(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039010
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H05K 3/00 20060101AFI20220303BHJP
G01N 21/956 20060101ALI20220303BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
H05K3/00 T
G01N21/956 B
G06T1/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020143782
(22)【出願日】2020-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】504171134
【氏名又は名称】国立大学法人 筑波大学
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】滝沢 穂高
【テーマコード(参考)】
2G051
5B057
【Fターム(参考)】
2G051AA65
2G051AB02
2G051CA04
2G051CB01
2G051EA12
2G051EA14
2G051ED08
2G051ED11
2G051ED22
2G051ED23
5B057AA03
5B057CA01
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB01
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CE02
5B057CE06
5B057CE12
5B057CH09
5B057DB02
5B057DB06
5B057DB09
(57)【要約】
【課題】電子回路基板または半導体基板の主面に垂直に撮像された電子回路基板または半導体基板の画像から電子回路基板または半導体基板の主面に対して傾斜した領域を高精度に抽出することができる画像処理装置、画像処理方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】電子回路基板または半導体基板の主面に垂直に撮像された前記電子回路基板または前記半導体基板の画像の処理を行う画像処理装置は、前記電子回路基板または前記半導体基板の画像を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記電子回路基板または前記半導体基板の画像に対して標準偏差フィルタを適用した処理を行う標準偏差フィルタ処理部と、前記標準偏差フィルタ処理部による処理が行われた前記電子回路基板または前記半導体基板の画像を2値化する2値化処理部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子回路基板または半導体基板の主面に垂直に撮像された前記電子回路基板または前記半導体基板の画像の処理を行う画像処理装置であって、
前記電子回路基板または前記半導体基板の画像を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記電子回路基板または前記半導体基板の画像に対して標準偏差フィルタを適用した処理を行う標準偏差フィルタ処理部と、
前記標準偏差フィルタ処理部による処理が行われた前記電子回路基板または前記半導体基板の画像を2値化する2値化処理部とを備える、
画像処理装置。
【請求項2】
前記標準偏差フィルタ処理部は、
前記取得部によって取得された前記電子回路基板または前記半導体基板の画像に複数のウィンドウを設定するウィンドウ設定部と、
前記ウィンドウ設定部によって設定された前記複数のウィンドウのそれぞれに含まれる複数の画素の画素値の標準偏差を算出する標準偏差算出部と、
前記複数のウィンドウのそれぞれが、前記標準偏差算出部によって算出された標準偏差を有する画像である標準偏差画像を生成する標準偏差画像生成部とを備える、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像処理装置は、前記電子回路基板としてのプリント配線板のカラー画像の処理を行い、
前記プリント配線板は、基材と、前記基材の上に配置された導体部とを備え、
前記導体部は、前記基材に隣接するボトム部と、前記ボトム部を隔てて前記基材の反対側に位置するトップ部と、前記ボトム部と前記トップ部とを接続するテーパ部とを有し、
前記取得部は、前記プリント配線板の主面に垂直に撮像された前記プリント配線板のカラー画像を取得し、
前記画像処理装置は、
前記取得部によって取得された前記プリント配線板のカラー画像の濃淡画像処理を行うことによって、前記トップ部に対応する領域を抽出した画像であるトップ部領域画像を生成する濃淡画像処理部と、
前記取得部によって取得された前記プリント配線板のカラー画像の画像処理を行うことによって、前記テーパ部に対応する領域を抽出した画像であるテーパ部領域画像を生成するカラー画像処理部と、
前記濃淡画像処理部によって生成された前記トップ部領域画像と前記カラー画像処理部によって生成された前記テーパ部領域画像との論理和である論理和画像を生成する論理和画像生成部と、
前記論理和画像生成部によって生成された前記論理和画像から、前記トップ部に対応する領域と前記テーパ部に対応する領域との隙間部分を除くことによって、前記ボトム部に対応する領域を抽出した画像であるボトム部領域画像を生成するボトム部領域画像生成部とを備える、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記カラー画像処理部は、
前記取得部によって取得された前記プリント配線板のカラー画像を分解して、R画像とG画像とB画像とを含むRGB画像を生成する分解部と、
前記分解部によって生成された前記R画像、前記G画像および前記B画像のそれぞれに対して前記標準偏差フィルタを適用した処理を行うことによって、前記R画像、前記G画像および前記B画像のそれぞれに対応する標準偏差画像を生成する前記標準偏差フィルタ処理部と、
前記標準偏差フィルタ処理部によって生成された前記R画像に対応する標準偏差画像と、前記G画像に対応する標準偏差画像と、前記B画像に対応する標準偏差画像とに基づいて、最大標準偏差画像を生成する最大標準偏差画像生成部と、
前記最大標準偏差画像生成部によって生成された前記最大標準偏差画像を判別分析法により2値化する前記2値化処理部と、
前記2値化処理部によって2値化された画像に対してマセマティカル・モルフォロジのクロージングフィルタを適用した処理を行うクロージングフィルタ処理部と、
前記クロージングフィルタ処理部による処理が行われた画像からノイズ成分を除くことによって前記テーパ部領域画像を生成するテーパ部領域画像生成部とを備える、
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記標準偏差フィルタ処理部は、
前記分解部によって生成された前記R画像、前記G画像および前記B画像のそれぞれに対して複数のウィンドウを設定するウィンドウ設定部と、
前記ウィンドウ設定部によって前記R画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれに含まれる複数の画素の画素値の標準偏差と、前記ウィンドウ設定部によって前記G画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれに含まれる複数の画素の画素値の標準偏差と、前記ウィンドウ設定部によって前記B画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれに含まれる複数の画素の画素値の標準偏差とを算出する標準偏差算出部と、
前記R画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれが前記標準偏差算出部によって算出された前記R画像の標準偏差を各ウィンドウの値として有する画像である前記R画像に対応する標準偏差画像と、前記G画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれが前記標準偏差算出部によって算出された前記G画像の標準偏差を各ウィンドウの値として有する画像である前記G画像に対応する標準偏差画像と、前記B画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれが前記標準偏差算出部によって算出された前記B画像の標準偏差を各ウィンドウの値として有する画像である前記B画像に対応する標準偏差画像とを生成する標準偏差画像生成部とを備え、
前記R画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれと、前記G画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれと、前記B画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれとが互いに対応している、
請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記最大標準偏差画像生成部は、
前記最大標準偏差画像の複数のウィンドウのそれぞれが、前記R画像の標準偏差、前記G画像の標準偏差および前記B画像の標準偏差の最大値を各ウィンドウの値として有する画像である前記最大標準偏差画像を生成する、
請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記濃淡画像処理部は、
前記取得部によって取得された前記プリント配線板のカラー画像を濃淡画像に変換する変換部と、
前記変換部によって変換された前記濃淡画像を判別分析法により2値化する他の2値化処理部と、
前記他の2値化処理部によって2値化された画像からノイズ成分を除くことによって前記トップ部領域画像を生成するトップ部領域画像生成部とを備える、
請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
電子回路基板または半導体基板の主面に垂直に撮像された前記電子回路基板または前記半導体基板の画像の処理を行う画像処理方法であって、
前記電子回路基板または前記半導体基板の画像を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された前記電子回路基板または前記半導体基板の画像に対して標準偏差フィルタを適用した処理を行う標準偏差フィルタ処理ステップと、
前記標準偏差フィルタ処理ステップにおける処理が行われた前記電子回路基板または前記半導体基板の画像を2値化する2値化処理ステップとを備える、
画像処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
電子回路基板または半導体基板の画像を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された前記電子回路基板または前記半導体基板の画像に対して標準偏差フィルタを適用した処理を行う標準偏差フィルタ処理ステップと、
前記標準偏差フィルタ処理ステップにおける処理が行われた前記電子回路基板または前記半導体基板の画像を2値化する2値化処理ステップとを実行させるためのプログラムであって、
前記取得ステップにおいて取得される前記電子回路基板または前記半導体基板の画像は、前記電子回路基板または前記半導体基板の主面に垂直に撮像された画像である、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
図14はプリント配線板の製造方法の一例を示す図である。
プリント配線板は、最初に、基材の上に導体部(例えば銅)とレジスト(図示せず)とを配置し、次いで、導体部(例えば銅)をエッチング液で溶解させ、最後に、レジストを剥離することによって、
図14に示すようなプリント配線板が製造される。
通常、導体部(例えば銅)の上部(トップ部)は平坦であり、上部(トップ部)は、傾斜部分(テーパ部)を経て下部(ボトム部)に至り、下部(ボトム部)は基材に接続されている。
【0003】
トップ部の仕上がりが悪いと、導体部(例えば銅)を含む金属配線の電気抵抗値が、設計値からずれてしまうおそれがある。また、ボトム部の仕上がりが悪いと、そのボトム部を含む導体部(例えば銅)が、周囲の配線と導通してしまうおそれがある。
そのため、製造されたプリント配線板の詳細な検査(特に、
図14に示す例では、ボトム部の詳細な検査)が必要となる。
図14に示すプリント配線板などのような電子回路基板あるいは半導体基板(例えば半導体集積回路基板など)の検査では、電子回路基板または半導体基板の画像が、電子回路基板または半導体基板の主面(
図14に示す例では、基材の上面)に垂直に撮像される。
図14に示す例では、上部(トップ部)とテーパ部と下部(ボトム部)とを有する導体部(例えば銅)と基材とを備えるプリント配線板が、
図14の上側から、基材の上面に垂直に撮像される。
【0004】
このようにプリント配線板が撮像される場合、トップ部の面とボトム部の面とでは被写界深度が異なるため、トップ部とボトム部とを撮像するには、焦点深度を変えて2回撮像を行う必要があった。
また、昨今の電子機器の小型化により配線の細線化と大規模化が進み、プリント配線板の検査では、検査担当者が顕微鏡などを使って目視で行う必要があった。
【0005】
テーパ部は、導体部(例えば銅)が溶解されることによって形成される部分であるため、テーパ部の仕上がり面は滑らかではない。その結果、プリント配線板の画像に含まれるテーパ部に対応する領域(テーパ部領域)の特徴も不均一になる。従って、従来の境界線抽出に基づく技術では、プリント配線板の画像からテーパ部領域を安定して抽出することができなかった。
【0006】
また従来から、基板電極部外観検査装置が知られている(例えば特許文献1参照。)特許文献1に記載された技術では、カメラによって搬送中の基板の電極部が撮像される。画像処理装置では、撮像された電極部の画像データが取り込まれ、その垂直および水平射影データがそれぞれ求められる。更に、求められた射影データに基づいて画像データの検査対象電極が決定される。次に、決定された検査対象となる各電極画像データが、二値化される。そして、この二値化データに対して電極両端部用および電極中央部用の3つの検査ウィンドウが設定され、各検査ウィンドウ内の画素数が演算される。演算の結果、電極両端部では、検査ウィンドウ内の上下に隣り合う画像データの差分が基準値以上のものが不良と判定される一方、電極中央部においては検査ウィンドウ内の面積が測定され、その面積値が判定基準以上であるものが不良と判定される。
ところで、特許文献1に記載された技術では、基板電極部外観検査装置による検査の対象が、傷、ブツ、打痕、メッキ不良(剥離を含む)などの欠陥である。つまり、特許文献1に記載された技術では、撮像された画像に含まれる欠陥(詳細には、電極部よりも黒く見える部分)を見つけ出すための画像処理が行われる。
そのため、特許文献1に記載された技術によっては、基板の画像から、基板の主面に対して傾斜した領域(例えば上述したテーパ部領域など)を抽出できないおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した問題点に鑑み、本発明は、電子回路基板または半導体基板の主面に垂直に撮像された電子回路基板または半導体基板の画像から電子回路基板または半導体基板の主面に対して傾斜した領域を高精度に抽出することができる画像処理装置、画像処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、鋭意研究において、電子回路基板の画像を電子回路基板の主面(例えばレジストの表面)に垂直に撮像し、その画像に対して標準偏差フィルタを適用した処理を行い、その処理が行われた画像を2値化することによって、電子回路基板に形成された金属(導体)の傾斜部分(テーパ部)に対応する領域(テーパ部領域)を、電子回路基板の画像から高精度に抽出できることを見い出したのである。
また、本発明者は、半導体基板(半導体集積回路基板を含む)の画像を半導体基板の主面(例えば特許第6257726号公報、特許第5708686号公報等参照)に垂直に撮像し、その画像に対して標準偏差フィルタを適用した処理を行い、その処理が行われた画像を2値化することによって、半導体基板に形成された傾斜部分(テーパ部)に対応する領域を、半導体基板の画像から高精度に抽出できることを見い出したのである。
【0010】
本発明の一態様は、電子回路基板または半導体基板の主面に垂直に撮像された前記電子回路基板または前記半導体基板の画像の処理を行う画像処理装置であって、前記電子回路基板または前記半導体基板の画像を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記電子回路基板または前記半導体基板の画像に対して標準偏差フィルタを適用した処理を行う標準偏差フィルタ処理部と、前記標準偏差フィルタ処理部による処理が行われた前記電子回路基板または前記半導体基板の画像を2値化する2値化処理部とを備える、画像処理装置である。
【0011】
本発明の一態様の画像処理装置では、前記標準偏差フィルタ処理部は、前記取得部によって取得された前記電子回路基板または前記半導体基板の画像に複数のウィンドウを設定するウィンドウ設定部と、前記ウィンドウ設定部によって設定された前記複数のウィンドウのそれぞれに含まれる複数の画素の画素値の標準偏差を算出する標準偏差算出部と、前記複数のウィンドウのそれぞれが、前記標準偏差算出部によって算出された標準偏差を有する画像である標準偏差画像を生成する標準偏差画像生成部とを備えてもよい。
【0012】
本発明の一態様の画像処理装置では、前記画像処理装置は、前記電子回路基板としてのプリント配線板のカラー画像の処理を行い、前記プリント配線板は、基材と、前記基材の上に配置された導体部とを備え、前記導体部は、前記基材に隣接するボトム部と、前記ボトム部を隔てて前記基材の反対側に位置するトップ部と、前記ボトム部と前記トップ部とを接続するテーパ部とを有し、前記取得部は、前記プリント配線板の主面に垂直に撮像された前記プリント配線板のカラー画像を取得し、前記画像処理装置は、前記取得部によって取得された前記プリント配線板のカラー画像の濃淡画像処理を行うことによって、前記トップ部に対応する領域を抽出した画像であるトップ部領域画像を生成する濃淡画像処理部と、前記取得部によって取得された前記プリント配線板のカラー画像の画像処理を行うことによって、前記テーパ部に対応する領域を抽出した画像であるテーパ部領域画像を生成するカラー画像処理部と、前記濃淡画像処理部によって生成された前記トップ部領域画像と前記カラー画像処理部によって生成された前記テーパ部領域画像との論理和である論理和画像を生成する論理和画像生成部と、前記論理和画像生成部によって生成された前記論理和画像から、前記トップ部に対応する領域と前記テーパ部に対応する領域との隙間部分を除くことによって、前記ボトム部に対応する領域を抽出した画像であるボトム部領域画像を生成するボトム部領域画像生成部とを備えてもよい。
【0013】
本発明の一態様の画像処理装置では、前記カラー画像処理部は、前記取得部によって取得された前記プリント配線板のカラー画像を分解して、R画像とG画像とB画像とを含むRGB画像を生成する分解部と、前記分解部によって生成された前記R画像、前記G画像および前記B画像のそれぞれに対して前記標準偏差フィルタを適用した処理を行うことによって、前記R画像、前記G画像および前記B画像のそれぞれに対応する標準偏差画像を生成する前記標準偏差フィルタ処理部と、前記標準偏差フィルタ処理部によって生成された前記R画像に対応する標準偏差画像と、前記G画像に対応する標準偏差画像と、前記B画像に対応する標準偏差画像とに基づいて、最大標準偏差画像を生成する最大標準偏差画像生成部と、前記最大標準偏差画像生成部によって生成された前記最大標準偏差画像を判別分析法により2値化する前記2値化処理部と、前記2値化処理部によって2値化された画像に対してマセマティカル・モルフォロジのクロージングフィルタを適用した処理を行うクロージングフィルタ処理部と、前記クロージングフィルタ処理部による処理が行われた画像からノイズ成分を除くことによって前記テーパ部領域画像を生成するテーパ部領域画像生成部とを備えてもよい。
【0014】
本発明の一態様の画像処理装置では、前記標準偏差フィルタ処理部は、前記分解部によって生成された前記R画像、前記G画像および前記B画像のそれぞれに対して複数のウィンドウを設定するウィンドウ設定部と、前記ウィンドウ設定部によって前記R画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれに含まれる複数の画素の画素値の標準偏差と、前記ウィンドウ設定部によって前記G画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれに含まれる複数の画素の画素値の標準偏差と、前記ウィンドウ設定部によって前記B画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれに含まれる複数の画素の画素値の標準偏差とを算出する標準偏差算出部と、前記R画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれが前記標準偏差算出部によって算出された前記R画像の標準偏差を各ウィンドウの値として有する画像である前記R画像に対応する標準偏差画像と、前記G画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれが前記標準偏差算出部によって算出された前記G画像の標準偏差を各ウィンドウの値として有する画像である前記G画像に対応する標準偏差画像と、前記B画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれが前記標準偏差算出部によって算出された前記B画像の標準偏差を各ウィンドウの値として有する画像である前記B画像に対応する標準偏差画像とを生成する標準偏差画像生成部とを備え、前記R画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれと、前記G画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれと、前記B画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれとが互いに対応していてもよい。
【0015】
本発明の一態様の画像処理装置では、前記最大標準偏差画像生成部は、前記最大標準偏差画像の複数のウィンドウのそれぞれが、前記R画像の標準偏差、前記G画像の標準偏差および前記B画像の標準偏差の最大値を各ウィンドウの値として有する画像である前記最大標準偏差画像を生成してもよい。
【0016】
本発明の一態様の画像処理装置では、前記濃淡画像処理部は、前記取得部によって取得された前記プリント配線板のカラー画像を濃淡画像に変換する変換部と、前記変換部によって変換された前記濃淡画像を判別分析法により2値化する他の2値化処理部と、前記他の2値化処理部によって2値化された画像からノイズ成分を除くことによって前記トップ部領域画像を生成するトップ部領域画像生成部とを備えてもよい。
【0017】
本発明の一態様は、電子回路基板または半導体基板の主面に垂直に撮像された前記電子回路基板または前記半導体基板の画像の処理を行う画像処理方法であって、前記電子回路基板または前記半導体基板の画像を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得された前記電子回路基板または前記半導体基板の画像に対して標準偏差フィルタを適用した処理を行う標準偏差フィルタ処理ステップと、前記標準偏差フィルタ処理ステップにおける処理が行われた前記電子回路基板または前記半導体基板の画像を2値化する2値化処理ステップとを備える、画像処理方法である。
【0018】
本発明の一態様は、コンピュータに、電子回路基板または半導体基板の画像を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得された前記電子回路基板または前記半導体基板の画像に対して標準偏差フィルタを適用した処理を行う標準偏差フィルタ処理ステップと、前記標準偏差フィルタ処理ステップにおける処理が行われた前記電子回路基板または前記半導体基板の画像を2値化する2値化処理ステップとを実行させるためのプログラムであって、前記取得ステップにおいて取得される前記電子回路基板または前記半導体基板の画像は、前記電子回路基板または前記半導体基板の主面に垂直に撮像された画像である、プログラムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、電子回路基板または半導体基板の主面に垂直に撮像された電子回路基板または半導体基板の画像から電子回路基板または半導体基板の主面に対して傾斜した領域を高精度に抽出することができる画像処理装置、画像処理方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第1実施形態の画像処理装置の適用例を示す図である。
【
図2】第1実施形態の画像処理装置の詳細構成の一例を示す図である。
【
図3】濃淡画像処理部によって生成されたトップ部領域画像などの一例を示す図である。
【
図4】分解部によって行われる処理の一例を示す図である。
【
図5】ウィンドウ設定部によってR画像に設定されるウィンドウの一例などを示す図である。
【
図6】
図5に示すR画像の画素の画素値と、標準偏差算出部によって算出される標準偏差との対応関係の一例を示す図である。
【
図7】標準偏差画像生成部によって生成されたR画像に対応する標準偏差画像と、G画像に対応する標準偏差画像との対応関係の一例を示す図である。
【
図8】標準偏差画像生成部によって生成されたB画像に対応する標準偏差画像と、最大標準偏差画像生成部によって生成された最大標準偏差画像との対応関係の一例を示す図である。
【
図9】第1実施形態の画像処理装置によって実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図10】第1実施形態の画像処理装置によって生成されたボトム部領域画像の第1例などを示す図である。
【
図11】第1実施形態の画像処理装置によって生成されたボトム部領域画像の第2例などを示す図である。
【
図12】第1実施形態の画像処理装置によって生成されたボトム部領域画像の第3例などを示す図である。
【
図13】第2実施形態の画像処理装置の一例を示す図である。
【
図14】プリント配線板の製造方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の画像処理装置、画像処理方法およびプログラムの実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0022】
<第1実施形態>
図1は第1実施形態の画像処理装置12の適用例を示す図である。
図1に示す例では、プリント配線板(
図14参照)の主面(
図14に示す例では、基材の上面)に垂直に撮像されたプリント配線板のカラー画像が、画像処理装置12に入力される。プリント配線板は、基材と、基材の上に配置された導体部(例えば銅)とを備えている。導体部は、基材に隣接するボトム部と、ボトム部を隔てて基材の反対側(
図14の上側)に位置するトップ部と、ボトム部とトップ部とを接続するテーパ部とを有する。
画像処理装置12は、プリント配線板のカラー画像の処理を行う。画像処理装置12は、プリント配線板のカラー画像の合成、解析、プリント配線板の画像に含まれるテーパ部等の形状の抽出などを行う。記憶装置13は、画像処理装置12による画像解析のための条件情報を記憶し、記憶装置13に記憶されている条件情報が、画像処理装置12において画像解析および形状抽出に用いられる。画像処理装置12によって生成される形状データは、各種用途へ適用される。
【0023】
図2は第1実施形態の画像処理装置12の詳細構成の一例を示す図である。
図2に示す例では、画像処理装置12が、取得部12Aと、濃淡画像処理部12Bと、カラー画像処理部12Cと、論理和画像生成部12Dと、ボトム部領域画像生成部12Eとを備えている。
取得部12Aは、プリント配線板の主面に垂直に撮像されたプリント配線板のカラー画像を取得する。
濃淡画像処理部12Bは、取得部12Aによって取得されたプリント配線板のカラー画像の濃淡画像処理を行うことによって、トップ部に対応する領域を抽出した画像であるトップ部領域画像を生成する。
カラー画像処理部12Cは、取得部12Aによって取得されたプリント配線板のカラー画像の画像処理を行うことによって、テーパ部に対応する領域を抽出した画像であるテーパ部領域画像を生成する。
論理和画像生成部12Dは、濃淡画像処理部12Bによって生成されたトップ部領域画像とカラー画像処理部12Cによって生成されたテーパ部領域画像との論理和である論理和画像を生成する。
ボトム部領域画像生成部12Eは、論理和画像生成部12Dによって生成された論理和画像から、トップ部に対応する領域とテーパ部に対応する領域との隙間部分を除く(つまり、ノイズ成分を除く)ことによって、ボトム部に対応する領域を抽出した画像であるボトム部領域画像を生成する。
【0024】
図3は濃淡画像処理部12Bによって生成されたトップ部領域画像などの一例を示す図である。詳細には、
図3(A)は濃淡画像処理部12Bによって生成されたトップ部領域画像の一例を示しており、
図3(B)はカラー画像処理部12Cによって生成されたテーパ部領域画像の一例を示しており、
図3(C)は論理和画像生成部12Dによって生成された論理和画像であって、ボトム部領域画像生成部12Eによって生成されたボトム部領域画像の一例を示している。
図3に示す例では、濃淡画像処理部12Bによって生成されたトップ部領域画像に含まれるトップ部に対応する領域の外周と、カラー画像処理部12Cによって生成されたテーパ部領域画像に含まれるテーパ部に対応する領域の内周とが一致する。つまり、
図3に示す例では、トップ部に対応する領域とテーパ部に対応する領域との隙間部分が存在しない。そのため、
図3に示す例では、論理和画像生成部12Dによって生成される論理和画像と、ボトム部領域画像生成部12Eによって生成されるボトム部領域画像とが同一の画像(
図3(C)参照)になる。
【0025】
図3に示す例では、トップ部に対応する領域の外周とテーパ部に対応する領域の内周とが一致しているが、一般には、トップ部に対応する領域の外周と、テーパ部に対応する領域の内周とは、一致せず、互いに食み出したり、時には隙間が生じたりする。
第1実施形態の画像処理装置12では、トップ部に対応する領域の外周とテーパ部に対応する領域の内周とが互いに食み出した場合に、論理和画像生成部12Dが行う処理によって、食み出しの問題が解消される。また、第1実施形態の画像処理装置12では、トップ部に対応する領域の外周とテーパ部に対応する領域の内周との間に隙間が生じた場合に、ボトム部領域画像生成部12Eが行う処理によって、その隙間が除かれ、隙間の問題が解消される。
【0026】
図2に示す例では、濃淡画像処理部12Bが、変換部12B1と、2値化処理部12B2と、トップ部領域画像生成部12B3とを備えている。
変換部12B1は、取得部12Aによって取得されたプリント配線板のカラー画像を濃淡画像に変換する。2値化処理部12B2は、変換部12B1によって変換された濃淡画像を判別分析法により2値化する。
トップ部領域画像生成部12B3は、2値化処理部12B2によって2値化された画像からノイズ成分を除く(つまり、トップ部に対応する領域よりも小さい領域を削除する)ことによってトップ部領域画像(
図3(A)参照)を生成する。トップ部領域画像生成部12B3による処理では、小さな孤立領域の削除が行われるが、その大きさは任意に設定可能である。
カラー画像処理部12Cは、分解部12C1と、標準偏差フィルタ処理部12C2と、最大標準偏差画像生成部12C3と、2値化処理部12C4と、クロージングフィルタ処理部12C5と、テーパ部領域画像生成部12C6とを備えている。
分解部12C1は、取得部12Aによって取得されたプリント配線板のカラー画像を分解して、R画像とG画像とB画像とを含むRGB画像を生成する。
【0027】
図4は分解部12C1によって行われる処理の一例を示す図である。
図4に示す例では、基材と基材の上に配置された導体部とを含むプリント配線板のカラー画像が、分解部12C1によって分解され、基材と導体部とを含むプリント配線板のR画像と、基材と導体部とを含むプリント配線板のG画像と、基材と導体部とを含むプリント配線板のB画像とが生成される。
【0028】
図2に示す例では、標準偏差フィルタ処理部12C2が、分解部12C1によって生成されたR画像、G画像およびB画像のそれぞれに対して不均一性を強調する標準偏差フィルタを適用した処理を行うことによって、R画像、G画像およびB画像のそれぞれに対応する標準偏差画像を生成する。標準偏差フィルタ処理部12C2は、ウィンドウ設定部12C21と、標準偏差算出部12C22と、標準偏差画像生成部12C23とを備えている。
ウィンドウ設定部12C21は、分解部12C1によって生成されたR画像、G画像およびB画像のそれぞれに対して複数のウィンドウを設定する。
【0029】
図5はウィンドウ設定部12C21によってR画像に設定されるウィンドウW22、…、W44、…の一例などを示す図である。詳細には、
図5(A)はR画像に含まれる画素P11、…、P15、…、P21、…、P25、…、P31、…、P35、…、P41、…、P45、…、P51、…、P55、…の一例を示しており、
図5(B)はウィンドウ設定部12C21によってR画像に設定されるウィンドウW22、…、W44、…の一例を示している。
図5に示す例では、ウィンドウ設定部12C21が、R画像に含まれる画素P11、P12、P13、P21、P22、P23、P31、P32、P33に対してウィンドウW22を設定する。ウィンドウW22の数値「22」は、ウィンドウW22の中央に位置する画素P22の数値「22」に対応している。
また、ウィンドウ設定部12C21は、R画像に含まれる画素P12~P14、P22~P24、P32~P34に対してウィンドウW23(つまり、画素P23が中央に位置するウィンドウW23)(図示せず)を設定し、R画像に含まれる画素P24が中央に位置するウィンドウW24(図示せず)を設定し、R画像に含まれる画素P25が中央に位置するウィンドウW25(図示せず)などを設定する。
また、ウィンドウ設定部12C21は、R画像に含まれる画素P32が中央に位置するウィンドウW32(図示せず)、R画像に含まれる画素P33が中央に位置するウィンドウW33(図示せず)、R画像に含まれる画素P34が中央に位置するウィンドウW34(図示せず)、R画像に含まれる画素P35が中央に位置するウィンドウW35(図示せず)などを設定する。
また、ウィンドウ設定部12C21は、R画像に含まれる画素P42が中央に位置するウィンドウW42(図示せず)、R画像に含まれる画素P43が中央に位置するウィンドウW43(図示せず)、R画像に含まれる画素P44が中央に位置するウィンドウW44(
図5(B)参照)、R画像に含まれる画素P45が中央に位置するウィンドウW45(図示せず)などを設定する。
また、ウィンドウ設定部12C21は、R画像に含まれる画素P52が中央に位置するウィンドウW52(図示せず)、R画像に含まれる画素P53が中央に位置するウィンドウW53(図示せず)、R画像に含まれる画素P54が中央に位置するウィンドウW54(図示せず)、R画像に含まれる画素P55が中央に位置するウィンドウW55(図示せず)などを設定する。
【0030】
また、ウィンドウ設定部12C21は、G画像に含まれる画素P11~P13、P21~P23、P31~P33に対応する画素(図示せず)に対して、ウィンドウW22に対応するウィンドウ(図示せず)を設定する。R画像に含まれる画素P11~P13、P21~P23、P31~P33と、G画像に含まれる画素P11~P13、P21~P23、P31~P33に対応する画素とは、プリント配線板上の同一の位置に対応している。そのため、R画像に設定されるウィンドウW22と、G画像に設定されるウィンドウW22に対応するウィンドウとは、プリント配線板上の同一の位置に対応している。
また、ウィンドウ設定部12C21は、G画像に含まれる画素P12~P14、P22~P24、P32~P34に対応する画素(図示せず)に対して、ウィンドウW23に対応するウィンドウ(図示せず)を設定し、G画像に含まれる画素P24に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW24に対応するウィンドウ(図示せず)を設定し、G画像に含まれる画素P25に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW25に対応するウィンドウ(図示せず)などを設定する。
また、ウィンドウ設定部12C21は、G画像に含まれる画素P32に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW32に対応するウィンドウ(図示せず)、G画像に含まれる画素P33に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW33に対応するウィンドウ(図示せず)、G画像に含まれる画素P34に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW34に対応するウィンドウ(図示せず)、G画像に含まれる画素P35に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW35に対応するウィンドウ(図示せず)などを設定する。
また、ウィンドウ設定部12C21は、G画像に含まれる画素P42に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW42に対応するウィンドウ(図示せず)、G画像に含まれる画素P43に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW43に対応するウィンドウ(図示せず)、G画像に含まれる画素P44に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW44に対応するウィンドウ(図示せず)、G画像に含まれる画素P45に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW45に対応するウィンドウ(図示せず)などを設定する。
また、ウィンドウ設定部12C21は、G画像に含まれる画素P52に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW52に対応するウィンドウ(図示せず)、G画像に含まれる画素P53に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW53に対応するウィンドウ(図示せず)、G画像に含まれる画素P54に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW54に対応するウィンドウ(図示せず)、G画像に含まれる画素P55に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW55に対応するウィンドウ(図示せず)などを設定する。
【0031】
更に、ウィンドウ設定部12C21は、B画像に含まれる画素P11~P13、P21~P23、P31~P33に対応する画素(図示せず)に対して、ウィンドウW22に対応するウィンドウ(図示せず)を設定する。R画像に含まれる画素P11~P13、P21~P23、P31~P33と、B画像に含まれる画素P11~P13、P21~P23、P31~P33に対応する画素とは、プリント配線板上の同一の位置に対応している。そのため、R画像に設定されるウィンドウW22と、B画像に設定されるウィンドウW22に対応するウィンドウとは、プリント配線板上の同一の位置に対応している。
また、ウィンドウ設定部12C21は、B画像に含まれる画素P12~P14、P22~P24、P32~P34に対応する画素(図示せず)に対して、ウィンドウW23に対応するウィンドウ(図示せず)を設定し、B画像に含まれる画素P24に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW24に対応するウィンドウ(図示せず)を設定し、B画像に含まれる画素P25に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW25に対応するウィンドウ(図示せず)などを設定する。
また、ウィンドウ設定部12C21は、B画像に含まれる画素P32に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW32に対応するウィンドウ(図示せず)、B画像に含まれる画素P33に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW33に対応するウィンドウ(図示せず)、B画像に含まれる画素P34に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW34に対応するウィンドウ(図示せず)、B画像に含まれる画素P35に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW35に対応するウィンドウ(図示せず)などを設定する。
また、ウィンドウ設定部12C21は、B画像に含まれる画素P42に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW42に対応するウィンドウ(図示せず)、B画像に含まれる画素P43に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW43に対応するウィンドウ(図示せず)、B画像に含まれる画素P44に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW44に対応するウィンドウ(図示せず)、B画像に含まれる画素P45に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW45に対応するウィンドウ(図示せず)などを設定する。
また、ウィンドウ設定部12C21は、B画像に含まれる画素P52に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW52に対応するウィンドウ(図示せず)、B画像に含まれる画素P53に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW53に対応するウィンドウ(図示せず)、B画像に含まれる画素P54に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW54に対応するウィンドウ(図示せず)、B画像に含まれる画素P55に対応する画素(図示せず)が中央に位置するウィンドウW55に対応するウィンドウ(図示せず)などを設定する。
【0032】
そのため、R画像に設定される複数のウィンドウのそれぞれと、G画像に設定される複数のウィンドウのそれぞれと、B画像に設定される複数のウィンドウのそれぞれとは、互いに対応している(つまり、プリント配線板上の同一の位置に対応している)。
図5に示す例では、1個のウィンドウが9個(=3個×3個)の画素に対応しているが、他の例では、1個のウィンドウが9以外の任意の数(例えば、5個×5個、31個×31個など)の画素に対応していてもよい。
【0033】
図2に示す例では、標準偏差算出部12C22が、ウィンドウ設定部12C21によってR画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれに含まれる複数の画素の画素値の標準偏差を算出する。また、標準偏差算出部12C22は、ウィンドウ設定部12C21によってG画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれに含まれる複数の画素の画素値の標準偏差を算出し、ウィンドウ設定部12C21によってB画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれに含まれる複数の画素の画素値の標準偏差を算出する。
【0034】
図6は
図5に示すR画像の画素P11~P15、P21~P25、P31~P35、P41~P45、P51~P55の画素値PV11~PV15、PV21~PV25、PV31~PV35、PV41~PV45、PV51~PV55と、標準偏差算出部12C22によって算出される標準偏差SD22~SD25、SD32~SD35、SD42~SD45、SD52~SD55との対応関係の一例を示す図である。詳細には、
図6(A)は
図5に示すR画像の画素P11~P15、P21~P25、P31~P35、P41~P45、P51~P55の画素値PV11~PV15、PV21~PV25、PV31~PV35、PV41~PV45、PV51~PV55の一例を示しており、
図6(B)は標準偏差算出部12C22によって算出される標準偏差SD22~SD25、SD32~SD35、SD42~SD45、SD52~SD55の一例を示している。
図6に示す例では、標準偏差算出部12C22が、R画像に設定されたウィンドウW22(
図5(B)参照)に含まれる画素P11~P13、P21~P23、P31~P33(
図5(A)参照)の画素値PV11~PV13、PV21~PV23、PV31~PV33の標準偏差SD22を算出する。また、標準偏差算出部12C22は、R画像に設定されたウィンドウW23に含まれる画素P12~P14、P22~P24、P32~P34(
図5(A)参照)の画素値PV12~PV14、PV22~PV24、PV32~PV34の標準偏差SD23を算出し、R画像に設定されたウィンドウW24に含まれる画素P13~P15、P23~P25、P33~P35(
図5(A)参照)の画素値PV13~PV15、PV23~PV25、PV33~PV35の標準偏差SD24を算出し、R画像に設定されたウィンドウW25に含まれる9個の画素(例えば画素P14、P15、P24、P25、P34、P35など)の画素値の標準偏差SD25を算出する。
【0035】
また、標準偏差算出部12C22が、R画像に設定されたウィンドウW32に含まれる画素P21~P23、P31~P33、P41~P43(
図5(A)参照)の画素値PV21~PV23、PV31~PV33、PV41~PV43の標準偏差SD32を算出する。また、標準偏差算出部12C22は、R画像に設定されたウィンドウW33に含まれる画素P22~P24、P32~P34、P42~P44(
図5(A)参照)の画素値PV22~PV24、PV32~PV34、PV42~PV44の標準偏差SD33を算出し、R画像に設定されたウィンドウW34に含まれる画素P23~P25、P33~P35、P43~P45(
図5(A)参照)の画素値PV23~PV25、PV33~PV35、PV43~PV45の標準偏差SD34を算出し、R画像に設定されたウィンドウW35に含まれる9個の画素(例えば画素P24、P25、P34、P35、P44、P45など)の画素値の標準偏差SD35を算出する。
また、標準偏差算出部12C22が、R画像に設定されたウィンドウW42に含まれる画素P31~P33、P41~P43、P51~P53(
図5(A)参照)の画素値PV31~PV33、PV41~PV43、PV51~PV53の標準偏差SD42を算出する。また、標準偏差算出部12C22は、R画像に設定されたウィンドウW43に含まれる画素P32~P34、P42~P44、P52~P54(
図5(A)参照)の画素値PV32~PV34、PV42~PV44、PV52~PV54の標準偏差SD43を算出し、R画像に設定されたウィンドウW44に含まれる画素P33~P35、P43~P45、P53~P55(
図5(A)参照)の画素値PV33~PV35、PV43~PV45、PV55~PV55の標準偏差SD44を算出し、R画像に設定されたウィンドウW45に含まれる9個の画素(例えば画素P34、P35、P44、P45、P54、P55など)の画素値の標準偏差SD45を算出する。
また、標準偏差算出部12C22が、R画像に設定されたウィンドウW52に含まれる9個の画素(例えば画素P41、P42、P43、P51、P52、P53など)の画素値の標準偏差SD52を算出する。また、標準偏差算出部12C22は、R画像に設定されたウィンドウW53に含まれる9個の画素(例えばP42、P43、P44、P52、P53、P54など)の画素値の標準偏差SD53を算出し、R画像に設定されたウィンドウW54に含まれる9個の画素(例えば画素P43、P44、P45、P53、P54、P55など)の画素値の標準偏差SD54を算出し、R画像に設定されたウィンドウW55に含まれる9個の画素(例えば画素P44、P45、P54、P55など)の画素値の標準偏差SD55を算出する。
【0036】
また、標準偏差算出部12C22は、G画像に設定されたウィンドウW22に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD22G(
図7(B)参照)を算出し、G画像に設定されたウィンドウW23に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD23G(
図7(B)参照)を算出し、G画像に設定されたウィンドウW24に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD24G(
図7(B)参照)を算出し、G画像に設定されたウィンドウW25に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD25G(
図7(B)参照)を算出する。
また、標準偏差算出部12C22は、G画像に設定されたウィンドウW32に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD32G(
図7(B)参照)を算出し、G画像に設定されたウィンドウW33に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD33G(
図7(B)参照)を算出し、G画像に設定されたウィンドウW34に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD34G(
図7(B)参照)を算出し、G画像に設定されたウィンドウW35に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD35G(
図7(B)参照)を算出する。
【0037】
また、標準偏差算出部12C22は、G画像に設定されたウィンドウW42に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD42G(
図7(B)参照)を算出し、G画像に設定されたウィンドウW43に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD43G(
図7(B)参照)を算出し、G画像に設定されたウィンドウW44に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD44G(
図7(B)参照)を算出し、G画像に設定されたウィンドウW45に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD45G(
図7(B)参照)を算出する。
また、標準偏差算出部12C22は、G画像に設定されたウィンドウW52に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD52G(
図7(B)参照)を算出し、G画像に設定されたウィンドウW53に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD53G(
図7(B)参照)を算出し、G画像に設定されたウィンドウW54に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD54G(
図7(B)参照)を算出し、G画像に設定されたウィンドウW55に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD55G(
図7(B)参照)を算出する。
【0038】
また、標準偏差算出部12C22は、B画像に設定されたウィンドウW22に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD22B(
図8(A)参照)を算出し、B画像に設定されたウィンドウW23に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD23B(
図8(A)参照)を算出し、B画像に設定されたウィンドウW24に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD24B(
図8(A)参照)を算出し、B画像に設定されたウィンドウW25に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD25B(
図8(A)参照)を算出する。
また、標準偏差算出部12C22は、B画像に設定されたウィンドウW32に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD32B(
図8(A)参照)を算出し、B画像に設定されたウィンドウW33に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD33B(
図8(A)参照)を算出し、B画像に設定されたウィンドウW34に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD34B(
図8(A)参照)を算出し、B画像に設定されたウィンドウW35に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD35B(
図8(A)参照)を算出する。
【0039】
また、標準偏差算出部12C22は、B画像に設定されたウィンドウW42に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD42B(
図8(A)参照)を算出し、B画像に設定されたウィンドウW43に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD43B(
図8(A)参照)を算出し、B画像に設定されたウィンドウW44に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD44B(
図8(A)参照)を算出し、B画像に設定されたウィンドウW45に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD45B(
図8(A)参照)を算出する。
また、標準偏差算出部12C22は、B画像に設定されたウィンドウW52に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD52B(
図8(A)参照)を算出し、B画像に設定されたウィンドウW53に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD53B(
図8(A)参照)を算出し、B画像に設定されたウィンドウW54に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD54B(
図8(A)参照)を算出し、B画像に設定されたウィンドウW55に対応するウィンドウ(図示せず)に含まれる9個の画素の画素値の標準偏差SD55B(
図8(A)参照)を算出する。
【0040】
図2に示す例では、標準偏差画像生成部12C23が、R画像に設定された複数のウィンドウW22~W25、W32~W35、W42~W45、W52~W55、…のそれぞれが標準偏差算出部12C22によって算出されたR画像の標準偏差SD22~SD25、SD32~SD35、SD42~SD45、SD52~SD55、…を各ウィンドウの値として有する画像であるR画像に対応する標準偏差画像(
図7(A)参照)を生成する。
また、標準偏差画像生成部12C23は、G画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれが標準偏差算出部12C22によって算出されたG画像の標準偏差SD22G~SD25G、SD32G~SD35G、SD42G~SD45G、SD52G~SD55G、…を各ウィンドウの値として有する画像であるG画像に対応する標準偏差画像(
図7(B)参照)を生成し、B画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれが標準偏差算出部12C22によって算出されたB画像の標準偏差SD22B~SD25B、SD32B~SD35B、SD42B~SD45B、SD52B~SD55B、…を各ウィンドウの値として有する画像であるB画像に対応する標準偏差画像(
図8(A)参照)を生成する。
最大標準偏差画像生成部12C3は、標準偏差フィルタ処理部12C2の標準偏差画像生成部12C23によって生成されたR画像に対応する標準偏差画像(
図7(A)参照)と、G画像に対応する標準偏差画像(
図7(B)参照)と、B画像に対応する標準偏差画像(
図8(A)参照)とに基づいて、最大標準偏差画像(
図8(B)参照)を生成する。詳細には、最大標準偏差画像生成部12C3は、最大標準偏差画像の複数のウィンドウのそれぞれが、R画像の標準偏差SD22~SD25、SD32~SD35、SD42~SD45、SD52~SD55、…(
図7(A)参照)、G画像の標準偏差SD22G~SD25G、SD32G~SD35G、SD42G~SD45G、SD52G~SD55G、…(
図7(B)参照)およびB画像の標準偏差SD22B~SD25B、SD32B~SD35B、SD42B~SD45B、SD52B~SD55B、…(
図8(A)参照)の最大値を各ウィンドウの値として有する画像である最大標準偏差画像(
図8(B)参照)を生成する。
【0041】
図7および
図8は標準偏差画像生成部12C23によって生成されたR画像に対応する標準偏差画像と、G画像に対応する標準偏差画像と、B画像に対応する標準偏差画像と、最大標準偏差画像生成部12C3によって生成された最大標準偏差画像との対応関係の一例を示す図である。詳細には、
図7(A)は標準偏差画像生成部12C23によって生成されたR画像に対応する標準偏差画像の一例を示しており、
図7(B)は標準偏差画像生成部12C23によって生成されたG画像に対応する標準偏差画像の一例を示しており、
図8(A)は標準偏差画像生成部12C23によって生成されたB画像に対応する標準偏差画像の一例を示しており、
図8(B)は最大標準偏差画像生成部12C3によって生成された最大標準偏差画像の一例を示している。
R画像に対応する標準偏差画像(
図7(A)参照)では、R画像に設定されたウィンドウW22(
図5参照)が、標準偏差SD22をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、R画像に設定されたウィンドウW23が、標準偏差SD23をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、R画像に設定されたウィンドウW24が、標準偏差SD24をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、R画像に設定されたウィンドウW25が、標準偏差SD25をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有する。
また、R画像に設定されたウィンドウW32が、標準偏差SD32をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、R画像に設定されたウィンドウW33が、標準偏差SD33をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、R画像に設定されたウィンドウW34が、標準偏差SD34をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、R画像に設定されたウィンドウW35が、標準偏差SD35をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有する。
また、R画像に設定されたウィンドウW42が、標準偏差SD42をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、R画像に設定されたウィンドウW43が、標準偏差SD43をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、R画像に設定されたウィンドウW44(
図5参照)が、標準偏差SD44をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、R画像に設定されたウィンドウW45が、標準偏差SD45をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有する。
また、R画像に設定されたウィンドウW52が、標準偏差SD52をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、R画像に設定されたウィンドウW53が、標準偏差SD53をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、R画像に設定されたウィンドウW54が、標準偏差SD54をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、R画像に設定されたウィンドウW55が、標準偏差SD55をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有する。
【0042】
G画像に対応する標準偏差画像(
図7(B)参照)では、G画像に設定されたウィンドウW22(
図5参照)に対応するウィンドウが、標準偏差SD22Gをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、G画像に設定されたウィンドウW23に対応するウィンドウが、標準偏差SD23Gをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、G画像に設定されたウィンドウW24に対応するウィンドウが、標準偏差SD24Gをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、G画像に設定されたウィンドウW25に対応するウィンドウが、標準偏差SD25Gをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有する。
また、G画像に設定されたウィンドウW32に対応するウィンドウが、標準偏差SD32Gをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、G画像に設定されたウィンドウW33に対応するウィンドウが、標準偏差SD33Gをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、G画像に設定されたウィンドウW34に対応するウィンドウが、標準偏差SD34Gをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、G画像に設定されたウィンドウW35に対応するウィンドウが、標準偏差SD35Gをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有する。
また、G画像に設定されたウィンドウW42に対応するウィンドウが、標準偏差SD42Gをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、G画像に設定されたウィンドウW43に対応するウィンドウが、標準偏差SD43Gをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、G画像に設定されたウィンドウW44(
図5参照)に対応するウィンドウが、標準偏差SD44Gをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、G画像に設定されたウィンドウW45に対応するウィンドウが、標準偏差SD45Gをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有する。
また、G画像に設定されたウィンドウW52に対応するウィンドウが、標準偏差SD52Gをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、G画像に設定されたウィンドウW53に対応するウィンドウが、標準偏差SD53Gをそのウィンドウの値の中央に位置する画素として有し、G画像に設定されたウィンドウW54に対応するウィンドウが、標準偏差SD54Gをそのウィンドウの値の中央に位置する画素として有し、G画像に設定されたウィンドウW55に対応するウィンドウが、標準偏差SD55Gをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有する。
【0043】
B画像に対応する標準偏差画像(
図8(A)参照)では、B画像に設定されたウィンドウW22(
図5参照)に対応するウィンドウが、標準偏差SD22Bをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、B画像に設定されたウィンドウW23に対応するウィンドウが、標準偏差SD23Bをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、B画像に設定されたウィンドウW24に対応するウィンドウが、標準偏差SD24Bをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、B画像に設定されたウィンドウW25に対応するウィンドウが、標準偏差SD25Bをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有する。
また、B画像に設定されたウィンドウW32に対応するウィンドウが、標準偏差SD32Bをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、B画像に設定されたウィンドウW33に対応するウィンドウが、標準偏差SD33Bをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、B画像に設定されたウィンドウW34に対応するウィンドウが、標準偏差SD34Bをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、B画像に設定されたウィンドウW35に対応するウィンドウが、標準偏差SD35Bをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有する。
また、B画像に設定されたウィンドウW42に対応するウィンドウが、標準偏差SD42Bをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、B画像に設定されたウィンドウW43に対応するウィンドウが、標準偏差SD43Bをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、B画像に設定されたウィンドウW44(
図5参照)に対応するウィンドウが、標準偏差SD44Bをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、B画像に設定されたウィンドウW45に対応するウィンドウが、標準偏差SD45Bをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有する。
また、B画像に設定されたウィンドウW52に対応するウィンドウが、標準偏差SD52Bをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、B画像に設定されたウィンドウW53に対応するウィンドウが、標準偏差SD53Bをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、B画像に設定されたウィンドウW54に対応するウィンドウが、標準偏差SD54Bをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、B画像に設定されたウィンドウW55に対応するウィンドウが、標準偏差SD55Bをそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有する。
【0044】
最大標準偏差画像(
図8(B)参照)では、ウィンドウW22(
図5参照)に対応するウィンドウが、R画像の標準偏差SD22(
図7(A)参照)とG画像の標準偏差SD22G(
図7(B)参照)とB画像の標準偏差SD22B(
図8(A)参照)との最大値SD22MAX(
図8(B)参照)をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有する。また、ウィンドウW23に対応するウィンドウが、R画像の標準偏差SD23(
図7(A)参照)とG画像の標準偏差SD23G(
図7(B)参照)とB画像の標準偏差SD23B(
図8(A)参照)との最大値SD23MAX(
図8(B)参照)をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、ウィンドウW24に対応するウィンドウが、R画像の標準偏差SD24(
図7(A)参照)とG画像の標準偏差SD24G(
図7(B)参照)とB画像の標準偏差SD24B(
図8(A)参照)との最大値SD24MAX(
図8(B)参照)をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、ウィンドウW25に対応するウィンドウが、R画像の標準偏差SD25(
図7(A)参照)とG画像の標準偏差SD25G(
図7(B)参照)とB画像の標準偏差SD25B(
図8(A)参照)との最大値SD25MAX(
図8(B)参照)をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有する。
また、ウィンドウW32に対応するウィンドウが、R画像の標準偏差SD32(
図7(A)参照)とG画像の標準偏差SD32G(
図7(B)参照)とB画像の標準偏差SD32B(
図8(A)参照)との最大値SD32MAX(
図8(B)参照)をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有する。また、ウィンドウW33に対応するウィンドウが、R画像の標準偏差SD33(
図7(A)参照)とG画像の標準偏差SD33G(
図7(B)参照)とB画像の標準偏差SD33B(
図8(A)参照)との最大値SD33MAX(
図8(B)参照)をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、ウィンドウW34に対応するウィンドウが、R画像の標準偏差SD34(
図7(A)参照)とG画像の標準偏差SD34G(
図7(B)参照)とB画像の標準偏差SD34B(
図8(A)参照)との最大値SD34MAX(
図8(B)参照)をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、ウィンドウW35に対応するウィンドウが、R画像の標準偏差SD35(
図7(A)参照)とG画像の標準偏差SD35G(
図7(B)参照)とB画像の標準偏差SD35B(
図8(A)参照)との最大値SD35MAX(
図8(B)参照)をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有する。
【0045】
また、ウィンドウW42に対応するウィンドウが、R画像の標準偏差SD42(
図7(A)参照)とG画像の標準偏差SD42G(
図7(B)参照)とB画像の標準偏差SD42B(
図8(A)参照)との最大値SD42MAX(
図8(B)参照)をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有する。また、ウィンドウW43に対応するウィンドウが、R画像の標準偏差SD43(
図7(A)参照)とG画像の標準偏差SD43G(
図7(B)参照)とB画像の標準偏差SD43B(
図8(A)参照)との最大値SD43MAX(
図8(B)参照)をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、ウィンドウW44(
図5参照)に対応するウィンドウが、R画像の標準偏差SD44(
図7(A)参照)とG画像の標準偏差SD44G(
図7(B)参照)とB画像の標準偏差SD44B(
図8(A)参照)との最大値SD44MAX(
図8(B)参照)をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、ウィンドウW45に対応するウィンドウが、R画像の標準偏差SD45(
図7(A)参照)とG画像の標準偏差SD45G(
図7(B)参照)とB画像の標準偏差SD45B(
図8(A)参照)との最大値SD45MAX(
図8(B)参照)をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有する。
また、ウィンドウW52に対応するウィンドウが、R画像の標準偏差SD52(
図7(A)参照)とG画像の標準偏差SD52G(
図7(B)参照)とB画像の標準偏差SD52B(
図8(A)参照)との最大値SD52MAX(
図8(B)参照)をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有する。また、ウィンドウW53に対応するウィンドウが、R画像の標準偏差SD53(
図7(A)参照)とG画像の標準偏差SD53G(
図7(B)参照)とB画像の標準偏差SD53B(
図8(A)参照)との最大値SD53MAX(
図8(B)参照)をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、ウィンドウW54に対応するウィンドウが、R画像の標準偏差SD54(
図7(A)参照)とG画像の標準偏差SD54G(
図7(B)参照)とB画像の標準偏差SD54B(
図8(A)参照)との最大値SD54MAX(
図8(B)参照)をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有し、ウィンドウW55に対応するウィンドウが、R画像の標準偏差SD55(
図7(A)参照)とG画像の標準偏差SD55G(
図7(B)参照)とB画像の標準偏差SD55B(
図8(A)参照)との最大値SD55MAX(
図8(B)参照)をそのウィンドウの中央に位置する画素の値として有する。
【0046】
図2に示す例では、2値化処理部12C4が、最大標準偏差画像生成部12C3によって生成された最大標準偏差画像(
図8(B)参照)を判別分析法により2値化する。
クロージングフィルタ処理部12C5は、2値化処理部12C4によって2値化された画像に対してマセマティカル・モルフォロジのクロージングフィルタを適用した処理を行う。クロージングフィルタ処理部12C5による処理では、マセマティカル・モルフォロジの「構造要素」という2次元図形が計算に用いられる。その2次元図形の形状および大きさは任意に設定可能である。例えば2次元図形として、所定の大きさの円図形が使用可能である。
テーパ部領域画像生成部12C6は、クロージングフィルタ処理部12C5による処理が行われた画像からノイズ成分を除く(つまり、テーパ部に対応する領域よりも小さい領域を削除する)ことによってテーパ部領域画像を生成する。テーパ部領域画像生成部12C6による処理では、小さな孤立領域の削除が行われるが、その大きさは任意に設定可能である。
【0047】
図9は第1実施形態の画像処理装置12によって実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図9に示す例では、ステップS2Aにおいて、取得部12Aが、プリント配線板の主面に垂直に撮像されたプリント配線板のカラー画像を取得する。
次いで、ステップS2Bでは、濃淡画像処理部12Bが、ステップS2Aにおいて取得されたプリント配線板のカラー画像の濃淡画像処理を行うことによって、トップ部に対応する領域を抽出した画像であるトップ部領域画像を生成する。
詳細には、ステップS2B1では、変換部12B1が、ステップS2Aにおいて取得されたプリント配線板のカラー画像を濃淡画像に変換する。
次いで、ステップS2B2では、2値化処理部12B2が、ステップS2B1において変換された濃淡画像を判別分析法により2値化する。
次いで、ステップS2B3では、トップ部領域画像生成部12B3が、ステップS2B2において2値化された画像からノイズ成分を除くことによってトップ部領域画像を生成する。
【0048】
また、ステップS2Cでは、カラー画像処理部12Cが、ステップS2Aにおいて取得されたプリント配線板のカラー画像の画像処理を行うことによって、テーパ部に対応する領域を抽出した画像であるテーパ部領域画像を生成する。
詳細には、ステップS2C1では、分解部12C1が、ステップS2Aにおいて取得されたプリント配線板のカラー画像を分解して、R画像とG画像とB画像とを含むRGB画像を生成する。
【0049】
次いで、ステップS2C2では、標準偏差フィルタ処理部12C2が、ステップS2C1において生成されたR画像、G画像およびB画像のそれぞれに対して標準偏差フィルタを適用した処理を行うことによって、R画像、G画像およびB画像のそれぞれに対応する標準偏差画像を生成する。
詳細には、ステップS2C21では、ウィンドウ設定部12C21が、ステップS2C1において生成されたR画像、G画像およびB画像のそれぞれに対して複数のウィンドウを設定する。
次いで、ステップS2C22では、標準偏差算出部12C22が、ウィンドウ設定部12C21によってR画像、G画像およびB画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれに含まれる複数の画素の画素値の標準偏差を算出する。
次いで、ステップS2C23において、標準偏差画像生成部12C23は、R画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれがR画像の標準偏差を各ウィンドウの値として有する画像であるR画像に対応する標準偏差画像を生成し、G画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれがG画像の標準偏差を各ウィンドウの値として有する画像であるG画像に対応する標準偏差画像を生成し、B画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれがB画像の標準偏差を各ウィンドウの値として有する画像であるB画像に対応する標準偏差画像を生成する。
【0050】
次いで、ステップS2C3では、最大標準偏差画像生成部12C3が、ステップS2C23において生成されたR画像に対応する標準偏差画像とG画像に対応する標準偏差画像とB画像に対応する標準偏差画像とに基づいて、最大標準偏差画像を生成する。
次いで、ステップS2C4では、2値化処理部12C4が、ステップS2C3において生成された最大標準偏差画像を判別分析法により2値化する。
次いで、ステップS2C5では、クロージングフィルタ処理部12C5が、ステップS2C4において2値化された画像に対してマセマティカル・モルフォロジのクロージングフィルタを適用した処理を行う。
次いで、ステップS2C6では、テーパ部領域画像生成部12C6が、ステップS2C5における処理が行われた画像からノイズ成分を除くことによってテーパ部領域画像を生成する。
【0051】
次いで、ステップS2Dでは、論理和画像生成部12Dが、ステップS2Bにおいて生成されたトップ部領域画像とステップS2Cにおいて生成されたテーパ部領域画像との論理和である論理和画像を生成する。
次いで、ステップS2Eでは、ボトム部領域画像生成部12Eが、ステップS2Dにおいて生成された論理和画像から、トップ部に対応する領域とテーパ部に対応する領域との隙間部分を除くことによって、ボトム部に対応する領域を抽出した画像であるボトム部領域画像を生成する。
図9に示す例では、ステップS2BとステップS2Cとが並列処理されるが、他の例では、ステップS2BとステップS2Cとが逐次処理されてもよい。
【0052】
図10は第1実施形態の画像処理装置12によって生成されたボトム部領域画像の第1例などを示す図である。詳細には、
図10(A)は取得部12Aによって取得されたプリント配線板のカラー画像(原画像)の第1例を示しており、
図10(B)は第1実施形態の画像処理装置12によって生成されたボトム部領域画像の第1例を示しており、
図10(C)は
図10(A)に示すプリント配線板のカラー画像と
図10(B)に示すボトム部領域画像とを重畳表示した例を示している。
図10に示す例では、撮像されたプリント配線板の導体部(例えば銅)のトップ部が円形であり、テーパ部が環状であり、ボトム部が円形である。つまり、プリント配線板の導体部が円錐台形状である。
図10に示す例では、プリント配線板の主面に垂直に撮像されたプリント配線板のカラー画像からプリント配線板の主面に対して傾斜したテーパ部に対応する領域を高精度に抽出することができたため、
図10(C)に示すような重畳表示が得られた(すなわち、
図10(A)に示す導体部の輪郭と、
図10(B)に示すボトム部に対応する領域の輪郭とが一致した)。
【0053】
図11は第1実施形態の画像処理装置12によって生成されたボトム部領域画像の第2例などを示す図である。詳細には、
図11(A)は取得部12Aによって取得されたプリント配線板のカラー画像(原画像)の第2例を示しており、
図11(B)は第1実施形態の画像処理装置12によって生成されたボトム部領域画像の第2例を示しており、
図11(C)は
図11(A)に示すプリント配線板のカラー画像と
図11(B)に示すボトム部領域画像とを重畳表示した例を示している。
図11に示す例では、撮像されたプリント配線板の導体部(例えば銅)が四角錐台形状である。
図11に示す例では、プリント配線板の主面に垂直に撮像されたプリント配線板のカラー画像からプリント配線板の主面に対して傾斜したテーパ部に対応する領域を高精度に抽出することができたため、
図11(C)に示すような重畳表示が得られた(すなわち、
図11(A)に示す導体部の輪郭と、
図11(B)に示すボトム部に対応する領域の輪郭とが一致した)。
【0054】
図12は第1実施形態の画像処理装置12によって生成されたボトム部領域画像の第3例などを示す図である。詳細には、
図12(A)は取得部12Aによって取得されたプリント配線板のカラー画像(原画像)の第3例を示しており、
図12(B)は第1実施形態の画像処理装置12によって生成されたボトム部領域画像の第3例を示しており、
図12(C)は
図12(A)に示すプリント配線板のカラー画像と
図12(B)に示すボトム部領域画像とを重畳表示した例を示している。
図12に示す例では、撮像されたプリント配線板の画像に、内輪山形状の導体部と、外輪山形状の導体部と、それらに挟まれたカルデラ湖形状の基材の表面とが含まれる。
図12に示す例では、プリント配線板の主面に垂直に撮像されたプリント配線板のカラー画像からプリント配線板の主面に対して傾斜したテーパ部に対応する領域を高精度に抽出することができたため、
図12(C)に示すような重畳表示が得られた(すなわち、
図12(A)に示す内輪山形状の導体部の輪郭と、
図12(B)に示す内輪山形状のボトム部に対応する領域の輪郭とが一致し、
図12(A)に示す外輪山形状の導体部の輪郭と、
図12(B)に示す外輪山形状のボトム部に対応する領域の輪郭とが一致した)。
【0055】
図10~
図12に示すように、第1実施形態の画像処理装置12によれば、撮像されたプリント配線板のカラー画像から、トップ部、テーパ部およびボトム部を高精度に領域分割する画像処理を行うことができる。
【0056】
詳細には、第1実施形態の画像処理装置12では、テーパ部の特徴不均一性を強調することによってテーパ部を高精度に抽出し、さらにその抽出結果を利用してトップ部およびボトム部も抽出することができる。
【0057】
第1実施形態の画像処理装置12の技術を用いることによって、トップ面とボトム面とを同程度の鮮明さで撮像した1枚のカラー画像でプリント配線板を検査することが可能であり(つまり、プリント配線板の製造時にオンラインでプリント配線板の検査を行うことが可能であり)、さらに検査作業を自動化することができる。それによって下記の効果が得られる。
プリント配線板の製造結果を確認する検査の精度向上と検査作業の冗長化の抑制とを達成することができる。
目視による検査では、検査者間で検査能力のばらつきがあることが多く、品質が一定しない。また、同じ検査者でも疲労等により検査能力が時間変化し、やはり品質が一定しない。検査作業を自動化することによって検査レベルを一定に保持することができる。
検査自動化による検査者の人件費の低減を達成することができる。
【0058】
第1実施形態の画像処理装置12の技術は、製造結果を光学撮影して製造欠陥や欠陥種別を自動判断する検査分野に適用可能である。
第1実施形態の画像処理装置12の技術は、製造結果を設計パターンと照合することで設計品質を向上させるDFM(Design For Manufacturing)分野に適用可能である。
第1実施形態の画像処理装置12の技術は、製造結果を光学撮影して製造結果の特定部位の幅、間隔、長さ、面積、ピッチ、ばらつきなどを計測する測長分野に適用可能である。
第1実施形態の画像処理装置12の技術は、2次元構造、3次元構造によらず、また撮像方式によらず、撮像した画像において画素値、色相などで差が生じる構造境界を検知することが利用できる技術分野に適用可能である。
【0059】
<第2実施形態>
以下、本発明の画像処理装置、画像処理方法およびプログラムの第2実施形態について説明する。
第2実施形態の画像処理装置12は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の画像処理装置12と同様に構成されている。従って、第2実施形態の画像処理装置12によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の画像処理装置12と同様の効果を奏することができる。
【0060】
第2実施形態の画像処理装置12の適用例では、画像処理の対象が半導体基板である。第2実施形態の画像処理装置12によって画像処理が行われる半導体基板には、半導体集積回路基板も含まれる。
【0061】
図13は第2実施形態の画像処理装置12の一例を示す図である。
図13に示す例では、画像処理装置12が、半導体基板の主面に垂直に撮像された半導体基板の画像の処理を行う。画像処理装置12は、取得部12Aと、標準偏差フィルタ処理部12C2と、2値化処理部12C4とを備えている。
取得部12Aは、半導体基板の主面に垂直に撮像された半導体基板の画像を取得する。半導体基板の画像には、例えば紫外線画像などが含まれてもよい。
標準偏差フィルタ処理部12C2は、取得部12Aによって取得された半導体基板の画像に対して不均一性を強調する標準偏差フィルタを適用した処理を行う。標準偏差フィルタ処理部12C2は、ウィンドウ設定部12C21と、標準偏差算出部12C22と、標準偏差画像生成部12C23とを備えている。
【0062】
ウィンドウ設定部12C21は、取得部12Aによって取得された半導体基板の画像に対して複数のウィンドウを設定する。
標準偏差算出部12C22は、ウィンドウ設定部12C21によって半導体基板の画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれに含まれる複数の画素の画素値の標準偏差を算出する。
標準偏差画像生成部12C23は、半導体基板の画像に設定された複数のウィンドウのそれぞれが標準偏差算出部12C22によって算出された標準偏差を各ウィンドウの値として有する画像である半導体基板の画像に対応する標準偏差画像を生成する。
【0063】
2値化処理部12C4は、標準偏差フィルタ処理部12C2による処理が行われた半導体基板の画像を2値化する。詳細には、2値化処理部12C4は、標準偏差画像生成部12C23によって生成された標準偏差画像を例えば判別分析法により2値化する。
第2実施形態の画像処理装置12によれば、半導体基板の主面に垂直に撮像された半導体基板の画像に含まれる半導体基板の主面に対して傾斜した領域の特徴不均一性を強調することによって、その領域を高精度に抽出することができる。
つまり、第2実施形態の画像処理装置12によれば、半導体基板の主面に垂直に撮像された半導体基板の画像から、半導体基板の主面に対して傾斜した領域を高精度に抽出することができる。
【0064】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。上述した各実施形態および各例に記載の構成を適宜組み合わせてもよい。
【0065】
なお、上述した実施形態における画像処理装置12が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0066】
12…画像処理装置、12A…取得部、12B…濃淡画像処理部、12B1…変換部、12B2…2値化処理部、12B3…トップ部領域画像生成部、12C…カラー画像処理部、12C1…分解部、12C2…標準偏差フィルタ処理部、12C21…ウィンドウ設定部、12C22…標準偏差算出部、12C23…標準偏差画像生成部、12C3…最大標準偏差画像生成部、12C4…2値化処理部、12C5…クロージングフィルタ処理部、12C6…テーパ部領域画像生成部、12D…論理和画像生成部、12E…ボトム部領域画像生成部、13…記憶装置