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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039410
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】電力供給装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20220303BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20220303BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220303BHJP
   B60L 53/53 20190101ALI20220303BHJP
   B60L 53/67 20190101ALI20220303BHJP
   B60L 53/30 20190101ALI20220303BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J7/00 303C
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
B60L53/53
B60L53/67
B60L53/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020144414
(22)【出願日】2020-08-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】脇阪 伸也
(72)【発明者】
【氏名】山口 敦
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA04
5G503BA02
5G503BB01
5G503BB03
5G503DA07
5G503EA05
5G503FA06
5G503GB03
5G503GD03
5G503GD06
5H030AS08
5H030BB01
5H030FF41
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H030FF52
5H125BE02
5H125DD02
5H125EE61
5H125FF14
(57)【要約】
【課題】蓄電装置の充電率が不足することを抑制すること。
【解決手段】電力供給システム10は、第1電力供給装置20と、第2電力供給装置50と、を備える。第1電力供給装置20は、第1電力線L1aと、第2電力線L2と、第3電力線L3と、AC/DC変換回路21aと、DC/DC変換回路30aと、蓄電池41と、制御装置43aと、切替装置SW1と、を備える。第2電力供給装置50は、系統電源SPに接続される第1電力線L1bを備える。切替装置SW1は、蓄電池41と第1電力線L1bの電気的な接続と非接続とを切替可能である。蓄電池41の充電が必要と判定された場合には、制御装置43aは第1電力線L1bと蓄電池41とが接続されるように切替装置SW1を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に電力を供給するための電力供給装置であって、
系統電源に電気的に接続される第1電力線と、
前記第1電力線に設けられ、第1端と第2端とを有し、前記系統電源から前記第1端に出力された交流電力を直流電力に変換して前記第2端に出力するAC/DC変換回路と、
蓄電装置と、
前記AC/DC変換回路の第2端と前記蓄電装置とを電気的に接続する第2電力線と、
前記蓄電装置のSOCを取得するSOC取得部と、
前記SOC取得部が取得した前記蓄電装置のSOCに基づいて前記蓄電装置の充電が必要か否かを判定する充電判定部と、
他の電力供給装置が有する前記系統電源に電気的に接続される電力線と前記蓄電装置とに電気的に接続されるバイパス線と、
前記バイパス線に設けられ、前記他の電力供給装置の前記電力線と前記蓄電装置との電気的な接続と非接続とを切替可能とする切替部と、
前記AC/DC変換回路と前記切替部とを制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記充電判定部により前記蓄電装置の充電が必要と判定された場合、前記他の電力供給装置の前記電力線と前記蓄電装置とが電気的に接続されるように前記切替部を制御することを特徴とする電力供給装置。
【請求項2】
前記切替部は、1つの可動接点と第1固定接点と第2固定接点とを備える双投式スイッチであり、
一端が前記蓄電装置に接続され、他端に前記可動接点が設けられた第1配線を有し、
前記第2電力線は、一端が前記AC/DC変換回路の前記第2端に電気的に接続され、他端に第1固定接点が設けられた第2配線と、前記第1配線とで構成され、
前記バイパス線は、一端が前記他の電力供給装置の前記電力線に電気的に接続され、他端に第2固定接点が設けられた第3配線と、前記第1配線とで構成され、
前記制御部により前記AC/DC変換回路が駆動されている状態であって、前記充電判定部により前記蓄電装置の充電が必要と判定された場合、前記制御部は、前記可動接点と前記第2固定接点とが電気的に接続されるように前記切替部を制御することを特徴とする請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項3】
前記第2電力線に設けられるとともに前記AC/DC変換回路と前記蓄電装置との電気的な接続と、非接続を切り替える第2電力線切替部と、を有し、
前記制御部により前記AC/DC変換回路が駆動されている状態であって、前記充電判定部により前記蓄電装置の充電が必要と判定された場合、前記制御部は、前記AC/DC変換回路と前記蓄電装置とが非接続となるように前記第2電力線切替部を制御するとともに、前記他の電力供給装置の前記電力線と前記蓄電装置とが電気的に接続されるように前記切替部を制御することを特徴とする請求項1に記載の電力供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
系統電源と、系統電源とは別に設けられた蓄電装置とを用いて、車両に電力を供給する電力供給装置としては、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示の電力供給装置は、電力供給装置に車両が接続されている場合、系統電源及び蓄電装置の両方の電力を車両に供給する。電力供給装置は、車両が接続されていない場合に、蓄電装置に電力を供給することで蓄電装置の充電を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-39864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の電力供給装置のように、系統電源及び蓄電装置の両方を用いて車両に電力を供給する場合、蓄電装置の充電を行う期間が必要になる。特許文献1に開示の電力供給装置では、車両が接続されている際には車両に電力が供給されるため、蓄電装置の充電を行うことができない。このため、電力供給装置の稼働時間が長いと、蓄電装置の充電率が不足する場合がある。
【0005】
本開示の目的は、蓄電装置の充電率が不足することを抑制できる電力供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する電力供給装置は、車両に電力を供給するための電力供給装置であって、系統電源に電気的に接続される第1電力線と、前記第1電力線に設けられ、第1端と第2端とを有し、前記系統電源から前記第1端に出力された交流電力を直流電力に変換して前記第2端に出力するAC/DC変換回路と、蓄電装置と、前記AC/DC変換回路の第2端と前記蓄電装置とを電気的に接続する第2電力線と、前記蓄電装置のSOCを取得するSOC取得部と、前記SOC取得部が取得した前記蓄電装置のSOCに基づいて前記蓄電装置の充電が必要か否かを判定する充電判定部と、他の電力供給装置が有する前記系統電源に電気的に接続される電力線と前記蓄電装置とに電気的に接続されるバイパス線と、前記バイパス線に設けられ、前記他の電力供給装置の前記電力線と前記蓄電装置との電気的な接続と非接続とを切替可能とする切替部と、前記AC/DC変換回路と前記切替部とを制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記充電判定部により前記蓄電装置の充電が必要と判定された場合、前記他の電力供給装置の前記電力線と前記蓄電装置とが電気的に接続されるように前記切替部を制御する。
【0007】
制御部は、蓄電装置の充電が必要な場合には、切替部を制御することで他の電力供給装置の電力線と蓄電装置とを電気的に接続する。これにより、他の電力供給装置からの電力によって蓄電装置を充電できる。電力供給装置によって車両に電力を供給している場合であっても他の電力供給装置によって蓄電装置を充電できるため、蓄電装置の充電率が不足することを抑制できる。
【0008】
上記電力供給装置について、前記切替部は、1つの可動接点と第1固定接点と第2固定接点とを備える双投式スイッチであり、一端が前記蓄電装置に接続され、他端に前記可動接点が設けられた第1配線を有し、前記第2電力線は、一端が前記AC/DC変換回路の前記第2端に電気的に接続され、他端に第1固定接点が設けられた第2配線と、前記第1配線とで構成され、前記バイパス線は、一端が前記他の電力供給装置の前記電力線に電気的に接続され、他端に第2固定接点が設けられた第3配線と、前記第1配線とで構成され、前記制御部により前記AC/DC変換回路が駆動されている状態であって、前記充電判定部により前記蓄電装置の充電が必要と判定された場合、前記制御部は、前記可動接点と前記第2固定接点とが電気的に接続されるように前記切替部を制御してもよい。
【0009】
上記電力供給装置について、前記第2電力線に設けられるとともに前記AC/DC変換回路と前記蓄電装置との電気的な接続と、非接続を切り替える第2電力線切替部と、を有し、前記制御部により前記AC/DC変換回路が駆動されている状態であって、前記充電判定部により前記蓄電装置の充電が必要と判定された場合、前記制御部は、前記AC/DC変換回路と前記蓄電装置とが非接続となるように前記第2電力線切替部を制御するとともに、前記他の電力供給装置の前記電力線と前記蓄電装置とが電気的に接続されるように前記切替部を制御してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、蓄電装置の充電率が不足することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態における電力システムを示す概略構成図。
図2】第1電力供給装置の制御装置が行う処理を示すフローチャート。
図3】第2実施形態における第1電力供給装置を示す概略構成図。
図4】第3実施形態における第1電力供給装置を示す概略構成図。
図5】変形例における第1電力供給装置を示す概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、電力供給装置の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、電力システムPSは、車両90と、電力供給システム10と、を備える。
【0013】
車両90は、車両用蓄電装置91と、車両ECU92と、を備える。車両90は、フォークリフトやトーイングトラクタ等の産業車両であってもよいし、乗用車であってもよい。
【0014】
車両用蓄電装置91は、例えば二次電池や電気二重層キャパシタなどである。
車両ECU92は、車両用蓄電装置91の充電に関する制御等を行うものである。車両ECU92は、電力供給システム10と通信を行うことにより、電力供給システム10に対して車両用蓄電装置91に関する情報を送信する。車両用蓄電装置91に関する情報とは、車両用蓄電装置91の状態を把握できる情報であればよく、例えば、車両用蓄電装置91が必要とする電力量を示す情報、車両用蓄電装置91の充電状態(例えば、SOC(State of Charge))を示す情報、車両用蓄電装置91の充電可能時間を示す情報、あるいは、これらの組み合わせを挙げることができる。
【0015】
電力供給システム10は、第1電力供給装置20と、第2電力供給装置50と、を備える。本実施形態において、第1電力供給装置20は、「電力供給装置」の一例であり、第2電力供給装置50は、「他の電力供給装置」の一例である。本実施形態の第1電力供給装置20と、第2電力供給装置50とは、一部共通の構成を備える。以降の説明において、第1電力供給装置20と第2電力供給装置50とが同様に備える構成のうち、第1電力供給装置20が備える構成については、符号の末尾に「a」を付し、第2電力供給装置50が備える構成については、符号の末尾に「b」を付して説明する。
【0016】
なお、本発明における「電気的に接続」とは、別部材を介して間接的に接続されるものも別部材を介さず直接接続されるものも含むものとする。
第1電力供給装置20は、第1電力線L1aと、第2電力線L2と、第3電力線L3と、AC/DC変換回路21aと、DC/DC変換回路30aと、蓄電池41と、BMS42と、制御装置43aと、切替装置SW1と、接続線CBaと、給電コネクタ33aと、を備える。
【0017】
第2電力供給装置50は、第1電力線L1bと、AC/DC変換回路21bと、DC/DC変換回路30bと、制御装置43bと、接続線CBbと、給電コネクタ33bと、を備える。なお、本実施形態の第2電力供給装置50は、蓄電池41を備えていない。
【0018】
第1電力線L1a(L1b)は、系統電源SPに電気的に接続されている。第1電力線L1a(L1b)は、第11配線L11a(L11b)と第12配線L12a(L12b)とを備えている。
【0019】
AC/DC変換回路21a(21b)は、第11配線L11a(L11b)を介して系統電源SPと電気的に接続される第1端22a(22b)と、第12配線L12a(L12b)と接続される第2端23a(23b)と、を備える。AC/DC変換回路21a(21b)の第1端22a(22b)には、系統電源SPから出力された交流電力が入力される。AC/DC変換回路21a(21b)は、系統電源SPから第1端22a(22b)に出力された交流電力を直流電力に変換して第2端23a(23b)から出力する。AC/DC変換回路21a(21b)は、系統電源SPから出力される交流電力を所望の電圧の直流電力に変換できればどのような構成のものであってもよい。例えば、AC/DC変換回路21a(21b)は、第2端23a(23b)に入力された直流電力を交流電力に変換して第1端22a(22b)に出力できるものであってもよい。
【0020】
DC/DC変換回路30a(30b)は、第1電力線L1a(L1b)に設けられている。DC/DC変換回路30aは、第12配線L12a(L12b)と接続される入力端31a(31b)と、接続線CBa(CBb)と接続される出力端32a(32b)とを備える。DC/DC変換回路30a(30b)の入力端31a(31b)は、第12配線L12a(L12b)を介してAC/DC変換回路21a(21b)の第2端23a(23b)に電気的に接続されている。DC/DC変換回路30a(30b)は、入力端31a(31b)に入力された直流電力を所望の電圧の直流電力に変換して出力する。DC/DC変換回路30a(30b)は、入力される直流電力を所望の電圧の直流電力に変換できればどのような構成のものであってもよい。例えば、DC/DC変換回路30a(30b)は、双方向DC/DC変換回路であってもよい。
【0021】
接続線CBa(CBb)の端部のうち、DC/DC変換回路30a(30b)の出力端32a(32b)に接続されている端部とは異なる他の端部には、給電コネクタ33a(33b)が設けられている。
【0022】
蓄電装置としての蓄電池41は、例えば二次電池や電気二重層キャパシタなどである。
第2電力線L2は、AC/DC変換回路21aの第2端23aと蓄電池41とを電気的に接続している。第2電力線L2は、第21配線L21と第22配線L22とを備える。本実施形態において、第22配線L22が第1配線であり、第21配線L21が第2配線である。
【0023】
この一例では、第21配線L21の一端L211は、第12配線L12aに接続されており、第21配線L21は、第12配線L12aを介してAC/DC変換回路21aの第2端23aと電気的に接続されている。
【0024】
第22配線L22の一端L221は、蓄電池41と接続されている。第21配線L21の他端L212及び第22配線L22の他端L222には、切替装置SW1の一部が設けられており、第21配線L21と第22配線L22とは、切替装置SW1を介して電気的に接続される。
【0025】
第3電力線L3は、第1電力供給装置20と、第2電力供給装置50とを電気的に接続している。第3電力線L3は、第3配線L31と、第22配線L22とで構成されている。第22配線L22は、第2電力線L2の一部でもあり、第3電力線L3の一部でもある。即ち、第2電力線L2と第3電力線L3で第22配線L22を共有している。本実施形態において、第3電力線L3がバイパス線である。
【0026】
第3配線L31の一端L311は、第1電力線L1bに電気的に接続されている。この一例では、第3配線L31の一端L311は、第12配線L12bにおけるAC/DC変換回路21bの第2端23bとDC/DC変換回路30bの入力端31bとの間に接続されており、第3電力線L3は、第12配線L12bを介してAC/DC変換回路21bの第2端23bと電気的に接続されている。
【0027】
切替装置SW1は、第2電力線L2及び第3電力線L3に設けられている。本実施形態の切替装置SW1は、双投式スイッチである。切替装置SW1は、1つの可動接点C1と、2つの固定接点C2,C3と、を備える。可動接点C1は、第22配線L22の他端L222に設けられている。2つの固定接点C2,C3の1つを第1固定接点C2とし、もう1つを第2固定接点C3とする。第1固定接点C2は、第21配線L21の他端L212に設けられている。第2固定接点C3は、第3配線L31の他端L312に設けられている。可動接点C1は、第1固定接点C2又は第2固定接点C3に接続可能である。切替装置SW1は、可動接点C1を固定接点C2,C3に接触させない非接触状態にできるものであってもよい。
【0028】
可動接点C1と第1固定接点C2とが接続されている状態では、切替装置SW1によって第1電力線L1aと蓄電池41とが電気的に接続される。可動接点C1と第2固定接点C3とが接続されている状態では、切替装置SW1によって蓄電池41と第3電力線L3とが電気的に接続される。切替装置SW1は、蓄電池41と第3電力線L3の電気的な接続と非接続とを切替可能といえる。切替装置SW1は、蓄電池41と第3電力線L3の電気的な接続と非接続を切り替えられるため、切替装置SW1は第3電力線L3を介した第1電力線L1bと蓄電池41の電気的な接続と非接続を切替可能といえる。本実施形態において、第1電力線L1bが他の電力供給装置の電力線である。本実施形態では切替装置SW1が切替部である。
【0029】
BMS42は、蓄電池41の状態を検出するバッテリマネジメントシステムである。BMS42は、蓄電池41の状態を検出するためのセンサと、センサの検出結果から蓄電池41の状態を導出する導出部と、を含む。導出部は、センサの検出結果から蓄電池41のSOCを導出可能である。SOCの導出手法は、任意であるが、例えば、蓄電池41の開回路電圧とSOCとの相関を用いる手法、電流積算法、あるいは、これらの組み合わせを挙げることができる。なお、蓄電装置のSOCとは、蓄電池41のSOCである。
【0030】
制御装置43a(43b)は、プロセッサと、記憶部と、を備える。プロセッサとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)が用いられる。記憶部は、RAM(Random access memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。記憶部は、処理をプロセッサに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。記憶部、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。制御装置43a(43b)は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である制御装置43a(43b)は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。
【0031】
制御部としての制御装置43aは、第1電力供給装置20の制御を行う。制御装置43aは、切替装置SW1を制御することで可動接点C1の接続先を第1固定接点C2又は第2固定接点C3に切替可能である。制御装置43aは、BMS42からの情報を取得可能に構成されている。制御装置43bは、第2電力供給装置50の制御を行う。制御装置43aと制御装置43bとは、互いに情報を送受信可能に設けられている。
【0032】
給電コネクタ33a(33b)は、車両90に対して着脱可能である。給電コネクタ33a(33b)には、DC/DC変換回路30a(30b)の出力端32a(32b)が接続されている。給電コネクタ33a(33b)は、車両用蓄電装置91に第1電力供給装置20(第2電力供給装置50)からの電力を供給する際に車両90に装着される。給電コネクタ33a(33b)が車両90に装着されることで、DC/DC変換回路30a(30b)の出力端32a(32b)から出力される電力を車両用蓄電装置91に供給可能となる。給電コネクタ33a(33b)が車両90に装着されることで、車両ECU92と制御装置43a(43b)との通信が確立され、互いの情報を送受信可能になる。制御装置43a(43b)は、車両ECU92から車両用蓄電装置91に関する情報を取得しながら第1電力供給装置20(第2電力供給装置50)の制御を行うことで、車両用蓄電装置91に電力を供給する。
【0033】
第2電力供給装置50は、系統電源SPから出力される交流電力を直流電力に変換して出力する。第2電力供給装置50は、車両用蓄電装置91に電力を供給することで、車両用蓄電装置91の充電を行う。電力供給システム10は、複数の電力供給装置20,50を備え、車両90は複数の電力供給装置20,50から任意の電力供給装置を選択して車両用蓄電装置91を充電可能といえる。
【0034】
次に、第1電力供給装置20に車両90が接続された場合に制御装置43aが行う切替装置SW1の制御について第1実施形態の作用とともに説明する。
図2に示すように、ステップS1において、制御装置43aは、車両用蓄電装置91に関する情報に基づいて車両用蓄電装置91が必要とする電力量を把握し、車両用蓄電装置91が必要とする電力量に基づいて必要供給電力を決定する。詳述すると、制御装置43aは、車両用蓄電装置91に関する情報を車両ECU92から取得する。制御装置43aは、例えば、接続線CBaに含まれる通信専用回線、又は接続線CBaとは異なる他の通信専用回線を用いて車両ECU92と通信し、車両用蓄電装置91に関する情報を取得する。制御装置43aは、例えば、常時、又は所定の時間間隔毎に車両90から車両用蓄電装置91に関する情報を取得する。制御装置43aは、車両用蓄電装置91に関する情報を取得すると、この情報に基づき必要供給電力を決定する。
【0035】
次に、ステップS2において、制御装置43aはAC/DC変換回路21aから出力可能な最大出力電力と必要供給電力とを比較し、最大出力電力が必要供給電力より大きいか否かを判定する。制御装置43aが最大出力電力と必要供給電力とを比較する処理は、例えば、制御装置43aが各種情報を取得する度に行われてもよく、所定の時間間隔毎に行われてもよい。最大出力電力は、例えば、AC/DC変換回路21aが出力可能な最大の電力であり、AC/DC変換回路21aとして出力可能な最大の電力(つまり、最大定格電力)であってもよく、その時に出力可能な最大の電力であってもよい。最大出力電力が必要供給電力以下の場合(ステップS2の判定結果が否定の場合)、制御装置43aはステップS3の処理を行う。最大出力電力が必要供給電力よりも大きい場合(ステップS2の判定結果が肯定の場合)、制御装置43aはステップS4の処理を行う。
【0036】
ステップS3において、制御装置43aは、可動接点C1を第1固定接点C2に接続し、AC/DC変換回路21a及びDC/DC変換回路30aを駆動する。これにより、蓄電池41とDC/DC変換回路30aの入力端31aとが第2電力線L2及び第12配線L12aを介して電気的に接続されるため、AC/DC変換回路21aから出力された電力と、蓄電池41から出力された電力とが、第1電力供給装置20に接続された車両90に供給される。最大出力電力が必要供給電力以下であっても、蓄電池41の電力によって第1電力供給装置20の出力を補うことができる。ステップS3の処理を終えると、制御装置43aはステップS5の処理を行う。
【0037】
ステップS4において、制御装置43aは、切替装置SW1の可動接点C1を固定接点C2,C3に接触させない非接触状態とし、制御装置43aはAC/DC変換回路21a及びDC/DC変換回路30aを駆動する。ステップS4の処理を終えると、制御装置43aはステップS5の処理を行う。
【0038】
ステップS5において、制御装置43aは、BMS42から蓄電池41のSOCを示す情報を取得する。制御装置43aは、蓄電池41のSOCを把握することができる。ステップS5の処理を行うことで、制御装置43aはSOC取得部を備えているといえる。
【0039】
次に、ステップS6において、制御装置43aは、蓄電池41のSOCに基づいて蓄電池41の充電が必要か否かを判定する。蓄電池41の充電が必要か否かの判定は、例えば、蓄電池41のSOCが予め定められた閾値以上か否かを判定することで行うことができる。この場合、制御装置43aは、蓄電池41のSOCが予め定められた閾値以上であれば充電は不要と判定し、SOCが予め定められた閾値未満であれば充電が必要と判定する。ステップS6の処理を行うことで、制御装置43aは充電判定部を備えているといえる。制御装置43aは、蓄電池41の充電が必要である場合(ステップS6の判定結果が肯定の場合)、ステップS7の処理を行う。制御装置43aは、蓄電池41の充電が必要ではない場合(ステップS6の判定結果が否定の場合)、処理を終了する。
【0040】
ステップS7において、制御装置43aは、可動接点C1を第2固定接点C3に接続する。これにより、第2電力供給装置50の第1電力線L1bの第12配線L12bと蓄電池41とが第3電力線L3を介して電気的に接続される。本実施形態では、第12配線L12b、及び第3電力線L3を介してAC/DC変換回路21bの第2端23bと蓄電池41とが電気的に接続される。可動接点C1と第2固定接点C3とが接続されている場合、第1電力線L1aと蓄電池41とは非接続になる。
【0041】
可動接点C1と第2固定接点C3とが接続された状態でAC/DC変換回路21bが駆動することで、蓄電池41に電力が供給される。これにより、第1電力供給装置20によって車両用蓄電装置91を充電しつつ、第2電力供給装置50によって蓄電池41を充電することができる。したがって、第1電力供給装置20のAC/DC変換回路21a及びDC/DC変換回路30aが駆動中であっても、第1電力供給装置20によって蓄電池41を使用しているか否かに関わらず、蓄電池41のSOCが予め定められた閾値未満となった場合は、第2電力供給装置50によって蓄電池41を充電することができる。
【0042】
なお、第1電力供給装置20に車両90が接続された際に行われる切替装置SW1の制御の一例について説明したが、制御装置43aは、種々の状況に応じて切替装置SW1の切り替えを行う。例えば、制御装置43aは、定期的にBMS42から蓄電池41のSOCを示す情報を取得し、蓄電池41の充電が必要な場合は、第1電力供給装置20を現在使用中(AC/DC変換回路21a及びDC/DC変換回路30aが駆動中)か否か確認し、使用していない場合には、可動接点C1を第1固定接点C2に接続する。この状態でAC/DC変換回路21aが駆動することで、蓄電池41に電力が供給される。また、第1電力供給装置20を使用している場合には、可動接点C1を第2固定接点C3に接続する。この状態でAC/DC変換回路21bが駆動することで、蓄電池41に電力が供給される。なお、第1電力供給装置20を現在使用していない場合であっても、可動接点C1を第2固定接点C3に接続して、第2電力供給装置50によって蓄電池41を充電してもよい。
【0043】
また、制御装置43aは、蓄電池41の電力を第2電力供給装置50に供給してもよい。この場合、制御装置43aは、切替装置SW1を制御することで可動接点C1を第2固定接点C3に接続する。これにより、DC/DC変換回路30bの入力端31bに蓄電池41の電力を入力可能にする。この状態でDC/DC変換回路30bが駆動することで、DC/DC変換回路30bには系統電源SPと蓄電池41からの電力が入力される。従って、第2電力供給装置50に接続された車両90の必要供給電力がAC/DC変換回路21bの最大出力電力よりも大きな場合であっても、蓄電池41の電力を用いてAC/DC変換回路21bの最大出力電力よりも大きな電力を出力することができる。即ち、第1電力供給装置20と第2電力供給装置50とで蓄電池41を共用することができる。電力供給装置20,50が備えるAC/DC変換回路21a,21bの最大出力電力よりも大きな電力を出力することを急速充電とする。第1電力供給装置20及び第2電力供給装置50の両方が急速充電を行うことができる。
【0044】
なお、第2電力供給装置50に蓄電池41の電力を供給する場合とは、例えば、制御装置43aが、第2電力供給装置50から供給情報を取得した場合である。供給情報とは、第2電力供給装置50が蓄電池41からの電力供給を必要とする場合に制御装置43bから制御装置43aに送られる情報である。第1電力供給装置20の制御装置43aは、第1電力供給装置20に車両90が接続されていない場合や蓄電池41の充電を行っていない場合など、蓄電池41の電力を第2電力供給装置50に供給可能な状態であれば、第2電力供給装置50に蓄電池41の電力を供給する。
【0045】
第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)制御装置43aは、蓄電池41の充電が必要な場合に切替装置SW1を制御することで、第2電力供給装置50の第1電力線L1bと蓄電池41とを電気的に接続することができる。これにより、第2電力供給装置50から供給される電力によって蓄電池41を充電することができる。第1電力供給装置20によって車両90に電力を供給している場合であっても第2電力供給装置50によって蓄電池41を充電できるため、蓄電池41の充電率が不足することを抑制できる。
【0046】
(1-2)第3電力線L3と蓄電池41を電気的に接続する際には、第1電力線L1aと蓄電池41とが電気的に非接続となる。第2電力供給装置50からの電力が第1電力線L1aに供給されることを抑制して、蓄電池41の充電を適切に行うことができる。
【0047】
(1-3)第2電力供給装置50は、AC/DC変換回路21bから出力された電力と、第1電力供給装置20の蓄電池41からの電力とを使って第2電力供給装置50に接続された車両90の車両用蓄電装置91を充電することができる。したがって、例えば、複数の第2電力供給装置50で構成された電力供給システムに、第1電力供給装置20を新たに設置すれば、既存の第2電力供給装置50においてもAC/DC変換回路21bから出力された電力のみでなく、蓄電池41からの電力も使用できるようになり、既存の急速充電できない第2電力供給装置50であっても急速充電できるようになる。
【0048】
(第2実施形態)
以下、電力供給装置の第2実施形態について説明する。なお、以下の説明において第1実施形態と同様の部材については第1実施形態と同一の符号を付すことで説明を省略する。
【0049】
図3に示すように、第1電力供給装置20は、第2電力線L20と、バイパス線としての第3電力線L30と、切替装置SW10を備える。第2実施形態の第2電力線L20は、第12配線L12aにおけるAC/DC変換回路21aとDC/DC変換回路30aとの間と、蓄電池41とを電気的に接続している。第3電力線L30は、第2電力線L20と、第1電力線L1bとを電気的に接続している。
【0050】
切替部としての切替装置SW10は第1スイッチSW11と、第2スイッチSW12と、を備える。第1スイッチSW11は、単投式スイッチである。第2スイッチSW12は、単投式スイッチである。第1スイッチSW11は、第2電力線L20に設けられている。第1スイッチSW11は、蓄電池41と第1電力線L1aとの間に設けられている。第1スイッチSW11がオンされることで第1電力線L1aと蓄電池41とが電気的に接続される。第1スイッチSW11がオフされることで第1電力線L1aと蓄電池41とが電気的に非接続となる。第2スイッチSW12は、第3電力線L30に設けられている。第2スイッチSW12がオンされることで第3電力線L30と蓄電池41とが第2電力線L20を介して電気的に接続される。第2スイッチSW12がオフされることで第3電力線L30と蓄電池41とが電気的に非接続となる。
【0051】
制御装置43aは、第2電力供給装置50を用いて蓄電池41を充電する場合には、第2スイッチSW12をオンすることで、第3電力線L30と蓄電池41とを電気的に接続する。この際、制御装置43aは、第1スイッチSW11をオフしてもよい。
【0052】
制御装置43aは、蓄電池41の電力を第2電力供給装置50に供給することも可能である。この場合には、第1スイッチSW11をオフにし、第2スイッチSW12をオンにする。蓄電池41は、DC/DC変換回路30bの入力端31bに電気的に接続される。この状態でDC/DC変換回路30bが駆動することで、DC/DC変換回路30bには系統電源SPと蓄電池41からの電力が入力される。
【0053】
(第3実施形態)
以下、電力供給装置の第3実施形態について説明する。なお、以下の説明において第1実施形態と同様の部材については第1実施形態と同一の符号を付すことで説明を省略する。
【0054】
図4に示すように、第1電力供給装置20は、実施形態のDC/DC変換回路30aに代えて、双方向DC/DC変換回路60を備える。双方向DC/DC変換回路60は、第12配線L12aに接続される第1入出力端61と、接続線CBaと接続される第2入出力端62と、を備える。双方向DC/DC変換回路60は、第2端23aから第12配線L12aを介して第1入出力端61に出力された直流電力を所望の電圧の直流電力に変換して第2入出力端62に出力するとともに、第2入出力端62に入力された直流電力を電力変換して第1入出力端61に出力する。第1入出力端61は、AC/DC変換回路21aの第2端23aに電気的に接続されている。
【0055】
第1電力供給装置20は、第4電力線L4と、切替スイッチSW30と、を備える。第4電力線L4は、第2入出力端62と蓄電池41とを電気的に接続している。
切替スイッチSW30は、第4電力線L4に設けられている。切替スイッチSW30は、単投式スイッチである。切替スイッチSW30がオンになることで、双方向DC/DC変換回路60の第2入出力端62と蓄電池41とが電気的に接続される。切替スイッチSW30がオフになることで、双方向DC/DC変換回路60の第2入出力端62と蓄電池41とが非接続となる。切替スイッチSW30は、蓄電池41と第2入出力端62との電気的な接続と非接続を切替可能といえる。制御装置43aは、双方向DC/DC変換回路60を制御することで第1入出力端61及び第2入出力端62のいずれから直流電力を出力するかを選択可能である。
【0056】
制御装置43aは、必要供給電力がAC/DC変換回路21aの出力可能な最大出力電力よりも大きい場合には、AC/DC変換回路21aと蓄電池41とを用いて、車両用蓄電装置91に電力が供給されるように第1電力供給装置20を制御する。詳述すると、制御装置43aは、切替装置SW1の可動接点C1を第1固定接点C2に接続する。制御装置43aは、切替スイッチSW30をオフにする。双方向DC/DC変換回路60の第1入出力端61には、AC/DC変換回路21aから出力される電力と蓄電池41から出力される電力の両方が供給される。双方向DC/DC変換回路60は、第2入出力端62から電力を出力する。第2入出力端62から出力された電力は、車両用蓄電装置91に供給される。
【0057】
制御装置43aは、第1電力供給装置20からの電力を蓄電池41に供給する場合、系統電源SPから出力される電力が蓄電池41に供給されるように第1電力供給装置20を制御する。詳述すると、制御装置43aは、系統電源SPから出力される電力が蓄電池41に供給されるように、切替装置SW1の可動接点C1を固定接点C2,C3に接触させない非接触状態とし、切替スイッチSW30をオンにした後、AC/DC変換回路21a及び双方向DC/DC変換回路60を駆動する。なお、蓄電池41の充電は、給電コネクタ33aが車両90に装着されていない状態や、車両用蓄電装置91の充電が終了した場合など、車両用蓄電装置91の充電を行う必要がない期間に行われる。
【0058】
制御装置43aは、第2電力供給装置50からの電力を蓄電池41に供給する場合、切替装置SW1の可動接点C1を第2固定接点C3に接続する。制御装置43aは、切替スイッチSW30をオフにする。
【0059】
第3実施形態の効果について説明する。第3実施形態では、第1実施形態の各効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(3-1)切替スイッチSW30によって双方向DC/DC変換回路60の第2入出力端62の接続先を変更できるようにしている。これにより、双方向DC/DC変換回路60を用いて、蓄電池41に電力を供給できる。従って、車両用蓄電装置91に電力を供給するためのDC/DC変換回路及び蓄電池41に電力を供給するためのDC/DC変換回路を個別に設ける場合に比べて第1電力供給装置20の小型化を図ることができる。
【0060】
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
図5に示すように、第1実施形態の第1電力供給装置20は、接続電力線L5と、接続電力線L5に設けられた切替スイッチSW40と、を備えていてもよい。接続電力線L5は、DC/DC変換回路30bの出力端32bと蓄電池41とを接続している。すなわち、接続電力線L5は、DC/DC変換回路30bを介して第12配線L12bと電気的に接続されているため、接続電力線L5は、第12配線L12bと蓄電池41とに電気的に接続されているといえる。切替スイッチSW40がオンすることで、DC/DC変換回路30bの出力端32bと蓄電池41とが電気的に接続される。切替スイッチSW40がオフすることで、蓄電池41とDC/DC変換回路30bの出力端32bとが非接続となる。
【0061】
制御装置43aによりAC/DC変換回路21a及びDC/DC変換回路30aが駆動されている状態であって、制御装置43aが蓄電池41の充電が必要と判定した場合、制御装置43aは、可動接点C1が固定接点C2,C3に接触しない非接触状態になるように切替装置SW1を制御する。これにより、AC/DC変換回路21aと蓄電池41とが非接続となる。更に、制御装置43aは、第2電力供給装置50と蓄電池41とが電気的に接続されるように切替スイッチSW40を制御する。詳述すると、第2電力供給装置50によって蓄電池41を充電する際には、制御装置43aは、切替スイッチSW40をオンする。また、制御装置43aは、可動接点C1が固定接点C2,C3に接触しない非接触状態になるように切替装置SW1を制御する。これにより、DC/DC変換回路30bから出力される電力が接続電力線L5及び第22配線L22を介して蓄電池41に供給され、蓄電池41を充電することができる。図5に示す第1電力供給装置20では、接続電力線L5がバイパス線、切替スイッチSW40が切替部、切替装置SW1が第2電力線切替部である。
【0062】
なお、切替装置SW1と切替スイッチSW40を共通化して1つの切替部としてもよい。この場合、切替部は、蓄電池41の接続先を第1電力線L1a、第12配線L12b、又は接続線CBbに切り替えられるものが用いられる。
【0063】
○第1実施形態及び第3実施形態において、第3配線L31の一端L311は、AC/DC変換回路21bの第2端23bに直接接続されていてもよい。また、第3配線L31の一端L311は、DC/DC変換回路30bの出力端32bに直接接続されていてもよい。この場合であっても、第3配線L31は、第1電力線L1bに電気的に接続されているといえる。
【0064】
○第1実施形態及び第3実施形態において、第2電力供給装置50がAC/AC変換回路を備えている場合、第3配線L31の一端L311は、AC/AC変換回路の出力端に接続されていてもよい。AC/AC変換回路は、例えば、入力された交流電力を異なる周波数の交流電力に変換して出力する。この場合、第1電力供給装置20は、AC/AC変換回路から出力された交流電力を直流電力に変換して蓄電池41に出力するAC/DC変換回路を備える。また、第2電力供給装置50がAC/AC変換回路とAC/DC変換回路を備えている場合は、第3配線L31の一端L311は、AC/DC変換回路の出力端に接続されてもよい。
【0065】
○第2実施形態において、第3電力線L30は、AC/DC変換回路21bの第2端23bに直接接続されていてもよい。また、第3電力線L30は、DC/DC変換回路30bの出力端32bに直接接続されていてもよい。この場合であっても、第3電力線L30は、第1電力線L1bに電気的に接続されているといえる。第2電力供給装置50がAC/AC変換回路を備えている場合、第3電力線L30は、AC/AC変換回路の出力端に接続されていてもよい。AC/AC変換回路は、例えば、入力された交流電力を異なる周波数の交流電力に変換して出力する。この場合、第1電力供給装置20は、AC/AC変換回路から出力された交流電力を直流電力に変換して蓄電池41に出力するAC/DC変換回路を備える。また、第2電力供給装置50がAC/AC変換回路とAC/DC変換回路を備えている場合は、第3電力線L30は、AC/DC変換回路の出力端に接続されてもよい。
【0066】
○各実施形態において、蓄電池41の充電が必要と判定された場合には、他の条件に関わらず蓄電池41に第2電力供給装置50からの電力を供給してもよい。例えば、制御装置43aは、AC/DC変換回路21aの最大出力電力が必要供給電力以下の場合であっても蓄電池41と第2電力供給装置50とを接続してもよい。
【0067】
○各実施形態において、制御装置43aは、AC/DC変換回路21aから出力された電力のみで車両用蓄電装置91を充電している状態で、蓄電池41のSOCが予め定められた閾値未満になった場合にのみ第2電力供給装置50により蓄電池41の充電が行われるようにしてもよい。第1実施形態であれば、ステップS4の処理の後にステップS5の処理が行われる一方で、ステップS3の処理の後に図2に示す制御が終了されるようにすればよい。
【0068】
○各実施形態において、制御装置43aは、AC/DC変換回路21aから出力された電力及び蓄電池41の電力の両方を用いて車両用蓄電装置91を充電している状態で、蓄電池41のSOCが予め定められた閾値未満になった場合にのみ第2電力供給装置50により蓄電池41の充電が行われるようにしてもよい。第1実施形態であれば、ステップS3の処理の後にステップS5の処理が行われる一方で、ステップS4の処理の後に図2に示す制御が終了されるようにすればよい。
【0069】
○各実施形態において、AC/DC変換回路21aの最大出力電力が必要供給電力より大きい場合であっても、蓄電池41とDC/DC変換回路30aの入力端31aとが電気的に接続されるようにしてもよい。図2に示すフローチャートであれば、ステップS2の判定結果が肯定の場合であっても、蓄電池41の電力がDC/DC変換回路30aに供給されるように、可動接点C1が第1固定接点C2に接続されるように制御が行われてもよい。
【0070】
○各実施形態において、第1電力供給装置20は、DC/DC変換回路30aを備えていなくてもよい。この場合、系統電源SPと車両用蓄電装置91との絶縁を担保するため、AC/DC変換回路21aとしてマトリックスコンバータのような絶縁型のものを用いる。また、第1電力供給装置20から供給された電力が入力されるDC/DC変換回路を車両90が備えていれば、AC/DC変換回路21aとして非絶縁型のものを用いてもよい。
【0071】
○第2実施形態において、第1スイッチSW11と第2スイッチSW12の両方をオンしてもよい。この場合、2つの電力供給装置20,50によって蓄電池41に電力を供給できる。第1電力供給装置20に車両90が接続されている場合であっても、車両90に供給される電力が減ることを抑制しつつ蓄電池41を充電することができる。
【0072】
○第2実施形態において、切替装置SW10は、第2スイッチSW12のみであってもよい。この場合、第2スイッチSW12がオンすることで、2つの電力供給装置20,50によって蓄電池41に電力を供給できる。即ち、切替部は、少なくとも第3電力線L3と第2電力線L2との接続と非接続とを切替可能であればよい。
【0073】
○各実施形態において、第2電力供給装置50のAC/DC変換回路21bは、非絶縁型のものを用いてもよい。この場合、系統電源SPと蓄電池41との絶縁を担保するため、蓄電池41の前段にDC/DC変換回路を設ける。第2電力供給装置50のAC/DC変換回路21bから出力された電力は、DC/DC変換回路を介して蓄電池41に供給される。
【0074】
○各実施形態において、第2電力供給装置50は、交流電力を出力するものであってもよい。この場合、第1電力供給装置20は、第2電力供給装置50から供給された交流電力を直流電力に変換して蓄電池41に出力するAC/DC変換回路を備える。
【0075】
○各実施形態において、電力供給システム10は、複数の第2電力供給装置50を備えていてもよい。この場合、第1電力供給装置20は、複数の第2電力供給装置50のうち任意の第2電力供給装置50に電力を供給できるように構成されることが好ましい。
【0076】
○各実施形態において、電力供給システム10は、複数の第1電力供給装置20を備えていてもよい。
○各実施形態において、第2電力供給装置50は、車両用蓄電装置91に電力を供給するものであれば、どのような構成であってもよい。例えば、第2電力供給装置50は、第1電力供給装置20と同一構成としてもよい。
【0077】
○各実施形態において、AC/DC変換回路21aの後段に平滑コンデンサが設けられていてもよい。この場合、DC/DC変換回路30a及び蓄電池41は、平滑コンデンサを介してAC/DC変換回路21aの第2端23aに接続される。
【0078】
○各実施形態において、第1電力供給装置20は、蓄電池41に供給する電力を変圧するためのDC/DC変換回路を備えていてもよい。この場合、このDC/DC変換回路及び蓄電池41が蓄電装置である。
【0079】
○第3実施形態において、切替スイッチSW30は、双投式スイッチであってもよい。この場合、切替スイッチSW30は、第2入出力端62の接続先を車両用蓄電装置91又は蓄電池41に切り替えられるように設けられる。
【0080】
○第3実施形態において、双方向DC/DC変換回路60に代えてDC/DC変換回路30aを用いてもよい。
○第3実施形態において、切替装置SW1と切替スイッチSW30を共通化して1つの切替部としてもよい。
【0081】
○各実施形態において、ステップS2の判定とステップS6の判定とは同時に行われていてもよいし、異なるタイミングで行われてもよい。
○各実施形態において、制御装置43a,43bは、各電力供給装置20,50毎に設けられているが、これに限られず、1つの制御装置で複数の電力供給装置を制御してもよい。
【0082】
○各実施形態において、SOC取得部、充電判定部及び制御部は、それぞれ個別の装置であってもよい。
【符号の説明】
【0083】
C1…可動接点、C2…第1固定接点、C3…第2固定接点、L1a…第1電力線、L1b…電力線としての第1電力線、L2,L20…第2電力線、L3…バイパス線としての第3電力線、L21…第2配線としての第21配線、L22…第1配線としての第22配線、L31…第3配線、SP…系統電源、SW1,SW10…切替部としての切替装置、20…電力供給装置としての第1電力供給装置、21a…AC/DC変換回路、30a…DC/DC変換回路、41…蓄電装置としての蓄電池、43a…SOC取得部、充電判定部、及び制御部としての制御装置、50…他の電力供給装置としての第2電力供給装置、90…車両。
図1
図2
図3
図4
図5