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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039595
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】ワークの製造方法及び工作機械
(51)【国際特許分類】
   B23B 13/00 20060101AFI20220303BHJP
   G05B 19/18 20060101ALI20220303BHJP
   B23B 1/00 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
B23B13/00 Z
G05B19/18 W
B23B1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020144709
(22)【出願日】2020-08-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000137856
【氏名又は名称】シチズンマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100160716
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 力
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 敏之
(72)【発明者】
【氏名】中谷 尊一
【テーマコード(参考)】
3C045
3C269
【Fターム(参考)】
3C045AA07
3C045FC34
3C269AB02
3C269BB05
3C269CC01
3C269KK08
3C269MN09
3C269MN26
3C269QC01
3C269QD02
(57)【要約】
【課題】タクトタイムの増加を抑制しつつ残材を再利用可能なワークの製造方法及び工作機械を提供する。
【解決手段】円柱状の被加工部96を含む原材99と、被加工部96と同一径の交換材95とを接合して1つの接合材をワークWとして製造するワークWの製造方法において、接合前の各々の長さの合計の長さが、所定の長さになるように原材99及び交換材95の少なくとも一方の接合する側の端面を加工する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱状の被加工部を含む原材と、前記被加工部と同一径の交換材とを接合して1つの接合材をワークとして製造するワークの製造方法において、
前記接合前の前記各々の長さの合計の長さが、所定の長さになるように前記原材及び前記交換材の少なくとも一方の前記接合する側の端面を加工することを特徴とするワークの製造方法。
【請求項2】
前記接合が摩擦圧接接合であり、前記原材と前記交換材が前記摩擦圧接時に生じる接合部を形成するときに、前記両材の長さの合計が短くなる長さである摩擦寄り代に基づいて、前記交換材の前記接合する側の端面を加工する、ことを更に含む請求項1に記載のワークの製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の製造方法によって製造された前記接合材としての前記ワークの前記原材側の先端が突出するように貫通して配置される中空状の主軸と、
前記ワークの先端を加工して加工済ワークを形成する工具を保持する刃物台と、
前記加工済ワークが前記工具によって形成されることに応じて短くなる前記被加工部の長さに基づいて、前記ワークを交換するか否かを判定し、前記ワークを交換すると判定したときに、前記ワークの交換を指示する制御装置と、
を有することを特徴とする工作機械。
【請求項4】
前記ワークを交換すると判定されたときの前記被加工部の長さである交換長は、前記加工済ワークの長さよりも短い、請求項3に記載の工作機械。
【請求項5】
前記被加工部の先端が前記主軸から突出するように前記ワークを把持する把持部を更に有し、
前記ワークは、前記ワークの一端を保持するワーク保持部を有し、前記ワークを前記主軸の延伸方向に移動するワーク供給装置によって供給され、
前記原材の長さから、前記ワークを交換すると判定されたときの前記被加工部の長さである交換長を引いた長さは、前記ワークを加工するときに前記把持部と前記ワーク保持部とが接触しない長さである、請求項3又は4に記載の工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークの製造方法及び工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
長尺状のワークを加工する工作機械において、加工後の残材を再利用するための種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1には、主軸により保持されたワークの後端に新たなワークの先端を接合させる棒材継ぎ足し装置を設けた工作機械が記載される。特許文献1に記載される工作機械は、主軸に保持されたワークが短くなった時に、元のワークの後端と新たなワークの先端とを接合することで、元のワークと新たなワークとを1本の長いワークとして取り扱うことができる。特許文献1に記載される工作機械は、元のワークが短くなり、主軸のチャックで把持されない長さとなったときに、元のワークに接合した新たなワークをチャックで把持することにより、元のワークの加工が可能となるので、残材の再利用が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2639403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載される工作機械は、短くなった元のワークに新たなワークを接合する処理を、加工処理を中断して実行するので、タクトタイムが長くなり製造コストが増大するおそれがある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するものであり、タクトタイムの増加を抑制しつつ残材を再利用可能なワークの製造方法及び工作機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るワークの製造方法は、円柱状の被加工部を含む原材と、被加工部と同一径の交換材とを接合して1つの接合材をワークとして製造するワークの製造方法において、接合前の各々の長さの合計の長さが、所定の長さになるように原材及び交換材の少なくとも一方の接合する側の端面を加工する。
【0007】
また、本発明に係るワークの製造方法では、接合が摩擦圧接接合であり、原材と交換材が摩擦圧接時に生じる接合部を形成するときに、両材の長さの合計が短くなる長さである摩擦寄り代に基づいて、交換材の接合する側の端面を加工することが好ましい。
【0008】
また、本発明に係る工作機械は、上記の製造方法によって製造された接合材としてのワークの原材側の先端が突出するように貫通して配置される中空状の主軸と、ワークの先端を加工して加工済ワークを形成する工具を保持する刃物台と、加工済ワークが工具によって形成されることに応じて短くなる被加工部の長さに基づいて、ワークを交換するか否かを判定し、ワークを交換すると判定したときに、ワークの交換を指示する制御装置とを有することが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る工作機械では、ワークを交換すると判定されたときの被加工部の長さである交換長は、加工済ワークの長さよりも短いことが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る工作機械では、被加工部の先端が主軸から突出するようにワークを把持する把持部を更に有し、ワークは、ワークの一端を保持するワーク保持部を有し、ワークを主軸の延伸方向に移動するワーク供給装置によって供給され、原材の長さから、ワークを交換すると判定されたときの被加工部の長さである交換長を引いた長さは、ワークを加工するときに把持部とワーク保持部とが接触しない長さであることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るワークの製造方法及び工作機械は、タクトタイムの増加を抑制しつつ残材を再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る工作機械を有するワーク加工システムのブロック図である。
図2図1に示す工作機械の正面図である。
図3図1に示す工作機械の内部の斜視図である。
図4図1に示す工作機械のブロック図である。
図5】(a)は加工前のワークWの平面図であり、(b)はワークから最後の加工済ワークの形成を開始するときのワークとチャック、ガイドブッシュ及び工具との位置関係を示す平面図である。
図6図1に示す工作機械により実行される加工処理のフローチャートである。
図7図6に示すS108の処理に対応するワーク交換処理を示す図であり、(a)は第1工程を示し、(b)は第2工程を示し、(c)は第3工程を示し、(d)は第4工程を示し、(e)は第5工程を示す。
図8】実施形態に係るワークを製造する工作機械のブロック図である。
図9図8に示す工作機械により実行されるワーク製造処理のフローチャートである。
図10図9に示す処理に対応する工作機械及びバーフィーダの動作を示す図であり、(a)はS201の処理に対応し、(b)はS202の処理に対応し、(c)はS203の処理に対応し、(d)はS204の処理に対応し、(e)はS207の処理に対応し、(f)はS208の処理に対応する。
図11】第2実施形態に係る工作機械のブロック図である。
図12図11に示す工作機械により実行される加工処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、それらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0014】
(第1実施形態に係る工作機械)
図1は、実施形態に係る工作機械を有するワーク加工システムのブロック図である。
【0015】
ワーク加工システム100は、工作機械1と、ワーク供給装置とも称されるバーフィーダ101とを有し、ワークWを加工して複数の加工済ワークW4を形成する。
【0016】
ワークWは、円柱状の被加工部W1、被加工部W1の一端に配置された接合部W2、及び被加工部W1と同一径であり且つ接合部W2を介して被加工部W1に接合されたアダプタ材W3を含む長尺状の部材である。
【0017】
工作機械1は、NC(Numerically Control、数値制御)装置20と、主軸3、ガイドブッシュ7、刃物台8を有する。主軸3は把持部であるチャック5でワークWを保持する。主軸3は、軸方向に沿った中空を有し、中空を貫通したワークWの先端が突出するようにしてワークWを保持する。主軸3は、NC装置20の指示に基づいて、チャック5に把持されたワークWと共に回転する。ガイドブッシュ7は、ガイドブッシュ7の先から所定の長さだけワークWが突出した状態で、回転するワークWを安定的に保持する。刃物台8は、主軸3の孔から突出したワークWを加工する工具103を有する。刃物台8に保持された工具103は、ガイドブッシュ7の先から突出したワークWを切削して、複数の加工済ワークW4を順次形成する。なお、ここでは、工作機械1は、主軸移動型の棒材加工機であるが、実施形態に係る工作機械は、主軸台固定型の棒材加工機であってもよい。
【0018】
NC装置20は、被加工部W1の先端を加工して、複数の加工済ワークW4をワークWから順次形成することを、主軸3、ガイドブッシュ7及び刃物台8を操作する操作機構及びバーフィーダ101に指示する。また、NC装置20は、少なくとも被加工部W1の長さに基づいて、ワークWを交換するか否かを判定し、ワークWを交換すると判定したときに、ワークWを交換する動作を制御する。
【0019】
バーフィーダ101は、ワークWを保持するワーク保持部であるフィンガーチャック111と、主軸3の延伸方向であるZ方向にワークWとフィンガーチャック111を移動する押し矢112とを有する。フィンガーチャック111は、主軸3の延伸方向であるZ方向にワークWを移動可能に保持し、NC装置20からの指示に基づいて主軸3の後端からワークWを供給する。バーフィーダ101は、ワーク供給装置とも称される。
【0020】
ワーク加工システム100では、被加工部W1の長さが短くなりワーク交換信号がNC装置20から入力されることに応じて、工作機械1及びバーフィーダ101によってワークWが交換される。ワーク加工システム100では、加工部W1の長さが短くなったときに新しい、別の接合材としてのワークWに交換されるので、加工中に被加工部W1とアダプタ材W3とを接合することなく、タクトタイムの増加を抑制しつつ残材を再利用することができる。
【0021】
(第1実施形態に係る工作機械の構成及び機能)
図2は工作機械1の正面図であり、図3は工作機械1の内部の斜視図である。
【0022】
工作機械1の内部には、ベッド2A上に主軸3と、支持部2Bと、背面主軸10が設置され、主軸3の内部にはワークWを把持するチャック5が配置される。支持部2Bにはガイドブッシュ7と、刃物台操作機構9と、刃物台8とが配置される。刃物台操作機構9(XYテーブル)の移動により刃物台8が移動することで加工に応じて必要な工具が選択され、ワークWの付近に移動される。
【0023】
主軸3は、フィンガーチャック111に保持されたワークWが配置可能な孔が軸方向に沿って形成される中空状の部材である。主軸操作機構4は、主軸台40と、主軸回転装置41と、主軸移動装置42とを有する。主軸操作機構4は主軸3に配置されたワークWが加工されるときに、主軸3のワークWの把持と把持の解除を行い、主軸移動装置42が主軸台のZ軸方向の移動を行い、主軸回転装置41は主軸の回転を行う。主軸3に配置されたワークWは、主軸回転装置41によって回転され且つ主軸移動装置42によってZ方向に移動されると共に、刃物台8に保持された工具103によって切削されることで加工される。
【0024】
把持部としてのチャック5は、ワークWを加工するときに被加工部W1の先端が主軸3から突出するようにワークWを把持する。チャック操作機構6は、シリンダ61と、ピストン62と、アーム63とを有する。シリンダ61内部に充填される油圧等の流体を制御してピストン62をZ方向に移動することで、一端がピストン62に接続され且つ他端が主軸台40に回動可能に支持されたアーム63が主軸台40に支持された端部を中心に回転動作する。チャック5は、アーム63が回転動作することに応じて移動するスリーブによりZ軸方向に前後動することで開閉動作を行い、ワークWの把持とワークWの把持の解除との間で切り換えられる。
【0025】
図4は、工作機械1のブロック図である。
【0026】
NC装置20は、通信部21と、記憶部22と、入力部23と、出力部24と、処理部30とを有する。NC装置20は、制御線を介して、主軸3、チャック5及び刃物台8のそれぞれを操作する主軸操作機構4、チャック操作機構6、刃物台操作機構9を含む工作機械1の各部を制御する制御信号を送信する。通信部21は、イーサネット(登録商標)などの有線の通信インターフェース回路を有する。通信部21は、一例ではLANケーブルである通信ケーブル25を介してバーフィーダ101との間で通信を行う。
【0027】
記憶部22は、例えば、半導体記憶装置、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも一つを備える。記憶部22は、処理部30での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、記憶部22は、ワークWを加工する加工処理を処理部30に実行させるための加工プログラム等を記憶する。加工プログラムは、例えばCD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部22にインストールされてもよい。また、記憶部22は、加工処理で使用される種々のデータを記憶する。記憶部22は、例えばワークWの被加工部W1の長さLW1、及び加工済ワークW4の長さLW4を記憶する。
【0028】
入力部23はNC装置20の操作盤20Aに配置されるボタンであり、出力部24は操作盤20Aに配置される液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)である。入力部23はタッチパネル及びキーボードであってもよく、出力部24は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイであってもよい。
【0029】
処理部30は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。処理部30は、工作機械1の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。処理部30は、記憶部22に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、処理部30は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行できる。
【0030】
処理部30は、加工ワーク数演算部31と、加工指示部32と、交換判定部33と、ワーク交換信号出力部34とを有する。加工指示部32は、ワーク加工指示部35と、解除指示部36と、主軸移動指示部37と、把持指示部38とを有する。これらの各部は、処理部30が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとして処理部30に実装されてもよい。
【0031】
(実施形態に係る工作機械により加工されるワークの構成)
図5(a)は加工前のワークWの平面図であり、図5(b)はワークWから最後の加工済ワークW4の形成を開始するときのワークWとチャック5、ガイドブッシュ7及び工具103との位置関係を示す平面図である。
【0032】
ワークWは、工作機械1により加工されて複数の加工済ワークW4が形成される被加工部W1と、工作機械1により加工されないアダプタ材W3と、被加工部W1とアダプタ材W3とを接合する接合部W2とを有する円柱状の部材である。被加工部W1、接合部W2及びアダプタ材W3の径は同一である。加工済ワークW4が形成された後の被加工部W1の残部及びアダプタ材W3は、被加工部W1と長さ及び径が同一の交換材であり、新たな原材と接合されて接合材としてのワークWを製造するときに再使用される。
【0033】
一例では、ワークWの被加工部W1の長さLW1は2000mm以上3000mm以下であり、接合部W2の長さは略ゼロであり、ワークWのアダプタ材W3の長さLW3は200mm以上300mm以下である。ワークWの被加工部W1の長さLW1は、形成される加工済ワークW4の長さLW4、主軸3に挿入可能なワークWの長さ等の条件に基づいて適宜決定される。なお、N個の加工済ワークW4が形成された後の被加工部W1、すなわち残材Rの長さである交換長Lrは、加工済ワークW4の長さLW4よりも短い。
【0034】
被加工部W1は、一例としてアルミニウム合金、ステンレス鋼、チタン、銅等の金属及び合金により形成される。アダプタ材W3は、被加工部W1を形成する材料と同一の材料により形成されてもよく、被加工部W1を形成する材料と異なる材料により形成されてもよい。
【0035】
例えば、被加工部W1がアルミニウム合金により形成されるとき、アダプタ材W3は、アルミニウム合金により形成されてもよい。また、被加工部W1がステンレス鋼により形成されるとき、アダプタ材W3は、ステンレス鋼により形成されてもよく、炭素鋼により形成されてもよい。
【0036】
また、アダプタ材W3は、中実構造であってもよく、中空構造であってもよい。アダプタ材W3は、中空構造とされることで、アダプタ材W3が中実構造とされる場合よりも軽量化することができる。また、被加工部W1の残材となる部分は、アダプタ材W3と同様に中空構造であってもよい。
【0037】
ワークWのアダプタ材W3の長さLW3は、ワークWを加工するときにチャック5とフィンガーチャック111とが接触しない長さである。例えば、ワークWのアダプタ材W3の長さLW3は、ワークWから最後の加工済ワークW4の形成を開始するために主軸3が初期位置にあるときに、チャック5とフィンガーチャック111とが少なくとも接触しない長さである。
【0038】
アダプタ材W3の長さLW3は、
LW3≧(L1+L2+L3+L4)-(LW4+Lr)
で示される。ここで、L1はワークWの先端が位置する加工点とガイドブッシュ7の先端との間の距離であり、L2はガイドブッシュ7の先端とチャック5の先端との間の距離であり、L3はチャック5の先端とフィンガーチャック111の先端との間の距離である。またL4はフィンガーチャック111がアダプタ材W3を保持するときの保持代であり、LW4は加工済ワークW4の長さであり、Lrは残材Rの長さである交換長である。
【0039】
(第1実施形態に係る工作機械による加工処理)
図6は、工作機械1により実行される加工処理のフローチャートである。図6に示す加工処理は、予め記憶部22に記憶されているプログラムに基づいて、主に処理部30により工作機械1の各要素と協働して実行される。
【0040】
まず、加工ワーク数演算部31は、形成する加工済ワークW4の数Nを演算する(S101)。加工ワーク数演算部31は、記憶部22に記憶される被加工部W1の長さLW1を、加工済ワークW4の長さLW4で除算したときの商を加工済ワークW4の数Nとして演算する。
【0041】
次いで、加工指示部32は、被加工部W1の先端がガイドブッシュ7から突出する所定の加工開始位置までワークWを移動させる移動信号を通信部21からバーフィーダ101に送信する(S102)。バーフィーダ101は、移動信号が入力されることに応じて、加工開始位置までワークWを移動し、被加工部W1の先端が主軸3から突出する所定の加工開始位置までワークWが移動したことを示すワーク移動信号を出力する。次いで、加工指示部32は、バーフィーダ101から出力されたワーク移動信号を取得する(S103)。
【0042】
次いで、加工指示部32は、被加工部W1の先端を加工して、複数の加工済ワークW4をワークWから順次形成することを、主軸操作機構4、チャック操作機構6及び刃物台操作機構9に指示する(S104)。主軸操作機構4、チャック操作機構6及び刃物台操作機構9は、加工指示部32からの指示に基づいて、主軸3、チャック5及び工具103を保持する刃物台8を操作してワークWを切削して加工済ワークW4を形成する。
【0043】
次いで、交換判定部33は、加工済みワークW4を順次形成することで短くなる被加工部W1の長さに基づいて、ワークWを交換するか否かを判定する(S105)。具体的には、交換判定部33は、形成した加工済ワークW4の数nが、S101の処理で演算されたNに一致するか否かを判定する。
【0044】
交換判定部33は、S103の処理でワークWを交換しないと判定する(S105-NO)と、形成した加工済ワークW4の数nをインクリメントする(S106)。交換判定部33によってワークWを交換すると判定される(S105-YES)まで、S104~S106の処理が繰り返される。
【0045】
形成した加工済ワークW4の数nがS101の処理で演算されたNに一致すると、交換判定部33は、ワークWを交換すると判定し(S105-YES)、このワークWのみの加工で加工を終了するか否かを判定する(S107)。
【0046】
交換判定部33によって加工を終了しないと判定される(S107-NO)と、ワーク交換信号出力部34は、別の新しいワークWに交換することを示すワーク交換信号を生成し、主軸操作機構4、チャック操作機構6及びバーフィーダ101に出力する(S108)。
【0047】
図7は、S108の処理においてワーク交換信号が入力されることに応じて、主軸操作機構4、チャック操作機構6及びバーフィーダ101によって実行されるワーク交換処理を示す図である。図7(a)は第1工程を示し、図7(b)は第2工程を示し、図7(c)は第3工程を示し、図7(d)は第4工程を示し、図7(e)は第5工程を示す。
【0048】
まず、第1工程において、チャック操作機構6は、チャック5を開いて交換対象ワークW5(加工済ワークW4が形成された後の被加工部W1の残部及びアダプタ材W3で形成された交換材)の把持を解除する。次いで、第2工程において、バーフィーダ101は、交換対象ワークW5を主軸3から引き抜く。次いで、第3工程において、主軸操作機構4は、主軸3を移動して、チャック5を初期位置に移動する。次いで、第4工程において、バーフィーダ101は、加工前の接合材としての新しいワークW6を主軸3に挿入する。そして、第5工程において、チャック5を閉じて加工前のワークW6を把持する。
【0049】
加工を終了する指示を出力するボタンをオペレータが押下する等により、工作機械1に加工終了が指示され、交換判定部33によって加工を終了すると判定される(S107-NO)と、加工処理は終了する。尚、図6に示すS107において、交換判定部33によって加工を終了しないと判定される場合、処理部30は、ワーク交換信号出力部34でワーク交換信号を生成することなく、図7に示したワーク交換処理に移行し、次の新しいワークW6を主軸3に挿入して加工を開始する。
【0050】
(第1実施形態に係る工作機械の作用効果)
工作機械1は、加工部W1の長さが短くなったときにワークW自体が交換されるので、加工中に被加工部W1とアダプタ材W3とを接合することなく、タクトタイムの増加を抑制しつつ残材を再利用することができる。
【0051】
また、アダプタ材W3の長さは、ワークWの加工を開始する初期位置に主軸3が移動したときに、チャック5とフィンガーチャック111とが接触しない長さとなる。工作機械1は、残材Rの長さである交換長Lrが加工済ワークW4の長さLW4よりも短くできるまでワークWを加工できるので、ワークWから最大数の加工済ワークW4を形成することができる。
【0052】
(実施形態に係るワークを製造する工作機械)
図8は、実施形態に係るワークWを製造する工作機械のブロック図である。実施形態に係るワークWを製造する工作機械の外観およびNC装置以外の構成及び機能は、工作機械1と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0053】
工作機械13は、NC装置14をNC装置20の代わりに有することが工作機械1と相違する。NC装置14は、記憶部26及び処理部70を記憶部22及び処理部30の代わりに有することがNC装置20と相違する。記憶部26及び処理部70以外の工作機械13の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された工作機械1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0054】
記憶部26は、記憶部22と同様に記憶装置であり、ワーク製造を処理部に実行させるワーク製造プログラム及びワーク製造処理で使用される種々のデータを記憶する。
【0055】
処理部70は、処理部30と同様にプロセッサ等であり、材料配置指示部71と、ワーク切削指示部72と、摩擦加熱指示部73と、接合指示部74と、バリ除去指示部75とを有する。これらの各部は、処理部70が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとして処理部70に実装されてもよい。
【0056】
(実施形態に係るワークを製造するワーク製造処理)
図9は、工作機械13により実行されるワーク製造処理のフローチャートであり、図10図9に示す処理に対応する工作機械13及びバーフィーダ101の動作を示す図である。図9に示すワーク製造処理は、予め記憶部26に記憶されているプログラムに基づいて、主に処理部70により工作機械13の各要素と協働して実行される。図10(a)はS201の処理に対応し、図10(b)はS202の処理に対応し、図10(c)はS203の処理に対応し、図10(d)はS204の処理に対応し、図10(e)はS207の処理に対応し、図10(f)はS208の処理に対応する。
【0057】
まず、材料配置指示部71は、交換材95を背面主軸10に配置することを示す交換材配置指示信号を背面主軸10に出力する(S201)。交換材95は、加工済ワークW4の形成に使用された後に、加工前のワークW6と交換された交換対象ワークW5である。
【0058】
交換材95は、円柱状の被加工部96、被加工部96の一端に配置された接合部97、及び被加工部96と同一径であり且つ接合部97を介して被加工部96に接合されたアダプタ材98を含む部材である。被加工部96の長さは、交換長Lrである。背面主軸10は、交換材配置指示信号が入力されることに応じて、刃物台8に保持された工具103により被加工部96が加工可能なように交換材95を把持する。
【0059】
交換材95は、例えばロボットハンド等の不図示の搬入装置により移動することによって、背面主軸10に把持されてもよい。また、交換材95は、バーフィーダ101によって主軸3に挿入された後に、バーフィーダ101に保持された新しい原材99により背面主軸10側に押し出されることにより、背面主軸10に把持されてもよい。また、図6に示す加工処理から連続してワーク製造処理を実行するときは、不図示の搬入装置により移動することによって、主軸3に把持された交換対象ワークW5を交換材95として背面主軸10に把持させてもよい。
【0060】
次いで、ワーク切削指示部72は、交換材95の被加工部96の長さが所定の摩擦寄り代Lcとなるように被加工部96を切削することを示す切削指示信号を刃物台操作機構9及び背面主軸10に出力する(S202)。刃物台操作機構9及び背面主軸10は、切削指示信号が入力されることに応じて、被加工部96の長さが摩擦寄り代Lcに一致するように被加工部96を切削する。
【0061】
次いで、材料配置指示部71は、原材配置信号をチャック操作機構6、主軸3及びバーフィーダ101に出力する(S203)。バーフィーダ101は、原材配置信号が入力されることに応じて移動し、主軸3に原材99を挿入して所定の長さだけ主軸3から原材99の端面が突出した状態で止まる。チャック操作機構6によるチャック操作で、チャック5により原材99を把持する。また、背面主軸10は、主軸3側に移動し、被加工部96の端面と原材99の端面を当接させる。
【0062】
次いで、摩擦加熱指示部73は、原材99を原材99の周方向に回転する回転動作を開始することを示す摩擦加熱指示信号を主軸操作機構4及び背面主軸10に出力する。(S204)。背面主軸10は、摩擦加熱指示信号が入力されることに応じて、交換材95の端面の中心と原材99の端面の中心とが一致し且つ互いに接触するように交換材95を配置すると共に、接合部97の近傍で交換材95のアダプタ材98を把持する。背面主軸10が接合部97の近傍で交換材95を把持することで、交換材95と原材99をより高精度で摩擦圧接接合することができる。主軸操作機構4は、摩擦加熱指示信号が入力されることに応じて、原材99を主軸3と共に回転させる。なお、ここでは、原材99が回転されるが、原材99の代わりに交換材95が回転されてもよい。また、交換材95及び原材99の双方が回転してもよい。
【0063】
次いで、摩擦加熱指示部73は、互いに接触する被加工部96の端面及び原材99の端面の温度が接合部を形成することができる所定の停止温度に達したか否かを判定する(S205)。摩擦加熱指示部73は、例えば被加工部96の端面及び原材99の端面の端面温度を検出する不図示の温度センサから入力される温度が所定の停止温度に達したか否かを判定してもよい。また、摩擦加熱指示部73は、交換材95が回転を開始してから経過した経過時間が所定のしきい値時間を経過したか否かに基づいて、被加工部96と原材99との端面温度が停止温度に達したか否かを判定してもよい。
【0064】
摩擦加熱指示部73は、被加工部96と原材99との間の端面温度が停止温度に達したと判定する(S205-YES)と、回転動作を停止することを示す回転停止指示信号を主軸操作機構4に出力する(S206)。主軸操作機構4は、回転停止指示信号が入力されることに応じて、主軸3の回転を停止する。
【0065】
次いで、接合指示部74は、被加工部96の端面と原材99の端面との間に、所定の接合時間に亘ってアップセット推力を印加して、接合部を形成する接合指示信号を主軸操作機構4に出力する(S207)。主軸操作機構4は、接合指示信号が入力されることに応じて、主軸3をZ方向に移動して接合時間に亘ってアップセット推力を被加工部96の端面と原材99の端面との間に印加する。アップセット推力が被加工部96の端面と原材99の端面との間に印加されることで、被加工部96と原材99との合計の長さが摩擦寄り代Lcに対応する長さだけ短くなる。また、このときに接合部の周囲にバリBが形成される。
【0066】
次いで、バリ除去指示部75は、S205の処理により接合部の周囲に形成されたバリBを除去することを示すバリ除去指示信号を主軸操作機構4、刃物台操作機構9及び背面主軸10に出力する(S208)。背面主軸10は、バリ除去指示信号が入力されることに応じて、バリ除去用の工具が配置可能な空間を確保するために、主軸3から離隔する方向に移動する。主軸操作機構4及び刃物台操作機構9は、バリ除去指示信号が入力されることに応じて、接合部の周囲に形成されたバリBを除去するように主軸3及び刃物台8に保持されたバリ取り用の工具を操作する。
【0067】
そして、材料配置指示部71は、S206の処理で形成されたワークWを工作機械13から引き抜くことを示す引抜指示信号をチャック操作機構6、背面主軸10及びバーフィーダ101に出力する(S209)。チャック操作機構6及びバーフィーダ101は、引抜指示信号が入力されることに応じて、ワークWを工作機械13から引き抜く処理を実行する。背面主軸10及びチャック操作機構6はワークWの把持を解除し、バーフィーダ101はワークWを主軸3から引き抜く。
【0068】
(実施形態に係るワーク製造方法の作用効果)
実施形態に係るワーク製造方法は、ワークWの加工済みワークW4を形成する工作機械とは別の工作機械を用いてワークWを連続して製造するため、加工済みワークW4の加工におけるタクトタイムの増加が抑制される。
【0069】
また、工作機械13におけるワーク製造方法では、摩擦圧接接合される被加工部96の長さは、摩擦圧接接合されるときに圧縮される摩擦寄り代Lcと同一である。工作機械13におけるワーク製造方法では、摩擦圧接によって接合する際に接合寄り代の長さを考慮して交換材の端面を加工するので、加工済みワークW4を形成し終わったワークWの残りの部分を交換材として使用して新たに製造されるワークWの長さのバラつきを抑制できる。
【0070】
(第2実施形態に係る工作機械の構成及び機能)
図11は、第2実施形態に係る工作機械のブロック図である。第2実施形態に係る工作機械の外観およびNC装置以外の構成及び機能は、工作機械1と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0071】
工作機械15は、NC装置16をNC装置20の代わりに有することが工作機械1と相違する。NC装置16は、処理部80を処理部30の代わりに有することがNC装置20と相違する。処理部80以外の工作機械13の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された工作機械1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0072】
処理部80は、演算パラメータ決定部81を有することが処理部30と相違する。また、処理部80は、加工ワーク数演算部82を加工ワーク数演算部31の代わりに有することが処理部80と相違する。演算パラメータ決定部81及び加工ワーク数演算部82以外の処理部80の構成要素及び機能は、同一符号が付された処理部30の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0073】
(第2実施形態に係る工作機械による加工処理)
図12は、工作機械15により実行される加工処理のフローチャートである。図12に示す加工処理は、予め記憶部22に記憶されているプログラムに基づいて、主に処理部80により工作機械15の各要素と協働して実行される。
【0074】
まず、演算パラメータ決定部81は、摩擦寄り代Lcを取得する(S301)。摩擦寄り代Lcは、記憶部22に記憶されてもよく、オペレータにより入力部23を介して入力されてもよい。次いで、演算パラメータ決定部81は、S301の処理で取得された摩擦寄り代Lcが、加工済ワークW4の長さLW4より長いか否かを判定する(S302)。
【0075】
LcがLW4より長いと判定された(S302-YES)とき、加工ワーク数演算部82は、被加工部W1の長さLW1から摩擦寄り代Lcを減算した値を、加工済ワークW4の長さLW4で除算したときの商を加工済ワークW4の数Nとして演算する(S303)。
【0076】
LcがLW4より長くないと判定された(S302-NO)とき、加工ワーク数演算部82は、S101の処理と同様に、被加工部W1の長さLW1を、加工済ワークW4の長さLW4で除算したときの商を加工済ワークW4の数Nとして演算する(S304)。
【0077】
S305~S310の処理は、S102~S107の処理と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0078】
(第2実施形態に係る工作機械の作用効果)
工作機械15では、摩擦寄り代Lcが加工済ワークW4の長さLW4より長いときに、交換長Lrが摩擦寄り代Lcよりも長くなるように、形成される加工済ワークWの数Nを決定するので、残材Rの長さである交換長Lrが摩擦寄り代Lcよりも短くなることはない。工作機械15では、交換長Lrが摩擦寄り代Lcよりも短くなることはないので、交換対象ワークW5を交換材95として再利用してワークWを製造するときに、交換材95の被加工部96の長さが摩擦寄り代Lc以上となり、同一の長さのワークWを製造できる。
【0079】
(実施形態に係る工作機械の変形例)
説明された工作機械では、残材Rの長さである交換長Lrは加工済ワークW4の長さLW4よりも長いが、実施形態に係る工作機械では、交換長Lrは加工済ワークW4の長さLW4よりも短くてもよい。
【0080】
また、説明された工作機械では、形成した加工済ワークW4の数nに基づいてワークWの交換の要否が判定されるが、実施形態に係る工作機械では、少なくとも被加工部W1の長さに基づいてワークWの交換の要否が判定されればよい。例えば、実施形態に係る工作機械では、フィンガーチャック111の位置を検出することで被加工部W1の残材の長さを推定して、推定された被加工部W1の長さに基づいてワークWの交換の要否が判定されてもよい。
【0081】
また、説明された工作機械では、長さがLW4で同一である加工済ワークW4が単一のワークから形成されるが、実施形態に係る工作機械では、長さが相違する加工済ワークが単一のワークから形成されてもよい。長さが相違する加工済ワークが単一のワークから形成されるとき、フィンガーチャック111の位置を検出することで被加工部W1の残材の長さを推定して、推定された被加工部W1の長さに基づいて、ワークWの交換の要否が判定される。
【0082】
また、説明された工作機械では、使用されるワークWは、摩擦圧接接合することにより形成されるが、実施形態に係る工作機械では、被加工部W1とアダプタ材W3とは、アーク溶接、ガス溶接及びレーザ溶接等の摩擦圧接接合以外の溶接接合で接合されてもよい。また、実施形態に係る工作機械では、被加工部W1とアダプタ材W3とは、凹部及び凸部をそれぞれの対向面に形成して嵌合することにより接合されてもよく、凹部及び凸部をそれぞれの対向面に形成して螺合することにより接合されてもよい。さらに被加工部W1とアダプタ材W3とは、接着材等で接合されてもよい。
【0083】
また、説明された工作機械の製造方法では、被加工部96は、長さが摩擦寄り代Lcになるように切削されるが、実施形態に係る工作機械の製造方法では、被加工部96は、一定の長さとなるように切削されればよい。また、実施形態に係る工作機械の製造方法では、被加工部96は、相違してもよい。
【符号の説明】
【0084】
1、13、15 工作機械
2A ベッド
2B 支持部
3 主軸
100 ワーク加工システム
101 バーフィーダ
103 工具
W ワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12