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▶ 横川 多喜雄の特許一覧

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  • 特開-養魚装置 図1
  • 特開-養魚装置 図2
  • 特開-養魚装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039866
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】養魚装置
(51)【国際特許分類】
   A01K 63/00 20170101AFI20220303BHJP
【FI】
A01K63/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020154977
(22)【出願日】2020-08-28
(71)【出願人】
【識別番号】000122117
【氏名又は名称】横川 多喜雄
(72)【発明者】
【氏名】横川 多喜雄
【テーマコード(参考)】
2B104
【Fターム(参考)】
2B104AA01
2B104CA01
2B104CB12
2B104CF12
2B104EB05
2B104EB19
2B104EB20
2B104ED01
2B104EE01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】小型で数十センチ程度の比較的浅い水槽を重層構造にした立体構造型の屋内外に設置できる養魚装置で飼育環境を悪化させないで、高密度養殖を可能とする養魚装置を提供する。
【解決手段】底の浅い水槽A,B,C,Dを複数個垂直かつ重層状に組み込んだ立体構造をなし、最上部水槽Aおよび外部水源と連結する水ポンプWPを下部に設置し、隣接する水槽間を上下につなぐ管を有し、オーバフローした水を自然流出させて各水槽の水位を保ち、最下部に設けるフィルター槽Eは水ポンプWPおよび外部排水路に接続し、装置全体の水流を循環せしめ、同じく下部に配置するエアーポンプAPと各水槽を連結する空気管4を有し、各水槽内の曝気管5で水中に空気を送り、最上部に魚に餌を与える自動給餌機8を配して、各水槽にプログラムされた餌を落下させる管を連結して構成する養魚装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底の浅い水槽を複数個垂直かつ重層状に組み込んだ立体構造をなし、最上部水槽および外部水源と連結する水ポンプを下部に設置し、隣接する水槽間を上下につなぐ管を有し、オーバフローした水を自然流出させて 各水槽の水位を保ち、最下部に設けるフィルター槽は上記水ポンプおよび外部排水路に接続し、装置全体の水流を循環せしめ、同じく下部に配置するエアーポンプと各水槽を連結する空気管を有し、水槽内の曝気管で水中に空気を送り、最上部に魚に餌を与える自動給餌機を配して、各水槽にプログラムされた餌を落下させる管を連結して構成する養魚装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は 屋内外に設置できる高密度養魚装置に関する。
【背景技術】
【0002】
養殖漁業は鯛やハマチなどの海水魚、鮎や虹鱒などの淡水魚が広く知られているが、いずれも広い平面積を持つ大規模な生簀や池で養殖されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
建屋内の水槽では 大面積の大型化は高額な割に養殖効率の低い設備となり、経済的に屋外の大規模装置が有利である。しかし魚を高密度に養殖することは飼育環境の悪化を伴い 共食いや病気などを引き起こすほか、毎日の餌やりや鳥獣からの防護対策、出荷時の捕獲作業の煩雑さ、異なるサイズや種の異なる魚の混合養殖が困難であるなど数多くの問題が残る。
【0004】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、小型で数十センチ程度の比較的浅い水槽を重層構造にした立体構造型の屋内外に設置できる養魚装置で飼育環境を悪化させないで、高密度養殖を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】に本発明による構造図を示す。
図2】に本発明による構造図を示す。
図3】に本発明による構造図を示す。
【問題を解決し発明を実施するための形態】
【0006】
図1は4つの水槽A,B,C,D,を垂直に配置して構成し、各水槽は図2のごとく比較的浅い円形状をなしており、数ミリ厚の樹脂板と木製の平板を結合して製造されている。最上段Aに流入した水は下のB水槽、さらにC水槽、D水槽とオーバーフローして各水槽の水位を保っている。最下層のEは内部にフィルター▲1▼を設けた浄化槽で上部から流入する水の汚れを除去する。最上部水槽Aに流入する水は河川や井戸などの水源▲6▼からパイプ▲2▼を介して水ポンプWPによって供給されるほか 浄化槽Eからも吸い込むことができる。E水槽のオーバーフローは外部排水路▲7▼にも流れる。
【0007】
各水槽には ばっ気管▲5▼が設置されておりエアーポンプAPに配管▲4▼で連結している。さらに 最上部には魚の餌供給機▲8▼が設置され A,B,C,D,の各水槽にプログラムされた量をパイプを通して落下供給される。
図3は水槽A,B,C,D,E,を組込み固定する構造体を示す。各層は十分な強度を持つ金属構造材で水槽底面を支える長方形状をなしている。水槽が空っぽの時は水槽を容易にスライドすることも、出し入れすることも可能である。本図面では5重層の実施例を示したが、水槽の数を増したり、少なくすることも容易である。水槽のサイズは魚のサイズや養殖数によって異なるが、直径85センチ 高さ25センチ 水量120リッター程度が代表例で、5段水槽1基で 年間200~300匹の虹鱒を養殖できる。図1の実施例の場合、装置全体のサイズは90cm×90cmの平面で高さは180cm程度である、この場合1坪の面積に4基を設置できる。もちろん 水槽の形状や材料の変更、サイズの変更も可能なのは当然である。
【発明の効果】
【0008】
本発明は 広い平面積がない建屋内でも多数の装置を設置でき、数千~数万匹の多量養殖もできる。また 1基の養殖装置でも稚魚や成魚、中間魚など 小さい魚は数多く、大きい魚は数を少なくして それぞれ異なる水槽で分別養殖でき、年間を通じ成長に応じて 各水槽を効率よく使用できる。各水槽は分離しているので 従来の大型生け簀や池での養殖に比較して、混合養殖が可能なほか 魚の出荷時の捕獲作業や移動時の捕獲作業も容易である。また 餌やりは自動で、水槽ごとに異なる適量を与えることができる。娯楽イベント会場、大型商業施設、料理旅館、管理釣り堀など 魚の消費地に本発明装置を設置すれば文字通りの地産地消となり、遠くからの鮮魚輸送する負担もなくなる。また 本発明は屋内装置として限定されるわけではなく 屋外でも同様に設置できるし、淡水魚養殖に限らず海水魚養殖もできる。
図1
図2
図3