(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037206
(43)【公開日】2022-03-08
(54)【発明の名称】ゴルフ支援装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63B 71/06 20060101AFI20220301BHJP
【FI】
A63B71/06 U
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211843
(22)【出願日】2021-12-27
(62)【分割の表示】P 2020024967の分割
【原出願日】2014-02-12
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(72)【発明者】
【氏名】庄司 孝平
(57)【要約】 (修正有)
【課題】実際のゴルフ場の高低差を考慮した適切な情報の提供を行えるゴルフ支援装置を提供する。
【解決手段】ゴルフコースの二点間の水平距離を求めるための位置情報を記憶し、ボールを打つ地点と設定された位置の二点間の高低差の情報を取得する機能と、その取得した高低差の情報と前記記憶した位置情報から、ボールを打つ際の高低差や水平距離に対する調整飛距離等のアドバイス情報を表示部に出力する機能を備える。高低差の情報は、例えばゴルフコースの設定された位置(例えばピン)にカメラを向けたときの、カメラを装着したケースの傾きを加速度センサの出力から得られた傾きと、二点間の水平距離を用いて求める。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラで撮像した画像中に存在するグリーン上のピンを画像認識し、所定の処理を行う機能を備えたことを特徴とするゴルフ支援装置。
【請求項2】
前記所定の処理を行う機能として、前記カメラで撮像した画像中に存在するピンを画像認識で抽出する機能を備えることを特徴とする請求項1に記載のゴルフ支援装置。
【請求項3】
前記所定の処理を行う機能として、前記画像認識により前記ピンの頂点がガイドと一致したか否かを判断する機能を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のゴルフ支援装置。
【請求項4】
前記所定の処理を行う機能として、前記画像認識により前記ピンの頂点がガイドと一致したか否かを判断し、一致した際の傾きを取得し、それに基づいて高低差を求める機能を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のゴルフ支援装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のゴルフ支援装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフ支援装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
たとえば、GPS受信機を利用し、ゴルフ場で、現在位置からグリーンやバンカー等までの距離やコースレイアウトを視覚的に認識可能に表示したり、ゴルフプレイ中におけるボールを打った位置を正確かつ簡便に記録できるようにしたりするゴルフ支援装置がある(特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のゴルフ支援装置における表示画面にコースレイアウトを表示する機能は、例えばプレイ中のホール全体のコースレイアウトを描画したり、指定した領域を拡大して描画したりするものである。そして、コースレイアウトを特定するためのコース内の各地点を特定する位置情報は、経度・緯度情報を用いている。そのため、例えば、ボールを打とうとする現在位置からグリーンやバンカー等まで残り距離は、二次平面上の水平距離であった。
【0005】
一方、実際のゴルフ場は高低差があり、平面上の水平距離では正確に打つべき距離がわからないという課題がある。例えば
図1に示すように、ボールを打つ地点と、グリーン等の目標とする落下地点の高低差がない場合に、Xヤードの残り距離があるとすると、例えばグリーンの方が高い位置に存在する場合には、水平飛距離のXヤードのつもりで打つと飛距離が足りず、実際にはXヤード+αの距離を想定して打つ必要がある。一方、逆にグリーンの方が低い位置に存在する場合には、水平飛距離のXヤードのつもりで打つと飛距離がオーバーとなるので、実際にはXヤード-α′の距離を想定して打つ必要がある。
【0006】
このように従来のゴルフ支援装置は、実際のゴルフ場の高低差を考慮せずに残り距離等を求め、出力していため、提供する情報に正確性が欠け、十分ではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題などを解決するために、本発明に係るゴルフ支援装置は、(1)ゴルフコースの二点間の水平距離を求めるための位置情報を記憶し、ボールを打つ地点と設定された位置の二点間の高低差の情報を取得し、その取得した高低差の情報と前記記憶した位置情報から、前記ボールを打つ際の高低差に基づいたアドバイス情報を表示部に出力する機能を備えた。設定された位置は、例えばグリーンや、コース状の任意の地点などのボールを打ち込んでいく目標地や、ハザード,OBラインなどのボールを打ち込んではいけない目標地とするとよい。アドバイス情報は、例えばボールを打つ際に有益な情報とするとよい。例えば、有益な情報は、グリーンや、コース内の所定位置にボールを打ち込んでいく目標地にボールを運ぶようにボールを打つために必要な情報とするとよい。例えば残り距離の表示は、従来は、高低差を考慮せず二点間の水平距離を報知しただけであるが、例えば高低差を考慮した情報が報知するとよく、このようにすれば、例えば、ユーザは、クラブの番手の選択や、スイングの強弱・スイング幅の調整を適切に行うことができるので良い。
【0008】
(2)カメラと、そのカメラを装着したケースの傾きを検出するためのセンサを備え、前記高低差の情報を取得する機能は、ゴルフコースの前記設定された位置にカメラが向けられたときの前記センサの出力から得られた傾きと、前記二点間の水平距離を用いて前記高低差の情報を求めるようにするとよい。カメラが向けられたときとの判断は、例えば、ユーザからの指示に基づいたり、装置側で自動的に判断したりするもの等がある。ユーザからの指示に基づくものとしては、例えば、表示画面のタッチ、所定の操作ボタンの押下等とするとよい。例えば、カメラで撮像した画像を表示部に表示し、ユーザが表示された内容を確認して指示を与えるようにすると、カメラが向けられた時を簡単に認識できるので良い。装置側で自動機に判断するものとしては、例えば、画像認識処理をしたり、装置の状態等から判断したりするとよい。画像認識処理は、例えばカメラで撮像した画像中に存在するピンやバンカーなどの設定された位置の特徴的な要素を画像認識で抽出し、係る特徴的な要素の位置等に基づいて自動的に認識するとよい。特にグリーン上のピンのように、ピンポイントに設置されたものは、位置を正確に特定しやすく、また、風景やグリーンなどに比べて特徴的であるため、画像認識による抽出も容易に行えるので良い。また、例えば、装置・カメラが同じ方向を所定時間向いている場合に、設定された位置を向いたと判断しても良い。係る時間に基づく判断は、タイマー等の計時手段といった簡単な装置・処理で判定できるので良い。また、このように何かしらの条件を充足したときに高低差の情報を求めるものに限ることは無く、例えば実施形態でも説明したように、適宜の時間間隔で高低差の情報を求めるようにしてもよい。この場合、設定された位置にカメラが向けられていないときも高低差の情報を求めることになる。このように、本発明では、設定された位置にカメラが向けられていないとき高低差の情報を求ることを排除するものではない。そして、例えば撮像した画像とともに求めた結果を表示部等に出力することで、設定された位置にカメラが向けられたことをユーザが認識でき、ユーザが認識したときに出力している高低差の情報が求める情報となる。
【0009】
傾きと水平距離に基づいて高低差を求めるようにすると、例えば、各地点での高度情報を持たなくて済むので、係る高度情報を予め準備して登録しておく必要が無く、従来からある経度緯度等の水平距離を測定するための位置情報で済むのが良い。また、高度情報が不要な分、メモリ容量が削減できるのでよい。カメラは、傾きを測定するために特化したものでも良いが、例えば撮影機能など他の機能を実施するためのものと兼用するとよく、特にユーザのスイングを撮影してスイングチェックする機能と兼用して構成すると良い。カメラは例えば撮像手段、センサは例えば取得手段としてもよい。カメラは例えば3次元ミリ波レーダのようなものとしたり、センサは外部からケースを撮影してその傾きを検出し通信で外部からその傾きを取得するものとしたりしてもよい。しかしながら、特にカメラ、センサとすると、装置の単一化、小型化が容易となるのでよい。「カメラを装着したケースの傾き」としたが、例えば、撮像手段の傾き、カメラの傾きとしてもよい。傾きの基準方向としては、例えば、水平方向または垂直方向とするとよい。垂直方向としては、例えば重力加速度の方向とするとよい。「カメラを向けたとき」としては、例えば、入力手段からカメラを向けたことを示す信号が入力されたときとするとよい。例えば、ユーザが向けたことを入力する入力手段を備えるとよい。また、「カメラを向けたとき」としては、例えば、所定の基準位置に基準となる物標が撮像されたことを画像認識等により認識、判定するようにしてもよい。例えば、基準位置は、カメラの撮像画像を表示した画面上の所定の位置とするとよく、特に撮像画像上に基準位置を示すマーカー等を表示する構成とするとよい。また、基準となる物標はゴルフコースにおいて当該プレーヤが狙う位置または狙う位置の周辺にありかつ特定が容易な位置の物とするとよい。例えば、狙う場所とその場所ではない場所の境目の位置としてもよい。例えば、グリーンを狙う場合には、グリーンのエッジとしてもよい。また、例えば、カップを狙う場合にはカップ位置やカップ位置の周辺にあり特定が容易はピンに立つ旗の位置とするとよい。特に、予め物標の位置情報が記憶されている物標の位置とするとよい。例えば、ゴルフのコースレイアウトを表示する機能を備え、当該コースレイアウトを表示するために持っている物標の位置とするとよい。例えば、池やバンカーの位置などとしてもよいが、この場合、線や面の情報で位置が記憶されているため、当該線や面のうちどの場所に対応するかを入力する手段を備えるとよい。例えばホールの形状を位置情報を関連づけて記憶しておきホールの形状を表示する機能を備え、ホールの形状中の指定された位置(例えばタッチされた位置)を当該物標の位置と設定するようにしてもよい。また、例えば線や面のうちの代表位置を記憶または算出して用いるようにしてもよい。またさらに望ましくは、位置が一意に特定される点の情報として記憶あるいは算出される位置とするとよい。例えば、現在位置からの距離を求めて数値で表示するために記憶または算出可能な位置とするとよく、例えばグリーンやハザードの奥や手前のエッジ位置・中央位置、カップ位置等とするとよい。
【0010】
(3)前記設定された位置は、グリーンのピンポジション位置であり、前記グリーンのピンに前記カメラが向けられた際に前記傾きを求めるようにするとよい。ピンの位置は、ピンポイントであるため、幅の広がりも無く適切な位置にカメラを向けやすく、高低差を考慮した情報も適切なものとなるので好ましい。
【0011】
(4)前記表示部に、位置合わせガイドを表示し、前記カメラで撮像し、前記表示部に表示したピンの頂点が前記位置合わせガイドに一致した際の前記傾きから前記高低差の情報を求めるようにするとよい。ピンの頂点は、位置合わせガイドにあわせやすいので、操作が容易に行える。また、例えば通常ピンの長さは7フィート程度であり、また、ユーザはゴルフ支援装置を手に持ち、表示部を見ながら操作するため、カメラの位置はボールを打つ地面よりも高い位置にある。そして、ユーザの身長が例えば160から180cm程度とすると、カメラの位置もそれに近い位置にある。すると、グリーン表面に対するピンの頂点の高さ位置と、ボールを打つ地面からカメラまでの高さ位置が近くなり、補正すること無く適切に傾きひいては高低差を求めることができるので良い。
【0012】
(5)前記表示部に設定された指示領域へのタッチを検知した際の前記センサの出力に基づいて前記傾き,前記高低差の情報を求めるようにするとよい。例えばゴルフ支援装置,カメラの向きが固定しにくい場合でも、カメラを目標地等に適切に向けた際にタッチすることで、傾きひいては高低差を適切に求めることができるので良い。指示領域は、例えばカメラのシャッターボタンのように表示部の特定の領域にボタン等を表示し、その特定の領域内としても良いが、表示部の全域とすると良い。例えば位置合わせガイドを表示し、位置合わせガイドの位置に基準となる物標の画像を合わせてタッチする構成とするとよい。
【0013】
また、ガイドを表示しない構成において、あるいは、ガイドを表示する構成であっても、タッチされた位置が物標のある位置として傾きを求める構成とするとよい。
【0014】
(6)前記カメラで撮像した映像をリアルタイムで前記表示部に表示する機能、一定間隔で前記高低差の情報を求める機能、その求めた前記高低差の情報を前記表示部に出力する機能を備えるとよい。このようにすると、例えばゴルフ支援装置,カメラの向きを変えて徐々にゴルフコースの設定された位置にカメラが正対するように操作した場合、表示される高低差の情報も逐次更新される。そして、ゴルフコースの設定された位置にカメラを正しく向かせたときに表示されたる高低差に基づくアドバイス情報が正規のものとなる。よって、ユーザは、表示部を見ながらカメラの向きを変えると、正しく向いた時に表示されたアドバイス情報を確認することで、特に表示部へのタッチ等の指示を行うこと無く必要な情報を知ることができる。リアルタイムとしては、例えば、遅延やコマ落ちがあってもよいが、遅延やコマ落ちがないと認識できる程度の遅延時間及び時間間隔で表示すると特によい。
【0015】
(7)前記カメラで撮像し、表示部に表示されるピンの長さに基づいて、現在位置からピンまでの距離を求める機能を備えるとよい。ピンの長さは既知であるため、現在位置からの距離が遠いほど表示部には小さく表示される。よって、表示部に表示されるピンの長さに基づき、ピンまでの残り距離がわかるようにすると良い。このようにすると、実際のゴルフ場におけるピン位置は、日々変わるため、通常、グリーンのピンポジションはグリーンの中央等の特定の位置に設定される。すると、カメラでピンを撮像して得られた傾きは実際のピン位置に対してものであり、一方、水平距離はグリーンの中央等の特定の位置となるため、一致しない。係る不一致による距離の差から、求めた高低差には誤差を含むものとなる。そこで、ピンの長さに基づいて残り距離を求めるようにすると、正確なピンまでの距離を知ることができるので良い。
【0016】
残り距離(水平距離)が長い場合には、誤差も吸収されるが、特にグリーンに近づくと誤差の影響が出る。従って、表示部に表示されるピンの長さに基づいて残り距離を求めるのは、グリーンに近い範囲とするのが良い。係る誤差の影響が出てくる、無視できなくなる範囲とするとよい。一方、あまり近いと、ユーザがピン位置を目視等により確認できるので、本機能を用いる優位性が低くなる。特に、以下の(8)のように目盛りを配置するようにすると、測定可能な領域を広くすると、目盛りもの表示領域も広くなるため、上限/下限を設定した一定の範囲内とするとよい。
【0017】
(8)前記表示部にピンまでの残り距離に応じた間隔を置いて配置される一対の目印を有する距離測定目盛りを表示し、前記表示部に表示されるピンの両端がそれぞれ一対の目印に一致させることで、ユーザが該目印の間隔に対応する前記ピンまでの残り距離を認識できるようにするとよい。ユーザが簡単にピンまでの残り距離を知ることができるので良い。
【0018】
(9)プレイ中のコースレイアウトを表示部に表示し、その表示したコースレイアウト上のタッチされた地点を前記設定された位置とし、前記高低差の情報を求めるようにするとよい。このようにすると、ユーザが知りたい任意の地点を簡単に指定できるので好ましい。
【0019】
(10)前記タッチした後、設定された方向へのフリックを検知したら、前記高低差の情報を取得する機能、前記ボールを打つ際の高低差に基づいたアドバイス情報を出力する機能が起動するとよい。このようにすると、位置の指定と、起動指令を一連の動作で行えるので好ましい。設定された方向は、他の指示のために使用していない方向とするとよい。
【0020】
(11)前記アドバイス情報は、前記高低差の情報,ボールを打つ場合に目標とする水平距離,前記設定された位置までの水平距離に対する調整飛距離,使用すべきクラブの番手の少なくとも一つとするとよい。これらの情報は、使用するクラブを選択したり、スイングの強弱・スイング幅の調整をしたりするのに有益な情報であるので良い。
【0021】
(12)前記アドバイス情報を、前記設定された位置までの水平距離と同じ表示画面に出力する機能を備えるとよい。このようにすると、水平距離との関係がわかり、クラブの選択が、例えば水平距離のものよりも1番手大きい/小さいものにするなど簡単・適切に行えるので良い。
【0022】
(13)クラブの番手毎の飛距離を記憶し、その記憶した飛距離に基づいて前記使用すべきクラブの番手を報知する機能を備えるとよい。このようにすると、ユーザはクラブの推奨番手を知ることができ、クラブ選択が容易に行えるので良い。特に初心者・初級者等にあっては、高低差を報知されても、水平距離で使用する番手から何番手換えれば良いかが容易に推測できないことがあるが具体的に推奨番手を報知されると、わかりやすくて良い。
【0023】
(14)前記クラブの番手毎の飛距離は、測定したユーザの飛距離と使用したクラブの番手を関連づけたものであり、前記使用したクラブの番手の登録は、前記クラブに取り付けた近距離無線通信対応の番手の情報を登録したタグから、近距離無線通信を利用して読み取るようにするとよい。このようにすると、使用したクラブの番手の登録が簡単な作業で行え、ゴルフのプレイ等の邪魔にならないので良い。番手の情報としては、番手そのものとしてもよい。また番手を特定可能な識別情報としてもよい
【0024】
(15)前記ゴルフの番手の登録を、近距離無線通信以外の手段で行われた場合、前記タグの存在を報知する機能を備えるとよい。タグの存在の報知とは、例えば番手の登録が、当該タグを用いて簡単に行えることを知らせるものとするとよい。
【0025】
(16)クラブの番手毎の飛距離を記憶し、前記表示部にプレイ中のコースレイアウトを表示する機能、現在位置を基準としたクラブの番手別の推定飛距離に基づく情報を前記コースレイアウトに重ねて表示する機能を備えるとよい。このようにすると、ユーザは、コース攻略を考えて落下地点を決めた場合に、どのクラブを用いるのが良いのかがわかるので好ましい。また、自分の得意な番手がある場合、その得意な番手のクラブだとどこに度方向に打っていけば良いかなどを知ることができるので好ましい。また、狙った方向と異なる方向に飛び出していった場合のボールの落下地点が予め予想できる。よって、係る異なる方向に飛び出していっても、問題が無いようなクラブを選択したりすることができ、コース戦略を適切にできて良い。
【0026】
(17)前記推定飛距離に基づく情報は、現在位置に対する高低差を加味して決定したボールの到達予想地点を示すものとするとよい。このようにすると、より実際のコースレイアウトにあった飛距離かわかるので、クラブ選択や打つ方向を決めるのに有益な情報となるので良い
【0027】
(18)前記クラブの番手毎の飛距離は、少なくとも上限値と下限値を有し、前記推定飛距離に基づく情報は、選択された番手のクラブを使用した場合に前記上限値と下限値に基づいて設定されるボールの到達予想領域を示すものとするとよい。クラブの飛距離にはばらつきがある。よって、例えば飛びすぎたり、あまり飛ばなかったりした場合でも、ハザード等に入らないようなクラブを選択したりすることができ、コース戦略を適切にできて良い。
(19)本発明のプログラムは、(1)~(18)のいずれかに記載のゴルフ支援装置としての機能をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、高低差に基づく情報が報知されるため、ユーザは実際のコースにあった有益な情報を知ることができる。よって、クラブの選択や、スイングの強弱・スイング幅の調整や、コース戦略がより適切に行える。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】ボールを打つ地点と、落下地点の高低差に基づく飛距離の相違を説明する図である。
【
図2】(a)は本発明に係るゴルフ支援装置の好適な一実施形態の外観を示す正面図であり、(b)はその後側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
「ゴルフ支援装置の基本構成」
【0031】
図2は、ゴルフ支援装置1の外観構成を示しており、
図3はその内部構成を示すブロック図である。ゴルフ支援装置1は、偏平な略矩形状のケース2の前面に、表示部3を備えている。この表示部3は、半透過型液晶のタッチパネル22を構成する。ケース2の両側面には、それぞれ電源ボタン4と地点登録ボタン5を配置している。電源ボタン4は、電源のON/OFFや、タッチパネル操作のロック/解除の切り替えボタンとして利用する。具体的には、電源OFFの状態で電源ボタン4を長押し(例えば3秒以上)されたことを制御部11が認識すると電源が入り、制御部11が表示部3に所定のメインメニュー画面を表示する。また、電源ONの状態で電源ボタン4が長押しされたことを制御部11が認識すると、制御部11は所定の終了画面を表示部3に描画後、電源を切る。
【0032】
また、電源ONの状態で電源ボタン4が短く押された場合、それを検知した制御部11は、タッチパネル22のロック/解除を交互に切り替える。現在がロック状態であれば解除し、タッチパネル22による操作を有効にし、現在が解除状態であればロック状態に切り替えてタッチパネル22による操作を無効にする。現在の状態は、表示部3の所定位置に描画するアイコンで報知する。地点登録ボタン5は、地点の登録等に使用するボタンである。
【0033】
GPS衛星からの電波を受信するGPS受信部6は、ケース2の前側内部に実装される。また、ケース2の側面には、開閉可能な端子カバー7が装着される。その端子カバー7を開くと、microSDカードを挿入するためのカード挿入口8と、miniUSB端子9が露出する。このminiUSB端子9にACアダプターを接続することで充電することができ、USBケーブルを接続してパソコンと接続してデータの送受が行える。
【0034】
ケース2の内部には、GPS信号を受信し現在位置(経度・緯度)を求めるGPS受信部6と、ゴルフ場のコースレイアウト等のゴルフ情報を予め格納しておくゴルフ場データ格納部12と、GPS受信部6からの現在位置情報に基づきゴルフ場データ格納部12をアクセスし、ゴルフ場に関する情報を取得し出力装置に出力する制御を行う制御部11と、係る出力装置を構成する表示部3並びにスピーカ15と、携帯時の電源となる電池17と、制御部11の実行結果等を記憶する記憶部18と、地磁気センサ19と、加速度センサ20等を備えている。ケース2の背面側には、カメラ21を設けている。
【0035】
制御部11は、CPU,ROM,RAM、フラッシュメモリ、各種の周辺回路、インタフェース等を備えるマイコンを備える。制御部11は、電源ONに伴い電池17からの電源供給がなされ動作を開始する。制御部11は、ROMに記録されたブートローダーによって、フラッシュメモリに記録されたOSとアプリケーションプログラムをRAM上に展開し、RAM上のOS及びアプリケーションプログラムを実行することで、以下に示す各種の処理を実行し、各種の機能を実現する。
【0036】
ゴルフ場データ格納部12は、着脱可能な外部記録媒体(microSDメモリーカード等)等の記録メディアにより構成される。このゴルフ場データ格納部12に格納されるゴルフ情報は、実際のゴルフコースについてのデータ等がある。ゴルフコースについてのデータは、例えば、各ホールのコースレイアウト,ゴルフ場のグリーンやバンカー・池・小川等のハザード等のコース上の対象物やコース上の任意の地点等の位置情報等がある。位置情報は、例えば経度・緯度情報等の水平位置を特定する情報である。
記憶部18は、演算結果を記録しておくもので、内部メモリを用いる。
【0037】
電池17は、充電池のように充電可能な二次電池とし、miniUSB端子9から充電できるようにしている。制御部11は、地磁気センサ19の出力に基づき、本装置が向いている方位や角度を求める。角度は、例えば基準方位(例えば「北」)を0°とし、そこからの水平面内での角度である。
【0038】
加速度センサ20は、例えば三軸加速度センサを用いる。制御部11は、加速度センサ20の出力から、本装置の傾きの情報を取得する。傾きは、垂直面内で起立しているのを基準とし、そこからの傾斜角度である。
【0039】
カメラ21の視野の方向は、ゴルフ支援装置1を垂直面内で起立させた際に、水平方向を向くようにしている。ケース2の前面,背面が平行とすると、カメラ21の視野は、ケース2の背面と直交する方向を向く。また、表示部3は、通常ケース2の前面と平行に配置されるので、カメラ21の視野の方向と表示部3の平面は直交する。カメラ21で撮像している画像・映像は、表示部3に出力する。制御部11は、このカメラ21で撮像している映像に重ねて、録画開始ボタンや録画終了ボタンを表示部3に表示する。制御部11は、録画開始ボタンの部分がタッチされたのを検知すると、カメラ21で撮像している映像を、記憶部18に記録する。制御部11は、映像の記録開始から設定された時間経過後、自動的に記録を終了する。また、制御部11は、設定された時間経過前に録画終了ボタンがタッチされたのを検知すると、記録を終了する。この録画機能は、例えば、ボールを打つ際のスイングをカメラ21で撮影した動画データを記憶部18に格納するのに利用する。そして、ユーザは、プレイ中あるいはプレイ後に記録した動画データを記憶部18から読み出して表示部3に再生・出力することで、ユーザはフォームのチェックができる。
【0040】
[表示の基本機能]
制御部11は、GPS受信部6からの位置情報(経度・緯度)に基づき、ゴルフ場データ格納部12にアクセスし、現在プレイ中のゴルフコースの情報を読み出す。そして、制御部11は、現在の位置情報から、該当するホールを読み出して表示部3に描画する。この表示部3に描画される表示画面の一例としては、
図4等に示すようになる。図示するように、表示画面全体に、グリーンが上に来るように現在プレイ中のホールのレイアウトを描画する。そして、制御部11は、描画されたホール中の自分のいる場所(GPS受信部6から取得した現在位置)に対応する位置に自分アイコンIを重ねて描画する。これにより、ユーザは、グリーンに向けた方向並びにグリーン周りに存在する池やバンカーなどの位置と大きさ・形状を知ることができる。また、制御部11は、自分アイコンIを中心に、同心円ラインLをホールのレイアウトに重ねて描画する。これにより、ユーザは、池やバンカーまでのおよその距離を理解できる。このように、コースレイアウトを表示することで、ユーザは、初めてのコースであっても各ホールの攻略方法を考察することができる。
【0041】
画面右下には、残り距離表示領域R1を設定している。ゴルフ場データ格納部12には、グリーンの情報として、グリーンエッジの位置や、グリーン中央の位置が登録されている。そこで、制御部11は、現在位置とグリーン上の各位置間の距離を求め、グリーンまでの残り距離を残り距離表示領域R1に表示する。図示の例では、残り距離表示領域R1は、4つの情報を同時に表示するようにしている。残り距離表示領域R1は、上から順番に、グリーン位置表示及び距離単位表示部、グリーン奥エッジ距離表示部、グリーン中央(ピンポジション)距離表示部、グリーン手前距離表示部を有する。
【0042】
グリーン位置表示及び距離単位表示部は、使用するグリーン等の情報を表示するもので、一つのホールに二カ所のグリーンがある場合、現在選択されているグリーンをL(左側)かR(右側)で表示し、表示数値の単位をyd(ヤード)かm(メートル)で表示する。制御部11は、残り距離表示領域R1がタッチされたことを検知すると、使用グリーンR/Lの表示を交互に切り替えるとともに、切り替わったグリーンまでの残り距離を表示する。
【0043】
制御部11は、現在位置からグリーン中央(ピンポジション)までの距離を求め、求めた距離をグリーン中央(ピンポジション)に表示する(図では、“422”)。グリーン中央(ピンポジション)の位置は、ゴルフ場データ格納部12に格納されたグリーンの中央位置あるいはユーザが登録した実際のカップ位置である。どちらを使うかは、ユーザ設定による。
【0044】
また、制御部11は、現在位置からグリーン奥エッジまでの距離を求め、求めた距離をグリーン奥エッジ距離表示部に表示する(図では、“433”)。このグリーン奥エッジまでの距離は、例えば、例えばゴルフ場データ格納部12にグリーンエッジの位置情報として、グリーンの全周に渡り位置情報が登録されている場合、制御部11が、現在位置とグリーン中央(あるいはピンポジション位置)を結ぶ線の延長線と、グリーンエッジとの交点を求め、その求めた交点の位置と現在位置間の距離を求める。また、ゴルフ場データ格納部12に、グリーン奥エッジの位置が登録されている場合、制御部11が、現在位置と登録されたグリーン奥エッジの位置との距離を求める。
【0045】
また、制御部11は、現在位置とグリーン中央(あるいはピンポジション位置)を結ぶ線と、グリーンエッジとの交点を求め、その求めた交点の位置と現在位置間の距離を求め、グリーン手前エッジ距離表示部に表示する(図では、“410”)。
【0046】
制御部11は、現在設定されているピンポジションに対応する箇所に旗アイコンI1を描画する。ピンポジションは、初期値としてはグリーンの中央位置とする。また、本実施形態では、カップ位置の登録機能を備えている。例えば、ユーザは、カップ位置登録モードを起動し、ゴルフ場から得られた情報等に基づいて表示されたグリーン上の所定位置をタッチする。制御部11は、係るタッチされたグリーン上の位置を検知し、係る位置をカップ位置として登録する。ユーザ登録によりカップ位置を登録した場合、ピンポジションは、グリーンの中央位置とカップ位置のうち、設定された位置となる。旗アイコンI1の表示態様は、グリーンの中央位置に表示する場合と、カップ位置に表示する場合で異なる態様とするのが好ましい。
【0047】
制御部11は、表示したコース内にバンカーや池・小川などのハザードが存在する場合、そのハザードの位置にハザードアイコンI2を描画する。また、制御部11は、ハザードの位置情報を取得し、現在位置からハザードまでの距離を求め、残り距離Dを表示する。残り距離Dは、数字のみ表示する。単位は、残り距離表示領域R1に表示されたものと同じである。図示の例では、左右それぞれのグリーン周りに、バンカーが一つずつ設置されているため、それぞれのバンカーの位置に、ハザードアイコンI2と、残り距離D(図では、“389”と“421”)を表示している。また、コース上に複数のハザードが存在する場合であって、特に、ハザードが近接しているような場合、残り距離Dがどのハザードについてのものかわかりにくい場合がある。本実施形態では、ハザードアイコンI2と残り距離Dを線S1で結び、連係する。
【0048】
さらに、ハザードアイコンI2が表示されたハザードの内、選択されたハザードの情報は、表示画面左下に設けたハザード情報表示領域R2に表示する。ハザード情報表示領域Rは、上側にハザードの種類を特定するアイコンを表示し、下側に残り距離を表示する。このハザード情報表示領域R2に表示されるハザードは、コースレイアウト上に表示されたハザードアイコンI2をタッチすることで選択される。制御部11は、ハザードアイコンI2がタッチされたことを検知すると、タッチされたハザードを特定し、当該ハザードの種類を表示するアイコンと残り距離を表示し、また、選択されたハザードアイコンI2を他のハザードアイコンI2と異なる表示態様で表示する。図示の例では、ハザードアイコンI2は、逆三角形の形態としており、選択されたハザードアイコンの形状を大きくし、表示色も異なるようにした。このように表示態様を異ならせることで、表示部3の表示画面左下のハザード情報表示領域R2に表示したハザードが、コース内のどのハザードかが一目でわかるようにしている。
【0049】
制御部11は、表示部3の表示画面右上に、バッテリー残量を示すアイコンと、現在時刻を表示する。また、制御部11は、表示部3の表示画面左上に、表示しているコースのホール番号とPAR数を表示する。
【0050】
制御部11は、地磁気センサ19の出力に基づき、本装置が向いている方向を検出し、その方向を矢印と点線からなる方向指示線Sとしてホールレイアウトに重ねて描画する。この方向指示線Sの起点は、現在位置(自分アイコンI)である。これにより、ユーザは、本装置を持った状態でその向きを変えると、それに追従して表示画面上での方向指示線Sが旋回するので、その方向指示線S(点線)をグリーンや打ちたい場所に合わせることで、今向いている先に目標地点があることが確認できる。よって、霧等で視界が悪かったり、遠かったり、樹木・障害物などが存在している場合でも、ユーザは、正確にその方向を知ることができる。
【0051】
<地点登録機能>
また、制御部11は、地点登録ボタン5が長押し(例えば3秒以上)されたことを認識すると、そのときの現在位置をGPS受信部6から取得し、地点登録する。この任意の地点は、たとえば、実際にボールを打った地点を登録することなどに利用できる。そのように登録された任意の地点が表示画面に表示されたホールレイアウト内に存在する場合には、制御部11は、該当する位置に地点登録アイコンI3を描画する(
図5参照)。
【0052】
また、地点登録を複数行えるようにし、制御部11は、その地点登録したそれぞれの位置情報をホールごとに登録順に記憶部18に記録する。これにより、ボールを打ったショット位置をその都度地点登録することで、実際のゴルフコースでのプレイの軌跡を記録することができ、また、表示部3に各ホールレイアウトを地点登録アイコンI3とともに描画することで、表示画面上で実際のプレイの軌跡を確認できる。
【0053】
<飛距離計測機能>
飛距離計測機能は、実際にボールを打った際の飛距離を算出する機能を有する。制御部11は、前回ボールを打った際に地点登録した位置と、現在の自分アイコンIの存在位置までの距離を求める。求めた距離が、飛距離となる。制御部11は、図示省略する表示画面の適宜位置に用意した飛距離表示領域に、求めた距離を表示する。この飛距離計測機能は、例えば表示部3へのタッチ操作に基づいて起動する。例えば制御部11は、
図4,
図5などに設定されたサブメニューボタンB1がタッチされたことを認識すると、コースレイアウト上にサブメニュー画面(図示省略)を重ねて表示する。メニュー画面には、各機能を選択するボタン領域が用意されているため、制御部11は、「飛距離計測」を指定するボタンが選択されたことを認識することで、当該機能を起動する。起動後は、上記の前回ボールを打った位置と、現在位置に基づいて飛距離を求める。
【0054】
<二点間距離表示機能>
二点間距離表示機能は、確認したい地点を2点指定(タッチ)することで、指定した2点間の距離を求め、求めた距離を表示する機能である。これにより、ユーザは、コース上の任意の区間距離を確認することができる。
【0055】
これは、例えば制御部11は、
図4,
図5などに設定されたサブメニューボタンB1がタッチされたことを認識すると、コースレイアウト上にサブメニュー画面(図示省略)を重ねて表示する。そして、メニュー画面には、各機能を選択するボタン領域が用意されているため、制御部11は、「二点間距離」を指定するボタンが選択されたことを認識することで、当該機能を起動する。そして、まず、
図6(a)に示すように、ユーザがコースレイアウトを表示する画面上の任意の点をタッチすると、制御部11は、そのタッチされた地点を認識し、その位置にスタートアイコンIs(例えば、青丸)を描画する。また、制御部11は、一つ目の地点が登録された(スタートアイコンIsを描画した)状態で、次に画面がタッチされると、そのタッチされた地点を二つ目の地点として登録し、その位置にエンドアイコンIeを描画する(
図6(b)参照)。このエンドアイコンIeは、スタートアイコンIsと同形状・同一寸法の青丸としてもよいし、形状,大きさ,色の少なくとも一つを異ならせることで、どちらがスタートアイコンIsかがわかるようにすると良い。
【0056】
制御部11は、その二つの地点が登録されたならば、当該二つの地点を結ぶ直線L1を描画するとともにその二点間の距離を算出し、その算出した距離を、二点間距離表示領域R4に表示する(図では“188”)。
【0057】
これにより、ユーザは、コース場の任意の2つの地点の距離を知ることができ、コースの攻略方法を決定するのに有益な情報が得られる。なお、戻るボタンB3が選択されると、
図4等に示す基本の表示に戻る。
【0058】
また、二点間距離表示機能を起動し、最初にタッチする場所を自分アイコンIとすると、現在位置からコース内の任意の地点までの距離を求めることになる。従って、ユーザは、例えば、最初に自分アイコンIをタッチし、次にバンカー,池,小川などのハザードの奥側をタッチすると、二点間距離表示領域R4には、ハザードをキャリーで超えるために必要な距離を表示することになる。よって、ユーザは、係る距離を超えるのに必要な番手のクラブを選択する。また、例えば、最初に自分アイコンIをタッチし、次にバンカー,池,小川などのハザードの手前側をタッチすると、二点間距離表示領域R4には、ハザードへ届かない最長距離を表示することになる。ユーザは、ランも考慮してハザードに入らないクラブを選択することができる。
【0059】
[高低差を考慮した報知]
上述した各種の距離は、制御部11がゴルフ場データ格納部12に格納された位置情報(経度・緯度)に基づいて算出したものである。従って、求めた各距離は、いずれも水平距離となっている。これに対し、この高低差を考慮した報知機能は、ボールを打つ地点と設定された位置の二点間の高低差の情報を取得し、その取得した高低差の情報と記憶した位置情報から、ボールを打つ際の高低差に基づく情報を報知する機能である。
【0060】
本実施形態では、制御部11は、加速度センサ20の出力に基づいて装置の水平に対する傾きを求め、求めた傾きと水平距離から高低差を求め、求めた高低差の情報を出力する。高低差を考慮した報知を行うモードが選択された場合、制御部11は、カメラ21で撮影した映像を表示部3に表示する。ユーザは、表示部3に表示された映像を見ながら、ゴルフ支援装置1・カメラ21をグリーン等の残り距離を求める際の目標地に正対するように向ける。例えば目標地がクリーンのピンポジションの位置とすると、
図7に示すように、ユーザ31は、手に持ったゴルフ支援装置1,カメラ21をグリーンのピン30に向ける。
【0061】
制御部11は、加速度センサ20の出力から、このときのゴルフ支援装置1,カメラ21の傾き、水平面内からの傾斜角度αを求める。また、制御部11は、GPS受信部6の出力に基づいて取得した現在位置と、ゴルフ場データ格納部12に格納された目標地であるグリーンのピンポジションの位置情報から二点間の水平距離を求める。そして、制御部11は、傾き・傾斜角度αと水平距離に基づき、現在位置と目標位置の高低差を求める。制御部11は、求めた高低差を出力する。
【0062】
本実施形態では、この高低差の情報を得る際に、ピン30の頂点にゴルフ支援装置1,カメラ21の向きを合わせるようにした。これは、例えば、ボールを打つ位置よりもグリーンの面が高い打ち上げの場合、ユーザ31の地点からグリーンの面が見えずピン30の根本にゴルフ支援装置1を適切に向けることができないおそれがある。これに対し、本実施形態のように、ピン30の頂点にあわせるようにすると、打ち上げ、打ち下ろしに関係なくゴルフ支援装置1,カメラ21を目標地点に正しく向けることが行えるので良い。さらに、ユーザ31は、ゴルフ支援装置1を手に持った状態で、表示部3の表示画面を見ながらカメラ21を目標地に向ける。すると、係る状態のゴルフ支援装置1は、ボールが置かれた地面から所定距離だけ上方に位置している。従って、係る上方に位置されたゴルフ支援装置1を、目標地点の地面(例えばグリーン,ピン30の根本)に向けると、ボールが置かれた地面と目標地のグリーンの高低差を正しく計測できない。例えば
図7に示すようにグリーンが低い位置にある打ち下ろしの場合、ピン30の根本にあわせた場合の水平面内からの傾斜角度α′は、ピン30の頂点にあわせた際の傾斜角度αよりも大きくなり、高低差も大きくなってしまう。一方、ピン30の長さは、7フィート(2.13メートル)であり、例えばユーザ31の身長が160~180cm程度とすると、ピン30の頂点に向けるようにした方が、誤差が少なくより正確な傾きひいては高低差を求めることができるのでよい。また、ユーザが自己の身長を登録し、それに基づいてピンの頂点との差分を考慮した補正をするとよい。
【0063】
上記の高低差を考慮した報知機能を実現するための具体的な一例としては、例えば以下のようにする。まず、ゴルフ支援装置1は、縦長の状態で使用することを前提とする。よって、表示部3は縦長の状態にするのが基本であり、表示部3の長手方向が上下方向となり、表示部3の短手方向が左右方向・水平方向となる。
【0064】
例えば制御部11は、
図4,
図5などに設定されたサブメニューボタンB1がタッチされたことを認識すると、コースレイアウト上にサブメニュー画面(図示省略)を重ねて表示する。そして、メニュー画面には、各機能を選択するボタン領域が用意されているため、制御部11は、「高低差情報報知」を指定するボタンが選択されたことを認識することで、当該機能を起動する。そして、まず、
図8(a)に示すように、制御部11は、表示部3の表示画面の上下方向の中央位置に、位置合わせガイドを表示する。位置合わせガイドは、横方向に延びるガイドライン33を備える。また制御部11は、表示画面の右サイドに上下方向に延びるスケール35を表示し、そのスケール35の外側に該当する数値36を表示する。スケール35は、横方に伸びる短い線分35aを上下に一定間隔(例えば、0.5ヤードに相当する長さ)で配置したレイアウトからなる。これらスケール35や数値36等は、高低差に関する情報を報知するためのものである。また、制御部11は、カメラ21を起動し、カメラ21で撮像した映像を表示部3に表示する。これにより、
図8(b)に示すように、制御部11は、カメラ21で撮影した映像の上に、ガイドライン33,スケール35,数値36等を重ねて表示する。
【0065】
ユーザは、ゴルフ支援装置1の向き・姿勢を調整してカメラ21をピンへ向け、表示部3に表示されているピンの頂点と、ガイドライン33が一致するようにあわせる。制御部11は、現在位置からピンポジションまでの水平距離と、加速度センサ20から求めた傾きに基づいて現在位置とグリーンの高低差を求める。そして制御部11は、スケール35をスクロールして、求めた高低差に対応する線分35aがガイドライン33に重なるように表示する。併せて、制御部11は、表示画面の左下に、求めた高低差を高低差表示部37に数値で表示する。
図7(b)に示す例では、スケール35は、-20ヤードの位置がガイドライン33に一致し、表示画面の左下の高低差表示部37に表示する数値は「-20yd」となっている。また、
図7(a)は、ゴルフ支援装置1を垂直に起立させた状態で持ち、カメラ21を水平方向に向けた状態であるため、スケール35は、0ヤードの位置がガイドライン33に一致し、表示画面の左下の高低差表示部37に表示する数値も「±0yd」となっている。
【0066】
このように、現在位置に対するグリーンの高低差が、数値情報として報知される。よって、ユーザは、打ち上げ/打ち下ろしといったおおざっぱな情報から一歩進み、高低差を具体的に知ることで、使用するクラブを決める際の有益な情報を得られる。
【0067】
例えば、本装置の基本機能の一つであるグリーンまでの残り距離(水平距離)のときにユーザが通常使用するクラブの番手を基準に、高低差をもとに使用する番手を決定するのに役立ち、適切な番手を決定することができる。また、後述するように、高低差に関する情報として、求めた高低差から実際に打つ際に目標とすべき目安距離(水平距離)や、「○○ヤード長め/短め」といった調整飛距離等の目安距離を報知する場合、実際の調整すべき水平距離は個人の球筋等により変動するので、本実施形態のように高低差を報知し、調整すべき距離感はユーザにゆだねるのがよい。
【0068】
また、本実施形態では、ピンの頂点とガイドライン33を合わせるといった簡単な処理で向きを特定でき、ピンポジションであればその位置をピンポイントで特定できるため、正確な傾きから高低差を求めることができるので好ましい。なお、初期値として登録されているピンポジションの位置は、グリーン中央となっている。従って、初期値のまま使用すると、実際のピンの位置までの距離(水平距離)と、グリーン中央までの残り距離とでずれが生じる。ただし、係るずれは、グリーンの幅や前後長の半分以内であるため、誤差として吸収できるか、仮に吸収できないとしても、ある程度の目安として高低差に関する情報を報知できるのでよい。そして、カップ位置登録機能を用いて実際のピンの位置を登録すると、より正確な高低差を求め、それに基づく適切な情報を報知できるのでよい。
【0069】
高低差の算出・報知のタイミングは、リアルタイムで常時行うようにしても良いし、設定された条件を満たした際に行うようにしても良い。リアルタイムで常時行う場合、例えば、高低差情報報知機能が起動すると、制御部11は現在位置からグリーンまでの残り距離(水平距離)を求め、その水平距離を保持する。そして制御部11は、加速度センサ20の出力を一定サイクルで取得して傾きを求め、求めた傾きと水平距離に基づいて高低差を求め、求めた高低差に基づいてスケール35,数値による報知を行う。このようにすると、カメラ21の向き・傾きを変えていくと、係る傾きの変更に追従してスケール35がスクロールし、高低差表示部37に表示される数字が変化するので、趣があってよい。また、例えば、ガイドライン33がピンの頂点に近づいていくにつれて、報知される高低差も正しいものに近づいていくため、例えばピンの頂点とガイドライン33が一致していなくても、ユーザはある程度の高低差を知ることができるのでよい。
【0070】
また、設定された条件を満たした際に報知する場合、例えば、画像認識処理によりピンの頂点と、ガイドライン33が一致したか否かを判断し、一致した際の傾きを取得し、それに基づいて高低差を求め、求めた高低差情報を出力するとよい。また、例えば、表示画面をタッチしたことを契機としても良い。例えば制御部11は、表示画面がタッチされたことを検知した際の傾きを取得し、それに基づいて高低差を求め、求めた高低差情報を出力するとよい。表示画面のタッチの検知は、例えば、表示画面にシャッターボタンを表示し、そのシャッターボタンの表示領域がタッチされたことを検知するようにするとよい。このようにすると、例えばカメラ,スマートフォンのカメラ機能のシャッターを押すイメージとなり、ユーザは違和感なく操作できるのでよい。特に、手ぶれなどして撮像している映像がぶれ、ピンの頂点とガイドラインを一致させた状態でカメラの向きを固定できないような場合、画像認識処理による方式であると、正確かつ簡単に傾きを求めることができるので好ましい。また、シャッターボタンのタッチの場合も、ピンの頂点とガイドラインがあったときにタッチし、そのときに撮れている情報に基づいて傾きを求めると、適切な高低差を求めることができる。また、タッチしたときの映像を静止画で表示を継続するとよい。これにより、ユーザは、高低差を求めた際に使用した映像を表示部3を見て確認でき、ピンの頂点とガイドラインが一致している場合には、報知された高低差に基づく情報が正しいことが理解でき、また、不一致で大きくずれているような場合には、再度測定し直すことができる。
【0071】
また、画像認識処理を利用し、例えば上述した常時高低差情報を求め、報知する機能において、ピンの頂点と、ガイドライン33が一致したことを自動的に検知し、一致した場合の高低差情報の報知態様を変えると良い。報知態様を変える場合の一例としては、例えばガイドライン33,スケール35,数値36,高低差表示部37の少なくとも一つの表示色を変えたり、点滅させたりすると良い。また、例えばピンの頂点と、ガイドライン33が一致したことを検知した場合、報知する高低差の情報をロックし、一致した際の高低差情報を継続して報知するようにしても良い。ロックする高低差の情報は、スケール35,数値36,高低差表示部37のすべてとしても良いし、一部としても良い。一部の場合、例えば、高低差表示部37の数値はロックして固定し、スケール35のスクロール等は傾きに連動して行うようにしても良い。
【0072】
本実施形態では、目標地であるグリーン、ピンを撮影するカメラ21は、動画を撮影してスイングフォームチェックする機能のためのものを用いる。このように本装置で実装したカメラ21は、ゴルフのナビゲーションに関連する情報を取得するための機能(例えば、高低差を考慮した報知機能)と、それとは別の機能(例えばスイングチェック機能)の両方に兼用して使用される。カメラの兼用使用により、カメラの有効利用が図れ、各機能を実現するための機器・部品をコンパクトに効率よく実装することができる。
【0073】
[変形例1](報知態様の変更)
上述した実施形態では、カメラ21で撮影した映像に重ねて高低差の情報を表示するようにしたが、例えば、この高低差の情報と、他の情報を同時に報知するようにするとよい。他の情報としては、例えば、目標地までの水平距離の情報がある。例えば
図4に示す残り距離表示領域R1に表示したグリーンのピンポジションまでの残り距離の横に高低差を併記するとよい。
図4のように、グリーン手前,ピンポジション,グリーン奥エッジというように3つの距離を表示している場合、ピンポジションを示す残り距離の横に併記することで、ピンポジションまでの水平距離との関係が容易にわかるのでよい。
【0074】
図7(b)に示す高低差に関する情報の取得・報知の画面を表示後、
図4等に示すホールの表示画面へ遷移した際に、残り距離表示領域R1による水平距離でのグリーンまでの残り距離と、高低差に関する情報を同じ画面内で報知するとよい。また、グリーン手前やグリーン奥エッジまでの距離表示を行わず、ピンポジションまでの残り距離と高低差の情報を同じ画面に表示するようにしても良い。
【0075】
[変形例2](報知する内容の変更)
*調整飛距離報知
上述した実施形態では、高低差に関する情報として求めた高低差をそのまま報知するようにしたが、本発明はこれに限ることは無く、各種の関連する情報を報知するとよい。たとえば、制御部11は高低差に基づいて調整飛距離を求め、それを報知するとよい。調整飛距離は、目標地までの水平距離に対して何ヤードあるいは何メートル長くあるいは短く打てば良いかの情報・数値目安である。
図1に示すように、実線で示すボールの弾道・球筋と点線で示すボールを打つ地点と同じ高さの水平線との交点位置と、現在位置との間の水平距離が、実際に目標地にボールを打ち込むために打つべき水平距離の目安となる。従って、打ち下ろしの場合には例えば「α′ヤード短く打つ」等とのメッセージを出力し、打ち上げの場合には例えば「αヤード長く打つ」等とのメッセージを出力する。メッセージは、表示画面に表示したり、音声で出力したりする。
【0076】
αやα′の具体的な数値は、例えば、高低差と調整飛距離を対応づけたテーブルを記憶保持しておく。制御部11は、求めた高低差に基づきテーブルにアクセスし、対応する調整飛距離を取得し、報知する。また、高低差と調整飛距離の関係づけたテーブルは、水平距離毎に設けると良い。例えば、水平距離がX1~X2用のテーブル,X2~X3用のテーブル……など飛距離毎に併せて用意する。同じ高低差であっても、水平距離が大きく異なると調整飛距離に影響が出てくる。よって、水平距離に併せて複数のテーブルを用意することで、より適切な調整飛距離のアドバイスを報知できるので良い。
【0077】
上述した実施形態で説明したように、調整飛距離は球筋によっても変わる。従って、高低差と調整飛距離を対応づけたテーブルは、球筋(例えば、一般/高弾道/低弾道等)に応じて複数種類を用意し、ユーザは自己の球筋を設定し、それに応じたテーブルを用いて調整飛距離を報知するようにするとよい。
【0078】
また、例えば状況に応じて球筋を変えることができる上級者であれば、打つたびに使用する球筋に応じたテーブルを切り替えるのは煩雑である。従って、係る上級者にとっては、上述した実施形態のように高低差を報知し、実際の飛距離の調整はユーザに任せる方が好ましい。一方、例えば、初心者・初級者等は高低差を報知されても、どれくらい飛距離を調整すればよいかがわからないことが多い。従って、係る初級者等にとっては、この変形例のように調整飛距離を報知するのがわかりやすくてよい。
【0079】
*目標水平距離報知
高低差に関する情報は、例えば、ボールを打つ場合に目標・目安とする水平距離とするとよい。
図1の実線で示すボールの弾道・球筋と点線で示すボールを打つ地点と同じ高さの水平線との交点位置と、現在位置との水平距離を求め、求めた水平距離を報知する。この水平飛距離の算出は、例えば、制御部11は、上述した調整飛距離を求め、実際の目標地であるグリーンまでの水平距離に加減算することで行う。
【0080】
*使用クラブの番手報知
クラブ(番手)と飛距離を関係づけたクラブ-飛距離情報を記憶しておく。そして、制御部11は、上記の目標水平距離を求め、記憶しているクラブ-飛距離情報にアクセスし、求めた目標水平距離に適切なクラブの番手の情報を取得し、報知する。クラブ-飛距離情報を記憶するクラブ-飛距離情報記憶部は、例えば、初期値として、ゴルファーの平均的な情報を格納しておく。この平均的な情報は、性別、年齢や、ゴルフ歴などに併せて複数種類のデータを用意しておき、ユーザに選択させると良い。また、ユーザ自身に各クラブの平均飛距離を登録させるとよい。このようにすると、よりユーザに適したクラブ(番手)を報知することができるので良い。
【0081】
さらに、飛距離計測機能により、実際にボールを打った際の飛距離を算出したならば、使用したクラブの番手を飛距離と関連づけて登録するようにするとよい。このようにすることで、ユーザにとって、より正確な番手に対する飛距離を登録することができ、番手報知の信頼度が高くなるので良い。特に、自己申告で飛距離を登録した場合、ユーザ心理としてナイスショットしたときの飛距離などが頭に残り、実際の飛距離よりも長めに登録することがありえる。これに対し、実際のプレイに伴い蓄積した飛距離データに基づいてクラブの各番手の飛距離(例えば平均値)をクラブ-飛距離情報記憶部に登録すると、正確な飛距離の情報となるので好ましい。
【0082】
また、この飛距離計測機能で求めた飛距離は、水平距離である。実際には高低差による調整が必要となるが、同じ番手のクラブを用いて打ち上げ/打ち下ろしの色々なシチュエーションでボールを打っているため、例えば平均値を求めることで高低差の影響が相殺される。よって、特に高低差の調整をすること無く、使用したクラブの番手と水平距離を関連づけて記録しても良い。また、より正確に行うためには、例えば飛距離計測機能により求めた飛距離をクラブ-飛距離情報に利用するか否かをユーザに選択させる機能を備えると良い。このようにすると、例えば、高低差の少ない場所でボールを打った時の飛距離を選択して登録することができる。ユーザに選択させる機能は、例えば、飛距離計測機能により求めた後、登録の有無の確認メッセージや「YES」/「NO」の指示入力ボタン等を表示部に表示し、タッチされた指示入力ボタンの指示に従う。また、プレイする都度入力するのは煩わしいため、例えば、飛距離計測後一定時間指示が無い場合には予め決めた処理(例えば「登録」あるいは「未登録」)を実行するようにしても良い。さらには、使用したクラブの番手の入力があった場合に登録するようにしても良い。
【0083】
使用したクラブの番手の入力は、表示部3に番手入力画面を表示し、ユーザが表示部3にタッチすることで行うと良い。また、そのように表示部3にタッチして入力する作業を行うのは、スムーズなゴルフのプレイの邪魔になりかねない。そこで、例えば、NFC(Near Field Communication:近距離無線通信)を利用して、番手の登録をできるようにすると良い。例えば、クラブのグリップエンド等に、番手を登録したNFC対応のタグを装着する。NFC搭載のゴルフ支援装置1と、使用したクラブのグリップエンドを近づけると、ゴルフ支援装置1・制御部11がタグに登録された番手情報のデータを取得する。そして、制御部11は、その取得した番手情報を飛距離と関連づけ、クラブ-飛距離情報として登録する。
【0084】
また、番手の登録は、ボールを打つ前、あるいはボールを打った直後に行うようにすると良い。特に、上述したNFCを利用して番手の登録を行うようにした場合、使用するクラブを手に持っている際に、タグが取り付けられたクラブのグリップエンド等をゴルフ支援装置1に近接あるいは接触することで、スムーズにまた他のクラブに装着されたタグとご送信すること無くと番号の登録が行えるので良い。さらに、ユーザの動作を考えると、ボールを打つ地点でゴルフ支援装置1を操作し、グリーン等の目標地までの距離を確認したり、高低差を考慮した報知機能を用いて目標地までの高低差の情報を取得したりして使用するクラブの番手を決定する。そして、決定した番手のクラブをもって実際にボールを打つ。このとき、例えばゴルフバック等から取り出して手に持ったクラブのグリップエンドをゴルフ支援装置1に接近させた後、ユーザがボールに対峙してボールを打つ。グリップエンドをゴルフ支援装置1に接近させる処理は、番手決定から実際にボールを打つまでの動作の中に違和感なく溶け込み、プレイの邪魔にならないのでよい。
【0085】
また、このようにNFCを利用してクラブの番手の登録をする機能を備えている装置の場合、制御部11は、番手が手入力されたことを検知すると、例えば「グリップに止めるタグがあります」等というメッセージや、実際のタグの画像、購入サイトのURL等の宣伝・情報を表示するとよい。
【0086】
また、制御部11は、番手が未登録の場合、係る未登録であることがわかる情報を報知するとよい。この報知は、あまり目立たない態様、さりげない報知態様とし、次に打つ際に邪魔にならない態様とするのがよい。係る態様としては、例えば点滅、メッセージ(音声・表示)、アイコン表示等がある。
【0087】
ユーザのクラブの番手ごとの飛距離の登録は、上述したものに限ることは無く、例えば、本装置とは別の飛距離を求める装置を用い、各番手のクラブの飛距離を複数回計測する。そして、計測したデータの平均値を登録するようにしても良い。飛距離を求める装置は、本装置のように実際の飛距離を測定するものに限ることは無く、ボールを打った際のクラブのスイング速度に基づいて推定飛距離を推測するもの、打ち出されたボールの初速とクラブのスイング速度等を用いて推定飛距離を推測するもの等、各種の装置を利用できる。そして、係る飛距離を求める装置で求めた飛距離のデータを、本発明のゴルフ支援装置1に転送する機能を備えると良い。転送する機能としては、例えば通信ケーブルで物理的に接続したり、各種の無線通信を利用したりしてデータを転送しても良いし、マイクロSDカード等の記録メディアを介してデータを写すようにしても良い。このように転送することで、ユーザは飛距離を手入力する必要が無く、労力が軽減されるとともに、誤入力も無いため好ましい。
【0088】
[変形例3](別の目標地までの距離)
上述した実施形態や変形例では、目標地がクリーンの場合であり、カメラ21をピンに向けて傾きを求め、ピンポジション位置に対する高低差に関する情報を報知するようにした。本発明はこれに限ることはなく、現在地とコース内の任意の地点との高低差を求め、求めた高低差に関する情報を報知するようにするとよい。
【0089】
任意の地点は、位置情報が登録されている地点であり、例えば、バンカー,池,小川などのハザードや、フェアウェイとラフとの境界や、OBとの境界や、フェアウェイ内の大きな木などの目印、ホール内の障害物などがある。これらの地点は、地理的な特徴があり、他所と区別しやすいので、カメラ21で撮像した場合でも、周囲との関係で表示部3上でわかりやすく、ガイドラインに合わせやすいのでよい。また、このように地理的な特徴がなくても、位置情報が登録されていれは、任意の地点になり得る。さらに、グリーンに対しても、ピンポジションに限らず、グリーン上の任意の位置や、グリーンエッジも任意の地点となる。これらの任意の地点は、例えば、コース戦略上のボールを飛ばす際の目標地点であったり、それとは逆にハザードやラフなどのボールを打ち込んではいけない回避目標地点であったりする。
【0090】
この任意の地点の指定は、例えば
図4に示すようなホールを表示している画面において、画面上の地点をタッチすることで指定するとよい。また、
図4に示すように、例えばバンカーなどに数値Dが連係して表示されている場合、係る数値Dの部分をタッチした場合に、それに連係したバンカーが指定されたとしてもよい。このように、ホールの任意の地点をタッチすることで、簡単に地点の指定ができる。また、高低差を考慮した報知機能の起動は、例えば表示部3を上下方向にフリックすることで行うようにするとよい。このようにすると、例えば任意の地点を触れた状態で下に向けてフリックすると、地点の指定と高低差を考慮した報知機能の起動を一連の動作で行うことができるので好ましい。また、このように上下方向のフリックを利用するのは、ホールの切り替えを横方向のフリックで行う設定とし、その動作と区別するためである。また、このようなフリックを用いた入力は、上述した実施形態で説明したメニュー画面に対するタッチ操作に換えて行うようにすると良い。
【0091】
また、ハザードのように広がりがあると、ピンポイントでカメラの向きを合わせにくい。この場合、ユーザはカメラの向き、ガイドラインをおおおよその位置に合わせることになる。この場合、例えば、この任意の地点への高低差を求めるケースでは、比較的打つべき飛距離は長い傾向になる。そのように距離が長いと、ハザードの広がり程度は誤差として吸収できるので好ましい。また、上述したようにピンポジションを初期値のまま使用している場合に、ピンに併せて傾きを求めると、最終的に求める高低の誤差が出る。この誤差を考えると、ハザードの広がりは問題にならない。さらに、ゴルフ支援装置1のカメラ21にズーム機能を設け、地点を登録する目標地を含む周辺領域を拡大して示すことで、より適切な位置の指定を行うことができる。
【0092】
また、拡大表示用の画像データを別途用意して、ゴルフ場データ格納部12に登録しておく。制御部11は、上記の拡大表示の指示を受けた場合、ゴルフ場データ格納部12にアクセスし、別途用意した画像データに基づく描画を行うと良い。従来は、コース全体を表示するための画像を一つ用意し、拡大指示を受け付けた場合、単純に係る画像をズームアップして描画するようにしたが、この変形例のように拡大表示に適した別途用意した画像を描画することで、より有益な情報をユーザに提供できる。拡大表示用の画像データとしては、例えばバンカー等のハザードや、目印となる領域を撮影した実写画像とするとよい。実写画像とすることで、状況がわかり、例えば、バンカーであれば、外周囲の状況等がわかり、カメラ21をより正しい目標の位置に合わせやすくなるので良い。
【0093】
また、例えばバンカー・池・小川などのハザード等を実写画像で撮像しておき、それを表示部3に表示すると、バンカー等の状況が一目でわかるのでよい。例えば、バンカーの場合、例えば深くてあごが高いバンカーで絶対に避けるべきものか、浅くてグリーン側のあごが低く出しやすいため打ち込んででも問題が無いバンカーであるかがわかり、攻めるポイントを決定するのに役立つ。また、バンカーの周囲や池・小川の周囲の状況から、手前からボールが転がって入りやすいか否かなどがわかり、ハザードの手前で刻む場合にボールの落下地点の目標地をより手前にする必要があるか否かの判断も付きやすい。このように、実写画像を登録することで、高低差を求めるための目標地の決定以外にも、ユーザに有益な情報提供をすることができる。また、係る有益な情報を提供するための画像データは、実写画像に限ることは無く、イラストであったり、縮尺に応じて描画する内容を変えたりする(例えば、拡大表示用のものほど詳しい情報を表示する)とよい。
【0094】
また、バンカーには打ち込まない方がよいのはもちろんであるが、バンカーの深さ、寸法・形状、グリーンとの相対位置、砂質等により、絶対に打ち込んではいけないバンカーと、たとえ打ち込んでもリカバリーが容易等で入ってしまってもさほど問題がないバンカーがある。このように、絶対に回避すべきバンカーと、そうではないバンカーを異なる態様で報知するとよい。異なる態様は、例えば、通常のバンカーの描画色は砂をイメージして茶系とするが、絶対に回避すべきバンカーの表示色は赤色など表示色を異なるようにしたり、バンカーに区別するためのアイコン・標識・マーク等を付記したりするとよい。
【0095】
[変形例4](高低差の算出)
コース内の各位置の位置情報として、高度情報も併せて格納する。このようにすると、グリーンまでの残り距離やコース内の任意の地点等の目標地までの距離を求めるに際し、現在位置の高度情報と目標地の高度情報から高低差を求める。求めた高低差に基づいて、上述した実施形態や変形例の機能を実施するようにすると良い。このようにすると、カメラ21を目標地に向けて傾きを設ける必要が無く、簡単かつ迅速に精度の良い高低差に基づく情報を報知できる。一方、上述した実施形態等のように傾きを求めるようにした場合、位置情報については緯度・経度情報で済むため、メモリ容量の削減ができるので良い。
【0096】
[変形例5](クラブ別推定飛距離報知機能)
基本機能として例えば
図4等に示すように、制御部11は、自分アイコンIを中心に、同心円ラインLをホールのレイアウトに重ねて描画する機能がある。これにより、ユーザは、池やバンカーまでのおよその距離を理解できるようにしている。
【0097】
この変形例では、制御部11が現在位置を中心にクラブ別の飛距離を同心円で表示するようにする。このようにすると、ユーザは、狙いたい目標地に近い同心円に関連づけられたクラブの番手を取得し、それを表示する。このようにするとユーザは使用すべきクラブの番手を知ることができるため、クラブ選択が容易に行えるので良い。また、このクラブの番手に対する飛距離は、例えばクラブ-飛距離情報記憶部に格納した番手毎の飛距離・平均飛距離を利用するとよい。
【0098】
また、同じ番手のクラブで打ったとしても、その飛距離にはばらつきがある。そこで、例えば通常打った場合の最大飛距離と最小飛距離のデータをクラブの番手ごとに記憶保持しておき、ユーザから選択された番手のクラブを使用した場合のボールの落下予定領域をコースレイアウトに重ねて描画するとよい。落下予定領域を描画することで、例えば、最大飛距離と最小飛距離の差が大きいクラブの場合、飛びすぎたり或いは逆に飛ばなかったりした場合を考慮してクラブ選択やボールを打つ込む目標地の決定などのコース戦略を練ることができるのでよい。
【0099】
また、上述した変形例4のように各位置の高度情報を記憶させることで、例えばクラブの番手ごとの飛距離予定位置を同心円でなく現在位置との高低差を考慮した線を描画するようにしてもよい。
【0100】
[変形例6]高低差を用いた飛距離の補正
実際にボールを打った際の高低差を考慮した飛距離を算出する機能を有する。制御部11は、前回ボールを打った際に地点登録した位置と、現在の自分アイコンIの存在位置までの距離を求める。求めた距離が、二点間の水平飛距離となる。また、地点登録した位置を基準として現在地点までの高低差は、例えば前回ボールを打った際に使用した高低差を記憶保持しておく。制御部11は、水平飛距離と高低差に基づき、高低差を考慮した飛距離を求める。また、高低差は、前回打った地点がわかる場合、係るボールを打った位置に対し、カメラを向けて傾きを求め、求めた傾きから高低差を求め、求めた水平飛距離と高低差から、高低差を考慮した飛距離を求めるとよい。
【0101】
制御部11は、このようにして求めた高低差を考慮した飛距離を表示部3に出力する。このとき、使用したクラブの番手や、前回打つ際に求めた目標とする推定距離等の情報を合わせて出力するとよい。落下地点で推定距離と実際の飛距離並びに使用番手等を確認することで、使用したクラブの番手が正しかったか否かなどの反省・確認ででき、その後のプレイに生かせる。特にプレイ中に確認することで、その日の自分の体調・飛距離や、風,雨などの天候の影響をチェックし、その後のクラブの番手選択を正しくできるのでよい。
【0102】
[変形例7]
図9はさらに別の変形例の表示例を示している。この例では、ピンの頂点をあわせる居合わせガイド・指標として、左右方向に延びる直線状のガイドライン33に変えて上下・左右方向の十字状に延びるスコープ40を用いた。スコープ40は、中心の十字状要素41と、その十字状要素41の外に等間隔に配置された目盛り要素42と、目盛り要素42のさらに外側に上下・左右方向にそれぞれ延びるように配置された直線要素43からなる。中心の十字状要素41の交点部分にピンの頂点を合わせる。このように上下方向にもガイドとなる線分が配置されることで、ピンの位置を合わせやすくなる。特に、等間隔に配置された目盛り要素42を設けることで、例えば、ゴルフ支援装置1の姿勢を変えた際の表示部3におけるピンの頂点位置のずれ量を確認しやすくなる。そして、係るずれ量を参考にゴルフ支援装置1の姿勢を変える量を適切に調整しやすくなるのでよい。
【0103】
また、
図9に示す変形例では、ピンの頂点をあわすスコープ40を、表示部3の表示画面の上側に変位させている。例えば、中心の十字状要素41は、上側1/3の位置にしている。このようにすることで、表示部3の上側の領域で空が映り込む量を削減し、コースを撮像する領域を増やすことができる。
【0104】
また、この変形例では、表示部3の表示画面の下側1/3の領域に高低差を模式的に示す高低差情報表示領域45を設けている。これにともない、表示部3の表示画面の上側2/3の領域がメイン表示領域46となる。メイン表示領域46に着目してみた場合、上述した実施形態のガイドライン33と同様に画面の中央に配置したともいえる。
【0105】
高低差情報表示領域45は、高低差を模式的に示す三角形の図形を描画する。図では、三角形の左端がボールを打つ地点で、右端がグリーン中央等のピンポジションの位置を示す。グリーンが低い位置にある場合、図示するように右下がりの斜辺を有する直角三角形となり、グリーンが高い位置にある場合、右上がり斜辺を有する直角三角形となる。三角形を構成する各辺の長さは、高低差や水平距離により変化する。三角形の上下に延びる辺は、高低差を示し、求めた数値(図では、「30」)を併記する。三角形の左右に延びる辺は、水平距離を示し、求めた数値(図では、「100」)を併記する。さらに、斜辺部分は、目標とする飛距離(図では、「70」)を併記する。三角形の形状と数値を示すことで、より直感的に高低差や実際にボールを打つ際に目標とすべき距離を理解できるのでよい。
【0106】
さらにこの変形例では、メイン表示領域46の左下側に距離測定目盛り50を描画する。この変形例における距離測定目盛り50は、ボールを打つ地点とグリーンのピン位置の高さが等しい水平時に使用するものである。距離測定目盛り50は、所定の間隔をおいて描画される一対の目印を有する。一対の目印は、二本の線分により構成している。その二本の線分の間隔が、各距離における水平時に表示部3に表示されるピンの長さに合うように設定している。例えば、ピンの上下両端がそれぞれ二本の線分に接した時の上側の線分に付記された目盛りが「40」とすると、ピンまでの残り距離が40ヤード/40メートルであることがわかる。ヤードとメートルのいずれであるかは、例えば使用する単位の設定により決まる。
【0107】
例えば、実際のカップ位置を登録しない場合、グリーンまでの残り距離は、グリーンの中央位置までの距離となる。例えば、グリーンの大きさに比べてグリーンまでの残り距離が十分に長い場合、水平距離を求める基準となるグリーンの中央位置と、実際にピンが立っている位置とのずれが誤差として吸収されるため、グリーン中央まで残り距離に基づいて使用するクラブの番手を決めてもさほど問題がない。一方、100ヤードを切り、さらに、60ヤード,60メートル程度に近づいてくると、グリーンの中央位置と実際にピンが立っている位置とのずれの影響が無視できなくなってくることがある。特に、ワングリーンなどで、グリーンが大きい場合や、ピン位置がグリーンエッジ付近で中央位置から離れているような場合に顕著となる。係る場合、本変形例のように、距離測定目盛り50を用いて表示部3に表示されるピンの長さに基づいてピンまでの距離を求めるようにすると、事前のカップ位置登録をしていなくてもピンの位置、カップ位置までの正確な残り距離がわかるので、使用するクラブの選択や、スイングの調整を適切に行えるのでよい。
【0108】
一方、例えば20ヤード,20メートル程度よりもさらに近くなると、カップ位置までの距離は、目測でも理解できるようになる。そこで、図示するように20から60の範囲とするのがよい。
【0109】
距離測定目盛り50は、間隔が徐々に異なる二本の線分を用いて構成したため、残り距離も連続したアナログ値として認識が可能となる。例えば、図示の例では、具体的な数値を記載した両端の20,60と中央の40に加え、それらの中間に数値無しの目盛りを振り、30,50の位置がわかる。さらに、それら目盛りの間も、目分量でおおよその残り距離を推測できる。よってこの例では、10(ヤード/メートル)刻みでは比較的正確に残り距離を知ることができ、また、5(ヤード/メートル)刻みでおおよその残り距離を知ることができる。一般的なゴルフプレイヤーであれば、10(ヤード/メートル)刻みの残り距離の情報があれば十分で有り、また、上級者であっても5(ヤード/メートル)刻みで距離を知ることができれば有益な情報となるので好ましい。
【0110】
また、図示の例では、距離測定目盛り50を構成する二本の線分の内、一方を左右方向に延びる直線としたが、斜めに延びる直線としてもよいし、曲線としてもよい。また、上側を左右方向に延びる直線とて下側を曲線としてもよい。さらに連続した線分では無く、離散的に複数の残り距離を測定するための複数組の線分から構成しても良い。例えば、距離測定目盛りを10ヤード刻みなどの各距離に応じた間隔で配置した複数組の線分で構成しても良い。
【0111】
距離測定目盛り50の配置レイアウトは、図示のものに限ることはなく、例えばスコープ40に近接させてもよい。この距離測定目盛り50は、水平時に使用するものであるため、例えば、ピンの頂点をスコープ40の十字状要素41に合わせて傾き・高低差を求めた結果、高低差が0或いは少ない場合、そのままゴルフ支援装置1を少し移動してピンを距離測定目盛り50に合わせて距離を求めることができる。このようにすると、ゴルフ支援装置1の姿勢の変更が少なくても適切に残り距離を測定できるのでよい。
【0112】
また、距離測定目盛り50を構成する直線をスコープ40の直線要素43と兼用させるようにしてもよい。係る場合、図示するように下側を直線にするのではなく上側を直線にするとよい。上側を直線とした場合、ピンの頂点位置を変えなくてよく、ゴルフ支援装置1の傾きを変えずにすむので、姿勢の変更を最小限で抑えることができるのでよい。
【0113】
また、例えば、スコープ40の十字状要素41の上側或いは下側の目盛り要素42の間隔を適宜に設定する。適宜に設定は、ピンまでの残り距離が所定の場合(例えば、20,30,40,50,60ヤード)のときにピンの頂点或いは下端を十字状要素41に合わせた際のピンの下端或いは頂点の位置に目盛り要素42を構成する線分を配置する。このようにすると、スコープ40は、水平時には距離測定目盛りを構成することになる。
【0114】
また、距離測定目盛り50は、水平時に使用する。よって、例えば、高低差が0或いは一定のマージンの範囲内の時に距離測定目盛り50を描画するとよい。このようにすると、現在水平状態にあって距離測定目盛り50を用いた残り距離の測定ができるか稲賀一目でわかるのでよい。また、そのように距離測定目盛り50を費用時/非表示のように制御するではなく、表示色を変更(例えば、水平時に青色、高低差があるときは赤色等)したりするとよい。
【0115】
また、距離測定目盛り50を用いるのは水平時に限っている。これは、高低差があると、素平時に比べてピンの長さが短くなる等変化する。よって、高低差があるときも、図示する距離測定目盛り50で計測しても正しくできない。係る問題を解決するためたには、求めた高低差に合わせて距離測定目盛り50を構成する二本の線分間の距離を補正するとよい。
【0116】
さらにまた、上述した各例以外にも表示部3に表示されるピンの長さに基づいてピンまでの距離を求めるようにするとよい。例えば、画像認識処理によりピンの部分を特定し、頂点と下端間の長さを求める。そして、求めた長さからピン位置までの距離を算出するとよい。
【0117】
ゴルフ場データ格納部12は、実施形態では着脱可能な外部記録媒体としたが、内部メモリを用いても良い。また、記憶部18は、実施形態では内部メモリで構成するとしたが、microSDカード等の着脱可能な外部記録媒体を用いても良い。また、この記憶部18を構成する記録媒体・内部メモリ等は、実際の装置において、ゴルフ場データ格納部12と共用してもよい。
本発明は、上述した実施形態並びに変形例を適宜組み合わせたり、別の変形例に組み込んだりしてもよい。
【符号の説明】
【0118】
1 ゴルフ支援装置
2 ケース
3 表示部
4 電源ボタン
5 地点登録ボタン
6 GPS受信部
11 制御部
12 ゴルフ場データ格納部
15 スピーカ
17 電池
18 記憶部
19 地磁気センサ
20 加速度センサ
21 カメラ
22 タッチパネル
30 ピン
31 ユーザ
33 ガイドライン
35 スケール
35a 線分
37 高低差表示部
40 スコープ
41 十字状要素
42 目盛り要素
43 直線要素
45 高低差情報表示領域
46 メイン表示領域
50 距離測定目盛り