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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037831
(43)【公開日】2022-03-09
(54)【発明の名称】給油補助具
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/03 20060101AFI20220302BHJP
   B60K 15/063 20060101ALI20220302BHJP
   B62D 49/00 20060101ALI20220302BHJP
【FI】
B60K15/03 Z
B60K15/063 A
B62D49/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020142175
(22)【出願日】2020-08-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】520325762
【氏名又は名称】村松 藤雄
(74)【代理人】
【識別番号】100161355
【弁理士】
【氏名又は名称】野崎 俊剛
(72)【発明者】
【氏名】村松 藤雄
【テーマコード(参考)】
3D038
【Fターム(参考)】
3D038CA12
3D038CB06
3D038CD13
(57)【要約】
【課題】運転席の乗降用ステップの側方に給油口が設けられた農業機械車両において、給油の都度、簡単に着脱して使用できる簡易な給油補助具を提供すること。
【解決手段】給油補助具40は、運転席の乗降用ステップの側方に給油口が設けられ、且つ乗降用ステップに沿って車両中心側に離間したフレームが設けられた農業機械車両の給油に使用されるものである。給油補助具40は、給油タンクを載置可能な板状の載置板41と、載置板41に奥側に延びるように設けられ、載置板41を乗降用ステップの上面に設置したときにフレームの下部に当接する奥側延出部材42と、載置板41に下方に延びるように設けられ、載置板41を乗降用ステップの上面に設置したときに乗降用ステップに形成された貫通孔に挿通される移動止め部材と、備えている。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席の乗降用ステップの側方に給油口が設けられ、且つ前記乗降用ステップに沿って車両中心側に離間したフレームが設けられた農業機械車両の給油補助具であって、
横長さの少なくとも一部が前記乗降用ステップの横幅よりも短く形成され且つ縦長さが前記乗降用ステップの踏み面の長さよりも長く形成された板状の給油タンクを載置可能な載置板と、
前記載置板に奥側に延びるように設けられ、前記載置板を前記乗降用ステップの上面に設置したときに前記フレームの下部に当接する奥側延出部材と、
前記載置板に下方に延びるように設けられ、前記載置板を前記乗降用ステップの上面に設置したときに前記フレームと前記乗降用ステップの間に又は前記乗降用ステップに形成された貫通孔に挿通される移動止め部材と、備えていることを特徴とする給油補助具。
【請求項2】
請求項1記載の給油補助具であって、
前記奥側延出部材は、前記載置板の下面に所定の間隔で設けられた複数の棒状部材であることを特徴とする給油補助具。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の給油補助具であって、
前記奥側延出部材は、前記載置板の奥側部分から奥下りに形成されていることを特徴とする給油補助具。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項記載の給油補助具であって、
前記奥側延出部材には、所定の間隔で複数の凸部が形成されていることを特徴とする給油補助具。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項記載の給油補助具であって、
前記載置板の上面には、凸凹状の滑り止め部が形成されていることを特徴とする給油補助具。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項記載の給油補助具であって、
前記載置板は、車両中心側且つ前記給油口側に傾斜していることを特徴とする給油補助具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業機械車両の給油口の近傍に備えられ、給油タンクを載置可能な給油補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に農業機械車両では、軽油等の持ち運び可能な燃料を使用する車両が多いため、車両をガソリンスタンド等の給油スタンドに移動させずに、いわゆるポリタンクなどの可搬式の給油タンクを車両まで持ち運び給油する。作業者が燃料の入った給油タンクを手に持ったまま給油すると給油作業が重労働になるため、給油口の近くに給油タンクを載置できれば給油作業か軽減されて好ましい。このような、農業機械車両に給油する際に給油タンクを載置可能な給油補助具として特許文献1に開示された給油補助具が知られている。
【0003】
特許文献1の給油補助具は、作業者が乗車する操縦部の前方であって農業機械車両の給油口の近傍に設けられ、給油タンクを傾斜可能に載置するものである。
【0004】
具体的には、給油補助具(給油補助台)は、農業機械車両の機体側部に一体的に固定されたベースと、このベースに回動可能に設けられた回動部材と、この回動部材を機体外側に付勢するスプリングと、回動部材に設けられた滑り止めプレートと、を備えている。給油補助具は、給油タンクを水平姿勢で保持する水平保持姿勢と、給油タンクを傾斜姿勢で保持する傾斜保持姿勢とに姿勢を変えて使用する。
【0005】
ところで、トラクター等の農業機械車両には、予め給油補助具が備えられていない車両や、給油口の位置により予め固定された給油補助具が取り付け難い車両がある。
【0006】
特に、作業者が乗車する運転席にはしご状の乗降用ステップが設けられ、この乗降用ステップの側方に給油口が設けられた農業機械車両では、予め固定された給油補助具設け難いので、給油の都度、着脱して使用できる簡易な給油補助具があると便利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2012-56344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、運転席の乗降用ステップの側方に給油口が設けられた農業機械車両において、給油の都度、簡単に着脱して使用できる簡易な給油補助具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[1] 運転席の乗降用ステップの側方に給油口が設けられ、且つ前記乗降用ステップに沿って車両中心側に離間したフレームが設けられた農業機械車両の給油補助具であって、
横長さの少なくとも一部が前記乗降用ステップの横幅よりも短く形成され且つ縦長さが前記乗降用ステップの踏み面の長さよりも長く形成された板状の給油タンクを載置可能な載置板と、
前記載置板に奥側に延びるように設けられ、前記載置板を前記乗降用ステップの上面に設置したときに前記フレームの下部に当接する奥側延出部材と、
前記載置板に下方に延びるように設けられ、前記載置板を前記乗降用ステップの上面に設置したときに前記フレームと前記乗降用ステップの間に又は前記乗降用ステップに形成された貫通孔に挿通される移動止め部材と、備えていることを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、農業機械車両は、転席の乗降用ステップの側方に給油口が設けられ、且つ乗降用ステップに沿って車両中心側に離間したフレームが設けられている。給油補助具は、板状の給油タンクを載置可能な載置板と、載置板に奥側に延びるように設けられた奥側延出部材と、載置板に下方に延びるように設けられた移動止め部材と、備えている。載置板を乗降用ステップの上面に設置したときに、奥側延出部材がフレームの下部に当接し、移動止め部材がフレームと乗降用ステップの間に又は乗降用ステップに形成された貫通孔に挿通されるので、乗降用ステップの面積よりも大きく且つ給油タンクを手放しで載置できる面積の載置板を乗降用ステップの上に移動を制限して簡単に設置できる。このため、運転席の乗降用ステップの側方に給油口が設けられた農業機械車両において、給油の都度、簡単に着脱して使用できる簡易な給油補助具を提供することができる。
【0011】
[2]前記奥側延出部材は、前記載置板の下面に所定の間隔で設けられた複数の棒状部材であることを特徴とする。
【0012】
かかる構成によれば、奥側延出部材は、載置板の下面に複数の棒状部材を離間させて設けただけであるので、給油補助具を簡単な構成にすることができる。
【0013】
[3]前記奥側延出部材は、前記載置板の奥側部分から奥下りに形成されていることを特徴とする。
【0014】
かかる構成によれば、奥側延出部材が載置板の奥側部分から奥下りに(奥側にいくにつれて下がるように傾斜して)形成されているので、乗降用ステップと車体のフレームとの間に容易に差し込んで、フレームの下部に当接させることができる。このため、載置板を乗降用ステップの上面に容易に設置することができる。
【0015】
[4]前記奥側延出部材には、所定の間隔で複数の凸部が形成されていることを特徴とする。
【0016】
かかる構成によれば、所定の間隔で複数の凸部が形成されているので、凸部がフレームに引っ掛かり、奥側延出部材をフレームの下部に係止させることができる。このため、給油補助具を簡単に設置できる一方で、設置後に給油補助具が乗降用ステップから落ちないように係止強度を向上させることができる。
【0017】
[5]前記載置板の上面には、凸凹状の滑り止め部が形成されていることを特徴とする。
【0018】
かかる構成によれば、凸凹状の滑り止め部によって、載置板に載置した給油タンクが滑ることを防止できる。
【0019】
[6]前記載置板は、車両中心側且つ前記給油口側に傾斜している。
【0020】
かかる構成によれば、給油タンクの燃料が少なくなった状態でも、給油タンクの底部の角に少ない燃料を集め、そこに給油ポンプのブローパイプを配置することで、容易に給油タンクの全ての燃料を燃料タンクに給油することができる。
ことができる。
【発明の効果】
【0021】
運転席の乗降用ステップの側方に給油口が設けられた農業機械車両において、給油の都度、簡単に着脱して使用できる簡易な給油補助具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施例の給油補助具が設置される農業機械車両の一例の側面図である。
図2図1の農業機械車両における給油補助具が設置される部分の要部斜視図である。
図3】(a)は実施例の給油補助具の平面図である。(b)は(a)のb矢視図である。
図4図3の給油補助具の裏側の斜視図である。
図5】実施例の給油補助具を設置する作用図である。
図6】(a)は実施例の給油補助具を設置した状態の説明図である。(b)は実施例の給油補助具を使用した給油の説明図である。(c)は比較例の給油の説明図である。
図7】(a)は実施例に係る別態様の給油補助具の裏側の斜視図である。(b)は実施例に係る別態様の給油補助具の作用図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明を実施するための形態を添付図に基づいて以下に説明する。
【実施例0024】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。先ず、実施例の給油補助具40(図3参照)が設置される農業機械車両10について説明する。
図1図2に示すように、農業機械車両10は、トラクターであり、車体フレーム11と、この車体フレーム11の前部に設けられたエンジンルーム12と、このエンジンルーム12の後方に設けられた作業者が乗る運転席13と、エンジンルーム12の下方で車体フレーム11に設けられた前輪14と、運転席13の後方且つ下方で車体フレーム11に設けられた後輪15と、を備えている。
【0025】
また、農業機械車両10は、運転席13の前下部から下方に延びている側桁16と、この側桁16に設けられ作業者の運転席13に搭乗する際に足を置く乗降用ステップ17と、この乗降用ステップ17の奥の方で車体フレーム11に設けられ乗降用ステップ17に沿って車両中心側に離間したフレーム18と、このフレーム18の上に設けられ燃料を貯留する燃料タンク20と、を備えている。
【0026】
燃料タンク20は、フレーム18に設置され燃料が貯留されるタンク本体21と、このタンク本体21の前部から上方に延びるフィラー部22と、このフィラー部22上端に形成されると共に運転席13の乗降用ステップ17の側方に設けられた給油口23と、この給油口23を開閉する給油キャップ24と、を備えている。
【0027】
フレーム18と乗降用ステップ17の間には隙間Sが形成されている。また、乗降用ステップ17には、上下に貫通する貫通孔17aが所定の間隔を開けて横並びに複数形成されている。
【0028】
エンジンルーム12に搭載されるエンジンは、ディーゼルエンジンである。この場合、燃料は、軽油である。給油タンク30(図6参照)に軽油を入れて、燃料タンク20に給油することができる。なお、実施例では、ディーゼルエンジンとしたが、これに限定されず、ガソリンエンジン等の他の種類のエンジンでもよい。この場合、法規を遵守した上で、給油タンク50にエンジンの種類に適合する燃料を入れて手動用ポンプで給油してもよい。
【0029】
次に給油補助具40について説明する。
図3図4に示すように、給油補助具40は、略矩形状を呈し、横長さの少なくとも一部が乗降用ステップ17の横幅よりも短く形成され且つ縦長さが乗降用ステップ17の踏み面の縦の長さよりも長く形成された板状の載置板41と、この載置板41に奥側に延びるように設けられ、載置板41を乗降用ステップ17の上面に設置したときにフレーム18の下部に当接する奥側延出部材42と、載置板41に下方に延びるように設けられ、載置板41を乗降用ステップ17の上面に設置したときにフレーム18と乗降用ステップ17の間に又は乗降用ステップ17に形成された貫通孔17aに挿通される移動止め部材43と、備えている。給油補助具40は、金属製である。
【0030】
載置板41の上面には、凸凹状の滑り止め部41aが形成されている。載置板41には、給油タンク30が載置可能である。凸凹状の滑り止め部41aによって、載置板41に載置した給油タンク30が滑ることを防止できる。
【0031】
奥側延出部材42は、載置板41の下面に所定の間隔で設けられた複数の棒状部材である。なお、実施例では、棒状部材(奥側延出部材)42を2本設けたが、これに限定されず、3本、4本等でもよく、載置板41を乗降用ステップ17の上面に安定して配置できれば本数は問わない。
【0032】
また、奥側延出部材42は、載置板41の奥側部分から奥下りに(奥側にいくにつれて下がるように傾斜して)形成されている。また、奥側延出部材42には、所定の間隔で複数の環状の凸部42aが形成されている。なお、実施例では、奥側延出部材42に環状の凸部42aを形成したが、これに限定されず、奥側延出部材42がフレーム18(図5(d)参照)に引っ掛かるようにできれば、奥側延出部材42の上方にのみ突出する突起状の凸部42aとしてもよい。なお、実施例では、滑り止め部41a、凸部42aを設けたが、これらは無くても差し支えない。
【0033】
また、移動止め部材42には、所定の間隔で複数の環状の凸部43aが形成されている。これにより、移動止め部材42をフレーム18と乗降用ステップ17の間に又は乗降用ステップ17に形成された貫通孔17aから抜け難くすることができる。
【0034】
次に給油補助具40の作用について説明する。
図5の(a)に示すように、給油補助具40を乗降用ステップ17の近傍に移動させ、奥側延出部材42を乗降用ステップ17側に向ける。図5の(b)に示すように、給油補助具40を乗降用ステップ17の奥側に矢印(1)のように前進させる
【0035】
図5の(c)に示すように、奥側延出部材42を、乗降用ステップ17とフレーム18の間に入れ、フレーム18の下方まで移動させる。載置板41の手前側を矢印(2)のように下方に移動させ、移動止め部材43を乗降用ステップ17の貫通孔17aに挿通させる。図5の(d)に示すように、奥側延出部材42がフレーム18の下部に当接する。このとき奥側延出部材42の凸部42aがフレーム18の下部の縁に引っ掛かり、奥側延出部材42をフレーム18の下部に強固に係止させることができる。
【0036】
図6の(a)は実施例の給油補助具40を設置した状態であり、給油補助具40の上面の面積は、乗降用ステップ17の上面の面積よりも広く、給油タンク30を載せる十分な面積を有している。給油補助具40の上面に給油タンク30を設置して、燃料タンク20の給油キャップ24(図6の(b)参照)を外す。
【0037】
図6の(b)は実施例の給油補助具40を使用した給油の説明図であり、給油補助具40の上面に給油タンク30を載置する。給油タンク30の開口部31に自動給油ポンプ32のブローパイプ33を入れ、給油キャップ24が外された状態の燃料タンク20の給油口23にノズル34を入れる。この状態で自動給油ポンプ32のスイッチを入れて、給油する。これにより作業者は手放しで給油することができる。結果、実施例では給油作業が楽になる。
【0038】
次に比較例の給油について説明する。
図6の(c)は比較例の給油を説明する図であり、作業者50は農業機械車両(トラクター)10の燃料タンク20の近傍に、給油タンク30を持ち運ぶ。燃料タンク20の給油口23は、地面51から比較的高い位置にあるため、給油タンク30を地面51に置いて給油することが難しい。このため、作業者50は、給油タンク30を持った状態で、自動給油ポンプ32で給油する。このように、比較例の給油では、作業者にとって給油作業が重労働になる。
【0039】
なお、実施例では、給油補助具40の載置板41を略水平に設置したがこれに限定されず、奥側延出部材41の載置板41に対する各部の高さを変えて、載置板41を車両中心側且つ給油口23側に傾斜するように配置してもよい。各部の高さを変えるには、奥側延出部材42自体の各部の太さ又は厚みを変えてよく、さらには奥側延出部材42の各部に別途高さ調整部材を設けてもよい。これにより、給油タンク30(図6参照)の燃料が少なくなった状態でも、給油タンク30の底部の角に少ない燃料を集め、そこに自動給油ポンプ32のブローパイプ33を配置することで、容易に給油タンクの全ての燃料を燃料タンク20に給油することができる。なお、実施例では、自動給油ポンプ32としたが、手動給油ポンプであってもよい。
【0040】
次に別態様に係る給油補助具40について説明する。なお、図3図4と同様の構成については符号を振って説明を省略する。
【0041】
図7の(a)は実施例に係る別態様の給油補助具40の裏側の斜視図である。給油補助具40は、載置板41と、この載置板41に奥側に延びるように設けられ、載置板41を乗降用ステップ17(図2参照)の上面に設置したときにフレーム18(図2参照)の下部に当接する2本の棒状の奥側延出部材42と、載置板41に下方に延びるように設けられ、載置板41を乗降用ステップ17の上面に設置したときにフレーム18と乗降用ステップ17の間と、乗降用ステップ17の手前側に挿通される計4本移動止め部材43と、備えている。載置板41の手前側には、手で持つための持ち手用開口44が形成されている。
【0042】
(b)は実施例に係る別態様の給油補助具の作用図である。
実施例に係る別態様の給油補助具40を設置すると、移動止め部材43が乗降用ステップ17の奥側及び手前側に挿通され、給油補助具40を奥側及び手前側の両方に移動制限することができる。このため、給油タンク30を給油タンク30の上面により安定して載置することができる。また、持ち手用開口44に手を入れて持つことで、給油補助具40を容易に持ち運ぶことができる。さらに、持ち手用開口44は、例えば取っ手のような別部材を取り付ける訳ではなく、手を入れる部分を切断などの加工で形成することができるので、部品コスト及び加工コストを安価にすることができる。なお、実施例では、別態様の給油補助具40に持ち手用開口44を形成したが、これに限定されず、図4に示す給油補助具40に持ち手用開口44を形成してもよい。
【0043】
次に実施例の給油補助具40の効果について説明する。
農業機械車両10は、転席の乗降用ステップ17の側方に給油口23が設けられ、且つ乗降用ステップ17に沿って車両中心側に離間したフレーム18が設けられている。給油補助具40は、板状の給油タンク30を載置可能な載置板41と、載置板41に奥側に延びるように設けられた奥側延出部材42と、載置板41に下方に延びるように設けられた移動止め部材43と、備えている。載置板41を乗降用ステップ17の上面に設置したときに、奥側延出部材42がフレーム18の下部に当接し、移動止め部材43がフレーム18と乗降用ステップ17の間に又は乗降用ステップ17に形成された貫通孔17aに挿通されるので、乗降用ステップ17の面積よりも大きく且つ給油タンク30を手放しで載置できる面積の載置板41を乗降用ステップ17の上に移動を制限して簡単に設置できる。このため、運転席13の乗降用ステップ17の側方に給油口23が設けられた農業機械車両10において、給油の都度、簡単に着脱して使用できる簡易な給油補助具40を提供することができる。
【0044】
さらに、奥側延出部材42は、載置板41の下面に複数の棒状部材を離間させて設けただけであるので、給油補助具40を簡単な構成にすることができる。
【0045】
さらに、奥側延出部材42が載置板41の奥側部分から奥下りに(奥側にいくにつれて下がるように傾斜して)形成されているので、乗降用ステップ17と車体のフレーム18との間に容易に差し込んで、フレーム18の下部に当接させることができる。このため、載置板41を乗降用ステップ17の上面に容易に設置することができる。
【0046】
さらに、所定の間隔で複数の凸部42aが形成されているので、凸部42aがフレーム18に引っ掛かり、奥側延出部材42をフレーム18の下部に係止させることができる。このため、給油補助具40を簡単に設置できる一方で、設置後に給油補助具40が乗降用ステップ17から落ちないように係止強度を向上させることができる。
【0047】
尚、実施例では、奥側延出部材42を棒状部材としたが、これに限定されず、板状の部材を奥側に延ばした部材でもよい。また、実施例では、載置板41を矩形状としたが、これに限定されず、六角形、八角形、円形、奥行き方向に幅の異なる段差形状などにしてもよく、乗降用ステップ17に設置でき且つ給油タンク30を載置できれば、載置板41の形状は問わない。
【0048】
また、実施例では、農業機械車両10をトラクターとしたがこれに限定されず、いわゆるコンバインや田植え機などでもよく、運転席13の乗降用ステップ17の側方に給油口23が設けられ、且つ乗降用ステップ17に沿って車両中心側に離間したフレーム18が設けられた農業機械車両10であれば車両の種類は問わない。
【0049】
また、実施例では、フレーム18は燃料タンク20を設置するためのフレーム18としたが、これに限定されず、車体フレーム11やその他の部材を支持するフレームでもよく、乗降用ステップに沿って車両中心側に離間したフレーム18であれば、フレームの種類は問わない。
【0050】
また、実施例では、給油補助具40を金属製としたが、これに限定されず、合成樹脂製、木製などでもよく、給油タンク30を載置することができれば部材の種類は問わない。即ち、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の給油補助具は、トラクターへ給油する際の補助具に好適である。
【符号の説明】
【0052】
10… 農業機械車両(トラクター)
13… 運転席
17… 乗降用ステップ
17a…貫通孔
18… フレーム
20… 燃料タンク
23… 給油口
30… 給油タンク
32… 自動給油ポンプ(手動給油ポンプ)
40… 給油補助具
41… 載置板
41a…滑り止め部
42… 移動止め部材
42a…凸部
S … 隙間

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2020-12-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席の乗降用ステップの側方に給油口が設けられ、且つ前記乗降用ステップに沿って車両中心側に離間したフレームが設けられた農業機械車両の給油補助具であって、
横長さの少なくとも一部が前記乗降用ステップの横幅よりも短く形成され且つ縦長さが前記乗降用ステップの踏み面の長さよりも長く形成された板状の給油タンクを載置可能な載置板と、
前記載置板に奥側に延びるように設けられ、前記載置板を前記乗降用ステップの上面に設置したときに前記フレームの下部に当接する奥側延出部材と、
前記載置板に下方に延びるように設けられ、前記載置板を前記乗降用ステップの上面に設置したときに前記フレームと前記乗降用ステップの間に又は前記乗降用ステップに形成された貫通孔に挿通される移動止め部材と、備えていることを特徴とする給油補助具。
【請求項2】
請求項1記載の給油補助具であって、
前記奥側延出部材は、前記載置板の下面に所定の間隔で設けられた複数の棒状部材であることを特徴とする給油補助具。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の給油補助具であって、
前記奥側延出部材は、前記載置板の奥側部分から奥下りに形成されていることを特徴とする給油補助具。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項記載の給油補助具であって、
前記奥側延出部材には、所定の間隔で複数の凸部が形成されていることを特徴とする給油補助具。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項記載の給油補助具であって、
前記載置板の上面には、凸凹状の滑り止め部が形成されていることを特徴とする給油補助具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】削除
【補正の内容】