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特開2022-37928データ処理装置、データ処理方法およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037928
(43)【公開日】2022-03-09
(54)【発明の名称】データ処理装置、データ処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220302BHJP
   G06Q 50/16 20120101ALI20220302BHJP
【FI】
G06Q30/02 450
G06Q50/16 300
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021136711
(22)【出願日】2021-08-24
(31)【優先権主張番号】P 2020141467
(32)【優先日】2020-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】518126421
【氏名又は名称】GATES株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520324721
【氏名又は名称】Onplanetz株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】230121016
【弁護士】
【氏名又は名称】小笠原 匡隆
(72)【発明者】
【氏名】関野 雄志
(72)【発明者】
【氏名】權 暁成
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB02
5L049CC28
(57)【要約】
【課題】不動産など取引対象の価値を求めるためにより便利なデータ処理装置などを提供する。
【解決手段】実施形態にかかるデータ処理装置は、コンピュータのメモリに記憶された所定の指示命令をプロセッサが実行することによりデータを処理するデータ処理装置であって、特定の分野における取引対象の複数の属性値を評価して、複数の前記属性値それぞれの評価値を求める評価装置と、求められた複数の前記評価値に基づいて、前記取引対象の価値を判定する価値判定装置と、複数の前記評価値それぞれが、前記取引対象の価値を判定の結果に与えた重要度を判定する重要度判定装置と、判定された前記取引対象の価値と、判定された前記重要度とを対応付けて出力する出力装置とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータのメモリに記憶された所定の指示命令をプロセッサが実行することによりデータを処理するデータ処理装置であって、
特定の分野における取引対象の複数の属性値を評価して、複数の前記属性値それぞれの評価値を求める評価装置と、
求められた複数の前記評価値に基づいて、前記取引対象の価値を判定する価値判定装置と、
複数の前記評価値それぞれが、前記取引対象の価値の判定の結果に与えた重要度を判定する重要度判定装置と、
判定された前記取引対象の価値と、判定された前記重要度とを対応付けて出力する出力装置と、
を備えるデータ処理装置。
【請求項2】
前記価値判定装置は、複数の前記取引対象それぞれをランク付けする、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記価値判定装置は、複数の前記取引対象それぞれの価値を点数で示す、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記重要度判定装置は、複数の前記属性値それぞれの前記重要度を、シャープレイ値を用いて判定する、
請求項1~3のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記評価装置は、複数の前記取引対象の複数の前記属性値を機械学習することにより得られた学習済モデルを用いて、複数の前記属性値それぞれの前記評価値を求める、
請求項1~4のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記評価装置は、複数の前記取引対象それぞれの複数の前記属性値の少なくとも一部を、前記特定の分野の専門家が評価することにより求められた複数の前記評価値を含む教師データを用いて機械学習することにより前記学習済モデルを得る、
請求項5に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記評価装置は、
ニューラルネットと、
前記ニューラルネットに含まれるノードの段間の重み付けを調整する重み付け調整装置と、
を備え、
前記重み付け調整装置は、複数の前記属性値それぞれを前記ニューラルネットが処理することにより得られた複数の前記評価値のうち、前記教師データに含まれる複数の前記評価値それぞれと、前記教師データに含まれる複数の前記評価値それぞれに対応する複数の前記評価値それぞれとが可能な限り近くなるように、前記ニューラルネットに含まれる複数のノードの間の重み付け係数を調整することにより前記学習済モデルを得る、
請求項6に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
複数の前記評価値は、複数の当該評価値に対応する前記取引対象の総合評価を含む、
請求項7に記載のデータ処理装置。
【請求項9】
前記評価装置は、機械学習の対象とされた前記取引対象以外の複数の前記取引対象それぞれの複数の前記属性値の少なくとも一部を、前記特定の分野の専門家が評価することにより得られた複数の前記評価値を含む前記教師データを用いて機械学習することにより汎用化を行って汎用学習済モデルを得て、
得られた前記汎用学習済モデルを用いて、複数の前記属性値を評価する、
請求項6に記載のデータ処理装置。
【請求項10】
前記評価装置は、
ニューラルネットと、
前記ニューラルネットに含まれるノードの段間の重み付けを調整する重み付け調整装置と、
を備え、
前記重み付け調整装置は、機械学習の対象とされた前記取引対象以外の複数の前記取引対象の複数の前記属性値それぞれを前記ニューラルネットが処理することにより得られた複数の前記評価値のうち、前記教師データに含まれる複数の前記評価値それぞれと、前記教師データに含まれる複数の前記評価値それぞれに対応する複数の前記評価値それぞれとが可能な限り近くなるように、前記ニューラルネットに含まれる複数のノードの間の重み付け係数を調整することにより前記汎用化を行って前記汎用学習済モデルを得る、
請求項9に記載のデータ処理装置。
【請求項11】
前記汎用化の結果に基づいて、前記教師データの作成に用いられる前記属性値の数および種類またはこれらのいずれかを変更する変更装置、
をさらに備える請求項10に記載のデータ処理装置。
【請求項12】
前記汎用化の結果に基づいて、前記特定の分野における専門家の数を変更する変更装置、
をさらに備える請求項10に記載のデータ処理装置。
【請求項13】
前記特定の分野は、不動産取引の分野であって、
前記取引対象は不動産である、
請求項1~12のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項14】
前記不動産は、建物である、
請求項13に記載のデータ処理装置。
【請求項15】
前記建物の複数の前記属性値は、前記建物がいずれの鉄道の沿線にあるかを示す沿線情報と、前記建物の立地を示す立地情報と、前記建物の属性を示す建物情報と、前記建物の管理状態を示す管理情報と、前記建物の価格を示す価格情報と、に分類される、
請求項14に記載のデータ処理装置。
【請求項16】
前記不動産は、ワンルーム物件である、
請求項14または15に記載のデータ処理装置。
【請求項17】
メモリに記憶された所定の指示命令をプロセッサが実行することにより、
特定の分野における取引対象の複数の属性値を評価して、複数の前記属性値それぞれの評価値を求め、
求められた複数の前記評価値に基づいて、前記取引対象の価値を判定し、
複数の前記評価値それぞれが、前記取引対象の価値の判定の結果に与えた重要度を判定し、
判定された前記取引対象の価値と、判定された前記重要度とを対応付けて出力する、
データ処理方法。
【請求項18】
特定の分野における取引対象の複数の属性値を評価して、複数の前記属性値それぞれの評価値を求め、
求められた複数の前記評価値に基づいて、前記取引対象の価値を判定し、
複数の前記評価値それぞれが、前記取引対象の価値の判定の結果に与えた重要度を判定し、
判定された前記取引対象の価値と、判定された前記重要度とを対応付けて出力する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置、データ処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
不動産から収益を得るためには、その不動産を、不動産の所有者自らの住居として利用のではなく、他人に賃貸したり、他人との間で売買したりして運用する必要がある。従って、その市場における価値を、主観的でなく客観的に把握することが極めて重要である。例えば、特許文献1は、平準化された運用情報を用いて、不動産の価値を求めるシステムを開示する。また、特許文献2は、新築時販売価格と中古販売価格とを用いて不動産の価値を求めるシステムを開示する。
【0003】
特許文献1に開示されたシステムは、不動産の登記情報および課税台帳に記載された情報のみを参考にして不動産の価値を求める。つまり、このシステムは、不動産取引業者が実務において不動産の価値を求める方法とは異なる方法で不動産の価値を求めている。また、特許文献2に開示されたシステムは、複数の不動産の複数の販売価格の情報を用いて不動産の価値を求める。しかしながら、複数の不動産の間の関係は明確ではないので、このシステムにより求められる不動産の価値は必ずしも客観的ではなく、また、不動産取引業者の実務に基づいていない。
【0004】
また、不動産の価値を求めるために、機械学習により求められた学習済モデルを用いることができる。さらに、学習済モデルにおける特徴量の重要度を計算するための方法が知られている。非特許文献1は、特徴量の重要度の計算にシャープレイ(SHAP)値を用いる方法を開示し、非特許文献2は、近似的にSHAP値を算出するオープンソースのライブラリを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-212845号公報
【特許文献2】特開2017-016354号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「SHAPを用いて機械学習モデルを説明する」,2021年4月14日,川越 雄介 著(https://www.datarobot.com/jp/blog/explain-machine-learning-models-using-shap/)
【非特許文献2】slundberg/shap(https://github.com/slundberg/shap)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以下に説明する実施形態は上述した背景からなされ、不動産など取引対象の価値を求めるためにより便利なデータ処理装置などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態にかかるデータ処理装置は、コンピュータのメモリに記憶された所定の指示命令をプロセッサが実行することによりデータを処理するデータ処理装置であって、特定の分野における取引対象の複数の属性値を評価して、複数の前記属性値それぞれの評価値を求める評価装置と、求められた複数の前記評価値に基づいて、前記取引対象の価値を判定する価値判定装置と、複数の前記評価値それぞれが、前記取引対象の価値を判定の結果に与えた重要度を判定する重要度判定装置と、判定された前記取引対象の価値と、判定された前記重要度とを対応付けて出力する出力装置とを備える。
【0009】
また、実施形態にかかるデータ処理方法は、メモリに記憶された所定の指示命令をプロセッサが実行することにより、特定の分野における取引対象の複数の属性値を評価して、複数の前記属性値それぞれの評価値を求め、求められた複数の前記評価値に基づいて、前記取引対象の価値を判定し、複数の前記評価値それぞれが、前記取引対象の価値を判定の結果に与えた重要度を判定し、判定された前記取引対象の価値と、判定された前記重要度とを対応付けて出力する装置。
【0010】
また、実施形態にかかるプログラムは、特定の分野における取引対象の複数の属性値を評価して、複数の前記属性値それぞれの評価値を求め、求められた複数の前記評価値に基づいて、前記取引対象の価値を判定し、複数の前記評価値それぞれが、前記取引対象の価値を判定の結果に与えた重要度を判定し、判定された前記取引対象の価値と、判定された前記重要度とを対応付けて出力する処理をコンピュータに実行させる。
【0011】
さらに他の実施形態にかかるワンルーム物件価値算定システムなどは、一又は複数のワンルーム物件の選択を受け付ける物件選択受付部と、選択を受け付けたワンルーム物件の情報を取得する物件情報取得部と、取得したワンルーム物件の情報であってインターフォンの有無を含む属性情報に基づいて、予め学習を行い得られた汎用学習済モデルが組み込まれた学習器を用いて得られる特徴量を取得する特徴量取得部と、取得した特徴量を用いて前記ワンルーム物件の価値に関する情報である価値情報を出力する価値情報出力部とからなる。
【0012】
また、同システムで用いられることが想定されるワンルーム物件価値算定用汎用学習済モデルの生成方法は、ワンルーム物件の価値算定に関する所定の機械学習モデルについて初期データに基づいて学習を行うことで初期学習済モデルを生成する初期学習ステップと、一のワンルーム物件の属性を表す属性情報のうちインターフォンの有無を含む複数の情報を用いて追加学習を行い複数の個別学習済モデルを統合処理して汎用学習済モデルを取得する統合ステップとを備える。
【0013】
また、実施形態にかかるワンルーム物件価値算定方法は、一又は複数のワンルーム物件の選択を受け付ける物件選択受付ステップと、受け付けたワンルーム物件の属性を表す情報であってインターフォンの有無を含む属性情報を取得する属性情報取得ステップと、取得した属性情報に基づいて予め学習を行い得られた汎用学習済モデルが組み込まれた学習器を用いて、前記ワンルーム物件の特徴量を抽出する物件特徴量抽出ステップと、前記抽出された物件の特徴量を用いて、当該ワンルーム物件の価値評価を行う価値評価ステップとをコンピュータに実行させる。
【0014】
さらに、実施形態にかかるワンルーム物件価値算定プログラムは、一又は複数のワンルーム物件の選択を受け付ける物件選択受付ステップと、選択を受け付けたワンルーム物件の情報を、ネットワークを介してサーバに出力する物件情報出力ステップと、出力したワンルーム物件の情報であってインターフォンの有無を含む属性情報に基づいて、予め学習を行い得られた汎用学習済モデルが組み込まれた学習器を用いて得られる特徴量をサーバから取得する特徴量取得ステップと、取得した特徴量を用いて前記ワンルーム物件の価値に関する情報である価値情報を出力する価値情報出力ステップとをコンピュータにより実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態にかかるシステムの構成を例示する図である。
図2図1に示したデータ処理装置、端末装置および不動産情報提供装置のコンピュータとしてのハードウェアの構成を例示する図である。
図3図1図2に示したデータ処理装置による価値の評価の対象となるnの建物の不動産の属性情報と不動産の評価とを例示する図である。
図4図1図2に示したデータ処理装置の構成を示す図である。
図5図1図2に示したデータ処理装置において学習済モデルの作成に用いられる教師データを例示する図である。
図6図4に示した評価装置の構成を例示する図である。
図7図4に示した出力装置が不動産情報提供装置に送信してディスプレイに表示させる画像を例示する第1の図である。
図8図4に示した出力装置が不動産情報提供装置に送信してディスプレイに表示させる画像を例示する第2の図である。
図9図4に示した出力装置が作成する不動産情報を例示する図である。
図10図1,図2,図4図6に示したデータ処理装置の動作を示す第1のフローチャートである。
図11図1,図2,図4図6に示したデータ処理装置の動作を示す第2のフローチャートである。
図12図1,図2,図4図6に示したデータ処理装置の動作を示す第3のフローチャートである。
図13】本発明のワンルーム物件価値算定システムの概要を示す図である。
図14】実施形態2のワンルーム物件価値算定システムの機能ブロックの一例を示す図である。
図15】実施形態2のワンルーム物件価値算定システムにて用いられる汎用学習済モデルの生成方法の処理の流れの一例を示す図である。
図16】実施形態2のワンルーム物件価値算定システムの機能的な各構成をまとめて一のハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図である。
図17】実施形態2のワンルーム物件価値算定システムにおける処理の流れの一例を示す図である。
図18】実施形態3のワンルーム物件価値算定システムの機能ブロックの一例を示す図である。
図19】実施形態3のワンルーム物件価値算定システムにおける処理の流れの一例を示す図である。
図20】実施形態4のワンルーム物件価値算定システムの機能ブロックの一例を示す図である。
図21A】実施形態4のワンルーム物件価値算定システムにおける処理の流れの一例のうち一部を示す第1の図である。
図21B】実施形態4のワンルーム物件価値算定システムにおける処理の流れの一例のうち一部を示す第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施形態1]
以下、実施形態1を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下、図面において実質的に同じ構成要素、処理、情報およびデータには同じ符号および名称が付される。また、複数ありうる構成要素のいずれかを特定せずに示すときには、構成要素の符号の添え字を省略することがある。また、以下に示す情報およびデータの数および種類は例示であり、実施形態の構成に応じて、適宜、変更されうる。
【0017】
また、図面において構成要素およびデータの数および種類は例示的に示され、適宜、増減されたり変更されたりしうる。また、構成要素の間における通信の順番は例示的に示され、適宜、変更されうる。また、図示の都合上、「装置」および「属性」など、構成要素の名称の一部が適宜、省略されることがある。また、図面において、発明の本質的な説明に関係しない構成要素は、適宜、省略されることがある。
【0018】
図1は、実施形態にかかるシステム1の構成を例示する図である。図1に示すように、システム1は、データ処理装置2と、教師データ作成者#1~#mが用いる端末装置14-1~14-mと、データ処理装置2のユーザの端末装置16と、複数の不動産およびそれらの複数の属性値を提供する不動産情報提供装置18とが、有線通信回線および無線通信回線またはこれらの組み合わせによりインターネットなどの通信ネットワーク100に接続され、システム1の構成要素の間で相互にデータの通信が可能となるように構成される。なお、mは2以上の整数であり、例えば、m=3であり、ただし、後述するようにmの値は変更されうる。
【0019】
システム1は、これらの構成要素により、様々な分野で取引される取引対象の属性値を処理して、取引対象の価値にランク付けし、取引対象の価値を評価し、取引対象の価値のランク付けおよび点数化に対する属性値の重要度を判定する。上述したように、システム1は、様々な分野における取引対象の価値判断において有用であるが、以下、システム1が不動産、特に、部屋数が1つのワンルーム物件をはじめとする建物の価値判断のために用いられる場合を具体例とする。
【0020】
図2は、図1に示したデータ処理装置2、端末装置14,16および不動産情報提供装置18のコンピュータとしてのハードウェアの構成を例示する図である。図2に示すように、これらの構成要素は、バス120を介して相互にデータを入出力可能に接続されたプロセッサ122と、ROM124と、RAM126と、通信ネットワーク100に接続される通信インターフェース(IF)128と、ディスプレイおよびキーボードなどのユーザインターフェース(UI)装置が接続される入出力インターフェース130と、フラッシュメモリおよびDVDなどの記憶媒体に対して、データの書き込みおよび読み出しを行う記憶装置132と、プリンタなどが接続される外部装置インターフェース134とを備える。
【0021】
システム1の各構成要素は、専門のハードウェアにより実現されても、図2に示したROM124などにソフトウェアとして記憶されたプログラムをプロセッサ122が実行することにより実現されてよい。また、システム1の各構成要素は、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより実現されてよい。
【0022】
システム1の各構成要素の説明に先立ち、まず、前提として建物の不動産の属性および属性値を説明する。図3は、図1図2に示したデータ処理装置2による価値の評価の対象となるnの建物の不動産のうち、不動産識別子(不動産識別子RID#j)により識別されるある建物の不動産の分類、属性および属性値を示す属性情報と、属性とその属性値の組み合わせに対する評価値EVを例示する図である。
【0023】
なお、図3に示した不動産の分類および不動産の属性は、不動産の分野において、建物の専有部分の評価および賃貸物件の評価などのために一般的に用いられている。また、属性値は、機械学習の技術分野において「特徴量」とも呼ばれる。従って、以下の記載において、「属性値」を「特徴量」と読み替えることができる。また、RID#jは、属性とその促成値との組み合わせが教師データの作成に用いられるか否かを問わず、nの建物の不動産のいずれか1つを一意に識別し、jはn~1の整数であり、nは2以上の整数であるが、nは機械学習による学習済モデルの作成が可能な程度に充分に大きい値である必要がある。
【0024】
図3に示すように、例えば、複数の建物それぞれは、「沿線属性」、「立地属性」、「建物属性」、「設備属性」および「価格属性」のいずれかに分類されるr種類の属性を含み、r種類の属性それぞれは属性値を有する。なお、図3においてはr=35である。
【0025】
「沿線属性」の分類は、鉄道の「路線」、「最寄駅」、「駅距離」、「利用可能路線数」、「利用可能駅数」、「路線ランキング」および「駅ランキング」の属性を含む。また、「立地属性」の分類は、「所在地」、「コンビニ・スーパー」、「近隣_墓地」、「近隣_大学」および「方角」の属性を含む。
【0026】
また、「建物属性」の分類は、「築年数」、「新/旧耐震基準」、「構造」、「建物階」、「専有部分階」、「エレベータ」、「オートロック」、「総戸数」、「専有面積」および「間取」の属性を含む。また、「設備属性」の分類は、「水回り」、「浴室乾燥機」、「追い焚き機能」、「エアコン」、「コンロ」、「収納」、「洗濯機置き場」、「バルコニー」、「インターフォン」、「宅配ロッカー」および「駐輪場」の属性を含む。「価格属性」の分類は、「家賃騰落率」および「図面価格」の属性を含む。
【0027】
属性それぞれは、属性値を有し、例えば、不動産識別子RID#jにより識別される建物の「鉄道属性」に分類される「路線」、「最寄駅」、「駅距離」、「利用可能路線数」、「利用可能駅数」、「路線ランキング」および「駅ランキング」の属性それぞれは、属性値「α線」、「e駅」、「徒歩2分」、「2」、「3」、「23」および「ランク外」それぞれを有する。また、例えば、「立地属性」に分類される「所在地」、「コンビニ・スーパー」、「近隣_墓地」、「近隣_大学」および「方角」の属性それぞれは、属性値「a県b市d町」、「徒歩10分」、「あり」、「徒歩10分」および「南東」を有する。
【0028】
また、「建物属性」に分類される属性「築年数」、「新/旧耐震基準」、「構造」、「建物階」、「専有部分階」、「エレベータ」、「オートロック」、「総戸数」、「専有面積」および「間取」それぞれは、属性値「20年」、「旧耐震基準」、「RC(鉄筋コンクリート)」、「6」、「5」、「あり」、「モニタ付き」、「30戸」、「30m」および「2DK」などの属性値を有する。
【0029】
「設備属性」に分類される属性「水回り」、「浴室乾燥機」、「追い焚き機能」、「エアコン」、「コンロ」、「収納」、「洗濯機置き場」、「バルコニー」、「インターフォン」、「宅配ロッカー」および「駐輪場」それぞれは、「バス・トイレ別」、「あり」、「なし」、「あり」、「システムキッチン」、「クローゼットあり」、「あり」、「モニタ付き」、「あり」および「あり」の属性値それぞれを有する。「価格属性」に分類される属性「家賃騰落率」および「図面価格」それぞれは、「-3.35%」および「1780万円」の属性値それぞれを有する。
【0030】
ただし、データ処理装置2は、図3に示した属性値R1~Rp,A1~Aqの全てを自ら収集する必要はない。データ処理装置2は、例えば、データ処理装置2の運営者の運営方針に従って、不動産情報提供装置18に対する問い合わせを行って収集したり、インターネットで提供される地図情報提供サービスを利用して、不動産の所在地から路線、最寄駅、駅距離および利用可能沿線数などの属性値などを補完したりしてもよい。
【0031】
図3に示した属性と属性値との組み合わせそれぞれには、評価値EVとして高い方から低い方にF(良;Fine),N(良くも悪くもない;Neither fine nor poor),P(悪い;Poor)のいずれかが付されうる。さらに、複数の建物それぞれには、不動産の分野における専門家により、総合的な評価として総合評価CEVとしてFまたはPが付されうる。なお、これらF,N,Pそれぞれは、日本語の文章においては、○,△,×それぞれにより表されることが多い。また、評価値EVは、ここでは、属性値R1~Rp,A1~Aqの評価値EVR1~EVRp,EVA1~EVAqの総称である。不動産の分野における専門家は、例えば、ワンルーム物件に特に高い知見を有する。
【0032】
なお、図3に示したrの属性およびその属性値の組み合わせのうちのpは、属性と属性値との組み合わせR1~Rpとして、不動産の分野におけるm人の専門家それぞれによる評価の対象となる。なお、図3は、p=6,q=29の場合を示す。このような評価の結果として得られたp種類の評価値EVR1~EVRpおよびq種類の評価値EVA1~EVAqの全部または一部は、データ処理装置2において、教師データの作成に用いられる。なお、以下、「属性と属性値との組み合わせR1~Rp,A1~Aq」は、単に「属性値R1~Rp,A1~Aq」などと記載される。なお、以下、属性値R1~Rpおよび総合評価CEVのみが機械学習に用いられる場合を具体例として説明する。
【0033】
図1に示した不動産情報提供装置18は、例えば、不動産の情報を同業者または一般に提供する企業などにより運営される。不動産情報提供装置18は、上述したように、データ処理装置2からの要求に応じて、図3に示した建物の不動産の属性値、例えば、図3に示した沿線ランキング、駅ランキングおよび家賃騰落率などを、通信ネットワーク100を介してデータ処理装置2に提供する。
【0034】
端末装置14-1~14-mそれぞれは、m人の不動産の分野の専門家それぞれ、例えば、m人の不動産取引業者それぞれにより用いられる。端末装置14-1~14-mそれぞれは、図3に示した属性値R1~Rpを、通信インターフェース128および通信ネットワーク100を介してデータ処理装置2から受信する。
【0035】
端末装置14-1~14-mそれぞれは、受信した属性値R1~RpをUI装置のディスプレイなどに表示する。さらに、端末装置14-1~14-mそれぞれは、m人の不動産取引業者それぞれの属性値R1~Rpに対する評価値EVR1~EVRpを受け入れ、通信インターフェース128および通信ネットワーク100を介してデータ処理装置2に送信する。
【0036】
端末装置16は、データ処理装置2のユーザにより用いられ、データ処理装置2から不動産の評価値などの情報を、通信インターフェース128および通信ネットワーク100を介してデータ処理装置2から受信し、UI装置のディスプレイなどに表示する。
【0037】
図4は、図1図2に示したデータ処理装置2の構成を示す図である。図4に示すように、データ処理装置2は、属性情報取得装置20、教師データ作成装置22、評価値受入装置24、評価装置26、変更装置28、処理制御装置30、重要度判定装置34、価値判定装置36、出力装置38および情報補完装置40を備える。
【0038】
これらデータ処理装置2の構成要素それぞれは、上述したように、ハードウェア的に実現されても、ROM124などに記憶されてプロセッサ122により実行される指示命令を含むプログラムのモジュールとしてソフトウェア的に実現されても、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。
【0039】
データ処理装置2は、これらの構成要素により、図5に示すm人の不動産取引業者それぞれにより作成されたm種類の属性値R1~Rpへの評価値EVR1~EVRpおよび総合評価CEVを教師データとして用い、属性値R1~Rpおよび総合評価CEVに対する機械学習を行って作成した学習済モデルを用いて、建物の不動産の価値を判定して、端末装置16に対して送信し、そのユーザに提供する。
【0040】
図5は、図1図2に示したデータ処理装置2において学習済モデルの作成に用いられる不動産識別子RID#1’~n’により識別される建物の不動産の属性情報から作成された教師データを例示する図である。なお、図5は、図3においてと同様に、p=6の場合を示す。学習済モデルの作成に用いられる教師データは、n’種類の属性情報を含む。
【0041】
なお、n’は、1~nの整数であるが、データ処理装置2において学習済モデルを得るために、データ処理装置2の運営者が必要と考える程度に大きな数で、また、m人の不動産取引業者が処理できうる程度に限定された数、例えば数千~一万程度とされる。また、不動産識別子RID#1’は、端末装置14-1~14-mそれぞれにおいてmの不動産取引業者それぞれによる評価の対象となった属性値R1~Rpに対応付けられた最小の不動産識別子を示す。
【0042】
n’の教師データのうちの第j’番目の教師データは、不動産取引業者識別子REID#1~#mと、第j’番目の教師データの属性値に対応付けられた不動産識別子RID#j’と、m種類の評価値EVR1~EVRpと、m種類の総合評価CEVとを含む。なお、j’は1’~n’である。また、不動産取引業者識別子REID#1~#mそれぞれは、mの不動産取引業者それぞれを一意に識別する。
【0043】
それぞれm種類の評価値EVR1~EVRpは、第j’番目の教師データにおいて、mの不動産取引業者それぞれにより評価された属性値R1~Rpの評価値EVR1~EVRpであり、上述したように、それぞれF,N,Pのいずれかである。また、m種類の総合評価CEVは、第j’番目の教師データにおいて、mの不動産取引業者それぞれにより評価された不動産識別子RID#j’により識別される不動産の総合評価CEVであり、上述したように、それぞれFまたはPである。さらに、教師データの第j’番目の教師データには、不動産識別子RID#j’に対応付けられた属性値R1~Rpが少なくとも対応付けられる。
【0044】
さらに、データ処理装置2は、その運営者の運営方針に従って、あるいは、自動的に、作成した学習済モデルを、建物の不動産の価値を精度よく判定でき、しかも、過学習の状態にならないように汎用化する汎用化学習を行い、汎用学習済モデルを得る。データ処理装置2は、汎用学習済モデルを用いて、建物の不動産の価値を、さらに良好に判定できるようにする。
【0045】
図4に示した属性情報取得装置20は、データ処理装置2の運営者により、データ処理装置2のUI装置および入出力インターフェース130などを介して入力された建物の不動産の属性情報、および、不動産情報提供装置18から通信ネットワーク100および通信インターフェース128を介して入力された建物の不動産に関する情報から属性情報を抽出し、取得する。
【0046】
属性情報取得装置20は、取得した属性情報に含まれる属性とその属性値のうち、教師データの作成に用いられる可能性を有する属性値R1~Rpおよび総合評価CFVを選択する。属性情報取得装置20は、さらに建物の不動産の所在地、名称および外観画像などを取得し、選択した属性値R1~Rpおよび総合評価CFVとともに記憶装置132などに記憶する。さらに、属性情報取得装置20は、記憶した属性値R1~Rpおよび総合評価CFVなどを、データ処理装置2の他の構成要素に対して出力する。
【0047】
評価値受入装置24は、記憶装置132などに記憶された属性情報のうち、教師データの作成に用いられる不動産識別子#1’~n’により識別される建物の不動産の属性情報を読み出す。評価値受入装置24は、読み出した属性値R1~Rpおよび総合評価CFVのうち、学習済モデルの作成に用いられるn’の建物の不動産それぞれの属性情報の属性値R1~Rpおよび総合評価CEVと、これらに対応付けられた不動産識別子RID#1’~#n’とを、図1に示した端末装置14-1~14-mに対して、通信インターフェース128および通信ネットワーク100を介して送信する。
【0048】
さらに、評価値受入装置24は、mの不動産取引業者それぞれによるn’種類の属性値R1~Rn’および総合評価CEVそれぞれに対する評価の結果として得られた評価値EVR1~EVRmおよび総合評価CEVを、端末装置14-1~14-mから、通信ネットワーク100および通信インターフェース128を介して受信する。評価値受入装置24は、受信したn’種類の評価値EVR1’~EVRn’および総合評価CEVそれぞれと、これらそれぞれに対応する不動産取引業者識別子#1~#mとを、教師データ作成装置22に出力する。
【0049】
教師データ作成装置22は、評価値受入装置24から入力された評価値EVR1’~EVRn’および総合評価CEVそれぞれと、評価値EVR1’~EVRn’および総合評価CEVに対応する不動産取引業者識別子REID#1~REID#m、不動産識別子RID#1’~#n’および属性値R1~Rpそれぞれとを対応付けて、図5に示した教師データを作成する。教師データ作成装置22は、作成した教師データを、学習済モデルまたは汎用学習済モデルの作成のための処理のタイミングに合わせて、教師データを1つずつ、評価装置26に出力する。
【0050】
変更装置28は、処理制御装置30の制御に従って、教師データの作成に用いられる属性値R1~Rpの数および種類を変更するように、評価値受入装置24および評価装置26を制御する。
【0051】
図6は、図4に示した評価装置26の構成を例示する図である。図5に示すように、評価装置26は、例えば、第1段260-1、第2段260-2、第3段260-3および第4段260-4から構成される4段構成のニューラルネット260および重み付け調整装置264を備える。第1段260-1および第4段260-4は、それぞれ、属性値R1~Re~Rpと総合評価CEVに対応するp+1のセルと、pの増加に備えた1以上の予備のセルとを含む。属性値なお、ニューラルネット260の段数と、最初の段(第1段260-1)および最後の段(第4の段260-4)以外の各段に含まれるセルの数とは、データ処理装置2の運営者により適宜、最適化され、変更されうる。
【0052】
評価装置26は、これらの構成要素により、図5に示した教師データを用いた機械学習を行って学習済モデルを作成する。また、評価装置26は、端末装置16のユーザから評価が要求された建物の不動産の属性値を用いて、この建物の不動産の価値を評価する。さらに、評価装置26は、さらに機械学習を行い、汎用学習済モデルを作成して建物の不動産の価値をさらに最適に評価する。
【0053】
ニューラルネット260の第1段260-1の第1~第pのノードそれぞれには、端末装置14-1~14-mを用いた不動産取引業者による教師データの作成の対象となった属性値R1~Rpそれぞれが、1つの教師データの分ずつ入力され、最後のノードには、同じく総合評価CEVが入力される。第1段260-1に含まれるp+1のノードそれぞれは、入力された属性値R1~Rpおよび総合評価CEVそれぞれに重み付け係数を乗算した属性値を、第2段260-2に含まれるノードそれぞれに出力する。
【0054】
ニューラルネット260の第2段260-2のノードそれぞれには、第1段260-1のノードそれぞれから評価値EVR1’~EVRp’および総合評価CEV’が入力される。第2段260-2のノードそれぞれは、第1段260-1のノードそれぞれから入力された評価値EVR1’~EVRp’および総合評価CEV’の総和値に重み付け係数を乗算した属性値を、第3段260-3に含まれるノードそれぞれに出力する。
【0055】
ニューラルネット260の第3段260-3のノードそれぞれには、第2段260-2のノードそれぞれから属性値EVR1”~EVRp”および総合評価CEV”が入力される。第3段260-3のノードそれぞれは、第2段260-2のノードそれぞれから入力された属性値EVR1”~EVRp”および総合評価CEV”の総和値に重み付け係数を乗算した属性値EVR1(3)~EVRp(3)および総合評価CEV(3)を、第4段260-4に含まれるrのノードそれぞれに出力する。
【0056】
ニューラルネット260の第4段260-4のrのノードそれぞれは、第3段260-3のノードそれぞれから属性値EVR1(3)~EVRp(3)および総合評価CEV(3)が入力される。第4段260-4のノードそれぞれは、第3段260-3のノードそれぞれから入力された属性値EVR1(3)~EVRp(3)および総合評価CEV(3)の総和値を、評価値EVR1~EVRpおよび総合評価CEVとして重み付け調整装置264に出力する。
【0057】
一方、ニューラルネット260において、属性値EVR1~EVRpおよび総合評価CEVは重み付け調整装置264に入力されて学習に用いられる。ただし、後述するように、汎用学習の結果として、属性値R1~Rpの数および種類またはこれらの一方が変更される可能性があるので、ニューラルネット260の入出力値と、重み付け調整装置264の入力値との間の関係は固定的ではなく、処理制御装置30により制御された変更装置28により、適宜、変更されうる。
【0058】
重み付け調整装置264は、評価装置26が学習済モデルまたは汎用学習済モデルを作成するときには、処理制御装置30が出力する評価値EVR1~EVRpおよび総合評価CEVが、図5に示した教師データに含まれる評価値EVR1~EVRpおよび総合評価CEVに可能な限り近くなるように、第1段260-1~第3段260-3に含まれる各ノードの重み付け係数を調整する。
【0059】
処理制御装置30は、例えば、データ処理装置2の運営者がUI装置に対して行った操作を、入出力インターフェース130を介して受け入れ、データ処理装置2の動作を制御する。つまり、処理制御装置30は、評価装置26が学習済モデルを作成するか、汎用学習済モデルを作成するか、属性値R1~Rpおよび総合評価CEVから評価値EVR1~EVRpおよび総合評価CEVを作成して価値判定装置36に出力するかに応じて、評価装置26の動作を制御する。
【0060】
処理制御装置30は、評価装置26が学習済モデルを作成するときには、図5に示した教師データを評価装置26に対して出力する。さらに、処理制御装置30は、評価装置26を制御し、評価装置26が出力した評価値EVR1~EVRpが、重要度判定装置34および価値判定装置36に出力されないようにする。
【0061】
また、処理制御装置30は、評価装置26が汎用学習済モデルを作成するときには、属性情報取得装置20、教師データ作成装置22および評価値受入装置24を制御し、新たな教師データを作成させ、評価装置26に対して出力させる。また、処理制御装置30は、評価装置26を制御して、評価装置26が出力した評価値評価値EVR1~EVRpおよび総合評価CEVが、重要度判定装置34および価値判定装置36に出力されないようにする。
【0062】
また、処理制御装置30は、作成された汎用学習済モデルの精度が低い場合には、教師データを作成する不動産取引業者の数を精度が高まるように変更し、同様に、これらの不動産取引業者が用いる端末装置14の数mを変更する評価値受入装置24を制御する。一方、処理制御装置30は、作成された汎用学習済モデルが過学習の状態にある場合にも、教師データを作成する不動産取引業者の数mを、過学習状態を解消するように変更し、これらの不動産取引業者が用いる端末装置14の数を変更するように評価値受入装置24を制御する。
【0063】
さらに、処理制御装置30は、評価装置26が汎用学習済モデルを作成するときに、常に重要度が高い属性値R1~Rpに対応する評価値EVR1~EVRpが重み付け調整装置264に入力されるように、変更装置28を制御して、属性値R1~Rpの種類および数またはこれらの一方を変更させる。つまり、処理制御装置30の制御により、評価装置26において、それ以前に学習に用いられてこなかった属性値A1~Apが学習に用いられるようになったり、これまで学習に用いられてきた属性値R1~Rpが学習に用いられなくなったりしうる。
【0064】
また、さらに、処理制御装置30は、データ処理装置2が、ユーザが端末装置16を用いて指定した建物の不動産の価値を判定するときには、評価装置26の重み付け調整装置264の動作を停止させる。さらに、処理制御装置30は、動作を停止させた時点でニューラルネット260に作成された学習済モデルまたは汎用学習済モデルを用いた処理を、ユーザが指定した建物の属性値R1~Rpおよび総合評価CEVに対して行わせ、評価値EVR1~EVRpおよび総合評価CEVを作成させる。この場合には、評価装置26は、作成された評価値EVR1~EVRpおよび総合評価CEVを重要度判定装置34および価値判定装置36に出力する。
【0065】
重要度判定装置34は、属性情報取得装置20から入力された属性値R1~Rpと、評価装置26から入力された評価値EVR1~EVRpと、価値判定装置36により求められた建物の不動産の価値とを処理し、シャープレイ(SHAP)値を求める。さらに、重要度判定装置34は、シャープレイ値を用いて属性値R1~Rpそれぞれが、評価値EVR1~EVRpに与えた影響を示す属性値R1~Rpの重要度を計算し、出力装置38に対して出力する。
【0066】
価値判定装置36は、評価装置26から入力された評価値EVR1~EVRpおよび総合評価CEVを処理し、例えば、評価値EVR1~EVRpおよび総合評価CEVに、7または6個のFが含まれる不動産をSランクとし、5または4個のFが含まれる不動産をAランクとし、4または3のFが含まれる不動産をBランクとし、3または2のFが含まれる不動産をCランクとし、1または0のFが含まれる不動産をDランクとするランク付けを行う。
【0067】
さらに、価値判定装置36は、評価値EVR1~EVRpおよび総合評価CEVにおいてFが含まれる割合を、例えば100点満点で点数化するスコアリングを行う。また、価値判定装置36は、価値判定の対象となっている建物の不動産の価値を点数で示すスコアリングを行い、スコアリングの結果を出力装置38に出力する。このスコアリングにおける点数は、例えば、Fの評価値EVR1~EVRpおよび総合評価CEVの数を、p+1で除算した値に100を乗算した数値として定義される。
【0068】
出力装置38は、重要度判定装置34から入力された属性値R1~Rpの重要度と、価値判定装置36から入力された価値判定の対象となっている建物の不動産のランク、点数、名称および外観などを示す画像データを作成する。出力装置38は、作成した画像データを、入出力インターフェース130を介してデータ処理装置2のUI装置に運営者に表示する。また、出力装置38は、作成した画像データを、通信ネットワーク100および通信インターフェース128を介して端末装置16に送信して、端末装置16のディスプレイなどに表示させてユーザに提供する。
【0069】
なお、出力装置38は、画像データの作成に必要とされるが、図3に示した属性情報に実際には含まれていない情報を情報補完装置40に対して出力して問い合わせをする。情報補完装置40は、上述したように不動産情報提供装置18に問い合わせを行わせたり、不動産の所在地を用いて地図情報提供サービスを用いて調べたりして、出力装置38から問い合わされた情報を出力装置38に返す。
【0070】
図7図8は、図4に示した出力装置38が端末装置16に送信してそのディスプレイに表示させる画像を例示する第1および第2の図である。図7に示すように、出力装置38は、不動産識別子RIDに対応する物件コード、各物件のランク、物件名、部屋番号、所在地および最寄り駅などをリスト形式で示す画像データを作成し、端末装置16に送信し、表示させる。なお、図7の下部において「もっと見る」と記載されたボタンは、図8にその時点で表示されていない建物の不動産の情報をリスト形式でさらに表示させるための操作をユーザが行うために用いられる。
【0071】
ユーザが、図7に示したようにリスト形式で表示された複数の建物の不動産のいずれかを選択する操作を端末装置16に対して行うと、出力装置38は、この操作を、通信ネットワーク100および通信インターフェース128を介して受信する。例えば、ユーザが、EEEEアパートを選択する操作を端末装置16に対して行うと、端末装置16は、図8に示すように、EEEEアパートの属性情報、ランク、点数、メリットランキングおよびデメリットランキングなどを含む画像データを作成し、端末装置16に送信して表示させる。
【0072】
なお、図8に示した画像データにおいては、メリットランキングは、特徴量のうち建物の不動産の価値を高くするために重要度が大きかった1つ以上の属性情報を示し、デメリットランキングは、特徴量のうち建物の不動産の価値を低くするために重要度が大きかった1つ以上の属性情報を示す。また、図8に示した画像データは、ユーザの視認性をあげるために、ランクと点数とを示す円グラフと、属性値のチャートとが、上記各情報にさらに追加されている。
【0073】
図9は、図4に示した出力装置38が作成する不動産情報を例示する図である。さらに、出力装置38は、図9に示すように、nの建物の不動産それぞれのランク、スコアおよび各属性値の重要度など、図7図8に示した画像データの作成に必要とされ、建物の不動産の様々な情報を含む不動産情報を作成し、記憶装置132などに記憶する。また、出力装置38は、不動産情報の作成に必要とされる情報を情報補完装置40に出力し、不動産情報提供装置18への問い合わせおよび推定を行わせる。
【0074】
図9に示すように、不動産情報は、不動産識別子RID#j1~#RIDnと、不動産識別子RID#jにより識別される建物の不動産のランクと、スコアと、教師データの作成に用いられる属性値Rj1~Rjpが示す路線、最寄駅、駅距離、面積、設備(インターフォン)および総戸数およびこれらの重要度と、教師データの作成に用いられる属性値Rj1~Rjp以外の属性値Aj1~Ajpおよびこれらの重要度と、建物の名称および外観画像などのその他の情報とを含む。
【0075】
以下、データ処理装置2の動作を、フローチャートを参照して説明する。図10図12は、図1,図2,図4図6に示したデータ処理装置2の動作を示す第1~第3のフローチャートである。ただし、図10図12には、基本的に正常な処理のみが記載されており、端末装置14-1~14-mなどが故障した場合などの異常時の処理は記載されていない。
【0076】
図10に示すように、データ処理装置2は、まず、学習済モデルの作成を行う。図10に示すステップS100において、属性情報取得装置20は、不動産情報提供装置18から通信ネットワーク100および通信インターフェース128を介して、多数の不動産に関する情報を収集し、図3に示した属性情報の少なくとも一部を作成する。なお、属性情報取得装置20が収集する属性情報には、属性値R1~Rpの全てが含まれていることが望ましい。また、属性情報取得装置20は、データ処理装置2のUI装置から入出力インターフェース130を介して入力された属性情報を取得する。
【0077】
ステップS102において、属性情報取得装置20は、属性情報に含まれる属性とその属性値の組み合わせから、教師データの作成に用いられる属性値R1~Rpを選択する。属性情報取得装置20は、選択した属性値R1~Rpと、建物の不動産の所在地、名称および外観の画像データなどを、記憶装置132に記憶する。
【0078】
ステップS104において、評価値受入装置24は、記憶装置132に記憶されたnの属性情報のうち、不動産識別子#1’~n’により識別される建物の不動産の属性情報を読み出す。上述したように、不動産識別子#1’~n’により識別される建物の不動産の属性情報は、教師データの作成に用いられる。評価値受入装置24は、読み出した属性情報に含まれる属性値R1~Rpを、端末装置14-1~14-mに、通信インターフェース128および通信ネットワーク100を介して送信する。属性値R1~Rpを受信した端末装置14-1~14-mを用いる不動産取引業者は、属性値R1~Rpを評価し、これらの評価値EVR1~EVRpおよび総合評価CEVを、通信インターフェース128および通信ネットワーク100を介してデータ処理装置2に送信する。
【0079】
ステップS106において、評価値受入装置24は、端末装置14-1~14-mの全てから属性値R1~Rpの評価値EVR1~EVRpおよび総合評価CEVを、通信インターフェース128および通信ネットワーク100を介して受信したか否かを判断する。データ処理装置2は、端末装置14-1~14-mの全てから属性値R1~Rpの評価値EVR1~EVRpおよび総合評価CEVを受信したとき(S106の処理においてY)にはS108の処理に進み、受信しなかったとき(S106の処理においてY)にはS106の処理に留まる。
【0080】
ステップS108において、評価値受入装置24は、受信した評価値EVR1~EVRpおよび総合評価CEVを教師データ作成装置22に出力し、教師データ作成装置22は、属性値R1~Rp、評価値EVR1~EVR、総合評価CEVおよびこれらに対応する不動産識別子RID#j’などから、図5に示した教師データを作成する。
【0081】
ステップS110において、処理制御装置30は、評価装置26を制御し、教師データを、教師データ作成装置22から順番に1つ読み出させる。
【0082】
ステップS112において、読み出された教師データに含まれる属性値R1~Rpおよび総合評価RCVそれぞれは、評価装置26において、ニューラルネット260の第1段260-1に含まれるノードに入力される。入力された属性値R1~Rpおよび総合評価CEVそれぞれに対して、第1段260-1~第4段260-4において、上述したように、重み付け係数による重み付けおよび総和値の計算が行われ、評価値EVR1~EVRpおよび総合評価CEVが第4段260-4から出力される。
【0083】
重み付け調整装置264は、属性値R1~Rpおよび総合評価CEVと、第4段260-4から出力された評価値EVR1~EVRpおよび総合評価CEVとを処理し、第4段260-4から出力された評価値EVR1~EVRpおよび総合評価CEVと、教師データに含まれる評価値EVR1~EVRpおよび総合評価CEVとが可能な限り近くなるように、第1段260-1~第3段260-3に含まれる各ノードの重み付け係数を調整し、学習を行う。
【0084】
ステップS114において、処理制御装置30は、教師データの全てを用いた学習が終了したか否かを判断する。データ処理装置2は、教師データの全てを用いた学習が終了したとき(S114の処理においてY)には処理を終了し、終了していないとき(S114の処理においてN)にはS110の処理に戻る。
【0085】
以下、図11を参照して、データ処理装置2が、端末装置16を用いるユーザが選択した建物の不動産の価値を評価する処理を説明する。図11に示すステップS140において、処理制御装置30は、ユーザがデータ処理装置2における評価の対象とすべき建物の不動産を選択する操作を行ったことを示すデータを、端末装置16から、通信インターフェース128および通信ネットワーク100を介して受信した否かを判断する。データ処理装置2は、このようなデータを受信したとき(S140の処理においてY)にはS142の処理に進み、受信しなかったとき(S140の処理においてN)にはS140の処理に留まる。
【0086】
ステップS142において、処理制御装置30は、既に学習済モデルまたは汎用学習済モデルが作成されているか否かを判断する。データ処理装置2は、学習済モデルまたは汎用学習済モデルが作成されているとき(S142の処理においてY)にはS144の処理に進み、作成されていないとき(S142の処理においてN)には、図10に示したS100の処理に進み、学習済モデルが作成されてからS142の処理に進む。
【0087】
ステップS144において、属性情報取得装置20は、記憶装置132にS140の処理において評価の対象とされた建物の不動産の属性情報が、記憶装置132に記憶されているか否かを判断する。データ処理装置2は、この不動産の属性情報が記憶装置132に記憶されているとき(S144の処理においてY)にはS146の処理に進み、記憶されていないとき(S144の処理においてN)にはS148の処理に進む。
【0088】
ステップS146において、処理制御装置30は、評価装置26を制御して、記憶装置132から評価の対象とされた建物の不動産の属性情報を読み出させる。
【0089】
ステップS148において、属性情報取得装置20は、評価の対象とされた建物の不動産の属性値を、不動産情報提供装置18などから、通信ネットワーク100および通信インターフェース128を介して取得する。
【0090】
ステップS150において、処理制御装置30は、評価装置26の重み付け調整装置264による学習のための重み付け係数の調整を停止させ、記憶装置132から読み出された建物の不動産の属性値R1~Rp、または、属性情報取得装置20が取得した建物の不動産の属性値R1~Rpをニューラルネット260に入力し、その評価値EVR1~EVRpおよび総合評価CEVを求める。
【0091】
このように、記憶装置132から読み出された建物の不動産の属性値R1~Rpの評価値を改めて求める理由は、建物の不動産の属性値R1~Rpが記憶装置132に記憶された後で、汎用学習済モデルが作成された可能性があるためである。
【0092】
ステップS152において、価値判定装置36は、建物の不動産の価値を示すランクおよびスコアを作成する。
【0093】
ステップS154において、重要度判定装置34は、属性値R1~Rpそれぞれの重要度を計算する。
【0094】
ステップS156において、出力装置38は、必要な場合には、情報補完装置40に対する属性値の問い合わせを行い、図7図8に示した必要なデータを含む画像データを作成する。出力装置38は、作成した画像データを、通信インターフェース128および通信ネットワーク100を介して端末装置16に送信し、そのディスプレイに表示させる。
【0095】
以下、図12を参照して、データ処理装置2が、汎用化学習により汎用学習済モデルを作成する処理を説明する。汎用学習済モデルの作成は、学習済モデルまたは汎用学習済モデルの存在を前提として、また、評価装置26による評価の精度を向上させ、また、評価装置26の過学習状態を解消するために行われる。また、汎用学習済モデルの作成は、場合により、属性値R1~Rpの数および種類またはこれら一方の変更と、教師データを作成する不動産取引業者の数mの変更とを伴いうる。
【0096】
図12に示すステップS180において、処理制御装置30は、汎用学習済モデルの作成の必要があるか否かを判断する。汎用学習済モデルの作成は、建物の不動産の価値の判定のために評価装置26における学習済モデルまたは汎用学習済モデルを用いた評価の結果の精度が低いとき、および、学習済モデルまたは汎用学習済モデルが過学習の状態にあるときの他に、データ処理装置2の運営者の操作および一定の時間間隔など、適宜のタイミングで行われうる。
【0097】
データ処理装置2は、汎用学習済モデルの作成の必要があるとき(S180の処理においてY)にはS184の処理に進み、必要がないとき(S180の処理においてN)にはS182の処理に進む。
【0098】
ステップS182の処理において、ユーザが評価の対象の建物の不動産を選択したか否かを判断する。データ処理装置2は、ユーザが評価の対象の建物の不動産を選択したとき(S182の処理においてY)には図11に示したS140の処理に進み、選択しなかったとき(S182の処理においてN)には処理を終了する。
【0099】
ステップS184において、属性情報取得装置20は、これまでの学習済モデルまたは汎用学習済モデルの作成に用いられなかった建物の属性情報を収集し、さらに、図11に示したS102~S114と同様な処理を行い、仮の汎用学習済モデルを作成する。
【0100】
ステップS186において、処理制御装置30は、評価装置26を制御して、既存の学習済モデルまたは汎用学習済モデルの作成に用いられた建物の不動産の属性情報を評価させる。
【0101】
ステップS188において、処理制御装置30は、S186の処理における評価の結果の精度が、予め決められた第1の精度以上であるか否かを判断する。第1の精度は、データ処理装置2に要求された価値の判断の精度を示す。データ処理装置2は、評価の結果の精度が第1の精度以上であるとき(S188の処理においてY)のときにはS190の処理に進み、評価の結果の精度が第1の精度以上でないとき(S188の処理においてN)のときにはS192の処理に進む。
【0102】
ステップS190において、処理制御装置30は、S186の処理における評価の結果の精度が、予め決められた第2の精度以上であるか否かを判断する。評価の結果の精度が第2の精度である場合には、評価装置26は、過学習の状態にあると考えられる。データ処理装置2は、評価の結果の精度が第2の精度以上であるとき(S190の処理においてY)のときにはS194の処理に進み、評価の結果の精度が第2の精度以上でないとき(S190の処理においてN)のときには処理を終了する。
【0103】
ステップS192において、処理制御装置30は、m,pの値を、評価の精度が向上するように調整する。つまり、処理制御装置30は、変更装置28を制御して、学習データを作成する不動産取引業者および学習データに用いられる属性値の数を、より評価の結果の精度を向上させるように変更する。また、処理制御装置30は、変更装置28を制御して、属性値R1~Rpの種類を、より評価の結果の精度を向上させるように変更させる。あるいは、処理制御装置30は、データ処理装置2の運営者の方針に従って、これらのいずれかを行う。さらに、データ処理装置2は、S184の処理に戻る。
【0104】
ステップS194において、処理制御装置30は、m,pの値を、評価の精度が低下するように調整する。つまり、処理制御装置30は、学習データを作成する不動産取引業者および学習データに用いられる属性値の数を、より評価の結果の精度を低くするように変更させる。また、処理制御装置30は、変更装置28を制御して、属性値R1~Rpの種類を、より評価の結果の精度を低くするように変更させる。あるいは、処理制御装置30は、データ処理装置2の運営者の方針に従って、これらのいずれかを行う。さらに、データ処理装置2は、S184の処理に戻る。
【0105】
データ処理装置2において、以上説明したように、複数の不動産の分野の専門家、例えば、複数の不動産取引業者により作成された教師データを用いて学習済モデルまたは汎用学習済モデルが作成され、建物の不動産の価値の評価に用いられる。従って、データ処理装置2においては、特定の1人の専門家の思考に偏った価値の判断ではなく、多数の専門家の思考に基づく客観的な価値の判断がなされうる。
【0106】
また、データ処理装置2においては、教師データを作成する専門家の数、および、教師データの作成に用いられる属性値が、汎用学習済モデルを作成する際に、適宜、変更されるので、常に最適な汎用学習済モデルが求められる。また、教師データの作成の際に、評価の対象となる属性値の全てを用いないので、教師データを作成する専門家の負担が少なくて済む。
【0107】
[ワンルーム物件価値算定システム]
[実施形態2]
[概要]
【0108】
まず図13を示す。図13は本発明の概要を示す図で、あるワンルーム物件の取得を検討している個人からの相談を受け、ある金融機関Aが当該物件取得のための価格算定を行う様子を表している。個人は、金融機関Aは当該個人とのあいだでネットワークを介して相談に乗っており、また内部のイントラネットないし外部ネットワークを介して、当該個人の与信管理のためのサーバや、種々の不動産物件の情報を保持するサーバなどと接続されている。これらのネットワークによって接続されたコンピュータ間での情報の送受信を通じて、好適なワンルーム物件価格算定システムを提供する。
【0109】
図14は、本実施形態のワンルーム物件価値算定システムの機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「ワンルーム物件価値算定システム」0200は、「物件選択受付部」0201と、「物件情報取得部」0202と、「特徴量取得部」0203と、「価値情報出力部」0204と、を有し、「学習機」0210も備える。
【0110】
なお、以下で詳しく説明するワンルーム物件価値算定システムは、その機能の一又は複数の機能を複数の装置にて実現するようにも構成され得るものであって、その機能ブロックは、いずれもハードウェア又はソフトウェアとして実現され得る。コンピュータを用いるものを例にすれば、CPUやメインメモリ、GPU、TPU、画像メモリ、バス、二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ)、キーボードや操作ボタン、タッチパネル、タッチパネルをタッチするための電子ペンなどの各種入力デバイス、マイク、ディスプレイその他各種出力デバイス、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらのハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他のアプリケーションプログラムなどが挙げられる。
【0111】
そして各々の装置のメインメモリ上に展開したプログラムに従った演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力されメモリやハードウェア上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、前記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。ここで、上記プログラムは、モジュール化された複数のプログラムとして実現されてもよいし、2以上のプログラムを組み合わせて一のプログラムとして実現されても良い。クラウドコンピューティングの形式にて分散処理されてももちろんよいし、API連携の形式にて複数の事業者間にまたがって提供される複数のプログラムによって実行処理されてもよい。
【0112】
[機能的構成]
「物件選択受付部」0201は、一又は複数のワンルーム物件の選択を受け付けるように構成されている。ここでいう「ワンルーム物件」とは、集合住宅を構成する物件のうち、間取りがワンルーム(1R)にて構成される物件のことを指しており、選択を受け付けるとは、あらかじめ用意されたデータベース上から、特定のワンルーム物件の選択を受け付ける場合のほか、所定の条件による検索処理を通じて抽出された候補物件のなかから一又は複数のワンルーム物件の選択を受け付ける場合も含む。
【0113】
ここで用いる検索処理の具体的な方法としては、物件名称や物件の広さ、周辺環境その他の条件を一又は複数組み合わせて検索することが考えられる。当該検索のために用いられる情報は、後記物件情報取得部にて説明する「ワンルーム物件の情報」に該当するが、物件選択受付部では、これらの情報を取得するのではなく、あくまで検索処理のために用いる。
【0114】
なおここでいうデータベースとは、複数の不動産物件の情報が格納されることで構成されており、一の事業者により管理されたものに限定されるものではない。すなわち、複数の事業者により管理される複数のサーバに記録された種々の不動産物件の情報を、横断的に検索可能な構成により一のデータベースが構成されていると評価する場合も含む。いずれにしても、物件選択受付部で、ワンルーム物件の選択を受け付けることで、当該選択を受け付けたワンルーム物件の価値を評価することになる。
【0115】
さらにここで、複数のワンルーム物件の選択を受け付けた場合には、後記価値情報出力部においては、当該選択を受け付けたすべてのワンルーム物件に関する価値を出力する構成が考えられる。しかし、所定の条件により特定される一部のワンルーム物件のみの価値情報を出力する場合も考えられ、ここで選択を受け付けたワンルーム物件のすべてが価値情報の出力対象とするかどうかは設計事項である。
【0116】
「物件情報取得部」0202は、選択を受け付けたワンルーム物件の情報を取得するように構成されている。ここでいう「ワンルーム物件の情報」とは、当該ワンルーム物件を特定したり、特徴づけたりするために用いられる情報であって、当該物件の属性を示す種々の情報としての属性情報により構成されうる。具体的には、物件名称や図面価値、市場価値、家賃、管理費等付随費用、周辺の賃料相場、所在地域、構造、方位、総階数、階数、専有面積、総戸数、築年数、平均気温、気候、沿線名、沿線駅名、駅までの距離、管理会社名、管理体制、ブランドなどのように、物件そのものを特定するために用いられる情報がまず属性情報として考えられる。これらの情報は、上述した物件選択受付部にて物件の選択を行う際の検索処理のためにも用いられうる。
【0117】
さらには、エアコンその他空調設備、浴室設備、洗面台設備、トイレ設備、物干し設備、インターフォン、床暖房、キッチン設備その他物件が備えうる各種設備の有無やその物件内のスペックについての情報なども、ここでいう属性情報に含まれうる。ワンルーム物件の価値算定においては、間取りが画一的である分、他の間取りの物件に比べ、これら設備が考慮要素として用いられる比重が相対的に高い。例えば、浴室まわりやキッチン周りの設備が最新であるか否かで女性向けの物件であるとの価値算定をしやすくなったり、インターフォン設備の有無に応じてセキュリティを意識した物件であるとの価値算定をしやすくなったりする。
【0118】
物件情報取得部における情報の取得は、物件選択受付部にて説明した種々のデータベースから行われることが考えられる。すなわち、特定の物件の選択を受け付けると、当該物件に紐づけてデータベース上保持される種々の情報を取得する、といった具合である。
【0119】
ここで情報は、一のデータベースのみから取得するとは限らず、他のデータベースを用いて取得する構成も考えられる。不動産物件の情報は周辺環境の変化や経年に応じて変化するものであり、複数のデータベースに保持されている情報を重畳的に取得して比較する構成があってもよい。そのため、各種データベースに保持されている情報は、当該情報の更新日時に関する情報とともに取得されることが望ましい。もし当該更新日時に関する情報が取得できない場合には、当該情報の有用性を他の情報に比べて劣後させるような評価付けをすることも考えられる。当該構成のもと、最新の内容であると判断される情報のみを取得する構成を採用することで、より適正かつ最新性の担保された価値算定が可能になる。
【0120】
「特徴量取得部」0203は、取得したワンルーム物件の情報であってインターフォンの有無を含む属性情報に基づいて、予め学習を行い得られた汎用学習済モデルが組み込まれた「学習器」0210を用いて得られる特徴量を取得するように構成されている。汎用学習済モデルの詳細については後述する。
【0121】
属性情報を入力情報とし、汎用学習済モデルを用いることで、当該属性情報を備えるワンルーム物件の特徴量を取得することが可能になる。具体的には、他のワンルーム物件との相対的な優位性や特殊性、懸念点などが特徴量として取得可能である。そしてこれらをそのままワンルーム物件の資産価値算定に用いることも可能であるが、その資産価値算定の際に機械学習や汎用学習済モデルを利用してもよいし、あらかじめ用意されたルールを用いることで価値算定を行ってもよい。
【0122】
「価値情報出力部」0204は、取得した特徴量を用いて前記ワンルーム物件の価値に関する情報である価値情報を出力するように構成されている。上述のとおり、汎用学習済モデルを利用して価値情報から物件の価値を算出してもよいし、別途のルールに基づいて価値算定をしてもよい。また、「価値に関する情報」とは、資産価値のみに限られず、当該価値を裏付ける評価根拠事実や、分析内容に関する情報なども含まれる。
【0123】
分析内容に関する情報については、特徴量に応じて定型的な文章をあらかじめデータベースに保持しておき、当該特徴量に対応した文章内容を出力する構成などが考えられる。例えば、特徴量としてインターフォンの設備が直近半年以内に新品に交換されたというような情報を取得した場合には、当該文章内容を出力する。また、特徴量として西向きの物件であることを消極要素とした旨の情報を取得した場合には、当該文章内容を出力する。
【0124】
[ワンルーム物件価値算定用汎用学習済モデルの生成方法]
なおここで、本実施形態のワンルーム物件価値算定システムにおいて用いることが可能な、ワンルーム物件価値算定用汎用学習済モデルの生成方法についても説明することにする。
【0125】
図15を示す。同図は、本実施形態で説明するワンルーム物件価値算定用汎用学習済モデルの生成方法の処理の流れの一例を示す図である。同図に示される処理の流れは「初期学習ステップ」と「統合ステップ」とからなり、その具体的な内容は以下の通りである。
【0126】
「初期学習ステップ」0301では、ワンルーム物件の価値算定に関する所定の機械学習モデルについて初期データに基づいて学習を行うことで初期学習済モデルを生成する。具体的には学習のために用いるノードと正解値を用意することになる。
【0127】
まず具体的には、ワンルーム物件に関する種々の属性情報を入力ノードとして用いる。その他、市場において需要者がワンルーム物件につきどの程度の価値を見出すかについての情報として、当該地域の人口移動率や世帯数(世帯割合)、地価、有効求人倍率、公示地価、ハザードマップその他の地域動向指標や、日経平均株価や金利推移、雇用統計、消費者物価指数その他の経済指標も入力ノードとして用いる。そして、物件の価値についての正解値としては、各種金融機関による物件所有者の与信評価や当該集合住宅における他のワンルーム物件の取引実績その他の実績値などをもとに評価関数を用いて付与する。これらの情報を初期データとして組み合わせることで訓練データとし、機械学習を行うことで初期学習モデルを生成する。
【0128】
なお、初期学習ステップを通じて得られた初期学習済モデルからは、入力ノードとして用いられていた属性情報その他情報の重要度が算出可能である。したがって、まず初期学習済モデルを生成することにより、ワンルーム物件一般の価値算定に資するための学習済モデルを生成することができるようになる。
【0129】
次に「統合ステップ」0302では、一のワンルーム物件の属性を表す属性情報のうちインターホンの有無を含む複数の情報を用いて追加学習を行い複数の個別学習済モデルを統合処理して汎用学習済モデルを取得する。初期学習ステップでは、広く一般的なワンルーム物件に適用可能な学習済モデルを生成することになるが、地域的、時期的、その他需要者の特定の嗜好に合致するようなモデルとしての汎用性があるとは限らない。そこで統合ステップでは、複数の嗜好に適用可能な個別学習済モデルを複数生成し、それらを組み合わせることを目的とする。
【0130】
個々の個別学習済モデルの生成方法は、いずれも初期学習済モデルに対し、特定の入力ノードの重要度を調整したうえで追加学習をさせることによって実行される。どのような入力ノードを選択するかは基本的に設計事項であるが、いずれの個別学習済モデルにおいても、インターフォンの有無を示す属性情報が含まれている。インターフォンの有無は投資物件としての安全性担保の観点から極めて重要な情報であり、当該情報を除いて生成される学習済モデルは汎用性を欠くためである。
【0131】
なお、初期学習済モデル及び個別学習済モデルの生成に際しては、入力情報として他の物件の取引実績等の実績値が多く、その取得日時が直近であればあるほど重要度が高いものとして扱うことが考えられる。
【0132】
その後は、ステップS0303として、更なる追加学習が必要かどうかを判断する。もし必要と判断されれば、ステップS0302の統合ステップの処理を繰り返すこととなり、不要と判断されれば処理を終了する。
【0133】
[具体的な構成]
ここで図16を示す。同図は本実施形態のワンルーム物件価値算定システムの機能的な各構成をまとめて一のハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図である。各装置はいずれも、それぞれ各種演算処理を実行するための「CPU」0401と、「記憶装置(記憶媒体)」0402と、「メインメモリ」0403と、「入力インターフェース」0404、「出力インターフェース」0405、「ネットワークインターフェース」0406と、を備え、入出力インターフェースを介して、例えば「タッチパネル」0407や「ディスプレイ」0408などの外部周辺装置と情報の送受信を行う。また、ネットワークインターフェースを介して「利用者端末」0409などの外部装置と情報の送受信を行う。このネットワークインターフェースの具体的な態様は有線、無線を問わず、また、通信方法も直接、間接を問わない。よって特定の外部装置ないし同装置の利用者と紐づけられた第三者の管理するサーバとの間で情報の送受信を行ういわゆるクラウドコンピューティングの形式を採用することも可能である。
【0134】
記憶装置には以下で説明するような各種プログラムが格納されており、CPUはこれら各種プログラムをメインメモリのワーク領域内に読み出して展開、実行する。なお、これらの構成は、「システムバス」0499などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う(以上の構成の基本的な構成は、以下で説明する他の装置のいずれについても同様である)。
【0135】
(物件選択部の具体的な構成)
物件選択部は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、具体的には、CPUが記憶装置から「物件選択プログラム」0410をメインメモリに読み出して実行し、外部装置又はサーバ内に格納される種々の情報から一又は複数のワンルーム物件に関する情報の選択を受け付ける処理を行い、当該処理結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0136】
(物件情報取得部の具体的な構成)
物件情報取得部は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、具体的には、CPUが記憶装置から「物件情報取得プログラム」0420をメインメモリに読み出して実行し、物件選択受付プログラムの実行により得られたワンルーム物件の情報を外部装置又はサーバから取得し、その結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0137】
(特徴量取得部の具体的な構成)
特徴量取得部は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、具体的には、CPUが記憶装置から「特徴量取得プログラム」0430をメインメモリに読み出して実行し、物件情報取得プログラムの実行により得られたワンルーム物件の情報であってインターフォンの有無を含む属性情報を用いて、予め学習を行い得られた「汎用学習済モデル」0450が組み込まれた学習器を用いて得られる特徴量を取得する処理を行ったのち、当該特徴量をメインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0138】
(価値情報出力部の具体的な構成)
価値情報出力部は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成されている。具体的には、CPUが記憶装置から「価値評価プログラム」0440をメインメモリに読み出して実行し、特徴量取得プログラムの実行により取得した特徴量を用いて前記ワンルーム物件の価値を評価し、当該評価結果に関する情報である価値情報を出力する処理を行う。
【0139】
[処理の流れ]
図17は、本実施形態のワンルーム物件価値算定システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0501では、一又は複数のワンルーム物件の選択を受け付ける(物件選択受付ステップ)。そしてステップS0502では、受け付けたワンルーム物件の属性を表す情報であってインターフォンの有無を含む属性情報を取得する(属性情報取得ステップ)。その後ステップS0503では、取得した属性情報に基づいて予め学習を行い得られた汎用学習済モデルが組み込まれた学習器を用いて、前記ワンルーム物件の特徴量を抽出し(物件特徴量抽出ステップ)、ステップS0504として、前記抽出された物件の特徴量を用いて、当該ワンルーム物件の価値評価を行う(価値評価ステップ)。そしてステップS0505として、価値評価の結果を含む価値情報を出力する。
【0140】
[効果]
以上の構成を採用するワンルーム物件価値算定システムを利用することにより、ワンルーム物件という特定種別の物件について、客観的かつ合理的な価値を算定し、健全な市場取引に資することができる。
【0141】
[実施形態3]
[概要]
本実施形態のワンルーム物件価値算定システムは、基本的には実施形態2に記載のワンルーム物件価値算定システムと同様であるが、一のユーザを識別するユーザIDと、当該ユーザと紐付けて行われた過去のワンルーム物件の価値算定結果と、を保持可能なユーザID保持部を備え、価値情報出力部は、前記過去のワンルーム物件の価値算定結果をも用いてワンルーム物件の価値評価を行う過去結果利用価値評価手段をさらに有する点を更なる技術的特徴として備えている。以下では、実施形態2で言及した点とは異なる上記特徴について詳しく説明をする。
【0142】
[機能的構成]
図18は、本実施形態のワンルーム物件価値算定システムを一のコンピュータ(装置)で実現した場合の機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「ワンルーム物件価値算定システム」0600は、「物件選択受付部」0601と、「物件情報取得部」0602と、「特徴量取得部」0603と、「価値情報出力部」0604と、「ユーザID保持部」0605と、「学習器」0610とを有し、価値情報出力部は「過去結果利用価値評価手段」0614をさらに有する。基本的な構成は、実施形態2の図14を用いて説明したワンルーム物件価値算定システムと共通するため、以下では相違点である「ユーザID保持部」0605と、「過去結果利用価値評価手段」0614の機能について説明する。
【0143】
「ユーザID保持部」0605は、一のユーザを識別するユーザIDと、当該ユーザと紐付けて行われた過去のワンルーム物件の価値算定結果と、を保持可能に構成されている。ここでいう「一のユーザ」とは、本発明を使ってワンルーム物件の価値算定処理を実行し又は実行しようとしたユーザのことを指しており、具体的には、不動産事業者や不動産オーナー、不動産オーナーになろうとする者、融資を行う金融機関等が考えられる。不動産事業者、融資を行う金融機関、オーナー等の属性に応じてユーザIDは識別可能に保持されることが考えられ、当該構成によって、出力されるべき情報の選択制限を書けることが可能になる。すなわち、不動産事業者にとっては競合他社に開示可能な情報は抑制したく、当該属性をもつユーザIDにて識別されるユーザに対しては、情報の閲覧制限や、自身が行った過去の利用実績の機械学習への活用制限などを行うことも可能である。
【0144】
ユーザID保持部では、IDのみならず、過去の価値算定結果をも保持することを特徴としている。つまり、どのユーザが過去にどのようなワンルーム物件の価値算定を行い、その結果がどの程度だったかをも保持することになる。このような情報は、検索処理等を通じて公開ないし閲覧させることも可能である。いずれにせよ、当該構成を採用することにより、過去実績を当該ユーザの嗜好と位置付けて評価し、以後の価値算定の用に供することが可能になる。
【0145】
「過去結果利用価値評価手段」0614は、価値情報出力部にて、前記過去のワンルーム物件の価値算定結果をも用いてワンルーム物件の価値評価を行うように構成されている。すでに説明したとおり、過去の価値算定結果を用いるとは、当該ユーザのワンルーム物件選択における一定の嗜好を意味することがある。そのため例えば、特徴量が抽出された際に、過去の価値算定結果を補正要素として用いることで、よりユーザの実感を伴う算定結果の出力が可能にある。具体的には、過去の価値算定結果と今回の算定結果の差分を示したり、メリットデメリットを示したりすることなどが可能になる。
【0146】
そのほかにも例えば、当該過去の価値算定結果を入力データとして所定の汎用学習済モデルに入力することで追加学習を行い、当該ユーザに適合した個別学習済モデルを生成することも考えられる。当該構成を採用することで、特定のユーザの嗜好に適合した価値算定を好適に行うことが可能になる。
【0147】
[具体的な構成]
本実施形態のワンルーム物件価値算定システムを構成する各装置のハードウェア構成は、基本的には、図16を用いて説明した実施形態2のワンルーム物件価値算定システムにおけるハードウェア構成と同様である。そこで以下については、これまで説明していない「ユーザID保持部」「過去結果利用価値評価手段」の具体的な処理について説明する。
【0148】
(ユーザID保持部の具体的な構成)
ユーザID保持部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「ユーザID取得プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、一のユーザを識別するユーザIDと、当該ユーザと紐付けて行われた過去のワンルーム物件の価値算定結果と、を紐づけてメインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0149】
(過去結果利用価値評価手段の具体的な構成)
過去結果利用価値評価手段は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から価値評価プログラムを実行する際に「過去結果利用価値評価サブプログラム」をメインメモリに読み出して実行し、過去のワンルーム物件の価値算定結果をも用いてワンルーム物件の価値評価の処理を行う。
【0150】
[処理の流れ]
図19は、本実施形態のワンルーム物件価値算定システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0701では、一又は複数のワンルーム物件の選択を受け付ける(物件選択受付ステップ)。そしてステップS0702では、受け付けたワンルーム物件の属性を表す情報であってインターフォンの有無を含む属性情報を取得する(属性情報取得ステップ)。その後ステップS0703では、取得した属性情報に基づいて予め学習を行い得られた汎用学習済モデルが組み込まれた学習器を用いて、前記ワンルーム物件の特徴量を抽出し(物件特徴量抽出ステップ)、ステップS0704として、前記抽出された物件の特徴量と、ユーザの過去の価格算定処理結果を用いて、当該ワンルーム物件の価値評価を行う(過去結果利用価値評価サブステップ)。そしてステップS0705として、価値評価の結果を含む価値情報を出力し、ステップS0706では、価値算定結果をユーザIDと紐づけて保持する(ユーザID記録ステップ)。
【0151】
[効果]
本実施形態のワンルーム物件価値算定システムを用いることにより、実施形態2のワンルーム物件価値算定システムを用いる場合に比べ、より特定のユーザにとって好適な価値算定結果を提供することが可能になる。
【0152】
[実施形態4]
[概要]
本実施形態のワンルーム物件価値算定システムは、基本的には実施形態2又は3に記載のワンルーム物件価値算定システムと同様であるが、ワンルーム物件取得のための資金需要に関する情報である資金需要情報の入力を受け付ける資金需要取得部と、資金需要情報と、価値情報出力部にて出力される価値評価と、を用いて当該ワンルーム物件取得のための試算処理を行う試算処理部と、試算処理の結果を出力するレポート出力部と、をさらに有する点を更なる技術的特徴として備えている。以下では、実施形態2及び3で言及した点とは異なる上記特徴について詳しく説明をする。
【0153】
[機能的構成]
図20は、本実施形態のワンルーム物件価値算定システムを一のコンピュータ(装置)で実現した場合の機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「ワンルーム物件価値算定システム」0800は、「物件選択受付部」0801と、「物件情報取得部」0802と、「特徴量取得部」0803と、「価値情報出力部」0804と、「資金需要取得部」0805と、「試算処理部」0806と、「レポート出力部」0807と、「学習器」0810とを有する。基本的な構成は、実施形態21の図14を用いて説明したワンルーム物件価値算定システムと共通するため、以下では相違点である「資金需要取得部」0805と、「試算処理部」0806と、「レポート出力部」0807の機能について説明する。
【0154】
「資金需要取得部」0805は、ワンルーム物件取得のための資金需要に関する情報である資金需要情報の入力を受け付けるように構成されている。ワンルーム物件取得の動機としては、自己利用のほか投資物件としての運用の場合が少なくなく、その前提で金融機関から融資を受けるケースがある。ここで「資金需要に関する情報」とは、それら金融機関から融資を受ける(金融機関が融資を実行する)際に用いられる種々の情報のことを指している。具体的には、当該ワンルーム物件の想定運用利回りや、同種物件の運用利回り実績、運用年数、融資先の与信その他投資物件としての融資実行に際しての融資条件決定の参考となりうる情報がここでいう資金需要情報に含まれうる。
【0155】
資金需要情報は、ユーザの任意の情報の入力を受け付ける場合もあれば、外部のコンピュータから情報を取得したうえで入力を受け付ける場合もある。ユーザが金融機関で、特定の顧客に対する融資検討の際に用いる場合などは、自らが保有し又は外部の信用情報機関等が保有する当該顧客の与信情報を取得することも、ここでいう資金需要情報の取得に該当する。
【0156】
「試算処理部」0806は、資金需要情報と、価値出力部にて出力される価値評価と、を用いて当該ワンルーム物件取得のための試算処理を行うように構成されている。すでに価値出力部によって当該ワンルーム物件の価値が把握可能なので、当該価値を取得するための試算処理を行うことになる。具体的には、取得した資金需要情報に基づいて、当該価値のワンルーム物件を取得するためのシミュレーションを行い、当該シミュレーション結果を試算処理結果とすることが考えられる。
【0157】
「レポート出力部」0807は、試算処理の結果を出力するように構成されている。具体的な出力結果に特に限定はなく、金融機関が内部稟議の際に用いる形式や、不動産事業者が鑑定結果として顧客に提供する形式、不動産オーナーになろうとする者が購入検討の際に用いる形式など、ユーザの属性に応じて適宜変更することができるようにすることが望ましい。
【0158】
[具体的な構成]
本実施形態のワンルーム物件価値算定システムを構成する各装置のハードウェア構成は、基本的には、図16を用いて説明した実施形態2のワンルーム物件価値算定システムにおけるハードウェア構成と同様である。そこで以下については、これまで説明していない「資金需要取得部」「試算処理部」「レポート出力部」の具体的な処理について説明する。
【0159】
(資金需要取得部の具体的な構成)
資金需要取得部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「資金需要取得プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、ワンルーム物件取得のための資金需要に関する情報である資金需要情報の入力を受け付け、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0160】
(試算処理部の具体的な構成)
試算処理部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「試算処理プログラム」を、資金需要情報や価値評価ステップにて行われた価値評価とともにメインメモリに読み出して実行し、当該ワンルーム物件取得のための試算処理を行い、当該処理結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0161】
(レポート出力部の具体的な構成)
レポート出力部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「レポート出力プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、試算処理の結果を適宜の態様で出力する処理を行う。
【0162】
[処理の流れ]
図21A図21Bは、本実施形態のワンルーム物件価値算定システムにおける処理の流れの一例を示す第1および第2の図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0901では、一又は複数のワンルーム物件の選択を受け付ける(物件選択受付ステップ)。そしてステップS0902では、受け付けたワンルーム物件の属性を表す情報であってインターフォンの有無を含む属性情報を取得する(属性情報取得ステップ)。その後ステップS0903では、取得した属性情報に基づいて予め学習を行い得られた汎用学習済モデルが組み込まれた学習器を用いて、前記ワンルーム物件の特徴量を抽出し(物件特徴量抽出ステップ)、ステップS0904として、前記抽出された物件の特徴量を用いて、当該ワンルーム物件の価値評価を行う(価値評価ステップ)。そしてステップS0905として、価値評価の結果を含む価値情報を出力する。その後ステップS0906として、ワンルーム物件取得のための資金需要に関する情報である資金需要情報の入力を受け付ける(資金需要取得ステップ)と、ステップS0907として、資金需要情報と、価値評価ステップにて行われた価値評価と、を用いて当該ワンルーム物件取得のための試算処理を行い(試算処理ステップ)、ステップS0908でその試算処理の結果を出力する(レポート出力ステップ)。
【0163】
[効果]
本実施形態のワンルーム物件価値算定システムを用いることにより、実施形態2又は3のワンルーム物件価値算定システムを用いる場合に比べ、関係者に対し、ワンルーム物件取得に際しての資金需要が明確になり、購入是非や融資実行の合理的判断に役立てることができる。
【0164】
本開示にかかる処理および手順は、実施形態において明示的に説明された装置よってだけでなく、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの組み合わせにより実現されうる。具体的には、本明細書で説明された処理および手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ストレージなどの媒体に、当該処理に相当するロジックを実装することにより実現されうる。また、本明細書で説明される処理および手順は、それらの処理および手順をコンピュータプログラムとして実装されえ、端末装置およびサーバ装置を含む各種のコンピュータにより実行されうる。
【0165】
本明細書中において、単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、および/または、モジュールによって実行されると説明された処理および手順は、複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、および/または、複数のモジュールによって実行されうる。また、本明細書において、単一のメモリおよび記憶装置に格納される旨が説明された各種情報は、単一の装置に含まれる複数のメモリまたは複数の装置に分散して配置された複数のメモリに分散して格納されうる。さらに、本明細書において説明された複数のソフトウェアおよびハードウェアは、それらをより少ない構成要素に統合することにより、または、より多い構成要素に分解することにより実現されうる。
【0166】
本発明の実施形態が説明されたが、この実施形態は、例として提示されたものであり、発明の範囲を限定することを意図されていない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることができ、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更され得る。これら実施形態やその変形は、本発明の範囲および要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0167】
1 システム、100 通信ネットワーク、120 バス、122 プロセッサ、124 ROM、126 RAM、128 通信インターフェース、130 入出力インターフェース、132 記憶装置、134 外部装置インターフェース、14,16 端末装置、18 不動産情報提供装置、2 データ処理装置、20 属性情報取得装置、22 教師データ作成装置、24 評価値受入装置、26 評価装置、260 ニューラルネット、260-1~260-4 第1段~第4段、264 重み付け調整装置、28 変更装置、30 処理制御装置、34 重要度判定装置、36 価値判定装置、38 出力装置、0200 ワンルーム物件価値算定システム、0201 物件選択受付部、0202 物件情報取得部、0203 特徴量取得部、0204 価値情報出力部、0210 学習器、
図1
図2
図3
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図5
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図20
図21A
図21B
【手続補正書】
【提出日】2022-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータのメモリに記憶された所定の指示命令をプロセッサが実行することによりデータを処理するデータ処理装置であって、
特定の分野における取引対象の複数の属性値を評価して、複数の前記属性値それぞれの評価値を求める評価装置と、
求められた複数の前記評価値に基づいて、前記取引対象の価値を判定する価値判定装置と、
複数の前記評価値それぞれが、前記取引対象の価値の判定の結果に与えた重要度を判定する重要度判定装置と、
判定された前記取引対象の価値と、判定された前記重要度とを対応付けて出力する出力装置と、
を備え
前記評価装置は、
複数の前記取引対象の複数の前記属性値を機械学習することにより得られた学習済モデルを用いて、複数の前記属性値それぞれの前記評価値を求め、
複数の前記取引対象それぞれの複数の前記属性値の少なくとも一部を、前記特定の分野の複数の専門家が評価することにより求められた複数の前記評価値を含む教師データを用いて機械学習することにより前記学習済モデルを得る、
データ処理装置。
【請求項2】
前記価値判定装置は、複数の前記取引対象それぞれをランク付けする、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記価値判定装置は、複数の前記取引対象それぞれの価値を点数で示す、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記重要度判定装置は、複数の前記属性値それぞれの前記重要度を、シャープレイ値を用いて判定する、
請求項1~3のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記評価装置は、
ニューラルネットと、
前記ニューラルネットに含まれるノードの段間の重み付けを調整する重み付け調整装置と、
を備え、
前記重み付け調整装置は、複数の前記属性値それぞれを前記ニューラルネットが処理することにより得られた複数の前記評価値のうち、前記教師データに含まれる複数の前記評価値それぞれと、前記教師データに含まれる複数の前記評価値それぞれに対応する複数の前記評価値それぞれとが可能な限り近くなるように、前記ニューラルネットに含まれる複数のノードの間の重み付け係数を調整することにより前記学習済モデルを得る、
請求項1~4のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
複数の前記評価値は、複数の当該評価値に対応する前記取引対象の総合評価を含む、
請求項に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記評価装置は、
機械学習の対象とされた前記取引対象以外の複数の前記取引対象それぞれの複数の前記属性値の少なくとも一部を、前記特定の分野の専門家が評価することにより得られた複数の前記評価値を含む前記教師データを用いて機械学習することにより汎用化を行って汎用学習済モデルを得て、
得られた前記汎用学習済モデルを用いて、複数の前記属性値を評価する、
請求項1~4のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
前記評価装置は、
ニューラルネットと、
前記ニューラルネットに含まれるノードの段間の重み付けを調整する重み付け調整装置と、
を備え、
前記重み付け調整装置は、機械学習の対象とされた前記取引対象以外の複数の前記取引対象の複数の前記属性値それぞれを前記ニューラルネットが処理することにより得られた複数の前記評価値のうち、前記教師データに含まれる複数の前記評価値それぞれと、前記教師データに含まれる複数の前記評価値それぞれに対応する複数の前記評価値それぞれとが可能な限り近くなるように、前記ニューラルネットに含まれる複数のノードの間の重み付け係数を調整することにより前記汎用化を行って前記汎用学習済モデルを得る、
請求項に記載のデータ処理装置。
【請求項9】
前記汎用化の結果に基づいて、前記教師データの作成に用いられる前記属性値の数および種類またはこれらのいずれかを変更する変更装置、
をさらに備える請求項に記載のデータ処理装置。
【請求項10】
前記汎用化の結果に基づいて、前記特定の分野における専門家の数を変更する変更装置、
をさらに備える請求項に記載のデータ処理装置。
【請求項11】
前記特定の分野は、不動産取引の分野であって、
前記取引対象は不動産である、
請求項1~10のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項12】
前記不動産は、建物である、
請求項11に記載のデータ処理装置。
【請求項13】
前記不動産は、ワンルーム物件である、
請求項12に記載のデータ処理装置。
【請求項14】
前記建物の複数の前記属性値それぞれは、前記建物がいずれの鉄道の沿線にあるかを示す沿線属性の属性値、前記建物の立地を示す立地属性の属性値、前記建物の属性を示す建物属性の属性値、前記建物の管理状態を示す管理属性の属性値および前記建物の価格を示す価格属性の属性値の少なくともいずれかに分類される、
請求項12または13に記載のデータ処理装置。
【請求項15】
前記沿線属性は、鉄道の路線ランキングおよび駅ランキングのうち少なくとも一方の属性を含み、
前記立地属性は、近隣にコンビニエンスストアがあるか、近隣にスーパーマーケットがあるか、近隣に墓地があるかおよび近隣に大学があるかのうちの一つ以上の属性を含み、
前記建物属性は、新耐震基準であるか旧耐震基準であるかの属性を含み、
前記価格属性は、家賃騰落率の属性を含む、
請求項14に記載のデータ処理装置。
【請求項16】
前記属性と前記属性値との組み合わせそれぞれには、良い、良くも悪くもない、悪いのいずれかを示す前記評価値が付される、
請求項15に記載のデータ処理装置。
【請求項17】
メモリに記憶された所定の指示命令をプロセッサが実行することにより、
特定の分野における取引対象の複数の属性値を評価して、複数の前記属性値それぞれの評価値を求める段階と
求められた複数の前記評価値に基づいて、前記取引対象の価値を判定する段階と
複数の前記評価値それぞれが、前記取引対象の価値の判定の結果に与えた重要度を判定する段階と
判定された前記取引対象の価値と、判定された前記重要度とを対応付けて出力する段階と
を含み、
前記評価値を求める段階は、
複数の前記取引対象の複数の前記属性値を機械学習することにより得られた学習済モデルを用いて、複数の前記属性値それぞれの前記評価値を求める段階と、
複数の前記取引対象それぞれの複数の前記属性値の少なくとも一部を、前記特定の分野の複数の専門家が評価することにより求められた複数の前記評価値を含む教師データを用いて機械学習することにより前記学習済モデルを得る段階と、
を含む、
データ処理方法。
【請求項18】
特定の分野における取引対象の複数の属性値の少なくとも一部を、前記特定の分野の複数の専門家が評価することにより、複数の前記属性値それぞれの評価値を含む教師データを求め、
前記教師データを用いて、複数の前記取引対象の複数の前記属性値を機械学習することにより得られた学習済モデルを得て、
前記学習済モデルを用いて、複数の前記属性値を評価して、複数の前記属性値それぞれの評価値を求め、
求められた複数の前記評価値に基づいて、前記取引対象の価値を判定し、
複数の前記評価値それぞれが、前記取引対象の価値の判定の結果に与えた重要度を判定し、
判定された前記取引対象の価値と、判定された前記重要度とを対応付けて出力する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。