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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039051
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】給電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20220303BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
H02J7/02 J
H01M10/48 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020143843
(22)【出願日】2020-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中村 浩史
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503BB02
5G503BB03
5G503CA08
5G503CA11
5G503FA06
5H030AA10
5H030AS08
5H030FF41
5H030FF43
5H030FF44
(57)【要約】
【課題】第1蓄電装置と、第1蓄電装置とは種類の異なる第2蓄電装置とを充電できる給電装置を提供する。
【解決手段】給電装置12は、系統端子20と、第1蓄電装置14及び第2蓄電装置16との接続に用いられるインレット21と、AC/DC変換回路25と、第1接続線26と、第2接続線27と、第3接続線28と、を備え、インレットは、第1端子22と、第2端子23と、第3端子24と、を有し、AC/DC変換回路は、1次側回路33と、1次側巻線35と、第1端37、第2端38及び中間タップ39を有する2次側巻線36と、を含むトランス34と、第1レグ配線41と、第1上アームスイッチング素子43と、第1下アームスイッチング素子44と、第2レグ配線42と、第2上アームスイッチング素子45と、第2下アームスイッチング素子46と、を有する2次側回路40と、コイル47と、中間配線48と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
系統電力を出力する系統電源との接続に用いられる系統端子と、
第1蓄電装置及び第2蓄電装置との接続に用いられるインレットと、
前記系統端子に入力される前記系統電力を直流電力に変換するAC/DC変換回路と、
前記インレットと前記AC/DC変換回路とを接続する第1接続線、第2接続線及び第3接続線と、
を備え、
前記インレットは、
前記第1接続線に接続される第1端子と、
前記第2接続線に接続される第2端子と、
前記第3接続線に接続される第3端子と、
を有し、
前記AC/DC変換回路は、
前記系統端子に接続される1次側回路と、
前記1次側回路に接続される1次側巻線と、第1端、第2端及び中間タップを有する2次側巻線と、を含むトランスと、
前記2次側巻線の前記第1端に接続された第1レグ配線と、前記第1レグ配線によって互いに直列に接続された第1上アームスイッチング素子及び第1下アームスイッチング素子と、前記2次側巻線の前記第2端に接続された第2レグ配線と、前記第2レグ配線によって互いに直列に接続された第2上アームスイッチング素子及び第2下アームスイッチング素子と、を有する2次側回路と、
前記第2接続線に接続されるコイルと、
前記中間タップと前記コイルとを接続する中間配線と、
を有し、
前記第1上アームスイッチング素子及び前記第2上アームスイッチング素子は、前記第1接続線と接続され、
前記第1下アームスイッチング素子及び前記第2下アームスイッチング素子は、前記第3接続線と接続される給電装置。
【請求項2】
前記第1端子と前記第3端子との端子間の電圧を検出する第1蓄電装置用センサを備える請求項1に記載の給電装置。
【請求項3】
前記第1端子と前記第2端子との端子間の電圧、及び、前記第2端子と前記第3端子との端子間の電圧のうち少なくとも一方を検出する第2蓄電装置用センサを備える請求項1又は請求項2に記載の給電装置。
【請求項4】
前記第1接続線と前記第3接続線とに接続される第1蓄電装置用コンデンサと、
前記第1蓄電装置用コンデンサと前記AC/DC変換回路との接続を切断する第1蓄電装置用リレーとを備える請求項1から請求項3の何れか一項に記載の給電装置。
【請求項5】
前記第1接続線と前記第2接続線とに接続される又は前記第2接続線と前記第3接続線とに接続される第2蓄電装置用コンデンサと、
前記第2蓄電装置用コンデンサと前記AC/DC変換回路との接続を切断する第2蓄電装置用リレーとを備える請求項1から請求項4の何れか一項に記載の給電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、系統電源に接続される給電装置の一例である電力変換設備が記載されている。この電力変換設備は、系統電源からの電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を蓄電装置の一例であるメインバッテリに供給する。電力変換設備は、スイッチング素子を備え、スイッチング素子のデューティ比を制御することによって、メインバッテリに供給される直流電力の電圧を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2012/127673号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、例えば蓄電装置の種類や容量の違い等によって、第1蓄電装置と第2蓄電装置とで充電に必要な電圧が異なる場合がある。給電装置では、利便性の向上のために、このような第1蓄電装置と第2蓄電装置との双方を充電したい要望がある。
【0005】
本発明の目的は、第1蓄電装置と、第1蓄電装置とは電圧が異なる第2蓄電装置とを充電できる給電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する給電装置は、系統電力を出力する系統電源との接続に用いられる系統端子と、第1蓄電装置及び第2蓄電装置との接続に用いられるインレットと、前記系統端子に入力される前記系統電力を直流電力に変換するAC/DC変換回路と、前記インレットと前記AC/DC変換回路とを接続する第1接続線、第2接続線及び第3接続線と、を備え、前記インレットは、前記第1接続線に接続される第1端子と、前記第2接続線に接続される第2端子と、前記第3接続線に接続される第3端子と、を有し、前記AC/DC変換回路は、前記系統端子に接続される1次側回路と、前記1次側回路に接続される1次側巻線と、第1端、第2端及び中間タップを有する2次側巻線と、を含むトランスと、前記2次側巻線の前記第1端に接続された第1レグ配線と、前記第1レグ配線によって互いに直列に接続された第1上アームスイッチング素子及び第1下アームスイッチング素子と、前記2次側巻線の前記第2端に接続された第2レグ配線と、前記第2レグ配線によって互いに直列に接続された第2上アームスイッチング素子及び第2下アームスイッチング素子と、を有する2次側回路と、前記第2接続線に接続されるコイルと、前記中間タップと前記コイルとを接続する中間配線と、を有し、前記第1上アームスイッチング素子及び前記第2上アームスイッチング素子は、前記第1接続線と接続され、前記第1下アームスイッチング素子及び前記第2下アームスイッチング素子は、前記第3接続線と接続される。
【0007】
上記構成によれば、第1端子と第3端子との端子間に供給される直流電力の電圧は、第1端子と第2端子との端子間に供給される直流電力の電圧、及び、第2端子と第3端子との端子間に供給される直流電力の電圧よりも高い。そのため、例えば、第1蓄電装置を第1端子と第3端子との端子間に接続することによって、第1蓄電装置を充電できる。第1蓄電装置の電圧よりも低い第2蓄電装置を、第1端子と第2端子との端子間、又は、第2端子と第3端子との端子間に接続することによって、第2蓄電装置を充電できる。このように、第1蓄電装置の電圧又は第2蓄電装置の電圧が異なっていたとしても、第1蓄電装置と第2蓄電装置とで接続される端子を変えることによって、第1蓄電装置と、第1蓄電装置とは電圧が異なる第2蓄電装置とを充電できる。
【0008】
上記給電装置は、前記第1端子と前記第3端子との端子間の電圧を検出する第1蓄電装置用センサを備えてもよい。
上記構成によれば、第1蓄電装置用センサが電圧を検出することによって、第1端子と第3端子との端子間に第1蓄電装置が接続されたことを把握できる。
【0009】
上記給電装置は、前記第1端子と前記第2端子との端子間の電圧、及び、前記第2端子と前記第3端子との端子間の電圧のうち少なくとも一方を検出する第2蓄電装置用センサを備えてもよい。
【0010】
上記構成によれば、第2蓄電装置用センサが電圧を検出することによって、第1端子と第2端子との端子間、又は、第2端子と第3端子との端子間に、第2蓄電装置が接続されたことを把握できる。
【0011】
上記給電装置は、前記第1接続線と前記第3接続線とに接続される第1蓄電装置用コンデンサと、前記第1蓄電装置用コンデンサと前記AC/DC変換回路との接続を切断する第1蓄電装置用リレーとを備えてもよい。
【0012】
上記構成によれば、第1蓄電装置にコンデンサが接続されていない場合でも、第1蓄電装置用コンデンサによって、第1蓄電装置を充電できる。
また、第1端子と第2端子との端子間、又は、第2端子と第3端子との端子間に第2蓄電装置が接続される場合、第1蓄電装置用コンデンサとAC/DC変換回路との接続を第1蓄電装置用リレーが切断することによって、第1蓄電装置用コンデンサによる影響を受けることなく、第2蓄電装置を充電できる。
【0013】
上記給電装置は、前記第1接続線と前記第2接続線とに接続される又は前記第2接続線と前記第3接続線とに接続される第2蓄電装置用コンデンサと、前記第2蓄電装置用コンデンサと前記AC/DC変換回路との接続を切断する第2蓄電装置用リレーとを備えてもよい。
【0014】
上記構成によれば、第2蓄電装置にコンデンサが接続されていない場合でも、第2蓄電装置用コンデンサによって、第2蓄電装置を充電できる。
また、第1端子と第3端子との端子間に第1蓄電装置が接続される場合、第2蓄電装置用コンデンサとAC/DC変換回路との接続を第2蓄電装置用リレーが切断することによって、第2蓄電装置用コンデンサの影響を受けることなく、第1蓄電装置を充電できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、第1蓄電装置と、第1蓄電装置とは電圧が異なる第2蓄電装置とを充電できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態の給電装置を備える電源システムを示す回路図。
図2】第2実施形態の給電装置を備える電源システムを示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1実施形態>
以下、給電装置の第1実施形態について図を参照しながら説明する。第1実施形態の給電装置は、電源システムを構成する装置である。電源システムは、例えば、車両に設けられた蓄電装置に電力を供給するためのシステムである。
【0018】
図1に示すように、電源システム10は、系統電源11と、給電装置12とを備える。電源システム10は、第1車両13に設けられた第1蓄電装置14及び第2車両15に設けられた第2蓄電装置16に電力を供給する。
【0019】
系統電源11は、例えば、3相の系統電力を出力する電源であるが、単相の系統電力を出力する電源でもよい。系統電源11が供給可能な系統電力の最大値は、電力会社との契約内容又は他の電力システムの使用状況などに応じて変動する。
【0020】
第1蓄電装置14は、例えば、二次電池、電気二重層キャパシタなどである。
第1蓄電装置14の電圧である第1電圧V1は、第1蓄電装置14の種類、SOCなどに応じて変動する。例えば、第1蓄電装置14がリチウムイオン電池である場合と鉛蓄電池である場合とで、第1電圧V1は異なる。第1電圧V1は、第1蓄電装置14のSOCが高くなるほど、高くなる。第1蓄電装置14は、該第1蓄電装置14を充電するために必要な電圧の直流電力が入力されることによって充電される。第1蓄電装置14を充電するために必要な電圧は、例えば第1電圧V1よりも高い。
【0021】
第2蓄電装置16は、例えば、二次電池、電気二重層キャパシタなどである。
第2蓄電装置16の電圧である第2電圧V2は、第2蓄電装置16の種類、SOCなどに応じて変動する。例えば、第2蓄電装置16がリチウムイオン電池である場合と鉛蓄電池である場合とで、第2電圧V2は異なる。第2電圧V2は、第2蓄電装置16のSOCが高くなるほど、高くなる。第2蓄電装置16は、該第2蓄電装置16を充電するために必要な電圧の直流電力が入力されることによって充電される。第2蓄電装置16を充電するために必要な電圧は、例えば第2電圧V2よりも高い。
【0022】
第1蓄電装置14と第2蓄電装置16とは、互いに電圧が異なる蓄電装置である。そのため、第1電圧V1と第2電圧V2とは、互いに異なる電圧である。第1実施形態では、第1電圧V1は、第2電圧V2よりも大きい。詳細には、第1電圧V1の最小値は、第2電圧V2の最大値よりも大きい。例えば、第1蓄電装置14の公称電圧は、第2蓄電装置16の公称電圧のおよそ2倍である。
【0023】
第1実施形態では、第1車両13は、第1蓄電装置14の他に、第1コンデンサ17を有する。第1コンデンサ17は、第1蓄電装置14と並列に接続される。
第1蓄電装置14が充電される場合、第1コンデンサ17には、第1蓄電装置14を充電するために必要な電圧の直流電力が入力される。この場合、第1コンデンサ17によって、この直流電力に含まれるノイズが低減され、その電圧が安定化される。すなわち、第1コンデンサ17は、第1蓄電装置14を充電するために必要な電圧を維持するためのコンデンサであり、給電装置12からの出力電圧が変動することを抑制するコンデンサである。
【0024】
第1実施形態では、第2車両15は、第2蓄電装置16の他に、第2コンデンサ18を有する。第2コンデンサ18は、第2蓄電装置16と並列に接続される。
第2蓄電装置16が充電される場合、第2コンデンサ18には、第2蓄電装置16を充電するために必要な電圧の直流電力が入力される。この場合、第2コンデンサ18によって、この直流電力に含まれるノイズが低減され、その電圧を安定化される。すなわち、第2コンデンサ18は、第2蓄電装置16を充電するために必要な電圧を維持するためのコンデンサであり、給電装置12からの出力電圧が変動することを抑制するコンデンサである。
【0025】
給電装置12は、第1蓄電装置14及び第2蓄電装置16を充電する装置である。
給電装置12は、系統電源11との接続に用いられる系統端子20を備える。系統電源11が系統端子20に接続されることによって、系統電力が給電装置12に入力される。
【0026】
第1実施形態では、給電装置12は、3相の系統電力を出力する系統電源11に対応するために、系統端子20を3つ備える。給電装置12は、単相の系統電力を出力する系統電源11に対応する場合、系統端子20を2つ備える。
【0027】
給電装置12は、第1車両13との接続及び第2車両15との接続に用いられるインレット21を備える。インレット21に第1車両13又は第2車両15が接続されることによって、給電装置12と第1蓄電装置14又は第2蓄電装置16とが電気的に接続される。
【0028】
インレット21は、第1車両13との接続及び第2車両15との接続に用いられる第1端子22と、第2端子23と、第3端子24とを有する。各端子22、23、24は、給電装置12に対し、第1蓄電装置14を電気的に接続するための端子であり、第2蓄電装置16を電気的に接続するための端子である。
【0029】
給電装置12は、第1端子22と第3端子24との端子間に、第1蓄電装置14が接続されるように構成される。給電装置12は、第1端子22と第2端子23との端子間に、第2蓄電装置16が接続されるように構成される。第1実施形態では、給電装置12と第1蓄電装置14との接続、及び、給電装置12と第2蓄電装置16との接続において、第1端子22が共用される。このため、給電装置12には、第1蓄電装置14及び第2蓄電装置16の一方が、排他的に接続される。各端子22、23、24と第1蓄電装置14及び第2蓄電装置16との接続関係は、例えば、インレット21における各端子22、23、24の配置、形状などによって決めることができる。
【0030】
第1実施形態では、第1端子22は、第1蓄電装置14の正極端子又は第2蓄電装置16の正極端子に接続される。第2端子23は、第2蓄電装置16の負極端子に接続される。第3端子24は、第1蓄電装置14の負極端子に接続される。第1端子22及び第3端子24がそれぞれ第1蓄電装置14の正極端子及び負極端子に接続されることによって、給電装置12と第1蓄電装置14との間で電力の授受が可能となる。第1端子22及び第2端子23がそれぞれ第2蓄電装置16の正極端子及び負極端子に接続されることによって、給電装置12と第2蓄電装置16との間で電力の授受が可能となる。
【0031】
給電装置12は、第2端子23と第3端子24との端子間に、第2蓄電装置16が接続されるように構成されてもよい。この場合では、給電装置12と第1蓄電装置14との接続、及び、給電装置12と第2蓄電装置16との接続において、第3端子24が共用される。また、この場合では、第1端子22は、第1蓄電装置14の正極端子に接続される。第2端子23は、第2蓄電装置16の正極端子に接続される。第3端子24は、第1蓄電装置14の負極端子又は第2蓄電装置16の負極端子に接続される。給電装置12は、第1端子22と第2端子23との端子間に第2蓄電装置16が接続可能、且つ、第2端子23と第3端子24との端子間に第2蓄電装置16が接続可能に構成されてもよい。
【0032】
給電装置12は、系統端子20に入力される系統電力を直流電力に変換するAC/DC変換回路25を備える。AC/DC変換回路25は、例えば、系統電力を昇圧しつつ整流することによって、系統電力を直流電力に変換する。AC/DC変換回路25については、後述する。
【0033】
給電装置12は、インレット21とAC/DC変換回路25とを接続する第1接続線26、第2接続線27及び第3接続線28を備える。第1接続線26は、第1端子22とAC/DC変換回路25とを接続する。第2接続線27は、第2端子23とAC/DC変換回路25とを接続する。第3接続線28は、第3端子24とAC/DC変換回路25とを接続する。
【0034】
給電装置12は、第1端子22と第3端子24との端子間の電圧を検出する第1蓄電装置用センサ29を備える。第1接続線26と第3接続線28とに接続される。第1蓄電装置用センサ29は、第1端子22と第3端子24とに接続される第1蓄電装置14と並列に接続される。第1蓄電装置用センサ29は、第1蓄電装置14の電圧である第1電圧V1を検出するセンサである。
【0035】
給電装置12は、第1端子22と第2端子23との端子間の電圧を検出する第2蓄電装置用センサ30を備える。第1実施形態では、第2蓄電装置用センサ30は、第1接続線26と第2接続線27とに接続される。第2蓄電装置用センサ30は、第1端子22と第2端子23とに接続される第2蓄電装置16と並列に接続される。第2蓄電装置用センサ30は、第2蓄電装置16の電圧である第2電圧V2を検出するセンサである。
【0036】
第2蓄電装置用センサ30は、第2端子23と第3端子24との端子間の電圧を検出してもよい。この場合、第2蓄電装置用センサ30は、第2接続線27と第3接続線28とに接続される。
【0037】
第2蓄電装置用センサ30は、2つ設けられてもよい。この場合、一方の第2蓄電装置用センサ30は第1接続線26と第2接続線27とに接続され、他方の第2蓄電装置用センサ30は第2接続線27と第3接続線28とに接続される。このように、第2蓄電装置用センサ30は、第1端子22と第2端子23との端子間の電圧、及び、第2端子23と第3端子24との端子間の電圧のうち少なくとも一方を検出するセンサである。
【0038】
給電装置12は、AC/DC変換回路25を制御する制御部31を備える。制御部31は、AC/DC変換回路25を制御することによって、給電装置12による充電を制御する。
【0039】
制御部31は、第1蓄電装置用センサ29と第2蓄電装置用センサ30とに接続され、第1電圧V1と第2電圧V2とを取得する。制御部31は、第1蓄電装置用センサ29から第1電圧V1を取得することによって、第1端子22と第3端子24との端子間に第1蓄電装置14が接続されたことを検知する。第1実施形態では、制御部31は、第2蓄電装置用センサ30から第2電圧V2を取得することによって、第1端子22と第2端子23との端子間に第2蓄電装置16が接続されたことを検知する。制御部31は、第2接続線27と第3接続線28とに接続された第2蓄電装置用センサ30から第2電圧V2を取得することによって、第2端子23と第3端子24との端子間に第2蓄電装置16が接続されたことを検知することもできる。
【0040】
制御部31は、α:コンピュータプログラムに従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサ、β:各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路等の1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは、γ:それらの組み合わせ、を含む回路として構成される。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる媒体を含む。
【0041】
次に、AC/DC変換回路25について説明する。
AC/DC変換回路25は、系統端子20に接続される1次側回路33を有する。1次側回路33は、系統端子20から入力される系統電力を交流電力に電力変換するいわゆるAC/AC変換を行う。1次側回路33は、例えば、マトリックスコンバータであるが、これに限定されない。1次側回路33は、制御部31によって制御される。制御部31は、1次側回路33による電力変換を制御する。
【0042】
AC/DC変換回路25は、トランス34を有する。トランス34は、1次側回路33に接続される1次側巻線35と、2次側巻線36とを含む。2次側巻線36は、第1端37と、第2端38と、中間タップ39とを有する。トランス34は、例えば、1次側回路33で変換された交流電力を昇圧する。
【0043】
AC/DC変換回路25は、2次側巻線36に接続される2次側回路40を有する。2次側回路40は、第1レグ配線41と、第2レグ配線42と、第1上アームスイッチング素子43と、第1下アームスイッチング素子44と、第2上アームスイッチング素子45と、第2下アームスイッチング素子46とを有する。
【0044】
第1レグ配線41は、第1端37に接続される。第1レグ配線41は、第1上アームスイッチング素子43と第1下アームスイッチング素子44とを直列に接続する。
第2レグ配線42は、第2端38に接続される。第2レグ配線42は、第2上アームスイッチング素子45と第2下アームスイッチング素子46とを直列に接続する。
【0045】
各スイッチング素子43、44、45、46は、例えば、MOSFETであり、ボディダイオードを有する。各スイッチング素子43、44、45、46は、MOSFETに限らず、IGBTでもよい。各スイッチング素子43、44、45、46は、制御部31によって制御される。制御部31は、各スイッチング素子43、44、45、46のデューティ比を制御する。
【0046】
両上アームスイッチング素子43、45は、第1接続線26に接続される。両下アームスイッチング素子44、46は、第3接続線28に接続される。
AC/DC変換回路25は、第2接続線27に接続されるコイル47を有する。
【0047】
AC/DC変換回路25は、中間タップ39とコイル47とを接続する中間配線48を有する。コイル47は、第2接続線27と中間配線48との間に位置する。
AC/DC変換回路25は、各スイッチング素子43、44、45、46を制御することにより、第1蓄電装置14の充電に必要な電圧の直流電力を出力したり、第2蓄電装置16の充電に必要な電圧の直流電力を出力したりする。
【0048】
次に、第1実施形態の給電装置12の動作について、2次側回路40に注目しながら説明する。
制御部31は、各スイッチング素子43、44、45、46を制御することによって、インレット21に接続される車両に給電、すなわち第1蓄電装置14又は第2蓄電装置16を充電する。制御部31は、各スイッチング素子43、44、45、46のデューティ比を制御することによって、電力変換を行う。
【0049】
まず、第1端子22と第3端子24との端子間に第1蓄電装置14が接続された場合について考える。
制御部31は、各スイッチング素子43、44、45、46を制御することによって、系統電源11を用いて第1蓄電装置14を充電できる。例えば、制御部31は、第1上アームスイッチング素子43及び第2下アームスイッチング素子46と、第1下アームスイッチング素子44及び第2上アームスイッチング素子45とを交互にON/OFFさせることによって、系統電力を第1蓄電装置14の充電に必要な電圧の直流電力に変換し、その直流電力を第1端子22と第3端子24との端子間に出力する。これにより、第1蓄電装置14が充電される。この場合では、制御部31は、2次側回路40のうち上アームと下アームとを駆動させる。
【0050】
次に、第1端子22と第2端子23との端子間に第2蓄電装置16が接続された場合について考える。
制御部31は、各スイッチング素子43、44、45、46を制御することによって、系統電源11を用いて第2蓄電装置16を充電できる。例えば、制御部31は、両下アームスイッチング素子44、46をOFFさせた状態で、両上アームスイッチング素子43、45を交互にON/OFFさせることによって、系統電力を第2蓄電装置16の充電に必要な電圧の直流電力に変換し、その直流電力を第1端子22と第2端子23との端子間に出力する。これにより、第2蓄電装置16が充電される。この場合では、制御部31は、2次側回路40のうち上アームを駆動させる。
【0051】
第1実施形態では、第1蓄電装置14の充電に必要な電圧は第2蓄電装置16の充電に必要な電圧のおよそ2倍であるため、給電装置12の出力電力が一定とすると、第1端子22が共用される場合、第3接続線28に流れる電流は、第1接続線26及び第2接続線27に流れる電流のおよそ半分となる。そのため、第1実施形態では、第3接続線28の径を、第1接続線26の径及び第2接続線27の径よりも小さくできる。
【0052】
次に、第2端子23と第3端子24との端子間に第2蓄電装置16が接続された場合について考える。この場合、給電装置12は、第2端子23と第3端子24との端子間に第2蓄電装置16が接続されるように構成されている。
【0053】
制御部31は、各スイッチング素子43、44、45、46を制御することによって、系統電源11を用いて第2蓄電装置16を充電できる。例えば、制御部31は、両上アームスイッチング素子43、45をOFFさせた状態で、両下アームスイッチング素子44、46を交互にON/OFFさせることによって、系統電力を第2蓄電装置16の充電に必要な電圧の直流電力に変換し、その直流電力を第2端子23と第3端子24との端子間に出力する。この場合では、制御部31は、2次側回路40のうち下アームを駆動させる。これにより、第2蓄電装置16が充電される。
【0054】
例えば、制御部31は、第1蓄電装置14を充電する場合と同様に各スイッチング素子43、44、45、46をON/OFFさせることによって、系統電力を第2蓄電装置16の充電に必要な電圧の直流電力に変換し、その直流電力を第2端子23と第3端子24との端子間に出力する。この場合では、第1端子22と第3端子24との間の電圧が第1蓄電装置14の充電に必要な電圧となり、第2端子23と第3端子24との間の電圧が第1蓄電装置14の充電に必要な電圧の半分の電圧となる。これにより、第2蓄電装置16が充電される。
【0055】
第1蓄電装置14の充電中では、第1蓄電装置14のSOCが変化することによって、第1蓄電装置14の充電に適した電圧が変化する。第2蓄電装置16の充電中では、第2蓄電装置16のSOCが変化することによって、第2蓄電装置16の充電に適した電圧が変化する。そのため、第1蓄電装置14の充電中では、制御部31は、各スイッチング素子43、44、45、46のデューティ比を制御することによって、第1蓄電装置14のSOCの変化に追従させるように、給電装置12の出力電圧を変化させる。同様に、第2蓄電装置16の充電中では、制御部31は、各スイッチング素子43、44、45、46のデューティ比を制御することによって、第2蓄電装置16のSOCの変化に追従させるように、給電装置12の出力電圧を変化させる。
【0056】
第1電圧V1は、第2蓄電装置16のSOCが最大である場合の第2電圧V2よりも大きい。すなわち、第1電圧V1は、変化する第2電圧V2の電圧範囲よりも大きい電圧である。第2電圧V2は、第1蓄電装置14のSOCが最小である場合の第1電圧V1よりも小さい。すなわち、第2電圧V2は、変化する第1電圧V1の電圧範囲よりも小さい電圧である。
【0057】
以上のことから、制御部31が各スイッチング素子43、44、45、46のデューティ比を制御しても、第1端子22と第3端子24との端子間に、第2蓄電装置16の充電に適した電圧の直流電力を供給することが難しい。制御部31が各スイッチング素子43、44、45、46のデューティ比を制御しても、第1端子22と第2端子23との端子間及び第2端子23と第3端子24との端子間に、第1蓄電装置14の充電に適した電圧の直流電力することが難しい。そのため、給電装置12は、第1蓄電装置14と第2蓄電装置16とで接続される端子を変えることで、第1蓄電装置14の充電に適した電圧の直流電力を第1蓄電装置14に供給し、第2蓄電装置16の充電に適した電圧の直流電力を第2蓄電装置16に供給することを可能としている。
【0058】
次に、第1実施形態の作用及び効果について説明する。
(1-1)第1端子22と第3端子24との端子間に供給される直流電力の電圧は、第1端子22と第2端子23との端子間に供給される直流電力の電圧よりも高い。そのため、第1蓄電装置14を第1端子22と第3端子24との端子間に接続することによって、第1蓄電装置14を充電できる。第1蓄電装置14とは電圧が異なる第2蓄電装置16を、第1端子22と第2端子23との端子間に接続することによって、第2蓄電装置16を充電できる。
【0059】
また、第2端子23と第3端子24との端子間に供給される直流電力の電圧は、第1端子22と第2端子23との端子間に供給される直流電力の電圧と同じである。そのため、第2蓄電装置16を第2端子23と第3端子24との端子間に接続することによっても、第2蓄電装置16を充電できる。
【0060】
以上のように、第1蓄電装置14の電圧又は第2蓄電装置16の電圧が異なっていたとしても、第1蓄電装置14と第2蓄電装置16とで接続される端子を変えることによって、第1蓄電装置14と、第1蓄電装置14とは電圧が異なる第2蓄電装置16とを充電できる。すなわち、給電装置12によれば、第1電圧V1と第2電圧V2とがデューティ比の制御によって対応できない電圧であったとしても、第1蓄電装置14と第2蓄電装置16とを充電できる。
【0061】
(1-2)第1端子22と第3端子24との端子間の電圧を検出する第1蓄電装置用センサ29が第1電圧V1を検出することによって、第1端子22と第3端子24との端子間に第1蓄電装置14が接続されたことを把握できる。
【0062】
(1-3)第1端子22と第2端子23との端子間の電圧を検出する第2蓄電装置用センサ30が第2電圧V2を検出することによって、第1端子22と第2端子23との端子間に第2蓄電装置16が接続されたことを把握できる。第2端子23と第3端子24との端子間の電圧を検出する第2蓄電装置用センサ30が第2電圧V2を検出することによって、第2端子23と第3端子24との端子間に第2蓄電装置16が接続されたことを把握できる。
【0063】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態と比較して、車両に設けられていたコンデンサが給電装置12に設けられている点で異なる。第2実施形態では、主に第1実施形態と異なる点について説明し、共通する点についてはその説明を省略する。
【0064】
図2に示すように、給電装置12は、第1蓄電装置用コンデンサ51を備える。第1蓄電装置用コンデンサ51は、第1接続線26と第3接続線28とに接続される。第1蓄電装置用コンデンサ51は、第1端子22と第3端子24との端子間に接続される第1蓄電装置14と並列に接続される。第1蓄電装置用コンデンサ51は、第1実施形態の第1コンデンサ17と同様の機能を有する。
【0065】
給電装置12は、第1蓄電装置用リレー52を備える。第2実施形態では、第1蓄電装置用リレー52は、ACリレーである。第1蓄電装置用リレー52は、例えば、第1蓄電装置用コンデンサ51と直列に接続される。第1蓄電装置用リレー52は、第1接続線26と第3接続線28との間に設けられる。第1蓄電装置用リレー52は、制御部31によってON/OFFされる。第1蓄電装置用リレー52は、第1蓄電装置用コンデンサ51とAC/DC変換回路25との接続を切断する。
【0066】
給電装置12は、第2蓄電装置用コンデンサ53を備える。第2実施形態では、第2蓄電装置用コンデンサ53は、第1接続線26と第2接続線27とに接続される。第2蓄電装置用コンデンサ53は、第1端子22と第2端子23との端子間に接続される第2蓄電装置16と並列に接続される。第2蓄電装置用コンデンサ53は、第2実施形態の第2コンデンサ18と同様の機能を有する。
【0067】
第2蓄電装置用コンデンサ53は、第2接続線27と第3接続線28とに接続されてもよい。この場合、給電装置12は、第2端子23と第3端子24との端子間に第2蓄電装置16が接続されるように構成される。第2蓄電装置用コンデンサ53は、第2端子23と第3端子24との端子間に接続される第2蓄電装置16と並列に接続される。
【0068】
第2蓄電装置用コンデンサ53は、2つ設けられてもよい。この場合、一方の第2蓄電装置用コンデンサ53は第1接続線26と第2接続線27とに接続され、他方の第2蓄電装置用コンデンサ53は第2接続線27と第3接続線28とに接続される。
【0069】
給電装置12は、第2蓄電装置用リレー54を備える。第2実施形態では、第2蓄電装置用リレー54は、ACリレーである。第2蓄電装置用リレー54は、例えば、第2蓄電装置用コンデンサ53と直列に接続される。第2実施形態では、第2蓄電装置用リレー54は、第1接続線26と第2接続線27との間に設けられる。第2蓄電装置用リレー54は、制御部31によってON/OFFされる。第2蓄電装置用リレー54は、第2蓄電装置用コンデンサ53とAC/DC変換回路25との接続を切断する。
【0070】
第2蓄電装置用コンデンサ53が第2接続線27と第3接続線28とに接続される場合、第2蓄電装置用リレー54は、第2接続線27と第3接続線28との間に設けられる。
第2蓄電装置用コンデンサ53が2つ設けられる場合、第2蓄電装置用リレー54は2つ設けられる。この場合、一方の第2蓄電装置用リレー54は第1接続線26と第2接続線27との間に設けられ、他方の第2蓄電装置用リレー54は第2接続線27と第3接続線28との間に設けられる。一方の第2蓄電装置用リレー54は、一方の第2蓄電装置用コンデンサ53とAC/DC変換回路25との接続を切断し、他方の第2蓄電装置用リレー54は他方の第2蓄電装置用コンデンサ53とAC/DC変換回路25との接続を切断する。
【0071】
次に、第2実施形態の給電装置12の動作について、2次側回路40に注目しながら説明する。
第1端子22と第3端子24との端子間に第1蓄電装置14が接続された場合、制御部31は、第2蓄電装置用リレー54によって第2蓄電装置用コンデンサ53とAC/DC変換回路25との接続を切断する。この状態で、制御部31は、第1実施形態と同様に各スイッチング素子43、44、45、46を制御することによって、系統電源11を用いて第1蓄電装置14を充電する。第1蓄電装置14の充電が完了すると、制御部31は、両リレー52、54をOFFさせる。
【0072】
第1端子22と第2端子23との端子間に第2蓄電装置16が接続された場合、制御部31は、第1蓄電装置用リレー52によって第1蓄電装置用コンデンサ51とAC/DC変換回路25との接続を切断する。第2蓄電装置用リレー54が2つ設けられている場合には、制御部31は、第2接続線27と第3接続線28との間に設けられる第2蓄電装置用リレー54を第1蓄電装置用リレー52と併せてOFFさせる。この状態で、制御部31は、第1実施形態と同様に各スイッチング素子43、44、45、46を制御することによって、系統電源11を用いて第2蓄電装置16を充電する。第2蓄電装置16の充電が完了すると、制御部31は、両リレー52、54をOFFさせる。
【0073】
第2端子23と第3端子24との端子間に第2蓄電装置16が接続された場合、制御部31は、第1蓄電装置用リレー52によって第1蓄電装置用コンデンサ51とAC/DC変換回路25との接続を切断する。第2蓄電装置用リレー54が2つ設けられている場合には、制御部31は、第1接続線26と第2接続線27との間に設けられる第2蓄電装置用リレー54を第1蓄電装置用リレー52と併せてOFFさせる。この状態で、制御部31は、第1実施形態と同様に各スイッチング素子43、44、45、46を制御することによって、系統電源11を用いて第2蓄電装置16を充電する。第2蓄電装置16の充電が完了すると、制御部31は、両リレー52、54をOFFさせる。
【0074】
第2実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(2-1)第1蓄電装置14に第1コンデンサ17が接続されていない場合でも、第1蓄電装置用コンデンサ51によって、第1蓄電装置14を充電できる。また、第1蓄電装置14に第1コンデンサ17が接続されている場合でも、第1蓄電装置用コンデンサ51とAC/DC変換回路25との接続を第1蓄電装置用リレー52が切断することによって、第1蓄電装置用コンデンサ51による影響を受けることなく、第1蓄電装置14を充電できる。すなわち、第1コンデンサ17の有無にかかわらず、第1蓄電装置14を充電できる。
【0075】
第1端子22と第2端子23との端子間に第2蓄電装置16が接続される場合、第1蓄電装置用コンデンサ51とAC/DC変換回路25との接続を第1蓄電装置用リレー52が切断することによって、第1蓄電装置用コンデンサ51による影響を受けることなく、第2蓄電装置16を充電できる。第2端子23と第3端子24との端子間に第2蓄電装置16が接続される場合でも、第1蓄電装置用コンデンサ51とAC/DC変換回路25との接続を第1蓄電装置用リレー52が切断することによって、第1蓄電装置用コンデンサ51による影響を受けることなく、第2蓄電装置16を充電できる。
【0076】
(2-2)第2蓄電装置16に第2コンデンサ18が接続されていない場合でも、第2蓄電装置用コンデンサ53によって、第2蓄電装置16を充電できる。また、第2蓄電装置16に第2コンデンサ18が接続されている場合でも、第2蓄電装置用コンデンサ53とAC/DC変換回路25との接続を第2蓄電装置用リレー54が切断することによって、第2蓄電装置用コンデンサ53による影響を受けることなく、第2蓄電装置16を充電できる。すなわち、第2コンデンサ18の有無にかかわらず、第2蓄電装置16を充電できる。
【0077】
第1端子22と第3端子24との端子間に第1蓄電装置14が接続される場合、第2蓄電装置用コンデンサ53とAC/DC変換回路25との接続を第2蓄電装置用リレー54が切断することによって、第2蓄電装置用コンデンサ53による影響を受けることなく、第1蓄電装置14を充電できる。
【0078】
上述した第1実施形態及び第2実施形態は、以下のように変更して実施することができる。第1実施形態、第2実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0079】
○第2実施形態において、第2蓄電装置用リレー54が省略されてもよい。第2蓄電装置用リレー54によって第2蓄電装置用コンデンサ53とAC/DC変換回路25との接続が接続されなくとも、第1端子22と第3端子24との端子間に接続された第1蓄電装置14に充電することはできる。
【0080】
○端子間の電圧を検出することによって第1蓄電装置14及び第2蓄電装置16の接続を検知する構成に限らず、その他のセンサによって第1蓄電装置14及び第2蓄電装置16の接続を検知する構成でもよい。
【0081】
〇各端子22、23、24に接続される蓄電装置は、車両に搭載される装置に限らず、その他の蓄電装置でもよい。
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0082】
(A)制御部は、第1上アームスイッチング素子、第1下アームスイッチング素子、第2上アームスイッチング素子及び第2下アームスイッチング素子を制御することによって第1端子と第3端子との端子間に所定電圧の直流電力を供給し、第1上アームスイッチング素子、第1下アームスイッチング素子、第2上アームスイッチング素子及び第2下アームスイッチング素子を制御することによって第1端子と第2端子との端子間又は第2端子と第3端子との端子間に所定電圧よりも低い電圧の直流電力を供給する。これによれば、制御部が各スイッチング素子を制御することによって、直流電力が供給される端子間を変えることができる。これにより、デューティ比の制御で対応可能な電圧範囲よりも広い電圧範囲に対応できる。
【0083】
(B)制御部は、第1端子と第3端子との端子間に第1蓄電装置が接続されている場合に、第1上アームスイッチング素子及び第2下アームスイッチング素子と、第1下アームスイッチング素子及び前記第2上アームスイッチング素子とを交互にON/OFFさせる。これによれば、第1端子と第3端子との端子間に接続された第1蓄電装置を充電できる。
【0084】
(C)制御部は、第1端子と第2端子との端子間に第2蓄電装置が接続されている場合に、第1下アームスイッチング素子と第2下アームスイッチング素子とをOFFさせた状態で、第1上アームスイッチング素子と第2上アームスイッチング素子とを交互にON/OFFさせる。これによれば、第1端子と第2端子との端子間に接続された第2蓄電装置を充電できる。
【符号の説明】
【0085】
11…系統電源、12…給電装置、14…第1蓄電装置、16…第2蓄電装置、20…系統端子、21…インレット、22…第1端子、23…第2端子、24…第3端子、25…AC/DC変換回路、26…第1接続線、27…第2接続線、28…第3接続線、29…第1蓄電装置用センサ、30…第2蓄電装置用センサ、33…1次側回路、34…トランス、35…1次側巻線、36…2次側巻線、37…第1端、38…第2端、39…中間タップ、40…2次側回路、41…第1レグ配線、42…第2レグ配線、43…第1上アームスイッチング素子、44…第1下アームスイッチング素子、45…第2上アームスイッチング素子、46…第2下アームスイッチング素子、47…コイル、48…中間配線、51…第1蓄電装置用コンデンサ、52…第1蓄電装置用リレー、53…第2蓄電装置用コンデンサ、54…第2蓄電装置用リレー。
図1
図2