(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039167
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】切替弁
(51)【国際特許分類】
F16K 11/02 20060101AFI20220303BHJP
F16K 3/18 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
F16K11/02 Z
F16K3/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020144051
(22)【出願日】2020-08-28
(71)【出願人】
【識別番号】598162388
【氏名又は名称】雨越 幸治
(72)【発明者】
【氏名】雨越幸治
【テーマコード(参考)】
3H053
3H067
【Fターム(参考)】
3H053AA25
3H053BA22
3H053BB14
3H053DA06
3H067AA02
3H067AA15
3H067CC32
3H067DD05
3H067DD12
3H067DD32
3H067EA02
3H067FF11
3H067GG17
(57)【要約】
【課題】簡単な構造、軽量、取り扱いが容易かつ小スペースに設置でき、粒体においては摩耗が少なく、複数の送り先に粉粒体を送る切替弁を提供する。
【解決手段】切替弁1は、 弁体7の接続口に輸送管から送られてきた粉粒体は、弁座10の接続口を通過する。ローラー2の押圧を受けガスケット7aを介して弁体7と弁座10は密着して、漏れを防止している。切替時は、移動ガイドレール6を案内にしてローラーホルダー3と押圧調整ねじホルダー5が移動する。移動時、リニアベアリング8に取り付けられた弁体7は、ローラー2ともう一方のローラー2の間に落下して、ローラーホルダー3の上に乗り、弁体移動ガイド9を案内にして、もう1つの接続口の下まで移動し、弁体7の接続口の中心が弁座10のもう一つの接続口と中心が合致すると移動は停止するが、ローラーホルダー3と押圧調整ねじホルダー5はローラー2が弁体7と弁座10が密着するまで移動する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体の輸送管路に設置され、複数個の開口部を有する平板の弁座と、1個の開口部を有する移動可能な弁体と、弁体を取り付けるリニアベアリングと、リニアベアリングが直線運動するガイドと、弁座とシャフトを固定する平板と、弁体の回転を補助するスプリングと平板、弁体を移動する平板と一対のローラー、弁体を移動する平板のローラーの押圧を調整するボルト、ボルトを取り付ける平板、弁体を移動する平板と、押圧を調整するボルトを取り付ける板を直線的移動を案内するレールと、移動する駆動装置、駆動装置を取り付けるフレームで構成される切替弁
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
粉粒体の空気輸送において、流路を変更する切替弁に関する
【背景技術】
【0002】
粉粒体の空気輸送において流路を変更するには、ホース、フレキシブルチューブ等の脱着、Y字型のボールバルブ、Y字型のダンパー等が一般的に使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
粉粒体の空気輸送において、送り先、受入先を変更する機器としては、Y型のダンパー、Y型のボールバルブが使用されている。気密性が必要な管路にはY型のボールバルブを使用するが、流路を変更するためにロータリーアクチュエーターあるいは歯車とエアーシリンダーの組み合わせによって、円柱体を回転している。そのため、重量は重く、外形は大きく、設置スペースも大きく必要である。部品点数が多く、構造も複雑なため、メンテナンスには熟練の技術者が必要である。変更する角度が45度が多く、管路スペースの確保を考慮して設置場所を決める必要がある。また、急激に流路を変更するため、タブレット状の粒体は表面を損傷する。Y型のボールバルブは口径25A以下の製品は非常に少なく、存在しても納期は長く、価格も高い。本発明は、構造が簡単、短納期、低価格、流体への損傷を最小限にした切替弁を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
平板に加工した弁座10の開口部と、同じく平板に加工した弁体7の弁座10と同形状の開口部の中心線が一致した状態で、ローラー2が弁体7が弁座10に密着するよう押圧を加える。開口部は、弁体7の開口部の廻りに加工された溝に挿入されたガスケット7aでシールされている。弁体7の押力は、押圧調整ネジ4で調整する。送り先あるいは受け入れ先を変更する場合は、ローラーホルダー3と押圧調整ホルダー5がローラー移動ガイドレール6を案内にして、変更する開口部に向かって移動する。押圧しているローラー2が弁体7から外れた瞬間に、リニアベアリング8にボルトで締結された弁体7は、自重とスプリング13の押圧を受ける回転補助板12の力を受け、弁体移動ガイド9を中心にローラーホルダー3に回転落下する。回転落下した弁体7は移動中、回転補助板12の押圧を受けローラー2の間に挟まれれた状態のまま、弁体7の開口部が弁座10の開口部と一致するまで、変更する開口部に移動する。移動した弁体7の開口部の中心と現座10の同形状の開口部の中心が一致した位置で停止するが、ローラーホルダー3と押圧調整ホルダー5は、ローラー2が弁体7と弁座10が密着する一番有効な位置まで移動を続け停止する。ローラーホルダー3と押圧調整ホルダー5の移動には、エアーシリンダー17を使用している。
【発明の効果】
【0006】
コンパクト、軽量、構造は簡単、設置スペースは小さく、衝突による摩耗がなく、ほぼすべての部品と加工品の原材料は、一般市場で入手でき、構造が簡単なので、安価、短納期で製作できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の構成部品からなる切替弁の全体の正面図
【
図2】本発明の構成部品からなる切替弁の流路接続時の側面の断面図
【
図3】本発明の構成部品からなる切替弁の流路から流路へ移動時の側面の詳細な断面図
【
図4】本発明の構成部品からなる切替弁の流路接続時の正面の詳細な断面図
【
図5】本発明の構成部品からなる切替弁の流路解除直後の詳細な正面の断面図
【
図6】本発明の構成部品からなる切替弁の移動時の正面の詳細な断面図
【
図7】本発明の構成部品からなる切替弁の流路接続直前の正面の詳細な断面図
【
図8】本発明の構成部品からなる切替弁のもう一方の流路接続直後の正面の詳細な断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の切替弁の流れ方向は、弁体から弁座、弁座から弁体とどちらでもよいが、弁体を移動するので、弁体に接続する管類は可とう管、ホースなどの、フレキシビリティな部品にして、余裕があることが望ましい。配管等を接続するためには、弁体、弁座に管類を直接溶接、開口部内面にガスネジ加工等が必要である。
【実施例0009】
図2と
図4が、弁座10の開口部と弁体7の開口部中心線が一致して、粉粒体が流れる状態である。弁体7は弁座10に、予め押圧調整ネジ4で調整されたローラー2により、密着している。弁体7と弁座10は、ガスケット7aにより密閉シールされている。
図3と
図5が、弁体7が移動する直前の状態である。ローラー2が弁体7から外れると、リニアベアリング8に取り付けられた弁体7は、弁体移動ガイド9を中心にしてわずかに回転し、ローラーホルダー3の上に乗る。スプリング13が、回転補助板12を介して弁体7の回転を補助している。
図6は、弁体7が弁座10の開口部から他の開口部に移動する途中の状態である。ローラーホルダー3の2つのローラー2に挟まれ、リニアベアリング8に取り付けられた弁体7は、弁体移動ガイド9を案内にして他の弁座10の開口部と、弁体7の開口部の中心線が一致するまで移動して停止する。停止した状態が
図7となる。弁体7は停止するが、ローラーホルダー3と押圧調整ネジホルダー5は移動を続け、調整されたローラー2が弁体7を弁座10に密着する最適の位置まで移動停止する。移動停止した状態が
図8である。
図8の状態で粉粒体を流すことが可能になる。移動する駆動源は、エアーシリンダー17としているが、他の往復運動する装置でもよい。また停電、駆動源のトラブルに対応するため、ローラーホルダー3に取っ手を取付けて手動で移動することもできる。
本発明の切替弁は、粉粒体の空気輸送経路に設置して、送り先、あるいは受け入れ先を変更する弁として使用できる。特に、内径約30ミリ以下のパイプあるいはホースを使用しての輸送には有用。内径約30ミリ超える流路であっても、コストパフォマンス、設置スペースあるいは流路に制限等の条件によっては有用である。