(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022037953
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】漁獲物荷揚装置
(51)【国際特許分類】
A01K 77/00 20060101AFI20220303BHJP
B63B 35/14 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
A01K77/00 A
B63B35/14 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020142190
(22)【出願日】2020-08-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 刊行物名:日刊水産経済新聞 令和2年5月12日付,第6頁 発行者名:株式会社水産経済新聞社 発行年月日:令和2年5月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000131290
【氏名又は名称】株式会社シキシマ
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(74)【代理人】
【識別番号】100191204
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 春彦
(72)【発明者】
【氏名】林田 隆
【テーマコード(参考)】
2B106
【Fターム(参考)】
2B106EA13
2B106EH07
2B106FA07
(57)【要約】
【課題】省スペースで利用可能であると共に、魚倉内の収納された漁獲物を常時確認しながら効率的に漁獲物を荷揚げすることができる漁獲物荷揚装置を提供する。
【解決手段】荷揚時に魚倉開口近傍に設置される架台12と、その先端にたも網106の柄部108を支持する支持部を有すると共に、その基端が架台12に揺動自在に支持され、荷揚時に魚倉112と反対側に傾斜可能な操作アーム部14とを備えている漁獲物荷揚装置10である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
たも網を操作して船内の魚倉に収納された漁獲物を荷揚げする漁獲物荷揚装置であって、
荷揚時に前記魚倉開口近傍に設置される架台と、
その先端に前記たも網の柄部を支持する支持部を有すると共に、その基端が前記架台に揺動自在に支持され、荷揚時に前記魚倉と反対側に傾斜可能な操作アーム部と、
を備えていることを特徴とする漁獲物荷揚装置。
【請求項2】
舷側に取り付ける舷側取付部を備えていないことを特徴とする請求項1記載の漁獲物荷揚装置。
【請求項3】
前記架台が、甲板を移動する移動手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の漁獲物荷揚装置。
【請求項4】
前記架台が、前記操作アーム部を操縦する操縦手段を備えていることを特徴とする請求項1~3のいずれか記載の漁獲物荷揚装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか記載の漁獲物荷揚装置を備えた船舶であって、
前記漁獲物荷揚装置を移動するための魚倉開口近傍から船首領域まで延びる移動レールを備えていることを特徴とする船舶。
【請求項6】
請求項2~4のいずれか記載の漁獲物荷揚装置を備えた船舶であって、
前記漁獲物荷揚装置が、近接する舷側と所定距離をあけて設置されることを特徴とする船舶。
【請求項7】
前記所定距離が1m以上であることを特徴とする請求項6記載の船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たも網を操作して船内の魚倉に収納された漁獲物を荷揚げする漁獲物荷揚装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、たも網を操作する装置を用いて船内の魚倉に収納された漁獲物を荷揚げすることが行われている。
【0003】
このような漁獲物を荷揚げする装置としては、例えば、運搬船の魚倉縁に移動可能に設置する機体に2個のローラーを回転自在、且つ旋回可能に装着し、一方のローラーを油圧モーターで回転させ、デリックに吊られた玉網の柄を両ローラー間に挟ませて押し引きさせるように構成した漁獲物荷揚装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
上記特許文献1の漁獲物荷揚装置は、魚倉の縁40と、舷側のブルワーク37とに亘って架台33が取り付けられ、装置本体1は、油圧シリンダ45により、架台33に設けられた摺動レール34上を移動するように構成されている(特許文献1の
図2参照)。
【0005】
特許文献1の漁獲物荷揚装置は、操作レバー等が装置本体1に設けられているため、作業員は、装置本体1が摺動レール34を移動するのに伴って移動しなければならず、装置本体1が魚倉から離れた際に、魚倉内の収納された漁獲物を確認しながら操作を行うことができないという問題があった。また、摺動レール34には、ローラーやピン等の消耗部品が用いられており、メンテナンスが煩雑であり、コスト高となっていた。また、装置が取り付けられる船舶の片側においては、乗組員が通行できずにデッドゾーンとなってしまうという問題があった。
【0006】
さらに、漁獲物荷揚装置不使用時には、装置を、舷側のブルワーク37に設けられた移動用レール38に沿って移動させて保管するが、この移動用レール38は、先細り形状に舷側が湾曲する船首領域のブルワーク37に設置することができないため、結果として、装置が、船央領域に保管されることとなり、船上の有効スペースが占領されるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、省スペースで利用可能であると共に、魚倉内の収納された漁獲物を常時確認しながら効率的に漁獲物を荷揚げすることができる漁獲物荷揚装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、荷揚時に魚倉開口近傍に設置される架台と、その先端にたも網の柄部を支持する支持部を有すると共に、その基端が架台に揺動自在に支持され、荷揚時に魚倉と反対側に傾斜可能な操作アーム部とを備える装置とすることにより、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]たも網を操作して船内の魚倉に収納された漁獲物を荷揚げする漁獲物荷揚装置であって、
荷揚時に前記魚倉開口近傍に設置される架台と、
その先端に前記たも網の柄部を支持する支持部を有すると共に、その基端が前記架台に揺動自在に支持され、荷揚時に前記魚倉と反対側に傾斜可能な操作アーム部と、
を備えていることを特徴とする漁獲物荷揚装置。
[2]舷側に取り付ける舷側取付部を備えていないことを特徴とする上記[1]記載の漁獲物荷揚装置。
[3]前記架台が、甲板を移動する移動手段を備えていることを特徴とする上記[1]又は[2]記載の漁獲物荷揚装置。
[4]前記架台が、前記操作アーム部を操縦する操縦手段を備えていることを特徴とする上記[1]~[3]のいずれか記載の漁獲物荷揚装置。
【0011】
[5]上記[1]~[4]のいずれか記載の漁獲物荷揚装置を備えた船舶であって、
前記漁獲物荷揚装置を移動するための魚倉開口近傍から船首領域まで延びる移動レールを備えていることを特徴とする船舶。
[6]上記[2]~[4]のいずれか記載の漁獲物荷揚装置を備えた船舶であって、
前記漁獲物荷揚装置が、近接する舷側と所定距離をあけて設置されることを特徴とする船舶。
[7]前記所定距離が1m以上であることを特徴とする上記[6]記載の船舶。
【発明の効果】
【0012】
本発明の漁獲物荷揚装置は、省スペースで利用可能であると共に、魚倉内の収納された漁獲物を常時確認しながら効率的に漁獲物を荷揚げすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る漁獲物荷揚装置の概略正面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る漁獲物荷揚装置の概略側面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る漁獲物荷揚装置の荷揚時の状態における使用説明図であり、漁獲物荷揚装置を備えた船舶の船尾側からみた概略断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る漁獲物荷揚装置を備えた船舶の概略平面図であり、(A)は荷揚時の状態を示し、(B)は収納時の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の漁獲物荷揚装置は、たも網を操作して船内の魚倉に収納された漁獲物を荷揚げする漁獲物荷揚装置であって、荷揚時に魚倉開口近傍に設置される架台と、その先端にたも網の柄部を支持する支持部を有すると共に、その基端が架台に揺動自在に支持され、荷揚時に魚倉と反対側に傾斜可能な操作アーム部と、を備えていることを特徴とする。
【0015】
本発明の漁獲物荷揚装置は、魚倉と反対側(後方)に傾斜可能な操作アーム部を備えており、装置全体が後方に移動しないことから、操作アーム部の動作に伴い作業員が移動する必要がなく、魚倉開口近傍において操作アーム部を常に操縦することができる。したがって、魚倉内の収納された漁獲物を常時確認しながら効率的に漁獲物を荷揚げすることができる。また、作業員の労力が低減できると共に、安全面でも優れている。また、従来の漁獲物荷揚装置のように魚倉から舷側に移動可能な構成にする必要がなく、省スペースで利用が可能である。また、従来の漁獲物荷揚装置に比べて管理を要する部材が少ないため、メンテナンスが容易であり、コストを低く抑えることができる。
【0016】
本発明の漁獲物荷揚装置に適用するたも網は、棒状の柄部と、柄部の先端に設けられた網部とを有するすくい網の一種であり、通常、船舶上のデリックやクレーン等に吊られて用いられる。たも網全体の長さとしては、船舶の形状や大きさに合わせて適宜設定することができるが、例えば、5~20m程度の長さのたも網を用いることができる。
【0017】
たも網は、陸揚げ時に、網部を上下返して漁獲物を排出するものであってもよいが、網部の底が開閉可能に構成されて漁獲物を排出できるもの(開閉式)が好ましい。具体的に、たも網の網部が筒状に形成され、たも網の網部の下側周端部(底部)に開閉用紐が挿通されており、開閉用紐の締緩により、網部の底部が開閉するものを挙げることができる。
【0018】
本発明の漁獲物荷揚装置に適用する船舶の魚倉とは、船舶に設置された漁獲物を収納する水槽であり、例えば、船舶上の中央部に開口を有する船内に設けられた水槽である。その形状や大きさとしては、船舶の形状や大きさに合わせて適宜設定することができ、魚倉容積としては、例えば、20~150m3程度の容積の魚倉を挙げることができる。なお、魚倉は複数設けられていてもよい。
【0019】
本発明の漁獲物荷揚装置は、上記のように、架台と、操作アーム部とを備えている。以下、架台及び操作アーム部について詳細に説明する。
【0020】
[架台]
本発明の架台は、後述する操作アーム部を支える足場であり、荷揚時に魚倉開口近傍に設置される。
【0021】
架台は、船舶上の魚倉開口近傍に固定されるものでもよいが、移動可能なものが好ましい。すなわち、架台は、甲板を移動する移動手段を備えていることが好ましい。移動手段としては、具体的に、例えば、甲板上に設置されたレール上を移動する車輪を挙げることができる。
【0022】
架台は、操作アーム部を操縦する操縦手段を備えていることが好ましい。これにより、操作アーム部の動作を魚倉開口近傍で操作することができ、魚倉内の収納された漁獲物を常時確認しながら荷揚げすることができる。
【0023】
本発明の漁獲物荷揚装置は、上記のように、荷揚時に、架台が魚倉開口近傍に設置されるものであるが、舷側に固定されないことが好ましい。すなわち、本発明の漁獲物荷揚装置は、舷側に取り付ける舷側取付部を備えていないことが好ましい。これにより、荷揚時に、装置と近接する舷側(通常は左舷)との間に空間を設けることができ、乗組員の通行や作業が可能となり、作業性や安全性を高めることができる。なお、舷側には、舷側に沿って立設されたブルワーク(波の侵入を防ぐ囲い)を含む。
【0024】
[操作アーム部]
本発明の操作アーム部は、その先端に、たも網の柄部を支持する支持部を有している。支持部は、たも網の柄部を支持するものであるが、例えば、たも網の傾斜角度を調節するたも網角度調整手段や、たも網を前後方向に押し引きして、支持部から突出したたも網先端までの長さを調整するたも網長さ調整手段としての役割を果たす。また、支持部は、たも網が開閉式の場合、開閉用紐を巻き取る巻取リールを備えている。
【0025】
操作アーム部の支持部としては、例えば、主ドラムと、主ドラムの周方向に沿って回動する押さえローラーとを備え、主ドラム及び押さえローラーがたも網角度調整手段及び/又はたも網長さ調整手段を構成しているものを挙げることができる。
【0026】
本発明の操作アーム部は、その基端が架台に揺動自在に支持され、荷揚時に魚倉と反対側に傾斜可能に構成されている。操作アーム部は、その先端を後方に(魚倉と反対側に)傾斜することができるため、操作アーム全体を後方に移動させなくとも、たも網を幅広く操作できる。
【0027】
また、操作アーム部は、後方に傾斜させて、より後方にその先端を位置させることが可能なように、所定の長さ(高さ)を有していることが好ましい。すなわち、操作アーム部は、特許文献1に示すようなスライド式の漁獲物荷揚装置と比較して、より長いことが好ましい。アーム部の長さ(高さ)(
図1の長さL)としては、1m以上であることが好ましく、1.2m以上であることがより好ましい。なお、従来のスライド式の漁獲物荷揚装置のアーム部の長さ(高さ)は、1m未満である。これにより、たも網が船舶のブルワークに接触することを抑制し、より容易に、陸上に設置されたトラックなどの高さのある回収場所に漁獲物を搬送することができる。
【0028】
次に、上記説明した本発明の漁獲物荷揚装置を備えた船舶について説明する。
【0029】
本発明の船舶は、漁獲物荷揚装置と、漁獲物荷揚装置を移動するための魚倉開口近傍から船首領域まで延びる移動レールとを備えていることを特徴とする。これにより、荷揚げ時に魚倉開口近傍に設置し、不使用時には船首領域に収納することができ、船舶上のスペースを有効に利用できる。なお、船首領域は、船舶の先端側の甲板の領域であり、通常、舷側が湾曲し先細り形状になった空間である。
【0030】
移動レールとしては、漁獲物荷揚装置が移動できるものであれば特に制限されるものではなく、甲板の表面に埋設されているものが好ましい。これにより、甲板の表面に凹凸がなく、作業の障害となることがない。また、移動レールは、複数設けることができる。
【0031】
本発明の船舶は、漁獲物荷揚装置が、近接する舷側と所定距離をあけて設置されることが好ましい。これにより、装置が取り付けられる船舶の片側が、荷揚げ時にデッドゾーンとならずに、作業員の通路等として活用できる。所定距離としては、船舶の形状や大きさに合わせて適宜設定することができるが、少なくとも人が通行できる距離であることが好ましく、具体的に、1m以上であることが好ましく、1.5m以上であることがより好ましい。
【0032】
以下、図面を用いて本発明の漁獲物荷揚装置の一実施形態を具体的に説明するが、本発明は本実施形態に制限されるものではない。
【0033】
ここで、
図1は、本発明の一実施形態に係る漁獲物荷揚装置の概略正面図である。
図2は、本発明の一実施形態に係る漁獲物荷揚装置の概略側面図である。
【0034】
図1及び
図2に示すように、漁獲物荷揚装置10は、架台12と、操作アーム部14とを備えている。
【0035】
架台12は、船舶の甲板に設けられた2本の移動レール102,104上を移動する移動手段としての車輪16と、操作アーム部14を操縦する操縦手段18とを備えている。
【0036】
操作アーム部14は、その先端にたも網106の柄部108を支持する支持部20を有しており、支持部20は、たも網角度調整手段及びたも網長さ調整手段としての主ドラム22と、主ドラム22の周方向に沿って回動する押さえローラー24とを備えている。また、支持部20は、たも網106の網部の底に接続された開閉用紐116を巻き取る巻取リール26を備えている。
【0037】
上記操作アーム部14の支持部20の動作について具体的に説明する。
主ドラム22及び押さえローラー24がたも網106の柄部108を挟持し、挟持した状態で押さえローラー24が主ドラム22の周方向に沿って回動することで、たも網106の傾斜角度を調整する。また、主ドラム22及び押さえローラー24がたも網106の柄部108を挟持した状態で主ドラム22が前後に回転することで、たも網106の柄部108を押し引きし、支持部20から突出したたも網106先端までの長さを調整する。
【0038】
操作アーム部14は、その基端が架台12に(魚倉に対して遠近方向に)揺動自在に支持され、荷揚時に魚倉と反対側に傾斜可能に構成されている。したがって、操作アーム全体を後方に移動させなくとも、たも網を幅広く操作できる。
【0039】
続いて、上述した本発明の漁獲物荷揚装置10の使用方法について図面を参照して具体的に説明する。
【0040】
ここで、
図3は、本発明の一実施形態に係る漁獲物荷揚装置の荷揚時の状態における使用説明図であり、漁獲物荷揚装置を備えた船舶の船尾側からみた概略断面図である。
図4は、本発明の一実施形態に係る漁獲物荷揚装置を備えた船舶の概略平面図であり、(A)は荷揚時の状態を示し、(B)は収納時の状態を示す。
【0041】
図3に示すように、漁獲物荷揚装置10は、荷揚時に船舶100の魚倉112の魚倉開口近傍に設置される。漁獲物荷揚装置10の大きさは、長さ(奥行)1.8m程度、幅1.4m程度、高さ2.4m(アーム部の長さ(L)1.4m)程度である(
図2参照)。また、船舶100の幅は、10m程度である。たも網106全体の長さは、15m程度である。魚倉112の深さは、甲板から5m程度である。漁獲物荷揚装置10は、近接する舷側と1.5m程度距離をあけて設置されており、人の通行が可能である。
【0042】
図4に示すように、船舶100は、左舷側に魚倉開口近傍から船首領域まで延びる2本の移動レール102,104を備えている。漁獲物荷揚装置10は、架台12の車輪16が移動レール102,104を移動するように構成され、荷揚げ時に魚倉112の魚倉開口近傍に設置され(
図4(A))、収納時に船首領域に収納される(
図4(B))。なお、移動レール102,104は、甲板の表面に埋設されている。
【0043】
次に、
図3を用いて本発明の漁獲物荷揚装置10の使用方法(動作)の一例を説明する。
まず、操作アーム部14を立設した状態で、操作アーム部14の支持部20の主ドラム22及び押さえローラー24(たも網角度調整手段)がたも網106の先端を下方に向け、たも網106を直立させる。続いて、主ドラム22及び押さえローラー24(たも網長さ調整手段)により、たも網106の網部110を魚倉112の底まで下ろす(
図3a~c)。
【0044】
続いて、操作アーム部14を魚倉112と反対側に傾斜させると共に、主ドラム22及び押さえローラー24(たも網長さ調整手段)が、たも網106を先端側に押し出し、たも網106の網部110を魚倉112の底に沿って魚倉112の奥(
図3上、右舷側)までスライドさせて、魚倉112内の漁獲物をすくう(
図3d)。
【0045】
続いて、主ドラム22及び押さえローラー24(たも網長さ調整手段)が、たも網106を基端側に引き入れながら、船舶100上に設けたデリックのワイヤ114によりたも網106の網部110を水平付近まで吊り上げる(
図3e)。
【0046】
続いて、主ドラム22及び押さえローラー24(たも網長さ調整手段)がたも網106を先端側に押し出し、たも網106の網部110を陸上の回収場所であるトラックの荷台118の上方まで前進させる(
図3f)。
【0047】
最後に、巻取リール26により、たも網106の開閉用紐116を緩めて、網部110の底を開き、トラックの荷台118に漁獲物を落下させて回収する。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の漁獲物荷揚装置は、捕獲された船内の漁獲物を荷揚げすることができることから、産業上有用である。
【符号の説明】
【0049】
10 漁獲物荷揚装置
12 架台
14 操作アーム部
16 車輪
18 操縦手段
20 支持部
22 主ドラム
24 押さえローラー
26 巻取リール
100 船舶
102 移動レール
104 移動レール
106 たも網
108 柄部
110 網部
112 魚倉
114 ワイヤ
116 開閉用紐
118 荷台
【手続補正書】
【提出日】2021-10-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
たも網を操作して船内の魚倉に収納された漁獲物を荷揚げする漁獲物荷揚装置であって、
荷揚時に前記魚倉開口近傍に設置される架台と、
その先端に前記たも網の柄部を支持する支持部を有すると共に、その基端が前記架台に魚倉に対して遠近方向に揺動自在に支持され、該揺動により、荷揚時にその先端を前記魚倉と反対側まで傾斜可能な操作アーム部と、
を備えていることを特徴とする漁獲物荷揚装置。
【請求項2】
前記架台が、甲板を移動する移動手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の漁獲物荷揚装置。
【請求項3】
前記架台が、前記操作アーム部を操縦する操縦手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の漁獲物荷揚装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか記載の漁獲物荷揚装置を備えた船舶であって、
前記漁獲物荷揚装置を移動するための魚倉開口近傍から船首領域まで延びる移動レールを備えていることを特徴とする船舶。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか記載の漁獲物荷揚装置を備えた船舶であって、
前記漁獲物荷揚装置が、近接する舷側と所定距離をあけて設置されることを特徴とする船舶。
【請求項6】
前記所定距離が1m以上であることを特徴とする請求項5記載の船舶。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
たも網を操作して船内の魚倉に収納された漁獲物を荷揚げする漁獲物荷揚装置であって、
荷揚時に前記魚倉開口近傍に設置される架台と、
押さえローラーを具備し、前記たも網の柄部を支持する支持部をその先端に有すると共に、その基端が前記架台に魚倉に対して遠近方向に揺動自在に支持され、該揺動により、荷揚時にその先端の支持部を前記魚倉と反対側まで傾斜可能な操作アーム部と、
を備え、
荷揚時に前記魚倉に対して遠近方向に移動させずにたも網を操作できることを特徴とする漁獲物荷揚装置。
【請求項2】
前記架台が、甲板を移動する移動手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の漁獲物荷揚装置。
【請求項3】
前記架台が、前記操作アーム部を操縦する操縦手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の漁獲物荷揚装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか記載の漁獲物荷揚装置を備えた船舶であって、
前記漁獲物荷揚装置を移動するための魚倉開口近傍から船首領域まで延びる移動レールを備えていることを特徴とする船舶。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか記載の漁獲物荷揚装置を備えた船舶であって、
前記漁獲物荷揚装置が、近接する舷側と所定距離をあけて設置されることを特徴とする船舶。
【請求項6】
前記所定距離が1m以上であることを特徴とする請求項5記載の船舶。