(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037697
(43)【公開日】2022-03-09
(54)【発明の名称】連続袋の箱詰め装置、箱詰め方法、及び箱詰め構造
(51)【国際特許分類】
B65B 5/10 20060101AFI20220302BHJP
【FI】
B65B5/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】40
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020141956
(22)【出願日】2020-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】山田 健太
【テーマコード(参考)】
3E003
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003AB05
3E003BA03
3E003BA04
3E003BB01
3E003BC05
3E003BD01
3E003CA02
3E003CB06
3E003DA07
(57)【要約】
【課題】作製した連続袋の箱詰めを自動化することを目的とする。
【解決手段】嵌合具を有する袋体2が複数、ミシン目1Aを介して連続してなる帯状の連続袋1を上方が開放された箱9内に送り、当該連続袋1を箱9内に積み上げて収納する連続袋1の箱詰め装置である。搬送されてくる連続袋1を、谷折りと山折りが交互に繰り返されるつづら折りに、順次、折るつづら折り部6と、つづら折り部6でつづら折りされたつづら折り部分10を搬送し、当該つづら折り部分10を下降搬送路74に沿って順次、箱9内に送る送り部7と、送り部7で送られてきたつづら折り部分10を、蛇腹状に折り畳みながら箱9内に積み上げる積み上げ部8と、を備える。つづら折り部6は、つづら折りの山折りの折り目位置を順次、搬送方向上流側にずらすことで、複数のつづら折りが長手方向に並ぶようにつづら折りを実行する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面から突出した嵌合具を有する袋体が複数、ミシン目を介して連続してなる帯状の連続袋を搬送し、搬送してきた連続袋を、順次、上側から下側に向かう下降搬送路に沿って、上方が開放された箱内に送り、当該連続袋を箱内に積み上げて収納する連続袋の箱詰め装置であって、
搬送されてくる連続袋を、谷折りと山折りが交互に繰り返されるつづら折りに、順次、折るつづら折り部と、
連続袋のうち、上記つづら折り部でつづら折りされたつづら折り部分を搬送し、当該つづら折り部分を上記下降搬送路に沿って順次、箱内に送る送り部と、
上記送り部で送られてきた上記つづら折り部分を、蛇腹状に折り畳みながら箱内に積み上げる積み上げ部と、
を備え、
上記つづら折り部は、つづら折りの山折りの折り目位置を順次、搬送方向上流側にずらすことで、複数のつづら折りが長手方向に並ぶように上記つづら折りを実行する、
ことを特徴とする連続袋の箱詰め装置。
【請求項2】
上記つづら折り部は、1つ前のつづら折りの部分に位置する嵌合具の搬送方向上流側位置に、次の山折りの折り目位置が来るようにつづら折りを実行することを特徴とする請求項1に記載した連続袋の箱詰め装置。
【請求項3】
予め設定した搬送路に沿って、上記連続袋を上記つづら折り部に向けて搬送する引込部を有し、
上記引込部は、上記つづら折り部に搬送される連続袋に長手方向に沿った張力を付与する張力付与機構と、上記つづら折り部に向けて搬送される連続袋の幅方向の位置決めを行うセンタリング機構と、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載し連続袋の箱詰め装置。
【請求項4】
上記張力付与機構としてダンサーロールを有し、上記ダンサーロールは、上記嵌合具が通過する部分に対し上記嵌合具が通過可能な凹部が円周方向全周に形成されていることを特徴とする請求項3に記載した連続袋の箱詰め装置。
【請求項5】
上記センタリング機構は、搬送されるスパウトの幅方向位置を規制するスパウト用の案内路を備え、
上記スパウト用の案内路は、上記ダンサーロールの上流側及び下流側にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項4に記載した連続袋の箱詰め装置。
【請求項6】
上記つづら折り部は、連続袋をつづら折りする際に、山折りになる位置の各両端部を把持可能な一対の第1把持部と、谷折りになる位置の各両端部を把持する一対の第2把持部とを備え、
上記第1把持部は、上記第2把持部の位置よりも上流位置側である把持開始位置と、上記第2把持部の位置よりも下流位置側である把持終了位置との間を、上記第2把持部の上方を通って移動可能に構成され、
更に、上記第1把持部が把持開始位置から把持開始位置に移動して谷折り及び山折りされた1つのつづら折りが実行された際に、そのつづら折りの山折りの折り目部分を押さえる折り目押さえ部を備えることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか1項に記載した連続袋の箱詰め装置。
【請求項7】
上記一対の第1把持部及び上記一対の第2把持部のうちの少なくとも一方の一対の把持部は、連続袋の左右両端部を把持した際に、一対の把持部の少なくとも一方の把持部が連続袋の幅方向外方に変位する構成となっていることを特徴とする請求項6に記載した連続袋の箱詰め装置。
【請求項8】
上記送り部は、順次、上記つづら折り部でつづら折りされる上記つづら折り部分を挟み込み可能な対をなす上下のベルトを備え、
上記上下のベルトは、上記つづら折り部の出口から上記箱の上方に向けて延在し、箱に向けて下降する部分が上記下降搬送路を構成する、ことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか1項に記載した連続袋の箱詰め装置。
【請求項9】
上記つづら折り部でつづら折りされたつづら折り部分を上記上下のベルト間に引き込むベルト間引込部を備えることを特徴とする請求項8に記載した連続袋の箱詰め装置。
【請求項10】
上記上下のベルトで送られるつづら折り部分に存在する嵌合具を検出する嵌合具検出センサを備え、上記嵌合具検出センサによる嵌合具の検出に基づき、上記つづら折り部分の箱への送りを規制する、
ことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載した連続袋の箱詰め装置。
【請求項11】
上記上下のベルトは、上記つづら折り部分の幅方向両端部にそれぞれ設けられ、
上記上下のベルトで挟み込まれたつづら折り部分における、上記下降搬送路に位置する部分に対し、連続袋の厚さ方向に弾性力を発生する板バネが設けられていることを特徴とする請求項8~請求項10のいずれか1項に記載した連続袋の箱詰め装置。
【請求項12】
上記つづら折り部分を挟み込む上記上下のベルトは、プーリーによって上下のベルトの延在方向が下方に変換されることで上記下降搬送路を形成することを特徴とする請求項8~請求項11のいずれか1項に記載した連続袋の箱詰め装置。
【請求項13】
上記積み上げ部は、
上記蛇腹状に折り畳むために、順次送られてくるつづら折り部分の箱への積込み位置を、上記下降搬送路に位置する連続袋の厚さ方向に沿った方向である前後方向に往復移動させる前後方向揺動部と、
順次送られてくるつづら折り部分の積込み位置を、上記つづら折り部分の幅方向に沿った方向である横方向に変位させる横方向揺動部と、
を備えることを特徴とする請求項1~請求項12のいずれか1項に記載した連続袋の箱詰め装置。
【請求項14】
上記前後方向揺動部は、上記下降搬送路の下端部を上記前後方向へ往復移動させる前後方向揺動機構からなることを特徴とする請求項13に記載した連続袋の箱詰め装置。
【請求項15】
上記横方向揺動部は、前後方向揺動部による上記積込み位置の移動方向の切り替わりに同期をとって、上記積込み位置を上記横方向に変位させることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載した連続袋の箱詰め装置。
【請求項16】
上記横方向揺動部による横方向への変位量は、平面視における上記嵌合具の大きさ以上とすることを特徴とする請求項13~請求項15のいずれか1項に記載した連続袋の箱詰め装置。
【請求項17】
上記横方向揺動部は、上記箱を上記横方向に変位可能な横方向揺動機構からなることを特徴とする請求項13~請求項16のいずれか1項に記載した連続袋の箱詰め装置。
【請求項18】
上記積み上げ部は、上記送り部による上記つづら折り部分の送りに同期をとって、順次送られてくるつづら折り部分の積込み位置を変更することを特徴とする請求項13~請求項17のいずれか1項に記載した連続袋の箱詰め装置。
【請求項19】
上記箱内に積み上げられたつづら折り部分の最上面位置と上記下降搬送路と間の上下方向の間隔を予め設定した範囲に調整する上下間隔調整部を、備えることを特徴とする請求項13~請求項18のいずれか1項に記載した連続袋の箱詰め装置。
【請求項20】
上記予め設定した範囲は、0より大きく且つ1つの谷折り及び山折りからなる1つのつづら折りの長さ未満であることを特徴とする請求項19に記載した連続袋の箱詰め装置。
【請求項21】
上記上下間隔調整部83は、上記下降搬送路を昇降させる昇降機構を備えることを特徴とする請求項19又は請求項20に記載した連続袋の箱詰め装置。
【請求項22】
一方の面から突出した嵌合具を有する袋体が複数、ミシン目を介して連続してなる帯状の連続袋を搬送し、搬送してきた連続袋を、順次、上側から下側に向かう下降搬送路に沿って、上方が開放された箱内に送り、当該連続袋を箱内に積み上げて収納する連続袋の箱詰めする方法であって、
搬送されてくる連続袋を、順次、谷折りと山折りが交互に繰り返されるつづら折りに折るつづら折りの工程と、
連続袋のうち、上記つづら折りの工程後のつづら折り部分を、順次、つづら折り状態の崩れを抑えつつ、箱内に、蛇腹状に折り畳みながら積み上げる積み上げの工程と、を備え、
上記つづら折りの工程では、複数のつづら折りの山折りの折り目が長手方向に並ぶように、つづら折りの山折り位置を順次、長手方向にずらすようにして、つづら折りを行う、
ことを特徴とする連続袋の箱詰め方法。
【請求項23】
上記つづら折りの工程は、1つ前のつづら折り位置に位置する嵌合具の搬送方向上流側位置に、次の山折りの折り目位置が来るようにつづら折りを実行することを特徴とする請求項22に記載した連続袋の箱詰め方法。
【請求項24】
上記つづら折りの処理を行う前に、連続袋に長手方向に沿った張力を付与すると共に幅方向の位置決めを行うことを特徴とする請求項22又は請求項23に記載し連続袋の箱詰め方法。
【請求項25】
上記張力の付与はダンサーロールによって行い、上記ダンサーロールの軸方向位置のうち、上記嵌合具が通過する部分に上記嵌合具が通過可能な凹部が円周方向全周に形成されていることを特徴とする請求項24に記載した連続袋の箱詰め方法。
【請求項26】
上記幅方向の位置決めは、搬送される嵌合具の幅方向位置を規制することで、連続袋の位置決めを実行することを特徴とする請求項24又は請求項25に記載した連続袋の箱詰め方法。
【請求項27】
上記つづら折りの工程は、連続袋をつづら折りする際に、連続袋における、谷折りになる位置の各両端部をそれぞれ第2把持部で把持すると共に、上記第2把持部の把持位置よりも上流側である把持開始位置の各両端部をそれぞれ第1把持部で把持し、
上記第1把持部を、上記把持開始位置から、上記第2把持部の位置よりも下流位置側である把持終了位置へ、上記第2把持部による把持位置の上方を通って移動することで、一回のつづら折りを行い、
形成したつづら折りの山折りの折り目部分を折り目押さえ部で押さえてから、上記第1把持部及び第2把持部による把持を解放する、
ことを特徴とする請求項22~請求項26のいずれか1項に記載した連続袋の箱詰め方法。
【請求項28】
上記第1把持部及び上記第2把持部のうちの少なくとも一方の把持部で、連続袋の左右両端部を把持した際に、左右の把持部間に連続袋の幅方向に沿ったテンションを付与することを特徴とする請求項27に記載した連続袋の箱詰め方法。
【請求項29】
上記つづら折りの工程で順次つづら折りされたつづら折り部分は、つづら折り部分を挟み込む対をなす上下のベルトによって、上記箱の上方にまで送られることを特徴とする請求項22~請求項28のいずれか1項に記載した連続袋の箱詰め方法。
【請求項30】
上記つづら折り部でつづら折りされたつづら折り部分を、上記上下のベルト間に引き込むベルト間引込部を備えることを特徴とする請求項29に記載した連続袋の箱詰め方法。
【請求項31】
上記上下のベルトで送られるつづら折り部分に存在する嵌合具を検出して、上記つづら折り部分の箱への送り量を規制する、ことを特徴とする請求項29又は請求項30に記載した連続袋の箱詰め方法。
【請求項32】
上記上下のベルトで挟み込まれたつづら折り部分における、上記下降搬送路に位置する部分に対し連続袋の厚さ方向に弾性力を付与して、つづら折り形状の崩れを防止する、ことを特徴とする請求項29~請求項31のいずれか1項に記載した連続袋の箱詰め方法。
【請求項33】
上記積み上げの工程は、順次送られてくるつづら折り部分の箱への積込み位置を、上記つづら折りの並び方向に沿って往復移動させて蛇腹状に折り畳みつつ、上記つづら折り部分を箱内に積み上げ、
その積み上げの際に、積込み位置の移動方向の変更に同期をとって、積込み位置をつづら折り部分の幅方向に沿った方向である横方向に変位させる、
ことを特徴とする請求項22~請求項32のいずれか1項に記載した連続袋の箱詰め方法。
【請求項34】
上記横方向への変位量は、平面視における上記嵌合具の大きさ以上とすることを特徴とする請求項33に記載した連続袋の箱詰め方法。
【請求項35】
上記往復移動は、上記下降搬送路の下部を上記並び方向に揺動して実行し、横方向の変位は、箱を横方向に変位させて実行することを特徴とする請求項33又は請求項34に記載した連続袋の箱詰め方法。
【請求項36】
上記箱内に積み上げられたつづら折り部分の最上面位置と上記下降搬送路と間の上下方向の間隔を予め設定した範囲に調整しながら、上記積み上げの処理を実行する、ことを特徴とする請求項33~請求項35のいずれか1項に記載した連続袋の箱詰め方法。
【請求項37】
上記予め設定した範囲は、0より大きく且つ谷折り及び山折りからなる1つのつづら折りの長さ未満であることを特徴とする請求項36に記載した連続袋の箱詰め方法。
【請求項38】
一方の面から突出した嵌合具を有する袋体が複数、ミシン目を介して連続してなる連続袋を、箱内に積み上げて収納した連続袋の箱詰め構造であって、
上記連続袋が、長手方向に沿って、谷折りと山折りが交互に繰り返されると共に、隣り合う山折りの折り目位置が順次長手方向にずれた複数のつづら折りからなる帯形状となっており、その帯形状の状態で、上記連続袋が、箱内に蛇腹状に折り畳まれて積み上げられている、ことを特徴とする連続袋の箱詰め構造。
【請求項39】
上記つづら折り形状は、1つ前のつづら折り位置のスパウトの手前に次のつづら折りの山折りの折り目位置が配置されて、連続袋の長手方向に沿って、複数のスパウトが一列に並ぶ形状であることを特徴とする請求項38に記載した連続袋の箱詰め構造。
【請求項40】
上記蛇腹状に折り畳まれて積み上げられた上記帯形状のうち、上下で隣り合うつづら折り形状の部分は、相対的に、下側のつづら折り形状の部分に位置する上記スパウトの列に対し、上側のつづら折り形状の部分に位置する上記スパウトの列が、連続袋の幅方向にずれて積み込まれ、平面視において、相対的に下側のつづら折り形状の部分に位置するスパウトと、上側のつづら折り形状の部分に位置する上記スパウトとが、重なっていないことを特徴とする請求項39に記載した連続袋の箱詰め構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッグインボックス(BIB容器)の一部を構成するプラスチック製の内装容器を構成する袋体がミシン目を介して連続する帯状の連続袋を、折り畳んで箱詰めする技術に関する。ここで、内装容器は、袋体の一方の面から突出するスパウトと呼ばれる嵌合具を有する。また、本発明は、袋体がフィルム袋からなる場合に好適な技術である。
【背景技術】
【0002】
CO2排出量削減をはじめとした地球温暖化対策や生物多様性保全、環境負荷軽減など環境問題への関心が高まっている現在、パッケージにおいても、環境保全への取り組みが重要視されている。
旧来、食用油や調味料などの業務用商品は、一斗缶などの金属容器に収納して流通させていた。しかし、金属容器は、重量もあり、輸送・保管コストが掛かる上に、使用後における専門業者による回収まで、その形状のまま保管しなければならない、といった課題あった。このような課題から、近年、金属容器に替えて、BIB容器が用いられる傾向にある。また、廃棄適性から、ワインや日本酒などの大容量入り酒類など、生活者向けの製品にも、BIB容器の使用が増加している。
【0003】
BIB容器は、清涼飲料や酒類、食用油、調味料などの食品や、液体洗剤や水性塗料など、主に業務用として使用されている。
BIB容器は、プラスチック製からなる袋状の内装容器と、段ボールケースを主体とする外装容器とから構成される。なお、内装容器には、一般に、成型タイプ又はフィルムタイプのいずれかのタイプが使用される。液体を収納したBIB容器は、段ボール梱包による輸送適性を有し、且つ内容物の使用後には、内装容器と段ボールからなる外装容器とを分別して廃棄できる。このため、BIB容器は、環境保全の面でもその評価が高まっている。
【0004】
内容物(酒類などの液体)が入った袋状の内装容器(袋体)が、小売店に陳列されるまでには、例えば、製袋工程、第1の運搬工程、充填工程、及び第2の運搬工程の各工程の処理が行われる。
製袋工程では、製袋メーカーが袋体からなる内装容器を製造し、製造した内装容器を、段ボールなどの箱に箱詰めする作業が行われる。このとき、内装容器がフィルムタイプの場合、複数の内装容器が、ミシン目を介して帯状に連続する連続袋として製造され、その製造された連続袋を折り畳んで箱内に収容される。
【0005】
第1の運搬工程では、連続袋を箱詰めした箱を被包装資材商品のメーカーに納入する処理を実行する。充填工程では、被包装資材商品のメーカーが、箱から連続袋を取り出し、ミシン目で分離した各内装容器内に内容物(酒類などの被包装資材商品)を充填する処理を行う。第2の運搬工程では、内容物を充填した内装容器を、外装容器に収納してBIB容器とし、そのBIB容器を小売店に搬送する。そして、小売店にて、内容物を充填した内装容器が、一般消費者に販売される。
【0006】
ここで、外袋や帯状体を蛇腹折りする方法や、帯状体を箱内に蛇腹折り状に積み上げる技術として、例えば特許文献1~6に記載の方法がある。
特許文献1、2には、製品入り外袋のつづら折り品について記載がある。
特許文献3、5~7には、帯状材を蛇腹折りして箱詰めする方法が記載されている。
特許文献4には、繊維ブラケットを蛇腹折りすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2018-193135号公報
【特許文献2】特許第6539762号公報
【特許文献3】特公平7-5217号公報
【特許文献4】特公平7-103515号公報
【特許文献5】特開昭59-152102号公報
【特許文献6】特開昭59-114264号公報
【特許文献7】特開昭59-114263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
BIB容器の内装容器は、フィルム状の袋体(フィルム袋)から構成され、その袋体の一方の面に形成された嵌合具(注ぎ口(スパウト)、口金)が熱溶着されている。この嵌合具(以下、スパウトとも呼ぶ)は、内容物の充填や取り出しのために袋体に設けられ、例えば射出成型で成型される。
しかし、特許文献1、2には、製品入り外袋のつづら折り品について記載があるが、嵌合具付きの外袋に対しつづら折りした内容物を充填するものであり、帯状体をつづら折りして箱詰めする方法について記載がない。また、特許文献1、2に記載の嵌合具は、外袋の辺に設けられたチャックなどであって、本発明が想定するスパウトとは異なる。
【0009】
また、特許文献3、5~7には、帯状材を蛇腹折りして箱詰めする方法が記載されているが、箱の上側から帯状材を収納する際に、箱の端部で折り返すことを繰り返すことで、単純に、帯状材を蛇腹状にして箱内に積み上げる方式のものである。
本発明が対象とする帯状材は、各袋体から突出するスパウトを有している。しかし、特許文献3、5~7には、この突出するスパウトを考慮して箱詰めすることについて何ら記載も示唆もない。
また、特許文献4に記載のつづら折りも単純に蛇腹状に折る形式のものであって、なんらスパウトについて考慮されていない。
【0010】
従来、スパウト付き内装容器(袋体)がミシン目を介して連続してなる帯状の連続袋を、折り畳んで箱詰めする作業は、スパウトを考慮して人の手によって行っていた。
ここで、製袋工程では、帯状の連続袋を連続的に作製する工程と、作製した連続袋を箱詰めする工程とを有する。
このとき、連続袋の生産は機械で実行しているが、作製した連続袋の箱詰めは、上記のように人の手によって実行している。そして、箱詰めのときの作業スピードや精度が、個々の作業者の能力に依存していたため、個々の作業者の処理能力に合わせて、連続袋の生産速度を調整する必要があり、また、停止ロス(故障ロス、段取り替えロスなど)も発生する。この結果として、製袋工程の生産性が低下し、また生産性が不安定となりやすく、生産効率が悪かった。
【0011】
また、ダンボール等の箱に収納した連続袋は、ストック場所や積み重ねの不安定さによってストック枚数に限りがあり、広いスペースを必要としていた。そして、箱詰めのおけるつづら折り作業は製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねるため、作業には時間が掛かり、また手間であった。
【0012】
また、箱詰め作業では、ダンボール(箱)を製函し、製函したダンボールへ連続袋を折り畳んで箱詰めし、箱詰め後にダンボールを封函する。上記のように、従来、この箱詰めの全ての作業に対し人手が必要であった。特に、箱への積み上げ作業では製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ね、これらの作業もすべて人の手によって行われていた。さらに、人手で作業を行っているため、箱詰めした連続袋にシワが発生し、またときには連続袋に穴が開いてしまうことがあった。このように作業ミスや製品ロスが頻繁に発生しやすかった。さらに、人手で繰り返して作業を行う必要があり、時間と手間が掛かっていた。よって、人件費が嵩み、コスト高になっていたほか、作業ミスなども不可避であった。加えて人手不足によって人材確保が難しい状況である。
また、ダンボールの製函、封函、箱詰めを人手で行っていたため、人に起因する汚れが連続袋に付着するおそれもある。
【0013】
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、作製した連続袋の箱詰めを自動化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
課題解決のために、本発明の一態様は、一方の面から突出した嵌合具を有する袋体が複数、ミシン目を介して連続してなる帯状の連続袋を搬送し、搬送してきた連続袋を、順次、上側から下側に向かう下降搬送路に沿って、上方が開放された箱内に送り、当該連続袋を箱内に積み上げて収納する連続袋の箱詰め装置であって、搬送されてくる連続袋を、谷折りと山折りが交互に繰り返されるつづら折りに、順次、折るつづら折り部と、連続袋のうち、上記つづら折り部でつづら折りされたつづら折り部分を搬送し、当該つづら折り部分を上記下降搬送路に沿って順次、箱内に送る送り部と、上記送り部で送られてきた上記つづら折り部分を、蛇腹状に折り畳みながら箱内に積み上げる積み上げ部と、を備え、上記つづら折り部は、つづら折りの山折りの折り目位置を順次、搬送方向上流側にずらすことで、複数のつづら折りが長手方向に並ぶように上記つづら折りを実行する、ことを要旨とする。
【0015】
また、本発明の態様は、一方の面から突出した嵌合具を有する袋体が複数、ミシン目を介して連続してなる帯状の連続袋を搬送し、搬送してきた連続袋を、順次、上側から下側に向かう下降搬送路に沿って、上方が開放された箱内に送り、当該連続袋を箱内に積み上げて収納する連続袋の箱詰めする方法であって、搬送されてくる連続袋を、順次、谷折りと山折りが交互に繰り返されるつづら折りに折るつづら折りの工程と、連続袋のうち、上記つづら折りの工程後のつづら折り部分を、順次、つづら折り状態の崩れを抑えつつ、箱内に、蛇腹状に折り畳みながら積み上げる積み上げの工程と、を備え、上記つづら折りの工程では、複数のつづら折りの山折りの折り目が長手方向に並ぶように、つづら折りの山折り位置を順次、長手方向にずらすようにして、つづら折りを行う、ことを要旨とする。
【0016】
また、本発明の態様は、一方の面から突出した嵌合具を有する袋体が複数、ミシン目を介して連続してなる連続袋を、箱内に積み上げて収納した連続袋の箱詰め構造であって、上記連続袋が、長手方向に沿って、谷折りと山折りが交互に繰り返されると共に、隣り合う山折りの折り目位置が順次長手方向にずれた複数のつづら折りからなる帯形状となっており、その帯形状の状態で、上記連続袋が、箱内に蛇腹状に折り畳まれて積み上げられている、ことを要旨とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に態様によれば、作製した連続袋の箱詰めを自動化することが可能となる。
また、本発明の態様に係る連続袋の箱詰め構造によれば、効率良く連続袋を収納して箱詰めした状態を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に基づく実施形態に係る連続袋を示す平面図である。
【
図2】本発明に基づく実施形態に係る箱詰め装置のブロック構成を示す図である。
【
図3】本発明に基づく実施形態に係る箱詰め装置を示す模式的側面図である。
【
図4】第1のスパウト用の案内路を説明する図である。
【
図5】第1引込部の構成を示すダンサーロール側から見た図である。
【
図6】第2引込部の構成を示すダンサーロール側から見た図である。
【
図7】本発明に基づく実施形態に係るダンサーロールを示す図である。
【
図8】把持開始位置の1把持部と第2把持部を示す図である。
【
図9】連続袋の幅方向の弛みの解消を説明する図である。
【
図10】つづら折りとベルト間への引き込みを説明する図である。
【
図11】第1把持部の移動によるつづら折り処理を説明する図である。
【
図12】つづら折りされたつづら折り部分の形状を示す図である。
【
図13】下降搬送路の部分を示す連続袋の厚さ方向前方から見た図である。
【
図14】下降搬送路の往復移動(振り子運動)を説明する図である。
【
図15】箱内へのつづら折り部分の積込みと積込み方向の切替を説明する図である。
【
図16】折り返しに同期をとって横方向に移動した場合の、スパウトの列の状態を説明する上面図である。
【
図17】
図16での、積み込まれたつづら折り部分の状態を説明する側面図である。
【
図18】積込み位置の移動の例を説明する図である。
【
図19】スパウトの天板に疵が入る懸念がある状態を示す図である。
【
図20】スパウトの天板に疵が入る懸念が小さい状態を示す図である。
【
図21】折り返し時のスパウトの列の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明に基づく実施形態について図面を参照して説明する。
製袋工程は、帯状の連続袋を連続的に作製する連続袋作製工程と、作製した連続袋を箱詰めする箱詰め工程とを有する。本実施形態では箱詰め工程を装置によって実行する。
【0020】
(連続袋作製工程)
連続袋作製工程は、公知の方法にて、連続袋を作製する工程である。例えば、複数層の帯状のフィルムについて、連続して袋となる周囲を熱溶着してフィルム袋からなる袋体(内装容器)を形成すると共に、長手方向で隣り合う内装容器本体間の位置にミシン目を形成する。また、連続袋作製工程で、各袋体の一方の面に対しスパウトを熱溶着する。なお、スパウトは、注ぎ口を有し、その注ぎ口には密封するキャップが取り付けられている。
連続袋作製工程で作製された連続袋1は、
図1に示すように、一方の面から突出した嵌合具3を有する複数の袋体2が、ミシン目1Aを介して連続してなる帯状の形状となっている。
作製された連続袋1は、順次、箱詰め工程に送られる。
【0021】
(箱詰め工程)
本実施形態の箱詰め工程では、順次送られてきた連続袋1を搬送し、搬送してきた連続袋1を、順次、上側から下側に向かう下降搬送路74に沿って、上方が開放された箱9内に送り、当該連続袋1を箱9内に折り畳みながら積み上げて収納する、箱詰め処理を実行する。
箱詰め工程は、長手方向へずらしながら連続袋1をつづら折りするつづら折りの工程と、つづら折りの工程の後に、つづら折り状のつづら折り部分10を、蛇腹折り状にジグザグに折り畳みながら箱9に積み上げる積み上げの工程とを備える。
本実施形態の箱詰め工程は、箱詰め装置によって実行される。
【0022】
(箱詰め装置)
箱詰め装置は、
図2に示すように、バッファ4と、引込部5と、つづら折り工程を行うつづら折り部6と、送り部7と、積み上げの工程を行う積み上げ部8と、を備える。
【0023】
(バッファ4)
バッファ4は、連続袋作製工程で作製された帯状の連続袋1を一時的に収納する収納部である。
【0024】
(引込部5)
引込部5は、バッファ4にある連続袋1を引き込み、予め設定した搬送路に沿って、引き込んだ連続袋1に対しテンションを掛けた状態でつづら折り部6に供給する処理を実行する。引込部5には、張力付与機構とセンタリング機構が設けられている。張力付与機構は、つづら折り部6に搬送される連続袋1に長手方向に沿った張力を付与する機構である。センタリング機構は、つづら折り部6に向けて搬送される連続袋1の幅方向の位置決め、すなわちセンタリング処理を行う機構である。
引込部5は、
図3に示すように、連続袋1の搬送路に沿って、第1引込部51、ダンサーロール52、及び第2引込部53を、この順に備える。
【0025】
ここで、本実施形態では、箱詰め装置に送られる連続袋1は、つづら折り部6に搬送される状態では、袋体の厚さ方向が上下となるように配置されて搬送されると共に、袋体の上側の面から上方にスパウト3が突出している状態で搬送される。スパウト3が下方に突出している状態で搬送する構成でも良いが、スパウト3が上方に突出している状態の方が、処理が行いやすい。
【0026】
(第1引込部51)
第1引込部51は、
図3のように、ダンサーロール52の上流側に配置される。第1引込部51は、搬送されてくる連続袋1を上下から挟み込む一対のピンチロール51B、51Cと、ピンチロール51B、51Cの上流に配置された第1のスパウトガイド51Aとを備える。
第1のスパウトガイド51Aは、搬送路を挟んで下側ガイドと上下で対向配置された上側ガイドを備える。下側ガイドと上側ガイドは、連続袋1の袋体2が通過可能な隙間を空けて対向配置される。
下側ガイドは、上面が連続袋1の下面に接触して連続袋1を、一対のピンチロール51B、51Cに向けて案内する平坦な案内面となっている。下側ガイドは、一枚の板状のガイド部材でも良いし、搬送路に沿って配置された複数のガイドローラで構成されていても良い。また、案内面が円弧状であってもよい。
【0027】
上側ガイドは、下面が連続袋1の上面に対向配置する案内面を有する。上側ガイドの案内面のうち、連続袋1が有するスパウト3と対向可能な位置には、スパウト3が通過可能な凹部若しくは切欠きからなるスパウト用の案内路が形成されている。本実施形態のスパウト用の案内路51Aaは、下方に突出し一対の壁体から構成され、一対の壁体は、下方から見た平面図である
図4に示すように、スパウト3が通過可能な間隔を開けて幅方向で対向した状態で搬送方向に延在している。一対の壁体は、入り口側の対向幅が下流から上流に向かうにつれて広くなるように形成されて、搬送されてきたスパウト3が確実にスパウト用の案内路内を通過するようになっている。
スパウト用の案内路で、スパウト3の幅方向位置が規制(位置決め)されるように制御さえることで、バッファ4から搬送されてきた連続袋1の幅方向位置が位置決め(センタリング)される。
【0028】
一対のピンチロール51B、51Cは、
図3に示すように、下側の第1引込駆動ロール51Bと上側の第1引込フリーロール51Cとが上下で配向配置されている。第1引込駆動ロール51Bと上側の第1引込フリーロール51Cとの間の間隙は、連続袋1が通過可能な間隙となっている。そして、第1引込駆動ロール51Bの駆動によって、バッファ4に位置する連続袋1の、ダンサーロール52側への引き込みが制御される。
【0029】
ダンサーロール52側から見た
図5に示すように、第1引込駆動ロール51Bは、1つの駆動ロールで構成されるが、第1引込フリーロール51Cは、ロール軸方向に並んだ複数個のフリーロールから構成され、スパウト3が通過する位置にフリーロールが干渉しないようにして、複数個のフリーロールが配置されている。なお、上記のスパウトガイド51Aのスパウト用の案内路51Aaによって、スパウト3の幅方向位置が位置決めされるため、スパウト3の通過位置は予め決められている。なお、第1引込フリーロール51Cの半径がスパウト3の袋体2からの突出量よりも大きい場合には、第1引込フリーロール51Cを1つのロールで構成し、第1引込フリーロール51Cにおけるスパウト3の通過位置のロール部分に、スパウト3が通過可能な凹部を形成しても良い。ただし、ロール51Cを大型化するほど、装置全体が大型化する。
【0030】
(第2引込部53)
第2引込部53は、ダンサーロール52の下流側に配置される。第2引込部53は、
図3に示すように、ダンサーロール52から搬送されてくる連続袋1を上下から挟み込む一対のピンチロール53A、53Bと、ピンチロール53A、53Bの上流側及び下流側に配置された第2のスパウトガイド53C、53Dとを備える。
一対のピンチロール53A、53Bは、下側の第2引込駆動ロール53Aと上側の第2引込フリーロール53Bとを備える。第2引込駆動ロール53Aの駆動によって、ダンサーロール52で方向変換された連続袋1の、つづら折り部6への引き込みが制御される。第2引込駆動ロール53Aと第2引込フリーロール53Bとの間の間隙は、連続袋1が通過可能な間隙となっている。
【0031】
ダンサーロール52側から見た
図6に示すように、第2引込駆動ロール53Aは、1つの駆動ロールで構成されるが、第2引込フリーロール53Bは、ロール軸方向に並んだ複数個のフリーロールから構成され、スパウト3が通過する位置にフリーロールが干渉しないようにして、複数個のフリーロールが配置されている。なお、上流側に位置する第2のスパウトガイド53C(前側ガイド)で、スパウト3の幅方向位置は位置決めされているので、スパウト3の通過位置は予め決められている。なお、第2引込フリーロール53Bの半径がスパウト3の突出量よりも大きい場合には、第2引込フリーロール53Bを1つのロールで構成し、スパウト3の通過位置のロール部分に凹部を形成しても良い。ただし、ロール53Bを大型化するほど、装置全体が大型化する。
【0032】
第2のスパウトガイドとして、第2引込駆動ロール53Aに対し上流側の前側ガイド53Cと下流側の後側ガイド53Dとを備える。
前側ガイド53Cは、一対のピンチロール53A、53Bに引き込まれる連続袋1の幅方向位置を規制する。前側ガイド53Cは、
図3に示すように、第2引込駆動ロール53Aと第2引込フリーロール53Bとによる挟み込み位置よりも上流側で、且つ第2引込駆動ロール53Aの円周方向の表面に沿って延在するように配置されている。前側ガイド53Cは、
図6に示すように、連続袋1の幅方向で対向配置される一対の壁体を有し、その一対の壁体間に、スパウト3の幅方向位置を規制するスパウト用の案内路が形成される。一対の壁体間の入り口側は、上流側に向かうにつれて広くなるように形成されて、確実にスパウト3がスパウト用の案内路内を通過するようになっている。
【0033】
後側ガイド53Dは、一対のピンチロール53A、53Bからつづら折り部6に搬送される連続袋1の幅方向位置を規制する。後側ガイド53Dは、第2引込駆動ロール53Aと第2引込フリーロール53Bとによる挟み込み位置よりも下流に配置される。後側ガイド53Dは、連続袋1の幅方向で対向配置される一対の壁体(不図示)を有し、その一対の壁体間に、スパウト3の幅方向位置を規制するスパウト用の案内路が形成される。この案内路は、第1のスパウト用の案内路と同様な構成となっている。
【0034】
(ダンサーロール52)
ダンサーロール52は、
図3に示すように、第1引込駆動ロール51Bと第2引込駆動ロール53Aとの間の搬送路に配置されて、第1引込駆動ロール51B及び第2引込駆動ロール53Aと共に張力制御機構を構成する。ダンサーロール52は、搬送される連続袋1に一定の重さを掛けることで、連続袋1に対し、長手方向への一定のテンションを掛ける。
ダンサーロール52は、
図7に示すように、スパウト3との干渉を避けるために、スパウト3が通過する位置にスパウト3が通過可能な凹部が円周方向全周に形成されている。
図7に示すダンサーロール52は、軸方向に並ぶ二つのロールから構成される場合の例である。
このダンサーロール52は、上下方向の一定の高さ範囲に位置するように制御される。
【0035】
図3に示すように、その高さ範囲における、下限位置に下限検出センサ52aが設けられ、上限位置に上限検出センサ52bが設けられる。
下限検出センサ52aは、その高さ位置以下にダンサーロール52が位置していることを検出すると、不図示の制御部に検出信号を出力する。制御部は、下限検出センサ52aがダンサーロール52を検知したと判定すると、第2引込駆動ロール53Aに所定回転角度だけ回転駆動する指令を出して、連続袋1を所定ピッチだけつづら折り部6に送るように制御する。
また、上限検出センサ52bは、その高さ位置以上にダンサーロール52が位置することを検出すると、不図示の制御部に検出信号を出力する。制御部は、上限検出センサ52bがダンサーロール52を検知したと判定すると、第1引込駆動ロール51Bに所定回転角度だけ回転駆動する指令を出して、連続袋1を所定ピッチだけダンサーロール52側に送るように制御する。
【0036】
(つづら折り部6)
つづら折り部6では、長手方向に沿って、連続袋1を谷取りと山折りが交互に繰り返されるつづら折りに順次、折る処理を実行する。このとき、つづら折り部6は、つづら折りの山折りの折り目位置を順次、搬送方向上流側にずらし、複数のつづら折りが長手方向に並ぶように上記つづら折りを順次、実行する。
本実施形態では、隣り合うつづら折りの山折りの折り目位置が一定の方向に順番にずれながら、谷取りと山折りが交互に繰り返される折りの場合をつづら折りと呼び、山折りの折り目位置が単純に上下に重なる折りの場合を蛇腹折りと呼ぶ。
【0037】
本実施形態のつづら折り部6では、1つ前のつづら折りの山折り部分に位置するスパウト3の搬送方向上流側位置に、次の山折りの折り目10aの位置が来るようにつづら折りを実行して、スパウト3が長手方向(搬送方向)に並ぶように設定する(
図12参照)。
図12中、符号10bは谷折りの折り目位置である。
本実施形態のつづら折り部6では、一回(1サイクル)のつづら折りの処理で、谷折りと山折りを同時に実行する。
つづら折り部6は、
図3及び
図8に示すように、左右一対の第1把持部61と、左右一対の第2把持部62と、折り目押さえ部63とを備える。
【0038】
ここで、第2引込駆動ロール53Aを通過した連続袋1は、前側ガイド53C及び後側ガイド53Dの案内路でセンタリングされていると共に長手方向の張力が付与された状態で、第2引込駆動ロール53A位置から、つづら折り部6の処理位置に搬送される。また、この搬送状態では、スパウト3が袋体2の上面側に位置している。
一対の第1把持部61は、連続袋1をつづら折りする際に、山折りになる位置の左右両端部を把持可能にそれぞれ配置される。一対の第2把持部62は、連続袋1をつづら折りする際に、谷折りになる位置の左右両端部を把持可能にそれぞれ配置される。
【0039】
左右の各第2把持部62は、上下で対向する把持板を備え、上下で対向する把持板の開閉によって、把持と解放とを実現する。第2把持部62は、搬送方向における把持位置が固定された固定チャックから構成される。ただし、左右の第2把持部62は、連続袋の幅方向外方に待避可能に構成されている。本実施形態では、左右一対の第2把持部62が、谷折り位置を連続袋の端部を把持した後に、左右一対の第2把持部62のうちの一方の第2把持部62を幅方向外方に変位させ、連続袋1に対し幅方向へのテンションを負荷する。
左右の各第1把持部61は、上下で対向する把持板を備え、上下で対向する把持板の開閉によって、把持と解放とを実現する。第1把持部61は、搬送方向における、設定位置が移動可能な移載チェックから構成される。また、左右の第1把持部61は、連続袋の幅方向外方に待避可能に構成されている。
【0040】
第1把持部61は、
図8、
図9のように、第2把持部62の把持位置よりも上流側位置である把持開始位置(折り開始位置)と、第2把持部62の位置よりも下流位置側である把持終了位置(つづら折り終了位置)との間を、第2把持部62の位置の上方を通って移動可能に構成されている。第2把持部62の位置の上方とは、第2把持部62の位置の真上で無くても良い。また、左右一対の第1把持部61が把持開始位置で山折り位置の左右両端部を把持した後に、本実施形態では、左右一対の第1把持部61のうち一方の第1把持部61を幅方向外方に変位させて、連続袋1に対し幅方向へのテンションを付与する。特に、第1把持部61間にはスパウト3が存在するために連続袋は下方に弛みやすい。このため、
図9に示すように、第1把持部61を幅方向外側に引っ張ることで、その弛みが解消されて、よりシワがない状態のつづら折りを実現可能となる。
【0041】
また、本実施形態では、把持開始位置を、
図8に示すように、今回つづら折りする部分におけるスパウト3の幅方向両側位置としている。また、把持終了位置は、1つ前につづら折りした部分におけるスパウト3の上流側位置の幅方向両端部位置とする。
また、折り目押さえ部63は、少なくとも、つづら折りの山折りした部分を上側から押さえる折り目押さえバー63Aを備える。折り目押さえバー63Aは、シリンダ装置などによって上下に昇降可能となっている。
【0042】
折り目押さえバー63Aは、左右の把持終了位置の位置する左右の第1把持部61の間、且つスパウト3の左右両側の位置(スパウト3と干渉しない位置)で、山折りの折り目を押さえ可能な形状となっている。本実施形態の折り目押さえバー63Aは、
図10(c)に示すように、左右一対の部材からなり、把持終了位置に移動した第1把持部61とスパウト3との間に位置するバー本体部と、バー本体部に連続し、把持終了位置の位置する第1把持部61と第2把持部62との間にする部分63Aaとを有する。このように、折り目押さえバー63Aは、左右一対の部材からなることで、つづら折りされた部分に位置するスパウト3との干渉が回避可能となっている。
【0043】
そして、つづら折り部6は、第2引込駆動ロール53Aの駆動で1ピッチ分だけ連続袋1が送られてきたら、第2把持部62で谷折り位置の両側部分を把持すると共に、第1把持部61で、第2把持部62よりも下流側である把持開始位置にて山折り位置を把持する(
図10(a))。続いて、
図11に示すように、左右一対の第1把持部61を、把持開始位置から、第2把持部62の上方を経由して把持終了位置に移動してつづら折りを実行する(
図10(b))。なお、第1把持部61の移動は、側面視円弧状に移動させた方が、第1把持部61と第2把持部62との間に位置する連続袋1にテンションを掛けながら折る動作を行うことが可能であるが、上側の他の機器などとの干渉を考慮して、本実施形態では、上記円弧状の軌道よりも低い位置で移動させている。第1把持部61の移動によって、一対の第2把持部62同士の上流側端部を結んだ仮想線位置で連続袋1を谷折りし、一対の第1把持部61の下流側端部を結んだ仮想線位置で連続袋1を山折りする。
【0044】
次に、上方に退避していた折り目押さえバー63Aが下降して、つづら折りした山折りの折り目を押さえる(
図10(c))。これにより、山折りの折り目の膨らみを押さえることが出来る。なお、本実施形態では、送り部7におけるベルト間引込部71によって、
図10(f)のように山折りの折り目の幅方向端部に発生する膨らみも押さえる。
その後、第1把持部61及び第2把持部62による把持を解放し(
図10(d))、第1把持部61を把持開始位置に復帰させる。
【0045】
以上の動作を1サイクルとして、連続袋1が送られてくる度に、つづら折りを繰り返し行う。これによって、
図12に示すように、長手方向(搬送方向)に沿って各袋体2に設けたスパウト3が一列に並ぶように、つづら折りの折りが順次実行される。
ここで、連続袋1のうち、つづら折り部6でつづら折りされた後の連続袋部分をつづら折り部分10とも呼ぶ。
【0046】
(送り部7)
送り部7は、つづら折り部6でつづら折りされた連続袋1を、つづら折り状態を維持したまま、箱9の上方に向けて送る、つづら折り部分10を搬送する処理を行う。本実施形態の送り部7は、一対のベルトでつづら折り部分10を厚差方向から挟んだ状態でベルト搬送する構成からなっている。
送り部7は、ベルト間引込部71と、ベルト搬送部72と、板バネ73を備える。
【0047】
(ベルト搬送部72)
ベルト搬送部72は、つづら折り部分10の幅方向両端部位置にそれぞれ、対をなす上下のベルトを備える。
ベルト搬送部72の上下の各ベルト72A、72Bは、それぞれ無端環状となっていて、駆動プーリーで駆動可能となっている。そのベルト72A、72Bの長手方向の一部が、上下のベルトを構成する。すなわち、ベルト搬送部72は、連続袋1の端部側を挟んで延在するベルト部分を有する無端環状の下側ベルト72Aと上側ベルト72Bとを備える。その下側ベルト72Aと上側ベルト72Bの一部が、上記対をなす上下のベルトを構成する。
【0048】
下側ベルト72Aは、つづら折り部6の出側に配置された下側第1プーリー72Aa、下側第1プーリー72Aaの下流側に配置された下側第2プーリー72Ab、下側第2プーリー72Abの下方に配置された下側第3プーリー72Acによって、つづら折り部分10の搬送路に沿って下側第1プーリー72Aaから下側第3プーリー72Acに向けて移動するベルト部分を有する。
上側ベルト72Bは、下側第1プーリー72Aaの上方に対向配置された上側第1プーリー72Ba、下側第2プーリー72Abに対向配置された上側第2プーリー72Bb、下側第3プーリー72Acの上方に対向配置された上側第3プーリー72Bcによって、つづら折り部分10の搬送路に沿って上側第1プーリー72Baから上側第3プーリー72Bcに向けて移動するベルト部分を有する。
【0049】
そして、下側第1プーリー72Aaから下側第3プーリー72Acまでの下側ベルト部分、及び上側第1プーリー72Baから上側第3プーリー72Bcまでの上側ベルト部分が上記の対をなす上下のベルトを構成する。また、下側第2プーリー72Abから下側第3プーリー72Acまでの下側ベルト部分、及び上側第2プーリー72Bbから上側第3プーリー72Bcまでの上側ベルト部分で構成されるつづら折り部分10の搬送路が下降搬送路74となる。
また、左右のベルト間引込部71(耳押さえ)を有する。各ベルト間引込部71は、上側ベルト72B用のプーリーの一つとしての可動プーリーからなる。
【0050】
ベルト間引込部71は、折り目押さえバー63Aと干渉しない位置であって、山折り部の折り目の幅方向端部位置近傍(例えば上記の把持開放位置近傍)に向けて下降可能に構成され、下降したベルト間引込部71に当接している上側ベルト部分と下側の受け側のロール71aとで、直近のつづら折りされた部分を上下からピンチ可能となっている。
可動プーリーからなるベルト間引込部71は、上方位置を待機位置とする。
そして、ベルト搬送部72は、つづら折り部6で1ピッチ分のつづら折り処理が実行され、折り目押さえバー63Aで山折りされた部分を押さえ、第1把持部61での把持が開放されたと判定すると(
図10(d))、ベルト間引込部71を下降させて、直近のつづら折り部分10を、ベルト間引込部71に巻き付く上側ベルト72Bと受け側のロール71aとで挟み込んだ状態とする(
図10(e))。
【0051】
その後、折り目押さえバー63Aを上方に移動させて、折り目押さえバー63Aによる拘束を開放したら(
図10(f))、上側ベルト72B及び下側ベルト72Aを所定量だけ回転駆動する。回転駆動することで、可動プーリーからなるベルト間引込部71位置の上側ベルト72Bと受け側のロール72aとで挟み込まれたつづら折り部分10が、上側ベルト72Bの移動によって、上側ベルト72Bと下側ベルト72Aとの間(対をなす上下のベルト間)に引き込まれる(
図10(g))。なお、ベルト間引込部71が上方に移動する(
図10(h))。そのまま続けて、当該上側ベルト72Bと下側ベルト72Aに挟み込まれた状態で、上側ベルト72Bと下側ベルト72Aとで形成されるベルト搬送路に沿って、つづら折り部分10が、所定量だけ搬送路に沿って箱9側に移動する。
【0052】
また、
図3、
図13に示すような下降搬送路74を構成するベルト搬送路位置を移動するつづら折り部分10に位置するスパウト3を検出する嵌合具検出センサ75を備える(
図3参照)。その嵌合具検出センサ75で、当該嵌合具検出センサ75の設定高さを通過するスパウト3の検出により、一定の送り量で、ベルト搬送を位置決め停止する。また、後述のように、積み上げ部8の上下間隔調整部83によって下降搬送路74を所定量だけ上昇させて、箱9内に積み上げられたつづら折り部分10の最上面位置と下降搬送路74の下端部位置(例えば下側第3プーリー72Acの最下部位置)との上下の間隔Hが所定高さ範囲に収まるように調整する。
【0053】
以上の動作を、ベルト搬送部72での1サイクルとする。また、ベルト搬送路は、水平搬送路と、それに連続する下降搬送路74から構成され、その搬送路に沿って、1サイクル分作動する度に、つづら折り部分10が箱9側に間欠送りて、順次、箱9内に積み上げられていく。
また、送り部7は、
図3に示すように、板バネ73を有する。板バネ73は、下降搬送路74となるベルト搬送路において、連続袋1の厚さ方向に、裏側(
図3中、右側)から弾性力を発生する。この板バネ73は、品種毎の連続袋1の厚み差を吸収する機能を有し、下降するつづら折り部分10のつづら折り形状の崩れを防止する。
【0054】
(積み上げ部8)
積み上げ部8は、ベルト搬送部72で間欠送りされてくる、つづら折りした連続袋部分(つづら折り部分10)を、蛇腹状に折り畳みながら箱9内に積み上げて収納する処理を実行する。
ここで、箱9は、段ボール箱などから構成された、平面視矩形の外形形状であり、第1の辺(前後方向の辺)とそれに直交する第2の辺(幅方向の辺)とを有する。そして、箱9は、間欠して下降してくるつづら折り部分10の厚さ方向に沿った方向を前後方向に辺に、連続袋1の幅方向に沿った方向に向けて、配置されている。箱9の搬送を容易とするためのテーブルローラを有する。
積み上げ部8は、前後方向揺動部81と、横方向揺動部82と、上下間隔調整部83とを備える。
【0055】
(前後方向揺動部81)
前後方向揺動部81は、つづら折り部分10を蛇腹状に折り畳むために、順次送られてくるつづら折り部分10の積込み位置を、下降搬送路74に位置するつづら折り部分10の厚さ方向に沿った方向である並び方向(前後方向)に往復移動させる処理を実行する。
前後方向揺動部81は、下降搬送路74の下端部を上記並び方向へ往復移動させる前後方向揺動機構を備える。すなわち、下降搬送路74を構成する上下のベルト部分は、
図14に示すように、上下の第1プーリー72Ab、72Bbで挟まれる部分を中心として下端部が、前後方向(並び方向)に振り子運動するように往復移動可能になっている。そして、例えば、各プーリーを支持するフレーム(不図示)にシリンダロッドを連結するシリンダ装置81aを作動させることで、つづら折り部分10の送りに応じて、下降搬送路74の下端部位置(上面視で積込み位置相当の位置)が前後方向に移動可能に構成される。これによって、つづら折り部分10は、
図14に示すように、つづら折りされたつづら折り部分10が、箱9内へ順次、蛇腹状に折り畳まれながら積み込まれる。
【0056】
すなわち、つづら折りされた連続袋1(つづら折り部分10)の間欠送りに同期を取って、前後方向揺動部81によって、下降搬送路74の下端位置を前後方向に振り子運動させる。これによって、下降搬送路74の下端位置が前後の一方(例えば後方)の方向に向けて移動している状態のとき、箱9内に間欠的に移動するつづら折り部分10が前後の一方(例えば後方)に向けて順次変位することで、つづら折りされた部分10が、箱9内に、前後方向の一方(例えば後方)に向けて並ぶようにして1段分、積み込まれる。続いて、下降搬送路74の下端位置の移動方向が前後の他方(例えば後方)に変更、すなわち切り換わると、その位置で箱9内に収納されるつづら折り部分10が折り返され、続けて、つづら折り部分10は、箱9内に、前後方向の他方(例えば前方)に向けて並ぶようにして順次積み込まれる(
図4参照)。なお、移動方向が切り換わる度に、つづら折り部分10は折り返されるため、スパウト3の突出方向(上下方向)が変更される。
【0057】
(横方向揺動部82)
横方向揺動部82は、順次送られてくるつづら折り部分10の積込み位置を、つづら折り部分10の幅方向に沿った方向である横方向に変位させる処理を実行する。横方向揺動部82は、前後方向揺動部81による上記積込み位置の移動方向の切り替わりに同期をとって、積込み位置を横方向へ変位させる処理を行う。その横方向揺動部82による横方向への変位量は、平面視における上記スパウト3の幅方向の大きさ以上であることが好ましい。
【0058】
本実施形態の横方向揺動部82は、箱9を上記横方向に変位可能な横方向揺動機構からなる。
本実施形態の横方向揺動部82は、箱9を幅方向に揺動させるために、箱9を幅方向両側から挟み込む一対の部材(箱揺動板82)からなる(
図3、
図13)。その一対の箱揺動板82は、箱9を挟み込む固定状態と開放状態との切替が可能となっている。そして、横方向揺動部82は、固定状態では、予め取得した箱9の大きさに合わせて両側の部材間の幅を変えて、設置された箱9を位置決めする。
【0059】
そして、横方向揺動部82は、箱詰めの際には、前後方向揺動部81による積込み位置の前後方向の揺動(振り子運動)に同期して、箱9の横方向位置を変位させる。
本実施形態の横方向揺動部82では、箱9に積み上げられるつづら折り部分10の並び方向が変更されて、箱9内に収納されるつづら折り部分10が折り返されるのに同期して、箱9をスパウト3の幅よりも大きさ変位幅で、箱9を横方向に変位させる。
【0060】
すなわち、前後方向揺動部81の作動によって、例えば
図15(a)のように、つづら折り部分10が順次、スパウト3が前後方向に並ぶように配置されながら積み込まれる。更に、前後方向揺動部81による積込み位置の移動方向が切り換わって、つづら折り部分10が折り返される際に、横方向揺動部82の作動によって、例えば
図15(b)のように、積込み位置がスパウト一個分だけ横方向に変位する。
これによって、平面視での模式図である
図16に示すように、上下で隣り合うスパウト3の列が重ならないようにして、つづら折り部分10が、箱9内に蛇腹状に折り畳まれながら積み上げられていく。
【0061】
ここで、
図16におけるa→bへの移動の際に、
図17(a)に示すように、スパウト3が上方に向いている場合には、折り返した後のc-d間では、
図17(b)に示すように、スパウト3が下方に向いている。また、その次のd-e間では、またスパウト3が上方を向いている。
図18に、その列の移動の例を、スパウトの並び位置で示す。
ここで、上下で隣り合うスパウト3が、
図19に示すように重なって箱詰めされている場合には、積載負荷を上側から掛けられたときに、上下のスパウト3同士が擦れてスパウト3の天板等に疵が入る懸念がある。なお、スパウト3の天面に疵が入ると液漏れするおそれがある。
【0062】
これに対し、本実施形態では、上下で隣り合うスパウト3が、
図20(a)(b)のように配置されて、スパウト3の天板同士の擦れ合いが防止される。なお、
図20(c)のように重なった場合にも、スパウト3の天板同士の擦れ合いが防止されるが、連続袋1の積層状態に必要以上の嵩張りが発生して、箱への連続袋1の収納量がその分、少なくなってしまう。
ここで、箱9内に積み上げられたつづら折り部分10の最上面位置と上記下降搬送路74と間の上下方向の間隔Hが大きすぎる場合には、積み込むつづら折り部分10のつづら形状が崩れた状態で箱9内に積み上げられる可能性がある。また、
図15(b)のように、横方向に変位させる際に、1つ前に積み込んだつづら折りの部分が横方向に引きずられる場合もある。
【0063】
1つ前に積み込んだつづら折りの部分が横方向に引きずられる場合、折り返して積み込む部分のスパウト3と、1つ前のスパウト3とが上下で重なるおそれがある。このため、
図21(b)のように、横方向に変位したのち、折り返してから前後方向に1ピッチ進めた後に、次の積込みを実行するようにすると良い。
【0064】
(上下間隔調整部83)
上下間隔調整部83は、箱9内に積み上げられたつづら折り部分10の最上面位置と上記下降搬送路74と間の上下方向の間隔Hを予め設定した間隔の範囲に調整する処理を実行する。
上下間隔調整部83(ユニット昇降部)は、ボールネジ部から構成され、箱詰め装置の搬送路を形成するユニット部全体を昇降する構成となっていて、下降搬送路74の下端部から箱9内につづら折りを崩さず連続袋1を置ける高さに調整する。すなわち、上下間隔調整部83は、箱9に敷き詰められた、つづら折りされた連続袋1の最上面位置の高さにより変化する箱詰め高さに合わせ、つづら折りを崩さず連続袋1を置ける高さにユニット部の高さを昇降する。
【0065】
下降搬送路74の下端部と箱詰め高さとの高さ方向の間隔Hは、センサで検出しても良い。本実施形態では、箱への積み上げ量に基づき最上面位置の高さを決定している。
箱9内に積み上げられたつづら折り部分10の最上面位置と上記下降搬送路74と間の上下方向の間隔Hは、例えば、1つのつづら折りの長さ未満とする。間隔Hは、好ましくは1つのつづら折りの長さの2/3以下、より好ましくは1/2以下である。上記上限の間隔Hの下限値は、既に積み上げた段のつづら折り部分10が、次に積み上げるつづら折り部分10の移動で引きずられて移動しない最低の距離である。
なお、上下間隔調整部83の処理として、箱9側を昇降して上下の間隔Hを調整してもよい。
【0066】
(動作その他)
連続袋作製工程で作製された連続袋1は、バッファ4に収納される。本実施形態のバッファ4は箱で形成されているが、ルーパーなどで構成されていてもよい。
バッファ4内の連続袋1は、引込部5に引き込まれ、長手方向に向かうテンションが掛けられると共に、幅方向のセンタリングの処理が行われ、その状態で、順次、つづら折り部6に搬送される。
つづら折り部6では、搬送されてきた連続袋1を順次、つづら折りの処理を実行する。このときつづら折りの山折りの折り目が長手方向に並んで、すなわちスパウト3が長手方向に並ぶように順次つづら折りの処理が実行される。
【0067】
このとき、連続袋1は、引込部5でテンションが掛けられた状態でつづら折り部6に搬送されることで、長手方向のシワが低減すると共に、第1把持部61及び第2把持部62で幅方向にテンションが掛けられることで、幅方向のシワの低減も実行されながら、つづら折りが実行される。
また、各つづら折りした山折り位置が折り目押さえバー63Aにて押さえられて、山折りの折り目の膨らみが押さえられ、つづら折り部分10が送り部7側により確実に引き込み可能となる。
【0068】
続いて、ベルト間引込部71の処理にて、つづら折りされたつづら折り部分10が順次、ベルト搬送部72に送られる。そして、つづら折り部分10は、対をなす上下のベルト間によって、箱9の上方まで搬送される。このとき、下降搬送路74に沿って下方に向けて送られるつづら折り部分10について、左右一対のベルト部分に位置する部分の間を板バネ73によって厚さ方向に弾性力を付与することで、送られるつづら折り部分10のつづら折り形状の崩れがより抑えられる。
続いて、前後方向揺動部81によって、積み込み位置を前後方向に揺動させることで、つづら折りされた連続袋1である、つづら折り部分10が、順次、箱9内に蛇腹状態に積み上げられて収納される。
【0069】
すなわち、本実施形態では、つづら折り状の形で、連続袋1を蛇腹状に積み上げて箱詰めを実行する。
また、箱詰めの際に、積込み位置の移動方向を変更して折り返す際に、横方向揺動部82によって積込み位置を横方向に変位することで、上下で隣り合う、各スパウト3の列が上下方向で重ならないように調整している。この結果、上下のスパウト3の天板同士の当接を防止すると共に、上下のスパウト3が重なることによる嵩が増えることを防止する。
【0070】
例えば、箱9内につづら折り部分10を一方向に向けて並ぶように一段、収納する際に、スパウト3が上方に向いている場合、前後方向端部で折り返したら、反対方向に向けて並ぶようにつづら折り部分10を箱9内に収納することなる。このとき、下側の列と折り返し後の上側の列の幅方向を一致させると、
図19のようにスパウト3同士が重なり、その分、箱9に収納した連続袋1が嵩張る。同様に、スパウト3が下方を向いた状態で一列、箱9に収納した後に、折り返して反対方向に一列収納する際に、下側の列と折り返し後の上側の列の幅方向を一致させると、スパウト3同士が重なり、同様に、箱9に収納した連続袋1が嵩張る。
【0071】
これに対し、本実施形態では、折り返し前後で、連続袋1の幅方向位置をスパウト3の幅以上にずらすことで、折り返し前後における下側のスパウト3位置と上側スパウト3位置が、平面視で幅方向にずれることで、1つの箱9に収納可能な連続袋1の量を増やすことが可能となる。
なお、箱9に所定量の連続袋1が箱詰めされたら、箱9を封函し、埃や汚れの付着防止又は浸水防止のために防水フィルムで覆う。
【0072】
(効果)
(1)本実施形態は、一方の面から突出した嵌合具を有する袋体が複数、ミシン目を介して連続してなる帯状の連続袋を搬送し、搬送してきた連続袋を、順次、上側から下側に向かう下降搬送路に沿って、上方が開放された箱内に送り、当該連続袋を箱内に積み上げて収納する連続袋の箱詰め装置であって、搬送されてくる連続袋を、谷折りと山折りが交互に繰り返されるつづら折りに、順次、折るつづら折り部と、連続袋のうち、上記つづら折り部でつづら折りされたつづら折り部分を搬送し、当該つづら折り部分を上記下降搬送路に沿って順次、箱内に送る送り部と、上記送り部で送られてきた上記つづら折り部分を、蛇腹状に折り畳みながら箱内に積み上げる積み上げ部と、を備え、上記つづら折り部は、つづら折りの山折りの折り目位置を順次、搬送方向上流側にずらすことで、複数のつづら折りが長手方向に並ぶように上記つづら折りを実行する。
この構成によれば、箱詰めの人的作業の省力化を図ることで、連続袋1の製造ラインの高速化を実現し、また、その生産速度の安定化を図り、人的作業のミスによる製造ロスの低減と袋体2の品質低下を抑制することが可能となる。
【0073】
(2)本実施形態では、上記つづら折り部は、1つ前のつづら折りの部分に位置する嵌合具の搬送方向上流側位置に、次の山折りの折り目位置が来るようにつづら折りを実行する。
この構成によれば、嵌合具(スパウト)を有していても、複数のつづら折りを詰めて並べることが可能となる。
【0074】
(3)本実施形態では、予め設定した搬送路に沿って、上記連続袋を上記つづら折り部に向けて搬送する引込部を有し、上記引込部は、上記つづら折り部に搬送される連続袋に長手方向に沿った張力を付与する張力付与機構と、上記つづら折り部に向けて搬送される連続袋の幅方向の位置決めを行うセンタリング機構と、を有する。
この構成によれば、つづら折りする部分に、長手方向のテンションが与えられた状態でつづら折りが可能となって、つづら折りしたつづら折り部分10に対し、長手方向のシワを減らせると共に、幅方向のズレも抑えられて、綺麗につづら折りの処理を実行可能となる。
【0075】
(4)本実施形態では、上記張力付与機構としてダンサーロールを有し、上記ダンサーロールは、上記嵌合具が通過する部分に対し上記嵌合具が通過可能な凹部が円周方向全周に形成されている。
この構成によれば、袋体2から突出する嵌合具(スパウト3)を有していても、ダンサーロール52によって、連続袋1に対し、簡易に一定のテンションを付与可能となる。
【0076】
(5)本実施形態では、上記センタリング機構は、搬送されるスパウトの幅方向位置を規制するスパウト用の案内路を備え、上記スパウト用の案内路は、上記ダンサーロールの上流側及び下流側にそれぞれ配置されている。
この構成によれば、簡易な構成で、連続袋1のセンタリングが出来て、ダンサーロール52によって確実に連続袋1にテンションを付与出来ると共に、センタリングした状態の連続袋1をつづら折り部6に供給可能となる。
【0077】
(6)本実施形態では、上記つづら折り部は、連続袋をつづら折りする際に、山折りになる位置の各両端部を把持可能な一対の第1把持部と、谷折りになる位置の各両端部を把持する一対の第2把持部とを備え、上記第1把持部は、上記第2把持部の位置よりも上流位置側である把持開始位置と、上記第2把持部の位置よりも下流位置側である把持終了位置との間を、上記第2把持部の上方を通って移動可能に構成され、更に、上記第1把持部が把持開始位置から把持開始位置に移動して谷折り及び山折りされた1つのつづら折りが実行された際に、そのつづら折りの山折りの折り目部分を押さえる折り目押さえ部を備える。
この構成によれば、確実につづら折り処理が実行出来ると共に、つづら折りしたつづら折り部分10をその状態で次工程に送ることが可能となる。
【0078】
(7)本実施形態では、上記一対の第1把持部及び上記一対の第2把持部のうちの少なくとも一方の一対の把持部は、連続袋の左右両端部を把持した際に、一対の把持部の少なくとも一方の把持部が連続袋の幅方向外方に変位する構成となっている。
この構成によれば、つづら折りの処理の際における連続袋1の幅方向の弛みが抑えられ、よりシワを抑えたつづら折りの処理が可能となる。
【0079】
(8)本実施形態では、上記送り部は、順次、上記つづら折り部でつづら折りされる上記つづら折り部分を挟み込み可能な対をなす上下のベルトを備え、上記上下のベルトは、上記つづら折り部の出口から上記箱の上方に向けて延在し、箱に向けて下降する部分が上記下降搬送路を構成する。
この構成によれば、つづら折り部分10を、箱9側までベルト搬送することが可能となる。
【0080】
(9)本実施形態では、上記つづら折り部でつづら折りされたつづら折り部分を上記上下のベルト間に引き込むベルト間引込部を備える。
例えば、上下のベルトの少なくとも一方のプーリーを可動とし、その可動のプーリーをつづら折りした部分に向けて押付可能に構成する。
この構成によれば、つづら折りしたつづら折り部分10を確実にベルト搬送可能となる。
【0081】
(10)本実施形態では、上記上下のベルトで送られるつづら折り部分に存在する嵌合具を検出する嵌合具検出センサを備え、上記嵌合具検出センサによる嵌合具の検出に基づき、上記つづら折り部分の箱への送りを規制する。
この構成によれば、箱9内へのつづら折り部分10の送りをより精度良く実行可能となる。
【0082】
(11)本実施形態では、上記上下のベルトは、上記つづら折り部分の幅方向両端部にそれぞれ設けられ、上記上下のベルトで挟み込まれたつづら折り部分における、上記下降搬送路に位置する部分に対し、連続袋の厚さ方向に弾性力を発生する板バネが設けられている。
この構成によれば、よりつづら折り形状の崩れを抑制しながら、箱9側につづら折り部分10を送り可能となる。また、板バネ73によって、連続袋1の品種違いによる厚さ違いや剛性違いを吸収可能となる。
【0083】
(12)本実施形態では、上記積み上げ部は、上記蛇腹状に折り畳むために、順次送られてくるつづら折り部分の箱への積込み位置を、上記下降搬送路に位置する連続袋の厚さ方向に沿った方向である前後方向に往復移動させる前後方向揺動部と、順次送られてくるつづら折り部分の積込み位置を、上記つづら折り部分の幅方向に沿った方向である横方向に変位させる横方向揺動部と、を備える。
この構成によれば、つづら折り状態の連続袋1を、蛇腹状に積み上げながら箱9内に収納可能となる。
【0084】
(13)本実施形態では、上記前後方向揺動部は、上記下降搬送路の下端部を上記前後方向へ往復移動させる前後方向揺動機構からなる。
この構成によれば、つづら折り状の連続袋1を、蛇腹状の折り畳みながら箱9内に収納可能となる。
【0085】
(14)本実施形態では、上記つづら折り部分を挟み込む上記上下のベルトは、プーリーによって上下のベルトの延在方向が下方に変換されることで上記下降搬送路を形成する。
この構成によれば、連続袋1のつづら折り状を維持しつつ下降搬送路74を振り子状に揺動させやすくなる。
【0086】
(15)本実施形態では、上記横方向揺動部は、前後方向揺動部による上記積込み位置の移動方向の切り替わりに同期をとって、上記積込み位置を上記横方向に変位させる。
この構成によれば、より多くの連続袋1を箱9内に収納可能となる。
【0087】
(16)本実施形態では、上記横方向揺動部による横方向への変位量は、平面視における上記嵌合具の大きさ以上とする。平面視における上記スパウト3の大きさとは、連続袋1の幅方向の寸法とする。
この構成によれば、前後で隣り合うつづら折り部分10のスパウト3同士が上下で重なることを回避可能となる。これによって、スパウト3の天板部の疵発生を防止出来ると共に、より多くの連続袋1を箱9内に収納可能となる。
【0088】
(17)本実施形態では、上記横方向揺動部は、上記箱を上記横方向に変位可能な横方向揺動機構からなる。
この構成によれば、簡易な構成で、横方向の揺動が実現可能となる。
【0089】
(18)本実施形態では、上記積み上げ部は、上記送り部による上記つづら折り部分の送りに同期をとって、順次送られてくるつづら折り部分の積込み位置を変更する。
この構成によれば、より効率良く連続袋1を箱9内に収納可能となる。
【0090】
(19)本実施形態では、上記箱内に積み上げられたつづら折り部分の最上面位置と上記下降搬送路と間の上下方向の間隔を予め設定した範囲に調整する上下間隔調整部を、備える。
例えば、上記予め設定した範囲は、0より大きく且つ1つの谷折り及び山折りからなる1つのつづら折りの長さ(つづら折りの1ピッチ分)未満である。
この構成によれば、つづら折り形状を崩さずに箱9内に積み上げることが可能となる。
【0091】
(20)本実施形態では、上記上下間隔調整部83は、上記下降搬送路74を昇降させる昇降機構を備える。
この構成によれば、箱9の高さを変えることなく、確実に上下の間隔を調整可能となる。
【0092】
(21)本実施形態は、一方の面から突出した嵌合具を有する袋体が複数、ミシン目を介して連続してなる帯状の連続袋を搬送し、搬送してきた連続袋を、順次、上側から下側に向かう下降搬送路に沿って、上方が開放された箱内に送り、当該連続袋を箱内に積み上げて収納する連続袋の箱詰めする方法であって、搬送されてくる連続袋を、順次、谷折りと山折りが交互に繰り返されるつづら折りに折るつづら折りの工程と、連続袋のうち、上記つづら折りの工程後のつづら折り部分を、順次、つづら折り状態の崩れを抑えつつ、箱内に、蛇腹状に折り畳みながら積み上げる積み上げの工程と、を備え、上記つづら折りの工程では、複数のつづら折りの山折りの折り目が長手方向に並ぶように、つづら折りの山折り位置を順次、長手方向にずらすようにして、つづら折りを行う。
この構成によれば、箱9内に、つづら折り形状の状態で蛇腹状に積み上げて収納可能となる。
【0093】
(22)本実施形態では、上記つづら折りの工程は、1つ前のつづら折り位置に位置する嵌合具の搬送方向上流側位置に、次の山折りの折り目位置が来るようにつづら折りを実行する。
この構成によれば、より効率良くつづら折りが可能となる。
【0094】
(23)本実施形態では、上記つづら折りの処理を行う前の連続袋1に長手方向に沿った張力を付与すると共に幅方向の位置決めを行う。
この構成によれば、よりシワの発生を抑えてつづら折りを行うことができる。
【0095】
(24)本実施形態では、上記張力付与の付与はダンサーロール52によって行い、上記ダンサーロール52の軸方向位置のうち、上記嵌合具が通過する部分に上記嵌合具が通過可能な凹部が円周方向全周に形成されている。
この構成によれば、嵌合具を有していても、ダンサーロール52でテンションを付与可能となる。
【0096】
(25)本実施形態では、上記幅方向の位置決めは、搬送されるスパウト3の幅方向位置を規制することで実行する。
この構成によれば、簡易な構成で連続袋1の幅方向の位置決めが可能となる。
【0097】
(26)本実施形態では、上記つづら折りの工程は、連続袋をつづら折りする際に、連続袋における、谷折りになる位置の各両端部をそれぞれ第2把持部で把持すると共に、上記第2把持部の把持位置よりも上流側である把持開始位置の各両端部をそれぞれ第1把持部で把持し、上記第1把持部を、上記把持開始位置から、上記第2把持部の位置よりも下流位置側である把持終了位置へ、上記第2把持部による把持位置の上方を通って移動することで、一回のつづら折りを行い、形成したつづら折りの山折りの折り目部分を折り目押さえ部で押さえてから、上記第1把持部及び第2把持部による把持を解放する。
この構成によれば、つづら折りの処理が確実に実行されると共に、次工程につづら折りを崩さずに移行することができる。
【0098】
(27)本実施形態では、上記第1把持部及び上記第2把持部のうちの少なくとも一方の把持部で、連続袋の左右両端部を把持した際に、左右の把持部間に連続袋の幅方向に沿ったテンションを付与する。
この構成によれば、つづら折り時のしわ発生をより抑えることが可能となる。
【0099】
(28)本実施形態では、上記つづら折りの工程で順次つづら折りされたつづら折り部分は、つづら折り部分を挟み込む対をなす上下のベルトによって、上記箱の上方にまで送られる。
この構成によれば、つづら折りの状態を崩すことなくつづら折り部分10を送ることが可能となる。
【0100】
(29)本実施形態では、上記つづら折り部6でつづら折りされたつづら折り部分10を上記上下のベルト間に引き込むベルト間引込部71を備える。
この構成によれば、確実につづら折り部分10をベルト間に引き込み可能となる。
【0101】
(30)本実施形態では、上記上下のベルトで送られるつづら折り部分10に存在する嵌合具を検出して、上記つづら折り部分10の箱9への送り量を規制する。
この構成によれば、より精度良くつづら折り部分10を箱9内に送ることが可能となる。
【0102】
(31)本実施形態では、上記上下のベルトで挟み込まれたつづら折り部分10における、上記下降搬送路74に位置する部分に対し連続袋1の厚さ方向に弾性力を付与して、つづら折り形状の崩れを防止すると共に連続袋1の品種毎の厚み差を吸収する。
この構成によれば、ベルト搬送で上下に移動するつづら折り部分10のつづら折り形状の崩れをより防止可能となる。
【0103】
(32)本実施形態では、上記積み上げの工程は、順次送られてくるつづら折り部分の箱への積込み位置を、上記つづら折りの並び方向に沿って往復移動させて蛇腹状に折り畳みつつ、上記つづら折り部分を箱内に積み上げ、その積み上げの際に、積込み位置の移動方向の変更に同期をとって、積込み位置をつづら折り部分の幅方向に沿った方向である横方向に変位させる。
この構成によれば、より効率良く連続袋1を箱9内に収納可能となる。
【0104】
(33)本実施形態では、上記横方向への変位量は、平面視における上記スパウト3の大きさ以上とする。
この構成によれば、スパウト3間の当接を防止して、スパウト3への疵発生を抑制しつつ、より効率良く連続袋1を箱9内に収納可能となる。
【0105】
(34)本実施形態では、上記往復移動は、上記下降搬送路74の下部を並び方向に揺動して実行し、横方向の変位は、箱9を横方向に変位させて実行する。
この構成によれば、より簡易な構成で、効率良く連続袋1を箱9内に収納可能となる。
【0106】
(35)本実施家形態では、上記箱9内に積み上げられたつづら折り部分10の最上面位置と上記下降搬送路74と間の上下方向の間隔を予め設定した範囲に調整しながら、上記積み上げの処理を実行する。
例えば、上記予め設定した範囲は、0より大きく且つ谷折り及び山折りからなる1つのつづら折りの長さ未満である。
この構成によれば、つづら折り部分10のつづら折り形状を崩さずに、箱9内に積み上げ可能となる。
【0107】
(36)本実施形態は、一方の面から突出した嵌合具を有する袋体が複数、ミシン目を介して連続してなる連続袋を、箱内に積み上げて収納した連続袋の箱詰め構造であって、上記連続袋が、長手方向に沿って、谷折りと山折りが交互に繰り返されると共に、隣り合う山折りの折り目位置が順次長手方向にずれた複数のつづら折りからなる帯形状となっており、その帯形状の状態で、上記連続袋が、箱内に蛇腹状に折り畳まれて積み上げられている。
この構成によれば、より効率良く連続袋1を箱9内に収納可能となる。
【0108】
(37)本実施形態では、上記つづら折り形状は、1つ前のつづら折り位置のスパウト3の手前に次のつづら折りの山折りの折り目位置が配置されて、連続袋1の長手方向に沿って、複数のスパウト3が一列に並ぶ形状である。
この構成によれば、スパウト3を有する袋体2であっても、より効率の良いつづら折り形状とすることが出来る。
【0109】
(38)本実施形態では、上記蛇腹状に折り畳まれて積み上げられた上記帯形状のうち、上下で隣り合うつづら折り形状の部分は、相対的に、下側のつづら折り形状の部分に位置する上記スパウトの列に対し、上側のつづら折り形状の部分に位置する上記スパウトの列が、連続袋の幅方向にずれて積み込まれ、平面視において、相対的に下側のつづら折り形状の部分に位置するスパウトと、上側のつづら折り形状の部分に位置する上記スパウトとが、重なっていない。
この構成によれば、より多くの連続袋1を箱9内に収納可能となると共に、スパウト3の疵を抑制可能となる。
【符号の説明】
【0110】
1 連続袋
1A ミシン目
2 袋体
3 嵌合具(スパウト)
4 バッファ
5 引込部
6 つづら折り部
7 送り部
8 積み上げ部
9 箱
10 つづら折り部分
10a 山折りの折り目
51 第1引込部
51A 第1のスパウトガイド
51B、51Cピンチロール
52 ダンサーロール
53 第2引込部
53A、53Bピンチロール
53B ロール
53C 第2のスパウトガイド
53C 前側ガイド
53C、53D第2のスパウトガイド
53D 後側ガイド
63 折り目押さえ部
63A 折り目押さえバー
71 ベルト間引込部
71a 受け側のロール
72 ベルト搬送部
72A 下側ベルト
72Aa 下側第1プーリー
72Ab 下側第2プーリー
72Ac 下側第3プーリー
72B 上側ベルト
72Ba 上側第1プーリー
72Bb 上側第2プーリー
72Bc 上側第3プーリー
73 板バネ
74 下降搬送路
75 嵌合具検出センサ
81 前後方向揺動部
82 横方向揺動部
82 箱揺動板
83 上下間隔調整部
9 箱
H 間隔