(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037760
(43)【公開日】2022-03-09
(54)【発明の名称】有害菌の伝染防御用手袋
(51)【国際特許分類】
A41D 19/015 20060101AFI20220302BHJP
A41D 19/00 20060101ALI20220302BHJP
A41D 19/01 20060101ALI20220302BHJP
A41D 13/08 20060101ALI20220302BHJP
【FI】
A41D19/015 130Z
A41D19/00 A
A41D19/01
A41D13/08 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020142061
(22)【出願日】2020-08-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2020年7月4日に株式会社日経BPが発行した日経トレンディ2020年8月号の第115頁に掲載した。 2020年8月11日に株式会社中央公論新社が発行した婦人公論2020年8月25日号の第167頁に掲載した。 2020年4月14日より自社のウェブサイトにて公開を行った。 2020年4月14日より楽天株式会社が運営するウェブサイトにて公開を行った。 2020年7月31日に木村実業株式会社に対し販売した。 2020年8月7日にプラスナイロン株式会社に対し販売した。 2020年8月11日より有限会社エーエフエヌが運営するウェブサイトにて公開を行った。
(71)【出願人】
【識別番号】398071015
【氏名又は名称】株式会社レヴアル
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】宰川 文明
【テーマコード(参考)】
3B011
3B033
【Fターム(参考)】
3B011AA07
3B011AA08
3B011AA10
3B011AC24
3B033AA03
3B033AB12
3B033AC04
3B033AC05
(57)【要約】
【課題】手が物に接触する形態は千差万別であり、いかなる変形の手接触にも対応し伝染防御をすることができる手袋を提供する。
【解決手段】この発明では、銀素材の副織り糸と合成樹脂素材の主織り糸とで弾性状に織りなして両端部開口の筒状の手首手指保護体を構成し、筒状の手首手指保護体の基部は手首手指保護体よりも弾力性の強い手首緊締筒体とし、筒状の手首手指保護体の先端の周縁部には折返しの厚手に形成した仕切り縁部としたことにより、いかなる変形の手接触にも対応可能な伝染防御手袋を提供できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
銀素材の副織り糸と合成樹脂素材の主織り糸とで弾性状に織りなして両端部開口の筒状の手首手指保護体を構成したことを特徴とする有害菌の伝染防御用手袋。
【請求項2】
筒状の手首手指保護体の基部は手首手指保護体よりも弾力性の強い手首緊締筒体を延設したことを特徴とする請求項1に記載の有害菌の伝染防御用手袋。
【請求項3】
筒状の手首手指保護体の先端の周縁部には折返しの厚手に形成した仕切り縁部としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有害菌の伝染防御用手袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、直接に物と接触することにより伝染するウイルスなどの有害菌から人体を可及的に保護することができる有害菌の伝染防御用手袋に関する。
【背景技術】
【0002】
最近のコロナウイルスなどの病原菌の伝染は人類に嘗てない程の恐怖を与えた。その感染力の強力さは嘗て人類が経験したことの無いものである。
その防御方の基本は手に付着した病原菌を手洗いにより除去することが提唱されている。換言すれば、これは手と接触するあらゆるものから病原菌が伝染する危険を可及的に解消するための手段である。
【0003】
かかる基本的な病原菌からの伝染防御手段は、病原菌が付着していると考えられる物に人体の手が直接に接触しないようにすることに尽きる。かかる観点から常時手袋を着用して可及的に病原菌との接触を避ける手段が考えられる。
また、他の伝染防御手段としては、物品に接触した後に可及的に素早く手に消毒薬を塗布して殺菌することが考えられる。
【0004】
特許文献1には、抗体が担持された手袋について記載されている。特許文献1に記載の手袋は、装着するだけでインフルエンザや病気の感染を予防できるとともに手袋に付着した抗原を抗体で不活性化できる。そのため、この手袋は、抗原が付着した状態で他の物質を触ったとしても抗原が拡散される虞がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の手袋は、手軽で効果的な方法ではあるものの、その形態が従来同様の指先に該当する部分を5股に分割してそれぞれの指を挿入する構成であるため、使用の都度手袋を着脱しなければならず、その着脱の行為が煩雑であった。また、従来のかかる手段は手軽で効果的な方法であるが日常生活の中では手が物品に接触する形態は千差万別であり、いかなる変形の手接触にも対応することができるものではなかった。
【0007】
この発明では、手に装着することにより手が触れる形態の変化にもかかわらずいかようにも対応して手に非接触状態のままで物を把持し、操作できることを可能とした有害菌の伝染防御用手袋を提供せんとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、銀素材の副織り糸と合成樹脂素材の主織り糸とで弾性状に織りなして両端部開口の筒状の手首手指保護体を構成したことを特徴とする有害菌の伝染防御用手袋を提供せんとするものである。
【0009】
また、本発明の第2の態様は、筒状の手首手指保護体の基部は手首手指保護体よりも弾力性の強い手首緊締筒体としたことを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の第3の態様は、筒状の手首手指保護体の先端の周縁部には折返しの厚手に形成した仕切り縁部としたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、銀素材の副織り糸と合成樹脂素材の主織り糸とで弾性状に織りなして両端部開口の筒状の手首手指保護体を構成したことにより、病原菌を手に付着させることなく筒体内に収納した手が手首手指保護体内で自在に運動して手首手指保護体を介して物を掴んだり、触ったり、押したりすることができる。
【0012】
また、本発明の第2の態様によれば、筒状の手首手指保護体の基部は手首手指保護体よりも弾力性に強い手首緊締筒体としたことにより、手首手指保護体は厚手布に構成され、また手首をより強い緊締力で被覆することができる。従って、手首手指保護体内で指先が自在に運動しても手首手指保護体が先端方向に抜けたり、指先が先端開口部から露出したりする虞を防止することができる。
【0013】
また、本発明の第3の態様によれば、筒状の手首手指保護体の先端の周縁部には折返しの厚手に形成した仕切り縁部としたことにより、手を手首手指保護体に挿入して対象物に対して把持や回転や押圧等の種々の運動を行う際に手先が手首手指保護体内で仕切り縁部に係止されて各種の運動が行い易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1の実施形態にかかる有害菌の伝染防御用手袋を示す正面図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態にかかる有害菌の伝染防御用手袋の手首手指保護体を折り曲げた状態を示す正面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態にかかる有害菌の伝染防御用手袋を装着した状態を示す正面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態にかかる有害菌の伝染防御用手袋を装着した状態を示す背面図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態にかかる有害菌の伝染防御用手袋を示す正面図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態にかかる有害菌の伝染防御用手袋を装着した状態を示す図であり、(a)は二の腕から手までを覆った状態を示す模式図であり、(b)は二の腕から手首まで覆い、掌を露出した状態を示す模式図である。
【
図7】本発明の第3の実施形態にかかる有害菌の伝染防御用手袋を示す正面図である。
【
図8】本発明の第3の実施形態にかかる有害菌の伝染防御用手袋を装着した状態を示す模式図である。
【
図9】本発明の第3の実施形態にかかる有害菌の伝染防御用手袋を装着し指先を露出した状態を示す模式図である。
【
図10】本発明の第1の実施形態にかかる伝染防御用手袋を装着して壁面スイッチを押す状態を示す模式図である。
【
図11】本発明の第1の実施形態にかかる伝染防御用手袋を装着してドアノブを掴む状態を示す模式図である。
【
図12】本発明の第1の実施形態にかかる伝染防御用手袋を装着して受話器を掴む状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明の要旨は、銀素材の副織り糸と合成樹脂素材の主織り糸とで弾性状に織りなして両端部開口の筒状の手首手指保護体を構成したことにあり、また、筒状の手首手指保護体の基部は手首手指保護体よりも弾力性の強い手首緊締筒体としたことにあり、また、筒状の手首手指保護体の先端周縁部には折返しの厚手に形成した仕切り縁部としたことにある。
【0016】
この発明の実施例を図面に基づき詳説する。
図1は、本実施例にかかる有害菌の伝染防御用手袋を示す正面図であり、
図2は、
図1の手首手指保護体を折り畳んだ状態を示す正面図であり、
図3は、伝染防御用手袋100Aを装着した状態を示す正面図であり、
図4は、伝染防御用手袋100Aを装着した状態を示す背面図である。
【0017】
実施例に記載の有害菌の伝染防御用手袋100Aは、銀素材の副織り糸1と合成樹脂素材の主織り糸2とを所定の編み方、例えば、女性用のストッキングと同様の織り方で両端開口の筒形状に織製される。女性用のストッキングの織り方は、使用する糸の種類に応じて「交編編み」、「ゾッキ編み」の2種類に大別される。「交編編み」は、ナイロン糸とサポート糸(芯糸であるナイロンを鞘糸であるポリウレタンで螺旋状に巻回して形成された糸)との2種類の異なる糸を交互にメリヤス編み(平編み)することで編成された織り方である。また、「ゾッキ編み」は、サポート糸のみでメリヤス編み(平編み)することにより編成された織り方である。本実施例では、銀素材で構成した副織り糸1と合成樹脂で構成した主織り糸2の素材の異なる糸を交互にメリヤス編み(平編み)することで編成する「交編編み」の織製方法を採用している。
【0018】
本発明においては、特に銀素材で構成された副織り糸1が表面に露出するような形態としている。これにより、銀特有の殺菌機能と、金属糸としての摩耗耐久性を提供でき、繊維素材で構成された場合よりも一定強度で可撓性を付与できる。
【0019】
銀素材の副織り糸1と織りなす合成樹脂素材の主織り糸2は、通常女性のストッキングを構成する材料として使用される絹糸や樹脂糸等を使用し、弾力性や伸縮性を有する。
【0020】
合成樹脂素材の主織り糸2と銀素材の副織り糸1とを織りなすに際しては、
図1の部分拡大図に示すように、ストッキングの織製方法である交編編みで採用される「メリヤス編み(平編み)」のように、1本または数本の糸を輪の形にした輪奈の中に次の輪奈を入れることを順次繰り返して、布状に編む織製方法で織りなすことにより、かなり大きな引っ張り応力、例えば通常の引っ張りで伸延するが直ちに伸縮して原型に復帰する程度の引っ張り応力を有する弾性状に織製できる。
【0021】
各織り糸により織製した形状は両端部開口の筒状の手首手指保護体10Aを形成している。すなわち、筒状の手首手指保護体10Aは基部開口端部11から手を挿入し、指先を必要に応じて先端開口端部12から出したり、引っ込めたりして筒体内に収納したりすることができるように構成している。
【0022】
また、引っ込めて筒体内に収納した手は、手首手指保護体10A内で自在に運動して手首手指保護体10Aを介して物を掴んだり、触ったり、押したりすることができるように手首手指保護体10Aが構成されている。かかる構成が本件発明の要部である。
【0023】
すなわち、病原菌からの伝染を防御するために病原菌が付着していると思われる物品に直接に手が接触しないで物品の操作ができるようにしたことが本件発明の要旨である。
【0024】
弾性状に織りなしたかかる構成の筒状の手首手指保護体10Aは、
図3または
図4に示すように、基部を手首手指保護体10Aよりも弾力性の強い手首緊締筒体13Aとし、先端周縁部を折返しの厚手に形成して仕切り縁部14とした。
【0025】
かかる手首手指保護体10Aの先端周縁部を折返しの厚手に形成した仕切り縁部14は、手を手首手指保護体10Aに挿入して対象物に対して把持や回転や押圧等の種々の運動を行う際に手先が手首手指保護体10A内で仕切り縁部14に係止されて各種の運動が行い易くなるように構成している。
【0026】
また、筒状の手首手指保護体10Aの基部には手首手指保護体10Aよりも弾力性の強い手首緊締筒体13Aを延設している。手首緊締筒体13Aの基端部は厚手布に構成されており、さらに、上述した構成により手首を手首手指保護体10Aより強い緊締力で被覆することができる。また、手首手指保護体10Aの基部開口端部11が着用者の掌の付け根部分に係止され、手首手指保護体10Aの基準位置が手根近傍となることで、手首手指保護体10A内で指先を自由に動かしても先端開口端部12を超過して手首手指保護体10Aから露出する虞がなく、また、手首手指保護体10Aが手の先端方向に移動して抜ける虞を解消できる。
【0027】
≪第二の実施例≫
この発明の第二の実施例を図面に基づき説明する。
図5は、有害菌の伝染防御用手袋100Bの第二の実施例を示す全体説明図である。第二の実施例では、有害菌の伝染防御用手袋100Bの手首手指保護体10B及び手首手指緊締筒体13Bの構成が第一の実施例とは異なる。その他の構成は、同一であるため説明を省略する。
【0028】
第二の実施例における伝染防御用手袋100Bは、
図5及び
図6に示すように、手首手指保護体10Bと手首手指緊締筒体13Bの全長を第一の実施例よりも長く構成している。
【0029】
手首手指保護体10Bは、第一の実施例同様に、銀素材の副織り糸1と合成樹脂素材の主織り糸2とをメリヤス編みにて縫製して筒体に形成している。第二の実施例における手首手指保護体10Bは、手指の先端から手首近傍まで覆うように構成している。手首手指保護体10Bの基部には、第一の実施例同様に手首手指緊締筒体13Bを延設している。
【0030】
手首手指緊締筒体13Bは、
図5及び
図6に示すように、手首近傍から二の腕の一部を覆う全長としている。手首手指緊締筒体13Bは、手首手指保護体10Bと連結した端部と反対の端部に弾性体で構成した終端開口部15を設けている。
【0031】
終端開口部15の近傍には、手首手指緊締筒体13Bの終端部を折り返して厚手状に重畳した緊締縁部16を形成している。
緊締縁部16は、手首手指緊締筒体13Bを構成する他の箇所と異なり、厚手状に形成することで径方向への伸張力を他の箇所よりも低減し、所望の箇所で腕に係止できる効果を備えている。
これにより、伝染防御用手袋100Bの着用者は、緊締縁部16を二の腕に固定することができる。
【0032】
かかる構成により、二の腕から手指先端までを伝染防御用手袋100Bで覆い、病原菌と接触する肌の露出を低減して病原菌の感染リスクを可及的に低減できる。また、手首及び手指全体を銀素材で覆うことにより、手指に収まらない大きな物品を把持する際に手指から前腕部までを利用して物品を把持しても病原菌の感染リスクを低減できる効果を奏するともに、最も物品と接触する頻度が高い掌を当該手袋で覆うことでウイルスの感染リスクを低減できる。また、伝染防御用手袋100Bの係止箇所を手首手指緊締筒体13Bの先端部に位置する緊締縁部16としたことにより、手首手指保護体10Bが手先の方向に移動して手先から抜け出る虞がなく確実に手を覆った状態を維持できる。
【0033】
≪第三の実施例≫
この発明の第三の実施例を図面に基づき説明する。
図7は、有害菌の伝染防御用手袋100Cの第三の実施例を示す全体説明図である。第三の実施例では、有害菌の伝染防御用手袋100Aの手首手指保護体10Aの構成が第一の実施例とは異なる。その他の構成(手首緊締筒体13A)は、同一であるため説明を省略する。
【0034】
第三の実施例における手首手指保護体10Cは、
図7に示すように、基部開口端部11から先端開口端部12の中途部に分岐点17を備えている。手首手指保護体10Cは、分岐点17で2つの袋体に分割され、第1の指袋10Caと第2の指袋10Cbとを備えている。
【0035】
第1の指袋10Caは、5本の手指のうち、親指を挿入できる筒体に構成しており、
図8及び
図9に示すように、装着時に親指に沿うように装着できる。また、第1の指袋10Caは、その先端部を閉塞している。
第2の指袋10Cbは、5本の手指のうち、親指以外の4本の手指を挿入できる筒体に構成しており、装着時にはその内部で4本の手指が自由に動かせるように余裕を持たせた筒体に構成している。また、第2の指袋10Cbは、その先端部を開口して先端開口端部12´を形成している。
【0036】
かかる手首手指保護体10Cを第1の指袋10Ca及び第2の指袋10Cbの2つの袋体に分割形成した、いわゆるミトン形状とすることにより、病原菌からの伝染を防御しながらも物品を確実に把持できる構成としている。すなわち、手首手指保護体10Cは、親指を第1の指袋10Caに挿入して他の4本指から独立して動かすことができ、手首手指保護体10Cを装着していない状態と比較しても遜色なく物品を把持する指先の動きを実現できる。この構成により、伝染防御用手袋100Cは、ウイルスへの感染を防止しつつも、より多くの物品を確実に把持できる効果を奏する。
【0037】
また、伝染防御用手袋100Cは、第2の指袋10Cbの先端部を開口しているため、第2の指袋10Cbに収納した4本の手指を容易に露出できる効果がある。また、第2の指袋10Cbは、他の指と折り曲げる向きが異なる親指を収納していないため、4本の手指を露出させる際に親指が手首手指保護体10C内で引っ掛かる可能性を排除し、4本の手指を露出しやすい効果もある。
さらに、第2の指袋10Cbの先端部である先端開口端部12´は、人差し指から小指までの4本の手指の幅と略同程度の開口幅に構成している。これにより、
図9に示すように、4本の手指先端を露出した場合、人差し指の第2関節の側面および小指の第1関節の側面に縁部14が係止固定されて、手先の露出状態を維持することができる効果を奏する。
【0038】
かかる構成により、第三の実施例における伝染防御用手袋100Cは、手指が物品に接触することを防止して病原菌からの伝染を防御しながらも物品を確実に把持できる構成とするとともに、4本の手指への着脱を容易としつつ、4本指の露出状態を維持できる構成としている。
【0039】
本発明の使用事例を第一の実施例に記載の伝染防御用手袋100Aを例に
図10~
図12を参照しながら説明する。
【0040】
ドアのノブを操作する場合やエレベーターの押しボタンを操作する場合や電話のプッシュボタンを押す場合や電話の受話器を把持する場合や会計をするためにお金のやり取りをする場合などで操作対象物と接触する場合が生じたときに本実施例の有害菌の伝染防御用手袋100Aを使用する。
【0041】
まず着用者は有害菌の伝染防御用手袋100Aの基端部、すなわち手首緊締筒体13Aの終端開口部15から手指を挿入して手首まで収納する。
【0042】
手指は伝染防御用手袋100A内に収納して先端開口端部12から露出しない状態とする場合や一部飛び出た状態で直接に各種の手指操作を行う状態とする場合等がある。基本的には手指を伝染防御用手袋100A内に収納したまま伝染防御用手袋100Aを介在して各種の操作対象物に接触して操作を行う。
【0043】
この際に接触対象物によって操作の形態が種々あり、
図10~
図12に示すように、例えばドアノブの回転操作や電話のプッシュボタンの押圧やスイッチの押圧操作などのように各種の操作形態に対応した手指や手首の運動を行うものであり、かかる手指や手首の運動は伝染防御用手袋100A内で行われ、かかる運動に応じて伝染防御用手袋100Aは種々の形態に変形して必要な操作運動形態を実現し最終的に非接触型の物の的確操作が行われる。
【0044】
この際に、手首手指保護体10Aの先端周縁部に形成した折返しの厚手の仕切り縁部14は、手を手首手指保護体10Aに挿入して対象物に対して把持や回転や押圧等の種々の運動を行う際に手先が手首手指保護体10A内で仕切り縁部14に係止されて各種の運動が行い易くなる。
【0045】
また、必要により手指を直接に物に接触させて操作する必要がある場合は必要な手指部分だけを伝染防御用手袋100Aの先端開口端部12から突出して直接に接触して操作を行うが必要最小限度の突出状態として操作を行うことができる。
【0046】
本発明は上述した実施形態に限られず、上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更した構成、公知発明及び上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更した構成、等も含まれる。また、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
【符号の説明】
【0047】
1 副織り糸
2 主織り糸
10A、10B、10C 手首手指保護体
10Ca 第1の指袋
10Cb 第2の指袋
11 基部開口端部
12 先端開口端部
13A、13B 手首緊締筒体
14 仕切り縁部
15 終端開口部
16 緊締縁部
17 分岐点
100A、100B、100C 伝染防御用手袋