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特開2022-38252内視鏡装置、内視鏡装置の作動方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022038252
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】内視鏡装置、内視鏡装置の作動方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G02B 23/24 20060101AFI20220303BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20220303BHJP
   G02B 23/26 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
G02B23/24 B
A61B1/00 522
A61B1/00 550
A61B1/00 735
G02B23/26 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020142645
(22)【出願日】2020-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100207789
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 良平
(72)【発明者】
【氏名】牧 正矩
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀彰
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
【Fターム(参考)】
2H040AA03
2H040BA15
2H040BA22
2H040BA23
2H040CA22
2H040DA12
2H040GA02
2H040GA10
2H040GA11
4C161AA29
4C161BB06
(57)【要約】
【課題】撮像素子に入射する光の状態を切り替える光学素子が誤った位置に配置された状態で撮像素子が画像を生成する状況の発生を抑えることができる内視鏡装置、内視鏡装置の作動方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】内視鏡装置は、撮像素子、第1の光学系、および光学素子を先端に有する内視鏡を有する。前記光学素子は、前記第1の光学系の光路上の第1の位置と、前記第1の光学系の前記光路から外れた第2の位置とのいずれか一方に配置され、前記撮像素子に入射する光の状態を切り替える。また、内視鏡装置は、検出部、判断部、および制御部を有する。前記検出部は、前記光学素子の動きを検出する。前記判断部は、前記動きに基づいて、前記光学素子が前記第1の位置または前記第2の位置から移動するか否かを判断する。前記制御部は、前記判断部が実行した判断の結果に基づいて、前記光学素子の位置を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子と、
被写体からの光を前記撮像素子に導く第1の光学系と、
前記第1の光学系の光路上の第1の位置と、前記第1の光学系の前記光路から外れた第2の位置とのいずれか一方に配置され、前記撮像素子に入射する光の状態を切り替える光学素子と、
を先端に有する内視鏡と、
前記光学素子の動きを検出する検出部と、
前記動きに基づいて、前記光学素子が前記第1の位置または前記第2の位置から移動したか否かを判断する判断部と、
前記光学素子を前記第1の位置または前記第2の位置に配置する配置制御を実行し、かつ、所定の状態において前記配置制御を実行し、前記所定の状態は、前記配置制御が実行された後であって前記配置制御が次に実行される前に前記光学素子が前記第1の位置または前記第2の位置から移動したと前記判断部が判断した状態である制御部と、
を備えた内視鏡装置。
【請求項2】
前記判断部は、前記動きに基づいて、所定の大きさを超える大きさを持つ力が前記光学素子に加わるか否かを判断することにより、前記光学素子が前記第1の位置または前記第2の位置から移動したか否かを判断する
請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
前記撮像素子に対する前記光学素子の相対的な動きがあった場合、前記判断部は、前記光学素子が前記第1の位置または前記第2の位置から移動したと判断する、
請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記内視鏡は、前記第1の光学系と異なり、かつ前記被写体からの光を前記撮像素子に導く第2の光学系を前記先端に有し、
前記光学素子は、光を遮断するシャッターであり、
前記第2の位置は前記第2の光学系の光路上にあり、
前記光学素子が前記第2の位置に配置されているとき、前記撮像素子は、前記第1の光学系を通る光が形成する第1の光学像に基づいて第1の画像を生成し、
前記光学素子が前記第1の位置に配置されているとき、前記撮像素子は、前記第2の光学系を通る光が形成する第2の光学像に基づいて第2の画像を生成し、
前記撮像素子は、前記第1の画像を1回以上生成し、かつ前記第2の画像を1回以上生成するためのステレオ撮像を実行する
請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記配置制御を実行することにより、前記第1の位置と前記第2の位置とのうち予め設定された初期位置に前記光学素子を配置し、前記撮像素子に前記ステレオ撮像を開始させ、
前記撮像素子が前記ステレオ撮像を開始した後、前記所定の状態において、前記制御部は、前記光学素子を前記第1の位置と前記第2の位置とのいずれか一方に配置する前記配置制御を実行し、前記撮像素子に前記ステレオ撮像を開始させる
請求項4に記載の内視鏡装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記撮像素子が前記ステレオ撮像を開始した後、前記所定の状態において、前記光学素子を前記初期位置に配置する前記配置制御を実行し、前記撮像素子に前記ステレオ撮像を開始させる
請求項5に記載の内視鏡装置。
【請求項7】
前記所定の状態において、前記制御部は、前記光学素子の位置を確認し、
確認された前記位置が、前記撮像素子が前記第1の画像または前記第2の画像を次に生成するために必要な所定の位置と同じである場合、前記制御部は、前記配置制御を実行せず、前記撮像素子に前記ステレオ撮像を続行させ、
確認された前記位置が、前記撮像素子が前記第1の画像または前記第2の画像を次に生成するために必要な所定の位置と異なる場合、前記制御部は、前記配置制御を実行し、前記撮像素子に前記ステレオ撮像を開始させ、
前記所定の位置は、前記第1の位置および前記第2の位置のいずれか一方である
請求項4に記載の内視鏡装置。
【請求項8】
前記所定の状態において、前記制御部は、前記配置制御を実行することにより、前記第1の位置と前記第2の位置とのうち予め設定された初期位置に前記光学素子を配置し、または、直前に実行された前記配置制御により前記光学素子が配置された位置に前記光学素子を配置し、または、次の前記配置制御により前記光学素子が配置される予定である位置に前記光学素子を配置する
請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項9】
前記光学素子はレンズであり、
前記制御部は、前記光学素子を前記第1の位置および前記第2の位置のいずれか一方に配置することにより、前記撮像素子に入射する光の合焦状態を制御する
請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項10】
前記光学素子を前記第1の位置から前記第2の位置へ、または前記第2の位置から前記第1の位置へ移動させる磁気アクチュエータをさらに備え、
前記検出部は、前記磁気アクチュエータに発生する電流を検出することにより前記光学素子の動きを検出する
請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項11】
前記検出部は、加速度センサまたはジャイロセンサである
請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項12】
前記検出部は、前記撮像素子によって生成された画像に基づいて前記光学素子の動きを検出する
請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項13】
前記所定の大きさを持つ力で、前記光学素子を前記第1の位置または前記第2の位置に保持する保持機構をさらに有する
請求項2に記載の内視鏡装置。
【請求項14】
撮像素子と、
被写体からの光を前記撮像素子に導く第1の光学系と、
前記第1の光学系の光路上の第1の位置と、前記第1の光学系の前記光路から外れた第2の位置とのいずれか一方に配置され、前記撮像素子に入射する光の状態を切り替える光学素子と、
を先端に有する内視鏡を備えた内視鏡装置の作動方法であって、
検出部に前記光学素子の動きを検出させる検出ステップと、
判断部に、前記動きに基づいて、前記光学素子が前記第1の位置または前記第2の位置から移動したか否かを判断させる判断ステップと、
制御部に、前記光学素子を前記第1の位置または前記第2の位置に配置する配置制御を実行させる第1の制御ステップと、
所定の状態において前記制御部に前記配置制御を実行させ、前記所定の状態は、前記配置制御が実行された後であって前記配置制御が次に実行される前に前記光学素子が前記第1の位置または前記第2の位置から移動したと前記判断部が判断した状態である第2の制御ステップと、
を有する内視鏡装置の作動方法。
【請求項15】
撮像素子と、
被写体からの光を前記撮像素子に導く第1の光学系と、
前記第1の光学系の光路上の第1の位置と、前記第1の光学系の前記光路から外れた第2の位置とのいずれか一方に配置され、前記撮像素子に入射する光の状態を切り替える光学素子と、
を先端に有する内視鏡を備えた内視鏡装置のコンピュータに、
前記光学素子の動きを検出する検出ステップと、
前記動きに基づいて、前記光学素子が前記第1の位置または前記第2の位置から移動したか否かを判断する判断ステップと、
前記光学素子を前記第1の位置または前記第2の位置に配置する配置制御を実行する第1の制御ステップと、
所定の状態において前記配置制御を実行し、前記所定の状態は、前記配置制御が実行された後であって前記配置制御が次に実行される前に前記光学素子が前記第1の位置または前記第2の位置から移動したと前記判断ステップにおいて判断された状態である第2の制御ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置、内視鏡装置の作動方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
エンジン、タービン、および化学プラントの内部などのように直接目視できない場所の傷または腐食などの外観検査において工業用内視鏡が使用される。その傷または腐食などの不具合の程度に応じて、修理などの対応方法が変わる。このため、傷または腐食などの大きさを測定する計測機能は重要である。
【0003】
この計測方法の1つとして、例えば特許文献1に示す方法が開示されている。この方法を使用する装置は、互いに視差のある2つの光学系を有する。2つの光学系は同時に光学像を形成し、撮像素子(イメージセンサ)は2つの光学像に基づいて2枚の画像を同時に生成する。その装置は、2つの光学像に対応する2枚の画像を使用することにより、ステレオ計測の原理に基づいて被写体の3次元座標および被写体の大きさを算出する。
【0004】
特許文献1に示す装置は2つの光学系を有し、光は2つの異なる光路を通る。被写体の2つの光学像が1つの撮像素子上の2つの異なる領域に形成される。1つの光学像が撮像素子上の領域の半分のみに形成され、画角が狭くなるため、観察性能が低下する欠点がある。
【0005】
2つの撮像素子が使用される場合、画角が広がり、上記の欠点が解消される。しかしながら、現状では撮像素子の小型化が難しい。小型化が重要である内視鏡において上記の欠点を解消するために、特許文献2に示す光学装置が存在する。この光学装置は、2つの光路を有し、光路切替機構を使用することにより2つの光路を切り替える。これにより、2つの光路の各々を通る光の光学像が撮像素子上の領域全体に形成される。互いに視差のある2枚の画像を取得するためには光路を切り替える必要がある。そのため、2枚の画像の撮像タイミングの間に時間差が発生する。しかしながら、各光学系を通る光の光学像が撮像素子の領域全体に形成されるため、特許文献1に示す装置に比べて、広い画角での観察が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-49638号公報
【特許文献2】特開2010-128354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に示す光学装置は、2つの光路のうちいずれか一方を通る光のみの光学像を撮像素子上に形成するために2つの光路を切り替える機構を有する。その機構は、例えば、遮蔽物として機能するシャッターを使用することにより2つの光路を切り替える。あるいは、その機構は、レンズを光路から抜く、またはレンズを光路に挿入することにより2つの光路を切り替える。例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)が、2つの光路を切り替えるための機械的な駆動を実施する。しかし、この機械的な切替機構が使用される場合、シャッターまたはレンズのような光学素子が、衝撃などの外的要因によって、本来意図していない方向へ移動する問題がある。その問題が発生したとき、内視鏡は、正しい光路を通る光に基づく画像を取得できない。そのため、内視鏡は、正しい計測結果を得ることができない。
【0008】
電源の供給が少ない環境下で工業用内視鏡が使用されるため、工業用内視鏡はバッテリーなどの内蔵電源を有する。例えば、機械的な切替機構が光学素子に力を加え続けて光学素子を保持する場合、衝撃などによる光学素子の移動が抑えられる。しかし、この方法が使用される場合、工業用内視鏡が動作できる時間が短くなる。また、MEMSが連続的に駆動される場合、発熱による破損または撮像素子の性能低下が発生する。したがって、常に電力を消費することにより光学素子を保持する方法は現実的ではない。
【0009】
本発明は、撮像素子に入射する光の状態を切り替える光学素子が誤った位置に配置された状態で撮像素子が画像を生成する状況の発生を抑えることができる内視鏡装置、内視鏡装置の作動方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、撮像素子と、被写体からの光を前記撮像素子に導く第1の光学系と、前記第1の光学系の光路上の第1の位置と、前記第1の光学系の前記光路から外れた第2の位置とのいずれか一方に配置され、前記撮像素子に入射する光の状態を切り替える光学素子と、を先端に有する内視鏡と、前記光学素子の動きを検出する検出部と、前記動きに基づいて、前記光学素子が前記第1の位置または前記第2の位置から移動するか否かを判断する判断部と、前記光学素子を前記第1の位置または前記第2の位置に配置する配置制御を実行する、かつ、前記配置制御が実行された後であって前記配置制御が次に実行される前に前記光学素子が前記第1の位置または前記第2の位置から移動したと前記判断部が判断した場合に前記配置制御を実行する制御部と、を備えた内視鏡装置である。
【0011】
本発明は、撮像素子と、被写体からの光を前記撮像素子に導く第1の光学系と、前記第1の光学系の光路上の第1の位置と、前記第1の光学系の前記光路から外れた第2の位置とのいずれか一方に配置され、前記撮像素子に入射する光の状態を切り替える光学素子と、を先端に有する内視鏡を備えた内視鏡装置の作動方法であって、検出部に前記光学素子の動きを検出させる検出ステップと、判断部に、前記動きに基づいて、前記光学素子が前記第1の位置または前記第2の位置から移動するか否かを判断させる判断ステップと、制御部に、前記光学素子を前記第1の位置または前記第2の位置に配置する配置制御を実行させる第1の制御ステップと、前記配置制御が実行された後であって前記配置制御が次に実行される前に前記光学素子が前記第1の位置または前記第2の位置から移動したと前記判断部が判断した場合、前記制御部に前記配置制御を実行させる第2の制御ステップと、を有する内視鏡装置の作動方法である。
【0012】
本発明は、撮像素子と、被写体からの光を前記撮像素子に導く第1の光学系と、前記第1の光学系の光路上の第1の位置と、前記第1の光学系の前記光路から外れた第2の位置とのいずれか一方に配置され、前記撮像素子に入射する光の状態を切り替える光学素子と、を先端に有する内視鏡を備えた内視鏡装置のコンピュータに、前記光学素子の動きを検出する検出ステップと、前記動きに基づいて、前記光学素子が前記第1の位置または前記第2の位置から移動するか否かを判断する判断ステップと、前記光学素子を前記第1の位置または前記第2の位置に配置する配置制御を実行する第1の制御ステップと、前記配置制御が実行された後であって前記配置制御が次に実行される前に前記光学素子が前記第1の位置または前記第2の位置から移動したと前記判断ステップにおいて判断された場合、前記配置制御を実行する第2の制御ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、内視鏡装置、内視鏡装置の作動方法、およびプログラムは、光学素子が誤った位置に配置された状態で撮像素子が画像を生成する状況の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態の内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態の内視鏡装置の動作の手順を示すフローチャートである。
図3】本発明の第1の実施形態の変形例の内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の第1の実施形態の変形例の内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
図5】本発明の第2の実施形態の内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
図6】本発明の第2の実施形態の内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
図7】本発明の第2の実施形態の内視鏡装置が有する磁気アクチュエータの構成を示す斜視図である。
図8】本発明の第2の実施形態の内視鏡装置が有する磁気アクチュエータの構成を示す斜視図である。
図9】本発明の第2の実施形態の内視鏡装置が有する判断部に入力されるデジタル信号の波形を示すグラフである。
図10】本発明の第2の実施形態におけるデジタル信号から抽出された重力加速度を示すグラフである。
図11】本発明の第2の実施形態におけるデジタル信号から重力加速度およびノイズを除去することにより得られた加速度を示すグラフである。
図12】本発明の第2の実施形態の内視鏡装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図13】本発明の第2の実施形態の内視鏡装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図14】本発明の第2の実施形態の内視鏡装置と比較される内視鏡装置における画像生成シーケンスを示すタイミングチャートである。
図15】本発明の第2の実施形態の内視鏡装置における画像生成シーケンスを示すタイミングチャートである。
図16】本発明の第2の実施形態の内視鏡装置における画像生成シーケンスを示すタイミングチャートである。
図17】本発明の第2の実施形態の内視鏡装置と比較される内視鏡装置における画像生成シーケンスを示すタイミングチャートである。
図18】本発明の第2の実施形態の内視鏡装置における画像生成シーケンスを示すタイミングチャートである。
図19】本発明の第3の実施形態の内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
図20】本発明の第4の実施形態の内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
図21】本発明の第4の実施形態の内視鏡装置が有する磁気アクチュエータの構成を示す斜視図である。
図22】本発明の第5の実施形態の内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
図23】本発明の第5の実施形態の内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
図24】本発明の第6の実施形態の内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
図25】グローバルシャッタ方式を使用する撮像素子における露光期間を示すタイミングチャートである。
図26】ローリングシャッタ方式を使用する撮像素子における露光期間を示すタイミングチャートである。
図27】本発明の第7の実施形態の内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
図28】本発明の第7の実施形態の内視鏡装置が有する磁気アクチュエータの構成を示す斜視図である。
図29】本発明の第7の実施形態の内視鏡装置が有する磁気アクチュエータの構成を示す斜視図である。
図30】本発明の第7の実施形態の内視鏡装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図31】本発明の第7の実施形態の内視鏡装置における画像生成シーケンスを示すタイミングチャートである。
図32】本発明の第7の実施形態の内視鏡装置における画像生成シーケンスを示すタイミングチャートである。
図33】本発明の第7の実施形態の内視鏡装置における画像生成シーケンスを示すタイミングチャートである。
図34】本発明の第7の実施形態の内視鏡装置における画像生成シーケンスを示すタイミングチャートである。
図35】本発明の第8の実施形態の内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の内視鏡装置10の構成を示す。図1に示す内視鏡装置10は、内視鏡11、検出部12、判断部13、および制御部14を有する。内視鏡11は、撮像素子16、第1の光学系17、および光学素子18を有する。撮像素子16、第1の光学系17、および光学素子18は、内視鏡11の先端15に配置されている。
【0017】
第1の光学系17は、被写体50からの光を撮像素子16に導く。光学素子18は、第1の光学系17の光路上の第1の位置P1と、第1の光学系17の光路から外れた第2の位置P2とのいずれか一方に配置され、撮像素子16に入射する光の状態を切り替える。検出部12は光学素子18の動きを検出する。判断部13は、光学素子18の動きに基づいて、光学素子18が第1の位置P1または第2の位置P2から移動したか否かを判断する。制御部14は、光学素子18を第1の位置P1または第2の位置P2に配置する配置制御を実行する。また、制御部14は、所定の状態において配置制御を再度実行する。所定の状態は、配置制御が実行された後であって配置制御が次に実行される前に光学素子18が第1の位置P1または第2の位置P2から移動したと判断部13が判断した状態である。
【0018】
例えば、光学素子18は、第1の状態と第2の状態とを切り替える。例えば、第1の状態において第1の光学系17を通る光が撮像素子16に入射し、かつ第2の状態において第1の光学系17を通る光が撮像素子16に入射しない。あるいは、第1の状態において第1の光学系17のみを通る光が撮像素子16に入射し、かつ第2の状態において第1の光学系17および光学素子18を通る光が撮像素子16に入射する。制御部14は、配置制御を実行することにより、光学素子18を第1の位置P1および第2の位置P2の一方に配置する。
【0019】
図1に示す例では、光学素子18は第1の光学系17と撮像素子16との間に配置されている。第1の光学系17が光学素子18と撮像素子16との間に配置されてもよい。内視鏡11は、検出部12、判断部13、および制御部14の少なくとも1つを有してもよい。検出部12、判断部13、および制御部14の少なくとも1つが先端15に配置されてもよい。
【0020】
例えば、検出部12はセンサまたはプロセッサ(制御回路)である。例えば、判断部13および制御部14は、プロセッサである。検出部12がプロセッサである場合、判断部13および制御部14は、検出部12を構成するプロセッサと同じまたは異なるプロセッサである。判断部13および制御部14は、互いに異なるプロセッサであってもよい。
【0021】
例えば、光学素子18はシャッターまたはレンズである。光学素子18は、第1の位置P1および第2の位置P2の間で移動できる。光学素子18は、第1の位置P1から第2の位置P2へ、または第2の位置P2から第1の位置P1へ移動できる。
【0022】
図2は、内視鏡装置10の動作の手順を示す。図2を参照し、内視鏡装置10の動作を説明する。
【0023】
まず、初期設定が実行される。このとき、画像を生成するための画像生成シーケンスの詳細を示すシーケンス情報が内視鏡装置10に設定される。例えば、シーケンス情報は、撮像素子16が撮像を実行する回数および各撮像における光学素子18の位置を示す。画像生成シーケンスにおいて1枚以上の画像が生成される。制御部14は、配置制御を実行し、シーケンス情報が示す位置に光学素子18を移動させる(ステップS1)。
【0024】
ステップS1の後、検出部12は光学素子18の動きを検出する。例えば、検出部12は、光学素子18の絶対的な動きを検出する、または撮像素子16に対する光学素子18の相対的な動きを検出する(ステップS2)。
【0025】
ステップS2の後、判断部13は、光学素子18の動きに基づいて、光学素子18が第1の位置P1または第2の位置P2から移動したか否かを判断する(ステップS3)。判断部13は、制御部14によって実行される配置制御と異なる原因で光学素子18が移動したか否かを判断する。光学素子18が実際に移動した場合、または光学素子18が移動したと推定される場合、判断部13は、光学素子18が移動したと判断する。
【0026】
光学素子18が第1の位置P1または第2の位置P2から移動したと判断部13がステップS3において判断した場合、制御部14は復帰制御を実行する(ステップS4)。
【0027】
例えば、光学素子18の位置が第2の位置P2に配置された後、光学素子18が移動したと判断部13が判断する場合がある。その場合、光学素子18が第2の位置P2から第1の位置P1に移動している可能性がある。そのため、制御部14は、ステップS4において光学素子18を第2の位置P2に移動させるための制御を実行する。
【0028】
光学素子18が正しい位置に移動した後、画像生成シーケンスの残りを実行するために撮像が再開されてもよい。光学素子18が正しい位置に移動した後、画像生成シーケンスの最初から撮像が開始されてもよい。
【0029】
光学素子18が移動していないと判断部13がステップS3において判断した場合、通常制御が実行される(ステップS5)。例えば、撮像素子16はステップS5において撮像を実行し、画像を生成する。
【0030】
ステップS4またはステップS5の後、撮像を続行するか否かが判断される(ステップS6)。例えば、撮像素子16が、シーケンス情報によって示される回数だけ撮像を実行していない場合、撮像を続行すると判断される。撮像素子16が、シーケンス情報によって示される回数だけ撮像を実行した場合、撮像を続行しないと判断される。
【0031】
撮像を続行するとステップS6において判断された場合、ステップS2が実行される。撮像を続行しないとステップS6において判断された場合、図2に示す処理が終了する。
【0032】
第1の実施形態において、制御部14は、判断部13が光学素子18の動きを判断した結果に基づいて光学素子18の位置を制御する。そのため、内視鏡装置10は、光学素子18が誤った位置に配置された状態で撮像素子16が画像を生成する状況の発生を抑えることができる。
【0033】
(第1の実施形態の変形例)
図3および図4は、本発明の第1の実施形態の変形例の内視鏡装置10aの構成を示す。図3および図4に示す内視鏡装置10aは、内視鏡11a、検出部12、判断部13、および制御部14を有する。内視鏡11aは、撮像素子16、第1の光学系17、光学素子18、および第2の光学系19を有する。撮像素子16、第1の光学系17、光学素子18、および第2の光学系19は、内視鏡11aの先端15aに配置されている。図1に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0034】
第2の光学系19は、被写体50からの光を撮像素子16に導く。光学素子18は、光を遮断するシャッターである。第2の位置P2は第2の光学系19の光路上にある。光学素子18が第2の位置P2に配置されているとき、撮像素子16は、第1の光学系17を通る光が形成する第1の光学像に基づいて第1の画像を生成する。光学素子18が第1の位置P1に配置されているとき、撮像素子16は、第2の光学系19を通る光が形成する第2の光学像に基づいて第2の画像を生成する。第1の光学像および第2の光学像は、被写体50の光学像(被写体像)を含む。撮像素子16は、第1の画像を1回以上生成し、かつ第2の画像を1回以上生成するためのステレオ撮像を実行する。
【0035】
例えば、光学素子18は、第1の状態と第2の状態とを切り替える。例えば、第1の状態において第1の光学系17を通る光が撮像素子16に入射し、かつ第2の光学系19を通る光が撮像素子16に入射しない。第2の状態において第2の光学系19を通る光が撮像素子16に入射し、かつ第1の光学系17を通る光が撮像素子16に入射しない。
【0036】
図3は、光学素子18が第2の位置P2に配置されている例を示す。被写体50から発せられた光は第1の光学系17を通る。一方、被写体50から発せられた光は第2の光学系19を通る。第1の光学系17を通る光は光学素子18によって遮られずに撮像素子16に入射する。その光は第1の光学像を撮像素子16上に形成する。第2の光学系19を通る光は光学素子18によって遮られ、撮像素子16に入射しない。撮像素子16は、第1の光学像に基づいて第1の画像を生成する。
【0037】
図4は、光学素子18が第1の位置P1に配置されている例を示す。第1の光学系17を通る光は光学素子18によって遮られ、撮像素子16に入射しない。第2の光学系19を通る光は光学素子18によって遮られずに撮像素子16に入射する。その光は第2の光学像を撮像素子16上に形成する。撮像素子16は、第2の光学像に基づいて第2の画像を生成する。
【0038】
第1の実施形態の変形例において、内視鏡装置10aは、光学素子18が誤った位置に配置された状態で撮像素子16がステレオ撮像を実行する状況の発生を抑えることができる。
【0039】
(第2の実施形態)
図5および図6は、本発明の第2の実施形態の内視鏡装置1の構成を示す。図5および図6に示す内視鏡装置1は、本体部2、挿入部3、先端部4、操作部5、表示部6、記録媒体7、および電源8を有する。挿入部3は計測対象の物体の内部に挿入され、先端部4は挿入部3の先端に配置される。挿入部3および先端部4は、図1に示す内視鏡11の例である。操作部5、表示部6、記録媒体7、および電源8は本体部2に接続される。
【0040】
先端部4は、第1の光学系101、第2の光学系102、光路切替部103、撮像光学系104、撮像素子105、および動き検出部106を有する。挿入部3に対する先端部4の装着と、挿入部3からの先端部4の取り外しとが可能であってもよい。先端部4は、挿入部3に常に固定されていてもよい。先端部4は、図1に示す先端15の例である。
【0041】
第1の光学系101は第1の光路L1を形成する。第1の光学系101は、図1に示す第1の光学系17の例である。第2の光学系102は第2の光路L2を形成する。第2の光学系102は、図3および図4に示す第2の光学系19の例である。
【0042】
第1の光学系101および第2の光学系102は、凹レンズと凸レンズとを組み合わせた対物レンズを有する。第2の光学系102は、第1の光学系101に対して視差を有するように配置されている。つまり、第1の光学系101および第2の光学系102は、互いに視差方向に離れている。視差方向は、第1の光学系101の光学中心(主点)と第2の光学系102の光学中心(主点)とを通る直線の方向である。視差方向は、各光学系の光軸とほぼ直交する。第1の光学系101に入射した光は第1の光路L1を通る。第2の光学系102に入射した光は、第1の光路L1と異なる第2の光路L2を通る。第1の光学系101は被写体の第1の光学像を形成し、かつ第2の光学系102は被写体の第2の光学像を形成する。
【0043】
撮像光学系104は、第1の光路L1を通る光と、第2の光路L2を通る光とのいずれか一方によって形成された被写体の光学像を撮像素子105の撮像領域1051に形成する。つまり、撮像光学系104は、第1の光路L1および第2の光路L2のうち、撮像時の光路として設定された光路を通る光に基づく光学像を撮像素子105の撮像領域1051に形成する。以下では、撮像素子105が撮像を実行するときに使用される光路を撮像光路と呼ぶ。
【0044】
撮像素子105は、被写体の第1の光学像および被写体の第2の光学像が共通に形成される撮像領域1051を有する。複数の画素が撮像領域1051において行列状に配置されている。第1の光学像は、第1の光路L1を通る光によって形成される。第2の光学像は、第1の光路L1と異なる第2の光路L2を通る光によって形成される。撮像素子105は、撮像を実行することにより、第1の光学像および第2の光学像を取得する。
【0045】
撮像素子105は、第1の撮像タイミングで撮像を実行し、第1の光学系101を通る光によって形成される第1の光学像を取得する。撮像素子105は、第1の撮像タイミングと異なる第2の撮像タイミングで撮像を実行し、第2の光学系102を通る光によって形成される第2の光学像を取得する。撮像素子105は、撮像領域1051に形成された第1の光学像に基づく第1の画像を生成し、撮像領域1051に形成された第2の光学像に基づく第2の画像を生成する。
【0046】
撮像素子105は、互いに異なる1回以上の第1の撮像タイミングで第1の光学像を取得し、かつ1枚以上の第1の画像を生成する。また、撮像素子105は、互いに異なる1回以上の第2の撮像タイミングで第2の光学像を取得し、かつ1枚以上の第2の画像を生成する。撮像素子105は、第1の画像および第2の画像を、本体部2が有する装置制御部107に出力する。撮像素子105の動作は、装置制御部107によって制御される。例えば、撮像素子105としてCCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサが使用できる。撮像素子105は、図1に示す撮像素子16の例である。
【0047】
光路切替部103は、第1の光路L1および第2の光路L2のうちいずれか一方を通る光のみを透過させ、かつ、他方を通る光を遮断する機能を持つ。光路切替部103は、第1の光路L1と第2の光路L2とで光路を切り替えることにより、第1の光学像および第2の光学像のうちのいずれか一方のみを撮像素子105の撮像領域1051に形成させる。
【0048】
動き検出部106は、光学素子の動きを検出する機能を持つ。光学素子は、光路切替部103が有する遮蔽部1031である。一般的な意味では、動き検出部106は、先端部4の動きを検出するということもできる。動き検出部106は、光学素子の絶対的な動きを検出する、または撮像素子16に対する光学素子の相対的な動きを検出する。動き検出部106は、光学素子の動きを計測することによりその動きを検出してもよい。動き検出部106は、図1に示す検出部12の例である。動き検出部106の詳細については後述する。
【0049】
本体部2は、装置制御部107、フレームメモリ108、計測部109、判断部110、および光路制御部111を有する。
【0050】
装置制御部107は、内視鏡装置1全体を制御する。装置制御部107は、光路切替制御、第1の画像生成制御、第2の画像生成制御、および計測制御を実行する。装置制御部107は、撮像に使用される撮像光路の情報を光路制御部111に通知することにより、光路切替制御を実行する。光路制御部111は、その情報に基づいて光路切替部103を制御することにより、第1の光路L1と第2の光路L2との切り替えを制御する。第1の光路L1が使用されるとき、装置制御部107は、第1の画像生成制御を実行することにより、撮像素子105に、第1の光学像を取得させ、かつ第1の光学像に基づく1枚以上の第1の画像を生成させる。第2の光路L2が使用されるとき、装置制御部107は、第2の画像生成制御を実行することにより、撮像素子105に、第2の光学像を撮像させ、かつ第2の光学像に基づく1枚以上の第2の画像を生成させる。装置制御部107は、計測制御を実行することにより、計測部109に計測を実行させる。装置制御部107が、光路切替制御を再度実行するための通知を光路制御部111から受け取った場合、装置制御部107は計測部109の制御をやり直すことができる。装置制御部107は、図1に示す制御部14の例である。
【0051】
フレームメモリ108は、撮像素子105によって生成された第1の画像および第2の画像を記憶する。フレームメモリ108は、揮発性または不揮発性のメモリとして構成される。例えば、フレームメモリ108は、RAM(Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、またはフラッシュメモリのような揮発性または不揮発性のメモリである。内視鏡装置1は、第1の画像および第2の画像を記録するためのハードディスクドライブを有してもよい。
【0052】
計測部109は、第1の画像および第2の画像に基づいて被写体の形状および被写体までの距離(被写体距離)の少なくとも1つを計測する。例えば、被写体の形状は、被写体上の任意の2点間の距離および被写体上の3点以上で構成される領域の面積などである。被写体距離は、撮像素子105が配置された先端部4から被写体までの距離である。計測部109は、2つの画像が有する視差を利用した三角測量によりステレオ計測を実行する。
【0053】
判断部110は、動き検出部106から出力されたデータに基づいて、先端部4に衝撃が発生したか否かを判断することにより光学素子が移動したか否かを判断する機能を持つ。例えば、判断部110は、所定量を超える瞬間的な動きがあったか否かを判断する、または所定の大きさを超える大きさを持つ瞬間的な力が先端部4に加わったか否かを判断することにより、先端部4に衝撃が発生したか否かを判断することができる。判断部110は、図1に示す判断部13の例である。
【0054】
光路制御部111は、光路切替部103を制御する機能を持つ。光路制御部111は、図1に示す制御部14の例である。
【0055】
装置制御部107、計測部109、判断部110、および光路制御部111は、プロセッサおよび論理回路の少なくとも1つで構成される。例えば、プロセッサとしては、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)などが使用できる。例えば、論理回路として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などが使用できる。装置制御部107、計測部109、判断部110、および光路制御部111は、1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。装置制御部107、計測部109、判断部110、および光路制御部111は、1つまたは複数の論理回路を含むことができる。
【0056】
内視鏡装置1のコンピュータが、装置制御部107、計測部109、判断部110、および光路制御部111の動作を規定する命令を含むプログラムを読み込み、かつ、読み込まれたプログラムを実行してもよい。つまり、装置制御部107、計測部109、判断部110、および光路制御部111の機能は、ソフトウェアによって実現されてもよい。このプログラムは、例えば、フラッシュメモリのような、コンピュータが読み取り可能な記録媒体により、提供されてもよい。また、上述したプログラムは、このプログラムが保存された記録装置などを有するコンピュータから、伝送媒体を通じて、あるいは、伝送媒体中の伝送波によって内視鏡装置1に伝送されてもよい。プログラムを伝送する伝送媒体は、インターネットなどのネットワーク(通信網)や、電話回線などの通信回線(通信線)のように、情報を伝送する機能を有する媒体である。また、上述したプログラムは、前述した機能をコンピュータに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0057】
操作部5は、ユーザーから指示を受け付けるユーザーインターフェースである。ユーザーは、操作部5を操作することにより、内視鏡装置1全体の各種動作を制御するために必要な指示を入力する。操作部5は、ユーザーから受け付けた指示を示す信号を装置制御部107に出力する。操作部5には、例えば、ボタン、スイッチ、キー、マウス、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボールおよびタッチパネルの少なくとも1つが用いられる。
【0058】
表示部6は、第1の画像および第2の画像の少なくとも1つを表示する。また、表示部6は、操作制御内容および計測結果などを表示する。例えば、操作制御内容は、メニューとして表示される。表示部6には、例えば、液晶ディスプレイおよび有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイの少なくとも1つが用いられる。また、表示部6は、タッチパネルディスプレイであってもよい。その場合、操作部5および表示部6を一体化させることができる。
【0059】
記録媒体7は、第1の画像、第2の画像、および計測結果などを記憶する。例えば、記録媒体7は、フラッシュメモリなどのような、不揮発性の記録媒体である。本体部2に対する記録媒体7の装着と、本体部2からの記録媒体7の取り外しとが可能であってもよい。
【0060】
電源8は、内視鏡装置1を動作させるために必要な電力を内視鏡装置1の各部に供給する。例えば、電源8として、ニッケル水素電池またはリチウムイオン電池のような二次電池(蓄電池)を用いることができる。内視鏡装置1が野外で使用される場合、一般的に二次電池を使用する必要がある。外部電源が使用される場合もある。図1において、一般の内視鏡で使用されている光源などの機能は示されていない。
【0061】
光路切替部103は、第1の光路L1および第2の光路L2のうちいずれか一方を通る光のみを透過させ、かつ、他方を通る光を遮断するように構成されている。これにより、光路切替部103は、第1の光学像および第2の光学像のうちのいずれか一方のみが撮像素子105の撮像領域1051に形成されるように、第1の光路L1と第2の光路L2とで光路を切り替えることができる。例えば、光路切替部103は、第1の光路L1および第2の光路L2のうちいずれか一方のみに挿入される遮蔽部1031を含む。遮蔽部1031は、図1に示す光学素子18の例である。
【0062】
光路切替部103が第1の光路L1の光を透過させるとき、図5に示すように遮蔽部1031が第2の光路L2に挿入され、かつ第2の光路L2を通る光が遮断される。このとき、遮蔽部1031は、第2の光路L2上の第2の位置に配置される。したがって、第1の光路L1が撮像光路として使用される。一方、光路切替部103が第2の光路L2の光を透過させるとき、図6に示すように遮蔽部1031が第1の光路L1に挿入され、かつ第1の光路L1を通る光が遮断される。このとき、遮蔽部1031は、第1の光路L1上の第1の位置に配置される。したがって、第2の光路L2が撮像光路として使用される。
【0063】
光路切替部103は、遮蔽部1031を第1の位置から第2の位置へ、または第2の位置から第1の位置へ移動させることにより第1の光路L1および第2の光路L2を切り替える。光路切替部103は、第1の光路L1および第2の光路L2のいずれか一方を撮像光路として設定する。光路切替部103の動作は、光路制御部111によって制御される。
【0064】
光路切替部103が光路を切り替える動作を実現するための例を説明する。図7および図8は、光路切替部103の例である磁気アクチュエータ201の構成を示す。
【0065】
図7および図8に示す磁気アクチュエータ201は、第1の電磁石202、第2の電磁石203、第1の永久磁石204、第2の永久磁石205、第3の永久磁石206、第4の永久磁石207、第1の開口208、第2の開口209、遮蔽部210、電流制御部211、および光選択部212を有する。遮蔽部210は、光路切替部103の遮蔽部1031に対応する。
【0066】
第1の永久磁石204および第2の永久磁石205は、遮蔽部210に取り付けられている。例えば、第1の永久磁石204および第2の永久磁石205は、遮蔽部210の中央部を挟むように配置されている。第1の電磁石202および第3の永久磁石206は、第1の永久磁石204と対向する位置に配置されている。第2の電磁石203および第4の永久磁石207は、第2の永久磁石205と対向する位置に配置されている。
【0067】
第1の電磁石202は、電流が第1の電磁石202に流れるときに第1の永久磁石204と引き合う、または、反発するように配置されている。第2の電磁石203は、電流が第2の電磁石203に流れるときに第2の永久磁石205と引き合う、または、反発するように配置されている。
【0068】
第1の永久磁石204は、例えば、第1の電磁石202の方向にN極を向ける。このとき、第3の永久磁石206は、第1の永久磁石204と引き合うように第1の永久磁石204の方向にS極を向ける。第2の永久磁石205は、例えば、第2の電磁石203の方向にS極を向ける。このとき、第4の永久磁石207は、第2の永久磁石205と引き合うように第2の永久磁石205の方向にN極を向ける。
【0069】
第3の永久磁石206は、遮蔽部210の移動方向が、重力加速度の発生する方向と同じになったときに遮蔽部210が動かないような保持力を発生できる。遮蔽部210の移動方向は、遮蔽部210が移動できる方向を示す。また、第3の永久磁石206は、第1の電流が第1の電磁石202に流れるときに遮蔽部210が動き始める保持力を発生できる。第1の電流は、第1の永久磁石204と反発する磁場を第1の電磁石202に発生させる。
【0070】
第4の永久磁石207は、遮蔽部210の移動方向が、重力加速度の発生する方向と同じになったときに遮蔽部210が動かないような保持力を発生できる。また、第4の永久磁石207は、第2の電流が第2の電磁石203に流れるときに遮蔽部210が動き始める保持力を発生できる。第2の電流は、第2の永久磁石205と反発する磁場を第2の電磁石203に発生させる。
【0071】
式(1)は、遮蔽部210の移動方向が、重力加速度の発生する方向と同じになったときに遮蔽部210が動かないための条件を示す。式(1)を使用することにより、第1の永久磁石204と第3の永久磁石206との間の磁束密度の関係を計算することができる。
【0072】
【数1】
【0073】
ここで、Bは第1の永久磁石204の磁束密度を示し、Sは第3の永久磁石206の断面積を示し、Bは第3の永久磁石206の磁束密度を示し、dは第1の永久磁石204と第3の永久磁石206との間の距離を示し、kはクーロン定数を示し、mは遮蔽部210の質量を示し、gは重力加速度を示す。
【0074】
式(2)は、第1の電流が第1の電磁石202に流れるときに遮蔽部210が動き始めるための条件を示す。第1の電流は、第1の永久磁石204と反発する磁場を第1の電磁石202に発生させる。式(2)を使用することにより、第1の電磁石202、第1の永久磁石204、および第3の永久磁石206の間の磁束密度の関係を計算することができる。
【0075】
【数2】
【0076】
ここで、Bは第1の電磁石202の磁束密度を示し、Sは第1の電磁石202の断面積を示す。また、第1の電磁石202の磁束密度Bは、以下の式(3)を使用することにより計算することができる。
【0077】
【数3】
【0078】
ここで、μは第1の電磁石202内部の透磁率を示し、μは真空中の透磁率を示し、nは第1の電磁石202のコイルの巻き数を示し、Iは第1の電磁石202に流れる電流の大きさを示す。
【0079】
これらの式(1)から(3)を使用することにより、第1の永久磁石204および第3の永久磁石206の各々に必要な磁束密度と、第1の電磁石202の設計値とを計算することができる。ここで、式(1)は、先端部4の動きを想定していない最低限の条件を示す。実際には、式(1)の左辺の値が右辺の値に近くない値となる必要がある。実際には、式(1)から(3)と、設計上可能な電流値と、設計上可能な磁石の断面積とを使用することにより、最適な値を調整する必要がある。
【0080】
遮蔽部210を保持するための第4の永久磁石207および第2の電磁石203の間の磁束密度の関係も、上記と同様に定義することができる。
【0081】
第3の永久磁石206および第4の永久磁石207は、所定の大きさを持つ力で、遮蔽部210を第1の位置または第2の位置に保持する保持機構である。所定の大きさを超える大きさを持つ力が遮蔽部210に加わった場合、遮蔽部210は移動する。
【0082】
遮蔽部210と重なるように板状の光選択部212が配置されている。光選択部212は、第1の光学系101を通る光と、第2の光学系102を通る光との一方を選択し、選択した光を撮像素子105の撮像領域1051に投影する。
【0083】
第1の開口208および第2の開口209が光選択部212に形成されている。第1の開口208および第2の開口209は、遮蔽部210の移動方向に沿って形成されている。第1の開口208は、図1に示す第1の光路L1と重なる。第1の開口208は、遮蔽部210が第2の電磁石203側に移動したときに光を通過させることができる。第2の開口209は、図1に示す第2の光路L2と重なる。第2の開口209は、遮蔽部210が第1の電磁石202側に移動したときに、光を通過させることができる。
【0084】
遮蔽部210が第1の電磁石202および第2の電磁石203によって動かされたとき、遮蔽部210は、第1の開口208および第2の開口209の一方を遮蔽する位置に移動する。
【0085】
図7は、遮蔽部210が第2の開口209を遮蔽している状態を示す。遮蔽部210は、第2の開口209を遮蔽する第2の位置に配置されている。遮蔽部210は、第1の開口208を遮蔽しない。第1の光学系101を通る光は第1の開口208を通る。その光は、撮像素子105の撮像領域1051に入射する。第2の光学系102を通る光は遮蔽部210によって遮られる。その光は、撮像素子105の撮像領域1051に入射しない。したがって、光選択部212は、第1の光学系101を通る光を選択する。
【0086】
図8は、遮蔽部210が第1の開口208を遮蔽している状態を示す。遮蔽部210は、第1の開口208を遮蔽する第1の位置に配置されている。遮蔽部210は、第2の開口209を遮蔽しない。第2の光学系102を通る光は第2の開口209を通る。その光は、撮像素子105の撮像領域1051に入射する。第1の光学系101を通る光は遮蔽部210によって遮られる。その光は、撮像素子105の撮像領域1051に入射しない。したがって、光選択部212は、第2の光学系102を通る光を選択する。
【0087】
電流制御部211は、第1の電磁石202および第2の電磁石203に流れる電流を制御する。電流制御部211は、第1の電磁石202および第2の電磁石203に電流を流し、かつ第1の電磁石202および第2の電磁石203に磁場を発生させることにより、第1の状態または第2の状態を実現する。第1の状態において、第1の電磁石202と第1の永久磁石204とが互いに反発し、かつ第2の電磁石203と第2の永久磁石205が互いに引き合う。第1の状態において遮蔽部210は、第2の開口209を遮蔽する第2の位置に配置される。第2の状態において、第1の電磁石202と第1の永久磁石204とが互いに引き合い、かつ第2の電磁石203と第2の永久磁石205とが互いに反発する。第2の状態において遮蔽部210は、第1の開口208を遮蔽する第1の位置に配置される。電流制御部211は、この2つの状態を制御することにより、遮蔽部210を動かすことができる。
【0088】
電流制御部211は、第1の電磁石202および第2の電磁石203への電流の供給を停止することにより、第3の状態を実現する。第3の状態において、遮蔽部210は第3の永久磁石206または第4の永久磁石207によって保持され、遮蔽部210は静止する。これにより、電流制御部211は、電力の消費を抑えることができ、かつ電流による発熱を抑えることができる。
【0089】
電流制御部211は、光路を切り替えるための信号を光路制御部111から受け取り、第1の電磁石202および第2の電磁石203に流れる電流を制御する。これにより、電流制御部211は、遮蔽部210の位置を切り替えることができる。磁気アクチュエータ201は、遮蔽部210を第1の位置から第2の位置へ、または第2の位置から第1の位置へ移動させる。
【0090】
動き検出部106の詳細を説明する。動き検出部106は、光学素子の動きを検出する。第2の実施形態において、動き検出部106は、光学素子の絶対的な動きを検出する。
【0091】
第2の実施形態において、動き検出部106として一軸の加速度センサが使用される。この他にも、例えば、二軸または三軸の加速度センサまたはジャイロセンサが動き検出部106として使用でき、加速度センサおよびジャイロセンサの両方を含む慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)などが動き検出部106として使用できる。第2の実施形態において動き検出部106は、光路切替部103の遮蔽部210の移動方向の動きを検出する。
【0092】
動き検出部106は、検出された動きの量を示すアナログ値を生成する。動き検出部106は、A/Dコンバーターを使用することによりアナログ値をデジタル値に変換し、そのデジタル値を示すデジタル信号を判断部110に出力する。動き検出部106と判断部110との間の伝送方法として、電線または光ファイバケーブルのような通信線を使用する有線通信、あるいは無線LANまたは無線MANのような無線通信が使用される。動き検出部106は、光路切替部103の近傍に配置されている必要はない。
【0093】
判断部110の詳細を説明する。以下の例では、判断部110は、光学素子に加わる力の大きさを判断することにより、光学素子の動きの量を判断する。具体的には、判断部110は、所定の大きさを超える大きさを持つ力が光学素子に加わるか否かを判断することにより、光学素子が第1の位置または第2の位置から移動したか否かを判断する。例えば、所定の大きさは、光学素子を第1の位置から第2の位置へ移動させる、または光学素子を第2の位置から第1の位置へ移動させるために必要な力の大きさを示す。光学素子が第1の位置または第2の位置から移動したか否かを判断部110が判断する例として、衝撃が発生したか否かを判断部110が判断する例を説明する。
【0094】
動き検出部106から出力されたデジタル信号が判断部110に入力される。このデジタル信号は、一軸の加速度センサの方向に働く重力を含むため、判断部110は、ローパスフィルタを使用することにより重力加速度をデジタル信号から抽出する。判断部110は、デジタル信号から、抽出された重力加速度を示す信号を減算する。これにより、判断部110は、衝撃の判断における重力加速度の影響を低減させることができる。
【0095】
また、ノイズの影響を低減するため、判断部110は、ローパスフィルタを使用し、重力加速度を示す信号が減算されたデジタル信号を処理する。このとき、ノイズを低減させるためのローパスフィルタは、重力加速度を抽出するためのローパスフィルタと比較して、高い周波数を持つ信号を通過させるように設計される。これにより、判断部110は、動き検出部106から得られたデジタル信号から、光路切替部103の遮蔽部210の移動方向の重力加速度および加速度を取得できる。
【0096】
図9は、判断部110に入力されるデジタル信号の波形を示す。図10は、デジタル信号から抽出された重力成分(重力加速度)を示す。図11は、デジタル信号から重力加速度およびノイズを除去することにより得られた加速度を示す。図9図10、および図11の各々において、横軸は時間を示し、縦軸は加速度を示す。
【0097】
判断部110は、デジタルフィルタを使用することにより取得された重力加速度および加速度のデータに基づいて、先端部4に衝撃が発生したか否かを判断する。例えば、判断部110は、以下の判断方法を使用する。
【0098】
遮蔽部210の位置は、第1の永久磁石204と第3の永久磁石206とが互いに引き合う保持力または第2の永久磁石205と第4の永久磁石207とが互いに引き合うことによって発生する保持力によって固定されている。この保持力Fは、式(4)によって算出できる。
【0099】
【数4】
【0100】
式(4)に示す保持力Fを超える力が発生したとき、遮蔽部210は、意図せず動く。式(5)に示す重力Fおよび、式(6)に示す慣性力Fが遮蔽部210に働く。式(5)に示す重力Fは、遮蔽部210の移動方向に働く重力を示す。ここで、式(5)におけるgは、デジタル信号から抽出された重力加速度を示す。式(6)に示す慣性力Fは、先端部4が急激に動くことによって発生する加速度に基づく力を示す。ここで、式(6)におけるaは、デジタル信号から重力加速度およびノイズを除去することにより得られた加速度を示す。
【0101】
【数5】
【0102】
よって、以下の式(7)に示す条件が満たされる場合に、遮蔽部210が動く。つまり、遮蔽部210に働く重力および慣性力の和が式(4)に示す保持力Fを超えるとき、遮蔽部210が動く。
【0103】
【数6】
【0104】
判断部110は、式(4)に示す保持力Fを算出する。判断部110は、遮蔽部210の移動方向に働く重力加速度および加速度のデータに基づいて、式(7)を使用することにより、衝撃が発生したか否かを判断する。このとき、式(4)に示す保持力Fが閾値として使用される。式(7)に示す条件が満たされる場合、判断部110は、衝撃が発生したと判断する。式(7)に示す条件が満たされない場合、判断部110は、衝撃が発生していないと判断する。衝撃が発生したと判断部110が判断した場合、判断部110は、衝撃発生信号を光路制御部111に出力する。
【0105】
二軸または三軸の加速度センサが使用される場合も、判断方法は上記の方法と同様である。また、判断部110は、遮蔽部210の移動方向以外の方向の加速度も使用することにより、より安全に判断を実行することができる。ジャイロセンサが使用される場合、判断部110は、角速度の差分を算出することにより加速度を算出する。また、判断部110は、遮蔽部210の移動方向に慣性が発生するような動きを検出することにより、衝撃を判断することができる。
【0106】
上記の例では、判断部110は、所定の大きさを超える大きさを持つ瞬間的な力が発生したと判断する。所定量を超える瞬間的な動きがあった場合、所定の大きさを超える大きさを持つ瞬間的な力が発生する。そのため、判断部110は、所定量を超える瞬間的な動きが発生したと判断するということができる。
【0107】
光路制御部111の詳細を説明する。光路制御部111は、撮像に使用される動作モードに対応する情報を装置制御部107から受け取る。光路制御部111は、その情報に基づいて光路切替部103を制御することにより、遮蔽部210を第1の位置および第2の位置のいずれか一方に配置する。これにより、光路制御部111は、第1の光路L1と第2の光路L2とを切り替える。
【0108】
例えば、動作モードとして、観察モードおよび計測モードが定義される。観察モードでは、予め設定された第1の光路L1または第2の光路L2のみが撮像光路として使用される。計測モードでは、撮像素子105は、第1の光路L1を通る光によって形成される第1の光学像を1つ以上の第1の撮像タイミングで取得し、1枚以上の第1の画像を生成する。また、計測モードでは、撮像素子105は、第2の光路L2を通る光によって形成される第2の光学像を1つ以上の第2の撮像タイミングで取得し、1枚以上の第2の画像を生成する。
【0109】
また、光路制御部111は、判断部110から出力された衝撃発生信号を受け取り、光路切替部103を制御する。例えば、観察モードが内視鏡装置1に設定されているときに光路制御部111が衝撃発生信号を受け取った場合、光路制御部111は、予め設定された第1の光路L1または第2の光路L2が撮像光路として使用されるように光路切替部103を制御する。例えば、計測モードが内視鏡装置1に設定されているときに光路制御部111が衝撃発生信号を受け取った場合、光路制御部111は、計測モードで実施される動作を最初からやり直す。光路制御部111が衝撃発生信号を判断部110から受け取った後、光路制御部111は上記の制御を実行する。これにより、光路制御部111は、衝撃によって発生する光路切替部103の異常な動作に対処することができ、観察モードまたは計測モードに適した動作を実行する状態に光路切替部103の状態を戻すことができる。
【0110】
図12および図13を参照し、観察モードまたは計測モードにおける内視鏡装置1の動作を説明する。観察モードの画像生成シーケンスにおいて2枚以上の画像が生成される。計測モードの画像生成シーケンスにおいて2枚以上の画像が生成される。
【0111】
図12は、衝撃が発生したときに光路を切り替え、かつ画像生成シーケンスを続行するために内視鏡装置1が実行する処理の手順を示す。図12に示す処理では、衝撃が発生した後、画像生成シーケンスの残りを実行するために撮像が再開される。
【0112】
装置制御部107は、初期設定を実行する。このとき、装置制御部107は、画像を生成するための画像生成シーケンスの詳細を示すシーケンス情報を選択する。例えば、シーケンス情報は、撮像素子105が撮像を実行するフレームの数を示し、かつ各フレームにおける光学素子18の位置を示す。1つ以上のシーケンス情報が内視鏡装置1のメモリに予め記憶されている。例えば、ユーザーが観察モードまたは計測モードを指定したとき、装置制御部107は、ユーザーによって指定されたモードに対応するシーケンス情報を選択し、そのシーケンス情報を光路制御部111に出力する。また、装置制御部107は、撮像が実行されたフレームの数を示す撮像フレーム数を初期化する。例えば、初期化された撮像フレーム数は0を示す。光路制御部111は、配置制御を実行し、シーケンス情報が示す位置に光路切替部103の遮蔽部210を移動させる(ステップS1)。
【0113】
ステップS1の後、動き検出部106は、光学素子の動きを検出し、検出された動きを示すデジタル信号を判断部110に出力する(ステップS2)。
【0114】
ステップS2の後、判断部110は、動き検出部106から出力されたデジタル信号に基づいて、衝撃が発生したか否かを判断する(ステップS3a)。
【0115】
衝撃が発生したと判断部110がステップS3aにおいて判断した場合、判断部110は衝撃発生信号を光路制御部111に出力する。光路制御部111は、復帰制御(ステップS4a)を実行する。復帰制御において、以下のステップS41が実行される。
【0116】
光路制御部111は、シーケンス情報および撮像フレーム数に基づいて、光路切替部103の電流制御部211を制御する。電流制御部211は、遮蔽部210を移動させる。これにより、光路制御部111は、シーケンス情報が示す位置に遮蔽部210を移動させ、かつ光路を切り替える(ステップS41)。このとき、撮像光路は、画像生成シーケンスにおける正しい光路に変更される。
【0117】
例えば、正しい光路が第1の光路L1である場合、遮蔽部210は、第2の開口209を遮蔽する第2の位置に配置されている。衝撃が発生した場合、遮蔽部210が第1の開口208を遮蔽する第1の位置に移動する可能性がある。ステップS41が実行される直前に遮蔽部210が第1の位置に配置されている場合、光路制御部111はステップS41において遮蔽部210を第2の位置に移動させる。ステップS41が実行される直前に遮蔽部210が第2の位置に配置されている場合、光路制御部111は遮蔽部210を移動させる必要はない。第2の実施形態の内視鏡装置1は遮蔽部210の位置を確認する機構を有していないため、上記の例では、光路制御部111は、遮蔽部210を第2の位置に移動させるための制御を実行する。
【0118】
衝撃が発生していないと判断部110がステップS3aにおいて判断した場合、判断部110は判断結果を装置制御部107に出力する。装置制御部107は、通常制御(ステップS5a)を実行する。通常制御において、以下のステップS51からステップS54が実行される。
【0119】
装置制御部107は、撮像素子105に撮像を実行させる。撮像素子105は、第1の光学像または第2の光学像を取得し、第1の画像または第2の画像を生成する(ステップS51)。
【0120】
ステップS51の後、装置制御部107は、シーケンス情報および撮像フレーム数に基づいて、光路を切り替えるか否かを判断する(ステップS52)。例えば、次のフレームにおける撮像光路が前のフレームにおける撮像光路と同じであることをシーケンス情報が示す場合、装置制御部107は、光路を切り替えないと判断する。これは、観察モードに対応する。次のフレームにおける撮像光路が前のフレームにおける撮像光路と異なることをシーケンス情報が示す場合、装置制御部107は、光路を切り替えると判断する。これは、計測モードに対応する。
【0121】
光路を切り替えないと装置制御部107がステップS52において判断した場合、ステップS54が実行される。この場合、光路制御部111は光路を切り替えない。
【0122】
光路を切り替えると装置制御部107がステップS52において判断した場合、装置制御部107は、光路の切り替えを光路制御部111に指示する。光路制御部111は、ステップS41と同様の処理を実行することにより、光路を切り替える(ステップS53)。
【0123】
ステップS53の後、装置制御部107は、撮像フレーム数を1増加させることにより撮像フレーム数を更新する(ステップS54)。
【0124】
ステップS41またはステップS54の後、装置制御部107は、シーケンス情報および撮像フレーム数に基づいて、撮像を続行するか否かを判断する(ステップS6)。例えば、撮像フレーム数がシーケンス情報によって示される所定の回数よりも小さい場合、撮像素子105はその所定の回数だけ撮像を実行していない。この場合、装置制御部107は、撮像を続行すると判断する。撮像フレーム数がその所定の回数と同じである場合、撮像素子105はその所定の回数だけ撮像を実行している。この場合、装置制御部107は、撮像を続行しないと判断する。
【0125】
撮像を続行するとステップS6において装置制御部107が判断した場合、ステップS2が実行される。撮像を続行しないとステップS6において装置制御部107が判断した場合、図12に示す処理が終了する。
【0126】
図12に示す処理が観察モードのみにおいて実行される場合、ステップS52およびステップS53が実行されなくてもよい。つまり、ステップS51の後、ステップS52およびステップS53を実行せずにステップS54が実行されてもよい。
【0127】
撮像素子105が画像生成シーケンスに従って画像を生成する前、衝撃が発生し、復帰制御が実行される可能性がある。あるいは、撮像素子105が画像生成シーケンスにおいて生成される予定の2枚以上の画像の一部を生成した後、衝撃が発生し、復帰制御が実行される可能性がある。光路制御部111は、復帰制御においてステップS41を実行する。
【0128】
ステップS41の後、装置制御部107は、ステップS51において遮蔽部210が正しい位置に配置されている状態で撮像素子105に撮像を実行させる。これにより、装置制御部107は、画像生成シーケンスにおいて生成される予定の2枚以上の画像の残りを生成するために、撮像素子105に撮像を再開させる。衝撃が発生したと判断部110がステップS3aにおいて判断した場合であっても、撮像素子105は画像生成シーケンスに従って撮像を続行する。動作モードが計測モードである場合、撮像素子105はステレオ撮像を続行する。
【0129】
図12に示す処理において、撮像素子105がステレオ撮像を開始した後、所定の状態において、光路制御部111は、復帰制御(ステップS4a)を実行する。所定の状態は、配置制御が実行された後であって配置制御が次に実行される前に遮蔽部210が第1の位置または第2の位置から移動したと判断部110が判断した状態である。光路制御部111は、ステップS41において、直前に実行された配置制御により遮蔽部210が配置された位置に遮蔽部210を配置する。あるいは、光路制御部111は、ステップS41において、次の配置制御により遮蔽部210が配置される予定であった位置に遮蔽部210を配置する。
【0130】
遮蔽部210が配置される位置と、撮像素子105が第1の画像および第2の画像の各々を生成する回数とは、シーケンス情報として予め設定されている。衝撃が発生したと判断部110が判断した場合、光路制御部111は、撮像素子105が第1の画像または第2の画像を生成するために必要な所定の位置に遮蔽部210を移動させる。所定の位置は、第1の位置および第2の位置のいずれか一方である。遮蔽部210が所定の位置に移動した後、装置制御部107は、撮像素子105に撮像を続行させる。動作モードが計測モードである場合、装置制御部107は、撮像素子105にステレオ撮像を続行させる。
【0131】
図13は、衝撃が発生したときに光路を切り替え、かつ画像生成シーケンスをやり直すために内視鏡装置1が実行する処理の手順を示す。図13に示す処理では、衝撃が発生したときに画像生成シーケンスの最初から撮像が再開される。図12に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0132】
衝撃が発生したと判断部110がステップS3aにおいて判断した場合、判断部110は衝撃発生信号を光路制御部111に出力する。光路制御部111は、復帰制御(ステップS4b)を実行する。復帰制御において、以下のステップS41およびステップS42が実行される。
【0133】
光路制御部111は、画像生成シーケンスの最初から撮像をやり直すために、ステップS1において遮蔽部210が配置された位置と同じ位置(初期位置)に遮蔽部210を移動させる。つまり、光路制御部111は、画像生成シーケンスの最初に遮蔽部210が配置された初期位置に遮蔽部210を移動させる。具体的には、光路制御部111は、シーケンス情報に基づいて、電流制御部211を制御する。電流制御部211は、遮蔽部210を移動させる。これにより、光路制御部111は、シーケンス情報が示す位置に遮蔽部210を移動させ、かつ光路を切り替える(ステップS41)。
【0134】
例えば、第1の光路L1を撮像光路として使用するために、光路制御部111は、ステップS1において、第2の開口209を遮蔽する第2の位置に遮蔽部210を移動させる。その後、第2の光路L2を撮像光路として使用するために、光路制御部111は、ステップS53において、第1の開口208を遮蔽する第1の位置に遮蔽部210を移動させる。第2の実施形態の内視鏡装置1は遮蔽部210の位置を確認する機構を有していない。衝撃が発生したと判断部110がステップS3aにおいて判断した場合、光路制御部111は、ステップS41において、遮蔽部210の実際の位置にかかわらず、遮蔽部210を第2の位置に移動させるための制御を実行する。
【0135】
ステップS41の後、装置制御部107は、初期設定を実行する。このとき、装置制御部107は、ステップS1において選択されたシーケンス情報と同じシーケンス情報を選択し、そのシーケンス情報を光路制御部111に出力する。また、装置制御部107は、撮像が実行されたフレームの数を示す撮像フレーム数を初期化する。例えば、初期化された撮像フレーム数は0を示す(ステップS42)。ステップS42の後、ステップS6が実行される。
【0136】
図13に示す処理が計測モードのみにおいて実行される場合、ステップS52が実行されなくてもよい。つまり、ステップS51の後、ステップS52を実行せずにステップS53が実行されてもよい。
【0137】
撮像素子105が画像生成シーケンスに従って画像を生成する前、衝撃が発生し、復帰制御が実行される可能性がある。あるいは、撮像素子105が画像生成シーケンスにおいて生成される予定の2枚以上の画像の一部を生成した後、衝撃が発生し、復帰制御が実行される可能性がある。光路制御部111は、復帰制御においてステップS41およびステップS42を実行する。
【0138】
ステップS42の後、装置制御部107は、ステップS51において遮蔽部210が初期位置に配置されている状態で撮像素子105に撮像を実行させる。これにより、装置制御部107は、画像生成シーケンスにおいて生成される予定の2枚以上の画像の全てを生成するために、撮像素子105にステレオ撮像を開始させる。撮像素子105は、ステップS3aにおける判断が実行される前に開始されたステレオ撮像を停止し、ステレオ撮像を最初から再開する。
【0139】
図13に示す処理において、光路制御部111は、ステップS1において配置制御を実行することにより、第1の位置と第2の位置とのうち予め設定された初期位置に遮蔽部210を配置する。装置制御部107は、ステップS51において撮像素子105にステレオ撮像を開始させる。撮像素子105がステレオ撮像を開始した後、所定の状態において、光路制御部111は、復帰制御(ステップS4b)を実行する。所定の状態は、配置制御が実行された後であって配置制御が次に実行される前に遮蔽部210が第1の位置または第2の位置から移動したと判断部110が判断した状態である。光路制御部111は、ステップS41において、遮蔽部210を初期位置に配置する配置制御を実行する。装置制御部107は、ステップS51において撮像素子105にステレオ撮像を開始させる。
【0140】
光路制御部111は、ステップS41において、遮蔽部210を第1の位置と第2の位置とのいずれか一方に配置する配置制御を実行してもよい。遮蔽部210が配置される位置は、初期位置と同じである、または初期位置と異なる。遮蔽部210が第1の位置または第2の位置に配置された後、装置制御部107は、ステップS51において撮像素子105にステレオ撮像を開始させてもよい。
【0141】
図14から図18は、画像生成シーケンスの具体例を示す。図14から図18において、横軸は時間を示す。図14から図18において、第1の画像は“L”と記載され、第2の画像は“R”と記載されている。図14から図18において、フレーム番号が時間の経過を示す軸の上側に記載されている。フレーム番号に含まれる文字Nは、1以上の整数を示す。
【0142】
図14は、判断部110を有してなく、かつ光路制御部111が実行する切替制御と同様の制御を実行しない内視鏡装置における画像生成シーケンスの例を示す。図14に示す例では、動作モードは観察モードである。
【0143】
第Nのフレームから第N+2のフレームまで、撮像素子は第1の画像“L”を生成する。第N+2のフレームにおいて画像データの転送が終了した後、衝撃が発生する。そのため、第N+3のフレームおよびそれに続く各フレームにおいて、撮像素子は第2の画像“R”を生成する。このように、判断部110を有していない内視鏡装置において、予定された画像と異なる画像が生成された場合、意図しない画像の生成が続く。そのため、ユーザーが意図する画像と異なる画像が表示され続ける。
【0144】
図15は、判断部110が衝撃に関する判断を実行し、かつ光路制御部111が切替制御を実行する場合における画像生成シーケンスの例を示す。図15に示す例では、動作モードは観察モードである。
【0145】
図14に示す例と同様に撮像が開始される。動き検出部106は、各フレームにおいて光学素子の動きを検出する。図14に示すタイミングと同じタイミングで衝撃が発生する。図15に示す例では、第N+2のフレームにおいて画像データの転送が終了した後、判断部110は衝撃を検出し、光路制御部111は切替制御を実行する。第N+3のフレームにおいて画像データの転送が終了した後、光路制御部111は光路を切り替える。第N+3のフレームにおいて撮像素子105は第2の画像“R”を生成し、第N+4のフレームおよびそれに続く各フレームにおいて、撮像素子105は第1の画像“L”を生成する。
【0146】
光路制御部111が光路を切り替えるため、第N+4のフレームおよびそれに続く各フレームにおいて、撮像素子105は正しい画像を生成することができる。予定された画像と異なる画像が生成された場合であっても、内視鏡装置1は、撮像光路を観察に必要な所定の光路に変更し、かつ正しい画像を生成し続けることができる。
【0147】
衝撃が発生したと判断部110が判断した場合、装置制御部107は、意図しない画像の表示を回避するための制御を実行してもよい。例えば、衝撃が発生したと判断部110が判断した場合、装置制御部107は、衝撃が発生したフレームにおいて生成された画像を表示部6に表示させない。装置制御部107は、衝撃が発生したフレームの後の各フレームにおいて生成された画像を表示部6に表示させる。装置制御部107は、衝撃が発生したフレームにおいて生成された画像の代わりに、衝撃が発生したフレームの1つ前のフレームにおいて生成された画像を表示部6に表示させてもよい。
【0148】
図15に示す例では、装置制御部107は、第N+3のフレームにおいて生成された画像を表示部6に表示させない。装置制御部107は、第N+4のフレームおよびそれに続く各フレームにおいて生成された画像を表示部6に表示させる。表示部6は、第1の画像“L”のみを表示し続ける。そのため、ユーザーは、予定された画像と異なる画像が生成されたことを知らずに、観察を続けることができる。
【0149】
図16は、計測部109において必要な画像を生成するための画像生成シーケンスの例を示す。図16に示す例では、動作モードは計測モードである。
【0150】
図16に示す例では、第Nのフレーム、第N+2のフレーム、および第N+4のフレームの各々において撮像素子105は第1の画像“L”を生成し、第N+1のフレームおよび第N+3のフレームの各々において撮像素子105は第2の画像“R”を生成する。
【0151】
図17は、判断部110を有してなく、かつ光路制御部111が実行する切替制御と同様の制御を実行しない内視鏡装置における画像生成シーケンスの例を示す。図17に示す例では、動作モードは最初に所定のモード(例えば、観察モード)に設定され、その後、動作モードが計測モードに変更される。
【0152】
第N-2のフレームおよび第N-1のフレームの各々において撮像素子は第1の画像“L”を生成する。その後、動作モードが計測モードに変更され、第Nのフレームにおいて計測用の画像生成シーケンスが開始される。第Nのフレームにおいて撮像素子は第1の画像“L”を生成する。第Nのフレームにおいて画像データの転送が終了した後、衝撃が発生する。衝撃が発生しなければ、第N+1のフレームにおいて撮像素子は第2の画像“R”を生成する。衝撃が発生したため、第N+1のフレームにおいて、撮像素子は第1の画像“L”を生成する。第N+2のフレームから第N+4フレームの各々において、撮像素子は、画像生成シーケンスに従って第1の画像“L”または第2の画像“R”を生成する。
【0153】
装置制御部107は、第Nのフレームから第N+4のフレームの各々において生成された画像をフレームメモリ108から計測部109に出力する。図17に示す例では、計測部109に入力される画像群は、図16に示す画像生成シーケンスにおける画像群と異なる。そのため、計測部109が計測を正しく実行することができない。
【0154】
図18は、判断部110が衝撃に関する判断を実行し、かつ光路制御部111が切替制御を実行する場合における画像生成シーケンスの例を示す。図18に示す例では、動作モードは最初に所定のモード(例えば、観察モード)に設定され、その後、動作モードが計測モードに変更される。
【0155】
図17に示す例と同様に、第N-2のフレームおよび第N-1のフレームの各々において撮像素子105は第1の画像“L”を生成し、第Nのフレームにおいて計測用の画像生成シーケンスが開始される。第Nのフレームにおいて撮像素子105は第1の画像“L”を生成する。動き検出部106は、各フレームにおいて光学素子の動きを検出する。図17に示すタイミングと同じタイミングで衝撃が発生する。図18に示す例では、第Nのフレームにおいて画像データの転送が終了した後、判断部110は衝撃を検出し、光路制御部111は切替制御を実行する。光路制御部111は第N+2のフレームにおける撮像光路を第Nのフレームにおける撮像光路と同じ光路に設定する。画像生成シーケンスが第N+2のフレームから第N+6のフレームまでやり直される。第N+2のフレームから第N+6のフレームの各々において、撮像素子105は、画像生成シーケンスに従って第1の画像“L”または第2の画像“R”を生成する。
【0156】
光路制御部111が撮像光路を画像生成シーケンスにおける最初の撮像光路と同じ光路に設定し、画像生成シーケンスが最初から再開される。そのため、内視鏡装置1は、計測部109において必要な画像を生成することができる。計測部109は、計測を正しく実行することができる。
【0157】
第2の実施形態において、光路制御部111は、衝撃に関する判断の結果に基づいて遮蔽部210の位置を制御する。そのため、内視鏡装置1は、遮蔽部210が誤った位置に配置された状態で撮像素子105が画像を生成する状況の発生を抑えることができる。
【0158】
観察モードにおいて衝撃が発生したと判断部110が判断した場合、光路制御部111は、最後に実行された配置制御により遮蔽部210が配置された位置に遮蔽部210を配置する。言い換えると、光路制御部111は、遮蔽部210が現在配置されているべき位置に遮蔽部210を配置する。あるいは、光路制御部111は、次の配置制御により遮蔽部210が配置される予定である位置に遮蔽部210を配置する。衝撃によって遮蔽部210が誤った位置に配置された場合、光路制御部111は、遮蔽部210を正しい位置に移動させることができる。遮蔽部210が正しい位置に移動した後、内視鏡装置1は、観察のための画像の生成を再開することができる。
【0159】
計測モードにおいて衝撃が発生したと判断部110が判断した場合、光路制御部111は遮蔽部210を初期位置に配置し、かつ装置制御部107は撮像素子105にステレオ撮像を開始させる。内視鏡装置1は、計測のための画像の生成を最初から再開することができる。
【0160】
(第3の実施形態)
図19は、本発明の第3の実施形態の内視鏡装置1aの構成を示す。図5および図6に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0161】
図5および図6に示す本体部2は、本体部2aに変更される。図5および図6に示す先端部4は、先端部4aに変更される。先端部4aは動き検出部106を有してなく、本体部2aは動き検出部106aを有する。
【0162】
装置制御部107は、フレームメモリ108における1枚以上の第1の画像および1枚以上の第2の画像の各々の記憶位置(アドレス)を動き検出部106aに出力する。動き検出部106aは、装置制御部107から出力された記憶位置に基づいて第1の画像および第2の画像の少なくとも一方をフレームメモリ108から読み出す。動き検出部106aは、第1の画像および第2の画像の少なくとも一方に基づいて光学素子の動きを検出する。
【0163】
第1の光学系101および第2の光学系102は、互いに離れている。そのため、第1の光学系101を通る光によって形成される第1の光学像と、第2の光学系102を通る光によって形成される第2の光学像との間に視差が発生する。光路切替部103の遮蔽部210が意図せず動く場合、第1の光学像と第2の光学像との間の視差に基づいて被写体像の動きが画像において発生する。視差に基づいて発生する動きの方向は、画像の横方向と同じである。
【0164】
第3の実施形態において、動き検出部106aは、撮像素子105に対する光学素子の相対的な動きを検出する。例えば、動き検出部106aは、連続する2枚の画像を使用し、被写体像の動きを検出する。これにより、動き検出部106aは、光学素子の動きを検出する。
【0165】
動き検出部106aは、被写体像の動きを検出するために画像マッチング手法を使用することができる。動き検出部106aは、画像マッチング手法として、例えばテンプレートマッチング、特徴点マッチング、位相限定相関などを使用できる。動き検出部106aは、テンプレートマッチングにおいて、SAD(Sum of Absolute Difference)、SSD(Sum of Squared Difference)、NCC(Normalized Cross Correlation)、またはZNCC(Zero means Normalized Cross Correlation)などの類似度指標を使用することができる。また、動き検出部106aは、特徴点マッチングにおいて、BRISK(Binary Robust Invariant Scalable Keypoints)、ORB(Oriented FAST(Features from Accelerated Segment Test) and Rotated BRIEF(Binary Robust Independent Elementary Features))、KAZE、またはAKAZE(Accelerated KAZE)などの特徴量を使用することができる。動き検出部106aは、画像上の動き量を被写体像の動きとして検出する。
【0166】
動き検出部106aは、画像上の動き量の検出結果を判断部110に出力する。動き検出部106aは、画像上の動き量を光学素子の動きの推定値に変換し、かつその推定値を判断部110に出力してもよい。あるいは、動き検出部106aは、判断部110から出力された動き量を光学素子の動きの推定値に変換してもよい。
【0167】
動き検出部106aは、プロセッサおよび論理回路の少なくとも1つで構成される。内視鏡装置1aのコンピュータが、動き検出部106aの動作を規定する命令を含むプログラムを読み込み、かつ、読み込まれたプログラムを実行してもよい。つまり、動き検出部106aの機能は、ソフトウェアによって実現されてもよい。
【0168】
判断部110は、動き検出部106aから出力された動き量に基づいて、衝撃が発生したか否かを判断する。被写体像の動きは先端部4aの動きに起因するため、判断部110は、被写体像の動きを使用することにより、衝撃に関する判断を実行することができる。撮像素子105に対する光学素子の相対的な動きがあった場合、判断部110は、光学素子が第1の位置または第2の位置から移動したと判断する。光学素子が第1の位置または第2の位置から移動したか否かを判断部110が判断する例として、衝撃が発生したか否かを判断部110が判断する例を説明する。
【0169】
具体的には、判断部110は、画像上の動き量の変化に基づいて判断を実行する。例えば、判断部110は、第1の動き量と第2の動き量との差分を算出する。第1の動き量および第2の動き量の各々は、連続する2枚の画像に基づいて判断部110によって検出された動き量である。第2の動き量を算出するための2枚の画像のうちの少なくとも1枚は、第1の動き量を算出するための2枚の画像と異なる。
【0170】
判断部110は、算出された差分と閾値とを比較することにより、判断を実行する。差分が閾値を超える場合、判断部110は、衝撃が発生したと判断する。差分が閾値を超えない場合、判断部110は、衝撃が発生していないと判断する。例えば、光路切替部103の遮蔽部210が意図せず動くときの加速度に相当する動き量の変化量が閾値として使用される。
【0171】
実際の加速度と、画像上の被写体像の動き量の変化との関係は、光学系の倍率(撮像素子105に投影される被写体像の大きさ)および画素サイズに基づいて計算することができる。画像上の被写体像の動き量は、被写体距離に応じて変化する。そのため、判断部110は、照明光などの条件を考慮した上で、画像マッチング手法が使用できる最大の被写体距離における被写体像の動き量の変化量を閾値として使用してもよい。判断部110は、簡易的な距離の計測を実行し、その距離に応じた画像上の被写体像の動き量の変化量を閾値として使用してもよい。
【0172】
上記のように、閾値を計算するためには、光路切替部103の遮蔽部210が意図せず動くときの加速度が必要である。遮蔽部210の位置は、第1の永久磁石204と第3の永久磁石206とが引き合うとき、または第2の永久磁石205と第4の永久磁石207とが引き合うときに発生する保持力によって固定される。この保持力を超える力を想定することにより、閾値を計算することができる。この閾値は、光路切替部103の遮蔽部210の移動方向における動き量に主に基づいて設定される。その移動方向以外も考慮して閾値を設定することにより、判断部110は、より安全な判断を実行することができる。他の方法として、判断部110は、被写体像の動き量のみを判断に使用してもよい。被写体像の動き量の変化量が使用される場合の精度は、被写体像の動き量が使用される場合の精度よりも高い。
【0173】
動作モードが計測モードである場合、撮像素子105は計測モードの画像生成シーケンスに従って第1の画像および第2の画像を生成する。そのため、画像生成シーケンスに従って光路が切り替えられた場合、視差に基づく被写体像の動きが画像に発生する。例えば、図16に示す計測モードの画像生成シーケンスの例では、第Nのフレームにおける第1の画像“L”および第N+1のフレームにおける第2の画像“R”の間で視差に基づく被写体像の動きが発生する。また、図16に示す計測モードの画像生成シーケンスの例では、第N+1のフレームにおける第2の画像“R”および第N+2のフレームにおける第1の画像“L”の間で被写体像の動きが発生する。この動きは、衝撃によって画像が切り替わるときに発生する被写体像の動きと区別される必要がある。
【0174】
図17に示す計測モードの画像生成シーケンスの例では、衝撃が発生するため、第N+1のフレームにおいて撮像素子105は第2の画像“R”ではなく第1の画像“L”を生成する。そのため、撮像素子105は第Nのフレームから第N+2のフレームまで第1の画像“L”を生成し続ける。図17に示す計測モードの画像生成シーケンスの例では、第Nのフレームにおける第1の画像“L”および第N+1のフレームにおける第2の画像“L”の間で視差に基づく被写体像の動きが発生しない。また、図17に示す計測モードの画像生成シーケンスの例では、第N+1のフレームにおける第2の画像“L”および第N+2のフレームにおける第1の画像“L”の間で被写体像の動きが発生しない。動作モードが計測モードであり、差分が閾値を超えない場合、判断部110は、衝撃が発生したと判断する。差分が閾値を超える場合、判断部110は、衝撃が発生していないと判断する。計測モードにおける閾値は、観察モードにおける閾値と同じである、または異なる。
【0175】
内視鏡装置1aの動作は、図12または図13に示す動作と同様である。画像上の動き量を検出するために2枚以上の画像が必要である。そのため、撮像素子105が2枚以上の画像を生成するまでステップS3aは実行されない。つまり、ステップS2が実行された後、ステップ3aを実行せずにステップS51が実行される。
【0176】
第3の実施形態において、内視鏡装置1aは、第2の実施形態の内視鏡装置1と同様に、遮蔽部210が誤った位置に配置された状態で撮像素子105が画像を生成する状況の発生を抑えることができる。動き検出部106aは、撮像素子105によって生成された画像に基づいて光学素子の動きを検出する。動き検出部106aが先端部4aに配置される必要はない。そのため、先端部4aが小型化される。
【0177】
(第4の実施形態)
図20は、本発明の第4の実施形態の内視鏡装置1bの構成を示す。図19に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0178】
図19に示す本体部2aは、本体部2bに変更される。図19に示す先端部4aは、先端部4bに変更される。本体部2bにおいて、図19に示す動き検出部106aは動き検出部106bに変更される。先端部4bにおいて、図19に示す光路切替部103は光路切替部103bに変更される。光路切替部103bは、図19に示す光路切替部103と同様に遮蔽部1031を有する。
【0179】
図21は、第4の実施形態における光路切替部103bとして使用される磁気アクチュエータ201bの構成を示す。図7および図8に示す構成と同じ構成の説明を省略する。図7および図8に示す電流制御部211は、電流制御部211bに変更される。
【0180】
電流制御部211bは、図7および図8に示す電流制御部211の機能に加えて、電流が第1の電磁石202および第2の電磁石203へ印加されない間、回路内の電流に関する値を測定する機能を持つ。遮蔽部210が移動するとき、第1の電磁石202および第2の電磁石203内の磁場が変化する。例えば、遮蔽部210が、第1の電磁石202側から第2の電磁石203側へ移動した場合、第1の電磁石202内の磁場は減少し、かつ第2の電磁石203内の磁場は増加する。これにより、第1の電磁石202および第2の電磁石203の各々において、電磁誘導により電位差が発生し、誘導電流が流れる。電流制御部211bは、誘導電流の電流値または電磁誘導による電位差の値を測定し、測定された値を動き検出部106bに出力する。電位差は、第1の電磁石202内の2点間の電位の差または第2の電磁石203内の2点間の電位の差を示す。
【0181】
第4の実施形態において、動き検出部106bは、撮像素子105に対する光学素子の相対的な動きを検出する。例えば、動き検出部106bは、磁気アクチュエータ201bに発生する電流を検出することにより光学素子の動きを検出する。具体的には、動き検出部106bは、電流制御部211bによって測定された誘導電流または電位差の測定値を受け取り、その測定値に基づいて、遮蔽部210が移動したか否かを判断する。電流制御部211bが第1の電磁石202および第2の電磁石203に電流を供給していない間に電流または電位差が第1の電磁石202または第2の電磁石203において発生した場合、その電流または電位差は、電磁石内の磁場が変化したことを示す。つまり、その電流または電位差は、遮蔽部210が意図せず移動したことを示す。
【0182】
動き検出部106bは、測定値と閾値とを比較する。測定値が閾値を超える場合、動き検出部106bは、遮蔽部210が移動したと判断する。測定値が閾値を超えない場合、動き検出部106bは、遮蔽部210が移動していないと判断する。遮蔽部210が移動したと動き検出部106bが判断した場合、動き検出部106bは異常検出信号を判断部110に出力する。
【0183】
撮像素子105に対する光学素子の相対的な動きがあった場合、判断部110は、光学素子が第1の位置または第2の位置から移動したと判断する。光学素子が第1の位置または第2の位置から移動したか否かを判断部110が判断する例として、衝撃が発生したか否かを判断部110が判断する例を説明する。異常検出信号が動き検出部106bから出力された場合、判断部110は、衝撃が発生したと判断し、かつ衝撃発生信号を光路制御部111に出力する。異常検出信号が動き検出部106bから出力されない場合、判断部110は、衝撃が発生していないと判断する。
【0184】
電流制御部211bの上記の機能は、動き検出部の機能として定義され、かつ動き検出部106bおよび判断部110は一体化されてもよい。電流制御部211bによって測定された電流値または電位差の値は、遮蔽部210の動きを示す。電流制御部211bは、測定値を判断部110に出力する。判断部110は、その測定値に基づいて、遮蔽部210が移動したか否かを判断する。判断部110のこの機能は、動き検出部106bの上記の機能と同じである。遮蔽部210が移動した場合、判断部110は、衝撃が発生したと判断し、かつ衝撃発生信号を光路制御部111に出力する。遮蔽部210が移動していない場合、判断部110は、衝撃が発生していないと判断する。
【0185】
第4の実施形態において、内視鏡装置1bは、第2の実施形態の内視鏡装置1と同様に、遮蔽部210が誤った位置に配置された状態で撮像素子105が画像を生成する状況の発生を抑えることができる。
【0186】
(第5の実施形態)
図22および図23は、本発明の第5の実施形態の内視鏡装置1cの構成を示す。図5および図6に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0187】
図5および図6に示す先端部4は、先端部4cに変更される。先端部4cは、図5および図6に示す第2の光学系102を有していない。先端部4cにおいて、図5および図6に示す光路切替部103は光路切替部103cに変更される。
【0188】
光路切替部103cは、図5および図6に示す遮蔽部1031の代わりにレンズ1032を有する。レンズ1032は、第1の光学系101の光路上の第1の位置と、第1の光学系101の光路から外れた第2の位置とのいずれか一方に配置される。
【0189】
図22に示すようにレンズ1032が第2の位置に配置されている場合、第1の光学系101および撮像光学系104を通る光が撮像素子105の撮像領域1051に入射する。その光は第1の光路L1を通る。これにより、例えば、近点に焦点が合う第1の光学像が撮像領域1051に形成される。図23に示すようにレンズ1032が第1の位置に配置されている場合、第1の光学系101、レンズ1032、および撮像光学系104を通る光が撮像素子105の撮像領域1051に入射する。その光は第2の光路L2を通る。これにより、例えば、遠点に焦点が合う第1の光学像が撮像領域1051に形成される。光路切替部103cは、レンズ1032を第1の位置から第2の位置へ、または第2の位置から第1の位置へ移動させることにより第1の光路L1および第2の光路L2を切り替える。
【0190】
光路制御部111は、光路切替部103cを制御することにより、レンズ1032を第1の位置および第2の位置のいずれか一方に配置する。これにより、光路制御部111は、撮像素子105に入射する光の合焦状態を制御する。
【0191】
第5の実施形態において、内視鏡装置1cは、第2の実施形態の内視鏡装置1と同様に、レンズ1032が誤った位置に配置された状態で撮像素子105が画像を生成する状況の発生を抑えることができる。内視鏡装置1cは、遠点と近点とを切り替えることができる。
【0192】
(第6の実施形態)
図24は、本発明の第6の実施形態の内視鏡装置1dの構成を示す。図5および図6に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0193】
図5および図6に示す本体部2は、本体部2dに変更される。本体部2dにおいて、図5および図6に示す動き検出部106は動き検出部106dに変更される。
【0194】
動き検出部106dは、第1の画像または第2の画像をフレームメモリ108から読み出し、第1の画像または第2の画像に基づいて光学素子の動きを検出する。第6の実施形態において、動き検出部106dは、撮像素子105に対する光学素子の相対的な動きを検出する。具体的には、動き検出部106dは、画像の特殊な状態を検出する。例えば、画像の特殊な状態は、二重像である。あるいは、画像の特殊な状態は、画像の縦方向に離れた2つの位置間の被写体像の位置ズレである。あるいは、画像の特殊な状態は、画像の縦方向に離れた2つの位置間の焦点の違いである。
【0195】
二重像は、主にグローバルシャッタ方式を使用する撮像素子によって生成された画像に発生する。図25を参照し、グローバルシャッタ方式について説明する。図25は、グローバルシャッタ方式を使用する撮像素子における露光期間を示す。
【0196】
図25における横軸は時間を示し、図25における縦軸は撮像素子における画素ラインを示す。撮像素子は、複数の画素ラインを有する。各画素ラインは、複数の画素を有する。
【0197】
グローバルシャッタ方式では、全ての画素ラインにおいて露光期間が同時に開始され、かつ全ての画素ラインにおいて露光期間が同時に終了する。図24に示す例では、露光期間が開始されたとき、第1の光路L1が撮像光路として使用されている。そのため、第1の光路L1を通る光によって形成される第1の光学像が全ての画素ライン上に形成される。露光期間中に衝撃が発生し、撮像光路が第1の光路L1から第2の光路L2に変更される。撮像光路が第2の光路L2に変更された後、第2の光路L2を通る光によって形成される第2の光学像が全ての画素ライン上に形成される。撮像光路が第1の光路L1から第2の光路L2に変更される間、第1の光学像および第2の光学像が全ての画素ライン上に同時に形成される。
【0198】
露光期間において第1の光学像および第2の光学像が同時に撮像素子上に形成されるため、撮像素子は2つの被写体像が写った画像を生成する。つまり、撮像素子は、二重像が写った画像を生成する。
【0199】
二重像は、ローリングシャッタ方式を使用する撮像素子によって生成された画像にも発生する。図26を参照し、ローリングシャッタ方式について説明する。図26は、ローリングシャッタ方式を使用する撮像素子における露光期間を示す。図25と同様に、図26における横軸は時間を示し、図26における縦軸は撮像素子における画素ラインを示す。
【0200】
ローリングシャッタ方式では、露光期間が開始されるタイミングおよび露光期間が終了するタイミングが画素ライン間で異なる。図26に示す例では、上側の画素ラインから下側の画素ラインに向かって、露光期間が順次開始される。各画素ラインの露光期間の開始タイミングは、各画素ラインに隣接する画素ラインの露光期間の開始タイミングから所定時間だけずれている。
【0201】
図26に示す例では、撮像素子に配置された複数の画素ラインの一部の露光期間中に衝撃が発生する。露光期間中に衝撃が発生した画素ラインにおいて、図25に示す例と同様に、第1の光学像および第2の光学像が同時に形成される。一方、他の画素ラインにおいて、露光期間は、第1の光学像および第2の光学像が同時に形成される期間と重ならない。図26に示す例では、上側の画素ラインPL1の露光期間において、第1の光学像および第2の光学像が同時に形成される。図26に示す例では、下側の画素ラインPL2の露光期間において第2の光学像のみが形成される。
【0202】
複数の画素ラインの一部の露光期間において、第1の光学像および第2の光学像の両方が形成されるため、撮像素子は2つの被写体像が写った画像を生成する。つまり、撮像素子は、二重像が写った画像を生成する。
【0203】
例えば、動き検出部106dは、画像の自己相関を算出する方法または画像の一部を使用する画像マッチングの方法を使用することにより、画像の互いに異なる領域が互いに類似するか否かを判断する。これにより、動き検出部106dは、二重像が発生しているか否かを判断する。
【0204】
被写体像の位置ズレまたは焦点の違いは、主にローリングシャッタ方式を使用する撮像素子によって生成された画像に発生する。図26に示すように、画素ラインPL1の露光期間において、第1の光学像および第2の光学像が同時に形成され、画素ラインPL2の露光期間において第2の光学像のみが形成される。画素ラインPL1において第1の光学像が形成され、かつ画素ラインPL2において第1の光学像が形成されないため、画像が画素ラインPL1と画素ラインPL2との境界で不連続になる。
【0205】
例えば、動き検出部106dは、画像の縦方向に伸びる複数の直線を検出する。第1の光学像に含まれる直線は、画素ラインPL1の画像に写っているが、画素ラインPL2の画像に写らない。そのため、第1の光学像に含まれる直線は、画素ラインPL1と画素ラインPL2との境界で不連続になる。動き検出部106dは、画像の縦方向における複数の直線の連続性を判断する。全ての直線が同じ画素ラインにおいて不連続である場合、動き検出部106dは、被写体像の位置ズレが発生していると判断する。動き検出部106dは、二重像を検出するために、被写体像の位置ズレを検出する方法と同様の方法を使用してもよい。
【0206】
図24に示す先端部4が、図22および図23に示す先端部4cに変更されてもよい。動き検出部106dは、上記の方法と同様の方法を使用することにより画像の縦方向における複数の直線の連続性を判断する。図26に示す例と同様に、複数の画素ラインの一部の露光期間において、第1の光学像および第2の光学像の両方が形成される場合、全ての直線が同じ画素ラインにおいて不連続である。先端部4cが使用される場合、第1の光学像と第2の光学像との間で焦点が異なる。そのため、動き検出部106dは、直線の連続性を判断することにより焦点の違いを検出することができる。
【0207】
画像の特殊な状態が検出された場合、動き検出部106dは、異常検出信号を判断部110に出力する。撮像素子105に対する光学素子の相対的な動きがあった場合、判断部110は、光学素子が第1の位置または第2の位置から移動したと判断する。光学素子が第1の位置または第2の位置から移動したか否かを判断部110が判断する例として、衝撃が発生したか否かを判断部110が判断する例を説明する。異常検出信号が動き検出部106dから出力された場合、判断部110は、衝撃が発生したと判断し、かつ衝撃発生信号を光路制御部111に出力する。異常検出信号が動き検出部106dから出力されない場合、判断部110は、衝撃が発生していないと判断する。
【0208】
第6の実施形態において、内視鏡装置1dは、第2の実施形態の内視鏡装置1と同様に、遮蔽部210が誤った位置に配置された状態で撮像素子105が画像を生成する状況の発生を抑えることができる。
【0209】
(第7の実施形態)
図27は、本発明の第7の実施形態の内視鏡装置1eの構成を示す。図5および図6に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0210】
図5および図6に示す本体部2は、本体部2eに変更される。図5および図6に示す先端部4は、先端部4eに変更される。本体部2eは、図5および図6に示す構成に加えて位置検出部112を有する。先端部4eにおいて、図5および図6に示す光路切替部103は光路切替部103eに変更される。光路切替部103eは、図5および図6に示す光路切替部103と同様に遮蔽部1031を有する。位置検出部112は、遮蔽部1031の位置を検出する。
【0211】
図28および図29は、第7の実施形態における光路切替部103eとして使用される磁気アクチュエータ201eの構成を示す。図7および図8に示す構成と同じ構成の説明を省略する。図28は、遮蔽部210が第2の開口209を遮蔽している状態を示す。図29は、遮蔽部210が第1の開口208を遮蔽している状態を示す。磁気アクチュエータ201eは、図7および図8に示す構成に加えて、端子213、端子215、端子217、端子219、信号線214、信号線216、信号線218、信号線220、およびスイッチ221を有する。
【0212】
端子213、端子215、端子217、および端子219は、光選択部212の表面上に配置されている。信号線214は、端子213と電流制御部211とを電気的に接続する。信号線216は、端子215と電流制御部211とを電気的に接続する。信号線218は、端子217と電流制御部211とを電気的に接続する。信号線220は、端子219と電流制御部211とを電気的に接続する。
【0213】
導体のスイッチ221が遮蔽部210に取り付けられている。図28に示すように、第2の開口209を遮蔽する第2の位置に遮蔽部210が配置されている場合、端子217および端子219がスイッチ221と接触する。このとき、電流制御部211から出力された電流は、端子217、端子219、信号線218、信号線220、およびスイッチ221を含む第2の回路に流れる。図29に示すように、第1の開口208を遮蔽する第1の位置に遮蔽部210が配置されている場合、端子213および端子215がスイッチ221と接触する。このとき、電流制御部211から出力された電流は、端子213、端子215、信号線214、信号線216、およびスイッチ221を含む第1の回路に流れる。
【0214】
したがって、第1の光路L1を撮像光路として使用するために遮蔽部210が第2の位置に配置されている場合、第2の回路に電流が流れるが、第1の回路に電流は流れない。第2の光路L2を撮像光路として使用するために遮蔽部210が第1の位置に配置されている場合、第1の回路に電流が流れるが、第2の回路に電流は流れない。電流制御部211は、第1の回路および第2の回路のうち電流が流れる回路を判断する。電流制御部211は、電流が流れる回路の情報を位置検出部112に出力する。
【0215】
第1の回路および第2の回路が互いに抵抗値を持ち、かつ第1の回路および第2の回路が互いに並列に接続されてもよい。所定の電圧が第1の回路および第2の回路に印加されたとき、第1の回路に流れる電流の量と、第2の回路に流れる電流の量とは互いに異なる。電流制御部211は、第1の回路および第2の回路の全体から出力される電流の量を測定し、測定された値を位置検出部112に出力してもよい。その値は、電流が流れる回路に応じて異なる。
【0216】
電流が流れる回路の情報が電流制御部211から出力された場合、位置検出部112は、その情報に基づいて遮蔽部210の位置を判断する。第1の回路の情報が電流制御部211から出力された場合、位置検出部112は、遮蔽部210が第1の位置に配置されていると判断する。第2の回路の情報が電流制御部211から出力された場合、位置検出部112は、遮蔽部210が第2の位置に配置されていると判断する。
【0217】
電流の測定値が電流制御部211から出力された場合、位置検出部112は、その測定値に基づいて遮蔽部210の位置を判断する。例えば、所定の電圧が第1の回路および第2の回路に印加されたとき、第1の回路に流れる電流の量は、第2の回路に流れる電流の量よりも多い。位置検出部112は、測定値を閾値と比較する。閾値は、第1の回路に流れる電流の測定値と第2の回路に流れる電流の測定値との間の値である。測定値が閾値よりも大きい場合、位置検出部112は、電流が第1の回路に流れる、つまり遮蔽部210が第1の位置に配置されていると判断する。測定値が閾値よりも小さい場合、位置検出部112は、電流が第2の回路に流れる、つまり遮蔽部210が第2の位置に配置されていると判断する。
【0218】
位置検出部112は、プロセッサおよび論理回路の少なくとも1つで構成される。内視鏡装置1eのコンピュータが、位置検出部112の動作を規定する命令を含むプログラムを読み込み、かつ、読み込まれたプログラムを実行してもよい。つまり、位置検出部112の機能は、ソフトウェアによって実現されてもよい。
【0219】
位置検出部112は、遮蔽部210の位置を示す位置情報を光路制御部111に出力する。
【0220】
遮蔽部210が配置される位置と、撮像素子105が第1の画像および第2の画像の各々を生成する回数とは、シーケンス情報として予め設定されている。衝撃が発生したと判断部110が判断した場合、光路制御部111は、位置検出部112から出力された位置情報に基づいて遮蔽部210の位置を確認する。確認された位置が、撮像素子105が第1の画像または第2の画像を生成するために必要な所定の位置と同じである場合、装置制御部107は、配置制御を実行せず、撮像素子105に撮像を続行させる。所定の位置は、第1の位置および第2の位置のいずれか一方である。動作モードが計測モードである場合、装置制御部107は、撮像素子105にステレオ撮像を続行させる。
【0221】
動作モードが計測モードである場合、画像生成シーケンスにおいて遮蔽部210は最初に初期位置に配置される。初期位置は、第1の位置および第2の位置のいずれか一方である。確認された位置が、撮像素子105が第1の画像または第2の画像を生成するために必要な所定の位置と異なる場合、光路制御部111は配置制御を実行し、かつ装置制御部107は撮像素子105にステレオ撮像を開始させる。
【0222】
図30を参照し、観察モードまたは計測モードにおける内視鏡装置1eの動作を説明する。図30は、衝撃が発生したときに光路を切り替え、かつ画像生成シーケンスを続行するために内視鏡装置1eが実行する処理の手順を示す。図30に示す処理では、衝撃が発生した後、画像生成シーケンスの残りを実行するために撮像が再開される。図12に示す処理と同じ処理の説明を省略する。光学素子が第1の位置または第2の位置から移動したか否かを判断部110が判断する例として、衝撃が発生したか否かを判断部110が判断する例を説明する。
【0223】
衝撃が発生したと判断部110がステップS3aにおいて判断した場合、判断部110は衝撃発生信号を光路制御部111に出力する。光路制御部111は、復帰制御(ステップS4c)を実行する。復帰制御において、以下のステップS43が実行される。ステップS43の後、復帰制御においてステップS41が実行される、または通常制御(ステップS5a)が実行される。
【0224】
光路制御部111は、位置検出部112から出力された位置情報に基づいて遮蔽部210の位置を確認する。光路制御部111は、シーケンス情報に基づいて、光路が異常であるか否かを判断する(ステップS43)。シーケンス情報が示す遮蔽部210の位置と、位置情報が示す位置とが異なる場合、光路制御部111は、光路が異常であると判断する。シーケンス情報が示す遮蔽部210の位置と、位置情報が示す位置とが同じである場合、光路制御部111は、光路が異常ではないと判断する。
【0225】
光路が異常であると光路制御部111がステップS43において判断した場合、ステップS41が実行される。光路制御部111がステップS41において光路を切り替えるため、撮像光路は、画像生成シーケンスにおける正しい光路に変更される。
【0226】
光路が異常ではないと光路制御部111がステップS43において判断した場合、通常制御においてステップS51が実行される。撮像素子105は、ステップS51において画像生成シーケンスに従って撮像を実行する。
【0227】
図13に示す処理は、上記のステップS43を含んでもよい。
【0228】
図31から図34は、画像生成シーケンスの具体例を示す。図31から図34において、横軸は時間を示す。図31から図34において、第1の画像は“L”と記載され、第2の画像は“R”と記載されている。図31から図34において、フレーム番号が時間の経過を示す軸の上側に記載されている。フレーム番号に含まれる文字Nは、1以上の整数を示す。
【0229】
図31は、観察モードにおいて衝撃が発生する場合における画像生成シーケンスの例を示す。図31に示す例では、衝撃が発生した後、遮蔽部210は移動せず、遮蔽部210の位置は適切である。
【0230】
第Nのフレームから第N+2のフレームまで、撮像素子105は第1の画像“L”を生成する。動き検出部106は、各フレームにおいて先端部4eの動きを検出する。第N+2のフレームにおいて画像データの転送が終了した後、判断部110は衝撃を検出する。第N+3のフレームにおいて位置検出部112は、遮蔽部210の位置を検出する。遮蔽部210は移動しないため、光路制御部111は、遮蔽部210の位置が、シーケンス情報によって示される位置と同じであることを確認する。そのため、光路制御部111は切替制御を実行しない。
【0231】
図32は、観察モードにおいて衝撃が発生する場合における画像生成シーケンスの例を示す。図32に示す例では、衝撃が発生した後、遮蔽部210が移動する。
【0232】
図31に示す例と同様に撮像が開始される。動き検出部106は、各フレームにおいて先端部4eの動きを検出する。図31に示すタイミングと同じタイミングで衝撃が発生する。図32に示す例では、第N+2のフレームにおいて画像データの転送が終了した後、判断部110は衝撃を検出する。第N+3のフレームにおいて位置検出部112は、遮蔽部210の位置を検出する。遮蔽部210が移動するため、光路制御部111は、遮蔽部210の位置が、シーケンス情報によって示される位置と異なることを確認する。そのため、光路制御部111は切替制御を実行する。
【0233】
第N+3のフレームにおいて画像データの転送が終了した後、光路制御部111は光路を切り替える。第N+3のフレームにおいて撮像素子105は第2の画像“R”を生成し、第N+4のフレームおよびそれに続く各フレームにおいて、撮像素子105は第1の画像“L”を生成する。
【0234】
光路制御部111が光路を切り替えるため、第N+4のフレームおよびそれに続く各フレームにおいて、撮像素子105は正しい画像を生成することができる。予定された画像と異なる画像が生成された場合であっても、内視鏡装置1eは、撮像光路を観察に必要な所定の光路に変更し、かつ正しい画像を生成し続けることができる。
【0235】
図33は、計測モードにおいて衝撃が発生する場合における画像生成シーケンスの例を示す。図33に示す例では、衝撃が発生した後、遮蔽部210は移動せず、遮蔽部210の位置は適切である。
【0236】
第N-2のフレームおよび第N-1のフレームの各々において撮像素子105は第1の画像“L”を生成する。その後、動作モードが計測モードに変更され、第Nのフレームにおいて計測用の画像生成シーケンスが開始される。第Nのフレームにおいて撮像素子105は第1の画像“L”を生成する。動き検出部106は、各フレームにおいて先端部4eの動きを検出する。第Nのフレームにおいて画像データの転送が終了した後、判断部110は衝撃を検出する。第N+1のフレームにおいて位置検出部112は、遮蔽部210の位置を検出する。遮蔽部210は移動しないため、光路制御部111は、遮蔽部210の位置が、シーケンス情報によって示される位置と同じであることを確認する。そのため、光路制御部111は切替制御を実行しない。
【0237】
図34は、計測モードにおいて衝撃が発生する場合における画像生成シーケンスの例を示す。図34に示す例では、衝撃が発生した後、遮蔽部210が移動する。
【0238】
図33に示す例と同様に、第N-2のフレームおよび第N-1のフレームの各々において撮像素子105は第1の画像“L”を生成し、第Nのフレームにおいて計測用の画像生成シーケンスが開始される。第Nのフレームにおいて撮像素子105は第1の画像“L”を生成する。動き検出部106は、各フレームにおいて先端部4eの動きを検出する。図33に示すタイミングと同じタイミングで衝撃が発生する。図34に示す例では、第Nのフレームにおいて画像データの転送が終了した後、判断部110は衝撃を検出する。第N+1のフレームにおいて位置検出部112は、遮蔽部210の位置を検出する。遮蔽部210が移動するため、光路制御部111は、遮蔽部210の位置が、シーケンス情報によって示される位置と異なることを確認する。そのため、光路制御部111は切替制御を実行する。
【0239】
光路制御部111は第N+2のフレームにおける撮像光路を第Nのフレームにおける撮像光路と同じ光路に設定する。画像生成シーケンスが第N+2のフレームから第N+6のフレームまでやり直される。第N+2のフレームから第N+6のフレームの各々において、撮像素子105は、画像生成シーケンスに従って第1の画像“L”または第2の画像“R”を生成する。
【0240】
光路制御部111が撮像光路を画像生成シーケンスにおける最初の撮像光路と同じ光路に設定し、画像生成シーケンスが最初から再開される。そのため、内視鏡装置1eは、計測部109において必要な画像を生成することができる。計測部109は、計測を正しく実行することができる。
【0241】
図19に示す内視鏡装置1aにおいて、光路切替部103は、磁気アクチュエータ201eと同様の構成を有してもよく、かつ本体部2aは位置検出部112を有してもよい。
【0242】
図20に示す内視鏡装置1bにおいて、光路切替部103bは、電流制御部211bを除いて磁気アクチュエータ201eと同様の構成を有してもよく、かつ本体部2bは位置検出部112を有してもよい。
【0243】
図22および図23に示す内視鏡装置1cにおいて、光路切替部103cは、レンズ1032を除いて磁気アクチュエータ201eと同様の構成を有してもよく、かつ本体部2は位置検出部112を有してもよい。
【0244】
図24に示す内視鏡装置1dにおいて、光路切替部103は、磁気アクチュエータ201eと同様の構成を有してもよく、かつ本体部2dは位置検出部112を有してもよい。
【0245】
第7の実施形態において、内視鏡装置1eは、第2の実施形態の内視鏡装置1と同様に、遮蔽部210が誤った位置に配置された状態で撮像素子105が画像を生成する状況の発生を抑えることができる。衝撃が発生した場合、光路制御部111は遮蔽部210の位置を確認する。遮蔽部210の位置が、シーケンス情報によって示される正しい位置と異なる場合、光路制御部111は光路を切り替える。遮蔽部210の位置が、シーケンス情報によって示される正しい位置と同じである場合、光路制御部111は光路を切り替えない。したがって、光路制御部111は、光路の切替を正確に実行することができる。
【0246】
上記の例では、遮蔽部210の位置が正しい位置と異なる場合、光路制御部111は光路を切り替える。遮蔽部210の位置が正しい位置と異なる場合、内視鏡装置1eは、遮蔽部210の位置に応じた処理を開始してもよい。
【0247】
(第8の実施形態)
図35は、本発明の第8の実施形態の内視鏡装置1fの構成を示す。図5および図6に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0248】
図5および図6に示す挿入部3は、挿入部3fに変更される。図5および図6に示す先端部4は、先端部4fに変更される。図5および図6に示す先端部4の構成が挿入部3fおよび先端部4fに配置される。挿入部3fは、撮像光学系104、撮像素子105、および動き検出部106を有する。撮像光学系104、撮像素子105、および動き検出部106は、挿入部3fの先端に配置されている。先端部4fは、第1の光学系101、第2の光学系102、および光路切替部103を有する。撮像光学系104は先端部4fに配置されてもよい。先端部4fが配置されずに第1の光学系101、第2の光学系102、および光路切替部103が挿入部3fに配置されてもよい。
【0249】
第8の実施形態において、内視鏡装置1fは、第2の実施形態の内視鏡装置1と同様に、遮蔽部210が誤った位置に配置された状態で撮像素子105が画像を生成する状況の発生を抑えることができる。
【0250】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態およびその変形例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0251】
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,10,10a 内視鏡装置
2,2a,2b,2d,2e 本体部
3,3f 挿入部
4,4a,4b,4c,4e,4f 先端部
5 操作部
6 表示部
7 記録媒体
8 電源
11,11a 内視鏡
12 検出部
13,110 判断部
14 制御部
15,15a 先端
16,105 撮像素子
17,101 第1の光学系
18 光学素子
19,102 第2の光学系
103,103b,103c,103e 光路切替部
104 撮像光学系
106,106a,106b,106d 動き検出部
107 装置制御部
108 フレームメモリ
109 計測部
111 光路制御部
112 位置検出部
201,201b,201e 磁気アクチュエータ
202 第1の電磁石
203 第2の電磁石
204 第1の永久磁石
205 第2の永久磁石
206 第3の永久磁石
207 第4の永久磁石
208 第1の開口
209 第2の開口
210,1031 遮蔽部
211,211b 電流制御部
212 光選択部
213,215,217,219 端子
214,216,218,220 信号線
221 スイッチ
1032 レンズ
1051 撮像領域
図1
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