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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022038414
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】骨切り術支援治具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/15 20060101AFI20220303BHJP
   A61B 34/10 20160101ALI20220303BHJP
【FI】
A61B17/15
A61B34/10
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020142911
(22)【出願日】2020-08-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開日 令和2年8月5日 公開場所 駅南貸会議室KENTO(新潟市中央区天神1-1 プラーカ3内)
(71)【出願人】
【識別番号】521045184
【氏名又は名称】K&Tコンサルティング合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 卓
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL12
4C160LL29
(57)【要約】
【課題】術前計画において設定された骨切りアライメントを、術中に正確に再現させることができる骨切り術支援治具及び骨切り術支援方法を提供する。
【解決手段】骨切り術支援治具は、長管骨に対する位置決めを行うためのレジストレーション部と、術前計画に従う第1骨切り面及び第2骨切り面を含む骨切りアライメントを設定するためのガイド部と、を備える。レジストレーション部は、長管骨の外側皮質に当接する平坦面を有するレジストレーションプレートと、長管骨の前側又は後側に係止される係止部と、上下方向の位置を設定するためのリファレンスアンテナと、を有する。ガイド部は、第1骨切り面を設定するための第1骨切りガイド部と、第1骨切り面上のヒンジ軸を中心に回転可能に構成され、第2骨切り面を設定するための第2骨切りガイド部と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長管骨矯正骨切り術に用いられる骨切り術支援治具であって、
長管骨に対する位置決めを行うためのレジストレーション部と、
術前計画に従う第1骨切り面及び第2骨切り面を含む骨切りアライメントを設定するためのガイド部と、を備え、
前記レジストレーション部は、
前記長管骨の外側皮質に当接する平坦面を有するレジストレーションプレートと、
前記長管骨の前側又は後側に係止される係止部と、
上下方向の位置を規定するためのリファレンスアンテナと、を有し、
前記ガイド部は、
前記第1骨切り面を設定するための第1骨切りガイド部と、
前記第1骨切り面上のヒンジ軸を中心に回転可能に構成され、前記第2骨切り面を設定するための第2骨切りガイド部と、を有する、
骨切り術支援治具。
【請求項2】
前記長管骨は、脛骨であり、
前記レジストレーションプレートは、前記脛骨の骨幹部に当接し、
前記係止部は、前記脛骨の脛骨稜に係止され、
前記第1骨切りガイド部は、前記第1骨切り面である近位骨切り面を設定し、
前記第2骨切りガイド部は、前記第2骨切り面である遠位骨切り面を設定する、
請求項1に記載の骨切り術支援治具。
【請求項3】
前記ガイド部は、骨切りによって分割される近位骨片及び遠位骨片のうち、前記近位骨片に固定プレートの近位スクリューボルト固定位置を設定するための近位スクリューボルトガイド部と、前記遠位骨片に前記固定プレートの遠位スクリューボルト固定位置を設定するための遠位スクリューボルトガイド部と、を有し、
前記近位スクリューボルトガイド部は、前記ヒンジ軸を中心に回転可能に構成されている、
請求項2に記載の骨切り術支援治具。
【請求項4】
前記ガイド部は、前記レジストレーションプレートに取り付けられるベース部材を有し、
前記ベース部材は、前記ヒンジ軸を中心とする円弧面状のガイドプレートを有し、
前記第2骨切りガイド部及び前記近位スクリューボルトガイド部は、前記ガイドプレート上を円弧方向に摺動可能に配置されている、
請求項3に記載の骨切り術支援治具。
【請求項5】
前記ベース部材は、前記ガイドプレートと前記レジストレーションプレートを連結する連結部を有し、
前記第1骨切りガイド部は、前記連結部に形成された貫通孔で構成されている、
請求項4に記載の骨切り術支援治具。
【請求項6】
前記第2骨切りガイド部及び前記近位スクリューボルトガイド部の回転角を検出する角度検出部を有する、
請求項4又は5に記載の骨切り術支援治具。
【請求項7】
前記リファレンスアンテナによって規定される前記上下方向における位置が可変である、
請求項1から6のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具を用いて長管骨矯正骨切り術を行う際に適用される骨切り術支援方法であって、
前記長管骨のX線画像を取得する第1工程と、
前記骨切り術支援治具の位置及び姿勢を示すレジストレーション情報、並びに前記骨切り術支援治具によって規定される前記第1骨切り面を示す骨切り面情報及び前記ヒンジ軸を示すヒンジ軸情報が描画されたテンプレートを、前記X線画像上の至適な位置に重ね合わせる第2工程と、
前記骨切り面情報及び前記ヒンジ軸情報に基づいて前記第1骨切り面及び前記ヒンジ軸を設定する第3工程と、
前記X線画像から得られる実際の機能軸及び目標機能軸、並びに前記ヒンジ軸に基づいて、矯正角度を求める第4工程と、
前記第1骨切り面を前記ヒンジ軸の周りに前記矯正角度だけ回転させた前記第2骨切り面を設定する第5工程と、
を有する、骨切り術支援方法。
【請求項9】
骨切りによって分割された近位骨片及び遠位骨片に固定プレートを固定するための近位スクリューボルト固定位置及び遠位スクリューボルト固定位置を設定する第6工程を有し、
前記テンプレートは、前記近位スクリューボルト固定位置を示す近位スクリューボルト情報及び前記遠位スクリューボルト固定位置を示す遠位スクリューボルト情報を含み、
前記第6工程は、
前記第2工程後の前記遠位スクリューボルト情報に基づいて前記遠位スクリューボルト固定位置を設定する工程と、
前記第3工程後の前記近位スクリューボルト情報に基づいて設定される初期の前記近位スクリューボルト固定位置を、前記ヒンジ軸の周りに前記矯正角度だけ回転させた矯正後の前記近位スクリューボルト固定位置を設定する工程と、を含む、
請求項8に記載の骨切り術支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長管骨矯正用の骨切り術支援治具及び骨切り術支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
変形性膝関節症という膝の軟骨がすり減ることで痛みが生じる疾患は、膝の内側の軟骨が摩耗している場合が圧倒的に多く、その原因として下肢のO脚変形が挙げられる。O脚の場合、膝の内側に大きな荷重がかかるため、内側の軟骨が摩耗しやすく、内側の軟骨だけが摩耗すると更にO脚が進み、悪循環となって疾患が進行する。この変形性膝関節症に対する治療法の一つとして、高位脛骨骨切り術(HTO:High Tibial Osteotomy)がある。従来、術前計画通りに高位脛骨骨切り術を行うために、種々の骨切り用治具が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
高位脛骨骨切り術とは、下腿にある2本の骨のうち、ほとんどの荷重を担う脛骨の膝に近い脛骨近位端を切除して形を変えることで、O脚をX脚に変える手術であり、内側にかかっていた荷重を外側に逃がして負担を減らすことで痛みを和らげ、かつ疾患の進行を抑制することができる。
例えば、ハイブリッドクローズドウェッジHTOと呼ばれる術式では、脛骨近位端において、外側が広く内側が狭いくさび形に骨切りをして、そのくさび部分の骨を切除する。そして、くさびの狭い方(V字の先端)をヒンジ軸(矯正する際の回転軸)として、離れていた2つの骨切り面が合わさるように脛骨を回転させる。これにより、骨切り部で、くさびの先端角度だけ脛骨が外側に曲がることになる。
【0004】
図1A図1Bに示すように、脛骨Tの骨切り部には、骨切り部分の上側(膝に近い側)の近位骨片T1と下側(膝から遠い側)の遠位骨片T2を架橋するように金属製の固定プレート5が配置される。固定プレート5は、スクリューボルト52a~52hが挿通されるスクリューボルト穴51a~51hを有する。近位スクリューボルト52a~52dにより固定プレート5の近位部分が近位骨片T1に締結され、遠位スクリューボルト52e~52hにより固定プレート5の遠位部分が遠位骨片T2に締結されることで、固定プレート5が脛骨Tの骨切り部に固定される。
【0005】
上述した高位脛骨骨切り術のような骨切り術は、脛骨の矯正に限らず、大腿骨等の長管骨を矯正する場合にも適用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-202108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、骨切り術の術前計画では、立位又は臥位のX線画像を用いて矯正角度が求められ、目標となる骨切り面及びヒンジ軸、並びに固定プレートの固定位置など(以下、「骨切りアライメント」と称する)が設定される。
しかしながら、実際の手術は、術前計画に従ってX線透視下で確認しながら骨切りが行われるものの、定量的でなく肉眼的な確認であるため、術前計画と同一の骨切りアライメントになっているかを、術中のX線透視下で同定できているとは限らない。そして、骨切り面を規定する骨切りガイドピンの刺入位置や刺入方向が術前計画からずれてしまい、ヒンジ軸の位置や矯正角度に誤差が生じた場合、適正な下肢アライメントとなるように矯正されない虞がある。
【0008】
本発明の目的は、術前計画において設定された骨切りアライメントを、術中に正確に再現させることができる骨切り術支援治具及び骨切り術支援方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る骨切り術支援治具は、
長管骨矯正骨切り術に用いられる骨切り術支援治具であって、
長管骨に対する位置決めを行うためのレジストレーション部と、
術前計画に従う第1骨切り面及び第2骨切り面を含む骨切りアライメントを設定するためのガイド部と、を備え、
前記レジストレーション部は、
前記長管骨の外側皮質に当接する平坦面を有するレジストレーションプレートと、
前記長管骨の前側又は後側に係止される係止部と、
上下方向の位置を規定するためのリファレンスアンテナと、を有し、
前記ガイド部は、
前記第1骨切り面を設定するための第1骨切りガイド部と、
前記第1骨切り面上のヒンジ軸を中心に回転可能に構成され、前記第2骨切り面を設定するための第2骨切りガイド部と、を有する。
【0010】
本発明に係る骨切り術支援方法は、
上記の骨切り術支援治具を用いて長管骨矯正骨切り術を行う際に適用される骨切り術支援方法であって、
前記長管骨のX線画像を取得する第1工程と、
前記骨切り術支援治具の位置及び姿勢を示すレジストレーション情報、並びに前記骨切り術支援治具によって規定される前記第1骨切り面を示す骨切り面情報及び前記ヒンジ軸を示すヒンジ軸情報が描画されたテンプレートを、前記X線画像上の至適な位置に重ね合わせる第2工程と、
前記骨切り面情報及び前記ヒンジ軸情報に基づいて前記第1骨切り面及び前記ヒンジ軸を設定する第3工程と、
前記X線画像から得られる実際の機能軸及び目標機能軸、並びに前記ヒンジ軸に基づいて、矯正角度を求める第4工程と、
前記第1骨切り面を前記ヒンジ軸の周りに前記矯正角度だけ回転させて前記第2骨切り面を設定する第5工程と、
を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、術前計画において設定された骨切りアライメントを、術中に正確に再現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1A図1Bは、脛骨の骨切り部に固定される固定プレートを示す図である。
図2図2は、実施の形態に係るHTO支援治具を示す斜視図である。
図3図3A図3Bは、HTO支援治具を右側から見た平面図である。
図4図4A図4Bは、HTO支援治具を前側から見た平面図である。
図5図5は、術前計画で用いられるテンプレートの一例を示す図である。
図6図6は、HTO支援治具を用いた高位脛骨骨切り術の術前計画の作成方法の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、実施の形態に係る術前計画を説明する図である。
図8図8は、実施の形態に係る術前計画を説明する図である。
図9図9は、実施の形態に係る術前計画を説明する図である。
図10図10は、実施の形態に係る術前計画を説明する図である。
図11図11は、実施の形態に係る術前計画を説明する図である。
図12図12は、術前計画に従う高位脛骨骨切り術を説明する図である。
図13図13は、術前計画に従う高位脛骨骨切り術を説明する図である。
図14図14は、術前計画に従う高位脛骨骨切り術を説明する図である。
図15図15は、術前計画に従う高位脛骨骨切り術を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
本実施の形態では、本発明に係る骨切り術支援治具を適用した高位脛骨骨切り術支援治具1(以下、「HTO支援治具1」と称する)について説明する。図2等では、解剖学的正位を基準にして、上下方向、左右方向、前後方向を用いて示している。また、左右方向において正中に近い側を「内側」、遠い側を「外側」と称し、上下方向において体幹に近い側を「近位」、遠い側を「遠位」と称する。
【0015】
HTO支援治具1は、術前計画通りに高位脛骨骨切り術を行うための治具である。HTO支援治具1の位置及び姿勢を示す情報、及びHTO支援治具1に関連付けられた骨切りアライメントを示す情報を有するテンプレートを用いて術前計画を作成するとともに、術中にHTO支援治具1を用いることにより、術前計画で設定した骨切りアライメントを、術中に正確に再現させることができる。
【0016】
ここで、骨切りアライメントは、骨切り術において必要となる情報であり、目標の骨切り面(近位骨切り面S1及び遠位骨切り面S2(図9図10参照))、矯正時の回転軸となるヒンジ軸H(図9参照)、並びに固定プレート5(図1A等参照)の近位スクリューボルト固定位置P1及び遠位スクリューボルト固定位置P2(図9図11参照)などを含む。
【0017】
正面から撮影した2次元のX線画像上では、近位骨切り面S1は近位骨切り線として描出され、ヒンジ軸Hはヒンジポイントとして描出される。一般に、近位骨切り線は、脛骨外側関節面から約40mm遠位側の点と、脛骨内側関節面から約10~15mm遠位側に位置する凸にカーブした部位の頂点とを通るように設定される。また、近位骨切り線上において、近位骨切り線の線分の長さを1:3~1:2に分割する点がヒンジポイントとして設定される。
【0018】
ただし、近位骨切り面S1及びヒンジ軸Hの設定は、上述したようにある程度の目安は示されているものの、最適解が一つに決まっているわけではなく、所定範囲内で設定されていれば支障なく矯正を行うことができる。実際には、施術者の経験に依存するところも大きい。本実施の形態では、このような前提のもと、近位骨切り面S1の延在方向、及び近位骨切り面S1上のヒンジ軸Hの位置を、予め算出された平均的な数値に設定している。
【0019】
そして、HTO支援治具1は、設定された近位骨切り面S1及びヒンジ軸Hを規定できるように設計されている。また、HTO支援治具1は、骨切りアライメントとして、固定プレート5の近位スクリューボルト固定位置P1及び遠位スクリューボルト固定位置P2を規定できるように設計されている。形状やスクリューボルト固定位置が異なる複数の固定プレート5がある場合、HTO支援治具1は、固定プレート5ごとに用意される。
具体的には、前述の骨切りアライメントのうち、近位骨切り面S1、ヒンジ軸H、及び遠位スクリューボルト固定位置P2は、HTO支援治具1に関連付けて予め設定されており、遠位骨切り面S2及び近位スクリューボルト固定位置P1は、術前計画において求められる矯正角度に基づいて設定されるようになっている。
【0020】
図2は、実施の形態に係るHTO支援治具1を示す斜視図である。図3A図3Bは、HTO支援治具1を右側から見た平面図であり、図3AはHTO支援治具1の全体を示し、図3Bはガイド部20を取り外したレジストレーション部10を示している。図4A図4Bは、HTO支援治具1を前側から見た平面図である。
図2等に示すHTO支援治具1は、右脚脛骨に対するHTOにおいて用いられる。左脚脛骨に対するHTOにおいて用いられるHTO支援治具は、左右方向に垂直な矢状面に関して対称な構造となる。
【0021】
図2等に示すように、HTO支援治具1は、脛骨に対する位置決めを行うためのレジストレーション部10と、術前計画に従う骨切りアライメントの設定を行うためのガイド部20と、を備える。HTO支援治具1は、例えば、チタン等の金属材料で形成される。
【0022】
レジストレーション部10は、レジストレーションプレート11、係止フック12、及びリファレンスアンテナ13で構成されている。
【0023】
レジストレーションプレート11は、左右方向から見た平面視で略矩形状の板状部材であり、脛骨に当接する左側(内側)の面は平坦に形成されている。平坦な部分は、HTO支援治具1を脛骨の外側皮質に当接させたときに、安定した姿勢を保持できればよく、例えば、上下方向に約3cmあればよい。なお、レジストレーションプレート11の近位側の部分は、脛骨近位端の形状に沿うように傾斜して形成される。
【0024】
レジストレーションプレート11は、HTO支援治具1の内外反方向(前後軸周り)及び内外旋方向(上下軸周り)の回転、並びに左右方向の並進を規制する。高位脛骨骨切り術では、脛骨骨幹部の外側皮質が術野で展開される。脛骨骨幹部は、水平断面において二峰性形状を有しており、この形状が上下方向にある程度連続することから、平面近似することができる(以下、「外側皮質平面」と称する)。したがって、レジストレーションプレート11の内側面が脛骨骨幹部の二峰性形状の2つの峰部分に当接するようにHTO支援治具1を配置することで、内外反方向及び内外旋方向の回転、並びに左右方向の並進が規制され、安定した姿勢を保持できる。なお、本実施の形態では、脛骨外側皮質平面が、左右方向に直交しているものとして説明する。
【0025】
レジストレーションプレート11には、2つの骨切りガイド穴111、2つの骨切りガイドスリット112、及び3つの遠位スクリューボルト穴113が設けられている。
【0026】
骨切りガイド穴111は、ガイド部20の貫通孔21に連通する。貫通孔21及び骨切りガイド穴111を介して、近位骨切り用のガイドピン31(図13参照)が脛骨に刺入される。
【0027】
骨切りガイドスリット112は、ガイド部20の骨切りガイド筒221の延長線上に設けられている。骨切りガイドスリット112は、骨切りガイド筒221の可動範囲に対応して、上下方向に延在して形成されている。骨切りガイド筒221及び骨切りガイドスリット112を介して、遠位骨切り用のガイドピン32(図13参照)が脛骨に刺入される。
【0028】
遠位スクリューボルト穴113は、固定プレート5の遠位スクリューボルト穴51e~51g(図1A等参照)に対応して設けられている。本実施の形態では、遠位スクリューボルト穴113が、骨切りによって分割される遠位骨片に固定プレート5の遠位スクリュー固定位置P2を設定するための遠位スクリューボルトガイド部を構成している。遠位スクリューボルト穴113は、固定プレート5の4つの遠位スクリューボルト穴51e~51hのうちの3つに対応して設けられているが、2つ又は4つ全部に対応して設けられてもよい。すなわち、遠位スクリューボルト穴113は、遠位スクリューボルト穴113を介して刺入される遠位スクリューボルト用のガイドピン34(図13参照)によって、固定プレート5の遠位部分の固定位置が確定するように複数設けられていればよい。
【0029】
係止フック12は、例えば、半円筒形状を有し、後ろ側が開放した状態でリファレンスアンテナ13に配置されている。係止フック12は、HTO支援治具1の前後方向の並進、及び屈伸方向(左右軸周り)の回転を規制する係止部である。脛骨骨幹部の水平断面において、前側には、鋭角な脛骨稜がある。したがって、係止フック12を脛骨稜に係止させることで、HTO支援治具1の前後方向の並進、及び屈伸方向(前後軸周り)の回転が規制され、安定した姿勢を保持できる。
なお、係止フック12は、HTO支援治具1の前後方向の並進、及び屈伸方向の回転を規制できればよく、例えば、レジストレーションプレート11の後面に設けられてもよい。
【0030】
リファレンスアンテナ13は、例えば、略上下方向に延在するロッド形の部材であり、レジストレーションプレート11の前面に取り付けられている。リファレンスアンテナ13は、脛骨に対するHTO支援治具1の上下方向の位置を規定するために用いられる。リファレンスアンテナ13の近位側の先端部131を骨切りの基準面(例えば、脛骨近位外側関節面)に合わせることで、HTO支援治具1の上下方向の位置が確定する。
【0031】
リファレンスアンテナ13は、例えば、伸縮可能に構成され、先端部131の位置を調整できることが好ましい。すなわち、リファレンスアンテナ13は、リファレンスアンテナ13によって設定されるHTO支援治具1の上下方向の位置が可変であるように構成される。これにより、術前計画において固定プレート5の位置調整、すなわちHTO支援治具1の上下方向の位置調整が行われる場合に容易に対応でき、脛骨に対して術前計画通りにHTO支援治具1を設置することができる。
【0032】
ガイド部20は、骨切りガイド部材22、スクリューボルトガイド部材23及びベース部材24で構成されている。
【0033】
ベース部材24は、予め設定されたヒンジ軸Hを中心とする円弧面状のガイドプレート241と、ガイドプレート241とレジストレーションプレート11を連結する連結部242と、を有している。
【0034】
ガイドプレート241には、骨切りガイド部材22及びスクリューボルトガイド部材23が、外周面に沿って摺動可能に配置される。また、ガイドプレート241には、骨切りガイド部材22及びスクリューボルトガイド部材23の摺動範囲に対応して、切欠き(符号略)が設けられている。
【0035】
連結部242には、ヒンジ軸Hを向くように貫通孔21が設けられている。貫通孔21は、ベース部材24をレジストレーションプレート11に取り付けたときに、レジストレーションプレート11の骨切りガイド穴111に連通する。すなわち、本実施の形態では、貫通孔21が、近位骨切り用のガイドピン31(図13参照)を脛骨に刺入して、近位骨切り面S1(第1骨切り面)を設定するための第1骨切りガイド部を構成している。
【0036】
骨切りガイド部材22は、ガイドプレート241上を摺動する摺動プレート222、及び摺動プレート222を貫通して設けられた骨切りガイド筒221を有する。骨切りガイド筒221は、骨切りガイド部材22をガイドプレート241上に配置したときに、ヒンジ軸Hを向くように設けられている。また、骨切りガイド部材22は、ガイドプレート241に沿って、ヒンジ軸Hを中心とする円周方向に摺動可能で、任意の位置で固定できるようになっている。すなわち、本実施の形態では、骨切りガイド部材22が、遠位骨切り用のガイドピン32(図13参照)を脛骨に刺入して、遠位骨切り面S2(第2骨切り面)を設定するための第2骨切りガイド部を構成している。骨切りガイド部材22の摺動範囲は、例えば、5°~35°の矯正角度に対応できるように設定される。
【0037】
貫通孔21(第1骨切りガイド部)と骨切りガイド部材22の骨切りガイド筒221(第2骨切りガイド部)はいずれもヒンジ軸Hを向いており、ヒンジ軸Hで交差する。貫通孔21と骨切りガイド筒221の延在方向のなす角が矯正角度θとなるように、骨切りガイド部材22の位置が調整される。
骨切りガイド部材22を摺動させるという極めて簡単な動作により、近位骨切り面S1をヒンジ軸H周りに矯正角度θだけ回転させた遠位骨切り面S2を正確に規定することができる。したがって、術前計画の骨切りアライメントを術中に正確に再現することができる。
【0038】
スクリューボルトガイド部材23は、ガイドプレート241上を摺動する摺動プレート232、及び摺動プレート232に立設されたスクリューボルトガイド筒231を有する。スクリューボルトガイド部材23は、ガイドプレート241に沿って、ヒンジ軸Hを中心とする円周方向に摺動可能で、任意の位置で固定できるようになっている。
【0039】
スクリューボルトガイド筒231は、固定プレート5の近位スクリューボルト穴51a~51d(図1A等参照)に対応して設けられている。本実施の形態では、スクリューボルトガイド筒231が、骨切りによって分割される近位骨片に固定プレート5の近位スクリューボルト固定位置P1を設定するための近位スクリューボルトガイド部を構成している。スクリューボルトガイド筒231は、固定プレート5の4つのスクリューボルト穴51a~51dのうちの2つのスクリューボルト穴51a、51cに対応して設けられているが、3つ又は4つ全部に対応して設けられてもよい。すなわち、スクリューボルトガイド筒231は、スクリューボルトガイド筒231を介して刺入される近位スクリューボルト用のガイドピン33(図13参照)によって、固定プレート5の近位部分の固定位置が確定するように複数設けられていればよい。
【0040】
また、スクリューボルトガイド筒231は、スクリューボルトガイド部材23をガイドプレート241上に配置したときに、固定プレート5の近位スクリューボルトの刺入方向を指し示すように設けられている。スクリューボルトガイド筒231は、例えば、初期状態(回転角度0°)において、HTO支援治具1によって規定される遠位スクリューボルト固定位置に固定プレート5を固定したときに、固定プレート5の近位スクリューボルト穴が向いている方向と同じ方向を向き、スクリューボルトガイド部材23の摺動に伴いヒンジ軸H周りに回転する。
スクリューボルトガイド部材23を摺動させるという極めて簡単な動作により、矯正後(遠位骨片を矯正角度だけ回転させた後)に固定プレート5の近位スクリューボルト穴51a~51dが向くこととなる方向が示されるので、骨切り前に、遠位スクリューボルト固定位置だけでなく近位スクリューボルト固定位置も設定することができる。そして、骨切り前に設定したスクリューボルト固定位置を基準に固定プレートを固定するので、骨切り面に不整合が生じていても術前計画通りに矯正することができる。
【0041】
ガイド部20は、骨切りガイド部材22及びスクリューボルトガイド部材23の回転角を検出する角度検出部(図示略)を有することが好ましい。例えば、骨切りガイド部材22及びスクリューボルトガイド部材23に設けた角度センサーによって自動的に回転角度を検出してもよいし、骨切りガイド部材22及びスクリューボルトガイド部材23とガイドプレート241にそれぞれ目盛りと指示針を設けて指示針の示す角度を読み取るようにしてもよい。また、HTO支援治具1とは別の角度検出用の治具を利用して、骨切りガイド部材22及びスクリューボルトガイド部材23の回転角度を検出するようにしてもよい。
【0042】
以下に、HTO支援治具1を用いて高位脛骨骨切り術を行う場合の術前計画の作成及び実際の施術について説明する。本実施の形態では、2D画像を用いた術前計画の一例について説明する。
【0043】
術前計画では、図5に示すようなテンプレートRが用いられる。例えば、X線フィルムを用いてアナログ的に作図して術前計画を行う場合、フィルム状のテンプレートが用いられる。また例えば、デジタルX線画像を用いてコンピューターの演算により術前計画を行う場合、デジタルテンプレートが用いられる。
【0044】
テンプレートRには、HTO支援治具1の位置及び姿勢を示すレジストレーション情報、HTO支援治具1によって規定される近位骨切り面を示す骨切り面情報及びヒンジ軸Hを示すヒンジ軸情報が描画されている。また、テンプレートRには、固定プレート5の近位スクリューボルト33の固定位置を示す近位スクリューボルト情報、及び遠位スクリューボルト34の固定位置を示す遠位スクリューボルト情報が描画されている。それぞれの情報は、脛骨との位置関係を把握する上で、視覚的に容易に認識できる態様で描画される。また、デジタルテンプレートの場合、レジストレーション情報、骨切り面情報及びヒンジ軸情報は、2次元座標データを有する。
【0045】
図5において、レジストレーション情報は、HTO支援治具1を前側から見た状態をモデル化したレジストレーション画像I1で示されている。レジストレーション画像I1は、例えば、レジストレーションプレート11の脛骨当接面を示すレジストレーションプレート画像I11、係止フック12を示すフック画像I12、リファレンスアンテナ13の先端部131を示すリファレンスアンテナ画像I13、及びガイド部20を示すガイド画像I20等を含む。
なお、レジストレーション情報の表示態様は、図5に示すものに限定されない。すなわち、HTO支援治具1の脛骨に対する設置位置を確定できるように、少なくともレジストレーションプレート11の脛骨当接面及びリファレンスアンテナ13の先端部131を示す情報を含んでいればよく、ガイド画像I20等は省略されてもよい。
【0046】
また、骨切り面情報、近位スクリューボルト情報、及び遠位スクリューボルト情報は、それぞれ、一点鎖線で描画された近位骨切り面画像I2、近位スクリューボルト画像I4、及び遠位スクリューボルト画像I5で示され、ヒンジ軸Hを示す情報は黒丸で描画されたヒンジ軸画像I3で示されている。
【0047】
近位骨切り面画像I2、ヒンジ軸画像I3、近位スクリューボルト画像I4、及び遠位スクリューボルト画像I5は、レジストレーション画像I1に関連付けられている。すなわち、レジストレーション画像I1で示されるHTO支援治具1の位置及び姿勢が変化すると、それに対応して、近位骨切り面画像I2、ヒンジ軸画像I3、近位スクリューボルト画像I4、及び遠位スクリューボルト画像I5の位置及び姿勢も変化する。
【0048】
レジストレーション画像I1において、リファレンスアンテナ画像I13の先端が指し示す上下方向における位置は可変となっている。初期状態において、リファレンスアンテナ画像I13の先端は、例えば、先端を脛骨近位外側関節面に合わせたときの近位骨切り面画像I2が、脛骨近位外側関節面から約40mm遠位側の点を通るように設定されている。
【0049】
また、近位スクリューボルト画像I4は、ヒンジ軸画像I3(術前計画において設定されるヒンジ軸H)を中心に回転可能となっている。初期状態における近位スクリューボルト画像I4は、遠位スクリューボルト画像I5で示される位置に固定プレート5を固定したときの、近位スクリューボルト固定位置P1を示す。この近位スクリューボルト画像I4をヒンジ軸Hの周りに矯正角度θだけ近位側に回転させることにより、近位骨片に対する実際の近位スクリューボルト固定位置P1を獲得することができる。
【0050】
図6は、術前計画の作成方法の一例を示すフローチャートである。図7図11は、術前計画を説明する図である。
なお、図8図11では、骨切り部を拡大して示している。また、テンプレートRのレジストレーション画像I1として、レジストレーションプレート画像I11及びリファレンスアンテナ画像I13だけを示しており、図5におけるフック画像I12及びガイド画像I20は省略している。また、近位骨切り面S1等の骨切りアライメントについて、テンプレートRに描画されている設定前の状態を一点鎖線、設定後の状態を実線で示している。
【0051】
術前計画では、まず、図6のステップS101において、前面(正面)から見た立位下肢全長のX線画像IMGを取得する(図7参照)。
【0052】
次に、ステップS102において、近位骨切り面S1及びヒンジ軸Hを設定する。具体的には、図7に示すように、股関節の大腿骨頭中心Aと足関節中心B1を結ぶ実際の機能軸ML1と、理想的な目標機能軸ML2を作図する。目標機能軸ML2は、例えば、大腿骨頭中心Aと脛骨関節面の内外側方向幅の内側から62.5%の点(目標機能軸通過点)を通るように作図される。図7に示すように、O脚の場合、実際の機能軸ML1は目標機能軸ML2よりも内側になる。
そして、図8に示すように、テンプレートRを至適な位置、すなわち、レジストレーションプレート画像I11の脛骨当接面が脛骨の外側皮質に当接し、かつ、リファレンスアンテナ画像I13の先端が脛骨近位外側関節面のレベルにあうように、X線画像IMGに重ね合わせて配置する。テンプレートRに描画されている近位骨切り面画像I2及びヒンジ軸画像I3によって、術中の近位骨切り面S1及びヒンジ軸Hが設定される(図9参照)。同時に、図8に示す遠位スクリューボルト画像I5に基づいて、遠位スクリューボルト固定位置P2が設定される(図9参照)。
【0053】
次に、ステップS103において、矯正角度θを決定する。矯正角度θは、従来行われている一般的な方法で決定される。すなわち、図7に示すように、ステップS102で設定されたヒンジ軸Hと矯正前の足関節中心B1を結ぶ線分と、ヒンジ軸Hと矯正後の足関節中心B2を結ぶ線分のなす角が矯正角度θとなる。
【0054】
次に、ステップS104において、遠位骨切り面S2を設定する。具体的には、図10に示すように、近位骨切り面S1をヒンジ軸Hの周りに矯正角度θだけ遠位側に回転させ、当該面を遠位骨切り面S2として設定する。
【0055】
次に、ステップS105において、近位スクリューボルト固定位置P1を設定する。具体的には、初期の近位スクリューボルト画像I4(図10参照)をヒンジ軸Hの周りに矯正角度θだけ近位側に回転させる。そして、回転後の近位スクリューボルト画像I4が示す位置を、実際の近位骨片に対する近位スクリューボルト固定位置P1として設定する(図11参照)。
【0056】
このようにして、HTO支援治具1を用いて高位骨切り手術を行う際の術前計画が作成され、骨切りアライメントとして、近位骨切り面S1、ヒンジ軸H、遠位スクリューボルト固定位置P2及び近位スクリューボルト固定位置P1が設定される。
【0057】
なお、ステップS105において設定された近位スクリューボルト固定位置P1が、近位骨片(近位骨切り面S1より近位側の部分)に対して適正な位置となっていない場合(例えば、関節面に近すぎる場合)、設定された骨切りアライメントでは適正に固定プレート5を固定できないことになる。この場合、脛骨に対するHTO支援治具1の上下方向における位置が変化するようにテンプレートRをずらして、近位スクリューボルト固定位置P1が適正位置となるまで、ステップS103~S105の工程を繰り返す。このとき、リファレンスアンテナ画像I13の先端位置を、基準点である脛骨近位外側関節面を指すように調整する。また、術中においては、調整後のリファレンスアンテナ13の長さ(調整値)に基づいて、HTO支援治具1のリファレンスアンテナ13の長さが調整される。
【0058】
デジタルX線画像及びデジタルテンプレートを用いて術前計画を行う場合は、大腿骨頭輪郭点(3点)、脛骨内外側縁点(計2点)、足関節内外側縁点(計2点)をデジタイズし、テンプレートRを至適な位置に配置するだけで、コンピューターの演算により、ステップS102~S105の工程が自動的に行われる。
具体的には、デジタイズされた特徴点を元に、大腿骨頭中心A、目標機能軸通過点、及び矯正前の足関節中心B1の3点が求められ、実際の機能軸ML1、目標機能軸ML2、及び矯正後の足関節中心B2が自動的に計算される。そして、テンプレートRを至適な位置に配置すると、近位骨切り面S1、ヒンジ軸H及び遠位スクリューボルト固定位置P2が自動的に設定される。また、ヒンジ軸Hと矯正前後の足関節中心B1、B2から矯正角度θが自動的に計算され、算出された矯正角度θに基づいて、遠位骨切り面S2及び近位スクリューボルト固定位置P1が自動的に計算され設定される。また、テンプレートRをずらすと、それに応じて、それぞれの骨切りアライメントが自動的に再計算され、設定される。
【0059】
さらに、脛骨の近位骨切り面S1より遠位側の部分をヒンジ軸H周りに回転させ、矯正後の下肢アライメントを確認するとともに、HTO支援治具1に反映されている固定プレート5のモデル画像を重ね合わせて、形状適合性を判断するのがよい。形状適合性が極端に悪い場合は、形状が異なる別のタイプの固定プレートに変更する必要がある。したがって、当該固定プレート用のHTO支援治具1を用いた場合の術前計画を改めて行う。固定プレート5の形状と矯正後のプレート設置部位との形状適合性を含めて術前計画を立てることにより、術中に固定プレート5の形状不適合が判明し、固定プレート5を固定した後に矯正角度が損なわれるのを防止できる。
【0060】
図12図16は、前述の術前計画に従う高位脛骨骨切り術を説明する図である。高位脛骨骨切り術は、術前計画に従ってX線透視下で確認しながら行われる。
【0061】
高位脛骨骨切り術に際し、予備的処理として、HTO支援治具1の状態を術前計画通りに設定する。具体的には、リファレンスアンテナ13の長さを、術前計画通りに調整する。また、骨切りガイド部材22及びスクリューボルトガイド部材23を摺動して、術前計画で設定された位置に固定する。
【0062】
そして、図12に示すように、HTO支援治具1を脛骨の所定部位に設置する。具体的には、レジストレーションプレート11の脛骨当接面が、脛骨骨幹部の外側皮質平面に当接するように配置する。これにより、内外反方向及び内外旋方向の回転、並びに左右方向の並進が規制され、脛骨に対するHTO支援治具1の左右方向における位置が確定する。
また、係止フック12を脛骨稜に係止させる。これにより、前後方向の並進、及び屈伸方向(前後軸周り)の回転が規制され、脛骨に対するHTO支援治具1の前後方向における位置が確定する。
また、リファレンスアンテナ13の先端部131を脛骨近位外側関節面と同一レベルに合わせる。これにより、脛骨に対するHTO支援治具1の上下方向における位置が確定する。
【0063】
このようにして、HTO支援治具1の設置位置が術前計画通りに再現され、HTO支援治具1は安定した姿勢で保持される。HTO支援治具1を用いることにより、術中において、術前計画で設定された骨切りアライメントを規定することができる。
【0064】
具体的には、図13に示すように、脛骨に対してガイドピン31~34を刺入する。近位骨切り用のガイドピン31は、HTO支援治具1の貫通孔21及び骨切りガイド穴111を介して2本刺入され、近位骨切り面S1を形成する際の指標として利用される。遠位骨切り用のガイドピン32は、HTO支援治具1の骨切りガイド筒221及び骨切りガイドスリット112を介して2本刺入され、遠位骨切り面S2を形成する際の指標として利用される。
このように、HTO支援治具1を用いることにより、術前計画通りの近位骨切り面S1及び遠位骨切り面S2を容易に設定することができる。
【0065】
また、近位スクリューボルト用のガイドピン33は、スクリューボルトガイド筒231を介して2本刺入され、近位スクリューボルト52a~52dを固定する際の指標として利用される。遠位スクリューボルト用のガイドピン34は、レジストレーションプレート11の遠位スクリューボルト穴113を介して刺入され、遠位スクリューボルト52e~52hを固定する際の指標として利用される。
このように、HTO支援治具1を用いることにより、固定プレート5の近位スクリューボルト固定位置P1及び遠位スクリューボルト固定位置P2を骨切り前の安定した状態において設定しておくことができる。
【0066】
次に、図14に示すように、HTO支援治具1を取り外し、近位骨切り用のガイドピン31及び遠位骨切り用のガイドピン32を指標として、これらに挟まれたくさび形の部分(図14の斜線部分)を切除する。また、骨切除後、くさびの狭い方(V字の先端)をヒンジ軸Hとして、離れていた近位骨切り面S1と遠位骨切り面S2とが合わさるように遠位骨片を回転させる。これにより、矯正角度θだけ脛骨が外側に曲がり、矯正される。
【0067】
次に、図15に示すように、近位骨片と遠位骨片とに跨るように固定プレート5を配置し、近位スクリューボルト52a~52d及び遠位スクリューボルト52e~52hによって固定する。近位スクリューボルト52a~52d及び遠位スクリューボルト52e~52hは、例えば、中空ボルトで構成されており、ガイドピン33、34に挿通させながら固定することができる。
【0068】
例えば、近位骨片に設定されている近位スクリューボルト用のガイドピン33を指標として固定プレート5の近位部分を先に固定し、その後で、遠位骨片を回転させて矯正し、遠位骨片に設定されている遠位スクリューボルト用のガイドピン34を指標として固定プレート5の遠位部分を固定する。つまり、遠位骨片を回転させて、近位骨切り面S1と遠位骨切り面S2とが合わさるように矯正した後、固定プレート5の固定位置を決定して固定する従来の手技とは異なる。
従来の手技では、骨切り面同士が正確に適合していることを確認してはいるものの、術前計画通りの矯正が獲得されているかどうかの確認は困難である。また、骨切り後に、一方の骨片(例えば、近位骨片)に固定プレートを固定した後、矯正姿勢を確認して、他方の骨片(例えば、遠位骨片)に固定プレートを固定する場合は、先に固定する骨片に対して固定プレートが適正な位置に固定されていないと、他方の骨片に対して固定プレートを適切な位置に固定できない、若しくは矯正不可能となる虞がある。
これに対して、本実施の形態では、近位スクリューボルト固定位置P1及び遠位スクリューボルト固定位置P2が骨切り前に設定されているので、固定プレート5を適正な位置に確実に固定することができ、術前計画通りの矯正を獲得することができる。極端に言えば、術前計画に従って正確に骨切りが行われていなくても、固定プレート5が適切な位置に固定されることによって、術前計画通りの矯正を獲得することができる。施術者の骨切り技術にかかわらず適切な矯正が行われるので、矯正骨切り術の安定性が向上する。
【0069】
このようにして、高位脛骨骨切り術が行われる。本実施の形態では、術前計画において設定された骨切りアライメントは、HTO支援治具1に関連付けられているので、術前計画通りにHTO支援治具1を調整し、設置することにより、術中において術前計画通りの骨切りアライメントが再現される。術中において、脛骨から直接的に目標となる骨切りアライメントを決定することはできないが、本実施の形態では、HTO支援治具1を用いることにより、脛骨に対して術前計画通りの骨切りアライメントを正確に決定することができる。
【0070】
このように、本実施の形態に係るHTO支援治具1(骨切り術支援治具)は、高位脛骨矯正骨切り術(長管骨矯正骨切り術)に用いられる骨切り術支援治具であって、脛骨(長管骨)に対する位置決めを行うためのレジストレーション部10と、術前計画に従う近位骨切り面S1(第1骨切り面)及び遠位骨切り面S2(第2骨切り面)を含む骨切りアライメントを設定するためのガイド部20と、を備える。レジストレーション部10は、脛骨の外側皮質に当接する平坦面を有するレジストレーションプレート11と、脛骨の前側又は後側に係止される係止フック12(係止部)と、上下方向の位置を規定するためのリファレンスアンテナ13と、を有する。ガイド部20は、近位骨切り面S1を設定するための貫通孔21(第1骨切りガイド部)と、近位骨切り面S1上のヒンジ軸Hを中心に回転可能に構成され、遠位骨切り面S2を設定するための骨切りガイド部材22(第2骨切りガイド部)と、を有する。
HTO支援治具1によれば、HTO支援治具1によって骨切りアライメントが規定されるので、HTO支援治具1をモデル化したテンプレートを用いて術前計画を行うとともに、HTO支援治具1を用いて矯正骨切り術を行うことにより、術前計画において設定された骨切りアライメントを、術中に正確に再現させることができる。
【0071】
また、HTO支援治具1において、ガイド部20は、骨切りによって分割される近位骨片及び遠位骨片のうち、近位骨片に固定プレート5の近位スクリューボルト固定位置P1を設定するためのスクリューボルトガイド部材23(近位スクリューボルトガイド部)と、遠位骨片に固定プレート5の遠位スクリューボルト固定位置P2を設定するための遠位スクリューボルト穴113(遠位スクリューボルトガイド部)を有し、スクリューボルトガイド部材23は、ヒンジ軸Hを中心に回転可能に構成されている。
これにより、近位骨片に対する近位スクリューボルト固定位置P1及び遠位骨片に対する遠位スクリューボルト固定位置P2を術前計画において予め確認でき、固定プレート5の固定位置を含めて適切な骨切りアライメントを設定することができる。また、骨切り後に、固定プレート5を適正な位置に確実に固定し、術前計画通りの矯正を獲得することができる。
【0072】
また、HTO支援治具1において、ガイド部20は、レジストレーションプレート11に取り付けられるベース部材24を有し、ベース部材24は、ヒンジ軸Hを中心とする円弧面状のガイドプレート241を有し、骨切りガイド部材22(第2骨切りガイド部)及びスクリューボルトガイド部材23(近位スクリューボルトガイド部)は、ガイドプレート241上を円弧方向に摺動可能に配置されている。
これにより、骨切りガイド部材22及びスクリューボルトガイド部材23を摺動させるという簡単な操作で、術前計画通りの遠位骨切り面S2及び近位スクリューボルト固定位置P2を、術中に再現することができる。
【0073】
また、HTO支援治具1において、ベース部材24は、ガイドプレート241とレジストレーションプレート11を連結する連結部242を有し、貫通孔21(第1骨切りガイド部)は、連結部242に形成されている。
これにより、貫通孔21を介して近位骨切り用のガイドピン31を脛骨に刺入して、容易に近位骨切り面S1を設定することができる。
【0074】
また、HTO支援治具1において、ガイド部20は、骨切りガイド部材22(第2骨切りガイド部)及びスクリューボルトガイド部材23(スクリューボルトガイド部)の回転角を検出する角度検出部を有する。
これにより、骨切りガイド部材22及びスクリューボルトガイド部材23を、矯正角度θに応じた位置に、容易に固定することができる。
【0075】
また、HTO支援治具1において、リファレンスアンテナ13によって規定される上下方向における位置が可変である。
これにより、術前計画において固定プレート5の位置調整、すなわちHTO支援治具1の上下方向の位置調整が行われる場合に容易に対応でき、脛骨に対して術前計画通りにHTO支援治具1を設置することができる。
【0076】
本実施の形態に係る術前計画作成方法(骨切り術支援方法)は、HTO支援治具1を用いて高位脛骨骨切り術を行う際に適用される骨切り術支援方法であって、脛骨(長管骨)のX線画像を取得する第1工程(図6のステップS101)と、HTO支援治具1の位置及び姿勢を示すレジストレーション画像I1(レジストレーション情報)、並びにHTO支援治具1によって規定される近位骨切り面S1(第1骨切り面)を示す近位骨切り面画像I2(骨切り面情報)及びヒンジ軸Hを示すヒンジ軸画像I3(ヒンジ軸情報)が描画されたテンプレートRを、X線画像の至適な位置に重ね合わせる第2工程(ステップS102)と、近位骨切り面画像I2及びヒンジ軸画像I3に基づいて近位骨切り面S1及びヒンジ軸Hを設定する第3工程(ステップS102)と、X線画像から得られる実際の機能軸ML1及び目標機能軸ML2、並びにヒンジ軸Hに基づいて、矯正角度θを求める第3工程(ステップS103)と、近位骨切り面S1をヒンジ軸Hの周りに矯正角度θだけ回転させた遠位骨切り面S2(第2骨切り面)を設定する第5工程(ステップS104)と、を有する。
術前計画作成方法によれば、HTO支援治具1によって骨切りアライメントが規定されるので、HTO支援治具1をモデル化したテンプレートを用いて術前計画を行うとともに、HTO支援治具1を用いて矯正骨切り術を行うことにより、術前計画において設定された骨切りアライメントを、術中に正確に再現させることができる。
【0077】
また、術前計画作成方法は、骨切りによって分割された近位骨片及び遠位骨片に固定プレート5を固定するための近位スクリューボルト固定位置P1及び遠位スクリューボルト固定位置P2を設定する第6工程(ステップS102、S105)を有し、テンプレートRは、近位スクリューボルト固定位置P1を示す近位スクリューボルト画像I4(近位スクリューボルト情報)及び遠位スクリューボルト固定位置P2(遠位スクリューボルト固定位置)を示す遠位スクリューボルト画像I5(遠位スクリューボルト情報)を含み、第6工程は、第2工程後の遠位スクリューボルト画像I5に基づいて遠位スクリューボルト固定位置を設定する工程(ステップS103)と、第3工程後の近位スクリューボルト画像I4に基づいて設定される初期の近位スクリューボルト固定位置を、ヒンジ軸Hの周りに矯正角度θだけ回転させた矯正後の近位スクリューボルト固定位置P1を設定する工程(ステップS105)と、を含む。
これにより、近位骨片に対する近位スクリューボルト固定位置P1及び遠位骨片に対する遠位スクリューボルト固定位置P2を術前計画において予め確認でき、固定プレート5の固定位置を含めて適切な骨切りアライメントを設定することができる。また、骨切り後に、固定プレート5を適正な位置に確実に固定し、術前計画通りの矯正を獲得することができる。
【0078】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0079】
例えば、高位脛骨骨切り術では、矯正により遠位骨片の内旋が予想される場合もあるので、遠位スクリューボルト固定位置P2は、遠位骨片を回転させて矯正した後に最終決定してもよい。この場合も、近位スクリューボルト固定位置P2は目標矯正角度を獲得する上で適正な位置に決定されているので、近位スクリューボルト52a~52dを適正な位置に刺入して固定プレート5の近位部分を固定することができる。また、刺入しておいた遠位スクリューボルト用のガイドピン34は、矯正後のプレート設置状態及び正しい矯正角度を示す指標として利用できる。
【0080】
また、術前計画において取得したX線画像では、必ずしも外側皮質平面(脛骨骨幹部の二峰性形状により近似される平面)が計画プレーンに垂直であるとは限らない。実施の形態では、術前計画において、ヒンジ軸Hは計画プレーンに対して垂直に設定されている。この場合、設定されたヒンジ軸Hと、術中にHTO支援治具1によって設定される術中ヒンジ軸の方向は異なることとなる。したがって、この点を厳密にコントロールするためには、計画プレーンに垂直に設定されたヒンジ軸Hと術中ヒンジ軸のなす角を認識し、術前計画での矯正角度θを達成するための術中矯正角度を予め算出しておく必要がある。
例えば、脛骨、固定プレート5及びHTO支援治具1の3Dモデルを用いて術前計画を行うことにより、正確な術中矯正角度及び至適固定プレート形状と固定プレート設置状態を計画/算出することができる。
【0081】
また、本発明者は、多数の症例を元に、脛骨の前後方向を示す軸(Akagi軸)からみた外側皮質平面のなす角を解析したところ、横断面で評価したときに平均6.4°内旋、全体の80%で10°未満、90%で15°未満であり、平均値6.4°からのばらつきは全症例とも12°未満であるという結果を得た。これより、レジストレーションプレート11を外側皮質平面に当接させたときに、HTO支援治具1によって規定される術中ヒンジ軸が外側皮質平面に対して6.4°程度外旋するようにすれば、全例回旋誤差による矯正角度誤差を1°未満とすることができる。例えば、レジストレーションプレート11の前後方向の厚さを変えることにより、術中ヒンジ軸を、外側皮質平面に対して外旋させることができる。
このように、レジストレーションプレート11の前後方向の厚さを変えた場合は、固定プレート5の遠位部分の前後方向の厚さもレジストレーションプレート11と同様に変えることになる。この場合、固定プレート5自体の剛性が向上し、更なる固定性能の向上も期待される。
【0082】
本発明は、実施の形態で説明した高位脛骨骨切り術だけでなく、大腿骨等の長管骨の矯正骨切り術に適用することができる。
【0083】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0084】
1 HTO支援治具(骨切り術支援治具)
10 レジストレーション部
11 レジストレーションプレート
113 遠位スクリューボルト穴(遠位スクリューボルトガイド部)
12 係止フック(係止部)
13 リファレンスアンテナ
20 ガイド部
21 貫通孔(第1骨切りガイド部)
22 骨切りガイド部材(第2骨切りガイド部)
23 スクリューボルトガイド部材(近位スクリューボルトガイド部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2021-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長管骨矯正骨切り術に用いられる骨切り術支援治具であって、
長管骨に対する位置決めを行うためのレジストレーション部と、
術前計画に従う第1骨切り面及び第2骨切り面を含む骨切りアライメントを設定するためのガイド部と、を備え、
前記レジストレーション部は、
前記長管骨の外側皮質に当接する平坦面を有するレジストレーションプレートと、
前記長管骨の前側又は後側に係止される係止部と、
上下方向の位置を規定するためのリファレンスアンテナと、を有し、
前記ガイド部は、
前記第1骨切り面を設定するための第1骨切りガイド部と、
前記第1骨切り面上のヒンジ軸を中心に回転可能に構成され、前記第2骨切り面を設定するための第2骨切りガイド部と、を有する、
骨切り術支援治具。
【請求項2】
前記長管骨は、脛骨であり、
前記レジストレーションプレートは、前記脛骨の骨幹部に当接し、
前記係止部は、前記脛骨の脛骨稜に係止され、
前記第1骨切りガイド部は、前記第1骨切り面である近位骨切り面を設定し、
前記第2骨切りガイド部は、前記第2骨切り面である遠位骨切り面を設定する、
請求項1に記載の骨切り術支援治具。
【請求項3】
前記ガイド部は、骨切りによって分割される近位骨片及び遠位骨片のうち、前記近位骨片に固定プレートの近位スクリューボルト固定位置を設定するための近位スクリューボルトガイド部と、前記遠位骨片に前記固定プレートの遠位スクリューボルト固定位置を設定するための遠位スクリューボルトガイド部と、を有し、
前記近位スクリューボルトガイド部は、前記ヒンジ軸を中心に回転可能に構成されている、
請求項2に記載の骨切り術支援治具。
【請求項4】
前記ガイド部は、前記レジストレーションプレートに取り付けられるベース部材を有し、
前記ベース部材は、前記ヒンジ軸を中心とする円弧面状のガイドプレートを有し、
前記第2骨切りガイド部及び前記近位スクリューボルトガイド部は、前記ガイドプレート上を円弧方向に摺動可能に配置されている、
請求項3に記載の骨切り術支援治具。
【請求項5】
前記ベース部材は、前記ガイドプレートと前記レジストレーションプレートを連結する連結部を有し、
前記第1骨切りガイド部は、前記連結部に形成された貫通孔で構成されている、
請求項4に記載の骨切り術支援治具。
【請求項6】
前記第2骨切りガイド部及び前記近位スクリューボルトガイド部の回転角を検出する角度検出部を有する、
請求項4又は5に記載の骨切り術支援治具。
【請求項7】
前記リファレンスアンテナによって規定される前記上下方向における位置が可変である、
請求項1から6のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の目的は、術前計画において設定された骨切りアライメントを、術中に正確に再現させることができる骨切り術支援治具を提供することである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】