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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022038990
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20220303BHJP
【FI】
G03G15/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020143753
(22)【出願日】2020-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】神谷 将孝
(72)【発明者】
【氏名】長島 祐己
(72)【発明者】
【氏名】山城 準
【テーマコード(参考)】
2H033
【Fターム(参考)】
2H033AA21
2H033BE07
(57)【要約】
【課題】電圧基板から定着ヘッドへの電気的干渉を抑制するとともに、供給ユニットから定着ヘッドまでの定着液の供給経路を短くすることを目的とする。
【解決手段】画像形成装置(レーザプリンタ1)は、本体筐体2と、帯電された定着液を静電噴霧によりシート上の現像剤像に向けて噴霧することで、シート上に現像剤像を定着させる定着ヘッド71と、定着ヘッド71に定着液を供給する供給ユニット200と、定着ヘッド71に電圧を印加するための電圧基板B1と、を備える。定着ヘッド71と供給ユニット200との間の距離は、定着ヘッド71と電圧基板B1との間の距離よりも小さい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体筐体と、
帯電された定着液を静電噴霧によりシート上の現像剤像に向けて噴霧することで、シート上に現像剤像を定着させる定着ヘッドと、
前記定着ヘッドに定着液を供給する供給ユニットと、
前記定着ヘッドに電圧を印加するための電圧基板と、を備え、
前記定着ヘッドと前記供給ユニットとの間の距離は、前記定着ヘッドと前記電圧基板との間の距離よりも小さいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記供給ユニットは、第1方向において前記定着ヘッドと前記電圧基板との間に位置し、
前記第1方向において、前記電圧基板と前記供給ユニットの間に位置する遮蔽板をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記供給ユニットを制御する制御基板をさらに備え、
前記供給ユニットは、第1方向において前記定着ヘッドと前記電圧基板との間に位置し、
前記制御基板は、前記第1方向において、前記供給ユニットと前記定着ヘッドの間に位置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記電圧基板は、前記供給ユニットに向けて突出する電子部品を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記供給ユニットは、第1方向において前記定着ヘッドと前記電圧基板との間に位置し、
前記供給ユニットは、
前記定着ヘッドに定着液を供給するための供給部材であって、前記電圧基板に向けて突出する供給部材を備え、
前記供給部材は、前記第1方向に直交する第2方向、および、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向の少なくとも一方の方向において、前記電子部品とは異なる位置に位置することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記供給ユニットは、
定着液を収容するタンクであって、定着液を内部に取り込むための導入管を有するタンクと、
前記タンク内の定着液の量を検出するための残量センサと、
前記残量センサに接続されるハーネスと、を備え、
前記ハーネスは、前記導入管から離れていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
定着液を収容するカートリッジをさらに備え、
前記供給ユニットは、
定着液を収容するタンクであって、前記カートリッジ内の定着液を前記タンク内に取り込むための第1導入管と、前記定着ヘッドから排出された定着液を前記タンク内に取り込むための第2導入管と、を有するタンクと、
前記タンク内の液面の最上位レベルを規定する液面制御機構と、を備え、
前記第1導入管および前記第2導入管は、前記タンク内の前記最上位レベルに位置する液面から上方に離れていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着液を付与することでシート上に現像剤像を定着させる定着ヘッドを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シートに向けて定着液を噴霧する定着ヘッドを備えた画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。この技術では、定着ヘッド内に設けられた第1電極と、定着ヘッドと対向する第2電極との間の電位差を利用して定着液を噴霧させるため、各電極に電圧を印加するための電圧基板が必要となる。また、定着ヘッド内に定着液を供給する必要があるため、定着液を供給するための供給ユニットも必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-68098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電圧基板を定着ヘッドの近くに配置すると、電圧基板から定着ヘッドへの電気的干渉が懸念される。また、供給ユニットを定着ヘッドから遠い位置に配置すると、定着液の供給経路が長くなることで、供給スピードが低下したり、構造が複雑化したりするという問題が生じる。
【0005】
そこで、本発明は、電圧基板から定着ヘッドへの電気的干渉を抑制するとともに、供給ユニットから定着ヘッドまでの定着液の供給経路を短くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、本体筐体と、帯電された定着液を静電噴霧によりシート上の現像剤像に向けて噴霧することで、シート上に現像剤像を定着させる定着ヘッドと、前記定着ヘッドに定着液を供給する供給ユニットと、前記定着ヘッドに電圧を印加するための電圧基板と、を備える。
前記定着ヘッドと前記供給ユニットとの間の距離は、前記定着ヘッドと前記電圧基板との間の距離よりも小さい。
【0007】
この構成によれば、電圧基板が供給ユニットよりも定着ヘッドから離れた位置に位置するので、電圧基板から定着ヘッドへの電気的干渉を抑制することができる。また、供給ユニットが電圧基板よりも定着ヘッドの近くに位置するので、定着液の供給経路を短くすることができる。
【0008】
また、前記供給ユニットは、第1方向において前記定着ヘッドと前記電圧基板との間に位置してもよい。さらに、前記画像形成装置は、前記第1方向において、前記電圧基板と前記供給ユニットの間に位置する遮蔽板をさらに備えていてもよい。
【0009】
この構成によれば、電圧基板と供給ユニットの間に遮蔽板が位置するので、電圧基板から供給ユニットへの電気的干渉を抑制することができる。
【0010】
また、前記画像形成装置は、前記供給ユニットを制御する制御基板をさらに備え、前記供給ユニットは、第1方向において前記定着ヘッドと前記電圧基板との間に位置し、前記制御基板は、前記第1方向において、前記供給ユニットと前記定着ヘッドの間に位置していてもよい。
【0011】
この構成によれば、制御基板が供給ユニットに対して電圧基板とは反対側に位置するので、電圧基板から制御基板への電気的干渉を抑制することができる。
【0012】
また、前記電圧基板は、前記供給ユニットに向けて突出する電子部品を有していてもよい。
【0013】
この構成によれば、例えば電子部品を画像形成装置の筐体の外壁に向けて突出させる場合と比べ、電子部品を外力から保護することができる。
【0014】
また、前記供給ユニットは、第1方向において前記定着ヘッドと前記電圧基板との間に位置し、前記供給ユニットは、前記定着ヘッドに定着液を供給するための供給部材であって、前記電圧基板に向けて突出する供給部材を備え、前記供給部材は、前記第1方向に直交する第2方向、および、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向の少なくとも一方の方向において、前記電子部品とは異なる位置に位置していてもよい。
【0015】
この構成によれば、供給部材と電子部品の干渉を抑えつつ、電圧基板と供給ユニットの第1方向における間隔を小さくして、画像形成装置を第1方向に小型化することができる。
【0016】
また、前記供給ユニットは、定着液を収容するタンクであって、定着液を内部に取り込むための導入管を有するタンクと、前記タンク内の定着液の量を検出するための残量センサと、前記残量センサに接続されるハーネスと、を備え、前記ハーネスは、前記導入管から離れていてもよい。
【0017】
この構成によれば、帯電された定着液が導入管を通過する際に、定着液からハーネスへの電気的干渉を抑えることができる。
【0018】
また、前記画像形成装置は、定着液を収容するカートリッジをさらに備え、前記供給ユニットは、定着液を収容するタンクであって、前記カートリッジ内の定着液を前記タンク内に取り込むための第1導入管と、前記定着ヘッドから排出された定着液を前記タンク内に取り込むための第2導入管と、を有するタンクと、前記タンク内の液面の最上位レベルを規定する液面制御機構と、を備え、前記第1導入管および前記第2導入管は、前記タンク内の前記最上位レベルに位置する液面から上方に離れていてもよい。
【0019】
この構成によれば、タンク内の液面が最上位レベルに位置する場合であっても、タンク内の帯電された定着液が、第1導入管に接触することが抑制されるので、帯電された定着液が、カートリッジ内の定着液に影響を及ぼすのを抑えることができる。また、タンク内の液面が最上位レベルに位置する場合であっても、タンク内の帯電された定着液が、第2導入管に接触することが抑制されるので、タンク内の高電位の定着液がそれよりも低電位の第2導入管と接触することによって定着ヘッドの静電噴霧に影響が出てしまうことを抑制することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、電圧基板から定着ヘッドへの電気的干渉を抑制するとともに、供給ユニットから定着ヘッドまでの定着液の供給経路を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係るレーザプリンタを示す図である。
図2】レーザプリンタの第1方向の一端側の構造を示す斜視図である。
図3図2の構造からカバーを取り外した構造を示す斜視図である。
図4】電圧基板の第2面側の構造を示す斜視図である。
図5図3の構造から電圧基板を取り外した構造を示す斜視図である。
図6】供給ユニットおよび制御基板をサイドフレームから分解して示す斜視図である。
図7】ポンプ、バルブおよび電子部品の位置関係を示す図である。
図8】タンクを示す斜視図(a)と、タンクの上側の構造を示す平面図(b)である。
図9】タンク内に定着液が収容されていない状態を示す図(a)と、タンク内の定着液の液面が最上位レベルに位置する状態を示す図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのレーザプリンタ1は、本体筐体2と、シートの一例としての用紙Pを給紙するためのフィーダ部3と、用紙Pに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
【0023】
フィーダ部3は、本体筐体2の下部に着脱可能に装着される給紙トレイ31と、給紙トレイ31内の用紙Pを画像形成部4に向けて給紙する給紙機構32とを備えている。
【0024】
画像形成部4は、スキャナユニット5と、プロセスカートリッジ6と、転写ローラTRと、定着装置7とを備えている。
【0025】
スキャナユニット5は、本体筐体2内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズおよび反射鏡などを備えている。このスキャナユニット5では、レーザビームを、後述する感光ドラム61の表面上に出射する。
【0026】
プロセスカートリッジ6は、本体筐体2に着脱可能となっている。プロセスカートリッジ6は、静電潜像が形成される感光ドラム61と、図示しない帯電器と、現像剤の一例としてのトナーを収容するトナー収容部62と、トナー収容部62内のトナーを感光ドラム61に供給する供給ローラ63および現像ローラ64を備えている。
【0027】
このプロセスカートリッジ6では、図示せぬ帯電器が、回転する感光ドラム61の表面を一様に帯電する。スキャナユニット5は、感光ドラム61の表面にレーザビームを出射して、感光ドラム61の表面を露光することで、感光ドラム61の表面に画像データに基づく静電潜像を形成する。
【0028】
次いで、回転駆動される現像ローラ64が、感光ドラム61の静電潜像にトナーを供給して、感光ドラム61の表面上にトナー像を形成する。その後、感光ドラム61の表面上に担持されたトナー像は、用紙Pが感光ドラム61と転写ローラTRの間で搬送される際に、用紙Pに転写される。
【0029】
定着装置7は、帯電された定着液を静電噴霧により用紙P上のトナー像に向けて噴霧することで、用紙P上にトナー像を定着させる装置である。なお、定着装置7の構成については、後で詳述する。
【0030】
用紙Pの搬送方向において、定着装置7の下流側には、定着装置7から排出された用紙Pを下流側に搬送するための下流側搬送ローラ81が設けられている。下流側搬送ローラ81によって搬送された用紙Pは、排紙ローラRに搬送され、この排紙ローラRから排紙トレイ21上に排出される。
【0031】
次に、定着装置7の構成について詳細に説明する。
定着装置7は、定着液を噴霧するための定着ヘッド71と、定着ヘッド71の下で用紙Pと対向するように配置される第2電極72と、定着ヘッド71から噴霧された定着液を回収する回収容器75とを備えている。第2電極72および回収容器75は、定着ヘッド71と向かい合う位置に設けられている。
【0032】
定着液としては、良好に静電噴霧を行い、かつ、定着を行うために、トナーを溶解させる溶質を誘電率の高い溶媒に分散させたものを使用することが出来る。誘電率の高い溶媒として、安全な水を用いることができる。つまり、本実施形態では、トナーを溶解させる溶質を水に分散するタイプ、いわゆる、水中油滴型のエマルジョンでトナーの溶解を行っている。つまり、溶媒としての水に対して不溶または難溶な溶質を水に分散した定着液を用いている。溶質としては、脂肪族モノカルボン酸エステル系として、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、脂肪族ジカルボン酸エステル系として、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、脂肪族トリカルボン酸エステル系として、oアセチルクエン酸トリエチル、oアセチルクエン酸トリブチル、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキル系として、コハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジブトキシエチル、炭酸エステル系として、炭酸エチレン、炭酸プロピレンを使用することができる。これらの溶質はトナーを軟化させる機能を有する。
【0033】
また、エマルジョンを良好に形成するために界面活性剤を加えても良く、界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤を使用することができる。アニオン系界面活性剤としては、ラウリン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類、ドデシル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩類、ポリエトキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類を使用することができる。カチオン系界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩を使用することができる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノラウレートなどのソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノラウレートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類、ショ糖ラウリン酸エステルなどのショ糖脂肪酸エステル類を使用することができる。
【0034】
定着ヘッド71は、定着液を内部に収容する収容部73と、収容部73に連通し、トナー像に向けて定着液を噴霧する第1ノズルN1および第2ノズルN2と、収容部73内および各ノズルN1,N2内の定着液に電圧を印加する第1電極74とを備えている。図2に示すように、第1ノズルN1および第2ノズルN2の先端部分は、下方に向かう程、徐々に縮径している。第1ノズルN1は、用紙Pの幅方向に間隔を空けて複数設けられている。
【0035】
なお、本実施形態では、用紙Pの幅方向が、「第1方向」に相当する。また、用紙Pの幅方向に直交する上下方向が、第1方向に直交する「第2方向」に相当する。また、用紙Pの幅方向および上下方向に直交する方向が、第1方向および第2方向に直交する「第3方向」に相当する。以下の説明では、用紙Pの幅方向を「第1方向」とも称し、上下方向を「第2方向」とも称し、用紙Pの幅方向および上下方向に直交する方向を「第3方向」とも称する。
【0036】
図示は省略するが、第2ノズルN2は、第1方向に間隔を空けて複数設けられている。第2ノズルN2は、用紙Pの搬送方向において、第1ノズルN1の下流に位置する。また、第2ノズルN2は、第1方向においても、第1ノズルN1とは異なる位置に位置する。
【0037】
図1に示すように、第1電極74は、収容部73の上壁を上から下に貫通するように設けられ、下端部が収容部73内の定着液内に配置され、上端部が、図示せぬハーネスを介して、図2に示す電圧基板B1に接続されている。
【0038】
第2電極72は、用紙Pに接触して、ノズルN1,N2内の定着液と用紙Pとの間に電位差(電界)を形成するための電極であり、各ノズルN1,N2の先端から所定距離離れるように、各ノズルN1,N2の下に配置されている。ここで、所定距離は、用紙Pの厚さよりも大きな距離であり、実験やシミュレーション等によって静電噴霧を好適に行うことが可能な距離に設定されている。なお、第2電極72は、接地されていてもよいし、第1電極74に印加される電圧よりも小さな電圧が印加されていてもよい。また、第2電極72に印加される電圧が、第1電極74に印加される電圧と逆極性の電圧であってもよい。第2電極72が接地される場合、第1電極74に印加される電圧は、1kv~10kvであることが好ましい。
【0039】
第1電極74に電圧が印加されるとノズルN1,N2の先端付近の空間に電界が形成される。すると、ノズルN1,N2の先端では、定着液が電界に引っ張られていわゆるテイラーコーンが形成される。このテイラーコーンの先端から定着液が引きちぎられることによって微細な液滴が生成される。
ノズルN1,N2から噴霧された液滴状の定着液は、正に帯電している。これに対し、用紙Pは実質的にゼロ電位状態になっている。このため、液滴状の定着液は、クーロン力によって用紙Pに向かって飛んでゆき、用紙Pやトナー像に付着する。
【0040】
このように構成された第1電極74および第2電極72は、ノズルN1,N2内の定着液と、ノズルN1,N2から離れた位置で搬送される用紙Pとの間に電位差を形成するための電位差形成部となっている。
【0041】
図2に示すように、レーザプリンタ1は、サイドフレーム22と、カバー23と、カートリッジCTと、電圧基板B1と、遮蔽板100と、供給ユニット200と、制御基板B2とをさらに備えている。サイドフレーム22およびカバー23は、本体筐体2の一部を構成する部材である。
【0042】
サイドフレーム22は、定着装置7の第1方向における一端に位置する。サイドフレーム22は、定着ヘッド71および回収容器75の第1方向における一端を支持する。
【0043】
カバー23は、サイドフレーム22を第1方向の一端側から覆う部材である。カバー23は、第1外壁23Aと、第2外壁23Bと、第3外壁23Cとを有する。
【0044】
第1外壁23A、第2外壁23Bおよび第3外壁23Cの各外面は、本体筐体2の外面の一部を構成している。第1外壁23Aは、サイドフレーム22に対して定着装置7とは反対側に位置する。第1外壁23Aは、第1方向においてサイドフレーム22から離れている。第1方向における第1外壁23Aとサイドフレーム22の間には、カートリッジCT、電圧基板B1、遮蔽板100、供給ユニット200および制御基板B2が位置している。これにより、供給ユニット200は、第1方向において、第1外壁23Aと定着ヘッド71の間に位置している。
【0045】
第2外壁23Bは、第1外壁23Aの第3方向における一端からサイドフレーム22に向けて延びている。第2外壁23Bは、サイドフレーム22に固定されている。第2外壁23Bは、カートリッジCTが通過可能な開口23Dを有している。
【0046】
第3外壁23Cは、第1外壁23Aの第3方向における他端からサイドフレーム22に向けて延びている。第3外壁23Cは、サイドフレーム22に固定されている。
【0047】
カートリッジCTは、定着液を収容している。カートリッジCTは、本体筐体2に着脱可能となっている。カートリッジCTは、第1方向において、第1外壁23Aと供給ユニット200の一部の間に位置する。
【0048】
電圧基板B1は、定着ヘッド71の第1電極74と、第2電極72とに電圧を印加するための基板である。電圧基板B1は、第1方向において、第1外壁23Aと供給ユニット200の間に位置する。
【0049】
図3に示すように、電圧基板B1は、第1面B11と、第2面B12とを有している。第1面B11は、第1外壁23A側を向いている。第2面B12は、供給ユニット200側を向いている。
【0050】
図4に示すように、電圧基板B1は、第2面B12に複数の電子部品B13を有している。電子部品B13は、例えば電圧を高電圧に昇圧するトランスであり、第2面B12から突出している。これにより、図3に示すように、電子部品B13は、供給ユニット200に向けて突出している。
【0051】
ここで、図示は省略するが、電圧基板B1は、電子部品B13以外のその他の電子部品を有している。電子部品B13は、その他の電子部品よりも供給ユニット200に向けて突出している。言い換えると、電子部品B13は、第2面B12から最も突出した電子部品である。
【0052】
図3に示すように、遮蔽板100は、電圧基板B1から供給ユニット200に向かう電磁波を遮蔽するための部材である。遮蔽板100は、第1方向において、電圧基板B1と供給ユニット200の間に位置する。電圧基板B1および遮蔽板100は、第3方向において、カートリッジCTと並んでいる。
【0053】
図5に示すように、遮蔽板100は、電圧基板B1が取り付けられる複数の取付ボス110と、複数の凹部120とを有している。取付ボス110は、電圧基板B1に向けて突出している。凹部120は、電子部品B13が入る凹部である。凹部120は、供給ユニット200に向けて凹んでいる。言い換えると、遮蔽板100の供給ユニット200側の面のうち凹部120に対応した部位は、供給ユニット200に向けて突出している。
【0054】
図6に示すように、供給ユニット200は、定着ヘッド71に定着液を供給するためのユニットである。供給ユニット200は、支持板210と、複数のポンプ220と、複数のバルブ230と、タンク240とを備えている。支持板210は、複数のポンプ220、複数のバルブ230およびタンク240を支持する部材である。また、支持板210は、制御基板B2を支持している。図2に示すように、支持板210の一部は、第1方向において、遮蔽板100とサイドフレーム22の間に位置している。支持板210の他部は、第1方向において、カートリッジCTとサイドフレーム22の間に位置している。
【0055】
図6に示すように、タンク240は、定着液を収容する部材である。タンク240は、図示せぬ配管を介して、定着ヘッド71、回収容器75およびカートリッジCTのそれぞれに接続されている。
【0056】
ポンプ220は、タンク240に接続される図示せぬ配管内の定着液を送液する機能を有している。複数のうち1つのポンプ220は、タンク240から定着ヘッド71に定着液を供給するための供給部材に相当する。その他のポンプ220は、回収容器75で回収した定着液をタンク240に戻すためのポンプと、カートリッジCT内の定着液をタンク240に補充するためのポンプである。
【0057】
バルブ230は、図示せぬ配管内の定着液や空気の流れを許容したり遮断したりする弁である。複数のうち1つのバルブ230は、タンク240から定着ヘッド71に向かう定着液の流れを許容・遮断するバルブであり、タンク240から定着ヘッド71に定着液を供給するための供給部材に相当する。その他のバルブ230は、回収容器75からタンク240に向かう定着液の流れを許容・遮断するバルブと、カートリッジCTからタンク240に向かう定着液の流れを許容・遮断するバルブと、定着ヘッド71の上部に溜まった空気を抜くために定着ヘッド71の上部空間と外部とに連通する配管内の空気の流れを許容・遮断するバルブである。
【0058】
制御基板B2は、供給ユニット200および電圧基板B1を制御する機能を有している。制御基板B2は、第1方向において、供給ユニット200と定着ヘッド71の間に位置している。
【0059】
図7に示すように、複数のポンプ220および複数のバルブ230は、それぞれ、第2方向および第3方向の少なくとも一方の方向において、電圧基板B1の電子部品B13とは異なる位置に位置している。詳しくは、複数のポンプ220および複数のバルブ230は、それぞれ、第2方向および第3方向の少なくとも一方の方向において、遮蔽板100の凹部120とは異なる位置に位置している。
【0060】
そして、複数のポンプ220および複数のバルブ230は、第1方向に直交するいずれかの方向に投影された場合に、電子部品B13および凹部120と重なっている。言い換えると、第1方向において、遮蔽板100から支持板210までの距離は、凹部120に対応した部分の遮蔽板100からの突出量とポンプ220等の支持板210からの突出量とを足し合わせた長さよりも小さい。また、第1方向において、電圧基板B1から支持板210までの距離は、電子部品B13の電圧基板B1からの突出量とポンプ220等の支持板210からの突出量とを足し合わせた長さよりも小さい。これにより、ポンプ220等と凹部120に対応した部分とが干渉しない状態で、電圧基板B1および遮蔽板100が支持板210の近くに位置している。
【0061】
図8(a),(b)に示すように、タンク240は、上壁240Aと、下壁240Bと、第1側壁240Cと、第2側壁240Dと、第3側壁240Eと、第4側壁240Fとを有している。上壁240A、下壁240B、第1側壁240C、第2側壁240Dおよび第3側壁240Eは、樹脂などからなる。第4側壁240Fは、透明なフィルムなどからなる。上壁240Aと下壁240Bは、第2方向において対向している。下壁240Bは、上壁240Aの下に位置する。
【0062】
第1側壁240Cと第2側壁240Dは、第3方向において対向している。第1側壁240Cは、上壁240Aおよび下壁240Bの第3方向の一端同士を連結している。第2側壁240Dは、上壁240Aおよび下壁240Bの第3方向の他端同士を連結している。図5および図6に示すように、第2側壁240Dは、第3方向において、第1側壁240CとカートリッジCTの間に位置する。
【0063】
図8(a),(b)に示すように、第3側壁240Eと第4側壁240Fは、第1方向において対向している。第3側壁240Eは、上壁240A、下壁240B、第1側壁240Cおよび第2側壁240Dの第1方向の各一端を連結している。第4側壁240Fは、上壁240A、下壁240B、第1側壁240Cおよび第2側壁240Dの第1方向の各他端に貼り付けられている。図6に示すように、第3側壁240Eは、第4側壁240Fよりも支持板210に近い。
【0064】
図8(a),(b)に示すように、下壁240Bは、第2側壁240Dから第1側壁240Cに向かうにつれて下方に位置するように傾斜している。下壁240Bは、下方に凹む凹部240Gを有している。凹部240Gは、第1側壁240Cに隣接している。
【0065】
タンク240は、第1導入管241と、第2導入管242と、供給管243と、先端収容部244と、ハーネス支持部245とをさらに有している。第1導入管241は、カートリッジCT内の定着液をタンク240内に取り込むための管である。第1導入管241には、図示せぬ配管、前述したポンプ220およびバルブ230を介してカートリッジCTが接続されている。
【0066】
第2導入管242は、定着ヘッド71から回収容器75に排出された定着液をタンク240内に取り込むための管である。第2導入管242には、図示せぬ配管、前述したポンプ220およびバルブ230を介して回収容器75が接続されている。
【0067】
第1導入管241および第2導入管242は、タンク240の上壁240Aを上下に貫通するように上壁240Aに設けられている。第1導入管241および第2導入管242は、第3方向において離れている。第1導入管241および第2導入管242は、第1方向において同じ位置に位置する。
【0068】
供給管243は、タンク240内の定着液を定着ヘッド71に供給するための管である。供給管243には、図示せぬ配管、前述したポンプ220およびバルブ230を介して定着ヘッド71が接続されている。供給管243は、第1側壁240Cの下端部に位置して、凹部240G内に連通している。
【0069】
先端収容部244は、図9(a)に示すように、後述する被検知アーム252の先端を収容する部位である。先端収容部244は、内側の面が上壁240Aから上方に向けて凹む凹形状となっている。図8(b)に示すように、先端収容部244は、第1方向において、第1導入管241および第2導入管242よりも第4側壁240Fに近い。
【0070】
ハーネス支持部245は、後述するハーネス270を支持する部位である。ハーネス支持部245は、上壁240Aから上方に突出している。ハーネス支持部245の先端は、ハーネス270を第3方向で挟み込む二股形状となっている。ハーネス支持部245は、第3方向において、第1導入管241と第2導入管242の間に位置する。詳しくは、第3方向において、ハーネス支持部245から第1導入管241までの距離は、ハーネス支持部245から第2導入管242までの距離と略等しい。ハーネス支持部245は、第1方向において、第1導入管241および第2導入管242よりも第3側壁240Eに近い。
【0071】
供給ユニット200は、タンク240内の液面の最上位レベルLmaxを規定する液面制御機構LCをさらに備えている。液面制御機構LCは、液面の上昇に応じて動く可動部材250と、残量センサ260と、ハーネス270と、前述した制御基板B2とを備えている。残量センサ260は、可動部材250の動きを検出することで、タンク240内の定着液の量を検出するセンサである。ハーネス270は、残量センサ260に接続されるハーネスである。ハーネス270は、ハーネス支持部245によって支持されることで、第1導入管241および第2導入管242から離れている。
【0072】
図9(a)に示すように、可動部材250は、フロート251と、被検知アーム252とを有している。フロート251は、タンク240内において、第1方向に沿った回動軸X1を中心に回動可能となっている。フロート251は、定着液よりも密度の低い材料からなる。これにより、図9(b)に示すように、タンク240内の定着液の液面が上昇するにつれて、フロート251が上方に回動するようになっている。図9(a)に示すように、フロート251は、タンク240内に定着液が存在しない状態において、凹部240G内に入っている。
【0073】
被検知アーム252は、フロート251から上壁240Aに向けて延びている。被検知アーム252の先端は、先端収容部244内に入っている。
【0074】
残量センサ260は、発光部および受光部を有する光センサである。発光部から出射された光は、先端収容部244内を通過して受光部に受光されるようになっている。制御基板B2は、図9(a)に示すように光が受光部で受光されているときには、定着液がタンク240内に取り込まれることを許容する。また、制御基板B2は、図9(b)に示すように発光部からの光が被検知アーム252で遮られて受光部で受光されなくなった場合には、定着液がタンク240内に取り込まれることを禁止する。
【0075】
これにより、タンク240内の液面の最上位レベルLmaxが規定されるようになっている。第1導入管241および第2導入管242は、タンク240内の最上位レベルLmaxに位置する液面から上方に離れている。
【0076】
次に、制御基板B2の動作について説明する。
カートリッジCT内の定着液をタンク240内に取り込む場合には、制御基板B2は、カートリッジCTとタンク240を接続する配管上のバルブ230を開けるとともに、前記配管上のポンプ220を駆動させる。これにより、カートリッジCTからタンク240に定着液が供給される。
【0077】
タンク240内の定着液を定着ヘッド71に供給する場合には、制御基板B2は、タンク240と定着ヘッド71を接続する第1配管上のバルブ230と、定着ヘッド71の上部空間と外部とに連通する第2配管上のバルブ230とを開けるとともに、前記第1配管上のポンプ220を駆動させる。これにより、定着ヘッド71の上部に溜まった空気が外部に排出されるとともに、タンク240から定着ヘッド71に定着液が供給される。制御基板B2は、定着ヘッド71内の定着液が所定量以上になると、第1配管および第2配管上の各バルブ230を閉じて、ポンプ220を停止させる。
【0078】
定着装置7によって定着を行う場合には、制御基板B2は、電圧基板B1を介して第1電極74および第2電極72のうち少なくとも第1電極74に電圧を印加する。このとき、タンク240と定着ヘッド71を接続する第1配管上のバルブ230を開けるとともに、第1配管上のポンプ220を駆動させる。これにより、定着ヘッド71内の定着液が帯電されて、静電噴霧が実行される。なお、この際、電圧基板B1から電磁波が発生するが、図2に示すように、電圧基板B1は、供給ユニット200よりも定着ヘッド71から離れているため、電圧基板B1から定着ヘッド71への電気的干渉が抑制される。また、供給ユニット200が電圧基板B1よりも定着ヘッド71に近いので、供給ユニット200から定着ヘッド71に定着液を送るための供給経路を短くすることができる。
【0079】
回収容器75内の帯電された定着液をタンク240内に戻す場合には、制御基板B2は、回収容器75とタンク240を接続する配管上のバルブ230を開けるとともに、前記配管上のポンプ220を駆動させる。これにより、回収容器75からタンク240に定着液が戻される。この際、帯電された定着液は、第2導入管242を通ってタンク240内に戻るが、第2導入管242がハーネス270から離れているので、定着液からハーネス270への電気的干渉を抑えることができる。
【0080】
図9(b)に示すように、タンク240内の液面が最上位レベルLmaxに達すると、制御基板B2は、第1導入管241および第2導入管242に対応したバルブ230を閉じるとともに、ポンプ220を停止することで、タンク240内にそれ以上定着液が取り込まれることを禁止する。この際、第1導入管241および第2導入管242が、タンク240内の最上位レベルLmaxに位置する液面から上方に離れているため、回収容器75から回収した、帯電された定着液が第1導入管241および第2導入管242に接触することが抑制される。
【0081】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
電圧基板B1が供給ユニット200よりも定着ヘッド71から離れた位置に位置するので、電圧基板B1から定着ヘッド71への電気的干渉を抑制することができる。また、供給ユニット200が電圧基板B1よりも定着ヘッド71の近くに位置するので、定着液の供給経路を短くすることができる。
【0082】
電圧基板B1と供給ユニット200の間に遮蔽板100が位置するので、電圧基板B1から供給ユニット200への電気的干渉を抑制することができる。
【0083】
制御基板B2が供給ユニット200に対して電圧基板B1とは反対側に位置するので、電圧基板B1から制御基板B2への電気的干渉を抑制することができる。
【0084】
電圧基板B1の電子部品B13を供給ユニット200に向けて突出させたので、例えば電子部品B13を第1外壁23Aに向けて突出させる場合と比べ、電子部品B13を外力から保護することができる。
【0085】
電圧基板B1に向けて突出するポンプ220およびバルブ230を、第2方向および第3方向の少なくとも一方の方向において、電子部品B13とは異なる位置に位置させたので、ポンプ220およびバルブ230と電子部品B13との干渉を抑えつつ、電圧基板B1と供給ユニット200の第1方向における間隔を小さくして、レーザプリンタ1を第1方向に小型化することができる。
【0086】
ハーネス270が第2導入管242から離れているので、帯電された定着液が第2導入管242を通過する際に、定着液からハーネス270への電気的干渉を抑えることができる。
【0087】
第1導入管241がタンク240内の最上位レベルLmaxに位置する液面から上方に離れているので、タンク240内の液面が最上位レベルLmaxに位置する場合であっても、タンク240内の帯電された定着液が、第1導入管241に接触することが抑制され、帯電された定着液が、カートリッジCT内の定着液に影響を及ぼすのを抑えることができる。
【0088】
第2導入管242がタンク240内の最上位レベルLmaxに位置する液面から上方に離れているので、タンク240内の液面が最上位レベルLmaxに位置する場合であっても、タンク240内の帯電された定着液が、第2導入管242に接触することが抑制される。そのため、タンク240内の高電位の定着液がそれよりも低電位の第2導入管242と接触することによって定着ヘッド71の静電噴霧に影響が出てしまうことを抑制することができる。
【0089】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
【0090】
前記実施形態では、用紙Pの幅方向を「第1方向」とし、上下方向を「第2方向」としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、用紙の幅方向を第2方向とし、上下方向を第1方向としてもよい。
【0091】
前記実施形態では、レーザプリンタ1が遮蔽板100を備える構成としたが、本発明はこれに限定されず、レーザプリンタは、遮蔽板を備えていなくてもよい。また、制御基板の位置は、前記実施形態の位置に限らない。また、残量センサは、光センサに限らず、例えば、可動部材からの圧力を検出する圧力センサなどであってもよい。
【0092】
また、ハーネスは第2導入管から離れていればよいため、例えば、ハーネスから第1導入管までの最短距離を、ハーネスから第2導入管までの最短距離よりも小さくしてもよい。
【0093】
液面制御機構は、前記実施形態に限定されない。例えば、液面制御機構は、タンク内の液面の上昇に応じて動く可動部材に機械的に連動してバルブを閉じる機構であってもよい。また、液面制御機構は、タンクの最上位レベルの位置に定着液を逃がす孔を設け、液面が最上位レベルに保たれるものであってもよい。
【0094】
画像形成装置は、前記実施形態に限定されず、例えば、カラープリンタ、複写機、複合機などであってもよい。
【0095】
前記各実施形態では、定着液の噴霧のみでシート上にトナー像を定着させたが、本発明はこれに限定されず、定着液の噴霧の後、シートを加熱することで、シート上にトナー像を定着させてもよい。
【0096】
前記実施形態では、第2電極72を、定着ヘッド71の各ノズルN1,N2の先端に対向するように配置したが、本発明はこれに限定されず、ノズルが突出する方向から見て、ノズルと第2電極が重ならないように第2電極を配置してもよい。この場合であっても、用紙が、第2電極の直上に位置し、且つ、ノズルの先端に対向したときに、ノズル内の定着液と用紙との間に電位差が形成されて、静電噴霧を行うことができる。
【0097】
前記実施形態では、シートの一例として、厚紙、はがき、薄紙などの用紙Pを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばOHPシートであってもよい。
【0098】
前記実施形態では、第1電極74を収容部73の内部に配置したが、本発明はこれに限定されず、例えばノズルおよび収容部を金属等の導電性部材で形成して、ノズルまたは収容部に対して電圧を印加してもよい。なお、この場合には、電圧が印加されるノズルまたは収容部が、第1電極として機能する。また、収容部を樹脂等の非導電性の部材で形成し、ノズルを金属等の導電性の部材で形成し、ノズルに電圧を印加するようにしてもよい。なお、この場合には、ノズルが第1電極として機能する。
また、第2電極72は、必ずしもノズルN1,N2と対向する必要は無く、用紙の搬送方向上流側や下流側にずれて配置されていてもよい。
【0099】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0100】
1 レーザプリンタ
2 本体筐体
23A 第1外壁
71 定着ヘッド
200 供給ユニット
B1 電圧基板
P 用紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9