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▶ 神向 文明の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039857
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】印鑑
(51)【国際特許分類】
   B41K 1/02 20060101AFI20220303BHJP
【FI】
B41K1/02 C
B41K1/02 G
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020154154
(22)【出願日】2020-08-27
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】520356560
【氏名又は名称】神向 文明
(72)【発明者】
【氏名】神向 文明
(57)【要約】
【課題】二種類以上の印顆を同時に関連づけて押印し易い印鑑を提供する。
【解決手段】印鑑は、印鑑本体10と、印鑑本体10と連続一体に設けられた把持部20と、を備える。印鑑本体10は、第1印面11と、第1印面11に隣接して配置され第1印面11に対して傾斜した第2印面12と、を有する。そして、第2印面12は、第1印面11から離れるほど第1印面11を含む仮想平面VL1から把持部20側へ離れるように傾斜している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印鑑本体と、
前記印鑑本体と連続一体に設けられた把持部と、を備え、
前記印鑑本体は、第1印面と、前記第1印面に隣接して配置され前記第1印面に対して傾斜した少なくとも1つの第2印面と、を有し、前記第2印面は、前記第1印面から離れるほど前記第1印面を含む仮想平面から前記把持部側へ離れるように傾斜している、
印鑑。
【請求項2】
前記第1印面は、平面視矩形状であり、
前記第2印面は、平面視矩形状であり、4つ存在し、
前記第2印面は、それぞれ、前記第1印面の周縁の1つの辺において前記第1印面に連続している、
請求項1に記載の印鑑。
【請求項3】
前記第2印面の前記第1印面に対する傾斜角度は10°以上且つ90°以下に設定されている、
請求項1または2に記載の印鑑。
【請求項4】
前記把持部の、前記印鑑本体と前記把持部との並び方向に直行する断面の面積は、前記印鑑本体から離れるほど小さくなっている、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印鑑。
【請求項5】
印鑑本体と、
前記印鑑本体と連続一体に設けられた把持部と、を備え、
前記印鑑本体は、底面と、前記底面に隣接して配置され前記底面に対して傾斜した少なくとも1つの第3印面と、を有し、前記第3印面は、前記底面から離れるほど前記底面を含む仮想平面から前記把持部側へ離れるように傾斜している、
印鑑。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印鑑に関する。
【背景技術】
【0002】
単一の刻印面を備える印鑑が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-28858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の印鑑では単一の(平坦面又は曲面の)印面による押印のため、二種類以上の印顆を同時に関連付けて押印する場合は、複数の脱着可能な構造にした印鑑を使用するしか方法がなかった。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、二種類以上の印顆を同時に関連付けて押印し易い印鑑を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る印鑑は、
印鑑本体と、
前記印鑑本体と連続一体に設けられた把持部と、を備え、
前記印鑑本体は、第1印面と、前記第1印面に隣接して配置され前記第1印面に対して傾斜した少なくとも1つの第2印面と、を有し、前記第2印面は、前記第1印面から離れるほど前記第1印面を含む仮想平面から前記把持部側へ離れるように傾斜している。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、二種類以上の印顆を同時に関連付けて押印し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る印鑑を示し、(a)は正面図、(b)は低面図、(c)は側面図である。
図2】実施の形態2に係る印鑑を示し、(a)は正面図、(b)は低面図、(c)は側面図である。
図3】実施の形態3に係る印鑑を示し、(a)は正面図、(b)は低面図、(c)は側面図である。
図4】実施の形態4に係る印鑑を示し、(a)は正面図、(b)は低面図、(c)は側面図である。
図5】実施の形態5に係る印鑑を示し、(a)は正面図、(b)は低面図、(c)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の各実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。尚、この発明においては、以下の記述に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲においては適宜変更可能である。
【0010】
(実施の形態1)
本実施の形態に係る印鑑は、図1に示すように、印鑑本体10と、印鑑本体10と連続一体に設けられた把持部20と、を備える。そして、印鑑本体10は、第1印面11と、第1印面11に隣接して配置され第1印面11に対して傾斜した2つの第2印面12と、を有する。そして、第2印面12は、第1印面11から離れるほど第1印面11を含む仮想平面VL1から把持部20側へ離れるように傾斜している。
【0011】
印鑑本体10の素材は、木材、貴石、金属、牙骨、プラスチック等、特に限定されるものではなく、多孔性ゴムを使用しインクを内蔵した浸透印であってもよい。また印鑑本体10の形状や大きさは、下端部に彫られる印顆の大きさ、数、形状に基づいて決められるもので、特に限定されるものではない。
【0012】
印鑑本体10は、第1印面11と第2印面12との2種類の印面を有し、第1印面11および第2印面12それぞれには、印顆が彫り込まれている。第1印面11と第2印面12とは、それぞれ単独に押印したり、あるいは第1印面11→第2印面12(又は第2印面12→第1印面11)の順番に連続して押印したりすることが可能である。尚、第2印面12の仮想平面VL1に対する傾斜角αは、連続して押し易い角度10°以上且つ90°以下の角度とすることが好ましい。把持部20における印鑑本体10と把持部20との並び方向に直行する断面の面積は、印鑑本体10から離れるほど小さくなっている。
【0013】
本実施の形態に係る印鑑において、第1印面11を単独に押印使用する印面とした場合、第2印面12は通常の取引書類等には押印しない機密扱いあるいは情報付加用の印面とすることができる。例えば、取引書類等に使用した第1印面11の印影盗用、印影偽造等の疑いが生じた際には、この印鑑の持主であることを証明するために、第1印面11の印影と第2印面12の印影を提示することが可能である。また、第1印面11の印影にQRコード等の付加情報を付加する必要が生じた場合、第2印面12に付加情報を彫り込み、第1印面11→第2印面12(又は第2印面12→第1印面11)と連続押印することで第1印面11の印影とともに付加情報を提示することが可能となる。
【0014】
(実施の形態2)
本実施の形態に係る印鑑は、図2に示すように、印鑑本体210が、第1印面211と2つの第2印面212、213とを有する点が実施の形態1に係る印鑑とは相違する。印鑑本体210は、その下端部に第1印面211と第2印面212、213との3種類の印面を有し、第1印面211および第2印面212、213それぞれには、印顆が彫り込まれている。第1印面211と第2印面212、213とは、それぞれ単独に押印したり、あるいは第1印面211→第2印面212(又は第2印面212→第1印面211)や第1印面211→第2印面213(又は2印面213→第1印面211)、または第2印面212→第1印面211→第2印面213(又は第2印面213→第1印面211→第2印面212)の順番に連続して押印したりすることが可能である。尚、第2印面212、213の仮想平面VL2に対する傾斜角αは、10°以上且つ90°以下の範囲内の角度とすることが好ましい。
【0015】
本実施の形態に係る印鑑において、第1印面211を単独に押印使用する印面とした場合、第2印面212、213は通常の取引書類等には押印しない機密扱いあるいは情報付加用の印面とすることができる。例えば、取引書類等に使用した第1印面211の印影盗用、印影偽造等の疑いが生じた際、この印鑑の持主であることを証明するために、第1印面211の印影と第2印面212、213の印影とを提示することが可能となる。また、第1印面211の印影にQRコード等の付加情報を付加する必要が生じた場合、第2印面212又は第2印面213に付加情報を彫り込み、第1印面211→第2印面212(又は第1印面211→第1印面213)の順番に連続して押印することでそれが可能となる。さらには、第2印面212→第1印面211→第2印面213(又は第2印面213→第1印面211→第2印面212)と連続押印することで、第1印面211の印影とともに2つの付加情報を加えた印影を提示することができる。
【0016】
(実施の形態3)
本実施の形態に係る印鑑は、図3に示すように、印鑑本体310が、第1印面311と4つの第2印面312~315とを有する点が実施の形態1に係る印鑑とは相違する。印鑑本体310は、その下端部に第1印面311と4つの第2印面312~315との5種類の印面を有し、第1印面311および第2印面312~315それぞれには、印顆が彫り込まれている。第1印面311と第2印面312~315とは、それぞれ単独に押印したり、あるいは、第1印面311→第2印面312(313,314、315)の順番に連続して押印したりすることが可能である。第1印面311および第2印面312~315は、それぞれ、平面視矩形状である。4つの第2印面312~315は、それぞれ、第1印面311の周縁の1つの辺において第1印面311に連続している。尚、第2印面312~315それぞれの仮想平面VL3に対する傾斜角αは、10°以上且つ90°以下の範囲の角度であることが好ましい。
【0017】
本実施の形態に係る印鑑において、第1印面311を単独に押印使用する印面とした場合、第2印面312~315は通常の取引書類等には押印しない機密扱いあるいは情報付加用の印面とすることができる。また、第1印面311および第2印面312~315は、それぞれ、単独に押印できる印面としてもよい。例えば、取引書類等に使用した第1印面311の印影盗用、印影偽造等の疑いが生じた際、この印鑑の持主であることを証明するために、第1印面311の印影と第2印面312(又は第2印面313、314、315)の印影とを提示することができる。また、第1印面311の印影にQRコード等の付加情報を付加する必要が生じた場合、第2印面312~315に付加情報を彫り込み、第1印面311→第2印面312(又は第1印面311→第2印面313、314、315)の順番に連続して押印することで第1印面311の印影とともに第2印面312~315の印影を提示することが可能となる。さらには、第2印面312→第1印面311→第2印面313(又は第2印面313→第1印面311→第2印面312)の順番に、もしくは、第2印面314→第1印面311→第2印面315(又は第2印面315→第1印面311→第2印面314)の順番に連続して押印することで2つの付加情報を加えた印影を提示することができる。
【0018】
(実施の形態4)
本実施の形態に係る印鑑は、図4に示すように、印鑑本体410が、第1印面411と2つの第2印面412、414と2つの第3印面413、415と、を有する点が実施の形態1に係る印鑑とは相違する。印鑑本体410は、その下端部に第1印面411と2つの第2印面412、414と2つの第3印面413、415との5種類の印面を有し、第1印面411、第2印面412、414および第3印面413、415それぞれには、印顆が彫り込まれている。第2印面412、414は、仮想平面VL4に対して傾斜角αで傾斜しており、第3印面413、415は、それぞれ、第2印面412、414に対して傾斜角αで傾斜している。第1印面411と2つの第2印面412、414と2つの第3印面413、415は、それぞれ単独で押印したり、あるいは、第1印面411→第2印面412(414)→第3印面413(415)の順番に連続して押印したりすることが可能である。第1印面411および第2印面412、414および第3印面413、415は、それぞれ、平面視矩形状であり、第2印面412、414は、それぞれ、第1印面411において第1印面411の中心を挟んで対向する2つの辺において第1印面411に連続している。第3印面413、415は、それぞれ、第2印面412、414における第1印面411に連続する辺と第2印面412、414の中心を挟んで対向する辺において第2印面412、414に連続している。尚、第2印面412、414の仮想平面VL4に対する傾斜角αは、10°以上且つ90°以下の範囲の角度とすることが好ましい。
【0019】
本実施の形態に係る印鑑において、第1印面411を単独に押印使用する印面とした場合、第2印面412、414および第3印面413、415は通常の取引書類等には押印しない機密扱いあるいは情報付加用の印面とすることができる。また、第1印面411、第2印面412、414および第3印面413、415は、それぞれ、単独に押印できる印面としてもよい。例えば、取引書類等に使用した第1印面411の印影盗用、印影偽造等の疑いが生じた際、この印鑑の持主であることを証明するために、第1印面411の印影と第2印面412、414の印影および第3印面413、415の印影を提示することができる。また、第1印面411の印影に住所、電話番号等の付加情報を付加する必要が生じた場合、第2印面412、414、第3印面413、415に付加情報を彫り込み、第3印面415→第2印面414→第1印面411→第2印面412→第3印面413(又は第3印面413→第2印面412→第1印面411→第2印面414→第3印面415)の順番に連続して押印することで、合計4つまでの付加情報を加えた印影を提示することができる。
【0020】
(実施の形態5)
本実施の形態に係る印鑑は、図5に示すように、印鑑本体510が、1つの底面530と2つの印面511、512とを有する点が実施の形態1に係る印鑑とは相違する。印鑑本体510は、その下端部に底面530と底面530を含む仮想平面VL5に対して傾斜角αで傾斜した2つの印面511,512とを有する。印面511、512には、それぞれ、印顆が彫り込まれている。印面511、512は、それぞれ、単独で押印したり、あるいは、印面511→底面530→印面512(又は印面512→底面530→印面511)の順番に連続して押印したりすることができる。尚、印面511、512の仮想平面VL5に対する傾斜角αは、角度10°以上且つ90°以下の範囲の角度とすることが好ましい。把持部520における印鑑本体510と把持部520との並び方向に直行する断面の面積は、印鑑本体510から離れるほど大きくなっている。
【0021】
本実施の形態に係る印鑑は、印面511と印面512とをそれぞれ単独に押印することも可能であり、また、印面511と印面512との間に底面530が設けられていることにより、底面530の長さ分に相当する距離だけ離れた2つの印影を作成することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
連続して配置された複数の印顆のうち一面だけを電子登録用や書類押印用として使用し、それ以外の印顆を印影盗用防止用の秘密印影、あるいは、情報付加用の印影として活用できるため、証明書類等に押す印鑑として好適である。
【符号の説明】
【0023】
10、210、310、410、510 印鑑本体
11、211、311、411、511 第1印面
12、212、213、312、313、314、315、412、414、512 第2印面
20、220、320、420、520 把持部
413、415 第3印面
530 底面
VL1、VL2、VL3、VL4、VL5 仮想平面
図1
図2
図3
図4
図5