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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039409
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】電力供給装置及び電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20220303BHJP
   B60L 53/53 20190101ALI20220303BHJP
   B60L 53/67 20190101ALI20220303BHJP
   B60L 53/30 20190101ALI20220303BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J7/00 303C
B60L53/53
B60L53/67
B60L53/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020144413
(22)【出願日】2020-08-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】脇阪 伸也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大介
(72)【発明者】
【氏名】山口 敦
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA04
5G503BA02
5G503BB01
5G503BB03
5G503DA07
5G503FA06
5G503GB03
5G503GD03
5G503GD06
5H125AA13
5H125AC12
5H125BE02
5H125FF14
(57)【要約】
【課題】大型化を抑制すること。
【解決手段】電力供給システム10は、第1電力供給装置20と、第2電力供給装置50と、を備える。第1電力供給装置20は、第1電力線L1aと、第2電力線L2と、第3電力線L3と、AC/DC変換回路21aと、双方向DC/DC変換回路30と、蓄電装置41と、バイパス線LBと、第1切替部SW1と、第2切替部SW2と、を備える。双方向DC/DC変換回路30は、第1入出力端31と、第2入出力端32と、を備える。第1切替部SW1は、第1入出力端31と蓄電装置41との電気的な接続と非接続とを切り替えるとともに、第1入出力端31とバイパス線LBとの電気的な接続と非接続とを切り替える。第2切替部SW2は、蓄電装置41と第2入出力端32との接続と非接続を切り替える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
系統電源に電気的に接続される第1電力線と、
前記第1電力線に設けられ、第1端と第2端とを有し、前記系統電源から前記第1端に出力された交流電力を直流電力に変換して前記第2端に出力するAC/DC変換回路と、
第1入出力端と第2入出力端とを有し、前記第2端から前記第1入出力端に出力された直流電力を電力変換して前記第2入出力端に出力するとともに前記第2入出力端に入力された直流電力を電力変換して前記第1入出力端に出力する双方向DC/DC変換回路と、
蓄電装置と、
前記第1入出力端と前記蓄電装置とを電気的に接続する第2電力線と、
前記第2入出力端と前記蓄電装置とを電気的に接続する第3電力線と、
前記系統電源から出力される交流電力を直流電力に変換して出力する他の電力供給装置に電気的に接続されるバイパス線と、
前記第2電力線及び前記バイパス線に設けられ、前記第1入出力端と前記蓄電装置との電気的な接続と非接続とを切り替えるとともに、前記第1入出力端と前記バイパス線との電気的な接続と非接続とを切り替える第1切替部と、
前記第3電力線に設けられ、前記蓄電装置と前記第2入出力端との電気的な接続と非接続を切り替える第2切替部と、を有する電力供給装置。
【請求項2】
系統電源に電気的に接続される第1電力線と、
前記第1電力線に設けられ、第1端と第2端とを有し、前記系統電源から前記第1端に出力された交流電力を直流電力に変換して前記第2端に出力するAC/DC変換回路と、
第1入出力端と第2入出力端とを有し、前記第2端から前記第1入出力端に出力された直流電力を電力変換して前記第2入出力端に出力するとともに前記第2入出力端に入力された直流電力を電力変換して前記第1入出力端に出力する双方向DC/DC変換回路と、
蓄電装置と、
前記第1入出力端と前記蓄電装置とを電気的に接続する第2電力線と、
前記第2入出力端と前記蓄電装置とを電気的に接続する第3電力線と、を有する第1電力供給装置と、
前記系統電源から出力される交流電力を直流電力に変換して出力する第2電力供給装置と、を有する電力供給システムであって、
前記第1電力供給装置は、前記第2電力供給装置に電気的に接続されるバイパス線と、
前記第2電力線及び前記バイパス線に設けられ、前記第1入出力端と前記蓄電装置との電気的な接続と、非接続とを切り替えるとともに、前記第1入出力端と前記バイパス線との電気的な接続と、非接続とを切り替える第1切替部と、
前記第3電力線に設けられ、前記蓄電装置と前記第2入出力端との電気的な接続と、非接続とを切り替える第2切替部と、を有する電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力供給装置及び電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリ等の負荷に電力を供給する電力供給装置としては、例えば、特許文献1に開示されている。電力供給装置は、蓄電装置と、系統電源から供給される電力を変換して蓄電装置に供給する電力変換回路と、蓄電装置と系統電源から供給される電力を変換して負荷に供給する電力変換回路と、を備える。特許文献1に開示の電力供給装置は、系統電源の電力と蓄電装置の電力との両方を合わせて負荷に供給することが可能である。系統電源及び蓄電装置の両方の電力を負荷に供給可能にすることで、供給可能な電力を大きくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-39864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の電力供給装置のように、系統電源及び蓄電装置の両方の電力を負荷に供給可能にする場合、蓄電装置を充電するための電力変換回路を設ける必要がある。また、蓄電装置の電力を他の電力供給装置に供給したい場合がある。この場合には、蓄電装置の電力を他の電力供給装置に供給するための電力変換回路も必要となり、電力供給装置が大型化するおそれがある。
【0005】
本開示の目的は、大型化を抑制できる電力供給装置及び電力供給システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する電力供給装置は、系統電源に電気的に接続される第1電力線と、前記第1電力線に設けられ、第1端と第2端とを有し、前記系統電源から前記第1端に出力された交流電力を直流電力に変換して前記第2端に出力するAC/DC変換回路と、第1入出力端と第2入出力端とを有し、前記第2端から前記第1入出力端に出力された直流電力を電力変換して前記第2入出力端に出力するとともに前記第2入出力端に入力された直流電力を電力変換して前記第1入出力端に出力する双方向DC/DC変換回路と、蓄電装置と、前記第1入出力端と前記蓄電装置とを電気的に接続する第2電力線と、前記第2入出力端と前記蓄電装置とを電気的に接続する第3電力線と、前記系統電源から出力される交流電力を直流電力に変換して出力する他の電力供給装置に電気的に接続されるバイパス線と、前記第2電力線及び前記バイパス線に設けられ、前記第1入出力端と前記蓄電装置との電気的な接続と非接続とを切り替えるとともに、前記第1入出力端と前記バイパス線との電気的な接続と非接続とを切り替える第1切替部と、前記第3電力線に設けられ、前記蓄電装置と前記第2入出力端との電気的な接続と非接続を切り替える第2切替部と、を有する。
【0007】
第1切替部によって双方向DC/DC変換回路の第1入出力端と蓄電装置との電気的な接続と非接続とを切り替えることができる。第1切替部によって双方向DC/DC変換回路の第1入出力端とバイパス線との電気的な接続と非接続とを切り替えることができる。第2切替部によって双方向DC/DC変換回路の第2入出力端と蓄電装置の電気的な接続と非接続を切り替えることができる。これにより、双方向DC/DC変換回路から出力される電力を蓄電装置に供給して蓄電装置を充電できる。また、双方向DC/DC変換回路から出力される電力を他の電力供給装置に供給できる。蓄電装置を充電するための電力変換回路や他の電力供給装置に電力を供給するための電力変換回路を個別に設ける場合に比べて、電力供給装置の大型化を抑制することができる。
【0008】
上記課題を解決する電力供給システムは、系統電源に電気的に接続される第1電力線と、前記第1電力線に設けられ、第1端と第2端とを有し、前記系統電源から前記第1端に出力された交流電力を直流電力に変換して前記第2端に出力するAC/DC変換回路と、第1入出力端と第2入出力端とを有し、前記第2端から前記第1入出力端に出力された直流電力を電力変換して前記第2入出力端に出力するとともに前記第2入出力端に入力された直流電力を電力変換して前記第1入出力端に出力する双方向DC/DC変換回路と、蓄電装置と、前記第1入出力端と前記蓄電装置とを電気的に接続する第2電力線と、前記第2入出力端と前記蓄電装置とを電気的に接続する第3電力線と、を有する第1電力供給装置と、前記系統電源から出力される交流電力を直流電力に変換して出力する第2電力供給装置と、を有する電力供給システムであって、前記第1電力供給装置は、前記第2電力供給装置に電気的に接続されるバイパス線と、前記第2電力線及び前記バイパス線に設けられ、前記第1入出力端と前記蓄電装置との電気的な接続と、非接続とを切り替えるとともに、前記第1入出力端と前記バイパス線との電気的な接続と、非接続とを切り替える第1切替部と、前記第3電力線に設けられ、前記蓄電装置と前記第2入出力端との電気的な接続と、非接続とを切り替える第2切替部と、を有する。
【0009】
第1切替部によって双方向DC/DC変換回路の第1入出力端と蓄電装置との電気的な接続と非接続とを切り替えることができる。第1切替部によって双方向DC/DC変換回路の第1入出力端とバイパス線との電気的な接続と非接続とを切り替えることができる。第2切替部によって双方向DC/DC変換回路の第2入出力端と蓄電装置の電気的な接続と非接続を切り替えることができる。これにより、双方向DC/DC変換回路から出力される電力を蓄電装置に供給して蓄電装置を充電できる。また、双方向DC/DC変換回路から出力される電力を第2電力供給装置に供給できる。蓄電装置を充電するための電力変換回路や第2電力供給装置に電力を供給するための電力変換回路を個別に設ける場合に比べて、電力供給装置の大型化を抑制することができる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、大型化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】電力システムを示す概略構成図。
図2】電力供給装置の変形例を示す概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、電力供給装置及び電力供給システムの一実施形態について説明する。
図1に示すように、電力システムPSは、車両90と、電力供給システム10と、を備える。
【0013】
車両90は、車両用蓄電装置91と、車両ECU92と、を備える。車両90は、フォークリフトやトーイングトラクタ等の産業車両であってもよいし、乗用車であってもよい。
【0014】
車両用蓄電装置91は、例えば二次電池や電気二重層キャパシタなどである。
車両ECU92は、車両用蓄電装置91の充電に関する制御等を行うものである。車両ECU92は、電力供給システム10と通信を行うことにより、電力供給システム10に対して車両用蓄電装置91に関する情報を送信する。車両用蓄電装置91に関する情報とは、車両用蓄電装置91の状態を把握できる情報であればよく、例えば、車両用蓄電装置91が必要とする電力量を示す情報、車両用蓄電装置91の充電状態(例えば、SOC(State of Charge))を示す情報、車両用蓄電装置91の充電可能時間を示す情報、あるいは、これらの組み合わせを挙げることができる。
【0015】
電力供給システム10は、第1電力供給装置20と、第2電力供給装置50と、を備える。本実施形態の第1電力供給装置20と、第2電力供給装置50とは、一部共通の構成を備える。以降の説明において、第1電力供給装置20と第2電力供給装置50とが同様に備える構成のうち、第1電力供給装置20が備える構成については、符号の末尾に「a」を付し、第2電力供給装置50が備える構成については、符号の末尾に「b」を付して説明する。
【0016】
なお、本発明における「電気的に接続」とは、別部材を介して間接的に接続されるものも別部材を介さず直接接続されるものも含むものとする。
第1電力供給装置20は、第1電力線L1aと、第2電力線L2と、第3電力線L3と、AC/DC変換回路21aと、双方向DC/DC変換回路30と、蓄電装置41と、バイパス線LBと、接続線CBaと、第1切替部SW1と、第2切替部SW2と、コンデンサ24aと、制御装置42aと、給電コネクタ33aと、を備える。
【0017】
第2電力供給装置50は、第1電力線L1bと、AC/DC変換回路21bと、DC/DC変換回路51と、制御装置42bと、給電コネクタ33bと、を備える。なお、本実施形態の第2電力供給装置50は、蓄電装置41を備えていない。
【0018】
第1電力線L1a(L1b)は、系統電源SPに電気的に接続されている。第1電力線L1a(L1b)は、第11配線L11a(L11b)と第12配線L12a(L12b)とを備えている。
【0019】
AC/DC変換回路21a(21b)は、第11配線L11a(L11b)を介して系統電源SPと電気的に接続される第1端22a(22b)と、第12配線L12a(L12b)と接続される第2端23a(23b)と、を備える。AC/DC変換回路21a(21b)の第1端22a(22b)には、系統電源SPから出力された交流電力が入力される。AC/DC変換回路21a(21b)は、系統電源SPから第1端22a(22b)に出力された交流電力を直流電力に変換して第2端23a(23b)から出力する。AC/DC変換回路21a(21b)は、系統電源SPから出力される交流電力を所望の電圧の直流電力に変換できればどのような構成のものであってもよい。例えば、AC/DC変換回路21a(21b)は、第2端23a(23b)に入力された直流電力を交流電力に変換して第1端22a(22b)に出力できるものであってもよい。
【0020】
コンデンサ24a(24b)は、第12配線L12a(L12b)に設けられている。コンデンサ24a(24b)は、AC/DC変換回路21a(21b)から出力される電力を平滑化するための平滑コンデンサである。なお、本実施形態の第1電力供給装置20及び第2電力供給装置50は、コンデンサ24a(24b)を有しているが、コンデンサ24a(24b)を有していなくてもよい。
【0021】
双方向DC/DC変換回路30は、第1電力線L1aに設けられている。双方向DC/DC変換回路30は、第12配線L12aに接続される第1入出力端31と、接続線CBaと接続される第2入出力端32と、を備える。双方向DC/DC変換回路30は、第2端23aから第12配線L12a及びコンデンサ24aを介して第1入出力端31に出力された直流電力を所望の電圧の直流電力に変換して第2入出力端32に出力するとともに、第2入出力端32に入力された直流電力を電力変換して第1入出力端31に出力する。第1入出力端31は、AC/DC変換回路21aの第2端23aに電気的に接続されている。
【0022】
接続線CBaの端部のうち、双方向DC/DC変換回路30の第2入出力端32に接続されている端部とは異なる他の端部には、給電コネクタ33aが設けられている。
蓄電装置41は、例えば二次電池や電気二重層キャパシタなどである。
【0023】
第2電力線L2は、蓄電装置41と双方向DC/DC変換回路30の第1入出力端31とを電気的に接続している。
第2電力線L2は、一端L211が双方向DC/DC変換回路30の第1入出力端31に電気的に接続されている第21配線L21と、一端L221が蓄電装置41に接続されている第22配線L22と、を備える。
【0024】
この一例では、第21配線L21の一端L211は、第12配線L12aにおけるコンデンサ24aと双方向DC/DC変換回路30の第1入出力端31との間に接続されており、第21配線L21は、第12配線L12aを介して双方向DC/DC変換回路30の第1入出力端31と電気的に接続されている。
【0025】
第22配線L22の一端L221は、蓄電装置41と接続されている。第21配線L21の他端L212及び第22配線L22の他端L222には、第1切替部SW1の一部が設けられており、第21配線L21と第22配線L22とは、第1切替部SW1を介して電気的に接続されている。
【0026】
第3電力線L3は、蓄電装置41と双方向DC/DC変換回路30の第2入出力端32とを電気的に接続している。
バイパス線LBは、第1電力供給装置20と、第2電力供給装置50とを電気的に接続している。バイパス線LBは、第2電力供給装置50に電気的に接続されている。この一例では、バイパス線LBの一端LB1は、第2電力供給装置50の第12配線L12bにおけるコンデンサ24bとDC/DC変換回路51の入力端52との間に接続されており、バイパス線LBは、第12配線L12bを介してDC/DC変換回路51の入力端52と電気的に接続されている。
【0027】
第1切替部SW1は、第2電力線L2及びバイパス線LBに設けられている。本実施形態の第1切替部SW1は、双投式スイッチである。第1切替部SW1は、1つの可動接点C1と、2つの固定接点C2,C3と、を備える。可動接点C1は、第21配線L21の他端L212に設けられている。2つの固定接点C2,C3の1つを第1固定接点C2とし、もう1つを第2固定接点C3とする。第1固定接点C2は、第22配線L22の他端L222に設けられている。第2固定接点C3は、バイパス線LBの他端LB2に設けられている。可動接点C1は、第1固定接点C2又は第2固定接点C3に接続可能である。可動接点C1と第1固定接点C2とが接続されている状態では、第1切替部SW1を介して第21配線L21と第22配線L22とが電気的に接続されることによって双方向DC/DC変換回路30の第1入出力端31と蓄電装置41とが電気的に接続される。可動接点C1と第2固定接点C3とが接続されている状態では、第1切替部SW1を介して第21配線L21とバイパス線LBとが電気的に接続されることによって双方向DC/DC変換回路30の第1入出力端31とバイパス線LBとが電気的に接続される。即ち、第1切替部SW1は、第1入出力端31と蓄電装置41との電気的な接続と非接続を切り替えるとともに、第1入出力端31とバイパス線LBとの電気的な接続と非接続を切り替えるものといえる。
【0028】
第2切替部SW2は、第3電力線L3に設けられている。第2切替部SW2は、単投式スイッチである。第2切替部SW2がオンになることで、双方向DC/DC変換回路30の第2入出力端32と蓄電装置41とが電気的に接続される。第2切替部SW2がオフになることで、双方向DC/DC変換回路30の第2入出力端32と蓄電装置41との電気的な接続が遮断される。第2切替部SW2は、蓄電装置41と第2入出力端32との電気的な接続と非接続を切り替えるものといえる。
【0029】
制御装置42a(42b)は、プロセッサと、記憶部と、を備える。プロセッサとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)が用いられる。記憶部は、RAM(Random access memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。記憶部は、処理をプロセッサに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。記憶部、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。制御装置42a(42b)は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である制御装置42a(42b)は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。
【0030】
制御装置42aは、第1電力供給装置20の制御を行う。制御装置42aは、第1切替部SW1を制御することで可動接点C1の接続先を第1固定接点C2又は第2固定接点C3に切替可能である。制御装置42aは、第2切替部SW2のオンとオフとを切り替え可能である。制御装置42bは、第2電力供給装置50の制御を行う。
【0031】
給電コネクタ33a(33b)は、車両90に対して着脱可能である。給電コネクタ33a(33b)は、車両用蓄電装置91に第1電力供給装置20(第2電力供給装置50)からの電力を供給する際に車両90に装着される。給電コネクタ33aが車両90に装着されることで、双方向DC/DC変換回路30の第2入出力端32から出力される直流電力を車両用蓄電装置91に供給可能となる。給電コネクタ33a(33b)が車両90に装着されることで、車両ECU92と制御装置42a(42b)との通信が確立され、互いの情報を送受信可能になる。制御装置42a(42b)は、車両ECU92から取得した車両用蓄電装置91に関する情報に基づいて車両用蓄電装置91が必要とする電力量を把握するとともに、車両用蓄電装置91が必要とする電力量に基づいて供給電力を決定し、第1電力供給装置20(第2電力供給装置50)の制御を行うことで、車両用蓄電装置91に供給電力を供給する。
【0032】
第2電力供給装置50は、系統電源SPから出力される交流電力を直流電力に変換して出力する。第2電力供給装置50は、車両用蓄電装置91に電力を供給することで、車両用蓄電装置91の充電を行う。電力供給システム10は、複数の電力供給装置20,50を備え、車両90は複数の電力供給装置20,50から任意の電力供給装置を選択して車両用蓄電装置91を充電可能といえる。なお、第2電力供給装置50は、系統電源SPから出力される交流電力を直流電力に変換して出力するものであればよく、例えば、DC/DC変換回路51やコンデンサ24bを有さない構成であっても、AC/DC変換回路21bが第1電力供給装置20のAC/DC変換回路21aの構成とは異なる構成であってもよい。
【0033】
DC/DC変換回路51は、第12配線L12bに接続される入力端52と、接続線CBbと接続される出力端53と、を備える。DC/DC変換回路51は、入力端52に入力された直流電力を所望の電圧の直流電力に変換して出力端53から出力する。接続線CBbの端部のうち、DC/DC変換回路51の出力端53に接続されている端部とは異なる他の端部には、給電コネクタ33bが設けられている。給電コネクタ33bが車両90に装着されることで、DC/DC変換回路51の出力端53から出力される直流電力を車両用蓄電装置91に供給可能となる。DC/DC変換回路51の出力端53から出力される電力は、給電コネクタ33bを介して車両用蓄電装置91に供給される。
【0034】
以上のように、第2電力供給装置50は、第1切替部SW1及びバイパス線LBを有しておらず、請求項の他の電力供給装置に相当する。
即ち、請求項の他の電力供給装置とは、系統電源SPから出力される交流電力を直流電力に変換して出力するものであって、少なくとも第1切替部SW1及びバイパス線LBを有していないものである。
【0035】
以上のように構成された電力供給システム10の作用とともに第1電力供給装置20の制御装置42aが行う制御について説明する。
制御装置42aは、車両用蓄電装置91が必要とする電力量に基づいて供給電力を決定し、決定した供給電力がAC/DC変換回路21aの出力可能な最大出力電力よりも大きい場合には、AC/DC変換回路21aと蓄電装置41とを用いて、車両用蓄電装置91に電力が供給されるように第1電力供給装置20を制御する。詳述すると、制御装置42aは、系統電源SPから出力される電力と蓄電装置41から出力される電力が車両用蓄電装置91に供給されるように、第1切替部SW1の可動接点C1を第1固定接点C2に接続するとともに第2切替部SW2をオフにした後、AC/DC変換回路21a及び双方向DC/DC変換回路30を制御する。以上のように第1電力供給装置20を制御することで、系統電源SPからAC/DC変換回路21aを介して供給される電力に加えて蓄電装置41から供給される電力を用いて車両用蓄電装置91の充電を行えるため、系統電源SPのみを用いて充電を行う場合に比べて充電速度を速くすることができる。
【0036】
また、制御装置42aは、蓄電装置41を充電する際には、系統電源SPから出力される電力が蓄電装置41に供給されるように第1電力供給装置20を制御する。詳述すると、制御装置42aは、系統電源SPから出力される電力が蓄電装置41に供給されるように、第1切替部SW1の可動接点C1を固定接点C2,C3に接触させない非接触状態とし、第2切替部SW2をオンにした後、AC/DC変換回路21a及び双方向DC/DC変換回路30を制御する。なお、蓄電装置41の充電は、給電コネクタ33aが車両90に装着されていない状態や、車両用蓄電装置91の充電が終了した場合など、車両用蓄電装置91の充電を行う必要がない期間に行われる。
【0037】
さらに、蓄電装置41から第2電力供給装置50へ電力を供給する場合、制御装置42aは、第1切替部SW1の可動接点C1を第2固定接点C3に接続するとともに第2切替部SW2をオンにした後、双方向DC/DC変換回路30を制御する。以上のように第1電力供給装置20を制御することで、双方向DC/DC変換回路30は、第2入出力端32に入力された蓄電装置41から出力された直流電力を電力変換して第1入出力端31に出力する。第1入出力端31に出力された直流電力は、バイパス線LBを介して第2電力供給装置50のDC/DC変換回路51の入力端52に供給される。以上のように第1電力供給装置20及び第2電力供給装置50を制御することで、第1電力供給装置20の双方向DC/DC変換回路30を使用して、蓄電装置41から出力される電力を第2電力供給装置50に供給することができる。
【0038】
本実施形態の効果について説明する。
(1)第1切替部SW1によって双方向DC/DC変換回路30の第1入出力端31と蓄電装置41との電気的な接続と非接続とを切替可能である。第1切替部SW1によって双方向DC/DC変換回路30の第1入出力端31とバイパス線LBとの電気的な接続と非接続とを切替可能である。第1切替部SW1によって、双方向DC/DC変換回路30の第1入出力端31の接続先を蓄電装置41又はバイパス線LBに変更できるといえる。第2切替部SW2によって双方向DC/DC変換回路30の第2入出力端32と蓄電装置41との電気的な接続と非接続とを切替可能である。これにより、双方向DC/DC変換回路30の出力が車両用蓄電装置91、蓄電装置41、及び第2電力供給装置50のいずれかに供給されるかを切り替えることができる。双方向DC/DC変換回路30を用いて、車両用蓄電装置91、蓄電装置41及び第2電力供給装置50に電力を供給できる。従って、車両用蓄電装置91に電力を供給するための電力変換回路、蓄電装置41に電力を供給するための電力変換回路、及び第2電力供給装置50に電力を供給するための電力変換回路を個別に設ける場合に比べて第1電力供給装置20の小型化を図ることができる。
【0039】
(2)双方向DC/DC変換回路30の出力を第2電力供給装置50に供給可能にしている。第2電力供給装置50は、蓄電装置41を備えていないため、第1電力供給装置20から電力が供給されない場合には、AC/DC変換回路21bの出力可能な最大出力電力よりも大きな電力を車両用蓄電装置91に供給することができない。双方向DC/DC変換回路30の出力を第2電力供給装置50に供給可能にすることで、第2電力供給装置50は、AC/DC変換回路21bの出力可能な最大出力電力よりも大きな電力を車両用蓄電装置91に供給することができる。双方向DC/DC変換回路30の出力を第2電力供給装置50に供給可能とすることで、第1電力供給装置20と第2電力供給装置50とで蓄電装置41を共用することができる。従って、第1電力供給装置20と第2電力供給装置50とが個別に蓄電装置41を備えている場合に比べて、製造コストの低減を図ることができる。
【0040】
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○第1切替部SW1及びバイパス線LBを有する電力供給装置の形態は、第1電力供給装置20の構成に限られない。例えば、第1切替部を有する電力供給装置は、図2に示す第3電力供給装置60のような構成であってもよい。なお、第3電力供給装置60は、第1電力供給装置20と同様の構成については同一の符号を付与し、説明を省略する。
【0041】
第3電力供給装置60は、第2電力線L20と、第1切替部SW10と、ダイオードD1と、第4電力線L25と、を備える。第2電力線L20は、一端L201が双方向DC/DC変換回路30の第1入出力端31に電気的に接続されるとともに、分岐点BPで二股に分かれ2つの他端L202,L203(第1他端L202と第2他端L203)を備える。第1他端L202は蓄電装置41に接続される。ダイオードD1は、第2電力線L20に設けられている。詳述すると、ダイオードD1は、分岐点BPと第1他端L202との間に設けられ、アノードが蓄電装置41に接続されるとともにカソードが分岐点BPに接続される。第4電力線L25は、一端L251が蓄電装置41に接続されている。
【0042】
第1切替部SW10は、第1スイッチSW11と、第2スイッチSW12と、を備える。第1スイッチSW11は、単投式スイッチである。第2スイッチSW12は、双投式スイッチである。第1スイッチSW11及び第2スイッチSW12は、第2電力線L20及びバイパス線LBに設けられている。
【0043】
詳述すると、第1スイッチSW11は、第2電力線L20における一端L201と分岐点BPとの間に設けられている。
第2スイッチSW12は、1つの可動接点C11と、2つの固定接点C12,C13と、を備える。可動接点C11は、バイパス線LBに設けられている。2つの固定接点C12,C13の1つを第1固定接点C12とし、もう1つを第2固定接点C13とする。第1固定接点C12は、第2電力線L20の第2他端L203に設けられている。第2固定接点C13は、第4電力線L25の他端L252に設けられている。
【0044】
系統電源SPから出力される電力と蓄電装置41から出力される電力とを車両用蓄電装置91に供給する場合、制御装置42aは、第1スイッチSW11をオン、第2切替部SW2をオフ、第2スイッチSW12の可動接点C11を固定接点C12,C13に接触させない非接触状態とする。
【0045】
また、蓄電装置41を充電する場合、制御装置42aは、第1スイッチSW11をオフ、第2切替部SW2をオン、第2スイッチSW12の可動接点C11を固定接点C12,C13に接触させない非接触状態とする。
【0046】
更に、第2電力供給装置50に蓄電装置41の電力を供給する場合、制御装置42aは、第1スイッチSW11をオンにし、第2スイッチSW12の可動接点C11を第1固定接点C12に接続し、第2切替部SW2をオンにする。制御装置42aが、上記したように第1切替部SW10及び第2切替部SW2を制御することで、実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
なお、第3電力供給装置60は、第2スイッチSW12の可動接点C11を第2固定接点C13に接続することで、第2電力供給装置50から出力される電力を蓄電装置41に供給することができる。この際、制御装置42aは、第1スイッチSW11をオフ、第2切替部SW2をオフにする。これにより、第2電力供給装置50を用いて蓄電装置41を充電することができる。
【0048】
○電力供給システム10は、複数の第2電力供給装置50を備えていてもよい。
○電力供給システム10は、複数の第1電力供給装置20又は第3電力供給装置60を備えていてもよい。
【0049】
○第2切替部SW2は、双投式スイッチであってもよい。この場合、第2切替部SW2は、第2入出力端32の接続先を給電コネクタ33a又は蓄電装置41に切り替えられるように設けられる。
【0050】
○第1電力供給装置20、第2電力供給装置50及び第3電力供給装置60は、車両用蓄電装置91に電力供給するものに限られず、車両90以外に用いられる蓄電装置や、電力によって駆動する負荷に電力を供給するものであってもよい。
【0051】
○制御装置42a,42bは、各電力供給装置20,50,60毎に設けられているが、これに限られず、1つの制御装置で複数の電力供給装置を制御してもよい。
○第1切替部SW1,SW10、第2切替部SW2、蓄電装置41、ダイオードD1、第22配線L22、バイパス線LB及び給電コネクタ33aは、第1電力供給装置20及び第3電力供給装置60の筐体外に設けられてもよい。例えば、第1切替部SW1やバイパス線LBが、第2電力供給装置50の筐体内に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0052】
L1a…第1電力線、L2,L20…第2電力線、L3…第3電力線、LB…バイパス線、SP…系統電源、SW1,SW10…第1切替部、SW2…第2切替部、10…電力供給システム、20…電力供給装置としての第1電力供給装置、21a…AC/DC変換回路、22a…第1端、23a…第2端、30…双方向DC/DC変換回路、31…第1入出力端、32…第2入出力端、41…蓄電装置、50…他の電力供給装置としての第2電力供給装置。
図1
図2