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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022038673
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20220303BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220303BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220303BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20220303BHJP
   G09G 3/3208 20160101ALI20220303BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20220303BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
G09G3/20 680G
G09F9/30 330
G09F9/00 346D
G09F9/30 338
G09G3/20 680H
G09G3/20 611C
G09G3/36
G09G3/3208
G09G3/20 612A
G02F1/1345
G02F1/133 505
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020143288
(22)【出願日】2020-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笹沼 啓太
(72)【発明者】
【氏名】小日向 直之
【テーマコード(参考)】
2H092
2H193
5C006
5C080
5C094
5C380
5G435
【Fターム(参考)】
2H092GA44
2H092GA45
2H092GA59
2H092GA60
2H092GA64
2H092JA25
2H092NA25
2H193ZA04
2H193ZF01
2H193ZJ11
2H193ZP03
5C006AA22
5C006BB16
5C006BF49
5C006BF50
5C006FA32
5C080AA06
5C080AA10
5C080AA11
5C080AA13
5C080AA17
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD12
5C080FF03
5C080FF11
5C080JJ02
5C080JJ04
5C080JJ06
5C094AA60
5C094BA43
5C094DB01
5C094EA04
5C380AA01
5C380AB06
5C380AB18
5C380AB46
5C380BA09
5C380CE01
5C380CF41
5G435BB12
5G435EE34
(57)【要約】
【課題】 放射ノイズを低減することのできる表示装置及び電子機器を提供する。
【解決手段】 表示装置DSPは、第1電子回路及び第2電子回路を有する表示パネルと、上記第1電子回路に電気的に接続された第1電源線Lp1と、上記第2電子回路に電気的に接続された第2電源線Lp2と、電源回路3と、抵抗R1と、を備える。源回路3は、第1電源線Lp1及び第2電源線Lp2に第1電源電圧Vp1を与える。抵抗R1は、第1電源線Lp1に接続されている。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電子回路と、第2電子回路と、を有する表示パネルと、
前記第1電子回路に電気的に接続された第1電源線と、
前記第2電子回路に電気的に接続された第2電源線と、
前記第1電源線及び前記第2電源線に第1電源電圧を与える電源回路と、を備え、
前記第1電源線に第1電気抵抗が接続されている、
表示装置。
【請求項2】
前記表示パネルに連結された配線基板と、をさらに備え、
前記配線基板は、
前記第1電子回路に電気的に接続された第1リード線と、
前記第1リード線に距離を置いて位置し、前記電源回路に電気的に接続され、前記第1リード線とともに前記第1電源線の一部を構成した第2リード線と、を有し、
前記第1電気抵抗は、ディスクリート抵抗であり、前記配線基板の上に実装され、前記第1リード線と前記第2リード線との間に電気的に接続され、前記第1電源線に直列に接続されている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示パネルは、第1接続配線と、第2接続配線と、をさらに備え、
前記第1接続配線は、前記第1電子回路と前記電源回路との間に電気的に接続され、前記第1電源線の一部を構成し、
前記第2接続配線は、前記第2電子回路と前記電源回路との間に電気的に接続され、前記第2電源線の一部を構成し、
前記第1電気抵抗は、前記表示パネルに設けられ、前記第1接続配線に並列に接続されている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1電気抵抗は、前記第1接続配線の第1接続部において接続された第1端部と、前記第1接続配線の第2接続部において接続された第2端部と、を有し、
前記第1電気抵抗の前記第1端部と前記第2端部との間の電気抵抗値は、前記第1接続配線の前記第1接続部と前記第2接続部との間の電気抵抗値より大きい、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示パネルは、第1接続配線と、第2接続配線と、をさらに備え、
前記第1接続配線は、
前記第1電子回路に電気的に接続された第1配線部と、
前記第1配線部に距離を置いて位置し、前記電源回路に電気的に接続された第2配線部と、を有し、
前記第2接続配線は、前記第2電子回路と前記電源回路との間に電気的に接続され、前記第2電源線の一部を構成し、
前記第1電気抵抗は、前記表示パネルに設けられ、前記第1配線部と前記第2配線部との間に電気的に接続され、前記第1電源線に直列に接続されている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1電気抵抗は、配線であり、
前記第1電気抵抗を形成する材料の電気抵抗値は、前記第1接続配線を形成する材料の電気抵抗値より大きく、かつ、前記第2接続配線を形成する材料の電気抵抗値より大きい、
請求項3乃至5の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1電気抵抗は、配線であり、
平面視にて、前記第1電気抵抗の一部は、前記第1接続配線に距離を置いて位置している、
請求項3乃至5の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示パネルは、
走査線と、
信号線と、
前記走査線及び前記信号線に電気的に接続されたスイッチング素子と、
前記スイッチング素子に電気的に接続された画素電極と、をさらに有し、
前記第1接続配線、前記第2接続配線、及び前記信号線は、同一の材料で形成され、
前記第1電気抵抗及び前記走査線は、同一の材料で形成されている、
請求項6又は7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1電源線及び前記第2電源線は、前記電源回路の同一の第1電源端子に電気的に接続されている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1電子回路に電気的に接続された第3電源線と、
前記第2電子回路に電気的に接続された第4電源線と、
前記第3電源線に接続された第2電気抵抗と、をさらに備え、
前記電源回路は、前記第3電源線及び前記第4電源線に前記第1電源電圧とは異なる第2電源電圧を与える、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第2電源電圧は、前記第1電源電圧より負である、請求項10に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置等の電子機器に対するEMC(Electro-Magnetic Compatibility)規格が厳しくなっている。例えば、表示装置からの放射ノイズ(EMI:Electro-Magnetic Interference)のレベルを低減することが求められている。そこで、液晶表示パネル等の表示パネルにおいて、各種駆動信号、電源等からAM周波数帯域の放射ノイズのレベルが大きくなる問題を解消することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-188949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、放射ノイズを低減することのできる表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る表示装置は、
第1電子回路と、第2電子回路と、を有する表示パネルと、前記第1電子回路に電気的に接続された第1電源線と、前記第2電子回路に電気的に接続された第2電源線と、前記第1電源線及び前記第2電源線に第1電源電圧を与える電源回路と、を備え、前記第1電源線に第1電気抵抗が接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1の実施形態に係る表示装置を示す平面図である。
図2図2は、図1に示した表示パネルを示す回路図である。
図3図3は、上記表示パネルの表示領域を示す断面図である。
図4図4は、上記表示装置を示す回路図である。
図5図5は、上記第1の実施形態及び比較例のそれぞれの駆動信号の電圧波形及び電流波形を示す図である。
図6図6は、上記表示装置の一部を示す平面図であり、抵抗が配線基板の上に実装されている状態を示す図である。
図7図7は、上記表示パネルの非表示領域を示す平面図であり、複数のパッド及び複数の電源線を示す図である。
図8図8は、上記表示パネルの非表示領域を示す平面図であり、複数の回路及び複数の電源線を示す図である。
図9図9は、上記第1の実施形態の第1変形例に係る表示装置の一部を示す平面図であり、上記表示パネルに抵抗が設けられている状態を示す図である。
図10図10は、上記第1変形例に係る表示パネルの一部を示す平面図であり、電源線に抵抗が並列に接続されている状態を示す図である。
図11図11は、上記第1の実施形態の第2変形例に係る表示パネルの一部を示す平面図であり、電源線が分断され、一の抵抗が分断されている状態を示す図である。
図12図12は、上記第1の実施形態の第3変形例に係る表示パネルの一部を示す平面図であり、電源線に抵抗が並列に接続されている状態を示す図である。
図13図13は、第2の実施形態に係る表示装置を示す回路図である。
図14図14は、上記第2の実施形態に係る表示パネルの非表示領域を示す平面図であり、複数のパッド及び複数の電源線を示す図である。
図15図15は、上記第2の実施形態に係る表示パネルの非表示領域を示す平面図であり、複数の回路及び複数の電源線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施形態及び変形例について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。本実施形態においては、表示装置DSPの一例として、液晶表示装置について説明する。なお、本実施形態にて開示する主要な構成は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置等の自発光型の表示装置、電気泳動表示装置等の電子ペーパ型の表示装置、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を応用した表示装置、或いはエレクトロクロミズムを応用した表示装置等にも適用可能である。さらに、本実施形態にて開示する主要な構成は、表示装置に限定されるものではなく、表示装置以外の電子機器にも適用可能である。
【0009】
図1は、本第1の実施形態に係る表示装置DSPを示す平面図である。
図1に示すように、一例では、第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向X及び第2方向Yは、表示装置DSPを構成する基板の主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端に向かう方向を「上」と称し、矢印の先端から逆に向かう方向を「下」と称する。「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよいし、第1部材から離れてもよい。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX-Y平面に向かってみることを平面視という。
【0010】
表示装置DSPは、表示パネルPNLと、ドライバIC1と、配線基板2と、電源回路3と、を備えている。本実施形態において、配線基板2は、フレキシブル回路基板(FPC:flexible printed circuit)である。但し、配線基板2は、プリント回路板(PCB:printed circuit board)であってもよい。
【0011】
表示パネルPNLは、液晶表示パネルであり、第1基板SUB1、第2基板SUB2等を備えている。表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAを囲む額縁状の非表示領域NDAと、を有している。非表示領域NDAは、第1基板SUB1が位置し、第2基板SUB2が位置していない延出領域EAを含んでいる。
【0012】
ドライバIC1は、表示パネルPNL(第1基板SUB1)の延出領域EAに実装されている。配線基板2は、第1基板SUB1の延出領域EAに連結されている。なお、ドライバIC1は、配線基板2に実装されてもよい。ドライバIC1は、画像を表示するのに必要な信号を出力するディスプレイドライバを内蔵している。
【0013】
図2は、図1に示した表示パネルPNLを示す回路図である。
図2に示すように、表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて、複数の画素PXを備えている。複数の画素PXは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置されている。
【0014】
また、表示パネルPNLは、m本の走査線G(G1~Gm)と、n本の信号線S(S1~Sn)と、コモン線CLと、を備えている。なお、m及びnは、それぞれ2以上の整数である。走査線G及び信号線Sは、表示領域DAにて互いに交差している。コモン線CLは非表示領域NDAを延在している。
【0015】
走査線Gは、走査線駆動回路GDに接続されている。信号線Sは、信号線駆動回路SDに接続されている。本実施形態において、信号線駆動回路SDはデマルチプレクサである。コモン線CLは、ドライバIC1に接続されている。ドライバIC1は、タイミングコントローラTに接続されている。タイミングコントローラTは、走査線駆動回路GD及び信号線駆動回路SDに接続されている。
【0016】
走査線G、走査線駆動回路GD、信号線S、信号線駆動回路SD、コモン線CL、及びタイミングコントローラTは、図1に示した第1基板SUB1に形成されている。走査線駆動回路GDの動作に必要な信号は、タイミングコントローラT及び図1に示した電源回路3から供給される。信号線駆動回路SDの動作に必要な信号は、ドライバIC1、タイミングコントローラT、及び電源回路3から供給される。
【0017】
表示パネルPNLは液晶層LCを備えている。各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、例えばTFT(薄膜トランジスタ)によって構成され、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。共通電極CEは、コモン線CLと電気的に接続されている。共通電極CEは、複数の画素PXで共用されている。
【0018】
走査線駆動回路GDは、走査線Gに接続されたスイッチング素子SWの導通状態及び非導通状態を切替える制御信号を走査線Gに出力する。信号線駆動回路SDは、スイッチング素子SWが導通状態の期間に信号線Sに映像信号を出力する。これにより、画素電極PEには、所望の画素電位が書き込まれる。また、ドライバIC1は、コモン線CLにコモン電位を供給する。これにより、共通電極CEは、コモン電位となる。各画素PXにおいて、画素電極PEの各々は、共通電極CEと対向しており、液晶層LCは、画素電極PEの画素電位と共通電極CEのコモン電位との電位差によって生じる電界によって駆動される。保持容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極と、画素電極PEと同電位の電極との間に形成される。
【0019】
図3は、表示パネルPNLの表示領域DAを示す断面図である。なお、図示した例は、横電界を利用する表示モードの一つであるFFS(Fringe Field Switching)モードが適用された例に相当する。なお、表示パネルPNLは、基板主面に沿った横電界を利用する表示モードに対応した構成、基板主面の法線に沿った縦電界を利用する表示モードに対応した構成、基板主面に対して斜め方向に傾斜した傾斜電界を利用する表示モードに対応した構成、及び上記の横電界、縦電界、及び傾斜電界を適宜組み合わせて利用する表示モードに対応した構成の何れを備えてもよい。ここでの基板主面とは、X-Y平面と平行な面である。
【0020】
図3に示すように、第1基板SUB1は、絶縁基板10、絶縁層11乃至15、遮光層US、半導体層SC、走査線G、信号線S、接続電極RE、共通電極CE、画素電極PE、及び配向膜AL1を備えている。絶縁基板10は、ガラス基板や樹脂基板等の透明基板である。遮光層USは、絶縁基板10と絶縁層11との間に位置している。遮光層USは、図示した例では、両ゲート電極に跨って重畳するように形成されているが、ゲート電極毎に距離を置いて設けられてもよい。
【0021】
半導体層SCは、絶縁層11と絶縁層12との間に位置している。半導体層SCは、例えば、多結晶シリコンによって形成されているが、非晶質シリコンや酸化物半導体によって形成されてもよい。走査線Gの一部である2つのゲート電極GEは、絶縁層12と絶縁層13との間に位置している。信号線S及び接続電極REは、絶縁層13と絶縁層14との間に位置している。信号線S及び接続電極REは、それぞれ半導体層SCにコンタクトしている。
【0022】
共通電極CEは、絶縁層14と絶縁層15との間に位置している。画素電極PEは、絶縁層15と配向膜AL1との間に位置している。画素電極PEの一部は、共通電極CEと対向している。共通電極CE及び画素電極PEは、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)、インジウム・ジンク・オキサイド(IZO)等の透明導電材料によって形成されている。画素電極PEは、共通電極CEの開口部APと重畳する位置において、絶縁層14,15を貫通するコンタクトホールCHを通り接続電極REにコンタクトしている。なお、絶縁層11乃至13、及び絶縁層15は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物等の透明な無機絶縁材料で形成された無機絶縁層であり、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。絶縁層14は、アクリル樹脂などの透明な有機絶縁材料で形成された有機絶縁層である。
【0023】
第2基板SUB2は、絶縁基板20、遮光層BM、カラーフィルタ層CF、オーバーコート層OC、及び配向膜AL2を備えている。絶縁基板20は、ガラス基板、樹脂基板等の透明基板である。遮光層BM及びカラーフィルタ層CFは、絶縁基板20とオーバーコート層OCとの間に位置している。配向膜AL2は、オーバーコート層OCを覆っている。
【0024】
液晶層LCは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に位置し、配向膜AL1と配向膜AL2との間に保持されている。液晶層LCは、ポジ型(誘電率異方性が正)の液晶材料、又はネガ型(誘電率異方性が負)の液晶材料によって構成されている。
偏光板PL1を含む光学素子OD1は、第1基板SUB1の下方に配置されている。偏光板PL2を含む光学素子OD2は、第2基板SUB2の上方に配置されている。なお、光学素子OD1及び光学素子OD2は、必要に応じて位相差板、散乱層、反射防止層等を含んでいてもよい。照明装置ILは、光学素子OD1の下方に位置している。
【0025】
本実施形態の表示装置DSPは、第1基板SUB1の下面側からの光を選択的に透過することで画像を表示する透過表示機能を備えた透過型の表示装置である。但し、表示装置DSPは、第2基板SUB2の上面側からの光を選択的に反射することで画像を表示する反射表示機能を備えた反射型の表示装置、及び透過表示機能及び反射表示機能を備えた半透過型の表示装置の何れであってもよい。
【0026】
図4は、表示装置DSPを示す回路図である。
図4に示すように、表示パネルPNL、ドライバIC1、及び配線基板2は電気的に接続されている。配線基板2には、外部から電力Vw及びデータ信号Saが入力される。配線基板2に入力された電力VwはドライバIC1及び電源回路3に与えられ、配線基板2に入力されたデータ信号SaはドライバIC1に与えられる。
【0027】
ドライバIC1は、信号線駆動回路SDに第1出力信号So1を与え、タイミングコントローラTに第2出力信号So2を与える。タイミングコントローラTは、第1回路CK1、第2回路CK2、及び第3回路CK3を備えている。
【0028】
表示装置DSPは、第1電源線Lp1及び第3電源線Lp3をさらに備えている。第1電源線Lp1は電源回路3の第1電源端子3aに電気的に接続され、第3電源線Lp3は電源回路3の第2電源端子3bに電気的に接続されている。電源回路3は、第1電源線Lp1に第1電源電圧Vp1を与え、第3電源線Lp3に第1電源電圧Vp1と異なる第2電源電圧Vp2を与える。第2電源電圧Vp2の電圧レベルは、第1電源電圧Vp1の電圧レベルより負である。本実施形態において、第1電源電圧Vp1はゲートハイ電圧(VGH)であり、第2電源電圧Vp2はゲートロウ電圧(VGL)である。例えば、VGH=+5Vであり、VGL=-5Vである。
【0029】
表示装置DSPは、抵抗R1及び抵抗R2を備えている。抵抗R1は、第1電源線Lp1に接続され、第1電気抵抗として機能している。抵抗R2は、第3電源線Lp3に接続され、第2電気抵抗として機能している。そのため、第1電源電圧Vp1は、抵抗R1で第1電源電圧Vp1aに調整される。第2電源電圧Vp2は、抵抗R2で第2電源電圧Vp2aに調整される。なお、表示装置DSPは、抵抗R1及び抵抗R2のどちらか一方のみを備えていてもよい。
【0030】
走査線駆動回路GD、信号線駆動回路SD、第1回路CK1、第2回路CK2、及び第3回路CK3には、第1電源線Lp1及び第3電源線Lp3が接続されている。走査線駆動回路GD、信号線駆動回路SD、第1回路CK1、第2回路CK2、及び第3回路CK3は、それぞれ、TFT等の能動素子を使用し、第1電子回路として機能している。
【0031】
走査線駆動回路GD、信号線駆動回路SD、第1回路CK1、第2回路CK2、及び第3回路CK3のそれぞれに、第1電源線Lp1を介して第1電源電圧Vp1aが入力され、第3電源線Lp3を介して第2電源電圧Vp2aが入力される。信号線駆動回路SDには、さらにドライバIC1から第1出力信号So1が入力される。
【0032】
第1回路CK1、第2回路CK2、及び第3回路CK3のそれぞれには、さらにドライバIC1から第2出力信号So2が入力される。第1回路CK1及び第2回路CK2は、それぞれ走査線駆動回路GDに電気的に接続され、第3回路CK3は、信号線駆動回路SDに電気的に接続されている。走査線駆動回路GDには、第1回路CK1から第1駆動信号Sd1が入力され、第2回路CK2から第2駆動信号Sd2が入力される。信号線駆動回路SDには、第3回路CK3から第3駆動信号Sd3が入力される。走査線駆動回路GDは、走査線Gに制御信号SGを出力し、信号線駆動回路SDは、信号線Sに映像信号Vsigを出力する。
【0033】
上述したように、第1回路CK1、第2回路CK2、及び第3回路CK3のそれぞれに、第1電源電圧Vp1及び第2電源電圧Vp2ではなく、第1電源電圧Vp1a及び第2電源電圧Vp2aが与えられる。そのため、第1駆動信号Sd1、第2駆動信号Sd2、及び第3駆動信号Sd3は、抵抗調整されている。
【0034】
ここで、上述した複数の駆動信号の代表として、第1駆動信号Sd1に注目する。そして、本実施形態の第1駆動信号Sd1を、比較例の第1駆動信号Sd1と比較しつつ説明する。なお、上記比較例の表示装置DSPは、本実施形態の表示装置DSPと比較し、抵抗R1,R2無しに構成されている点で相違している。図5は、本実施形態及び比較例のそれぞれの駆動信号(第1駆動信号Sd1)の電圧波形及び電流波形を示す図である。
【0035】
図5に示すように、比較例の第1駆動信号Sd1の電圧波形から分かるように、パルスの立ち上がり期間及び立下り期間が短い。これに対し、本実施形態の第1駆動信号Sd1の電圧波形をみると、パルスの立ち上がり期間及び立下り期間が相対的に長くなることが分かる。
【0036】
これにより、第1駆動信号Sd1のピーク電流を、本実施形態と比較例とで異ならせることができる。すなわち、本実施形態の第1駆動信号Sd1の電圧波形の立ち上がり及び立下りを鈍らせることにより、本実施形態の第1駆動信号Sd1のピーク電流を、相対的に抑制することができる。上記のことから、本実施形態では、上記比較例より、表示装置DSPからの放射ノイズ(EMI:Electro-Magnetic Interference)のレベルを低減することができる。
【0037】
なお、上述した第1駆動信号Sd1に関する事項は、第2駆動信号Sd2及び第3駆動信号Sd3に関しても同様である。
【0038】
図6は、表示装置DSPの一部を示す平面図であり、抵抗R1,R2が配線基板2の上に実装されている状態を示す図である。
図6に示すように、配線基板2は、第1リード線Le1、第2リード線Le2、第3リード線Le3、及び第4リード線Le4を備えている。第1リード線Le1及び第2リード線Le2は、第1電源線Lp1の一部を構成している。第3リード線Le3及び第4リード線Le4は、第3電源線Lp3の一部を構成している。
【0039】
第1リード線Le1は、走査線駆動回路GD、信号線駆動回路SD、第1回路CK1、第2回路CK2、及び第3回路CK3のそれぞれに電気的に接続されている。第2リード線Le2は、第1リード線Le1に距離を置いて位置し、電源回路3の第1電源端子3aに電気的に接続されている。
【0040】
第3リード線Le3は、走査線駆動回路GD、信号線駆動回路SD、第1回路CK1、第2回路CK2、及び第3回路CK3のそれぞれに電気的に接続されている。第4リード線Le4は、第1リード線Le1、第2リード線Le2、及び第3リード線Le3に距離を置いて位置し、電源回路3の第2電源端子3bに電気的に接続されている。
【0041】
抵抗R1は、ディスクリート抵抗であり、配線基板2の上に実装されている。抵抗R1は、第1リード線Le1と第2リード線Le2との間に電気的に接続され、第1電源線Lp1に直列に接続されている。
同様に、抵抗R2は、ディスクリート抵抗であり、配線基板2の上に実装されている。抵抗R2は、第3リード線Le3と第4リード線Le4との間に電気的に接続され、第3電源線Lp3に直列に接続されている。
【0042】
抵抗Rがディスクリート抵抗であると、放射ノイズのレベルを評価する際に、電気抵抗値の異なる複数種類の抵抗Rを付け替えることができ、電気抵抗値を所望の値に調整できると言う利点がある。量産時には、狙いの電気抵抗値の抵抗Rを実装すればよい。また、抵抗Rの電気抵抗値を広範囲に調整可能であり、同一種類の抵抗R間で電気抵抗値のばらつきが比較的小さいと言う利点もある。
【0043】
図7は、表示パネルPNLの非表示領域NDAを示す平面図であり、複数のパッドp及び複数の電源線Lpを示す図である。図中、電源線Lpには斜線を付している。
図7に示すように、表示パネルPNL(第1基板SUB1)は、第1接続配線Lw1及び第3接続配線Lw3を備えている。
【0044】
図4図6、及び図7に示すように、第1接続配線Lw1は、第1電源線Lp1の一部を構成し、回路群(走査線駆動回路GD、信号線駆動回路SD、第1回路CK1、第2回路CK2、及び第3回路CK3)と、電源回路3の第1電源端子3aとの間に電気的に接続されている。第3接続配線Lw3は、第3電源線Lp3の一部を構成し、回路群(走査線駆動回路GD、信号線駆動回路SD、第1回路CK1、第2回路CK2、及び第3回路CK3)と、電源回路3の第2電源端子3bとの間に電気的に接続されている。
【0045】
第1基板SUB1の延出領域EAには、OLB(outer lead bonding)の複数のパッドpが並べられている。複数のパッドpのうち、パッドp1及びパッドp2に第1接続配線Lw1が接続され、パッドp3及びパッドp4に第3接続配線Lw3が接続されている。
【0046】
配線基板2と表示パネルPNL(第1基板SUB1)との接続には、例えば、ACF(異方性導電フィルム)を利用した熱圧着法が用いられる。この方法により、第1基板SUB1の複数のパッドpと、配線基板2の複数のパッドとの電気的接続が確保される。第1接続配線Lw1は、パッドp1,p2を介して配線基板2の第1リード線Le1に電気的に接続されている。第3接続配線Lw3は、パッドp3,p4を介して配線基板2の第3リード線Le3に電気的に接続されている。
【0047】
図8は、表示パネルPNLの非表示領域NDAを示す平面図であり、複数の回路CK及び複数の電源線Lpを示す図である。
図8に示すように、第1回路CK1、第2回路CK2、及び第3回路CK3は、第1基板SUB1の非表示領域NDAに位置している。第1接続配線Lw1及び第3接続配線Lw3は、非表示領域NDAを延在している。第1接続配線Lw1は、複数の分岐線Lb1,Lb2,Lb3を有している。第3接続配線Lw3は、複数の分岐線Lr1,Lr2,Lr3を有している。
【0048】
分岐線Lb1,Lr1は、第1回路CK1に向かって延在し、第1回路CK1に電気的に接続されている。分岐線Lb2,Lr2は、第2回路CK2に向かって延在し、第2回路CK2に電気的に接続されている。分岐線Lb3,Lr3は、第3回路CK3に向かって延在し、第3回路CK3に電気的に接続されている。
【0049】
図4及び図8に示すように、各々の回路CKには、第1電源電圧Vp1a及び第2電源電圧Vp2aが入力される。各々の回路CKに、第1電源電圧Vp1及び第1電源電圧Vp1aの両方は入力されない。同様に、各々の回路CKに、第2電源電圧Vp2及び第2電源電圧Vp2aの両方は入力されない。
【0050】
上記のように構成された第1の実施形態に係る表示装置DSPによれば、表示装置DSPは、抵抗R1,R2を備えている。表示パネルPNLからの放射ノイズ(EMI)のレベルの低減を目的として、表示パネルPNL内の信号生成回路の電源パスに抵抗R1,R2を接続している。生成する駆動信号Sdの波形を鈍らせることができるため、ピーク電流を抑制することができ、放射ノイズの低減を図ることができる。
【0051】
配線基板2の上に抵抗R1,R2を実装することで、表示装置DSPに抵抗R1,R2を付加することができる。要求されるEMIのレベルに応じて抵抗定数をフレキシブルに変更することができる。そのため、波形鈍りによる画質背反を考慮して適切に抵抗値を調整することができる。
上記のことから、放射ノイズを低減することのできる表示装置DSPを得ることができる。
【0052】
(第1の実施形態の第1変形例)
次に、上記第1の実施形態の第1変形例について説明する。表示装置DSPは、本第1変形例で説明する構成以外、上記第1の実施形態と同様に構成されている。図9は、本第1変形例に係る表示装置DSPの一部を示す平面図であり、表示パネルPNLに抵抗Rが設けられている状態を示す図である。
【0053】
図9に示すように、表示装置DSPは、抵抗R1の替わりに抵抗R1a,R1bを備え、抵抗R2の替わりに抵抗R2a,R2bを備えている。本第1変形例において、抵抗R1a,R1b,R2a,R2bは、表示パネルPNL(第1基板SUB1)に設けられている。抵抗R1a,R1bは、非表示領域NDAに位置し、第1接続配線Lw1に並列に接続されている。抵抗R2a,R2bは、非表示領域NDAに位置し、第3接続配線Lw3に並列に接続されている。
【0054】
抵抗R1a,R1bは、それぞれ第1電気抵抗として機能している。抵抗R2a,R2bは、それぞれ第2電気抵抗として機能している。なお、第1接続配線Lw1及び第3接続配線Lw3のそれぞれに接続する抵抗の個数は2個に限定されるものではなく、1個又は3個以上でもよい。
配線基板2において、第1リード線Le1及び第2リード線Le2は、連続し、電気的に接続されている。また、第3リード線Le3及び第4リード線Le4は、連続し、電気的に接続されている。
【0055】
ここで、2本の接続配線Lwの代表として、第1接続配線Lw1に注目する。そして、第1接続配線Lw1を、抵抗R1a,R1bと併せて説明する。なお、第1接続配線Lw1及び抵抗R1a,R1bに関する事項は、第3接続配線Lw3及び抵抗R2a,R2bに関しても同様である。図10は、本第1変形例に係る表示パネルPNLの一部を示す平面図であり、第1電源線Lp1の第1接続配線Lw1に抵抗R1a,R1bが並列に接続されている状態を示す図である。
【0056】
図10に示すように、抵抗R1aは、第1端部E1と、第2端部E2と、を有している。第1端部E1は、第1接続部A1で第1接続配線Lw1に接続されている。第2端部E2は、第2接続部A2で第1接続配線Lw1に接続されている。抵抗R1aの第1端部E1と第2端部E2との間の電気抵抗値は、第1接続配線Lw1の第1接続部A1と第2接続部A2との間の電気抵抗値より大きい。
【0057】
抵抗R1bは、第3端部E3と、第4端部E4と、を有している。第3端部E3は、第3接続部A3で第1接続配線Lw1に接続されている。第4端部E4は、第4接続部A4で第1接続配線Lw1に接続されている。抵抗R1bの第3端部E3と第4端部E4との間の電気抵抗値は、第1接続配線Lw1の第3接続部A3と第4接続部A4との間の電気抵抗値より大きい。
【0058】
本第1変形例において、抵抗Rは配線である。抵抗R1a,R1bを形成する材料の電気抵抗値は、第1接続配線Lw1を形成する材料の電気抵抗値より大きい。
図3及び図10に示すように、第1接続配線Lw1及び信号線Sは、同一の材料で形成され、絶縁層13と絶縁層14との間に位置している。抵抗R1a,R1b及び走査線Gは、同一の材料で形成され、絶縁層12と絶縁層13との間に位置している。
【0059】
例えば、抵抗R1a,R1b及び走査線Gは、Mo、MoW(モリブデン・タングステン)等のMoを含む合金で形成されている。第1接続配線Lw1及び信号線Sは、それぞれ三層積層構造(Ti系/Al系/Ti系)が採用され、Ti(チタン)、Tiを含む合金などTiを主成分とする金属材料からなる下層と、Al(アルミニウム)、Alを含む合金などAlを主成分とする金属材料からなる中間層と、Ti、Tiを含む合金などTiを主成分とする金属材料からなる上層と、を有している。
【0060】
本第1変形例のように、抵抗Rは表示パネルPNL(第1基板SUB1)に設けられてもよい。上記第1変形例においても、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。本第1変形例では、後述する図11に示す配線パターンと異なり、接続配線Lw及び抵抗Rは分断されていなくともよい。
【0061】
(第1の実施形態の第2変形例)
次に、上記第1の実施形態の第2変形例について説明する。表示装置DSPは、本第2変形例で説明する構成以外、上記第1変形例と同様に構成されている。図11は、本第2変形例に係る表示パネルPNLの一部を示す平面図であり、第1電源線Lp1の第1接続配線Lw1が分断され、抵抗R1bが分断されている状態を示す図である。
【0062】
図10に示すように、平面視にて、抵抗R1aの一部は第1接続配線Lw1に距離を置いて位置し、抵抗R1bの一部は第1接続配線Lw1に距離を置いて位置している。そのため、第1接続配線Lw1、抵抗R1a、及び抵抗R1bの一以上にレーザ光を照射し、第1接続配線Lw1、抵抗R1a、及び抵抗R1bの一以上を分断することができる。そして、対象の配線にレーザ光を照射しても、周囲の配線に悪影響が及ぶことの無いようにすることができる。
【0063】
図9及び図11に示すように、第1接続配線Lw1は、第1配線部W1と、第2配線部W2と、を有している。第1配線部W1は、走査線駆動回路GD、信号線駆動回路SD、第1回路CK1、第2回路CK2、及び第3回路CK3に電気的に接続されている。第2配線部W2は、第1配線部W1に距離を置いて位置し、電源回路3に電気的に接続されている。
第1接続部A1と第2接続部A2との間において、第1接続配線Lw1は分断されている。なお、抵抗R1aは分断されていない。つまり、第1接続部A1で抵抗R1aと接続している側が第1配線部W1であり、第2接続部A2で抵抗R1aと接続している側が第2配線部W2である。
【0064】
抵抗R1aは、第1配線部W1と第2配線部W2との間に電気的に接続され、第1電源線Lp1(第1接続配線Lw1)に直列に接続されている。そのため、第1接続部A1と第2接続部A2との間は、抵抗R1aを介して電気的に接続されている。
【0065】
抵抗R1bは、分断されている。第3接続部A3と第4接続部A4との間において、第2配線部W2は分断されていない。第3接続部A3と第4接続部A4とは、抵抗R1bを介して接続されておらず、第1接続配線Lw1の第2配線部W2を介して接続されている。
【0066】
本第2変形例において、図11に示す配線パターンを形成するため、まず図10に示した第1接続配線Lw1及び抵抗R1a,R1bを形成し、その後、第1接続配線Lw1の第1接続部A1と第2接続部A2との間、及び抵抗R1bにそれぞれレーザ光を照射する。
但し、レーザを用いること無しに、図11に示す配線パターンを形成してもよい。例えば、フォトマスクを調整することで、予め第1配線部W1と第2配線部W2との2つに分割された第1接続配線Lw1を形成したり、予め分断された抵抗R1bを形成したり、してもよい。又は、予め抵抗R1b無しに第1基板SUB1を形成してもよい。
【0067】
抵抗Rを表示パネルPNL(第1基板SUB1)に設けることができるため、放射ノイズ(EMI)のレベルを評価する際、対象の配線にレーザ光を照射することで、抵抗調整を行うことができる。放射ノイズのレベルを評価する際にレーザ光の照射により抵抗調整を行い、量産時にフォトマスクの調整により抵抗調整を行うことができる。表示パネルPNL(第1基板SUB1)の上に抵抗を実装しなくともよいため、実装部品の数の増大を招くこと無しに、電源回路3と第1電子回路との間の電気抵抗値を調整できると言う利点がある。
【0068】
なお、第1接続部A1と第2接続部A2との間において、第1接続配線Lw1は分断されていなくともよい。その場合、抵抗R1aは、分断されている。
また、第3接続部A3と第4接続部A4との間において、第1接続配線Lw1は分断されてもよい。その場合、抵抗R1bは分断されていない。
本第2変形例において、第1接続配線Lw1及び抵抗R1a,R1bに注目したが、これらに関する事項は第3接続配線Lw3及び抵抗R2a,R2bに関しても同様である。
【0069】
(第1の実施形態の第3変形例)
次に、上記第1の実施形態の第3変形例について説明する。表示装置DSPは、本第3変形例で説明する構成以外、上記第1変形例と同様に構成されている。図12は、本第3変形例に係る表示パネルPNLの一部を示す平面図であり、第1電源線Lp1の第1接続配線Lw1に抵抗R1a,R1bが並列に接続されている状態を示す図である。
【0070】
図12に示すように、抵抗R1aの第1端部E1と第2端部E2との間の電気抵抗値を相対的に大きくしたり、抵抗R1bの第3端部E3と第4端部E4との間の電気抵抗値を相対的に大きくしたり、する手段は種々変形可能である。例えば、各々の抵抗R1a,R1b(配線)を蛇行させる等しては、抵抗R1a,R1bを、一層、長くしてもよい。例えば、抵抗R1aの第1端部E1と第2端部E2との間の長さは、第1接続配線Lw1の第1接続部A1と第2接続部A2との間の長さの2倍以上としてもよい。
【0071】
上記の場合、第1接続配線Lw1と、抵抗R1a,R1bとは、同一の導電材料で形成されてもよい。抵抗R1aの第1端部E1と第2端部E2との間の電気抵抗値を、第1接続配線Lw1の第1接続部A1と第2接続部A2との間の電気抵抗値より大きくすることができる。
本第3変形例において、第1接続配線Lw1及び抵抗R1a,R1bに注目したが、これらに関する事項は第3接続配線Lw3及び抵抗R2a,R2bに関しても同様である。
【0072】
(第2の実施形態)
次に、本第2の実施形態について説明する。表示装置DSPは、本第2の実施形態で説明する構成以外、上記第1の実施形態と同様に構成されている。図13は、本第2の実施形態に係る表示装置DSPを示す回路図である。
【0073】
図13に示すように、第1回路CK1は第1電子回路として機能し、走査線駆動回路GD、信号線駆動回路SD、第2回路CK2、及び第3回路CK3は、それぞれ第2電子回路として機能している。表示装置DSPは、第2電源線Lp2及び第4電源線Lp4をさらに備えている。第1電源線Lp1及び第2電源線Lp2は、電源回路3の同一の第1電源端子3aに電気的に接続されている。第3電源線Lp3及び第4電源線Lp4は、電源回路3の同一の第2電源端子3bに電気的に接続されている。電源回路3は、第1電源線Lp1及び第2電源線Lp2に第1電源電圧Vp1を与え、第3電源線Lp3及び第4電源線Lp4に第2電源電圧Vp2を与える。
【0074】
第1回路CK1には、第1電源線Lp1及び第3電源線Lp3が接続されている。
第1回路CK1に、第1電源線Lp1を介して第1電源電圧Vp1aが入力され、第3電源線Lp3を介して第2電源電圧Vp2aが入力される。
走査線駆動回路GD、信号線駆動回路SD、第2回路CK2、及び第3回路CK3には、第2電源線Lp2及び第4電源線Lp4が接続されている。走査線駆動回路GD、信号線駆動回路SD、第2回路CK2、及び第3回路CK3に、第2電源線Lp2を介して第1電源電圧Vp1が入力され、第4電源線Lp4を介して第2電源電圧Vp2が入力される。
【0075】
上述したように、第2回路CK2、及び第3回路CK3のそれぞれに、第1電源電圧Vp1及び第2電源電圧Vp2が与えられる。第1回路CK1に、第1電源電圧Vp1及び第2電源電圧Vp2ではなく、第1電源電圧Vp1a及び第2電源電圧Vp2aが与えられる。そのため、第1駆動信号Sd1は、抵抗調整されている。
【0076】
電源電圧Vpは回路の全てのブロックに影響する。そのため、各々の回路に、第1電源電圧Vp1及び第1電源電圧Vp1aの両方を与え、第2電源電圧Vp2及び第2電源電圧Vp2aの両方を与えても、ブロック毎の抵抗調整は困難である。なぜなら、第1電源線Lp1の根本に抵抗R1が追加され、第3電源線Lp3の根本に抵抗R2が追加されているためである。
【0077】
本第2の実施形態において、第1駆動信号Sd1の波形は、図5に示した上記第1の実施形態の波形と同様であり、第2駆動信号Sd2及び第3駆動信号Sd3のそれぞれ波形は、図5に示した上記比較例の波形と同様である。
【0078】
第1回路CK1は、抵抗調整された第1駆動信号Sd1を出力することができ、放射ノイズの低減に寄与することができる。第2回路CK2は抵抗調整されていない第2駆動信号Sd2を出力し、第3回路CK3は抵抗調整されていない第3駆動信号Sd3を出力している。上記のように、走査線駆動回路GD及び信号線駆動回路SDに、抵抗調整されていない第2駆動信号Sd2及び第3駆動信号Sd3を与えた方が望ましい場合がある。これにより、走査線駆動回路GD及び信号線駆動回路SDを良好に駆動することができる。
【0079】
図14は、表示パネルPNLの非表示領域NDAを示す平面図であり、複数のパッドp及び複数の電源線Lpを示す図である。図中、第1電源線Lp1及び第3電源線Lp3には斜線を付し、第2電源線Lp2及び第4電源線Lp4にはドットパターンを付している。
図14に示すように、表示パネルPNL(第1基板SUB1)は、第2接続配線Lw2及び第4接続配線Lw4をさらに備えている。
【0080】
図13及び図14に示すように、第1電源線Lp1の一部を構成する第1接続配線Lw1と、第3電源線Lp3の一部を構成する第3接続配線Lw3とは、第3回路CK3に電気的に接続されている。第2接続配線Lw2は、第2電源線Lp2の一部を構成し、回路群(走査線駆動回路GD、信号線駆動回路SD、第2回路CK2、及び第3回路CK3)に電気的に接続されている。第4接続配線Lw4は、第4電源線Lp4の一部を構成し、回路群(走査線駆動回路GD、信号線駆動回路SD、第2回路CK2、及び第3回路CK3)に電気的に接続されている。
【0081】
複数のパッドpのうち、パッドp1及びパッドp2に第2接続配線Lw2が接続され、
パッドp3及びパッドp4に第4接続配線Lw4が接続され、パッドp5に第1接続配線Lw1が接続され、パッドp6に第3接続配線Lw3が接続されている。第1電源電圧Vp1及び第2電源電圧Vp2は、2つのパッドpを介して接続配線Lwに与えられるのに対し、第1電源電圧Vp1a及び第2電源電圧Vp2aは、1つのパッドpを介して接続配線Lwに与えられる。接続配線Lwに接続されるパッドpの個数を調整することでも、抵抗調整することが可能である。
図3及び図14に示すように、本第2の実施形態において、第1乃至第4接続配線Lw1乃至Lw4、及び信号線Sは、同一の材料で形成され、絶縁層13と絶縁層14との間に位置している。なお、抵抗R1,R2及び走査線Gは、同一の材料で形成され、絶縁層12と絶縁層13との間に位置している。
【0082】
図15は、表示パネルPNLの非表示領域NDAを示す平面図であり、複数の回路CK及び複数の電源線Lpを示す図である。
図15に示すように、第1乃至第4接続配線Lw1乃至Lw4は、非表示領域NDAを延在している。第2接続配線Lw2は、複数の分岐線Lb2,Lb3を有している。第4接続配線Lw4は、複数の分岐線Lr2,Lr3を有している。分岐線Lb2,Lr2は、第2回路CK2に向かって延在し、第2回路CK2に電気的に接続されている。分岐線Lb3,Lr3は、第3回路CK3に向かって延在し、第3回路CK3に電気的に接続されている。
【0083】
第1接続配線Lw1は、第2接続配線Lw2と第4接続配線Lw4との間を延在し、第1接続配線Lw1の端部は第1回路CK1に向かって延在している。第3接続配線Lw3は、第1接続配線Lw1と第4接続配線Lw4との間を延在し、第3接続配線Lw3の端部は第1回路CK1に向かって延在している。第1接続配線Lw1及び第3接続配線Lw3は、第1回路CK1に電気的に接続されている。
【0084】
上記のように構成された第2の実施形態に係る表示装置DSPによれば、表示装置DSPは、抵抗R1,R2を備えている。生成する第1駆動信号Sd1の波形を鈍らせることができるため、ピーク電流を抑制することができる。本第2の実施形態においても、放射ノイズを低減することのできる表示装置DSPを得ることができる。
【0085】
予め所望の電源パスのみ抵抗調整できるよう、表示パネルPNL内の電源ラインを分離させている。抵抗大の電源ラインのみではないため、回路が誤動作するリスクを回避することができる。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0087】
例えば、走査線駆動回路GDは、表示領域DAより右側に位置してもよい。又は、表示装置DSPは、表示領域DAより右側に別の走査線駆動回路GDをさらに備えてもよい。信号線駆動回路SDは、表示領域DAより上側に位置してもよい。又は、表示装置DSPは、表示領域DAより上側に別の信号線駆動回路SDをさらに備えてもよい。
【0088】
第1基板SUB1の延出領域EAに、ドライバIC1を含む複数のICが実装されてもよい。その場合、ICに、走査線駆動回路GDの機能を持たせたり、信号線駆動回路SDの機能を持たせたり、してもよい。IC(例えば、ドライバIC1)は、表示パネルPNL(第1基板SUB1)の上ではなく、配線基板2の上に実装されてもよい。
【符号の説明】
【0089】
DSP…表示装置、PNL…表示パネル、SUB1…第1基板、SUB2…第2基板、
LC…液晶層、10,20…絶縁基板、11~15…絶縁層、G…走査線、S…信号線、
SW…スイッチング素子、PE…画素電極、PX…画素、GD…走査線駆動回路、
SD…信号線駆動回路、CK1…第1回路、CK2…第2回路、CK3…第3回路、
T…タイミングコントローラ、1…ドライバIC、2…配線基板、3…電源回路、
3a…第1電源端子、3b…第2電源端子、E1…第1端部、E2…第2端部、
E3…第3端部、E4…第4端部、R1,R1a,R1b,2,2a,2b…抵抗、
Lp1…第1電源線、Lp2…第2電源線、Lp3…第3電源線、Lp4…第4電源線、
Le1…第1リード線、Le2…第2リード線、Le3…第3リード線、
Le4…第4リード線、Lw1…第1接続配線、Lw2…第2接続配線、
Lw3…第3接続配線、Lw4…第4接続配線、A1…第1接続部、A2…第2接続部、
A3…第3接続部、A4…第4接続部、W1…第1配線部、W2…第2配線部、
p,p1,p2,p3,p4,p5,p6…パッド、Vp1,Vp1a…第1電源電圧、
Vp2,Vp2a…第2電源電圧、Sd1…第1駆動信号、Sd2…第2駆動信号、
Sd3…第3駆動信号、SG…制御信号、Vsig…映像信号、DA…表示領域、
NDA…非表示領域、EA…延出領域、X…第1方向、Y…第2方向、Z…第3方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15