IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

2022-37586制御装置、ファインダ装置、撮像装置、制御方法、及びプログラム
<>
  • -制御装置、ファインダ装置、撮像装置、制御方法、及びプログラム 図1
  • -制御装置、ファインダ装置、撮像装置、制御方法、及びプログラム 図2
  • -制御装置、ファインダ装置、撮像装置、制御方法、及びプログラム 図3A
  • -制御装置、ファインダ装置、撮像装置、制御方法、及びプログラム 図3B
  • -制御装置、ファインダ装置、撮像装置、制御方法、及びプログラム 図3C
  • -制御装置、ファインダ装置、撮像装置、制御方法、及びプログラム 図3D
  • -制御装置、ファインダ装置、撮像装置、制御方法、及びプログラム 図4
  • -制御装置、ファインダ装置、撮像装置、制御方法、及びプログラム 図5
  • -制御装置、ファインダ装置、撮像装置、制御方法、及びプログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037586
(43)【公開日】2022-03-09
(54)【発明の名称】制御装置、ファインダ装置、撮像装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20220302BHJP
   G03B 13/02 20210101ALI20220302BHJP
   G03B 17/20 20210101ALI20220302BHJP
【FI】
H04N5/232 930
G03B13/02
G03B17/20
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020141800
(22)【出願日】2020-08-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】505083036
【氏名又は名称】ビクター ハッセルブラッド アクチボラーグ
【氏名又は名称原語表記】VICTOR HASSELBLAD AB
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】城野 方博
(72)【発明者】
【氏名】白 龍吉
【テーマコード(参考)】
2H018
2H102
5C122
【Fターム(参考)】
2H018AA32
2H018BB00
2H018BE02
2H102BA01
2H102BB01
2H102CA42
5C122EA47
5C122FK09
5C122FK24
5C122FK33
5C122FK37
5C122HA82
5C122HB01
5C122HB05
5C122HB09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ファインダ装置の表示倍率が変更されたことに対応して、自動的に最適な視度に調整する制御装置、ファインダ装置、撮像装置、制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】撮像装置において、制御装置は、イメージセンサで撮像される画像を表示する表示デバイスと、表示デバイスの表示面側に配置される接眼枠と、表示デバイスと接眼枠との間に配置される接眼レンズと、接眼レンズの位置を変更することで視度を調整する調整機構(駆動機構)とを備えるファインダ装置を制御するコンピュータである。制御装置は、表示デバイスに表示される画像の表示倍率を変更することに応じて、表示倍率に対して予め対応付けられた視度に従って、調整機構を制御する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージセンサで撮像される画像を表示する表示デバイスと、前記表示デバイスの表示面側に配置される枠と、前記表示デバイスと前記枠との間に配置されるレンズ系と、前記レンズ系の位置を変更することで視度を調整する調整機構とを備えるファインダ装置を制御する制御装置であって、
前記表示デバイスに表示される画像の表示倍率を変更することに応じて、前記表示倍率に対して予め対応付けられた視度に従って、前記調整機構を制御するように構成される回路を備える制御装置。
【請求項2】
前記回路は、
前記表示デバイスの表示倍率を受け付け、
受け付けられた前記表示倍率に従って、前記表示デバイスの表示倍率を制御し、
受け付けられた前記表示倍率に対して予め対応付けられた視度を特定し、
特定された前記視度に従って、前記調整機構を制御するように構成される、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記回路は、
記憶部に登録された表示倍率と視度とを対応付けた複数の設定情報の中から設定すべき設定情報を受け付け、
受け付けられた前記設定情報に基づいて、設定すべき表示倍率及び視度を特定し、
特定された前記表示倍率に従って、前記表示デバイスの表示倍率を制御し、
特定された前記視度に従って、前記調整機構を制御するように構成される、請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記回路は、
表示倍率と視度とを対応付けた新たな設定情報の前記記憶部への登録を受け付け、
受け付けられた前記新たな設定情報を前記記憶部に登録するように構成される、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1つに記載の制御装置と、
前記表示デバイスと、
前記レンズ系と、
前記枠と
を備えるファインダ装置。
【請求項6】
請求項5に記載のファインダ装置と、
前記イメージセンサと
を備える撮像装置。
【請求項7】
イメージセンサで撮像される画像を表示する表示デバイスと、前記表示デバイスの表示面側に配置される枠と、前記表示デバイスと前記枠との間に配置されるレンズ系と、前記レンズ系の位置を変更することで視度を調整する調整機構と、を備えるファインダ装置を制御する制御方法であって、
前記表示デバイスに表示される画像の表示倍率を変更することに応じて、前記表示倍率に対して予め対応付けられた視度に従って、前記調整機構を制御する段階を備える制御方法。
【請求項8】
請求項1から4の何れか1つに記載の制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、ファインダ装置、撮像装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「撮影者の眼の位置によって常に被写体像が最適な表示倍率になるように自動調整を行う」と記載されている。特許文献2には、「使用者情報に基づいて自動的に視度調整を行う」と記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2016-58983号公報
[特許文献2] 特開2004-245910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ファインダ装置の表示倍率の違いにより、最適な視度は変わる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係る制御装置は、イメージセンサで撮像される画像を表示する表示デバイスと、表示デバイスの表示面側に配置される枠と、表示デバイスと枠との間に配置されるレンズ系と、レンズ系の位置を変更することで視度を調整する調整機構とを備えるファインダ装置を制御する制御装置でよい。制御装置は、表示デバイスに表示される画像の表示倍率を変更することに応じて、表示倍率に対して予め対応付けられた視度に従って、調整機構を制御するように構成される回路を備えてよい。
【0005】
回路は、表示デバイスの表示倍率を受け付け、受け付けられた表示倍率に従って、表示デバイスの表示倍率を制御し、受け付けられた表示倍率に対して予め対応付けられた視度を特定し、特定された視度に従って、調整機構を制御するように構成されてよい。
【0006】
回路は、記憶部に登録された表示倍率と視度とを対応付けた複数の設定情報の中から設定すべき設定情報を受け付け、受け付けられた設定情報に基づいて、設定すべき表示倍率及び視度を特定し、特定された表示倍率に従って、表示デバイスの表示倍率を制御し、特定された視度に従って、調整機構を制御するように構成されてよい。
【0007】
回路は、表示倍率と視度とを対応付けた新たな設定情報の記憶部への登録を受け付け、受け付けられた新たな設定情報を記憶部に登録するように構成されてよい。
【0008】
本発明の一態様に係るファインダ装置は、上記制御装置と、表示デバイスと、レンズ系と、枠とを備えてよい。
【0009】
本発明の一態様に係る撮像装置は、上記ファインダ装置と、イメージセンサとを備えてよい。
【0010】
本発明の一態様に係る制御方法は、イメージセンサで撮像される画像を表示する表示デバイスと、表示デバイスの表示面側に配置される枠と、表示デバイスと枠との間に配置されるレンズ系と、レンズ系の位置を変更することで視度を調整する調整機構とを備えるファインダ装置を制御する制御方法でよい。制御方法は、表示デバイスに表示される画像の表示倍率を変更することに応じて、表示倍率に対して予め対応付けられた視度に従って、調整機構を制御する段階を備えてよい。
【0011】
本発明の一態様に係るプログラムは、上記制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムでよい。
【0012】
本発明の一態様によれば、ファインダ装置の表示倍率が変更されたことに対応して、自動的に最適な視度に調整することができる。
【0013】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】撮像装置の機能ブロックの一例を示す図である。
図2】ファインダ装置の斜視図である。
図3A】接眼枠から撮影者が視認する画像の一例を示す図である。
図3B】接眼枠から撮影者が視認する画像の一例を示す図である。
図3C】接眼枠から撮影者が視認する画像の一例を示す図である。
図3D】接眼枠から撮影者が視認する画像の一例を示す図である。
図4】ユーザIDごとにそれぞれの表示倍率に対応するを示す設定情報の一例を示す図である。
図5】表示倍率に応じて視度を自動的に調整する手順の一例を示すフローチャートである。
図6】ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0016】
特許請求の範囲、明細書、図面、及び要約書には、著作権による保護の対象となる事項が含まれる。著作権者は、これらの書類の何人による複製に対しても、特許庁のファイルまたはレコードに表示される通りであれば異議を唱えない。ただし、それ以外の場合、一切の著作権を留保する。
【0017】
本発明の様々な実施形態は、フローチャート及びブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、プログラマブル回路、及び/またはプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/またはアナログハードウェア回路を含んでよい。集積回路(IC)及び/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。再構成可能なハードウェア回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、及び他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含んでよい。
【0018】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよい。その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM(登録商標))、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0019】
コンピュータ可読命令は、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードの何れかを含んでよい。ソースコードまたはオブジェクトコードは、従来の手続型プログラミング言語を含む。従来の手続型プログラミング言語は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語でよい。コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供されてよい。プロセッサまたはプログラマブル回路は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0020】
図1は、本実施形態に係る撮像装置100の機能ブロックの一例を示す。撮像装置100は、撮像部102、レンズ部200、及びファインダ装置400を備える。撮像部102は、イメージセンサ120、撮像制御部110、メモリ170、表示部180、及び操作部182を有する。
【0021】
イメージセンサ120は、CCDまたはCMOSにより構成されてよい。イメージセンサ120は、複数のレンズ154を介して結像された光学像の画像データを撮像制御部110に出力する。撮像制御部110は、CPUまたはMPU等のマイクロプロセッサ、MCU等のマイクロコントローラ等により構成されてよい。
【0022】
撮像制御部110は、操作部182からの撮像装置100の動作命令に応じて、撮像制御部110は、イメージセンサ120から出力された画像信号にデモザイク処理を施すことで画像を生成する。撮像制御部110は、画像をメモリ170に格納する。撮像制御部110は、イメージセンサ120から出力された画像信号に基づく画像をファインダ装置400に出力する。
【0023】
メモリ170は、コンピュータ可読可能な記録媒体でよく、SRAM、DRAM、EPROM、EEPROM、及びUSBメモリ等のフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでよい。メモリ170は、撮像制御部110がイメージセンサ120等を制御するのに必要なプログラム等を格納する。メモリ170は、撮像装置100の筐体の内部に設けられてよい。
【0024】
複数のレンズ154は、ズームレンズ、バリフォーカルレンズ、及びフォーカスレンズとして機能してよい。複数のレンズ154の少なくとも一部または全部は、光軸に沿って移動可能に配置される。レンズ制御部150は、撮像制御部110からのレンズ制御命令に従って、レンズ駆動部152を駆動して、1または複数のレンズ154を光軸方向に沿って移動させる。レンズ制御命令は、例えば、ズーム制御命令、及びフォーカス制御命令である。レンズ駆動部152は、複数のレンズ154の少なくとも一部または全部を光軸方向に移動させるボイスコイルモータ(VCM)を含んでよい。レンズ駆動部152は、DCモータ、コアレスモータ、または超音波モータ等の電動機を含んでよい。レンズ駆動部152は、電動機からの動力をカム環、ガイド軸等の機構部材を介して複数のレンズ154の少なくとも一部または全部に伝達して、複数のレンズ154の少なくとも一部または全部を光軸に沿って移動させてよい。本実施形態では、複数のレンズ154は、撮像装置100と一体型の例について説明する。しかし、複数のレンズ154は、交換レンズでよく、撮像装置100とは別体で構成されてもよい。
【0025】
表示部180は、イメージセンサ120から出力された画像信号に基づく画像を表示してよい。表示部180は、撮像装置100の各種の設定情報を表示してよい。表示部180は、液晶ディスプレイ、タッチパネルディスプレイなどでよい。表示部180は、複数の液晶ディスプレイ、またはタッチパネルディスプレイを含んでよい。
【0026】
ファインダ装置400は、イメージセンサ120から出力される画像を表示する。ファインダ装置400は、固定筒410、移動筒420、接眼レンズ422、駆動機構430、表示デバイス440、片寄せ機構450、及び接眼枠470を備える。
【0027】
表示デバイス440は、イメージセンサ120からの画像を表示する。表示デバイス440は、有機EL素子、すなわちOLED(Organic Light Emitting Diode)を含んでよい。表示デバイス440は、複数の有機EL素子を配列することで構成されてよい。表示デバイス440は、液晶ディスプレイでもよい。表示デバイス440に表示された画像を接眼レンズ422を介して拡大する。撮影者は、表示デバイス440に表示される画像を接眼レンズ422を通して接眼枠470を覗き込むことで、確認する。接眼枠470は、枠の一例である。
【0028】
固定筒410は、移動筒420を光軸方向に移動可能に保持する。移動筒420は、接眼レンズ422を保持する。駆動機構430は、移動筒420を光軸方向に駆動させる。接眼レンズ422を光軸方向に移動させることで、接眼枠470を覗き込む撮影者の視力に合わせて視度を調整できる。駆動機構430は、調整機構の一例である。
【0029】
片寄せ機構450は、移動筒420を接眼枠470側に付勢し、移動筒420を光軸方向の一方に片寄せする。これにより、移動筒420が光軸方向に沿って移動する場合の、がたつきを防止する。付勢とは、一方向に力を作用させることを言う。付勢とは、勢いよく一方向に力を加えることを言う。付勢とは、力を加え、一方向に押さえつけることを言う。
【0030】
図2は、ファインダ装置400の斜視図である。図2では、内部を視認化するために固定筒410を透明で示している。
【0031】
ファインダ装置400は、光軸に沿ったガイド軸部412を備える。固定筒410は、ガイド軸部412に沿って移動可能に移動筒420を保持する。
【0032】
駆動機構430は、電動機432、ネジ軸部434、ギア部436、及びナット部438を有する。電動機432からの動力は、ギア部436を介してネジ軸部434に伝達される。電動機432は、固定筒410に支持されている。ネジ軸部434は、ガイド軸部412に沿って配置され、電動機432からの動力をギア部436を介して受けて回転する。ナット部438は、移動筒420に支持され、ネジ軸部434に螺合する。螺合とは、ボルトとナットのように、ネジ同士が噛み合うことをいう。螺合とは、ナット部438の内周面に設けられたネジ溝と、ネジ軸部434の外周面に設けられたネジ溝とが噛み合うことをいう。
【0033】
移動筒420は、側面に、ガイド軸部412を軸受けする軸受け部424を有する。片寄せ機構450は、バネ452、及びバネ受け部454を有する。バネ452は、軸受け部424の周囲の一部を取り囲むように配置される。バネ受け部454は、軸受け部424の周囲に突出して設けられ、バネ452の一端が接触する。移動筒420は、バネ受け部454がバネ452により接眼枠470側に押圧され、接眼枠470側に付勢されている。押圧とは、一方向に力を加えて押すこと言う。押圧とは、一方向に圧力を加えることを言う。
【0034】
ネジ軸部434が第1回転方向に回転すると、ナット部438がネジ軸部434を介して第1方向401と反対の第2方向402へ移動するとともに移動筒420が第2方向402へ移動し、バネ452がバネ受け部454により押圧されることで収縮する。ネジ軸部434が第1回転方向と反対の第2回転方向に回転するとネジ軸部434を介して第1方向401へ移動するとともに、移動筒420が、バネ452によりバネ受け部454を介して第1方向401へ付勢されながら、第1方向401へ移動する。
【0035】
図3Aは、接眼枠470から撮影者が視認する画像の一例を示す。例えば、図3Aに示す画像は、撮影者が裸眼で画像を視認する場合の画像である。撮影者が眼鏡を装着して接眼枠470を覗き込む場合、眼鏡を装着する撮影者のアイポイントは、眼鏡を装着しない撮影者のアイポインと異なる。眼鏡を装着する撮影者のアイポイントと接眼枠470までの距離は、眼鏡を装着しない撮影者のアイポイントと接眼枠470までの距離より長くなる。距離が長いと、接眼枠470が接眼レンズ422から出射される光の一部を遮り、撮影者の視野がかける現象、いわゆるケラレが発生する。撮影者は、例えば、図3Bに示すように、ケラレにより四隅が欠けた画像を視認する。
【0036】
そこで、撮影者のアイポイントから接眼枠470までの距離に応じて、表示デバイス440の表示倍率を調整する。例えば、撮影者が眼鏡を装着する場合、表示倍率を縮小して、撮影者が視認する画像の四隅が欠けないようにする。しかしながら、撮影者が裸眼で接眼枠470を覗き込む場合の視度と、撮影者が眼鏡を装着して、接眼枠470を覗き込む場合の視度は異なる場合がある。そのため、表示倍率を変えるだけでは、図3Cに示すように、眼鏡を装着した撮影者が視認する画像はぼやける可能性がある。このような場合、撮影者が、表示倍率が変更された後に、視度の調整レバーなどを操作して、視度を調整する必要がある。これにより、図3Dに示すように、撮影者により視認される画像がぼやけないようにできる。
【0037】
しかしながら、表示倍率を変更する度に、視度も調整する場合、撮影者の利便性が低下する。そこで、本実施形態に係るファインダ装置400は、表示倍率の変更に応じて、自動的に視度も調整する。これにより、撮影者の利便性を向上させる。
【0038】
撮像制御部110は、表示デバイス440に表示される画像の表示倍率を変更することに応じて、表示倍率に対して予め対応付けられた視度に従って、駆動機構430を制御する。撮像制御部110は、表示倍率に対応付けられた視度に対応する位置に接眼レンズ422を移動させるべく、駆動機構430を制御する。
【0039】
撮像制御部110は、表示デバイス440の表示倍率を受け付ける。撮像制御部110は、操作部182または表示部180を介して、撮影者から所望の表示倍率を受け付けてよい。撮像制御部110は、第1表示倍率で画像を表示デバイス440に表示させる第1表示倍率モードと、第1表示倍率より小さい第2表示倍率で画像を表示デバイス440に表示させる第2表示倍率モードとのいずれか一方のモードを所望の表示倍率として受け付けてよい。第1表示倍率モードは、裸眼の撮影者用の標準の表示倍率のモードでよい。第2表示倍率モードは、眼鏡を装着する撮影者用の標準より縮小された表示倍率のモードでよい。
【0040】
撮像制御部110は、受け付けられた表示倍率に従って、表示デバイス440の表示倍率を制御する。撮像制御部110は、受け付けられた表示倍率に対して予め対応付けられた視度を特定する。撮像制御部110は、メモリ170に登録された表示倍率と視度との対応関係に基づいて、表示倍率に対応する視度を特定してよい。撮像制御部110は、表示倍率に対応する視度として、接眼レンズ422の位置を特定してもよい。
【0041】
メモリ170は、複数のユーザのそれぞれについて、表示倍率と視度とを対応付けた設定情報を記憶してよい。メモリ170は、例えば、図4に示すように、ユーザIDごとに、表示倍率モードごとの視度を示すテーブルを設定情報として記憶してよい。
【0042】
撮像制御部110は、メモリ170に登録された表示倍率と視度とを対応付けた複数の設定情報の中から設定すべき設定情報を受け付けてよい。撮像制御部110は、受け付けた設定情報に基づいて、設定すべき表示倍率及び視度を特定してよい。撮像制御部110は、特定された表示倍率に従って、表示デバイス440の表示倍率を制御してよい。撮像制御部110は、特定された視度に従って、駆動機構430を制御してよい。
【0043】
撮像制御部110は、表示倍率と視度とを対応付けた新たな設定情報のメモリ170への登録を操作部182または表示部180を介して受け付けてよい。撮像制御部110は、受け付けられた新たな設定情報をメモリ170に登録してよい。
【0044】
撮像制御部110は、撮影者が撮像装置100の使用を開始するときに、撮影者のユーザIDを受け付けてよい。撮像制御部110は、撮影者が撮像装置100の使用を開始するときに、複数のユーザIDの中から撮影者のユーザIDを選択することで、撮影者のユーザIDを受け付けてよい。撮像制御部110は、撮影者から表示倍率モードを受け付けてよい。撮像制御部110は、操作部182または表示部180を介して撮影者からファインダ装置400の視度の調整の要求を受け付けてよい。撮像制御部110は、受け付けた要求に応じて、駆動機構430を制御して、視度を調整してよい。さらに、撮像制御部110は、操作部182または表示部180を介して撮影者からファインダ装置400の視度の登録の要求を受け付けてよい。撮像制御部110は、視度の登録の要求を受けると、現在のユーザIDと、現在の表示倍率モードとに対応付けて、受け付けられた視度を設定情報として、メモリ170に登録してよい。
【0045】
図5は、表示倍率に応じて視度を自動的に調整する手順の一例を示すフローチャートである。
【0046】
撮像制御部110は、撮影者から操作部182または表示部180を介して表示倍率の変更の要求を受け付ける。撮像制御部110は、表示倍率モードの変更の要求を受け付ける。撮像制御部110は、ユーザID及び表示倍率モードの変更の要求を受け付けてもよい。撮像制御部110は、表示倍率の変更の要求に応じて、表示デバイス440の表示倍率を変更する(S100)。
【0047】
撮像制御部110は、変更された表示倍率に対応する現在のユーザIDでの視度をメモリ170に登録された設定情報に基づいて特定する(S102)。撮像制御部110は、特定された視度に従って、接眼レンズ422の位置を調整する(S104)。撮像制御部110は、駆動機構430を制御して、特定された視度に対応する位置に接眼レンズ422を移動させる。
【0048】
以上の通り、本実施形態に係るファインダ装置400によれば、表示倍率の変更に応じて、自動的に視度も調整できる。これにより、撮影者の利便性を向上させることができる。
【0049】
図6は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ1200の一例を示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーションまたは当該装置の1または複数の「部」として機能させることができる。または、当該プログラムは、コンピュータ1200に当該オペレーションまたは当該1または複数の「部」を実行させることができる。当該プログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0050】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、及びRAM1214を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、入力/出力ユニットを含み、それらは入力/出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。コンピュータ1200はまた、ROM1230を含む。CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。
【0051】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブが、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納してよい。ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/またはコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。プログラムが、CR-ROM、USBメモリまたはICカードのようなコンピュータ可読記録媒体またはネットワークを介して提供される。プログラムは、コンピュータ可読記録媒体の例でもあるRAM1214、またはROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーションまたは処理を実現することによって構成されてよい。
【0052】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、またはUSBメモリのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0053】
また、CPU1212は、USBメモリ等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0054】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0055】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上またはコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0056】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0057】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0058】
100 撮像装置
102 撮像部
110 撮像制御部
120 イメージセンサ
150 レンズ制御部
152 レンズ駆動部
154 レンズ
170 メモリ
180 表示部
182 操作部
200 レンズ部
400 ファインダ装置
410 固定筒
412 ガイド軸部
420 移動筒
422 接眼レンズ
424 軸受け部
430 駆動機構
432 電動機
434 ネジ軸部
436 ギア部
438 ナット部
440 表示デバイス
450 片寄せ機構
452 バネ
454 バネ受け部
470 接眼枠
1200 コンピュータ
1210 ホストコントローラ
1212 CPU
1214 RAM
1220 入力/出力コントローラ
1222 通信インタフェース
1230 ROM
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6