(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037195
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】ソーラーパネル装置のパネル積層方法
(51)【国際特許分類】
H02S 40/36 20140101AFI20220301BHJP
【FI】
H02S40/36
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209596
(22)【出願日】2021-12-23
(62)【分割の表示】P 2019019364の分割
【原出願日】2019-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】509185099
【氏名又は名称】株式会社日本エナジー研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100091465
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 久夫
(72)【発明者】
【氏名】堀田 義盛
(72)【発明者】
【氏名】原 佳子
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ソーラーパネル装置における架台を有効利用できるようにした積層方法を提供する。
【解決手段】フレーム11と該フレーム11に固定された脚12とからなり、設置面に設置される架台10と、該架台10に搭載された第1のソーラーパネル20とからなるソーラーパネル装置において、上記第1のソーラーパネル20上に第2のソーラーパネル30を搭載して固定具31で上記第1のソーラーパネル20又は架台10に固定するか又は接着剤で上記第1のソーラーパネル20に接着し、発電電圧の小さいソーラーパネルからの出力線21に逆流防止用電流制限素子22を接続し、発電電圧の大きいソーラーパネルから小さいソーラーパネルに逆流しないように積層し、両者のソーラーパネルから発電電力を取り出すようにしたことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム(11)と該フレーム(11)に固定された脚(12)とからなり、設置面に 設置される架台(10)と、該架台(10)に搭載された第1のソーラパネル(20)とからなるソーラーパネル装置において、上記第1のソーラーパネル(20)上に透明ガラス、透明シート又は透明フィルムからなる透光性の第2のソーラーパネル(30)を搭載して固定具(31)で上記第1のソーラーパネル(20)又は架台(10)に固定するか又は接着剤で上記第1のソーラーパネル(20)に接着し、上記第2のソーラーパネル(30)の出力線を上記第1のソーラーパネル(20)の出力線(21)に接続して上記第2のソー ラーパネル(30)から発電電力を第1のソーラーパネル(20)の発電電力とともに取り出すようにする一方、発電電圧の低いソーラーパネルの出力線には逆流防止用の電流制限素子(22)を接続するようにしたことを特徴とするソーラーパネル装置のパネル積層方法。
【請求項2】
第1のソーラーパネル(20)の出力線(21)には逆流防止用の電流制限素子(22)を接続するようにしたことを特徴とする請求項1のソーラーパネル装置のパネル積層方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はソーラーパネル装置のパネル積層方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、環境問題に対する関心が高まり、クリーンな循環型エネルギーが注目される傾向がある。例えば、太陽光から電気エネルギーを作り出すソーラーパルネル装置が企業か一般家庭かを問わず、多数設置されている。
【0003】
このソーラーパネル装置は架台上にソーラーパネルモジュールを搭載して構成されているが、設置から長い時間が経過し、過酷な環境に曝されると、ソーラーパネルモジュールの性能が劣化したり、故障することがあり、新しいソーラーパネル装置と交換し、劣化し故障したソーラーパネル装置を廃棄しなければならない。
【0004】
廃棄されるソーラーパネル装置については可能な限り資源を再利用することが望ましく、例えばソーラーパネルモジュールのガラス及び素子を破砕し、加熱して充填材を軟化させ、ガラスや素子を分離回収することが提案されている(特許文献1、特許文献2)。
【0005】
また、ソーラーパネルのセルアレイに故障が発生したときに、交換用セルアレイを故障したセルアレイの上に接着し、隣接するセルアレイと電気的に接続するようにした修理方法が提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011-173099号公報
【特許文献2】特開2019-6839号公報
【特許文献3】特開2003-158286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ソーラーパネル装置を廃棄する場合、架台については殆ど損傷を受けていないにもかかわらず、廃棄しなければならない。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑み、第1のソーラーパネル装置の上に第2のソーラーパネルを積層し、双方のソーラーパネルが壊れるまで、架台を有効利用できるようにしたソーラーパネル装置のパネル積層方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明に係るソーラーパネル装置のパネル積層方法は、フレームと該フレームに固定された脚とからなり、設置面に設置される架台と、該架台に搭載された第1のソーラーパネルとからなるソーラーパネル装置において、上記第1のソーラーパネル上に受光面に透明ガラス、透明シート又は透明フィルムを備える第2のソーラーパネルを搭載して固定具で上記第1のソーラーパネル又は架台に固定するか又は接着剤で上記第1のソーラーパネルに接着し、第2のソーラーパネルからも発電電力を取り出すとともに、発電電圧の低いソーラーパネルの出力線に逆流防止用電流制限素子を接続するようにしたことを特徴とする。
【0010】
本発明の特徴の1つは架台上に第1のソーラーパネルを搭載し固定した状態において、第1のソーラーパネル上に第2のソーラーパネルを積層して固定又は接着するようにした点にある。
これにより、下側の第1のソーラーパネルが長期の使用によりあるいは悪環境に曝されることによって劣化し故障したときには第2のソーラーパネルの使用を発電できるので、架台を有効利用することができる。
【0011】
第2のソーラーパネルは当業者に周知の通常のソーラーパネル、つまり基板上にソーラーパネルモジュールを搭載しその上に保護ガラスで覆った構造のソーラーパネルでもよく、最近開発の進展しているシート状又はフィルム状のソーラーパネルであってもよく、さらに透明シート状、透明フィルム状又は透明ガラス状のソーラーパネルから構成される透光性ソーラーパネルであってもよい。
【0012】
特に、透明シート状、透明フィルム状又は透明ガラス状のソーラーパネルからなる透光性ソーラーパネルを使用する場合、第1のソーラーパネルが劣化又は故障する前から、例えば製造時に第1のソーラーパネル上に搭載し接着しておくこともでき、これによってソーラーパネルの発電電力を増加させることができる。
【0013】
第1のソーラーパネルはソーラーパネルが劣化し故障したときには出力を遮断するようにしてもよく、そのまま出力を継続させるようにしてもよい。
出力を継続させる場合、第1、第2のソーラーパネルの発電電圧が相違して、例えば第1のソーラーパネルの劣化により発電電圧が低下して第2のソーラーパネルからの電流が第1のソーラーパネルに逆流するおそれがある。そこで、第2のソーラーパネルから第1のソーラーパネルに電流が逆流しないように制限素子を設けるのがよい。
【0014】
また、上述の第1、第2のソーラーパネルを積層したソーラーパネル装置も新規である。すなわち、本発明によれば、フレームと該フレームに固定された脚とからなり、設置面に設置される架台と、該架台に搭載された第1のソーラーパネルと、該第1のソーラーパネル上に搭載されて固定具で上記第1のソーラーパネル又は架台に固定されるか又は接着剤で上記第1のソーラーパネルに接着され、発電電力が取り出される第2のソーラーパネルと、を備えたことを特徴とするソーラーパネル装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係るソーラーパネル装置の補修方法の好ましい実施形態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を添付図面に示す具体例に基づいて説明する。
図1は本発明に係るソーラーパネル装置の好ましい実施形態を示す。図において、架台10は矩形状のフレーム11とフレーム11に固定されフレーム11を傾斜した状態に保持する脚12とから構成され、脚12はビルの屋上などの設置面に設置されている。
【0017】
架台10のフレーム11上には第1のソーラーパネル20が搭載されてボルト・ナットによって固定され、第1のソーラーパネル20上には第2のソーラーパネル30が搭載されて固定具31によってフレーム11に固定されている。
【0018】
この第1のソーラーパネル20は出力線22によって発電電力が取り出されるが、出力線22には逆流防止用の制限素子23が接続されている。
【0019】
ソーラーパネル装置10を設置してから長い時間が経過し、あるいは劣悪な環境に設置されていると、ソーラーパネル20が劣化したり、故障した場合、 第1のソーラーパネル20の上に第2のソーラーパネル30を搭載する。第2のソーラーパネル30には固定用のフランジ30Aが形成されているので、フランジ30Aと架台10のフレーム11との間に固定具31を引っ掛けて締付けると、第2のソーラーパネル30をフレーム11に固定することができ、第2のソーラーパネル30の出力線を接続すると、第2のソーラーパネル30の発電電力を取り出すことができる。
【0020】
このとき、第1のソーラーパネル20の出力線21には制限素子22を接続すると、第2のソーラーパネル30の発電電流が第1のソーラーパネル20に逆流することがなく、第1のソーラーパネル20の寿命を保証できる。
【0021】
図2は第2の実施形態を示し、図において
図1と同一符号は同一又は相当部分を示す。本例では第2のソーラーパネル30には透明シート状の透光性ソーラーパネル(透明ガラス状又は透明フィルム状であってもよい)が用いられ、第2のソーラーパネル30は第1のソーラーパネル20に接着されている。
【0022】
第2のソーラーパネル30が透明シートからなる透光性ソーラーパネルの場合、第1のソーラーパネル20が劣化又は故障する前から、例えば製造時に第1のソーラーパネル20上に搭載し接着しておくこともできる。
【符号の説明】
【0023】
10 架台
11 フレーム
12 脚
20 第1のソーラーパネル
30 第2のソーラーパネル
32 固定具