(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039904
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】スライドレールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A47B 88/50 20170101AFI20220303BHJP
【FI】
A47B88/50
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021001785
(22)【出願日】2021-01-08
(31)【優先権主張番号】109129821
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】周 繼志
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AB33
3B160AB47
3B160EA03
3B160EA13
3B160EB82
(57)【要約】 (修正有)
【課題】2つのスライドレールがお互いに対して所定の位置にある場合に、お互いが変位するのを確実に防止するスライドレールアセンブリを提供する。
【解決手段】スライドレールアセンブリ20は、第1のレール22、第2のレール24、ブロック部材及びコンポーネント28,32を含む。2つのレールは互いに対して変位可能である。ブロック部材は2つのレールのうちの一方に設けられ、コンポーネントは2つのレールのうちの他方に設けられる。第2のレールが第1のレールに対して所定の位置にある場合、第2のレールが第1のレールに対して所定の位置から所定の方向に変位するのを防止するために、ブロック部材のブロック部とコンポーネントの所定部とが互いをブロックする。ブロック部及び所定部のうちの一方は非垂直構造を形成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のレールと、
第2のレールであって、該第2のレールと前記第1のレールとは互いに対して長手方向に変位可能である、第2のレールと、
前記第1のレール及び前記第2のレールのうちの一方に設けられるブロック部材と、
前記第1のレール及び前記第2のレールのうちの他方に設けられる第1のコンポーネントと、
を含むスライドレールアセンブリであって、
前記第2のレールが前記第1のレールに対して所定の位置にある場合、前記ブロック部材の第1のブロック部と前記第1のコンポーネントの第1の所定部とは、前記第2のレールが前記第1のレールに対して前記所定の位置から第1の方向に変位するのを防止するために、前記長手方向で互いをブロックし、
前記ブロック部材の第1のブロック部は横方向に第1の非垂直構造を形成し、前記ブロック部材は高位区画及び低位区画を有し、該高位区画は第1の長手方向長さを有し、該第1の長手方向長さは、第1の係合空間が形成されるように該低位区画の第2の長手方向長さよりも実質的に大きく、前記第2のレールが前記第1のレールに対して前記所定の位置に到達した場合、前記第1のコンポーネントの第1の所定部は、前記第2のレールが前記第1のレールに対して前記所定の位置から前記第1の方向に離れるのを防止するために、前記ブロック部材の第1のブロック部と前記第1のコンポーネントの第1の所定部とが前記横方向で互いをブロックするように前記第1の係合空間に入る、スライドレールアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のブロック部は前記低位区画と前記高位区画との間に位置し、前記高位区画及び前記低位区画は、前記第1のブロック部が第1の傾斜角を有するとともに前記第1の非垂直構造を形成するように配置されている、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項3】
前記ブロック部材は第2のブロック部をさらに有するとともに第2の係合空間を形成し、
前記第2のブロック部は第2の非垂直構造を形成し、前記第2のブロック部及び前記第1のブロック部は前記ブロック部材の両端にそれぞれ位置し、前記第2のブロック部は前記低位区画と前記高位区画との間に位置し、前記高位区画及び前記低位区画は、前記第2のブロック部が第2の傾斜角を有するとともに前記第2の非垂直構造を形成するように配置されている、請求項2に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項4】
前記第2の傾斜角及び前記第1の傾斜角は実質的に同じである、請求項3に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項5】
前記第1のレール及び前記第2のレールのうちの前記一方は第1の壁、第2の壁及び該第1の壁と該第2の壁との間に接続される長手壁を含み、前記ブロック部材は、前記ブロック部材の高位区画が低位区画に対して横方向高さを有するように、前記長手壁に対して実質的に前記横方向に突出する、請求項4に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項6】
前記第1のコンポーネントは、第1の側及び第2の側と定義される2つの対向する側を有し、前記第1のコンポーネントの第1の側と第2の側との間に第1の段状構造が設けられ、該第1の段状構造は第1の段と、該第1の段に接続される第2の段とを有し、前記第1のコンポーネントの第1の所定部は前記第1の段状構造の第2の段に位置し、前記第1の段状構造の第2の段は低位部及び高位部を有し、前記第1の所定部は前記第1の段状構造の第2の段の低位部と高位部との間に位置し、前記第1の段状構造の第2の段の高位部及び低位部は、前記第1の所定部が第3の傾斜角を有するとともに別の第1の非垂直構造を形成するように配置されている、請求項5に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項7】
前記第2の段の低位部及び高位部は、前記横方向高さよりも小さな横方向厚さを前記低位部と前記高位部との間に定義する、請求項6に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項8】
前記第1のレール及び前記第2のレールのうちの前記他方に設けられる第2のコンポーネントをさらに含み、
前記第2のレールが前記第1のレールに対して前記所定の位置にある場合、前記ブロック部材の第2のブロック部と前記第2のコンポーネントの第2の所定部とは、前記第2のレールが前記第1のレールに対して前記所定の位置から前記第1の方向の反対側の第2の方向に変位するのを防止するために、前記長手方向で互いをブロックし、
前記第2のレールが前記第1のレールに対して前記所定の位置に到達した場合、前記第2のコンポーネントの第2の所定部は、前記第2のレールが前記第1のレールに対して前記所定の位置から前記第2の方向に離れることが確実にできないようにするために、前記ブロック部材の第2のブロック部と前記第2のコンポーネントの第2の所定部とが前記横方向で互いをブロックするように前記第2の係合空間に入り、
前記第2のコンポーネントは、それぞれ第1の側及び第2の側と定義される2つの対向する側を有し、前記第2のコンポーネントの第1の側と第2の側との間に第2の段状構造が設けられ、該第2の段状構造は第1の段と、該第1の段に接続される第2の段とを有し、前記第2のコンポーネントの第2の所定部は前記第2の段状構造の第2の段に位置し、前記第2の段状構造の第2の段は低位部及び高位部を有し、前記第2の所定部は前記第2の段状構造の第2の段の低位部と高位部との間に位置し、前記第2の段状構造の第2の段の高位部及び低位部は、前記第2の所定部が第4の傾斜角を有するとともに別の第2の非垂直構造を形成するように配置されている、請求項6に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項9】
前記第1のコンポーネントは、前記第1のレール及び前記第2のレールのうちの前記他方に可動に取り付けられ、前記第2のコンポーネントは、前記第1のレール及び前記第2のレールのうちの前記他方に可動に取り付けられ、
前記第1のコンポーネント及び前記第2のコンポーネントが第1の状態にある場合、前記第1のコンポーネントの第1の所定部及び前記第2のコンポーネントの第2の所定部は、前記第2のレールが前記第1のレールに対して前記所定の位置から前記第2の方向に加えて前記第1の方向に変位するのを防止するために前記ブロック部材の第1のブロック部及び前記第2のブロック部によりそれぞれブロックされ、
前記第1のコンポーネント及び前記第2のコンポーネントが操作されることによって第2の状態にされた場合、前記第1のコンポーネントの第1の所定部及び前記第2のコンポーネントの第2の所定部は、前記ブロック部材の第1のブロック部及び前記第2のブロック部によってもはやブロックされていないため、前記第2のレールを前記第1のレールに対して前記所定の位置から前記第2の方向に加えて前記第1の方向に変位させることができ、
前記スライドレールアセンブリは弾性部材及び少なくとも1つの操作部材をさらに含み、該弾性部材は、前記第1のコンポーネント及び前記第2のコンポーネントのうちの一方に弾性力を加えて、前記第1のコンポーネント及び前記第2のコンポーネントのうちの該一方を前記第1の状態で維持するための弾性区画を含み、前記少なくとも1つの操作部材は、前記第1のコンポーネント及び前記第2のコンポーネントのうちの前記一方を駆動して、前記第1のコンポーネント及び前記第2のコンポーネントのうちの前記一方を前記第1の状態から前記第2の状態にするように構成され、
前記少なくとも1つの操作部材は第1の操作部材及び第2の操作部材を含み、該第1の操作部材は前記第2のレールの中間レール区画に隣接し、該第2の操作部材は前記第2のレールの前方レール区画に隣接する、請求項8に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の操作部材は第1の駆動部を含み、該第1の駆動部は前記第1のコンポーネントの第1の作動部と合致するように構成され、
前記第2の操作部材は第2の駆動部を含み、該第2の駆動部は前記第2のコンポーネントの第2の作動部と合致するように構成され、
前記第2の駆動部は、前方駆動部及び後方駆動部とそれぞれ定義される2つの駆動部を有し、前記第2の作動部は、前記第2の駆動部が後方に加えて前方に変位された場合に前記第2の作動部を駆動して変位させることができるように2つの接触部を有する、請求項9に記載のスライドレールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライドレールに関し、より具体的には2つのスライドレールが互いに対して所定の位置にある場合に、2つのスライドレールの信頼性を確かなものにできるスライドレールアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、引き出しのスライドトラックアセンブリのための二方向リテーナが開示されている。この二方向リテーナは、第1のスライドトラックに設けられる保持機構と、第2のスライドトラックに設けられるストップ部材とを含む。保持機構は、2つの保持アームと、保持アームを付勢するように適合された弾性部材とを少なくとも備える。2つの保持アームはそれぞれ、一対の反対に傾斜する面及び一対の第1の係合部を備える。ストップ部材はストップ部を備える。第1のスライドトラックが所定の動作位置へと前方に引っ張られた場合、第2のスライドトラック上のストップ部材のストップ部は、第1のスライドトラックの保持アームのうちの一方の傾斜面を通過し、2つの保持アームの第1の係合部の間で係合して二方向保持効果をもたらす。
【0003】
より具体的には、特許文献1の
図4に示すように、第1のスライドトラックが第2のスライドトラックに対して伸長位置にある場合、2つの保持アームの第1の係合部はストップ部材のストップ部の2つの対向する側面に対してそれぞれ押圧されて二方向保持効果をもたらす。また、特許文献1の
図1から分かるように、ストップ部は、ストップ部の2つの対向する側面が垂直構造になるようにストップ部材に対して(又は第2のスライドトラックの長手壁又は長さ方向に対して)横方向に且つ垂直に突出する突起である。したがって、2つの保持アームの第1の係合部がストップ部の2つの対向する側面に対してそれぞれ押圧される横方向の深さ(すなわち、各保持アームの第1の係合部及びストップ部の対応する側面が互いにブロックされる横方向の深さ)が不十分な場合に、第1のスライドトラックは第2のスライドトラックに対して伸長位置から離れる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6935710号明細書
【特許文献2】米国特許第9854909号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スライドレールアセンブリの使用時の信頼性又は安全性に対する市場の要求はますます厳しくなってきており、上記のものとは異なるスライドレール製品を開発することには価値がある。
【0006】
本発明は、2つのスライドレールがお互いに対して所定の位置にある場合に、2つのスライドレールの信頼性を確かなものにすることができるスライドレールアセンブリに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、スライドレールアセンブリは、第1のレール、第2のレール、ブロック部材及び第1のコンポーネントを含む。第1のレールと第2のレールとは互いに対して長手方向に変位可能である。ブロック部材は第1のレール及び第2のレールのうちの一方に設けられ、第1のコンポーネントは第1のレール及び第2のレールのうちの他方に設けられる。第2のレールが第1のレールに対して所定の位置にある場合、ブロック部材の第1のブロック部と第1のコンポーネントの第1の所定部とは、第2のレールが第1のレールに対して所定の位置から第1の方向に変位するのを防止するために、互いをブロックする。ブロック部材の第1のブロック部は横方向に第1の非垂直構造を形成する。ブロック部材は高位区画及び低位区画を有する。高位区画は第1の長手方向長さを有し、該第1の長手方向長さは、第1の係合空間が形成されるように該低位区画の第2の長手方向長さよりも実質的に大きい。第2のレールが第1のレールに対して所定の位置に到達した場合、第1のコンポーネントの第1の所定部は第1の係合空間に入る。その結果、ブロック部材の第1のブロック部と第1のコンポーネントの第1の所定部とが横方向で互いをブロックし、第2のレールが第1のレールに対して所定の位置から第1の方向に離れるのを確実に防止できる。
【0008】
第1のブロック部は低位区画と高位区画との間に位置し、高位区画及び低位区画は、第1のブロック部が第1の傾斜角を有するとともに第1の非垂直構造を形成するように配置されていることが好ましい。
【0009】
ブロック部材は第2のブロック部をさらに有するとともに第2の係合空間を形成することが好ましい。第2のブロック部は第2の非垂直構造を形成し、第2のブロック部及び第1のブロック部はブロック部材の両端にそれぞれ位置する。
【0010】
第2のブロック部は低位区画と高位区画との間に位置し、高位区画及び低位区画は、第2のブロック部が第2の傾斜角を有するとともに第2の非垂直構造を形成するように配置されていることが好ましい。
【0011】
第2の傾斜角は第1の傾斜角と実質的に同じであることが好ましい。
【0012】
第1のレール及び第2のレールのうちの前記一方は第1の壁、第2の壁及び該第1の壁と該第2の壁との間に接続される長手壁を含み、ブロック部材は、ブロック部材の高位区画が低位区画に対して横方向高さを有するように、長手壁に対して実質的に前記横方向に突出することが好ましい。
【0013】
第1のコンポーネントは2つの対向する側、すなわち第1の側及び第2の側を有し、第1のコンポーネントの第1の側と第2の側との間に第1の段状構造が設けられ、該第1の段状構造は第1の段と、該第1の段に接続される第2の段とを有することが好ましい。第1のコンポーネントの第1の所定部は第1の段状構造の第2の段に位置する。第1の段状構造の第2の段は低位部及び高位部を有する。第1の所定部は第1の段状構造の第2の段の低位部と高位部との間に位置し、第1の段状構造の第2の段の高位部及び低位部は、第1の所定部が第3の傾斜角を有するとともに別の第1の非垂直構造を形成するように配置されている。
【0014】
第2の段の低位部及び高位部はそれらの間に横方向厚さを定義し、横方向厚さは横方向高さよりも小さいことが好ましい。
【0015】
スライドレールアセンブリは第1のレール及び第2のレールのうちの前記他方に設けられる第2のコンポーネントをさらに含むことが好ましい。第2のレールが第1のレールに対して所定の位置にある場合、ブロック部材の第2のブロック部と第2のコンポーネントの第2の所定部とは、第2のレールが第1のレールに対して所定の位置から第1の方向の反対側の第2の方向に変位するのを防止するために、長手方向で互いをブロックする。さらに、第2のレールが第1のレールに対して所定の位置に到達した場合、第2のコンポーネントの第2の所定部は第2の係合空間に入る。その結果、ブロック部材の第2のブロック部と第2のコンポーネントの第2の所定部とが横方向で互いをブロックして、第2のレールが第1のレールに対して所定の位置から第2の方向に離れることが確実に防止できる。
【0016】
第2のコンポーネントは2つの対向する側、すなわち第1の側及び第2の側を有し、第2のコンポーネントの第1の側と第2の側との間に第2の段状構造が設けられ、該第2の段状構造は第1の段と、該第1の段に接続される第2の段とを有することが好ましい。第2のコンポーネントの第2の所定部は第2の段状構造の第2の段に位置する。第2の段状構造の第2の段は低位部及び高位部を有する。第2の所定部は第2の段状構造の第2の段の低位部と高位部との間に位置し、第2の段状構造の第2の段の高位部及び低位部は、第2の所定部が第4の傾斜角を有するとともに別の第2の非垂直構造を形成するように配置されている。
【0017】
第1のコンポーネントは、第1のレール及び第2のレールのうちの前記他方に可動に取り付けられることが好ましい。
【0018】
第2のコンポーネントは、第1のレール及び第2のレールのうちの前記他方に可動に取り付けられることが好ましい。
【0019】
第1のコンポーネント及び第2のコンポーネントが第1の状態にある場合、第1のコンポーネントの第1の所定部及び第2のコンポーネントの第2の所定部は、第2のレールが第1のレールに対して所定の位置から第2の方向に加えて第1の方向に変位するのを防止するためにブロック部材の第1のブロック部及び第2のブロック部によりそれぞれブロックされることが好ましい。
【0020】
第1のコンポーネント及び第2のコンポーネントが操作されることによって第2の状態にされた場合、第1のコンポーネントの第1の所定部及び第2のコンポーネントの第2の所定部は、ブロック部材の第1のブロック部及び第2のブロック部によってもはやブロックされていないため、第2のレールを第1のレールに対して所定の位置から第2の方向に加えて第1の方向に変位させることができることが好ましい。
【0021】
スライドレールアセンブリは弾性部材及び少なくとも1つの操作部材をさらに含むことが好ましい。弾性部材は、第1のコンポーネント及び第2のコンポーネントのうちの一方に弾性力を加えて、第1のコンポーネント及び第2のコンポーネントのうちの該一方を第1の状態で維持するための弾性区画を含む。少なくとも1つの操作部材は、第1のコンポーネント及び第2のコンポーネントのうちの前記一方を駆動して、第1のコンポーネント及び第2のコンポーネントのうちの前記一方を第1の状態から第2の状態にするように構成されている。
【0022】
少なくとも1つの操作部材は第1の操作部材及び第2の操作部材を含むことが好ましい。第1の操作部材は第2のレールの中間レール区画に隣接し、該第2の操作部材は第2のレールの前方レール区画に隣接する。
【0023】
第1の操作部材は、第1のコンポーネントの第1の作動部と合致する第1の駆動部を含み、第2の操作部材は第2のコンポーネントの第2の作動部と合致する第2の駆動部を含むことが好ましい。第2の駆動部は2つの駆動部、すなわち前方駆動部及び後方駆動部を有し、第2の作動部は、第2の駆動部が前方又は後方に変位された場合でも第2の駆動部が第2の作動部を駆動して変位させることができるように2つの接触部を有する。
【0024】
本発明の別の態様によれば、スライドレールアセンブリは、第1のレール、第2のレール、ブロック部材及びコンポーネントを含む。第1のレールと第2のレールとは互いに対して長手方向に変位可能である。ブロック部材は第1のレールに設けられるのに対して、コンポーネントは第2のレールに設けられる。第2のレールが第1のレールに対して所定の位置にある場合、第2のレールが第1のレールに対して所定の位置から所定の方向に変位するのを防止するために、ブロック部材のブロック部とコンポーネントの所定部とが長手方向で互いをブロックする。第1のレール及び第2のレールのそれぞれは、第1の壁、第2の壁及び第1の壁と第2の壁との間に接続される長手壁を含む。ブロック部材は、ブロック部材の高位区画がブロック部材の低位区画に対して横方向高さを有するように第1のレールの長手壁に対して実質的に横方向に突出する。高位区画は第1の長手方向長さを有し、第1の長手方向長さは低位区画の第2の長手方向長さよりも実質的に大きい。コンポーネントは2つの対向する側、すなわち第1の側及び第2の側を有し、コンポーネントの第1の側と第2の側の間に、第1の段と、第1の段に接続される第2の段とを有する段状構造が設けられる。コンポーネントの所定部は第2の段に位置する。第2の段の低位部及び高位部はそれらの間に横方向厚さを定義し、横方向厚さは横方向高さよりも小さい。
【0025】
ブロック部材のブロック部は、ブロック部材のブロック部とコンポーネントの所定部との相互ブロックの信頼性を高めるのを助けるために横方向に非垂直構造を形成することが好ましい。
【0026】
ブロック部は低位区画と高位区画との間に位置し、高位区画及び低位区画は、ブロック部が傾斜角を有するとともに非垂直構造を形成するように配置されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリの組立斜視図であり、スライドレールアセンブリは、第1のレール、第2のレール及び第3のレールを含む。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの分解斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る第2のレール及び第2のレール上の2つのコンポーネントの分解斜視図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明の実施形態に係る2つのコンポーネントの拡大図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの第2のレールの斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの2つのコンポーネントを、2つのコンポーネントと共に用いる2つの操作部材及び弾性部材と共に示す斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る、第2のレール上の2つのコンポーネントが操作されていないため第1の状態にあることを示す概略図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る、第2のレール上の2つのコンポーネントのうちの1つが操作されて第2の状態にあることを示す概略図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る、第2のレール上の2つのコンポーネントが操作されていないため第1の状態にあることを示す概略図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る、2つのコンポーネントのうちの異なる1つが操作されて第2の状態にあることを示す概略図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの第2のレールが第1のレールに対して所定の位置にあることを示す第1の角度から見た概略図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの第2のレールが第1のレールに対して所定の位置にあることを示す第2の角度から見た概略図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの第2のレールが第1のレールに対して所定の位置にあることを示す第3の角度から見た概略図である。
【
図14】
図14は、ブロック部材が2つのコンポーネントのうちの一方をブロックし且つブロックされている場合、非垂直構造は確実に第2のレールが第1のレールに対して所定の位置から容易に離れることができなくすることができることを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1及び
図2を参照して、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリ20は、第1のレール22、第2のレール24、ブロック部材26及び第1のコンポーネント28を含む。スライドレールアセンブリ20は第3のレール30をさらに含み、第1のレール22は、第3のレール30(例えば、外側レール)、第1のレール22(例えば、中間レール)及び第2のレール24(例えば、内側レール)が所謂3区画のスライドレールアセンブリ20を構成するように、第3のレール30と第2のレール24との間に可動に取り付けられることが好ましい。第1のレール22、第2のレール24及び第3のレール30は、互いに対して長手方向に変位させることができる。
図1では、スライドレールアセンブリ20は、第2のレール24が第1のレール22(及び第3のレール30)に対して引っ込め位置Rにある引っ込み状態にある。なお、本実施形態では、X軸方向を長手方向(又はスライドレールの長さ方向若しくは変位方向)、Y軸方向を横方向(又はスライドレールの横方向)、Z軸方向を垂直方向(又はスライドレールの高さ方向)と定義される。
【0029】
スライドレールアセンブリ20は、第2のコンポーネント32、弾性部材34及び少なくとも1つの操作部材、例えば限定されないが第1の操作部材36及び第2の操作部材38をさらに含むことが好ましい。
【0030】
第3のレール30は、第1のレール22を受容するための通路を定義する複数の壁を含む。第1のレール22は、第1の壁40a、第2の壁40b及び第1のレール22の第1の壁40aと第2の壁40bとの間に接続される長手壁42を含む。第1のレール22の第1の壁40a、第2の壁40b及び長手壁42は、第2のレール24を受け入れる役割を果たす別の通路を共に形成する。第1のレール22は、第1の端部f1及び第1の端部f1から離れて位置する第2の端部r1を、例えば限定されないが前端及び後端を有する。
【0031】
ブロック部材26は、第1のレール22及び第2のレール24の一方に設けられる。ここでは、ブロック部材26は一例として第1のレール22の長手壁42に設けられ、第1のレール22の第1の端部f1に隣接する。ブロック部材26は、接続部27を介して第1のレール22の長手壁42に接続されてもよいし、ブロック部材26は第1のレール22上に直接形成されてもよく、本発明にはこの点について限定されない。
【0032】
第1のレール22及び第2のレール24は互いに対して長手方向に変位可能である。第2のレール24は、第1の壁44a、第2の壁44b及び第2のレール24の第1の壁44aと第2の壁44bとの間に接続される長手壁46を含む。第2のレール24は、第1の端部f2及び第1の端部f2から離れて位置する第2の端部r2を、例えば限定されないが前端及び後端を有する。
【0033】
2つのスライドレールが互いに対して長手方向に変位される際の滑らかさを高めるのを助けるために、各2つの隣接するスライドレールの間に摺動促進装置が設けられることが好ましい。例えば、摺動促進装置47は第2のレール24と第1のレール22との間に可動に設けられ、摺動促進装置47は、第1のレール22の第1の壁40aと第2のレール24の第1の壁44aとの間及び第1のレール22の第2の壁40bと第2のレール24の第2の壁44bとの間で支持される複数の回転ボールBを含む。
【0034】
第1のコンポーネント28及び第2のコンポーネント32は、第1のレール22及び第2のレール24のうちの他方に設けられる。ここでは、第1のコンポーネント28及び第2のコンポーネント32は一例として第2のレール24に設けられている。第1のコンポーネント28及び第2のコンポーネント32は、第2のレール24の長手壁46に可動に取り付けられることが好ましい。
【0035】
弾性部材34、第1の操作部材36及び第2の操作部材38の全ては、第2のレール24の長手壁46に設けられることが好ましい。
【0036】
弾性部材34は、第1のコンポーネント28及び第2のコンポーネント32のうちの少なくとも一方に弾性力を加えて、第1のコンポーネント28及び第2のコンポーネント32のうちの少なくとも一方を第1の状態S1で維持するために弾性区画を含むことが好ましい。ここでは、一例として、弾性部材34は、第1のコンポーネント28及び第2のコンポーネント32にそれぞれ弾性力を加えて、第1のコンポーネント28及び第2のコンポーネント32を第1の状態S1で保持するために第1の弾性部52及び第2の弾性部54を含む。
【0037】
第1の操作部材36及び第2の操作部材38は、第1のコンポーネント28及び第2のコンポーネント32をそれぞれ駆動して第1の状態S1から解除するように構成されていることが好ましい。
【0038】
図3~
図5に示すように、第1のコンポーネント28及び第2のコンポーネント32は、それぞれ第1のシャフト48及び第2のシャフト50を介して第2のレール24の長手壁46に枢結されている。
【0039】
第1の操作部材36は第2のレール24の中間レール区画に隣接し、第2の操作部材38は第2のレール24の第1の端部f2で前側レール区画に隣接していることが好ましい。
【0040】
第1のコンポーネント28及び第2のコンポーネント32は、第1の状態S1にある場合に第2のレール24の第1の壁44aに対して押圧されていることが好ましい(
図4参照)。
【0041】
第1の操作部材36は、第1の駆動部56、第1の操作部58及び第1の駆動部56と第1の操作部58との間に接続される第1の長手延在部60を含み、第1の駆動部56は、第1のコンポーネント28の第1の作動部62と合致するように構成されている。同様に、第2の操作部材38は、第2の駆動部64、第2の操作部66及び第2の駆動部64と第2の操作部66との間に接続される第2の長手延在部68を含み、第2の駆動部64は、第2のコンポーネント32の第2の作動部70と合致するように構成され、第2の操作部66は第2のレール24の第1の端部f2に隣接する(
図3、
図3A、
図5参照)。第2の駆動部64は前側駆動部及び後ろ側駆動部を有し、第2の作動部70は、第2の駆動部64が前方に又は後方に変位されても第2の駆動部64が第2の作動部70を変位させることができるように2つの接触部を有する。
【0042】
第2のレール24には、第1の操作部材36を支持するための少なくとも1つの第1の保持部61と、第2の操作部材38を支持するための少なくとも1つの第2の保持部63とがさらに設けられていることが好ましい(
図4参照)。
【0043】
第1のコンポーネント28は第1の所定部72を有し、第2のコンポーネント32は第2の所定部74を有することが好ましい。
【0044】
第1のコンポーネント28及び第2のコンポーネント32のそれぞれは、第1の側L1及び第2の側L2とそれぞれ定義される2つの対向する側を有することが好ましい(
図3A参照)。第1のコンポーネント28の第1の側L1と第2の側L2との間に第1の段状構造76が設けられる。第1の段状構造76は、第1の段76aと、第1の段76aに接続される第2の段76bとを有し、第1のコンポーネント28の第1の所定部72は第2の段76bに位置する。同様に、第2のコンポーネント32の第1の側L1と第2の側L2との間に第2の段状構造78が設けられる。第2の段状構造78は、第1の段78aと、第1の段78aに接続される第2の段78bとを有し、第2のコンポーネント32の第2の所定部74は第2の段78bに位置する。
【0045】
図6及び
図7を参照して、第1のコンポーネント28及び第2のコンポーネント32は、第1の弾性部52及び第2の弾性部54のそれぞれの弾性力により第2のレール24の第1の壁44aに対して押圧される(
図6参照)。
【0046】
ユーザーは、第2の操作部材38が第2のレール24に対して長手方向に変位されるように、第2の操作部材38(又はより具体的にはその第2の操作部66)に第1の力F1を加え得る(
図7参照)。第2の駆動部64及び第2の作動部70が協働することで、第2のコンポーネント32が駆動(例えば枢動)されて、(
図6に示す)第1の状態S1から(
図7に示す)第2の状態S2になる。第2のコンポーネント32が第2の状態S2にある場合、第2のコンポーネント32はもはや第2のレール24の第1の壁44aに対して押圧されておらず、第2の弾性部54は弾性力蓄積状態にある。ユーザーが第1の力F1を加えるのを止めると、第2のコンポーネント32は、蓄積された弾性力を第2の弾性部54が放つことに対応して第2の状態S2から第1の状態S1に戻る。
【0047】
図8及び
図9を参照して、ユーザーは、第1の操作部材36が第2のレール24に対して長手方向に変位されるように、第1の操作部材36(又はより具体的にはその第1の操作部58)に第2の力F2を加え得る(
図9参照)。第1の駆動部56及び第1の作動部62が協働することで、第1のコンポーネント28が駆動(例えば枢動)されて、(
図8に示す)第1の状態S1から(
図9に示す)第2の状態S2になる。第1のコンポーネント28が第2の状態S2にある場合、第1のコンポーネント28はもはや第2のレール24の第1の壁44aに対して押圧されておらず、第1の弾性部52は弾性力蓄積状態にある。ユーザーが第2の力F2を加えるのを止めると、第1のコンポーネント28は、蓄積された弾性力を第1の弾性部52が放つことに対応して第2の状態S2から第1の状態S1に戻る。
【0048】
なお、本明細書では第1の操作部材36及び第2の操作部材38が第1のコンポーネント28及び第2のコンポーネント32をそれぞれ駆動して第1の状態S1から第2の状態S2にするように構成されていると説明しているが、代替的な実施形態では操作部材が1つだけ設けられ、該操作部材は第1のコンポーネント28及び第2のコンポーネント32をそれぞれ駆動して第1の状態S1から第2の状態S2にするための2つの駆動部を有する。実際には、操作部材の数は限定されない。
【0049】
図10~
図14を参照して、ブロック部材26は第1のブロック部80を有し、好ましくは第2のブロック部82も有する。第1のブロック部80及び第2のブロック部82は、ブロック部材26の2つの端部(例えば、両端)にそれぞれ位置する。ここでは、一例として、第1のブロック部80及び第2のブロック部82はブロック部材26の後端及び前端にそれぞれ位置する。
【0050】
第2のレール24が第1のレール22に対して所定の位置P(例えば、限定されないが伸長位置)にある場合、ブロック部材26の第1のブロック部80と第1のコンポーネント28の第1の所定部72とは、第2のレール24が第1のレール22に対して所定の位置Pから第1の方向D1に変位するのを防止するために互いをブロックする。ブロック部材26の第2のブロック部82及び第2のコンポーネント32の第2の所定部74も、第2のレール24が第1のレール22に対して所定の位置Pから第1の方向D1の反対方向である第2の方向D2に変位するのを防止するために互いをブロックすることが好ましい。例えば、第1の方向D1は限定されないが開方向であり、第2の方向D2は限定されないが引っ込め方向であり得る。
【0051】
第2のレール24が第1のレール22に対して所定の位置Pにある場合、第1のコンポーネント28及び第2のコンポーネント32の双方が第1の状態S1にあり、第1のコンポーネント28の第1の所定部72及び第2のコンポーネント32の第2の所定部74がブロック部材26の第1のブロック部80及び第2のブロック部82によりそれぞれブロックされて、第2のレール24が第1のレール22に対して所定の位置Pから第2の方向D2に加えて第1の方向D1にも変位されるのが防止されることが好ましい。
【0052】
より具体的には、ブロック部材26はY軸方向(すなわち、スライドレールの横方向)に低位区画84及び高位区画86を有する。高位区画86は第1の長手方向長さM1を有し、第1の長手方向長さM1は、第1の係合空間85が形成され、ブロック部材26の第1のブロック部80がY軸方向(すなわち、スライドレールの横方向)に第1の非垂直構造を形成するように低位区画84の第2の長手方向長さM2よりも実質的に大きい(
図12及び
図13参照)。第2のレール24が第1のレール22に対して所定の位置Pに到達すると、第1のコンポーネント28の第1の所定部72が第1の係合空間85に入る。その結果、ブロック部材26の第1のブロック部80と第1のコンポーネント28の第1の所定部72はY軸方向(すなわち、スライドレールの横方向)において互いをブロックし合う。これは、第2のレール24が第1のレール22に対して所定の位置Pから第1の方向D1に容易に離れることができなくするのを確かなものにするか又はブロック部材26の第1のブロック部80と第1のコンポーネント28の第1の所定部72との相互ブロックの信頼性を高めるのに役立つ。
【0053】
ブロック部材26の第1のブロック部80は低位区画84と高位区画86との間に位置し、高位区画86及び低位区画84は第1のブロック部80が第1の傾斜角K1(
図12及び
図13参照)を有することにより第1の非垂直構造を形成するように配置されている。
【0054】
同様に、ブロック部材26は第2の係合空間87を有し、第2のブロック部82は第2の非垂直構造を形成する。第2のレール24が第1のレール22に対して所定の位置Pに到達すると、第2のコンポーネント32の第2の所定部74が第2の係合空間87に入る。その結果、ブロック部材26の第2のブロック部82と第2のコンポーネント32の第2の所定部74とはY軸方向(すなわち、スライドレールの横方向)において互いをブロックし合う。これは、第2のレール24が第1のレール22に対して所定の位置Pから第2の方向D2に離れることができなくするのを確かなものにするか又はブロック部材26の第2のブロック部82と第2のコンポーネント32の第2の所定部74との相互ブロックの信頼性を高めるのに役立つ。すなわち、この状態にある第2のレール24は、所定の位置Pから引っ込め位置Rへと第2の方向D2に戻ることができない。
【0055】
第2のブロック部82は低位区画84と高位区画86との間に位置し、高位区画86及び低位区画84は、第2のブロック部82が第2の傾斜角K2(
図12及び
図13参照)を有することにより第2の非垂直構造を形成するように配置されていることが好ましい。
【0056】
第2の傾斜角K2は第1の傾斜角K1と実質的に同じであることが好ましい(
図12及び
図13参照)。
【0057】
ブロック部材26の高位区画86が低位区画84に対して横方向高さTを有するように、ブロック部材26は第1のレール22の長手壁42に対して実質的にY軸方向(すなわち、横方向)に突出することが好ましい(
図12参照)。
【0058】
第1のコンポーネント28の第1の段状構造76の第2の段76bは低位部88及び高位部90を有し、第1の所定部72は低位部88と高位部90との間に位置し、高位部90及び低位部88は、第1の所定部72が第3の傾斜角K3を有することにより、別の第1の非垂直構造を形成するように配置されることが好ましい。第1の方向D1に作用する外力(例えば、衝撃力)が所定の位置Pにある第2のレール24に加えられた場合、
図14を参照して、第1のコンポーネント28の第1の所定部72は、第1のコンポーネント28が横方向t(すなわち、Y軸方向)にわずかに動くか又は曲がるようにブロック部材26の第1のブロック部80と衝突し得る。この望ましくない動き又は曲がることを防止するために、本実施形態では、ブロック部材26の少なくとも第1のブロック部80が第1の非垂直構造を形成するか又は第1のコンポーネント28の第1の所定部72に加えてブロック部材26の第1のブロック部80が第1の非垂直構造を形成する。例えば、ブロック部材26の第1のブロック部80は、ブロック部材26の第1のブロック部80の高位区画86が低位区画84に対して第1の肩部96を有し、第1の肩部96が、第1の所定部72及び第1のブロック部80が横方向において互いに分離しないように第1のコンポーネント28が横方向tに移動するのを防止又はブロックすることができるように第1の非垂直構造を形成する。ブロック部材26の第1のブロック部80が第1のコンポーネント28の第1の所定部72をブロックし且つブロックされると、第1の肩部96は、第2のレール24が第1のレール22に対して所定の位置Pから第1の方向D1に容易に離れることができないようにするのを確かなものにするか又はブロック部材26の第1のブロック部80と第1のコンポーネント28の第1の所定部72との間の相互ブロックの信頼性を高めるのを助ける。同様に、第2の方向D2に作用する外力(例えば、衝撃力)が所定の位置Pにある第2のレール24に加えられた場合、第2のコンポーネント32の第2の所定部74は、第2のコンポーネント32が横方向tにわずかに動くか又は曲がるようにブロック部材26の第2のブロック部82と衝突し得る。この望ましくない動き又は曲がることを防止するために、ブロック部材26の第2のブロック部82が第2の非垂直構造を形成するか又は第2のコンポーネント32の第2の所定部74に加えてブロック部材26の第2のブロック部82が第2の非垂直構造を形成する。例えば、ブロック部材26の第2のブロック部82の高位区画86は低位区画84に対して第2の肩部98を有し、第2の肩部98が、第2の所定部74及び第2のブロック部82が横方向tにおいて互いに分離しないように第2のコンポーネント32が横方向tに移動するのを防止又はブロックすることができる。ブロック部材26の第2のブロック部82が第2のコンポーネント32の第2の所定部74をブロックし且つブロックされると、第2の肩部98は、第2のレール24が第1のレール22に対して所定の位置Pから第1の方向D2に容易に離れることができないようにするのを確かなものにするか又はブロック部材26の第2のブロック部82と第2のコンポーネント32の第2の所定部74との間の相互ブロックの信頼性を高めるのを助ける。簡潔性のために、この点に関するさらなる説明は省略する。
【0059】
第2の段76bの低位部88及び高位部90はそれらの間に横方向厚さを定義し、横方向厚さは横方向高さTよりも小さいことが好ましい(
図12参照)。この構成は、ブロック部材26の第1のブロック部80と第1のコンポーネント28の第1の所定部72との間の相互ブロックの信頼性を高めるために、第2の段76b(すなわち、第1のコンポーネント28の第1の所定部72)がブロック部材26の横方向高さTの範囲内にあるようにして、第2のレール24が第1のレール22に対して所定の位置Pである場合に第1の方向D1に変位できなくするのを確かなものにする。
【0060】
同様に、第2のコンポーネント32の第2の段状構造78の第2の段78bは低位部92及び高位部94を有する。第2の所定部74は低位部92と高位部94との間に位置し、高位部94及び低位部92は、第2の所定部74が第4の傾斜角K4を有することにより別の第2の非垂直構造を形成するように配置されている。第2の段78bの低位部92及び高位部94もそれらの間に横方向厚さを定義し、この横方向厚さも横方向高さT(
図12参照)より小さい。この構成は、ブロック部材26の第2のブロック部82と第2のコンポーネント32の第2の所定部74との間の相互ブロックの信頼性を高めるために、第2の段78b(すなわち、第2のコンポーネント32の第2の所定部74)がブロック部材26の横方向高さTの範囲内にあるようにして、第2のレール24が第1のレール22に対して所定の位置Pである場合に第2の方向D2に変位できなくするのを確かなものにする。
【0061】
なお、第1のコンポーネント28が操作されて、
図9に示すように第2の状態S2にされると、第1のコンポーネント28の第1の所定部72は、ブロック部材26の第1のブロック部80によりもはやブロックされていないため、第2のレール24を第1のレール22に対して所定の位置Pから第1の方向D1に変位させて第1のレール22の通路から取り外すか又は分離することができる。あるいは、第2のコンポーネント32が操作されて
図7に示すように第2の状態S2にされると、第2のコンポーネント32の第2の所定部74は、ブロック部材26の第2のブロック部82によりもはやブロックされていないため、第2のレール24を第1のレール22に対して所定の位置Pから引っ込め位置Rに(
図1参照)第2の方向D2に変位させることができる。なお、傾斜した構成を有する代わりに、第1のブロック部80の第1の非垂直構造又は第2のブロック部82の第2の非垂直構造は、例えば、ブロック部材26の高位区画86に隣接する突出ブロック部又は他の類似の構造を有してもよい。この代替的な構成は、第2のレール24が第1のレール22に対して所定の位置Pにある場合に、Y軸方向(すなわち、スライドレールの横方向)におけるブロック部材26の第2のブロック部82と第2のコンポーネント32の第2の所定部74との間の相互ブロックを同様にもたらすことができる。
【0062】
以上から、上記の実施形態に係るスライドレールアセンブリ20は以下の特徴を有することが好ましいことが分かる。
【0063】
1)ブロック部材26のブロック部(例えば、第1のブロック部80又は第2のブロック部82)は非垂直構造を形成し、対応するコンポーネント(例えば、第1のコンポーネント28又は第2のコンポーネント32)の所定部(例えば、第1の所定部72又は第2の所定部74)も非垂直構造を形成する(例えば、ブロック部材26のブロック部は傾斜角を有し、対応するコンポーネントの所定部も傾斜角を有する)。非垂直構造は、ブロック部材26のブロック部が第1の状態S1にある対応するコンポーネントの所定部をブロックし且つブロックされている場合に、第2のレール24が第1のレール22に対して所定の位置Pから所定の方向に(例えば、第1の方向D1又は第2の方向D2)に離れることができないことを確かなものにする。そのため、スライドレールアセンブリ20の使用の信頼性又は安全性が高められる。
【0064】
2)第2のレール24が第1のレール22に対して所定の位置Pにある場合、ブロック部材26のブロック部(例えば、第1のブロック部80又は第2のブロック部82)は対応するコンポーネント(例えば、第1のコンポーネント28又は第2のコンポーネント32)の所定部をブロックし且つブロックされることにより、第2のレール24が第1のレール22に対して所定の位置Pから所定の方向に変位するのを防止する。ブロック部材26の高位区画86が低位区画84に対して横方向高さTを有するように、ブロック部材26は第1のレール22の長手壁42に対して実質的に横方向に突出する。対応するコンポーネントの第1の側L1と第2の側L2との間に段状構造が設けられ、段状構造は第1の段と、第1の段に接続された第2の段とを有する。対応するコンポーネントの所定部(例えば、第1の所定部72又は第2の所定部74)は第2の段に位置し、第2の段の低位部88及び高位部90は、それらの間に横方向高さTよりも小さい横方向厚さを定義する。
【0065】
上述の好ましい実施形態を通して本発明を開示してきたが、本実施形態は本発明の範囲を限定することを意図したものではない。出願人が求める特許保護の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。