(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037749
(43)【公開日】2022-03-09
(54)【発明の名称】調理容器及び加熱調理器
(51)【国際特許分類】
A47J 37/06 20060101AFI20220302BHJP
【FI】
A47J37/06 341
A47J37/06 366
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020142039
(22)【出願日】2020-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】松本 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】中尾 春香
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA03
4B040AA08
4B040AB02
4B040AC03
4B040AD04
4B040AE11
4B040AE13
4B040CA02
4B040CA17
4B040ED01
4B040ED10
(57)【要約】
【課題】プレート状調理体を別途用意することなく、プレート状調理体を用いた加熱調理を行うことができる調理容器を提供する。
【解決手段】有底筒状の容器本体Khと、当該容器本体Khの上部開口を閉じる蓋Kfとが設けられた調理容器KTであって、蓋Kfが、蓋本体部24hと、当該蓋本体部24hの外周縁から下方に突出する筒状の蓋周壁部24sと、当該蓋周壁部24sから横外方に突出する蓋鍔状部24tとを備え、蓋鍔状部24tが、容器本体Khにおける側壁部25sの上端側に載置自在に構成され、蓋Kfが、表裏反転した状態において、蓋本体部24hに調理物を載置するプレート状調理体を形成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状の容器本体と、当該容器本体の上部開口を閉じる蓋とが設けられた調理容器であって、
前記蓋が、蓋本体部と、当該蓋本体部の外周縁から下方に突出する筒状の蓋周壁部と、当該蓋周壁部から横外方に突出する蓋鍔状部とを備え、
前記蓋鍔状部が、前記容器本体における側壁部の上端側に載置自在に構成され、
前記蓋が、表裏反転した状態において、前記蓋本体部に調理物を載置するプレート状調理体を形成する調理容器。
【請求項2】
前記蓋を把持する舌片状の蓋把持部が、前記容器本体よりも横外方側に突出する状態で前記蓋鍔状部に連設されている請求項1に記載の調理容器。
【請求項3】
前記蓋周壁部が、前記蓋鍔状部よりも下方に突出する状態に形成されている請求項1又は2に記載の調理容器。
【請求項4】
前記側壁部の上端から横外方に突出する本体鍔状部が形成され、
前記蓋鍔状部が、前記本体鍔状部に載置自在に構成されている請求項1又は2に記載の調理容器。
【請求項5】
前記側壁部及び前記本体鍔状部の容器本体周方向の一部に、前記側壁部における上端側部分及び前記本体鍔状部における側壁部側部分を下方側に凹ませる形態で蒸気排出用の蒸気案内凹溝が形成され、
前記蓋鍔状部における前記蒸気案内凹溝に対応する箇所に、上下方向に貫通する形態で蒸気排出孔が形成されている請求項4に記載の調理容器。
【請求項6】
前記本体鍔状部の外周縁から上方に起立する起立壁部が設けられ、
前記起立壁部の平面視における形成形態と前記蓋鍔状部の外周縁形状との関係が、前記蓋鍔状部の平面視における位相を前記蒸気排出孔が前記蒸気案内凹溝に合致する適正位相にしたときには、前記蓋鍔状部が前記起立壁部の内部に挿入することを許容し、かつ、前記蓋鍔状部の平面視における位相を前記蒸気排出孔が前記蒸気案内凹溝に合致しない不適正位相にしたときには、前記蓋鍔状部が前記起立壁部の内部に挿入できないようにする関係に形成されている請求項5に記載の調理容器。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の調理容器を装着自在な加熱調理器であって、
加熱室の前部に突出する突出状態と前記加熱室の内部の設定収納位置に収納した収納状態とに出退自在に前記加熱室に設けられ調理器支持部が、前記容器本体及び前記蓋を表裏反転させた前記プレート状調理体を支持自在に構成されている加熱調理器。
【請求項8】
請求項5又は6に記載の調理容器を装着自在な加熱調理器であって、
加熱室の前部に突出する突出状態と前記加熱室の内部の設定収納位置に収納した収納状態とに出退自在に前記加熱室に設けられ調理器支持部が、前記容器本体及び前記蓋を表裏反転させた前記プレート状調理体を支持自在に構成され、
前記加熱室の後部に、調理排気を排出する排気経路を形成する排気経路形成部が装着され、
前記調理器支持部と前記容器本体との関係が、前記蒸気案内凹溝を前記加熱室の後部側に位置させたときには前記容器本体を前記調理器支持部に装着でき、かつ、前記蒸気案内凹溝を前記加熱室の後部側に位置させないときには前記容器本体を前記調理器支持部に装着できない関係に形成されている加熱調理器。
【請求項9】
前記調理器支持部と前記プレート状調理体との関係が、前記蒸気排出孔を前記加熱室の後部側に位置させたときには前記プレート状調理体を前記調理器支持部に装着でき、かつ、前記蒸気排出孔を前記加熱室の後部側に位置させないときには前記プレート状調理体を前記調理器支持部に装着できない関係に形成され、
前記蓋における前記蒸気排出孔の左右両側のうちの一方側箇所に、前記調理器支持部が前記設定収納位置に収納された状態において、前記加熱室の後部に設けた容器検出部と接当する被検出部が設けられている請求項8に記載の加熱調理器。
【請求項10】
前記加熱室の天井側に設置される上バーナ及び前記加熱室の底部側に設置される下バーナが備えられ、
運転制御部が、前記容器検出部の検出情報に基づいて、前記上バーナ及び前記下バーナの燃焼制御を実行するように構成されている請求項9に記載の加熱調理器。
【請求項11】
前記加熱室に収納された前記調理容器及び前記プレート状調理体を下方から加熱する下バーナが備えられ、
前記調理器支持部が、前記容器本体の底壁部及び前記プレート状調理体の前記蓋本体部を同高さとする状態で、前記容器本体及び前記プレート状調理体を支持自在に構成されている請求項7~10のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有底筒状の容器本体と、当該容器本体の上部開口を閉じる蓋とが設けられた調理容器及び当該調理容器を装着する加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる調理容器は、容器本体に調理物を収納して、容器本体の上部開口を蓋にて閉じた状態で加熱されることにより、煮物等の各種調理を行えることになるが、魚の切り身を焼く調理等を行うときには、調理容器とは別に、調理物を載置するプレート状調理体を用いることになる。
【0003】
このような従来例として、グリル(加熱調理器の一例)において、調理容器とプレート状調理体とを付替え装着できるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来においては、調理容器とプレート状調理体とを用意しなければならない不便があった。
特に、加熱調理器に対して調理容器とプレート状調理体とを用意する場合には、部品点数の増加により製造原価が高くなり、また、加熱調理器と調理容器とプレート状調理体とを梱包して輸送する際は、重量増加に伴う輸送負荷の上昇により、輸送が行い難い不利があった。
【0006】
しかも、加熱調理器に対して調理容器とプレート状調理体とが各別に用意される場合には、加熱調理器を使用しないときに、調理容器とプレート状調理体とのうちの一方を加熱調理器に装着し、残りの他方を、加熱調理器とは別の保管箇所を用意して、保管しなければならない不便があった。
【0007】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、プレート状調理体を別途用意することなく、プレート状調理体を用いた加熱調理を行うことができる調理容器を提供する点にある。
本発明の別の目的は、調理容器とプレート状調理体とを用意することなく、調理容器を用いた加熱調理とプレート状調理体を用いた加熱調理とを行うことができる加熱調理器を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の調理容器は、有底筒状の容器本体と、当該容器本体の上部開口を閉じる蓋とが設けられたものであって、その特徴構成は、
前記蓋が、蓋本体部と、当該蓋本体部の外周縁から下方に突出する筒状の蓋周壁部と、当該蓋周壁部から横外方に突出する蓋鍔状部とを備え、
前記蓋鍔状部が、前記容器本体における側壁部の上端側に載置自在に構成され、
前記蓋が、表裏反転した状態において、前記蓋本体部に調理物を載置するプレート状調理体を形成する点にある。
【0009】
すなわち、有底筒状の容器本体に調理物を収納して加熱調理する際には、蓋鍔状部を容器本体の側壁部の上端側に載置する形態で蓋を装着することにより、蓋にて容器本体の上部開口を閉じた状態で、適切に加熱調理を行うことができる。
【0010】
そして、プレート状調理体を用いて加熱調理する際には、表裏反転させた蓋にてプレート状調理体を形成して、蓋本体部に調理物を載置しながら加熱調理できる。
その際、蓋本体部の外周縁から上方に突出する状態で筒状の蓋周壁部が存在するから、蓋本体部に載置した調理物がこぼれ落ちることを抑制しながら適切に加熱調理できる。
【0011】
要するに、本発明の調理容器によれば、プレート状調理体を別途用意することなく、プレート状調理体を用いた加熱調理を行うことができる。
【0012】
本発明の調理容器の更なる特徴構成は、前記蓋を把持する舌片状の蓋把持部が、前記容器本体よりも横外方側に突出する状態で前記蓋鍔状部に連設されている点にある。
【0013】
すなわち、舌片状の蓋把持部が、容器本体よりも横外方側に突出する状態で蓋鍔状部に連設されているから、例えば、蓋を開閉する際に、蓋把持部を把持して蓋を開閉させることができる等、蓋把持部を把持しながら蓋を良好に扱うことができる。
ちなみに、容器本体よりも横外方側に突出する状態で蓋鍔状部に連設されている蓋把持部は、表裏反転させた蓋にてプレート状調理体を形成することに支障を与えることがないから、蓋を表裏反転させて適切にプレート状調理体を形成することができる。
【0014】
要するに、本発明の調理容器の更なる特徴構成によれば、蓋把持部を把持して蓋を良好扱うことができる
【0015】
本発明の調理容器の更なる特徴構成は、前記蓋周壁部が、前記蓋鍔状部よりも下方に突出する状態に形成されている点にある。
【0016】
すなわち、表裏反転させた蓋にてプレート状調理体を形成して、蓋本体部に調理物を載置しながら加熱調理する際に、蓋周壁部の蓋本体部からの突出高さを高くできるから、蓋本体部に載置した調理物のこぼれを適切抑制できる。
【0017】
しかも、蓋周壁部を蓋鍔状部よりも下方に突出する状態に形成して、蓋周壁部の蓋本体部からの突出高さを高くするものであるから、蓋鍔状部を容器本体の側壁部の上端側に載置して蓋として使用する際に、蓋本体部が容器本体から不必要に大きく上方側に突出することを回避できる。
【0018】
要するに、本発明の調理容器の更なる特徴構成によれば、蓋として使用するときに、蓋本体部が容器本体から上方側に大きく突出することを回避しながら、プレート状調理体として使用するときに、蓋周壁部の高さを高くして、調理物のこぼれを抑制できる。
【0019】
本発明の調理容器の更なる特徴構成は、前記側壁部の上端から横外方に突出する本体鍔状部が形成され、
前記蓋鍔状部が、前記本体鍔状部に載置自在に構成されている点にある。
【0020】
すなわち、蓋鍔状部を容器本体の側壁部の上端側に載置して蓋として使用する際に、蓋鍔状部を本体鍔状部に載置することにより、蓋鍔状部を本体鍔状部にて安定的に支持できるから、結果的に、蓋を容器本体に対して安定的に支持できる。
【0021】
要するに、本発明の調理容器の更なる特徴構成によれば、蓋を容器本体に対して安定的に支持できる。
【0022】
本発明の調理容器の更なる特徴構成は、前記側壁部及び前記本体鍔状部の容器本体周方向の一部に、前記側壁部における上端側部分及び前記本体鍔状部における側壁部側部分を下方側に凹ませる形態で蒸気排出用の蒸気案内凹溝が形成され、
前記蓋鍔状部における前記蒸気案内凹溝に対応する箇所に、上下方向に貫通する形態で蒸気排出孔が形成されている点にある。
【0023】
すなわち、容器本体の上部に蓋を装着して加熱調理する際に発生する蒸気が、蒸気案内凹溝を通して容器本体から流動し、その後、蓋鍔状部の蒸気排出孔を通して上方に排出されることになる。
そして、容器本体の内部の調理物は、側壁部の上端側に位置する蒸気案内凹溝には流動し難いため、容器本体の内部の調理物が蓋鍔状部の蒸気排出孔を通して外部に溢れ出ることが抑制されることになる。
【0024】
ちなみに、蒸気排出孔が蓋鍔状部に形成されるものであるから、蓋をプレート状調理体として使用するときに、蓋本体部に載置した調理物が蒸気排出孔から排出されることはない。
【0025】
要するに、本発明の調理容器の更なる特徴構成によれば、蓋を容器本体の上部開口を閉じる蓋として使用するときに、容器本体の調理物が溢れ出ることを抑制しながら、容器本体の内部で発生する蒸気を適切に外部に排出できる。
【0026】
本発明の調理容器の更なる特徴構成は、前記本体鍔状部の外周縁から上方に起立する起立壁部が設けられ、
前記起立壁部の平面視における形成形態と前記蓋鍔状部の外周縁形状との関係が、前記蓋鍔状部の平面視における位相を前記蒸気排出孔が前記蒸気案内凹溝に合致する適正位相にしたときには、前記蓋鍔状部が前記起立壁部の内部に挿入することを許容し、かつ、前記蓋鍔状部の平面視における位相を前記蒸気排出孔が前記蒸気案内凹溝に合致しない不適正位相にしたときには、前記蓋鍔状部が前記起立壁部の内部に挿入できないようにする関係に形成されている点にある。
【0027】
すなわち、蓋鍔状部の平面視における位相を、蒸気排出孔が蒸気案内凹溝に合致する適正位相にしたときには、蓋鍔状部が起立壁部の内部に挿入することが許容される。
そして、蓋鍔状部の平面視における位相を、蒸気排出孔が蒸気案内凹溝に合致しない不適正位相にしたときには、蓋鍔状部が起立壁部の内部に挿入できないものとなる。
【0028】
したがって、蓋鍔状部の平面視における位相を蒸気排出孔が蒸気案内凹溝に合致する適正位相にした状態で、蓋を容器本体に的確に装着できるから、蓋を容器本体に装着したときに、容器本体の内部で発生した蒸気を外部に適切に排出できる。
【0029】
要するに、本発明の調理容器の更なる特徴構成によれば、蓋を容器本体に装着したときに、容器本体の内部で発生した蒸気を外部に適切に排出できる。
【0030】
本発明の加熱調理器は、上述の調理容器を装着自在なものであって、その特徴構成は、
加熱室の前部に突出する突出状態と前記加熱室の内部の設定収納位置に収納した収納状態とに出退自在に前記加熱室に設けられ調理器支持部が、前記容器本体及び前記蓋を表裏反転させた前記プレート状調理体を支持自在に構成されている点にある。
【0031】
すなわち、容器本体に調理物を収納して、容器本体の上部開口を蓋にて閉じた状態で加熱調理する際には、容器本体を調理器支持部に装着し、調理物を載置するプレート状調理体を用いて加熱調理する際には、蓋を表裏反転させて形成したプレート状調理体を調理器支持部に装着することになる。
【0032】
このように、調理容器の蓋を利用してプレート状調理体を形成できるものであるから、調理容器を備えさせるだけで、調理容器とプレート状調理体とを選択的に調理器支持部に装着できることになる。
【0033】
したがって、加熱調理器に対して調理容器とプレート状調理体とを装着できるようにしながらも、加熱調理器に対して調理容器を用意するだけでよいから、部品点数の減少により製造原価の低下を図ることができる。
また、加熱調理器に対して調理容器とプレート状調理体とを装着できるようにしながらも、加熱調理器と調理容器とプレート状調理体とを同梱して輸送する際は、重量減少に伴う輸送負荷の減少により、輸送事故が発生し難くなる等、輸送が行い易いものとなる。
【0034】
しかも、加熱調理器を使用しないときには、調理容器を加熱調理器に装着することにより、プレート状調理体を加熱調理器に収納したことになるから、加熱調理器に対して調理容器とプレート状調理体とを装着できるようにしながらも、調理容器とプレート状調理体とを良好に保管することができる。
【0035】
要するに、本発明の加熱調理器の特徴構成によれば、部品点数の減少により製造原価の低下を図ることができ、また、調理容器と加熱調理器とを梱包して輸送することを良好に行うことができ、さらに、加熱調理器を使用しないときに、調理容器とプレート状調理体とを良好に保管することができる。
【0036】
本発明の加熱調理器は、上述の調理容器を装着自在なものであって、その特徴構成は、
加熱室の前部に突出する突出状態と前記加熱室の内部の設定収納位置に収納した収納状態とに出退自在に前記加熱室に設けられ調理器支持部が、前記容器本体及び前記蓋を表裏反転させた前記プレート状調理体を支持自在に構成され、
前記加熱室の後部に、調理排気を排出する排気経路を形成する排気経路形成部が装着され、
前記調理器支持部と前記容器本体との関係が、前記蒸気案内凹溝を前記加熱室の後部側に位置させたときには前記容器本体を前記調理器支持部に装着でき、かつ、前記蒸気案内凹溝を前記加熱室の後部側に位置させないときには前記容器本体を前記調理器支持部に装着できない関係に形成されている点にある。
【0037】
すなわち、容器本体に調理物を収納して、容器本体の上部開口を蓋にて閉じた状態で加熱調理する際には、容器本体を調理器支持部に装着し、調理物を載置するプレート状調理体を用いて加熱調理する際には、蓋を表裏反転させて形成したプレート状調理体を調理器支持部に装着することになる。
【0038】
このように、調理容器の蓋を利用してプレート状調理体を形成できるものであるから、調理容器を備えさせるだけで、調理容器とプレート状調理体とを選択的に調理器支持部に装着できることになる。
【0039】
したがって、加熱調理器に対して調理容器とプレート状調理体とを装着できるようにしながらも、加熱調理器に対して調理容器を用意するだけでよいから、部品点数の減少により製造原価の低下を図ることができる。
また、加熱調理器に対して調理容器とプレート状調理体とを装着できるようにしながらも、加熱調理器と調理容器とを梱包して加熱調理器を輸送することになるから、加熱調理器を輸送する際の重量減少により輸送事故が発生し難くなる等、輸送が行い易いものとなる。
【0040】
しかも、加熱調理器を使用しないときには、調理容器を加熱調理器に装着することにより、プレート状調理体を加熱調理器に収納したことになるから、加熱調理器に対して調理容器とプレート状調理体とを装着できるようにしながらも、調理容器とプレート状調理体とを良好に保管することができる。
【0041】
さらに、加熱室の後部に、調理排気を排出する調理経路を形成する排気経路形成部が装着されることに対応して、調理器支持部と容器本体との関係が、蒸気案内凹溝を加熱室の後部側に位置させたときには容器本体を調理器支持部に装着でき、かつ、蒸気案内凹溝を加熱室の後部側に位置させないときには容器本体を調理器支持部に装着できない関係に形成されているから、蒸気案内凹溝を加熱室の後部側に位置させた状態で、容器本体を調理器支持部に適切に装着できる。
【0042】
つまり、容器本体から蒸気案内凹溝を通して流動する蒸気を、蓋鍔状部の蒸気孔を通して上方に流動させると、その蒸気を、排気経路を通して良好に外部に排出できる。
【0043】
要するに、本発明の加熱調理器の特徴構成によれば、部品点数の減少により製造原価の低下を図ることができ、また、調理容器と加熱調理器とを梱包して輸送することを良好に行うことができ、さらに、加熱調理器を使用しないときに、調理容器とプレート状調理体とを良好に保管することができ、加えて、容器本体から排出される蒸気を、排気経路を通して良好に外部に排出できる。
【0044】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、前記調理器支持部と前記プレート状調理体との関係が、前記蒸気排出孔を前記加熱室の後部側に位置させたときには前記プレート状調理体を前記調理器支持部に装着でき、かつ、前記蒸気排出孔を前記加熱室の後部側に位置させないときには前記プレート状調理体を前記調理器支持部に装着できない関係に形成され、
前記蓋における前記蒸気排出孔の左右両側のうちの一方側箇所に、前記調理器支持部が前記設定収納位置に収納された状態において、前記加熱室の後部に設けた容器検出部と接当する被検出部が設けられている点にある。
【0045】
すなわち、調理器支持部とプレート状調理体との関係が、蒸気排出孔を加熱室の後部側に位置させたときにはプレート状調理体を調理器支持部に装着でき、かつ、蒸気排出孔を加熱室の後部側に位置させないときにはプレート状調理体を調理器支持部に装着できない関係に形成されているから、蓋を表裏反転させたプレート状調理体が、蒸気排出孔を加熱室の後部側に位置させた状態で調理器支持部に装着されることになる。
【0046】
また、上述の如く、蒸気案内凹溝を加熱室の後部側に位置させた状態で、容器本体を調理器支持部に適切に装着でき、かつ、蓋鍔状部の平面視における位相を蒸気排出孔が蒸気案内凹溝に合致する適正位相にした状態で、蓋を容器本体に的確に装着できることになる。
【0047】
そして、蓋における蒸気排出孔の左右両側のうちの一方側箇所に、調理器支持部が設定収納位置に収納された状態において、加熱室の後部に設けた容器検出部と接当する被検出部が設けられているから、被検出部が、蓋における蒸気排出孔の左右両側のうちのいずれの側に位置するかを、容器検出部にて検出することによって、調理器支持部に対して調理容器が装着されている状態であるか、調理器支持部に対してプレート状調理体が装着されている状態であるかを、適切に検出できる。
ちなみに、その検出情報を用いて、調理容器に対する加熱制御、及び、プレート状調理体に対する加熱制御を適切に行うことができる。
【0048】
ちなみに、容器検出部の設置形態としては、調理器支持部に対して調理容器が装着されているときに被検出部に接当する容器検出部と、調理器支持部に対してプレート状調理体が装着されている被検出部に接当する容器検出部とを一対設ける形態がある。
容器検出部の別の設置形態としては、調理器支持部に対して調理容器が装着されているときに被検出部に接当する状態、又は、調理器支持部に対してプレート状調理体が装着されている被検出部に接当する状態で単一の容器検出部を設けて、その容器検出部が被検出部に接当する状態であるか否かによって、調理容器が装着されている状態であるか、プレート状調理体が装着されている状態であるかを検出する形態としてもよい。
【0049】
要するに、本発明の加熱調理器の更なる特徴構成によれば、調理器支持部に対して調理容器が装着されている状態であるか、調理器支持部に対してプレート状調理体が装着されている状態であるかを、適切に検出できる。
【0050】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、前記加熱室の天井側に設置される上バーナ及び前記加熱室の底部側に設置される下バーナが備えられ、
運転制御部が、前記容器検出部の検出情報に基づいて、前記上バーナ及び前記下バーナの燃焼制御を実行するように構成されている点にある。
【0051】
すなわち、上バーナ及び下バーナの燃焼制御を実行する運転制御部が、容器検出部の検出情報に基づいて、調理容器が装着されている状態であるか、プレート状調理体が装着されている状態であるかを判別しながら、調理容器やプレート状調理体に合わせた燃焼制御を実行できる。
【0052】
このように、調理容器やプレート状調理体に合わせた燃焼制御が実行されるから、調理容器を装着した状態及びプレート状調理体を装着した状態のいずれにおいても、良好な加熱調理を行うことができる。
【0053】
要するに、本発明の加熱調理器の更なる特徴構成によれば、調理容器を装着した状態及びプレート状調理体を装着した状態のいずれにおいても、良好な加熱調理を行うことができる。
【0054】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、前記加熱室に収納された前記調理容器及び前記プレート状調理体を下方から加熱する下バーナが備えられ、
前記調理器支持部が、前記容器本体の底壁部及び前記プレート状調理体の前記蓋本体部を同高さとする状態で、前記容器本体及び前記プレート状調理体を支持自在に構成されている点にある。
【0055】
すなわち、容器本体及びプレート状調理体が、容器本体の底壁部及びプレート状調理体の蓋本体部を同高さとする状態で、調理器支持部に支持されることになる。
従って、調理器支持部に支持される容器本体及びプレート状調理体の夫々を、下バーナにて適切に加熱することができる。
【0056】
要するに、本発明の加熱調理器の特徴構成によれば、調理器支持部に支持される容器本体及びプレート状調理体の夫々を、下バーナにて適切に加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図4】排気経路形成部を外した状態のグリルの縦断正面図である。
【
図5】調理器支持部をグリル庫から引き出した状態のグリルの斜視図である。
【
図10】グリルに装着したプレート状調理体の縦断側面図である。
【
図11】調理容器を載置支持枠に載置した状態の正面図である。
【
図12】プレート状調理体を載置支持枠に載置した状態の正面図である。
【
図14】調理容器の後部側部分の切欠き斜視図である。
【
図15】調理容器の後部側部分の縦断側面図である。
【
図18】グリルの制御構成を示すブロック図である。
【
図19】容器検出部が調理容器を検出する状態を示す平面図である。
【
図20】容器検出部がプレート状調理体を検出する状態を示す平面図である。
【
図21】容器検出部の具体構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
〔実施形態〕
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(ガスコンロの全体構成)
図1に示すように、コンロ本体Hの上面部に、左右一対のコンロバーナ1を備え、コンロ本体Hの内部にグリルG(
図2参照)を備えるガスコンロが構成されている。
このガスコンロは、キッチンカウンタに形成したコンロ装着口に上方から挿入して組付ける、いわゆるビルトインタイプとして構成されるものであって、コンロ本体Hの上部の周縁部には、キッチンカウンタに載置する鍔部が形成されている。
【0059】
コンロ本体Hの上部には、ガラス製の天板2が装備され、そして、天板2の後部側箇所には、グリルGの調理排気を排出するためのグリル排気口3が形成されている。
また、天板2の上部には、コンロバーナ1にて加熱される鍋等の被加熱物を載置するための五徳4が、左右のコンロバーナ1の夫々に対応して設けられている。
尚、コンロバーナ1の中央部には、
図1に示すように、鍋等の被加熱物の存在及び被加熱物の底壁温度を検出するコンロバーナセンサ1Aが設けられている。
【0060】
コンロ本体Hの上部に装備した天板2の手前側箇所には、左右のコンロバーナ1の夫々に対する左右一対のコンロ用操作具5が、上方に離脱自在に設けられ、コンロ本体Hの前面部の右側箇所には、グリルGに対するグリル用設定操作部6が、下方側を支点にした前後揺動により開閉自在に設けられている。尚、
図1は、グリル用設定操作部6の開き状態を例示する。
また、コンロ本体Hの前面部におけるグリル用設定操作部6の上部箇所には、ガスコンロを運転状態と運転停止状態とに切換える電源スイッチSWが装備されている。
【0061】
ちなみに、一対のコンロ用操作具5の夫々は、前後や左右のスライド操作及び左右の回転操作により、点火及び消火の指令、目標火力の指令、目標温度に維持する自動温度調理の指令等、各種の指令情報を指令するように構成されている。
グリル用設定操作部6は、複数の指令スイッチを備えて、それらの複数の指令スイッチの操作により、グリルGの加熱調理用の加熱部としてのグリルバーナA(
図2参照)に対する点火及び消火の指令、目標火力の指令、調理モードの指令等、各種の指令情報を指令するように構成されており、その詳細は後述する。
【0062】
(グリルの構成)
グリルGには、
図2及び
図3に示すように、前部及び後部が開口する筒状に形成されたグリル庫7(加熱室の一例)が備えられている。
グリル扉8(
図1参照)を前端に備えた調理器支持部Lが、グリル庫7の前部に突出した突出状態(
図5参照)とグリル庫7の内部の設定収納位置に収納された収納状態(
図2参照)とに出退自在にグリル庫7に設けられている。
調理器支持部Lには、調理物を加熱調理する調理器Kを着脱自在に載置支持する載置支持枠9が設けられている。
グリル庫7の後部に、調理排気用排気口Uが開口され、排気経路形成部Dが、排気経路Eを調理排気用排気口Uに連通させる形態で形成するように構成されている。
【0063】
調理器Kとしては、有底筒状の容器本体Khと当該容器本体Khの上部開口を閉じる蓋Kfとを備える調理容器KT(
図5参照)、及び、プレート状調理体KP(
図8参照)が用意されており、載置支持枠9が、調理容器KT及びプレート状調理体KPを付け替え装着自在で且つ装着した調理器Kを位置決め保持すように構成されている。
プレート状調理体KPは、調理容器KTの蓋Kfを用いて構成されることになり、その詳細は後述する。
ちなみに、調理容器KT及びプレート状調理体KPは、平面視において、横幅よりも前後幅が大きい長四角状に形成されている。
【0064】
グリル庫7の後部には、
図3及び
図4に示すように、調理器支持部Lがグリル庫7の設定収納位置に収納された収納状態において、調理器Kが備える被検出部Jkに接当する左右の容器検出部Sが備えられている。そして、この2つの容器検出部Sを用いて、調理器Kの種別を検出する容器種別検出部M(
図18参照)が構成されている。
つまり、容器種別検出部Mにより、載置支持枠9に支持されている調理器Kが、調理容器KT及びプレート状調理体KPのいずれであるかを検出するように構成されている。
ちなみに、調理器支持部Lの設定収納位置においては、グリル扉8がグリル庫7の前部の開口を閉じた状態となる。
【0065】
また、ガスコンロの運転を制御する運転制御部W(
図18参照)が、容器種別検出部Mの検出情報に基づいて、グリルバーナAの加熱作動(燃焼)を制御するように構成されており、その詳細は後述する。
【0066】
図2及び
図3に示すように、グリル庫7の底壁7dには、下バーナ10が、調理器支持部Lがグリル庫7の内部に収納された状態において調理器Kの下方に位置する状態に配置され、グリル庫7の上壁7u(天井部)には、上バーナ11が、調理器支持部Lがグリル庫7の内部に収納された状態において調理器Kの上方に位置する状態に配置されている。
つまり、本実施形態においては、グリルバーナAとして、下バーナ10と上バーナ11とが設けられている。
【0067】
下バーナ10は、
図2に示すように、円筒状の下バーナ本体部10Aと、その下バーナ本体部10Aに接続される下バーナ混合管部10Bとを備え、下バーナ本体部10Aには、周方向に沿って炎孔Fが形成されている(
図3参照)。つまり、下バーナ10は、炎孔Fを環状に備える形態に構成されている。
【0068】
そして、下バーナ10は、燃料ガスが下バーナ用噴出ノズル12から下バーナ混合管部10Bの端部に噴出供給される際に、一次空気がエジェクタ作用によって下バーナ混合管部10Bの内部に供給されることにより、一次空気と燃料ガスとの混合ガスを上述の炎孔Fに供給して一次燃焼させ、かつ、グリル庫7の底壁7dや横側壁7s等に形成した空気孔(図示せず)等からグリル庫7の内部に取り入れられた外気を二次空気として用いて二次燃焼させる、いわゆるブンゼン燃焼式バーナとして構成されている。
【0069】
下バーナ10の内部には、
図2及び
図3に示すように、調理器Kの温度を検出する温度検出センサとして、調理器Kの底壁温度を検出する容器温度検出センサ13が装備されている。
容器温度検出センサ13の検出情報は、運転制御部W(
図18参照)に入力される。
【0070】
尚、調理器支持部Lの出退に連動して容器温度検出センサ13を昇降させる昇降機構が設けられている。つまり、昇降機構は、調理器支持部Lがグリル庫7の内部の設定収納位置及びその近くに位置するときには、容器温度検出センサ13を調理器Kの底部に接触させる上昇位置に位置させ、調理器支持部Lが設定収納位置の近くの位置からグリル庫7の前方側に突出されるときには、容器温度検出センサ13を調理器Kの底部から下方側に離れる下降位置に位置させるように構成されているが、本実施形態においては、調理器支持部Lの出退に連動して容器温度検出センサ13を昇降させる昇降機構についての詳細な説明は省略する。
【0071】
上バーナ11は、下向きの平板状の火炎を形成する輻射式バーナであり、
図3に示すように、平板状の上バーナ本体部11Aと、その上バーナ本体部11Aに接続される上バーナ混合管部11Bとを備え、上バーナ本体部11Aの下面部に燃焼炎形成部が形成されている。
【0072】
そして、上バーナ11は、燃料ガスが上バーナ用噴出ノズル(図示せず)から上バーナ混合管部11Bの端部に噴出供給される際に、一次空気がエジェクタ作用によって上バーナ混合管部11Bの内部に供給されることにより、一次空気と燃料ガスとの混合ガスを上述の燃焼炎形成部に供給して一次燃焼させ、かつ、グリル庫7の底壁7dや横側壁7s等に形成した空気孔(図示せず)等からグリル庫7の内部に取り入れられた外気を二次空気として用いて二次燃焼させる、いわゆるブンゼン燃焼式バーナとして構成されている。
【0073】
尚、
図17及び
図18に示すように、下バーナ10及び上バーナ11の夫々に対して、点火装置としての点火プラグPa、及び、着火状態検出装置としての着火センサPbが装備され、コンロバーナ1についても、同様に、点火プラグPa及び着火センサPbが装備されている。
【0074】
(調理器支持部及び載置支持枠の具体構成)
図3に示すように、グリル庫7の左右の横側壁7sの底部側部分に、長手方向をグリル庫7の前後方向に向けた姿勢で固定設置される状態で固定レール15が設けられ、その固定レール15に対してグリル庫7の前後方向に移動自在に支持される中間レール16、及び、その中間レール16に対してグリル庫7の前後方向に移動自在に支持される可動レール17を備えたスライドレール式の案内機構Bが設けられている。
【0075】
図5に示すように、上述の調理器支持部Lが、左右に並ぶ一対の可動レール17の先端部の間に、グリル扉8を装着するための扉支持板18を架設する形態にて形成され、載置支持枠9が、後述の如く、調理器支持部Lの可動レール17に対して着脱自在に支持されている。
グリル扉8は、扉支持板18の前面側に当て付けた状態で、扉支持板18に装着されるように構成されている(
図2参照)。
【0076】
載置支持枠9は、
図9に示すように、棒状材を曲げ加工して形成されるものであって、グリル庫前後方向に延びる姿勢の左右の主枠部9S、当該左右の主枠部9Sの前側部分の間に上方側に突出する姿勢で位置する前方側支持部9F、及び、左右の主枠部9Sの後側部分の間に上方側に突出する姿勢で位置する後方側支持部9Rを備える形態に形成されている。
【0077】
図3及び
図5に示すように、左右の前記可動レール17の夫々に、左右の主枠部9Sを載置支持する載置支持部としての載置用枠20が設けられている。そして、載置支持枠9が、左右の主枠部9Sを左右の載置用枠20に載置する形態で、左右の可動レール17に対して着脱自在に支持されている。
【0078】
(グリル庫の細部構成)
図2及び
図3に示すように、グリル庫7の底壁7dを上方から覆う板状の底部カバー体21が、下バーナ10を覆う状態で設けられている。底部カバー体21には、下バーナ10の燃焼部としての下バーナ本体部10Aを上方に突出させるバーナ挿通用開口21Aが備えられている。
また、底部カバー体21が、横端縁部とグリル庫7の横側壁7sとの間に載置用枠20を挿通させる挿通部Nを形成する形態で設けられている。
【0079】
グリル庫7の横側壁7sを覆う状態に着脱自在に装着される板状の内面カバー体22が設けられ、その内面カバー体22の下端部に、グリル庫内方側に張り出して載置用枠20を覆う張出部22Aが設けられている。
ちなみに、内面カバー体22は、グリル庫7の横側壁7sに設けた係止部に係止される状態で装着されることになるが、装着構成の詳細な説明は省略する。
又、張出部22Aが、底部カバー体21の上方箇所に重複する状態に延出されている。
【0080】
したがって、内面カバー体22の張出部22Aにて、載置用枠20及びその載置用枠20に載置されている載置支持枠9の主枠部9Sを覆うことによって、煮汁等の液状物が載置用枠20や主枠部9Sに降りかかることを適切に抑制でき、しかも、煮汁等の液状物を底部カバー体21の上部に回収できるように構成されている。
【0081】
(調理排気用排気口の詳細)
図4に示すように、グリル庫7の後壁部23が、グリル庫7の後部のグリル庫下側部分に配置され、調理排気用排気口Uが、グリル庫7の後壁部23の上方側において、グリル庫7の左右の横側壁7s及びグリル庫7の上壁7uにて囲まれた状態でグリル庫横幅方向の全幅に亘って開口する上側開口部Uuと、後壁部23のグリル庫横幅方向の中央側箇所に開口する下側開口部Usとを備える形態に開口されている。
【0082】
つまり、グリル庫7の後壁部23が、グリル庫7の前後方向視にて、底部カバー体21よりも上方側で且つグリル庫横幅方向の中央側に相当する箇所に下側開口部Usを開口する状態に形成されている。換言すれば、後壁部23が、下側開口部Usの両横側に左右の壁部分23Aを備える状態に形成されている。
そして、
図2に示すように、排気経路形成部Dが、下側開口部Usに連通する状態に装着される下側形成部分Dsと、上側開口部Uu及び下側形成部分Dsの上部に連通する状態に装着される本体形成部分Dhとを備える形態に構成されている。
ちなみに、本体形成部分Dhの内部には、排気経路Eの内部で火炎が発生した場合に消炎する消炎体55が配設されている。
【0083】
(調理容器の具体構成)
図2及び
図6に示すように、調理容器KTの蓋Kfが、蓋本体部24hと、蓋Kfが容器本体Khに載置された状態において、当該蓋本体部24hの外周縁から下方に突出する筒状の蓋周壁部24sと、当該蓋周壁部24sから横外方に突出する蓋鍔状部24tとを備えている。本実施形態においては、蓋本体部24hは平板状に形成されている。
そして、蓋鍔状部24tが、容器本体Khにおける側壁部25sの上端側に載置自在に構成されている。
具体的には、容器本体Khが、底壁部25d及び側壁部25sを備え、側壁部25sの上端から横外方に突出する本体鍔状部25tが形成されている。
そして、蓋鍔状部24tが、本体鍔状部25tに載置自在に構成されている。尚、蓋周壁部24sは、底壁部25dの内方側に位置する状態に形成されている。
【0084】
また、蓋Kfが、
図3及び
図10に示すように、表裏反転した状態において、蓋本体部24hに調理物を載置するプレート状調理体KPを形成するように構成されている。つまり、蓋Kfが、プレート状調理体KPに兼用されている。
本実施形態においては、容器本体Khが、四角形の有底筒状に形成され、蓋Kf及びプレート状調理体KPが、四角形の板状に形成されている。
具体的には、調理容器KT及びプレート状調理体KPが、横幅よりも前後幅が大きい長方形となるように形成されて、グリル庫7の内部に収納し易い形状となっている。
【0085】
図5及び
図6に示すように、蓋Kfを把持する舌片状の蓋把持部24pが、容器本体Khよりも横外方側に突出する状態で蓋鍔状部24tに連設されている。本実施形態においては、蓋Kfの左右両側に蓋把持部24pが形成されている。
したがって、蓋Kfとして使用するとき等において、蓋把持部24pを把持しながら、蓋Kfを開閉できるように構成されている。
【0086】
また、
図2に示すように、蓋Kfが容器本体Khに載置された状態において、蓋周壁部24sが、蓋鍔状部24tよりも下方に突出する状態に形成されている。
したがって、蓋Kfとして使用するときに、蓋Kfが上方側に大きく突出することを回避しながら、プレート状調理体KPとして使用するときに、蓋周壁部24sの高さを高くして、調理物のこぼれを抑制できるように構成されている。
【0087】
図7に示すように、容器本体Khの側壁部25s及び本体鍔状部25tの容器本体周方向の一部に、側壁部25sにおける上端側部分及び本体鍔状部25tにおける側壁部側部分を下方側に凹ませる形態で蒸気排出用の蒸気案内凹溝Qが形成されている。
本実施形態においては、側壁部25s及び本体鍔状部25tにおける容器本体Khの後部に相当する部分に、蒸気案内凹溝Qが形成されている。
そして、
図6に示すように、蓋鍔状部24tにおける蒸気案内凹溝Qに対応する箇所に、上下方向に貫通する形態で蒸気排出孔Qnが形成されている。
【0088】
従って、
図13~
図15に示すように、容器本体Khに蓋Kfを装着したときに、容器本体Khの調理物が溢れ出ることを抑制しながら、容器本体Khの内部にて発生する蒸気を適切に排出できるように構成されている。
また、蒸気排出孔Qnを蓋鍔状部24tに設けるものであるから、
図8に示すように、蓋Kfをプレート状調理体KPとして使用するときに、調理物が蒸気排出孔Qnから出ることを抑制できるように構成されている。
【0089】
図6及び
図7に示すように、容器本体Khにおける本体鍔状部25tの外周縁から上方に起立する起立壁部25uが設けられている。ちなみに、起立壁部25uにおける蓋把持部24pに対応する上端側部分に、蓋把持部24pとの干渉を回避する凹状部Vが形成されている。
【0090】
図6に示すように、起立壁部25uの平面視における形成形態と蓋鍔状部24tの外周縁形状との関係が、蓋鍔状部24tの平面視における位相を蒸気排出孔Qnが蒸気案内凹溝Qに合致する適正位相にしたときには、蓋鍔状部24tが起立壁部25uの内部に挿入することを許容し、かつ、蓋鍔状部24tの平面視における位相を蒸気排出孔Qnが蒸気案内凹溝Qに合致しない不適正位相にしたときには、蓋鍔状部24tが起立壁部25uの内部に挿入できないようにする関係に形成されている。
尚、平面視における位相とは、蓋Kfを上下方向に沿った軸心周りで回転させた位相に相当する。
【0091】
具体的には、起立壁部25uの4つの角部のうちの一つの形状を異ならせ、それに合わせて蓋鍔状部24tの4つの角部の形状を形成することにより、蓋鍔状部24tの平面視における位相を蒸気排出孔Qnが蒸気案内凹溝Qに合致する適正位相にするときには、蓋Kfを容器本体Khに装着でき、蓋鍔状部24tの平面視における位相を蒸気排出孔Qnが蒸気案内凹溝Qに合致しない不適正位相にするときには、蓋Kfを容器本体Khに装着できるように構成されている。
【0092】
図6及び
図7に示すように、容器本体Khの本体鍔状部25tの前縁部及び後縁部に、載置支持枠9に載置される前側被載置部25fと後側被載置部25rとが、前後方向に突出する形態で、かつ、横幅を異ならせる状態で形成されている。
本実施形態では、後側被載置部25rの横幅を、前側被載置部25fの横幅よりも大きくするように構成されている。
【0093】
同様に、
図6及び
図8に示すように、蓋Kfの蓋鍔状部24tの前縁部及び後縁部に、載置支持枠9に載置される前側調理体被載置部24fと後側調理体被載置部24rとが、前後方向に突出する形態で、かつ、横幅を異ならせる状態で形成されている。
本実施形態では、後側調理体被載置部24rの横幅を、前側調理体被載置部24fの横幅よりも小さくするように構成されている。
【0094】
また、
図5及び
図6に示すように、蓋Kfにおける蒸気排出孔Qnの左右両側のうちの一方側箇所に、調理器支持部Lが設定収納位置に収納された状態において、グリル庫7の後部に左右一対設けた容器検出部Sと接当する被検出部Jkが設けられている。
本実施形態においては、容器本体Khに載置された蓋Kfを前方側から見たときに、被検出部Jkが、蒸気排出孔Qnの左方側箇所に、下方に垂れ下がる舌片状に形成されている。
また、左右の容器検出部Sが、
図4に示す如く、後壁部23の左右の壁部分23Aに装着されている。
【0095】
(載置支持枠の詳細構成)
図9に示すように、載置支持枠9は、上述の如く、前方側支持部9F及び後方側支持部9Rを備えている。
そして、
図9、
図11及び
図12に示すように、前方側支持部9Fには、前側被載置部25fを載置する左右の前側載置部Rfと、前側調理体被載置部24fを載置する前側調理体載置部Tfとが、前側調理体載置部Tfを左右の前側載置部Rfの間に相当する箇所に位置させ、かつ、前側調理体載置部Tfを左右の前側載置部Rfよりも低くする形態で備えられている。
【0096】
図9に示すように、後方側支持部9Rには、後側被載置部25rを載置する左右の後側載置部Rrと、後側調理体被載置部24rを載置する後側調理体載置部Trとが、後側調理体載置部Trを左右の後側載置部Rrの間に相当する箇所に位置させ、かつ、後側調理体載置部Trを左右の後側載置部Rrよりも低くする形態で備えられている。
【0097】
また、前側被載置部25fを左右の前側載置部Rfに載置した状態においては、前側被載置部25fの両横縁部が、載置支持枠9に接当することにより、左右方向の移動が規制され、同様に、後側被載置部25rを左右の後側載置部Rrに載置して状態においては、後側被載置部25rの両横縁部が、載置支持枠9に接当することにより、左右方向の移動が規制されるように構成されている。
つまり、
図9に示すように、左右の前側載置部Rfの前側容器収納幅Yfが、前側被載置部25fの横幅に対応する幅に形成され、同様に、左右の後側載置部Rrの後側容器収納幅Yrが、後側被載置部25rの横幅に対応する幅に形成されている。
【0098】
そして、後側容器収納幅Yrが前側容器収納幅Yfよりも大きく形成されているから、容器本体Khが、蒸気案内凹溝Qをグリル庫7の後部側に位置させたときに、調理器支持部Lの載置支持枠9に装着できるように構成されている。
つまり、調理器支持部Lと容器本体Khとの関係が、蒸気案内凹溝Qをグリル庫7の後部側に位置させたときには容器本体Khを調理器支持部Lに装着でき、かつ、蒸気案内凹溝Qをグリル庫7の後部側に位置させないときには容器本体Khを調理器支持部Lに装着できない関係に形成されている。
【0099】
ちなみに、容器本体Khを載置支持枠9に載置した状態においては、載置支持枠9の前方側支持部9Fと後方側支持部9Rとの間に容器本体Khが挿入されることにより、容器本体Khの前後方向の移動が規制されるように構成されている。
【0100】
また、プレート状調理体KPを載置支持枠9に装着すべく、前側調理体被載置部24fを前側調理体載置部Tfに載置した状態においては、前側調理体被載置部24fの両横縁部が、載置支持枠9に接当することにより、左右方向の移動が規制され、同様に、後側調理体被載置部24rを後側調理体載置部Trに載置した状態においては、後側調理体被載置部24rの両横縁部が、載置支持枠9に接当することにより、左右方向の移動が規制されるように構成されている。
つまり、
図9に示す如く、前側調理体載置部Tfの前側調理体収納幅Zfが、前側調理体被載置部24fの横幅に対応する幅に形成され、同様に、後側調理体載置部Trの後側調理体収納幅Zrが、後側調理体被載置部24rの横幅に対応する幅に形成されている。
【0101】
そして、後側調理体収納幅Zrが前側調理体収納幅Zfよりも小さく形成されているから、プレート状調理体KPが、蒸気排出孔Qnをグリル庫7の後部側に位置させたときに、調理器支持部Lの載置支持枠9に装着できるように構成されている。
つまり、調理器支持部Lとプレート状調理体KPとの関係が、蒸気排出孔Qnをグリル庫7の後部側に位置させたときにはプレート状調理体KPを調理器支持部Lに装着でき、かつ、蒸気排出孔Qnをグリル庫7の後部側に位置させないときにはプレート状調理体KPを調理器支持部Lに装着できない関係に形成されている。
【0102】
ちなみに、プレート状調理体KPを載置支持枠9に載置した状態においては、載置支持枠9の前方側支持部9Fと後方側支持部9Rとの間にプレート状調理体KPが挿入されることにより、容器本体Khの前後方向の移動が規制されるように構成されている。
【0103】
以上の通り、容器本体Khを載置支持枠9に装着する際には、蒸気案内凹溝Qをグリル庫7の後部側に位置されることになる。
そして、上述の如く、起立壁部25uの平面視における形成形態と蓋鍔状部24tの外周縁形状との関係が、蓋鍔状部24tの平面視における位相を蒸気排出孔Qnが蒸気案内凹溝Qに合致する適正位相にしたときには、蓋鍔状部24tが起立壁部25uの内部に挿入することを許容するように形成されているから、容器本体Khから排出される蒸気が、蒸気案内凹溝Q及び蒸気排出孔Qnを通して、グリル庫7の後部の排気経路Eに適切に排出されることになる。
【0104】
また、容器本体Khを載置支持枠9に装着して、容器本体Khに蓋Kfを装着した際においては、調理器支持部Lが設定収納位置に収納された状態において、蓋Kfにおける蒸気排出孔Qnの左方側箇所に設けた被検出部Jkが、グリル庫7の後部に位置することになるから、グリル庫7の後部に設けた左右の容器検出部Sのうちの左方側の容器検出部Sにて被検出部Jkを適切に検出することができる。
【0105】
同様に、プレート状調理体KPを載置支持枠9に装着した際においては、調理器支持部Lが設定収納位置に収納された状態において、蓋Kfにおける蒸気排出孔Qnの左方側箇所に設けた被検出部Jkが、蓋Kfを表裏反転させたプレート状調理体KPの右方側箇所に位置する状態で、グリル庫7の後部に位置することになるから、グリル庫7の後部に設けた左右の容器検出部Sのうちの右方側の容器検出部Sにて被検出部Jkを適切に検出することができる。
【0106】
さらに、前側調理体載置部Tfを左右の前側載置部Rfよりも低くし、かつ、後側調理体載置部Trを左右の後側載置部Rrよりも低くすることにより、
図11及び
図12に示すように、容器本体Khの底壁部25dとプレート状調理体KPの蓋本体部24hとが、同じ高さとなるように構成されている。
したがって、調理容器KTを調理器支持部Lに装着した状態及びプレート状調理体KPを調理器支持部Lに装着した状態のいずれにおいても、下バーナ10にて良好に加熱し、かつ、容器本体Khの底壁部25dの温度やプレート状調理体KPの蓋本体部24hの温度を容器温度検出センサ13にて適切に検出できるように構成されている。
【0107】
(燃料ガス供給構成)
図17に示すように、メタンガスを主成分とする都市ガス等の燃料ガスが供給される元ガス供給路28に、一対のコンロバーナ1に対する一対のコンロ用分岐路29、及び、グリル用分岐路30が接続されている。
元ガス供給路28に、ガスコンロ全体に対する燃料ガスの供給を断続する元ガス弁31が配置され、一対のコンロ用分岐路29の夫々に、コンロバーナ1の火力を調節するためのコンロバーナ用ガス量調節弁32が設けられている。
【0108】
グリル用分岐路30に、下バーナ10及び上バーナ11に対するガス燃料の供給圧力を設定圧に調整するガバナ33が設けられ、ガバナ33にて設定圧に調整されたガス燃料を下バーナ10に導く下バーナ用供給路34、及び、ガバナ33にて設定圧に調整されたガス燃料を上バーナ11に導く上バーナ用供給路35が設けられている。
【0109】
下バーナ用供給路34には、下バーナ10の火力を調節するための下バーナ用ガス量調節弁36が設けられ、上バーナ用供給路35には、上バーナ11の火力を調節するための上バーナ用ガス量調節弁37が設けられている。
ちなみに、下バーナ用ガス量調節弁36及び上バーナ用ガス量調節弁37は、燃料ガスの供給開度を全閉開度から最大開度に亘って変更するものであり、下バーナ10や上バーナ11の燃焼を停止する際には、下バーナ用ガス量調節弁36及び上バーナ用ガス量調節弁37を、全閉開度(閉状態)にする。
【0110】
(容器種別検出部の具体構成)
調理器支持部Lの載置支持枠9に装着された調理器Kの種別を検出する容器種別検出部M(
図18参照)が、左右の容器検出部Sの検出情報に基づいて、調理容器KTであるか、プレート状調理体KPであるかを検出するように構成されている。
【0111】
すなわち、
図19に示すように、左右の容器検出部Sのうちの左側の容器検出部Sが被検出部Jkと接当すると、調理器支持部Lに装着された調理器Kが調理容器KTであると検出される。
また、
図20に示すように、左右の容器検出部Sのうちの右側の容器検出部Sが被検出部Jkと接当すると、調理器支持部Lに装着された調理器Kがプレート状調理体KPであると検出される。
【0112】
図21に示すように、2つの容器検出部Sの夫々は、壁部分23Aを貫通してグリル庫7の内部に突出するロッド状の検出体38と、当該検出体38をグリル庫内方側に突出する状態に弾性付勢するスプリング39と、検出体38と一体移動する移動部材38Aに内蔵した磁性体40と、検出体38が周壁部との接当により後退移動したことを検出する検出部としての、磁性体40にて操作されるリードスイッチ41とを、センサ支持体42に組付けた状態に構成されている。
ちなみに、センサ支持体42は、壁部分23Aに連結されるコの字状の本体枠42Aと、当該本体枠42Aに連結されてロッド状の検出体38を支持する検出体支持枠42Bとからなる。
【0113】
(グリル用設定操作部の詳細)
図18に示すように、グリル用設定操作部6の指令情報が運転制御部Wに入力されて、運転制御部Wが、グリル用設定操作部6の指令情報に基づいて、上バーナ11及び下バーナ10の燃焼を制御するように構成されている。
【0114】
図16に示すように、グリル用設定操作部6には、オートメニューを選択するオートメニュー選択スイッチ45、調理モードを選択する調理モード選択スイッチ46、火加減を設定する火力調節スイッチ47、グリルバーナAに対する点火及び消火を指令する点消火スイッチ48、タイマー調理を設定する時間設定スイッチ49、時間設定スイッチ49により設定された加熱調理時間を表示する表示部49A、入力された情報の取り消しを指令する取消スイッチ50、及び、チャイルドロックスイッチ51が備えられている。
【0115】
オートメニュー選択スイッチ45は、押し操作により、「オートメニュー」を指令するものであり、そして、押し操作されるごとに、「オートメニュー」の調理メニューとして、「魚:姿焼き」、「魚:切り身」、「鶏もも焼き」、「ホイル焼き」、「トースト」、及び、「ごはん」の調理メニューに順次切換えるように構成されている。尚、「ごはん」とは、炊飯を意味するものである。
【0116】
ちなみに、「オートメニュー」を実行する際には、オートメニュー選択スイッチ45を操作して調理メニューを選択した後に、点消火スイッチ48を操作する、あるいは、点消火スイッチ48を操作した直後(例えば、40秒以内)に、オートメニュー選択スイッチ45を操作して調理メニューを選択することになる。
【0117】
そして、運転制御部Wが、オートメニュー選択スイッチ45にて選択された複数の調理メニューの夫々について、予め設定されている加熱調理用情報に基づいて、上バーナ11及び下バーナ10の火力を自動的に調節しながら、自動的に加熱調理を行い、且つ、加熱調理が終了すると、上バーナ11及び下バーナ10を自動的に消火する自動加熱調理を実行するように構成されている。
【0118】
また、運転制御部Wが、自動加熱調理を実行する際に、例えば、「ホイル焼き」等、プレート状調理体KPにて加熱調理できる調理メニューについては、容器種別検出部Mの検出結果に基づいて、プレート状調理体KPに対して予め設定されている加熱調理用情報に基づいて、加熱調理を実行するように構成されている。
【0119】
調理モード選択スイッチ46は、押し操作により、「調理モード」を指令するものであり、そして、押し操作されるごとに、「調理モード」の調理メニューとして、「焼く」、「あたためる」、「ノンフライ」、「煮る」、「蒸す」、及び、「パン」の調理メニューに順次切換えるように構成されている。
【0120】
ちなみに、「調理モード」を実行する際には、調理モード選択スイッチ46を操作して調理メニューを選択した後に、点消火スイッチ48を操作する、あるいは、点消火スイッチ48を操作した直後(例えば、40秒以内)に、調理モード選択スイッチ46を操作して調理メニューを選択することになる。
【0121】
そして、運転制御部Wが、調理モード選択スイッチ46にて選択された複数の調理メニューの夫々について、予め設定されている加熱調理用情報に基づいて、上バーナ11及び下バーナ10の火力を自動的に調節しながら、自動的に加熱調理を行うように構成されている。
尚、「調理モード」においては、加熱調理を停止する際には、点消火スイッチ48を操作して、上バーナ11及び下バーナ10を消火させることになる。
【0122】
ちなみに、オートメニューの「ごはん」や、調理モードの「煮る」、「蒸す」、「パン」の調理メニューは、調理容器KTを用いて行う調理メニューであり、オートメニューや調理モードにおけるその他の調理メニューは、プレート状調理体KPを用いて行う調理メニューである。
【0123】
本実施形態においては、タイマー調理を設定する時間設定スイッチ49、入力された情報の取り消しを指令する取消スイッチ50、及び、チャイルドロックスイッチ51の詳細な説明は省略する。
【0124】
(運転制御部の制御について)
運転制御部Wは、マイクロコンピュータを備えて、グリルGを備えたガスコンロの全体に対する運転を制御するものであるが、以下においては、グリルGに備えた下バーナ10及び上バーナ11に対する燃焼制御を説明して、コンロバーナ1に対する燃焼制御は省略する。
【0125】
運転制御部Wは、上述したグリル用設定操作部6からの指令情報に基づいて、下バーナ10及び上バーナ11に対する燃焼を制御するものである。
例えば、点消火スイッチ48の操作により点火指令が指令されると、元ガス弁31、下バーナ用ガス量調節弁36、及び、上バーナ用ガス量調節弁37を操作して、下バーナ10及び上バーナ11に燃料ガスを供給する状態とし、加えて、下バーナ10及び上バーナ11に対する点火プラグPaを作動させかつ着火センサPbにて着火を検出する点火処理を実行することになる。
【0126】
また、点消火スイッチ48の操作により消火指令が指令されると、元ガス弁31、下バーナ用ガス量調節弁36、及び、上バーナ用ガス量調節弁37を閉状態に操作して、下バーナ10及び上バーナ11を消火する消火処理を実行することになる。
【0127】
また、下バーナ10及び上バーナ11の燃焼状態において、火力調節スイッチ47の操作により火力の変更が指令されると、下バーナ用ガス量調節弁36及び上バーナ用ガス量調節弁37を操作して、下バーナ10及び上バーナ11の火力を「強」、「中」、「弱」に変更調節する火力調節処理を実行することになる。
【0128】
また、自動調理制御として、「オートメニュー」の調理メニューや、「調理モード」の調理メニューが指令された場合には、予め設定された加熱調理用情報に基づいて、火力を自動的に調節しながら加熱調理を行うことになり、そして、「オートメニュー」の調理メニューが指令された場合には、定められた加熱調理が終了すると、下バーナ10及び上バーナ11を自動的に消火することになる。また、「タイマー調理」が指令された場合には、加熱調理時間が経過すると、下バーナ10及び上バーナ11を自動的に消火することになる。
【0129】
さらに、運転制御部Wは、点消火スイッチ48の操作により点火指令が指令された際に、容器種別検出部Mの検出情報(2つの容器検出部Sの検出情報)を読み込んで、その検出情報に基づいて、グリルバーナAの加熱作動の制御等を行うように構成されている。
具体的には、2つの容器検出部Sが非存在検出状態では、グリル扉8の開状態、調理器Kの非存在状態、又は、蓋Kfが装着されていない調理容器KTの収納状態のいずれかの状態であるため、このような状態においては、運転制御部Wは、点消火スイッチ48の操作により点火指令が指令されても、グリルバーナAの点火処理を実行せずに、警報ブザー等の警報装置52を作動させる警報処理を実行するように構成されている。
【0130】
また、装着されている調理器Kの種別が調理容器KTである場合において、オートメニューの「ごはん」や、調理モードの「煮る」、「蒸す」、「パン」等の調理容器KTを用いて行う調理メニューが選択されているときには、運転制御部Wは、点火処理を実行し、オートメニューの「トースト」、「鶏もも焼き」、「ホイル焼き」、「魚:切り身」、「魚:姿焼き」や、調理モードの「焼く」、「あたためる」、「ノンフライ」等のプレート状調理体KPを用いて行う調理メニューが選択されていると、運転制御部Wは、点火処理を実行せず警報処理を実行するように構成されている。
【0131】
同様に、装着されている調理器Kの種別がプレート状調理体KPである場合において、オートメニューの「トースト」、「鶏もも焼き」、「ホイル焼き」、「魚:切り身」、「魚:姿焼き」や、調理モードの「焼く」、「あたためる」、「ノンフライ」等の調理メニューが選択されているときには、運転制御部Wは、点火処理を実行し、オートメニューの「ごはん」や、調理モードの「煮る」、「蒸す」、「パン」等の蓋調理メニューが選択されていると、運転制御部Wは、点火処理を実行せず警報処理を実行するように構成されている。
【0132】
〔別実施形態〕
次に、その他の別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態においては、プレート状調理体KPの調理物載置面が平坦面となる場合を例示したが、調理物載置面を波型状の面に形成する形態で実施してもよい。
【0133】
(2)上記実施形態では、2つの容器検出部Sを左右に並置する場合を例示したが、1つの容器検出部Sを、左右の一方側に設けて、容器検出部Sが被検出部Jkを検出するか否かにより、調理容器KTが装着されているか、プレート状調理体KPが装着されているかを検出させるようにしてもよい。
【0134】
(3)上記実施形態では、調理器支持部Lに、載置支持枠9を着脱自在に装備する形態を例示したが、例えば、調理器Kを載置支持する載置部を可動レール17に形成する等、載置支持枠9を省略する形態で実施してもよい。
【0135】
(4)上記実施形態では、運転制御部Wが、点消火スイッチ48の操作により点火指令が指令された際に、容器種別検出部Mの検出情報(2つの容器検出部Sの検出情報)を読み込んで制御する場合を例示したが、調理物を収納した調理器Kを装着した調理器支持部Lをグリル庫7の設定収納位置に収納した状態で、電源スイッチSWを入り操作する形態で、グリルGを使用する場合には、運転制御部Wが、電源スイッチSWを入り操作された際に、容器種別検出部Mの検出情報(2つの容器検出部Sの検出情報)を読み込んで制御するように構成してもよい。
この場合、調理メニューが選択される前に、調理器Kの種別を確認させて、調理器Kの種別に応じた選択できる調理メニューのみを表示させるようにして、表示されている調理メニューから調理メニューを選択させる形態で実施してもよい。
【0136】
(5)上記実施形態では、グリルGが、ガスコンロに装備される場合を例示したが、本発明のグリルGは、グリル専用機を構成する場合にも適用できる。
【0137】
(6)上記実施形態では、グリルGにて使用する調理容器KTを例示したが、本発明は、コンロバーナ1にて加熱調理する調理容器にも適用できる。
【0138】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0139】
7 加熱室
10 下バーナ
11 上バーナ
24h 蓋本体部
24p 蓋把持部
24s 蓋周壁部
24t 蓋鍔状部
25s 側壁部
25t 本体鍔状部
25u 起立壁部
D 排気経路形成部
E 排気経路
KP プレート状調理体
KT 調理容器
Kh 容器本体
Kf 蓋
L 調理器支持部
Q 蒸気案内凹溝
Qn 蒸気排出孔
S 容器検出部
W 運転制御部