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特開2022-39771感染症予防サービス提供システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039771
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】感染症予防サービス提供システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20220303BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020144952
(22)【出願日】2020-08-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006677
【氏名又は名称】アステラス製薬株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】515336423
【氏名又は名称】株式会社Take Action
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100136744
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 佳正
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】今井 啓太
(72)【発明者】
【氏名】添川 直弥
(72)【発明者】
【氏名】田端 啓吾
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】 集団の感染症予防行動への有利な変容効果が期待できるシステム等を提供する。
【解決手段】 感染症予防サービス提供システムにおいて、情報管理サーバは、組織等の構成メンバーが所持する複数の情報端末に対し、感染症予防のための一般的知識を説明する教育コンテンツを配信するとともに、組織等のメンバーにより他のメンバーに対して感染症予防を啓発する啓発コンテンツを配信し、1以上のセンサデバイスから収集される、各メンバーのモニタリングデータを定期的に集計してその結果を視覚的にフィードバックし、複数の情報端末を介したメンバー間の相互評価行動を管理してフィードバックする。
【選択図】 図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織またはグループにおける複数の構成メンバーが所持する複数の情報端末と、
前記複数の情報端末からアクセス可能な情報管理サーバと、
前記組織またはグループの活動をモニタリングするために前記組織またはグループが活動するエリアに設置され、前記モニタリングしたデータを前記情報管理サーバへ送信する1以上のセンサデバイスと
を少なくとも備える感染症予防サービス提供システムであって、
前記情報管理サーバは、前記複数の情報端末に対し、
感染症予防のための一般的知識を説明する教育コンテンツの配信を行うとともに、前記組織またはグループにおけるメンバーにより他のメンバーに対して感染症予防を啓発する啓発コンテンツを配信し、
前記1以上のセンサデバイスから収集されるモニタリングデータを定期的に集計してその結果を視覚的にフィードバックし、
前記複数の情報端末を介した前記メンバー間の相互評価行動を管理してフィードバックする
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記複数の情報端末を介した前記メンバー間の相互評価行動は、評価するメンバーが評価されるメンバーに対して報酬を付与するシステムに基づいて管理されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記メンバー間の相互評価行動を管理してフィードバックすることには、前記メンバーによる評価数の集計のほかに、前記メンバーによる評価または評価数に基づく当該評価対象者への報酬の算定が含まれることを特徴とする請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記1以上のセンサデバイスには、消毒用エタノールポンプ容器のプッシュカウンタ、消毒用ポンプ式スプレーボトルのプッシュカウンタ、手動式ハンドソープディスペンサーのプッシュカウンタ、自動ソープディスペンサーのオン/オフカウンタ、水道の自動水栓カウンタ、換気扇のオン/オフカウンタ、窓の開閉検知デバイス、扉の開閉検知デバイス、マスク着用率検知デバイスのうちの少なくとも1以上が含まれることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記組織またはグループにおけるメンバーによる感染症予防のための啓発コンテンツの配信は、前記組織またはグループにおける責任者、マネージャ、あるいはリーダーによる動画または画像を含む啓発コンテンツの前記情報管理サーバへのアップロードに基づくものであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
組織またはグループにおける複数の構成メンバーが所持する複数の情報端末と、前記複数の情報端末からアクセス可能な情報管理サーバと、前記組織またはグループの活動をモニタリングするために前記組織またはグループが活動するエリアに設置されるセンサデバイスであって、前記モニタリングしたデータを前記情報管理サーバへ送信する1以上のセンサデバイスとを少なくとも備える感染症予防サービス提供システム上で動作するプログラムであって、
前記情報管理サーバに、
前記複数の情報端末に対し、感染症予防のための一般的知識を説明する教育コンテンツを配信させるとともに、前記組織またはグループにおけるメンバーにより他のメンバーに対して感染症予防を啓発する啓発コンテンツを配信させるステップと、
前記1以上のセンサデバイスから収集されるモニタリングデータを定期的に集計させ、前記複数の情報端末に対しその結果を視覚的にフィードバックさせるステップと、
前記複数の情報端末を介した前記メンバー間の相互評価行動を管理させてフィードバックさせるステップと
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
前記複数の情報端末を介した前記メンバー間の相互評価行動は、評価するメンバーが評価されるメンバーに対して報酬を付与するシステムに基づいて管理されることを特徴とする請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記メンバー間の相互評価行動を管理してフィードバックすることには、前記メンバーによる評価数の集計のほかに、前記メンバーによる評価または評価数に基づく当該評価対象者への報酬の算定が含まれることを特徴とする請求項6または7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記1以上のセンサデバイスには、消毒用エタノールポンプ容器のプッシュカウンタ、消毒用ポンプ式スプレーボトルのプッシュカウンタ、手動式ハンドソープディスペンサーのプッシュカウンタ、自動ソープディスペンサーのオン/オフカウンタ、水道の自動水栓カウンタ、換気扇のオン/オフカウンタ、窓の開閉検知デバイス、扉の開閉検知デバイス、マスク着用率検知デバイスのうちの少なくとも1以上が含まれることを特徴とする請求項6~8のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記組織またはグループにおけるメンバーによる感染症予防のための啓発コンテンツの配信は、前記組織またはグループにおける責任者、マネージャ、あるいはリーダーによる動画または画像を含む啓発コンテンツの前記情報管理サーバへのアップロードに基づくものであることを特徴とする請求項6~9のいずれか1項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広く感染症を予防するためのサービス提供システム等に関し、より具体的には、感染症予防のためのコンテンツ配信や相互評価システムを導入したシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、感染症の拡大を防止するための装置やシステム等の提案が行われてきた。
【0003】
例えば、人の粘膜にウイルスが侵入することに起因する感染症の予防を適切に支援する装置等が提案されている(特許文献1)。
【0004】
すなわち、特許文献1には、ユーザによる前腕部又は手首の動作を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された、一定時間にわたる動作に基づいて、前記ユーザの手の顔の粘膜への近接の有無を判定する近接判定手段と、前記近接判定手段により前記ユーザの手が前記粘膜に近接したと判定されたときに、前記近接を抑制するための警告を発生する警告発生手段と、を備えた感染症予防支援装置が開示されている。
かかる装置(スマートウォッチ等)によれば、ユーザが手を顔の粘膜に近接させたときに、ユーザへの警告が発生されるので、感染症のもととなる手の動きを抑制することができるとされている。
【0005】
また、流行性感染症の感染者の行動履歴を移動端末の旅程検索に利用し、感染を予防するシステム等も提案されている(特許文献2)。
【0006】
すなわち、特許文献2には、感染者行動履歴データベースおよび流行情報データベースと地図情報データベースを備えたホストシステムと、このホストシステムに行動履歴の送信と旅程検索の要求を行う個人用移動端末と感染症流行情報の登録を行う医療機関端末からなる感染症予防情報提供システムであって、前記ホストシステムは、個人用移動端末より送信された移動履歴を感染者行動履歴データベースに登録する感染者行動履歴収集手段と、医療機関端末より送信された流行情報を流行情報データベースに登録する流行情報収集手段と、個人用移動端末からの旅程検索の要求に対して、感染症予防情報を付加した旅程検索結果を求める旅程検索手段と、個人用移動端末および医療機関端末とのデータの送受信を行う送受信手段とを備え、前記個人用移動端末は、衛星からの電波を受信して自装置の現在位置を検出する現在位置検出手段と、この現在位置検出手段が検出した位置を蓄積する行動履歴データベースと、旅程検索における条件入力画面や前記ホストシステムからの旅程検索結果画面を表示する表示手段と、前記ホストシステムに行動履歴を送信する際の感染症種別等の指定、または前記ホストシステムに旅程検索を要求する際の条件指定を入力する入力手段と、前記ホストシステムへの行動履歴の送信および旅程検索の要求送信および結果受信を行うための送受信手段と、行動履歴の蓄積・送信処理を行う行動履歴処理手段と、旅程検索の要求・結果表示処理を行う旅程処理手段とを備えることを特徴とする感染症予防情報提供システムが開示されている。
【0007】
一方で、組織内の活動(例えば、挨拶の励行や整理整頓の励行など)を活発化するための組織内コミュニケーションを促進するシステム等も提案されている(特許文献3)。
【0008】
すなわち、特許文献3には、組織を活性化するための組織内コミュニケーションシステムであって、組織ごとに特有の仮想コインを作成するカスタマイズコイン作成手段と、作成された複数種類の前記仮想コインの中から、コインを贈呈する贈呈ユーザにより選択された仮想コインを、コインを獲得する獲得ユーザと対応付けるコイン贈呈手段と、前記獲得ユーザと対応付けられた前記仮想コインの数を記憶する獲得数記憶手段と、前記獲得ユーザ毎に、対応付けられた前記仮想コインの数を表示する獲得数表示手段と、を備え、前記複数種類の前記仮想コインは、丁寧な仕事を大事にする組織の場合は丁寧コインであり、挨拶を大事にする組織の場合は挨拶コインを含み、前記獲得数記憶手段は、前記組織が会社である場合、複数の種類の前記仮想コインが該会社の経営理念又は行動指針に合わせて分類され、前記仮想コインの数を前記分類に沿って記憶し、前記獲得数表示手段は、前記仮想コインの数を前記分類に沿って表示すること、を特徴とする組織内コミュニケーションシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2020-000650号公報
【特許文献2】特開2011-191236号公報
【特許文献3】特許第6143383号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来技術においては、集団における感染症予防リテラシーを改善するという観点からの工夫はなされてこなかった。例えば、予防教育、予防啓発、行動報酬などの複数の要素を複合的に取り入れた、感染症予防サービスのさらなる向上が期待される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、本発明の一実施形態にかかるシステムは、組織またはグループにおける複数の構成メンバーが所持する複数の情報端末と、前記複数の情報端末からアクセス可能な情報管理サーバと、前記組織またはグループの活動をモニタリングするために前記組織またはグループが活動するエリアに設置され、前記モニタリングしたデータを前記情報管理サーバへ送信する1以上のセンサデバイスとを少なくとも備えるものであって、前記情報管理サーバは、前記複数の情報端末に対し、感染症予防のための一般的知識を説明する教育コンテンツの配信を行うとともに、前記組織またはグループにおけるメンバーにより他のメンバーに対して感染症予防を啓発する啓発コンテンツを配信し、前記1以上のセンサデバイスから収集されるモニタリングデータを定期的に集計してその結果を視覚的にフィードバックし、前記複数の情報端末を介した前記メンバー間の相互評価行動を管理してフィードバックすることを特徴とする。
【0012】
本発明の一実施形態にかかるシステムによれば、予防教育、予防啓発、行動報酬などの複数の要素を複合的に取り入れたことによる、集団の予防行動への有利な変容効果が期待できる。
【0013】
前記複数の情報端末を介した前記メンバー間の相互評価行動は、評価するメンバーが評価されるメンバーに対して報酬を付与するシステムに基づいて管理されてもよい。これにより、メンバー間の相互評価を介することで、各メンバーのやる気を引き出し易くなる。
【0014】
前記メンバー間の相互評価行動を管理してフィードバックすることには、前記メンバーによる評価数の集計のほかに、前記メンバーによる評価または評価数に基づく当該評価対象者への報酬の算定が含まれてもよい。これにより、評価数の集計に加えて、メンバーによる評価または評価数で重み付けした報酬を用いることができる。従って、各メンバーのやる気をさらに引き出し易くなる。
【0015】
前記1以上のセンサデバイスには、消毒用エタノールポンプ容器のプッシュカウンタ、消毒用ポンプ式スプレーボトルのプッシュカウンタ、手動式ハンドソープディスペンサーのプッシュカウンタ、自動ソープディスペンサーのオン/オフカウンタ、水道の自動水栓カウンタ、換気扇のオン/オフカウンタ、窓の開閉検知デバイス、扉の開閉検知デバイス、マスク着用率検知デバイスのうちの少なくとも1以上が含まれてもよい。
【0016】
前記組織またはグループにおけるメンバーによる感染症予防のための啓発コンテンツの配信は、前記組織またはグループにおける責任者、マネージャ、あるいはリーダーによる動画または画像を含む啓発コンテンツの前記情報管理サーバへのアップロードに基づくものであってもよい。これにより、各メンバーに身近な役職者の啓発コンテンツを用いることで、感染症予防に対する各メンバーのやる気を引き出し易くなる。
【0017】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、組織またはグループにおける複数の構成メンバーが所持する複数の情報端末と、前記複数の情報端末からアクセス可能な情報管理サーバと、前記組織またはグループの活動をモニタリングするために前記組織またはグループが活動するエリアに設置されるセンサデバイスであって、前記モニタリングしたデータを前記情報管理サーバへ送信する1以上のセンサデバイスとを少なくとも備える感染症予防サービス提供システム上で動作するものであって、前記情報管理サーバに、前記複数の情報端末に対し、感染症予防のための一般的知識を説明する教育コンテンツを配信させるとともに、前記組織またはグループにおけるメンバーにより他のメンバーに対して感染症予防を啓発する啓発コンテンツを配信させるステップと、前記1以上のセンサデバイスから収集されるモニタリングデータを定期的に集計させ、前記複数の情報端末に対しその結果を視覚的にフィードバックさせるステップと、前記複数の情報端末を介した前記メンバー間の相互評価行動を管理させてフィードバックさせるステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一実施形態にかかるシステム等によれば、予防教育、予防啓発、行動報酬などの複数の要素を複合的に取り入れたことによる、集団の予防行動への有利な変容効果が期待できるシステム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムの全体構成例を説明する説明図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムにおけるセンサデバイスの機能ブロックを説明する説明図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムにおけるユーザ端末の外観構成を説明する説明図である。
図4】本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムにおけるユーザ端末の機能ブロックを説明する説明図である。
図5】本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムにおける管理サーバの機能ブロックを説明する説明図である。
図6A】本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムの運用概念を説明する説明図である。
図6B】本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムにおけるユーザ端末からみた運用イメージを説明する説明図である。
図7】本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムにおいて配信される予防教育コンテンツの例を説明する説明図である。
図8】本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムにおける予防啓発コンテンツの例を説明する説明図である。
図9】本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムにおける行動報酬で使用される感染症予防コインの例を説明する説明図である。
図10】本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムにおけるモニタリングデータフィードバックの動作フロー例を説明するフローチャートである。
図11】本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムの詳細な動作フロー例を説明する説明図である。
図12A】本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムにおけるユーザ端末の第1画面表示例を説明する説明図である。
図12B】本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムにおけるユーザ端末の第2画面表示例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システム(以下、単に「システム」ともいう。)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1に、本発明の一実施形態にかかるシステムの全体構成例を示す。図1に示されるように、システム10は、その最小限の構成として、管理サーバ(群)11と、1以上のセンサデバイス12a~12cと、ユーザが使用する各種情報処理装置(図1において、例示的に、スマートフォン、携帯電話、携帯情報端末あるいはタブレット端末としてのユーザ端末13a~13cが示されている。以下、総称して「ユーザ端末」とも言う)とで構成され、サーバ(群)、センサデバイスおよび各種端末間は、図1に示されるように無線または有線による通信回線やインターネット等の公衆回線(有線の回線として、18)で少なくとも一方向に(必要に応じて双方向に)通信可能に接続されている。また、図1に示された回線は、有線のものは無線であってもよく、無線のものは有線であってもよい。センサデバイス(における通信機能部)12a~12cや利用者端末13a~13bは、図示しない基地局や無線ルータ等を介して無線通信によりインターネット19に乗り入れ、更に回線18を介して管理サーバ(群)11と少なくとも一方向に(必要に応じて双方向に)通信可能に接続されている。
【0022】
また、本願の出願時点でのユーザ端末は、パーソナルコンピュータ(PC)と同等の処理能力(通信処理速度や画像処理能力等)を備えているものも多く、小型のコンピュータとも言うべきものである。
また、ユーザ端末として、PCを用いてもよい。
【0023】
また、本発明の実施に必要なプログラムないしソフトウェアは、通常、端末の記憶部におけるHDDないしSSD等にインストールないし記憶され、プログラムないしソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPUにおいて演算実行される。
【0024】
なお、演算実行は必ずCPU等の中央処理部で行われる必要はなく、図示しないディジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の補助演算装置を用いることもできる。
【0025】
また、管理サーバ11のハードウェア構成も、基本的にはPCを採用することができる。なお、本発明はこれに限定されるものではないが、管理サーバ11は、必要に応じてそのハードウェアスペックを上げるにあたり、複数のPCを並列的に作動させることによって大規模データの処理に適した構成をとることもできる。
【0026】
図2に、本発明の一実施形態にかかるセンサデバイス12において情報処理を実施するシステム(以下、「センサシステム」ともいう。)を構成するハードウェアの機能ブロック図を例示する。センサデバイス12の動作は、以下に説明するハードウェアの個々の動作、およびこれらの連携動作によって実現されている。
【0027】
図2において、ハードウェアブロック全体としてのセンサシステム200は、大別すると、図示しないハードウェアボタン(リセットボタンやセレクタスイッチ等が含まれる)、メカニカルカウンタその他の入力機構等で構成される入力部201と、プログラムやデータ等を記憶するためのハードディスク、RAMおよび/又はROM等で構成される記憶部202と、プログラムによって様々な数値計算や論理演算を行うCPUによって構成される中央処理部203と、ランプやLED等で構成される表示部204と、チップや電気系統等の制御を行うための制御部205と、インターネットにアクセスするためのスロットや光通信を行うためのポート、および/または専用無線回線等を介して管理サーバへアクセスするための通信インタフェースから構成される通信インタフェース部206と、スピーカ等の出力部207と、時刻等を計時するための計時部208と、CMOS等のイメージセンサ等からなるセンサ部209と、装置内の各モジュールに電源を供給するための電源部210とからなり、これらのモジュールは必要に応じて適宜通信バスや給電線(図2においては、便宜上各線が適宜区分された結線211としてひとまとめに表す)によって接続されている。
【0028】
なお、センサ部209には、センサシステム200(センサデバイス12a等)の位置を特定するためのGPSセンサモジュールが含まれてもよい。また、センサ部209を構成するCMOS等のイメージセンサ等によって検知された信号は、入力部201において入力情報として処理される。
また、上記の構成は、全てが必須のものではなく、本発明の実施形態に応じて適宜省略することができる(例えば、メカニカルカウンタを赤外線検知部によって代替させることによる入力部201の割愛など)。
【0029】
また、本発明の実施に必要なプログラムないしソフトウェアは、通常、記憶部202を構成するハードディスクディスク等にインストールないし記憶され、プログラムないしソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部202内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPU203において演算実行される。
【0030】
なお、演算実行は必ずしもCPU等の中央処理部203で行われる必要はなく、図示しないディジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の補助演算装置を用いることもできる。
【0031】
センサデバイス12は、システム10を用いたサービスの対象となる組織またはグループが活動するエリアに設置され、当該組織またはグループの活動をモニタリングする。そして、センサデバイス12は、モニタリングしたデータを情報管理サーバ11へ送信する。
【0032】
なお、本発明の他の実施形態においては、センサデバイス12は、情報管理サーバ11とは別体に設けられた図示しないセンサデバイス管理サーバへ送信することとし、このセンサデバイス管理サーバと情報管理サーバ11との間で適宜必要なデータ等をやり取りするように構成されてもよい。また、このようなセンサデバイス管理サーバも情報管理サーバ11に含めることができる(図1において、情報管理サーバ(群)11となっていることに留意されたい。)。
なお、念のために付言すると、情報管理サーバ(群)は、クラウドコンピューティング形態あるいはクラウドサービス形態を含む。
【0033】
センサデバイス12は、例えば、消毒用エタノールポンプ容器のプッシュカウンタ、消毒用ポンプ式スプレーボトルのプッシュカウンタ、手動式ハンドソープディスペンサーのプッシュカウンタ、自動ソープディスペンサーのオン/オフカウンタ、水道の自動水栓カウンタ、換気扇のオン/オフカウンタ、窓の開閉検知デバイス、扉の開閉検知デバイス及びマスク着用率検知デバイスのいずれか1つ又は複数とすることができる。
【0034】
消毒用エタノールポンプ容器のプッシュカウンタは、消毒用エタノールを得るためにユーザが消毒用エタノールポンプ容器(不図示)を押したことを検出してその回数をカウントするものまたはエタノールの放出量を検出するものであり、例えば接触スイッチを含む。消毒用ポンプ式スプレーボトルのプッシュカウンタは、消毒液(エタノール以外のものを含む)を得るために、ユーザがスプレーボトル(不図示)を押したことを検出してその回数をカウントするものまたは消毒液の放出量を検出するものであり、例えば接触スイッチを含む。
【0035】
手動式ハンドソープディスペンサーのプッシュカウンタは、液状または泡状のハンドソープを得るためにユーザがディスペンサー(不図示)を押したことを検出してその回数をカウントするものまたはハンドソープの放出量を検出するものであり、例えば接触スイッチを含む。自動ソープディスペンサーのオン/オフカウンタは、液状または泡状のハンドソープを得るためにユーザがソープディスペンサー(不図示)に手をかざしたこと若しくはこれに伴うハンドソープの放出を検出してその回数をカウントするものまたはハンドソープの放出量を検出するものであり、例えば当該検出を行う電気回路を含む。水道の自動水栓カウンタは、ユーザが自動水栓(不図示)に手をかざしたこと若しくはこれに伴う水の放出を検出してその回数をカウントするものまたは水の放出量を検出するものであり、例えば当該検出を行う電気回路を含む。
【0036】
換気扇のオン/オフカウンタは、ユーザが換気扇スイッチ(不図示)をオン/オフしたことを検出してその回数をカウントするものであり、例えば当該検出を行う電気回路を含む。窓の開閉検知デバイスは、ユーザが窓を開閉したことを検出するものであり、例えば当該検出を行う接触スイッチを含む。扉の開閉検知デバイスは、ユーザが扉を開閉したことを検出するものであり、例えば当該検出を行う接触スイッチを含む。マスク着用率検知デバイスは、撮像した周辺画像を取得してその周辺画像内に含まれる人物(ユーザ)を特定すると共に、当該人物がマスクを着用しているかどうかを画像処理により判定する。そして、当該人物の出現回数とその際のマスク着用回数から人物毎にマスク着用率を検知する。なお、本発明の一実施形態において、マスク着用率検知に関する画像処理機能の一部または全部については、データ送信先の管理サーバに処理させることもできる。
【0037】
なお、ここにいう「カウンタ」は、センサデバイス自体が、カウント値を算出するものに限らず、管理サーバがカウント値を算出するための信号を管理サーバに対して送信するものを含んでもよい。例えば、計測(観測)日時及び/または計測(観測)時刻が挙げられる。あるいは、計測(観測)時点で単にセンサデバイス自体のIDをリアルタイムに送信することとしてもよい。
さらに、本発明の一実施形態におけるセンサデバイスは、上記カウンタ情報に替えて、計測日時及び/または計測時刻情報を管理サーバに対して送信するように制御されてもよい。この場合は、管理サーバが、各センサデバイスから送信される計測日時及び/または計測時刻情報に基づいてカウント処理を実施することができる。
また、本発明の他の実施形態において、センサデバイスが自身のIDを計測(観測)時点でリアルタイムに管理サーバに送信する場合には、受信側の管理サーバにおいて、何時どのセンサデバイスからの送信があったかを管理することによりカウント処理を実施することができる。
【0038】
上記のような各センサデバイス12は、本発明の一実施形態において、それぞれの検出を行う際、当該行為(ポンプ容器のプッシュ動作等)を行った人物(ユーザ)を特定してもよい。当該特定は、例えば、センサデバイス12と、ユーザIDを蓄積した媒体(例えば社員証に含まれるRF-ID、スマートフォン)とで通信して当該媒体からユーザIDを取得することで行う。マスク着用率検知デバイスに関連して説明したように、画像センサで取得した周辺画像からユーザを特定してもよい。
【0039】
図3に、本発明の一実施形態にかかるユーザ端末(情報処理装置)としてのスマートフォン(あるいは、タブレット端末でも良いが、説明の便宜上スマートフォンとする)の外観構成を示す。ユーザ端末は、システム10が提供するサービスの対象となる組織またはグループにおける複数の構成メンバーに所持される。図3において、ユーザ端末(スマートフォン)13は、筐体部131とディスプレイ132と筐体131の下部中央部に設けられたハードウェアボタン133とからなる。ディスプレイ132は典型的には液晶ディスプレイ(LCD)等で構成され、文字や画像など様々な情報を表示することができる。また、ディスプレイ132にメニューボタンやソフトウェアキーボードを表示させ、これを指ないしタッチペン(不図示)等で触れることによりスマートフォン13への指示(コマンド)とすることができる。この点で上記ハードウェアボタン133は必須の構成要素ではないが、本発明の説明の便宜上、一定の機能を担うボタンとして実装されている。もちろん、これらハードウェアボタン133を、ディスプレイ132の一部に表示させたメニューボタンで代替させることも可能である。
【0040】
また、ディスプレイ132には、マルチタッチ入力パネルが含まれており、タッチ入力パネル上でのタッチ入力位置座標が入力デバイスインタフェース(不図示)を介してスマートフォン13の処理系(CPU)へ送信され処理される。そして、このマルチタッチ入力パネルは、パネルに対する複数の接触点を同時に感知することができるよう構成されている。この検出(センサ)については様々な方法で実現することができ、必ずしも接触センサに限られず、例えば、光学式のセンサを利用してパネルに対する指示点を抽出することも可能である。さらに、センサには、接触式のセンサや光学式のセンサのほか、人の肌の接触を感知する静電容量方式のセンサを用いることも可能である。
【0041】
また、図3には現れていないが、スマートフォン13は、マイクやスピーカを備えることもできる。この場合にはマイクより拾ったユーザの声などを判別して入力コマンドとすることも可能である。さらに、図3には現れていないが、スマートフォン13の背面等には、CMOS等のカメラデバイスが実装されている。
【0042】
図4に、本発明の一実施形態にかかるスマートフォン13を構成するハードウェアの機能ブロック図を例示する。スマートフォン13の動作は、以下に説明するハードウェアの個々の動作、およびこれらの連携動作によって実現されている。
【0043】
図4において、ハードウェアブロック全体としてのスマートフォン400は、大別すると、図3におけるハードウェアボタン133、ディスプレイ132に設けられたマルチタッチ入力パネル、マイク等で構成される入力部401と、プログラムやデータ等を記憶するためのハードディスク、RAMおよび/又はROM等で構成される記憶部402と、プログラムによって様々な数値計算や論理演算を行うCPUによって構成される中央処理部403と、ディスプレイ132等で構成される表示部404と、チップや電気系統等の制御を行うための制御部405と、インターネットにアクセスするためのスロットや光通信を行うためのポート、および通信インタフェースから構成される通信インタフェース部406と、スピーカやバイブレータ等の出力部407と、時刻等を計時するための計時部408と、CMOS等のイメージセンサ等からなるセンサ部409と、装置内の各モジュールに電源を供給するための電源部410とからなり、これらのモジュールは必要に応じて適宜通信バスや給電線(図4においては、便宜上各線が適宜区分された結線411としてひとまとめに表す)によって接続されている。
なお、センサ部409には、スマートフォン400(13a等)の位置を特定するためのGPSセンサモジュールが含まれる。また、センサ部409を構成するCMOS等のイメージセンサ等によって検知された信号は、入力部401において入力情報として処理される。
【0044】
また、本発明の実施に必要なプログラムないしソフトウェアは、通常、記憶部402を構成するハードディスクディスク等にインストールないし記憶され、プログラムないしソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部402内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPU403において演算実行される。
【0045】
なお、演算実行は必ずしもCPU等の中央処理部403で行われる必要はなく、図示しないディジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の補助演算装置を用いることもできる。
【0046】
図5に、本発明の一実施形態にかかるシステムにおける管理サーバ(情報管理サーバ)の機能ブロック図を示す。例示的に、管理サーバの動作は、以下に説明するハードウェアの個々の動作、およびソフトウェアとこれらハードウェアとの連携動作によって実現されている。
【0047】
図5において、ハードウェアブロック全体としての管理サーバ500は、大別すると、各種比較・演算処理を行うためのCPU501と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の記憶部502と、キーボードやポインティングデバイス等の入力部503と、ディスプレイやスピーカ等の出力部504と、各種信号制御のための制御部505と、通信(インタフェース)部506(無線、有線を問わない)と、時刻等を計時するための計時部507と、電源部508とからなる。
【0048】
これらのモジュールは必要に応じて適宜通信バスや給電線(図5においては、便宜上各線が適宜区分された結線509としてひとまとめに表す)によって接続されている。
【0049】
また、本発明の実施に必要な管理サーバ500上で実行されるプログラムないしソフトウェアは、通常、記憶部502を構成するハードディスクディスク、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等にインストールないし記憶され、プログラムないしソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部502内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPU501において演算実行される。
【0050】
なお、演算実行は必ずしもCPU501等の中央処理部で行われる必要はなく、図示しないディジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の補助演算装置を用いることもできる。
【0051】
管理サーバ500は、予防教育のためのコンテンツ(以下、「予防教育コンテンツ」または「教育コンテンツ」ともいう。)の配信または提供と、予防啓発のためのコンテンツ(以下、「予防啓発コンテンツ」または「啓発コンテンツ」ともいう。)の配信または提供と、感染症予防のためにユーザが行った行動(以下、「予防行動」ともいう。)に対する報酬の管理を行うことができる(詳細は、図6A図12Bを参照して後述する。)。なお、これらの各機能を複数の管理サーバ500それぞれで分担することも可能である。
【0052】
図6Aは、本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムの運用概念を説明する説明図である。また、図6Bは、本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムにおけるユーザ端末からみた運用イメージを説明する説明図である。図6Aおよび図6Bには、予防教育と、予防啓発と、予防行動への報酬とが示されている。予防教育は、感染症の予防に関する一般的知識を説明するコンテンツ(予防教育コンテンツ)をユーザに提供するものである。ここにいう予防教育コンテンツとしては、例えば、感染症の予防に関する記事(以下、「教育記事」ともいう。)、及び感染症の予防を説明する漫画(以下、「教育漫画」ともいう。)若しくは画像(以下、「教育画像」ともいう。)又は動画(以下、「教育動画」ともいう。)を用いることができる。予防教育コンテンツは、例えばサーバの運用者が手配してサーバにアップロードし、各ユーザ端末がダウンロード等することによりユーザが視聴可能である。
【0053】
図7は、本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムにおいて配信される予防教育コンテンツの例を説明する説明図である。図7の例は、感染症予防のための手洗い方法を説明する教育漫画である。図7に示す各コマは、ユーザ端末に対するタップ操作等により切り替えることができる。或いは、図7に示す各コマは、一画面に表示し、ユーザのスクロール操作により視るようにしてもよい。
【0054】
予防啓発は、感染症に関する予防行動を各ユーザに促すコンテンツ(予防啓発コンテンツ)をユーザに提供するものである。ここにいう予防啓発コンテンツとしては、例えば、ユーザ(例えば企業の従業者)が属する組織またはグループの責任者、マネージャまたはリーダー(換言すると、職場内のインフルエンサー)が予防行動(例えば手洗い)をしている様子の動画(以下、「関係者動画」ともいう。)、センサデバイスの検出データ(以下、「衛生モニタリングデータ」または「モニタリングデータ」ともいう。)の集計結果、その他の予防啓発情報を用いることができる。
【0055】
関係者動画は、例えばサーバの運用者または予防行動を行った本人等が撮影または手配してサーバにアップロードし、各ユーザ端末がダウンロード等することによりユーザが視聴可能である。或いは、関係者動画は、カメラを含むセンサデバイスが撮影してサーバにアップロードしてもよい。その場合、関係者動画の対象となる対象者は、サーバの運用者が予めユーザID等を設定しておく。そして、センサデバイスが検出したユーザIDと、対象者のユーザIDとが一致するか否かをセンサデバイスまたはサーバが判定し、一致した場合、センサデバイスが当該対象者の関係者動画を撮影する。
【0056】
衛生モニタリングデータに関し、各センサデバイスが検出したデータをサーバが集計してグラフ等を生成し、ユーザ端末からの要求に応じてサーバからユーザ端末に提供する(モニタリングデータフィードバック)。図8は、本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムにおける予防啓発コンテンツの例を説明する説明図である。図8の例では、ある職場(職場A)の各メンバーが消毒用エタノールポンプ容器を使用した回数の合計(図8では「ポンプ使用回数」と表記している。)と、ハンドソープを使用した量の合計(図8では「液体使用量」と表記している。)とを週ごとに集計して表示している。
【0057】
また、各ユーザ端末に対する関係者動画の提供は、関係者動画の対象者と、関係者動画を視聴するユーザとの関係を考慮して行ってもよい。例えば、同一の部署またはグループに属する対象者の関係者動画を、ユーザのユーザ端末に提供する。そのような区別は、サーバに保存するユーザテーブルを用いて行うことができる。例えば、部署またはグループを特定する組織IDを設定し、ユーザごとに組織IDを割り当てておく。そして、関係者動画の対象者の組織IDと、関係者動画を視聴するユーザの組織IDが一致した場合、当該対象者の関係者動画を視聴可能としてもよい。
【0058】
予防行動への報酬は、感染症予防コインを用いたユーザ間相互評価(いわゆるPeer-to-Peer Recognition Program)の形で行う。すなわち、Peer-to-Peer Recognition Programは、仲間同士または職場の従業者同士が公共の場でお互いの良い行動や貢献に対して賞賛や感謝を示すことができる認知モデルであるPeer-to-Peer Recognitionの機能を有するプログラムである。同プログラムの表現方法としてはソーシャルネットワークサービスのような電子的手段を利用した方法も含まれる。また、同プログラムには賞賛や感謝の意を示した際に少額の金銭または同等の報酬を付加して送り合う機能も含まれる。一実施形態において、あるユーザ(以下、「被評価ユーザ」ともいう。)が予防行動を行っている様子を別のユーザ(以下、「評価ユーザ」ともいう。)が見ていたとする。評価ユーザが被評価ユーザの予防行動を評価する場合、評価ユーザは、被評価ユーザに対しての評価を示すため、ユーザ端末を操作して被評価ユーザに感染症予防コインを付与する。このことからもわかるように、感染症予防コインは、評価ユーザが被評価ユーザの予防行動を評価するために用いる仮想コインである。感染症予防コインの授受は、サーバを介して行われる。感染症予防コインは、その枚数に応じて金銭または所定の商品等と交換可能としてもよい。また、評価ユーザは、被評価ユーザに対しての評価を示すために、賞賛もしくは感謝のコメントをPeer-to-Peer Recognitionの機能を有するプログラムを経由して発信してもよい。
【0059】
図9は、本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムにおける行動報酬で使用される感染症予防コインの例を説明する説明図である。具体的には、図9(A)は、上手な手洗いを評価する手洗いコインを示し、図9(B)は、積極的なマスク着用を評価するマスク着用コインを示し、図9(C)は、積極的にソーシャルディスタンスを取っていることを評価するソーシャルディスタンスコインを示し、図9(D)は、積極的な感染症予防行動を評価する行動コインを示し、図9(E)は、感染症予防のための積極的な啓発行動を評価する啓発コインを示す。これらの複数種類の感染症予防コインを用いることで、職場毎に評価する行動内容を明確化することができる。
【0060】
行動コインは、例えば、次のような場合に用いられる。すなわち、学んだ手洗い方法を早速実践している、こまめに手洗いをしている等、自ら行動を取っている人を見た場合、気遣いを持った咳エチケット、マスクの使い方をしている姿を見た場合、または職場内で会話するときにちょっと気遣って距離を取っての会話をするよう促すのを見た場合である。
また、啓発コインは、例えば、次のような場合に用いられる。すなわち、自分の学んだ手洗い方法の動画/画像を投稿する場合、感染情報等の注意を促す投稿をする場合、またはマスクの使い方について注意を促す場合(例えば、マスクはしているものの、マスクが口にかかっていないことを注意する場合)である。
【0061】
上記のような予防教育、予防啓発及び予防行動への報酬を用いることで、集団における感染症予防リテラシーの改善効果を高まることができる(図6A参照)。例えば、予防教育を介して各構成メンバーに対し、感染症予防に関する一般的知識を習得してもらう。その上で、予防啓発を介して各構成メンバーに、積極的な感染症予防行動を促す。さらに、予防行動への報酬(メンバー間相互評価)を介して、各メンバーの予防行動を評価することで、感染症予防行動に対するやる気を増幅させる。
【0062】
図10は、本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムにおけるモニタリングデータフィードバックの動作フロー例を説明するフローチャートである。上記の通り、モニタリングデータフィードバックは、各センサデバイスが行う。
【0063】
モニタリングデータフィードバックを開始する際(ステップS1001)、運用者が図示しない電源スイッチをオンにする等により、各センサデバイスが起動する(ステップS1002)。各センサデバイスの起動は、例えば毎朝の始業前に行われる。あるいは、センサデバイスをスリープ状態としておき、起動タイミングが来たら、センサデバイス自身によりまたはサーバからの指令によりセンサデバイスをアクティブ状態としてもよい。
【0064】
ステップS1003において、センサデバイスは、データの送信タイミングが来たか否かを判定する。当該送信タイミングは、例えば、計測情報取得タイミング毎、所定数のデータ取得毎(例えば10データ毎)、または所定時間毎(例えば5分毎または1時間毎)とすることができる。なお、計測情報取得タイミングとは、例えば、センサデバイスが消毒用エタノールポンプ容器のプッシュカウンタである場合、ポンプ容器が押されたタイミングを意味する。送信タイミングが来た場合(S1003:Yes)、センサデバイスは、サーバに計測情報を送信する(ステップS1004)。サーバは、受信した計測情報を所定期間ごとに(例えば1週間ごとに)集計してグラフ化し、各ユーザ端末に送信する(図8参照)。送信タイミングが来ていない場合(S1003:No)、ステップS1005に進む。
【0065】
ステップS1005において、センサデバイスは、計測情報があるか否かを判定する。計測情報がない場合(S1005:No)、ステップS1005を繰り返す。計測情報がある場合(S1005:Yes)、センサデバイスは、計測処理を実行する(ステップS1006)。計測処理は、監視対象の行為が行われた場合に、カウント値(ポンプ使用回数、液体使用量等)の変更を行う処理である。
【0066】
ステップS1004又はS1006の後、電源スイッチがオンのままである等、センサデバイスの終了を行わない場合(S1007:No)、ステップS1003に戻る。運用者が電源スイッチをオフにする等により、各センサデバイスを終了する場合(ステップS1007:Yes)、センサデバイスは動作を終了する(ステップS1008)。各センサデバイスの終了は、例えば毎日の終業時に行われる。あるいは、センサデバイスを電源オフする代わりに、所定タイミングが来たら、センサデバイス自身によりまたはサーバからの指令によりセンサデバイスをスリープ状態としてもよい。
【0067】
図11は、本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムの詳細な動作フロー例を説明する説明図である。図11では、ユーザ端末A~C及び管理サーバを示しているが、一部のステップ(S1105、S1106)は、ユーザ端末を利用するユーザの行為を示している。なお、図11には、情報管理サーバ11に対応する管理サーバのみを記載しているが、本発明はこれに制限されるものではなく、センサデバイスから送信される計測データ等を受信及び管理する別体のセンサデバイス管理サーバを設けてもよい。この場合、このセンサデバイス管理サーバと情報管理サーバとの間で適宜必要なデータ等のやり取りが行われる。
【0068】
時点t1において、管理サーバは、ユーザ端末A~Cに対して予防教育コンテンツまたは予防啓発コンテンツを配信する(ステップS1101)。時点t1~t2の間において、各ユーザは、ユーザ端末A~Cにおいて予防教育コンテンツまたは予防啓発コンテンツを視聴する(ステップS1102、S1103、S1104)。なお、図11の例では、管理サーバから各ユーザ端末A~Cに対して一斉にコンテンツを提供する形式を取っているが、これに限らない。例えば、コンテンツの提供を開始した旨の電子メールを管理サーバから各ユーザ端末A~Cに対して送信し、各ユーザが任意のタイミングでコンテンツを視聴する形式としてもよい。換言すると、ここにいう「配信」は、ブロードキャストを用いた一斉配信のみならず、ユーザ端末からの要求に応じてコンテンツを提供する場合も含む。
【0069】
時点t3~t4において、ユーザ端末Aのユーザは、手洗いを行う(ステップS1105)。当該手洗いは、自動水栓カウンタ等のセンサデバイスにより計測されて管理サーバに送信される。時点t5~t6において、ユーザ端末Bのユーザは、消毒活動を行う(ステップS1106)。当該消毒活動は、消毒用エタノールポンプ容器のプッシュカウンタ等のセンサデバイスにより計測されて管理サーバに送信される。
【0070】
時点t7において、ユーザ端末Aのユーザがユーザ端末Bのユーザの感染症予防活動を評価する。換言すると、ユーザ端末Aは、ユーザの操作に基づいて評価入力画面を表示する。そして、ユーザ端末Aのユーザからユーザ端末Bのユーザの評価が入力されると、ユーザ端末Aは、当該入力内容を管理サーバに対して送信する(ステップS1107)。なお、ここでの評価対象行為は、ステップS1106の消毒活動である。すなわち、ユーザ端末Bのユーザが消毒活動しているのをユーザ端末Aのユーザが見て、積極的な予防活動であると評価したのである。
【0071】
図12Aは、本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムにおけるユーザ端末の第1画面表示例を説明する説明図である。図12Aでは、ユーザ端末1200に評価入力画面の例が表示されている。評価入力画面は、例えば図11のステップS1107で用いられるものであり、基本情報表示欄1210と、評価入力欄1220と、図示しない送信ボタンとを含む。基本情報表示欄1210は、評価ユーザの基本情報を表示する。ここにいう基本情報は、評価ユーザの氏名、所属並びに予防感染コインの総獲得枚数及び総贈呈枚数を含む。評価入力欄1220は、被評価ユーザを選択する被評価ユーザ選択欄1230と、評価する項目を選択する評価項目選択欄1240と、評価グレードを入力する評価グレード入力欄1250とを含む。評価グレードは、被評価ユーザに対して付与される予防感染コインの枚数に影響させることができる。例えば、より評価が高いグレードにはより多くのコインが割り当てられる。評価ユーザが各入力欄への入力を完了し、送信ボタンを押すと、入力内容が管理サーバに送信される。
【0072】
図11に戻り、時点t7でユーザ端末Aからの評価内容を受信した管理サーバは、受信内容を記録及び集計する(ステップS1108)。その際、管理サーバは、被評価ユーザの評価総数及び今回の評価グレードに基づいて感染予防コインを付与してもよい。すなわち、管理サーバは、被評価ユーザの評価総数が閾値を超えたとき、より多くの感染予防コインを付与することができる。また、管理サーバは、被評価ユーザの評価グレードがより高いとき、より多くの感染予防コインを付与することができる。
【0073】
時点t8において、ユーザ端末Cのユーザがユーザ端末Aのユーザの感染症予防活動を評価する。換言すると、ユーザ端末Cは、ユーザの操作に基づいて評価入力画面(図12A参照)を表示する。そして、ユーザ端末Cのユーザからユーザ端末Aのユーザの評価が入力されると、ユーザ端末Cは、当該入力内容を管理サーバに対して送信する(ステップS1109)。なお、ここでの評価対象行為は、ステップS1105の手洗いである。すなわち、ユーザ端末Aのユーザが手洗いしているのをユーザ端末Cのユーザが見て、積極的な又は見本となる予防活動であると評価したのである。時点t8でユーザ端末Cからの評価内容を受信した管理サーバは、ステップS1108と同様に受信内容を記録及び集計する(ステップS1110)。
【0074】
時点t9において、ユーザ端末Bのユーザが管理サーバに対して集計情報の提供を要求する。換言すると、ユーザ端末Bは、ユーザの操作に基づいて集計情報要求画面(不図示)を表示する。そして、ユーザ端末Bのユーザから集計情報要求画面を用いて要求コマンドが入力されると、ユーザ端末Bは、当該要求コマンドを管理サーバに対して送信する(ステップS1111)。当該要求コマンドを受信した管理サーバは、要求された集計情報を読み出す(ステップS1112)。そして、時点t10において、管理サーバは、読み出した集計情報を要求元のユーザ端末Bに配信または送信する(ステップS1113)。集計情報を受信したユーザ端末Bは、当該集計情報を表示する(ステップS1114)。
【0075】
図12Bは、本発明の一実施形態にかかる感染症予防サービス提供システムにおけるユーザ端末の第2画面表示例を説明する説明図である。図12Bでは、ユーザ端末1250に集計情報表示画面の例が表示されている。集計情報表示画面は、例えば図11のステップS1114で用いられるものであり、基本情報表示欄1260と、プロフィール情報表示欄1270と、集計種類選択タブ1281、1282、1283、1284と、集計情報表示欄1290とを含む。
【0076】
基本情報表示欄1260は、要求コマンドを発したユーザ自身(集計情報要求ユーザ)の基本情報を表示する。ここにいう基本情報は、集計情報要求ユーザの氏名、所属並びに予防感染コインの総獲得枚数及び総贈呈枚数を含む。プロフィール情報表示欄1270は、集計情報要求ユーザのプロフィール情報を表示する欄である。ここにいうプロフィール情報には、例えば、感染症予防コインの獲得に関する過去のランキング等が含まれる。集計種類選択タブ1281、1282、1283、1284は、感染症予防コインに関して表示する集計情報の種類を選択するタブである。タブ1281は、集計情報要求ユーザの今月の獲得コインを表示させる。今月の獲得コインの表示には、手洗いコイン表示欄1291、マスク着用コイン表示欄1292等が含まれる。タブ1282は、集計情報要求ユーザの先月の獲得コインを表示させる。タブ1283は、集計情報要求ユーザが感染症予防コインを獲得した回数の累計を表示させる。タブ1284は、集計情報要求ユーザの獲得コインの総数のランキングを表示させる。
【0077】
以上のような本実施形態によれば、情報管理サーバ(11)は、複数のユーザ端末(13a~13c)に対し、感染症予防のための教育コンテンツ(図7)の配信(図6A図6B図11のS1101)を行うとともに、組織またはグループにおけるメンバーによる感染症予防のための啓発コンテンツ(図8)を配信する(図6A図6B図11のS1101)。また、情報管理サーバ(11)は、複数の情報端末(13a~13c)に対し、センサデバイス(12a~12c)から収集されるモニタリングデータを定期的に集計して、その結果を視覚的にフィードバックする(図8図11のS1101)。さらに、情報管理サーバ(11)は、複数のユーザ端末(13a~13c)を介したメンバー間の相互評価行動を管理してフィードバックする(図11のS1113、図12B)。このような本発明の一実施形態にかかるシステムによれば、予防教育、予防啓発、行動報酬などの複数の要素を複合的に取り入れたことによる、集団の予防行動への有利な変容効果が期待できる。
【0078】
本実施形態において、複数のユーザ端末(13a~13c)を介したメンバー間の相互評価行動は、評価ユーザ(評価するメンバー)が被評価ユーザ(評価されるメンバー)に対して報酬を付与するシステムに基づいて管理される(図11のS1107、S1109、図12A図12B)。これにより、メンバー間の相互評価を介することで、各メンバーのやる気を引き出し易くなる。
【0079】
本実施形態において、メンバー間の相互評価行動を管理してフィードバックすること(図11のS1113、図12B)には、メンバーによる評価数の集計(図12Bの選択タブ1283が選択された場合)のほかに、メンバーによる評価グレード(評価または評価数)に基づく被評価ユーザへの感染症予防コイン(報酬)の算定(図12Bの選択タブ1281、1282が選択された場合)が含まれる。これにより、評価数の集計に加えて、メンバーによる評価グレードで重み付けした報酬を用いることができる。従って、各メンバーのやる気をさらに引き出し易くなる。
【0080】
本実施形態において、組織またはグループにおけるメンバーによる感染症予防のための啓発コンテンツ(図8)の配信(図6A図6B図11のS1101)は、組織またはグループにおける責任者、マネージャ、あるいはリーダーによる動画または画像を含む啓発コンテンツの情報管理サーバ(11)へのアップロードに基づくものである。これにより、各メンバーに身近な役職者の啓発コンテンツを用いることで、感染症予防に対する各メンバーのやる気を引き出し易くなる。
【0081】
以上、具体例に基づき、本発明にかかるシステム等の実施形態を説明したが、本発明の実施形態としては、システム又は装置を実施するための方法又はプログラムの他、プログラムが記録された記憶媒体(一例として、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、ハードディスク、メモリカード)等としての実施態様をとることも可能である。
【0082】
また、プログラムの実装形態としては、コンパイラによってコンパイルされるオブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード等のアプリケーションプログラムに限定されることはなく、オペレーティングシステムに組み込まれるプログラムモジュール等の形態であっても良い。

さらに、プログラムは、必ずしも制御基板上のCPUにおいてのみ、全ての処理が実施される必要はなく、必要に応じて基板に付加された拡張ボードや拡張ユニットに実装された別の処理ユニット(DSP等)によってその一部又は全部が実施される構成とすることもできる。
【0083】
本明細書(特許請求の範囲、要約、および図面を含む)に記載された構成要件の全ておよび/又は開示された全ての方法又は処理の全てのステップについては、これらの特徴が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。
【0084】
また、本明細書(特許請求の範囲、要約、および図面を含む)に記載された特徴の各々は、明示的に否定されない限り、同一の目的、同等の目的、または類似する目的のために働く代替の特徴に置換することができる。したがって、明示的に否定されない限り、開示された特徴の各々は、包括的な一連の同一又は均等となる特徴の一例にすぎない。
【0085】
さらに、本発明は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。本発明は、本明細書(特許請求の範囲、要約、および図面を含む)に記載された全ての新規な特徴又はそれらの組合せ、あるいは記載された全ての新規な方法又は処理のステップ、又はそれらの組合せに拡張することができる。
【符号の説明】
【0086】
10 感染症予防サービス提供システム
11 管理サーバ(群)
12a~12c センサデバイス(カウンタや計時装置など)
13a~13c ユーザ端末(スマートフォン等のユーザ端末、情報処理装置)
19 公衆回線(専用線、インターネット等)
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B