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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022038191
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 5/16 20060101AFI20220303BHJP
   E06B 1/18 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
E06B5/16
E06B1/18 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020142557
(22)【出願日】2020-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】原 和彦
【テーマコード(参考)】
2E239
【Fターム(参考)】
2E239CA01
2E239CA22
2E239CA27
2E239CA32
2E239CA53
2E239CA66
(57)【要約】
【課題】連結金具の取付作業性を向上できる建具を提供すること。
【解決手段】引き違い窓の下枠22は、金属製の室外側形材50および室内側形材60と、室外側形材50および室内側形材60の間に介在される断熱材70と、室外側形材50および室内側形材60の間に配置される連結金具80とを備える。室外側形材50には被係合部55が形成され、室内側形材60には固定部84が形成される。連結金具80は、被係合部55に係合する係合部83および被固定部65にネジ止めされる固定部84を有した金具本体部81と、金具本体部81から外周側に延出した把手部82とを有している。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上枠、下枠および左右の縦枠を備える枠体を備え、
前記上枠、前記下枠および前記左右の縦枠のうち少なくとも一つは、金属製の室外側形材および室内側形材と、前記室外側形材および前記室内側形材の間に介在される断熱材と、前記室外側形材および前記室内側形材の間に配置される連結金具とを備え、
前記室外側形材には第一被取付部が形成され、
前記室内側形材には第二被取付部が形成され、
前記連結金具は、前記断熱材に対して外周側に配置される金具本体部と、前記金具本体部から外周側に延出した把手部とを有し、
前記金具本体部には前記第一被取付部に取り付けられる第一取付部が形成され、
前記金具本体部には前記第二被取付部に取り付けられる第二取付部が形成される
ことを特徴とする建具。
【請求項2】
請求項1に記載の建具において、
前記室内側形材は、前記断熱材を保持する室内側保持部を有した室外見付け面部と、前記室外見付け面部から室内側に延びた見込み面部と、前記見込み面部から外周側に延出した外周延出片部とを有し、
前記把手部は前記第一取付部および前記第二取付部の間に配置され、
前記第二被取付部は、前記見込み面部のうち前記外周延出片部よりも室外側部分に形成される
ことを特徴とする建具。
【請求項3】
請求項2に記載の建具において、
前記枠体は、建物躯体に固定される開口枠であり、
前記下枠が前記室外側形材、前記室内側形材、前記断熱材および前記連結金具を備え、
前記連結金具の前記把手部の外周端は、前記建物躯体に形成された開口を区画する内周面に当接する
ことを特徴とする建具。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の建具において、
前記第一取付部は前記金具本体部の室外側部分が内周側に折曲された片状の係合部によって構成され、
前記第一被取付部は前記係合部が係合する溝状の被係合部によって構成され、
前記第二取付部は固定具が挿通する孔が形成された固定部によって構成され、
前記第二被取付部は前記固定具が固定される被固定部によって構成される
ことを特徴とする建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室外側形材および室内側形材を断熱材で繋いで構成される枠材に対し、室外側形材および室内側形材を連結する連結金具を取り付けた建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の開口部に設けた枠と、枠内に設置された扉とを備え、枠は、上枠、下枠および左右の竪枠を備え、左右の竪枠は、室外側形材および室内側形材を断熱材で繋いで構成される断熱防火ドアが知られている(特許文献1参照)。室外側形材の室内側部分と室内側形材の室外側部分とには、断熱材を保持する断熱部材ホルダーがそれぞれ形成されている。これら断熱部材ホルダーは、室外側挟み部材および室内側挟み部材をネジ固定して構成される挟み具(連結金具)によって挟み込まれる。このように挟み具で断熱部材ホルダーを挟み込むことで室外側形材および室内側形材を連結し、火災時に室外側形材が室外側に離れるように枠が変形することを抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-163074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の断熱防火ドアでは、室外側挟み部材を室外側形材の断熱部材ホルダーに対して室外側から当接させ、且つ、室内側挟み部材を室内側形材の断熱部材ホルダーに対して室内側から当接させたうえ、室内側挟み部材および室内側挟み部材との位置合わせをしながら互いにネジ固定しなければならず、挟み具(連結金具)の取付作業に手間を要する。
【0005】
本発明の目的は、連結金具の取付作業性を向上できる建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の建具は、上枠、下枠および左右の縦枠を備える枠体を備え、前記上枠、前記下枠および前記左右の縦枠のうち少なくとも一つは、金属製の室外側形材および室内側形材と、前記室外側形材および前記室内側形材の間に介在される断熱材と、前記室外側形材および前記室内側形材の間に配置される連結金具とを備え、前記室外側形材には第一被取付部が形成され、前記室内側形材には第二被取付部が形成され、前記連結金具は、前記断熱材に対して外周側に配置される金具本体部と、前記金具本体部から外周側に延出した把手部とを有し、前記金具本体部には前記第一被取付部に取り付けられる第一取付部が形成され、前記金具本体部には前記第二被取付部に取り付けられる第二取付部が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、連結金具の取付作業性を向上できる建具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る引き違い窓を示す内観姿図。
図2】前記実施形態に係る引き違い窓を示す縦断面図。
図3】前記実施形態に係る引き違い窓を示す横断面図。
図4】前記実施形態に係る引き違い窓の下枠を拡大して示す縦断面図。
図5】前記実施形態に係る引き違い窓の連結金具を示す斜視図。
図6】本発明の変形例に係る下枠を拡大して示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本実施形態の構成]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1から図3において、本実施形態に係る建具としての引き違い窓1は、上枠21、下枠22および左右の縦枠23,24を備える窓枠2(枠体)と、窓枠2内に引き違い可能に配置される障子3,4とを備えている。窓枠2は建物躯体5の開口に固定される開口枠である。
以下の説明において、引き違い窓1の左右方向をX軸方向とし、引き違い窓1の上下方向をY軸方向とし、引き違い窓1の見込み方向をZ軸方向とする。X,Y,Z軸方向は互いに直交する。
【0010】
上枠21、縦枠23,24は、図2および図3に示すように、アルミ押出形材によって形成されており、その室内側における内周部分には樹脂形材211,231が装着されている。また、上枠21には、障子3,4をX軸方向に案内する上レール212,213が形成されている。
下枠22は、図2および図4に示すように、アルミ押出形材によって形成された室外側形材50および室内側形材60と、室外側形材50および室内側形材60の間に介在された断熱材70と、断熱材70に対して外周側(ここでは下方側)において室外側形材50および室内側形材60の間に配置された連結金具80とを備えている。
【0011】
室外側形材50は、室外見付け面部51、室内見付け面部52、内周見込み面部53および外周見込み面部54を有して中空枠状に形成されており、内周見込み面部53には障子3をX軸方向に案内する下レール531が形成されており、外周見込み面部54にはその室内端部から外周側(ここでは下方側)に延出した取付片部541が形成されている。取付片部541は建物躯体5にネジ止めされる。
室内見付け面部52には、断熱材70を室外側から保持する室外側保持部521が形成されている。室外側保持部521は室内見付け面部52の室内面52Aから室内側に突出した上下二つの保持片部522,523によって形成されており、断熱材70の室外側部分は保持片部522,523間に保持される。
この室外側形材50には、連結金具80の後述する係合部83が係合される第一被取付部としての被係合部55が、断熱材70に対して外周側の位置に形成されている。保持片部523には、室内面52Aに対して室内側に離間した位置から下方に突出した突部524が形成されている。被係合部55は、室内見付け面部52の室内面52Aと、保持片部523の下面523A(外周側の面)と、突部524の側面524Aとによって溝状に形成されている。
【0012】
室内側形材60は、室外見付け面部61、室内見付け面部62、内周見込み面部63および外周見込み面部64を有して中空枠状に形成されており、室内見付け面部62にはその下端部から室内側に延出した取付片部621が形成されており、内周見込み面部63には障子4をX軸方向に案内する下レール631が形成されており、外周見込み面部64(見込み面部)には外周側(ここでは下方側)に延出した外周延出片部641が形成されている。下レール631は内周見込み面部63が室外見付け面部61と連続する部分から上方に延出している。取付片部621は建物躯体5にネジ止めされる。
室外見付け面部61には、断熱材70を室内側から保持する室内側保持部611が形成されている。室内側保持部611は室外見付け面部61の室外面61Aから室外側に突出した上下二つの保持片部612,613によって形成されており、断熱材70の室内側部分は保持片部612,613間に保持される。
この室内側形材60には、連結金具80の後述する固定部84が固定される第二被取付部としての被固定部65が、断熱材70に対して外周側の位置に固定されている。外周延出片部641は室外見付け面部61に対して室内側に離れた位置にあり、被固定部65は、外周見込み面部64のうち外周延出片部641よりも室外側部分が厚肉化された肉盛り部によって形成されており、固定具としての固定ネジ8(ドリルネジ)が直接に螺合固定可能な厚さ寸法とされている。
【0013】
連結金具80は、火災時に断熱材70が溶解しても、室外側形材50が室外側に倒れることを抑制するものである。本実施形態では、連結金具80は、下枠22のX軸方向における両端部および中央部に設置されているが、連結金具80の個数および配置は引き違い窓1のX軸方向における寸法に応じて適宜設定される。
連結金具80は、図4および図5に示すように、断熱材70に対して外周側に配置される断面L字状の金具本体部81と、金具本体部81から外周側に延出した把手部82とを有している。金具本体部81は、板状に形成されており、その室外側部分が内周側(ここでは上方側)に折曲されることで第一取付部としての片状の係合部83が形成されている。金具本体部81の室外側部分であってX軸方向における左右両側部分には、固定ネジ8が挿通される孔811が形成された第二取付部としての固定部84が形成されている。
把手部82は、金具本体部81の室外側部分であってX軸方向における中央部分が外周側(ここでは下方側)に折曲されてなり、Z軸方向において係合部83および固定部84の間に配置されている。把手部82の下端位置(外周端位置)は、室内側形材60の外周延出片部641の下端位置(外周端位置)に対して内周側に配置されている。
【0014】
前述した連結金具80は次の通りに下枠22に取り付けられる。まず、把手部82を手で掴んで連結金具80を室外側形材50および室内側形材60の間に入れ、断熱材70に対して下方側に配置する。次に、図4に二点鎖線で示すように連結金具80を上方側に向かって回し入れ、係合部83を室内面52Aに当てつつ被係合部55に差し込み係合し、且つ、固定部84の上面を被固定部65の下面に当接させる。次に、固定ネジ8を固定部84の孔811に挿通して被固定部65にネジ込むことで、固定部84を被固定部65に固定する。このようにして連結金具80を下枠22に取り付ける。
ここで本実施形態では、金具本体部81のZ軸方向における寸法は、室外側形材50の室内見付け面部52および室内側形材60の外周延出片部641の間のZ軸方向における寸法に対して、クリアランスを設けるために若干小さい寸法か、同等の寸法とされる。前述したように若干小さい寸法とすることで、連結金具80を室外側形材50および室内側形材60の間に入れ易くなる。また、前述したように同等の寸法とすることで、連結金具80は室内見付け面部52および外周延出片部641の双方に当接し、これによりZ軸方向における位置決めをえる。連結金具80が室内見付け面部52および外周延出片部641の双方に圧接して嵌め込まれる場合には、把手部82から手を離しても連結金具80は位置決め状態を維持できる。
また、把手部82は、下レール631の見込み位置よりも室外側に若干寄った位置に配置されており、把手部82のY軸方向における長さ寸法は、本実施形態では、連結金具80を室外側形材50および室内側形材60の間で上方側に回し入れる際に把手部82が下枠22(室外側形材50の取付片部541など)に干渉しない程度の寸法とされている。
【0015】
[変形例]
前記実施形態では、連結金具80は係合部83および固定部84を有しているが、これに限らず、係合部83に代えて室外側形材50にネジ止めされる固定部を有していてもよく、この場合、室外側形材50には、被係合部55に代えて前記固定部がネジ止めされる被固定部が形成される。また、連結金具80は、固定部84に代えて室内側形材60に係合する係合部を有していてもよく、この場合、室内側形材60には、被固定部65に代えて前記係合部が係合する被係合部が形成される。図6では、第一取付部としての係合部83と、第二取付部としての係合部85とを有する連結金具80を示している。係合部85は、金具本体部81の室内側部分が上方側(内周側)に折曲され且つ先端が室外側を向いて形成されている。この係合部85に応じて、室内側形材60は、被固定部65に代えて係合部85が係合される溝状の被係合部66が形成されている。
前記実施形態では、把手部82の下端位置は、室内側形材60の外周延出片部641の下端位置に対して内周側に配置されているが、例えば図6に示すように外周延出片部641の下端位置に対してY軸方向に同じ位置に配置されていてもよく、また外周側に配置されていてもよい。この場合には、把手部82は、建物躯体5に形成された開口を区画する内周面(ここでは下面)に当接し、載せられて下レール631に加わる鉛直荷重を支持できる。把手部82の見込み位置は、本実施形態では、下レール631の見込み位置よりも室外側に若干寄った位置とされているが、前述した鉛直荷重を支持する観点からは下レール631の真下または真下により近い位置に配置されることが好ましい。また、把手部82の見込み位置を前述したように下レール631の真下または真下により近い位置とすることで、連結金具80を図4に二点鎖線で示すように室外側形材50および室内側形材60の間に回し入れる際に、把手部82が室外側形材50の取付片部541に干渉しにくい配置にできる。把手部82の見込み位置を下レール631の真下または真下により近い位置よりも更に室内側寄りの位置とすることで、把手部82が取付片部541に更に干渉しにくい配置にできる。このように把手部82の見込み位置を室内側寄りにしていくことで取付片部541に干渉しにくくなる分、把手部82のY軸方向における長さ寸法を大きくでき、このため、連結金具80を室外側形材50および室内側形材60の奥まった位置まで、より簡単に入れることができる。
前記実施形態では、連結金具80の把手部82は金具本体部81の室内側部分のX軸方向における中央部分を下方に折曲してなり、当該室内側部分のX軸方向における左右両側に固定部84が形成されているが、例えば、左右一方の固定部84の構成を省略し、当該左右一方を下方に折曲して把手部82を形成してもよい。
前記実施形態では、上枠21および左右の縦枠23,24はそれぞれ一つのアルミ押出形材によって構成されているが、室外側形材および室内側形材の間に断熱材を介在して構成されていてもよく、この場合には、連結金具80によって前述した室外側形材および室内側形材を連結してもよい。
前記実施形態では、把手部82が前述した鉛直荷重を支持する必要がない場合には、把手部82のY軸方向における寸法は外周延出片部641のY軸方向における寸法よりも小さい寸法とされてもよい。
前記実施形態では、建具として引き違い窓1を説明したが、これに限定されず各種の窓を採用できる。
【0016】
[本発明のまとめ]
本発明の建具は、上枠、下枠および左右の縦枠を備える枠体を備え、前記上枠、前記下枠および前記左右の縦枠のうち少なくとも一つは、金属製の室外側形材および室内側形材と、前記室外側形材および前記室内側形材の間に介在される断熱材と、前記室外側形材および前記室内側形材の間に配置される連結金具とを備え、前記室外側形材には第一被取付部が形成され、前記室内側形材には第二被取付部が形成され、前記連結金具は、前記断熱材に対して外周側に配置される金具本体部と、前記金具本体部から外周側に延出した把手部とを有し、前記金具本体部には前記第一被取付部に取り付けられる第一取付部が形成され、前記金具本体部には前記第二被取付部に取り付けられる第二取付部が形成されることを特徴とする。
本発明の建具によれば、室外側形材および室内側形材の間に連結金具を配置するので、例えば室外側挟み部材および室内側挟み部材を互いにネジ固定して構成される挟み具と比べ、一つの部材で室外側形材および室内側形材を連結でき、これにより連結金具の部品点数を削減できて取付作業性を向上できる。そのうえ、把手部が金具本体部から外周側に延出しているので、把手部を掴んで連結金具を断熱材の外周側における所定位置に簡単に設置でき、このような把手部がない連結金具と比べ、連結金具の取付作業性を向上でき、例えば枠体の見付け寸法が大きく、連結金具を室外側形材および室内側形材の間において外周側から内周側に深く入れ込んで設置する場合であっても、外周側に延出した把手部を掴むことで連結金具を室外側形材および室内側形材に簡単に取り付けることができる。
【0017】
本発明の建具では、前記室内側形材は、前記断熱材を保持する室内側保持部を有した室外見付け面部と、前記室外見付け面部から室内側に延びた見込み面部と、前記見込み面部から外周側に延出した外周延出片部とを有し、前記把手部は前記第一取付部および前記第二取付部の間に配置され、前記第二被取付部は、前記見込み面部のうち前記外周延出片部よりも室外側部分に形成されていてもよい。
このような構成によれば、連結金具を室内側形材の外周延出片部よりも室外側に配置して第二取付部を第二被取付部に取り付けられるので、連結金具を配置するために外周延出片部に切欠き等の加工を施す必要がなくなり、取付作業性を向上できる。
【0018】
本発明の建具では、前記枠体は、建物躯体に固定される開口枠であり、前記下枠が前記室外側形材、前記室内側形材、前記断熱材および前記連結金具を備え、前記連結金具の前記把手部の外周端は、前記建物躯体に形成された開口を区画する内周面に当接してもよい。
このような構成によれば、建具を建物の開口部に設置した際に、連結金具の把手部を建物躯体に載せることができ、このため、連結金具を、障子の鉛直荷重を支持する補強材としても利用でき、火災時における建具の変形をより効果的に抑制できる。
【0019】
本発明の建具では、前記第一取付部は前記金具本体部の室外側部分が内周側に折曲された片状の係合部によって構成され、前記第一被取付部は前記係合部が係合する溝状の被係合部によって構成され、前記第二取付部は固定具が挿通する孔が形成された固定部によって構成され、前記第二被取付部は前記固定具が固定される被固定部によって構成されていてもよい。
このような構成によれば、例えば、第一取付部および第二取付部の双方を第一被取付部および第二被取付部の双方向に対して固定具によって固定する構成と比べて、連結金具の位置決めが容易であると共に、第一取付部を第一被取付部に取り付けるのに固定具を用いる必要がないうえ、片状の係合部を溝状の被係合部に差込係合するだけでよく、取付作業性がよい。また例えば、第一取付部および第二取付部の双方を第一被取付部および第二被取付部の双方向に対してスナップフィット式等で係合する構成と比べて、第二取付部を第二被取付部に固定具によって固定するので連結金具の取付強度を高くでき、火災時における建具の変形をより抑制できる。
【符号の説明】
【0020】
1…引き違い窓(建具)、2…窓枠(枠体)、21…上枠、22…下枠、23,24…縦枠、3,4…障子、5…建物躯体、50…室外側形材、521…室外側保持部、531,631…下レール、55,66…被係合部、60…室内側形材、611…室内側保持部、641…外周延出片部、65…被固定部、70…断熱材、8…固定ネジ、80…連結金具、81…金具本体部、811…孔、82…把手部、83,85…係合部、84…固定部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6