(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039845
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】保険料算出システム及び保険料算出方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/08 20120101AFI20220303BHJP
G06Q 10/04 20120101ALI20220303BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20220303BHJP
【FI】
G06Q40/08
G06Q10/04
G06T7/00 350B
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020145099
(22)【出願日】2020-08-28
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
(71)【出願人】
【識別番号】514235307
【氏名又は名称】アニコム ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124121
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 由美子
(74)【代理人】
【識別番号】100176566
【弁理士】
【氏名又は名称】渡耒 巧
(74)【代理人】
【識別番号】100180253
【弁理士】
【氏名又は名称】大田黒 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100169236
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 貴史
(72)【発明者】
【氏名】小森 伸昭
(72)【発明者】
【氏名】小泉 亮人
(72)【発明者】
【氏名】アルトゥンタシ エリスィン
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
5L096
【Fターム(参考)】
5L049AA04
5L055BB61
5L096BA20
5L096DA02
5L096KA04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡易な方法で、動物の年齢を予測判定し、当該予測判定結果に基づいて保険料を算出する保険料算出システム及び保険料算出方法を提供する。
【解決手段】保険料算出システムにおいて、サーバは、ヒトを除く動物の顔画像の入力を受け付ける受付手段と、学習済みモデルを用いて、受付手段に入力された動物の顔画像からその動物の年齢を予測判定する判定手段と、判定手段が予測判定した年齢を元に保険料を算出する保険料算出手段と、を備える。判定手段は、ヒトを除く動物の顔画像とその動物の撮影時の年齢とを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の顔画像とし、出力をその動物の年齢の予測判定とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトを除く動物の顔画像の入力を受け付ける受付手段と、学習済みモデルを用いて、前記受付手段に入力された動物の顔画像からその動物の年齢を予測判定する判定手段と、前記判定手段が予測判定した年齢を元に保険料を算出する保険料算出手段と、を備える保険料算出システムであって、
前記学習済みモデルが、ヒトを除く動物の顔画像とその動物の撮影時の年齢とを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の顔画像とし、出力をその動物の年齢の予測判定とする学習済みモデルであることを特徴とする保険料算出システム。
【請求項2】
前記動物が、犬である請求項1記載の保険料算出システム。
【請求項3】
前記動物が、猫である請求項1記載の保険料算出システム。
【請求項4】
前記動物の顔画像が、動物の顔を正面から撮影した画像である請求項1~3のいずれか一項記載の保険料算出システム。
【請求項5】
動物の年齢と保険料を含む保険料テーブルを記憶する記憶部を更に備え、前記保険料算出手段が、保険料テーブルを用いて保険料を算出する請求項1~4のいずれか一項記載の保険料算出システム。
【請求項6】
ヒトを除く動物の顔画像の入力を受け付ける受付手段と、学習済みモデルを用いて、前記受付手段に入力された動物の顔画像からその動物の年齢を予測判定する判定手段と、を備える年齢予測システムであって、
前記学習済みモデルが、ヒトを除く動物の顔画像とその動物の撮影時の年齢とを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の顔画像とし、出力をその動物の年齢の予測判定とする学習済みモデルであることを特徴とする年齢予測システム。
【請求項7】
ヒトを除く動物の顔画像からその動物の年齢の予測をする学習済みモデルの生成方法であって、教師データとして、ヒトを除く動物の顔画像と、その動物の撮影時の年齢を人工知能を含むコンピュータに入力し、人工知能に学習させることを特徴とする学習済みモデルの生成方法。
【請求項8】
ヒトを除く動物の顔画像を用意するステップと、
前記顔画像を学習済みモデルに入力し、コンピュータが前記学習済みモデルを用いて、前記入力された動物の顔画像からその動物の顔画像撮影時の年齢の予測を出力するステップと、当該年齢の予測に基づいて当該動物に対する保険料を算出するステップと、を有する保険料算出方法であって、
前記学習済みモデルが、ヒトを除く動物の顔画像とその動物の撮影時の年齢とを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の顔画像とし、出力をその動物の年齢とする学習済みモデルであることを特徴とする保険料算出方法。
【請求項9】
ヒトを除く動物の顔画像の入力を受け付ける受付手段と、学習済みモデルを用いて、前記受付手段に入力された動物の顔画像からその動物の年齢を予測判定する判定手段と、前記判定手段が予測判定した年齢を元に保険への加入可否を判定する保険加入可否判定手段と、を備える保険加入可否判定システムであって、
前記学習済みモデルが、ヒトを除く動物の顔画像とその動物の撮影時の年齢とを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の顔画像とし、出力をその動物の年齢の予測判定とする学習済みモデルであることを特徴とする保険加入可否判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保険料算出システム及び保険料算出方法に関し、詳しくは、動物の顔の画像から、動物の年齢に関する予測を提供し、当該年齢に関する予測に基づいた保険料を算出する保険料算出システム及び保険料算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
犬や猫、ウサギを始めとする愛玩動物、牛や豚を始めとする家畜は、人間にとってかけがえのない存在である。近年、人間が飼育する動物の平均寿命が大幅に伸びた一方で、動物がその一生の中で何らかの疾患に罹患することが多くなり、飼育者が負担する医療費の増大が問題となっている。
【0003】
そのため、愛玩動物の医療費をカバーするペット保険が提供されている。ペット保険は、人間に対する生命保険や医療保険と同様に、動物の年齢に応じて保険料や加入の可否が決まることが多い。ところが、戸籍制度が整備され、身分証明書などにより年齢確認が容易な人間とは異なり、動物は正確な年齢が把握できないことがある。例えば、路上で保護された動物は出生日や年齢が不明であるし、ブリーダーやペットショップを通じて譲渡された動物についても、飼い主が出生に関する記録を紛失したり、年齢を失念することもある。また、ペット保険加入に際して、年齢についての虚偽申告がなされる可能性も否定できない。
また、ペット保険は、高額の医療費をカバーするものであることから必要性が高いにもかかわらず普及率には未だ改善の余地がある。その理由の一つとして、飼い主のペット保険加入へのモチベーションが上がらないことが考えられる。
【0004】
そこで、簡易な方法で、ペット保険の対象となる動物の年齢を知る手段が求められている。ペット保険の加入時又は加入審査時の動物の年齢を知ることができれば、年齢に応じた保険料の算出や保険の加入審査が可能となるため、有用である。また、簡易な方法でペットの年齢、例えば、実年齢、健康年齢やペットの容貌が何歳に相当するのかを把握することができれば、飼い主に対して、ペットの健康に気をつけるきっかけともなり、ひいてはペット保険加入へのモチベーションを上げることも期待できる。
【0005】
特許文献1には、疾病の種類に応じた保険金を算出する装置であって、被保険者のバイタルデータ及び生活習慣データのうち少なくとも一方を含む検出データを取得する取得部と、前記検出データと、少なくとも前記被保険者の年齢を含む被保険者データとを基に、前記疾病の種類毎に保険金を決定する決定部とを備える保険金算出装置が開示されている。特許文献2には、飼育動物の保険加入支援システムが開示されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されている算出装置は、人の保険を対象とした保険金算出装置であり、動物用の保険の保険料算出を対象としたものではない。また、特許文献1に記載の保険金算出装置では、被保険者の年齢は予め把握されている。また、特許文献2に記載されている保険加入支援システムは、動物の基本情報と疾病情報から保険加入時期を判定するものであって、動物の年齢の判定機能とそれに基づく保険料算出機能を含むものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2018-26100号公報
【特許文献2】特開2017-224188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、簡易な方法で、動物の年齢を予測判定し、年齢の予測判定に応じた保険料算出システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
動物を対象とする健康保険、いわゆるペット保険を運営する保険会社には、膨大な数の動物の写真と、その動物の写真撮影時の年齢に関する情報が蓄積されており、本発明者らは、これらを用いて上記課題が解決できないかを検討してきた。その結果、動物の写真とその動物の撮影時の年齢を教師データとして人工知能を学習させると、動物の写真からその動物の年齢を予測判定する予測モデルを生成できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は以下の[1]~[9]である。
[1]ヒトを除く動物の顔画像の入力を受け付ける受付手段と、学習済みモデルを用いて、前記受付手段に入力された動物の顔画像からその動物の年齢を予測判定する判定手段と、前記判定手段が予測判定した年齢を元に保険料を算出する保険料算出手段と、を備える保険料算出システムであって、
前記学習済みモデルが、ヒトを除く動物の顔画像とその動物の撮影時の年齢とを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の顔画像とし、出力をその動物の年齢の予測判定とする学習済みモデルであることを特徴とする保険料算出システム。
[2]前記動物が、犬である[1]の保険料算出システム。
[3]前記動物が、猫である[1]の保険料算出システム。
[4]前記動物の顔画像が、動物の顔を正面から撮影した画像である[1]~[3]のいずれかの保険料算出システム。
[5]動物の年齢と保険料を含む保険料テーブルを記憶する記憶部を更に備え、前記保険料算出手段が、保険料テーブルを用いて保険料を算出する[1]~[4]のいずれかの保険料算出システム。
[6]ヒトを除く動物の顔画像の入力を受け付ける受付手段と、学習済みモデルを用いて、前記受付手段に入力された動物の顔画像からその動物の年齢を予測判定する判定手段と、を備える年齢予測システムであって、
前記学習済みモデルが、ヒトを除く動物の顔画像とその動物の撮影時の年齢とを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の顔画像とし、出力をその動物の年齢の予測判定とする学習済みモデルであることを特徴とする年齢予測システム。
[7]ヒトを除く動物の顔画像からその動物の年齢の予測をする学習済みモデルの生成方法であって、教師データとして、ヒトを除く動物の顔画像と、その動物の撮影時の年齢を人工知能を含むコンピュータに入力し、人工知能に学習させることを特徴とする学習済みモデルの生成方法。
[8]ヒトを除く動物の顔画像を用意するステップと、
前記顔画像を学習済みモデルに入力し、コンピュータが前記学習済みモデルを用いて、前記入力された動物の顔画像からその動物の顔画像撮影時の年齢の予測を出力するステップと、当該年齢の予測に基づいて当該動物に対する保険料を算出するステップと、を有する保険料算出方法であって、
前記学習済みモデルが、ヒトを除く動物の顔画像とその動物の撮影時の年齢とを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の顔画像とし、出力をその動物の年齢とする学習済みモデルであることを特徴とする保険料算出方法。
[9]ヒトを除く動物の顔画像の入力を受け付ける受付手段と、学習済みモデルを用いて、前記受付手段に入力された動物の顔画像からその動物の年齢を予測判定する判定手段と、前記判定手段が予測判定した年齢を元に保険への加入可否を判定する保険加入可否判定手段と、を備える保険加入可否判定システムであって、
前記学習済みモデルが、ヒトを除く動物の顔画像とその動物の撮影時の年齢とを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の顔画像とし、出力をその動物の年齢の予測判定とする学習済みモデルであることを特徴とする保険加入可否判定システム。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、簡易な方法で、動物の年齢を判定する年齢予測システム、年齢の判定結果に基づいて動物の保険料を算出する保険料算出システム等を提供することが可能となる。また、簡易な方法で動物の年齢、例えば、実年齢、健康年齢や当該動物の容貌が何歳に相当するのかを把握できることにより、飼い主に対して、飼育している動物の健康に気をつけるきっかけともなり、ひいてはペット保険加入へのモチベーションを上げることやペット保険加入率の改善も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】本発明の保険料算出システムの一実施態様を表す構成概略図である。
【
図5】本発明の保険料算出システムによる保険料算出の流れの一例を表すフローチャート図である。
【
図6】本発明の保険料算出システムによる保険料算出の流れの一例を表すフローチャート図である。
【
図7】本発明の保険料算出システムの一実施態様を表す構成概略図である。
【
図8】実施例の学習に用いた動物の顔画像(写真)である。
【
図9】実施例の学習に用いた動物の顔画像(写真)である。
【
図10】実施例の学習に用いた動物の顔画像(写真)である。
【
図11】参考例の学習に用いた画像の枚数とテスト結果を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[年齢予測システム]
本発明の年齢予測システムは、ヒトを除く動物の顔画像の入力を受け付ける受付手段と、学習済みモデルを用いて、前記受付手段に入力された動物の顔画像からその動物の年齢を予測又は判定し出力する判定手段と、を備える。
【0014】
[受付手段]
本発明の受付手段は、年齢を予測したい動物の顔画像の入力を受け付ける手段である。動物としては、犬、猫、ウサギ、フェレット等の哺乳類、鳥類、爬虫類、愛玩動物が挙げられ、哺乳類が好ましく、犬及び猫がより好ましい。画像の受付方法は、スキャン、画像データの入力、送信、その場で撮影しての画像取り込みなどいずれの方法であってもよい。顔画像のフォーマットは特に限定されないが、顔画像は、動物の顔を正面から撮影した写真であることが好ましく、
図1に表すような動物の顔が大きく写っている写真がより好ましい。そのような写真として、ヒトの運転免許証の写真のような写真が挙げられる。
図2のように、動物の健康保険証に用いられる画像も好ましい。画像は、白黒、グレースケール、カラーのいずれであってもよい。動物の顔全体が写っていない画像、画像編集ソフトウェアで形状が編集された画像、複数の動物が写っている画像、目や耳が判別出来ないほど顔が小さく写っている画像あるいは不鮮明な画像は好ましくない。画像については、ノーマライゼーションが施され、解像度等が統一されたものが好ましい。
【0015】
[判定手段]
本発明の判定手段は、ヒトを除く動物の顔画像とその動物の撮影時の年齢(出生日からの経過年数)とを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の顔画像とし、出力をその動物の撮影時の年齢に関する予測とする学習済みモデルを含む。年齢としては、月単位であっても、年単位であってもよく、区分けであってもよい。区分けとしては、例えば、犬を例にすると、乳幼齢(1歳)、中間齢(2歳~7歳)、高齢(8歳以上)という区分けが挙げられる。区分けの仕方はこれに限られず、乳幼齢(1歳未満)、成犬(2~7歳)、高齢犬(8~10歳)、老齢(11歳以上)といった区分けの仕方等も挙げられる。猫や、フェレット等の他の動物についても、平均寿命に応じて、年齢を区分けすることができる。
【0016】
前記学習済みモデルとしては、人工知能(AI)が好ましい。人工知能(AI)とは、人間の脳が行っている知的な作業をコンピュータで模倣したソフトウェアやシステムであり、具体的には、人間の使う自然言語を理解したり、論理的な推論を行ったり、経験から学習したりするコンピュータプログラムなどのことをいう。人工知能としては、汎用型、特化型のいずれであってもよく、ディープニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク等のいずれであってもよく、公開されているソフトウェアを使用することができる。
【0017】
学習済みモデルを生成するために、人工知能を教師データを用いて学習させる。学習としては、機械学習とディープラーニング(深層学習)のいずれであってもよいが、ディープラーニングが好ましい。ディープラーニングは、機械学習を発展させたものであり、特徴量を自動的に見つけ出す点に特徴がある。
【0018】
学習済みモデルを生成するための学習方法としては、特に制限されず、公開されているソフトウェアを用いることができる。例えば、NVIDIAが公開しているDIGITS (the Deep Learning GPU Training System)を用いることができる。その他、例えば、「サポートベクターマシン入門」(共立出版)等において公開されている公知のサポートベクターマシン法(Support Vector Machine法)等によって学習させてもよい。
【0019】
学習のための教師データは、動物の顔画像とその動物の撮影当時の年齢である。教師データとしての動物の顔画像は、上記受付方法で説明した顔画像と同様である。当該動物の年齢についての情報は、例えば、保険加入申請時に提供される情報として、動物病院あるいは保険をかけようとする当該動物の飼い主等から入手可能である。年齢としては、月単位であっても、年単位であってもよく、区分けであってもよい。区分けとしては、例えば、犬を例にすると、乳幼齢(1歳未満)、中間齢(2~7歳)、老齢(8歳以上)、という区分けが挙げられる。区分けの仕方はこれに限られず、乳幼齢(1歳未満)、成犬(2~7歳)、高齢犬(8~10歳)、老齢(11歳以上)といった区分けの仕方等も挙げられる。猫や、フェレット等の他の動物についても、平均寿命に応じて、年齢を区分けすることができる。
【0020】
[出力]
本発明の判定手段は、入力情報として、動物の顔画像を受け付けると、上記学習済みモデルによって、当該動物の顔画像撮影時の年齢の予測判定を行う。出力の年齢としては、実年齢(出生時からの経過年月数)であってもよく、健康年齢(当該動物の健康状態又は容姿の状態が、何歳相当であるのか)であってもよい。
出力の形式は特に限定されず、例えば、パソコンの画面上において、「1歳2ヶ月」、あるいは、「幼齢」、「乳幼齢」、「老齢」といった表示をすることで予測判定を出力することができる。また、付随的な情報として、年齢の予測判定の確実性を同時に出力してもよい。例えば、「1歳2ヶ月(信頼度:80%)」といった具合である。また、年齢を数値範囲で出力してもよい。例えば、「11ヶ月~1歳2ヶ月」、「1歳未満」、「1~2歳」、「8歳以上」といった具合である。
本発明の年齢予測システムは、判定手段から判定結果を受信し、判定結果を出力する出力手段を別途有していてもよい。
本発明の年齢予測システムを利用することで、後述するような保険料の算出のほか、判定された年齢が実年齢よりも高い場合に、動物の飼い主に対して、健康管理に気をつけるように促す、老化抑止に効果的なフードを提案することが可能となる。
【0021】
[保険料算出システム]
本発明の保険料算出システムは、ヒトを除く動物の顔画像の入力を受け付ける受付手段と、学習済みモデルを用いて、前記受付手段に入力された動物の顔画像からその動物の年齢を予測判定する判定手段と、前記判定手段が予測判定した年齢を元に保険料を算出する保険料算出手段と、を備える保険料算出システムであって、前記学習済みモデルが、ヒトを除く動物の顔画像とその動物の撮影時の年齢とを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の顔画像とし、出力をその動物の年齢の予測判定とする学習済みモデルであることを特徴とする。
【0022】
すなわち、本発明の保険料算出システムは、保険の対象となる動物の顔画像を上記の年齢予測システムに入力し、出力された年齢の予測結果に応じて当該動物の保険料を算出するものである。年齢に応じた保険料の算出方法は公知の方法によることができる。保険料の決定には、年齢の予測のほか、当該動物の疾患罹患の予測、当該動物の種類、品種、性別、体重、既往歴等の情報を用いてもよい。当該動物の疾患罹患の予測については後述する学習モデルを用いることができる。また、当該動物の種類、品種、性別、体重、既往歴等の情報については、動物の飼い主、保険加入申請をしようとする者に端末からの入力を促すことで入手することができる。
以下、本発明の保険料算出システムの一実施態様を
図3を参照しながら説明する。
【0023】
図3中、端末40は、保険契約者(保険契約申込者、ユーザ)が利用する端末である。端末40は、例えばパーソナルコンピュータやタブレット端末などが挙げられる。端末40は、CPUなどの処理部、ハードディスク、ROMあるいはRAMなどの記憶部、液晶パネルなどの表示部、マウス、キーボード、タッチパネルなどの入力部、ネットワークアダプタなどの通信部などを含んで構成される。
ユーザは、端末40から、サーバにアクセスし、保険の対象となる動物の顔画像(写真)、及び、当該動物の種類、品種、性別、体重、既往歴などの情報を入力、送信する。保険料の算出あるいは保険加入可否の判定にあたっては、保険加入申込時点における動物の年齢を予測判定することが望まれるため、動物の顔画像(写真)は、保険契約者が保険申込みをする時点において撮影時から時間が経っていないものが好ましい。例えば、撮影時から6ヶ月以内ものが好ましく、3ヶ月以内のものがより好ましく、1ヶ月以内のものがさらに好ましい。また、ユーザが、申込み時に、その場でスマートフォンのカメラを使って対象となる動物の顔写真を撮影し、それを入力、送信するという態様であってもよい。例えば、ユーザは、端末40の画面上に表示される指示に従って保険対象となる動物の顔写真を撮影し、適切な写真が撮れたらそれをサーバに送信する。このとき、サーバが、別途、画像判定プログラムからなる写真撮影補助手段を備え、写真撮影補助手段が、動物の顔全体が撮像されていること、動物の顔の正面からの写真であるといった、年齢の予測判定に好適な写真であるかどうかを判定し、その判定結果をインターフェースや端末を通じてユーザに伝達するという構成を備えていてもよい。
また、ユーザは、端末40がサーバにアクセスすることによって、サーバにおける年齢予測結果や保険料算出結果を受信することができる。
【0024】
本実施形態においては、サーバはコンピュータによって構成されるが、本発明にかかる機能を有する限りにおいて、どのような装置であってもよい。サーバは、クラウド上にあるサーバであってもよい。
【0025】
記憶部10は、例えばROM、RAMあるいはハードディスクなどから構成される。記憶部10には、サーバの各部を動作させるための情報処理プログラムが記憶され、特に、判定手段(学習済みモデル)11と、必要に応じて保険料算出手段12が記憶される。保険料の算出を目的とせず、単に年齢の予測を出力する年齢予測システムとして構成する場合には保険料算出手段12は無くてもよい。
【0026】
判定手段(学習済みモデル)11は、上記のように、ユーザが入力した保険対象となる動物の顔画像を入力とし、当該画像に含まれる動物の写真撮影時の年齢の予測を出力するものである。本実施形態における判定手段(学習済みモデル)11は、例えばディープニューラルネットワーク又は畳み込みニューラルネットワークを含んで構成される。
【0027】
保険料算出手段12は、上記判定手段11が出力した年齢の予測から、当該動物の保険料を算出するソフトウェアである。必要に応じて、ユーザが入力した当該動物の種類、品種、性別、写真撮影時の年齢(申告年齢)、体重、既往歴などの情報も保険料の算出に用いてもよい。例えば、ソフトウェアは、当該動物の種類、品種、性別、体重、既往歴等に応じて、保険料の等級分けを行い、最後に、上記判定手段11が出力した年齢の予測を加味して当該等級を修正し、最終的な保険料を算出するためのソフトウェアである。ソフトウェアは、先に年齢の予測判定結果に応じて等級分けを行い、当該動物の種類、品種、性別、体重、既往歴等に応じて保険料を修正することで最終的な保険料を算出してもよい。保険料算出手段12と判定手段(学習済みモデル)11は一つのソフトウェアであってもよい。また、保険料算出手段は、保険料算出のための計算式を用い、当該計算式に、動物の年齢等の情報を挿入することによって保険料を計算するものであってもよく、あるいは、予め
図4のような保険料テーブルを記憶部に記憶しておき、保険料算出手段がそれを参照することによって保険料を算出するというものであってもよい。
図4に記載された保険料は、月額の保険料の例である。
【0028】
処理演算部20は、記憶部に記憶された判定手段(学習済みモデル)11や保険料算出手段12を用いて、年齢の予測や保険料の計算を実行する。
【0029】
インターフェース部(通信部)30は、受付手段31と出力手段32を備え、ユーザの端末から、動物の顔画像やその他の情報を受け付け、ユーザの端末に対して、年齢の予測や保険料の算出結果を出力する。
【0030】
本実施形態の保険料算出システムにより、保険契約者は、ペットの健康保険証を作成するための写真をサーバにアップロードすることで、ペットの健康保険証が作成されると同時に、ペットの保険料の算出結果を得ることができる。
【0031】
本発明の保険料算出システムは、ユーザに動物の年齢を申告させたうえで、ユーザから提供された動物の顔画像から年齢を予測判定し、予測判定結果に基づいて、ユーザが申告した年齢を修正した上で保険料を算出するという態様であってもよい。また、本発明の保険料算出システムは、保険料算出手段が、予測判定された年齢が所定値以上であった場合、保険料の算出に代えて、又は保険料の算出とともに、保険加入不適との判断結果を提示する機能を有していてもよい。例えば、犬の場合、年齢の予測判定結果が、11歳以上、12歳以上、13歳以上、14歳以上、又は15歳以上となった場合に保険加入不適との判断結果を提示する。猫の場合、年齢の予測判定結果が、13歳以上、14歳以上、15歳以上、16歳以上、又は17歳以上となった場合に保険加入不適との判断結果を提示する。保険加入不適と判断する年齢の所定値は動物の種類や品種ごとに設定することができる。
【0032】
本発明の保険料算出システムの一実施態様に基づく保険料算出のフローチャートを
図5に示す。ユーザが端末を用いて、サーバの受付手段に、保険加入を検討している動物の種類、品種、体重等の基本情報を入力するとともに、当該動物の顔画像をアップロードする(ステップS1)。サーバの処理演算部は、判定手段(学習済みモデル)を用いて、アップロードされた顔画像から、その動物の撮影時の年齢を予測判定する(ステップS2)。処理演算部は、保険料算出手段を用いて、年齢の予測判定結果を基に保険料を算出する(ステップS3)。出力手段は、算出された保険料をユーザの端末画面に表示するなどして出力し、ユーザに提示する(ステップS4)。
【0033】
本発明の保険料算出システムは、上記判定手段(学習済みモデル)に加えて、動物の顔画像から、その動物が疾患に罹患するかを予測判定する疾患予測手段を備えていてもよい。疾患予測手段は、ヒトを除く動物の顔画像とその動物の撮影時から所定期間内の疾患罹患の事実とを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の顔画像とし、出力をその動物が疾患に罹患する予測とする学習済みモデルを含む。判定手段に加えて、疾患予測手段を備えることで、保険加入申請時に、年齢を予測するだけでなく、その動物の将来の疾患罹患可能性も予測することができ、より合理性の高い保険料の算出が可能となる。
【0034】
疾患予測手段を備える場合の本発明の保険料算出システムの一実施態様に基づく保険料算出のフローチャートを
図6に示す(構成図は、
図7)。ユーザが端末を用いて、サーバの受付手段に、保険加入を検討している動物の種類、品種、体重等の基本情報を入力するとともに、当該動物の顔画像をアップロードする(ステップS21)。サーバの処理演算部は、判定手段(学習済みモデル)を用いて、アップロードされた顔画像から、その動物の撮影時の年齢を予測判定する(ステップS22)。処理演算部は、保険料算出手段を用いて、年齢の予測判定結果を基に保険料を算出する(ステップS23)。疾患予測手段が、当該動物の顔画像からその動物の将来の疾患への罹患可能性を予測判定する(ステップS24)。そして、疾患への罹患可能性が高ければ、保険料算出手段が、年齢に基づいて算出された保険料を上げる方向で保険料を補正し、疾患への罹患可能性が低ければ、保険料を下げる方向で保険料を補正する(ステップS25)。また、保険料算出手段は、疾患への罹患可能性が、その動物の平均と変わらない場合には、年齢に基づく保険料を補正しないで算出する機能を有していてもよい。また、疾患への罹患可能性が所定値以上の場合には、年齢の予測判定結果にもかかわらず、保険加入不適との判定結果を出力をする機能を有していてもよい。出力手段は、算出された保険料をユーザの端末画面に表示するなどして出力し、ユーザに提示する(ステップS26)。
【0035】
疾患罹患可能性の学習のための教師データは、動物の顔画像とその動物が顔画像撮影時から所定期間内に、好ましくは3年以内、より好ましくは2年以内、さらに好ましくは1年以内に疾患に罹患したか、罹患しなかったかの罹患の有無である。教師データとしての動物の顔画像は、上記受付方法で説明した顔画像と同様である。当該動物が疾患に罹患したかどうかの情報は、例えば、保険請求の事実(「事故」ともいう)として、動物病院あるいは保険をかけた飼い主等から入手可能である。つまり、当該動物がペット保険をかけられた動物である場合、当該動物が病院にかかり疾患に罹患したとの診断を受ければ、動物病院あるいは飼い主(ペット保険の契約者)が、保険会社に対して疾患への罹患の事実とともに保険金支払いを請求するので、保険会社は当該動物が疾患に罹患したことを知ることができる。他方、顔画像の作成から所定時間経過までに保険金の請求がなければ、保険をかけられた当該動物はその期間疾患に罹患しなかったと判断することができる。
【0036】
学習済みモデルは、個々の疾患ごとに生成してもよく、複数の疾患をまとめて生成してもよい。個々の疾患ごとに学習済みモデルを生成する場合には、特定の疾患に罹患した動物について、当該疾患への罹患から所定期間前に撮影された顔画像と、当該疾患に罹患したこと、比較対象として顔画像撮影から所定期間疾患に罹患しなかった動物の顔画像と、所定期間疾患に罹患しなかったことを教師データとして学習を行う。複数の疾患をまとめて学習させる場合には、教師データとして、ある疾患に罹患した動物とその罹患から所定期間前に撮影された顔画像、その疾患とは別の疾患に罹患した動物とその罹患から所定期間前に撮影された顔画像、さらに別の疾患に罹患した動物とその罹患から所定期間前に撮影された顔画像、というように、複数の種類の教師データを用意すればよい。
【0037】
[疾患]
本発明において対象となる疾患の種類は特に限定されず、例えば、眼科系疾患、耳科系疾患、皮膚系疾患が挙げられる。眼科系疾患としては、結膜炎、目やに、角膜炎、角膜潰瘍/びらん、流涙症、白内障、緑内障が挙げられる。耳科系疾患としては、外耳炎、中耳炎が挙げられる。皮膚系疾患としては、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、膿皮症が挙げられる。
【0038】
[保険加入可否判定システム]
本発明の保険加入可否判定システムは、上記の年齢の予測判定結果をもとにして、保険加入可否を判定するシステムである。すなわち、本発明の保険料算出システムでは、保険加入可否判定手段が、動物の顔写真から予測判定された年齢が所定値以上であった場合、保険加入不適との判定を行う。例えば、犬の場合、年齢の予測判定結果が、11歳以上、12歳以上、13歳以上、14歳以上、又は15歳以上となった場合に保険加入不適との判断結果を提示する。猫の場合、年齢の予測判定結果が、13歳以上、14歳以上、15歳以上、16歳以上、又は17歳以上となった場合に保険加入不適との判断結果を提示する。保険加入不適と判断する年齢の所定値は動物の種類や品種ごとに設定することができる。保険加入可否判定手段は、上記判定手段11が出力した年齢の予測から、当該動物の保険加入可否を判定するソフトウェアである。必要に応じて、ユーザが入力した当該動物の種類、品種、性別、写真撮影時の年齢(申告年齢)、体重、既往歴などの情報も保険加入可否の判定に用いてもよい。
【実施例0039】
[実施例1]
トイプードルの顔写真(一例として、
図8~
図10のカラー写真。256×256ピクセルに統一した。)を用いて、ディープラーニングを行い、学習済みモデルを生成した。使用した顔写真は、乳幼児(1歳未満)のものが11519枚、老齢(8歳以上)のものが11519枚であった。
AnacondaでのTensorFlow環境下にて、畳み込みニューラルネットワークを用い、写真データを乳幼児又は老齢でラベル付けをしてディープラーニングを行った。
生成された学習モデルを用いて、検証として、上記学習済みモデルの評価に用いた「乳幼児」および「老齢」の顔写真各1000枚を、「乳幼児」か「老齢」かの判定をさせたところ、正答率は、93.5%であった。
また、生成された学習モデルを用いて、テストとして、上記学習済みモデルの生成に用いた顔写真とは別の「乳幼児」および「老齢」の顔写真各1000枚について「乳幼児」か「老齢」かの判定をさせたところ、正答率は、92.5%であった。
【0040】
[実施例2]
トイプードルの顔写真を用いて、ディープラーニングを行い、学習済みモデルを生成した。使用した顔写真は、乳幼児(1歳未満)のものが11519枚、中間齢(3~5歳)のものが11519枚、老齢(8歳以上)のものが11519枚であった。
AnacondaでのTensorFlow環境下にて、畳み込みニューラルネットワークを用い、写真データを乳幼児、中間齢又は老齢でラベル付けをしてディープラーニングを行った。
生成された学習モデルを用いて、検証として、上記学習済みモデルの評価に用いた顔写真のうち、「乳幼児」、「中間齢」および「老齢」の顔写真各1000枚を、「乳幼児」、「中間齢」又は「老齢」かの判定をさせたところ、「老齢」についての正答率は、87.5%であった。
また、生成された学習モデルを用いて、テストとして、上記学習済みモデルの生成に用いた顔写真とは別の「乳幼児」、「中間齢」および「老齢」の顔写真各1000枚について、「乳幼児」、「中間齢」又は「老齢」かの判定をさせたところ、「老齢」についての正答率は、87.8%であった。
【0041】
[実施例3]
次に、第2段階の学習として、乳幼児の顔写真40207枚と、中間齢の顔写真40207枚を用いてディープラーニングを行った。
生成された学習モデルを用いて、検証として、上記学習済みモデルの評価に用いた顔写真のうち、「乳幼児」および「中間齢」の顔写真各3000枚を、「乳幼児」か「中間齢」かの判定をさせたところ、正答率は、92.2%であった。
また、生成された学習モデルを用いて、テストとして、上記学習済みモデルの生成に用いた顔写真とは別の「乳幼児」および「中間齢」の顔写真各3000枚について、「乳幼児」か「中間齢」かの判定をさせたところ、正答率は、91.5%であった。
【0042】
[参考例:疾患の予測]
トイプードルの顔写真(一例として、
図8~
図10のカラー写真。256×256ピクセルに統一した。)を
図7の表記載の枚数用いて、ディープラーニングを行い、学習済みモデルを生成した。
人工知能(ニューラルネットワーク)としては、GoogleNetを用い、学習用ソフトウェアとして、NVIDIA DIGITS Ver.3.0.0を用い、写真データを疾患への罹患の有無でラベル付けをしてディープラーニングを行った。
【0043】
眼科系疾患については、教師データ用写真として、写真撮影後1年以内に眼科系疾患に罹患したトイプードルの写真を4800枚、1年以内に眼科系疾患に罹患しなかったトイプードルの写真を4800枚用いて学習済みモデルAの生成を行った。
生成された学習済みモデルAについて、学習用に用いた9600枚の写真のうち、2400枚を用いてテストを行ったところ、眼科系疾患の有無の判定の正答率(実際に1年以内に疾患に罹患した動物の写真を「疾患罹患あり」と判定した写真の枚数と、実際に1年以内に疾患に罹患しなかった動物の写真を「疾患罹患なし」と判定した写真の合計枚数の、全体の枚数に対する割合)は70.5%であった。
【0044】
耳科系疾患については、教師データ用写真として、写真撮影後1年以内に耳科系疾患に罹患したトイプードルの写真を6400枚、1年以内に耳科系疾患に罹患しなかったトイプードルの写真を6400枚用いて学習済みモデルBの生成を行った。
生成された学習済みモデルBについて、学習用に用いた12800枚の写真のうち、3200枚を用いてテストを行ったところ、耳科系疾患の有無の判定の正答率は56.4%であった。
【0045】
皮膚系疾患については、教師データ用写真として、写真撮影後1年以内に皮膚科系疾患に罹患したトイプードルの写真を6400枚、1年以内に皮膚科系疾患に罹患しなかったトイプードルの写真を6400枚用いて学習済みモデルCの生成を行った。
生成された学習済みモデルCについて、学習用に用いた12800枚の写真のうち、3200枚を用いてテストを行ったところ、皮膚科系疾患の有無の判定の正答率は64.9%であった。
【0046】
上記で生成された学習済みモデルA~Cについて、教師用データとして用いなかったトイプードルの画像を用いて判定を行った。
【0047】
眼科系疾患については、教師用データとして用いなかったトイプードルの画像を4066枚使用し、うち、2033枚が眼科系疾患に罹患しなかったトイプードルの画像(「事故なし」)であり、2033枚が撮影から1年以内に眼科系疾患に罹患したトイプードルの画像(「事故あり」)であった。学習済みモデルAは、トイプードルの疾患の予測として、正答率が70.1%であった。
【0048】
耳科系疾患については、教師用データとして用いなかったトイプードルの画像を4000枚使用し、うち、2000枚が耳科系疾患に罹患しなかったトイプードルの画像(「事故なし」)であり、2000枚が撮影から1年以内に耳科系疾患に罹患したトイプードルの画像(「事故あり」)であった。学習済みモデルBは、トイプードルの疾患の予測として、正答率が55.0%であった。
【0049】
皮膚科系疾患については、教師用データとして用いなかったトイプードルの画像を4000枚使用し、うち、2000枚が皮膚科系疾患に罹患しなかったトイプードルの画像(「事故なし」)であり、2000枚が撮影から1年以内に皮膚科系疾患に罹患したトイプードルの画像(「事故あり」)であった。学習済みモデルCは、トイプードルの疾患の予測として、正答率が63.9%であった。