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特開2022-38874廃棄物混合投入装置及び廃棄物混合投入方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022038874
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】廃棄物混合投入装置及び廃棄物混合投入方法
(51)【国際特許分類】
   F23G 5/44 20060101AFI20220303BHJP
【FI】
F23G5/44 B ZAB
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020143575
(22)【出願日】2020-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】593052084
【氏名又は名称】株式会社クレハ環境
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100131705
【弁理士】
【氏名又は名称】新山 雄一
(72)【発明者】
【氏名】宮田 治男
(72)【発明者】
【氏名】箱崎 忍
【テーマコード(参考)】
3K065
【Fターム(参考)】
3K065AA24
3K065AB01
3K065AC01
3K065BA06
3K065EA04
3K065EA29
(57)【要約】
【課題】廃棄物処理システムにおいて安定的に熱エネルギを回収させることのできる廃棄物混合投入装置及び廃棄物混合投入方法を提供する。
【解決手段】翌週の7日間に搬入される予定の廃棄物の搬入時間、廃棄物の量及び質に関する情報である廃棄物搬入予定情報を取得し、取得した廃棄物搬入予定情報に基づいて、翌週の7日間に搬入される廃棄物の燃焼時に発生する熱量である総熱量を取得し、取得した搬入予定情報及び総熱量に基づいて、翌週の7日間に搬入される予定の廃棄物の単位量当たりの平均の熱量である平均発熱量を取得し、取得した廃棄物搬入予定情報及び平均発熱量に基づいて、1日間における廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の量及び質を取得する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物を貯留するピットと、前記ピットに貯留された廃棄物を焼却する焼却炉と、を有し、前記焼却炉において廃棄物を焼却する際に発生する熱エネルギを回収する廃棄物処理システムの前記ピットに対して廃棄物を混合して投入する廃棄物混合投入装置であって、
第1所定期間に搬入される予定の廃棄物の搬入時間に関する情報、及び、搬入される予定の廃棄物の量及び質に関する情報である廃棄物搬入予定情報を取得する廃棄物搬入予定情報取得部と、
前記廃棄物搬入予定情報取得部において取得した前記廃棄物搬入予定情報に基づいて、前記第1所定期間に搬入される予定の廃棄物の燃焼時に発生する熱量である総熱量を取得する総熱量取得部と、
前記廃棄物搬入予定情報取得部において取得した前記廃棄物搬入予定情報、及び、前記総熱量取得部において取得した前記総熱量に基づいて、前記第1所定期間に搬入される予定の廃棄物の単位量当たりの熱量の平均値である平均発熱量を取得する平均発熱量取得部と、
前記廃棄物搬入予定情報取得部において取得した前記廃棄物搬入予定情報、及び、前記平均発熱量取得部において取得した前記平均発熱量に基づいて、前記第1所定期間よりも短い第2所定期間に前記ピットに投入する廃棄物の量及び質を取得する投入内容取得部と、
搬入された廃棄物を分類して受容する廃棄物分類受容部と、
前記廃棄物分類受容部から、前記投入内容取得部において取得した量及び質の廃棄物を前記ピットに投入する投入部と、を備えた
廃棄物混合投入装置。
【請求項2】
前記廃棄物搬入予定情報取得部において取得した前記廃棄物搬入予定情報に基づいて、前記第1所定期間に搬入される廃棄物に含まれる所定の物質の量である所定物質総含有量を取得する所定物質総含有量取得部と、
前記廃棄物搬入予定情報取得部において取得した前記廃棄物搬入予定情報、及び、前記所定物質総含有量取得部において取得した前記所定物質総含有量に基づいて、前記第1所定期間に搬入される予定の廃棄物の単位量当たりの所定の物質の含有量の平均値である所定物質平均含有量を取得する所定物質平均含有量取得部と、を備え、
前記投入内容取得部は、前記廃棄物搬入予定情報取得部において取得した前記廃棄物搬入予定情報、前記平均発熱量取得部において取得した前記平均発熱量、及び、前記所定物質平均含有量取得部において取得した前記所定物質平均含有量に基づいて、前記第2所定期間に前記ピットに投入する廃棄物の量及び質を取得する
請求項1に記載の廃棄物混合投入装置。
【請求項3】
前記投入内容取得部は、前記廃棄物搬入予定情報取得部において取得した前記廃棄物搬入予定情報、前記平均発熱量取得部において取得した前記平均発熱量、及び、前記所定物質平均含有量取得部において取得した前記所定物質平均含有量に基づいて、前記第2所定期間よりも短い第3所定期間に前記ピットに投入する廃棄物の量及び質を取得する
請求項2に記載の廃棄物混合投入装置。
【請求項4】
前記第1所定期間は、7日であり、
前記第2所定期間は、1日であり、
前記第3所定期間は、1時間である
請求項3に記載の廃棄物混合投入装置。
【請求項5】
前記所定の物質は、塩化物である
請求項2乃至4のいずれかに記載の廃棄物混合投入装置。
【請求項6】
前記総熱量取得部において取得した前記総熱量が、前記第1所定期間において最低限必要な熱量である最低熱量よりも小さい場合に、不足する熱量である不足熱量を取得する不足熱量取得部と、
前記不足熱量取得部において取得した前記不足熱量に基づいて、補助燃焼材料を付加する補助燃焼材料付加部と、を備えた
請求項1乃至5のいずれかに記載の廃棄物混合投入装置。
【請求項7】
廃棄物を貯留するピットと、前記ピットに貯留された廃棄物を焼却する焼却炉と、を有し、前記焼却炉において廃棄物を焼却する際に発生する熱エネルギを回収する廃棄物処理システムの前記ピットに対して廃棄物を混合して投入する廃棄物混合投入方法であって、
第1所定期間に搬入される予定の廃棄物の搬入時間に関する情報、及び、搬入される予定の廃棄物の量及び質に関する情報である廃棄物搬入予定情報を取得する廃棄物搬入予定情報取得工程と、
前記廃棄物搬入予定情報取得工程において取得した前記廃棄物搬入予定情報に基づいて、前記第1所定期間に搬入される予定の廃棄物の燃焼時に発生する熱量である総熱量を取得する総熱量取得工程と、
前記廃棄物搬入予定情報取得工程において取得した前記廃棄物搬入予定情報、及び、前記総熱量取得工程において取得した前記総熱量に基づいて、前記第1所定期間に搬入される予定の廃棄物の単位量当たりの熱量の平均値である平均発熱量を取得する平均発熱量取得工程と、
前記廃棄物搬入予定情報取得工程において取得した前記廃棄物搬入予定情報、及び、前記平均発熱量取得工程において取得した前記平均発熱量に基づいて、前記第1所定期間よりも短い第2所定期間に前記ピットに投入する廃棄物の量及び質を取得する投入内容取得工程と、
搬入された廃棄物を分類する廃棄物分類工程と、
前記廃棄物分類工程において分類した廃棄物から、前記投入内容取得工程において取得した量及び質の廃棄物を前記ピットに投入する投入工程と、を備えた
廃棄物混合投入方法。
【請求項8】
前記廃棄物搬入予定情報取得工程において取得した前記廃棄物搬入予定情報に基づいて、前記第1所定期間に搬入される廃棄物に含まれる所定の物質の量である所定物質総含有量を取得する所定物質総含有量取得工程と、
前記所定物質総含有量取得工程において取得した前記所定物質総含有量に基づいて、前記第1所定期間に搬入される予定の廃棄物の単位量当たりの所定の物質の含有量の平均値である所定物質平均含有量を取得する所定物質平均含有量取得工程と、を備え、
前記投入内容取得工程では、前記廃棄物搬入予定情報取得工程において取得した前記廃棄物搬入予定情報、前記平均発熱量取得工程において取得した前記平均発熱量、及び、前記所定物質平均含有量取得工程において取得した前記所定物質平均含有量に基づいて、前記第2所定期間に前記ピットに投入する廃棄物の量及び質を取得する
請求項7に記載の廃棄物混合投入方法。
【請求項9】
前記投入内容取得工程では、前記廃棄物搬入予定情報取得工程において取得した前記廃棄物搬入予定情報、前記平均発熱量取得工程において取得した前記平均発熱量、及び、前記所定物質平均含有量取得工程において取得した前記所定物質平均含有量に基づいて、前記第2所定期間よりも短い第3所定期間ごとに投入する廃棄物の量を調整する
請求項8に記載の廃棄物混合投入方法。
【請求項10】
前記第1所定期間は、7日であり、
前記第2所定期間は、1日であり、
前記第3所定期間は、1時間である
請求項9に記載の廃棄物混合投入方法。
【請求項11】
前記所定の物質は、塩化物である
請求項8乃至10のいずれかに記載の廃棄物混合投入方法。
【請求項12】
前記総熱量取得工程において取得した前記総熱量が、前記第1所定期間において最低限必要な熱量である最低熱量よりも小さい場合に、不足する熱量である不足熱量を取得する不足熱量取得工程と、
前記不足熱量取得工程において取得した前記不足熱量に基づいて、補助燃焼材料を付加する補助燃焼材料付加工程と、を備えた
請求項7乃至11のいずれかに記載の廃棄物混合投入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物を焼却する際に発生する熱エネルギを回収する廃棄物処理システムのピットに対して廃棄物を混合して投入するための廃棄物混合投入装置及び廃棄物混合投入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、廃棄物を焼却する際に発生する熱エネルギを回収するための廃棄物処理システムとしては、廃棄物を焼却するための焼却炉と、焼却炉に投入する廃棄物を投入するためのホッパシュートと、廃棄物をホッパシュートに投入するためのクレーンと、ホッパシュートから焼却炉に廃棄物を供給するための給塵装置と、焼却炉における廃棄物の燃焼によって発生する熱を利用して蒸気を生成するためのボイラと、ボイラにおいて生成した蒸気を利用して発電するための蒸気タービン発電機と、を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記廃棄物処理システムは、クレーンのバケットが把持した廃棄物の重量を計測するための重量計と、ホッパシュートに貯留された廃棄物の表面高さを計測するための高さ計測装置と、を備えている。前記廃棄物処理システムは、重量計及び高さ計測装置のそれぞれの計測結果に基づいて給塵装置の動作を制御することで焼却炉に供給される廃棄物の重量を一定にし、ボイラにおける蒸気の生成量及び蒸気タービン発電機における発電量を安定化させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-106243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、焼却炉に供給される廃棄物は、質に応じて単位量当たりの熱量である発熱量が異なる。このため、前記廃棄物処理システムは、焼却炉に供給される廃棄物の重量を調整したとしても、廃棄物の燃焼時に発生する熱量を保持することができず、ボイラにおける蒸気の生成量及び蒸気タービン発電機における発電量を安定化させることが困難である。
【0006】
本発明の目的とするところは、廃棄物処理システムにおいて安定的に熱エネルギを回収させることのできる廃棄物混合投入装置及び廃棄物混合投入方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の廃棄物混合投入装置は、廃棄物を貯留するピットと、前記ピットに貯留された廃棄物を焼却する焼却炉と、を有し、前記焼却炉において廃棄物を焼却する際に発生する熱エネルギを回収する廃棄物処理システムの前記ピットに対して廃棄物を混合して投入する廃棄物混合投入装置であって、第1所定期間に搬入される予定の廃棄物の搬入時間に関する情報、及び、搬入される予定の廃棄物の量及び質に関する情報である廃棄物搬入予定情報を取得する廃棄物搬入予定情報取得部と、前記廃棄物搬入予定情報取得部において取得した前記廃棄物搬入予定情報に基づいて、前記第1所定期間に搬入される予定の廃棄物の燃焼時に発生する熱量である総熱量を取得する総熱量取得部と、前記廃棄物搬入予定情報取得部において取得した前記廃棄物搬入予定情報、及び、前記総熱量取得部において取得した前記総熱量に基づいて、前記第1所定期間に搬入される予定の廃棄物の単位量当たりの熱量の平均値である平均発熱量を取得する平均発熱量取得部と、前記廃棄物搬入予定情報取得部において取得した前記廃棄物搬入予定情報、及び、前記平均発熱量取得部において取得した前記平均発熱量に基づいて、前記第1所定期間よりも短い第2所定期間に前記ピットに投入する廃棄物の量及び質を取得する投入内容取得部と、搬入された廃棄物を分類して受容する廃棄物分類受容部と、前記廃棄物分類受容部から、前記投入内容取得部において取得した量及び質の廃棄物を前記ピットに投入する投入部と、を備えている。
【0008】
また、本発明の廃棄物混合投入装置は、好ましくは、前記廃棄物搬入予定情報取得部において取得した前記廃棄物搬入予定情報に基づいて、前記第1所定期間に搬入される廃棄物に含まれる所定の物質の量である所定物質総含有量を取得する所定物質総含有量取得部と、前記廃棄物搬入予定情報取得部において取得した前記廃棄物搬入予定情報、及び、前記所定物質総含有量取得部において取得した前記所定物質総含有量に基づいて、前記第1所定期間に搬入される予定の廃棄物の単位量当たりの所定の物質の含有量の平均値である所定物質平均含有量を取得する所定物質平均含有量取得部と、を備え、前記投入内容取得部が、前記廃棄物搬入予定情報取得部において取得した前記廃棄物搬入予定情報、前記平均発熱量取得部において取得した前記平均発熱量、及び、前記所定物質平均含有量取得部において取得した前記所定物質平均含有量に基づいて、前記第2所定期間に前記ピットに投入する廃棄物の量及び質を取得する。
【0009】
また、本発明の廃棄物混合投入装置は、好ましくは、前記投入内容取得部が、前記廃棄物搬入予定情報取得部において取得した前記廃棄物搬入予定情報、前記平均発熱量取得部において取得した前記平均発熱量、及び、前記所定物質平均含有量取得部において取得した前記所定物質平均含有量に基づいて、前記第2所定期間よりも短い第3所定期間に前記ピットに投入する廃棄物の量及び質を取得する。
【0010】
また、本発明の廃棄物混合投入装置は、好ましくは、前記第1所定期間が、7日であり、前記第2所定期間が、1日であり、前記第3所定期間が、1時間である。
【0011】
また、本発明の廃棄物混合投入装置は、好ましくは、前記所定の物質が、塩化物である。
【0012】
また、本発明の廃棄物混合投入装置は、好ましくは、前記総熱量取得部において取得した前記総熱量が、前記第1所定期間において最低限必要な熱量である最低熱量よりも小さい場合に、不足する熱量である不足熱量を取得する不足熱量取得部と、前記不足熱量取得部において取得した前記不足熱量に基づいて、補助燃焼材料を付加する補助燃焼材料付加部と、を備えている。
【0013】
また、本発明の廃棄物混合投入方法は、廃棄物を貯留するピットと、前記ピットに貯留された廃棄物を焼却する焼却炉と、を有し、前記焼却炉において廃棄物を焼却する際に発生する熱エネルギを回収する廃棄物処理システムの前記ピットに対して廃棄物を混合して投入する廃棄物混合投入方法であって、第1所定期間に搬入される予定の廃棄物の搬入時間に関する情報、及び、搬入される予定の廃棄物の量及び質に関する情報である廃棄物搬入予定情報を取得する廃棄物搬入予定情報取得工程と、前記廃棄物搬入予定情報取得工程において取得した前記廃棄物搬入予定情報に基づいて、前記第1所定期間に搬入される予定の廃棄物の燃焼時に発生する熱量である総熱量を取得する総熱量取得工程と、前記廃棄物搬入予定情報取得工程において取得した前記廃棄物搬入予定情報、及び、前記総熱量取得工程において取得した前記総熱量に基づいて、前記第1所定期間に搬入される予定の廃棄物の単位量当たりの熱量の平均値である平均発熱量を取得する平均発熱量取得工程と、前記廃棄物搬入予定情報取得工程において取得した前記廃棄物搬入予定情報、及び、前記平均発熱量取得工程において取得した前記平均発熱量に基づいて、前記第1所定期間よりも短い第2所定期間に前記ピットに投入する廃棄物の量及び質を取得する投入内容取得工程と、搬入された廃棄物を分類する廃棄物分類工程と、前記廃棄物分類工程において分類した廃棄物から、前記投入内容取得工程において取得した量及び質の廃棄物を前記ピットに投入する投入工程と、を備えている。
【0014】
また、本発明の廃棄物混合投入方法は、好ましくは、前記廃棄物搬入予定情報取得工程において取得した前記廃棄物搬入予定情報に基づいて、前記第1所定期間に搬入される廃棄物に含まれる所定の物質の量である所定物質総含有量を取得する所定物質総含有量取得工程と、前記所定物質総含有量取得工程において取得した前記所定物質総含有量に基づいて、前記第1所定期間に搬入される予定の廃棄物の単位量当たりの所定の物質の含有量の平均値である所定物質平均含有量を取得する所定物質平均含有量取得工程と、を備え、前記投入内容取得工程では、前記廃棄物搬入予定情報取得工程において取得した前記廃棄物搬入予定情報、前記平均発熱量取得工程において取得した前記平均発熱量、及び、前記所定物質平均含有量取得工程において取得した前記所定物質平均含有量に基づいて、前記第2所定期間に前記ピットに投入する廃棄物の量及び質を取得する。
【0015】
また、本発明の廃棄物混合投入方法は、好ましくは、前記投入内容取得工程では、前記廃棄物搬入予定情報取得工程において取得した前記廃棄物搬入予定情報、前記平均発熱量取得工程において取得した前記平均発熱量、及び、前記所定物質平均含有量取得工程において取得した前記所定物質平均含有量に基づいて、前記第2所定期間よりも短い第3所定期間ごとに投入する廃棄物の量を調整する。
【0016】
また、本発明の廃棄物混合投入方法は、好ましくは、前記第1所定期間が、7日であり、前記第2所定期間が、1日であり、前記第3所定期間が、1時間である。
【0017】
また、本発明の廃棄物混合投入方法は、好ましくは、前記所定の物質が、塩化物である。
【0018】
また、本発明の廃棄物混合投入方法は、好ましくは、前記総熱量取得工程において取得した前記総熱量が、前記第1所定期間において最低限必要な熱量である最低熱量よりも小さい場合に、不足する熱量である不足熱量を取得する不足熱量取得工程と、前記不足熱量取得工程において取得した前記不足熱量に基づいて、補助燃焼材料を付加する補助燃焼材料付加工程と、を備えている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、廃棄物搬入予定情報及び廃棄物の平均発熱量に基づいて第2所定期間に廃棄物処理システムに投入する廃棄物の量及び質を取得することによって、第2所定期間に発生させる熱量を安定化することが可能となるので、廃棄物処理システムにおいて安定的に熱エネルギを回収させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る廃棄物混合投入装置及び廃棄物処理システムの概略構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る制御系を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る廃棄物混合投入処理に関するフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態に係る週間廃棄物移動計画を説明するためのグラフである。
図5】本発明の一実施形態に係る日廃棄物移動計画を説明するためのグラフであり、図5(a)は時間毎の廃棄物搬入予定を示すグラフであり、図5(b)は時間毎の廃棄物投入予定を示すグラフである。
図6】本発明の他の実施形態に係る廃棄物混合投入装置を示す概略構成図である。
図7】本発明の他の実施形態に係る図6のA-A断面図である。
図8】本発明の他の実施形態に係る図6のB-B断面図である。
図9】本発明の他の実施形態に係る図6のC-C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1乃至図5は、本発明の一実施形態について示すものである。図1は廃棄物混合投入装置及び廃棄物貯留焼却装置の概略構成図であり、図2は制御系を示すブロック図であり、図3は廃棄物混合投入処理に関するフローチャートであり、図4は週間廃棄物移動計画を説明するためのグラフであり、図5は日廃棄物移動計画を説明するためのグラフである。
【0022】
本実施形態の廃棄物混合投入装置1は、廃棄物処理システムとしての廃棄物発電システムに対して廃棄物を投入するためのものである。
【0023】
廃棄物発電システムは、廃棄物を貯留すると共に貯留した廃棄物を焼却するための廃棄物貯留焼却装置100と、廃棄物貯留焼却装置100において廃棄物を焼却することによって発生した熱エネルギによって蒸気を発生させるための図示しないボイラと、ボイラにおいて発生した蒸気によって発電する図示しない蒸気タービン発電機と、を備えている。
【0024】
廃棄物貯留焼却装置100は、廃棄物混合投入装置1を介して廃棄物が投入されるピット110と、ピット110に貯留されている廃棄物を把持するためのバケット120と、バケット120を移動させるためのクレーン130と、バケット120によって把持した廃棄物を取り込むためのホッパシュート140と、ホッパシュート140に取り込まれた廃棄物を焼却するための焼却炉150と、ホッパシュート140に取り込まれた廃棄物を焼却炉150に供給するための給塵装置160と、を備えている。廃棄物貯留焼却装置100は、ピット110に貯留されている廃棄物を、バケット120によって把持した状態でクレーン130によって移動させ、ホッパシュート140及び給塵装置160を介して焼却炉150内に供給することによって、焼却炉150において廃棄物を焼却するものである。
【0025】
廃棄物混合投入装置1は、車両によって搬入された産業廃棄物等の廃棄物を受容し、受容した廃棄物を混合して廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入するものである。
【0026】
廃棄物混合投入装置1は、図1及び図2に示すように、搬入された廃棄物を分類して受容するための廃棄物分類受容部10と、補助燃焼材料を受容するための補助燃焼材料付加部としての補助燃料受容部20と、廃棄物分類受容部10から廃棄物を取り出すとともに、必要に応じて補助燃料受容部20から補助燃焼材料を取り出して廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入するための投入部30と、投入部30の動作を制御するための制御部40と、を備えている。ここで、投入部30は、補助燃焼材料付加部としても機能する。
【0027】
廃棄物分類受容部10は、廃棄物の搬入のタイミング、及び、廃棄物貯留焼却装置100のピット110に廃棄物を投入するタイミングに応じて分類して貯留するために、第1受容部11、第2受容部12、第3受容部13及び第4受容部14を有している。第1乃至第4受容部11,12,13,14は、それぞれ、搬入された廃棄物が貯留される上下方向に延びる箱状の部材からなり、下部側に設けられた放出口から廃棄物を放出させることが可能である。第1乃至第4受容部11,12,13,14には、必要に応じて破砕された所定未満の大きさの廃棄物が受容される。第1乃至第4受容部11,12,13,14は、それぞれ、廃棄物貯留焼却装置100のピット110に隣接する場所において、並べて配置されている。
【0028】
補助燃料受容部20は、第1乃至第4受容部11,12,13,14と同様に、上下方向に延びる箱状の部材からなり、下部側に設けられた放出口から内容物が放出させることが可能である。補助燃料受容部20は、内部にRDF(Refuse Derived Fuel)やRPF(Refuse Paper & Plastic Fuel)等の燃料を受容している。補助燃料受容部20は、第1乃至第4受容部11,12,13,14とともに並べて配置されている。
【0029】
投入部30は、第1乃至第4受容部11,12,13,14のそれぞれに収容された廃棄物を、放出量を調整しながら放出させるとともに、補助燃料受容部20に収容された補助燃焼材料を、放出量を調整しながら放出させるための放出量調整部31と、廃棄物分類受容部10から放出された廃棄物及び補助燃料受容部20から放出された補助燃焼材料を廃棄物貯留焼却装置100のピット110に搬送するための搬送部32と、を有している。
【0030】
放出量調整部31は、例えば、第1乃至第4受容部11,12,13,14及び補助燃料受容部20のそれぞれの放出口を開閉する弁体と、弁体を操作する機構と、を有するものである。放出量調整部31は、第1乃至第4受容部11,12,13,14のそれぞれの放出口の開度を調整することによって第1乃至第4受容部11,12,13,14のそれぞれからの廃棄物の放出量を調整し、補助燃料受容部20の放出口の開度を調整することによって補助燃料受容部20のからの補助燃焼材料の放出量を調整する。
【0031】
搬送部32は、無端状のベルトと、無端状のベルトを搬送方向に回転自在に支持する少なくとも一対のローラと、を有するベルトコンベアによって構成されている。搬送部32の搬送方向の一端側は、第1乃至第4受容部11,12,13,14及び補助燃料受容部20のそれぞれの放出口の下方に位置している。第1乃至第4受容部11,12,13,14及び補助燃料受容部20のそれぞれから放出された廃棄物または補助燃焼材料は、搬送部32の一端側の上面に載置される。搬送部32の一端側の上面に載置された廃棄物または補助燃焼材料は、ベルトを駆動させることによって搬送部32の他端側に向かって搬送され、シュート32aを介してピット110内に投入される。
【0032】
制御部40は、CPU、ROM、RAMを有し、入力側に接続された機器からの入力信号を受信すると、CPUが、入力信号に基づいてROMに記憶されたプログラムを読み出すとともに、入力信号によって検出された状態をRAMに記憶したり、出力側に接続された機器に出力信号を送信したりする。
【0033】
制御部40の入力側には、インターネット等のネットワークを介して他の機器と通信を行うための通信部50が接続されている。通信部50は、ネットワークを介して、廃棄物を回収して搬入する複数の廃棄物回収業者がそれぞれ有している業者側端末と接続可能である。
【0034】
制御部40の出力側には、投入部30が接続されている。
【0035】
また、制御部40は、図2に示すように、第1所定期間としての翌週の7日間に搬入される予定の廃棄物の搬入時間に関する情報、及び、搬入される予定の廃棄物の量及び質に関する情報である廃棄物搬入予定情報を取得するための廃棄物搬入予定情報取得部41と、翌週の7日間に搬入される予定の廃棄物の燃焼時に発生する熱量である総熱量を取得するための総熱量取得部42と、翌週の7日間に搬入される廃棄物の単位重量当たりの熱量の平均値である平均発熱量を取得するための平均発熱量取得部43と、翌週の7日間に搬入される予定の廃棄物に含まれる塩化物の量である所定物質総含有量としての塩化物総含有量を取得するための所定物質総含有量取得部としての塩化物総含有量取得部44と、翌週の7日間に搬入される廃棄物の単位量当たりの塩化物の含有量の平均値である所定物質平均含有量としての塩化物平均含有量を取得するための所定物質平均含有量取得部としての塩化物平均含有量取得部45と、総熱量が最低限必要な熱量である最低熱量未満の場合に、不足する熱量である不足熱量を取得する不足熱量取得部46と、第2所定期間としての1日毎及び第3所定期間としての1時間毎に廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の量及び質と、付加する補助燃焼材料の量を取得するための投入内容取得部47と、を備えている。
【0036】
廃棄物搬入予定情報取得部41は、予め設定された日時(例えば毎週金曜日の18時)に、通信部50を介して業者側端末と通信することによって翌週の7日間(月曜日~日曜日)に搬入される予定の廃棄物の搬入時間に関する情報、及び、搬入される予定の廃棄物の量及び質に関する情報である廃棄物搬入予定情報を取得する。
【0037】
ここで、搬入される予定の廃棄物の搬入時間に関する情報とは、翌週の7日間における廃棄物を積載した車両が到着する予定の日時のことである。また、搬入される予定の廃棄物の量に関する情報とは、車両ごとに積載された廃棄物の重さのことである。搬入される予定の廃棄物の質に関する情報とは、搬入車両ごとに積載された廃棄物における、発熱量に関する廃棄物の成分として、可燃分、灰分、水分及び土砂分のそれぞれの割合、廃棄物処理システムの鋼製部材の腐食の原因となる廃棄物の主な成分としての塩化物の割合のことである。
【0038】
また、廃棄物搬入予定情報取得部41が廃棄物搬入予定情報の取得を可能とするためには、各廃棄物回収業者が、翌週の7日間に搬入する予定の廃棄物の搬入時間に関する情報、及び、搬入する予定の廃棄物の量及び質に関する情報を業者側端末に入力する。
【0039】
総熱量取得部42は、廃棄物搬入予定情報取得部41において取得した廃棄物搬入予定情報に基づいて翌週の7日間に搬入される予定の廃棄物を燃焼させたときに発生する熱量である総熱量を算出する。総熱量は、廃棄物搬入予定情報取得部41において取得される、翌週の7日間に搬入される予定の廃棄物の総重量と、搬入される予定の廃棄物の総重量に対する可燃分の割合と、可燃分の単位重量当たりの熱量である発熱量と、の関係から算出される。
【0040】
平均発熱量取得部43は、廃棄物搬入予定情報取得部41において取得される廃棄物搬入予定情報、及び、総熱量取得部42において取得される総熱量に基づいて、翌週の7日間に搬入される予定の廃棄物の平均発熱量を算出する。平均発熱量は、総熱量取得部42において取得される総熱量と、翌週の7日間に搬入される廃棄物の総重量と、の関係から算出される。具体的に説明すると、平均発熱量は、総熱量を、翌週の7日間に搬入される廃棄物の総重量で除することにより算出される。
【0041】
塩化物総含有量取得部44は、廃棄物搬入予定情報取得部41において取得される廃棄物搬入予定情報に基づいて、翌週の7日間に搬入される予定の廃棄物に含まれる塩化物の量である塩化物総含有量を算出する。塩化物総含有量は、翌週の7日間に搬入される予定の廃棄物の総重量と、翌週の7日間に搬入される予定の廃棄物の総重量に対する塩化物の割合と、の関係から算出される。
【0042】
塩化物平均含有量取得部45は、廃棄物搬入予定情報取得部41において取得される搬入予定情報、及び、塩化物総含有量取得部44において取得される塩化物総含有量に基づいて、翌週の7日間に搬入される廃棄物の単位量当たりの塩化物の含有量の平均値である塩化物平均含有量を算出する。塩化物平均含有量は、塩化物総含有量取得部44において取得される塩化物総含有量と、翌週の7日間に搬入される廃棄物の総重量と、の関係から算出される。具体的に説明すると、塩化物平均含有量は、塩化物総含有量を、翌週の7日間に搬入される廃棄物の総重量で除することにより算出される。ここで、塩化物を含む廃棄物は、焼却することによって廃棄物処理システムの鋼製部材を腐食させる原因となる塩素系ガス(例えば、塩素ガス、塩化水素ガス等)が発生する。このため、廃棄物を焼却する際には、廃棄物に含まれる塩化物の含有量を調整することにより、高い濃度の塩素系ガスの発生を防止する。
【0043】
不足熱量取得部46は、総熱量取得部42において取得される総熱量が、翌週の7日間で廃棄物発電システムによって最低限度の発電量を確保するために必要な熱量である最低熱量未満である場合に、不足する熱量である不足熱量を算出する。不足熱量は、総熱量と、最低熱量との関係から算出される。
【0044】
投入内容取得部47は、廃棄物搬入予定情報取得部41において取得される廃棄物搬入予定情報、平均発熱量取得部43において取得される平均発熱量、塩化物平均含有量取得部45において取得される塩化物平均含有量、及び、不足熱量取得部46において取得される不足熱量に基づいて、1日毎に廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の量及び質と、補助燃焼材料を付加する場合に補助燃焼材料の量を算出するとともに、1時間毎に廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の量及び質と、補助燃焼材料を付加する場合に補助燃焼材料の量を算出する。
【0045】
以上のように構成された廃棄物混合投入装置1において、まず、制御部40は、翌週の7日間に搬入される予定の廃棄物の搬入時間に関する情報、及び、搬入される予定の廃棄物の量及び質に関する情報である廃棄物搬入予定情報を取得し、翌週の7日間における各日、且つ、各日における1時間毎に廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の内容を決定するとともに、必要に応じて補助燃焼材料の量を決定する。
【0046】
次に、車両によって廃棄物が実際に搬入された場合には、決定された廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の内容及び補助燃焼材料の内容に基づいて、搬入された廃棄物を車両ごとに廃棄物分類受容部10の第1乃至第4受容部11,12,13,14のいずれかに受容させる。
【0047】
具体的に説明すると、第1受容部11には、搬入されて直ちに廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する予定の廃棄物を受容させる。また、第2受容部12及び第3受容部13のそれぞれには、搬入された日にピット110に投入されるが、時間をずらしてピット110に投入する予定の廃棄物を受容させる。さらに、第4受容部14には、搬入された日にピット110に投入することなく、異なる日にピット110に投入する予定の廃棄物を受容させる。
【0048】
その後、制御部40は、予め決定した廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物及び補助燃焼材料の内容に基づいて、投入部30の放出量調整部31を駆動させて廃棄物分類受容部10の第1乃至第4受容部11,12,13,14の少なくとも1つから廃棄物を放出させ、必要に応じて補助燃料受容部20から補助燃焼材料を放出させる。
【0049】
ここで、制御部40が実行する廃棄物混合投入処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。
【0050】
(ステップS1)
ステップS1において制御部40は、廃棄物搬入予定情報取得部41において翌週の7日間の廃棄物搬入予定情報を取得する動作を行い、ステップS2に処理を移す。
【0051】
(ステップS2)
ステップS2において制御部40は、各廃棄物回収業者の全ての廃棄物搬入予定情報の取得を完了したか否かを判定する。各廃棄物回収業者の全ての廃棄物搬入予定情報の取得を完了したと判定した場合にはステップS3に処理を移し、各廃棄物回収業者の全ての廃棄物搬入予定情報の取得を完了したと判定しなかった場合にはステップS1の処理を繰り返す。
【0052】
ここで、全ての廃棄物回収業者の廃棄物搬入予定情報の一例を、以下の表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
表1は、各廃棄物回収業者によって搬入される廃棄物の搬入日及び搬入量、搬入される廃棄物の発熱量を高、中、低の3段階で示している。塩化物平均含有量の情報についても発熱量の情報と同様に取得する。
【0055】
(ステップS3)
ステップS2において各廃棄物回収業者の全ての廃棄物搬入予定情報の取得を完了したと判定した場合に、ステップS3において制御部40は、廃棄物搬入予定情報取得部41において取得した廃棄物搬入予定情報に基づいて、総熱量取得部42において総熱量を取得し、ステップS4に処理を移す。
【0056】
(ステップS4)
ステップS4において制御部40は、廃棄物搬入予定情報取得部41において取得した廃棄物搬入予定情報、及び、総熱量取得部42において取得した総熱量に基づいて、平均発熱量取得部43において平均発熱量を取得し、ステップS5に処理を移す。
【0057】
(ステップS5)
ステップS5において制御部40は、廃棄物搬入予定情報取得部41において取得した廃棄物搬入予定情報に基づいて、塩化物総含有量取得部44において塩化物総含有量を取得し、ステップS6に処理を移す。
【0058】
(ステップS6)
ステップS6において制御部40は、廃棄物搬入予定情報取得部41において取得した廃棄物搬入予定情報、及び、塩化物総含有量取得部44において取得した塩化物総含有量に基づいて、塩化物平均含有量取得部45において塩化物平均含有量を取得し、ステップS7に処理を移す。
【0059】
(ステップS7)
ステップS7において制御部40は、ステップS3において取得した総熱量が最低熱量以上であるか否かを判定する。総熱量が最低熱量以上であると判定した場合にはステップS8に処理を移し、総熱量が最低熱量以上であると判定しなかった場合にはステップS10に処理を移す。
【0060】
(ステップS8)
ステップS7において総熱量が最低熱量以上であると判定した場合に、ステップS8において制御部40は、取得した廃棄物搬入予定情報、平均発熱量及び塩化物平均含有量に基づいて、投入内容取得部47において翌週の7日間の1日毎に廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の内容を取得し、ステップS9に処理を移す。
【0061】
ここで、1日毎の廃棄物の内容を取得する方法は、廃棄物の発熱量が平均発熱量となるように、且つ、廃棄物に含まれる塩化物の量が塩化物平均含有量となるように、廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の量及び質を設定する。ここで、1日毎に投入する廃棄物の内容は、例えば、発熱量が平均発熱量の±5%の範囲内、単位重量当たりの塩化物の含有量が塩化物平均含有量の±5%の範囲内となる量及び質の廃棄物を設定する。
【0062】
各日毎の廃棄物の内容を取得する方法を、表1及び図4を用いて具体的に説明する。表1及び図4では、火曜日に搬入される予定の廃棄物の発熱量が平均発熱量よりも高いため、火曜日に搬入される予定の廃棄物のうちの発熱量が高い廃棄物(表1及び図4における括弧内の1及び2)を、搬入される予定の廃棄物の発熱量が平均発熱量よりも低い水曜日に廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入するように設定する。また、表1及び図4では、木曜日及び金曜日に搬入される予定の廃棄物の発熱量が平均発熱量よりも高いため、木曜日及び金曜日に搬入される予定の廃棄物のうちの発熱量が高い廃棄物(表1及び図4における括弧内の3、4、5、6)を、搬入される予定の廃棄物の発熱量が平均発熱量よりも低い土曜日に廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入するように設定する。さらに、1日毎の廃棄物の内容の取得の際には、発熱量と同様に、廃棄物の単位重量当たりに含まれる塩化物の量が塩化物平均含有量となるように廃棄物を廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入するように設定する。
【0063】
(ステップS9)
ステップS9において制御部40は、取得した廃棄物搬入予定情報、平均発熱量及び塩化物平均含有量に基づいて、投入内容取得部47において1日間における1時間毎に廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の内容を取得し、ステップS13に処理を移す。
【0064】
ここで、1時間毎の廃棄物の内容を取得する方法は、1日のうちの廃棄物が搬入される時間帯において、廃棄物の発熱量が平均発熱量になるように、且つ、廃棄物の単位重量当たりに含まれる塩化物の量が塩化物平均含有量になるように、廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の量及び質を設定する。
【0065】
1時間毎の廃棄物の内容を取得する方法を、図5を用いて具体的に説明する。図5(a)は、廃棄物が搬入される時間を示している。図5(a)では、10時台において、搬入される予定の廃棄物の全体の中で、高い発熱量の廃棄物の搬入量が多く、廃棄物の発熱量が平均発熱量よりも高い。また、図5(a)では、8時台、11時台及び13時台において、搬入される予定の廃棄物の全体の中で、高い発熱量の廃棄物がなく、低い発熱量の廃棄物を含んでおり、廃棄物の発熱量が平均発熱量よりも低い。このため、8時台から16時台の間で廃棄物の発熱量にばらつきが生じている。このため、図5(b)では、8時台及び13時台に搬入される予定の低い発熱量の廃棄物(図5(a)における1及び2)を、15時台及び16時台に廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入するように設定し、10時台に搬入される予定の高い発熱量の廃棄物(図5(a)における3及び4)を、11時台及び13時台に廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入するように設定する。また、1時間毎の廃棄物の内容の取得の際には、発熱量と同様に、廃棄物の単位重量当たりに含まれる塩化物の量が塩化物平均含有量となるように廃棄物を廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入するように設定する。
【0066】
(ステップS10)
ステップS7において総熱量が最低熱量以上であると判定しなかった場合に、ステップS10において制御部40は、不足熱量取得部46において不足熱量を取得し、ステップS11に処理を移す。
【0067】
(ステップS11)
ステップS11において制御部40は、取得した廃棄物搬入予定情報、平均発熱量、塩化物平均含有量及び不足熱量に基づいて、投入内容取得部47において翌週の7日間の1日毎に廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の内容及び補助燃焼材料の量を取得し、ステップS12に処理を移す。
【0068】
(ステップS12)
ステップS12において制御部40は、取得した廃棄物搬入予定情報、平均発熱量、塩化物平均含有量及び不足熱量に基づいて、投入内容取得部47において1日間における1時間毎に廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の内容及び補助燃焼材料の量を取得し、ステップS13に処理を移す。
【0069】
(ステップS13)
ステップS13において制御部40は、ステップS8及びステップS9において取得した廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の内容、または、ステップS11及びステップS12において取得した廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の内容及び補助燃焼材料の量に従って投入部30を駆動させ、廃棄物混合投入処理を終了する。
【0070】
このように、本実施形態の廃棄物混合投入装置及び廃棄物混合投入方法によれば、翌週の7日間に搬入される予定の廃棄物の搬入時間に関する情報、及び、搬入される予定の廃棄物の量及び質に関する情報である廃棄物搬入予定情報を取得する廃棄物搬入予定情報取得部41と、廃棄物搬入予定情報取得部41において取得した廃棄物搬入予定情報に基づいて、翌週の7日間に搬入される廃棄物の燃焼時に発生する熱量である総熱量を取得する総熱量取得部42と、廃棄物搬入予定情報取得部41において取得した搬入予定情報、及び、総熱量取得部42において取得した総熱量に基づいて、翌週の7日間に搬入される予定の廃棄物の単位量当たりの平均の熱量である平均発熱量を取得する平均発熱量取得部43と、廃棄物搬入予定情報取得部41において取得した廃棄物搬入予定情報、及び、平均発熱量取得部43において取得した平均発熱量に基づいて、1日間における廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の量及び質を取得する投入内容取得部47と、搬入された廃棄物を分類して受容する廃棄物分類受容部10と、廃棄物分類受容部10から、投入内容取得部47において取得した量及び質の廃棄物を廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する投入部30と、を備えている。
【0071】
これにより、廃棄物搬入予定情報及び廃棄物の平均発熱量に基づいて1日間に廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の量及び質を取得することによって、1日間に発生させる熱量を安定化させることが可能となるので、廃棄物発電システムにおいて安定的に熱エネルギを回収させることが可能となる。
【0072】
また、廃棄物搬入予定情報取得部41において取得した廃棄物搬入予定情報に基づいて、翌週の7日間に搬入される廃棄物に含まれる塩化物の量である塩化物総含有量を取得する塩化物総含有量取得部44と、塩化物総含有量取得部44において取得した塩化物総含有量に基づいて、翌週の7日間に搬入される予定の廃棄物の単位量当たりの塩化物の平均の含有量である塩化物平均含有量を取得する塩化物平均含有量取得部45と、を備え、投入内容取得部47は、廃棄物搬入予定情報取得部41において取得した廃棄物搬入予定情報、平均発熱量取得部43において取得した平均発熱量、及び、塩化物平均含有量取得部45において取得した塩化物平均含有量に基づいて、1日間に廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の量及び質を取得する。
【0073】
これにより、廃棄物処理システムの鋼製部材の腐食の原因となる塩化物の1日当たりの焼却量を平均化することができるので、濃度の高い塩素系ガスの発生を防止することができ、廃棄物発電システムの維持管理に必要なコストの低減を図ることが可能となる。
【0074】
また、投入内容取得部47は、廃棄物搬入予定情報取得部41において取得した廃棄物搬入予定情報、平均発熱量取得部43において取得した平均発熱量、及び、塩化物平均含有量取得部45において取得した塩化物平均含有量に基づいて、1時間ごとに廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の量及び質を取得する。
【0075】
これにより、1時間に発生させる熱量を安定化させることが可能となるので、廃棄物発電システムにおいてより安定的に熱エネルギを回収させることが可能となる。また、塩化物の1時間当たりの焼却量を平均化することができるので、濃度の高い塩素系ガスの発生を各日に防止することができ、廃棄物発電システムの維持管理に必要なコストの低減を図ることが可能となる。
【0076】
また、総熱量取得部42において取得した総熱量が、翌週の7日間において最低限必要な熱量である最低熱量よりも小さい場合に、不足する熱量である不足熱量を取得する不足熱量取得部46と、不足熱量取得部46において取得した不足熱量に基づいて、補助燃焼材料を付加するための補助燃料受容部20及び投入部30と、を備えている。
【0077】
これにより、翌週の7日間に廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の量が不足する状況であることを事前に判断し、補助燃焼材料を廃棄物と共に廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入することができるので、廃棄物貯留焼却装置100において最低限必要な熱エネルギを発生させることが可能となる。
【0078】
図6乃至図9は、本発明の他の実施形態を示すものである。図6は廃棄物混合投入装置を示す概略構成図であり、図7図6のA-A断面図であり、図8図6のB-B断面図であり、図9図6のC-C断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0079】
本実施形態の廃棄物混合投入装置1は、図6に示すように、第1乃至第4受容部11,12,13,14がそれぞれ廃棄物を仮置するためのスペースとなっており、車両に積載された廃棄物は、第1乃至第4受容部11,12,13,14のいずれかに直接的に放出される。
【0080】
また、本実施形態の廃棄物混合投入装置1は、図6に示すように、搬送部32に廃棄物を供給するための中間搬送部33と、中間搬送部33を介して搬送部32に供給する廃棄物を事前に混合するための混合部34と、第1乃至第4受容部11,12,13,14から混合部34に廃棄物を移動させるための廃棄物移動機35と、を有している。
【0081】
搬送部32は、図7に示すように、前記実施形態と同様、一端側が床面の近傍に位置しており、一端側の上面に載置された廃棄物が、ベルトを駆動させることによって他端側に向かって搬送され、ピット110内に投入される。
【0082】
中間搬送部33は、図6に示すように、搬送部32と同様、無端状のベルトと、無端状のベルトを搬送方向に回転自在に支持する少なくとも一対のローラと、を有するベルトコンベアである。中間搬送部33は、搬送部32と混合部34との間に設けられ、図8に示すように、ベルトを駆動させることによって混合部34から放出された廃棄物を上方に搬送して搬送部32の一端側の上面に放出するようになっている。
【0083】
混合部34は、図9に示すように、廃棄物を収容可能な筐体と、筐体の内部に設けられた無端状のベルトと一対のローラとからなるベルトコンベアと、を備えている。混合部34のベルトコンベアは、一端側に対して他端側が屈曲して斜め上方に延びており、ベルトを駆動させることによって、投入された廃棄物が筐体内において混合されるようになっている。混合部34の筐体には、廃棄物を筐体内に投入するための廃棄物投入用の開口が一端側の上面に設けられ、混合された廃棄物が放出される廃棄物放出用の開口が他端側の下部に設けられている。
【0084】
廃棄物移動機35は、例えばホイールローダ等、自走可能な走行体に油圧駆動のバケットが設けられたものである。廃棄物移動機35は、走行及びバケットの動作によって、第1乃至第4受容部11,12,13,14が受容している廃棄物を混合部34の開口から投入する。
【0085】
以上のように構成された廃棄物混合投入装置1において、第1乃至第4受容部11,12,13,14に受容されている廃棄物は、投入内容取得部47において取得した廃棄物の量及び質に従って、廃棄物移動機35によって混合部34の開口から投入される。
【0086】
混合部34に投入された廃棄物は、混合部34において混合された後、中間搬送部33を介して搬送部32に搬送され、搬送部32によって搬送されてピット110に投入される。
【0087】
このように、本実施形態の廃棄物混合投入装置及び廃棄物混合投入方法は、前記実施形態と同様に、廃棄物搬入予定情報及び廃棄物の平均発熱量に基づいて1日間に廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の量及び質を取得することによって、1日間に発生させる熱量を安定化させることが可能となるので、廃棄物発電システムにおいて安定的に熱エネルギを回収させることが可能となる。
【0088】
また、搬送部32によって廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物を事前に混合するための混合部34を備えている。
【0089】
これにより、混合部34によって混合された廃棄物を廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入することができるので、焼却炉150における廃棄物の焼却時に発生する熱量をより安定させることが可能となる。
【0090】
尚、前記実施形態では、廃棄物処理システムの一例として、廃棄物の焼却時に発生した熱エネルギを電力として回収する廃棄物発電システムを示したが、これに限られるものではない。廃棄物の焼却時に発生した熱エネルギを回収するものであれば、例えば、発生した熱エネルギによって温水を生成し、生成した温水を空気調和装置の熱源として利用するものであってもよい。
【0091】
また、前記実施形態では、第1所定期間としての翌週の7日間の廃棄物搬入予定情報を取得し、取得した廃棄物搬入予定情報に基づいて翌週の7日間の総熱量及び平均発熱量を取得し、総熱量及び平均発熱量に基づいて第2所定期間としての1日間に廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の量及び質を取得するようにしたものを示したが、第1所定期間を翌週の7日間、第2所定期間を1日間に限るものではない。第1所定期間の廃棄物搬入予定情報に基づいて総熱量及び平均発熱量を取得し、総熱量及び平均発熱量に基づいて廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の量及び質を取得するものであれば、例えば、翌日以降の10日間の廃棄物搬入予定情報に基づいて総熱量及び平均発熱量を取得し、取得した総熱量及び平均発熱量に基づいて1日間に廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の量及び質を取得してもよいし、1か月間の廃棄物搬入予定情報に基づいて総熱量及び平均発熱量を取得し、取得した総熱量及び平均発熱量に基づいて1週間に廃棄物貯留焼却装置100のピット110に投入する廃棄物の量及び質を取得してもよい。
【0092】
また、前記実施形態では、廃棄物処理システムの鋼製部材を腐食させる原因となる塩化物の含有量を平均化して焼却するようにしたものを示したが、これに限られるものではない。廃棄物処理システムの鋼製部材を腐食させる原因となる物質としては、他に例えば硫黄酸化物やフッ素が考えられ、廃棄物に含まれる硫黄酸化物やフッ素の量を取得し、廃棄物に含まれる硫黄酸化物やフッ素の量を平均化して焼却するようにしてもよい。
【0093】
また、前記実施形態では、通信部を介して廃棄物搬入予定情報取得部41において廃棄物搬入予定情報を取得するようにしたものを示したが、これに限られるものではない。廃棄物搬入予定情報取得部において廃棄物搬入予定情報を取得する手段としては、キーボード等の入力手段を用いて廃棄物搬入予定情報を入力することによって、廃棄物搬入予定情報取得部が廃棄物搬入予定情報を取得するようにしてもよい。
【0094】
また、前記実施形態では、各日毎に廃棄物貯留焼却装置100のピット110投入する廃棄物の発熱量が平均発熱量の±5%の範囲内、塩化物の含有量が塩化物平均含有量の±5%の範囲内となるように、廃棄物貯留焼却装置100のピット110投入する廃棄物の量及び質を設定するものを示したが、これに限られるものではない。1日毎に投入する廃棄物の内容は、例えば、廃棄物の発熱量を平均発熱量の±3%の範囲内とし、塩化物の含有量を塩化物平均含有量の±10%の範囲内としてもよく、それぞれ任意に設定すればよい。
【0095】
また、前記実施形態では、廃棄物分類受容部10において、搬入された廃棄物を、搬入のタイミング、及び、ピット110に投入するタイミングに応じて分類し、第1乃至第4受容部11,12,13,14のいずれかに受容するようにしたものを示したが、これに限られるものではない。例えば、第1乃至第4受容部11,12,13,14のそれぞれに、互いに異なる発熱量の廃棄物を受容し、第1乃至第4受容部11,12,13,14のそれぞれからの廃棄物の放出量を調整することによってピット110に投入する廃棄物の発熱量が平均発熱量になるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0096】
1 廃棄物混合投入装置
10 廃棄物分類受容部
11 第1受容部
12 第2受容部
13 第3受容部
14 第4受容部
20 補助燃料受容部
30 投入部
40 制御部
41 廃棄物搬入予定情報取得部
42 総熱量取得部
43 平均発熱量取得部
44 塩化物総含有量取得部
45 塩化物平均含有量取得部
46 不足熱量取得部
47 投入内容取得部
100 廃棄物貯留焼却装置
110 ピット
150 焼却炉
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9