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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039898
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】開き戸の操作用部材
(51)【国際特許分類】
   E05B 1/00 20060101AFI20220303BHJP
   E05B 15/02 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
E05B1/00 311Z
E05B15/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020218188
(22)【出願日】2020-12-28
(31)【優先権主張番号】P 2020142437
(32)【優先日】2020-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】501176059
【氏名又は名称】株式会社ガードロック
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】南 完治
(57)【要約】
【課題】装着作業に手数を要さず、操作用部材を装着したことによって開き戸に傷跡を残さない開き戸の操作用部材を提供すること。
【解決手段】足によって開き戸1を開操作する開き戸1の操作用部材2Aで、開き戸1の一方の面板11の下部を部分的に覆う第1の面板覆い部21と、第1の面板覆い部21の上端縁から水平方向に延設した足掛け部22と、足掛け部22の先端縁から上方向に突設した抵抗付与部23と、第1の面板覆い部21の下端縁から水平方向に延設した開き戸1の下端面覆い部24と、開き戸1の下端面覆い部24の先端縁から上方向に延設した開き戸1の他方の面板12の下部を部分的に覆う第2の面板覆い部25とを備えるようにしている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足によって開き戸を開操作する開き戸の操作用部材であって、開き戸の一方の面板の下部を部分的に覆う第1の面板覆い部と、該第1の面板覆い部の上端縁から水平方向に延設した足掛け部と、該足掛け部の先端縁から上方向に突設した抵抗付与部と、前記第1の面板覆い部の下端縁から水平方向に延設した開き戸の下端面覆い部と、該開き戸の下端面覆い部の先端縁から上方向に延設した開き戸の他方の面板の下部を部分的に覆う第2の面板覆い部とを備えてなることを特徴とする開き戸の操作用部材。
【請求項2】
足によって開き戸を開操作する開き戸の操作用部材であって、開き戸の一方の面板の下部を部分的に覆う第1の面板覆い部と、該第1の面板覆い部から水平方向に延設した足掛け部と、該足掛け部の先端縁から上方向に突設した抵抗付与部とを備え、固着板を介して開き戸に固定するようにしてなることを特徴とする開き戸の操作用部材。
【請求項3】
前記開き戸の他方の面板の下部を部分的に覆う第2の面板覆い部を備え、固着板を介して開き戸に固定するようにしてなることを特徴とする請求項2に記載の開き戸の操作用部材。
【請求項4】
開き戸の操作用部材を開き戸に装着するために用いるマグネット板であって、前記マグネット板の開き戸に装着する面に粘着層を備えてなることを特徴とする開き戸の操作用部材を開き戸に装着するマグネット板。
【請求項5】
開き戸のラッチボルトの機能を無効化するためのプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足によって開き戸(扉)を開操作することを可能にした開き戸の操作用部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、開き戸の開操作は、ドアノブやレバーハンドルによってラッチボルトを解除操作することによって行うようにしている。
【0003】
ところで、荷物を持っていて手が塞がって使えない等の場合、ドアノブやレバーハンドルによるラッチボルトの解除操作ができないことがある。
この問題に対処するため、従来より、足によって開き戸を開操作する装置が提案されている(例えば、特許文献1~3参照。)。
【0004】
ところで、特許文献1~3に開示された、足によって開き戸を開操作する装置は、機構が複雑であるという問題があった。
【0005】
一方、COVID(コビット)-19(新型コロナウィルス)等の感染症の流行に伴い、手を触れずに、例えば、足によって開き戸を開操作することを可能にした開き戸の操作用部材が実用化されている。
しかしながら、現在提案されている開き戸の操作用部材には、以下の問題があった。
・装置を開き戸に装着するためにビスを用いるため、装着作業に手数を要し(特に、金属製の開き戸の場合)、開き戸にビスによる傷跡が残るため、原状復帰できず、賃貸物件等には適用できない。
・ラッチボルトの解除についての対処方法がなく、ラッチボルトを備えた開き戸に適用できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10-54162号公報
【特許文献2】特開平10-252319号公報
【特許文献3】特許第6722968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の手を触れずに、足によって開き戸を開操作することを可能にした開き戸の操作用部材の有する問題点に鑑み、装着作業に手数を要さず、操作用部材を装着したことによって開き戸に傷跡を残さない開き戸の操作用部材を提供することを第1の目的とする。
【0008】
また、本発明は、ラッチボルトを備えた開き戸にも適用できるようにした開き戸の操作用部材を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記第1の目的を達成するため、本発明の開き戸の操作用部材は、足によって開き戸を開操作する開き戸の操作用部材であって、開き戸の一方の面板の下部を部分的に覆う第1の面板覆い部と、該第1の面板覆い部の上端縁から水平方向に延設した足掛け部と、該足掛け部の先端縁から上方向に突設した抵抗付与部と、前記第1の面板覆い部の下端縁から水平方向に延設した開き戸の下端面覆い部と、該開き戸の下端面覆い部の先端縁から上方向に延設した開き戸の他方の面板の下部を部分的に覆う第2の面板覆い部とを備えてなることを特徴とする。
【0010】
また、同じ目的を達成するため、本発明の開き戸の操作用部材は、足によって開き戸を開操作する開き戸の操作用部材であって、開き戸の一方の面板の下部を部分的に覆う第1の面板覆い部と、該第1の面板覆い部から水平方向に延設した足掛け部と、該足掛け部の先端縁から上方向に突設した抵抗付与部とを備え、固着板を介して開き戸に固定するようにしてなることを特徴とする。
【0011】
この場合において、前記開き戸の他方の面板の下部を部分的に覆う第2の面板覆い部を備え、固着板を介して開き戸に固定するようにすることができる。
【0012】
また、開き戸の操作用部材を開き戸に装着するために用いるマグネット板の開き戸に装着する面に、粘着層を備えてなるようにすることができる。
【0013】
また、上記第2の目的を達成するため、開き戸のラッチボルトの機能を無効化するためのプレートを用いることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の開き戸の操作用部材によれば、従来の足によって開き戸を開操作することを可能にした開き戸の操作用部材の有する問題点を解消し、装着作業に手数を要さず、操作用部材を装着したことによって開き戸に傷跡を残さない開き戸の操作用部材を提供することができる。
【0015】
また、開き戸の操作用部材を開き戸に装着するために用いるマグネット板の開き戸に装着する面に、粘着層を備えてなるようにすることにより、開き戸の操作用部材に大きな外力がかかったときに開き戸の操作用部材がズレたり、離脱することを防止することができる。
【0016】
また、開き戸のラッチボルトの機能を無効化するためのプレートを用いることにより、ラッチボルトを備えた開き戸に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の開き戸の操作用部材の第1実施例を示す説明図で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図、(d)は要部の側面図である。
図2】同開き戸の操作用部材を開き戸に装着した状態を示す説明図で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
図3】本発明の開き戸のラッチボルトの機能を無効化するためのプレートを示し、(a)は従来のストライクプレートを示す説明図、(b)は第1実施例のプレート(ストライクプレート)を示す説明図、(c)は第2実施例のプレートを示す説明図である。
図4】同第2実施例のプレートの変形例を示す説明図である。
図5】本発明の開き戸の操作用部材の第2実施例を示す説明図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
図6】本発明の開き戸の操作用部材の第3実施例を示す説明図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
図7】本発明の開き戸の操作用部材の第3実施例を示す説明図で、(a)は背面図、(b)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の補助錠の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1図2に、本発明の開き戸の操作用部材の第1実施例を示す。
この開き戸の操作用部材2Aは、足によって開き戸1を開操作するもので、開き戸1の一方の面板11の下部を部分的に覆う第1の面板覆い部21と、第1の面板覆い部21の上端縁から水平方向に延設した足掛け部22と、足掛け部22の先端縁から上方向に突設した抵抗付与部23と、第1の面板覆い部21の下端縁から水平方向に延設した開き戸の下端面覆い部24と、開き戸の下端面覆い部24の先端縁から上方向に延設した開き戸1の他方の面板12の下部を部分的に覆う第2の面板覆い部25とを備えるようにしている。
【0020】
この場合において、開き戸の操作用部材2Aは、鉄、ステンレス鋼等の金属製の板材を曲げ加工したり、合成樹脂製、FRP製等で一体成形したりすることができる。
【0021】
開き戸の操作用部材2Aの大きさは、足によって操作しやすいように、第2の面板覆い部25を基準として、幅方向の寸法を100~300mm、好ましくは、120~250mm程度に、高さ方向の寸法を100~300mm、好ましくは、120~250mm程度に、それぞれ設定するようにする。
また、開き戸の下端面覆い部24は、開き戸1の厚さ方向の寸法に合わせて、それより大きく(以下に記載する押圧板41、ゴム板42及びゴム板5の厚さを加算した寸法よりもやや大きく)設定するようにする。
【0022】
抵抗付与部23は、足(履き物)の裏によって操作した際に滑らないように、上端縁を波形状(又は鋸歯形状)に形成するようにしている。
【0023】
本実施例において、開き戸の操作用部材2Aを開き戸1に装着するために、第1の面板覆い部21に固着したナット32に螺合したねじ31を、背面にゴム板42を配設した押圧板41を介して、開き戸1の一方の面板11に押し付けることにより、背面にゴム板5を配設した第2の面板覆い部25との間で挟持、固定するようにしている。
ここで、押圧板41には、ねじ31の先端の小径部31aが入り込む小孔41aを形成することで、安定した固定状態が得られるようにしている。
【0024】
なお、開き戸の操作用部材2Aを開き戸1に装着する手段は、上記手段に限定されず、操作用部材2Aを装着したことによって開き戸1に傷跡を残さないものである限りにおいて、任意の手段を採用することができ、例えば、開き戸の操作用部材2Aに作用する力の方向性を勘案して、ゴム板5に代えて、両面接着(粘着)板(両面接着(粘着)シート)(図示省略)を用いることもできる。
【0025】
この開き戸の操作用部材2Aは、開き戸1の引いて開ける側に第1の面板覆い部21が、押して開ける側に第2の面板覆い部25が、それぞれ位置するように開き戸1に装着することで、足によって開き戸1を引き操作又は押し操作することで、開操作することができる。
そして、この開き戸の操作用部材2Aは、操作用部材2Aの装着作業に手数を要さず、操作用部材2Aを装着したことによって開き戸に傷跡を残さないようにすることができる。
【0026】
ところで、この開き戸の操作用部材2Aは、ラッチボルト(図示省略)の解除手段がないため、このままでは、ラッチボルトを備えた開き戸には適用できない。
このため、図3に示すような、ラッチボルトの機能を無効化するためのプレート6A、6Bを用いることにより、開き戸の操作用部材2Aを、ラッチボルトを備えた開き戸に適用することができるようにすることができる。
【0027】
具体的には、図3(a)に示すような、従来のラッチボルトが入り込む孔を形成したストライクプレート6に代えて、図3(b)に示すような、ラッチボルトが入り込む孔を形成していないストライクプレート6Aを取り付けるようにしたり、図3(a)に示すような、従来のラッチボルトが入り込む孔を形成したストライクプレート6の孔を、図3(c)に示すような、プレート6Bで塞ぐことによって、ラッチボルトの機能を無効化し、開き戸の操作用部材2Aを、ラッチボルトを備えた開き戸に適用することができるようにすることができる。
【0028】
この場合において、プレート6A、6Bは、鉄、ステンレス鋼等の金属製、合成樹脂製、FRP製とすることができる。
【0029】
プレート6A、6Bの装着は、ストライクプレート6Aの場合は、ねじを用いて、プレート6Bの場合は、両面接着(粘着)テープを用いることができる。
【0030】
また、プレート6A、6Bの形状は、図4のプレート6Bの変型実施例に示すように、ラッチボルトの配置や大きさ、デッドボルト(鍵)の有無等によって、適宜設定することができる。
【0031】
さらに、ラッチボルトの機能を無効化するために、プレート6Bを、ラッチボルトを押し込むようにして、ラッチボルト側に装着することもできる。
【0032】
なお、プレート6A、6Bを用いることによりラッチボルトの機能を無効化する場合、ドアクローザ等の開き戸1の閉状態を維持する機構を設けようにすることが好ましい。
【0033】
図5に、本発明の開き戸の操作用部材の第2実施例を示す。
この開き戸の操作用部材2Bは、足によって開き戸1を開操作するもので、開き戸1の一方の面板の下部を部分的に覆う第1の面板覆い部21と、第1の面板覆い部21から水平方向に延設した足掛け部22と、足掛け部22の先端縁から上方向に突設した抵抗付与部23とを備え、固着板7を介して開き戸1に固定するようにしている。
【0034】
この場合において、開き戸の操作用部材2Bは、鉄、ステンレス鋼等の金属製の板材を曲げ加工したり、合成樹脂製、FRP製等で一体成形したりすることができる。
特に、開き戸1が、鉄製の場合には、鉄、SUS430等のフェライト系ステンレス鋼等の磁性金属製の材料を好適に用いることができる。
【0035】
開き戸の操作用部材2Bの大きさは、足によって操作しやすく、固着板7を介して開き戸1に安定して固定することができるように、具体的には、磁着力や接着(粘着)力を考慮して、第1の面板覆い部21を基準として、幅方向の寸法を100~300mm、好ましくは、120~250mm程度に、高さ方向の寸法を100~400mm、好ましくは、150~350mm程度に、それぞれ設定するようにする。
【0036】
抵抗付与部23は、足(履き物)の裏によって操作した際に滑らないように、上端縁を波形状(又は鋸歯形状)に形成するようにしている。
【0037】
本実施例において、開き戸の操作用部材2Bを鉄製の開き戸1に装着するために、第1の面板覆い部21を、固着板7に、マグネット板、好ましくは、ゴム系のマグネット板を介して、開き戸1の一方の面板11に磁力により固定するようにしている。
【0038】
ここで、マグネット板の開き戸に装着する面に、粘着層を備えるようにすることができる。
粘着層は、マグネット板の開き戸に装着する面に、粘着剤を塗布したり、粘着シートを貼付したりすることにより形成することができる。
これにより、開き戸の操作用部材2Bに大きな外力がかかったときに開き戸の操作用部材2Bがズレたり、離脱することを防止することができる。
【0039】
なお、開き戸の操作用部材2Bを開き戸1に装着する手段は、上記手段に限定されず、操作用部材2Bを装着したことによって開き戸1に傷跡を残さないものである限りにおいて、任意の手段を採用することができ、例えば、固着板7に、マグネット板に代えて、両面接着(粘着)板(両面接着(粘着)シート)(図示省略)を用いることもできる。
【0040】
この開き戸の操作用部材2Bは、開き戸1の引いて開ける側に第1の面板覆い部21が位置するように開き戸1に装着することで、足によって開き戸1を引き操作することで、開操作することができる。
そして、この開き戸の操作用部材2Bは、操作用部材2Bの装着作業に手数を要さず、操作用部材2Bを装着したことによって開き戸に傷跡を残さないようにすることができる。
【0041】
なお、本実施例の開き戸の操作用部材2Bのその他の構成及び作用は、第1実施例の開き戸の操作用部材2Aと同様である。
【0042】
図6図7に、本発明の開き戸の操作用部材の第3実施例を示す。
この開き戸の操作用部材2Cは、足によって開き戸1を開操作するもので、開き戸1の一方の面板の下部を部分的に覆う第1の面板覆い部21と、第1の面板覆い部21から水平方向に延設した足掛け部22と、足掛け部22の先端縁から上方向に突設した抵抗付与部23と、別部材からなる、開き戸1の他方の面板の下部を部分的に覆う第2の面板覆い部25とを備え、固着板7、8を介して開き戸1に固定するようにしている。
【0043】
この場合において、開き戸の操作用部材2Cの開き戸1の一方の面板側に装着する部材は、鉄、ステンレス鋼等の金属製の板材を曲げ加工したり、合成樹脂製、FRP製等で一体成形したりすることができる。
また、第2の面板覆い部25は、鉄、ステンレス鋼等の金属製、合成樹脂製、FRP製とすることができる。
特に、開き戸1が、鉄製の場合には、鉄、SUS430等のフェライト系ステンレス鋼等の磁性金属製の材料を好適に用いることができる。
【0044】
開き戸の操作用部材2Cの大きさは、足によって操作しやすく、固着板7を介して開き戸1に安定して固定することができるように、第1の面板覆い部21を基準として、幅方向の寸法を100~300mm、好ましくは、120~250mm程度に、高さ方向の寸法を100~400mm、好ましくは、150~350mm程度に、それぞれ設定するようにする。
また、第2の面板覆い部25の大きさは、第1の面板覆い部21と同程度の大きさか、それよりやや小さい、幅方向の寸法を100~300mm、好ましくは、120~250mm程度に、高さ方向の寸法を100~300mm、好ましくは、120~250mm程度に、それぞれ設定するようにする。
【0045】
第1の面板覆い部21は、足掛け部22の両側に下方に延設した延長部21aを形成し、延長部21aの下端縁から水平方向に延設した開き戸の下端面引っ掛け部24’を形成することで、足掛け部22が第1の面板覆い部21の幅方向の中心部に位置し、足によって開き戸1を引き操作したときの引っ張り力が第1の面板覆い部21の幅方向の中心部に均一にかかるようになることと相俟って、安定した固定状態が得られるようにしている。
また、開き戸の操作用部材2Cを開き戸1に装着するときに、開き戸の下端面引っ掛け部24’を基準とすることで、正確に開き戸1に装着することができる。
【0046】
抵抗付与部23は、足(履き物)の裏によって操作した際に滑らないように、上端縁を波形状(又は鋸歯形状)に形成するようにしている。
【0047】
本実施例において、開き戸の操作用部材2Cを鉄製の開き戸1に装着するために、第1の面板覆い部21及び第2の面板覆い部25を、固着板7、8に、マグネット板、好ましくは、ゴム系のマグネット板を介して、開き戸1の一方の面板11及び他方の面板12に磁力により固定するようにしている。
【0048】
ここで、マグネット板の開き戸に装着する面に、粘着層を備えるようにすることができる。
粘着層は、マグネット板の開き戸に装着する面に、粘着剤を塗布したり、粘着シートを貼付したりすることにより形成することができる。
これにより、開き戸の操作用部材2Cに大きな外力がかかったときに開き戸の操作用部材2Cがズレたり、離脱することを防止することができる。
【0049】
なお、開き戸の操作用部材2Cを開き戸1に装着する手段は、上記手段に限定されず、操作用部材2Cを装着したことによって開き戸1に傷跡を残さないものである限りにおいて、任意の手段を採用することができ、例えば、固着板7、8に、マグネット板に代えて、両面接着(粘着)板(両面接着(粘着)シート)(図示省略)を用いることもできる。
【0050】
この開き戸の操作用部材2Cは、開き戸1の引いて開ける側に第1の面板覆い部21が、押して開ける側に第2の面板覆い部25が、それぞれ位置するように開き戸1に装着することで、足によって開き戸1を引き操作又は押し操作することで、開操作することができる。
そして、この開き戸の操作用部材2Cは、操作用部材2Cの装着作業に手数を要さず、操作用部材2Cを装着したことによって開き戸に傷跡を残さないようにすることができる。
【0051】
なお、本実施例の開き戸の操作用部材2Cのその他の構成及び作用は、第1実施例の開き戸の操作用部材2Aや第1実施例の開き戸の操作用部材2Bと同様である。
【0052】
以上、本発明の開き戸の操作用部材及び開き戸のラッチボルトの機能を無効化するためのプレートについて、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、各実施例に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の開き戸の操作用部材は、装着作業に手数を要さず、操作用部材を装着したことによって開き戸に傷跡を残さないものであることから、足によって開き戸を開操作する開き戸の操作用部材の用途に、ラッチボルトを備えた開き戸を含めて、先付け、後付けにかかわらず、好適に用いることができる。
【0054】
また、本発明のラッチボルトの機能を無効化するためのプレートは、開き戸の操作用部材を、ラッチボルトを備えた開き戸に適用することができるようにするほか、ドアノブやレバーハンドルによるラッチボルトの解除操作ができない場合に、ラッチボルトの機能を無効化するために用いることもできる。
【符号の説明】
【0055】
1 開き戸(扉)
11 面板
12 面板
2A 操作用部材
2B 操作用部材
2C 操作用部材
21 第1の面板覆い部
21a 延長部
22 足掛け部
23 抵抗付与部
24 開き戸の下端面覆い部
24’ 開き戸の下端面引っ掛け部
25 第2の面板覆い部
31 ねじ
31a 小径部
32 ナット
41 押圧板
41a 小孔
42 ゴム板
5 ゴム板
6 ストライクプレート
6A プレート(ストライクプレート)
6B プレート
7 固着板(マグネット板)
8 固着板(マグネット板)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7