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特開2022-39767商品配送システム及び商品配送情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039767
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】商品配送システム及び商品配送情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20220303BHJP
   G06Q 50/02 20120101ALI20220303BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020144946
(22)【出願日】2020-08-28
(71)【出願人】
【識別番号】309020622
【氏名又は名称】有限会社 グリーン・グリーン
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】230110397
【弁護士】
【氏名又は名称】田中 雅敏
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】上杉 仁
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049CC01
(57)【要約】
【課題】出荷可能な商品の鮮度を損なうことなく短時間で消費者へ配送可能な商品配送システム及び商品配送情報処理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】商品配送システムAは、育成領域1、パッケージング領域2及び配送準備領域3からなる作業エリアW、及び、作業エリアWの周辺に位置する配送エリアVを備える。育成領域1は水耕栽培により苗Sから出荷可能な生育状態である植物体Pを育成する領域であり、棚10が設けられている。パッケージング領域2は、育成領域1で育成された植物体Pを包装する領域であり、袋状の包装体21に植物体Pを収容する。配送準備領域3では、受注数量に応じた包装済み商品Gを商品ケース31に収容し、配送先の住所や地図などの配送先の情報Iが記載されたメモ31と共に配送者Dに渡し、配送者Dは商品ケース31を配送エリアV内の配送先住所に届ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
種若しくは苗から生長した植物体を育成する育成領域と、該育成領域で育成した前記植物体を植物体搬入者が搬入し、同植物体を包装するパッケージング領域と、該パッケージング領域で前記植物体が包装された包装済み商品を包装済み商品搬入者が搬入し、前記包装済み商品を配送するための準備を行う配送準備領域とを有する作業エリアと、
該作業エリアから前記包装済み商品を所定の配送時間内に配送先へ配送可能な配送エリアとを備え、
前記育成領域と前記パッケージング領域、及び、同パッケージング領域と前記配送準備領域を近接して配置すると共に、前記配送エリアを前記作業エリアの周辺に配置した
商品配送システム。
【請求項2】
前記パッケージング領域を、前記育成領域内に設けられた、出荷可能な前記植物体を載置する植物体載置部と近接して配置した
請求項1に記載の商品配送システム。
【請求項3】
前記配送時間は、12時間以内である
請求項1又は請求項2に記載の商品配送システム。
【請求項4】
前記植物体を、前記育成領域で水耕栽培により育成する
請求項1、請求項2又は請求項3に記載の商品配送システム。
【請求項5】
前記パッケージング領域で一日当たりに生産される前記包装済み商品の数量を予め定める
請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の商品配送システム。
【請求項6】
前記育成領域で育成された前記植物体を受注後に収穫する
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の商品配送システム。
【請求項7】
種若しくは苗から生長した植物体を育成する育成領域で前記植物体を育成する育成工程と、
該育成工程で育成した前記植物体を包装するパッケージング領域に、植物体搬入者が同植物体を搬入する第1搬入工程と、
該第1搬入工程で搬入した前記植物体を前記パッケージング領域内で包装する包装工程と、
該包装工程で前記植物体を包装した包装済み商品を配送するための準備を行う配送準備領域に、包装済み商品搬入者が前記包装済み商品を搬入する第2搬入工程と、
該第2搬入工程で搬入された前記包装済み商品を、前記育成領域、前記パッケージング領域及び前記配送準備領域から成る作業エリアから所定の配送時間内に配送先へ配送可能な配送エリアに配送するための準備を行う配送準備工程と、
該配送準備工程で配送の準備が行われた前記包装済み商品を前記配送エリアに配送する配送工程を含む商品配送方法を実施する商品配送システムであって、
前記育成領域と前記パッケージング領域、及び、同パッケージング領域と前記配送準備領域を近接して配置すると共に、前記作業エリアの周辺に前記配送エリアを配置した
商品配送システム。
【請求項8】
植物体を育成する育成領域で取得された前記植物体の育成状況に関する情報を記憶させる育成情報記憶部と、
該育成情報記憶部で記憶された前記植物体の前記育成状況に関する情報から同植物体が即時出荷可能な状態であるかを判断する出荷可否判断部と、
該出荷可否判断部で即時出荷可能な状態であると判断された前記植物体の出荷可能数量を累積注文数量が超えるかを判断する数量判断部と、
該数量判断部で前記累積注文数量が前記出荷可能数量を超えない場合には、前記育成領域と近接して設けられたパッケージング領域で前記植物体を包装するための情報処理を行うパッケージング部と、
前記パッケージング領域と近接して設けられた配送準備領域内で、前記パッケージング部での情報処理により前記植物体が包装された包装済み商品を特定する特定情報と前記包装済み商品の配送先に関する情報とを紐づけて記憶させる配送先情報記憶部と、
前記育成領域、前記パッケージング領域及び前記配送準備領域から成る作業エリアの周辺に位置し前記包装済み商品を所定の配送時間内に配送先へ配送可能な配送エリアに、同包装済み商品を配送するために必要な前記特定情報と前記配送先に関する情報を前記配送エリアに配送する配送者に渡すための情報処理を行う配送情報等伝達部とを備える
商品配送情報処理システム。
【請求項9】
植物体を育成する育成領域で取得された前記植物体の育成状況に関する情報を記憶させるための情報処理を行い、前記育成状況に関する情報から前記植物体が即時出荷可能な状態であるかを判断する出荷可否判断部と、
該出荷可否判断部で即時出荷可能な状態であると判断された前記植物体の出荷可能数量を累積注文数量が超えるかを判断する数量判断部と、
該数量判断部で前記累積注文数量が前記出荷可能数量を超えない場合には、前記育成領域と近接して設けられたパッケージング領域で前記植物体を包装するための情報処理を行うパッケージング部と、
前記パッケージング領域と近接して設けられた配送準備領域内で、前記パッケージング部での情報処理により前記植物体が包装された包装済み商品を特定する特定情報と該特定情報と紐づけられた前記包装済み商品の配送先に関する情報とを記憶させるための情報処理を行い、前記特定情報と前記配送先に関する情報を、前記育成領域、前記パッケージング領域及び前記配送準備領域から成る作業エリアの周辺に位置し前記包装済み商品を所定の配送時間内に配送先へ配送可能な配送エリアに同包装済み商品を配送する配送者に送るための情報処理を行う配送情報等伝達部とを備える
商品配送情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品配送システム及び商品配送情報処理システムに関する。詳しくは、出荷可能な商品の鮮度を損なうことなく短時間で消費者へ配送可能な商品配送システム及び商品配送情報処理システムに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来の野菜等、花類若しくは果実類の商品の流通は、生産者から農協などの出荷団体を経て卸売市場で競売(せり)が行われ、スーパーなどの小売業者に販売されるので、消費者に届くまでに収穫した時点から数日を要する。この間、これらの商品の鮮度の低下を抑制するため、食品を一定の温度に冷やして配送可能な冷蔵車を用いるなどされているが、時間の経過による鮮度の低下を充分に防ぐことはできない。
【0003】
一方、昨今の健康志向の高まりを受け、新鮮な野菜を欲する消費者が増えており、生産地から直接消費者に商品を届ける、いわゆる産地直送サービスが行われている。即ち、インターネット等を用いて各業者のウェブサイトから商品を注文し、直接消費者宅に配達してもらうサービスであるが、注文した日に商品が届くことは難しく、配達されるまで数日かかってしまい、鮮度の低下を防ぐことは難しい。
【0004】
そこで、特許文献1に示すように、容器内部の空間を利用して葉野菜類を流通過程と店頭での展示過程においても継続して生育させて販売する「野菜容器と新鮮野菜の販売方法」が提案されている。
【0005】
この販売方法によれば、容器本体の八分目から開口部にまで成育したところで出荷し、販売時には容器の蓋体内の空間にまで成長させて販売することにより、流通過程、販売過程、及び調理する直前まで野菜が生育状態に置かれるので、消費者に届けられる時に新鮮野菜として提供することができる、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3896547号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載する「野菜容器と新鮮野菜の販売方法」では、生育状態におかれた野菜が継続して生長するため、常に食するのに最適なタイミングで消費者が購入できるとは限らない。
【0008】
即ち、野菜等の植物の生長は、周囲の温度、湿度あるいは光の強弱によって異なるため、出荷後の環境によっては生長の度合いが異なる。例えば、既に生長しきってしまい、ややしおれた状態で店頭に展示されることも考えられ、いわゆる「食べごろ」を過ぎてしまう恐れがある。或いは、充分に生育しきれていない状態で店頭に展示される場合には、購入しても実際に食べごろになるまでに所定の時間を置く必要があり、その日のうちに食することができない。
【0009】
本発明は以上の点に鑑みて創案されたものであり、出荷可能な商品の鮮度を損なうことなく短時間で消費者へ配送可能な商品配送システム及び商品配送情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の商品配送システムは、種若しくは苗から生長した植物体を育成する育成領域と、該育成領域で育成した前記植物体を植物体搬入者が搬入し、同植物体を包装するパッケージング領域と、該パッケージング領域で前記植物体が包装された包装済み商品を包装済み商品搬入者が搬入し、前記包装済み商品を配送するための準備を行う配送準備領域とを有する作業エリアと、該作業エリアから前記包装済み商品を所定の配送時間内に配送先へ配送可能な配送エリアとを備え、前記育成領域と前記パッケージング領域、及び、同パッケージング領域と前記配送準備領域を近接して配置すると共に、前記配送エリアを前記作業エリアの周辺に配置する。
【0011】
ここで、種若しくは苗から生長した植物体を育成する育成領域と、育成領域で育成した植物体を植物体搬入者が搬入し、植物体を包装するパッケージング領域によって、植物体搬入者がパッケージング領域に搬入した植物体を包装して、消費者へ配送可能な状態にすることができる。
【0012】
なお、育成領域とは種や苗を育成することが可能な領域をいい、水耕栽培であるか土耕栽培であるか、また屋外、屋内に設けられているかを問わない。
【0013】
また、育成領域で育成した植物体を植物体搬入者が搬入し、植物体を包装するパッケージング領域と、パッケージング領域で植物体が包装された包装済み商品を包装済み商品搬入者が搬入し、包装済み商品を配送するための準備を行う配送準備領域によって、包装済み商品を消費者へ配送することが可能となる。
【0014】
また、例えば、配送準備領域では、特定の包装済み商品とその配送先の住所及び連絡先を配送者に伝える作業を行い、包装済み商品の配送個数と配送先が記載された書面と配送数量の包装済み商品とを配達者に渡す作業を行うことも考えられる。なお、包装済み商品の配送数量と配送先が記載された書面に限られるものではなく、これらの情報を電子的な情報として配送者に渡すことも考えられる。
【0015】
また、育成領域、パッケージング領域及び配送準備領域を有する作業エリアによって、作業エリア内で植物体の育成、収穫及び包装、そして配送準備作業を行うことができる。
【0016】
また、作業エリアから包装済み商品を所定の配送時間内に配送先へ配送可能な配送エリアによって、収穫から配送準備までを短時間で行った包装済み商品を、さらに所定の時間内に配送先へ配送することができるので、短時間で消費者に届けることができる。これにより、収穫から配送までの間に鮮度が損なわれることが抑制される。
【0017】
また、育成領域とパッケージング領域を近接して配置したことによって、育成領域で生長した植物体を即時パッケージング領域に運び込むことができるので、植物体を収穫してから包装するまでが短時間で行われ、商品の鮮度を損なうことなく包装することができる。
【0018】
また、パッケージング領域と配送準備領域を近接して配置したことによって、包装済み商品を短時間で配送準備領域に搬入することができるので、植物体を包装してから配送するまでが短時間で行われ、この間に商品の鮮度を損なうことなく配送準備を整えることができる。
【0019】
また、育成領域とパッケージング領域、及び、パッケージング領域と配送準備領域を近接して配置したことによって、育成領域での植物体の収穫から、パッケージング領域での包装、及び配送準備領域での配送準備作業までの時間を短縮することができ、この間に商品の鮮度が損なわれることを抑制することができる。
【0020】
また、配送エリアを作業エリアの周辺に配置したことによって、作業エリアで配送準備が完了した包装済み商品を短時間で配送エリア内に配送することができ、この間に商品の鮮度が損なわれることを抑制することができる。
【0021】
また、パッケージング領域を、育成領域内に設けられた、出荷可能な植物体を載置する植物体載置部と近接して配置した場合には、植物体載置部に置かれた出荷可能な植物体が定位置である植物体載置部に置かれるので、誤って出荷可能な状態ではない植物体をパッケージング領域へ搬入することを抑制することができる。
【0022】
また、配送時間が12時間以内である場合には、受注した日に消費者に商品を届けることができるので、商品の鮮度が損なわれることなく包装済み商品を発注者に配送することができる。
【0023】
また、植物体を、育成領域で水耕栽培により育成する場合には、天候に左右されずに一定の数量の植物体を継続して育成することができる。
【0024】
パッケージング領域で一日当たりに生産される包装済み商品の数量を予め定める場合には、育成領域で育成される種若しくは苗の数量が定められるので、計画的に植物体を育成することができ、注文数を超える植物体が生産され、廃棄処分されるのを抑制することができる。
【0025】
また、育成領域で育成された植物体を受注後に収穫する場合には、植物体の収穫から配送までを短時間で行うことができ、新鮮な商品を欲する需要者の要望に応えることができる。
【0026】
また、上記課題を解決するために、本発明の商品配送システムは、種若しくは苗から生長した植物体を育成する育成領域で前記植物体を育成する育成工程と、該育成工程で育成した前記植物体を包装するパッケージング領域に、植物体搬入者が同植物体を搬入する第1搬入工程と、該第1搬入工程で搬入した前記植物体を前記パッケージング領域内で包装する包装工程と、該包装工程で前記植物体を包装した包装済み商品を配送するための準備を行う配送準備領域に、包装済み商品搬入者が前記包装済み商品を搬入する第2搬入工程と、該第2搬入工程で搬入された前記包装済み商品を、前記育成領域、前記パッケージング領域及び前記配送準備領域から成る作業エリアから所定の配送時間内に配送先へ配送可能な配送エリアに配送するための準備を行う配送準備工程と、該配送準備工程で配送の準備が行われた前記包装済み商品を前記配送エリアに配送する配送工程を含む商品配送方法を実施する商品配送システムであって、前記育成領域と前記パッケージング領域、及び、同パッケージング領域と前記配送準備領域を近接して配置すると共に、前記作業エリアの周辺に前記配送エリアを配置する。
【0027】
ここで、種若しくは苗から生長した植物体を育成する育成領域で植物体を育成する育成工程と、育成工程で育成した植物体を包装するパッケージング領域に、植物体搬入者が植物体を搬入する第1搬入工程と、第1搬入工程で搬入した植物体をパッケージング領域内で包装する包装工程によって、植物体搬入者が、育成領域で育成された植物体をパッケージング領域に搬入するので、パッケージング領域内で包装することができる。
【0028】
また、第1搬入工程で搬入した植物体をパッケージング領域内で包装する包装工程と、包装工程で植物体を包装した包装済み商品を配送するための準備を行う配送準備領域に、包装済み商品搬入者が包装済み商品を搬入する第2搬入工程と、第2搬入工程で搬入された包装済み商品を、作業エリアから配送エリアに配送するための準備を行う配送準備工程によって、包装した包装済み商品を配送準備領域に包装済み商品搬入者が搬入し、配送エリアに配送するための準備を行うことができる。
【0029】
また、第2搬入工程で搬入された包装済み商品を、育成領域、パッケージング領域及び配送準備領域から成る作業エリアから所定の配送時間内に配送先へ配送可能な配送エリアに配送するための準備を行う配送準備工程と、配送準備工程で配送の準備が行われた包装済み商品を配送エリアに配送する配送工程によって、配送エリアに配送する準備が完了した包装済み商品を配送エリアの消費者に配送することができる。
【0030】
また、育成領域、パッケージング領域及び配送準備領域から成る作業エリアによって、作業エリア内で植物体の育成、収穫及び包装、そして配送準備作業を行うことができる。
【0031】
また、作業エリアから包装済み商品を所定の配送時間内に配送先へ配送可能な配送エリアによって、収穫から配送準備までを短時間で行った包装済み商品を、さらに所定の時間内に配送先へ配送することができるので、短時間で消費者に届けることができる。これにより、収穫から配送までの間に鮮度が損なわれることが抑制される。
【0032】
また、育成領域とパッケージング領域を近接して配置したことによって、育成領域で生長した植物体を即時パッケージング領域に運び込むことができるので、植物体を収穫してから包装するまでが短時間で行われ、商品の鮮度を損なうことなく包装することができる。
【0033】
また、パッケージング領域と配送準備領域を近接して配置したことによって、包装済み商品を短時間で配送準備領域に搬入することができるので、植物体を包装してから配送するまでが短時間で行われ、この間に商品の鮮度を損なうことなく配送準備を整えることができる。
【0034】
また、育成領域とパッケージング領域、及び、パッケージング領域と配送準備領域を近接して配置したことによって、育成領域での植物体の収穫から、パッケージング領域での包装、及び配送準備領域での配送準備作業までの時間を短縮することができ、この間に商品の鮮度が損なわれることを抑制することができる。
【0035】
また、配送エリアを作業エリアの周辺に配置したことによって、作業エリアで配送準備が完了した包装済み商品を短時間で配送エリア内に配送することができ、この間に商品の鮮度が損なわれることを抑制することができる。
【0036】
また、上記課題を解決するために、本発明の商品配送情報処理システムは、植物体を育成する育成領域で取得された前記植物体の育成状況に関する情報を記憶させる育成情報記憶部と、該育成情報記憶部で記憶された前記植物体の前記育成状況に関する情報から同植物体が即時出荷可能な状態であるかを判断する出荷可否判断部と、該出荷可否判断部で即時出荷可能な状態であると判断された前記植物体の出荷可能数量を累積注文数量が超えるかを判断する数量判断部と、該数量判断部で前記累積注文数量が前記出荷可能数量を超えない場合には、前記育成領域と近接して設けられたパッケージング領域で前記植物体を包装するための情報処理を行うパッケージング部と、前記パッケージング領域と近接して設けられた配送準備領域内で、前記パッケージング部での情報処理により前記植物体が包装された包装済み商品を特定する特定情報と前記包装済み商品の配送先に関する情報とを紐づけて記憶させる配送先情報記憶部と、前記育成領域、前記パッケージング領域及び前記配送準備領域から成る作業エリアの周辺に位置し前記包装済み商品を所定の配送時間内に配送先へ配送可能な配送エリアに、同包装済み商品を配送するために必要な前記特定情報と前記配送先に関する情報を前記配送エリアに配送する配送者に渡すための情報処理を行う配送情報等伝達部とを備える。
【0037】
ここで、植物体を育成する育成領域で取得された植物体の育成状況に関する情報を記憶させる育成情報記憶部と、育成情報記憶部で記憶された植物体の育成状況に関する情報から植物体が即時出荷可能な状態であるかを判断する出荷可否判断部とによって、育成情報記憶部で取得された植物体の育成状況に関する情報を元に、出荷可否判断部で各植物体が出荷可能な状態(即ち、充分に生長し、即時出荷して商品として売買することが可能である状態)であるか否かを判断することができる。
【0038】
また、出荷可否判断部で即時出荷可能な状態であると判断された植物体の出荷可能数量を累積注文数量が超えるかを判断する数量判断部と、数量判断部で累積注文数量が出荷可能数量を超えない場合には、育成領域と近接して設けられたパッケージング領域で植物体を包装するための情報処理を行うパッケージング部とを有することによって、出荷可能数量を累積注文数量が超えた場合には、超えた分の注文数量については、包装及び配送がされないので、発注者に受注できないことを伝えるなどの対応を取ることができる。
【0039】
また、育成領域とパッケージング領域が近接して設けられたことによって、育成領域で生長した植物体をパッケージング領域に即時に搬入することができ、その間に植物体の鮮度が損なわれることを抑制することができる。
【0040】
また、配送準備領域内で、パッケージング部での情報処理により植物体が包装された包装済み商品を特定する特定情報と包装済み商品の配送先に関する情報とを紐づけて記憶させる配送先情報記憶部と、育成領域、パッケージング領域及び配送準備領域から成る作業エリアの周辺に位置し包装済み商品を所定の配送時間内に配送先へ配送可能な配送エリアに、包装済み商品を配送するために必要な特定情報と配送先に関する情報を配送エリアに配送する配送者に渡すための情報処理を行う配送情報等伝達部によって、配送者が、包装済み商品を受注された個数分配送先に所定時間内に配送することが可能となる。なお、特定情報には、例えば、包装済み商品のシリアル番号若しくはシリアル番号に紐づく出荷番号などと、配送される包装済み商品の個数が含まれ、配送先に関する情報には、例えば、配送先住所、電話番号或いは地図などの画像が含まれる。
【0041】
また、パッケージング領域と配送準備領域が近接して設けられたによって、パッケージング領域で包装された包装済み商品を配達準備領域に即時に運び込むことができ、その間に包装済み商品の鮮度が損なわれることを抑制することができる。
【0042】
また、上記課題を解決するために、本発明の商品配送情報処理システムは、植物体を育成する育成領域で取得された前記植物体の育成状況に関する情報を記憶させるための情報処理を行い、前記育成状況に関する情報から前記植物体が即時出荷可能な状態であるかを判断する出荷可否判断部と、該出荷可否判断部で即時出荷可能な状態であると判断された前記植物体の出荷可能数量を累積注文数量が超えるかを判断する数量判断部と、該数量判断部で前記累積注文数量が前記出荷可能数量を超えない場合には、前記育成領域と近接して設けられたパッケージング領域で前記植物体を包装するための情報処理を行うパッケージング部と、前記パッケージング領域と近接して設けられた配送準備領域内で、前記パッケージング部での情報処理により前記植物体が包装された包装済み商品を特定する特定情報と該特定情報と紐づけられた前記包装済み商品の配送先に関する情報とを記憶させるための情報処理を行い、前記特定情報と前記配送先に関する情報を、前記育成領域、前記パッケージング領域及び前記配送準備領域から成る作業エリアの周辺に位置し前記包装済み商品を所定の配送時間内に配送先へ配送可能な配送エリアに同包装済み商品を配送する配送者に送るための情報処理を行う配送情報等伝達部とを備える。
【0043】
ここで、植物体を育成する育成領域で取得された植物体の育成状況に関する情報を記憶させるための情報処理を行い、育成状況に関する情報から植物体が即時出荷可能な状態であるかを判断する出荷可否判断部によって、植物体の育成状況に関する情報を元に、判断部で各植物体が出荷可能な状態(即ち、充分に生長し、即時出荷して商品として売買することが可能である状態)であるか否かを判断することができる。
【0044】
また、出荷可否判断部で即時出荷可能な状態であると判断された植物体の出荷可能数量を累積注文数量が超えるかを判断する数量判断部と、数量判断部で累積注文数量が出荷可能数量を超えない場合には、育成領域と近接して設けられたパッケージング領域で植物体を包装するための情報処理を行うパッケージング部によって、出荷可能数量を累積注文数量が超えた場合には、超えた分の注文数量については、包装及び配送がされないので、発注者に受注できないことを伝えるなどの対応を取ることができる。
【0045】
また、育成領域とパッケージング領域が近接して設けられたことによって、育成領域で生長した植物体をパッケージング領域に即時に搬入することができ、その間に植物体の鮮度が損なわれることを抑制することができる。
【0046】
また、パッケージング領域と近接して設けられた配送準備領域内で、パッケージング部での情報処理により植物体が包装された包装済み商品を特定する特定情報と特定情報と紐づけられた包装済み商品の配送先に関する情報とを記憶させるための情報処理を行い、特定情報と配送先に関する情報を、育成領域、パッケージング領域及び配送準備領域から成る作業エリアの周辺に位置し包装済み商品を所定の配送時間内に配送先へ配送可能な配送エリアに同包装済み商品を配送する配送者に送るための情報処理を行う配送情報等伝達部によって、配送者が、包装済み商品を受注数量分、配送先に正確に配送することが可能となる。なお、特定情報には、例えば、包装済み商品のシリアル番号若しくはシリアル番号と紐づけられた出荷番号などと配送される包装済み商品の個数が含まれ、配送先に関する情報には、例えば、配送先住所、電話番号或いは地図などの画像が含まれる。
【0047】
また、パッケージング領域と配送準備領域が近接して設けられたことによって、パッケージング領域で包装された包装済み商品を配達準備領域に即時に搬入することができ、その間に包装済み商品の鮮度が損なわれることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0048】
本発明に係る商品配送システム及び商品配送情報処理システムは、出荷可能な商品の鮮度を損なうことなく短時間で消費者へ配送可能な商品配送システム及び商品配送情報処理システムとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る商品配送システムの説明図である。
図2】本発明の第1の実施の形態に係る商品配送システムの作業エリアと配達エリアを示した説明図である。
図3】本発明の第2の実施の形態に係る商品配送情報処理システムの構成図である。
図4図4(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る商品配送情報処理システムの判断部で用いられる表であり、図4(b)は、本発明の第2の実施の形態に係る商品配送情報処理システムの照合判定部で用いられる表である。
図5】本発明の第2の実施の形態に係る商品配送情報処理システムの配送先情報記憶部で作成される表である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の商品配送システムAについて図1乃至図5を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
まず、本発明の第1の実施の形態について図1及び図2を用いて説明する。
【0051】
〔第1の実施の形態〕
商品配送システムAは、育成領域1、パッケージング領域2及び配送準備領域3からなる作業エリアW、及び、作業エリアWの周辺に位置する配送エリアVを備える。育成領域1は水耕栽培により苗Sから出荷可能な生育状態である植物体Pを育成する領域であり、複数のラック10が設けられている。
【0052】
各ラック10には棚11が上下方向に4段ずつ設けられており、各棚11には複数のトレー12が載置されている。棚11の一端11a側に位置するトレー12には発芽したばかりの苗Sが収容されており、トレー12が他端11bへ向けて移動すると共に、トレー12に収容された苗Sは徐々に生長する。トレー12の苗Sは、高さ若しくは重さなどから出荷可能な状態であるか否かが判断され、出荷可能であると判断された場合には出荷可能な植物体Pとして棚11の他端11b側に位置する植物体載置部13に移動する。
【0053】
このように、植物体Pが植物体載置部13上に置かれることで、パッケージング領域2に搬入される植物体Pは定位置に置かれることになり、出荷に適していない育成状態であるのにパッケージング領域2に搬入してしまうことを抑止することができる。
【0054】
なお、出荷可能であるか否かについての判断は、例えば、所定の高さ及び重さを有していれば、出荷可能であると判断し、高さ及び重さの双方若しくはいずれか一方が条件を充たしていなければ出荷不可であると判断することが考えられるが、これに限定されるものではなく、他の判断要素を用いることも可能である。
【0055】
また、植物体Pが搬入されたパッケージング領域2には作業台20が設けられており、その一端20aは植物体載置部13から約2メートル以内に位置するように近接して配置されている。これにより、迅速に植物体Pをパッケージング領域2に搬入することができ、この間の植物体Pの時間経過に伴う鮮度の低下を抑制することができる。
【0056】
ここで、植物体Pは、受注数量に相当する数量分だけ収穫されて、植物体載置部13から作業台20の一端20a側に運ばれる。即ち、前もって受注数量以上の植物体Pを収穫することはないので、パッケージング領域2に搬入される以前に鮮度が損なわれてしまうことを抑制することができる。
【0057】
なお、作業台20の一端20aと植物体載置部13との距離は2メートル以内に限られるものではなく、さらに近接させる(例えば距離を1メートル以内とする)、あるいは作業台20と植物体載置部13が設けられたラック10とを隣接させるなど、適宜設定することも可能である。また、植物体Pの鮮度の低下を抑制することができるのであれば、作業台20の一端20aと植物体載置部13との距離を10メートル以内にする、又は同一施設内に設けるなども可能である。
【0058】
ここで、パッケージング領域2は、育成領域1で育成された植物体Pを包装する領域であり、受注数量に対応する数量の植物体Pが袋状の包装体21に収容され、包装済み商品Gとして作業台20の他端20bに移動される。なお、包装体21は袋状のものに限られるものではなく、箱形状のものなど適宜考えられる。
【0059】
また、包装済み商品Gが搬入される配送準備領域3には作業台30が設けられており、包装済み商品Gは、作業台20の他端20bから作業台30の一端30a側へ搬入される。このとき、作業台20の他端20bと作業台30の一端30aは約2メートル以内に位置するように近接して配置されているので、迅速に植物体Pを配送準備領域3に搬入することができ、この間に植物体Pの時間経過に伴う鮮度の低下を抑制することができる。
【0060】
なお、作業台30の一端30aと作業台20の一端20bとの距離は2メートル以内に限られるものではなく、さらに近接させる(例えば距離を1メートル以内とする)、あるいは作業台30と作業台20とを隣接させるなど、適宜設定することも可能である。また、植物体Pの鮮度の低下を抑制することができるのであれば、作業台30の一端30aと作業台20の一端20bとの距離を10メートル以内にする、又は同一施設内に設けるなども可能である。
【0061】
また、配送準備領域3で、受注数量に応じた包装済み商品Gは配送用ケース31に収容される。配送用ケース31は配送先の住所や地図などの配送先の情報Iが記載されたメモ32と共に配送者Dに渡され、配送者Dは配送用ケース31を図2に示す配送エリアV内の配送先住所に届ける。
【0062】
この配送エリアVは、配送者Dが包装済み商品Gを12時間以内に配送先の消費者へ配送可能な領域として設定されている。なお、配送時間は12時間以内に限られるものではなく、植物体Pの鮮度が損なわれない範囲で適宜設定することが可能であるが、12時間以内とすることで包装済み商品Gの時間経過に伴う鮮度低下を充分に抑制することができる。
【0063】
このように、本実施例の商品配送システムAは、出荷から短時間で出荷準備を行うことができ、また配送時間も12時間以内であることから、植物体Pの鮮度を損なうことなく発注者に届けることができる。
【0064】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について図3及び図5を用いて説明する。
なお、本実施の形態の説明において、第1の実施の形態と同様な部分については説明を省略する。
【0065】
本実施の形態の商品搬送情報処理システムBは、図3に示すように、育成領域1で苗Sが植物体Pに育成されるまでの苗Sの育成状況に関する育成情報Tを収集する育成用サブシステムB1、植物体Pの包装に関する情報を照合して特定の植物体Pを包装し、包装済み商品Gを作成するパッケージング用サブシステムB2、及び、包装済み商品Gの配送準備に関する配送情報を収集し、配送情報と特定の包装済み商品とを配送可能な状態にする配送準備用サブシステムB3から成る。
【0066】
ここで、育成用サブシステムB1は、育成領域1で育成される苗S若しくは植物体Pの育成情報Tを取得して記憶させる育成情報記憶部B1a、育成情報記憶部B1aで記憶された植物体Pの育成情報Tから植物体Pが出荷可能な状態であるかを判断する出荷可否判断部B1bを有する。
【0067】
ここで、育成領域1で育成される苗Sについて説明する。苗Sは、育成領域1内に設けられた棚11の一端11a側に載置され、日ごとに他端11b側に向かって移動しながら、徐々に出荷可能な状態の植物体Pに生長する。
【0068】
また、苗Sにはシリアル番号が付されており、苗Sから植物体Pになるまでの育成状況に関する情報は、図4(a)に示すように、シリアル番号と紐づけられて育成情報Tとして育成情報記憶部B1aで取得され記憶される。なお、育成情報Tとは、具体的には、生育過程における苗S若しくは植物体Pの高さや重さなどが考えられるが、植物体Pが花である場合には、つぼみの膨らみ具合なども含めることが可能である。
【0069】
また、取得された育成情報Tを元に、判断部B1bで出荷可能な育成状態であるかが判断される。具体的には、育成情報Tを元に所定の生育条件を満たしているか(例えば、高さが一定の値以上になっているか、所定の重さを有しているか)などの育成条件を充たしているかが判断される。
【0070】
このとき、育成情報記憶部B1aでは、図4(a)に示される表が作成されて記憶される。即ち、左端のa列には植物体のシリアル番号が記載され、左から2番目のb列にはシリアル番号に対応する植物体が高さについての生育条件を充たしているかが記載されている。具体的には、高さについての育成条件を充たしている場合には「1」と表示され、充たしていない場合には「0」と表示される。
【0071】
また、左から3番目のc列には重さについての生育条件を充たしているかが記載されている。具体的には、重さについての育成条件を充たしている場合には「1」と表示され、充たしていない場合には「0」と表示される。
【0072】
また、右から二つ目のd列には、b列の高さについての生育条件及びc列の重さについての育成条件の双方を充たしていれば出荷可能と判断され「1」と表示される。一方、いずれか一方若しくは双方とも充たしていない場合には出荷不可と判断され、「0」と表示される。
【0073】
また、出荷可否判断部B1bにおいて出荷可能であると判断された植物体P(即ち、出荷の可否判断で「1」と表示されたシリアル番号が付された植物体P)は、植物体載置部13上に移動する。これにより、所定の生育条件を充たした出荷可能な植物体Pのみが植物体載置部13上に載置されるので、植物体Pをパッケージング領域2に搬入する際、生育条件を充たしていないのにパッケージング領域2に搬入されるのを抑制することができる。
【0074】
また、パッケージング用サブシステB2ムは、出荷可能数量を累積注文数量が超えるか否かを判定する数量判断部B2a、植物体Pを包装するパッケージング部B2bを有する。
【0075】
ここで、パッケージング用サブシステムB2には、一日の出荷可能な包装済み商品Gの数量である出荷予定数量が予め定められており、本実施例においては「一日あたり100個」に設定されている。なお、一日あたりの出荷予定数量は「一日あたり100個」に限定されるものではなく、適宜設定することができる。
【0076】
そして、パッケージング用サブシステムB2の数量判断部B2aにおいて、図4(b)に示すように、出荷可能な植物体Pのシリアル番号を出荷番号と紐づける。具体的には、図4(a)のd列の出荷の可否判断で「1」と表示された植物体Pのシリアル番号を出荷番号(1~100まで)と紐づける。
【0077】
これにより、出荷番号が「100」になった時点でその日の出荷予定数量は達成されたことになり、パッケージング領域2での植物体Pの包装作業は終了する。これにより、過剰に包装済み商品Gを生産することによる売れ残りが発生することを抑制することができる。
【0078】
また、数量判断部B2aで出荷可能数量が出荷予定数量を超えない場合には、パッケージング部B2bで植物体Pを包装する。具体的には、植物体Pを包装体21内に収容し、包装体21の上部開口部(図示せず)を閉じて包装して、包装済み商品Gが作られる。
【0079】
ここで、作業台20の一端20aは、育成領域1の植物体載置部13に近接して設けられており、育成領域1で育成された出荷可能な植物体Pを迅速にパッケージング領域2に搬入することができるので、この間に植物体Pの鮮度が低下するのを抑制することができる。そして、パッケージング領域2で包装された包装済み商品Gは、配送準備領域3へ搬入される。
【0080】
また、配送準備用サブシステムB3は、包装済み商品Gを出荷番号で特定する特定情報と包装済み商品Gの配送先に関する情報とを紐づけて記憶させる配送先情報記憶部B3aと、包装済み商品Gを所定の配送時間内に配送先へ配送可能な配送エリアに包装済み商品を配送するために必要な特定情報とこれに紐づけられた配送先に関する情報とを、配送準備領域3で配送を行う配送者に送る配送情報等伝達部B3bを有する。
【0081】
ここで、配送先情報記憶部B3aにおいて、配送準備領域3へ搬入された包装済み商品Gを受注数量に相当する数量分をシリアル番号で特定した特定情報Jと配送先情報Kとを紐づけて記憶させる。これにより、受注数量と同数の包装済み商品Gを、受注者の指定した配送先に配送することができる。
【0082】
また、配送情報等伝達部B3bにおいて、特定情報J、配送先情報K及び特定情報Jにより特定された包装済み商品Gを配送者Dに送る。なお、配送者Dには、実際に配送を行う配送者(ドライバーなどのスタッフ)に限られるものではなく、配送を請け負う外部業者を含む。また、配送者Dに送る際、メモ33に特定情報等J及び配送先情報Kを記載して配送者Dに渡す場合に限られず、電子的情報として渡す場合も含まれる。
【0083】
即ち、図5に示すように、3個の植物体Pを配送先住所「F県F市T区W通り1丁目」に配送することを内容とする注文情報Eにおいて、シリアル番号が付された3個の植物体Pを特定する特定情報J(即ち、出荷番号1、2、3)と、配送先情報K(即ち、配送先住所)とが紐付けられて、シリアル番号に対応する特定された3個の植物体Pと共に配送者に渡される。
【0084】
また、配送準備領域3はパッケージング領域2と近接して設けられており、パッケージング領域2で包装された包装済み商品Gを迅速に移送準備領域3に運び入れることができるので、この間に植物体Pの鮮度が低下するのを抑制することができる。
【0085】
そして、配送エリアVが作業エリアWの周辺に位置し、包装済み商品Gを12時間以内に配送先へ配送可能であることにより、配送準備が完了した包装済み商品Gは、配送者Dにより12時間以内に受注者へ配送されるので、この間の鮮度の低下を抑制することができる。
【0086】
なお、苗S若しくは植物体Pの育成情報Tを取得して記憶させる育成情報記憶部B1a、及び包装済み商品を特定する特定情報と前記包装済み商品の配送先に関する情報とを紐づけて記憶させる配送先情報記憶部B3aを商品配送情報処理システムAの外部に有することも考えられる。
【0087】
この場合、商品配送情報処理システムAは、インターネット回線などの通信回線を用いて育成情報記憶部B1a及び配送先情報記憶部B3aにアクセス可能である。新たな育成情報Tや配送先情報Kを通信回線を用いて記憶することができる。
【0088】
また、他の商品配送情報処理システムから育成情報記憶部B1a及び配送先情報記憶部B3aにアクセスし、育成情報Tや配送先情報Kを読み込むことも考えられる。また、他の商品配送情報処理システムで得られた育成情報Tや配送先情報Kを育成情報記憶部B1a及び配送先情報記憶部B3aに記憶させることも考えられる。
【0089】
このように、外部に育成情報記憶部B1a及び配送先情報記憶部B3aを有することで、他システムと情報の共有を図ることが可能となる。これにより、例えば、商品配送情報処理システムAで植物体Pが過剰に生産された場合に、外部の育成情報記憶部B1aに保存することで、植物体Pが不足している他システム(あるいは、多くの発注を受けた他システム)に余剰の植物体Pを渡すこともできる。
【0090】
また、商品配送情報処理システムAで植物体Pが不足した場合には、外部の育成情報記憶部B1aで、過剰に植物体Pが生産されているシステムを検索することで、余剰の植物体を受け取ることもできる。
【0091】
即ち、複数の商品配送情報処理システム間で情報を共有することで、植物体Pの流通を円滑に行うことができ、必要充分な数量の植物体Pを消費者に供給することができる。
【0092】
以上により、本発明に係る商品配送システム及び商品配送情報処理システムは、出荷可能な商品の鮮度を損なうことなく短時間で消費者へ配送可能な商品配送システム及び商品配送情報処理システムとなっている。
【符号の説明】
【0093】
1 育成領域
2 パッケージング領域
3 配送準備領域
A 商品配送情報処理システム
B1a 育成情報記憶部
B1a 判断部
B2a 照合判定部
B2b パッケージング部
B3a 配送先情報記憶部
B3b 配送情報等伝達部
G 包装済み商品
J 特定情報
K 配送先に関する情報
P 植物体
S 苗
T 育成状況に関する情報
V 配送エリア
W 作業エリア
図1
図2
図3
図4
図5