IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝ライテック株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-天井取付装置 図1
  • 特開-天井取付装置 図2
  • 特開-天井取付装置 図3
  • 特開-天井取付装置 図4
  • 特開-天井取付装置 図5
  • 特開-天井取付装置 図6
  • 特開-天井取付装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037720
(43)【公開日】2022-03-09
(54)【発明の名称】天井取付装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/02 20060101AFI20220302BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220302BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20220302BHJP
   F21V 29/508 20150101ALI20220302BHJP
   F21V 29/83 20150101ALI20220302BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20220302BHJP
   F21V 21/03 20060101ALI20220302BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20220302BHJP
   E04B 9/00 20060101ALI20220302BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220302BHJP
【FI】
F21S8/02 420
F21S2/00 230
F21V29/503
F21V29/508
F21V29/83
F21V23/00 120
F21V21/03
F21V23/04 150
E04B9/00 H
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020141995
(22)【出願日】2020-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】山本 淳一郎
(72)【発明者】
【氏名】稗田 正直
(72)【発明者】
【氏名】吉田 卓史
(72)【発明者】
【氏名】佐川 崇
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】良好な放熱性を有した状態で天井に埋設することができ、取外しを容易且つ安全にできる照明装置を提供することを課題とする。
【解決手段】天井取付装置100は、天井面101より上方に配設された配線ダクト120の任意の位置に着脱可能に取付けられる取付機構50と、機能動作部23を収容し、取付機構50と反対側の下面側に窓部22を備える筐体21と、を有する。取付機構50を配線ダクト120に取り付けた状態で、筐体21の側方において、筐体21と天井面101の間に空間Sが設けられている。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井面より上方に配設された配線ダクトの任意の位置に着脱可能に取付けられる取付機構と;
機能動作部を収容し、前記取付機構と反対側の下面側に窓部を備える筐体と;を有し、
前記取付機構を前記配線ダクトに取り付けた状態で、前記筐体の側方において、前記筐体と前記天井面の間に空間が設けられている、
天井取付装置。
【請求項2】
前記機能動作部は光源部であり、前記窓部は前記光源部から光を取り出す、
請求項1の天井取付装置。
【請求項3】
前記筐体の上方に、外部から供給される電力を前記機能動作部へ供給する電源部を有する、
請求項1又は請求項2の天井取付装置。
【請求項4】
前記電源部は、前記筐体とは異なる電源部筐体に収容されており、
前記窓部の対向する方向を調整可能なように、前記筐体の少なくとも一部が前記電源部筐体の一部に接続されている、
請求項3の天井取付装置。
【請求項5】
前記空間に、前記取付機構が前記配線ダクトに取付けられている状態を解除するための第1操作部を有する、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項の天井取付装置。
【請求項6】
前記空間に、前記機能動作部に外部から供給される電力を遮断するための第2操作部を有する、
請求項1乃至請求項5のいずれか1項の天井取付装置。
【請求項7】
前記取付機構を前記配線ダクトの任意の位置に取り付けた状態で、前記窓部は、前記天井面と面一になることが可能な、
請求項1乃至請求項6のいずれか1項の天井取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、天井取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
天井取付装置の一例として、天井に埋設された配線ダクトの任意の位置に取り付け可能な照明装置が知られている。例えば、特許文献1の可動設置システムは、配線ダクトを備えた箱状の枠体を天井に埋め込んで設置し、この枠体の中に照明装置を収容して取り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-322926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の可動設置システムは、枠体の天井面における開口部を塞ぐように照明装置が取付けられている。つまり、枠体と照明装置の間に密閉空間が形成されている。この密閉空間は、照明装置の放熱の妨げとなる。照明装置の放熱が悪いと、照明装置の寿命が短くなる虞がある。
【0005】
また、特許文献1の可動設置システムは、照明装置を配線ダクトに固定する固定手段が照明装置の密閉空間側に設けてあり、固定を解除するための操作手段が照明灯の直ぐ近くに配置されている。このため、照明装置を枠体から取外す際に、照明灯に手指が触れる危険性がある。
【0006】
よって、良好な放熱性を有した状態で天井に埋設することができ、取外しを容易且つ安全にできる天井取付装置の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る天井取付装置は、天井面より上方に配設された配線ダクトの任意の位置に着脱可能に取付けられる取付機構と、機能動作部を収容し、取付機構と反対側の下面側に窓部を備える筐体と、を有する。取付機構を前記配線ダクトに取り付けた状態で、筐体の側方において、筐体と天井面の間に空間が設けられている。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の天井取付装置によると、良好な放熱性を有した状態で天井に埋設することができ、取外しを容易且つ安全にできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る天井取付装置を斜め下方から見た外観斜視図である。
図2図2は、図1の天井取付装置に含まれる照明ユニットをF2-F2で切断した断面図である。
図3図3は、図2の照明ユニットの端部に設けた取付機構の概略構造を示す外観斜視図である。
図4図4は、図3の取付機構をF4-F4で切断した断面図である。
図5図5は、図2の照明ユニットの中央に設けた接続機構を示す外観斜視図である。
図6図6は、図5の接続機構を係合位置に回動させた状態を示す外観斜視図である。
図7図7は、図2の照明ユニットの変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら一実施形態について詳細に説明する。
天井取付装置100は、天井面101より上方に配設された配線ダクト120の任意の位置に着脱可能に取付けられる取付機構50と、機能動作部23を収容し、取付機構50と反対側の下面側に窓部22(32)を備える筐体21(31)と、を有する。取付機構50を配線ダクト120に取り付けた状態で、筐体21(31)の側方において、筐体21(31)と天井面101の間に空間Sが設けられている。
【0011】
図1に示すように、本実施形態の天井取付装置100は、建物の天井面101に埋設した枠体110(凹部)に対して着脱可能に取付けられる。枠体110は、長尺な略矩形箱状に形成されており、その天井面101側に、建物の床面(図示せず)に向けて下方に開口した略矩形の長尺な開口部111を有する。以下の説明では、枠体110の長手方向と直交し且つ天井面101と平行な方向を幅方向とする。
【0012】
天井取付装置100は、開口部111を介して枠体110内に着脱可能に取付けられる少なくとも1つの取付ユニット10を含む。取付ユニット10は、照明ユニット20、紫外光照射ユニット30、カメラユニット40などを含んでもよい。この他に、取付ユニット10は、センサユニットやスピーカユニットなどを含んでもよい。
【0013】
本実施形態では、照明ユニット20の長手方向の両側に紫外光照射ユニット30を並べて配置し、一方の紫外光照射ユニット30の外側にカメラユニット40を並べて配置した。以下の説明では、照明ユニット20、紫外光照射ユニット30、及びカメラユニット40を総称して取付ユニット10とする場合もある。
【0014】
取付ユニット10は、それぞれ、長尺な略矩形ブロック状の筐体21、31、41を有する。各筐体21、31、41は、枠体110に取付けた図1の状態で、天井面101と略面一になる下面21a、31a、41aを有する。また、各筐体21、31、41のここでは図示しない上面側には、後述する取付機構50と接続機構60(いずれもここでは図示せず)が設けられている。
【0015】
取付機構50は、取付ユニット10の筐体21、31、41を枠体110の後述する配線ダクト120の長手方向の任意の位置に着脱可能に取り付ける。接続機構60は、配線ダクト120の長手方向の任意の位置で取付ユニット10を電気的に接続する。枠体110及び配線ダクト120の長さは任意に設定可能であり、配線ダクト120に取付ける取付ユニット10の種類、台数、及び長手方向に沿った取付け位置や取付け順なども任意に設定可能である。
【0016】
図1に示す状態で、取付ユニット10の筐体21、31、41と枠体110の間には、後に詳述する空間Sが設けられている。空間Sには、開口部111を介して室内の空気が流入し、もしくは各取付ユニット10から発生した熱を、空間Sや開口部111を介して室内に放出することで、取付ユニット10を冷却(放熱)する。また、この空間Sには、取付ユニット10を枠体110から取外す際に作業員が操作する後述する解除ボタン55や操作レバー65(いずれもここでは図示せず)が配設されている。
【0017】
図2に示すように、箱状の枠体110は、矩形の板金を複数個所で折り曲げたような形状を有し、横断面が略コ字状である。枠体110は、天井面101を構成する天井板102を貫通して設けた長尺な取付孔103に嵌め込まれる。枠体110は、底板112、上部側板113、肩板114、下部側板115、及び縁板116を一体に有する。
【0018】
2つの上部側板113は、底板112の幅方向の端部に連続して底板112と直交する下方に垂設されている。2つの肩板114は、上部側板113の下端部に連続して幅方向に互いに離間する方向にそれぞれ延設されている。2つの下部側板115は、肩板114の幅方向の外側の端部に連続してそれぞれ下方に垂設されている。2つの縁板116は、下部側板115の下端部に連続して幅方向に互いに離間する方向にそれぞれ延設されている。このように、枠体110は、底板112を凹部の底とする凹形状に形成されている。
【0019】
図2に示すように、枠体110を天井板102の取付孔103に嵌め込んだ状態で、枠体110の2つの縁板116が天井面101に接触して配置され、2つの下部側板115の外面が取付孔103の内周縁面に接触する。そして、枠体110の底板112は、天井面101より上方で天井面101と平行に配置される。
【0020】
底板112の下面112aには、長尺な配線ダクト120が取り付けられている。配線ダクト120は、枠体110の長手方向に延びて、底板112の幅方向の中央に配設されている。配線ダクト120は、例えば、略C字状の横断面形状を有し、下面側にスリット121を有する。なお、配線ダクト120は、枠体110と一体に形成されていてもよい。
【0021】
配線ダクト120は、天板122、2つの側板123、及び2つの支持板124を一体に有する。天板122は、枠体110の底板112の下面112aに面で接触して固定される。側板123は、天板122の幅方向の端部に連続して天板122と垂直に下方に延設されている。支持板124は、側板123の下端部に連続して互いに近付く方向に延設されている。2つの支持板124が互いに対向する端部の間にスリット121が形成されている。配線ダクト120は、取付ユニット10に電力を供給するための後述する2本の導体125を備えている。
【0022】
上述したように、枠体110は、天井面101に埋設されている。このため、枠体110の底板112に取付けた配線ダクト120は、天井面101より上方に位置する。配線ダクト120は、長手方向に沿って同じ横断面形状を有する。このため、照明ユニット20、紫外光照射ユニット30、カメラユニット40などの取付ユニット10は、配線ダクト120の長手方向の任意の位置に取付可能となっている。
【0023】
図2に示すように、照明ユニット20は、機能部25と電源部27を含む。機能部25は、少なくとも1つの機能(例えば、光を供給する機能、撮影機能、センサ機能など)を備えている部位である。機能部25は、機能動作部23を収容した筐体24(機能部筐体)を有する。照明ユニット20において、機能部25は灯具であり、機能動作部23は光源部である。電源部27は、図示しない電源装置を収容した筐体26(電源部筐体)を有する。
【0024】
照明ユニット20の上述した筐体21は、これら2つの筐体24、26を合わせたものである。電源部27は、必ずしも機能部25と別体に設ける必要はなく、照明ユニット20の筐体21を1つにして、この1つの筐体21の中に機能動作部23と電源装置を配置してもよい。また、図2では、機能部25の筐体24と電源部27の筐体26の間に隙間が設けられているが、この隙間は無くてもよい。
【0025】
機能部25の筐体24は、コ字状の横断面形状を有し、図2に示す状態で天井面101と平行に配置される長尺な背面板241と、背面板241の幅方向の端部にそれぞれ連続して下方に一体に垂設された2つの側板242と、を一体に有する。2つの側板242の下端部の間には、スリット状の開口部28が形成されている。この開口部28は、窓部22である。照明ユニット20において窓部22は、機能動作部23から出射される光を取り出す照射窓である。スリット状の開口部28には、機能動作部23から出射された光を透過させるとともに拡散させる長尺で矩形の透光カバー29が設けられている。
【0026】
照明ユニット20において、機能動作部23は、筐体24の背面板241と平行に設置された基板231と、基板231の下面に実装された光源である複数の発光素子(図示せず)と、を有する。発光素子は、例えば、LED素子であってもよい。照明ユニット20における機能動作部23は、必ずしもLED素子を用いる必要はなく、例えば蛍光灯など他のいかなる光源を用いてもよく、光源から出射される光は、波長が380nm~780nm程度の可視光である。
【0027】
この他に、照明ユニット20は、波長が380nmより短い紫外光や、波長が780nmより長い赤外光を出射する光源を備えてもよい。なお照明ユニット20において、機能動作部23の光源としてはランプを用いても良く、この場合、基板231に代えて反射板を配設するか基板231を反射板として機能させることが好ましい。
【0028】
電源部27の筐体26は、長尺な略矩形箱状に形成されており、機能動作部23の筐体24と略同じ幅を有する。筐体26内に配置した図示しない電源装置は、例えば、図示しない商用電源から供給される電力を機能動作部23に対応させた電力に変換する。電源装置は、機能動作部23の種類に応じて、電圧を昇圧させたり、電圧を降圧させたり、交流電流を直流電流に変換したりする。
【0029】
電源装置は、図示しない電線を介して機能動作部23の基板231の図示しない配線パターンに接続されたり、機能動作部23が光源部の場合、電源装置は、機能動作部23に所定の電力を供給して、光源部である機能動作部23を発光させる。なお、商用電源から供給される電力を変換する必要がない場合は、電源部27や電源装置を備えない構成であっても良い。
【0030】
機能部25の筐体24及び電源部27の筐体26の上下方向の厚みは、照明ユニット20を枠体110内に取付けた状態(図2の状態)で、機能部25の透光カバー29の下面29aが天井面101と略面一になる厚みに設定されている。ここでの面一とは、下面29aが天井面101に対して違和感のある形で突出ないし、陥没していないことを指しており、天井面101に対して意匠性を損なうような形でなければ、必ずしも面一でなくても良い。そしてこの場合、透光カバー29の下面29aが照明ユニット20の筐体21の下面21aとなる。また、筐体24、26の幅は、筐体24、26と枠体110との間に適切な空間Sが設けられる幅に設定されている。
【0031】
筐体21と枠体110の間の空間Sは、電源部27の筐体26と枠体110の底板112の間の2つの空間S1と、電源部27の筐体26と枠体110の上部側板113の間の2つの空間S2と、機能部25の筐体24と枠体110の下部側板115との間の2つの空間S3と、を含む。空間S3は、本発明に必須の構成であるが、空間S1、S2は、無くてもよい。しかし、機能部25及び電源部27の放熱性を高めるためには空間S1、S2を設けた方がより効果的である。空間S3の幅は、指先を挿入可能な幅であることが望ましく、少なくとも20mm~30mm程度の幅があればよい。
【0032】
枠体110は、2つの上部側板113の間の距離より2つの下部側板115の間の距離の方が長い。つまり、空間S3の幅は、空間S2の幅より広い。このため、後述する照明ユニット20の取外し作業の際に、空間S3の方が空間S2より作業者の指先を挿入し易くなっている。空間S2の幅も、指先を挿入可能な幅に設定されている。空間S(S1、S2、S3)の形状や大きさは本実施形態に限定されるものではなく、いかなるものであってもよい。
【0033】
紫外光照射ユニット30は、機能動作部23が光源部であり、上述した照明ユニット20と比較すると、複数のLED素子を波長が380nmより短い紫外光を出射する光源に代えた以外は、上述した照明ユニット20と略同じ構造を有する。よって、ここでは、紫外光照射ユニット30の詳細な構造に関する説明を省略する。紫外光を出射する光源として、例えば、紫外線LEDや紫外線ランプ(水銀ランプ、メタルハライドランプ、蛍光形紫外線ランプ、エキシマランプ等)などを使用することができる。光源に紫外線ランプを使用する場合、基板231に代えて反射板を配設するか基板231を反射板として機能させることが好ましい。
【0034】
カメラユニット40も、基本的には照明ユニット20や紫外光照射ユニット30と同様の構成となる。このとき、照明ユニット20や紫外光照射ユニット30で説明した機能部25は、検知部として機能する。そして、窓部22は検知窓(像取得窓)として機能し、機能動作部23は撮像部である。カメラユニット40においては、機能動作部23は撮像素子が配設されている。そして透光カバー29は、レンズもしくは保護カバーであっても良い。またこのとき、窓部22は図2に示すような広範囲に渡るものでなくても良く、一般的なレンズや保護カバーと同程度の大きさであれば良い。さらに、カメラユニット40の場合は、撮像素子で撮像した情報を送信するための信号線ないし通信機構が内部に設けられている。
【0035】
以下、天井取付装置100である取付ユニット10(照明ユニット20、紫外光照射ユニット30、カメラユニット40)を配線ダクト120に取付けるための取付機構50について、主に図3及び図4を参照して説明する。ここでは、照明ユニット20の取付機構50について代表して説明する。取付機構50は、照明ユニット20の長手方向の両端近くに設けられている。紫外光照射ユニット30及びカメラユニット40にも同様に取付機構50が設けられている。
【0036】
図3に示すように、取付機構50は、照明ユニット20の筐体21の上面21b(すなわち、電源部27の筐体26の上面)から上方に突設された矩形ブロック状の挿入体51を有する。挿入体51は、照明ユニット20の長手方向に延設され、配線ダクト120のスリット121に挿入可能な幅を有する。また、取付機構50は、図3及び図4に示すように、挿入体51の幅方向の側面51aに対して幅方向に突没可能に設けた2つの係合爪52を有する。係合爪52は、図示しないバネ等により、挿入体51の側面51aから幅方向の外側に突出する方向に付勢されている。
【0037】
照明ユニット20を枠体110の中に配置して配線ダクト120に向けて上方に押し込むと、挿入体51が配線ダクト120のスリット121内に挿入配置される。このとき、挿入体51の側面から突出している係合爪52の傾斜した上面52aに配線ダクト120の支持板124が接触し、支持板124が係合爪52の上面52aを押す。これにより、2つの係合爪52が挿入体51内に押し込まれ、2つの係合爪52が配線ダクト120の支持板124を乗り越える。そして、支持板124を乗り越えた後、2つの係合爪52がバネの復元力により挿入体51の側面51aから突出した元の位置に戻り、配線ダクト120の支持板124の上面側に係合する。
【0038】
この状態で、照明ユニット20の筐体21の上面21bが配線ダクト120の2つの支持板124の下面124aに面で接触し、取付機構50の挿入体51が配線ダクト120のスリット121に挿入される。この状態において、照明ユニット20と配線ダクト120の接触面に摩擦抵抗が生じる機構にすることで、配線ダクト120に対して照明ユニット20の筐体21が固定される構成としてもよい(つまり、照明ユニット20は、高さ方向と長手方向の移動が規制される)。また、この状態において照明ユニット20は配線ダクト120に対してスライド移動可能に構成されても良い(つまり、照明ユニット20は、高さ方向の移動が規制される)。この状態においては、配線ダクト120を取付けた枠体110に対し、少なくとも照明ユニット20の筐体21が高さ方向に位置決めされ、枠体110と筐体21の間に上述した形状の空間S(S1~S3)が形成される。
【0039】
なお、照明ユニット20の電源部27の筐体26の幅方向の側面には、解除ボタン55(第1操作部)が設けられている。解除ボタン55は、上述した取付機構50による筐体21の配線ダクト120に対する取付状態を解除するための操作ボタンである。筐体21が1つである場合、解除ボタン55は、機能部25の側板242に設けてもよい。いずれにしても、この解除ボタン55を押すと、上述した取付機構50の2つの係合爪52が挿入体51の中に収納されるようになっている。なお、取付機構50と解除ボタン55の詳細な構造については、ここでは詳細な説明を省略する。
【0040】
上述したように、照明ユニット20の筐体21と枠体110の間には空間Sが設けられているため、空間Sを介して指先を挿入して解除ボタン55を操作することができる。つまり、本実施形態によると、天井面101と筐体21の間にある空間S3及びS2を介して指を挿入して解除ボタン55に容易にアクセスすることができ、光源に触れたりすることなく安全に照明ユニット20の取付状態を解除することができる。
【0041】
次に、照明ユニット20を配線ダクト120に対して電気的に接続するための接続機構60について、図4を参照するとともに図5及び図6を参照して説明する。ここでは、照明ユニット20に設けた接続機構60について代表して説明する。接続機構60は、照明ユニット20の長手方向の中央に設けられている。紫外光照射ユニット30及びカメラユニット40にも同様に接続機構60が設けられている。なお、接続機構60は、各ユニットの中央に設けられていなくても良く、各ユニットの中央よりも長手方向の一端側の位置に設けても良い。
【0042】
図5及び図6に示すように、接続機構60は、照明ユニット20の筐体21の上面21b(すなわち、電源部27の筐体26の上面)から上方に突出した係合ブロック61を有する。係合ブロック61は、図5に示す挿入位置と図6に示す係合位置との間で回動可能に設けられている。係合ブロック61の図示しない回動軸は、上下方向に延びている。
【0043】
係合ブロック61は、図5の挿入位置に回動した状態で配線ダクト120のスリット121に挿入可能であるとともに、図6の係合位置に回動した状態で配線ダクト120の支持板124に係合可能となる2つの係合爪62を備えている。2つの係合爪62は、係合ブロック61から互いに相反する水平方向に延設されている。係合爪62の係合ブロック61からの延出方向と直交する幅は、配線ダクト120のスリット121の幅よりわずかに短い。2つの係合爪62の延出方向の先端同士の距離は、スリット121の幅より長い。
【0044】
また、接続機構60は、上述した係合爪62の上方にそれぞれ離間した位置で、2つの係合爪62と同じ方向に延設された2つの電極端子63を備えている。2つの電極端子63は、係合ブロック61を図6に示す係合位置に回動した状態で、図4に示すように、配線ダクト120の2本の導体125にそれぞれ接触して押し付けられる。また、2つの電極端子63は、係合ブロック61を図5に示す挿入位置に回動した状態で、配線ダクト120の2本の導体125に非接触状態となる。
【0045】
なお、照明ユニット20の電源部27の筐体26の幅方向の側面には、操作レバー65(第2操作部)を移動可能に挿通したスリット64が設けられている。スリット64は、筐体26の長手方向に延設されている。スリット64を介して筐体26の外に突出した操作レバー65は、上述した接続機構60による照明ユニット20の配線ダクト120に対する電気的な接続をするとともに電気的な接続状態を解除するために操作するレバーである。操作レバー65は、空間S3まで延びている。筐体21が1つである場合、操作レバー65は、機能部25の側板242から突出させてもよい。
【0046】
この操作レバー65をスリット64に沿って図5の位置に移動させると、上述した2つの係合爪62が配線ダクト120の支持板124と係合しない状態となり、且つ上述した接続機構60の2つの電極端子63が配線ダクト120の導体125と非接触状態となる。この状態で、照明ユニット20に対する電力の供給が遮断された状態となる。また、操作レバー65をスリット64に沿って図6の位置に移動させると、上述した2つの係合爪62が配線ダクト120の支持板124と係合し、且つ上述した接続機構60の2つの電極端子63が配線ダクト120の導体125に押し付けられる。この状態で、照明ユニット20に対する電力の供給が可能となる。なお、接続機構60と操作レバー65の詳細な構造については、ここでは詳細な説明を省略する。
【0047】
係合ブロック61を図5に示す挿入位置に回動した状態で、照明ユニット20を枠体110の中に配置して配線ダクト120に向けて上方に押し込むと、係合ブロック61が配線ダクト120のスリット121内に挿入される。このとき、同時に、上述した取付機構50が作動し、照明ユニット20が配線ダクト120に機械的に固定される。この状態で、操作レバー65を図5に示す位置から図6に示す位置までスライド(より具体的には揺動)させると、係合ブロック61が図6に示す状態に回動され、2つの電極端子63が配線ダクト120の2本の導体125に電気的に接続する。
【0048】
上述したように、照明ユニット20の筐体21と枠体110の間には空間Sが設けられているため、空間Sを介して指先を挿入して操作レバー65を操作することができる。つまり、本実施形態によると、天井面101と筐体21の間にある空間S3を介して指を挿入して操作レバー65に容易にアクセスすることができ、光源に触れたりすることなく安全に操作レバー65を操作することができる。
【0049】
以上のように、本実施形態によると、照明ユニット20の取付機構50を配線ダクト120に取付けた状態で、筐体21と枠体110の間に空間Sが形成される。このため、本実施形態によると、照明ユニット20を効果的に放熱させることができ、照明ユニット20の取付状態を解除する解除ボタン55及び照明ユニット20への給電を遮断する操作レバー65を操作し易くすることができる。また、このような効果は、紫外光照射ユニット30においても奏することができる。
【0050】
また、本実施形態の天井取付装置100は、カメラユニット40を備えている構成であってもよい。このため、照明ユニット20を備えた天井取付装置100や、紫外光照射ユニット30を備えた天井取付装置100を、カメラユニット40を備えた天井取付装置100と連動させることができる。このカメラユニット40と他の取付ユニット10を連動させる場合、配線ダクト120に信号線を設け、カメラユニット40と他の取付ユニット10との間で通信可能にする。上述した導体125に加えて信号線を備えた4線式の配線ダクト120が知られている。この場合、カメラユニット40を配線ダクト120に取付けることで、照明ユニット20や紫外光照射ユニット30と自動的に連動させることもできる。或いは、複数の取付ユニット10間の通信を無線により行うこともできる。カメラユニット40と他の取付ユニット10を連動させる場合、カメラユニット40を介して人を検知した際に、紫外光照射ユニット30を介して紫外光を照射したり、人が居ないときに紫外光を照射したりすることができる。なお、1つの天井取付装置100に、複数のもしくは複数種類の取付ユニット10を備えていても良く、この場合連動させる際の通信を簡略化することが可能となる。
【0051】
また、例えば、図4に示すように、電源部27の筐体26と機能部25の筐体24をヒンジ機構70で接続して、機能部25を天井面101に対して傾斜可能な構造にしてもよい。この構造により、窓部が対向する方向(例えば、窓部に対して垂直方向)を制御することが可能となり、例えばこのヒンジ機構70を紫外光照射ユニット30に設けると、紫外光の照射方向を制御することもできる。図4の例では、ヒンジ機構70を解除ボタン55及び操作レバー65を設けた図示右側に設けたため、機能部25の筐体24を図示破線で示す位置に傾斜させた際に操作レバー65が筐体24に干渉しないように、操作レバー65を図示の形状に形成した。例えば、紫外光照射ユニット30を傾斜させることにより、紫外光の照射方向をドアノブに向けたりすることができる。或いは、ヒンジ機構70の代わりに、機能部25の筐体24の下面側に、機能部25から出射される光の照射方向を調節するためのルーバなどを設けてもよい。
【0052】
上述した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上述した実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0053】
例えば、上述した実施形態では、各取付ユニット10が取付機構50と接続機構60を備えた構成について説明したが、取付機構50を省略して接続機構60を取付ユニット10の長手方向の両端に設けてもよい。この場合、接続機構60の係合爪62が配線ダクト120の支持板124に係合して、取付ユニット10を配線ダクト120に固定する。取付機構50を用いないことで、取付ユニット10を枠体110内に挿入した後、取付ユニット10の取付位置を枠体110の長手方向に移動することができ、取付ユニット10の位置決めを容易にすることができる。
【0054】
また、上述した実施形態では、取付機構50の解除ボタン55と接続機構60の操作レバー65を照明ユニット20に設けた場合について説明したが、取付状態を解除する機構及び給電を遮断するための機構を配線ダクト120側に設けてもよい。この場合、照明ユニット20と枠体110の間の空間S1~S3を介して指を挿入することができるため、これら配線ダクト120側に設けた機構を空間Sを介して操作することができる。
【0055】
また、上述した実施形態では、接続機構60を介して照明ユニット20に給電する構成としたが、例えば図7に示すように、天井裏から導出されたFケーブル81を電源部27の図示しない端子台に差し込む構成としてもよい。この場合、配線ダクト120は導体125を備えないものを用いることが可能である。そしてこの場合、Fケーブル81を端子台に差し込んだ後、照明ユニット20を枠体110内に配置して取付機構50を配線ダクト120に固定すればよい。このように、接続機構60を省略した場合、上述した操作レバー65が不要となる。
【符号の説明】
【0056】
10…取付ユニット、20…照明ユニット、21…筐体、21a…下面、22…窓部、23…機能動作部、24…筐体、25…機能部、26…筐体、27…電源部、28…開口部、29…透光カバー、30…紫外光照射ユニット、40…カメラユニット、50…取付機構、51…挿入体、52…係合爪、55…解除ボタン、60…接続機構、62…係合爪、63…電極端子、64…スリット、65…操作レバー、70…ヒンジ機構、81…Fケーブル、100…天井取付装置、101…天井面、110…枠体、111…開口部、120…配線ダクト、121…スリット、124…支持板、125…導体、S、S1、S2、S3…空間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7