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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039130
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】組立式パーテーション
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/62 20060101AFI20220303BHJP
【FI】
A47C7/62 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020143994
(22)【出願日】2020-08-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】594165790
【氏名又は名称】株式会社カワグチマック工業
(74)【代理人】
【識別番号】100105692
【弁理士】
【氏名又は名称】明田 莞
(74)【代理人】
【識別番号】100161252
【弁理士】
【氏名又は名称】明田 佳久
(72)【発明者】
【氏名】川口 徹
【テーマコード(参考)】
3B084
【Fターム(参考)】
3B084JC00
(57)【要約】
【課題】軽量であり、また、つい立て部を回動させることによって通路を確保することができて、映画館や劇場やコンサート会場や列車や会議室の座席に簡単に設置及び撤去できて、また、リユースやリサイクルができる環境にもやさしい組立式パーテーションを提供する。
【解決手段】隣の座席に座る人との間を仕切るつい立て部と、該つい立て部を回動中心軸で回動自在に支える支柱部と、該支柱部の下端付近を座席に着脱自在に固定する固定手段と、を少なくとも備え、該つい立て部を回動させることによって、該隣の座席との間を確実に仕切ると共に通行する該座席の前の通路を確保できることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣の座席に座る人との間を仕切るつい立て部と、該つい立て部を回動中心軸で回動自在に支える支柱部と、該支柱部の下端付近を座席に着脱自在に固定する固定手段と、を少なくとも備え、該つい立て部を回動させることによって、該隣の座席との間を確実に仕切ると共に通行する該座席の前の通路を確保できることを特徴とする組立式パーテーション。
【請求項2】
前記つい立て部が、2mm以上の厚みがある厚紙製であることを特徴とする請求項1に記載の組立式パーテーション。
【請求項3】
隣の座席に座る人との間を仕切るつい立て部と、該つい立て部を回動中心軸で回動自在に支える支柱部と、該支柱部の下端付近を座席に着脱自在に固定する固定手段と、を少なくとも備え、該つい立て部を折り畳むことによって、コンパクトに収納でき、また、持ち運びできることを特徴とする組立式パーテーション。
【請求項4】
前記つい立て部が、蛇腹形状の厚紙製であることを特徴とする請求項3に記載の携帯式パーテーション。
【請求項5】
前記固定手段が、折曲げて前記座席のひじ掛け部に周接する挟装部と前記支柱部の下部とからなり、該挟装部に設けた挟装部切欠部と該支柱部の該下部に設けた支柱部切欠部とを互いに嵌合することによって、該ひじ掛け部に密着して固定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の組立式パーテーション。
【請求項6】
前記つい立て部に単数又は複数個の係止部を設け、該係止部を前記支柱部に引掛けて係止することによって、該つい立て部と該支柱部とのなす角度を調整して固定できることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の組立式パーテーション。
【請求項7】
前記支柱部が、リジッドペーパーボード、強化段ボール、ハニカムボードのいずれかでできていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の組立式パーテーション。
【請求項8】
前記挟装部が、リジッドペーパーボード、強化段ボール、ハニカムボードのいずれかでできていることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の携帯式パーテーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、つい立て部を回動させて座席前の通路を確保でき、また、コンパクトに収納することができ、また、持運びをすることができて、映画館の座席や列車の座席や会議室の座席に簡単に設置すると共に、飛沫の飛散防止に役立てることができる組立式パーテーションに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、新型コロナウィルスが世界中に蔓延してきている。その感染拡大を防ぐ方法として、口や鼻からの飛沫の飛散防止が有効であるとされている。そこで、従来、飛沫の飛散防止の有効手段として、口や鼻を覆うマスクの着用が行われてきたが、飲食時にはマスクを外さなければならないという問題があった。
【0003】
また、従来、対面式のカウンター等において、パネル等で遮蔽することが行われており、例えば、任意の位置に、容易に着脱できるパネルとして、対面用防護パネルの先行技術が開示されている(参考文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3152493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の先行技術には、対面式のカウンター等のように、比較的離れた位置であって、広い設置台を有する場所において対面用パネルを着脱自在にできるように図った点で優れているが、例えば、映画館、劇場、コンサート会場や、新幹線のような列車であれば、隣の座席と密接していて、また、カウンターやテーブルもないので対面用パネルを設置できないという問題があった。また、映画館で映画を観る際や、新幹線で長距離移動する場合には、座席において飲食をしたりするので、その際にはマスクも着用できないので、飛沫の飛散防止策を取リ難いという問題があった。
【0006】
本発明は、これらの問題を解決したものであって、軽量であり、また、つい立て部を回動させることによって通路を確保することができて、映画館や劇場やコンサート会場や列車や会議室の座席に簡単に設置及び撤去できて、また、リユースやリサイクルができる環境にもやさしい組立式パーテーションを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本願発明の請求項1に係る組立式パーテーションは、隣の座席に座る人との間を仕切るつい立て部と、該つい立て部を回動中心軸で回動自在に支える支柱部と、該支柱部の下端付近を座席に着脱自在に固定する固定手段と、を少なくとも備え、該つい立て部を回動させることによって、該隣の座席との間を確実に仕切ると共に通行する該座席の前の通路を確保できることを特徴とする。
【0008】
この構成を採用することにより、本発明に係る組立式パーテーションは、座席に固定して支柱部によって自立することができ、また、つい立てによって、隣の座席に座る者同士を隔離することができる。これによって、劇場やコンサート会場で観劇する際や、映画館等で軽食をしながら映画を観る際に、マスクを外した状態であっても、飛沫の飛散防止をすることができる。
【0009】
また、つい立て部が、回動するので、映画館や劇場やコンサート会場の座席に本願発明の組立式パーテーションを設置した後に、大きな通路より奥側(通路と反対側)の席に座る観客が通行しようとした際に、いちいち固定手段を外さなくとも、座席と前席との間の通行スペースに出っ張っていて通行の邪魔になっているつい立て部を、回動させて引っ込めることができる。これによって、座席と前席との間の通行スペースを確保することができて、大きな通路から枝分かれして入って行かなければならない奥の座席の観客が簡単に通行できる。
【0010】
本願発明の請求項2に係る組立式パーテーションは、請求項1に記載の組立式パーテーションにおいて、前記つい立て部が、2mm以上の厚みがある厚紙製であることを特徴とする。
【0011】
この構成によって、つい立て部は、2mm以上の厚紙を使用しているので、軽量であると共に薄くて丈夫である。よって、つい立て部に桟や枠を設けずとも、自立できるので、自立したつい立て部によって、確実に飛沫の飛散防止ができる。よって、隣に座った人の飛沫を浴びることを防止することができるので、感染拡大を防止できる。また、つい立て部のみに飛沫がかかった場合などは、この部分のみを消毒したり、交換したりできるので、経済的である。また、つい立て部は厚紙製なので、使用後につい立て部を古紙として再資源化したり、また、汚染がひどい場合には焼却処分することもできる。よって、産業廃棄物処分場を必要としない。
【0012】
本願発明の請求項3に係る組立式パーテーションは、隣の座席に座る人との間を仕切るつい立て部と、該つい立て部を回動中心軸で回動自在に支える支柱部と、該支柱部の下端付近を座席に着脱自在に固定する固定手段と、を少なくとも備え、該つい立て部を折り畳むことによって、コンパクトに収納でき、また、持ち運びできることを特徴とする。
【0013】
この構成を採用することにより、本発明に係る組立式パーテーションは、座席に固定して支柱部によって自立することができ、つい立てによって、隣の座席に座る者同士を隔離することができる。これによって、新幹線等の列車の座席や会議室の座席で飲食等をする際にマスクを外した状態であっても、飛沫の飛散防止をすることができる。
【0014】
また、本発明に係る組立式パーテーションは、固定手段を外して、また、つい立て部を蛇腹状に折り畳んで、支柱部に重ねるように回動中心軸を中心に回動させて、固定手段と一緒にしてコンパクトに纏めることができる。よって、本発明に係る組立式パーテーションは、かさ張らないので持ち運びができるし、また、小さな収納袋等に納めることができる。また、固定手段は着脱自在に座席に固定できるので、必要に応じて臨機応変に設置したり外したりできて、大変便利である。
【0015】
本願発明の請求項4に係る組立式パーテーションは、請求項3に記載の組立式パーテーションにおいて、前記つい立て部が、蛇腹形状の厚紙製であることを特徴とする。
【0016】
また、つい立て部は、蛇腹形状の厚紙を使用しているので、軽量であると共に薄くて丈夫である。よって、つい立て部に桟や枠を設けずとも、確実に自立できる。よって、折り畳んだ際に余計な部材がないので、コンパクトになると共に重量も軽く持ち運びしやすい。また、飛沫がつい立て部のみにかかった場合などは、この部分のみを消毒したり、交換したりできるので、経済的である。また、つい立て部は厚紙製なので、使用後につい立て部を古紙として再資源化したり、また、汚染がひどい場合には焼却処分することもできる。よって、産業廃棄物処分場を必要としない。
【0017】
また、本願発明の請求項5に係る組立式パーテーションは、請求項1から4のいずれかに記載の組立式パーテーションにおいて、前記固定手段が、折曲げて前記座席のひじ掛け部に周接する挟装部と前記支柱部の下部とからなり、該挟装部に設けた挟装部切欠部と該支柱部の該下部に設けた支柱部切欠部とを互いに嵌合することによって、該ひじ掛け部に密着して固定することを特徴とする。また、本願発明の請求項6に係る組立式パーテーションは、請求項1から5のいずれかに記載の組立式パーテーションにおいて、前記つい立て部に単数又は複数個の係止部を設け、該係止部を前記支柱部に引掛けて係止することによって、該つい立て部と該支柱部とのなす角度を調整して固定できることを特徴とする。また、本願発明の請求項7に係る組立式パーテーションは、請求項1から6のいずれかに記載の組立式パーテーションにおいて、前記支柱部が、リジッドペーパーボード、強化段ボール、ハニカムボードのいずれかでできていることを特徴とする。また、本願発明の請求項8に係る組立式パーテーションは、請求項5から7のいずれかに記載の組立式パーテーションにおいて、前記挟装部が、リジッドペーパーボード、強化段ボール、ハニカムボードのいずれかでできていることを特徴とする。
【0018】
これらの構成によって、本発明に係る組立式パーテーションは、映画館や劇場やコンサート会場や列車や会議室等にある座席のひじ掛け部を中心にして、挟装部と支柱部とに設けた切欠部同士を嵌合することで、上下左右から挟み込んでひじ掛け部に、簡単に固定することができる。また、嵌合を解除することによって、本発明に係る組立式パーテーションを座席のひじ掛け部から簡単に外して撤去すことができる。
【0019】
また、つい立て部の下辺付近に単数又は複数個の係止部が設けられているので、その係止部に支柱部の端部を引掛けることによって、つい立て部の支柱に対する角度を調整して固定できる。よって、映画館や劇場やコンサート会場や会議室の座席に使用した際に、つい立て部を所定の角度に、確実に固定できる。また、新幹線等の列車の座席をリクライニングした際にも、つい立て部の角度を飛沫が飛散しにくい角度に調整することができる。
【0020】
また、支柱部や挟装部は、リジッドペーパーボード(段ボールを縦方向に向けて並べて、輪切りをして、その上下にライナを糊付けしたもの)で厚みが10~20mm、又は強化段ボール(段ボールを水平に2~3層積んで糊付けしたもの)で、厚みは、2層であれば約10mm、3層であれば約15mm、又はハニカムボード(6面体を縦方向に向けて並べて輪切りにして、その上下にライナを糊付けしたもの)で、厚みは10~30mmを使用しているので、軽量であっても強度が高くとても丈夫である。よって、支柱部が折れ曲がることなく確実につい立て部を支えることができるし、重量も軽く持ち運びしやすい。
【0021】
また、耐久年数が経過したり、また、破損したりした後は、段ボール、リジッドペーパーボード、強化段ボール、ハニカムボード、厚紙を溶かして再資源に(リサイクル)することができる。また、焼却処分ができるので、産業廃棄物処理場を必要としない。よって、本願の組立式パーテーションは、環境にやさしい製品である。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る請求項1から8に記載の組立式パーテーションによれば、映画館の座席、劇場の座席、コンサート会場の座席、新幹線の座席、会議室の座席、オフィスの座席等に簡単に着脱できて、会話時等に発生する飛沫の飛散防止ができ、さらに、飲食をする際にマスクを外した状態であっても感染予防に役立つ。また、組立式パーテーションを座席に設置したままで、通行スペースを確保できる。また、座席のリクライニングに合わせて、つい立て部の角度も調整できるので、確実につい立て部によって隣同士を隔離することができる。また、組立式パーテーションは、コンパクトに折り畳むことができ、また、軽量で丈夫なので、持ち運んで使用することができる。また、簡易な構造なので、製作費用が安い。また、組立式パーテーションは、段ボール製なので、リユースやリサイクルが容易であって環境にもやさしい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施するための形態に係る組立式パーテーションの模式的斜視図である。
図2】本発明の実施するための形態に係る組立式パーテーションの図1を裏側から見た模式的斜視図である。
図3】本発明の実施するための別の形態に係る組立式パーテーションの模式的斜視図である。
図4】本発明の実施するための別の形態に係る組立式パーテーションの図3を裏側から見た模式的斜視図である。
図5】本発明の実施するための形態に係る組立式パーテーションの折畳んだ状態を示す模式的斜視図である。
図6】本発明の実施するための形態に係る組立式パーテーションであって、使用状態を示した模式的斜視図である。
図7】本発明の実施するための別の形態に係る組立式パーテーションであって、つい立部を真横にして使用した場合の模式的斜視図である。
図8】本発明の実施するための別の形態に係る組立式パーテーションであって、つい立部を斜め下方向に向けて使用した場合の模式的斜視図である。
図9】本発明の実施するための形態に係る組立式パーテーションであって、リジッドペーパーボードの模式的斜視図である。
図10】本発明の実施するための形態に係る組立式パーテーションであって、図6における水平方向に輪切りにした模式的斜視図である。
図11】本発明の実施するための形態に係る組立式パーテーションであって、ハニカムボードの模式的斜視図である。
図12】本発明の実施するための形態に係る組立式パーテーションであって、図8における水平方向に輪切りにした模式的斜視図である。
図13】本発明の実施するための形態に係る組立式パーテーションであって、強化段ボールの模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1図2図3図4に示すように、本発明に係る組立式パーテーション1は、つい立て部(厚紙)2-1又はつい立て部(蛇腹状厚紙)2-2と、支柱部3と、挟装部4と、から少なくとも構成されている。
【0025】
つい立て部(厚紙)2-1は、円形、楕円形、長方形、台形、三角形等の様々な形状をした厚紙製であって、軽量で撓んだりせず所定の形状を保ち続けることができる。また、厚紙は、1平方メートル当たり100g~300g、厚さ2mm以上の薄いボール紙であり、とりわけ1平方メートル当たり150gのボール紙が強度の観点から好適である。また、下辺に係止部2-3を単数又は複数個設けており、支柱部3に引掛けて、つい立て部(厚紙)2-1の支柱部3に対する角度を調整して固定できる。よって、映画館や劇場やコンサート会場の座席に本願発明の組立式パーテーション1を設置した後に、大きな通路より奥側(通路と反対側)の席に座る観客が通行しようとした際に、いちいち挟装部4を外さなくとも、座席と前席との間の通行スペースに出っ張っていて通行の邪魔になっているつい立て部(厚紙)2-1を、回動させて引っ込めることができるし、通常の場合は、つい立て部(厚紙)2-1を所定の位置で固定して、確実に飛沫の飛散防止を行うことができる。なお、つい立て部(厚紙)2-1は、薄い合成樹脂製でもよい。
【0026】
つい立て部(蛇腹状厚紙)2-2は、円形、楕円形、長方形、台形、三角形等の様々な形状をした厚紙製であって、軽量で、かつ、蛇腹状なので、コンパクトに折り畳むことができると共に、展開した際にも撓んだりせず所定の形状を保ち続けることができる。また、厚紙は、1平方メートル当たり100g~300gの薄いボール紙であり、とりわけ1平方メートル当たり150gのボール紙が強度や持ち運びの際の重量の観点から好適である。また、下辺に係止部2-1を単数又は複数個設けており、支柱部3に引掛けて、つい立て部(蛇腹状厚紙)2-2の支柱部3に対する角度を調整して固定できる。よって、列車等のリクライニングできる座席に使用する場合には、リクライニングに合わせてつい立て部の角度を調整できるので、確実に飛沫の飛散防止を行うことができる。なお、つい立て部(蛇腹状厚紙)2-2は、薄い合成樹脂製でもよい。
【0027】
支柱部3は、薄板の短冊状であって、リジッドペーパーボード又は強化段ボール又はハニカムボードでできており、上端部付近に回動中心軸3-1を備えて、それを中心にしてつい立て部2-1、2-2を回動自在に支持し、また、下端部付近には、支柱切欠部3-2が備えられている。図4図5に示すように、支柱切欠部3-2は、座席10のひじ掛け部10-1の周囲に挟装部4を回して、挟装部4の挟装部切欠部4-4を互いに嵌合させて固定する。
【0028】
図6図7図8図9図10に示すように、リジッドペーパーボードは、複数個の段ボール5-2、5-3を縦方向に向けて並べて接着した後に、それを水平方向に輪切りをし、その上下にライナ5-1を接着したものであって、厚みが10~20mmである。また、強化段ボールは、段ボールを水平に2~3層積んで接着したものであって5-1、5-2,5-5、厚みは、2層であれば約10mm、3層であれば約15mmである。また、ハニカムボードは、6角柱表面のような形状の6面体5-4を縦方向に向けて並べて輪切りにして、その上下にライナ2-1を接着したもので、厚みは10~30mmである。これらは、非常に軽量で丈夫である。なお、リジッドペーパーボードでは、少なくとも260kgまでは載荷しても破損しないし、また、強化段ボール(3層)では、少なくとも370kgまでは載荷しても破損しないので、支柱部3が折れることなく確実に自立することができる。
【0029】
回動中心軸3-1は、合成樹脂製又は金属製であって、つい立て部2-1、2-2を支柱部3に回動自在に支持している。
【0030】
挟装部4は、薄板の短冊状であって、リジッドペーパーボード又は強化段ボール又はハニカムボードでできており、両端部に挟装部切欠部4-4を備えている。また、挟装部4は、2か所の挟装部切込部4-5を設けており、その部分で折り曲げることができる。よって、座席10のひじ掛け部10-1の上面に挟装部城辺部4-1が、また、ひじ掛け部10-1の外側に挟装部縦部4-2が、また、ひじ掛けの下面に挟装部下辺部4-3がくるように挟装部切込部4-5で折り曲げて、挟んで巻装した後に、挟装部切欠部4-4と支柱部切欠部3-2とを互いに嵌合して、座席10のひじ掛け部10-1に密着させて固定する。なお、挟装部縦部4-2は、ひじ掛け10-1の内側でも外側でもどちらに設けても良いが、外側に設けた方が、座った人とつい立て部2-1,2-2との距離が短くなって飛沫の飛散防止効果が高くなり、また、隣接した座席の人に圧迫感を与えにくくなる。
【0031】
次に、本発明に係る組立式パーテーション1の製造方法の一例を説明する。所定の方法で製造されたリジッドペーパーボードを、所定の形状に裁断して支柱部3と挟装部4とを形成し、それぞれの所定の位置に支柱部切欠部3-2、挟装部切欠部4-4を切断して切込を設け、さらに、挟装部4-5を漉いて折り曲げ易くする。また、1平方メートル当たり150gのボール紙を所定の大きさに裁断してつい立て部2を形成し、所定の幅になるように蛇腹状に折り畳む。該つい立て部(蛇腹状厚紙)2-2の所定の位置に係止部2-3をカットして設ける。そして、合成樹脂製の回動中心軸3-1で、支柱部3の所定の位置に、つい立て部(蛇腹状厚紙)2-2を所定の位置で回動自在に支持するように留めて完成する。
【0032】
また、本発明に係る組立式パーテーションの使用方法の一例を、図6を用いて説明する。まず、映画館の座席10のひじ掛け10-1の所定の位置に、挟装部4を2か所の挟装部4-5で折り曲げて、ひじ掛け10-1の上面に挟装部上辺部4-1を、また、ひじ掛け10-1の外側に挟装部縦部4-2を、また、ひじ掛け10-1の下面に挟装部下辺部4-3を、沿わして仮置きし、つい立て部(厚紙)2-1と一体となった支柱部3の切欠部3-2をひじ掛けの内側に持って行って、支柱部切欠部3-2と挟装部切欠部4-4とを互いに嵌合させてひじ掛け10-1に密着させて固定する。そして、つい立て部(厚紙)2-1を、回動中心軸3-1を中心に所定の位置まで回動させて、係止部2-3を支柱部3の側面に引掛けて、つい立て部(厚紙)2-1を固定し、使用できる状態となる。これによって、隣の席とつい立て部(厚紙)2-1によって隔離することができ、飛沫の飛散を防止できる。また、映画館においては映画観賞中の表情を隣から見られないので、周りを気にせず涙を流したりもできる。なお、複数個の係止部2-3は、状況に応じて適切な角度になるものを使用する。
【0033】
他の人が、例えば、大きな通路より奥側(通路と反対側)の席に座る観客が通行しようとした際には、座席と前席との間の通行スペースに出っ張っていて通行の邪魔になっているつい立て部(厚紙)2-1を、回動させて引っ込めて通行スペースを確保できる。よって、いちいち挟装部4を外さなくともよいので、簡単かつ素早く行動が完了するので、通行しようとしている人に不快な感情を抱かせない。
【0034】
また、本発明に係る組立式パーテーションの別の使用方法の一例を、図7図8を用いて説明する。まず、座席10のひじ掛け10-1の所定の位置に、挟装部4を2か所の挟装部4-5で折り曲げて、ひじ掛け10-1の上面に挟装部上辺部4-1を、また、ひじ掛け10-1の外側に挟装部縦部4-2を、また、ひじ掛け10-1の下面に挟装部下辺部4-3を、沿わして仮置きし、つい立て部2と一体となった支柱部3の切欠部3-2をひじ掛けの内側に持って行って、支柱部切欠部3-2と挟装部切欠部4-4とを互いに嵌合させてひじ掛け10-1に密着させて固定する。そして、蛇腹状に折り畳まれているつい立て部(蛇腹状厚紙)2-2を展開しながら、回動中心軸3-1を中心に所定の位置まで回動させて、係止部2-3を支柱部3の側面に引掛けて、つい立て部2を固定し、使用できる状態となる。なお、複数個の係止部2-3は、状況に応じて適切な角度になるものを使用する。
【0035】
座席10から、本発明に係る組立式パーテーション1を撤去するには、まず、つい立て部(蛇腹状厚紙)2-2の係止部2-3を支柱部3から外し、蛇腹状に折り畳みながら、回動中心軸3-1を中心につい立て部2を回動させて支柱部3に重ねる。そして、つい立て部(蛇腹状厚紙)2-2が回動しないように、かつ、蛇腹状態が展開しないように結束のための輪ゴム等で拘束をする。そして、ひじ掛け部10-1に固定するために嵌合している支柱部切欠部3-2と挟装部切欠部4-4と外して、本発明に係る組立式パーテーション1を座席10から撤去する。そして、図3に示すように、挟装部4を伸ばして、支柱部3のつい立て部(蛇腹状厚紙)2-2のない位置に重ねて、結束用の輪ゴム等で外れないように拘束する。
【0036】
本発明に係る携帯用パーテーション1は、使用によって、つい立て部2-1、2-2や支柱部3等に飛沫が飛散して付着すれば、アルコール等で殺菌消毒して再利用できる。また、汚染がひどい場合や複数回の使用によって破損した場合には、紙製なのでリサイクルできるし、また、焼却処分もできて産廃にならずに、環境にやさしい。
【0037】
本発明に係る組立式パーテーション1を用いれば、映画館の座席、劇場の座席、コンサート会場の座席、新幹線の座席、会議室の座席、オフィスの座席等に簡単に着脱できて、飛沫の飛散防止ができ、飲食をする際にマスクを外した状態であっても感染予防に役立つ。また、通行スペースの邪魔にならい。また、座席のリクライニングに合わせて、つい立て部の角度も調整できるので、確実につい立て部によって隣同士を隔離することができる。また、組立式パーテーションは、コンパクトに折り畳むことができて収納に場所を取らないし、また、組立式パーテーション1全体でおよそ160gと軽量で丈夫なので、持ち運んで使用することができる。また、簡易な構造なので、制作費用が安い。また、組立式パーテーションは、段ボール製なので、リユースやリサイクルが容易であって、また、焼却処分もできて、環境にもやさしい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
映画館の座席や、劇場の座席や、コンサート会場の座席や、新幹線等の列車の座席や、会議室やオフィスの座席において、飛沫の飛散防止に役立つので感染拡大防止の分野に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1:組立式パーテーション
2-1:つい立部(厚紙) 2-2:つい立て部(蛇腹状厚紙)
2-3:係止部
3:支柱部
3-1:回動中心軸 3-2:支柱部切欠部
4:挟装部
4-1:挟装部上辺部 4-2:挟装部縦部
4-3:挟装部下辺部 4-4:挟装部切欠部
4-5:挟装部切込部
5-1:ライナ(表面) 5-2:ライナ(縦向き)
5-3:中芯(波状) 5-4:中芯(ハニカム状)
5-5:ライナ(中間)
10:座席 10-1:ひじ掛け部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2021-01-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣の座席に座る人との間を仕切るつい立て部と、該つい立て部を回動中心軸で回動自在に支える支柱部と、該支柱部の下端付近を座席に着脱自在に固定する固定手段と、を少なくとも備え、前記固定手段が、折曲げて前記座席のひじ掛け部に周接する挟装部と前記支柱部の下部とからなり、該挟装部に設けた挟装部切欠部と該支柱部の該下部に設けた支柱部切欠部とを互いに嵌合することによって、該ひじ掛け部に密着して固定し、また、該つい立て部を回動させることによって、該隣の座席との間を仕ったり該座席の前の通路を確保したりできることを特徴とする組立式パーテーション。
【請求項2】
前記つい立て部が、2mm以上の厚みがある厚紙製であることを特徴とする請求項1に記載の組立式パーテーション。
【請求項3】
隣の座席に座る人との間を仕切るつい立て部と、該つい立て部を回動中心軸で回動自在に支える支柱部と、該支柱部の下端付近を座席に着脱自在に固定する固定手段と、を少なくとも備え、前記固定手段が、折曲げて前記座席のひじ掛け部に周接する挟装部と前記支柱部の下部とからなり、該挟装部に設けた挟装部切欠部と該支柱部の該下部に設けた支柱部切欠部とを互いに嵌合することによって、該ひじ掛け部に密着して固定し、また、該つい立て部を蛇腹状に折り畳むことによって、コンパクトに収納でき、また、持ち運びできることを特徴とする組立式パーテーション。
【請求項4】
前記つい立て部に単数又は複数個の係止部を設け、該係止部を前記支柱部に引掛けて係止することによって、該つい立て部と該支柱部とのなす角度を調整して固定できることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の組立式パーテーション。
【請求項5】
前記支柱部が、リジッドペーパーボード、又は、強化段ボールでできていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の組立式パーテーション。
【請求項6】
前記挟装部が、リジッドペーパーボード、又は、強化段ボールでできていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の携帯式パーテーション。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記の目的を達成するために、本願発明の請求項1に係る組立式パーテーションは、隣の座席に座る人との間を仕切るつい立て部と、該つい立て部を回動中心軸で回動自在に支える支柱部と、該支柱部の下端付近を座席に着脱自在に固定する固定手段と、を少なくとも備え、前記固定手段が、折曲げて前記座席のひじ掛け部に周接する挟装部と前記支柱部の下部とからなり、該挟装部に設けた挟装部切欠部と該支柱部の該下部に設けた支柱部切欠部とを互いに嵌合することによって、該ひじ掛け部に密着して固定し、また、該つい立て部を回動させることによって、該隣の座席との間を仕ったり該座席の前の通路を確保したりできることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本願発明の請求項3に係る組立式パーテーションは、隣の座席に座る人との間を仕切るつい立て部と、該つい立て部を回動中心軸で回動自在に支える支柱部と、該支柱部の下端付近を座席に着脱自在に固定する固定手段と、を少なくとも備え、前記固定手段が、折曲げて前記座席のひじ掛け部に周接する挟装部と前記支柱部の下部とからなり、該挟装部に設けた挟装部切欠部と該支柱部の該下部に設けた支柱部切欠部とを互いに嵌合することによって、該ひじ掛け部に密着して固定し、また、該つい立て部を蛇腹状に折り畳むことによって、コンパクトに収納でき、また、持ち運びできることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本願発明の組立式パーテーションは、請求項3に記載の組立式パーテーションにおいて、前記つい立て部が、蛇腹形状の厚紙製である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
また、本願発明の請求項4に係る組立式パーテーションは、請求項1又は2又は3に記載の組立式パーテーションにおいて、前記つい立て部に単数又は複数個の係止部を設け、該係止部を前記支柱部に引掛けて係止することによって、該つい立て部と該支柱部とのなす角度を調整して固定できることを特徴とする。また、本願発明の請求項に係る組立式パーテーションは、請求項1からのいずれかに記載の組立式パーテーションにおいて、前記支柱部が、リジッドペーパーボード、又は、強化段ボールでできていることを特徴とする。また、本願発明の請求項に係る組立式パーテーションは、請求項からのいずれかに記載の組立式パーテーションにおいて、前記挟装部が、リジッドペーパーボード、又は、強化段ボールでできていることを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
本発明に係る請求項1からに記載の組立式パーテーションによれば、映画館の座席、劇場の座席、コンサート会場の座席、新幹線の座席、会議室の座席、オフィスの座席等に簡単に着脱できて、会話時等に発生する飛沫の飛散防止ができ、さらに、飲食をする際にマスクを外した状態であっても感染予防に役立つ。また、組立式パーテーションを座席に設置したままで、通行スペースを確保できる。また、座席のリクライニングに合わせて、つい立て部の角度も調整できるので、確実につい立て部によって隣同士を隔離することができる。また、組立式パーテーションは、コンパクトに折り畳むことができ、また、軽量で丈夫なので、持ち運んで使用することができる。また、簡易な構造なので、製作費用が安い。また、組立式パーテーションは、段ボール製なので、リユースやリサイクルが容易であって環境にもやさしい。