(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039488
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】空調装置および空調椅子
(51)【国際特許分類】
A47C 7/74 20060101AFI20220303BHJP
F24F 5/00 20060101ALI20220303BHJP
F24F 11/83 20180101ALI20220303BHJP
F24F 110/10 20180101ALN20220303BHJP
【FI】
A47C7/74 D
F24F5/00 101B
F24F11/83
A47C7/74 C
F24F110:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020144545
(22)【出願日】2020-08-28
(71)【出願人】
【識別番号】000169499
【氏名又は名称】高砂熱学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平原 美博
(72)【発明者】
【氏名】木村 健太郎
【テーマコード(参考)】
3B084
3L260
【Fターム(参考)】
3B084JE02
3B084JG01
3B084JG04
3B084JG06
3L260BA18
3L260BA20
3L260FB25
(57)【要約】
【課題】井水を有効利用して空調対象空間を好適に冷却可能な技術を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、空調対象空間の温度調整のために井水を利用する空調システムに使用可能な空調装置であって、井水と熱交換する熱交換器から送水された熱媒体が通過する熱媒体経路と、熱媒体経路の一部分から伝熱可能であり、空調システムによって空気の温度調整が行われる空調対象空間を形成する内装面の一部から熱媒体の冷熱を放つ、内装面用の輻射パネルと、輻射パネルを通過する熱媒体の流量を調整可能な弁と、を備える、空調装置である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調対象空間の温度調整のために井水を利用する空調システムに使用可能な空調装置であって、
井水と熱交換する熱交換器から送水された熱媒体が通過する熱媒体経路と、
前記熱媒体経路の一部分から伝熱可能であり、前記空調システムによって空気の温度調整が行われる前記空調対象空間を形成する内装面の一部から熱媒体の冷熱を放つ、内装面用の輻射パネルと、
前記輻射パネルを通過する熱媒体の流量を調整可能な弁と、を備える、
空調装置。
【請求項2】
複数の前記輻射パネルを有し、
前記輻射パネルの大きさは所定値以下であり、
前記複数の前記輻射パネルを一組とし、前記一組の前記輻射パネルに伝熱可能な前記熱媒体経路ごとに該熱媒体経路を流れる熱媒体の流量を調整するように前記弁は制御される、
請求項1に記載の空調装置。
【請求項3】
前記空調対象空間のペリメータゾーンに配置される前記空調装置の前記熱媒体経路を熱媒体が常時通過するように前記弁は制御され、
前記空調対象空間のインテリアゾーンに配置される前記空調装置の前記熱媒体経路を通過する熱媒体の流量が前記インテリアゾーンの温度に応じて変化するように前記弁は制御される、
請求項1又は2に記載の空調装置。
【請求項4】
空調対象空間の温度調節のために井水を利用する空調システムに使用可能な空調装置であって、
井水と熱交換する熱交換器から送水され、前記空調システムにおいて空気の温熱を吸収した熱媒体が通過する熱媒体経路を備え、
前記熱媒体経路は、建物内の吹き抜け領域において所定高さ以上の場所であって、ユーザに対して所定値以上の輻射熱を伝達可能な場所に配置される、
空調装置。
【請求項5】
前記熱媒体経路は、
所定温度未満の第1熱媒体が通過する第1熱媒体経路と、
前記所定温度以上の第2熱媒体が通過する第2熱媒体経路と、を有し、
前記第1熱媒体経路を通過する第1熱媒体の流量、および前記第2熱媒体経路を通過する第2熱媒体の流量を調整可能な弁をさらに備える、
請求項4に記載の空調装置。
【請求項6】
前記熱媒体は、前記空調システムが有するファンコイルユニットであって、机の天板の裏面に後付けされたファンコイルユニットが有するコイルにおいて前記コイルの外表面近傍を通過する空気と熱交換した熱媒体を含む、
請求項4又は5に記載の空調装置。
【請求項7】
空調対象空間の温度調節のために井水を利用する空調システムに使用可能な空調椅子であって、
井水と熱交換する熱交換器から送水された熱媒体が通過する熱媒体経路と、
前記熱媒体経路を通過する熱媒体から冷熱を吸収し、前記吸収した冷熱を前記空調椅子の座面に伝達する伝達手段と、を備える、
空調椅子。
【請求項8】
前記座面は、開口を有し、
前記伝達手段は、
前記開口と通気可能な中空を有する中空部と、
前記熱媒体経路を通過する熱媒体から冷熱を吸収した空気を前記中空に向けて給気するファンと、を有する、
請求項7に記載の空調椅子。
【請求項9】
前記伝達手段は、前記座面の裏側に前記熱媒体経路から伝熱可能な部材を有する、
請求項7に記載の空調椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調装置および空調椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
井水を空調システムに利用する技術が開示されている(例えば特許文献1―2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-80252号公報
【特許文献2】特許第6444747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
空調機から空調対象空間へ給気される空気の温度調節に井水の熱を利用する場合、温度調節のために製造する熱量が低減される。よって、省エネルギー化が実現される。しかしながら、井水の温度は、冷凍機等で生成される冷水の温度よりも高いことが考えられる。よって、空調機からの給気温度が高くなる可能性がある。よって、井水を利用した空調機では空調対象空間を好適に冷却することが困難な場合があると考えられる。
【0005】
そこで、本願は、井水を有効利用して空調対象空間を好適に冷却可能な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、他の空調装置が配置される空間に井水を利用する空調装置を配置する、またはユーザに近い場所に井水を利用する空調装置を配置することにした。
【0007】
詳細には、本発明の一側面に係る空調装置は、空調対象空間の温度調整のために井水を利用する空調システムに使用可能な空調装置であって、井水と熱交換する熱交換器から送水された熱媒体が通過する熱媒体経路と、前記熱媒体経路の一部分から伝熱可能であり、前記空調システムによって空気の温度調整が行われる前記空調対象空間を形成する内装面の一部から熱媒体の冷熱を放つ、内装面用の輻射パネルと、前記輻射パネルを通過する熱媒体の流量を調整可能な弁と、を備える。
【0008】
当該構成によれば、輻射パネルから空調対象空間に冷熱を放射することができる。また、当該構成が配置される空間は空調システムに含まれる他の空調装置によって冷却される。よって、井水の温度が高く輻射パネルから空調対象空間に移動する輻射熱が小さい場合であっても空調対象空間は好適に冷却される。
【0009】
また、当該構成によれば、弁の開度を制御することで当該構成の設置場所に応じて、熱媒体の流量を調整することができる。よって、熱媒体の流量は節減される。よって、熱媒体と熱交換する井水の利用は節減される。また、熱媒体を圧送するポンプの動力を節減することができる。よって、複数の空調装置が設置されている場合であっても井水を有効利用して省エネルギー化を実現することができる。
【0010】
上記一側面に係る空調装置において、複数の前記輻射パネルを有し、前記輻射パネルの大きさは所定値以下であり、前記複数の前記輻射パネルを一組とし、前記一組の前記輻射
パネルに伝熱可能な前記熱媒体経路ごとに該熱媒体経路を流れる熱媒体の流量を調整するように前記弁は制御されてもよい。
【0011】
当該構成のように輻射パネルの大きさを所定値以下とし、複数の輻射パネルを一組とすることで、熱放射を行う領域を限定することができる。また、当該構成によれば、組ごとに熱媒体経路を流れる熱媒体の流量は調整される。よって、当該構成が設置される領域ごとに熱媒体の流量を個別に調整できる。換言すれば、熱媒体の流量は節減される。よって、熱媒体と熱交換する井水の流量も節減される。また、当該構成によれば、熱媒体を圧送するポンプの動力を節減することができる。よって、当該構成は、井水を有効利用して省エネルギー化を実現することができる。
【0012】
また、当該構成によれば、輻射パネルの大きさが所定値以下であるため、天井に容易に配置することができる。よって、設置コストが低減される。また、空調システムに含まれる他の空調装置が当該構成の近傍に設置される場合、他の空調装置へ供給される熱媒体が流れる配管と、当該構成に供給される熱媒体が流れる配管とを共用化することができる。このような点からも当該構成の設置コストは低減される。
【0013】
上記一側面に係る空調装置において、前記空調対象空間のペリメータゾーンに配置される前記空調装置の前記熱媒体経路を熱媒体が常時通過するように前記弁は制御され、前記空調対象空間のインテリアゾーンに配置される前記空調装置の前記熱媒体経路を通過する熱媒体の流量が前記インテリアゾーンの温度に応じて変化するように前記弁は制御されてもよい。
【0014】
当該構成によれば、インテリアゾーンにおいては熱媒体の流量は節減される。よって、熱媒体と熱交換する井水の流量は節減される。また、熱媒体を圧送するポンプの動力を節減することができる。よって、井水を有効利用して省エネルギー化を実現することができる。また、当該構成によれば、空調負荷の高いペリメータゾーンにおいて室温の変動を抑制することができる。よって、当該構成は、空調対象空間において異なる空調負荷領域がある場合であっても、空調対象空間の温度を一様にすることができる利便性の高い装置である。
【0015】
また、本発明の一側面に係る空調装置は、空調対象空間の温度調節のために井水を利用する空調システムに使用可能な空調装置であって、井水と熱交換する熱交換器から送水され、前記空調システムにおいて空気の温熱を吸収した熱媒体が通過する熱媒体経路を備え、前記熱媒体経路は、建物内の吹き抜け領域において所定高さ以上の場所であって、ユーザに対して所定値以上の輻射熱を伝達可能な場所に配置される。
【0016】
ここで、所定値は、ユーザが冷却効果を感じることのできる値を含む。
【0017】
当該構成によれば、温熱環境の調整が困難な場所である吹き抜け領域における所定高さ以上の場所に熱媒体経路が配置されている。そして、熱媒体経路から輻射された輻射熱のうち、所定値以上の熱量がユーザに伝達される。よって、このような場所においても温熱環境を調整することができる。また、井水の温度が高く、熱媒体経路を通過する熱媒体の温度が高い場合であっても、ユーザは冷却効果を実感できる。
【0018】
また、当該構成によれば、建物内に他の所定空調装置が設置されている場合、他の所定空調装置において冷気を生成するために利用された熱媒体と熱交換して生成された冷気でも、このような当該構成の設置場所においてはユーザが冷却効果を実感できる。よって、当該構成は、複数の空調装置が設置されている場合であっても井水を有効利用して省エネルギー化を実現することができる。
【0019】
また、上記一側面に係る空調装置において、前記熱媒体経路は、所定温度未満の第1熱媒体が通過する第1熱媒体経路と、前記所定温度以上の第2熱媒体が通過する第2熱媒体経路と、を有し、前記第1熱媒体経路を通過する第1熱媒体の流量、および前記第2熱媒体経路を通過する第2熱媒体の流量を調整可能な弁をさらに備えてもよい。
【0020】
当該構成によれば、熱媒体経路を流れる熱媒体の流量は調整される。よって、熱媒体流量は節減される。よって、熱媒体と熱交換する井水の利用は節減される。また、熱媒体を圧送するポンプの動力を節減することができる。よって、複数の空調装置が設置されている場合であっても井水を有効利用して省エネルギー化を実現することができる。また、井水の利用が節減されることで、井戸から汲み上げられる井水の汲み上げ量が制限される状況であっても、当該状況に容易に対応可能となる。
【0021】
また、当該構成によれば、熱媒体経路を通過する熱媒体を第1熱媒体と第2熱媒体との間で切り替えることができる。よって、熱媒体経路から冷熱と温熱のいずれかを放射するかを調整することができる。このような空調装置は利便性の高い装置である。
【0022】
また、上記一側面に係る空調装置において、前記熱媒体は、前記空調システムが有するファンコイルユニットであって、机の天板の裏面に後付けされたファンコイルユニットが有するコイルにおいて前記コイルの外表面近傍を通過する空気と熱交換した熱媒体を含んでもよい。
【0023】
当該構成によれば、建物内の机の天板の裏面に後付けされたファンコイルユニットのコイルにおいて冷気を生成するために利用された熱媒体を再度利用して冷気を生成している。当該構成によれば、複数の空調装置が設置されている場合であっても井水を有効利用して省エネルギー化を実現することができる。
【0024】
また、本発明の一側面に係る椅子は、空調対象空間の温度調節のために井水を利用する空調システムに使用可能な空調椅子であって、井水と熱交換する熱交換器から送水された熱媒体が通過する熱媒体経路と、前記熱媒体経路を通過する熱媒体から冷熱を吸収し、前記吸収した冷熱を前記空調椅子の座面に伝達する伝達手段と、を備える。
【0025】
当該構成によれば、熱媒体経路を流れる熱媒体から吸収した冷熱を、座面を介してユーザに伝達することができる。よって、着座するユーザに対して至近距離から冷熱を伝熱できるため、冷熱の伝達効率は向上する。よって、ユーザを所望の通り冷却することができる。また、井水の温度が高い場合であってもユーザは冷却効果を実感できる。
【0026】
また、ユーザに対して至近距離から冷熱を伝達できるため、ユーザに伝熱する冷熱の熱量を低減させることができる。よって、熱媒体の流量を節減することができる。よって、熱媒体と熱交換する井水の利用は節減される。また、熱媒体を圧送するポンプの動力を節減することができる。よって、井水を有効利用して省エネルギー化を実現することができる。また、井水の利用が節減されることで、井戸から汲み上げられる井水の汲み上げ量が制限される状況であっても、当該状況に容易に対応可能となる。
【0027】
また、上記一側面に係る椅子において、前記座面は、開口を有し、前記伝達手段は、前記開口と通気可能な中空を有する中空部と、前記熱媒体経路を通過する熱媒体から冷熱を吸収した空気を前記中空に向けて給気するファンと、を有してもよい。
【0028】
当該構成によれば、座面に着座するユーザの洋服に対して冷気が給気されることになる。よって、ユーザの肌に直接冷気が当たることは抑制される。よって、ユーザが不快感を
覚えることは抑制される。
【0029】
また、上記一側面に係る椅子において、前記伝達手段は、前記座面の裏側に前記熱媒体経路から伝熱可能な部材を有してもよい。
【0030】
当該構成によれば、座面に着座するユーザの洋服に対して部材から冷熱が伝熱される。よって、ユーザの肌に直接冷気が当たることは抑制される。よって、ユーザが不快感を覚えることは抑制される。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、井水を有効利用して空調対象空間を好適に冷却可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、実施形態に係る空調システムの構成の概要の一例を示している。
【
図2】
図2は、DCFCUの概要の一例を模式的に例示する。
【
図3】
図3は、フェースパネルに設けられる孔の形態のバリエーションの一例を示している。
【
図4】
図4は、DCFCUが後付けされた机の概要の一例を示している。
【
図5】
図5は、変形例に係るDCFCUを示している。
【
図6】
図6は、別の変形例に係るDCFCUの概要の一例を示している。
【
図7】
図7は、カウンター空調機の概要を例示している。
【
図8】
図8は、外気処理機の概要の一例を示している。
【
図9】
図9は、ダクトユニットの概要の一例を示している。
【
図10】
図10は、風速計が配置された分岐部の断面図の一例である。
【
図13】
図13は、空調ソファの変形例の概要を例示している。
【
図14】
図14は、天井パネルユニットの概要の一例を示している。
【
図16】
図16は、水熱源ヒートポンプユニットの概要を例示する。
【
図20】
図20は、DCFCUの動作のフローチャートの一例を示している。
【
図21】
図21は、DCFCUが動作している場合の給気の流れの概要の一例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の一例であり、本発明の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。
【0034】
(システムの概要)
図1は、本実施形態に係る空調システム1の構成の概要の一例を示している。また、以下では、空調システム1は、例えば複数の空調対象空間へ冷気を供給するものとする。そして、空調システム1は、空調対象空間へ冷気を供給する複数の給気手段を備える。そして、空調システム1は、
図1に示されるように、井戸の中から井水を汲み上げる井水汲み上げポンプ2を備える。各給気手段において冷気を生成する際に利用される水と熱交換させる熱媒体として汲み上げられた井水を利用する。なお、以降の説明において、このような井水を直接系統の井水という。
【0035】
また、空調システム1は、
図1に示されるように、井水汲み上げポンプ2によって汲み上げられた井水を所定期間(例えば夜間)貯水する水槽9を備える。水槽9に貯水された井水も、各給気手段において冷気を生成する際に利用される水との熱交換に利用される。なお、以降の説明において、このような井水を間接系統の井水という。
【0036】
空調システム1は、直接系統の井水を利用する複数の給気手段の一例として、外気処理機60、直流ファンコイルユニット(以降、DCFCUという)20、机30、空調ソファ90、及びカウンター空調機10を備える(
図1右上部参照)。
【0037】
外気処理機60は、外気を吸い込み、外気を潜熱処理する。そして、潜熱処理されて冷却された外気を空調対象空間へ向けて給気する。
【0038】
また、DCFCU20は、空調対象空間の天井裏に設置される。そして、空調対象空間へ向けて冷気を給気する。また、机30は、空調対象空間内に配置される。なお、机には、DCFCU20と同タイプのDCFCU20Aが後付けされる。
【0039】
空調ソファ90では、座面から冷気が吹出す、あるいは座面から冷気が放射される。また、カウンター空調機10では、配管の外表面から冷熱が放射される。
【0040】
また、空調システム1は、間接系統の井水を利用した給気手段も備える。すなわち、空調システム1は、間接系統の井水を利用する複数の給気手段の一例として、天井パネルユニット40と、DCFCU20Bと、フロアパネルユニット45と、水熱源ヒートポンプユニット50と、クールスポット装置55と、を備える(
図1右下部参照)。
【0041】
天井パネルユニット40は、空調対象空間の天井裏に設置される。天井パネルユニット40からは空調対象空間へ向けて冷熱が放射される。
【0042】
また、DCFCU20Bは、DCFCU20と同タイプのユニットである。ただし、DCFCU20Bは、天井パネルユニット40の近傍に配置される。
【0043】
また、水熱源ヒートポンプユニット50は、天井パネルユニット40が配置される場所近傍の部屋(例えば会議室など)に配置される。水熱源ヒートポンプユニット50は、部屋から空気を吸い込み、吸い込んだ空気を冷却した後、当該空気を部屋に循環させる。また、フロアパネルユニット45は、空調対象空間の床下に設置される。フロアパネルユニット45は、床に向けて冷熱を放射する。
【0044】
また、クールスポット装置55は、例えば建物の玄関から建物内部の部屋までの廊下に設けられる。クールスポット装置55には水熱源ヒートポンプユニット50から冷気が供給される。そして、クールスポット装置55は、供給された冷気を廊下に向けて吹出す。
【0045】
以降では、各給気手段の構成の詳細を例示する。
(直接系統の井水を利用する各給気手段の構成)
<DCFCU20>
図2は、DCFCU20の概要の一例を模式的に例示する。
図2(A)は、DCFCU20の概要の一例として、長手方向の断面図の一例を示している。
図2(B)は、DCFCU20の概要の一例として、短手方向の断面図の一例を示している。
図2に示されるように、DCFCU20は、空気を吸い込み、吹き出すファン201を備える。ここで、ファン201は、直流電流により羽根を駆動させる直流ファンである。また、ファン201は、空調対象空間へ向かう方向に対して側方向に空気を吹き出す。そして、ファン201
は、長手方向に2つ並べて設けられる。
【0046】
また、DCFCU20は、ファン201から見て空調対象空間側に、ファン201と所定の空間を空けてコイル203を備える。コイル203の内部には、
図2(A)に示されるように、井水と熱交換した冷水が通過することとなる。なお、DCFCU20は、電動弁215を備える。そして、電動弁215の弁の開度が制御されることでコイル203に流入する冷水の流量は調節される。
【0047】
そして、コイル203は、ファン201から吹き出される空気と熱交換し、吹き出し空気に含まれる顕熱を除去する。つまりコイル203は、ドライコイルである。よって、DCFCU20は、ドレン板を設けずに済む。また、ファン201とコイル203との間の所定の空間を上部チャンバ209とする。
【0048】
また、DCFCU20は、上部チャンバ209にバッフル板202を備える。バッフル板202は、その板面がファン201と対向するようにそれぞれのファン201の吹出し口に対して設置される。つまり、ファン201から吹き出された空気は、バッフル板202によって整流され、コイル203へ向かうことになる。
【0049】
また、DCFCU20は、コイル203から見て空調対象空間側に所定の空間を空けてフェースパネル204を備える。そして、フェースパネル204には、コイル203と熱交換し、コイル203を形成する部材の隙間を通過した冷気が空調対象空間へ向かう時に通過する孔205を備える。また、コイル203とフェースパネル204との間の所定の空間を下部チャンバ213とする。
【0050】
図3は、フェースパネル204に設けられる孔205の形態のバリエーションの一例を示している。
図3(A)は、孔205に複数の翼状の部材214が旋回するように配置され、旋回翼形状の部材214同士の間の隙間から冷気が吹出される一例を示している。
図3(B)は、フェースパネル204がパンチングメタルである一例を示している。
図3(C)は、フェースパネル204に複数の円形の孔が設けられる一例を示している。
【0051】
孔205が、
図3(A)に示されるような形態の場合、孔205から吹き出された空気は、旋回するように空調対象空間へ送られるため、空調対象空間に居る人間が感じるドラフトは抑制される。よって、空調対象空間に居る人間が感じる快適性は向上する。
【0052】
また、孔205が、
図3(B)に示されるような形態の場合、フェースパネル204の全面から一様に冷気が給気される。換言すれば気流の乱れが抑制されるため、スポット的な冷却効果が高い環境が空調対象空間において提供可能となる。また、孔205が、
図3(C)に示されるような形態の場合、多量の冷気を空調対象空間に供給可能である。
【0053】
また、
図2に示されるように、DCFCU20は、フェースパネル204をDCFCU20の本体に引っ掛ける爪206を備える。
【0054】
また、DCFCU20は、DCFCU20本体に設置され、フェースパネル204をDCFCU20の本体に対して固定するオープンキャッチ207を備える。オープンキャッチ207は、フェースパネル204をくっつけて固定する磁石を備え、また当該磁石が設けられる部分を天井側へ押し、その後当該部分から手を離すと、空調対象空間側へ当該部分が飛び出すような機構を有する。つまり、ユーザは、フェースパネル204のオープンキャッチ207が設けられている部分を空調対象空間側から天井側へ押し、その後当該部分から手を離すことにより、当該部分が天井に対して空調対象空間側へ少し開き、その開いた隙間に手を差し込んで空調対象空間側へ引くことでフェースパネル204をオープン
キャッチ207から離すことができる。
【0055】
その後、ユーザは、爪206をDCFCU20の本体から外すことにより、フェースパネル204を簡単に設置場所から外すことができる。また、DCFCU20は、天井裏とフェースパネル204とを繋ぎ、フェースパネル204が空調対象空間に落下することを防止する落下防止ワイヤ208を備える。つまり、フェースパネル204は、容易に交換可能となる。
【0056】
また、DCFCU20は、基板210を備える。基板210の実装面には、ファン201と電気的に接続し、ファン201の動作を制御する制御チップ211が実装される。また、基板210の実装面には、外部の端末と無線通信を行うことのできる無線モジュール212を備える。
【0057】
<机30>
図4は、DCFCU20Aが後付けされた机30の概要の一例を示している。
図4(A)は、机30の上面図の概要の一例を示している。
図4(B)は、机30の断面図の概要の一例を示している。
【0058】
図4に示されるように、DCFCU20Aは、机30の天板31の裏面に後付される。そして、DCFCU20Aは、ダクト302を備える。ダクト302には、ビスが貫通する孔が設けられ、机30の天板31の裏面の所定の位置に設けられた穴に当該孔を貫通したビスが係合されることによりダクト302は固定される。
【0059】
また、DCFCU20Aは、2つのファン303を備える。そして、
図4(B)に示されるように、ダクト302は、ファン303を収容する収容部304を備える。ファン303は、天板31の裏面方向に空気が吹出されるように、机30の横方向に並べて設置される。また、ファン303は、例えば直流の電流がファン303の内部に設けられるモータに印加されることにより、ファン303に設けられる羽根が回転する、いわゆる直流ファンであってもよい。
【0060】
また、DCFCU20Aは、収容部304に、ファン303が動作した場合に外部から空気を吸込む吸込み口341を備える。吸込み口341は、ファン303の下部の収容部304に設けられる。また、吸込み口341は、DCFCU20Aが机30の天板31の裏面に後付けされた場合に、机30の幕板32側に位置することになる。このように吸込み口341及びファン303を設けることで、収容部304を簡易な構造としつつ、薄型化することができる。また、ファン303が横方向に並べて設置されることで、収容部304の厚みは薄型化されつつも、吹出し空気量は増大することになる。
【0061】
また、DCFCU20Aは、コイル307を備える。コイル307は、板状であり、平面状に蛇行する流管部材371から形成される。また、コイル307の下部(
図4(B)において収容部304の底面近傍に位置する部分)を形成する流管部材371の端には、水が流入する流入口373が設けられる。また、コイル307の上部を形成する流管部材371の端には、流管部材371の内部を通過した水が流出する流出口374が設けられる。つまり、当該水とファン303から吹出された空気とが流管部材371を介して熱交換することになる。
【0062】
また、コイル307は、平面状に蛇行する流管部材371の外表面372が、ファン303が設置される方向を向くように仰向けに設けられる。つまり、コイル307は、ファン303から吹出された空気を熱交換させるために水平面に対して直立するように設置されてはいない。よって、収容部304は薄型化される。
【0063】
また、DCFCU20Aのダクト302は、ファン303から吹出され、コイル307の流管部材371同士の間の隙間を通過した空気が着座者の方向へ向かう場合に通過する矩形状の管路305を備える。ここで、収容部304と管路305とは連通している。また、管路305は、その底部が収容部304の底面に対して机30の天板31の裏面方向に段差状に設けられる。また、ダクト302は、当該段差部分に、傾斜面306を備える。
【0064】
また、DCFCU20Aは、管路305の着座者が着座する側の机30の先端の下部に吹出しフェース319を備える。そして、吹出しフェース319は、複数の小さな孔が横に並んだ給気口320を備える。管路305を通過した吹出し空気は、給気口320を介して着座者へ給気される。ここで、吹出しフェース319は、水平面に対して傾斜した状態で設置されており、給気口320から吹出される空気は、着座者の上半身へ向けて斜め上方向に進行することになる。
【0065】
また、DCFCU20Aは、基板310を備える。基板310の実装面には、ファン303と電気的に接続し、ファン303の動作を制御する制御チップ311が実装される。また、基板310の実装面には、外部の端末と無線通信を行うことのできる無線モジュール312を備える。
【0066】
また、ダクト302の各部分の寸法に関し、管路305の着座者から見た奥行き方向の長さは、例えば380mm程度である。また、管路305の厚みは、例えば20mm程度である。また、収容部304、及び収容部304と管路305とが連通する段差部分の着座者から見た奥行き方向の長さの合計は、例えば270mm程度である。また、収容部304の厚みは、例えば80mm程度である。また、吹出しフェース319に設けられる給気口320の縦方向の長さは、例えば5mm程度である。
【0067】
また、
図5は、変形例に係るDCFCU20AAを示している。
図5に示されるように、DCFCU20AAは、管路305を備えず、奥行き寸法を例えば300mm程度に小さくした装置(厚みは、DCFCU20Aと同様に例えば80mm程度)である。このようなDCFCU20AAによれば、天板31の裏面に補強材33を有する机30Aに後付けされる場合、DCFCU20AAは、補強材33を回避することが可能となる。
【0068】
また、DCFCU20AAは、収容部304Aの着座側の側面の上部に、給気口320と同じように、複数の小さな孔が横に並んだ給気口320Aを備える。つまり、コイル307Aの流管部材371A同士の間の隙間を通過した空気が、給気口320Aを介して着座者へ給気される(詳細は後述する)。また、給気口320Aから吹出される空気は、着座者の上半身へ向けて斜め上方向に進行することになる。
【0069】
また、DCFCU20AAは、収容部304Aの内部であって給気口320Aの近傍にガイド321を備える。ガイド321は、コイル307Aの流管部材371A同士の間の隙間を通過した空気を給気口320Aへ案内する。また、ガイド321は、図示しないが、収容部304Aとの連結部分に回動部を備え、机30Aの横長方向を回転軸として回動可能に設置される。つまり、DCFCU20AAは、ガイド321の向きを変更することにより、コイル307Aの流管部材371A同士の間の隙間を通過した空気が給気口320Aへ流れ込む向きや量が調節される。よって、給気口320Aから吹出される空気の向きや量も調節されることになる。また、DCFCU20AAは、収容部304Aの着座側の側面に、傾斜がつけられている傾斜面306Aを備える。
【0070】
このようなDCFCU20AAは、
図4に示されるDCFCU20Aの効果(後述する
)と同様の効果を奏することができる。加えて、補強材33を備える机30Aに対しても、補強材33を避けるように管路305の寸法を変更することなく、簡易に机30Aに設置することができる。また、このようなDCFCU20AAによれば、収容部304Aの着座側の側面には、傾斜がつけられた傾斜面306Aが設けられているため、着座者が着座した場合に着座者の体の一部がDCFCU20AAの収容部304Aへ接触することは抑制される。つまり、このようなDCFCU20AAは、着座者へ快適性を提供することができる。
【0071】
また、このようなDCFCU20AAによれば、ガイド321を回動させることにより、給気口320Aから吹出される空気の向きや量が調節される。つまり、このようなDCFCU20AAは、給気の向き、給気量、給気される空気が当たる体の部位などの着座者の要望に対して柔軟に対応可能な装置である。
【0072】
また、
図6は、別の変形例に係るDCFCU20ABの概要の一例を示している。
図6(A)は、DCFCU20ABの断面図の概要の一例を示している。
図6(B)は、DCFCU20ABの斜視図の一例を示している。
図6に示されるように、DCFCU20ABは、机30Aに後付けされる。つまり、DCFCU20ABの管路305Bの途中に補強材33が位置することとなる。このような机30Aに後付けされるDCFCU20ABの管路305Bは、当該補強材33を覆う部分が布製のたわみ継手308によって形成される。
【0073】
上記のようなDCFCU20ABによれば、
図4に示されるDCFCU20Aの効果(後述する)と同様の効果を奏することができる。加えて、管路305Bの薄型化が維持されつつも、ファン303Bの羽根が回転する場合の騒音は、当該騒音をなす空気の振動がたわみ継手に吸収される。よって、当該騒音が外部に漏れることが低減される。よって、着座者が着座した場合に、着座者がファン303Bの騒音を感じる度合いは低減される。よって、着座者が騒音を不快に感じることは抑制される。また、たわみ継手は、クッション性を有するため、着座者の体の一部が接触した場合であっても、着座者が不快に感じることは低減される。つまり、上記のようなDCFCU20ABによれば、着座者へ快適性を提供することができる。
【0074】
<カウンター空調機10>
図7は、カウンター空調機10の概要を例示している。
図7(A)はカウンター空調機10の側面図の一例である。また、
図7(B)は、カウンター空調機10の正面図の一例である。また、
図7(C)は、カウンター空調機10の部分拡大図である。
【0075】
図7(A)に示されるように、カウンター空調機10は、例えば建物内の吹き抜け部分の2階に設けられるカウンター19に配置される。なお、カウンター空調機10が設置される場所はカウンターに限定されず、吹き抜け部分の底部から所定高さの位置に配置されてもよい。カウンター空調機10は、アルミ三層管101を備える。アルミ三層管101は、
図7(A)に示されるようにカウンター19の下部であって、ユーザがカウンター19に着座した場合のユーザの足と対向する位置に配置される。
【0076】
なお、
図7(B)に示されるように、アルミ三層管101は、系統から流れてくる冷水(本発明の「第1熱媒体」の一例)が通過する冷水往管101A(本発明の「第1熱媒体経路」の一例)と、系統へ戻る冷水が通過する冷水還管101Bを備える。また、アルミ三層管101は、系統から流れてくる温水(本発明の「第2熱媒体」の一例)が通過する温水往管101C(本発明の「第2熱媒体経路」の一例)と、系統へ戻る温水が通過する温水還管101Dを備える。
【0077】
また、カウンター空調機10は、配管102(102A、102B)を有する。配管102は、アルミ三層管101と系統とを接続する配管である。配管102は途中から分岐している。そして、配管102Aから分岐された配管の夫々には、冷水往管101A、および温水往管101Cが接続される。一方、配管102Bから分岐された配管の夫々には、冷水還管101Bおよび温水還管101Dが接続される。
【0078】
また、カウンター空調機10は、手動弁104を備える。手動弁104は、配管102の分岐管の夫々に設けられる。より詳細には、手動弁104Aは冷水往管101Aに接続される配管102Aに設けられる。また、手動弁104Bは、冷水還管101Bに接続される配管102Aに設けられる。また、手動弁104Cは、温水往管101Cに接続される配管102Aに設けられる。また、手動弁104Dは、温水還管101Dに接続される配管102Bに設けられる。
【0079】
手動弁104は、その開度が制御されることで、アルミ三層管101を流れる水を冷水にするか温水にするか選択可能となる。すなわち、手動弁104A、104Bを開き、手動弁104C、104Dを閉じると、冷水往管101A、冷水還管101Bには冷水が流れる。逆に、手動弁104A、104Bを閉じ、手動弁104C、104Dを開けると、温水往管101C、温水還管101Dには温水が流れる。
【0080】
また、カウンター空調機10は、電磁弁105を備える。電磁弁105は配管102Bの途中であって、手動弁104(104B、104D)が設けられる場所よりも系統側に設けられる。電磁弁105の開度が制御されることで、配管102を通過する冷水あるいは温水の流量が調整可能となる。よって、アルミ三層管101を流れる冷水あるいは温水の流量が調整され、その結果としてアルミ三層管101の表面から放射される熱量が調整されることになる。
【0081】
また、
図7(C)に示されるように、カウンター空調機10は、継手103を備える。継手103は、アルミ三層管101同士を連結させる。また、継手103はビスによりカウンター19に固定される。
【0082】
<外気処理機60>
図8は、外気処理機60の概要の一例を示している。
図8に示されるように、外気処理機60は、吸い込まれた外気が空調対象空間へ給気される空気が通る給気路609と、系外へ排出される空調対象空間からの還気が通る排気路610と、を備える。また、外気処理機60は、デシカントロータ602を備える。デシカントロータ602は、給気路609と排気路610とに跨って設けられる。
【0083】
また、外気処理機60は、給気路609内においてデシカントロータ602の上流側に熱交換器603と、デシカントロータ602の下流側に熱交換器604を備える。熱交換器603はデシカントロータ602に入る前の外気を予冷するための熱交換器である。よって、熱交換器603のコイルの内部には冷水が通過する。また、熱交換器604は、デシカントロータ602を通過して昇温された外気を冷却するための熱交換器である。よって、熱交換器604のコイルには低温の水を流通させることが望ましい。
【0084】
また、外気処理機60は、排気路610内においてデシカントロータ602の上流側に熱交換器608を備える。熱交換器608は、デシカントロータ602に入る前の室内からの還気を加熱するための熱交換器である。よって、コイル内部には例えばバイオマスCHP(Combined Heat and Power)で発生した熱を利用した温水が通過する。
【0085】
また、外気処理機60は、給気路609の入口と排気路610の出口に跨る全熱交換器601を備える。外気は、全熱交換器601において室内からの還気と熱交換されることで冷却される。よって、熱交換器603における外気の冷却に必要なエネルギーが軽減される。また、外気処理機60は、給気路609の出口に空調対象空間へ空気を給気する給気ファン605と、排気路610の出口に空調対象空間からの還気を排出する排気ファン607とを備える。
【0086】
<ダクトユニット70>
また、空調システム1は、上記の外気処理機60の給気路609と接続されるダクトユニット70を備える。
図9は、ダクトユニット70の概要の一例を示している。ダクトユニット70は、例えば外気処理機60の給気路609と一方の端部が接続し、他方の端部が空調対象空間の吹出し口705と接続される。なお、ダクトユニット70は、外気処理機60の給気路609と接続される本体部701と、本体部701の途中で4つに分岐する分岐部706とを有する。なお、本体部701の内径は、例えば分岐部706の内径の3倍程度である。
【0087】
また、ダクトユニット70は、分岐部706の夫々に給気の流量を調整可能なダンパ702と、風速計703と、を備える。風速計703は、分岐部706を通過する給気の風量および温度を測定可能である。また、風速計703は、通信モジュールを有する。そして、風速計703は、ネットワークを介して外部装置(例えばコンピュータ、スマートフォン等)に測定されたデータを送信可能である。また、ダンパ702も通信モジュールを有する。そして、ダンパ702の角度がネットワークを介して制御されることで、分岐部706を通過する給気の風量は調整される。
【0088】
図10は、風速計703が配置された分岐部706の断面図の一例である。
図10に示されるように、風速計703は、ベーン式であり、羽根704を有する。そして、羽根704の回転中心が分岐部706の中心から外れた位置に配置される。例えば分岐部706の内径が125mm以下の場合、羽根704の回転中心が分岐部706の内壁の上部から下方に2/3D(Dは分岐部706の内径)以内の場所に配置される。また、例えば分岐部706の内径が150m以上の場合、羽根704の回転中心が分岐部706の内壁の上部から1/6D~1/2D程度下方へ離れた場所に配置される。
【0089】
比較例に係るダクトユニットでは、給気風量を調整する場合に、まず全てのダンパを全開にした時の全ての吹出し口705の風量を測定している。次に、ダンパを手動で操作しながら、全ての吹出し口705の風量を測定している。そして、給気風量が設計風量となるように上記の手順を繰り返している。なお、風量の測定は目視によって行われている。
【0090】
このような比較例に係るダクトユニットの場合、風量調節作業が手作業であるため煩雑である。また、従来の風量計では、例えば整流素子が組み込まれていることがある。よって、ダクト内の通風抵抗が大きくなり、給気を搬送する搬送動力が大きくなる。また、目視によって風量を測定しているため、作業ミスが誘発される虞がある。また、風量調整の専門業者に依頼するため、試運転調整費等が嵩むことが考えられる。
【0091】
一方、本実施形態に係るダクトユニット70の場合、分岐部706の夫々に風速計703が配置されている。また、風速計703から測定データがネットワークを介して外部装置に送信される。よって、手元のコンピュータやスマートフォンなどで分岐部706の夫々を通過する給気風量を容易に把握することができる。また、風速計703によって測定されたデータに基づき、ダンパ702を制御することで分岐部706の夫々を通過する給気風量が設計風量となるように容易に調整することができる。
【0092】
また、このような給気風量の調整は自動的に実行される。よって、作業ミスは抑制される。また、風量調整の専門業者に依頼せずに給気風量が調整可能となる。よって、試運転調整費用等を抑制することができる。
【0093】
また、上記のようなダクトユニット70によれば、風速計703の羽根704の回転中心が分岐部706の中心から外れた位置となるように風速計703が配置されている。ここで、分岐部706の中心に羽根704の回転中心が重なるように風速計703が設置される場合、風速が実際よりも過大に測定される。本実施形態によれば、このように風速が過大に測定されることは抑制される。
【0094】
また、羽根704の回転中心が分岐部706の内壁の近傍に設けられる場合、内壁との摩擦により内壁近傍を通過する給気が減速するため、風速が実際よりも過少に測定される。本実施形態によれば、このように風速が過少に測定されることは抑制される。すなわち、本実施形態によれば、給気の風速の測定精度が向上する。
【0095】
また、本実施形態の風速計703はベーン式である。よって、羽根704と外接する円部分での風速が高精度に測定される。このような点からも給気の風速の測定精度が向上するといえる。
【0096】
また、風速計703がベーン式であるため、羽根704同士の間の隙間を給気が通過することができる。よって、分岐部706内の通風抵抗は抑制される。よって、給気を搬送する搬送動力は低減される。
【0097】
<空調ソファ90>
ユーザに応じて個別空調を行う場合、吹出し口から冷気を吹出す空調機を設置することが考えられる。しかしながら、冷気がユーザの肌にあたる場合、ユーザは不快感を覚えることが考えられる。そこで、ユーザが不快感を覚えずに個別空調を行うことのできる空調装置を提供する。なお、空調ソファ90は、本発明の「空調椅子」の一例である。
【0098】
図11は、空調ソファ90の概要図を示している。空調ソファ90は、例えば多人数(大人3名程度)が同時に着座できる大きさの座面901を備える。座面901は、2つの円状部分を有する。また、空調ソファ90は、例えば座面901から温度調節された給気が吹出すタイプ(空調ソファ90A)であってもよいし、座面901から熱が放射されるタイプ(空調ソファ90C)であってもよい。
【0099】
図12は、空調ソファ90Aの概要を例示している。
図12(A)は、空調ソファ90Aの上面図の一例である。
図12(B)は、空調ソファ90Aの断面図の一例である。
【0100】
図12(B)に示されるように、空調ソファ90Aは、クッション902(902A、902B)を備える。クッション902は通気性の素材から形成される。
【0101】
また、空調ソファ90Aは、着座部903(903A、903B)を備える。着座部903は、クッション902の上部に設置される。着座部903は、例えば内部に羽毛を有する。また、着座部903の上面である座面901(901A、901B)は、上下方向に開口する複数の開口部918(918A、918B)を有する。
【0102】
また、空調ソファ90Aには、クッション902の下部に中空部分を形成する中空部904(904A、904B)が設けられる。なお、中空部904の中空部分を形成する内壁の天面はクッション902の下面となる。
【0103】
また、空調ソファ90Aは、回転用ローラ919(919A、919B)を備える。回転用ローラ919は、クッション902の下面の縁に設けられる。なお、空調ソファ90Aの中央部分の下部はフロアに固定されている。そして、回転用ローラ919が回転することでクッション902が空調ソファ90の中央下部を中心として回転する。
【0104】
また、空調ソファ90Aは、
図12(A)に示されるように一方の端部が中空部904と連通し、他方の端部に外気を吸い込む吸い込み口914(914A、914B)を有する配管905(905A、905B)を備える。配管905は、例えばグラスウールから形成される。また、配管905の外気の吸い込み口914は、空調ソファ90Aの本体の中央下部に設けられる。
【0105】
また、空調ソファ90Aは、配管905の途中に外気を吸い込んで中空部904方向に吹出すファン906(906A、906B)を備える。また、空調ソファ90Aは、配管905においてファン906の下流にガイドベーン908(908A、908B)を備える。ガイドベーン908の角度が制御されることで、中空部904への給気の風量や給気方向が調整可能となる。
【0106】
また、空調ソファ90Aは、コイル909(909A、909B)を備える。コイル909は、吸い込み口914とファン906との間に配置される。コイル909Aの内部には、直接系統の井水と熱交換した水が通過する。よって、吸い込み口914Aから吸い込まれた外気がコイル909Aの表面と熱交換することで冷気が生成される。
【0107】
一方、コイル909Bの内部には、温水が通過する。よって、吸い込み口914Bから吸い込まれた外気がコイル909Bの表面と熱交換することで暖気が生成される。よって、座面901Aの開口部918Aから冷風が供給可能であり、座面901Bの開口部918Bから温風が供給可能である。
【0108】
また、空調ソファ90Aは、コイル909と接続される往管910(910A、910B)および還管911(911A、911B)を備える。コイル909Aの一方の端部に接続される往管910Aは直接系統の井水と熱交換した冷水が通過する。そして、コイル909Aの他方の端部に接続される還管911Aは、コイル909Aを通過した熱交換後の冷水が通過する。
【0109】
一方、コイル909Bの一方の端部に接続される往管910Bは温水が通過する。そして、コイル909Bの他方の端部に接続される還管911Bは、コイル909Bを通過した熱交換後の温水が通過する。なお、空調ソファ90Aが配置されるフロアの床部分には孔が設けられている。そして、往管910および還管911は、孔を通過し、さらに床下に配設される。
【0110】
また、空調ソファ90Aは、弁912(912A、912B)を備える。弁912は、往管910の途中に設けられる。また、空調ソファ90Aは、ファン906の下流に温度センサ913(913A、913B)を備える。そして、温度センサ913は、弁912と接続される。よって、温度センサ913によって測定された配管905内部の温度情報を利用して弁912の開度が制御されることで、往管910を通過する冷水あるいは温水の流量が調整される。このようにして配管905の表面を通過する外気温度は所望の温度に調整される。
【0111】
また、
図13は、空調ソファ90Cの概要を例示している。空調ソファ90Cは、冷気または暖気の代わりに冷熱又は温熱をユーザに伝熱する。
【0112】
より詳細には、空調ソファ90Cは、座面901(901C、901D)に開口部918を有していない。また、空調ソファ90Cは、着座部903(903C、903D)下部に複数のパネルユニット915(915C、915D)を備える。複数のパネルユニット915は直列に接続される。パネルユニット915は、フロアパネルユニット45(以降で説明する)と同タイプのパネルユニットである。
【0113】
より詳細には、パネルユニット915は、金属製のパネル本体916(916C、916D)と、パネル本体916と接触するチューブ917(917C、917D)を備える。チューブ917Cの内部には、冷水が通過する。そして、所定のパネル本体916Cと接触するチューブ917Cを通過した冷水は、直列に接続された他のパネル本体916Cと接触するチューブ917Cに流入する。一方、917Dの内部には、温水が通過する。そして、所定のパネル本体916Dと接触するチューブ917Dを通過した温水は、直列に接続された他のパネル本体916Dと接触するチューブ917Dに流入する。また、冷水あるいは温水の熱は、チューブ917の表面を介してパネル本体916に伝熱される。
【0114】
また、空調ソファ90Cは、チューブ917と接続される往管910(910C、910D)および還管911(911C、911D)を備える。往管910Cには直接系統の井水と熱交換した冷水が通過する。そして、往管910Cは、直列に接続されたパネル本体916の列のうちの最初のパネル本体916Cと接触するチューブ917Cとが連結される。よって、往管910Cを通過した冷水は、最初のパネル本体916Cと接触するチューブ917Cに流入する。
【0115】
一方、還管911Cは、直列に接続されたパネル本体916Cの列のうち最後のパネル本体916Cと接触するチューブ917Cと接続される。よって、還管911Cには、直列に接続されたパネル本体916Cの列の夫々と接触するチューブ917Cを通過した熱交換後の冷水が流入する。
【0116】
一方、往管910Dには温水が通過する。そして、往管910Dは、直列に接続されたパネル本体916Dの列のうちの最初のパネル本体916Dと接触するチューブ917Dとが連結される。よって、往管910Dを通過した温水は、最初のパネル本体916Dと接触するチューブ917D流入する。
【0117】
一方、還管911Dは、直列に接続されたパネル本体916Dの列のうち最後のパネル本体916Dと接触するチューブ917Dと接続される。よって、還管911Dには、直列に接続されたパネル本体916Dの列の夫々と接触するチューブ917Dを通過した熱交換後の温水が流入する。
【0118】
また、空調ソファ90Cは、空調ソファ90Aと同様に往管910(910C、910D)の途中に弁912(912C、912D)が設けられる。また、空調ソファ90Cは、還管911(911C、911D)の途中に温度センサ913(913C、913D)が設けられる。そして、温度センサ913は、弁912と接続される。よって、温度センサ913によって測定された還管911内部の温度情報を利用して弁912の開度が制御されることで、往管910を通過する冷水あるいは温水の流量が調整される。よって、パネルユニット915のチューブ917に流入する冷水あるいは温水の温度は所望の温度に調整される。
【0119】
(間接系統の井水を利用する各給気手段の説明)
<天井パネルユニット40>
空調システム1は天井パネルユニット40を備える。
図14は、天井パネルユニット40の概要の一例を示している。天井パネルユニット40は、空調対象空間の天井裏に設け
られる。天井パネルユニット40は、平板状のコイル401と、間接系統の井水と熱交換した水が通過するメイン配管402を備える。
【0120】
また、天井パネルユニット40は、コイル401と接するパネル本体405(本発明の「輻射パネル」の一例)を備える。なお、パネル本体405の大きさは600mmx600mmである(本発明の「輻射パネルの大きさの所定値」の一例)。また、パネル本体405は、例えばアルミ製である。
【0121】
このようなパネル本体405のサイズは、市販の天井パネルの規格サイズと同様である。よって、既設の建物に設置されている市販の天井パネルをパネル本体405に容易に交換することができる。
【0122】
また、
図14に示されるようにパネル本体405は、3つ直列に並べられる(パネル本体405A、405B、405C)。そして、同様に3つ直列に並べられたパネル本体405が並列するように配置される(パネル本体405D、405E、405F)。また、天井パネルユニット40は、メイン配管402から分岐し、パネル本体405Aと接するコイル401へ水を供給する配管403を備える。また、配管403は、各コイル401を形成する流管が直列になるように一つのパネル本体405と接触するコイル401を形成する流管の終端と、他のパネル本体405と接触するコイル401を形成する流菅の先端とを連結する。
【0123】
また、メイン配管402から分岐した直後の配管403には配管403の内部を流れる水の量を調節するバルブ406が設けられる。ここで、バルブ406の弁の開度は、天井パネルユニット40が設置される空調対象空間の温度に応じて制御されてもよいし、弁が開きっぱなしとなるように制御されてもよい。また、バルブ406の弁の開度は、
図14に示されるようなパネル本体405A-406Fの6枚を1組として組ごとに制御される。
【0124】
また、天井パネルユニット40は、炭素シート404を備える。炭素シート404はコイル401を覆うように設けられる。このように炭素シート404が設けられることで、コイル401とパネル本体405との接触が促進される。よって、パネル本体405にコイル401の表面からの伝熱が促進される。また、コイル401の表面からの熱は、炭素シート404を介してもパネル本体405に伝わることになる。よって、パネル本体405には、コイル401の内部を流れる水の熱が効率的に伝わることになる。
【0125】
<DCFCU20B>
また、上述で説明したDCFCU20と同タイプのDCFCU20Bが天井パネルユニット40の近傍に配置される。よって、熱交換器42からDCFCU20Bのコイル203に水を循環させる配管と、熱交換器42から天井パネルユニット40のコイル401に水を循環させる配管とを共用化する。よって、DCFCU20Bのコイル203は、天井パネルユニット40と同様に間接系統の井水と熱交換した水が通過可能となる。
【0126】
<フロアパネルユニット45>
また、空調システム1は、フロアパネルユニット45を備える。
図15は、フロアパネルユニット45の概要を例示する。
図15(A)は、フロアパネルユニット45の概要の一例である。
図15(B)は、継手部分の部分拡大図の一例である。フロアパネルユニット45は、建物内部の床下に設けられ、床面に対して熱を伝える。
【0127】
図15に示されるように、フロアパネルユニット45は、金属製のパネル本体451を備える。パネル本体451の大きさは、例えば500mmx500mmである。また、フ
ロアパネルユニット45は、ヘッダー配管452(452A、452B)を備える。ヘッダー配管452は、パネル本体451の裏面の一辺に沿うように二つ設けられる。
【0128】
また、フロアパネルユニット45は、複数のチューブ453を備える。チューブ453は、一方のヘッダー配管452Aと他方のヘッダー配管452Bとを接続する。そして、チューブ453は、パネル本体451の裏面と接するように設けられる。また、チューブ453の夫々の長さは略同一である。
【0129】
また、フロアパネルユニット45は、間接系統の井水と熱交換した水が通過する配管454Aと、チューブ453を通過した水が循環系統へ戻る配管454Bとを備える。また、フロアパネルユニット45は、配管454(454A、454B)とヘッダー配管452(452A、452B)とを接続する継手455(455A、455B)を備える。ここで、継手455A、455Bは、パネル本体451の中央部分に位置するヘッダー配管452A、452Bの夫々の端部に設けられる。また、
図15(B)に示されるように、継手455A、455Bがパネル本体451に対して45度程度傾いた状態でフロアパネルユニット45は床下に配設される。
【0130】
また、フロアパネルユニット45は、炭素シート456を備える。炭素シート456はチューブ453を覆うように設けられる。このように炭素シート456が設けられることで、チューブ453とパネル本体451とが接することが促進される。よって、パネル本体451にチューブ453の表面からの伝熱が促進される。また、チューブ453の表面からの熱は、炭素シート456を介してもパネル本体451に伝わることになる。よって、パネル本体451には、チューブ453の内部を流れる水の熱が効率的に伝わることになる。
【0131】
<水熱源ヒートポンプユニット50>
また、空調システム1は、
図1に示されるように上記の天井パネルユニット40の下流に水熱源ヒートポンプユニット50を備える。
図16は、水熱源ヒートポンプユニット50の概要を例示する。
図16(A)は、冷房運転時の概要である。
図16(B)は、暖房運転時の概要である。水熱源ヒートポンプユニット50は、ユニット内にヒートポンプサイクルを有する。水熱源ヒートポンプユニット50は、例えばPMAC社製のヒートポンプユニットであってもよい。
【0132】
より詳細には、水熱源ヒートポンプユニット50は、
図16(A)に示されるように、水熱交換器521と、空気熱交換器522と、圧縮機523と、これらの間を熱媒体が循環する循環配管と、を備える。また、水熱源ヒートポンプユニット50は、水熱交換器521と空気熱交換器522との間の循環配管に膨張弁524を備える。水熱交換器521のコイルに流入する熱源水は、天井パネルユニット40B(後述する)において温熱を吸収した水である。そして、水熱交換器521において熱源水と熱交換した熱媒体は膨張弁524を通過することで低温低圧となる。その後、低温低圧となった熱媒体は空気熱交換器522に流入する。そして、空気熱交換器522において部屋から吸い込まれた空気と熱媒体とが熱交換することで空気を冷却する。空気熱交換器522において冷却された空気は部屋内に循環させられる。なお、水熱源ヒートポンプユニット50は、部屋内から空気を吸い込み、吸い込んだ空気を部屋に吹出すファン525を備える。また、水熱源ヒートポンプユニット50は、空気熱交換器522の手前にファン525によって吸い込まれる空気中の不純物を除去するフィルタ526を備える。
【0133】
また、空気熱交換器522において空気と熱交換した熱媒体は圧縮機523に流入する。そして、圧縮機523において圧縮させられた熱媒体は再度水熱交換器521に流入する。
【0134】
また、水熱源ヒートポンプユニット50は、空気熱交換器522と圧縮機523との間の配管、および水熱交換器521と圧縮機523との間の配管が接続される四方弁527を備える。四方弁527の開度が制御されることで、水熱交換器521、空気熱交換器522、および圧縮機523を循環する熱媒体の循環方向は変化する。すなわち、四方弁527の開度が制御されることで、
図16(A)に示される向きとは逆に、水熱交換器521から流出した熱媒体を、膨張弁524を通過させることなく圧縮機523で圧縮させることができる(
図16(B))。そして、圧縮された熱媒体を空気熱交換器522に流入させることが可能となる。よって、空気熱交換器522において部屋から吸い込まれた空気と熱媒体とが熱交換することで空気は加熱される。このように、四方弁527の開度を制御することで水熱源ヒートポンプユニット50の冷房運転(
図16(A))と暖房運転(
図16(B))との切り替えが可能となる。
【0135】
<クールスポット装置55>
また、空調システム1は、クールスポット装置55を備える。
図17は、クールスポット装置55の概要図を示している。
図17(A)は、クールスポット装置55の外観斜視図の一例である。
図17(B)は、クールスポット装置55の上面図の一例である。
図17(C)は、クールスポット装置55の下面図の一例である。
【0136】
図17に示されるように、クールスポット装置55は、本体部501を備える。本体部501の外形は、半円柱状であり、内部に空洞を有する。なお、本体部501の寸法は、例えば高さが2000mm、幅が500mm、奥行きが200mm程度である。
【0137】
また、クールスポット装置55は、扉502を備える。扉502は、
図17(B)に示されるように本体部501の正面に重ねて設けられる。扉502の右端は、本体部501とヒンジなどを介して連結される。そして、扉502は、左端が手前に引っ張られることで開かれる。このように扉502が開かれることで本体部501の内部に固定される部品のメンテナンスが可能となる。また、扉502の体裁面には、温度に応じて色が変化するインクが塗装される。インクは、例えばPILOT社製のMETAMO(登録商標)である。
【0138】
また、クールスポット装置55の本体部501および扉502には、本体部501の内部の空洞と連通する吹出し口503および吹出し口504が夫々設けられる。吹出し口503および吹出し口504は円状であり、高さ方向に沿って例えば3個設けられる。なお、吹出し口503と吹出し口504とは扉502が閉じられた状態のときに重なっている。
【0139】
また、クールスポット装置55は、本体部501の内部であって吹出し口503の位置にDC(直流)ファン505を備える。DCファン505は、設置場所のコンセント506と接続される。そして、DCファン505が有する羽根が回転することで本体部501の内部の空気は吹出し口503および吹出し口504を介して空調対象空間に給気される。
【0140】
また、クールスポット装置55は、ボタン507を備える。ボタン507は扉502の体裁面に設けられる。そして、ボタン507はDCファン505の羽根の回転を制御するスイッチ(図示しない)と接続される。なお、当該スイッチにはタイマーが設けられており、DCファン505の羽根の回転開始から所定時間が経過すると自動的に羽根を停止させる。
【0141】
また、クールスポット装置55は、上部にオーバルダクト508を備える。オーバルダ
クト508は、本体部501の内部の空洞と連通している。また、オーバルダクト508は、水熱源ヒートポンプユニット50において生成された冷気が通過する配管とも連通している。なお、オーバルダクト508の内径は例えば150mm程度である。
【0142】
また、クールスポット装置55は、風量調整ダンパ509を備える。風量調整ダンパ509は、オーバルダクト508の手前であって水熱源ヒートポンプユニット50において生成された冷気が通過する配管に設けられる。風量調整ダンパ509の弁の開度が制御されることで、オーバルダクト508を通過する冷気の風量は調整される。なお、風量調整ダンパ509は手動であるが、電動であってもよい。
【0143】
また、クールスポット装置55は、
図17(C)に示されるように下面に開口510を備える。開口510は、クールスポット装置55を固定するためのアンカが設置可能な開口である。
【0144】
(システムの全体構成)
<直接系統>
次に、上記の各給気手段から形成される空調システム1の全体構成の概要の一例を示す。空調システム1は、汲み上げ水槽3を備える。汲み上げ水槽3は、井水汲み上げポンプ2によって汲み上げられた井水を一時的に短期間貯水する。また、井水汲み上げポンプ2は、汲み上げ水槽3の水位に応じて井戸から汲み上げる井水の量を調節する。
【0145】
また、空調システム1は、井水供給ポンプ4を備える。井水供給ポンプ4は、汲み上げ水槽3に貯水された井水を送水する。ここで、井水供給ポンプ4は、設定モードに応じて井水の送水量を調節する。
【0146】
また、空調システム1は、熱交換器5(本発明の「熱交換器」の一例)を備える。熱交換器5の一次側には、井水供給ポンプ4から送水された井水の少なくとも一部が流入する。また、空調システム1は、井水供給ポンプ4から熱交換器5へ送水される井水の送水量を調整する弁6を備える。
【0147】
また、空調システム1は、空冷式のチラー110及び熱交換器22を備える。熱交換器22の一次側へ供給される冷水は、空冷式のチラー110によって生成される。
【0148】
一方、熱交換器5の二次側には、外気処理機60、DCFCU20、机30、及び空調ソファ90が配置される。そして、これらの給気手段の夫々と、熱交換器5および熱交換器22との間を冷水が循環する循環配管が設けられる。また、机30の下流にはカウンター空調機10が接続される。
【0149】
また、空調システム1は、熱交換器5の二次側に直接供給系二次ポンプ21を備える。直接供給系二次ポンプ21が動作することで、外気処理機60、DCFCU20、机30、空調ソファ90、およびカウンター空調機10を通過した水を熱交換器5の二次側へ圧送する。熱交換器5の二次側に流入した水は、直接系統の井水と熱交換されることで冷却される。
【0150】
そして、冷却された水は、さらに熱交換器22の二次側に流入する。そして、熱交換器22においてチラー110から送水された冷水と熱交換する。このような手順により外気処理機60、DCFCU20、机30、空調ソファ90、およびカウンター空調機10を通過した水は冷却される。
【0151】
また、空調システム1は、ポンプ23を備える。ポンプ23は、熱交換器22の二次側
の出口に設けられる。ポンプ23が動作することで、熱交換器22において冷却された水は、外気処理機60、DCFCU20、机30、空調ソファ90、およびカウンター空調機10に再度循環させられる。
【0152】
<間接系統>
また、空調システム1は、水槽9を備える。水槽9は、例えば空調対象空間の床下に設けられる。そして、水槽9には、井水供給ポンプ4から送水された井水の少なくとも一部が流入し、貯水される。そして、水槽9は、所定期間(例えば夜間)蓄熱するために井水を貯水する蓄熱槽11と、井水を還元井戸へ還元するために貯水する還水槽12と、を備える。
【0153】
ここで、井水供給ポンプ4から送水された井水は、蓄熱槽11へ流入することになる。そして、蓄熱槽11に貯水される井水は、周囲の大気や還水槽12から熱を吸収して蓄熱する。また、空調システム1は、当該流入量を調節するための弁8を備える。また、還水槽12へ流入する井水は、井水供給ポンプ4から熱交換器5へ送水され、熱交換器5において二次側の水と熱交換された井水を含む。ここで、空調システム1は、熱交換器5から還水槽12へ流入する井水の量を調整する弁7を備える。
【0154】
また、空調システム1は、蓄熱槽11に貯水されて蓄熱された井水を汲み上げ、送水する井水蓄熱汲み上げポンプ13を備える。また、空調システム1は、井水蓄熱汲み上げポンプ13から送水された井水が一次側に流入する熱交換器14(本発明の「熱交換器」の一例)を備える。
【0155】
また、空調システム1は、熱交換器14の一次側において熱交換器14から還水槽12へ戻る井水の量を調節する弁15を備える。また、空調システム1は、還水槽12へ戻る井水のうち、井水蓄熱汲み上げポンプ13によって汲み上げられ、蓄熱槽11から熱交換器14の一次側へ向かう井水に混合される量を調節する弁16を備える。
【0156】
また、空調システム1は、熱交換器42を備える。熱交換器42の一次側へ供給される冷水は、チラー110によって生成される。
【0157】
一方、熱交換器42の二次側には、天井パネルユニット40、フロアパネルユニット45、およびDCFCU20Bが配置される。また、天井パネルユニット40の下流には水熱源ヒートポンプユニット50が接続される。そして、これらの給気手段の夫々と、熱交換器14および熱交換器42との間を水が循環する循環配管が設けられる。
【0158】
また、空調システム1は、熱交換器14の二次側に蓄熱系二次ポンプ41を備える。蓄熱系二次ポンプ41が動作することで、天井パネルユニット40、フロアパネルユニット45、DCFCU20B、および水熱源ヒートポンプユニット50を通過した水は熱交換器14の二次側へ圧送される。また、熱交換器14の二次側に流入した水は、間接系統の井水と熱交換されることで冷却される。
【0159】
そして、冷却された水は、さらに熱交換器42の二次側に流入する。そして、熱交換器42においてチラー110から送水された冷水と熱交換する。このような手順により天井パネルユニット40、フロアパネルユニット45、DCFCU20B、および水熱源ヒートポンプユニット50を通過した水は冷却される。
【0160】
また、空調システム1は、ポンプ43を備える。ポンプ43は、熱交換器42の二次側の出口に設けられる。ポンプ43が動作することで、熱交換器42において冷却された水は、天井パネルユニット40、フロアパネルユニット45、DCFCU20B、および水
熱源ヒートポンプユニット50へ再度循環させられる。
【0161】
また、空調システム1は、井水還水ポンプ17を備える。井水還水ポンプ17は、蓄熱槽11に貯水される井水を還元井戸へ送水することにより、蓄熱槽11において井水が貯水されて蓄熱が開始される時刻までに水槽9の排水が完了するよう、水槽9の起動水位を調節する。
【0162】
(各給気手段の配置例)
図18は、上記のような各給気手段の配置図の一例を示している。
図18に示されるように、天井パネルユニット40Aは、6枚を1組として建物内部の部屋の中央部分のインテリアゾーン106の天井に設けられる。また、天井パネルユニット40Bは、窓側のペリメータゾーン107の天井に設けられる。なお、窓側のペリメータゾーン107は南向きとする。また、ペリメータゾーン107の床下には、フロアパネルユニット45が設けられる。
【0163】
また、
図18に示されるように、DCFCU20も部屋の天井に設けられる。ただし、天井パネルユニット40Aの近傍に配置されるDCFCU20Bは、前述したように天井パネルユニット40と同系統の配管を利用する。また、インテリアゾーン106には机30が設けられる。また、水熱源ヒートポンプユニット50は、部屋にある小部屋の内部に設置される。また、クールスポット装置55は、水熱源ヒートポンプユニット50が設置される部屋の傍の廊下に設置される。
【0164】
また、
図19は、上記のような各給気手段の配置図の別例を示している。
図19に示されるように、外気処理機60は、建物内部のエントランス18に設けられる。なお、
図19では図示されていないが、外気処理機60の給気経路には、
図9に示されるようなダクトユニット70が設置される。また、空調ソファ90(空調ソファ90Aまたは空調ソファ90C)は、エントランス18の床上に設けられる。また、エントランス18は吹き抜けとなっており、カウンター空調機10は、当該吹き抜けの2階部分に設けられるカウンター19に設けられる。また、水槽9は、エントランス18の床下に設置される。
【0165】
(日中動作例)
<井水供給ポンプ4>
次に、空調システム1の動作例を説明する。空調システム1は、例えば日中モードと夜間モードの2つの動作モードを備える。そして、日中モードにおいて、井戸から汲み上げられ、井水供給ポンプ4から熱交換器5の一次側へ送水される井水の送水量は、例えば、熱交換器5の二次側の出口温度A(
図1参照)が設定値(例えば17度程度)となるように調節する。
【0166】
よって、井水供給ポンプ4から熱交換器5の一次側へ送水される井水は、例えば500L/minとなる。また、送水される井水の熱交換器5の一次側入口温度は、例えば16度程度となり、井水の熱交換器5の一次側出口温度は、例えば23度程度となる。
【0167】
また、日中は、井水供給ポンプ4から熱交換器5へ供給される井水が通過する配管に設けられる弁6は開けられているものとする。また、一方で、井水供給ポンプ4から蓄熱槽11へ向かう井水が通過する配管に設けられる弁8は閉じられているものとする。
【0168】
(井水直接系統)
<直接供給系二次ポンプ21>
日中モードにおいて熱交換器5および熱交換器22の二次側に配置される直接供給系二次ポンプ21が、熱交換器5と、熱交換器5の二次側の給気手段(外気処理機60、DC
FCU20、机30、空調ソファ90、およびカウンター空調機10)との間を循環させる冷水の水量は次のように設定される。すなわち、例えば、熱交換器5の二次側入口温度が24度程度となり、熱交換器5の二次側出口温度が17度程度となるように直接供給系二次ポンプ21が動作する。
【0169】
<外気処理機60>
上記のように直接供給系二次ポンプ21が動作することで熱交換器5において冷却された二次側の水は、熱交換器22において、チラー110において生成された冷水とさらに熱交換され、冷却される。そして、冷却された二次側の水は、外気処理機60の熱交換器604(
図8参照)へ供給される。このように熱交換器604に冷却された水が流れることで、熱交換器604の表面を通過する外気から潜熱が除去される。そして、除湿冷却された外気が
図19に示される空調対象空間へ給気されることになる。
【0170】
上記のような外気処理機60においては、熱交換器604の表面を通過する外気はデシカントロータ602において除湿される際に加熱されて高温となっている。よって、熱交換器604においては外気を冷却するために必要なエネルギーが高いことが考えられる。しかしながら、本実施形態では、熱交換器604のコイル内を流れる冷水は直接系統の井水と熱交換して冷却されている。よって、井水を利用して熱交換器604における外気の冷却に要するエネルギーを低減しているといえる。また、直接系統の井水は間接系統の井水と比較して長時間貯水されておらず、蓄熱されていないため温度が低い。よって、熱交換器604のコイルには低温の水が通過していることになる。よって、熱交換器604における外気の冷却に要するエネルギーの低減度合いは大きいと考えられる。
【0171】
<DCFCU20>
また、熱交換器5および熱交換器22の二次側において冷却され、ポンプ23により圧送される水は、DCFCU20を形成するコイル203(
図2参照)へも供給される。DCFCU20においては、ファン201から吹き出された空気が、バッフル板202によって整流され、冷水が通過するコイル203へ向かう。そして、吹出し空気は、コイル203の表面を通過する際に冷却される。そして、冷気は、コイル203を形成する部材の隙間を通過し、フェースパネル204に設けられた孔205を介して
図18に示されるような空調対象空間へ給気される。
【0172】
<机30>
熱交換器5および熱交換器22の二次側において冷却され、ポンプ23により圧送される水は、机30に後付けされるDCFCU20Aを形成するコイル307へも供給される(
図4参照)。ここで、
図20は、DCFCU20Aの動作のフローチャートの一例を示している。また、
図21は、DCFCU20Aが動作している場合の給気の流れの概要の一例を示している。
【0173】
図20に示されるように、ステップS101では、無線モジュール312が、着座者が所有するスマートフォンなどの端末からDCFCU20Aの動作を要求する動作要求信号を受信する(S101)。そして、ステップS102では、無線モジュール312が動作要求信号を制御チップ311へ転送する(S102)。
【0174】
そして、ステップS103では、制御チップ311が、動作要求信号に従い、ファン303の羽根を回転させる制御信号を生成する。よって、ファン303の羽根が回転することとなる。そして、ファン303の羽根が回転することにより、着座者の脚元空間から吸込み口341を介してファン303へ空気が吸込まれる。そして、
図21に示されるように、ファン303の吹出し口309から空気は、着座者が着座する方向へ空気が吹き出される(S103)。
【0175】
ここで、コイル307の流管部材371の内部には、熱交換器5および熱交換器22の二次側において冷却された冷水が通過する。ここで、冷水は、コイル307の下部を形成する流管部材371の端に設けられる流入口373から流管部材371内へ流入する。そして、ファン303から吹出される空気と熱交換しながら、コイル307の上部を形成する流管部材371内へ流れていく。そして、冷水はコイル307の上部を形成する流管部材371の端に設けられる流出口374から流出する。つまり、コイル307の下部を形成する流管部材371内を流れる冷水の温度は低く、コイル307の上方へ向かうに連れて冷水の温度は高くなる。
【0176】
ここで、ファン303から吹出された吹出し空気の少なくとも一部は、天板31の裏面方向に当たった後、コイル307の外表面372に沿って進行する。よって、吹出し空気が一様にコイル307と熱交換し、冷却されることになる。また、吹出し空気の進行方向の空間は、外表面372によって徐々に遮られているため、吹出し空気の流れは、スムーズになる。よって、吹出し空気の圧力損失は抑制される。また、冷却された吹出し空気は、流管部材371同士の隙間を通過する。
【0177】
そして、流管部材371同士の隙間を通過した吹出し空気は、収容部304と管路305とが連通する段差部分に達する。ここで、段差部分には、傾斜面306が設けられている。よって、段差部分に達した吹出し空気は、傾斜面306に沿って無駄なく自然に管路305の内部へ進行することになる。その後、吹出し空気は、管路305を通過し、給気口320を介して
図18に示される空調対象空間に居る着座者へ給気される。ここで、DCFCU20Aは、給気口320にルーバ等の整流部材を備え、給気口320からの給気が着座者の首などの特定の部位へ集中するように調節されてもよい。
【0178】
ここで、DCFCU20Aは、着座者が所有するスマートフォンなどの端末から遠隔操作されているが、天井裏に設置されるDCFCU20Bが、DCFCU20Aと同様に、着座者が所有するスマートフォンなどの端末から遠隔操作されてもよい。
【0179】
<カウンター空調機10>
また、上記の机30(DCFCU20Aの流管部材371)を通過した水は、カウンター空調機10の配管102Aに流入する(
図7参照)。なお、机30を通過した水は21-22度程度の温度である。そして、手動弁104A、104Bが開いている場合には、配管102Aを流れる水は、冷水往管101Aおよび冷水還管101Bを通過する。よって、冷水往管101Aおよび冷水還管101Bの外表面からは冷熱が放射される。また、冷水還管101Bを流れる水の温度が約20度となるように、該水量を調整するために電磁弁105の開度が制御される。なお、冷水還管101Bを通過した水は、配管102Bを通過した後に熱交換器5の二次側に圧送される。
【0180】
一方、手動弁104A、104Bが閉じている場合には、配管102Aを流れる水は、冷水往管101Aおよび冷水還管101Bを通過しない。そして、配管102Aに温水が流れ、手動弁104C、104Dが開いている場合には、温水往管101Cおよび温水還管101Dに温水が流れる。よって、温水往管101Cおよび温水還管101Dの外表面からは温熱が放射される。このような温水は、例えばバイオマスCHP(Combined Heat and Power)で発生した熱を利用して生成される。また、温水の温度は例えば60度程度である。
【0181】
なお、手動弁104の切り替えは、例えば夏期になる手前の時期に手動弁104C、104Dを閉じ、手動弁104A、104Bを開けてもよい。逆に、例えば冬期になる手前の時期に手動弁104A、104Bを閉じ、手動弁104C、104Dを開けてもよい。
【0182】
<空調ソファ90A>
熱交換器5および熱交換器22の二次側において冷却され、ポンプ23により圧送される水は、空調ソファ90Aの往管910Aを介してコイル909Aにも供給される(
図12参照)。なお、往管910Aの途中に設けられている弁912Aの開度は開けられているものとする。また、水の温度は、例えば18度程度である。よって、コイル909Aの外表面を通過する外気は冷却される。そして、座面901Aの開口部918Aから冷風が供給される。そして、コイル909Aを通過した水は、還管911Aを通過して熱交換器5の二次側に圧送される。
【0183】
なお、往管910Aに設けられている弁912Aの開度が閉じられている場合は、コイル909Aに水は流入しない。そして、往管910Bに設けられている弁912Bの開度が開けられている場合、コイル909Bには温水が流入する。このような温水は、例えばバイオマスCHPで発生した熱を利用して生成される。よって、コイル909Bの外表面を通過する外気は加温される。そして、座面901Bの開口部918Bから温風が供給される。なお、温水の温度は例えば60度程度である。
【0184】
<空調ソファ90C>
熱交換器5および熱交換器22の二次側において冷却され、ポンプ23により圧送される水は、空調ソファ90Cの往管910Cを介してチューブ917Cにも供給される(
図13参照)。なお、往管910Cの途中に設けられている弁912Cの開度は開けられているものとする。また、水の温度は、例えば18度程度である。よって、チューブ917Cと接触するパネル本体916Cには冷熱が伝熱する。よって、パネル本体916Cと接する着座部903Cにも冷熱が伝熱する。よって、着座部903Cの座面901Cから冷熱がユーザに伝熱される。そして、チューブ917Cを通過した水は、還管911Cを通過して熱交換器5の二次側に圧送される。
【0185】
なお、往管910Cに設けられている弁912Cの開度が閉じられている場合は、チューブ917Cに水は流入しない。そして、往管910Dに設けられている弁912Dの開度が開けられている場合、チューブ917Dには温水が流入する。このような温水は、例えばバイオマスCHPで発生した熱を利用して生成される。よって、チューブ917Dと接触するパネル本体916Dには温熱が伝熱する。よって、パネル本体916Dと接する着座部903Dにも温熱が伝熱する。よって、着座部903Dの座面901Dから温熱がユーザに伝熱される。なお、温水の温度は例えば60度程度である。
【0186】
(井水間接系統)
<井水蓄熱汲み上げポンプ13>
空調システム1は、井水供給ポンプ4により直接井水を熱交換器5へ送水して利用するだけではなく、井水を水槽9に一旦貯水し、蓄熱されて温度上昇した井水も利用する。また、井水蓄熱汲み上げポンプ13が蓄熱槽11から汲み上げて熱交換器14の一次側へ送水する井水の送水量は、例えば、熱交換器14の二次側の出口温度B(
図1)が設定値(例えば19度程度)となるように調節される。また、熱交換器14の二次側の出口温度がこのような設定温度の場合、井水蓄熱汲み上げポンプ13から熱交換器14の一次側へ送水される井水は、例えば330L/minとなる。このような場合、送水される井水の熱交換器14の一次側入口温度は、例えば18度程度となり、井水の熱交換器14の一次側出口温度は、例えば21度程度となる。
【0187】
<蓄熱系二次ポンプ41>
蓄熱系二次ポンプ41が、熱交換器14と、熱交換器14の二次側の給気手段(天井パネルユニット40、フロアパネルユニット45、DCFCU20B、および水熱源ヒート
ポンプユニット50)との間を循環させる冷水の量は次のように設定される。すなわち、冷水の熱交換器14の二次側入口温度が例えば22度程度となり、熱交換器14の二次側出口温度が例えば19度程度となるように蓄熱系二次ポンプ41は動作する。
【0188】
<天井パネルユニット40>
熱交換器14および熱交換器42の二次側において冷却された水の少なくとも一部は、さらに熱交換器42において、チラー110において生成された冷水と熱交換され、冷却される。そして、熱交換器42において冷却された水は、例えば温度が19度程度の状態で天井パネルユニット40が備えるメイン配管402へ供給される(
図14参照)。
【0189】
そして、メイン配管402を流れる水は、メイン配管402から分岐した配管403を介してコイル401の内部へ流入する。よって、パネル本体405は、コイル401の表面と熱交換することにより冷却されることになる。そして、冷却されたパネル本体405から冷熱が空調対象空間(
図18参照)へ放射される。よって、コイル401を通過する水は、パネル本体405が吸収した顕熱を吸収していることになる。また、
図14に示されるように、パネル本体405Aに接するコイル401からパネル本体405B→パネル本体405C→パネル本体405D→パネル本体405E→パネル本体405Fに接するコイル401の順に水が流れる。
【0190】
ここで、
図18に示されるように、インテリアゾーン106の天井に設けられる天井パネルユニット40Aは、配管403に設けられるバルブ406の弁の開度をインターバル制御することにより、パネル本体405の温度は、例えば19度から24度の間に調節される。
【0191】
また、インテリアゾーン106には図示しないが温度センサが設けられている。そして、温度センサで測定された温度に応じてバルブ406の弁の開度が制御される。また、空調対象空間内の温度が所望の温度に近い場合には、バルブ406の弁の開度が閉じられることでコイル401への水の流入を止める。よって、パネル本体405からの冷熱の放射を抑制することができる。なお、バルブ406の弁の開度は、上述したように6枚1組の天井パネルユニット40の組ごとに制御される。
【0192】
一方で、
図18に示されるように、ペリメータゾーン107の天井に設けられる天井パネルユニット40Bは、バルブ406の弁の開度を常に開いた状態とする。このようにバルブ406の弁が制御されることで、ペリメータゾーン107の天井に設けられた天井パネルユニット40Bのコイル401には、常時水が流れることになる。
【0193】
<水熱源ヒートポンプユニット50>
上記のペリメータゾーン107の天井に配置された天井パネルユニット40Bのコイル401を通過した水の温度は、22度-23度程度となっている。よって、このような水を水熱源ヒートポンプユニット50に設けられる水熱交換器521のコイルの内部へ圧送する。なお、水熱交換器521においては天井パネルユニット40Bを通過した水と熱媒体とが熱交換する(
図16(A))。そして、当該熱媒体は、空気熱交換器522に流入する。そして、ファン525によって部屋から吸い込まれた空気と当該熱媒体が空気熱交換器522において熱交換することで空気が冷却され、その結果として
図18に示される空調対象空間へ冷気が給気される。
【0194】
<クールスポット装置55>
また、上記の水熱源ヒートポンプユニット50において生成された冷気は、
図18に示されるようにクールスポット装置55にも供給される。より詳細には、水熱源ヒートポンプユニット50において生成された冷気の風量は、例えば風量が1250m3/hである
。そして、クールスポット装置55の風量調整ダンパ509の弁の開度が所定開度に制御されることで、例えば風量が200m3/hの冷気が本体部501の内部の空洞に流入する。
【0195】
そして、ユーザによりボタン507が押下されるとDCファン505の羽根が回転することで吹出し口503および吹出し口504を介して冷気がユーザに直接供給される。また、ユーザによりボタン507が再び押下されると、DCファン505の羽根の回転が停止することで冷気の供給は停止される。なお、ユーザによりボタン507が再び押下されなくとも、所定時間経過するとタイマーによりDCファン505の羽根の回転は停止される。また、風量調整ダンパ509は夏季の間は開けられており、冬季の間は閉じられている。
【0196】
<DCFCU20B>
熱交換器14および熱交換器42の二次側において冷却された水は、例えば温度が19度程度の状態で、インテリアゾーン106の天井パネルユニット40Aの近傍に配置されるDCFCU20Bのコイル203にも流入する(
図18参照)。ここで、熱交換器42の二次側からDCFCU20Bへ供給される水は、上述したように熱交換器42の二次側から天井パネルユニット40Aに供給される水が通過する配管と同じ配管を通過する。
【0197】
そして、DCFCU20Bにおいては、ファン201から吹き出された空気が、バッフル板202によって整流され、冷水が通過するコイル203へ向かう。そして、吹出し空気は、コイル203の表面を通過する際に冷却される。そして、冷気は、コイル203を形成する部材の隙間を通過し、フェースパネル204に設けられた孔205を介して空調対象空間へ給気される
【0198】
<フロアパネルユニット45>
熱交換器14および熱交換器42において冷却された水は、例えば温度が19度程度の状態で、ペリメータゾーン107の床下に設置されたフロアパネルユニット45の配管454Aにも供給される(
図18参照)。そして、配管454Aを流れる水は、継手455Aを介してヘッダー配管452Aに流入する。ここで、継手455Aはパネル本体451の中央部分に配置されている。よって、ヘッダー配管452Aに流入した水は、各チューブ453に流入する前に所定時間ヘッダー配管452Aに滞留することになる。
【0199】
その後、ヘッダー配管452Aから流出した水は、チューブ453の内部を通過し、他方のヘッダー配管452Bへ流入する。よって、チューブ453の表面とパネル本体451の裏面とが熱交換することにより、パネル本体451は冷却される。そして、パネル本体451の表面から冷熱が放射されることになる。また、チューブ453の表面から放射される熱は、炭素シート456を介してパネル本体451に伝わる。よって、パネル本体451には、チューブ453の内部を流れる水の熱が効率的に伝わることになる。また、チューブ453を通過する水は、パネル本体451が吸収した顕熱を吸収していることになる。
【0200】
また、チューブ453の夫々から流出した水は、継手455Bがパネル本体451の中央部分に配置されているため、所定期間ヘッダー配管452Bに滞留する。そして、ヘッダー配管452Bを通過した水は、継手455Bを介して配管454Bに流入する。その後、配管454Bに流入した水は、熱交換器14の二次側へ循環させられる。
【0201】
なお、上記の例では、南向きのペリメータゾーン107に設置されたフロアパネルユニット45のチューブ453に、間接系統の井水と熱交換した水を通水する例を示した。しかしながら、時期が冬期であって北向きのペリメータゾーン107にフロアパネルユニッ
ト45が設置される場合、チューブ453に温水が通水されてもよい。このような温水は、例えばバイオマスCHPで発生した熱を利用して生成される。そして、配管454Aを介してチューブ453に通水される。このようなフロアパネルユニット45によれば、北向きのペリメータゾーン107においてコールドドラフトが発生することを抑制することができる。
【0202】
(夜間動作例)
<井水供給ポンプ4>
夜間モードにおいては、井水供給ポンプ4から熱交換器5へ供給される井水が通過する配管に設けられる弁6は閉じられる。一方で、井水供給ポンプ4から蓄熱槽11へ向かう井水が通過する配管に設けられる弁8は開けられる。そして、井水供給ポンプ4は、蓄熱槽11に井水が設定量貯水されるまで、蓄熱槽11へ向けて井水を送水する。ここで、蓄熱槽11に貯水される井水の量は、例えば、翌日の天候(気温や湿度予報等)により決定されてもよい。ここで、蓄熱槽11を含む水槽9は、
図19に示されるように空調対象空間の床下に設置されている。よって、蓄熱槽11に貯水された井水は、夜間に空調対象空間から熱を吸収することになる。つまり、
図19に示される空調対象空間は、少なくとも夜間においては蓄熱槽11に貯水される井水によって冷却されることになる。
【0203】
(作用効果)
<空調システム1全体>
上記のような空調システム1によれば、井水供給ポンプ4によって、熱交換器5の一次側へ井水が供給される。このような井水は熱交換器5の二次側へ流入する水を冷却するために利用されている。よって、上記のような空調システム1によれば、熱交換器5の二次側に配置されるDCFCU20B、机30(DCFCU20A)、カウンター空調機10、および外気処理機60が冷気を生成するために要する熱量は節減される。
【0204】
また、上記のような空調システム1によれば、水槽9に貯水された井水が熱交換器14の一次側へ供給される。このような井水は、熱交換器の二次側へ流入する水を冷却するために利用されている。よって、上記のような空調システム1によれば、熱交換器14の二次側に配置される天井パネルユニット40、DCFCU20B、フロアパネルユニット45、および水熱源ヒートポンプユニット50が冷気または冷熱を生成するために要する熱量は節減される。よって、省エネルギー化が実現される。
【0205】
また、井水汲み上げポンプ2により井戸から汲み上げられ、そのまま送水される井水の温度は、低温である。しかしながら、上述のように井水汲み上げポンプ2による井水の汲み上げ量が制限される可能性がある。よって、低温の井水の水量は限定されることが考えられる。しかしながら、上記のような空調システム1によれば、このような低温で水量に制限のある井水は、潜熱処理を行う外気処理機60に割り当てられている。また、このような直接系統の井水は、空調対象空間に個別に冷気を給気するDCFCU20、机30(DCFCU20A)、カウンター空調機10、および空調ソファ90のために割り当てられている。つまり、上記のような空調システム1によれば、井戸からの井水の汲み上げ量が規制されている場合であっても、空調対象空間から潜熱を除去して冷却することが確保される。また、個別のユーザの需要にも応ずることができる。
【0206】
また、井水の汲み上げ量が制限される場合、井水は空調対象空間で発生する温熱を所望の通り吸収しきれない可能性が考えられる。しかしながら、上記のような空調システム1によれば、夜間に水槽9に貯水された井水が、日中において熱交換器14の一次側へ供給され、熱交換器14の二次側へ流入する水を冷却するために利用されている。つまり、上記のような空調システム1によれば、井水の汲み上げ量が規制されている場合に、日中に空調対象空間から多量の温熱が発生する状況であっても、このような状況に対応し、空調
対象空間を所望の通り空調することのできるシステムである。
【0207】
ところで、熱交換器14の一次側へ供給される井水は、水槽9において温熱を蓄熱した水である。よって、温度上昇した井水が熱交換器14において二次側へ流入する水と熱交換することになる。よって、二次側へ流入した水が熱交換器14において井水と熱交換し、天井パネルユニット40、水熱源ヒートポンプユニット50、DCFCU20B、およびフロアパネルユニット45に流入する温度(19度程度)は、熱交換器5において井水と熱交換した水がDCFCU20、机30(DCFCU20A)、外気処理機60、および空調ソファ90へ流入する温度(17度程度)以上となる。
【0208】
しかしながら、天井パネルユニット40は、パネル本体405が空調対象空間から顕熱を除去するユニットである。また、フロアパネルユニット45は、パネル本体451が床から顕熱を除去するユニットである。また、DCFCU20Bは、コイル203の表面を通過する外気から顕熱を除去するユニットである。また、水熱源ヒートポンプユニット50は、21-22度程度の水を熱媒体として空気を冷却させることができる装置である。つまり、天井パネルユニット40、水熱源ヒートポンプユニット50、DCFCU20B、およびフロアパネルユニット45は、温度の高い水を利用して冷気または冷熱を生成することができる装置である。つまり、このような空調システム1は、空調装置の機能に応じて複数の空調装置を直接系統の井水を利用する場所に配置するか間接系統の井水を利用する場所に配置するかを決めている。よって、井水を無駄なく利用している。
【0209】
また、このような空調システム1は、空調対象空間に直接系統の井水を利用するDCFCU20、机30(DCFCU20A)、カウンター空調機10、外気処理機60、および空調ソファ90が配置されている。そして、蓄熱されて温度上昇した井水を天井パネルユニット40、水熱源ヒートポンプユニット50、DCFCU20Bおよびフロアパネルユニット45が利用している。このように複数の空調装置を組み合わせることで空調対象空間の空調効果を維持または増大させることができる。
【0210】
また、上記の空調システム1によれば、空調システム1の稼働が低下する夜間に水槽9に井水を貯水している。また、水槽9は、
図19に示されるように空調対象空間の床下に設置されている。よって、水槽9に貯水される井水は空調対象空間が含む熱を吸収して蓄熱することができる。よって、空調システムの稼働が低下する夜間帯においても空調対象空間の温度の上昇を抑制できる。よって、翌日の空調対象空間の空調負荷は低減される。つまり、井水を有効利用しているといえる。
【0211】
また、上記の空調システム1によれば、熱交換器5または熱交換器14において、井水と熱交換する二次側の水が所望の温度に調節されなかった場合であっても、当該水は、チラー110から供給される冷温水と熱交換されるため、所望の温度に調節することができる。よって、このような空調システム1は、熱交換器5の二次側または熱交換器14の二次側から流出し、空調システム1を形成する各給気手段へ供給される冷水の温度の変動を抑制することができる。よって、各給気手段により生成される冷気の温度の変動は抑制される。よって、空調対象空間へは、温度変動が抑制された冷気が供給されることになり、空調対象空間に居るユーザが感じる快適性は保たれる。
【0212】
また、上記の空調システム1によれば、井水供給ポンプ4が、水槽9へ送る井水の量を調節している。よって、水槽9に貯水される井水により、水槽9の周囲(例えば
図19に示される空調対象空間)の熱を吸収し、蓄熱する度合いを環境に応じて調節することができる。
【0213】
<各給気手段の作用効果>
<天井パネルユニット40>
ところで、天井パネルユニット40のみを利用して空調対象空間を温度調節する場合、天井の全面に天井パネルユニット40を設置することが考えられる。そして、天井パネルユニット40と接するコイル401に流す水を一律に調整することが考えられる。
【0214】
しかしながら、このような場合、間接系統の井水と熱交換器14において熱交換した水を搬送するポンプ43の動力は増大する。よって省エネルギー化の実現は困難となる。また、インテリアゾーン106とペリメータゾーン107とでコイル401に流れる水の流量を変化させることは困難である。また、空調対象空間の全面を覆うほどの大きさの天井パネルユニット40の場合、システム天井に組み込むことは困難である。また、部屋内のレイアウト変更があった場合に、建物の骨組を変更せずに天井パネルユニット40の設置位置を変更することは困難である。
【0215】
一方、上記のような天井パネルユニット40によれば、バルブ406の弁の開度は、6枚1組の天井パネルユニット40の組ごとに制御される。よって、間接系統の井水と熱交換器14において熱交換した水を搬送するポンプ43の動力は節減される。よって、水槽9に貯水された井水であって、当該水と熱交換器14において熱交換する井水の利用は節減される。よって、上記の空調システム1は、DCFCU20Bなどの他の空調装置においても冷気の生成に井水を利用しているが、複数の空調装置が設置されている場合であっても、井水を有効利用して省エネルギー化を実現することができる。
【0216】
また、上記のような天井パネルユニット40は、DCFCU20Bと同一空間に配置されている(
図18参照)。よって、DCFCU20Bからも冷気が空調対象空間に供給される。よって、井水の温度が高く、パネル本体405から放射される冷熱が小さい場合であっても空調対象空間は好適に冷却される。
【0217】
また、インテリアゾーン106に設けられた天井パネルユニット40Aにおいては、インテリアゾーン106の測定温度に応じてバルブ406の開度が制御されている。よって、部屋の中の小さな領域ごとにコイル401へ流入させる水の水量は節減できる。よって、コイル401に流入する水と熱交換器14において熱交換する井水の流量は節減される。また、コイル401に流入する水を圧送するポンプ43の動力を節減することができる。よって、井水を有効利用して省エネルギー化を実現することができる。また、部屋の中の小さな領域ごとに個別に空調することができるといえる。
【0218】
また、ペリメータゾーン107に設けられた天井パネルユニット40Bのコイル401に常時水が流れるようにバルブ406の開度は制御されている。よって、日中に南向きの窓際で日射を受け続けるペリメータゾーン107の室温の変動を抑制することができる。よって、上記のような天井パネルユニット40は、空調対象空間において異なる空調負荷領域がある場合であっても、空調対象空間の温度を一様にすることができる利便性の高い装置である。
【0219】
また、上記のような天井パネルユニット40によれば、パネル本体405の大きさは600mmx600mmである。そして、
図14に示されるような並び順で1組に6つ並べられている。よって、天井パネルユニット40は、システム天井に容易に組み込むことのできる大きさの天井パネルユニットである。また、部屋内のレイアウト変更があった場合であっても、建物の骨組を変更せずに天井パネルユニット40の設置位置を変更できる。よって、設置コストが節減される。
【0220】
また、上記のような天井パネルユニット40は、熱交換器42から水が循環する配管と、熱交換器42から近傍のDFCFU20Bへ水を循環させる配管とを共用化している。
このような点からも設置コストは低減される。
【0221】
<フロアパネルユニット45>
上記のようなフロアパネルユニット45によれば、日中に南向きの窓際で日射を受け続けるペリメータゾーン107の室温の変動を抑制することができる。
【0222】
また、上記のフロアパネルユニット45によれば、チューブ453の夫々の長さは略同一である。よって、チューブ453の夫々を流れる水がチューブ453の内壁から受ける摩擦力は一様となる。よって、チューブ453の夫々を流れる水の流量は略同一となる。よって、パネル本体451は一様に冷却される。よって、
図18に示されるようなペリメータゾーン107の床は一様に冷却される。
【0223】
また、上記のフロアパネルユニット45によれば、チューブ453に流入する水は、ヘッダー配管452Aに所定期間滞留する。また、チューブ453から流出した水は、ヘッダー配管452Bに所定期間滞留する。よって、ヘッダー配管452A、452Bと接するパネル本体451の冷却は促進される。
【0224】
<水熱源ヒートポンプユニット50>
また、上記のような空調システム1によれば、水熱源ヒートポンプユニット50の水熱交換器521に流入する水は、ペリメータゾーン107に設置された天井パネルユニット40Bにおいてパネル本体405の顕熱を吸収した水である。つまり、水熱源ヒートポンプユニット50では、他の装置において顕熱を吸収した水を再度使用し、冷気を生成している。よって、このような空調システムは、井水を無駄なく利用する効率的なシステムである。また、水熱源ヒートポンプユニット50は、設置されている小部屋が使用されている場合に限って個別に空調することができる。よって、空調システム1の全体として省エネルギー化が実現される。
【0225】
<クールスポット装置55>
また、上記のようなクールスポット装置55によれば、建物の玄関から入ってきたユーザがボタン507を押下することでユーザに低温の冷風を直接供給することができる。よって、ユーザを即座に冷却することができる。また、ユーザが冷却効果に満足し、ボタン507を再度押下すると冷風の供給は停止される。このようなクールスポット装置55は、ユーザの嗜好に合わせて水熱源ヒートポンプユニット50からの冷気を効率的に利用しユーザの冷却効果を高めることができる。また、個別のユーザの需要に応じつつもボタン507の押下により冷風の供給が停止されるため、省エネルギー化が実現される。
【0226】
また、上記のようなクールスポット装置55によれば、ユーザによってボタン507が再度押下されなくともタイマーによって自動的に冷気の供給は停止される。よってユーザがボタン507の押下を失念した場合であっても水熱源ヒートポンプユニット50からの冷気を無駄に使用することは抑制される。
【0227】
また、上記のようなクールスポット装置55によれば、奥行きの寸法が200mm程度と薄型化されている。よって、幅の狭い廊下の通路に設置した場合(
図18参照)であってもユーザの往来を妨げることは抑制される。
【0228】
<カウンター空調機10>
図19に示されるように、吹き抜け部分の天井に外気処理機60が設置されており、吹き抜け部分のエントランス(1階)に空調ソファ90が設置されている場合であっても、吹き抜け部分の2階は温熱環境を調整することが困難である。しかしながら、上記のような空調システム1によれば、カウンター空調機10は、建物内部の吹き抜け部分の2階に
設置されている(
図19参照)。よって、吹き抜け部分の2階においても温熱環境を調整できる。
【0229】
また、カウンター空調機10は、カウンター19の椅子に座るユーザの足元からユーザへ向けて冷熱を放射することができる。よって、熱交換器5の一次側に流入する井水の温度が高く、冷水往管101Aを通過する水の温度が高い場合であっても、ユーザは冷却効果を実感できる。なお、カウンター空調機10が設置される空間に配置されている他の空調機(例えば外気処理機60)からの給気を受けて感じる冷却効果よりも高い冷熱(本発明の「所定値以上の輻射熱」の一例)がユーザには伝達される。
【0230】
また、上記のような空調システム1によれば、カウンター空調機10に流入する水は、机30において外気の顕熱を吸収した21-22度程度の水である。このような吹き抜け部分の2階においては、このように温度の高い水により生成された冷熱であっても、ユーザは冷却効果を十分実感することができる。また、前述したようにカウンター19の椅子に座るユーザの足元からユーザへ向けて冷熱を放射することからもユーザは冷却効果を実感できる。
【0231】
また、カウンター空調機10では、他の装置において顕熱を吸収した水を再度使用し、冷気を生成している。よって、このような空調システムは、井水を無駄なく利用する効率的なシステムである。また、電磁弁105の開度を制御することで、冷水往管101A、冷水還管101Bを流れる水量は調整される。よって、熱交換器5において直接系統の井水と熱交換した水の水量は節減される。よって、熱媒体と熱交換する井水の流量も節減される。よって、カウンター空調機10は、複数の空調装置が設置されている場合であっても井水を有効利用して省エネルギー化を実現することができる。また、井水の利用が節減されることで、井戸から汲み上げられる井水の汲み上げ量が制限される状況であっても、当該状況に容易に対応可能となる。
【0232】
なお、冬期においては、温水往管101Cおよび温水還管101Dに温水を流すことでユーザに暖気を提供することもできる。よって、空調システム1は、利便性の高い空調システムである。
【0233】
<DCFCU20>
また、DCFCU20は、バッフル板202がファン201の動作音を吸収している。よって、空調対象空間に居るユーザが感じる快適性は向上する。また、ファン201から吹き出された空気は、バッフル板202の板面に当たり、板面の側方向を通過してコイル203へ向かうことになる。つまり、コイル203へ向かう空気は整流されることになるため、コイル203において一様に当該空気と熱交換される。すなわち、コイル203における熱交換の効率は向上する。
【0234】
また、上記の空調システム1を形成するDCFCU20に使用されるファン201は直流電流により動作するファンであるから省エネルギー化が実現される。また、DCFCU20に使用されるコイル203は、吹出される空気の顕熱を除去するドライコイルである。よって、コイル203の表面は乾いているため、当該表面に埃などが付着されることは抑制される。よって、DCFCU20は、コイル203よりも空調対象空間側へフィルタを備えずに済む。すなわち、DCFCU20は、フェースパネル204を開け、空調対象空間側から容易に各部品が交換可能な構造である。
【0235】
<DCFCU20B>
また、DCFCU20Bは、インテリアゾーン106の天井パネルユニット40Aの近傍に配置されている。よって、天井パネルユニット40Aのコイル401に流入する水と
DCFCU20Bのコイル203に流入する水が流れる配管を共用化することができる。よって、DCFCU20Bの設置コストは低減される。
【0236】
<空調ソファ90A、90C>
上記のような空調ソファ90Aによれば、座面901Aに着座するユーザの洋服に冷気が当たることになる。また、空調ソファ90Cによれば、座面901Cに着座するユーザの洋服に冷熱が伝熱することになる。よって、冷気がユーザの肌に直接当たることでユーザが不快感を覚えることは抑制される。
【0237】
また、上記のような空調ソファ90Aによれば、開口部918Aを介してユーザに対して至近距離から冷気が供給される。また、上記のような空調ソファ90Cによれば、パネル本体916Cから着座部903Cを介してユーザの洋服に伝熱される。よって、空調ソファ90Aあるいは空調ソファ90Cによれば、ユーザに対する冷熱の伝達効率は向上する。よって、ユーザを所望の通り冷却することができる。また、井水の温度が高い場合であっても、ユーザは冷却効果を実感できる。
【0238】
また、上記のような空調ソファ90Aおよび空調ソファ90Cによれば、ユーザに対して至近距離から冷熱を伝達できるため、ユーザに供給される冷熱の熱量は少量であってもユーザは冷却効果を実感できる。よって、当該水を圧送するポンプ34の動力を節減することができる。また、当該水と熱交換器5において熱交換する直接系統の井水利用は節減される。よって、井水を有効利用して省エネルギー化を実現することができる。また、井戸から汲み上げられる井水の汲み上げ量が制限される状況であっても、当該状況に容易に対応可能となる。
【0239】
<机30>
また、上記のような机30に後付けされるDCFCU20Aによれば、DCFCU20Aを机30に後付けした後にDCFCU20A又は机30の仕様が変更された場合であっても、DCFCU20Aと机30とを固定しているビスを外すことによってDCFCU20Aを机30から取り外すことができる。そして、仕様が変更されたDCFCU20Aを再度机30へ固定することが容易に行える。つまり、上記のようなDCFCU20Aによれば、仕様の変更に対して容易に対応可能となる。
【0240】
また、上記のようなDCFCU20Aは、ファン303及びコイル307から形成されるため、簡易な構造となる。よって、DCFCU20Aの重さは低減され、DCFCU20Aのレイアウトの変更は容易となる。また、上記のようなDCFCU20Aによれば、机30から取り外してメンテナンスを簡易に行うことができる。つまり、上記のようなDCFCU20Aによれば、取り扱いが簡易となる。
【0241】
また、上記のようなDCFCU20Aによれば、机30の天板31の裏面に後付けされるため、DCFCU20Aを収容するスペースを机30が備えている必要はなく、机30の選択の自由度は向上する。また、上記のようなDCFCU20Aによれば、机30の天板31の裏面に後付けされるため、机30に合わせてDCFCU20Aを形成する部品をカスタマイズせずに済む。よって、初期コストは抑制される。
【0242】
また、上記のようなDCFCU20Aによれば、ファン303は着座者から見て奥側に設置される。よって、着座者がファン303の動作音を感じる度合いは低減される。また、着座者から見て奥側の場所は、着座者が着座した場合に着座者の手前側の場所と比べて着座者の脚が接触しにくい場所である。よって、当該場所に設けられるファン303のサイズを大きくとった場合であっても、着座者が着座した場合に、着座者の脚がファン303を収容する収容部304の下面に当たることは抑制される。換言すれば、サイズの大き
いファン303を設置することによりファン303の出力は抑制され、ファン303の動作音は低減される。
【0243】
また、上記のようなDCFCU20Aによれば、ファン303から吹出された空気が着座者の着座側へ進行する空間は、コイル307の外表面372によって当該進行する方向に狭められていく。よって、吹出し空気は、当該空間をスムーズに流れつつも、コイル307と一様に熱交換することになる。よって、吹出し空気とコイル307とが熱交換する効率の低下が抑制され、さらに吹出し空気の圧力損失も抑制される。
【0244】
また、上記のようなDCFCU20Aによれば、コイル307の外表面372が、ファン303が設置される方向を向くように仰向けに設けられるため、コイル307の高さ方向の寸法は抑制される。よって、DCFCU20Aの収容部304の薄型化が実現される。
【0245】
また、上記のようなDCFCU20Aによれば、管路305は矩形状であるため、吹出し空気の通過面積が確保されつつも薄型化されることになる。よって、着座者へ好適に冷気が給気されつつも、着座者の脚が管路305に接触し、着座者に不快感を与えることは抑制される。また、収容部304と管路305との連通部分の段差には傾斜面306がつけられているため、コイル307の流管部材371同士の間の隙間を通過した吹出し空気が、傾斜面306に沿って着座者の着座側へ無駄なく自然に進行することになる。よって、吹出し空気が収容部304から管路305へ侵入する場合に、当該段差に当たることにより圧力損失されることは抑制される。
【0246】
また、ファン303が設置される場所から着座者の着座側への方向に対する、収容部304の断面の大きさよりも、管路305の断面の大きさの方が小さいこととなる。よって、ファン303の吹出し口309から吹出された吹出し空気は、管路305へ侵入した場合にその流速が増大する。よって、着座者の着座側の管路305の末端の給気口320から着座者へ向けて好適な勢いの空気が給気される。
【0247】
また、上記のようなDCFCU20Aを備える机30によれば、着座者の脚元空間(天板の下方空間)からファン303へ空気が吸込まれ、着座者へ温度調節された空気が吹出されている。よって、着座者の脚元空間に暖気が溜まっている場合、当該暖気を取り除くとともに着座者へ冷風を給気することができる。つまり、上記のようなDCFCU20Aを備える机30は、着座者へ快適性を提供することができる。
【0248】
<その他変形例>
上記の天井パネルユニット40に関し、ペリメータゾーン107に設置される天井パネルユニット40Bのコイル401は常時通水されなくともよい。また、逆にインテリアゾーン106に設置される天井パネルユニット40Aのコイル401は常時通水されてもよい。
【0249】
また、カウンター空調機10に関し、アルミ三層管101は冷水あるいは温水の何れか一方が通過する管から形成されてもよい。
【0250】
また、上記の実施形態において直接系統の井水を利用している空調装置が間接系統の井水を利用してもよい。また、逆に間接系統の井水を利用している空調手段が直接系統の井水を利用してもよい。
【0251】
また、上記の実施形態では井水供給ポンプ4が2つのモードにおいて動作する例を示したが、動作モードは2つに限られない。また、上記の実施形態では、日中モードにおいて
、熱交換器5における二次側の冷水の出口温度が所定の温度となるように、熱交換器5の一次側へ流入する井水の送水量が調節される例を示したが、熱交換器5の一次側へ流入する井水の送水量の調節はこのような例に限定されない。また、同様にして、井水蓄熱汲み上げポンプ13は、熱交換器14における二次側の冷水の出口温度が所定の温度となるように熱交換器14の一次側へ送水する井水の送水量を調整しているが、熱交換器14の一次側へ流入する井水の送水量の調節はこのような例に限定されない。
【0252】
また、各空調装置が配置される場所は、上記の例に限定されない。また、チラー110は設けられなくともよい。すなわち、当該チラーから冷水が供給される熱交換器22、42において各給気手段に使用される冷水との熱交換が行われなくともよい。また、水槽9が設置される場所は、空調対象空間の床下に限定されない。
【0253】
また、上記の実施形態では、各給気手段が空調対象空間へ冷気または冷熱を供給する例を主として示したが、例えば冬期において各給気手段は空調対象空間へ暖気を給気してもよい。そして、各給気手段においてこのような暖気を生成するために冷熱を吸収した熱媒体は、井水と熱交換されることで加温されてもよい。また、水槽9における井水は空調対象空間から冷熱を吸収して蓄熱してもよい。
【0254】
また、上記の実施形態では、机30に後付けされるDCFCU20Aのファン303は、吹出される空気が、天板31の裏面を向くように設置されている。そして、流管部材371の外表面372が、ファン303が設置される方向を向くように仰向けに設けられる。しかし、ファン303の吹出し口309は、天板31の裏面を向いていなくともよい。また、外表面372は、ファン303が設置される方向を向くように仰向けに設けられていなくともよい。例えば、ファン303の吹出し口309が机の天板31の側方向を向いて設けられ、コイル307の外表面372は、ファン303から見てファン303から吹出される吹出し空気の進行方向の空間を狭めていくように所定の角度をなして設けられていてもよい。
【0255】
また、上記の実施形態では、管路305の底部は、収容部304の底面に対して机30の天板31の裏面方向に段差状に設けられているが、当該段差部分は、設けられなくともよい。また、当該段差部分は設けられる場合に、段差部分に傾斜面306が設けられていなくともよい。
【0256】
また、上記の実施形態では、DCFCU20Aは、着座者が着座して使用する机30に後付けされる例を示したが、DCFCU20Aは、使用者が立った状態で使用する机に後付けされてもよい。
【0257】
以上、本発明の好ましい実施の形態の一例を説明したが、本発明は図示の形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせる事ができる。
【符号の説明】
【0258】
1・・空調システム:10・・カウンター空調機:20・・DCFCU:30、30・・机:40・・天井パネルユニット:45・・フロアパネルユニット:50・・水熱源ヒートポンプユニット:60・・外気処理機:55・・クールスポット装置:70・・ダクトユニット:90・・空調ソファ:110・・チラー:
2・・井水汲み上げポンプ:3・・汲み上げ水槽:4・・井水供給ポンプ:5・・熱交換器:6、7、8・・弁:9・・水槽:11・・蓄熱槽:12・・還水槽:13・・井水蓄
熱汲み上げポンプ:14・・熱交換器:15、16・・弁:17・・井水還水ポンプ:18・・エントランス:19・・カウンター:21・・供給系二次ポンプ:22・・熱交換器:23・・ポンプ:31・・天板:32・・幕板:33・・補強材:34・・ポンプ:41・・蓄熱系二次ポンプ:42・・熱交換器:43・・ポンプ:
101・・アルミ三層管:102・・配管:103・・継手:104・・手動弁:105・・電磁弁:
106・・インテリアゾーン:107・・ペリメータゾーン:
401・・コイル:402・・メイン配管:403・・配管:404・・炭素シート:405・・パネル本体:406・・バルブ:
451・・パネル本体:452・・ヘッダー配管:453・・チューブ:454・・配管:455・・継手:456・・炭素シート:
501・・本体部:502・・扉:503、504・・吹出し口:505・・DCファン:506・・コンセント:507・・ボタン:508・・オーバルダクト:509・・風量調整ダンパ:510・・開口:
521・・水熱交換器:522・・空気熱交換器:523・・圧縮機:524・・膨張弁:525・・ファン:526・・フィルタ:527・・四方弁:
701・・本体部:702・・ダンパ:703・・風速計:704・・羽根:705・・吹出し口:706・・分岐部:
901・・座面:902・・クッション:903・・着座部:904・・中空部:905・・配管:906・・ファン:908・・ガイドベーン:909・・コイル:910・・往管:911・・還管:912・・弁:913・・温度センサ:914・・吸い込み口:915・・パネルユニット:916・・パネル本体:917・・チューブ:918・・開口部:919・・回転用ローラ