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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037879
(43)【公開日】2022-03-09
(54)【発明の名称】買物用バッグ
(51)【国際特許分類】
   A45C 3/04 20060101AFI20220302BHJP
【FI】
A45C3/04 A
A45C3/04 C
A45C3/04 B
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086681
(22)【出願日】2021-05-24
【基礎とした実用新案登録】
【原出願日】2020-08-25
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】398016669
【氏名又は名称】株式会社宝島社
(74)【代理人】
【識別番号】100080090
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 邦男
(72)【発明者】
【氏名】根本 江利子
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA53
3B045CB05
3B045CD02
3B045CD03
3B045CE01
3B045CE07
3B045DA41
3B045EA02
3B045EB10
3B045FA01
3B045GA01
3B045GB01
3B045GC01
3B045GD01
(57)【要約】
【目的】スーパーマーケット等の食品売り場等の店舗用カゴに収納でき、環境保護に寄与できる買物用バッグを提供すること。
【構成】長手方向の第1側面部13,第2側面部14と幅方向の第1マチ部11,第2マチ部12及び底面部2とからなり方形状開口となり且つ店舗用カゴCに収容可能とした収納部Aと、第1側面部13及び第2側面部14に対して外方に折り返し自在とした第1覆い部33と第2覆い部34と、第1マチ部11と第2マチ部12に対して外方に折返し自在とした第1マチ覆い部31と第2マチ覆い部32とを有する覆いカバーBとを備えること。第1マチ覆い部31、第1覆い部33、第2覆い部34、第2マチ覆い部32に亘ってファスナ4が設けられる。第1マチ覆い部31と第2マチ覆い部32の少なくとも何れか一方は、幅方向中間箇所で非連続となる端縁が形成され、両端縁が所定間隔をおいて離間して構成されるスリット部Sが設けられる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向を構成する第1側面部,第2側面部と幅方向を構成する第1マチ部,第2マチ部及び底面部とからなり上端が方形状開口となり且つ標準の店舗用カゴに適正に収容可能とした収納部と、前記第1側面部及び前記第2側面部に対して外方に折り返し自在とした第1覆い部と第2覆い部と、前記第1マチ部と前記第2マチ部に対して外方に折返し自在とした第1マチ覆い部と第2マチ覆い部とを有する覆いカバーとを備え、前記第1マチ覆い部の幅方向中間の上端を起点として、前記第1覆い部と前記第2覆い部及び前記第2マチ覆い部の幅方向中間の上端に亘ってファスナが設けられ、前記第1マチ覆い部と前記第2マチ覆い部の少なくとも何れか一方は、幅方向中間箇所で非連続となる端縁が形成され、両該端縁が所定間隔をおいて離間して構成されるスリット部が設けられてなることを特徴とする買物用バッグ。
【請求項2】
請求項1に記載の買物用バッグにおいて、前記スリット部は前記第1マチ覆い部に設けられてなることを特徴とする買物用バッグ。
【請求項3】
請求項1に記載の買物用バッグにおいて、前記スリット部は前記第2マチ覆い部に設けられてなることを特徴とする買物用バッグ。
【請求項4】
請求項1に記載の買物用バッグにおいて、前記スリット部は前記第1マチ覆い部及び前記第2マチ覆い部にそれぞれ設けられてなることを特徴とする買物用バッグ。
【請求項5】
請求項1,2,3又は4の何れか1項に記載の買物用バッグにおいて、前記第1マチ覆い部と前記第2マチ覆い部には外方に突出するように折り畳められた状態を維持する外雄ホックと外雌ホックが備えられてなることを特徴とする買物用バッグ。
【請求項6】
請求項1,2,3,4又は5の何れか1項に記載の買物用バッグにおいて、前記第1マチ覆い部と前記第2マチ覆い部には内方に突出するように折り畳められた状態を維持する内雄ホックと内雌ホックが備えられてなることを特徴とする買物用バッグ。
【請求項7】
請求項1,2,3,4,5又は6の何れか1項に記載の買物用バッグにおいて、前記第1覆い部と前記第2覆い部に手提げ部が設けられてなることを特徴とする買物用バッグ。
【請求項8】
請求項1,2,3,4,5又は6の何れか1項に記載の買物用バッグにおいて、前記第1側面部と前記第2側面部に手提げ部が設けられてなることを特徴とする買物用バッグ。
【請求項9】
請求項1,2,3,4,5,6,7又は8の何れか1項に記載の買物用バッグにおいて、前記収納部の内面側には保冷・保温シートが施されてなることを特徴とする買物用バッグ。
【請求項10】
請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9の何れか1項に記載の買物用バッグにおいて、前記収納部,前記覆いカバーは、折り畳み且つ巻き付け可能としてなることを特徴とする買物用バッグ。
【請求項11】
請求項10に記載の買物用バッグにおいて、折り畳まれた前記収納部,前記覆いカバーを外周から締付固定する締付バンドが前記収納部,前記覆いカバー又は前記手提げ部の何れかに装着されてなることを特徴とする買物用バッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケット,コンビニエンスストア,デパートの食品売り場等の店舗用カゴに収納でき、環境保護に寄与できる買物用バッグに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット,コンビニエンスストア,デパート等の食品売り場において、食品を購入するときに、これら食品を収納するプラスチック素材の収納袋が無料で提供されていた。よって、買物客は、買物を行い、店舗から提供される収納袋に商品を詰め込むことにより、略手ぶら状態か財布等をいれる小さなバッグのみを持参して買い物ができた。
【0003】
しかし、近年では店舗が無料で提供していたプラスチック製の収納袋は、環境破壊に結びつくこととなり、プラスチック製収納袋の使用を極力減少させようとする傾向にある。そのために、店舗に用意されたプラスチック製収納袋は有料化が進み、買物客に対して、できるだけバッグを持参するような意識に促されている。このようなことから、スーパーマーケット,コンビニエンスストア,デパート等の食品売り場に適応した種々の買物用のバッグが出現している。この種の具体的なものとして、例えば特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、買物用バッグは、特許文献1に開示されているように、買物カゴつまり、スーパーマーケット,コンビニエンスストア,デパート等の食品売り場に備えられたカゴにその主要な収納部が納まるように構成されたものである。この種のものでは、購入品が収められる袋の部分に対して、袋の上部周辺に紐通し部が設けられ、この通し部に開閉紐が通され、該開閉紐を引くことにより、開口が窄まり、開口を閉じることができる。或いは蓋となる部材が設けられ、収納袋の開口を覆うようにすることもできる。
【0006】
ところで、野菜等には、長ネギ,ゴボウ,大根等の長尺なものを購入する機会は極めて多い。特に長ネギ,ゴボウはかなり長尺であり、通常の買い物用バッグでは、収納しきれないものである。そのため、買物用バッグの収納袋の開口はそのまま開いた状態にしなければ、上記長尺野菜を収納できず、雨天時の持ち帰りの際には、他の食品も濡らしてしまうことになる。
【0007】
また、買物用バッグの開きっ放しを好まない買い物客も存在する。そこで、本発明が解決しようとする技術的課題(目的)は、長尺な野菜を収納しても、バッグの開口を開きっ放しにすることなく、長尺野菜以外の食品が外部に露出することがないようにできる買物用バッグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、長手方向を構成する第1側面部,第2側面部と幅方向を構成する第1マチ部,第2マチ部及び底面部とからなり上端が方形状開口となり且つ標準の店舗用カゴに適正に収容可能とした収納部と、前記第1側面部及び前記第2側面部に対して外方に折り返し自在とした第1覆い部と第2覆い部と、前記第1マチ部と前記第2マチ部に対して外方に折返し自在とした第1マチ覆い部と第2マチ覆い部とを有する覆いカバーとを備え、前記第1マチ覆い部の幅方向中間の上端を起点として、前記第1覆い部と前記第2覆い部及び前記第2マチ覆い部の幅方向中間の上端に亘ってファスナが設けられ、前記第1マチ覆い部と前記第2マチ覆い部の少なくとも何れか一方は、幅方向中間箇所で非連続となる端縁が形成され、両該端縁が所定間隔をおいて離間して構成されるスリット部が設けられてなる買物用バッグとしたことにより、上記課題を解決した。
【0009】
請求項2の発明を、請求項1に記載の買物用バッグにおいて、前記スリット部は前記第1マチ覆い部に設けられてなる買物用バッグとしたことにより、上記課題を解決した。請求項3の発明を、請求項1に記載の買物用バッグにおいて、前記スリット部は前記第2マチ覆い部に設けられてなる買物用バッグとしたことにより、上記課題を解決した。
【0010】
請求項4の発明を、請求項1に記載の買物用バッグにおいて、前記スリット部は前記第1マチ覆い部及び前記第2マチ覆い部にそれぞれ設けられてなる買物用バッグとしたことにより、上記課題を解決した。請求項5の発明を、請求項1,2,3又は4の何れか1項に記載の買物用バッグにおいて、前記第1マチ覆い部と前記第2マチ覆い部には外方に突出するように折り畳められた状態を維持する外雄ホックと外雌ホックが備えられてなる買物用バッグとしたことにより、上記課題を解決した。
【0011】
請求項6の発明を、請求項1,2,3,4又は5の何れか1項に記載の買物用バッグにおいて、前記第1マチ覆い部と前記第2マチ覆い部には内方に突出するように折り畳められた状態を維持する内雄ホックと内雌ホックが備えられてなる買物用バッグとしたことにより、上記課題を解決した。請求項7の発明を、請求項1,2,3,4,5又は6の何れか1項に記載の買物用バッグにおいて、前記第1覆い部と前記第2覆い部に手提げ部が設けられてなる買物用バッグとしたことにより、上記課題を解決した。
【0012】
請求項8の発明を、請求項1,2,3,4,5又は6の何れか1項に記載の買物用バッグにおいて、前記第1側面部と前記第2側面部に手提げ部が設けられてなる買物用バッグとしたことにより、上記課題を解決した。請求項9の発明としたことにより、上記課題を解決した。請求項9の発明を、請求項1,2,3,4,5,6,7又は8の何れか1項に記載の買物用バッグにおいて、前記収納部の内面側には保冷・保温シートが施されてなる買物用バッグとしたことにより、上記課題を解決した。
【0013】
請求項10の発明を、請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9の何れか1項に記載の買物用バッグにおいて、前記収納部,前記覆いカバーは、折り畳み且つ巻き付け可能としてなる買物用バッグとしたことにより、上記課題を解決した。請求項11の発明では、請求項11に記載の買物用バッグにおいて、折り畳まれた前記収納部,前記覆いカバーを外周から締付固定する締付バンドが前記収納部,前記覆いカバー又は前記手提げ部の何れかに装着されてなる買物用バッグとしたことにより、上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明では、第1マチ覆い部と第2マチ覆い部の少なくとも何れか一方は、幅方向中間箇所で非連続となる端縁が形成され、両該端縁が所定間隔をおいて離間して構成されるスリット部が設けられたことで、収納部には、該収納部に収まる食品等が収納される。そして、長ネギ,ゴボウ等の長尺野菜のように、収納部に収納したときに、全体を収納しきれないものでは、前記スリット部から一部を突出させることができ、商品の形状を崩すことなく収納できる。
【0015】
また、第1側面部及び第2側面部に対して外方に折り返し自在とした第1覆い部と第2覆い部と、第1マチ部と第2マチ部に対して外方に折返し自在とした第1マチ覆い部と第2マチ覆い部とから構成される覆いカバーは、収納部の外方に折り返される構成により、収納部は店舗に備えられた店舗用カゴに収納し、長尺な長ネギをそのまま買物用バッグにおける長手方向に沿って収納配置し、あとは覆い部によって収納部の開口を覆う過程で、長尺野菜の一部が、スリット部の内方から外方に向かって突出する状態にすることが、極めて簡単にできる。
【0016】
請求項2の発明では、スリット部は第1マチ覆い部に設けられ、請求項3の発明では前記スリット部は前記第2マチ覆い部に設けられてなることにより、スリット部が設けられない第1マチ覆い部又は第2マチ覆い部は二つに離間されない一枚構成となり、覆いカバーを収納部に対して外方に折り返したときに、店舗用カゴに安定した状態で設置できる。請求項4の発明では、スリット部は第1マチ覆い部及び第2マチ覆い部にそれぞれ設けられたことにより、収納部に全体が収まりきれない長尺野菜の一部は第1マチ覆い部及び第2マチ覆い部の何れからでも突出させることができる。
【0017】
請求項5の発明では、第1マチ覆い部と第2マチ覆い部には外方に突出するように折り畳められた状態を維持する外雄ホックと外雌ホックが備えられたことにより、収納部に商品が収納され、持ち帰り状態としたときの買物用バッグの形状を安定した状態に維持できる。請求項6の発明では買物用バッグにおいて、前記第1マチ覆い部と前記第2マチ覆い部には内方に突出するように折り畳められた状態を維持する内雄ホックと内雌ホックが備えられたことで、本発明の買物用バッグの非使用時における折り畳みの状態を安定させることができる。
【0018】
請求項7の発明では、第1覆い部と第2覆い部に手提げ部が設けられたことにより、手提げ部は有効に使用でき、肩掛けタイプのトートバッグ的な使用が可能となる。請求項8の発明では、第1側面部及び第2側面部に手提げ部が設けられたことにより、買物用バッグ全体の強度及び耐久性を向上させることができる。請求項9の発明では、収納部の内面側には保冷・保温シートが施されたことにより、冷蔵用或いは冷凍用食品の収納に便利なものとなる。
【0019】
請求項10の発明では、前記収納部,前記覆いカバーは、折り畳み且つ巻き付け可能としてなる買物用バッグとしたことにより、該買物用バッグをコンパクトにまとめることができ、この状態で、小型のバッグに収納できる。これによって、スーパーマーケット,コンビニエンスストア,デパート等の食品売り場で大型バッグをわざわざ持って行くことなく、有料化となったプラスチック素材の袋を購入しなくても、本発明の買物用バッグによって気軽に買い物を行うことができる。
【0020】
請求項11の発明では、買物用バッグにおいて、折り畳まれた前記収納部,前記覆いカバーを外周から締付固定する締付バンドが前記収納部,前記覆いカバー又は前記手提げ部の何れかに装着されてなる買物用バッグとしたことにより、ロール状等に折り畳まれた買物用バッグを締付バンドで固定することができ、携帯するときに極めて好適な状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】(A)は本発明の第1実施形態における買物用バッグの斜視図、(B)は本発明の買物用バッグが店舗用カゴに収容された状態の斜視図である。
図2】(A)は図1(A)のY1-Y1矢視の端面略示図、(B)は(A)において覆いカバーを収納部に折り返した状態図、(C)は(A)の(α)部拡大図、(D)は(A)の(β)部拡大図、(E)は(A)の(γ)部拡大図である。
図3】(A)は図1(A)のX1-X1矢視の端面略示図、(B)は図1(A)のX2-X2矢視の端面略示図、(C)は覆いカバーの第1マチ覆い部箇所における拡大斜視図、(D)は覆いカバーの第1マチ覆い部を外方に突出させた状態の要部拡大斜視図、(E)は覆いカバーの第2マチ覆い部箇所における拡大斜視図である。
図4】(A)は本発明の買物用バッグに長ネギ等の長尺野菜を収納してその一部をスリット部から突出させた状態の斜視図、(B)は本発明の買物用バッグに長ネギ等の長尺野菜を収納してその一部をスリット部から突出させた状態の縦断側面略示視図である。
図5】(A)は本発明の第1実施形態の変形例の斜視図、(B)は本発明の第1実施形態の別の変形例の斜視図である。
図6】(A)は本発明の第2実施形態における買物用バッグに締付バンドが設けられた斜視図、(B)は本発明の第2実施形態の変形例を示す要部斜視図、(C)は本発明の第2実施形態の別の変形例を示す要部斜視図である。
図7】(A)~(E)は本発明の第2実施形態における買物用バッグをロール状に折り畳む行程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の買物用バッグの説明の前提として方向を示す文言が使用され、長手方向,幅方向及び上下方向が存在するものである。これらの方向に基づいて説明を行う。本発明の買物用バッグにおいては、第1実施形態と第2実施形態が存在し、第1実施形態から説明する。本発明の買物用バッグは、主に収納部Aと覆いカバーBとを備えている〔図1(A),図2等参照〕。収納部Aは、折り畳み可能であり、組み立てた状態のときには略直方体状に構成される〔図1(A)参照〕。また、収納部Aは、特に図示しないが、構成する面が正方形である略立方体となることもある。
【0023】
収納部Aは、幅方向における面を構成する第1マチ部11,第2マチ部12と、長手方向における面を構成する第1側面部13,第2側面部14及び底面部2からなる〔図1(A),図2(A),図3(A)参照〕。収納部Aは、標準の店舗用カゴCに適正な状態で収容可能となる。さらに、収納部Aは、上端が方形状の開口を有している。
【0024】
また、覆いカバーBについては、収納部Aの第1マチ部11,第2マチ部12の上端よりこれらの外方に向かって折返し自在とした第1マチ覆い部31と第2マチ覆い部32が設けられている。また、収納部Aの第1側面部13,第2側面部14の上端より、これらに対して外方に向かって折り返し自在とした第1覆い部33と第2覆い部34が設けられている〔図1(A),(B),図2(A),(B)等参照〕。
【0025】
そして、前記覆いカバーBは、第1マチ覆い部31,第2マチ覆い部32,第1覆い部33及び第2覆い部34とを備え、第1マチ覆い部31の幅方向中間の上端を起点として、第1覆い部33と第2覆い部34の上端と、第2マチ覆い部32部の幅方向中間の上端に亘ってファスナ4が設けられている。ファスナ4によって、幅方向の略中央で二つ折りとした第1マチ覆い部31と、第1覆い部33と第2覆い部34同士と、幅方向の略中央で二つ折りにした第2マチ覆い部32を連続して接合するものである〔図3(D),図4(A)等参照〕。
【0026】
次に、前記第1マチ覆い部31と第2マチ覆い部32の少なくとも何れか一方は、幅方向中間箇所でスリット部Sが設けられている〔図1(A),図3(B),(C),(D),(E)参照〕。スリット部Sについて、詳述すると、まず第1マチ覆い部31側では、幅方向中間箇所で、右覆い片311及び左覆い片312の二つに分離され、右覆い片311の幅方向内方側の端部を端縁311aとし、左覆い片312の幅方向内方側の幅方向内方側の端部を端縁312aとする。両端縁311a,312aは上下方向に沿って垂直状に形成されている。端縁311a及び端縁312aは、その縁を厚い当布が縫い付けられて補強されている。なお、第1マチ覆い部31における右覆い片311及び左覆い片312における左右とは、買物用バッグの外方から見た状態を基準とする。
【0027】
右覆い片311の端縁311aと、左覆い片312の端縁312aとは、所定間隔をおいて対向し、その所定間隔がスリット部Sとなる。つまり、該スリット部Sは、第1マチ覆い部31の上下方向に沿って延在する縦長状の空隙となる〔図1(A),図3(B),(C),(D)参照〕。
【0028】
同様に、第2マチ覆い部32側では、該第2マチ覆い部32が、幅方向中間箇所で、右覆い片321及び左覆い片322の二つに分離され、右覆い片321の幅方向内方側の端部を端縁321aとし、左覆い片322の幅方向内方側の幅方向内方側の端部を端縁322aとする。なお、第2マチ覆い部32においても右覆い片321及び左覆い片322における左右とは、買物用バッグの外方から見た状態を基準とする。
【0029】
そして、第1マチ覆い部31と同様に、第2マチ覆い部32側では、幅方向中間箇所で、右覆い片321及び左覆い片322の二つに分離され、右覆い片321の幅方向内方側の端部を端縁321aとし、左覆い片322の幅方向内方側の幅方向内方側の端部を端縁322aとする。両端縁321a,322aは上下方向に沿って垂直状に形成されている。端縁321a及び端縁322aは、その縁を厚い当布が縫い付けられて補強されている。右覆い片321の端縁321aと、左覆い片322の端縁322aとは、所定間隔をおいて対向し、その所定間隔がスリット部Sとなる。
【0030】
つまり、第2マチ覆い部32側のスリット部Sについても、第1マチ覆い部31に設けられるスリット部Sと略同様の構成である〔図1(A),図3(B),(E)参照〕。但し、第1マチ覆い部31側のスリット部Sは、ファスナ4の起点となり、ファスナ4の布シートによって連結されている。一方、第2マチ覆い部32側のスリット部Sは、上端が分離され、完全に離間するように構成されている。
【0031】
スリット部Sの実施形態としては、第1マチ覆い部31と第2マチ覆い部32の両方に設けられるものである〔図1(A)参照〕。また、スリット部Sの変形例として、スリット部Sは第1マチ覆い部31にのみ設けられ、第2マチ覆い部32には設けられない実施形態が存在する〔図5(A)参照〕。スリット部Sの実施形態の別の変形例として第2マチ覆い部32にのみ設けられ、第1マチ覆い部31には設けられない実施形態が存在する〔図5(B)参照〕。なお、第1マチ覆い部31と、第1覆い部33及び第2覆い部34とは角形状に連続するように縫製されており、また、同様に、第2マチ覆い部32と、第1覆い部33及び第2覆い部34とは角形状に連続するように縫製されている〔図1(A),図3(B),図5等参照〕。
【0032】
次に、覆いカバーBは、収納部Aの開口を覆うようにファスナ4で閉じたときに、第1マチ覆い部31と第2マチ覆い部32とは、それぞれが上下方向に沿う折れ線に沿って二つ折り状態にとして、収納部Aの外方に突出するように折り畳められる〔図3(C),図4(A)等参照〕。そして、第1マチ覆い部31と第2マチ覆い部32とが折り畳まれた状態を安定的に維持させるために、中間の折れ線の付近の両側に外雄ホック51と外雌ホック52が備えられる〔図1(A),図3(C)参照〕。
【0033】
次に、買物用バッグを使用しないときで且つ折り畳むときには、覆いカバーBは、第1マチ覆い部31と第2マチ覆い部32とは、それぞれが上下方向に沿う折れ線に沿って二つ折り状態にとして、収納部Aの内方に引き込むように突出して折り畳められる〔図3(A)点線部分参照〕。具体的には、第1マチ覆い部31では、右覆い片311と左覆い片312とが重合するようにして折り畳まれ、第2マチ覆い部32では、右覆い片321と左覆い片322とが重合するように折り畳まれる。そして、第1マチ覆い部31と第2マチ覆い部32とが折り畳まれた状態を安定的に維持させるために、中間の折れ線の付近の両側に内雄ホック53と内雌ホック54が備えられる〔図1(A),図3(C)参照〕。
【0034】
買物用バッグを使用するときには、覆いカバーBの第1マチ覆い部31と第2マチ覆い部32とは、それぞれが上下方向に沿う折れ線に沿って二つ折り状態にとして、収納部Aの外方に突出するようにして折り畳められる。このときには、第1マチ覆い部31では、右覆い片311と左覆い片312とが収納部Aの長手方向の外方に向かって突出し、第2マチ覆い部32では、右覆い片321と左覆い片322とが収納部Aの長手方向の外方に向かって突出する状態となる(図4参照)。また、手提げ部6については、U字形状のものが使用され、収納部Aの第1覆い部13と第2覆い部14に設けられる〔図1(A)参照〕。また、手提げ部6は、覆いカバーBの第1覆い部33と第2覆い部34に設けられることもある〔図5(B)参照〕。
【0035】
本発明における買物用バッグは、合成樹脂素材により構成される。収納部Aは、表面側の生地は合成樹脂製であり、内面側の生地は保冷・保温性を有する保冷・保温シートAiが使用される。また、収納部Aの第1マチ部11,第2マチ部12,第1側面部13,第2側面部14と、底面部2とは、直角となり易いように縫製されている〔図3(A),(C)参照〕。また、表側生地と裏側生地とは、その端部が折り返されて、その折返し端部同士が補強布によって縫い付けられている。また、収納部Aと覆いカバーBにおける表面側の生地同士と、内面側の生地同士の縫製についても、適宜端部が折り返され縫製されている〔図2(D),(E)参照〕。
【0036】
収納部Aを構成する生地としては、第1マチ部11,第2マチ部12,第1側面部13,第2側面部14及び底面部2において、それぞれは表面側の生地と内面側の生地の二枚構成としている。各部分の表面側の生地には符号となる数字の後にfを付し、内面側の生地として符号となる数字の後にrを付している。
【0037】
図2では、収納部Aにおいて、第1側面部13は、表面側生地13fと内面側生地13rとを有し、第2側面部14は表面側生地14fと内面側生地14rとを有し、底面部2は、表面側生地2fと、内面側生地2rとを有している。内面側生地13r,14r及び2rは、前述した保冷・保温シートAiが使用される。そして、それぞれの表面側の生地がポリエステルで約0.4mm程度としており、また、内面側の生地が、アルミ蒸着が施されたシート材であり、約1.6mm程度である。
【0038】
また、同様に覆いカバーBにおける第1マチ覆い部31,第2マチ覆い部32,第1覆い部33及び第2覆い部34についても表面側の生地と、内面側の生地を有しており、それぞれの表面側の生地には符号となる数字の後にfを付し、内面側の生地には符号となる数字の後にrを付す。よって、第1マチ覆い部31は、表面側生地31fと内面側生地31rにより構成され、第2マチ覆い部32は表面側生地32fと内面側生地32rにより構成され、第1覆い部33は表面側生地33fと内面側生地33rにより構成され、第2覆い部34は表面側生地34fと内面側生地34rにより構成される。
【0039】
ファスナ4は、ナイロン(登録商標)等の合成樹脂のものが使用されるが、金属製又は布製ファスナでも良い。覆いカバーBを構成する第1マチ覆い部31,第2マチ覆い部32,第1覆い部33及び第2覆い部34は、表面側の生地が、収納部Aと同様に、ポリエステルで約0.4mm程度であり、内面側の生地が同様に、ポリエステルで約0.07mm程度としている。
【0040】
収納部A及び覆いカバーBを構成する材質は、上記に限定されず、その他の適した材質のものであれば、どのような材質でも構わない。また、本発明の買物用バッグの内部、すなわち収納部A内には小物入れようのポケット15が備わっていることもある。該ポケット15は、その上端箇所が、収納部Aと覆いカバーBとの境目の縫い合わせ箇所に組込まれている。該ポケットは、図1(A),図2(A),(B)及び図5に想像線(二点鎖線)にて示されている。ポケット15は、必要に応じて設けられるものであり、買物用バッグに備えられないこともある。
【0041】
次に、本発明の買物用バッグにおける第2実施形態を説明する(図6及び図示7参照)。この第2実施形態では、本発明の買物用バッグをコンパクトなサイズに折り畳み可能としたものである。この実施形態についても、基本構成は第1実施形態と略同等であり、収納部A,覆いカバーB及び手提げ部6から構成され、縫製構造も同様である。
【0042】
したがって、第2実施形態における収納部Aにおける第1マチ部11,第2マチ部12,第1側面部13,第2側面部14及び覆いカバーBにおける第1マチ覆い部31,第2マチ覆い部32,第1覆い部33,第2覆い部34の構成は、第1実施形態と同様であるので、第1実施形態の説明を参照されると共に、図1乃至図5も第2実施形態の構成を示す図として参照されたい。
【0043】
この第2実施形態では、本発明の買物用バッグを略長方形状となるように複数回折り曲げつつ、折り畳み、さらにロール状に巻き付けて筒状となるように構成されたものである(図6図7参照)。そこで、収納部A及び覆いカバーBは、特に、柔軟性を有する材質や、特に厚さの薄い材質のものが使用される。基本的には、前述した第1実施形態におけるポリエステル等の合成樹脂繊維で、且つ薄手で柔軟性を有する生地が使用される。
【0044】
特に収納部Aを構成する第1マチ部11,第2マチ部12,第1側面部13,第2側面部14及び底面部2の内面側生地となる保冷・保温シートAiは、アルミ蒸着としたもので、柔軟性のある極めて薄いものが使用されたり、或いは収納部Aの内面側の生地として、前記保冷・保温シートAiはポリエステルとした生地で厚みが約0.1mm~0.3mm程度であり、好適には約0.11mm程度としたものが使用される。また、収納部Aの内面側の生地として保冷・保温シートAiが使用されず、通常の生地が使用されることもある。
【0045】
また、収納部A,覆いカバーB又は手提げ部6の何れかに、締付バンド7が装着される実施形態も存在する(図6参照)。該締付バンド7の実施形態としては、環状のものであり、具体的には、ゴムバンド,ゴム紐等の弾性伸縮する材質ものものが使用される〔図6(A)参照〕。そして、環状の締付バンド7が覆いカバーBの第1覆い部33で且つ手提げ
部6の付根箇所に縫いつけられたループ状の連結布71を介して買物用バッグに備えられている〔図6(A)参照〕。また、締付バンド7の別の実施形態として布ファスナ付きのバンド(帯部材)としたものが存在する〔図6(B)参照〕。さらに、締付バンド7の別の実施形態では雄ホックと雌ホックが先端箇所に設けられたものが存在する〔図6(C)参照〕。
【0046】
締付バンド7は、その一部が収納部A,覆いカバーB又は手提げ部6に縫い付け固着される。図6(A)は、前述したように、締付バンド7は、覆いカバーBの第1覆い部33又は第2覆い部34で、手提げ部6の付根箇所に縫いつけられたものである。締付バンド7は、本発明の買物用バッグにおける折り畳まれロール状に巻き付けられた収納部A,覆いカバーBを外周から締付固定するものである。図6(B)では、締付バンド7は覆いカバーBに設けられている。また図6(C)では、締付バンド7は収納部Aに設けられている。
【0047】
本発明の買物用バッグにおける使用法を述べる。スーパーマーケット,コンビニエンスストア,デパートの食品売り場等にて買物を終了しレジで支払いを通過したら、本発明の買物用バッグの収納部Aを店舗に備えられた店舗用カゴCに収納する。そして、購入した食材等の商品を、収納部Aに収納してゆく。収納部Aへの全部の商品の収納が終了したら、覆いカバーBの第1マチ覆い部31と第2マチ覆い部32を外方に突出するようにして折り畳み、ファスナ4で閉じる。
【0048】
そして、長ネギ,ゴボウ等の長尺野菜vを購入して、これらを収納部Aに収納するときには、その長尺野菜vを収納部Aに収納し、収まりきれない部分は、覆いカバーBの第1マチ覆い部31或いは第2マチ覆い部32の何れかのスリット部Sから突出させる。この長尺野菜vの一部がスリット部Sから突出した状態であっても、ファスナ4にて覆いカバーBを閉じることができる(図4参照)。このように、長ネギ,ゴボウ等の長尺野菜vを、本発明の買物用バッグの収納部Aに収納したときに、長尺野菜vの全体を収納しきれない場合であっても、スリット部Sから長尺野菜vの一部を突出させることができ、商品の形状を崩すことなく収納でき、購入物の収納を行うことができる。
【0049】
第1マチ覆い部31及び第2マチ覆い部32におけるスリット部Sは、幅方向に広げることができるので、大根等の太い野菜も一部をスリット部Sから突出させることができる。また、第1マチ覆い部31及び第2マチ覆い部32は、覆いカバーBの外方に二つ折りに突出させたときに、外雄ホック51と外雌ホック52によって、二つ折り状態が固定され、使い易い状態にすることができる。また、買物用バッグを使用しないときには、第1マチ覆い部31と第2マチ覆い部32とは、それぞれが上下方向に沿う折れ線に沿って二つ折り状態にとして、収納部Aの内方に引き込むように折り畳め、内雄ホック53と内雌ホック54とで固定する。
【0050】
次に、本発明の第2実施形態における買物用バッグにおいて、コンパクトにまとめる折り畳み行程を説明する。まず、収納部Aにおける第1マチ部11及び第2マチ部12を折り畳み状態として、第1側面部13と第2側面部14を重ねるようにセットする。同時に、覆いカバーBの第1マチ覆い部31と第2マチ覆い部32も同様に折り畳み状態とし、第1覆い部33と第2覆い部34を重ねるようにセットする。
【0051】
また、底面部2は、第1側面部13又は第2側面部14に折り畳むようにして重ねる〔図6(A)参照〕。次に、第1側面部13又は第2側面部14の何れかを正面とし、その長手方向の中央で折り曲げる〔図6(B)参照〕。次に、買物用バッグの正面より見て右側部分を折り曲げて略長方形状となる折り畳み状態とする〔図6(C)参照〕。このとき、手提げ部6は、収納部Aと覆いカバーBと共に内部に収まるようにセットすることが好ましい。そして、そのままロール状に折り畳む〔図6(D)参照〕。ロール状に巻き付けられた買物用バッグを、具備された締付バンド7によって締め付け固定する〔図6(E)参照〕。
【符号の説明】
【0052】
A…収納部、11…第1マチ部、12…第2マチ部、13…第1側面部、
14…第2側面部、2…底面部、B…覆いカバー、31…第1マチ覆い部、
311a,312a…端縁、32…第2マチ覆い部、321a,322a…端縁、
33…第1覆い部、34…第2覆い部、4…ファスナ、51…外雄ホック、
52…外雌ホック、53…内雄ホック、54…内雌ホック、6…手提げ部、
7…締付バンド、S…スリット部、Ai…保冷・保温シート。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7