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特開2022-37860新エネルギー自動車の動力システム及び新エネルギー自動車
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  • 特開-新エネルギー自動車の動力システム及び新エネルギー自動車 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037860
(43)【公開日】2022-03-09
(54)【発明の名称】新エネルギー自動車の動力システム及び新エネルギー自動車
(51)【国際特許分類】
   B60K 17/28 20060101AFI20220302BHJP
   B60K 25/06 20060101ALI20220302BHJP
   B60K 1/00 20060101ALI20220302BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20220302BHJP
【FI】
B60K17/28 Z
B60K25/06
B60K1/00
B60L15/20 K
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021016522
(22)【出願日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】202010863269.8
(32)【優先日】2020-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】511268454
【氏名又は名称】ジン-ジン エレクトリック テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(72)【発明者】
【氏名】邵 奎柱
【テーマコード(参考)】
3D037
3D043
3D235
5H125
【Fターム(参考)】
3D037CA03
3D037CA04
3D037CB07
3D037CB09
3D037CB12
3D037CB13
3D037CB14
3D037CB35
3D037CB37
3D037CB39
3D043AB01
3D043BA01
3D043BC13
3D043BE03
3D235BB19
3D235BB20
3D235BB26
3D235CC12
3D235FF32
3D235FF33
3D235FF34
3D235FF43
3D235HH02
5H125AA01
5H125BA00
5H125BE05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】新エネルギー自動車およびその動力システムを提供する。
【解決手段】新エネルギー自動車の動力システムは、駆動モータを1つだけ含み、1つの動力結合装置1、出力装置を更に含む。出力装置は、主出力装置及びいくつかの補助出力装置を含み、動力結合装置は、駆動モータと出力装置との間に設けられ、動力伝達及び継断制御を実現する。主出力装置は、新エネルギー自動車の走行に動力を提供する。各補助出力装置は、新エネルギー自動車の補助駆動システムに動力を提供する。単一のモータにより、新エネルギー自動車の多様な出力を実現し、結合集積技術を使用することで、動力源を削減し、占用スペースを節約し、自動車の重量及び製造コストを低減する。駆動モータの低速領域の負荷率を向上させて駆動効率が改善する。制御ロジックを効果的に簡素化し、制御システムの安全性を向上させ、制御モードの多様化を実現する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
新エネルギー自動車の動力システムであって、
駆動モータを1つだけ含み、前記動力システムには、動力結合装置、出力装置が更に含まれており、前記出力装置は、主出力装置及びいくつかの補助出力装置を含み、
前記動力結合装置は、前記駆動モータと前記出力装置との間に設けられ、前記駆動モータと前記出力装置との動力伝達及び継断制御を実現するためのものであり、
前記主出力装置は、新エネルギー自動車の走行に動力を提供するためのものであり、
各前記補助出力装置は、前記新エネルギー自動車の補助駆動システムに動力を提供するためのものである
ことを特徴とする動力システム。
【請求項2】
前記動力結合装置は、前記駆動モータの出力軸に設けられた第一の伝達部材、伝達機構、前記主出力装置に設けられた第二の伝達部材、及び、前記補助出力装置に設けられた第三の伝達部材を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の動力システム。
【請求項3】
前記第一の伝達部材、第二の伝達部材及び第三の伝達部材は、ギア、プーリ、スプロケット、ウォームギア又はねじロッドのいずれか1つであり、前記伝達機構は、ギアペア、コンベヤベルト、チェーン又はねじ対偶のいずれか1つである
ことを特徴とする請求項2に記載の動力システム。
【請求項4】
前記駆動モータの出力軸は、前記主出力装置の入力軸と同軸に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の動力システム。
【請求項5】
前記主出力装置は、フランジプレート、スプライン又はギアボックスを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の動力システム。
【請求項6】
前記主出力装置の入力軸には、動力伝達の継断コントローラが必要に応じて設けられている
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の動力システム。
【請求項7】
前記補助出力装置の入力軸には、動力伝達の継断コントローラが必要に応じて設けられている
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の動力システム。
【請求項8】
前記補助出力装置と前記駆動モータとは、前記動力結合装置に対して同じ側又は異なる側に位置する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の動力システム。
【請求項9】
前記補助駆動システムは、エアポンプ、ステアリングオイルポンプ、潤滑油ポンプ、パワーパーキング又はパワーテイクオフのいずれか1つ又は複数である
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の動力システム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の動力システムを含む
ことを特徴とする新エネルギー自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新エネルギー自動車の技術分野に関し、特に、新エネルギー自動車の動力システム及び新エネルギー自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の新エネルギー自動車の駆動モータは、車両の駆動にのみ使用される。他の動力需要を満たすために、新エネルギー自動車内には、エアポンプ、ステアリングオイルポンプ及びパワーテイクオフ等の装置を駆動するための複数の補助モータを含む複数の補助駆動システムが更に設けられている。そのため、従来の新エネルギー自動車には、複数の動力源が搭載されており、占用スペースが大きく、設備コスト及び製造コストが高い。
【発明の概要】
【0003】
上記課題について、本発明は、上記問題を解消するか、若しくは上記問題を少なくとも部分的に解決するための新エネルギー自動車の動力システム及び新エネルギー自動車を開示する。
【0004】
上記目的を達成するために、本発明には、以下の技術案が用いられている。
【0005】
本発明の一態様には、新エネルギー自動車の動力システムが開示されており、前記動力システムは、駆動モータを1つだけ含み、前記動力システムには、動力結合装置、出力装置が更に含まれており、前記出力装置は、主出力装置及びいくつかの補助出力装置を含み、
前記動力結合装置は、前記駆動モータと前記出力装置との間に設けられ、前記駆動モータと前記出力装置との動力伝達及び継断制御を実現するためのものであり、
前記主出力装置は、新エネルギー自動車の走行に動力を提供するためのものであり、
各前記補助出力装置は、前記新エネルギー自動車の補助駆動システムに動力を提供するためのものである。
【0006】
また、前記動力結合装置は、前記駆動モータの出力軸に設けられた第一の伝達部材、伝達機構、前記主出力装置に設けられた第二の伝達部材、及び、前記補助出力装置に設けられた第三の伝達部材を含んでもよい。
【0007】
また、前記第一の伝達部材、第二の伝達部材及び第三の伝達部材は、ギア、プーリ、スプロケット、ウォームギア又はねじロッドのいずれか1つであり、前記伝達機構は、ギアペア、コンベヤベルト、チェーン又はねじ対偶のいずれか1つであってもよい。
【0008】
また、前記駆動モータの出力軸は、前記主出力装置の入力軸と同軸に設けられていてもよい。
【0009】
また、前記主出力装置は、フランジプレート、スプライン又はギアボックスを含んでもよい。
【0010】
また、前記主出力装置の入力軸には、動力伝達の継断コントローラが必要に応じて設けられていてもよい。
【0011】
また、前記補助出力装置の入力軸には、動力伝達の継断コントローラが必要に応じて設けられていてもよい。
【0012】
また、前記補助出力装置と前記駆動モータとは、前記動力結合装置に対して同じ側又は異なる側に位置してもよい。
【0013】
また、前記補助駆動システムは、エアポンプ、ステアリングオイルポンプ、潤滑油ポンプ、パワーパーキング又はパワーテイクオフのいずれか1つ又は複数であってもよい。
【0014】
本発明の別の態様には、上記のいずれか一項に記載の動力システムを含む新エネルギー自動車が更に提供されている。
【0015】
本発明の利点及び有益な効果は、次の通りである。
【0016】
上記技術案は、単一のモータにより、新エネルギー自動車の多様な出力を実現しており、結合集積技術を使用することで、動力源を削減し、占用スペースを節約し、自動車の重量及び製造コストを低減しており、また、駆動モータの低速領域の負荷率を向上させることができるため、駆動効率を改善している。
【0017】
更に、クラッチを使用して主出力装置及び補助出力装置を制御することにより、補助駆動システムの制御モードをインバーターなどのモータ制御方式からクラッチなどの伝達方式制御に変更することで、制御ロジックを効果的に簡素化し、制御システムの安全性を向上させ、制御モードの多様化を実現することができるとともに、クラッチを組み合わせて制御することで、専用車両の特別な要求を満たすこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読むことにより、様々な他の利点及びメリットが当業者にとって明らかになる。図面は、好ましい実施形態を例示するためのものだけであり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。また、図面全体において、同じ部品には同じ参照符号が付されている。図面において、
図1図1は、本発明の1つの実施例による新エネルギー自動車の動力システムの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の目的、技術案及び利点が更に明白になるように、以下、本発明具体的な実施例及び対応する図面と併せて、本発明の技術案を明確かつ完全に説明する。明らかなことに、記載される実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明に記載の実施例に基づいて、当業者にとって進歩性のある労働を伴うことなくなし得る他の実施例は、全て本発明の保護範囲内に含まれる。
【0020】
本発明の1つの実施例によれば、新エネルギー自動車の動力システムが開示されている。当該動力システムは、駆動モータを1つだけ含み、当該駆動モータは、同時に自動車の走行用の減速機及び他の補助駆動システムの動力源として使用可能であり、そして、動力結合装置を介して他の動力システムの部品と接続され得る。
【0021】
そのうち、前記動力システムには、動力結合装置、出力装置が更に含まれており、出力装置は、主出力装置及びいくつかの補助出力装置を含む。動力結合装置は、駆動モータと出力装置との間に設けられ、前記駆動モータと前記出力装置との動力継断制御を実現するためのものである。
【0022】
主出力装置は、フランジプレート、スプライン又はギアボックス等を含み、更に車両減速機の入力軸を含むこともでき、主出力装置は、伝達機構又はカップリングを介して駆動モータの出力軸に接続されることにより、新エネルギー自動車の走行に動力を提供する。
【0023】
各補助出力装置は、新エネルギー自動車の補助駆動システムに動力を提供するためのものであり、同様にフランジプレート、スプライン又は伝達軸等の伝達接続部品であってもよく、そのうちの補助駆動システムは、エアポンプ、ステアリングオイルポンプ、潤滑油ポンプ、パワーパーキング又はパワーテイクオフを含む。もちろん、補助駆動システムは、これらに限定されず、車両の多様なニーズに応じて、回転運動によって駆動可能又は回転運動から変換して駆動を実現可能な補助駆動システムは、全て当該実施例の保護範囲に含まれ得る。
【0024】
各出力装置への継断制御を実現するために、前記出力装置に、動力伝達の継断コントローラを設けていることが好ましい。必要に応じて駆動モータと出力装置との動力出力を連通させるために、当該継断コントローラは、クラッチであることが好ましい。もちろん、クラッチを省略したり、別の部品によって動力の出力制御を実現してもよい。例えば、主出力装置がギアボックスの場合、クラッチの配置可否を選択自在にすることが可能であり、クラッチを配置しないとする時に、ギアボックスのニュートラルが動力伝達コントローラとして活用することになる。
【0025】
出力装置及び駆動モータの設置位置について、それらの位置関係を具体的に指定する必要がなく、必要に応じて柔軟にレイアウトすることができ、例えば、動力結合装置に対して、出力装置は、駆動モータに隣接する同じ側に設けられてもよく、動力結合装置の別の側に設けられてもよい。
【0026】
1つの実施例において、動力結合装置は、前記駆動モータの出力軸に設けられた第一の伝達部材、伝達機構、前記主出力装置に設けられた第二の伝達部材、及び、前記補助出力装置に設けられた第三の伝達部材を含み、こうすれば、これらの部品を動力結合装置によって集積させ、駆動モータの多様な出力を実現することにより、駆動モータの動力は、前記伝達部材及び伝達機構を介して補助駆動システムに出力される。
【0027】
そのうちの第一の伝達部材、第二の伝達部材及び第三の伝達部材は、ギア、プーリ、スプロケット、ウォームギア又はねじロッドのいずれか1つであり、各伝達部材の選択については、動力伝達の実際の状況に適合して、それらが協働して伝達結合を遂行できるようにしなければならない。それに応じて、伝達機構は、ギアペア、コンベヤベルト、チェーン、ねじ対偶などであってもよく、ギアペア、コンベヤベルト、チェーン及びねじ対偶の数は、必要に応じて設定可能である。そのうち、駆動モータの出力軸には、各補助出力装置の動力伝達を個別に実現するために、様々な伝達部材を設けていてもよい。また、前記伝達機構に加えて、動力伝達を実現できる他の手段も当該実施例の保護範囲内に含まれる。
【0028】
また、駆動モータの出力軸は、主出力装置の入力軸と同軸に設けられていてもよく、こうすれば、主動力の伝達効率が向上し、構造レイアウトも容易になる。
【0029】
図1には、1つの好ましい実施例による動力システムの構造図が示されている。当該実施例による動力システムは、動力結合装置1を含み、駆動モータには、第一の伝達部材としてギアが設けられており、第二の伝達部材及び第三の伝達部材も、ギアである。前記各伝達部材によって、第一のギアペア2及び第二のギアペア3との少なくとも2つのギアペアが形成されるため、ギア伝達機構が構成され、また、各ギアペアの速度比は、必要に応じて個別に設定可能である。そして、図1に示す3つの出力装置の入力軸には、主出力装置及び各補助出力装置の動力継断を個別に制御するための第一のクラッチ4、第二のクラッチ5及び第三のクラッチ6がそれぞれ設けられている。
【0030】
第一のクラッチ4は、主に、停車状態での補助駆動システムの動力出力要求を解決し、第二のクラッチ5、第三のクラッチ6は、主に、補助駆動システムの負荷遮断を解決する。車両補助駆動システムがエネルギーを必要としない場合、エネルギーを適時に遮断し、動力システムの効率を向上させると同時に、安全上の問題が発生したときに動力出力を適時に遮断することもできる。
【0031】
第二のクラッチ5及び/又は第三のクラッチ6の利用可否は、駆動される補助駆動システムの特徴によって決定可能であり、補助駆動システムを駆動モータの作動と一致させる必要がある場合、ここのクラッチは省略可能である。もちろん、他の制御方式を使用して継断制御を実現してもよい。
【0032】
本発明のもう1つの実施例において、新エネルギー自動車が更に提供されており、当該新エネルギー自動車は、上記実施例における動力システムを含む。ここでは繰り返して説明しない。
【0033】
上記内容は、あくまでも本発明の実施形態であり、本発明の保護範囲を限定するものではない。本発明の精神及び原則内になされたいかなる補正、均等的置換、改善、拡張等、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0034】
1、動力結合装置 2、第一のギアペア 3、第二のギアペア 4、第一のクラッチ 5、第二のクラッチ 6、第三のクラッチ
図1