(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039761
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】固定抵抗器用のケース及び固定抵抗器
(51)【国際特許分類】
H01C 1/03 20060101AFI20220303BHJP
H01C 3/00 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
H01C1/03
H01C3/00 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020144938
(22)【出願日】2020-08-28
(71)【出願人】
【識別番号】000215833
【氏名又は名称】帝国通信工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094226
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100087066
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】川崎 大宇
(72)【発明者】
【氏名】森 康裕
(72)【発明者】
【氏名】西脇 弘誠
【テーマコード(参考)】
5E028
【Fターム(参考)】
5E028BA02
5E028BB01
5E028EA14
5E028EB06
5E028JB06
(57)【要約】
【課題】ケース内に収納した抵抗素子を、確実にその収納位置に保持することができる固定抵抗器用のケース及び固定抵抗器を提供すること。
【解決手段】両端にリード線51,53を接続した抵抗素子40を、一方のリード線51を折り返した状態で収納する収納部11を有する固定抵抗器1用のケース10である。ケース10の上面10aに収納部11の開口13を設ける。ケース10の収納部11周囲の一側壁101に、一対のリード線51,53を引き出す引出部15,17を設ける。引出部15,17を設けた内壁101a側に、抵抗素子40の一方の端面を当接させる抵抗素子当接面231を設ける。引出部5,17を設けた内壁101aに対向する内壁105a側に、抵抗素子40に接続して折り返されるリード線51を当接させるリード線当接面251を設ける。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端にリード線を接続した抵抗素子を、その一方のリード線を折り返して抵抗素子と並列にさせた状態で収納する収納部を有する固定抵抗器用のケースにおいて、
前記ケースの一面に前記収納部の開口を設け、且つ前記ケースの前記収納部周囲の一側壁に、前記一対のリード線を引き出す引出部を設け、
前記収納部の前記引出部を設けた内壁側に、前記抵抗素子の一方の端面を当接させる抵抗素子当接面を設け、
前記収納部の前記引出部を設けた内壁に対向する内壁側に、前記抵抗素子に接続して折り返されるリード線を当接させるリード線当接面を設けた
ことを特徴とする固定抵抗器用のケース。
【請求項2】
請求項1に記載の固定抵抗器用のケースであって、
前記リード線当接面は、当該リード線当接面を設けた側の内壁から、前記収納部内に突出した位置に設けられていることを特徴とする固定抵抗器用のケース。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の固定抵抗器用のケースであって、
前記抵抗素子当接面は、当該抵抗素子当接面を設けた側の内壁から、前記収納部内に突出した位置に設けられていることを特徴とする固定抵抗器用のケース。
【請求項4】
請求項3に記載の固定抵抗器用のケースであって、
前記引出部は、前記一対のリード線をそれぞれ挿通する一対のリード線挿通溝によって形成されており、
前記抵抗素子当接面は、当該一対のリード線挿通溝の間のケース内壁から前記収納部内に突出した位置に設けられていることを特徴とする固定抵抗器用のケース。
【請求項5】
請求項1乃至4の内の何れかに記載の固定抵抗器用のケースの収納部に、前記リード線を接続した抵抗素子を収納し、且つ前記開口から前記収納部内に充填材を充填することで構成される固定抵抗器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯器の凍結防止ヒータ用の抵抗器などとして用いて好適な固定抵抗器用のケース及び固定抵抗器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、給湯器の通水パイプの凍結防止のため、通水パイプにヒータ用の抵抗器を取り付ける場合がある。この種の抵抗器は、例えば特許文献1に示すように、セラミック製のケース(4)の収納部(10)内に、両端にリード線(1),(2)を接続した抵抗素子(3)を収納し、その際、予め一方のリード線(1)を他方のリード線(2)と平行になるように折り曲げておくことで両リード線(1),(2)をケース(4)の同一の側壁に設けた一対の溝(6),(6´)に挿入し、さらに当該収納部(10)内に充填材(11)を充填して構成されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記充填材(11)として、従来は、液体ワニスを使用した液体セメントが用いられていた。しかし、ケースの収納部内に液体セメントを充填した後、すぐに熱を加えて乾燥しようとすると、気泡が発生して乾燥後に空洞ができてしまう虞があった。空洞ができると、通水パイプなどの被加熱体の加熱効率が悪くなる。一方、前記液体セメントを充填した後、24時間程度自然乾燥させれば気泡の発生を防ぐことはできるが、製品完成までに時間を要してしまう。
【0005】
そこで本願発明者は、液体セメントの代わりに、粉体セメントを使用することを試みた。粉体セメントは、絶縁粉体の表面にワニスを塗布したものであり、これをケースの収納部内に充填した後に加熱し、前記ワニスを溶かして粉体同士を接着後、冷却・硬化(固化)させる。このように粉体セメントを使用した場合は、上記液体セメントのような長時間の自然乾燥の必要がないので、製品完成までの時間を短縮することができる。
【0006】
しかし、粉体セメントは、液体セメントと比べて軽い(比重が小さい)ため、ケースの収納部内に収納した抵抗素子が、当該充填材の充填・加熱・硬化工程などの各種工程を行っている間に、上方に持ち上がってしまう虞があった。特に、ケースの1側壁の一対の溝に挿入して仮固定したリード線を支点にして抵抗素子が持ち上がる虞があった。抵抗素子がケース内で持ち上がった状態で固定されると、充填材の表面から抵抗素子までの離間距離が短くなり、充填材による抵抗素子の防水・絶縁を確実に行えなくなる虞があった。
【0007】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、ケース内に収納した抵抗素子を、確実にその収納位置に保持することができる固定抵抗器用のケース及び固定抵抗器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、両端にリード線を接続した抵抗素子を、その一方のリード線を折り返して抵抗素子と並列にさせた状態で収納する収納部を有する固定抵抗器用のケースにおいて、前記ケースの一面に前記収納部の開口を設け、且つ前記ケースの前記収納部周囲の一側壁に、前記一対のリード線を引き出す引出部を設け、前記収納部の前記引出部を設けた内壁側に、前記抵抗素子の一方の端面を当接させる抵抗素子当接面を設け、前記収納部の前記引出部を設けた内壁に対向する内壁側に、前記抵抗素子に接続して折り返されるリード線を当接させるリード線当接面を設けたことを特徴としている。
本発明によれば、抵抗素子の一方の端面を抵抗素子当接面に当接し、抵抗素子の他方の端面を折り返したリード線を介してリード線当接面に当接するので、抵抗素子をケースの収納部内で仮固定でき、これによってその後、収納部内への充填材の充填工程などを行っても、抵抗素子をケース内の所期の収納位置に確実に保持しておくことができる。これによって、このケースを用いて製造される固定抵抗器の充填材による抵抗素子の防水・絶縁を確実に行うことができる上、加熱性能も所期の性能を維持できる。
【0009】
また本発明は、上記特徴に加え、前記リード線当接面は、当該リード線当接面を設けた側の内壁から、前記収納部内に突出した位置に設けられていることを特徴としている。
リード線当接面の位置を、収納部内の所望の位置に設定することで、保持する抵抗素子のケース内での位置を所望の位置に容易に設定することができる。
【0010】
また本発明は、上記特徴に加え、前記抵抗素子当接面は、当該抵抗素子当接面を設けた側の内壁から、前記収納部内に突出した位置に設けられていることを特徴としている。
抵抗素子当接面の位置を、収納部内の所望の位置に設定することで、保持する抵抗素子のケース内での位置を所望の位置に容易に設定することができる。
【0011】
また本発明は、上記特徴に加え、前記引出部は、前記一対のリード線をそれぞれ挿通する一対のリード線挿通溝によって形成されており、前記抵抗素子当接面は、当該一対のリード線挿通溝の間のケース内壁から前記収納部内に突出した位置に設けられていることを特徴としている。
これによって、一対のリード線挿通溝に固定した一対のリード線の間に生じるスペースに無理なく抵抗素子当接面を配置することができる。即ち、狭いスペースにおいて、一対のリード線の固定と、抵抗素子の一端面の当接とを行うことができる。
【0012】
また本発明は、上記固定抵抗器用のケースの収納部に、前記リード線を接続した抵抗素子を収納し、且つ前記開口から前記収納部内に充填材を充填することで構成される固定抵抗器にある。
本発明によれば、抵抗素子をケースの収納部内で仮固定でき、これによってその後、収納部内への充填材の充填工程などを行っても、抵抗素子をケース内の所期の収納位置に確実に保持しておくことができるので、充填材による抵抗素子の防水・絶縁を確実に行うことができる上、加熱性能も所期の性能を発揮できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ケース内に収納した抵抗素子を、確実にその収納位置に保持しておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図3】ケース10を示す図であり、
図3(a)は斜視図、
図3(b)は平面図、
図3(c)は
図3(b)のA-A断面矢視図、
図3(d)は
図3(b)のB-B断面矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の1実施形態にかかる固定抵抗器1の斜視図、
図2は固定抵抗器1の分解斜視図である。これらの図に示すように、固定抵抗器1は、両端にリード線51,53を接続した抵抗素子40を、その一方のリード線51を折り返して抵抗素子40と並列にさせた状態で、ケース10に設けた収納部11内に収納すると共に、当該収納部11内に充填材60を充填して構成されている。なお以下の説明において、「上」とはケース10から充填材60を見る方向をいい、「下」とはその反対方向をいうものとする。
【0016】
図3はケース10を示す図であり、
図3(a)は斜視図、
図3(b)は平面図、
図3(c)は
図3(b)のA-A断面矢視図、
図3(d)は
図3(b)のB-B断面矢視図である。これらの図に示すように、ケース10は、略四角柱状のセラミックス製であって、その上面(天面)10aに略矩形凹状の収納部11の開口13を設け、またケース10の下面10bをこの固定抵抗器1によって加熱される図示しない被加熱体を当接する被装着面として構成されている。
【0017】
収納部11は、抵抗素子40を収納できる寸法形状に形成されており、
図3(d)に示すように、その横断面は、略U字形状になっている。また収納部11の外周4つの側壁101,103,105,107の内の一つの側壁101(ケース10の長手方向に直交する一対の側壁の一方)には、その上辺に凹溝状(略U字状)となる一対の引出部15,17が並列に形成されている。引出部15,17は、収納部11に連通している。引出部15,17は同一形状であり、その幅寸法は、リード線51,53(その外周を覆う絶縁性の保護被覆部分)の外径寸法と略同じ寸法に形成されている。即ち、各引出部15,17は、一対のリード線51,53をそれぞれ挿通(圧入)する一対のリード線挿通溝によって形成されている。
【0018】
前記一対の引出部15,17を設けた側壁101の内側(収納部11側)の中央(引出部15,17の間)には、収納部底面111から立設する略平板矩形状のリード線ガイド部23が設けられている。リード線ガイド部23の側壁101から離れる先端面(対向する側壁105側を向く面)は、抵抗素子当接面231となっている。即ち、抵抗素子当接面231は、一対のリード線挿通溝(引出部)15,17の間のケース10(側壁101)の内壁101aから収納部11内に突出した位置に設けられている。
【0019】
一方、側壁101に対向する側壁105の内側(収納部11側)にも、収納部底面111から立設する略矩形状の突出部25が設けられている。突出部25の側壁105から離れる先端面(対向する側壁101側を向く面)は、リード線当接面251となっている。即ち、リード線当接面251は、当該リード線当接面251を設けた側のケース10(側壁105)の内壁105aから収納部11内に突出した位置に設けられている。
【0020】
そして、抵抗素子当接面231とリード線当接面251の設置位置は、両面の間隔が、下記する抵抗素子40の長さ寸法と、1本のリード線51の保護被覆部分の外径寸法を加えた寸法より、若干小さい寸法の間隔となる設置位置としている。
【0021】
抵抗素子(固定抵抗素子)40は、円柱状の絶縁棒の外周に抵抗線を巻き付け、その両端に金属製のキャップ41,43を被せ、その際、リード線51,53の保護被覆部分から引き出した(露出した)電線52,54をキャップ41,43に挟み込み、この状態でキャップ41,43の外周側面をかしめて構成されている。なお抵抗素子40の構造がこの実施形態の構造に限定されないことは言うまでもない。
【0022】
充填材60は、この実施形態では、粉体セメントを用いている。粉体セメントとは、粒径の異なる複数種類の絶縁粉(この例では珪石の粉)にワニスを塗布した粉体であり、熱を加えることでワニスを溶融して粉体同士を相互に結合して接着し、冷却することで一体に固化するものである。
【0023】
次に、固定抵抗器1の製造方法を説明する。
図4乃至
図7は、固定抵抗器1の製造方法説明図であり。
図6,
図7は
図3(c)に相当する断面を示している。まず
図2に示すように、一方のリード線51をその電線52部分からキャップ41の端面の外側を回して折り返し、抵抗素子40と並列させた状態とする。このとき、リード線51の保護被覆部分が、キャップ41の端面上に位置するようにする。そしてこの状態の抵抗素子40及びリード線51,53を、
図4,
図5に示すように、ケース10の開口13から収納部11内に収納し、その際、両リード線51,53をそれぞれケース10の各引出部15,17に挿入(圧入)する。
【0024】
このとき、
図6に示すように、抵抗素子40の一方のキャップ43は、その外側端面がケース10の抵抗素子当接面231に当接し、他方のキャップ41は、その外側端面がリード線51の保護被覆部分を挟んで、ケース10のリード線当接面251に当接している。つまり、抵抗素子40は、一方のリード線51(その保護被覆部分)を介在(弾接)した状態で、ケース10の抵抗素子当接面231とリード線当接面251間に圧入され、仮固定されている。さらに言えば、リード線51の保護被覆部分を少し押し潰すことで、当該保護被覆部分を上記圧入に利用している。
【0025】
そして、
図1,
図7に示すように、抵抗素子40などを収納した収納部11及び両引出部15,17内に充填材60を充填する。このとき、抵抗素子40は抵抗素子当接面231とリード線当接面251間に仮固定(圧入)されているので、収納部11内に充填材60を充填しても、抵抗素子40は所期の収納位置に確実に保持されて移動することはない。また、一対のリード線51,53は、ケース10の引出部15,17に圧入されて仮固定された状態で充填材60が充填されるので、これら一対のリード線51,53も所期の収納位置に確実に保持されて移動することはない。
【0026】
そして前記充填した充填材60を加熱乾燥して粉体同士を接着・一体化した後に冷却して固化する。これによって、抵抗素子40は所期の収納位置に確実に保持された状態のまま密封・固定され、固定抵抗器1が完成する。なお上記組立手順はその一例であり、他の各種異なる組立手順を用いて組み立てても良いことはいうまでもない。
【0027】
そして組み立てられた固定抵抗器1は、例えば給湯器用の熱交換器の通水パイプの外周面に、その被装着面(底面)10bが当接するように装着される。そして一対のリード線51,53間に通電を行えば、抵抗素子40が加熱され、通水パイプが加熱され、その凍結が防止される。この固定抵抗器1は、上述のように、抵抗素子40がケース10内の所期の収納位置に確実に保持された状態のまま密封されているので、充填材60による抵抗素子40の防水・絶縁を確実に行うことができる上、このケース10を用いて製造される固定抵抗器1の加熱性能も所期の性能を維持できる。
【0028】
上記実施形態では、充填材60として粉体セメントを用いたが、その代わりに液体セメントを用いても良い。粉体セメントを充填する場合に比べて液体セメントを充填する方が、ケース10の収納部11内に収納した抵抗素子40の浮き上がりなどの移動は生じにくいが、移動する場合もあるので、液体セメントからなる充填材においても効果がある。
【0029】
以上説明したように、固定抵抗器1用のケース10は、両端にリード線51,53を接続した抵抗素子40を、その一方のリード線51を折り返して抵抗素子40と並列にさせた状態で収納する収納部11を有し、前記ケース10の一面(上面)10aに前記収納部11の開口13を設け、且つ前記ケース10の前記収納部11周囲の一側壁101に、前記一対のリード線51,53を引き出す引出部15,17を設け、前記収納部11の前記引出部15,17を設けた内壁101a側に、前記抵抗素子40の一方の端面を当接させる抵抗素子当接面231を設け、前記収納部11の前記引出部5,17を設けた内壁101aに対向する内壁105a側に、前記抵抗素子40に接続して折り返されるリード線51を当接させるリード線当接面251を設けたので、抵抗素子40をケース10の収納部11内で仮固定でき、これによってその後、収納部11内への充填材60の充填工程などを行っても、抵抗素子40をケース10内の所期の収納位置に確実に保持しておくことができる。これによって、このケース10を用いて製造される固定抵抗器1の充填材60による抵抗素子40の防水・絶縁を確実に行うことができる上、加熱性能も所期の性能を維持することができる。
【0030】
また上記ケース10は、前記リード線当接面251が、当該リード線当接面251を設けた側の内壁105aから、前記収納部11内に突出した位置に設けられ、一方、前記抵抗素子当接面231は、当該抵抗素子当接面231を設けた側の内壁101aから、前記収納部11内に突出した位置に設けられているが、これによって、抵抗素子当接面231とリード線当接面251によって保持する抵抗素子40のケース10内での位置を所望の位置に容易に設定することができる。
【0031】
また上記ケース10は、引出部15,17が、一対のリード線51,53をそれぞれ挿通する一対のリード線挿通溝15,17によって形成されており、前記抵抗素子当接面231は、当該一対のリード線挿通溝15,17の間のケース内壁101aから前記収納部11内に突出した位置に設けられているが、これによって、一対のリード線挿通溝15,17に固定した一対のリード線51,53の間に生じるスペースに無理なく抵抗素子当接面231を配置することができる。即ち、狭いスペースにおいて、一対のリード線51,53の固定と、抵抗素子40の一端面の当接とを行うことができる。
【0032】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、本発明にかかる固定抵抗器は、ヒータ用の固定抵抗器とそのケースに限定されず、ヒータ用以外の各種用途に用いる固定抵抗器とそのケースに適用しても良い。また上記実施形態では、リード線51,53として、電線をビニールなどの保護被覆(絶縁被覆)で覆った構造の電線(ビニール等の被覆電線)を用いたが、鋼線などからなる他の構造のリード線を用いても良い。鋼線を用いた場合は、鋼線をキャップ41,43に溶接してもよい。その際、折り返した鋼線には保護被覆(絶縁被覆)を施すことが好ましい。また上記実施形態では、抵抗素子当接面231とリード線当接面251を、何れもケース10の内壁101aと内壁105aから収納部11内に突出するリード線ガイド部23と突出部25の先端面に設けたが、ケース10の寸法が小さい等の理由で、リード線ガイド部23や突出部25が設けられない場合は、側壁101,105の内壁101a,105a自体を、抵抗素子当接面やリード線当接面としても良い。
【0033】
また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0034】
1 固定抵抗器
10 ケース
10a 上面(天面)
10b 下面
101,103,105,107 側壁
101a 内壁
105a 内壁
11 収納部
13 開口
15 引出部(リード線挿通溝)
17 引出部(リード線挿通溝)
231 抵抗素子当接面
251 リード線当接面
40 抵抗素子
51 リード線
53 リード線