の適切なギヤ駆動部が取り出しヘッド270をZ方向に駆動し得る。他の態様においては、取り出しヘッドをZ方向に移動させるために任意の適切な線形アクチュエータが用いられる。延伸モータ301用の伝達部260Aは、伝達部271に関して本明細書に記載されるものと実質的に同様である。
【0030】
依然として
図2を参照すると、ボット110の取り出しヘッド270は、ボット110と、たとえば、保管スペース130S、および/または、ボット110とリフトモジュール150との間のリフトインターフェース/移送ステーションLTS(
図10参照)の中間棚7000A~7000Lなどのケースユニット取り出し/配置位置との間でケースユニットを移送する。一態様において、取り出しヘッド270は、ベース部材272と、1つまたは複数のタインまたはフィンガ273A~273Eと、1つまたは複数のアクチュエータ274A、274Bとを含む。ベース部材272は、ガイドレール280A、280Bに沿って乗りかかるように、上述のようにマスト200Mに取り付けられる。1つまたは複数のタイン273A~273Eは、タイン273A~273Eの遠位端(たとえば、自由端)がベース部材272から片持ち支持されるように、タイン273A~273Eの近位端でベース部材272に取り付けられる。再び
図1Bを参照すると、タイン273A~273Eは、保管棚のケースユニット支持面CUSPを形成するスラット1210Sの間への挿入のために構成される。
【0031】
タイン273A~273Eの1つまたは複数は、Z方向に可動であるように、(上述のものと同様のスライド/ガイドレール上などで)ベース部材272に可動に取り付けられる。他の態様においては、任意の数のタインがベース部材272に取り付けられるが、図面に示される態様においては、たとえば、5つのタイン273A~273Eがベース部材272に取り付けられる。タイン273A~273Eのうちの任意の数がベース部材272に可動に取り付けられるが、図面に示される態様においては、たとえば、(取り出しヘッド270の中心線CLに対して)最も外側のタイン273A、273Eがベース部材272に可動に取り付けられる一方で、残りのタイン273B~273Dは、ベース部材272に対して移動不能である。
【0032】
この態様において、取り出しヘッド270は、ボット110へおよびボット110からより小さな大きさのケースユニット(および/またはケースユニットの群)を移送させるためには、3つのタイン273B~273Dのみを用い、ボット110へおよびボット110からより大きな大きさのケースユニット(および/またはケースユニットの群)を移送させるためには、5つのタイン273A~273Eを用いる。他の態様においては、より小さな大きさのケースユニットを移送させるために、3つ未満のタインが用いられる(たとえば、3つ以上のタインがベース部材272に可動に取り付けられる場合など)。たとえば、一態様においては、たとえば保管棚上の他のケースユニットを妨害することなく、ボット110へおよびボット110から移送されている最も小さなケースユニットが、スラット1210Sの間の距離X1ほどの幅を有するように、1つ以外の全てのタイン273A~273Eがベース部材に可動に取り付けられる(
図1B参照)。
【0033】
移動不能なタイン373B~373Dは、全てのサイズのケースユニット(および/またはピックフェース)を移送するときに用いられるが、可動なタイン373A、373Eは、より大きなケースユニット(および/またはピックフェース)を移送するために移動不能なタイン373B~373Dに対して選択的に(たとえば、アクチュエータ274A、274BによりZ方向へ)上昇および下降させられる。依然として
図2を参照すると、タイン373A~373Eの全てが、各タイン273A~273Eのケースユニット支持面SFが取り出しヘッド270の取り出し面SP(
図4)と一致するように配置されている例が示される。理解され得るように、他の態様においては、タイン273A、273Eのケースユニット支持面SFが取り出し面SPから(たとえば、下方に)オフセットであり、タイン273A、273Eが取り出しヘッド270により把持される1つまたは複数のケースユニットと接触せず、保管棚上の保管スペース130Sまたは他の任意の適切なケースユニット保持位置に配置されている、取り出されていないケースユニットに干渉しないように、2つの端部のタイン273A、273Eは他のタイン273B~273Dに対して(たとえば、Z方向において)下側に配置される。
【0034】
タイン273A~273EのZ方向への移動は、移送アーム110PAの任意の適切な場所に取り付けられた1つまたは複数のアクチュエータ274A、274Bによってもたらされる。一態様において、1つまたは複数のアクチュエータ274A、274Bは、取り出しヘッド270のベース部材272に取り付けられる。1つまたは複数のアクチュエータは、1つまたは複数のタイン273A~273EをZ方向に移動させることができる、線形アクチュエータなどの任意の適切なアクチュエータである。たとえば、
図2に示される態様においては、各可動なタインがZ方向に独立して移動可能であるように、可動なタイン273A、273Eのそれぞれに対して1つのアクチュエータ274A、274Bが存在する。他の態様においては、2つ以上のタインがZ方向に一体として移動するように、1つのアクチュエータが2つ以上の可動なタインに連結されてもよい。
【0035】
理解され得るように、1つまたは複数のタイン273A~273Eを取り出しヘッド270のベース部材272上に可動に取り付けることは、大きなケースユニットおよび/またはピックフェースの取り出しヘッド270上への完全な支持を提供しつつ、小さなケースユニットを、たとえば保管棚上に配置されておいる他のケースユニットと干渉することなく取り出し配置する能力も提供する。保管棚上の他のケースユニットと干渉することなく様々な大きさのケースユニットを取り出し配置する能力は、保管棚上のケースユニット間の隙間GP(
図1A参照)の大きさを減少させる。理解され得るように、タイン273B~273Dはベース部材272に固定されるので、ケースユニット保持位置へ、およびケースユニット保持位置からの、ケースユニットおよび/またはピックフェースの上昇および下降は、リフトモータ301、301Aによってのみもたらされるので、ケースユニットを取り出し/配置するときに重複した動作はない。
【0036】
再び
図2を参照し、プッシャーバー110PRは移送アーム110PAから独立して移動可能であることにも留意する。プッシャーバー110PRは、たとえば、ガイドロッドおよびスライド構成など、任意の適切な方法でフレームに可動に取り付けられ、Y方向(たとえば、移送アーム110PAの延伸/後退方向に略平行な方向)に沿って作動される。一態様において、少なくとも1つのガイドロッド360は、フレーム110Fの長手軸LXに対して横方向に延伸するように、積載セクション110PL内に取り付けられる。プッシャーバー110PRは、それぞれのガイドロッド360に係合し、それに沿ってスライドするように構成される少なくとも1つのスライド部材360Sを含んでもよい。一態様において、少なくともガイドロッド/スライド構成は、積載セクション110PL内につながってプッシャーバー110PRを保持する。プッシャーバー110PRは、モータ303および伝達部303Tなど、任意の適切なモータおよび伝達部によって作動される。一態様において、モータ303は回転モータであり、伝達部303Tはベルトおよびプーリー伝達部である。他の態様において、プッシャーバー110PRは、実質的に回転部品を有さない線形アクチュエータによって作動されてもよい。
【0037】
プッシャーバー110PRは、ローラ110RLに略垂直となり、取り出しヘッド270に干渉しないように、積載セクション110PL内に配置される。
図6に見られ得るように、ボット110は、少なくとも1つのケースユニットがローラ110RL上に支持されるような搬送構成である(たとえば、ローラは集合的に積載ベッドを形成する)。搬送構成において、取り出しヘッド270のタイン273A~273Eは、ローラ110RLと互いに噛み合わされ、ローラ110RLのケースユニット支持面RSP(
図4参照)の(Z方向に沿って)下側に配置される。プッシャーバー110PRは、タイン273A~273Eが入る溝351(
図7)を備えて構成され、タインがケースユニット支持面RSPの下方へ移動できるように、またタイン273A~273Eからの干渉のないプッシャーバー110PRの自由な移動を可能にするように、溝351内には充分な間隙が設けられる。プッシャーバー110PRは、ローラ110RLが通る1つまたは複数の開口も含み、開口は、ローラのそのそれぞれの軸周りでの自由な回転を可能にするような大きさにされる。理解され得るように、独立して動作可能なプッシャーバー110PRは、ローラ110RL、移送アーム110PAの横方向(たとえば、Y方向)への延伸および取り出しヘッド270の上昇/下降と干渉しない。
【0038】
上述のように、プッシャーバー110PRは、取り出しヘッド270の延伸軸および上昇軸からの干渉なしに動作する、ボット110の分離した独立型の軸であるので、プッシャーバー110PRは、移送アーム110PAの上昇および/または延伸と実質的に同時に動作され得る。組み合わされた軸移動(たとえば、プッシャーバー110PRの、移送アーム110PAの延伸軸および/または上昇軸との同時移動)は、積載操作処理量の増加をもたらし、取り出し通路の1つの共通の経路での、共通の取り出し通路からの2つ以上のケースユニットの(たとえば、所定の積載物搬出シーケンスによって)順序付けられた複数取り出しをもたらす。たとえば、
図4~5を参照すると、移送アーム110PAの複数取り出し/配置シーケンスの間に、プッシャーバー110PRは、接触深さX3(たとえば、保管スペースまたは他のケースユニット保持位置から取り出され/配置されているときに、ケースユニットおよび/またはピックフェースCUにより占められているタインの深さ)から所定の距離X2だけ離れた位置に(ケースユニットおよび/またはピックフェースが取り出され、積載セクション110PL内に移送されると)あらかじめ配置される(
図11、ブロック1100)。距離X2は、ケースユニットがローラ110RL上に着座されることを可能にするためにプッシャーバー110PRとケースユニットとの間に充分な間隙をもたらすだけの最小限の距離である。ケースユニットCUがローラ110RL上に降下される(
図11、ブロック1110)ときに、ケースユニットCUに接触するためにプッシャーバー110PRが移動する距離は、積載セクション110PLの(積載セクション110PLの横方向およびアクセス側401に対して)後方402から移動するときの、従来の搬送車両による距離X4と比較するとより短い距離X2である。ケースユニットCUが移送アーム110PAによって降下され、ローラ110RLによってのみ支持されるようにローラ110RLへと移送されると、プッシャーバー110PRは、ケースユニットCUを位置合わせするために、(積載セクション110PLの横方向およびアクセス側401に対して)前方へと作動される(
図11、ブロック1120)。たとえば、プッシャーバー110PBは、ケースユニットがフェンス110PF(ケースユニットの参照基準がケースユニットCUとフェンス110PFとの間の接触を通して形成され得るように積載セクション110PLのアクセス側401に配置される)に接触するようにY方向において横方向にケースユニットCUを押し出してもよい。一態様において、プッシャーバー110PRは、ケースユニットCUを、互いに対して、およびボット110の参照フレームREF(
図2)に対して所定の空間関係に維持するために、(たとえば、フェンス110PFに対してケースユニットを保持するように)ケースユニットの搬送中にケースユニットCUを係合あるいは把持し得る(
図11、ブロック1130)。ケースユニットを配置すると、プッシャーバー110PRは、フェンス110PFに対してケースユニットCUを位置合わせした後に、ケースユニットCUとの接触から(たとえば、Y方向に)引き抜かれる(
図11、ブロック1140)。プッシャーバー110PRがケースユニットCUとの係合を解いた略直後に、移送アーム110PAの(たとえば、Z方向への)上昇軸および(たとえば、Y方向への)延伸軸の1つまたは複数が、プッシャーバー110PRの引き抜き動作と略同時に作動される(
図11、ブロック1150)。一態様においては、上昇軸および延伸軸の両方が、プッシャーバーがケースユニットCUとの接触から引き抜かれるときに作動されるが、別の態様においては、上昇軸および延伸軸の一方が作動される。理解され得るように、移送アーム110PAの上昇軸および/または延伸軸の、プッシャーバー110PRの引き抜きとの同時動作、ならびに、プッシャーがケースユニットCUを位置合わせするために移動する距離の減少は、ボット110へ、およびボット110からケースユニットCUを移送するのに必要な時間を減らし、保管および取り出しシステム100の処理量を増やす。
【0039】
開示される実施形態の別の態様において、理解され得るように、複数取り出し/配置シーケンスにおいて、保管および取り出しシステム100の処理量をさらに増加させ、また所定の注文の搬出シーケンスにしたがって複数取り出し/配置シーケンスをもたらすために、複数のケースユニットは、積載セクション110PL内で実質的に同時に運搬および操作される。また
図1Cを参照すると、ボットは、たとえば制御サーバ120(および/または倉庫管理システム2500)から、取り出しおよび配置命令を受け取り、ボット制御装置110Cが、順序付けられた複数取り出しを形成するためにこれらの命令を実行する。ここでボット110は、取り出し通路130A1を通る単一または共通の経路を作るために、たとえば、移送デッキ130Bから共通の通路130A1に入り、その間ボット110は、所定の注文の搬出シーケンスにしたがって2つ以上のケースユニットを取り出す(
図12、ブロック1201A)。一態様において、ケースユニットCUの操作は、ケースユニットの分類(換言すれば、所定の積載物搬出シーケンスによるケースユニットの取り出しおよび配置)であり、ケースは、ケースユニットの取り出し/配置のために移送アーム110PA上に配置されているか、他のケースユニットが移送アーム110PAへ、および移送アーム110PAから移送される間、該当するケースユニットが移送アーム110PAに移送されたり移送アーム110PA上に留まったりしないように配置される。ここで、ボット110は、矢印XCの方向において共通の取り出し通路130A1を通って移動し、所定の注文の搬出シーケンスにしたがって、所定の保管スペース130S1で停止し、ボット110は、共通の移送アーム110PAにより所定の保管スペース130S1から1つまたは複数のケースユニットを取り出し、共通の移送アーム110PA上へのケースユニットの配置は、以下に詳細に記載される所定の注文の搬出シーケンスに対応する(たとえば、ケースユニットは、たとえばボット110による搬送中、オンザフライで分類される)。
【0040】
ボット110上でのケースの操作の一例として、
図6~9も参照すると、ケースユニットCUAはケースユニット保持位置から(たとえば、命令された複数取り出しをもたらすために、共通の取り出し通路の保管スペース130Sから、また他の態様においては、リフト移送ステーションLTS、
図1C参照、および/または、取り出し通路または移送デッキ上に位置するケースユニットバッファステーションから)取り出され、積載セクション110PL内に移送される(
図12、ブロック1201B)。ケースユニットCUAが積載セクション110PL内に移送されると、プッシャーバー110PRは、ケースユニットCUAがローラ110RLへの移送のために降下される(
図12、ブロック1205)ときにケースユニットCUAとフェンス110PFとの間に配置されるように、フェンス110PFに隣接してあらかじめ配置されてもよい(
図12、ブロック1204)。プッシャーバー110PRは、ケースユニットCUAがタイン273A~273Eの位置合わせ面273JS(
図4)に接触し、積載セクション110PLの後方402に位置合わせされるように、ケースユニットCUA(ローラ110RL上に係止)を積載セクション110PLの後方(たとえば、後部)402に向けてY方向に押し出すように作動される。
【0041】
一態様において、ボット110は、共通の取り出し通路130A1を(たとえば、命令された複数取り出しにおけるケースユニットの全てが、単一の方向を移動するボット100によって取り出し通路の共通の経路で取り出されるように)同一方向XCで行き来し続け所定の注文の搬出シーケンスにしたがって別の所定の保管スペース130Sで停止する。上述のように、ケースユニットCUAが、ボット110の参照フレームREFに対して積載セクション110PLの後方402の所定の位置(および/または長手方向の所定の位置)に留まるように、プッシャーバー110PRは、ケースユニット保持位置の間でのケースユニットの搬送中、ケースユニットCUAと接触(把持)したままである(
図12、ブロック1215)。たとえば、共通の取り出し通路130A1の他の保管スペース130S2から後続のケースユニットを取り出すために、プッシャーバー110PRは、ケースユニットCUAの係合を解くためにY方向へと移動させられ、移送アーム110PAの上昇軸および延伸軸は、他の保管スペース130S2(または他の態様においては、たとえば、上述のようなリフト移送ステーションLTSおよび/またはバッファステーション)から別のケースユニットCUBを取り出すために作動される(
図12、ブロック1220)。ケースユニットCUBが取り出されている間、プッシャーバー110PRは、ケースユニットCUAとタイン273A~273Eの位置合わせ面273JSとの間に位置するように、Y方向において積載セクション110PLの後方402に隣接して配置される(
図12、ブロック1225)。ケースユニットCUA、CUBがY軸に沿って互いに対して配置されるように、ケースユニットCUBは積載セクション内へ移送され、ローラ110RL上に下降/載置される(
図12、ブロック1230)。ケースユニットCUA、CUBを前方へ位置合わせし(
図12、ブロック1234)、搬送のためにケースユニットCUA、CUBを把持/保持する(
図12、ブロック1235)ために、プッシャーバー110PRは、ケースユニットCUA、CUBをフェンス110PFに向けて押し出すようにY方向に作動される。理解され得るように、一態様において、ケースユニットCUA、CUBは、ケースユニット保持位置で一体として配置されるが、他の態様において、ケースユニットCUA、CUBは、分類され、たとえば、共通のケースユニット保持位置の離れた位置へと搬送されて配置されるか、または以下にさらに詳細に記載されるように、異なるケースユニット保持位置に配置される(
図12、ブロック1240)。たとえば、
図10も参照すると、注文された複数取り出しの積載物を運ぶボット110は、注文された複数取り出しのケースユニットを、搬出リフト150B1、150B2の1つまたは複数の移送ステーションLTS(バッファ棚7000A~7000Lを含む)に移送する。複数取り出しのケースユニットが、たとえば、共通のバッファまたは移送棚7000A~7000Lまたはリフト150B1、150B2の移送ステーションLTSの異なる位置に配置される場合、ボット110は、ケースユニットCUB(例示を目的として、
図10のピックフェース7に対応し、この例においては単一のケースユニットを含む)の1つ目をバッファ棚7000Bの第1の位置に配置し、ケースユニットCUA(例示を目的として、
図10のピックフェース5に対応し、この例においては単一のケースユニットを含む)の2つ目をバッファ棚7000Bの第2の位置に配置する。複数取り出しのケースユニットが共通のケースユニット保持位置に配置される場合、ボット110は両方のケースユニットCUA、CUBを一体として、たとえば、バッファ棚7000Aの共通の位置(例示を目的として、
図10のピックフェース9に対応し、この例において2つのケースユニットを含む)に配置する。
【0042】
ケースユニットCUA、CUBが、共通のケースユニット保持位置の離れた位置または別のケースユニット保持位置での配置のために分類される(
図12、ブロック1250)場合、ケースユニットCUA、CUBは、積載セクション110PLにおいて互いから分離される。たとえば、移送アーム110PAの取り出しヘッド270は、プッシャーバー110PRがケースユニットの真下を通過できるのに充分な量だけケースユニットCUA、CUBをローラ110RLから持ち上げるために、Z方向に移動させられ得る(
図13、ブロック1250A)。ケースユニットCUA、CUBが持ち上げられると、プッシャーバー110PRは、ケースユニットCUA、CUBの間に位置するようにY方向に沿って配置される(
図9参照)(
図13、ブロック1250B)。取り出しヘッド270は、ケースユニットCUA、CUBがローラ110RLに移送され、プッシャーバーがケースユニットCUA、CUBの間に挿入されるように降下される(
図13、ブロック1250C)。プッシャーバー110PRは、ケースユニットCUAを積載セクション110PLの後方402に向かって(たとえば、タイン273A~273Eの位置合わせ面273JSまたは他の任意の適切な位置に対して)移動させるために(たとえば、ケースユニットを分離するために)Y方向に移動させられる一方で、ケースユニットCUBは、フェンス110PFに隣接する積載セクション110PLの前方に留まる(たとえば、
図7に示す)(
図13、ブロック1250D)。理解され得るように、ケースユニットが搬送中、タインの位置合わせ面273JSに対して保持される場合、プッシャーバーは、ケースユニットCUBを積載セクション110PLの前方401に向かって(たとえば、フェンス110PFまたは他の任意の適切な位置に対して)移動させるために(たとえば、ケースユニットを分離するために)Y方向に移動させられる一方で、ケースユニットCUAは、位置合わせ面273JSに隣接する積載セクション110PLの後方に留まる。プッシャーバー110PRは、ケースユニット保持位置での配置のため、タイン273A~273E上にケースユニットを配置するために、ケースユニットCUBをフェンス110PFに対して再び位置合わせするようY方向に移動させられてもよい(
図13、ブロック1250E)。理解され得るように、ケースユニットCUAが、実質的に(たとえば、取り出しヘッド270の)タイン273A~273Eの位置合わせ面273JSに対して配置されている状態で、ケースユニットCUBは、実質的にケースユニットCUAからの干渉なくケースユニット保持位置に配置でき(
図13、ブロック1250F)、たとえば、ケースユニットCUAは、ケースユニット保持位置に配置されるケースユニットとの接触を免れる。ケースユニットCUAは、(たとえば、移送アーム110PAを後退および降下させることによって)積載セクション110PL内に戻るように降下/移送される(
図13、ブロック1250G)。位置合わせ面273JSとケースユニットCUAとの間にあらかじめ配置されているプッシャーバー110PRは、別のケースユニット保持位置(たとえば、ケースユニットCUBが配置された保持位置とは異なる)での配置のためケースユニットCUAを前方へ位置合わせするために、ローラ110RL上に配置されるケースユニットCUAをフェンス110PFに対して押し出す(
図13、ブロック1250H)。プッシャーバー110PRは、他のケースユニット保持位置への搬送中にケースユニットを(たとえば、フェンスにより)把持するために、ケースユニットCUAに接触したままである(
図13、ブロック1250I)。プッシャーバー110PRは、ケースユニットCUAから離れるように移動し、移送アームは、ケースユニットCUAを他のケースユニット保持位置に配置するために、取り出しヘッド270を上昇および延伸させるように作動される(
図13、ブロック1250J)。
【0043】
混合パレット積載物MPL(
図1Dに示す)を作り出すため、および/または、所定の注文の搬出シーケンスにしたがってオペレータステーション160EP(
図15に示す)で顧客注文のバッグ、トートまたは他の容器TOTを充填するための、ケースユニットのオンザフライ分類を伴うケースユニットの複数取り出しおよび配置動作の一例は、開示される実施形態の態様にしたがって
図1Cに関して記載される。たとえば、顧客注文が、ケースユニット7が搬出リフト150B1に運ばれ、ケースユニット5も搬出リフト150B1に運ばれることを要求すると仮定する(他の態様において、顧客注文は、共通のボット110により把持されるケースユニットの異なる搬出リフトへの移送が、本明細書に記載のものと実質的に同様の方法で生じるように、共通のボット110により把持されるケースユニットが異なる搬出リフトに運ばれることを要求する場合もある)と、ボット110は、取り出し通路130A1に入り、
図11~13に関して上述した方法で保管スペース130S1からケースユニット7を取り出す(
図14、ブロック1400)。ケースユニット7は、上述のように積載セクション110PLの後部に向かってボット110上で位置合わせされる(
図14、ブロック1405)。ボット110は、取り出し通路の共通の経路で取り出し通路130A1を通って移動し続け、両方のケース7、5が共通の移送アーム110PA上で互いに隣接して位置するように、共通の移送アーム110PAにより異なる保管スペース130S2からケースユニット5を取り出す(
図14、ブロック1410)。他の態様においては、両方のケースユニット7、5が、共通の移送アーム110PAによって、取り出し通路130A2などの共通の保管スペース130S2から一体として取り出される(
図14、ブロック1415)。理解され得るように、一態様において、制御装置110Cは、ケースユニットが配置された順番と反対の順番で、ケースユニットの取り出しをもたらすように構成される。
【0044】
この複数取り出しの例において、ケースユニット保持位置は取り出し通路130の保管スペース130Sに対応するが、他の態様においてケースユニット保持位置は、搬入リフトモジュール150A1、150A2(ボットとリフトとの間の直接的な移送が生じる)と、搬入リフトモジュール150A1、150A2と相互作用するための移送またはバッファステーションLTS(リフトモジュールとボットとの間の間接的な移送が生じる)と、保管スペース130S1~130S4(移送ステーションLTSおよび搬入リフトモジュールからのボットによる取り出しは、所定の注文の搬出シーケンスに必要なケースユニットが保管スペース130Sに配置されず、搬出リフト150B1、150B2に実質的に直接運ばれるように、ジャストインタイム方式で保管ラックアレイ内に搬入されることに留意する)とを含む。
【0045】
ボット110は、上述の方法で積載セクション110PL内にケースユニット7、5の両方を把持し、取り出し通路130A1を出る(
図14、ブロック1420)。ボットは移送デッキ130Bに沿って移動し、搬出リフト150B1と相互作用する(
図14、ブロック1421)。ケースユニット5が積載セクション110PLの前方へ位置合わせされ、ケースユニット7が積載セクション110PLの後方へ位置合わせされるように、ボットは、上述のように、積載セクション110PL内でケースユニット7、5を分離する(
図14、ブロック1425)。ケースユニット5は、ボット110によって直接的に(たとえば、ボットの取り出しヘッド270がリフトの棚と直接相互作用する)、または移送/バッファステーションLTSの棚7000Bなどを通して間接的に(ケースユニットはステーションLTSに移送され、ステーションがリフトの棚と相互作用する)、搬出リフト150B1へと移送される(
図14、ブロック1430)。ボットは、ケースユニット7を積載セクション110PLに戻す(
図14、ブロック1435)ために移送アーム110PAを後退させ、ケースユニットCUCを把持する(
図14、ブロック1420)。ケースユニットCUCは搬出リフト150B1の第2の位置まで搬送され(
図14、ブロック1421)、上述のように積載セクション110PLの前方へ位置合わせされ(
図14、ブロック1425)、上述のように直接または間接的に搬出リフト150B1へ移送される(
図14、ブロック1430)。他の態様においては、所定のケースユニット搬出シーケンスに応じて、ボット110は、両方のケースユニット7、5を、搬出リフト150B1、150B2の一方など、共通の場所/位置に配置する。たとえば、棚7000H上のピックフェース20は、ボット110が両方のケースユニットを複数ケースユニットのピックフェースとして棚7000Hの単一の位置に配置するように、両方のケースユニット7、5を備える。
【0046】
搬出リフト150B1、150B2は、棚7000A~7000L上に配置される注文された複数取り出しを、ボットにより、所定の注文の搬出シーケンスにしたがって搬出ステーション160UTに移送する。たとえば、依然として
図10を参照すると、ピックフェース1~22は、混合パレット積載物MPLを形成するため、および/または、顧客の注文のバッグ、トートまたは他の容器TOTをオペレータステーション160EPで充填するため、ピックフェース1~22が必要な所定の順番で搬出ステーション160UTへ運ばれるように、順序付けられた順番でリフト150B1、150B2により取り出される。
【0047】
図16を参照すると、開示される実施形態の態様にしたがって、取り出し通路に沿ってラック上に配列された保管スペースが設けられる(
図16、ブロック1600)。複数レベルのデッキも設けられ(
図16、ブロック1610)、複数レベルのデッキの少なくとも1つのデッキレベルは、各通路と連通し、複数レベルのデッキおよび通路が、複数レベルのデッキの各レベルでの自律搬送車両の転動面を画定する。複数のラックレベルのラックは、複数のラックレベルに共通のそれぞれの転動面からアクセスされ(
図16、ブロック1620)、ラックは複数レベルのデッキの各レベルで、少なくとも1つの通路に沿って配置される。一態様において、ラックレベルの間の垂直方向のピッチは、それぞれの通路の部分に対して変動する。一態様において、それぞれの通路の部分の、少なくとも2つのラックレベル間の垂直方向のピッチは、自律搬送車両が共通の通路経路で順序付けられたシーケンスの複数の取り出しをもたらすように、それぞれの通路の別の通路部分の、少なくとも2つの他のラックレベル間の別の垂直方向のピッチに関連付けられる。一態様において、それぞれの通路の部分の、少なくとも2つのラックレベル間の垂直方向のピッチは、垂直方向のピッチおよび他の垂直方向のピッチが保管される品物によって複数のデッキレベル間の垂直方向のスペースを実質的に埋めるように、それぞれの通路の別の通路部分の、少なくとも2つの他のラックレベル間の別の垂直方向のピッチに関連付けられる。
【0048】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、自動保管および取り出しシステムの保管アレイは、取り出し通路に沿ってラック上に配列された保管スペースと、少なくとも1つのデッキレベルが各通路と連通する複数レベルのデッキとを含み、複数レベルのデッキおよび通路は、複数レベルのデッキの各レベルでの自律搬送車両の転動面を画定するように構成され、複数レベルのデッキの各レベルで少なくとも1つの通路に沿うラックは、複数のラックレベルに共通するそれぞれの転動面からアクセスされる複数のラックレベルにあり、それぞれの通路の部分について、ラックレベル間の垂直方向のピッチが変動し、それぞれの通路の部分の、少なくとも2つのラックレベル間の垂直方向のピッチは、自律搬送車両が共通の通路経路で順序付けられたシーケンスの複数の取り出しをもたらすように、それぞれの通路の別の通路部分の、少なくとも2つの他のラックレベル間の別の垂直方向のピッチに関連付けられる。
【0049】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、自律搬送車両は、共通の通路経路で混合ケースの複数の取り出しをもたらす。
【0050】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、複数のデッキレベルは、取り出し通路の両端に配置される。
【0051】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、複数レベルのデッキにより画定される転動面の部分は、転動面を横切る、および転動面に沿った、自律搬送車両の非決定的な行き来のために構成される。
【0052】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、保管アレイはさらに、複数レベルのデッキの少なくとも1つと連通する1つまたは複数の垂直リフトを含み、1つまたは複数の垂直リフトは、少なくとも部分的に、保管スペースへおよび保管スペースから保管される品物を移送するように構成される。
【0053】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、複数のラックレベルのそれぞれは、複数のラックレベルのそれぞれでのピックフェースの動的な割り当てを容易にする、開放した非決定的な保管面を画定する。
【0054】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、複数レベルのデッキは、ラックレベルの垂直方向のピッチの整数倍ではないピッチで配置される。
【0055】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、自動保管および取り出しシステムの保管アレイは、取り出し通路に沿ってラック上に配列された保管スペースと、少なくとも1つのレベルのデッキが各通路と連通する複数レベルのデッキとを含み、複数レベルのデッキおよび通路は、複数のデッキレベルの各レベルでの自律搬送車両の転動面を画定するように構成され、複数レベルのデッキの各レベルで少なくとも1つの通路に沿うラックは、複数のラックレベルに共通するそれぞれの転動面からアクセスされる複数のラックレベルにあり、それぞれの通路の部分について、ラックレベル間の垂直方向のピッチが、変動し、それぞれの通路の部分の、少なくとも2つのラックレベル間の垂直方向のピッチは、垂直方向のピッチおよび他の垂直方向のピッチが保管される品物による複数のデッキレベル間の垂直方向のスペースの実質的な充填をもたらすように、それぞれの通路の別の通路部分の、少なくとも2つの他のラックレベル間の別の垂直方向のピッチに関連付けられる。
【0056】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、複数のデッキレベルは、取り出し通路の両端に配置される。
【0057】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、複数レベルのデッキにより画定される転動面の部分は、転動面を横切る、および転動面に沿った、自律搬送車両の非決定的な行き来のために構成される。
【0058】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、保管アレイはさらに、複数レベルのデッキの少なくとも1つと連通する1つまたは複数の垂直リフトを含み、1つまたは複数の垂直リフトは、少なくとも部分的に、保管スペースへおよび保管スペースから保管される品物を移送するように構成される。
【0059】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、複数のラックレベルのそれぞれは、複数のラックレベルのそれぞれでのピックフェースの動的な割り当てを容易にする、開放した非決定的な保管面を画定する。
【0060】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、複数レベルのデッキは、ラックレベルの垂直方向のピッチの整数倍ではないピッチで配置される。
【0061】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、方法は、取り出し通路に沿ってラック上に配列された保管スペースを設けることと、少なくとも1つのデッキレベルが各通路と連通する複数レベルのデッキを設けることであって、複数レベルのデッキの、複数レベルのデッキおよび通路は、複数レベルのデッキの各レベルでの自律搬送車両の転動面を画定する、複数レベルのデッキを設けることと、複数のラックレベルに共通するそれぞれの転動面から、複数のラックレベルにあり複数レベルのデッキの各レベルで少なくとも1つの通路に沿って配置されるラックにアクセスすることとを含み、それぞれの通路の部分について、ラックレベル間の垂直方向のピッチが変動し、それぞれの通路の部分の、少なくとも2つのラックレベル間の垂直方向のピッチは、自律搬送車両が共通の通路経路で順序付けられたシーケンスの複数の取り出しをもたらすように、それぞれの通路の別の通路部分の、少なくとも2つの他のラックレベル間の別の垂直方向のピッチに関連付けられる。
【0062】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、方法はさらに、自律搬送車両により、共通の通路経路で混合ケースの複数の取り出しをもたらすことを含む。
【0063】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、方法はさらに、複数レベルのデッキの少なくとも1つと連通する1つまたは複数の垂直リフトを設けることと、1つまたは複数の垂直リフトにより、少なくとも部分的に、保管スペースへおよび保管スペースから保管される品物を移送することとを含む。
【0064】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、方法はさらに、複数のラックレベルのそれぞれにより、複数のラックレベルのそれぞれでのピックフェースの動的な割り当てを容易にする開放した非決定的な保管面を画定することを含む。
【0065】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、方法は、取り出し通路に沿ってラック上に配列された保管スペースを設けることと、少なくとも1つのレベルのデッキが各通路と連通する複数レベルのデッキを設けることであって、複数レベルのデッキの、複数レベルのデッキおよび通路は、複数のデッキレベルの各レベルでの自律搬送車両の転動面を提供する、複数レベルのデッキを設けることと、複数のラックレベルに共通するそれぞれの転動面から、複数のラックレベルにあり複数レベルのデッキの各レベルで少なくとも1つの通路に沿って配置されるラックにアクセスすることとを含み、それぞれの通路の部分について、ラックレベル間の垂直方向のピッチが変動し、それぞれの通路の部分の、少なくとも2つのラックレベル間の垂直方向のピッチは、垂直方向のピッチおよび別の垂直方向のピッチが保管される品物による複数のデッキレベル間の垂直方向のスペースの実質的な充填をもたらすように、それぞれの通路の別の通路部分の、少なくとも2つの他のラックレベル間の別の垂直方向のピッチに関連付けられる。
【0066】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、方法はさらに、複数レベルのデッキの少なくとも1つと連通する1つまたは複数の垂直リフトを設けることと、1つまたは複数の垂直リフトにより、少なくとも部分的に、保管スペースへおよび保管スペースから保管される品物を移送することとを含む。
【0067】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、方法はさらに、複数のラックレベルのそれぞれにより、複数のラックレベルのそれぞれでのピックフェースの動的な割り当てを容易にする開放した非決定的な保管面を画定することを含む。
【0068】
上記記載は、開示される実施形態の態様の例示にすぎないことが理解されるべきである。当業者によって、様々な代替例および修正例が、開示される実施形態の態様から逸脱することなく案出され得る。したがって、開示される実施形態の態様は、添付の請求項の範囲に該当する、そのような代替例、修正例、および変形例のすべてを含むことを意図している。さらに、異なる特徴が、それぞれ異なる従属または独立請求項に詳述されるという一事実は、これらの特徴の組み合わせを有利に使用することができないということを意味せず、そのような組み合わせは、本発明の態様の範囲内に留まる。
【外国語明細書】