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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039023
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220303BHJP
【FI】
A63F5/04 650
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020143799
(22)【出願日】2020-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】390026620
【氏名又は名称】山佐株式会社
(72)【発明者】
【氏名】橋本 祐二
(72)【発明者】
【氏名】篠原 仁
【テーマコード(参考)】
2C518
【Fターム(参考)】
2C518EA09
2C518EB04
(57)【要約】
【課題】実行されるべき示唆演出と異なる示唆演出の実行を抑制することを目的とする。
【解決手段】遊技者にとっての有利度合いの異なる複数段階の設定値を有し、当該複数段階の設定値の中から一の設定値を設定可能な設定値設定手段と、前記設定値を示唆する示唆演出を実行する示唆演出制御手段と、所定の契機において、当該所定の契機前に設定されていた設定値である第1設定値及び当該第1設定値における前記遊技回数を記憶する記憶手段と、を備え、前記示唆演出制御手段は、前記遊技回数が所定の閾値を超えている場合、前記記憶手段によって記憶されている前記第1設定値と、前記所定の契機の後に設定されている設定値である第2設定値と、の関係に基づいた所定の示唆演出を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者にとっての有利度合いの異なる複数段階の設定値を有し、当該複数段階の設定値の中から一の設定値を設定可能な設定値設定手段と、
前記設定値を示唆する示唆演出を実行する示唆演出制御手段と、
所定の契機において、当該所定の契機前に設定されていた設定値である第1設定値及び当該第1設定値における遊技回数を記憶する記憶手段と、を備え、
前記示唆演出制御手段は、前記遊技回数が所定の閾値を超えている場合、前記記憶手段によって記憶されている前記第1設定値と、前記所定の契機の後に設定されている設定値である第2設定値と、の関係に基づいた所定の示唆演出を実行する遊技機。
【請求項2】
前記所定の契機は、前記設定値設定手段による新たな設定値の設定であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記所定の契機は、前記遊技機において、前回の電源投入から今回の電源投入までの間に、日付が変わっている電源の投入であることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
【請求項4】
前記所定の示唆演出は、前記第2設定値が前記第1設定値より大きいことを示唆する第1設定示唆演出であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記所定の示唆演出は、前記第1設定値と、前記第2設定値と、が所定の段階の設定値より大きいことを示唆する第2示唆演出であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電源が投入されて遊技が可能なメイン処理が開始された際に、前営業日の電源の遮断前に設定されていた設定値を示唆する示唆演出が実行可能である遊技機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開第2017-93711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1に記載の遊技機のように、前営業日の電源遮断時に記憶した設定値を用いることで、前営業日における設定値と、現在設定されている設定値と、を比較した示唆演出が実行可能であることが想定される。しかし、例えば、営業終了後に設定値を設定して電源の遮断を行うことによって、前営業日における遊技者によって遊技された設定値と異なる設定値が記憶されることがあり、実行されるべき示唆演出と異なる示唆演出が実行されるおそれがあり、望ましくない。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、実行されるべき示唆演出と異なる示唆演出の実行を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような構成を備える。
本発明に係る遊技機は、遊技者にとっての有利度合いの異なる複数段階の設定値を有し、当該複数段階の設定値の中から一の設定値を設定可能な設定値設定手段と、前記設定値を示唆する示唆演出を実行する示唆演出制御手段と、所定の契機において、当該所定の契機前に設定されていた設定値である第1設定値及び当該第1設定値における遊技回数を記憶する記憶手段と、を備え、前記示唆演出制御手段は、前記遊技回数が所定の閾値を超えている場合、前記記憶手段によって記憶されている前記第1設定値と、前記所定の契機の後に設定されている設定値である第2設定値と、の関係に基づいた所定の示唆演出を実行することを特徴とする。
【0007】
これにより、設定値、及び設定値における遊技回数を記憶し、設定されている設定値を示唆する示唆演出を実行する場合において、遊技回数が所定の回数を超えている場合、記憶されている設定値と、設定されている設定と、の関係に基づいた示唆演出が実行できる。
【0008】
例えば、電源遮断時に設定値が記憶される場合において、前営業日の営業終了後に設定値を設定して電源の遮断を行った場合、前営業日に設定され、かつ遊技者によって遊技された設定値とは異なる設定値に基づいた示唆演出が行われることがあり、望ましくない。
これに対し、この構成では、設定値と共に設定値における遊技回数を記憶し、示唆演出を実行する際に、記憶した遊技回数を参照して、遊技回数が所定の閾値を超えている場合、記憶されている設定値と、設定されている設定値と、の関係に基づいた示唆演出を実行する。
そのため、設定値を設定した後に電源の遮断する場合であっても、遊技者によって遊技された設定値とは異なる設定値に基づく示唆演出の実行を抑制することができる。
【0009】
また、本発明に係る遊技機の具体例としては、前記所定の契機は、前記設定値設定手段による新たな設定値の設定であることを特徴とする。
そのため、設定値の変更、又は再設定を行った場合において、変更、又は再設定が行われる前の設定値、及び設定値における遊技回数が記憶され、遊技者によって遊技された設定値に基づく示唆演出を実行することができる。
【0010】
前記所定の契機は、前記遊技機において、前回の電源投入から今回の電源投入までの間に、日付が変わっている電源の投入であることを特徴とする。
そのため、この構成によれば、電源を投入した際に、前回の電源を投入した日付から日付が変わっている場合において、設定値、及び設定値における遊技回数の記憶が実行され、前営業日に遊技者によって遊技された設定値に基づく示唆演出を実行することができる。
【0011】
また、本発明に係る遊技機の具体例としては、前記所定の示唆演出は、前記第2設定値が前記第1設定値より大きいことを示唆する第1設定示唆演出であることを特徴とする。
そのため、この構成によれば、所定の契機前と比較して、設定値が大きくなっていることを示唆することで、遊技者の期待感を向上させることができる。
【0012】
また、本発明に係る遊技機の具体例としては、前記所定の示唆演出は、前記第1設定値と、前記第2設定値と、が所定の段階の設定値より大きいことを示唆する第2示唆演出であることを特徴とする。
そのため、この構成によれば、所定の契機前と同様に設定値が大きいことを示唆することで、遊技者の期待感を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施の形態であって、遊技機の概略正面図である。
図2】本実施の形態であって、遊技機の入力、制御及び出力を示すブロック図である。
図3】本実施の形態であって、図2のメイン制御手段の詳細を説明するための概略ブロック図である。
図4】本実施の形態であって、図2のサブ制御手段の詳細を説明するための概略ブロック図である。
図5】本実施の形態であって、遊技状態の説明図である。
図6】本実施の形態であって、演出状態の説明図である。
図7】本実施の形態であって、遊技の流れを説明するためのフローチャートである。
図8】本実施の形態であって、設定値を設定した際における記憶手段の処理を説明するための模式図である。
図9】本実施の形態であって、示唆演出の選択の流れを説明するためのフローチャートである。
図10】本実施の形態の変形例であって、電源を投入した際における記憶手段の処理を説明するための模式図である。
図11】本実施の形態の変形例であって、電源の投入後に設定値を設定した際における記憶手段の処理を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(遊技機10)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、図面を参照しながら説明する。
【0015】
(筐体12、前扉14)
図1に示すように、本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
【0016】
(回転リール62)
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個の回転リール62(正面から向かって左側の左回転リール64、中央の中回転リール66、右側の右回転リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全ての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられて、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。回転リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
【0017】
(リールユニット60)
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個のリール駆動モータ65と、この各リール駆動モータ65によってそれぞれ回転させられる合計3個の前記回転リール62と、前記リール駆動モータ65及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。また、リールユニット60には、回転リール62の回転位置が基準となる位置(基準位置)であることを検出するためリール位置センサ63が設けられている。このリール駆動モータ65は、メイン制御手段200から出力されるリール駆動モータ65を駆動するための駆動信号に基づき駆動する。
【0018】
(クレジット表示器87、払出枚数表示器88)
前記図柄表示窓部16の下方には、クレジットメダルの貯留枚数(以下、「クレジットメダル数」とする)を表示するクレジット表示器87と、このクレジット表示器87の左側に配置され、遊技機10から払い出されたメダルの総数を表示する払出枚数表示器88とが設けられている。これらの表示器は、例えば2個の7セグメントLEDで構成されている。このような構成により、クレジット表示器87では、クレジットメダル数に対応する2桁の数字が表示可能となっており、払出枚数表示器88では、払出枚数に対応する2桁の数字が表示可能となっている。
【0019】
本実施の形態に係る遊技機10は、後述するメダル投入口38に投入したメダルを最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。そして、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を「最大クレジットメダル数」とする。
【0020】
(区間報知ランプ90)
前扉14のうち、クレジット表示器87と払出枚数表示器88との間には、現在の状態が「有利区間」であることを発光態様により報知する区間報知ランプ90が設けられている。
ここで、「有利区間」とは、遊技者にとって有利なストップスイッチ50の押し順の表示が行われない非有利区間から移行可能であり、上記の押し順の表示が可能な区間である。
【0021】
この区間報知ランプ90は、後述するAT状態への移行時に点灯するように設定されている。そして、区間報知ランプ90が点灯した場合には、当該有利区間中は常時点灯される。
ここで、区間報知ランプ90のみで現在の状態が「有利区間」であることを発光態様により報知することに限らず、例えば、クレジット表示器87又は払出枚数表示器88を構成する特定の7セグメントLEDと区間報知ランプ90との双方を用いて、現在の状態が「有利区間」であることを発光態様により報知してもよい。
【0022】
また、区間報知ランプ90を設けずに、例えば、クレジット表示器87又は払出枚数表示器88を構成する特定の7セグメントLEDを用いて、現在の状態が「有利区間」であることを発光態様により報知してもよい。
【0023】
(操作部30)
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。この操作部30は、メダル投入口38と、精算スイッチ36と、ストップスイッチ50と、スタートスイッチ40と、ベットスイッチ32と、演出用ボタンスイッチ42と、を備えている。
【0024】
(メダル投入口38)
操作部30の右側部分には、遊技機10の内部へ遊技用価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口38が設けられている。
【0025】
(メダルセレクタ17)
前扉14の裏側であって、前記メダル投入口38の近傍には、メダル投入口38に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して、正規のメダルのみをホッパーユニット24に導くメダルセレクタ17が設けられている。このメダルセレクタ17には、メダル投入口38に投入されたメダルを1枚ずつ検知する投入センサ92が設けられている。
【0026】
なお、前扉14の裏側には図示しないメダル通路が設けられており、メダルセレクタ17において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット24から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過してメダル払出口28から払い出される。
【0027】
(精算スイッチ36)
メダル投入口38の下方には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
【0028】
(ストップスイッチ50)
前記操作部30の中央には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、3個の回転リール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左回転リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中回転リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右回転リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0029】
(スタートスイッチ40)
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するベットスイッチ32の操作を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
【0030】
(ベットスイッチ32)
このスタートスイッチ40の上方には、ベットスイッチ32として、クレジットしたメダル数から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34と、クレジットしたメダル数から1枚のメダル数を減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチ35とが設けられている。
【0031】
(演出用ボタンスイッチ42)
マックスベットスイッチ34の右側には、所定の演出において遊技者が操作可能な演出用ボタンスイッチ42が設けられている。
また、前記前扉14の裏側には、扉開閉用スイッチ19、設定変更スイッチ46、設定表示器89などが配置されている(図2参照)。
【0032】
(扉開閉用スイッチ19)
扉開閉用スイッチ19は前扉14が閉じているか否かを検知するためのものである。この扉開閉用スイッチ19は、前扉14が閉塞している場合に、前扉14の背面と扉開閉用スイッチ19の前面とが押圧されることでオンとなり、前扉14が開放するに従って、前扉14の背面が扉開閉用スイッチ19の前面から離間して押圧が解除されることでオフとなる。
【0033】
(設定変更スイッチ46)
設定変更スイッチ46は、後述する電源ユニット43の設定キースイッチ45と共に設定変更を行うためのものである。
【0034】
(設定表示器89)
設定表示器89は、例えば7セグメントの小型のLEDにより、複数段階設けられた設定値を表示するものである。設定表示器89には、当該遊技機10の設定値が表示されるが、外部から視認できないようにすべく、設定後一定時間が経過するとその表示は解除される。
【0035】
また、前記前扉14の下部に相当する筐体12の内部には、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット24と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44を有すると共に各部品に電力を供給するための電源ユニット43とが配置されている(図2参照)。
【0036】
(ホッパーユニット24)
このホッパーユニット24には、その駆動によりメダルをメダル払出口28に向けて払い出すホッパーモータ95と、ホッパーユニット24の出口に設けられ、メダル払出口28に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ94と、ホッパーユニット24のメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンクの近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出してメイン制御手段200へ信号を出力するオーバーフローセンサ96とが設けられている。
【0037】
(電源ユニット43)
この電源ユニット43には、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44と、設定変更処理のための設定キースイッチ45とが設けられている。
【0038】
(メダル払出口28等)
前記前扉14の下部には、所定の場合にホッパーユニット24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0039】
(遊技の流れの説明)
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34やシングルベットスイッチ35等の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、複数の役の少なくとも何れか1つに当選か又はハズレかの役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組合せによって、当選した役を構成する図柄61の組合せが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組合せが当該ライン上に揃ったときに所定の配当としてのメダルが付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の配当を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。有効ライン86は、3個の回転リール62にそれぞれ表示されている図柄61のうち図柄表示窓部16から視認可能な図柄61を各回転リール62につき1個ずつ繋いでできる入賞等するために有効となる図柄61の組合せの並びを規定したラインである。本実施の形態における有効ライン86は、左回転リール64、中回転リール66、及び右回転リール68の中段を結んだ1本のラインである。
【0040】
(演出装置70)
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選、及び設定値の示唆演出等の種々の情報を音や光や映像等で報知させるための演出装置70が形成されている。この演出装置70は、スピーカー72と、演出用ランプ78と、表示部84と、バックランプ67と、を備えている。
【0041】
(スピーカー72)
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
【0042】
(演出用ランプ78)
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
【0043】
(表示部84)
前記表示部84は、その画面に種々の情報を表示するための液晶表示装置である。
【0044】
(バックランプ67)
前記バックランプ67は、リールユニット60に設けられており、回転リール62上の図柄61を照らすためのものである。
【0045】
(制御装置100)
図2に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技を制御するメイン制御手段200と、このメイン制御手段200からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うサブ制御手段500とを備えている。
【0046】
なお、メイン制御手段200とサブ制御手段500との間は、メイン制御手段200への不正操作を防止するために、メイン制御手段200からサブ制御手段500への一方向の通信により行われ、サブ制御手段500からメイン制御手段200への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御手段200は、メダルセレクタ17、スタートスイッチ40、ベットスイッチ32、ストップスイッチ50、設定変更スイッチ46、精算スイッチ36、扉開閉用スイッチ19、電源ユニット43、リールユニット60及びホッパーユニット24の入力を受け付け、クレジット表示器87、払出枚数表示器88、リールユニット60、ホッパーユニット24、設定表示器89及び区間報知ランプ90の作動を制御する。サブ制御手段500は、メイン制御手段200、及び演出用ボタンスイッチ42からの信号を入力し、演出用ランプ78等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御手段500には、演出装置70としての演出用ランプ78、スピーカー72、表示部84及びバックランプ67の各パーツが接続されている。
【0047】
なお、特に図示していないが、メイン制御手段200を有するメイン基板と、サブ制御手段500を有するサブ基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御手段200は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御手段500は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
【0048】
メイン制御手段200及びサブ制御手段500は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0049】
(外部集中端子板18)
また、筐体12内部の正面から向かって右側には、外部集中端子板18が設けられている。
外部集中端子板18は、遊技データを遊技機10外部に出力させるものであり、メイン制御手段200と配線される接続端子(コネクタ)や、外部機器(図示省略)と配線される接続端子(コネクタ)が設けられた端子板である。また、外部集中端子板18は、図示しないが、遊技島設備(例えばデータ表示器)やホールコンピュータに接続されている。
【0050】
(メイン制御手段200)
メイン制御手段200は、図3に示すように、役抽選手段210、リール制御手段220、停止図柄判定手段230、配当付与手段240、遊技状態制御手段250、有利区間制御手段260、送信手段270、及び設定値設定手段280の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
以上の構成をもって、メイン制御手段200は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62が全て停止したときに停止図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
【0051】
メイン制御手段200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、ベットスイッチ32を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、複数の役の何れかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個全ての回転リール62の回転が開始する。
【0052】
回転リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止する。そして、3個全てのストップスイッチ50の操作を終えると、3個全ての回転リール62の回転が停止する。
【0053】
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組合せが揃うと、当該図柄61の組合せに対応した処理が行われる。本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組合せが揃うと遊技者に配当としてのメダルが付与されるように形成されている。例えば小役(メダルの払い出しを伴う役)に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
【0054】
また、有効ライン86上に再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、所謂リプレイ役)に対応する図柄61の組合せが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され遊技を行うことができる。
【0055】
(役抽選手段210)
役抽選手段210は、当選役を決定する役抽選を実行するものである。すなわち、役抽選手段210は、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役の何れか(1つ又は複数)に当選か又はハズレかの役抽選を行うためのものである。役抽選手段210は、役に当選したか否かを決定するための役抽選テーブルを、主な分類としてノーマル遊技状態用、ボーナス内部中状態用、ボーナス遊技状態用のそれぞれに対応して複数備えており、メイン制御手段200のROM上に記憶されている。役抽選手段210は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。
【0056】
役抽選手段210の役抽選に用いる当選確率は、図示しない役抽選テーブルにより、予めプログラムされた範囲内で遊技ホールの管理者により変更可能に形成されている。具体的には、その当選確率を規定するための値である複数段階の設定値を変更するための筐体12内部の設定変更スイッチ46の操作に応じて、設定値設定手段280は、有利度合いの異なる複数段階の設定値のうち何れか1つの特定の設定値を選択する。そして、役抽選手段210は選択された設定値毎に予め定められた抽選確率で役抽選を行っている。
【0057】
また、本実施の形態における設定値は、設定値「1」から「6」の6段階に設定されている。なお、設定値は複数段階であれば、設定値「1」から「6」の6段階に限られず、例えば「1・3・6」又は「2・4・6」としてもよい。
本実施の形態では、役抽選手段210により抽選される役として、大別すると、小役、リプレイ役、ボーナス移行役(遊技状態の移行を伴う役)が設けられている。
【0058】
(リール制御手段220)
リール制御手段220は、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段220は、役抽選手段210の役抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。なお、リール制御手段220は、必要に応じて各ストップスイッチ50の押し順が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。
【0059】
(停止図柄判定手段230)
停止図柄判定手段230は、全ての回転リール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。
【0060】
(配当付与手段240)
配当付与手段240は、停止図柄判定手段230の判定結果に基づいて、メダル払い出し等の所定の配当の付与を行うものである。配当付与手段240は、停止図柄判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定されると配当としてのメダルの払い出しを行う。
【0061】
(遊技状態制御手段250)
遊技状態制御手段250は、遊技状態を制御するものである。
具体的には、遊技状態制御手段250は、図3に示すように、大別すると、ノーマル遊技状態制御手段251、ボーナス内部中状態制御手段252及びボーナス遊技状態制御手段253の各手段を有する。
【0062】
(ノーマル遊技状態制御手段251)
ノーマル遊技状態制御手段251は、「ノーマル遊技状態」(図5参照)を制御するものである。ここで、ノーマル遊技状態は、ボーナス内部中状態制御手段252によるボーナス内部中状態、ボーナス遊技状態制御手段253によるボーナス遊技状態、以外の状態をいう。
【0063】
(ボーナス内部中状態制御手段252)
ボーナス内部中状態制御手段252は、「ボーナス内部中状態」(図5参照)を制御するものである。ここで、ボーナス内部中状態は、ボーナス移行役に当選したが、当該ボーナス移行役に対応した図柄61の組み合わせを有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行する。
【0064】
(ボーナス遊技状態制御手段253)
ボーナス遊技状態制御手段253は、「ボーナス遊技状態」(図5参照)を制御するものである。
ボーナス遊技状態は、ボーナス移行役に当選し、当該ボーナス移行役に対応した図柄61の組み合わせを有効ライン86上に停止表示させることで移行する。
【0065】
ここで、ボーナス遊技状態は、所定の枚数、例えば36枚を超えるメダルの払い出しで終了する。
そして、ボーナス遊技状態終了後、ノーマル遊技状態に移行する。
【0066】
(有利区間制御手段260)
有利区間制御手段260は、遊技の状態として、図6を用いて後述する演出状態(非有利区間及び有利区間)を制御するものである。例えば、有利区間制御手段260は、後述する演出制御手段520を用いてストップスイッチ50の押し順を報知させる演出等を実行させる。
また、詳細は後述するが、有利区間制御手段260は、有利区間に属する各演出状態において、各種の抽選を実行している。
【0067】
(送信手段270)
送信手段270は、サブ制御手段500へ信号を送信するためのものである。
送信手段270は、例えば、投入センサ92の検知を契機に送信される投入検知信号、ベットスイッチ32での検知を契機に送信される投入操作信号、スタートスイッチ40での検知を契機に送信されるスタート信号、及びストップスイッチ50での検知を契機に送信されるストップ信号をサブ制御手段500へ送信する。
【0068】
また、送信手段270は、これらスイッチの検知に対応する信号に加え、メイン制御手段200において管理する遊技状態(例えば遊技中の状態であるか、非遊技中の状態であるか)を識別可能にするための遊技状態信号も適宜のタイミングで送信する。
【0069】
また、送信手段270は、所定の契機(例えば、設定値が設定された、及び電源が投入された等)において、設定された設定値をサブ制御手段500へ送信する。
【0070】
また、送信手段270は、有利区間制御手段260によって行われた後述するAT状態へ移行するか否かの抽選(以下、「AT移行抽選」という。)の結果をサブ制御手段500に送信する。
【0071】
設定値設定手段280は、上述したように、役抽選の抽選確率を設定する複数段階の設定値のうちから一つの設定値を設定可能なものである。設定値の変更は、設定キースイッチ45をONにした状態で電源投入することにより、設定変更が可能な設定変更状態が開始される。その後、設定変更スイッチ46を操作して、所望の設定値に変更した後、スタートスイッチ40を操作すると設定値が確定する。そして、設定キースイッチ45をOFFにすると設定変更状態が終了する。
【0072】
(サブ制御手段500)
サブ制御手段500は、図4に示すように、受信手段510、演出制御手段520、記憶手段530の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
以上の構成をもって、サブ制御手段500は、メイン制御手段200からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
【0073】
具体的には、サブ制御手段500は、演出用ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、表示部84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
【0074】
(受信手段510)
受信手段510は、送信手段270からの信号を受信するものである。
【0075】
(演出制御手段520)
演出制御手段520は、演出装置70を用いて種々の情報、具体的には、演出を遊技者に報知するためのものである。
この演出制御手段520は、役抽選の結果に基づく当選役に応じた演出、各遊技状態や各演出状態に応じた演出、又は押し順を報知するための演出等を遊技者に報知する。これらの演出は、それぞれ複数設けられており、演出制御手段520は、抽選により選択された演出やメイン制御手段200からの信号(コマンド)に対応する演出を演出装置70を用いて遊技者に報知する。
【0076】
また、本実施形態に係る演出制御手段520は、設定されている設定値に基づいて、設定値を示唆する演出(以下、「示唆演出」という。)を遊技者に報知する示唆演出制御手段521を備えている。
【0077】
示唆演出制御手段521は、示唆演出を実行する契機(以下、「示唆演出契機」という。)において、示唆演出を実行する。ここで、示唆演出契機とは、例えば、後述するAT移行抽選を行った結果、AT移行に当選した場合、又は後述する非有利区間から有利区間へ移行後、計数が開始されるゲーム数が所定のゲーム数に到達した場合等の後述するAT状態への移行が決定した場合である。
例えば、示唆演出制御手段521は、有利区間制御手段260によって行われたAT移行抽選の結果を取得し、AT移行抽選の結果が当選であるか否かの判定を行う。また、示唆演出制御手段521は、非有利区間から有利区間へ移行後、計数が開始されるゲーム数を取得し、取得したゲーム数が所定のゲーム数を超えているか否かの判定を行う。AT移行抽選の結果が当選である場合、又は後述する非有利区間から有利区間へ移行後、計数が開始されるゲーム数が所定のゲーム数を超えている場合、示唆演出制御手段521は、後述する記憶手段530に記憶されている現在設定されている設定値(以下、「現在の設定値」という。)と、例えば前営業日等の過去に設定されていた設定値(以下、「過去の設定値」という。)と、を取得する。示唆演出制御手段521は、現在の設定値、及び過去の設定値を比較して、現在の設定値、及び過去の設定値の関係に基づいた示唆演出を実行する。例えば、示唆演出制御手段521は、現在の設定値が過去の設定値より大きいことを示唆する「設定上げ」と、現在の設定値、及び過去の設定値が所定の段階の設定値より大きいことを示唆する「高設定据え置き」と、の示唆演出を実行する。なお、本実施形態に係る示唆演出は、「設定上げ」、及び「高設定据え置き」以外の示唆演出として、現在の設定値を示唆する「通常の示唆演出」があるものとする。通常の示唆演出とは、例えば、現在の設定値が所定の閾値を超えていることを示す示唆演出、及び現在の設定値が偶数であることを示す示唆演出等である。また、「設定上げ」は、第1設定示唆演出の一例であり、「高設定据え置き」は、第2設定示唆演出の一例である。また、過去の設定値は、第1設定値、及び現在の設定値は、第2設定値の一例である。
【0078】
また、示唆演出制御手段521は、過去の設定値において遊技されたゲーム数が、所定の回数を超えている場合、上述した「設定値上げ」、及び「高設定据え置き」の示唆演出を実行する。
【0079】
示唆演出制御手段521は、後述する記憶手段530に記憶されている過去の設定値におけるゲーム数を参照し、ゲーム数が所定の回数(例えば、256回)を超えている場合、「設定上げ」、「高設定据え置き」、及び「通常の示唆演出」を含めた示唆演出から現在の設定値、及び過去の設定値の関係に基づいて選択して、示唆演出を実行する。言い換えると、示唆演出制御手段521は、ゲーム数が所定の回数以下である場合、「通常の示唆演出」の示唆演出から現在の設定値に基づいて選択して、示唆演出を遊技者に報知する。なお、示唆演出制御手段521は、各々の示唆演出に応じて、演出用ランプ78を点灯させて遊技者に報知する。
【0080】
(記憶手段530)
記憶手段530は、現在の設定値、過去の設定値、現在の設定値におけるゲーム数、及び過去の設定値におけるゲーム数を記憶する。そのため、サブ制御手段500では、現在の設定値におけるゲーム数カウンタを備えている。ここで、ゲーム数は、遊技回数の一例である。
また、記憶手段530は、電源が投入された日付(年月日)、及び時刻(以下、投入日時」という。)を記憶する。そのため、サブ制御手段500は、投入日時を計測するタイマを備え、投入日時を記憶手段530に記憶させる。
なお、記憶手段530に記憶される現在の設定値、過去の設定値、現在の設定値におけるゲーム数、過去の設定値におけるゲーム数、電源が投入された日付(年月日)、及び時刻は、電源が遮断されても保持し続けられる。
【0081】
図5を用いた遊技状態の説明)
次に、図5を用いて遊技状態について説明する。
遊技状態は、メイン制御手段200により管理され、図5に示すように、大別すると、ノーマル遊技状態、ボーナス内部中状態、ボーナス遊技状態がある。
【0082】
(ノーマル遊技状態)
ノーマル遊技状態は、ノーマル遊技状態制御手段251により制御される。
ノーマル遊技状態におけるリプレイ役への当選確率は、通常(1/7.3)に設定されている。
ノーマル遊技状態における役抽選によりボーナス移行役に当選し、当該ボーナス移行役に対応する図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示されなかった場合に、ノーマル遊技状態からボーナス内部中状態へ移行し、停止表示された場合はボーナス遊技状態へ移行する。
【0083】
(ボーナス内部中状態)
ボーナス内部中状態は、ボーナス内部中状態制御手段252により制御され、ノーマル遊技状態において、ボーナス移行役に当選し、当該ボーナス移行役に対応する図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示されなかった場合に移行する。
ボーナス内部中状態におけるリプレイ役への当選確率は、ノーマル遊技状態よりも高く設定されている。
【0084】
(ボーナス遊技状態)
ボーナス遊技状態は、ボーナス遊技状態制御手段253により制御され、ボーナス移行役に当選し、当該ボーナス移行役に対応する図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示された場合に移行する。
ボーナス遊技状態におけるリプレイ役への当選確率は、「0」に設定されている。
【0085】
ここで、本実施の形態では、ボーナス遊技状態は36枚を超えるメダルの払い出しで終了する。そして、ボーナス遊技状態の終了後は、ノーマル遊技状態に移行する。
【0086】
図6を用いた有利区間の説明)
図6に示すように、役抽選により予め定められた押し順でストップスイッチ50の操作がされた場合に入賞となる押し順役に当選した場合に、当該押し順を遊技者に報知不可能な「非有利区間」と、「非有利区間」から移行可能であり、役抽選により予め定められた押し順でストップスイッチ50の操作がされた場合に入賞となる押し順役に当選した場合に、当該押し順を遊技者に報知可能な「有利区間」とがある。
【0087】
「非有利区間」は、「有利区間」を除いた区間であって、「非有利区間通常状態」を備える。
「非有利区間」から「有利区間」には、本実施形態では、役抽選により予め定められた役に当選した場合に「非有利区間」から「有利区間」への有利区間移行抽選がされ、当該有利区間移行抽選に当選することにより移行させる。
【0088】
なお、本実施形態では、有利区間移行抽選の当選確率は、高確率に設定されており、非有利区間の数ゲームで有利区間へ移行するように設定されている。
また、「非有利区間」から「有利区間」へは、役抽選により予め定められた役に当選した場合に行われる有利区間移行抽選に当選することにより移行する場合に限定されず、役抽選により予め定められた役に当選した場合は有利区間移行抽選をすることなく有利区間へ移行するようにしてもよい。
【0089】
(有利区間)
「有利区間」は、「非有利区間」よりも遊技者にとって有利な区間であって、「有利区間通常状態」、「AT状態」を備える。
なお、ここで、遊技者に有利な区間とは、例えば、非有利区間では、役抽選により予め定められた押し順でストップスイッチ50の操作がされた場合に入賞となる押し順役に当選した場合であっても、当該押し順を遊技者に報知することが不可能であった状態から可能な状態になったことや、非有利区間では実行されないAT状態が実行されることなどから、遊技者に有利な区間となっている。
【0090】
したがって、「有利区間」全体を通して遊技者にとって有利である必要はなく、「有利区間」の一部で遊技者にとって有利ではないことがあってもよい。
【0091】
また、非有利区間から有利区間へ移行してから、有利区間を遊技可能な遊技区間の上限、本実施形態では、所定の上限ゲーム数、例えば1500ゲームを消化した場合は、有利区間の上限ゲーム数に到達したとして、有利区間から非有利区間へ移行するようにしている。
【0092】
そのため、メイン制御手段200では、上限ゲーム数カウンタを備え、所定の上限ゲーム数(1500ゲーム)に到達するか否か判定するため、有利区間へ移行した後の消化ゲーム数を計数している。
【0093】
また、非有利区間から有利区間へ移行した後、所定の上限ゲーム数(1500ゲーム)を消化する前(有利区間の上限ゲーム数に到達する前)であっても、有利区間で投入されたメダルの数と払い出したメダルの数との差である差枚数が所定枚数に到達したとき(上限差枚数)には、これを契機に、上限ゲーム数を消化する前であっても、有利区間から非有利区間へ移行するようにしている。
【0094】
ここで、有利区間で投入されたメダルの数と払い出したメダルの数との差である差枚数は、例えば、有利区間で最もメダルが減った状態と有利区間で最もメダルが増えた状態との差によって求められる数、所謂MYである。
そのため、メイン制御手段200では、所定枚数の差枚数(所謂MY2400枚)に到達するか否か判定するため、有利区間へ移行した後の投入枚数と払出枚数とを計数している。
【0095】
(有利区間通常状態)
有利区間通常状態は、「有利区間」における「AT状態」等の特殊な状態を除いた状態である。
有利区間通常状態は、非有利区間の非有利区間通常状態を継続した状態となっており、非有利区間通常状態と同様の演出が行われる。つまり、非有利区間通常状態と有利区間通常状態との違いは、滞在している区間が「非有利区間」か「有利区間」かの違いとなっている。
【0096】
(AT状態)
「AT状態」は、有利区間通常状態より遊技者にとって有利な状態である。
当該「AT状態」に移行すると、所定の役の入賞をアシストするための報知演出として、当選した役の押し順が報知(押し順ナビ)される遊技(AT)が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役やリプレイ役の図柄61の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。
【0097】
「AT状態」は、AT移行抽選に当選することで移行してくる状態である。
また、「AT状態」へは、非有利区間から有利区間へ移行後、計数が開始されるゲーム数が、所定のゲーム数(666ゲームなど)に到達すること(所謂天井)によっても移行してくるようにしている。
【0098】
そして、「AT状態」の終了後、非有利区間通常状態へ移行する。
なお、「有利区間」は、有利区間通常状態やAT状態に限定されず、AT状態などへの移行を示唆する前兆演出が実行される前兆状態や、AT状態などに高確率で移行可能なチャンスゾーン状態、AT状態の遊技区間を上乗せ可能な上乗せ状態などの状態を備えてもよい。
【0099】
図7を用いた遊技の基本的な流れの説明)
図7に示すフローチャートに基づいて、メイン制御手段200が1ゲーム毎に実行する一般的な遊技制御処理について説明する。
ステップS10において、メイン制御手段200により、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップS11に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップS10となる。
【0100】
なお、このステップS10の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数(3枚)が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御手段200により、当該ゲームの賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数(3枚)に達しているか否かの判定が行われる。
【0101】
ステップS11において、役抽選手段210により、役抽選処理が行われる。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御手段200からサブ制御手段500へ送信される。役抽選処理が終了すると、次のステップS12に進む。
【0102】
ステップS12において、リールユニット60における回転リール62の回転変動処理が行われる。回転リール62が所定の回転速度に達した後、回転中の回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作があった場合に、リール制御手段220により、各回転リール62の回転が停止させられる。このときのストップスイッチ50(左ストップスイッチL、中ストップスイッチC、右ストップスイッチR)の当選役に対応する押し順は、メイン制御手段200に形成された所定の記憶領域に記憶されると共に、その後の処理にて読み出される。
【0103】
また、全ての停止操作終了後、メイン制御手段200からサブ制御手段500へ全回転リール62の回転停止情報が送信される。そして、全ての回転リール62の回転変動処理が終了すると、次のステップS13に進む。
【0104】
ステップS13において、停止図柄判定手段230により、有効ライン86上の図柄61の組合せに対して所定の役の図柄61の組合せが揃っているか否かの停止図柄判定処理が行われる。ここで、入賞等の判定処理の判定結果のデータは、メイン制御手段200からサブ制御手段500へ送信される。そして、判定処理が終わると、次のステップS14に進む。
【0105】
ステップS14において、配当付与手段240により、停止図柄判定手段230の判定結果に対応した払出処理等が行われる。なお、判定の結果、払出が不要な場合には、払出処理は行われない。そして、当該処理を終了する。
【0106】
(設定値、及びゲーム数を記憶する契機)
図8に示す模式図に基づいて、メイン制御手段200から送信された設定値、及びゲーム数を記憶する契機について説明する。図8は、設定値を設定した際における記憶手段の処理を説明するための模式図である。
なお、本実施形態では、所定の契機として、役抽選に係る設定値が設定された場合、設定値Aから設定値Bに変更される形態について説明する。ここで、本実施形態に係る設定値の設定とは、メイン制御手段200に既に設定され、保持している設定値に対して、同一の設定値が再設定される、又は異なる設定値に変更することによって新たな設定値が設定されることを含む。
また、記憶手段530には、現在の設定値として、メイン制御手段200に設定されている設定値と同一の設定値が記憶されているものとする。
【0107】
図8に示すように、メイン制御手段200が設定値を設定する状態に移行すると、サブ制御手段500は、記憶手段530に現在の設定値として記憶されている設定値A、及び現在の設定値におけるゲーム数である設定値Aにおけるゲーム数を、過去の設定値、及び過去の設定値におけるゲーム数として記憶する。メイン制御手段200は、設定値Bに変更した後に、設定された設定値を送信し、サブ制御手段500は、受信した設定値を現在の設定値として記憶手段530に記憶する。
【0108】
具体的には、サブ制御手段500は、前営業日等に設定値が設定されてから電源が遮断されるまでの期間に、当該設定値における遊技されたゲーム数を計数し、現在の設定値におけるゲーム数として、記憶手段530に記憶する。サブ制御手段500は、設定値の設定が行われると判定した場合、記憶手段530に現在の設定値として記憶されている設定値A、及び現在の設定値におけるゲーム数である設定値Aにおけるゲーム数を、過去の設定値、及び過去の設定値におけるゲーム数として、記憶手段530に記憶する。
また、メイン制御手段200は、設定値Bに変更した後に、設定した設定値をサブ制御手段500に送信する。サブ制御手段500は、受信手段510が受信した設定値を現在の設定値として記憶手段530に記憶する。ここで、サブ制御手段500は、現在の設定値が記憶された際に、現在の設定値におけるゲーム数を初期化(ゲーム数を0に設定)して、ゲームが行われる毎に、現在の設定値におけるゲーム数として計数する。
【0109】
上述の処理により、前営業日等の過去の設定値、過去の設定値におけるゲーム数、及び翌営業日等の現在の設定値を記憶することができる。
【0110】
(設定値の関係に基づいた示唆演出を制御する処理の流れ)
次に、一例として、図9に示すフローチャートに基づいて、過去の設定値、及び現在の設定値の関係に基づいた示唆演出を選択して実行する示唆演出制御ルーチンについて説明する。
【0111】
ステップS20において、示唆演出制御手段521により、示唆演出契機(前述したAT状態への移行の決定)であるか否か判定する。ここで、示唆演出契機である判定されると、設定値を示唆する示唆演出が実行可能な状態とされる。その後、次のステップS21に進む。一方、示唆演出契機でないと判定されると、再度ステップS20となる。
【0112】
ステップS21において、示唆演出制御手段521により、記憶手段530に記憶されている過去の設定値におけるゲーム数を取得する取得処理が行われる。取得処理が終了すると、次のステップS22に進む。
【0113】
ステップS22において、示唆演出制御手段521により、過去の設定値におけるゲーム数が所定の閾値を超えているか否かの判定が行われる。ここで、過去の設定値におけるゲーム数が所定の閾値を超えていると判定されると、特定の示唆演出が設定可能な状態とされる。その後、次のステップS24に進む。一方、ゲーム数が所定の閾値を超えていないと判定されると、ステップS23に進む。
【0114】
ステップS23において、示唆演出制御手段521により、「通常の示唆演出」を示唆演出の候補に設定する設定処理が行われる。設定処理が終了すると、次のステップS30に進む。
【0115】
ステップS24において、示唆演出制御手段521により、記憶手段530に記憶されている過去の設定値、及び現在の設定値を取得する取得処理が行われる。取得処理が終了すると、次のステップS25に進む。
【0116】
ステップS25において、示唆演出制御手段521により、現在の設定値が過去の設定値より大きいか否かの判定が行われる。ここで、現在の設定値が過去の設定値より大きいと判定されると、現在の設定値が過去に設定されていた設定値より高設定な状態とされる。その後、次のステップS26に進む。一方、現在の設定値が過去の設定値より大きくない(現在の設定値が過去の設定値以下である)と判定されると、ステップS27に進む。
【0117】
ステップS26において、示唆演出制御手段521により、現在の設定値が過去に設定されている設定値より高設定な状態であることを示す「設定上げ」を「通常の示唆演出」に加え、示唆演出の候補に設定する設定処理が行われる。設定処理が終了すると、次のステップS30に進む。
【0118】
ステップS27において、示唆演出制御手段521により、過去の設定値が現在の設定値と同一であるか否かの判定が行われる。ここで、過去の設定値が現在の設定値と同一であると判定されると、設定が据え置きの状態とされる。その後、次のステップS28に進む。一方、過去の設定値が現在の設定値と同一でないと判定されると、ステップS23に進む。
【0119】
ステップS28において、示唆演出制御手段521により、現在の設定値が所定の閾値より大きいか否かの判定が行われる。ここで、現在の設定値が所定の閾値より大きいと判定されると、現在の設定値、及び過去の設定値は、高設定な状態とされる。その後、次のステップS29に進む。一方、現在の設定値が所定の閾値より大きくない(現在の設定値が所定の閾値以下である)と判定されると、ステップS23に進む。
【0120】
ステップS29において、示唆演出制御手段521により、過去の設定値、及び現在の設定値が共に高設定な状態であることを示す「高設定据え置き」を「通常の示唆演出」に加え、示唆演出の候補に設定する設定処理が行われる。設定処理が終了すると、次のステップS30に進む。
【0121】
ステップS30において、示唆演出制御手段521により、示唆演出の候補から実行する示唆演出を選択する選択処理が行われる。選択処理が終了すると、次のステップS31に進む。
【0122】
ステップS31において、示唆演出制御手段521により、選択された示唆演出を実行する実行処理が行われる。実行処理が終了すると、示唆演出ルーチンを終了する。
【0123】
示唆演出制御ルーチンにより、過去の設定値におけるゲーム数を参照して、過去の設定値、及び現在の設定値の関係に基づいた示唆演出の実行が制御される。ゲーム数を参照して示唆演出を制御することにより、所定の契機が訪れ、設定値、及びゲーム数が記憶された場合であっても、遊技者によって遊技された設定値とは異なる設定値に基づいた示唆演出の実行を抑制することができる。
【0124】
なお、本実施形態では、示唆演出の実行回数に関わらず、示唆演出の候補を設定する形態について説明した。しかし、これに限定されない。1日に実行する示唆演出の実行回数に制限を設けてもよい。例えば、示唆演出の実行回数を計数し、「設定上げ」、及び「高設定据え置き」の示唆演出の実行回数が1日に実行する所定の回数を超えている場合、設定値、及びゲーム数に関わらず候補に設定しない制御を行ってもよい。また、1日に実行する所定の回数が1回である場合は、示唆演出の実行の有無を記録するフラグを設け、フラグの状態に応じて、示唆演出を設定する制御を行ってもよい。また、上記した所定の回数は、ゲーム数と同様に、設定値を設定された場合、及び電源が投入された場合等の所定の契機において、初期化されてもよい。また、本実施形態では、示唆演出の実行回数を制限する期間は1日である形態について説明した。しかし、これに限定されない。所定の期間は、数時間、又は数日であってもよいし、ボーナス遊技状態等の所定の状態である期間であってもよい。
【0125】
(設定値、及びゲーム数を記憶する契機の変形例)
上記の実施形態では、設定値の設定を契機として、設定値、及びゲーム数を記憶する形態について説明した。しかし、これに限定されない。電源の投入を契機としてもよいし、前回の電源投入から今回の電源投入までの期間(以下、「判定期間」という。)に日付が変わった場合において、電源が投入された際に設定値、及びゲーム数を記憶してもよい。判定期間に日付が変わった場合、かつ設定値の設定が行われた場合、設定値、及びゲーム数を記憶してもよい。
【0126】
図10に示す模式図に基づいて、判定期間に日付が変わった場合における設定値、及びゲーム数を記憶する手法について説明する。図10は、電源を投入した際における記憶手段の処理を説明するための模式図である。
なお、本実施形態の変形例に係るサブ制御手段500は、営業日を区別している形態について説明する。例えば、本実施形態の変形例に係る営業日には、任意の営業日A、及び営業日Bがあるものとし、所定の契機として、記憶している前回の電源投入の投入日時と、電源投入時に取得した今回の投入日時と、を比較して日付が異なっている場合、判定期間に日付が変わったと判定し、営業日Aから営業日Bに営業日を切り替える形態について説明する。また、営業日Bは、営業日Aよりも後の営業日(例えば、営業日Bは、営業日Aの1営業日後等)である形態について説明する。
【0127】
一例として、図10に示すように、判定期間に日付が変わって電源が投入(所謂、日跨ぎ電断からの復帰)されると、サブ制御手段500は、記憶手段530に現在の設定値として記憶されている設定値A、及び現在の設定値におけるゲーム数である設定値Aにおけるゲーム数を、過去の設定値、及び過去の設定値におけるゲーム数として記憶する。また、電源が投入され、営業日Bに切り替わった後に、メイン制御手段200は、設定された設定値を送信し、サブ制御手段500は、受信した設定値を現在の設定値として記憶手段530に記憶する。
【0128】
具体的には、サブ制御手段500は、営業日Aにおいて、電源が投入された際に、投入日時を取得し、記憶手段530に投入日時を記憶する。サブ制御手段500は、設定値が設定されてから電源が遮断されるまでの期間に、当該設定値における遊技されたゲーム数を計数し、現在の設定値におけるゲーム数として、記憶手段530に記憶する。電源が投入された後、サブ制御手段500は、投入日時を取得し、判定期間に日付が変わった場合、営業日Aから営業日Bに変わったと判定し、記憶手段530に現在の設定値として記憶されている設定値A、及び現在の設定値におけるゲーム数である設定値Aにおけるゲーム数を、過去の設定値、及び過去の設定値におけるゲーム数として、記憶手段530に記憶する。
また、メイン制御手段200は、営業日Bに切り替えた後に、設定されている設定値をサブ制御手段500に送信する。サブ制御手段500は、判定期間に日付が変わった場合、受信手段510が受信した設定値を現在の設定値として、記憶手段530に記憶する。
一方、判定期間に日付が変わっていない場合、サブ制御手段500は、営業日が変わっていないと判定し、設定値の設定の有無に関わらず、現在の設定値として記憶されている設定値、及び現在の設定値におけるゲーム数を過去の設定値、及び過去の設定値におけるゲーム数に記憶させる処理を行わない。
また、サブ制御手段500は、判定期間に日付が変わったか否かに関わらず、取得した投入日時を記憶手段530に記憶する。
【0129】
なお、本実施形態では、判定期間に日付が変わったか否かの判定は、電源が投入された際に取得した今回の投入日時の日付と、記憶している前回の投入日時の日付と、を比較することによって行う。例えば、今回の投入日時の日付が、前回の投入日時の日付以降(今回の投入日時の日付>前回の投入日時の日付)場合、サブ制御手段500は、判定期間に日付が変わったと判定する。一方、今回の投入日時が、前回の投入日時の日付と同じ(今回の投入日時の日付=前回の投入日時の日付)場合、サブ制御手段500は、判定期間に日付が変わっていないと判定する。
また、本実施形態に係るサブ制御手段500は、現在の設定値を記憶した場合、現在の設定値のおけるゲーム数の初期化を行い、ゲームが行われる毎に、現在の設定値におけるゲーム数として計数する。言い換えると、サブ制御手段500は、現在の設定値を記憶しなかった場合、現在の設定値におけるゲーム数を継続して計数するために、ゲーム数の初期化を行わない。
【0130】
上述の処理により、営業日を判定して、過去の設定値、過去の設定値におけるゲーム数、及び現在の設定値の記憶が制御できる。
【0131】
次に、図11に示す模式図に基づいて、判定期間に日付が変わった場合、かつ設定値の設定が行われた場合における設定値、及びゲーム数を記憶する手法について説明する。図11は、電源の投入後に設定値を変更した際における記憶手段の処理を説明するための模式図である。なお、本実施形態の変形例では、メイン制御手段200に設定されている設定値には、設定値A、及び設定値Bがあるものとし、所定の契機として、設定値が設定された場合、かつ判定期間に日付が変わった場合、設定値Aから設定値Bに変更する形態について説明する。
【0132】
一例として、図11に示すように、判定期間に日付が変わって電源が投入(所謂、日跨ぎ電断からの復帰)され、かつメイン制御手段200が設定値を設定する状態に移行すると、サブ制御手段500は、記憶手段530に現在の設定値として記憶されている設定値A、及び現在の設定値におけるゲーム数である設定値Aにおけるゲーム数を、過去の設定値、及び過去の設定値におけるゲーム数として記憶する。設定値Bに変更した後に、メイン制御手段200は、設定された設定値を送信し、サブ制御手段500は、受信した設定値を現在の設定値として記憶手段530に記憶する。
一方、判定期間に日付が変わっていない場合、又は設定値の設定が行われていない場合、サブ制御手段500は、設定値、及びゲーム数の記憶を行わない。
また、サブ制御手段500は、判定期間に日付が変わったか否か、及び設定値の設定が行われているか否かに関わらず、取得した投入日時を記憶手段530に記憶する。
【0133】
具体的には、サブ制御手段500は、電源が投入された際に、投入日時を取得し、記憶手段530に投入日時を記憶する。サブ制御手段500は、前営業日等に設定値が設定されてから電源が遮断されるまでの期間に、当該設定値における遊技されたゲーム数を計数し、現在の設定値におけるゲーム数として、記憶手段530に記憶する。翌営業日等に電源が投入された場合において、サブ制御手段500は、投入時刻を取得し、判定期間に日付が変わったか否かの判定を行う。サブ制御手段500は、判定期間に日付が変わったと判定した場合、かつ設定値の設定が行われると判定した場合、記憶手段530に現在の設定値として記憶されている設定値A、及び現在の設定値におけるゲーム数である設定値Aのゲーム数を、過去の設定値、及び過去の設定値におけるゲーム数として、記憶手段530に記憶する。
また、メイン制御手段200は、設定値Bに変更した後に、設定した設定値をサブ制御手段500に送信する。サブ制御手段500は、受信手段510によって受信された設定値を現在の設定値として記憶手段530に記憶する。ここで、サブ制御手段500は、設定値の変更が行われた際に、現在の設定値におけるゲーム数を初期化して、ゲームが行われる毎に、現在の設定値における設定値におけるゲーム数として計数する。
一方、判定期間に日付が変わったが、設定値の設定が行われない場合、サブ制御手段500は、設定値、及びゲーム数の記憶を行わない。また、判定期間に日付が変わっていないが、設定値の変更が行われた場合、サブ制御手段500は、同様に設定値、及びゲーム数の記憶を行わない。
【0134】
上述の処理により、営業日を判定し、かつ設定値の変更、又は再設定が行われた際に、過去の設定値、過去の設定値におけるゲーム数、及び現在の設定値を記憶することができる。これにより、例えば、前営業日の営業前(営業準備)時点等に設定された設定値と、翌営業日の営業前(営業準備)時点等に設定した設定値と、が記憶可能であり、現在の設定値、及び過去の設定値に基づいた示唆演出が実行できる。
【0135】
(その他)
上記の実施形態では、設定値の設定を契機として、設定値、及びゲーム数を記憶する形態について説明し、上記変形例では、判定期間に日付が変わって電源が投入(所謂、日跨ぎ電断からの復帰)されたことを契機として、電源が投入された際に設定値、及びゲーム数を記憶する形態、及び判定期間に日付が変わった場合、かつ設定値の設定が行われたことを契機として、設定値、及びゲーム数を記憶する形態について説明した。しかし、これに限定されない。設定値の設定、若しくは判定期間に日付が変わって電源が投入(所謂、日跨ぎ電断からの復帰)の何れかを契機として、設定値、及びゲーム数を記憶するようにしてもよい。
【0136】
上記の実施形態では、有利区間には、「有利区間通常状態」、及び「AT状態」が設けられている形態について説明した。しかし、これに限定されない。有利区間には、「CZ状態」、「前兆」、「上乗せ」、「引き戻し」、及び「エンディング」が設けられていてもよい。
【0137】
上記の実施形態では、AT状態が備えられた遊技機について説明した。しかし、これに限定されない。AT状態が備えられていないボーナスタイプの遊技機であってもよいし、ART状態を備えた遊技機であってもよい。例えば、AT状態が備えられていないボーナスタイプの遊技機において、例えば、ボーナス移行役に当選した場合、現在の設定値、及び過去の設定値に基づいた示唆演出を実行してもよいし、リプレイ役、又は小役に当選した場合に示唆演出を実行してもよいし、役抽選の結果がハズレであった場合に示唆演出を実行してもよいし、如何なる役に当選した場合であってもよいし、ボーナス移行役に当選したことを告知した場合に示唆演出を実行してもよいし、ボーナス遊技状態への移行した場合に示唆演出を実行してもよいし、ボーナス遊技状態の終了した場合に示唆演出を実行してもよい。
【0138】
上記実施形態では、示唆演出契機は、AT移行に当選した場合、又は非有利区間から有利区間へ移行後、計数が開始されるゲーム数が所定のゲーム数に到達した場合等のAT状態への移行が決定した場合である形態について説明した。しかし、これに限定されない。例えば、有利区間から非有利区間へ移行した場合であってもよいし、非有利区間から有利区間への移行が決定した場合であってもよいし、AT状態開始した場合であってもよいし、AT状態が終了した場合等であってもよい。
【0139】
上記の実施形態では、演出用ランプ78を用いて、各々の示唆演出を実行する形態について説明した。しかし、これに限定されない。スピーカー72を用いて、各々の示唆演出を実行してもよいし、表示部84を用いて各々の示唆演出を実行してもよい。
【0140】
上記の実施形態では、サブ制御手段500によって、ゲーム数が計数される形態について説明した。しかし、これに限定されない。メイン制御手段200によって計数されてもよい。また、上記の実施形態では、所定の契機において、記憶手段530に記憶されている現在の設定値、及び現在の設定値におけるゲーム数を、過去の設定値、及び過去の設定値におけるゲーム数として記憶する形態について説明した。しかし、これに限定されない。メイン制御手段200は、設定値が設定される前に、設定値、及び設定値におけるゲーム数を送信し、サブ制御手段500は、受信した設定値、及び設定値におけるゲーム数を過去の設定値、及び過去の設定値におけるゲーム数として記憶してもよい。また、メイン制御手段200は、設定値が設定された後に、設定値、及び設定値におけるゲーム数を送信し、サブ制御手段500は、受信した設定値、及び設定値におけるゲーム数を現在の設定値、及び現在の設定値におけるゲーム数として記憶してもよい。
【0141】
上記の実施形態では、判定期間に日付が変わったことを所定の契機する形態について説明した。しかし、これに限定されない。判定期間に所定の時刻を経過した場合を所定の契機としてもよい。例えば、判定期間に午前2時を経過した等、判定期間に如何なる時刻が経過した場合であってもよい。また、上記の実施形態では、サブ制御手段500はタイマを備え、投入日時を取得する形態について説明した。しかし、これに限定されない。メイン制御手段200が投入日時を取得してもよい。例えば、メイン制御手段200はタイマを備え、メイン制御手段200が投入日時を取得して、サブ制御手段500に送信してもよい。
【0142】
上記の実施形態では、電源が投入された投入日時を取得する形態について説明した。しかし、これに限定されない。記憶手段530は、電源が遮断された日時(以下、遮断日時」という。)を取得してもよい。例えば、遮断日時、及び投入日時を取得し、遮断日時から投入日時までの間に日付が変わった場合を所定の契機としてもよい。
【0143】
上記の実施形態では、判定期間に日付が変わっているか否かを判定する形態について説明した。しかし、これに限定されない。例えば、判定期間が所定の期間を超えている場合、設定値、及びゲーム数を記憶してもよい。
【符号の説明】
【0144】
10 遊技機 12 筐体
14 前扉 16 図柄表示窓部
17 メダルセレクタ 18 外部集中端子板
19 扉開閉用スイッチ 20 上パネル
22 下パネル 24 ホッパーユニット
26 メダル受け皿 28 メダル払出口
30 操作部 32 ベットスイッチ
34 マックスベットスイッチ 35 シングルベットスイッチ
36 精算スイッチ 38 メダル投入口
40 スタートスイッチ 42 演出用ボタンスイッチ
43 電源ユニット 44 電源スイッチ
45 設定キースイッチ 46 設定変更スイッチ
50 ストップスイッチ L 左ストップスイッチ
C 中ストップスイッチ R 右ストップスイッチ
60 リールユニット 61 図柄
62 回転リール 63 リール位置センサ
64 左回転リール 65 リール駆動モータ
66 中回転リール 67 バックランプ
68 右回転リール 70 演出装置
72 スピーカー 74 上部スピーカー
76 下部スピーカー 78 演出用ランプ
80 上部ランプ 82 下部ランプ
84 表示部 86 有効ライン
87 クレジット表示器 88 払出枚数表示器
89 設定表示器 90 区間報知ランプ
92 投入センサ
94 払出センサ 95 ホッパーモータ
96 オーバーフローセンサ
100 制御装置
200 メイン制御手段 210 役抽選手段
220 リール制御手段 230 停止図柄判定手段
240 配当付与手段 250 遊技状態制御手段
251 ノーマル遊技状態制御手段 252 ボーナス内部中状態制御手段
253 ボーナス遊技状態制御手段
260 有利区間制御手段 270 送信手段
500 サブ制御手段 510 受信手段
520 演出制御手段 521 示唆演出手段
530 記憶手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11