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特開2022-37882連動保持装置及び該連動保持装置を用いた椅子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037882
(43)【公開日】2022-03-09
(54)【発明の名称】連動保持装置及び該連動保持装置を用いた椅子
(51)【国際特許分類】
   A45B 5/00 20060101AFI20220302BHJP
   A47C 13/00 20060101ALI20220302BHJP
   A47C 4/04 20060101ALI20220302BHJP
【FI】
A45B5/00
A47C13/00 Z
A47C4/04 Z
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091210
(22)【出願日】2021-05-31
(31)【優先権主張番号】109128974
(32)【優先日】2020-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】514267984
【氏名又は名称】永朔實業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】鮑志廷
【テーマコード(参考)】
3B095
【Fターム(参考)】
3B095EB01
3B095EB02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】連動保持装置を提供し、該連動保持装置を椅子に適用することにより、従来より簡単な操作で収納状態から展開状態に切り替えられる椅子を提供する。
【解決手段】中央保持手段10と中央保持手段10に取り付けられる3つの揺動棒20とを備えた連動保持装置であって、いずれかの1つの揺動棒20が回転方向へ回転すると、隣の他の1つの揺動棒20を押し動かして揺動させることにより、該他の1つの揺動棒20を回転させるように配置構成されている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の中央軸線に直交する平面上において、該中央軸線の近辺を内側として該内側から互いに間をあけて外側に向かって異なる方向へ延伸する少なくとも3つの回転軸線に沿ってそれぞれ延伸する少なくとも3つの回転軸棒を有する中央保持手段と、
いずれも1つの前記回転軸線を中心として回転可能に、該回転軸線に対応する前記回転軸棒に取り付けられている回転部及び前記回転部から所定の距離離れた揺動部を有し、前記回転部から前記揺動部へ延伸する延伸方向に沿って棒状に形成された、少なくとも3つの揺動棒と、を備えた連動保持装置であって、
各前記揺動棒は、いずれも前記回転部が対応の回転軸線を中心として所定の回転方向へ回転すると、前記揺動部が所定の揺動方向へ揺動するものであり、そして、前記揺動部は、前記延伸方向の両側における2つの他の前記揺動棒の両方の前記揺動部にそれぞれカム接触するカム面を有しており、
更に、いずれかの1つの前記揺動棒の前記回転部が対応の回転軸線を中心として前記回転方向へ回転すると、前記揺動部が前記揺動方向へ揺動するため前記カム面も前記揺動方向へ揺動して隣の他の1つの前記揺動棒が有する前記カム面とカム接触して該他の1つの前記揺動棒の前記揺動部を押し動かして揺動させることにより、該他の1つの前記揺動棒の前記回転部を対応の前記回転軸線を中心として前記回転方向へ回転させるように配置構成されていることを特徴とする連動保持装置。
【請求項2】
すべての前記回転軸線は、前記中央軸線に直交しており、
各前記揺動棒は、いずれも対応する前記延伸方向に沿って延伸する棒状の本体部を有し、各前記揺動部は、対応する前記本体部の表面から突出するように設けられている上、前記カム面は、前記延伸方向の両側における2つの他の前記揺動棒の両方の前記揺動部にそれぞれ面する2つの翼面部と、前記内側に面すると共に、両側が前記2つの翼面部にそれぞれ連続している角面部と、を有しており、
また、各前記揺動棒の前記回転部の対応の前記回転軸線を中心とする回転により、該連動保持装置は、各前記揺動棒の延伸方向がいずれも前記中央軸線に略平行する収納状態と、各前記揺動棒の延伸方向及び前記中央軸線が互いに平行せず、且つ交点が存在しない展開状態と、の間に切り替えられるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の連動保持装置。
【請求項3】
各前記揺動棒それぞれの前記揺動部の前記カム面が有する2つの前記翼面部はいずれも平面であり、前記角面部は前記内側に向かって突起する曲面であり、
いずれかの1つの前記揺動棒の前記回転部が対応の回転軸線を中心として前記回転方向へ回転すると、前記揺動部が前記揺動方向へ揺動するため前記カム面は、隣の他の1つの前記揺動棒が有する前記カム面に面する前記翼面部及び前記角面部で該他の1つの前記揺動棒が有する前記カム面とカム接触して該他の1つの前記揺動棒の前記揺動部を押し動かすように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の連動保持装置。
【請求項4】
前記中央保持手段は、前記中央軸線に直交する平面に位置する円環部を更に有し、各前記回転軸棒は、前記内側から前記円環部まで延伸するように配置構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の連動保持装置。
【請求項5】
前記回転軸線及び前記回転軸棒の数は3であり、
各前記回転軸線は、前記中央軸線と交点を持ち、且つ、隣の前記回転軸線と120°を成すように配置構成されていることを特徴とする請求項4に記載の連動保持装置。
【請求項6】
前記中央保持手段は、前記中央軸線に沿って延伸する中心軸部を更に有し、各前記回転軸棒は、前記中心軸部から外側へ延伸するように配置構成されていること特徴とする請求項2または請求項3に記載の連動保持装置。
【請求項7】
前記回転軸線と前記回転軸棒と前記揺動棒の数は3であり、3つの前記揺動棒における2つの前記揺動棒に形成される前記揺動部には、その片側にある他の1つの前記揺動棒に向かって突起する作動突起が形成されており、そして該作動突起が形成される前記揺動部の前記カム面が有する2つの前記翼面部において、該作動突起に隣接する前記翼面部には、該作動突起の先端まで延伸する延伸エリアが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の連動保持装置。
【請求項8】
請求項1に記載の連動保持装置と、
前記連動保持装置が有する前記中央保持手段に枢支されているリンク手段と、
前記リンク手段に枢支されている略板状の座手段と、を備えており、
前記連動保持装置は、各前記揺動棒の前記回転部の対応の前記回転軸線を中心とする回転により、各前記揺動棒の延伸方向がいずれも前記中央軸線に略平行する収納状態と、各前記揺動棒の延伸方向及び前記中央軸線が互いに平行せず、且つ交点が存在しない展開状態と、の間に切り替えられるように構成されており、
更に、前記連動保持装置が前記展開状態に切り替えられると、前記座手段は前記リンク手段及び前記揺動棒との連動により、前記中央軸線と略直交する展開位置に切り替えられ、そして前記連動保持装置が前記収納状態に切り替えられると、前記座手段は前記リンク手段及び前記揺動棒との連動により、前記中央軸線と略平行する収納位置に切り替えられるように構成されていることを特徴とする椅子。
【請求項9】
前記リンク手段は、前記連動保持装置が有する各前記揺動棒における1本の前記揺動棒に設けられて前記揺動棒の延伸方向に沿ってスライド可能なスライディングスリーブと、
一端部が前記連動保持装置が有する前記中央保持手段に枢支され、該一端部の反対側にある他の一端部が前記スライディングスリーブに枢支されている連動リンクと、を有しており、
前記座手段は、揺動可能に前記スライディングスリーブに枢支されている第1の板部と、前記第1の板部の一側の周縁に揺動可能に枢支されている第2の板部と、を有しており、
前記連動保持装置が前記展開状態に切り替えられると、
前記リンク手段の前記スライディングスリーブが配置される前記揺動棒以外のいずれか1つの前記揺動棒が前記座手段の前記第2の板部を持ち上げると共に、前記第1の板部は、前記リンク手段の前記スライディングスリーブ及び前記連動リンクの連動により、前記スライディングスリーブに対して揺動して前記展開位置に切り替えられるように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の椅子。
【請求項10】
前記連動保持装置において、すべての前記回転軸線は、前記中央軸線に直交しており、各前記揺動棒は、いずれも対応する前記延伸方向に沿って延伸する棒状の本体部を有し、各前記揺動部は、対応する前記本体部の表面から突出するように設けられている上、前記カム面は、前記延伸方向の両側における2つの他の前記揺動棒の両方の前記揺動部にそれぞれ面する2つの翼面部と、前記内側に面すると共に、両側が前記2つの翼面部にそれぞれ連続している角面部と、を有していることを特徴とする請求項8に記載の椅子。
【請求項11】
前記中央保持手段は、前記中央軸線に直交する平面に位置する円環部を更に有し、各前記回転軸棒は、前記内側から前記円環部まで延伸するように配置構成されており、
前記回転軸線及び前記回転軸棒の数は3であり、
各前記回転軸線は、前記中央軸線と交点を持ち、且つ、隣の前記回転軸線と120°を成すように配置構成されていることを特徴とする請求項10に記載の椅子。
【請求項12】
前記中央保持手段は、前記中央軸線に沿って延伸する中心軸部と、前記中心軸部と前記円環部とをつなぐ保持柱とを更に有し、各前記回転軸棒は、前記中心軸部から前記円環部まで延伸するように配置構成されていること特徴とする請求項11に記載の椅子。
【請求項13】
前記座手段は、第1の板部と、前記第1の板部の両側にそれぞれ揺動可能に枢支されている2つの第2の板部と、を有しており、
前記連動保持装置が前記展開状態に切り替えられると、
2つの前記揺動棒が前記座手段の2つの前記第2の板部をそれぞれ持ち上げて前記座手段を前記第1の板部と2つの前記第2の板部とが前記中央軸線と略直交する平面に位置する展開位置に切り替えるように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の椅子。
【請求項14】
前記リンク手段は、前記連動保持装置が有する各前記揺動棒において前記座手段の2つの前記第2の板部をそれぞれ持ち上げる前記2つの前記揺動棒ではない他の1つの前記揺動棒の延伸方向に沿ってスライド可能なスライディングスリーブと、
一端部が前記連動保持装置が有する前記中央保持手段に枢支され、該一端部の反対側にある他の一端部に前記スライディングブロックが枢支されている第1のリンクと、
一端部が前記第1のリンクの前記中央保持手段に枢支される端部から所定の距離を離れた箇所に枢支され、該一端部の反対側にある他の一端部が前記スライディングスリーブに枢支されている第2のリンクと、
を有しており、
前記座手段の前記第1の板部は、一端部が揺動可能に前記スライディングスリーブに枢支されていると共に、前記スライディングスリーブに枢支されている端部側から延伸するガイドレールが形成されており、
前記第1のリンクの前記他の一端部に枢支される前記スライディングブロックは、前記ガイドレールに沿ってスライド可能に該ガイドレールに取り付けられており、
前記連動保持装置が前記展開状態に切り替えられると、
前記リンク手段の前記スライディングスリーブが配置される前記揺動棒以外の2つの前記揺動棒が前記座手段の2つの前記第2の板部をそれぞれ持ち上げると共に、前記第1の板部は、前記リンク手段の前記スライディングスリーブと前記第1のリンクと前記第2のリンクとの連動及び前記スライディングブロックの前記ガイドレールに沿った移動により、前記スライディングスリーブに対して揺動して前記展開位置に切り替えられるように構成されていることを特徴とする請求項13に記載の椅子。
【請求項15】
前記連動保持装置において、前記回転軸線と前記回転軸棒と前記揺動棒の数は3であり、3つの前記揺動棒における2つの前記揺動棒に形成される前記揺動部には、その片側にある他の1つの前記揺動棒に向かって突起する作動突起が形成されており、そして該作動突起が形成される前記揺動部の前記カム面が有する2つの前記翼面部において、該作動突起に隣接する前記翼面部には、該作動突起の先端まで延伸する延伸エリアが形成されていることを特徴とする請求項10に記載の椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連動保持装置及び該連動保持装置を用いた椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、収納状態では杖として使用可能、そして展開状態では椅子として座れる発明が開示されている。
【0003】
しかし、該従来の発明では、例えば収納状態から展開状態に切り替える際には、収納状態において互いに平行にまとめられている各支持脚を1本ずつ操作する必要があるため、特に杖を使用する老人にとっては不便であり、改善する余地が残されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾実用新案登録第M467398号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は複数本の揺動棒が連動して同時に揺動する連動保持装置を提供すること、及び、該連動保持装置を椅子に適用し、各揺動棒にそれぞれ連動する支持脚における1本を操作するだけですべての支持脚が連動して展開する構成により、従来より簡単な操作で収納状態から展開状態に切り替えられる椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、所定の中央軸線に直交する平面上において、該中央軸線の近辺を内側として該内側から互いに間をあけて外側に向かって異なる方向へ延伸する少なくとも3つの回転軸線に沿ってそれぞれ延伸する少なくとも3つの回転軸棒を有する中央保持手段と、いずれも1つの前記回転軸線を中心として回転可能に、該回転軸線に対応する前記回転軸棒に取り付けられている回転部及び前記回転部から所定の距離離れた揺動部を有し、前記回転部から前記揺動部へ延伸する延伸方向に沿って棒状に形成された、少なくとも3つの揺動棒と、を備えた連動保持装置であって、各前記揺動棒は、いずれも前記回転部が対応の回転軸線を中心として所定の回転方向へ回転すると、前記揺動部が所定の揺動方向へ揺動するものであり、そして、前記揺動部は、前記延伸方向の両側における2つの他の前記揺動棒の両方の前記揺動部にそれぞれカム接触するカム面を有しており、更に、いずれかの1つの前記揺動棒の前記回転部が対応の回転軸線を中心として前記回転方向へ回転すると、前記揺動部が前記揺動方向へ揺動するため前記カム面も前記揺動方向へ揺動して隣の他の1つの前記揺動棒が有する前記カム面とカム接触して該他の1つの前記揺動棒の前記揺動部を押し動かして揺動させることにより、該他の1つの前記揺動棒の前記回転部を対応の前記回転軸線を中心として前記回転方向へ回転させるように配置構成されていることを特徴とする連動保持装置を提供する。
【0007】
また、本発明は、上記連動保持装置と、前記連動保持装置が有する前記中央保持手段に枢支されているリンク手段と、前記リンク手段に枢支されている略板状の座手段と、を備えており、前記連動保持装置は、各前記揺動棒の前記回転部の対応の前記回転軸線を中心とする回転により、各前記揺動棒の延伸方向がいずれも前記中央軸線に略平行する収納状態と、各前記揺動棒の延伸方向及び前記中央軸線が互いに平行せず、且つ交点が存在しない展開状態と、の間に切り替えられるように構成されており、更に、前記連動保持装置が前記展開状態に切り替えられると、前記座手段は前記リンク手段及び前記揺動棒との連動により、前記中央軸線と略直交する展開位置に切り替えられ、そして前記連動保持装置が前記収納状態に切り替えられると、前記座手段は前記リンク手段及び前記揺動棒との連動により、前記中央軸線と略平行する収納位置に切り替えられるように構成されていることを特徴とする椅子をも提供する。
【発明の効果】
【0008】
上記のように、本発明に係る連動保持装置によれば、いずれかの1つの揺動棒が回転部が対応の回転軸線を中心として回転方向へ回転すると、揺動部が揺動方向へ揺動するためカム面も揺動方向へ揺動して隣の他の1つの揺動棒が有するカム面とカム接触して該他の1つの揺動棒の揺動部を押し動かして揺動させることにより、該他の1つの揺動棒の回転部を対応の回転軸線を中心として前記回転方向へ回転させる構成を有しているので、該連動保持装置を椅子に適用すると、それぞれ支持脚となる揺動棒における1本を前記回転方向へ回転させる操作を行うだけで、すべての揺動棒が一斉に前記回転方向へ回転するように連動するので、単純且つ簡単な操作で収納状態から展開状態に切り替えられる椅子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る椅子の第1の実施形態の収納位置にあるときの外部構成が示される斜視図である。
図2】本発明に係る椅子の第1の実施形態の構成が示される分解斜視図である。
図3図1におけるIII-III線に沿った断面図である。
図4図3におけるIV-IV線に沿った断面図である。
図5図3におけるV-V線に沿った断面図である。
図6】本発明に係る椅子の第1の実施形態における連動保持装置の連動構成が示される説明図である。
図7】本発明に係る椅子の第1の実施形態の収納位置から展開位置への切替途中の様子が示される斜視図である。
図8】本発明に係る椅子の第1の実施形態の展開位置にあるときの外部構成が示される斜視図である。
図9】本発明に係る椅子の第1の実施形態の展開位置にあるときの外部構成が示される側面図である。
図10図9におけるX-X線に沿った断面図である。
図11図10におけるXI-XI線に沿った断面図である。
図12】本発明に係る椅子の第2の実施形態の展開位置にあるときの外部構成が示される側面図である。
図13】本発明に係る椅子の第2の実施形態の展開位置にあるときの一部拡大図である。
図14】本発明に係る椅子の第2の実施形態における連動保持装置の収納状態が示される一部拡大説明図である。
図15】本発明に係る椅子の第3の実施形態の展開位置にあるときの外部構成が示される側面図である。
図16】本発明における連動保持装置の第1の変化例が示される一部拡大説明図である。
図17】本発明における連動保持装置の第2の変化例が示される一部拡大説明図である。
図18】本発明に係る椅子の第4の実施形態の構成が示される分解斜視図である。
図19】本発明における連動保持装置の第3の変化例を用いた椅子の構成が示される分解斜視図である。
図20】本発明における連動保持装置の第3の変化例の構成が示される横断面図である。
図21】本発明における連動保持装置の第3の変化例の構成及び作動状態が示される横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では図1図11を参照して本発明の連動保持装置及び該連動保持装置を用いた椅子についてより詳細に説明する。
【0011】
図1図2に示されるように、本発明に係る椅子の第1の実施形態は、連動保持装置1と、リンク手段3と、座手段4と、を備えている。
【0012】
図4及び図5に示されているように、連動保持装置1は、所定の中央軸線Lに沿って延伸する中心軸部12と、前記中央軸線Lに直交する平面に位置する円環部11と、前記中央軸線Lに直交する平面上において、中心軸部12から互いに間をあけて外側に向かって異なる方向へ円環部11にまで延伸する3つの回転軸線L1に沿ってそれぞれ延伸する3つの回転軸棒15と、中心軸部12と円環部11とをつなぐ3つの保持柱14と、を有する中央保持手段10を備え、各回転軸棒15は、中心軸部12と円環部11と各保持柱14とにより画成された3つの案内スロット16のうちの1つを通過するように配置されている。また、中心軸部12の上端には、リンク手段3と接続するための枢支部13が固定されている。
【0013】
ちなみに、この実施形態においては、中央保持手段10は中心軸部12と円環部11との両方を有しているが、本発明としては、回転軸棒15を保持できる構成であれば、中心軸部12と円環部11との両者のいずれか1つのみを有することも可能である。
【0014】
また、図2及び図4に示されているように、連動保持装置1は、いずれも1つの回転軸線L1を中心として回転可能に、該回転軸線L1に対応する回転軸棒15に取り付けられている回転部214及び回転部214から所定の距離離れた揺動部22を有し、回転部214から揺動部22へ延伸する延伸方向Xに沿って棒状に形成された3つの揺動棒20をも備えている。また、図2及び図5に示されてるように、該3つの揺動棒20は、それぞれ1つの案内スロット16を通過し、それぞれ対応する案内スロット16内において、該案内スロット16を画成する中心軸部12と円環部11と保持柱14とにより揺動可能に保持されている(図10図11も参照)。
【0015】
図2図4及び図6に示されているように、各揺動棒20は、いずれも回転部214(図2参照)が対応の回転軸線L1を中心として所定の回転方向へ回転すると、揺動部22が所定の揺動方向へ揺動するものであり、そして、揺動部22は、延伸方向Xの両側における2つの他の揺動棒20の両方の揺動部22にカム接触するカム面221を有している。
【0016】
この実施形態において、各揺動棒20は、いずれも対応する延伸方向Xに沿って延伸し、該椅子を構成する支持脚の役割を持つ棒状の本体部21を有し、各揺動部22は、対応する本体部21の表面から突出するように設けられている上、カム面221は、延伸方向Xの両側における2つの他の揺動棒20の両方の揺動部22にそれぞれ面する2つの翼面部224と、中心軸部12側(内側)に面すると共に、両側が前記2つの翼面部224にそれぞれ連続している角面部225と、を有している。
【0017】
この実施形態において、各揺動棒20それぞれの揺動部22のカム面221が有する2つの翼面部224はいずれも平面であり、角面部225は中心軸部12側(内側)に向かって突起する曲面であり、いずれかの1つの揺動棒20の回転部214が対応の回転軸線L1を中心として前記回転方向へ回転すると、揺動部22が前記揺動方向へ揺動するためカム面221は、隣の前記他の1つの揺動棒20が有するカム面221に面する翼面部224及び角面部225で該他の1つの揺動棒20が有するカム面221の翼面部224とカム接触して該他の1つの揺動棒20の揺動部222を押し動かすように構成されている。
【0018】
この実施形態において、2つの翼面部224はそれぞれの延伸先に135°の角度を成すように構成されているが、本発明としてはこれに限定されず、1つの揺動棒20が揺動すると、そのカム面221が他の揺動棒20のカム面221に当接し押し動かして揺動させることが可能であれば、例えば95~105°の範囲内に設定することも可能である。
【0019】
この構成により、例えば図6においてAと示される1つの揺動棒20の回転部214が対応の回転軸線L1を中心として前記回転方向へ回転すると、揺動部22が前記揺動方向へ揺動するためカム面221の1つの翼面部224及び角面部225も前記揺動方向へ揺動して隣の他の1つの揺動棒20が有するカム面221の翼面部224とカム接触して該他の1つの揺動棒20の揺動部22を押し動かして揺動させることにより、該他の1つの揺動棒20の回転部214を対応の回転軸線L1を中心として前記回転方向へ回転させることができる。
【0020】
上記構成により、本発明の連動保持装置1は、各揺動棒20の回転部214の対応の回転軸線L1を中心とする回転により、各揺動棒20の延伸方向Xが図1図3に示されるようにいずれも中央軸線Lに略平行する収納状態と、図8図9に示されるように、各揺動棒20の延伸方向X及び中央軸線Lが互いに平行せず、且つ交点が存在しない展開状態と、の間に切り替えられることができる。
【0021】
なお、この実施形態において、すべての回転軸線L1は、中央軸線Lに直交し、且つ、隣の回転軸線L1と120°を成すように配置構成されているが、本発明としては、各揺動棒20が上記のように連動可能であれば、回転軸線L1の数が4以上(揺動棒20の数も4以上)の構成や、回転軸線L1の延伸先に中央軸線Lが存在しない、即ち、この2つの仮想線に交点がないように構成することも可能である。言い換えれば、各回転軸線L1は、中央軸線Lに直交してもよく、あるいは中央軸線Lの近辺を通過してもよい。
【0022】
この実施形態において、座手段4は、第1の板部41と、第1の板部41の両側にそれぞれ揺動可能に枢支されている2つの第2の板部42と、を有し、連動保持装置1が図8及び図9に示される展開状態に切り替えられると、2つの揺動棒20が座手段4の2つの第2の板部42をそれぞれ持ち上げて座手段4を第1の板部41と2つの第2の板部42とが中央軸線Lと略直交する平面Pに位置する展開位置に切り替えるように構成されている。
【0023】
この実施形態において、第1の板部41の両側辺には、それぞれ枢支軸412が形成されており、そして第2の板部42の第1の板部41に臨む側辺には、枢支軸412を受け入れることにより、該枢支軸412を軸心として回転可能な枢支スロット421が形成されている。
【0024】
リンク手段3は、主に図9に示されているように、連動保持装置1が有する各揺動棒20において座手段4の2つの第2の板部42をそれぞれ持ち上げる2つの揺動棒20ではない他の1本の揺動棒20(本体部21)の上端側に設けられて該揺動棒20の延伸方向Xに沿ってスライド可能なスライディングスリーブ31と、一端部362が連動保持装置1が有する中央保持手段10に固定されている枢支部13に枢支され、該一端部362の反対側にある他の一端部361にスライディングブロック35が枢支されている第1のリンク36と、一端部372が第1のリンク36の中央保持手段10に枢支される端部362から所定の距離離れた枢支箇所363に枢支され、該一端部372の反対側にある他の一端部371が前記スライディングスリーブ31に枢支されている第2のリンク37と、を有している。
【0025】
そして、図2に示されているように、スライディングスリーブ31には、座手段4の第1の板部41が枢支される第1の枢接部311と、第2のリンク37の他の一端部371が枢支される第2の枢接部312と、が形成されている。
【0026】
ちなみに、図1及び図3に示されるように、スライディングスリーブ31が取り付けられる揺動棒20の上端には、グリップ23が取り付けられており、該椅子が収納位置に切り替えられて全体が直棒状になっている状態では、該グリップ23をつかんで杖として使用することが可能になっている。
【0027】
座手段4の第1の板部41は、一端部が揺動可能にスライディングスリーブ31に枢支されていると共に、スライディングスリーブ31に枢支されている端部側から延伸するガイドレール411が形成されている。
【0028】
第1のリンク36の他の一端部361に枢支されるスライディングブロック35は、前記ガイドレール411に沿ってスライド可能に該ガイドレール411に取り付けられている。
【0029】
また、図2に示されているように、この実施形態において、スライディングブロック35は、略U字形に形成されていて第1のリンク36の他の一端部361に枢支される枢支ユニット351と、略T字形に形成されていて一端部が枢支ユニット351に取り付けられていると共に、他端部がガイドレール411に取り付けられているスライディングユニット352とにより構成されている。
【0030】
この構成により、連動保持装置1が収納状態から展開状態に切り替えられると、リンク手段3のスライディングスリーブ31が配置される揺動棒20以外の2つの揺動棒20が座手段4の2つの第2の板部42をそれぞれ持ち上げると共に、第1の板部41は、リンク手段3のスライディングスリーブ31と第1のリンク36と第2のリンク37との連動及びスライディングブロック35のガイドレール411に沿った移動により、スライディングスリーブ31に対して揺動して図8及び図9に示される展開位置に切り替えられる。
【0031】
このように、本実施形態の連動保持装置1によれば、いずれかの1つの揺動棒20の回転部214が対応の回転軸線L1を中心として回転方向へ回転すると、揺動部22が揺動方向へ揺動するためカム面221も揺動方向へ揺動して隣の他の1つの揺動棒20が有するカム面221とカム接触して該他の1つの揺動棒20の揺動部22を押し動かして揺動させることにより、該他の1つの揺動棒20の回転部214を対応の回転軸線L1を中心として前記回転方向へ回転させる構成を有しているので、該連動保持装置1を椅子に適用すると、それぞれ椅子の支持脚となる揺動棒20における1本を前記回転方向へ回転させる操作を行うだけで、すべての揺動棒20が一斉に前記回転方向へ回転するように連動するので、単純且つ簡単な操作で収納状態から展開状態に切り替えられる椅子を提供することができる。
【0032】
図12図14に本発明に係る椅子の第2の実施形態が示されており、図示されているように、この第2の実施形態の椅子が有する連動保持装置1における中央保持手段10は、円環部を有さず、中心軸部12のみで回転軸棒15を保持する構成になっている。
【0033】
この第2の実施形態の椅子において、中央保持手段10の中心軸部12は、3つの辺を持つ三角形の輪郭を有し、そして該3つの辺にそれぞれ対応する3つの当接案内面17を有している。該3つの回転軸棒15は3つの当接案内面17からそれぞれ延伸し、そして該3つの回転軸棒15にそれぞれ取り付けられる各揺動棒20は、対応する当接案内面17に当接するように取り付けられると共に、該対応する当接案内面17により揺動方向が案内される構成になっている。
【0034】
このように、回転軸棒15を保持できる構成であれば、中心軸部と円環部との両者のいずれか1つのみを有することは可能である。
【0035】
図15は本発明に係る椅子の第3の実施形態の展開位置にあるときの外部構成が示される側面図である。
【0036】
図示のように、この実施形態におけるリンク手段3は、連動保持装置1が有する各揺動棒20における1本の揺動棒20の上端側に設けられて該揺動棒20の延伸方向Xに沿ってスライド可能なスライディングスリーブ31と、一端部が連動保持装置1が有する中央保持手段10に固定されている枢支部13に枢支され、該一端部の反対側にある他の一端部がスライディングスリーブ31に枢支されている連動リンク302と、を有している。
【0037】
この実施形態における座手段4は、揺動可能にスライディングスリーブ31に枢支されている第1の板部41と、第1の板部41の一側の周縁に揺動可能に枢支されている第2の板部42と、を有している。
【0038】
この第3の実施形態では、リンク手段3の構成は第1の実施形態と異なっているが、第1の実施形態と同じように、連動保持装置1が展開状態に切り替えられると、リンク手段3のスライディングスリーブ31が配置される揺動棒20以外の2本の揺動棒20が座手段4の第2の板部42を持ち上げると共に、第1の板部41は、リンク手段3のスライディングスリーブ31及び連動リンク302の連動により、スライディングスリーブ31に対して揺動して展開位置に切り替えられるように構成されている。
【0039】
図16は本発明に係る連動保持装置の第1の変化例が示される一部拡大説明図である。図示のように、この第1の変化例では、中央軸線Lに直交する断面において、中央保持手段10の中心軸部12は長さが互いに異なる3つの辺を持つ略不等辺三角形の輪郭を有するように構成されていると共に、該長さが互いに異なる辺がそれぞれ対応する側面から、それぞれ1つの回転軸棒15が外側へ延伸するように配置構成されている上、各回転軸棒15がそれぞれ対応する回転軸線L1は、いずれも中央軸線Lと交点を持たないように配置構成されている。
【0040】
即ち、回転軸線L1と中央軸線Lとの2つの仮想線に交点がないように構成することも可能である。そしてこの場合、回転軸線L1は中央軸線Lの近辺を通過している。
【0041】
図17は本発明に係る連動保持装置の第2の変化例が示される一部拡大説明図である。図示のように、この第2の変化例では、中央保持手段10の中心軸部12は略四角形の輪郭を有するように構成されていると共に、4つの揺動棒20が中心軸部12に揺動可能に取り付けられている。即ち、4つの揺動棒20にそれぞれ形成される揺動部22が隣の揺動棒20に形成される揺動部22を押し動かす構成であれば、揺動棒20の数を4以上に構成することも可能である。
【0042】
図18は本発明に係る椅子の第4の実施形態の構成が示される分解斜視図である。図示のように、この第4の実施形態における連動保持装置1は、中心軸部12と、円環部11と、3つの回転軸棒15とを有し、該3つの回転軸棒15を用いて中心軸部12と円環部11とをつなぐ構成になっている。このように、中心軸部12と円環部11とを有する構成においては、中心軸部12と円環部11とをつなぐ保持柱を省略することも可能である。
【0043】
図19図21に本発明に係る連動保持装置の第3の変化例が示されている。図19は該第3の変化例を用いた椅子の構成が示される分解斜視図であり、図20は同第3の変化例の構成が示される横断面図であり、図21は同第3の変化例の構成及び作動状態が示される横断面図である。
【0044】
図示のように、この第3の変化例では、3つの揺動棒20における2つの揺動棒20に形成される揺動部22には、その片側(例えば、図20では中央軸線Lを中心とする反時計回り側)にある他の1つの揺動棒20に向かって突起する作動突起226が形成されており、そして該作動突起226が形成される揺動部22のカム面221が有する2つの翼面部224において、該作動突起226に隣接する翼面部224には、該作動突起226の先端まで延伸する延伸エリア2241と、隣の角面部225に接すると共に、中央軸線L側に向かって凹陥する曲面となる凹陥エリア2242と、が形成されている。
【0045】
即ち、作動突起226が形成される揺動棒20の回転部214が対応の回転軸線L1を中心として前記回転方向へ回転すると、揺動部22が前記揺動方向へ揺動するため、揺動部22から突起する作動突起226も前記揺動方向へ揺動して、作動突起226の先端まで延伸する翼面部224及び角面部225も隣の他の1つの揺動棒20が有するカム面221の翼面部224とカム接触して該他の1つの揺動棒20の揺動部22を押し動かして揺動させるように成っている。
【0046】
このように、3つの揺動棒20における2つの揺動棒20の揺動部22に、片側にある他の1つの揺動棒20に向かって突起する作動突起226及び翼面部224の延伸エリア2241が形成されることにより、隣り合う2本の揺動棒20の間の距離を確保すると共に、各揺動棒20が連動して揺動する際及び展開後の安定性に寄与することができる。
【0047】
そして該隣の他の1つの揺動棒20を押し動かす翼面部224に形成される凹陥エリア2242により、作動中に部材の間の不要な干渉の発生を回避することができる。
【0048】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明に係る連動保持装置を用いた椅子によれば、従来より簡単な操作で収納状態から展開状態に切り替えられるので、例えば外出において杖と椅子とが必要となる人が携帯するものとして有用である。
【符号の説明】
【0050】
1連動保持装置
10中央保持手段
11円環部
12中心軸部
13枢支部
14保持柱
15回転軸棒
16案内スロット
20揺動棒
21本体部
214回転部
22揺動部
221カム面
224翼面部
2241延伸エリア
2242凹陥エリア
225角面部
226作動突起
23グリップ
3リンク手段
302連動リンク
31スライディングスリーブ
311第1の枢接部
312第2の枢接部
35スライディングブロック
351枢支ユニット
352スライディングユニット
36第1のリンク
361他の一端部(第1のリンク)
362一端部(第1のリンク)
363枢支箇所(第1のリンク)
37第2のリンク
371他の一端部(第2のリンク)
372一端部(第2のリンク)
4座手段
41第1の板部
411ガイドレール
412枢支軸
42第2の板部
421枢支スロット
L中央軸線
L1回転軸線
X延伸方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21