(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039464
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】液状資材供給方法
(51)【国際特許分類】
A01G 7/06 20060101AFI20220303BHJP
A01G 22/05 20180101ALI20220303BHJP
【FI】
A01G7/06 B
A01G22/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020144493
(22)【出願日】2020-08-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 掲載日:令和2年8月25日 掲載したウェブサイトのアドレス: https://chat.lincbiz.jp/a003484/default/channels/g4491da6016ba8b6f
(71)【出願人】
【識別番号】000201641
【氏名又は名称】全国農業協同組合連合会
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(72)【発明者】
【氏名】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】山下 耕生
(72)【発明者】
【氏名】日高 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 洋輔
【テーマコード(参考)】
2B022
【Fターム(参考)】
2B022AB15
2B022EB02
(57)【要約】
【課題】植物体に目的の成分を効率よく供給可能な液状資材供給方法を提供する。
【解決手段】液状資材供給方法は、植物体11の本葉14を葉柄14bの位置で切除し、切除してできた葉柄14bの切り口15に、可撓性を有する軟質の樹脂材によって変形容易に形成され、液状資材が充填されたキャップ型容器16を被せ、キャップ型容器16の入り口を、内径が狭まった首部17の位置で結束バンド18によって葉柄14bの切り口15に水密に固定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物体の本葉を葉柄の位置で切除し、切除してできた葉柄の切り口に、液状資材が充填されたキャップ型容器を被せ、該キャップ型容器の入り口を前記葉柄の切り口に水密に固定することを特徴とする液状資材供給方法。
【請求項2】
前記キャップ型容器は、可撓性を有する軟質の樹脂材によって変形容易に形成されていることを特徴とする請求項1記載の液状資材供給方法。
【請求項3】
前記液状資材は、液肥であることを特徴とする請求項1又は2記載の液状資材供給方法。
【請求項4】
前記液状資材は、塩化カルシウム水溶液であることを特徴とする請求項1又は2記載の液状資材供給方法。
【請求項5】
前記液状資材は、塩化カルシウム水溶液とホウ酸水溶液との混合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の液状資材供給方法。
【請求項6】
前記植物体は果実のなる植物であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の液状資材供給方法。
【請求項7】
前記液状資材を供給するタイミングが、前記植物体の開花期であることを特徴とする請求項6記載の液状資材供給方法。
【請求項8】
前記本葉は、前記植物体の花房の下側1段目又は2段目に生えている本葉であることを特徴とする請求項6又は7記載の液状資材供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状資材供給方法に関し、詳しくは、植物に対して液肥や農薬等の液状資材を供給する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
農作物は、生理障害を発症すると収穫物の収量や品質が低下するので、生理障害の予防管理が非常に重要となる。この生理障害には、植物体内で移動性の乏しい肥料成分(例えば、カルシウム、ホウ素、マンガン、亜鉛、鉄など)の欠乏によって引き起こされるものがある。
【0003】
これに対しては、応急処置的な手法として、肥料成分を含む液体を葉面散布する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、葉面を介した肥料供給では、その成分が植物体内に十分に吸収されないとの知見もあり、肥料成分をより効率よく供給する方法が求められていた。
【0006】
そこで本発明は、植物体に目的の成分を効率よく供給可能な液状資材供給方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の液状資材供給方法は、植物体の本葉を葉柄の位置で切除し、切除してできた葉柄の切り口に、液状資材が充填されたキャップ型容器を被せ、該キャップ型容器の入り口を前記葉柄の切り口に水密に固定することを特徴としている。
【0008】
また、前記キャップ型容器は、可撓性を有する軟質の樹脂材によって変形容易に形成されていることを特徴としている。
【0009】
さらに、前記液状資材は、液肥、塩化カルシウム水溶液、又は、塩化カルシウム水溶液とホウ酸水溶液との混合物であること、前記植物体はトマトであること、前記液状資材を供給するタイミングが、前記植物体の開花期であること、前記本葉は、前記植物体の花房の下側1段目又は2段目に生えている本葉であることも特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の液状資材供給方法によれば、植物体に対して、キャップ型容器に充填された所定量の液状資材を、葉柄の切り口から確実に供給できるので、植物体に目的の成分を効率よく供給することができ、植物体の生理障害・病害に対する予防管理や、植物体から得られる収穫物の収量や品質の向上を図ることが容易になる。
【0011】
また、キャップ型容器が、被せた葉柄の切り口に水密に固定されるとともに、変形容易に形成されていることから、液状資材が植物体に供給されるにつれて凹むように変形するので、液状資材の供給の度合いを視認しやすくて作業性がよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の液状資材供給方法を植物体に適用した一形態例を示す概略図である。
【
図2】
図1の方法による液状資材の供給に伴うキャップ型容器の変形の様子を示す要部拡大図である。
【
図3】茎葉分析試験における液状資材供給の分析結果を示すグラフである。
【
図4】効果試験における液状資材をキャップ型容器により供給したCa濃度を示すグラフである。
【
図5】効果試験における植物体の収穫結果を液状資材の供給方法ごとに比較するグラフである。
【
図6】本発明の液状資材供給方法を植物体に適用した他の形態例を示す概略図である。
【
図7】果実分析試験における液状資材供給の分析結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の液状資材供給方法を植物体11に適用した一形態例を示す概略図である。本形態例において、植物体11はトマトとしている。
【0014】
図1に示されるように、植物体11は、茎12と、開花した花房13と、葉身14a及び葉柄14bからなる本葉14とを備えている。
【0015】
また、本形態例では、花房13の下側2段目にある本葉14を、葉柄14bの位置で切除し、切除してできた葉柄14bの切り口15に、液状資材が充填されたキャップ型容器16を被せるようにして取り付けた。
【0016】
ここで、液状資材とは、液肥、農薬、土壌改良資材、その他の、植物に所定の効能を与えうる機能性成分を含有する液体のことであり、本形態例においては、塩化カルシウム水溶液を用いた。塩化カルシウム水溶液は、トマトに対して尻腐れ果を予防する効能を有する。
【0017】
キャップ型容器16は、可撓性を有する軟質の樹脂材(例えば、ポリエチレン)によって変形容易に形成されており、容器入り口には内径が狭まった首部17を備え、首部17の位置で結束バンド18によって葉柄14bの切り口15に水密に固定されている。また、キャップ型容器16の容量は、目的の供給量に応じて適宜変更でき、例えば、7ml~40mlのものを選択可能である。
【0018】
図2は、
図1の方法による液状資材の供給に伴うキャップ型容器16の変形の様子を示す要部拡大図である。
【0019】
図2に示されるように、植物体11に取り付けたキャップ型容器16内部の液状資材は、葉柄14bの切り口15から植物体11内部に供給されることで容積を減らす。このとき、キャップ型容器16が葉柄14bの切り口15に水密に固定されているために、外部からの空気の流入がないので、軟質のキャップ型容器16は減った容積の分だけ凹むように変形した状態になる。
【0020】
このようにしてキャップ型容器16によって植物体11に供給された液状資材の成分は、供給位置より上部の組織に送られることが茎葉分析試験により確認されている。以下に、その試験について説明する。
【0021】
茎葉分析試験の方法は次の通りである。
対象作物:トマト(苗の段階のものを用いた)
液状資材:塩化カルシウム水溶液
耕種概要:2019年 1月 7日 播種
1月21日 定植
2月25日 液状資材等を供給
2月26日 サンプルを採取
【0022】
比較のため、試験区画を分け、キャップ型容器16からの液状資材供給をしない無処理の区画と、キャップ型容器16から液状資材に代えて蒸留水5mlを供給する区画と、キャップ型容器16から濃度0.5%の塩化カルシウム水溶液5mlを供給する区画と、キャップ型容器16から濃度1.0%の塩化カルシウム水溶液5mlを供給する区画と、キャップ型容器16から濃度1.5%の塩化カルシウム水溶液5mlを供給する区画とをそれぞれ設けた。
【0023】
液状資材等(各濃度の塩化カルシウム水溶液又は蒸留水)の供給は、それぞれの区画で、トマトの1段目の花房13が開花した段階で、花房13の下側2段目にある本葉14を切除し、切除してできた葉柄14bの切り口15に、キャップ型容器16を取り付けることで行った(
図1参照)。
【0024】
供給後は、塩化カルシウム水溶液及び蒸留水が植物体11に十分に供給されたことをキャップ型容器16の状態から目視で確認し(
図2参照)、植物体11の、花房13の下側1段目にある本葉14より上部全てをサンプルとして採取し、採取したサンプルからCa含有量を測定した。
【0025】
なお、液状資材等を供給する位置を、花房13下側の2段目の本葉14とすることで、分析用に十分な量の茎葉のサンプルが確保できる。
【0026】
以上の茎葉分析試験における液状資材供給の分析結果を表1及び
図3に示す。
図3は、表1をグラフ化したものである。
【0027】
【0028】
表1及び
図3に示されるように、葉柄14bの切り口15から塩化カルシウム水溶液を供給すると、供給位置より上部の茎葉において、無処理のもの及び蒸留水を供給したものと比較して、塩化カルシウム水溶液の濃度に比例してCa含有量が増加している。
【0029】
これにより、開花後、本発明の液状資材供給方法により、植物体11に液状資材が供給されると、液状資材の成分が、供給位置より上部の組織に送られていることがわかる。
【0030】
また、このようにしてキャップ型容器16によって植物体11に供給された液状資材の成分が、植物体11の要素欠乏障害を予防する効果をもたらすことも、効果試験により確認されている。以下に、その試験について説明する。
【0031】
効果試験の方法は次の通りである。
対象作物:トマト
液状資材:塩化カルシウム水溶液
耕種概要:2018年 4月20日 播種
5月24日 定植
6月 6日~7月18日 液状資材を葉面散布
6月12日,6月26日 液状資材をキャップ供給
【0032】
比較のため、試験区画を分け、キャップ型容器16からの液状資材供給をしない無処理区と、葉面散布により塩化カルシウム水溶液を供給する葉面散布処理区と、キャップ型容器16から濃度0.5%の塩化カルシウム水溶液15mlを供給するキャップ供給処理区とをそれぞれ設けた。
【0033】
葉面散布処理区では、6月6日~7月18日の期間に、一週間ごとに塩化カルシウム水溶液を葉面散布した。
【0034】
キャップ供給処理区では、トマトの2段目の花房の開花期(6月12日)及び4段目の花房の開花期(6月26日)に塩化カルシウム水溶液の供給を行うこととし、各開花期において、開花した花房の下側2段目の本葉を切除し、切除してできた葉柄14bの切り口に対してキャップ型容器16を取り付けた(
図1参照)。
【0035】
そして、取り付けた翌日に、開花した花房の下側1段目の本葉を採取して葉柄汁液中のCa濃度を分析した。
【0036】
また、果実の収穫時に各区における収穫果数を調査し、各区の正常果、不着果、尻腐れ果の割合を算出した。
【0037】
図4は、効果試験における液状資材をキャップ型容器16により供給したトマトのCa濃度を示すグラフであり、
図5は、効果試験におけるトマトの収穫結果を液状資材の供給方法ごとに比較するグラフである。
【0038】
図4に示されるように、トマトの葉柄汁液中のCa濃度は、2段目の花房開花期及び4段目の花房開花期のいずれにおいても、キャップ型容器16を用いたものが、葉面散布したものよりも高くなっていることがわかる。
【0039】
図5に示されるように、トマトの不着果及び尻腐れ果の割合は、いずれも、キャップ型容器16を用いたものが、葉面散布したものよりも少なくなっていることがわかる。
【0040】
以上の試験結果から、トマトの本葉を葉柄で切除し、葉柄の切り口から塩化カルシウム水溶液を供給すると、供給された塩化カルシウム水溶液の成分が植物体上部に移行して、Ca欠乏によりもたらされる尻腐れ果の発生を抑止することがわかった。また、塩化カルシウム水溶液を用いた従来の葉面散布に比べ、その効果が高いこともわかった。
【0041】
このように、本発明の液状資材供給方法によれば、植物体11に対して、キャップ型容器16に充填された所定量の液状資材を、葉柄14bの切り口15から確実に供給できるので、植物体11に目的の成分を効率よく供給することができ、植物体11の生理障害・病害に対する予防管理や、植物体11から得られる収穫物の収量や品質の向上を図ることが容易になる。
【0042】
また、キャップ型容器16が、被せた葉柄14bの切り口15に水密に固定されるとともに、変形容易に形成されていることから、液状資材が植物体11に供給されるにつれて凹むように変形するので、液状資材の供給の度合いを視認しやすくて作業性がよい。
【0043】
また、植物体11に対して、花房13の開花期に液状資材を供給することによって、開花後になる果実に発生しうる生理障害・病害を予防できるので、植物体11から得られる果実の収量や品質の向上を図ることが、より容易になる。
【0044】
また、植物体11に対して、切除する本葉14を、花房13の下側の近い位置に生えている本葉14とすることで、供給した液状資材の成分を花房13に効率的に送ることができるので、植物体11から得られる農作物の収量や品質の向上を図ることが、より容易になる。
【0045】
図6は、本発明の液状資材供給方法を植物体11(トマト)に適用した他の形態例を示す概略図である。
【0046】
図6に示されるように、この形態例においては、植物体11は、
図1の花房13が結実して、果実19がなった状態になっており、果実19の下側1段目の本葉14が、葉柄14bの位置で切除されている点が
図1の形態例と異なっている。
【0047】
また、この形態例においては、
図1の形態例と同様に、切除してできた葉柄14bの切り口15に、液状資材が充填されたキャップ型容器16が被せるようにして取り付けられているが、充填されている液状資材は、塩化カルシウム水溶液とホウ酸水溶液との混合物としている。
【0048】
この形態例では、植物体11の果実19に液状資材の成分が吸収されることが、果実分析試験により確認されている。以下に、その試験について説明する。
【0049】
果実分析試験の方法は次の通りである。
対象作物:トマト(定植後のものを用いた)
液状資材:塩化カルシウム水溶液とホウ酸水溶液との混合物
耕種概要:2019年 8月27日 播種
9月24日 鉢上げ
10月 4日 定植
10月30日,10月31日 液状資材等を供給
11月1日以降 果実をピンポン玉大まで肥大した段階で採取
【0050】
比較のため、試験区画を分け、キャップ型容器16からの液状資材供給をしない無処理の区画と、キャップ型容器16から液状資材に代えて蒸留水19mlを供給する区画と、キャップ型容器16から濃度0.5%の塩化カルシウム水溶液と濃度0.02%のホウ酸水溶液との混合物19ml(B+低Ca)を供給する区画と、キャップ型容器16から濃度1.0%の塩化カルシウム水溶液と濃度0.02%のホウ酸水溶液との混合物19ml(B+中Ca)を供給する区画と、キャップ型容器16から濃度1.5%の塩化カルシウム水溶液と濃度0.02%のホウ酸水溶液との混合物19ml(B+高Ca)を供給する区画とをそれぞれ設けた。
【0051】
果実分析試験では、植物体11(トマト)に果実19がなり、肥大期に入った段階(10月30日)で、果実19の下側1段目にある本葉14を葉柄14bの位置で切除した上で、葉柄14bの切り口15に、液状資材(塩化カルシウム水溶液とホウ酸水溶液との混合物)が充填されたキャップ型容器16を被せるようにして取り付けて資材供給し、その翌日(10月31日)にも同様の作業を行った。
【0052】
その後、果実19を、ピンポン玉大にまで肥大した段階で都度採取し、採取したものからCa及びBの含有量を測定した。
【0053】
以上の果実分析試験における液状資材供給の分析結果を表2及び
図7に示す。
図7は、表2をグラフ化したものである。
【0054】
【0055】
表2及び
図7に示されるように、葉柄14bの切り口15から塩化カルシウム水溶液とホウ酸水溶液との混合物を供給すると、果実19において、無処理のもの及び蒸留水を供給したものと比較して、Ca及びBの含有量がいずれも増加している。
【0056】
これにより、果実19がなった後に、本発明の液状資材供給方法によって植物体11に液状資材が供給されると、液状資材の成分が、供給位置より上部の果実19に送られていることがわかる。また、液状資材が複数の成分を含有していても、いずれの成分も供給位置より上部の果実に送られていることがわかる。
【0057】
このように、本発明の液状資材供給方法によれば、植物体11の果実19に対しても、キャップ型容器16に充填された所定量の液状資材を、葉柄14bの切り口15から供給できるので、植物体11に目的の成分を効率よく供給することができ、植物体11の生理障害・病害に対する予防管理や、植物体11から得られる収穫物の収量や品質の向上を図ることが容易になる。
【0058】
また、植物体11に対して、切除する本葉14を、果実19の下側の近い位置に生えている本葉14とすることで、供給した液状資材の成分を果実19に効率的に送ることができるので、植物体11から得られる果実19の収量や品質の向上を図ることが、より容易になる。
【0059】
なお、本発明は、以上の形態例に限定されることなく、発明の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、本形態例では、本発明が適用される植物体をトマトとしているが、トマトに限られず、他の農作物を植物体として選択してもよい。
【0060】
特に、果実のなる植物であれば、液状資材を供給するために切除する本葉を、花房の下側1段目又は2段目に生えている本葉とすることができ、トマト以外では、例えば、キュウリ、メロン等でもよい。
【0061】
また、本形態例では、液状資材の供給のため、開花期においては花房の下側2段目を、果実の肥大期においては花房の下側1段目を、それぞれ切除しているが、液状資材を供給する切り口の位置が時期によって限定されるわけではなく、いずれの時期においても、花房に近い位置に生えた本葉を切除して切り口を設ければよい。
【0062】
また、本形態例では、液状資材として、塩化カルシウム水溶液やホウ酸水溶液を用いているが、液肥、農薬、土壌改良資材、その他の、植物に所定の効能を与えうる機能性成分を含有する液体であればよく、他にも、亜鉛、マンガン、鉄等の成分を含む液体を液状資材として用いてもよい。
【符号の説明】
【0063】
11…植物体、12…茎、13…花房、14…本葉、14a…葉身、14b…葉柄、15…切り口、16…キャップ型容器、17…首部、18…結束バンド、19…果実