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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039024
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】除菌液
(51)【国際特許分類】
   A01N 25/02 20060101AFI20220303BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20220303BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20220303BHJP
   A01N 31/02 20060101ALI20220303BHJP
   A01N 33/12 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
A01N25/02
C09K11/06
A01P3/00
A01N31/02
A01N33/12 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020143800
(22)【出願日】2020-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】520329162
【氏名又は名称】JETIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】鷹尾 長幸
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AA01
4H011AA03
4H011BB03
4H011BB04
4H011BC16
4H011DA12
(57)【要約】
【課題】 除菌した場所を特定できるように改良した除菌液を提供すること。
【解決手段】 除菌剤とUV光で発光する色素とを含有する除菌液。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
除菌剤とUV光で発光する色素とを含有する除菌液。
【請求項2】
除菌剤が、アルコール、塩素系添加剤、および界面活性剤からなる群から選択される1以上を含む、請求項1に記載の除菌液。
【請求項3】
アルコールが、エタノール、ノルマルプロピルアルコール、およびイソプロピルアルコールからなる群から選択される1以上を含む、請求項2に記載の除菌液。
【請求項4】
塩素系添加剤が、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、二酸化塩素、塩素化シアヌル酸、およびこれらの化合物からなる群から選択される1以上を含む、請求項2に記載の除菌液。
【請求項5】
界面活性剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルグリコシド、アルキルアミンオキシド、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸カリウム、および脂肪酸ナトリウムからなる群から選択される1以上を含む、請求項2に記載の除菌液。
【請求項6】
除菌液100重量部に対し、アルコールを50重量部から90重量部を含有する、請求項2または3に記載の除菌液。
【請求項7】
UV光で発光する色素が、300nmから450nmの波長を有する光を照射することで発光する、請求項1~6のいずれかに記載の除菌液。
【請求項8】
UV光で発光する色素を含有する除菌液を、UV光で発光させながら塗布する、または塗布したのちUV光で発光させ、塗布した場所を特定する工程、および
上記塗布した場所に、UV光で発光しない除菌液を塗布して、UV光で発光する色素を拭き取り、拭き取った場所がUV光で発光しないまたは発光が弱まることを確認する工程
を含む、除菌方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、UV光で発光する色素を含有する除菌液に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノロウイルスや大腸菌等のウイルスや細菌による食中毒等が頻繁に起こっている。また、ウイルスによるインフルエンザ等は人の命を奪うこともあり、大きな社会問題となっている。そのため、種々の除菌液(消毒液)や消毒方法の開発が進んでおり、より効果の高いもの、安全性の高いものの開発が進んでいる(特許文献1-3)。除菌液は、塗布等した場所においてその除菌効果が得られるが、通常は無色透明の液体であるため、除菌液が使用された場所を簡単に特定することは難しいのが現状である。
【0003】
例えば、特許文献4では、空間殺菌について開示されており、蛍光試薬を用いて次亜塩素酸の空間存在量を算出している。しかし、特許文献4で使用される蛍光試薬は次亜塩素酸に対して高い反応性を持ち、酸化により蛍光化合物を生成するものであり、次亜塩素酸以外の除菌剤に適用できるものではない。また、特許文献4では空間殺菌を目的としており、除菌液を塗布した場合についての開示はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-171606号公報
【特許文献2】特許4975987号公報
【特許文献3】特開2016-210807号公報
【特許文献4】国際公開第2016/189757号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような事情に照らして、除菌した場所を特定できるように改良した除菌液を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記の目的を達成するために、鋭意検討した結果、除菌液に、除菌剤とUV光で発光する色素とを含有させることにより、噴霧または塗布した場所をUV光で照らし、色素を発光させて、除菌された場所を特定できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)除菌剤とUV光で発光する色素とを含有する除菌液。
【0008】
(2)除菌剤が、アルコール、塩素系添加剤、および界面活性剤からなる群から選択される1以上を含む、(1)に記載の除菌液。
【0009】
(3)アルコールが、エタノール、ノルマルプロピルアルコール、およびイソプロピルアルコールからなる群から選択される1以上を含む、(2)に記載の除菌液。
【0010】
(4)塩素系添加剤が、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、二酸化塩素、塩素化シアヌル酸、およびこれらの化合物からなる群から選択される1以上を含む、(2)に記載の除菌液。
【0011】
(5)界面活性剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルグリコシド、アルキルアミンオキシド、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸カリウム、および脂肪酸ナトリウムからなる群から選択される1以上を含む、(2)に記載の除菌液。
【0012】
(6)除菌液100重量部に対し、アルコールを50重量部から90重量部を含有する、(2)または(3)に記載の除菌液。
【0013】
(7)UV光で発光する色素が、300nmから450nmの波長を有する光を照射することで発光する、(1)~(6)のいずれかに記載の除菌液。
【0014】
(8)UV光で発光する色素を含有する除菌液を、UV光で発光させながら塗布する、または塗布したのちUV光で発光させ、塗布した場所を特定する工程、および
上記塗布した場所に、UV光で発光しない除菌液を塗布して、UV光で発光する色素を拭き取り、拭き取った場所がUV光で発光しないまたは発光が弱まることを確認する工程
を含む、除菌方法。
【0015】
すなわち、本発明は、除菌や消毒を目的とする溶液において、除菌剤とUV光で発光する色素を含有することを特徴とする除菌液にかかわる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、除菌や消毒を目的とする溶液において、除菌剤とともにUV光で発光する色素を含有させることにより、UV光で照らして除菌液が噴霧又は塗布された場所を簡単に特定できる除菌液の提供を可能とした。
【0017】
従来は、除菌剤のみを含有させた除菌液が使用されてきた。しかし、これらは、視認性が悪く、どこが除菌、消毒されたかわからなかった。本発明では、除菌液に視認性を高めるためのUV光で発光する色素を含有させ、UV光を照射させることで、色素を発光させ、どこを除菌あるいは消毒したかを視認できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の一実施形態について説明する。
【0019】
本実施形態に係る除菌液は、除菌剤とUV光で発光する色素とを含有する。これにより、視認性に優れた除菌液を提供可能とする。従来使用してきた除菌剤のみの除菌液では、スプレーや塗布した場所を特定しにくく、スプレーや塗布していない場所が残る可能性があった。本発明において、UV光で発光する色素を含有させることで、スプレーや塗布していない場所の特定が簡単にできるようになる。
【0020】
本実施形態に係る除菌液が含有する除菌剤としては、増殖可能な菌を対象物から有効数減少できるものであれば特に限定されないが、例えばアルコール、塩素系添加剤、界面活性剤等が挙げられる。除菌剤として、これらを単独で用いてもよく、これらを組み合わせて用いてもよい。
【0021】
アルコールとしては、エタノール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコールが特に好ましい。醸造アルコール、例えば醸造エチルアルコールを用いることもできる。アルコールとして、これらを単独で用いてもよく、これらを組み合わせて用いてもよい。
【0022】
アルコールの含有量は、除菌液100重量部に対して、50~90重量部が好ましく、50~85重量部がより好ましい。
【0023】
塩素系添加剤としては、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、二酸化塩素、塩素化シアヌル酸、およびこれらの塩が好ましく、特に、二酸化塩素、次亜塩素酸、およびこれらの塩がより好ましい。塩素系添加剤として、これらを単独で用いてもよく、これらを組み合わせて用いてもよい。
【0024】
塩素系添加剤の含有量は、除菌液100重量部に対して、5~1000重量ppmの範囲が好ましく、8~500重量ppmの範囲がより好ましい。
【0025】
界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、アルキルグリコシド、アルキルアミンオキシド、4級アンモニウ塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウム、4級アンモニウム塩等が挙げられる。界面活性剤として、これらを単独で用いてもよく、これらを組み合わせて用いてもよい。
【0026】
アルキルグリコシドとしては、オクチルグリコシド、デシルグリコシド、ドデシルグリコシド、テトラデシルグリコシド、ヘキサデシルグリコシド、オクタデシルグリコシド、エチルへキシルグリコシド、ペンチノイルグリコシド、ヘキシデシルグリコシド等が挙げられる。
【0027】
アルキルアミンオキシドとしては、ラウリルジメチルアミンオキシド、ヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
【0028】
4級アンモニウ塩としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム等が挙げられる。
【0029】
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等が挙げられる。
【0030】
界面活性剤の含有量は、除菌液100重量部に対して、0.01~2.00重量部が好ましく、さらには0.02~1.00重量部がより好ましい。
【0031】
これら除菌剤は、除菌する対象によって、使い分けられまた併用して使用できる。
【0032】
本実施形態に係る除菌液が含有するUV光で発光する色素は、波長1~450nmの範囲の紫外(UV)光の照射により励起され、基底状態に戻る過程で可視光を発光する化合物である。その中でも、300nmから450nmの波長を有する光を照射することで発光する色素が好ましい。
【0033】
UV光で発光する色素としては、有機系発光色素および無機系発光色素を用いることができる。有機系発光色素としては、例えば赤色発光色素、緑色発光色素、および青色発光色素が挙げられる。赤色発光色素としてユーロピウムに4,4,4-トリフルオロ-1-(2-チエニル)-1,3-ブタンジオン、トリ-n-オクチルフォスフィンオキサイド等の配位子を1種または2種以上配位させた錯体が挙げられる。緑色発光色素として3-(2-キノリルメチレン)イソインドリン-1-オン、C.I.ベーシックイエロー40、C.I.ソルベントイエロー160等が挙げられる。青色発光色素としてC.I.フルオレッセントブライトニングエージェント52、C.I.フルオレッセントブライトニングエージェント135、C.I.フルオレッセントブライトニングエージェント184等の蛍光増白剤が挙げられる。また無機系発光色素としては、硫化亜鉛等の母体金属に蛍光体として遷移金属元素または希土類元素をドープしたものが例示できる。母体金属および蛍光体は、発光の程度や色味に合わせて適宜選択できる。例えば、堺化学社製のLumateB、LumateG,LumateR、シンロイヒ社製のFZ-2000シリーズ、FZ-3040シリーズ、FZ-4000シリーズ、FZ-5000シリーズ等が挙げられる。
【0034】
本実施形態に係る除菌液は、手や指の消毒や、食品または食品包装に吹き付けて使用してもよい。この場合、使用する色素は、化粧品や食品の用途に用いることができることがより好ましい。
【0035】
UV光で発光する色素については、UV光で発光して、どの場所に除菌液を塗布したかを確認できる程度の量が含有されていればよい。UV光で発光する色素の含有量は、除菌液100重量部に対して、0.05~5.00重量部が好ましく、さらには0.2~3.00重量部がより好ましい。
【0036】
また、UV光で発光する色素は、除菌液に溶解して含有させてもよく、又は分散剤や界面活性剤に分散させてから除菌液に含有させてもよい。
【0037】
UV光で発光する色素を分散させる分散剤としては、アクリル系やウレタン系の水溶性分散剤が好ましい。例えば、一般的に販売されているBASF社製のジョンクリルシリーズ、ビッグケミー社製BYKシリーズやルーブリゾール社製のソルスパースシリーズの分散剤が使用できる。これらの中で、安全性の高いものを使用することがより好ましい。
【0038】
本実施形態に係る除菌液は、他に、水、消泡剤、pH調整剤、防黴剤、増粘剤、あるいは保湿剤等、従来から用いられている各種添加剤を添加することもできる。
【0039】
上記増粘剤としては、除菌液に粘性を付与できるものであれば特に限定されないが、例えばカルボキシビニルポリマー等を用いることができる。増粘剤を適量含有させることで、ジェル状の除菌液が得られる。また、UV光で発光する色素の沈降を抑制できる。
【0040】
本実施形態に係る除菌液を製造する方法は、特に限定されず、一般的に使用される分散機や攪拌機が用いて、除菌液が上記除菌剤およびUV光で発光する色素を含有するように混合すればよい。
【0041】
本実施形態に係る除菌方法では、上述した除菌剤とUV光で発光する色素とを含有する除菌液を用いる。すなわち、本実施形態に係る除菌方法は、UV光で発光する色素を含有する除菌液を、UV光で発光させながら塗布する、または塗布したのちUV光で発光させ、塗布した場所を特定する工程を含む。塗布とは、塗り付ける、噴霧するなどして、除菌液を対象に付着させることをいう。これにより、除菌液を塗布した場所を除菌できる。このとき、UV光で発光しない場所は除菌されていない場所なので、さらに除菌液を塗布するとよい。
【0042】
UV光で発光する色素を含有する除菌液を塗布した場所には、色素が残る。そこで、本実施形態に係る除菌方法は、UV光で発光する色素を含有する除菌液を塗布した場所に、UV光で発光しない除菌液を塗布し、UV光で発光する色素を拭き取り、拭き取った場所がUV光で発光しないまたは発光が弱まることを確認する工程を含む。拭き取りにより、UV光で発光しないまたは弱まることが確認できた場所は、再度除菌できた場所であり、依然としてUV光で発光する場所は、拭き取りされていない場所であり除菌されていない場所であるから、これにより除菌した場所を特定できる。そして、UV光で発光している場所には、さらにUV光で発光しない除菌液を塗布して色素を拭き取る。これらの工程を繰り返すことで除菌をしたかどうかを確認でき、より効果的な除菌を行える。
【実施例0043】
以下、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味するものとする。
【0044】
<実施例1>
100mlポリビンに「ユーロピウム錯体E-400(セントラルテクノ社製)」4.00部、「BYK-190(ビッグケミー社製)」7.50部、「イオン交換水」18.5部を秤取り、分散機で2時間分散し「E-400分散液I」を得た。
【0045】
300ccのビーカーに、「イオン交換水」15.0部、「95%醸造エチルアルコール」75.0部、上記「E-400分散液I」10.00部を秤取り、攪拌機で攪拌して、孔径1.0μmのPP製フィルターでろ過して除菌液Aを調製した。
【0046】
<比較例1>
実施例1中の「E-400分散液」を「イオン交換水」に代えて使用した以外は、実施例1と同様にして、除菌液Bを調製した。
【0047】
<実施例2>
300ccのビーカーに、「イオン交換水」23部、「イソプロピルアルコール」75部、「蛍光増白剤BLANKOPHOR CO(タナテックスジャパン社製)」2部を秤取り、攪拌機で攪拌して、孔径1.0μmのPP製フィルターでろ過して除菌液Cを調製した。
【0048】
<比較例2>
実施例2中の「蛍光増白剤」を「イオン交換水」に代えて使用した以外は、実施例2と同様にして、除菌液Dを調製した。
【0049】
<実施例3>
100mlポリビンに「ユーロピウム錯体E-400」4.00部、「BYK-190(ビッグケミー社製)」7.50部、「イオン交換水」18.5部を秤取り、分散機で1時間分散し「E-400分散液II」を得た。
【0050】
上記「E-400分散液II」15部、「95%醸造エチルアルコール」8部、「塩化ベンザルコニウム50%溶液」0.4部、「イオン交換水」76.6部を秤取り、攪拌機により30分間分散し、孔径1.0μmのPP製フィルターを用いて、濾過して除菌液Eを調製した。
【0051】
<比較例3>
実施例3中の「E-400分散液II」を「イオン交換水」に代えて使用した以外は、実施例3と同様にして、除菌液Fを調製した。
【0052】
<実施例4>
100mlポリビンに「G-3300(セントラルテクノ社製)」4.00部、「BYK-190(ビッグケミー社製)」7.50部、「イオン交換水」18.5部を秤取り、分散機で1時間分散し「G-3300分散液III」を得た。
【0053】
300ccのビーカーに、「イオン交換水」15.8部、「95%醸造エチルアルコール」79.0部を秤取り、攪拌機で攪拌しながら、「カルボマーTS-200」0.2部を秤取り、混合した。次に「トリエタノールアミン」0.025部を添加して攪拌を30分続けた。そして、上記「G-3300分散液III」5部を混合して孔径1.0μmのPP製フィルターでろ過して除菌液Gを調製した。粘度は3500mPa・sのジェル状であった。
【0054】
<比較例4>
実施例3中の「G-3300分散液III」を「イオン交換水」に代えて使用した以外は、実施例4と同様にして、除菌液Hを調製した。
【0055】
上記の実施例1~4及び比較例1~4の除菌液A~Hについて、机および手指に塗布した。塗布した場所を、UVライト(ブラックライト)を用いて波長300~450nmの光を照射し確認した。表1に結果を示す。
【0056】
【表1】
【0057】
上記表1に示すとおり、実施例では、机および手指において除菌液A、C、EまたはGを塗布した場所が発光してはっきりと認識できた。一方比較例では、除菌液B、C、FおよびHはUVライトでは発光しないために塗布した場所を特定するのは難しかった。
【0058】
つぎに、実施例1~4で除菌した場所へ、比較例1~4で調製したUV光で発光しない除菌液を塗布し拭き上げた。その結果、拭き上げた場所はUVライトを照射しても発光が確認されないか弱くなるため、その場所が除菌されたことが確認できた。