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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037280
(43)【公開日】2022-03-09
(54)【発明の名称】卓上照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 21/26 20060101AFI20220302BHJP
   F21S 6/00 20060101ALI20220302BHJP
【FI】
F21V21/26 300
F21S6/00 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020141329
(22)【出願日】2020-08-25
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】512317342
【氏名又は名称】SIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161285
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 正彦
(72)【発明者】
【氏名】西村 健太郎
(57)【要約】
【課題】
従来の卓上照明器具では、卓上にパソコンのディスプレイやキーボード等を置いて作業することは考慮されてないという問題があった。
【解決手段】
卓上照明器具1は、卓上に配置する基底部10と、基底部10に略垂直に取り付けられた棒状の基柱部20と、基柱部20の上端に一方の端が取り付けられ延伸させると1本の円柱状になる複合関節部30と、複合関節部30の他方の端に取り付けられた棒状の照明部40において、複合関節部30は前記1本の円柱状を該円柱状の軸に対しての角度を90度まで曲げることができる角度変更手段34と、前記1本の円柱状の軸に直交する面を回転させることができる回転手段35と、を一組とし、前記一組の角度変更手段34と回転手段35を少なくとも3組備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
卓上に配置する基底部と、前記基底部に略垂直に取り付けられた棒状の基柱部と、前記基柱部の上端に一方の端が取り付けられ延伸させると1本の円柱状になる複合関節部と、前記複合関節部の他方の端に取り付けられた棒状の照明部において、
前記複合関節部は前記1本の円柱状を該円柱状の軸に対しての角度を90度まで曲げることができる角度変更手段と、前記1本の円柱状の軸に直交する面を回転させることができる回転手段と、を一組とし、前記一組の角度変更手段と回転手段を少なくとも3組備えていることを特徴とする卓上照明器具。
【請求項2】
前記複合関節部は、前記回転手段を備えた長円柱部の両端に、前記回転手段を備え前記長円柱部と同一の直径の二つの短円柱部を前記角度変更手段で夫々接続されていることを特徴とする請求項1記載の卓上照明器具。
【請求項3】
前記基柱部と前記照明部の断面の形状を同一の略楕円にし、前記略楕円の短軸の長さを前記長円柱部及び前記短円柱部の直径と略同一としたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の卓上照明器具。
【請求項4】
前記基底部が金属製の円盤で前記基柱部の前記基底部への取り付け位置を前記円盤の直径の3分の1以下に偏らせていることを特徴とする請求項1~3いずれかの一項に記載の卓上照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、机やテーブル等の卓上に設置して使用する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
部屋の天井に部屋全体を照らす照明器具がある場合でも、勉強や事務系の仕事をする場合には、手元を照らす照明器具を設けることが一般的である。部屋全体を照らしても手元に影ができる場合があることや、手元等の局所を照らす方が経済的だからである。
【0003】
また、前述の勉強や事務系の仕事をする場合には、パーソナルコンピュータ(個人によって占有されて使用されるコンピュータで、デスクトップパソコンやノートパソコン等がある。以下パソコンと略す。)を使用することは一般的になっている。特に、最近の感染症の拡大を防止するために、外出の自粛ができる手段として、学校においては遠隔授業(オンライン授業)が行われ、職場においてはリモートワークが推奨される状態になっている。
【0004】
そして、前記の遠隔授業やリモートワークを家庭で行う場合には、学校や職場とインターネット環境に繋がったパソコンが使用されることになる。そして、家庭でパソコンを使用する場合には、卓上にパソコンのディスプレイ装置やキーボード装置を置いて使用することが一般的である。
【0005】
パソコンを使用する場合の構成部材としては、パソコンの画像表示装置、所謂ディスプレイ装置やモニタ装置(以下、ディスプレイと呼ぶ。)と、入力装置であるキーボード装置(以下、キーボードと呼ぶ。)やマウスは、使用者が視認や操作するために机やテーブル等の卓上に置いて使用される。そして、このディスプレイやキーボード等が置かれた卓上の面を操作や紙の資料等を見るために、これらを照らすための照明が必要となっていた。なお、ディスプレイとキーボードが一体となっているノートパソコンも同様である。さらに、デスクトップパソコンでディスプレイの内部に中央処理装置(CPU)や記憶装置(メモリーやHDD)を内蔵させたディスプレイ一体型も同様である。
【0006】
従来の卓上照明器具としては、特許文献1乃と特許文献2が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2013-504164号公報
【特許文献2】特開2001-43726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の照明器具をディスプレイやキーボードが置かれた卓上に設置する場合には、特許文献1の照明器具には2本の長いアームを有しており、この2本の長いアームで発光部の位置を調整する構造であるため、2本の長いアームを考慮して、特許文献1の照明器具を設置する必要があった。特に、前記の2本の長いアームで発光部の位置を調整すると、2本の長いアームが卓上の面からはみ出す場合や、ディスプレイの表示面遮るおそれがあり、机の周囲に物や、卓上に置いたディスプレイの位置を考慮して特許文献1の照明器具を配置しなければならないという問題があった。
【0009】
また、特許文献2で提案されている照明器具は、机の構造と一体として設計されているので、机と照明器具の組み合わせに、汎用性がないと言う問題があった。これは、特許文献2の照明器具が、低学年向けの学習机を想定した設計であり、机の上の奥側に棚を設ける構造であったことによる。
【0010】
以上から、特許文献1や特許文献2についての照明器具は、卓上にパソコンのディスプレイやキーボード等を置いて作業することは考慮されておらず、卓上にパソコンのディスプレイやキーボード等を置いて作業するための照明器具には適してないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0012】
第1発明の卓上照明器具は、卓上に配置する基底部と、前記基底部に略垂直に取り付けられた棒状の基柱部と、前記基柱部の上端に一方の端が取り付けられ延伸させると1本の円柱状になる複合関節部と、前記複合関節部の他方の端に取り付けられた棒状の照明部において、前記複合関節部は前記1本の円柱状を該円柱状の軸に対しての角度を90度まで曲げることができる角度変更手段と、前記1本の円柱状の軸に直交する面を回転させることができる回転手段と、を一組とし、前記一組の角度変更手段と回転手段を少なくとも3組備えていることを特徴としている。
第2発明の卓上照明器具は、請求項1記載の発明において、前記複合関節部は、前記回転手段を備えた長円柱部の両端に、前記回転手段を備え前記長円柱部と同一の直径の二つの短円柱部を前記角度変更手段で夫々接続されていることを特徴としている。
第3発明の卓上照明器具は、請求項1または請求項2記載の発明において、前記基柱部と前記照明部の断面の形状を同一の略楕円にし、前記略楕円の短軸の長さを前記長円柱部及び前記短円柱部の直径と略同一としたことを特徴としている。
第4発明の卓上照明器具は、請求項1乃至請求項3記載の何れか一つの発明において、前記基底部が金属製の円盤で前記基柱部の前記基底部への取り付け位置を前記円盤の直径の3分の1以下に偏らせていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
以上のような、技術的手段を有することにより、以下の効果を有する。
【0014】
特許文献1や特許文献2と異なり、机に上に配置されたディスプレイやキーボードの照明を行うことに適しており、卓上に置いたディスプレイの邪魔にならず、ディスプレイやキーボード等の配置を考慮して照明器具の照明部の位置調整が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る第1の実施形態の卓上照明器具を卓上に置いた状態の説明図である。
図2】本発明に係る第1の実施形態の複合関節部付近の説明図である。
図3】本発明に係る第1の実施形態の変形させた複合関節部付近の説明図である。
図4】本発明に係る第1の実施形態の変形させた複合関節部付近の説明図である。
図5】本発明に係る第1の実施形態の変形させた複合関節部付近の説明図である。
図6】本発明に係る第2の実施形態の卓上照明器具を卓上に置いた状態の説明図である。
図7】本発明に係る第2の実施形態の複合関節部付近の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る卓上照明器具の実施の形態について図1乃至図7に基づき説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0017】
(第1の実施形態)
第1の実施形態について、図1乃至図5に基づき説明する。まず、図1の使用状態の例示した説明図を用いて本発明の卓上照明器具1を説明する。
【0018】
図1で卓上照明器具1が机6にディスプレイ7やキーボード8等と共に使用されている状態を例示した上で、卓上照明器具1の外観を説明する。
【0019】
卓上照明器具1が使用される状態の一例として、図1においては、机(テーブル)6の上(卓上)に、ディスプレイ7、キーボード8とマウス9が置かれている。この、ディスプレイ7、キーボード8とマウス9の配置については、パソコンを使って仕事や勉強をするために使用者が使い易い位置と考えられる場合の例である。なお、この配置については、一般的に多いと言われている右利きの使用者を想定したものであり、使用者の好みによってはこれ以外の配置になる場合は考えられるが、使用者である人間の外観からは最も普通に使用される配置になる。
【0020】
机6の上に置かれるディスプレイ7の大きさとしては、机6の天板面の広さ特に、奥行寸法との関係から、使用者が机6の上に置かれたディスプレイ7に80cm以内の至近距離でディスプレイ7の表示部を見ることが一般的であると考えられる。そのため、ディスプレイ7の表示部は小さすぎれば当然見難く、大きすぎても使用者の視野に入り難くなり、返って使いづらくなる。よって、ディスプレイ7の表示部の大きさは、15~24インチの大きさを使用することが多い。なお、15インチのディスプレイ7であれば、画面横幅約33cm、画面縦幅約19cmであり、24インチのディスプレイ7であれば、画面横幅約53cm、画面縦幅約30cmになる。なお、ディスプレイ7の表示部は市販品であれば長方形である。
【0021】
また、キーボード8の長さ(幅)については、長いものでも約45cm程度までが一般的である。なお、キーボード8の形状は市販品でも特殊なものもあるが、キーボード8のキーの配列等から基本形状は長方形である。
【0022】
ディスプレイ7を机6の上に置いた場合には、通常ディスプレイ7は見下ろす角度に机6の上に置かれているので、ディスプレイ7は、表示部が使用者に対して見やすくなる様に、垂直からやや上向きに傾けた状態(寝かせた状態)にする。一般的にパソコンの使用者の目線がディスプレイ7に対して垂直になるようにすることから、ディスプレイ7は垂直から10~20度、使用者の目線に垂直になるよう傾けられている。なお、ディスプレイ7のスタンドは前記のディスプレイ7を傾ける構造になっていることから、ディスプレイの背面側(表示部の裏側)の机6の上面には空間が生じることになる。
【0023】
机6の上面でキーボード8を操作する場合において、前述のように手元を照らす照明器具が必要となる。そして、手元を照らすだけで、照明器具の光が、ディスプレイの表示面を照らすことは、ディスプレイ7の表面で反射することや、表示面自体のバックライト等の発光作用を阻害することになり、ディスプレイ7の表示が見難くなる。また、卓上照明器具1の光が直接ディスプレイ7を見ている使用者の視野に入ることは、後述するディスプレイ7の近傍にカメラを付けて使用する場合を除き使用者の目に光が入り不快となる。
【0024】
図1のディスプレイ7、キーボード8とマウス9の配置された机6の上において、卓上照明器具1は、机6の上でディスプレイ7の左後ろ側に置かれた基底部10と、基底部10に略垂直取り付けられた棒状の基柱部20と、基柱部20の上端に一方の端が取り付けられた複合関節部30と、複合関節部30の他方の端に取り付けられた照明部40で形成されている。
なお、前述の右利きの使用者の場合には、ディスプレイ7やキーボード8の左側で、ディスプレイ8の後ろ側(背面側)に基柱部20が配置される位置に、基底部10を置くことになる。ディスプレイ7の表示面を基柱部20で遮らないためである。
【0025】
キーボード8等の机6の上面を照らす場合には、キーボード8や机6の上面を均一に照らす方が使用者にとっては見やすい。また、前述のように通常長方形のディスプレイ7は机6の上面に平行に設置することが一般的である。よって、机6の上面から垂直に卓上照明器具1の基柱部20を立てると直角に曲がることで、角度の調整が、0~90度であれば、机6の上面やディスプレイ7の上縁部に対して平行になる様に調整し易くなる。
【0026】
なお、遠隔授業(オンライン授業)やリモートワークの場合には、パソコンのディスプレイ7に備え付けられた若しくはディスプレイ7に取り付けたカメラを利用して、テレビ会議を行う場合もあり、ディスプレイに向かって座っているテレビ会議参加者の顔に光を当てる必要がある。
【0027】
基底部10は、円形の鉄やステンレス等の金属板であり、複合関節部30と照明部40が上端に取り付けられた基柱部20を安定して机6の上に置けるような広さと重さを備えている。よって、本実施形態においては、厚みが3~5mmで、直径190mmの鉄やその他の金属の円盤としている。そのため、重さは0.7~1kgになっている。
【0028】
基底部10における基柱部20が取り付けられている位置については、円盤である基底部10の中心としても良いが、複合関節部30と照明部40を基柱部20で片持ちに支えることになるので、基底部10の直径を小さくしてバランス良く支えやすくするため、また、机6の上面から基底部10がはみださないようにするために、基底部10の中心から偏った位置に基柱部20を取り付けている。
【0029】
本実施形態においては、基底部10の外周から最も狭い間隔で約50mmの位置に基柱部20を取り付けている。このため、基底部10の直径190mmの3分の1以下になる。そして、複合関節部30を曲げて、照明部40を横方向に倒した場合に、照明部40を倒した方向に、基底部10において基柱部20からの間隔が広い箇所が来るようにして卓上照明器具1は使用される。
【0030】
基柱部20は、略楕円の断面の柱状であり、長さをディスプレイ7の高さに等しいか若しくはやや高くなる長さとしている。基柱部20をディスプレイ7の背面側に置けるようにして、ディスプレイ7の表示面を照明部40が遮らないようにするためである。基柱部20の上端には複合関節部30が取り付けられている。なお、本実施形態においては、基柱部20の断面の楕円は長軸の長さ(長径)を約27mm、短軸の長さ(短径)を約17mmとし、基柱部20の長さを約47cmとしている。
【0031】
基柱部20の上端には、複合関節部30の一端が取り付けられており、複合関節部30の他端は、照明部40に取り付けられている。複合関節部30の構造の詳細については、後述するが、図1における卓上照明器具1は、複合関節部30の形状を変形させて、照明部40が、ディスプレイ7の表示部側の上部で、ディスプレイ7の上縁と所定の間隔を空けて略平行になるように配置されている。ディスプレイ7に対してキーボード8を平行に置けば、照明部40からの光を、キーボード8やマウス9に対してほぼ均等に照らすことができるからである。
【0032】
照明部40は、基柱部20と断面の形状とほぼ同一の略楕円にし、前記略楕円の短軸の長さを前記長円柱部及び前記短円柱部の直径と略同一としている。照明部40は、前述の略楕円の断面を棒状に伸ばした形状で、その長さは、ディスプレイ7の長辺側の長さに近いものにしている。本実施形態においては、前述の卓上に置かれる一般的なディスプレイ7やキーボード8の大きさから、照明部40の長さを約48cm、発光部の長さを約36cmとしている。
なお、照明部40には、複数の発光ダイオード(以下、LEDと略す。)をテープに取り付けて直線状の発光体とした、LEDテープが収められており、前記の発光体の表面を透明または半透明のカバーで覆うことで発光体の光を拡散させている。
【0033】
照明部40のLEDの電源としては、パソコンに備えられているuniversal serial bus(USB)から電源を供給する方式としているが、その他電源アダプターを使用し、家庭用電源から供給を受ける方法でも良い。また、LEDへ電源コードは、基柱部20や複合関節部30の内部空間を通し、電源コードを見え難くして机6の上面で邪魔にならないようにしている。
【0034】
卓上照明器具1の照明部40の点灯や照度を調節するスイッチとしては、照明部40の発光体を覆う半透明のカバー以外の部分、基底部10、基柱部20や複合関節部30の表面で、金属等の導電性の材料で形成される何れか一つ又は複数個所を、手で触れることによりスイッチのオン、オフ、照度調節ができる静電容量式タッチセンサを本実施形態では用いているが、その他の機械的に切り替える方式のスイッチを卓上照明器具1の何れかの場所に設けても良い。
【0035】
複合関節部30について、さらに図2図4を用いて説明する。なお、図2図4については、基底部10については省略し、基柱部20と照明部40については、一部だけを図示し、複合関節部30を中心として説明するための拡大した部分説明図である。
【0036】
図2は、図1の使用状態における卓上照明器具1の複合関節部30の付近を(複合関節部30に焦点を当てて)拡大した図である。図2を用いてさらに、複合関節部30について説明すると、複合関節部30は、長円柱部31の両側に短円柱部32、33が、0~90度に変形することが出来る角度変更手段34で接続されている。1個の長円柱部31と2個の短円柱部32、33には夫々、円柱の軸に直交する面で回転させることができる回転手段35が備えられている。
【0037】
なお、角度変更手段34は、一種のヒンジであり、本実施形態においては、球状の可動部材が、前記の可動部材の両側に設けた凹状の押さえ部材で保持する構造であり、前記押さえ部材が前記可動部材を所定の力で保持することで、角度変更手段34に力を加えて変形させても、変形状態を保持できるようになっている。また、回転手段35は、2個の円柱を嵌め込み、該嵌め込んだ箇所で簡単には抜けないが、所定の力を加えると前記嵌め込んだ箇所で回転が可能であると同時に、所定の力を加えなければ、前記の回転した後の状態を保持できるようになっている。
【0038】
短円柱部32は、基柱部20の上端に接続しており、短円柱部33は、照明部40と角度変更手段34で接続されている。そのため、短円柱部32については、基柱部20と同様に、基底部10に対して常時略垂直になり、長円柱部31、短円柱部33と照明部40が、基底部10(机6の上面)、短円柱部32と基柱部20に対して短円柱部32の角度変更手段34で角度を変更することができる。また、短円柱部32の回転手段35は、基底部10(机6の上面)と略平行に回転することができる。
【0039】
図2の状態の複合関節部30は、短円柱部32の角度変更手段34で短円柱部32に対して長円柱部31が略直角に曲げられると同時に、短円柱部32の回転手段35で、曲げられた長円柱部31が略前方に向けられている。次に、長円柱部31の角度変更手段34で短円柱部33が長円柱部31に対して略直角に曲げられると同時に、長円柱部31の回転手段35で、曲げられた短円柱部33が基底部10に平行で略右方に向けられている。最後に、短円柱部33の角度変更手段34で短円柱部33と照明部40が略直線状にされると同時に、短円柱部33の回転手段35で、照明部40の照射角度を机6の上面にあるキーボード8等に均一照らせるようにしている。
【0040】
なお、図1で説明したように卓上照明器具1の基底部10に取り付けられた基柱部20は、ディスプレイ7の左後ろ側に置かれているので、前述の略前方や略右方にすることで、基柱部20を基準として、照明部40が略右前方に配置されることになる。
【0041】
このため、長円柱部31、短円柱部32と照明部40は、基底部10の円盤面に対して略平行となり、机6の上面に対しても略平行となる。そして、基柱部20及び短円柱部32の位置から、長円柱部31の長さだけ短円柱部32と照明部40を、前方に張り出すことができる。このため、基柱部20及び短円柱部32の位置が、ディスプレイ7の背面側にあっても、照明部40をディスプレイ7の表示部側(ディスプレイ7の上の前側)に出すことができる。なお、角度変更手段34の角度の変更が0~90度であることから、前述の照明部40を机6の上面に対しても略平行にすることが容易にすることができる。
【0042】
また、照明部40と短円柱部33が略直線になっていることで、短円柱部33の回転手段35により、照明部40から照らす角度を机6に対して略垂直にするだけでなく、ディスプレイ7に表示面を照らす角度や、ディスプレイ7に対向して座る使用者の顔を照らすことができる。図2において、破線で図示した照明部40aは、照らす角度を使用者の顔を照らす方向(机6の上面に対して略平行になる照射方向)に向けたものである。
【0043】
照明部40で使用者の顔を照らすことができるので、遠隔授業(オンライン授業)やリモートワークの場合の、パソコンのディスプレイに備え付けられた若しくはディスプレイの近傍に取り付けたカメラを利用して、テレビ会議の照明としても利用できる。なお、回転手段35の回転角度は、約350度回転させることができる。
【0044】
本実施形態においては、複合関節部30の長円柱部31と短円柱部32、33の円柱の直径を約16mmとしている。また、長円柱部31の長さを約12cm、短円柱部32の長さを約4cmとしている。長円柱部31の長さが、約12cmであることから、多少ディスプレイ7を使用者の視線に垂直になるように傾けたとしても、照明部40をディスプレイ7の表示部側(ディスプレイ7の上の前側)に出すことができる。
【0045】
図3は、複合関節部30をまっすぐに延伸した状態を図示したものである。基柱部20の上端に取り付けられた短円柱部32、長円柱部31と短円柱部33からなる複合関節部30は、略直線に延伸させることが可能であり、延伸させると1本の略円柱状の形態にすることができる。なお、図3におけるその他の構造については、同一の符号を附して説明を省略する。
【0046】
本実施形態においては、複合関節部30延伸させると長さが約22cmの円柱となる。複合関節部30をまっすぐにのばせば、卓上照明器具1の基柱部20、複合関節部30と照明部40は高さ約116cmの1本の柱状になり、卓上照明器具1を使用しない場合に卓上照明器具1を机6の上面に置いたままであっても、パソコンを使用することについては邪魔にならない。また、卓上照明器具1を照明として使用する場合には、机6の上面に対して垂直にした照明部40が側方に照らす照明器具として使用することができる。また、短円柱部33の角度変更手段34で照明部40を直角等や適当な鋭角に曲げ、短円柱部33等の回転手段35で照明部40の方向を調節することで、机6の上面から約70cm上方から机6の上面を照らす照明器具として使用することができる。
【0047】
図4は、複合関節部30の3か所の角度変更手段34を何れも略90度に曲げてクランク形状に変形させた場合の例である。図4の状態の複合関節部30は、短円柱部32の角度変更手段34で短円柱部32に対して長円柱部31が略直角に曲げられると同時に、短円柱部32の回転手段35で、曲げられた長円柱部31が略前方に向けられている。次に、長円柱部31の角度変更手段34で短円柱部33が長円柱部31に対して略直角に曲げられると同時に、長円柱部31の回転手段35で、曲げられた短円柱部33が略上方に向けられている。そして、短円柱部33の角度変更手段34で短円柱部33に対して照明部40を略直角に曲げると同時に、短円柱部33の回転手段35で照明部40を基底部10(机6の上面)と平行かつ短円柱部33に対して略右方に向けられている。
【0048】
このため、短円柱部33は短円柱部32に略平行であり、長円柱部31と照明部40は、基底部10の円盤面に対して略平行となり、机6の上面に対しても略平行となる。そして、基柱部20及び短円柱部32の位置から、長円柱部31の長さだけ、前方に張り出すことができる。このため、基柱部20及び短円柱部32の位置が、ディスプレイ7の背面側にあっても、照明部40をディスプレイ7の表示部側(ディスプレイ7の上の前側)に出すことができる。
【0049】
また、高さ方向については、基柱部20と短円柱部32の長さに加えて短円柱部33の長さを加えることができるので、ディスプレイ7が大きいなどの高さ方向を長くする場合について適用できる。そして、角度変更手段34の角度の変更が0~90度であることから、図4の変形を行って照明部40を机6の上面に対しても略平行にすることが容易にすることができる。
なお、図4におけるその他の構造については、同一の符号を附して説明を省略する。
【0050】
図5は、複合関節部30の短円柱部33の角度変更手段34を鋭角に曲げた場合である。図5については、鋭角を略45度の角度にした場合として説明する。図5の状態の複合関節部30は、短円柱部32の角度変更手段34と回転手段35で長円柱部31を短円柱部32に対して前方に略45度に曲げ、長円柱部31の角度変更手段34と回転手段35で短円柱部33を短円柱部32と略平行かつ長円柱部31に対して上方に略45度に曲げ、短円柱部33の角度変更手段34と回転手段35で照明部40を基底部10(机6の上面)と平行かつ短円柱部33に対して右方かつ略直角に曲げている。
【0051】
このため、短円柱部33は短円柱部32に略平行であり、照明部40は、基底部10の円盤面に対して略平行となり、机6の上面に対しても略平行となる。そして、基柱部20及び短円柱部32の位置から、長円柱部31の長さの約0.7倍だけ、前方に張り出すことができる。このため、基柱部20及び短円柱部32の位置が、ディスプレイ7の背面側にあっても、照明部40をディスプレイ7の表示部側に出すことができる。
【0052】
また、高さ方向については、基柱部20と短円柱部32の長さに加えて短円柱部33の長さと、長円柱部31の長さの約0.7倍を加えることができるので、ディスプレイ7が大きいなどの高さ方向を長くする場合について適用できる。そして、角度変更手段34の角度の変更が0~90度であることから、図4の変形を行って照明部40を机6の上面に対しても略平行にすることが容易にすることができる。
【0053】
図5において、短円柱部33を長円柱部31に対して上方に略45度傾けた場合以外に、長円柱部31の角度変更手段34で長円柱部31に対して角度を0度にすれば短円柱部33bになる。そして、長円柱部31と短円柱部33bは略直線になると同時に、照明部40bは、机6の上面に対して略45度の角度でディスプレイ7の方向に傾けることができる。
【0054】
また、短円柱部33を長円柱部31の角度変更手段34で長円柱部31に対して角度を略直角にすれば短円柱部33bになり、短円柱部33bは長円柱部31に対して略直角になると同時に、照明部40bは、机6の上面に対して略45度の角度でディスプレイ7に対向する使用者の方向に傾けることができる。
【0055】
さらに、長円柱部31の角度変更手段34で長円柱部31に対して角度を前述の0度、45度や90度以外についても、長円柱部31の角度変更手段34で、0度~90度の間で長円柱部31に対する短円柱部33の角度を変更することが可能となる。そして長円柱部31に対する短円柱部33の角度が変更できれば、照明部40の机6の上面に対する角度をマイナス略45度~プラス略45度に変更してキーボード8に対する照明部40の照射角度を変更することができる。
【0056】
また、図5においては、短円柱部32に対する長円柱部31の角度を略45度であるとして説明しているが、他の鋭角例えば、1度~89度の間にすることができる。照明部40のキーボード8に対しての照射角度のことを考えれば、好ましくは短円柱部32に対する長円柱部31の角度を30度~60度の間にすれば、照明部40のキーボード8に対する照射角度の変更が行い易くなる。さらに、テレビ会議の照明のことを考えるならば、短円柱部32に対する長円柱部31の角度を1度~30度にすると良い。なお、図5におけるその他の構造については、同一の符号を附して説明を省略する。
【0057】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の卓上照明器具2について、図6図7に基づき説明する。図6は、卓上照明器具2を机6に置いて使用している状態を図示したものである。ここで、机6、ディスプレイ7、キーボード8とマウス9については、第1の実施形態と同様であるので、同一の符号を附して説明を省略する。
【0058】
図6のディスプレイ7、キーボード8とマウス9の配置された机6の上において、卓上照明器具2は、机6の上でディスプレイ7の左後ろ側に置かれた基底部10と、基底部10に略垂直取り付けられた棒状の基柱部20と、基柱部20の上端に一方の端が取り付けられた複合関節部36と、複合関節部36の他方の端に取り付けられた照明部46で形成されている。
なお、前述の右利きの使用者の場合には、ディスプレイ7やキーボード8の左側で、ディスプレイ8の後ろ側(背面側)に基柱部20が配置される位置に、基底部10を置くことになる。ディスプレイ7の表示面を基柱部20で遮らないためである。
【0059】
卓上照明器具2と、第1の実施形態の卓上照明器具1との違いは、複合関節部30を複合関節部36に、照明部40を照明部46に変えているだけであるので、基底部10と基柱部20については、同一の符号を附して説明を省略する。そして、複合関節部36と照明部46が第1の実施形態と変更されているだけであるので、図6の拡大図である図7を用いて卓上照明器具2を説明する。図7については、基底部10については省略し、基柱部20と照明部46については、一部だけを図示した説明図である。
【0060】
図7を用いてさらに、複合関節部36と照明部46について説明すると、複合関節部36は、長円柱部31の両側に短円柱部32、33が、0~90度に変形することが出来る角度変更手段34で接続されている。1個の長円柱部31と2個の短円柱部32、33には夫々、円柱の中心を軸として回転する回転手段35が備えられている。
【0061】
さらに、短円柱部33の角度変更手段34には、照明部46と接続する側に回転手段35が備えられている。なお、短円柱部32は、基柱部20の上端に接続しており、短円柱部33は、照明部46と角度変更手段34で接続されている。そのため、短円柱部32については、基柱部20と同様に、基底部10に対して常時略垂直になり、長円柱部31、短円柱部33と照明部46が、基底部10に対して角度を変更することができる。また、短円柱部33の角度変更手段34には、照明部46と接続する側に回転手段35が備えられていることにより、照明部46は短円柱部33に対して角度を変更することができると同時に、照明部46が短円柱部33に対して角度を変更した状態、例えば略直角に曲げられた状態において、照明部46を回転させることができる。
【0062】
図7の状態の複合関節部36は、短円柱部32の角度変更手段34と回転手段35で、短円柱部32に対して長円柱部31を前方かつ略直角に曲げ、短円柱部33は長円柱部31と共に略直線にして延伸させている。そして、短円柱部33の角度変更手段34と回転手段35で、照明部46は短円柱部33に対して右方に直角に曲げている。また、長円柱部31、短円柱部33と照明部46は、長円柱部31と短円柱部33の回転手段35を調節することで、基底部10や机6の上面と略平行になるように調節されている。なお、第1の実施形態と同様に卓上照明器具2の基底部10に取り付けられた基柱部20は、ディスプレイ7の左後ろ側に置かれているので、基柱部20を基準としても、右前方に照明部46が配置されることになる。
【0063】
そして、基柱部20及び短円柱部32の位置から、長円柱部31と短円柱部33の長さだけ、前方に張り出すことができる。このため、基柱部20及び短円柱部32の位置が、ディスプレイ7の背面側にあっても、照明部46をディスプレイ7の表示部側(ディスプレイ7の上の前側)に出すことができる。また、短円柱部33の角度変更手段34には、照明部46と接続する側に回転手段35が備えられていることにより、照明部46の照射角度を机6に対して略垂直にするだけでなく、ディスプレイ7の表示面を照らす角度や、ディスプレイ7に対向して座る使用者の顔を照らすことができる。
【0064】
図7において、破線で図示した照明部46aは、照らす角度を使用者の顔を照らす方向(机6の上面に対して略平行になる照射方向)にしたものである。照明部46で使用者の顔を照らすことができるので、遠隔授業(オンライン授業)やリモートワークの場合の、パソコンのディスプレイに備え付けられた若しくはディスプレイに取り付けたカメラを利用して、テレビ会議の照明としても利用できる。
なお、回転手段35の回転角度は、約350度回転させることができる。
【0065】
第2の実施形態において、その他の形状や、複合関節部36の形状の変更については、短円柱部33の角度変更手段34に、照明部46と接続する側に回転手段35が追加されているので、複合関節部30と同様の形状の変更が可能であり、同一の符号を附して説明を省略する。
【0066】
さらには、この発明は、これらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本件出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
[1]付記1は、卓上に配置する基底部と、前記基底部に略垂直に取り付けられた棒状の基柱部と、前記基柱部の上端に一方の端が取り付けられ延伸させると1本の円柱状になる複合関節部と、前記複合関節部の他方の端に取り付けられた棒状の照明部において、前記複合関節部は前記1本の円柱状を該円柱状の軸に対しての角度を90度まで曲げることができる角度変更手段と、前記1本の円柱状の軸に直交する面を回転させることができる回転手段と、を一組とし、前記一組の角度変更手段と回転手段を少なくとも3組備えていることを特徴とする卓上照明器具である。
[2]付記2は、前記複合関節部は、前記回転手段を備えた長円柱部の両端に、前記回転手段を備え前記長円柱部と同一の直径の二つの短円柱部を前記角度変更手段で夫々接続されていることを特徴とする請求項1記載の卓上照明器具である。
[3]付記3は、前記基柱部と前記照明部の断面の形状を同一の略楕円にし、前記略楕円の短軸の長さを前記長円柱部及び前記短円柱部の直径と略同一としたことを特徴とする
請求項1または請求項2記載の卓上照明器具である。
[4]付記4は、前記基底部が金属製の円盤で前記基柱部の前記基底部への取り付け位置を前記円盤の直径の3分の1以下に偏らせていることを特徴とする請求項1~3いずれかの一項に記載の卓上照明器具である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
家庭又は仕事場のディスプレイやキーボードで使用することができる卓上照明器具であるので、産業上の利用性がある。
【符号の説明】
【0068】
1、2:卓上照明器具
6:机
7:ディスプレイ
8:キーボード
9:マウス
10:基底部
20:基柱部
30、36:複合関節部
31:長円柱部
32、33、33b、33c:短円柱部
34:角度変更手段
35:回転手段
40、40a、40b、40c、46、46a:照明部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7