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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039600
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】チャイルドシート用カバー
(51)【国際特許分類】
   B62J 1/00 20060101AFI20220303BHJP
   B62J 17/08 20200101ALI20220303BHJP
【FI】
B62J1/00 Z
B62J17/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020144715
(22)【出願日】2020-08-28
(71)【出願人】
【識別番号】000112978
【氏名又は名称】ブリヂストンサイクル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124121
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 由美子
(74)【代理人】
【識別番号】100176566
【弁理士】
【氏名又は名称】渡耒 巧
(74)【代理人】
【識別番号】100180253
【弁理士】
【氏名又は名称】大田黒 隆
(72)【発明者】
【氏名】杉本 浩一朗
(57)【要約】
【課題】季節や天候に応じて使用態様を適宜変更でき、かつ、子供をチャイルドシートに乗せ降ろしし易いチャイルドシート用カバーを提供する。
【解決手段】チャイルドシートの背面と上面と側面とを覆う本体部10と、チャイルドシートの前面を覆う前面カバー20と、を備えたチャイルドシート用カバー100において、前面カバー20の下部に着脱可能な足カバー30を有する。前面カバー20が正面部21と側面部22とを有し、足カバー30が、正面部21の下部および側面部22の下部に着脱可能であることが好ましい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャイルドシートの背面と上面と側面とを覆う本体部と、チャイルドシートの前面を覆う前面カバーと、を備えたチャイルドシート用カバーにおいて、
前記前面カバーの下部に着脱可能な足カバーを有することを特徴とするチャイルドシート用カバー。
【請求項2】
前記前面カバーが正面部と側面部とを有し、
前記足カバーが、前記正面部の下部および前記側面部の下部に着脱可能である請求項1記載のチャイルドシート用カバー。
【請求項3】
前記足カバーが、前記本体部と連結していない請求項1または2記載のチャイルドシート用カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャイルドシート用カバーに関し、詳しくは、季節や天候に応じて使用態様を適宜変更でき、かつ、子供をチャイルドシートに乗せ降ろしし易いチャイルドシート用カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、自転車の前部または後部に設置することのできるチャイルドシートが普及しており、また、チャイルドシートに着座する幼児を風雨から保護するチャイルドシート用カバーも知られている。例えば、特許文献1では、背面・上面カバーがカバー保形部材によって形状保持されているチャイルドシート用カバーが提案されている。このチャイルドシート用カバーでは、チャイルドシートへの子供の乗せ降ろしは、少なくともカバーの裾部から上面頂部に至る縦方向にファスナーにより、側面カバーを側面から前面にかけて開くことによって行われる。
【0003】
また、特許文献2では、可撓性および弾力性を有するリング状の張り枠を有する前面カバーを備えた、チャイルドシート用カバーが開示されている。このチャイルドシート用カバーでは、張り枠の一部を弾性力に抗して前面カバーを開けることで、チャイルドシートに子供の乗せ降ろしを行う構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3196748号公報
【特許文献2】特開2014-024517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1で提案されているチャイルドシート用カバーでは、側面カバーが、上方・背面カバーから外されると形状が崩れて垂れ下がってしまい、子供をチャイルドシートに乗せ降ろしし難いという問題を有している。また、特許文献2で提案されているチャイルドシート用カバーは、開口部が小さく、かつ、開口部が上方向であるため、子供をチャイルドシートに乗せ降ろしする際は、子供を高くまで持ち上げる必要があり、やはり、子供を乗せ降ろしし難いという問題を有している。また、チャイルドシート用カバーを通年で使用する場合、季節や天候に応じて、使用態様を適宜選択できることが好ましい。
【0006】
そこで、本発明の目的は、季節や天候に応じて使用態様を適宜変更でき、かつ、子供をチャイルドシートに乗せ降ろしし易いチャイルドシート用カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、チャイルドシート用カバーの前面カバーの構造、および前面カバーの開閉方向に着目して鋭意検討した結果、下記構成とすることで、上記課題を解消することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明のチャイルドシート用カバーは、チャイルドシートの背面と上面と側面とを覆う本体部と、チャイルドシートの前面を覆う前面カバーと、を備えたチャイルドシート用カバーにおいて、
前記前面カバーの下部に着脱可能な足カバーを有することを特徴とするものである。
【0009】
本発明のチャイルドシート用カバーは、前記前面カバーが正面部と側面部とを有し、前記足カバーが、前記正面部の下部および前記側面部の下部に着脱可能であることが好ましい。また、本発明のチャイルドシート用カバーは、前記足カバーが前記本体部と連結していないことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、季節や天候に応じて使用態様を適宜変更でき、かつ、子供をチャイルドシートに乗せ降ろしし易いチャイルドシート用カバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一好適な実施の形態に係るチャイルドシート用カバーを装着したチャイルドシートの概略斜視図である。
図2】本発明の一好適な実施の形態に係るチャイルドシート用カバーの概略分解図であり、(a)は本体部、(b)は前面カバー、(c)は足カバーである。
図3】本発明の一好適な実施の形態に係るチャイルドシート用カバーの概略正面図である。
図4】本発明の一好適な実施の形態に係るチャイルドシート用カバーの概略側面図である。
図5】本発明の一好適な実施の形態に係るチャイルドシート用カバーの概略背面図である。
図6】本発明の一好適な実施の形態に係るチャイルドシート用カバーをチャイルドシートに装着させた状態で、前面カバーを開けた状態の概略斜視図である。
図7】本発明の一好適な実施の形態に係るチャイルドシート用カバーの前面カバーの開閉手段の一例を示す説明図である。
図8】本発明の一好適な実施の形態に係るチャイルドシート用カバーの本体部の上面カバーの前後方向断面図である。
図9】本発明の一好適な実施の形態に係るチャイルドシート用カバーの前面カバーを本体部の背面に収納した状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のチャイルドシート用カバーについて、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の一好適な実施の形態に係るチャイルドシート用カバーを装着したチャイルドシートの概略斜視図であり、図2は本発明の一好適な実施の形態に係るチャイルドシート用カバーの概略分解図であり、(a)は本体部、(b)は前面カバー、(c)は足カバーであり、図3は、本発明の一好適な実施の形態に係るチャイルドシート用カバーの概略正面図であり、図4は、本発明の一好適な実施の形態に係るチャイルドシート用カバーの概略側面図であり、図5は、本発明の一好適な実施の形態に係るチャイルドシート用カバーの概略背面図である。
【0013】
図示するように、本発明のチャイルドシート用カバー100は、チャイルドシートの背面と上面と側面とを覆う本体部10と、チャイルドシートの前面を覆う前面カバー20と、を備えている。図示例においては、本体部10は、チャイルドシートの上面を覆う上面カバー11と、チャイルドシートの側面および背面を覆う側面・背面カバー12とからなっている。本発明のチャイルドシート用カバー100においては、本体部10の構成は、これに限られるものではなく、上面カバー、側面カバーおよび背面カバー全てが別体として設けられ、これらを線ファスナーや面ファスナー、スナップボタン等の着脱手段にて着脱可能な構成としてもよく、全てを一体として構成してもよい。
【0014】
本発明のチャイルドシート用カバー100は、前面カバー20の下部に着脱可能な足カバー30を有する。図示する足カバー30は、前面カバー20とのみ連結し、本体部10の側面とは連結していない。このような構成とすることで、天候や季節に応じて、足カバー30のみを外すことができる。また、足カバー30を本体部10の側面と連結させなければ、前面カバー20を開閉すると、足カバー30も前面カバー20に追従して開閉することになる。その結果、前面カバー20を開くだけで、チャイルドシートの前面が広く開口することになり、子供の乗せ降ろしが容易になる。また、晴天時において、足カバー30を取り外しておけば、外観もすっきりとした印象になり好ましい。より具体的には、本発明のチャイルドシート用カバー100は、図示するように、前面カバー20が正面部21と側面部22とを有し、足カバー30が、正面部21の下部および側面部22の下部に着脱可能であるものとすることができる。なお、足カバー30の着脱手段については特に制限はなく、線ファスナー、面ファスナー、スナップボタン等を用いることができる。
【0015】
本発明のチャイルドシート用カバー100においては、前面カバー20の縁部のうち少なくとも一部に芯材が配置されていることが好ましい。図示例においては、前面カバー20は、正面部21と側面部22とを有しており、正面部21の上部の縁部および側面部22の縁部に、可撓性および弾力性を有している芯材21a、22aが配置されている。図示例においては、さらに、前面カバー20の正面部21の両側にも芯材21bが配置されている。このように、前面カバー20の縁部に芯材(図示例においては、芯材21a、21b、22a)を配置することで、前面カバー20の形状を保持することができる。また、前面カバー20に張りがでるため、前面カバー20を透明または半透明な合成樹脂で作製した場合、視界が良好なものになる。なお、本発明のチャイルドシート用カバー100においては、前面カバー20の下部にも芯材を配置してもよい(図示せず)。また、図示する上部カバー11は、ドーム形状をしており、この形状を維持するため、芯材11a、11b、11cを有している。そして、正面部21の芯材21aは上面カバー11の芯材11cに沿って正面側(図1における左下方向)に突出するように湾曲している。このため、例えば、正面部21の芯材21bを省略したとしても、前面カバー20は湾曲した形状を保持できる。
【0016】
本発明のチャイルドシート用カバー100においては、前面カバー20が、本体部10の一方の側面と着脱可能に取り付けられ、他方の側面において開閉可能な構造となっていることが好ましい。図示例においては、前面カバー20は、側面・背面カバーの縁部12Aと着脱可能に取り付けられており、側面・背面カバーの縁部12Bにおいて開閉可能となっている。このような構成とすることで、前面カバー20全体が横方向に開き、開口面が上向きでなく前向きとなる。なお、前面カバー20は、側面・背面カバーの縁部12Aに線ファスナーや面ファスナー、スナップボタン等にて装着することができる。ここで、図示例では側面・背面カバーの縁部12Aおよびこれに対応する前面カバー20の着脱側の側面部22が屈曲した形状を有しているので、前面カバー20の全体を横方向に開かせるために、前面カバー20の着脱側の側面部22のうち下方部分(屈曲部より下方)のみが着脱可能に取り付けられ、上方部分(屈曲部より上方)については、前面カバー20の開閉側の側面部22と同様に開閉可能に固定されている。
【0017】
図6は、本発明の一好適な実施の形態に係るチャイルドシート用カバーをチャイルドシートに装着させた状態で、前面カバーを開けた状態の概略斜視図である。図6においては、図面を簡略化するために、足カバー30は省略してある。図示するように、前面カバー20は、前面カバー20全体が横方向に開き、開口面が上向きでなく前向きとなる。チャイルドシートに子供を乗せ降ろしする際、子供を高く持ち上げる必要がなく、子供の乗せ降ろしを容易に行うことができる。また、前面カバー20の縁部が芯材(図示例においては、芯材21a、21b、22a)を有していれば、前面カバー20を開けた状態でも前面カバー20は形状を保持できるため、子供の乗せ降ろしの際に煩わしさを感じることもなくなる。
【0018】
図示例においては、チャイルドシート用カバー100の本体部10の上面カバー11の縁部や、側面・背面カバー12の縁部にも、可撓性および弾力性を有している芯材11c、12aが配置されており、これにより本体部10の形状を保持している(図2の(a)を参照)。そのため、例えば、晴天時には前面カバー20を取り外した状態で使用することができ、天候や季節に応じた使い方が可能になる。なお、本発明のチャイルドシート用カバー100においては、本体部10の形状を保持できるのであれば、本体部10に芯材を必ずしも配置しなくてもよい。
【0019】
また、チャイルドシートが、着座した子供が把持するグリップバー40を前方に有している場合、本発明のチャイルドシート用カバー100は、前面カバー20とグリップバー40とが、固定手段23により、固定可能な構造であることが好ましい(図4、6を参照)。このような構造とすることで、グリップバー40の開閉と前面カバー20の開閉とを同時に行うことになり、操作性に優れたものとなる。なお、前面カバー20とグリップバー40との固定手段23については特に制限はなく、バックルのついたベルト等を用いることができる。
【0020】
本発明のチャイルドシート用カバー100においては、前面カバー20の開閉側(図示例においては、側面・背面カバーの縁部12B側)の開閉手段として、線ファスナー、面ファスナー、スナップボタン等を用いてもよいが、例えば、本体部10を構成する側面・背面カバー12の縁部に磁性体13を配置し、この磁性体13が配置された部位と相対する前面カバー20の側面部22の縁部に磁石24を配置して、本体部10と前面カバー20とが、一方の側面において磁力により固定可能に形成されている。線ファスナーでは、角部や湾曲部においてスライダーに引っ掛かりが生じて、スムーズな開閉が困難な場合がある。また、線ファスナーやスナップボタンでは、前面カバー20の開閉を片手で行うことは困難である。これに対して、開閉手段として磁力を用いることで、前面カバー20の開閉を素早く、片手で行うことができる。
【0021】
図7は、本発明の一好適な実施の形態に係るチャイルドシート用カバーの前面カバーの開閉手段の一例を示す説明図である。前面カバー20の開閉側の縁部に磁石24を配置する場合、芯材と磁石との間に架け渡すようにして、スプリング25のような弾性部材を配置することが好ましい。図示例では、前面カバー20の縁部に沿って配置された芯材22aに対し、芯材22aから前面カバー20に沿って外側に突出する弾性部材25(図示例においては、スプリング25)が装着されており、芯材22a、弾性部材25および磁石24が布材29により被覆されて、前面カバー20の縁部を形成している。チャイルドシート用カバーは、チャイルドシートの形状に沿って装着されるが、図示例のように芯材22aおよび磁石24を布材29で被覆すると、布材29が弛んで隙間を生じやすい。しかしながら、上記構造とすることにより、チャイルドシートの曲面形状に沿ってスプリング25のような弾性部材25がしなることで、布材29に張りが出て、チャイルドシートの曲面形状に柔軟に対応することができ、隙間の発生を防止することができる。この弾性部材25は、前面カバー20の縁部に沿って複数箇所に設けることができる。また、図示例では弾性部材25は芯材と磁石24との間に配置されているが、このような構成には限られず、弾性部材25の内面側に磁石24が位置するように配置してもよい。この場合も、弾性部材25により布材29の弛みを防止して隙間の発生を防止しつつ、本体部10と前面カバー20とを磁力により確実に固定可能とすることができる。
【0022】
なお、図示例では磁性体13と磁石24とが本体部10および前面カバー20の縁部に沿って連続的に配置されているが、本体部10と前面カバー20とを磁力により固定可能に形成できるものであれば、磁性体13および磁石24は、それぞれの縁部のうち少なくとも一部に配置されているものであればよく、例えば、間隔をあけて複数個所に配置してもよい。ここで、磁性体13としては、例えば、金属プレートを用いることができ、磁石24としてはシート状の磁石などを用いることができる。なお、本発明のチャイルドシート用カバーにおいては、磁性体13と磁石24とを互いに入れ替えて配置してもよい。
【0023】
図8は、本発明の一好適な実施の形態に係るチャイルドシート用カバーの本体部の上面カバーの前後方向断面図である。図示例においては、本体部10の上面カバー11の前方に、ツバ14を有している。本発明のチャイルドシート用カバー100は、本体部10の上面カバー11の縁部に芯材11cを配置し、この芯材11cに、前面カバー20の正面部21の上側の縁部に存在する芯材21aと嵌合する嵌合部15を設けることが好ましい。嵌合部15は、前方が開口しており、前面カバー20を閉めるときにこの芯材21aが、上面カバー11の芯材11cを乗り越えたあとに係合するストッパとして機能する。この嵌合部15に、前面カバー20の上側の縁部の芯材21aを嵌合させることで、本体部10の上面カバーと前面カバー20の上面とを密着させることができ、上方からの雨水の浸入を防止することができる。特に、芯材11cとツバ14とが連動するように構成するれば、嵌合部15に芯材21aを押し込むと、矢印に示すように、ツバ14が下がり、より良好に雨水の浸入を防止することができる。
【0024】
なお、本体部10の上面カバー11の縁部の芯材11cの全体に嵌合部15を設けてもよいが、間隔をあけて複数個所に嵌合部15を設けるだけでもよい。なお、本発明のチャイルドシート用カバー100においては、前面カバー20の上側の縁部に磁石を配置し、本体部10の上面カバー11の前方の縁部に磁性体を配置し、これらにより、前面カバー20の正面部21の上端と本体部10の上面カバー11の前方とを磁力により固定可能に形成してもよい。
【0025】
本発明のチャイルドシート用カバー100は、チャイルドシートに装着時、前面カバー20が、チャイルドシートのグリップバー40近傍に開口部26を有することが好ましい。図示例においては、前面カバー20が上部前面カバー20Xと下部前面カバー20Yとから構成されており、開口部26は、上部前面カバー20Xと下部前面カバー20Yとの接合部のうち前面カバー20の略中央部に、チャイルドシート用カバー100の内外を貫通するスリット状に形成されている。このような構成とすることで、チャイルドシート用カバー100の内部に手を入れることが可能になる。そのため、前述のように、前面カバー20とチャイルドシートのグリップバー40とを固定した場合、雨天時、この開口部26から手を入れ、グリップバー40を操作して開閉することができるため、子供を濡らすことなく前面カバー20の開閉も行うことができる。開口部26は、外部から内部に手を挿し込むことができるものであれば、図示例に限られず、前面カバー20の正面部21および側面部22のうちのいずれの部位に設けてもよく、1箇所に限られず、2箇所以上に設けてもよい。また、開口部26は、上部前面カバー20Xと下部前面カバー20Yとの接合部に限られず、下部前面カバー20Yに設けてもよい。ここで、上部前面カバー20Xと下部前面カバー20Yとの接合部は、例えば、融着などにより接合できるので、接合部に開口部26を設ける場合には、例えば、接合部のうち一部に融着させない部位を設ければよい。なお、この開口部26からの雨水の浸入を防止するために、開口部26は、カバーシート(フラップ27)等で覆われていることが好ましい。上部前面カバー20Xと下部前面カバー20Yとの接合部に開口部26を設ける場合には、図示するように、上部前面カバー20Xによりフラップ27を形成することができる。
【0026】
また、本発明のチャイルドシート用カバー100は、本体部10の背面に通気口16を有することが好ましい。上述のとおり、前面カバー20に開口部26を設けたうえで、さらに、本体部10の背面に通気口16を設けることで、外気が開口部26から流入し通気口16から排気されていくため、チャイルドシート用カバー100の内部を効率よく換気することができる。その結果、内部の子供が息苦しさを感じることなく、さらに、湿度上昇を抑え、チャイルドシート用カバー100内部を快適な空間とすることができる。
【0027】
本発明のチャイルドシート用カバー100においては、足カバー30は着脱可能であるため、未使用時に収納しておく収納部28(図示例においては、ポケット28)を本体部10の背面外側に有していることが好ましい。このとき、ポケット装着位置における側面・背面カバー12に、上述の通気口16を設けることが好ましい。例えば、ポケット28の裏地を、図示するようにメッシュ等の通気性の素材とすれば(図2の(a)参照)、通気口16としての機能を損なわず、足カバー30を収納するポケット28とすることができる。
【0028】
上述のとおり、本発明の一好適な実施の形態に係るチャイルドシート用カバー100は、前面カバー20が、本体部10の一方の縁部12A側と線ファスナーのような着脱手段にて装着されており、他方の縁12B側が開閉可能とすることができる。そして、前面カバー20に着脱可能な足カバー30を設けることができる。このため、天候や季節に合わせて、使用態様を選択することができる。例えば、晴天時には、前面カバー20を取り外して使用し、雨天時のみ、前面カバー20を装着するという使い方が可能となる。また、雨天時に前面カバー20を装着するが、雨量や気温に応じて、前面カバー20に足カバー30を装着するか否かを自由に選択できる。このように、本発明のチャイルドシート用カバー100は、使用態様を適宜選択することで、通年使用可能である。
【0029】
本発明のチャイルドシート用カバー100は、前面カバー20は本体部10から着脱可能とすることが好ましいが、この場合、本体部10から取り外した前面カバー20は、本体部10の背面または側面に着脱可能であることが好ましい。図9は、本発明の一好適な実施の形態に係るチャイルドシート用カバーの前面カバーを本体部の背面に収納した状態の側面図である。本体部10から取り外した前面カバー20は、その内側を前方に向けた状態で、本体部10の背面および側面の外側を覆うように背面または側面に固定する。このように、前面カバー20を本体部10の側面や背面に着脱可能とすることで、外出先にて前面カバー20を取り外す必要性が生じた場合や、前面カバー20を装着する必要性が生じた場合でも、スムーズな対応が可能となる。また、本発明のチャイルドシート用カバー100の前面カバー20の縁部には、芯材が配置され、これにより形状が保持されるため、前面カバー20にしわが入りにくい。そして、芯材によって前面カバーと本体部の幅寸法がほぼ同じに保持されるため、前面カバー20を本体部10の背面または側面の外側へ固定する作業が行い易くなる。さらに、前面カバー20を本体部10の背面や側面に取り付けておけば、前面カバー20の紛失を防止することができ、さらにまた、保管場所も取らない、という利点を有している。前面カバー20を本体部10の背面や側面に取り付ける際の着脱手段としては、既知の方法を採用することができる。
【0030】
本体部10から取り外した前面カバー20を本体部10の背面または側面に固定したとき、前面カバー20のうち芯材22aを有していない部分を、本体部10の背面若しくは側面、またはチャイルドシートに固定してもよい。これにより前面カバー20を、本体部10の背面または側面に、風等の影響を受けずに確実に固定することができる。
【0031】
本発明のチャイルドシート用カバー100が取り付けられたチャイルドシートに子供を乗せる際には、開口部26よりチャイルドシート用カバー100の内部に手を入れ、グリップバー40を操作して、その一方を支点として回動させる。すると、図6に示すように、本体部10に磁力で固定されていた前面カバー20の開閉側の側面部22が側面・背面カバーの縁部12Bから外れるとともに、前面カバー20の正面部21の上部が本体部10の上面カバー11の嵌合部15から外れ、さらに、前面カバー20の着脱側の側面部22のうち上方部分が側面・背面カバーの縁部12Aから外れる。
【0032】
一方で、前面カバー20の着脱側の側面部22のうち下方部分は、側面・背面カバーの縁部12Aの下方部分に着脱手段で連結された状態を維持する。これにより、前面カバー20は、線ファスナーや面ファスナー、スナップボタン等の着脱手段で本体部10の一部に連結されたまま、大きく開放させることができる。
【0033】
本発明のチャイルドシート用カバー100においては、その材質等については特に制限はないが、前面カバー20は、透明または半透明の合成樹脂シートとすることが好ましい。これにより、子供の前方の視界を確保することができる。また、本体部10は、防水性および撥水性の高い材質を用いることが好ましい。特に、日よけ等の効果を持たせるために、本体部10は不透明な材質であることが好ましい。さらに、前面カバー20の縁部や本体部10の上部の前方縁部に配置される芯材としては、金属材やプラスチック材からなる、断面形状平型または、丸型のものを用いることができる。さらにまた、前面カバー20等に芯材を配置する場合、前面カバー20等の縁部を、逢着や融着等により筒状(管状)とし、ここに、芯材を挿通すればよいが、必ずしもこれに限られるものではない。
【0034】
本発明のチャイルドシート用カバー100は、チャイルドシートの背面と上面と側面とを覆う本体部10と、チャイルドシートの前面を覆う前面カバー20と、を備えたチャイルドシート用カバーであり、前面カバー20の下部に着脱可能な足カバー30を有することのみが重要であり、それ以外の構成、形状、サイズ等については特に制限はなく、適宜設計、変更が可能である。
【0035】
本発明のチャイルドシート用カバー100は、あらゆるタイプのチャイルドシートに適用可能であるが、リアチャイルドシート用カバーとして好適に用いることができる。チャイルドシートとしては、背もたれの上部にヘッドレストを有し、側面と、座面と、座面前方両側に下垂して設けられた足置きを有しているものに好適である。特に、着座した子供が把持するグリップバーであって、子供の乗り降り時に横方向にグリップバーが開閉するタイプのチャイルドシートに好適に用いることができる。
【0036】
また、本発明のチャイルドシート用カバー100をチャイルドシートに装着する手段も、従来と同様の手段を採用することができ、例えば、ボタン、スナップボタン、面ファスナー、バックルのついたベルト等を用いることができる。
【符号の説明】
【0037】
10 本体部
11 上面カバー
11a、11b、11c 芯材
12 側面・背面カバー
12a 芯材
13 磁性体
14 ツバ
15 嵌合部
16 通気口
20 前面カバー
20X 上部前面カバー
20Y 下部前面カバー
21 正面部
21a、21b 芯材
22 側面部
22a 芯材
23 固定手段
24 磁石
25 弾性部材(スプリング)
26 開口部
27 フラップ
28 収納部(ポケット)
29 布材
30 足カバー
40 グリップバー
100 チャイルドシート用カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9