IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 清水 明の特許一覧

<>
  • 特開-偏肉調整型エアーリング。 図1
  • 特開-偏肉調整型エアーリング。 図2
  • 特開-偏肉調整型エアーリング。 図3
  • 特開-偏肉調整型エアーリング。 図4
  • 特開-偏肉調整型エアーリング。 図5
  • 特開-偏肉調整型エアーリング。 図6
  • 特開-偏肉調整型エアーリング。 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037840
(43)【公開日】2022-03-09
(54)【発明の名称】偏肉調整型エアーリング。
(51)【国際特許分類】
   B29C 55/28 20060101AFI20220302BHJP
【FI】
B29C55/28
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020152405
(22)【出願日】2020-08-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】504173194
【氏名又は名称】清水 明
(72)【発明者】
【氏名】清水 明
【テーマコード(参考)】
4F210
【Fターム(参考)】
4F210AG01
4F210AJ08
4F210AK02
4F210AR07
4F210AR12
4F210AR14
4F210QA01
4F210QC03
4F210QC07
4F210QG02
4F210QG18
4F210QK05
4F210QK24
4F210QK28
(57)【要約】
【課題】インフレーションフィルム製造装置において、冷却風の流れを乱すことなく、全周に亘って冷却風の風量を周方向について部分的に最適に調節することができ、且つ吹出し口を構成する部材を回動することなく吹出し口の開度を調節することができ、偏肉に優れた合成樹脂フィルムを成形することができる偏肉調整型エアーリングを提供する。
【解決手段】弾性膜リング、連結部材及び中間部材とで構成された複合リングが複数の移動手段に接続されている。段差がなく、且つ最大調節時の径方向の傾斜角度が75度以下の状態で冷却風流路の壁面の一部を環状弾性膜で構成する。環状弾性膜を複合リングで全周に亘って軸方向に変形させて冷却風流路の間隔を周方向について部分的に調節するようにするとともに、回り止め手段を設けた吹出し口部材を環状ナットに螺合し、環状ナットを回動して吹出し口部材を回動することなく軸方向に移動するようにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インフレーションフィルム製造装置のダイ上に設置され、軸方向に押し出される溶融状態の合成樹脂チューブの周囲へ冷却風を吹き付けて冷却及び固化させて合成樹脂フィルムを成形する際に、前記冷却風の吹出し口の開度を調節するとともに、前記冷却風の流路の壁面の一部を構成する環状弾性膜を周方向に複数配設される移動手段で軸方向に変形させて、前記流路の間隔を周方向について部分的に調節し、前記冷却風の風量を周方向について部分的に調節することで、前記合成樹脂フィルムの偏肉を調整する偏肉調整型エアーリングにおいて、
複数の連結部材と中間部材とを交互に円周状に並べた状態で弾性膜リングの平面部と一体化して複合リングを構成し、前記環状弾性膜に当接した状態で前記複合リングを配し、前記移動手段に前記連結部材部で接続された前記複合リングを介して前記環状弾性膜を周方向について部分的に変形させて、前記流路の間隔を周方向について部分的に調節して、前記冷却風の風量を周方向について部分的に調節するようにしたことを特徴とする偏肉調整型エアーリング。
【請求項2】
「請求項1」に記載の偏肉調整型エアーリングにおいて、
前記環状弾性膜を前記流路の壁面と段差のない状態で取り付けたことを特徴とする偏肉調整型エアーリング。
【請求項3】
「請求項1」に記載の偏肉調整型エアーリングにおいて、
前記移動手段を最大移動させた時に、前記環状弾性膜の径方向での斜面と前記流路の壁面とで形成される角度が75度以下であることを特徴とする偏肉調整型エアーリング。
【請求項4】
「請求項1」に記載の偏肉調整型エアーリングにおいて、
本体上の環状ブロックに遊嵌する回動自在の環状ナット及び該環状ナットに螺合するリング状部材を備え、前記本体の軸方向に形成された長溝に案内される回り止め手段を前記リング状部材に設け、前記環状ナットを回動することで前記リング状部材を回動することなく軸方向に移動するようにしたことを特徴とする偏肉調整型エアーリング。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂フィルムを成形するインフレーションフィルム製造装置のダイ上に設置され、押し出される溶融状態の合成樹脂チューブの周囲へ冷却風を吹き付けて冷却及び固化させて合成樹脂フィルムを成形する際に、冷却風の風量を周方向について部分的に調節して合成樹脂フィルムの偏肉(厚みバラツキ)を調整する偏肉調整型エアーリングに関する。
【背景技術】
【0002】
インフレーションフィルム製造装置において、ダイから押し出される溶融状態の合成樹脂チューブを偏肉調整型エアーリングにより冷却及び固化させて合成樹脂フィルムを成形する際に、成形する合成樹脂チューブに適合するように冷却風の吹出し口の開度を調節するとともに、冷却風の風量を周方向について部分的に調節する偏肉調整型エアーリングで合成樹脂フィルムの偏肉を調整することは、既に従来から行われている。
【0003】
この種の偏肉調整型エアーリングの例として、例えば「特許文献1」に記載がある。円盤状流路(冷却風の流路)の外壁(壁面)の一部を環状弾性材(環状弾性膜)で構成するとともに、移動手段としての複数のボルト(移動手段)を円周状に配設し、該ボルトで環状弾性材を変形させて流路を拡縮調節している例が示されている。
【0004】
又、冷却リング(本体)に螺着した上リップ取付金物(リング状部材)に固着した上リップ(リング状部材)に対向する下リップを設けて開口部分を構成していて、上リップ取付金物の冷却リングへの螺込量を加減することでリップ間隔(吹出し口の開度)を調整(調節)している例が示されている。
【0005】
他に、「特許文献2」に記載がある。公報の第1の実施形態における「図2」では、冷却風の流路内に環状の弾性部材を備えていて、周方向に配設される複数の移動部(移動手段)で環状の弾性部材を合成樹脂チューブの長手方向(軸方向)に移動させ、冷却風の流路の空間を周方向について部分的に調節している例が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実公昭58-028823号公報
【特許文献2】特開2017-104983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、「特許文献1」の例の偏肉調整型エアーリングにあっては、公報第4段目の上から5行目乃至7行目に「押えプレートにより、環状弾性材を強固に固定しているため、かかる懸念はなく、局部的な変形のみとなる」とあるように、ボルト調節時には図7に示すように、ボルト(30)の球面押座(29)に支持される部分の環状弾性材(22)はボルトの調節位置に応じて変形するが、球面押座の支持の無い中間部分の環状弾性材は変形しないか、しても、小さなものとなる。
【0008】
従って、球面押座の支持の無い中間部分の環状弾性材は合成樹脂フィルムの偏肉に対応した所要の調節ができないので、周方向で部分的に所要の偏肉の調整が出来ない箇所が発生するという問題点があった。
【0009】
又、偏肉調整型エアーリングでは厚み計等との連動により偏肉調整を自動化することが多く行われる。この場合には、移動手段を手動ボルトではなくエアーシリンダーやモーター等に変更して、外部の機器等との間をホースや配線等で接続する必要がある。リップ間隔を調整する為に螺着部で上リップ取付金物を回動する時は、外部の機器等に接続されているホースや配線等を移動手段から取り外す必要があり非常に煩わしい作業になるという問題点があった。
【0010】
「特許文献2」の例における、環状の弾性部材を長手方向に移動させる偏肉調整型エアーリングにあっては、移動箇所の環状の弾性部材の外径部及び内径部は冷却風流路の壁面から垂直状に突き出した段差状となり、その箇所を径方向に流れる冷却風は環状の弾性部材の前後で渦巻流が発生して乱流状態となって、周方向における冷却風量を所要の調節ができないという問題点があった。
【0011】
そこで、本発明は、偏肉調整型エアーリングの上記問題に鑑み、冷却風が乱流等を起すことなく、全周に亘って冷却風の風量を周方向について部分的に所要の調節をすることができ、偏肉に優れた合成樹脂フィルムを安定的に成形することができる偏肉調整型エアーリングを提供することを課題とする。
【0012】
更に、冷却風の吹出し口を構成する部材を回動することなく軸方向に移動させて、吹き出し口の開度を調節することができる偏肉調整型エアーリングを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決する本発明の第1の偏肉調整型エアーリングは、インフレーションフィルム製造装置のダイ上に設置され、軸方向に押し出される溶融状態の合成樹脂チューブの周囲へ冷却風を吹き付けて冷却及び固化させて合成樹脂フィルムを成形する際に、前記冷却風の吹出し口の開度を調節するとともに、前記冷却風の流路の壁面の一部を構成する環状弾性膜を周方向に複数配設される移動手段で軸方向に変形させて、前記流路の間隔を周方向について部分的に調節し、前記冷却風の風量を周方向について部分的に調節することで、前記合成樹脂フィルムの偏肉を調整する偏肉調整型エアーリングにおいて、複数の連結部材と中間部材とを交互に円周状に並べた状態で弾性膜リングの平面部と一体化して複合リングを構成し、前記環状弾性膜に当接した状態で前記複合リングを配し、前記移動手段に前記連結部材部で接続された前記複合リングを介して前記環状弾性膜を周方向について部分的に変形させて、前記流路の間隔を周方向について部分的に調節して、前記冷却風の風量を周方向について部分的に調節するようにしたことを特徴とするものである。
【0014】
本発明の第2の偏肉調整型エアーリングは、上記の本発明の第1の偏肉調整型エアーリングにおいて、前記環状弾性膜を前記流路の壁面と段差のない状態で取り付けたことを特徴とするものである。
【0015】
本発明の第3の偏肉調整型エアーリングは、上記の本発明の第1の偏肉調整型エアーリングにおいて、前記移動手段を最大移動させた時に、前記環状弾性膜の径方向での斜面と前記流路の壁面とで形成される角度が75度以下であることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の第4の偏肉調整型エアーリングは、上記の本発明の第1の偏肉調整型エアーリングにおいて、本体上の環状ブロックに遊嵌する回動自在の環状ナット及び該環状ナットに螺合するリング状部材を備え、前記本体の軸方向に形成された長溝に案内される回り止め手段を前記リング状部材に設け、前記環状ナットを回動することで前記リング状部材を回動することなく軸方向に移動するようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1乃至第3の偏肉調整型エアーリングは、環状弾性膜部を径方向に流れる冷却風が乱流等を起すことなく、全周に亘って冷却風の風量を周方向について部分的に所要の調節をすることができ、偏肉に優れた合成樹脂フィルムを安定的に成形することができる。
【0018】
更に、本発明の第4の偏肉調整型エアーリングは、冷却風の吹出し口を構成する部材を回動することなく軸方向に移動させることができ、移動手段のエアーシリンダーやモーター等のホースや配線等を外す煩わしい作業がなく、吹出し口の開度を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施の形態を示す偏肉調整型エアーリングの径方向断面図である。
図2】同じく図1のA-A断面図である。
図3】同じく図1のB部拡大図である。
図4】同じく図2のC-C展開断面図である。
図5】本発明の第2の実施の形態を示す図1のD部拡大図である。
図6】同じく図1のE部拡大図である。
図7】従来の偏肉調整型エアーリングの調節部の図面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る偏肉調整型エアーリングの実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。
【0021】
図1から図4は本発明の第1の実施の形態を示し、図1に示すように、インフレーションフィルム製造装置では、偏肉調整型エアーリング3がダイ1と同心となるようにダイ1上に適宜の手段で固設されている。ダイ1より押し出され内部に所定圧の空気が封入されている溶融状態の合成樹脂チューブ2は、軸方向F及び周方向の両方向に薄く引き伸ばされながら、開度を調節された吹出し口10から吹き出される冷却風6で冷却され、固化した合成樹脂フィルムとして図示しないピンチロールで引き取られる。
【0022】
図1及び図2に示すように、偏肉調整型エアーリング3は、環状の本体4外周近傍部に整流板26により冷却風6の溜り室29が画成され、該溜り室29部には周方向等間隔で複数のホース口5が開口形成されている。本体4及び同心状のリング状部材7とで形成される冷却風6の流路8及び内周部の環状の吹出し口10が溜り室29に連なっている。
【0023】
図3に示すように、第1環状溝9a、第2環状溝9b及び第3環状溝9cがリング状部材7に同心状に形成されている。更に、環状弾性膜11の厚みと同じ深さに掘り込んだ第4環状溝9d及び第5環状溝9eがリング状部材7に形成されている。第1押さえリング12及び第2押さえリング13を用いて、リング状部材7の壁面の一部を構成する環状弾性膜11がリング状部材7の壁面と段差のない平面状態で取り付けられている。
【0024】
図2及び図4に示すように、所定の隙間をもって交互に円周状に並べられた複数の連結部材15と中間部材16とが接着剤等により弾性膜リング14の平面部と一体化された状態で環状の複合リング17が構成されている。該複合リング17は環状弾性膜11の冷却風6の流路8と反対側面に当接し、環状弾性膜11を支持した状態で備えられている。
【0025】
図3及び図4に示すように、移動手段としての複数のエアーシリンダー18がリング状部材7上に円周状に備えられ、エアーシリンダー18のロッド部にロッドの動きに対向するようにコイルスプリング19が取り付けられていて、更に、ロッド部には複合リング17を構成する連結部材15が接続されている。従って、環状弾性膜11は複合リング17を介してエアーシリンダー18に支持されている。
【0026】
図3に示すように、エアーシリンダー18が最大移動したときの、環状弾性膜11の斜面とリング状部材7の壁面とで形成される外径側及び内径側の径方向の角度Gが75度以下となるような構成となっている。
【0027】
このような偏肉調整型エアーリング3では、図示しないブロワーからホース口5に供給された冷却風6は、溜り室29及び整流板26等で整流され中心に向かう径方向の流れとなり、流路8を通り開度を調節された吹出し口10から吹き出して溶融状態の合成樹脂チューブ2を冷却及び固化させて合成樹脂フィルムを成形する。
【0028】
ここで、溶融状態の合成樹脂チューブ2の固化した部分は引き伸ばされなくなるのでそれ以上薄くならないが、溶融状態の合成樹脂チューブ2の固化していない部分は固化するまで周方向に引き伸ばされて薄くなる。
【0029】
そこで、溶融状態の合成樹脂チューブ2の偏肉の厚い部分に対応するエアーシリンダー18に供給する圧縮空気の圧力を高くすると、エアーシリンダー18は圧縮空気による推力とコイルスプリング19の圧縮力とが釣り合う位置までロッドが移動する。
【0030】
この時、隣接するエアーシリンダー18に接続する連結部材15間の距離Lは、エアーシリンダー18の移動量の差に応じた距離Lとなり一定ではないが、複合リング17を構成する連結部材15と中間部材16との隙間部分の弾性膜リング14が伸縮及び屈折し、各エアーシリンダー18夫々の独立した所要の移動を許容するとともに、複合リング17は各エアーシリンダー18の移動量に追従した軸方向の変形をする。
【0031】
複合リング17に支持される環状弾性膜11は複合リング17と同様に周方向の全ての箇所において各エアーシリンダー18の移動量に追従した軸方向の変形となる。即ち、隣接する連結部材15間の部分の環状弾性膜11は複合リング17の中間部材16に支持され、その他の箇所の環状弾性膜11は複合リング17の連結部材15に支持される。従って、環状弾性膜11は周方向の全ての箇所において各エアーシリンダー18の移動量に追従した軸方向の変形となる。
【0032】
冷却風の流路8の周方向で間隔が狭くなった部分を流れる冷却風6の量が少なくなり、溶融状態の合成樹脂チューブ2のその部分の固化が遅くなって、その部分の合成樹脂チューブ2は薄くなり、成形される合成樹脂フィルムの偏肉が調整される。
【0033】
このように、複合リング17は支持する環状弾性膜11を全周に亘って周方向の全ての箇所において確実に所要の変形をさせることができ、且つ環状弾性膜11とリング状部材7の壁面とは段差がなく、更に、エアーシリンダー18が最大移動したときの、環状弾性膜11の斜面とリング状部材7の壁面とで形成される径方向の角度Gが75度以下になるようになっているので、渦巻流や乱流等が発生することなく冷却風6の量を全周に亘って周方向について部分的に確実に調節出来る。
【0034】
尚、環状弾性膜11は余り硬いと変形させ難いので硬度70°(JIS-A)以下で厚み1mm以下のゴムが望ましい。
又、弾性膜リング14は複合リング17としての柔軟性及び環状弾性膜11を支持する所要の強度が必要なので、硬度80°以下で厚み2mm以下のゴムが望ましい。
【0035】
本実施形態によれば、全周に亘って周方向全ての箇所において、合成樹脂フィルムの偏肉に応じて環状弾性膜11を確実に所要の軸方向の変形とすることができ、渦巻流や乱流等を起すことなく冷却風6の風量を周方向について確実に調節でき、正確に偏肉を調整し偏肉に優れた合成樹脂フィルムとすることができる。
【0036】
図5及び図6は第2の実施の形態を示し、図5に示すように、本体4上に配された環状ブロック22に環状ナット23が回動自在状態で遊嵌している。環状ナット23に取手27が取り付けられていて、環状ナット23とリング状部材7とはネジ山31部で螺合している。本体4の軸方向に形成された長溝24内を自在に移動することができる回り止め手段としてのピン25がリング状部材7に取り付けられている。
【0037】
図6に示すように、環状ブロック22及び本体4に複数の軸方向の長穴30が形成されていて、リング状部材7には複数の貫通穴28が形成されている。本体に取り付けられた中継箱21とエアーシリンダー18とを連結するホース20が長穴30及び貫通穴28内を挿通している。
【0038】
このような構成により、取手27を操作して円形ナット23を回動すると、ピン25が長溝24に案内されるリング状部材7は回動することなく軸方向に移動して、リング状部材7の内周部に形成されている吹出し口10を所要の開度に調節することができる。その際に、ホース20は貫通穴28及び長穴30内を軸方向に移動するので、取手27による環状ナット23の操作及びリング状部材7の軸方向の移動を妨げることはない。
【0039】
本実施形態によれば、リング状部材7を回動することなく吹出し口9の開度調節ができるので、吹出し口9の開度調節時にエアーシリンダー18に接続されているホース20を取り外すような煩わしい作業の必要がない。
【0040】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0041】
1 ダイ
2 合成樹脂チューブ
3 偏肉調整型エアーリング
4 本体
5 ホース口
6 冷却風
7 リング状部材
8 流路
9a 第1環状溝
9b 第2環状溝
9c 第3環状溝
9d 第4環状溝
9e 第5環状溝
10 吹出し口
11 環状弾性膜
12 第1押さえリング
13 第2押さえリング
14 弾性膜リング
15 連結部材
16 中間部材
17 複合リング
18 エアーシリンダー
19 コイルスプリング
20 ホース
21 中継箱
22 環状ブロック
23 環状ナット
24 長溝
25 ピン
26 整流板
27 取手
28 貫通穴
29 溜り室
30 長穴
31 ネジ山
F 軸方向
G 傾斜角度
L 距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7