(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039076
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】天板付き家具
(51)【国際特許分類】
A47B 13/00 20060101AFI20220303BHJP
A47B 7/00 20060101ALI20220303BHJP
A47B 17/04 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
A47B13/00 Z
A47B7/00 A
A47B13/00 B
A47B17/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020143899
(22)【出願日】2020-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】000228028
【氏名又は名称】株式会社トルネックス
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】清水 彰
(72)【発明者】
【氏名】新谷 英之
(72)【発明者】
【氏名】小谷 雄介
(72)【発明者】
【氏名】山本 直樹
(72)【発明者】
【氏名】金指 忠
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NN01
3B053NP08
3B053NQ01
3B053NQ06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】会議室に設けられ、会議室を安全な密なコミュニケーションの場とする要望に対応可能な天板付き家具を提供する。
【解決手段】上方に開口する開口部1xを有し対向する両側縁に着座可能な天板1と、その天板1の下方に配され上方ないし側方に向けて開口する吸入口4aを有する集塵ユニット4と、天板1の開口部1xと集塵ユニット4の吸入口4aとを連通し天板1の開口部1xのみを介して外部に接続する空気導入路5とを備える構成を採用する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口する開口部を有し対向する両側縁に着座可能な天板と、前記天板の下方に配され上方ないし側方に向けて開口する吸入口を有する集塵ユニットと、前記天板の開口部と前記集塵ユニットの吸入口とを連通し前記天板の開口部のみを介して外部に接続する空気導入路とを備えた天板付き家具。
【請求項2】
前記天板の開口部の開口端縁から起立させて前記開口部を囲う仕切り板を配置し、空気がこの仕切り板により区成され上方に解放された上部空気導入路を経て前記空気導入路に導かれるようにしている請求項1記載の天板付き家具。
【請求項3】
前記天板の下方に前記集塵ユニットを収容する収容部を備えているものであって、この収容部が、前記天板を支持する天板支持フレームと、この天板支持フレームを支持する脚体と、前記集塵ユニットを床面から離間させた状態で支持する集塵ユニット支持フレームとを有する請求項1又は2記載の天板付き家具。
【請求項4】
前記天板の下方に、前後対をなし前記集塵ユニットにそれぞれ面的に当接するとともに天板の下面と前記集塵ユニットとの間の空間を閉塞する集塵ユニットカバーを設けている請求項1、2又は3記載の天板付き家具。
【請求項5】
前記天板の下方に前記集塵ユニットを外部空間から隠蔽する幕板が配されている請求項1、2、3又は4記載の天板付き家具。
【請求項6】
前記幕板の下縁部に前記集塵ユニットからの排気を流通させる下排気口が設けられているとともに、前記幕板の上縁部又は中間部に前記集塵ユニットからの排気を流通させる上排気口が設けられている請求項5記載の天板付き家具。
【請求項7】
前記天板の下方に前記集塵ユニットを複数配してなり、これら集塵ユニット間の空間を水平な板状部材により閉塞して前記空気導入路の下面としている請求項1、2、3、4、5又は6記載の天板付き家具。
【請求項8】
前記天板の開口部の幅寸法及び奥行寸法の少なくとも一方が、前記集塵ユニットの吸入口の対応する寸法よりも大きい請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の天板付き家具。
【請求項9】
前記天板の下方かつ前記集塵ユニットよりも上方に複数の空気流通口を有する水平な仕切板を備えており、前記仕切板の開口率が、集塵ユニットの直上及びその近傍よりもその他の部位の方が大きい請求項8記載の天板付き家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議室等に設置するのに好適な天板付き家具に関する。
【背景技術】
【0002】
企業にとって、重要な契約や交渉、採用面接、経営に関わるボード間のやりとり等、失敗できないコミュニケーションは多い。このようなコミュニケーションを成功させるためには、言葉の情報だけでなく、表情やしぐさ等を含めた全体が重要であり、合意にはその場の暗黙の空気感の醸成が重要である。このようなコミュニケーションは会議室等で行われることが多く、そのような会議室等に設置して使用されるテーブルとして、天板と、この天板の少なくとも両端部を支持する脚体とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
ところで、昨今では、COVID-19の流行により、感染予防が優先されることに伴い、密閉空間での密集を避けるべく会議室の利用が制限され、秘匿性のないオープン環境下や、アクリル板、ビニールシート、ガラス板といった透明な壁越しでのコミュニケーションをとらざるを得ないという現状が存在する。
【0004】
しかし、企業の運営のためには、会議室を安全な密なコミュニケーションの場とする要望が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した要望、すなわち会議室を安全な密なコミュニケーションの場とする要望に対応するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明に係る天板付き家具は、上方に開口する開口部を有し対向する両側縁に着座可能な天板と、前記天板の下方に配され上方ないし側方に向けて開口する吸入口を有する集塵ユニットと、前記天板の開口部と前記集塵ユニットの吸入口とを連通し前記天板の開口部のみを介して外部に接続する空気導入路とを備えたものである。
【0008】
なお、本発明の「天板」は、複数の天板要素からなるものを含む。また、本発明の「開口部」は、対をなす天板要素の反使用端を対向させ、これら反使用端間の空間に形成されるものも含む。
【0009】
請求項2記載の発明に係る天板付き家具は、請求項1記載のものであって、前記天板の開口部の開口端縁から起立させて前記開口部を囲う仕切り板を配置し、空気がこの仕切り板により区成され上方に解放された上部空気導入路を経て前記空気導入路に導かれるようにしているものである。
【0010】
請求項3記載の発明に係る天板付き家具は、請求項1又は2記載のものであって、前記天板の下方に前記集塵ユニットを収容する収容部を備えているものであって、この収容部が、前記天板を支持する天板支持フレームと、この天板支持フレームを支持する脚体と、前記集塵ユニットを床面から離間させた状態で支持する集塵ユニット支持フレームとを有するものである。
【0011】
請求項4記載の発明に係る天板付き家具は、請求項1、2又は3記載のものであって、前記天板の下方に、前後対をなし前記集塵ユニットにそれぞれ面的に当接するとともに天板の下面と前記集塵ユニットとの間の空間を閉塞する集塵ユニットカバーを設けているものである。なお、本発明の「集塵ユニットカバー」は、天板を下方から支持するものであってもなくてもよい。
【0012】
請求項5記載の発明に係る天板付き家具は、請求項1、2、3又は4記載のものであって、前記天板の下方に前記集塵ユニットを外部空間から隠蔽する幕板が配されているものである。
【0013】
請求項6記載の発明に係る天板付き家具は、請求項5記載のものであって、前記幕板の下縁部に前記集塵ユニットからの排気を流通させる下排気口が設けられているとともに、前記幕板の上縁部又は中間部に前記集塵ユニットからの排気を流通させる上排気口が設けられているものである。
【0014】
請求項7記載の発明に係る天板付き家具は、請求項1、2、3、4、5又は6記載のものであって、前記天板の下方に前記集塵ユニットを複数配してなり、これら集塵ユニット間の空間を水平な板状部材により閉塞して前記空気導入路の下面としているものである。
【0015】
請求項8記載の発明に係る天板付き家具は、請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のものであって、前記天板の開口部の幅寸法及び奥行寸法の少なくとも一方が、前記集塵ユニットの吸入口の対応する寸法よりも大きいものである。
【0016】
請求項9記載の発明に係る天板付き家具は、請求項8記載のものであって、前記天板の下方かつ前記集塵ユニットよりも上方に複数の空気流通口を有する水平な仕切板を備えており、前記仕切板の開口率が、集塵ユニットの直上及びその近傍よりもその他の部位の方が大きいものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、前述した要望、すなわち会議室を安全な密なコミュニケーションの場とする要望に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る天板付き家具を示す斜視図。
【
図2】同実施形態に係る天板付き家具を示す斜視図。
【
図3】同実施形態に係る天板付き家具を示す正面図。
【
図4】同実施形態に係る天板付き家具を示す平面図。
【
図5】同実施形態に係る天板付き家具を示す底面図。
【
図9】同実施形態に係る天板及び幕板を除去した天板付き家具を示す斜視図。
【
図10】同実施形態に係る天板及び幕板を除去した天板付き家具を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下本発明の一実施形態を、
図1~
図10を参照して説明する。
【0020】
本実施形態は、来客会議室もしくは役員会議室クラスのハイグレード空間に配して使用される天板付き家具であるテーブルTに本発明を適用したものである。
【0021】
このテーブルTは、
図1~
図5に示すように、天板本体5の一端5aから他端5bに至る中間の部位に上方に開口する開口部1xを有し対向する両側縁1c、1dに着座可能な天板1と、内部に機器類収納空間2sを有し天板1の一端側を支持するサイドユニット2と、天板1の他端側を支持する端部脚体31と、天板1の中間部を支持する中間脚体32と、天板1の下方に配され上方に向けて開口する吸入口4aを有する集塵ユニット4と、天板1の開口部1xと集塵ユニット4の吸入口4aとを連通し天板1の開口部1xのみを介して外部に接続する空気導入路5とを備えている。
【0022】
詳述すれば、天板1は、
図1~
図5に示すように、一方の使用端1cから他方の使用端1dに至る奥行方向の中央部分に開口部1xを有し、一方の使用端1cから他方の使用端1dに向かうにつれ奥行寸法が小さくなる台形状の天板本体6と、この天板本体6を下面側から支持する天板支持フレーム7とを備えたものであり、天板支持フレーム7の一端側をサイドユニット2に支持させている。
【0023】
天板本体6は、
図1~
図5に示すように、一端に配された第1の端部板状部材61と、他端に配された第2の端部板状部材63と、これら端部板状部材61、63間に配された前後2対の中間板状部材62とを連設したものである。第1の端部板状部材61の下方には、サイドユニット2が配されている。第2の端部板状部材63は、前後両端縁及び外側端縁を使用端とし、前後両端縁の中間すなわち奥行方向の中央部分に平面視矩形状をなし開口部1xを構成する切欠63xが設けられている。対をなす中間板状部材62は、いずれも平面視略矩形状をなすものであって反使用端を対向させた状態で配されており、これら中間板状部材62の反使用端間、すなわち奥行方向の中央部分に開口部1xが形成されている。開口部1xは、天板本体6の上面から下面に貫通する。なお、両使用端近傍の下面には、着座者が使用可能な図示しない電源コンセントが設けられている。そして、この天板本体6は、下方から天板支持フレーム7に支持されている。
【0024】
天板支持フレーム7は、
図2、
図5、
図9及び
図10に示すように、集塵ユニット6を挟んで前後両側にそれぞれ配される対をなす第1の縦フレーム部材71と、これら第1の縦フレーム部材71の使用端1c、1d寄りに配される対をなす第2の縦フレーム部材72と、これらの縦フレーム部材71、72に直交させて設けられた端部横フレーム部材73及び中間横フレーム部材74、75とを具備してなる。第1の縦フレーム部材71は、天板1の一端縁1a近傍から他端縁近傍1bにまで達する。第2の縦フレーム部材72は、天板1の一端縁1a近傍から天板1の幅方向中央近傍にかけて伸びている。端部横フレーム部材73は、天板本体6の端部板状部材61、63の下面を支持する。第1の中間横フレーム部材74は、第1の縦フレーム部材71の長手方向中央間を接続するとともにさらに使用端1c、1dに向かって伸び、端部近傍で第2の縦フレーム部材72の一端を接続している。第2の中間横フレーム部材75は、天板1(天板本体6)の一端1a側の端部板状部材61と中間板状部材62との境界部、中間板状部材62同士の境界部、及び中間板状部材62と他端1b側の端部板状部材63との境界部をそれぞれ下方から支持する。そして、この天板支持フレーム7の一端縁1a側は、サイドユニット2により下方から支持されている。
【0025】
サイドユニット2は、天板1の一端縁1a側を支持する脚体としての機能を有し、
図1、
図2、
図9及び
図10に示すように、内部に機器類を収納可能であり外側方に開口する空間を有するサイドユニット本体21と、この空間の開放端に設けられる扉22とを有する。サイドユニット本体21は、天壁23と、背壁24と、両側壁25と、底壁26とにより前述した機器類を収納可能な空間を区成するものである。
【0026】
一方、前述したように、天板1の他端縁1b側は、端部脚体31により支持されている。端部脚体31は、
図2、
図3、
図5、
図9及び
図10に示すように、前記天板支持フレーム7の他端部、換言すれば他端側の端部横フレーム部材73を下側から支持すべく設けられた板状のものである。サイドユニット2と端部脚体31との中間には、中間脚体32が配されている。
【0027】
中間脚体32は、
図2、
図3、
図5、
図9及び
図10に示すように、前記天板支持フレーム7の中央部、換言すれば中央の前記中間横フレーム部材74を下側から支持すべく設けられた板状のものである。
【0028】
さらに本実施形態では、
図2、
図5、
図9及び
図10に示すように、サイドユニット2及び端部脚体31の内側面、並びに中間脚体32の両側面には、パネル状の第1の補助脚体33が設けられている。また、サイドユニット2と中間脚体4との中間、及び端部脚体3と中間脚体4との中間には、パネル状の第2の補助脚体34が設けられている。これら補助脚体33、34の下端部には、脚ベース35が添接されている。なお、第1の補助脚体33の上端は天板1の下面に達している。第2の保持脚体34は、ブラケット341により後述する集塵ユニットカバー51に固定されている。
【0029】
互いに隣接する補助脚体33、34の下部間には、
図2、
図5、
図8、
図9及び
図10に示すように、前後対をなす集塵ユニット支持フレーム8を架設している。この集塵ユニット支持フレーム8は、その両端部の下面が脚ベース35に面的に接しているとともに、その両端がブラケット81を介して補助脚体33、34に固定されている。対をなす集塵ユニット支持フレーム8間には、集塵ユニット受け82が架設されており、その集塵ユニット受け82の上に集塵ユニット4が載置されるようになっている。すなわち、集塵ユニット支持フレーム8及び集塵ユニット受け82を介して集塵ユニット4が床面Fから離間させた状態で支持するようになっている。
【0030】
本実施形態では、天板1の下方に集塵ユニット4を収容する収容部Sを備えている。この収容部Sは、前述した天板支持フレーム7と、この天板支持フレーム7を支持する脚体31、32と、前述した集塵ユニット支持フレーム8とを利用して構成したものである。
【0031】
集塵ユニット4は、
図2、
図5、
図6、
図7、
図9及び
図1に示すように、上面に吸気口4a、下面に排気口4bを有する周知のものである。ここで、集塵ユニット4の吸気口4aの幅寸法は、天板1の開口部1xの幅寸法よりも小さい。換言すれば、天板1の開口部1xの幅寸法は、集塵ユニット4の吸気口4aの幅寸法よりも大きな値に設定している。天板1上方の空気及び空気中の浮遊物は、空気導入路5を介してこの集塵ユニット4に導かれるようになっている。
【0032】
空気導入路5は、天板1と集塵ユニット4との間に形成され、前述したように、天板1の開口部1xのみを介して外部に接続する。
図6及び
図7に示すように、この空気導入路5の前端及び後端は集塵ユニットカバー51により区成され、左右両端は第1の補助脚体33により区成される。そして、下端は集塵ユニット4、及び集塵ユニット4間の空間を閉塞する水平な板状部材である蓋体52により区成される。
【0033】
集塵ユニットカバー51は、
図7に示すように、互いに隣接する第1の補助脚体33の上端部間を連結するカバー本体511と、カバー本体511の上面に添接し天板1との間の空間を埋める第1のスペーサである遮音クッション512と、カバー本体511の内面に添接し集塵ユニット4との間の空間を埋める第2のスペーサであるクッションシート513とを備えている。カバー本体511は、その両端部がブラケット514を介して第1の補助脚体33に固定されている。
【0034】
蓋体52は、
図7及び
図9に示すように、隣り合う2つの集塵ユニット4の上面間、及び集塵ユニット4と補助脚体33との間を接続し、空気導入路5の下面を構成する。この蓋体52は、ブラケット53により補助脚体33、34に固定されている。
【0035】
さらに本実施形態では、
図1、
図3、
図4、
図6及び
図7に示すように、天板1の開口部1xの開口端縁から起立させて前記開口部1xを囲う仕切板91を配置し、空気がこの仕切板91により区成され上方に解放された上部空気導入路9を経て前記空気導入路5に導かれるようにしている。
【0036】
この仕切板91は、全体がアクリル系樹脂により形成された透明なものであり、
図7に示すように、その外側面が天板の開口部1xの開口端縁に添接しているとともに、その下端は天板1の下面を越えて下方に達し、その下端部は仕切板取付ブラケット92と補助取付板93とにより挟持されている。仕切板取付ブラケット92は、水平な板状で天板1の下面に固定される取付部921と、この取付部921の一端縁から垂下し仕切板11の外面に添接する板状の垂下部922と、この垂下部922の垂下端から内方に延伸する水平な板状で仕切板91を下方から支持する支持部923とを備えている。この支持部923は、補助取付板93をも下方から支持し、補助取付板93の外面を仕切板91の内面に添接させ、図示しないねじにより仕切板91及び補助取付板93を共締め固定することにより仕切板91が天板1に取り付けられるようになっている。
【0037】
一方、補助取付板92の上方には、上部空気導入路9と空気導入路5とを区成する水平仕切板50が載置されている。この水平仕切板50は、
図7に示すように、上部空気導入路9と空気導入路5との間で空気を流通可能にすべくパンチング加工により図示しない複数の空気流通口を有する水平仕切板本体501と、この水平仕切板本体501の周縁から垂下し下端が補助取付板93に衝き当たる垂下部502とを備えている。
【0038】
加えて、本実施形態では、天板1の下方に集塵ユニット4を外部空間から隠蔽する幕板10が配されている。
図3及び
図6に示すように、この幕板10の下縁部には集塵ユニット4からの排気を流通させる下排気口10aが設けられているとともに、この幕板10の上縁部には集塵ユニット4からの排気を流通させる上排気口10bが設けられている。
【0039】
幕板10は、
図6に示すように、互いに隣接する補助脚体33、34の前端間または後端間を閉塞する幕板本体101と、この幕板本体101の背面の左右両端部に設けられ補助脚体33、34に設けられた幕板係止ピン104に係合する係合凹部103を有する取付ブラケット102とを備えており、取付ブラケット102の係合凹部103を幕板係止ピン104に係合させることにより幕板10が補助脚体33、34に取り付けられるようになっている。この幕板10の下縁と床面Fとの間には空間が形成されるようになっており、この空間を下排気口10aとしている。また、この幕板10の上縁と天板1との間にも空間が形成されるようになっており、この空間を上排気口10bとしている。
【0040】
以下、集塵ユニット4が運転している際のテーブルT周辺の空気の流れを述べる。
【0041】
テーブルTの天板1上方の空気、並びにその空気中に含まれる浮遊物は、上部空気導入路9及び空気導入路5を経て集塵ユニット4の吸気口4aから集塵ユニット4内に取り込まれる。集塵ユニット4内に取り込まれた空気中に含まれる浮遊物は、集塵ユニット4内のフィルタ等により空気から分離され、集塵ユニット4内に貯蔵されるか、あるいは電気分解等により除去される。一方、集塵ユニット4内に取り込まれた空気は、集塵ユニット4の排気口4bから下方に排出される。集塵ユニット4から排出された空気は、幕板10の下縁の下排気口10a及び幕板10の上縁の上排気口10bを経て幕板10の外側すなわち着座者が着座している側に導かれる。
【0042】
ここで、
図1は本実施形態のテーブルTを示す頂面側斜視図であり、
図2は同テーブルTを示す底面側斜視図である。
図3は同テーブルTを示す正面図であり、
図4は同テーブルTを示す平面図であり、
図5は同テーブルTを示す底面図である。
図6は
図3におけるX-X線に沿った断面図である。
図7は
図6におけるY部の拡大図であり、
図8は
図6におけるZ部の拡大図である。
図9は天板1及び幕板13を除去したテーブルTを示す頂面側斜視図であり、
図10は同底面側斜視図である。
【0043】
以上に述べたように、本実施形態の構成によれば、天板1上方の空気は、上方に解放された天板1の開口部1x及び空気導入路5を経て集塵ユニット4に導かれる。従って、仮に天板1上方の空気中にウイルスが付着したチリや唾液の粒子が含まれていても空気とともに集塵ユニット4に導かれ、チリや唾液の粒子が除去された空気が集塵ユニット4から排出される。また、空気導入路5は天板1の開口部1xのみを介して外部に接続しているので、チリや唾液の粒子が天板1の開口部1xから集塵ユニット4に導かれる途中で外部に漏出することもない。これらにより、このテーブルTが設置される会議室を安全な密なコミュニケーションの場とする要望に対応することができる。
【0044】
また、天板1の開口部1xの開口端縁から起立させて開口部1xを囲う仕切り板91を配置し、空気がこの仕切り板91により区成され上方に解放された上部空気導入路9を経て空気導入路5に導かれるようにしているので、天板1上方の空気、及び空気中の浮遊物をより多く集塵ユニット4に導くことができる。また、この仕切り板91は透明なものであるため、仕切り板91を挟んで両側に着座した者同士のコミュニケーションを円滑に行うことができる。
【0045】
天板1の下方に集塵ユニット4を収容する収容部Sを備えており、この収容部Sが、集塵ユニット4を床面Fから離間させた状態で支持する集塵ユニット支持フレーム8を有しているので、天板1上方から集塵ユニット4に取り込まれた空気を、浮遊物が取り除かれた状態で下方に円滑に排出されることができる。
【0046】
天板1の下方に、前後対をなし集塵ユニット4にそれぞれ面的に当接するとともに天板1の下面と集塵ユニット4との間の空間を閉塞する集塵ユニットカバー51を設けているとともに、集塵ユニット4間の空間を水平な板状部材である蓋体52により閉塞して空気導入路5の下面としているので、簡単な構成により天板1の下面と集塵ユニット4の上面との間の空間を利用して空気導入路5を構成できる。
【0047】
天板1の下方に集塵ユニット4を外部空間から隠蔽する幕板10が配されているので、集塵ユニット4の存在が外部に晒されずテーブルTの見栄えを整えることができる。
【0048】
幕板10の下縁部に集塵ユニット4からの排気を流通させる下排気口10aが設けられているとともに、幕板10の上縁部にも集塵ユニット4からの排気を流通させる上排気口10bが設けられているので、集塵ユニット4からの排気の効率を向上させ、ひいては集塵ユニット4による天板1上方の空気の吸入効率をも高めることができる。
【0049】
そして、天板1の下方かつ集塵ユニット4よりも上方に複数の空気流通口を有し、空気導入路5と上部空気導入路9とを区成する水平仕切板50を設けているので、上部空気導入路9内に物品が落下しても水平仕切板50上でその落下を抑止することができる。
【0050】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0051】
例えば、天板の形状は、上述した実施形態のような台形状に限らず、矩形状、円形状、長円形状等、適宜選択してよい。また、上述した実施形態のように複数の板状部材を組み合わせて天板本体を形成したものに限らず、全体が1枚の板状であり適宜の位置、例えば奥行方向中央部に開口部を穿設した構成の天板本体を採用してももちろんよい。
【0052】
上述した実施形態では、天板の下方かつ集塵ユニットよりも上方に複数の空気流通口を有する水平な仕切板を備えているが、このような構成において、集塵ユニットへの空気の吸入効率を高めるために水平な仕切板を以下に述べるようなものにするとなおよい。すなわち、水平仕切板の開口率を、集塵ユニットの直上及びその近傍よりもその他の部位の方が大きいものとするとよい。
【0053】
上述した実施形態において、上部空気導入路を形成する仕切り板の外面に、植栽等を載置するための小型の飾り棚や電源コンセントといったオプション部材を取付可能なオプション取付部を設けてもよい。
【0054】
一方、上部空気導入路を設けない態様も考えられる。そのような態様の一例として、天板の開口部の奥行方向中央となる位置にパネルを立設し、そのパネルにより分割された天板上方の空間の両側から集塵ユニットに向けて空気の吸入を可能としているものが挙げられる。
【0055】
電源コンセントの取付箇所は、上述した実施形態のような天板の使用端近傍の下面や前述したような仕切り板の外面に限らず、例えば、天板の開口部と使用端縁の中間部に設けるようにしてもよい。この場合、電源コンセントが、非使用時にはその上面が天板面と面一をなす使用姿勢とすることができるポップアップ式のものであれば、着座者が天板面をより広く使うことができるという点で望ましい。
【0056】
上述した実施形態では、幕板の下縁に下排気口を設け、幕板の上縁に上排気口を設けているが、上排気口の位置は幕板の上縁に限らない。すなわち、幕板の高さ方向中間の位置に開口部を設け、その開口部を上排気口としてもよい。さらに、場合によっては幕板自体を省略してもよい。
【0057】
一方、集塵ユニットが下方に排気するものであり、幕板に上排気口を設ける場合、集塵ユニットからの排気の一部を上排気口に導く排気案内要素を設けるとなおよい。このような排気案内要素を設ければ、集塵ユニットからの排気効率の向上を図ることができ、ひいては集塵ユニットの吸気効率の向上を図ることができるからである。
【0058】
加えて、上述した実施形態では、天板を支持する天板支持フレームとは別に、天板の下面と集塵ユニットとの間の空間を閉塞する集塵ユニットカバーを設けているが、天板支持フレームの一部が集塵ユニットカバーを兼ねる構成を採用してももちろんよい。
【0059】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変形してよい。
【符号の説明】
【0060】
T…天板付き家具(テーブル)
1…天板
1x…開口部
4…集塵ユニット
4a…吸入口
5…空気導入路