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  • 特開-複数の感度を持つ水準器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039934
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】複数の感度を持つ水準器
(51)【国際特許分類】
   G01C 9/34 20060101AFI20220303BHJP
【FI】
G01C9/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021069494
(22)【出願日】2021-04-16
(31)【優先権主張番号】17/005,836
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519412811
【氏名又は名称】タフビルト インダストリーズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイケル パノジアン
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア キーラー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数の感度を持つ水準器
【解決手段】水準器は、キャリア軸を規定する長手形状のキャリアを含む。第1の液体充填気泡管は、キャリア上に取り付けられ、第1の管の軸と、所定の曲率を有する曲線によって形成された第1の管の軸を中心として回転する概ね樽状の内部の面とを規定し、第1の感度を示す。第2の液体充填気泡管は、第2の管の軸を規定し、第2の管の軸を中心として回転する概ね樽状の面を有し、第1の管の所定の曲率よりも小さい曲率を有する曲線によって形成されて、第1の感度よりも大きい第2の感度を示すようになっており、第1および第2の管の軸は、概ね互いに平行である。2つの管が湾曲している場合、それらは同様の向きで、異なる感度を示すために異なる曲率を有している。マルチ管水準器の使用方法について説明する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア軸を規定する概ね長手形状のキャリアと、
前記キャリアに取り付けられ、第1の管の軸を規定し、所定の曲率を有する曲線によって形成された前記第1の管の軸を中心として回転する概ね樽状の内部の面を有する第1の液体充填気泡管と、
第2の管の軸を規定し、前記第2の管の軸を中心として回転する概ね樽状の内部の面を有し、前記所定の曲率よりも小さい曲率を有する曲線によって形成された第2の液体充填気泡管とを備え、
前記第1および第2の管の軸は概ね互いに平行であることを特徴とする、水準器。
【請求項2】
前記第1および第2の管の軸は、前記キャリア軸に概ね平行であることを特徴とする請求項1に記載の水準器。
【請求項3】
前記第1および第2の管の軸は、概ね整列しているか、または共に並んでいることを特徴とする、請求項2に記載の水準器。
【請求項4】
前記第1および第2の管の軸は、前記キャリア軸に垂直な方向に沿って互いにオフセットされていることを特徴とする、請求項2に記載の水準器。
【請求項5】
前記第1および第2の管の軸は、前記キャリア軸に対して概ね垂直であることを特徴とする、請求項1に記載の水準器。
【請求項6】
前記所定の曲率は、半径R1を有する円弧によって形成され、前記第2の管の前記回転面は、半径R2を有する円弧によって形成され、R1<R2であることを特徴とする、請求項1に記載の水準器。
【請求項7】
R2/R1>2であることを特徴とする、請求項6に記載の水準器。
【請求項8】
R2/R1>5であることを特徴とする、請求項7に記載の水準器。
【請求項9】
前記第1および第2の管が、前記キャリアの1つの軸の端部の領域の前記長手形状のキャリア上に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の水準器。
【請求項10】
前記キャリアは、前記キャリア軸に概ね平行な第1および第2の液体充填気泡管を有する第1および第2の管の軸と、第1および第2の管の軸が前記キャリア軸に概ね垂直または直角な別のセットの第1および第2の管とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の水準器。
【請求項11】
前記曲率が非円形であることを特徴とする、請求項1に記載の水準器。
【請求項12】
前記管の少なくとも1つにマーキングが施されていることを特徴とする、請求項1に記載の水準器。
【請求項13】
前記第1の管には、前記第1の管の充填液体中の気泡とが前記第1の管の軸に沿って実質的に中心に位置することを示すマーキングが設けられ、前記第2の管には、前記第2の管の充填液体中の気泡が前記第2の管の軸に沿って実質的に中心に位置していることを示すマーキングが設けられていることを特徴とする、請求項11に記載の水準器。
【請求項14】
前記第1および第2の液体充填気泡管が、前記長手形状のキャリアに取り付けられた別々のブロックまたは部材に組み込まれていることを特徴とする、請求項1に記載の水準器。
【請求項15】
キャリア軸を規定する概ね長手形状のキャリアと、第1の管の軸と第1の管感度を規定する第1の液体充填気泡管と、第2の管の軸と第2の管感度を規定する第2の液体充填気泡管とを備え、前記第1および第2の管の軸は互いに概ね平行であることを特徴とする、水準器。
【請求項16】
前記第2の管の感度は、前記第1の管の感度よりも大きいことを特徴とする、請求項14に記載の水準器。
【請求項17】
水準器を用いて測定を行う方法であって、
測定対象の面上にキャリア軸を規定する長手形状のキャリアを配置するステップと、
第1および第2の管の軸をそれぞれ規定する前記キャリア上に、第1および第2の液体充填気泡管を設けるステップであって、前記第1および第2の管の軸は互いに平行であり、前記第1の管は所定の感度を有する一方、前記第2の管は前記所定の感度よりも大きい感度を有する、ステップと、
前記液体充填気泡および前記第1の管が前記第1の管の軸に沿って実質的に中心になるまで、前記液体充填気泡および前記第1の管を移動させながら、前記面を観察するステップと、
前記液体充填気泡および前記第1の管が実質的に中心にあるときに、前記第2液体充填気泡管内の気泡を観察し、前記第2液体充填気泡管内の気泡が実質的に中心になるまで面を移動させ、それによって、前記第1液体充填気泡管が粗い測定値を提供し、前記第2液体充填気泡管がより細かい測定値を提供するととにより、測定の精度を向上させるステップと、
を含むを特徴とする、方法。
【請求項18】
前記第1および第2の管の軸は、前記キャリア軸に概ね平行であることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1および第2の管の軸は、前記キャリア軸に対して概ね垂直であることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記長手形状のキャリア上に管の少なくとも2つのセットまたはペアを提供するステップをさらに含み、第1および第2の液体充填気泡管の少なくとも1つのセットは、前記キャリア軸に概ね平行な軸に配置され、第1および第2の液体充填気泡管の少なくとも1つのセットは、前記キャリア軸に概ね垂直な軸に配置されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には測定器に関するものであり、より具体的には、複数の感度を持つ水準器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水準器とは、ある面が水平か垂直かを示すための道具で、水平器、気泡器などがある。このような水準器には、各点で一定の内径を持つ湾曲したガラス管や、中央部の直径がわずかに大きい樽状の空洞に液体が不完全に充填され、管内に気泡が残っているものがある。チューブや管が移動すると、気泡は移動し、内部の空洞内で最も高い位置まで上昇しようとする。
【0003】
水準器の精度はその感度に依存するため、感度はにとって重要な仕様である。感度の仕様は、使用する管の感度によって決まる。感度は、気泡が移動する管の曲率半径または内側の樽型キャビティによって決まる。感度は、気泡を「X」(1つの目盛)の距離移動させるのに必要な傾斜角度(度、分、秒)として規定される。水準器業界では、「X」は通常、1目盛につき0.1インチまたは2mmの距離として示される。ただし、0.05インチ、0.06インチ、3mmなど、他の距離を示すこともできる。感度は、管の曲率半径に直接関係する。半径が長いほど、また大きいほど、感度は高くなる。半径が短いほど、または小さいほど、管は粗くなる。水準器のユーザーは通常、特定のプロジェクトに必要な水準感度を決定する。特定の用途に最適な感度を決定するためには、まず、測定面がどの程度の水準である必要があるかを決定する必要がある。精度がそれほど重要でない場合は、低い感度の水準器を使用することができる。しかし、より高い精度が求められる場合には、より高い感度の管を使用する必要がある。感度の高い管は角変位に対する応答性が高いため、感度の高い管だけを使用すると、わずかな角変位でも気泡が管の一方の端から他方の端へと急速に移動してしまうため、ユーザーは不満を感じることがある。
【0004】
従来から、水準器は通常2つの管を含み、1つはその軸が水準器本体またはキャリアの長手方向または軸に概ね平行であり、1つはその軸が水準器の長手方向または軸に概ね垂直である。一方は水平方向の測定に、他方は垂直方向の測定に使用される。しかし、両方の管は類似しており、実質的に同じ感度または気泡が移動するのに沿った同じ円弧状の曲率を有している。例えば、米国特許第7、340、841号、米国特許第6、748、665号を参照されたい。異なる感度を必要とするプロジェクトでは、作業者は異なる感度を持つ2つ以上の水準器を使用する必要があるかもしれない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7、340、841号
【特許文献2】米国特許第6、748、665号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、既存のほとんどの水準器に内在する欠点を克服した水準器を提供することである。
【0007】
本発明のもう一つの目的は、使いやすく便利な水準器を提供することである。
【0008】
本発明のもう一つの目的は、ユーザーが最初に、粗い調整のために低い感度の気泡管を使用し、正確な調整のために高い感度の気泡管を使用することを可能にする水準器を提供することである。
【0009】
複数の感度で水平方向や垂直方向を測定できる水準器を提供することである。
【0010】
本発明のさらなる目的は、構造が単純で、製造が経済的である、上述の目的のような水準器を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる目的は、測定を容易にし、特により正確な測定または精密な測定を行う際の不満を軽減することを検討した型の水準器を提供することである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、低感度、中感度、高感度の範囲で、直線、曲線、またはその他の管を利用できることを検討した型の水準器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的および以下で明らかになる他の目的を達成するために、本発明に係る水準器は、キャリア軸を規定する概ね長手形状のキャリアを備える。第1の液体充填気泡管は、キャリア上に取り付けられると共に、第1の管の軸と、所定の曲率を有する曲線によって形成された第1の管の軸を中心として回転する概ね樽状の内部の面とを規定する。第2の液体充填気泡管は、第2の管の軸を規定すると共に、第2の管の軸を中心として回転する概ね樽状の面を有し、上記所定の曲率よりも小さい曲率を有する曲線によって形成されている。第1の管の軸および第2の管の軸は、概ね互いに平行である。
【0014】
本発明に係る水準器を用いた測定方法は、測定すべき面上にキャリア軸を規定する長手形状のキャリアを配置するステップを含む。キャリア上には、第1および第2の液体を充填した気泡管が設けられ、それぞれ第1および第2の気泡管の軸を規定している。第1および第2の管の軸は互いに平行であり、第1の管は所定の感度を有する一方、第2の管は上記所定の感度よりも大きい感度を有する。第1の管内の気泡が前記第1の管の軸に沿って実質的に中心になるまで水平となる対象面を移動させながら第1の管内の気泡を観察する。第1の管内の気泡が実質的に中央に位置するとき、次に、第2液体充填気泡管内の気泡を観察し、第2液体充填気泡管内の気泡が実質的に中央に位置するまで水平にする面を移動させる。第1の液体充填気泡管は粗い測定値を提供し、第2の液体充填気泡管はより細かいまたは正確な測定値を提供して、測定の精度を向上させる。
【0015】
本発明の上記およびその他の側面、特徴、および利点は、添付の図面と併せて参照することにより、以下の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明に係る水準器の上面の機略図である。
図2図2は、図1に示した2つの異なる感度の管の2-2線に沿った拡大断面図である。
図3図3は、図1において、「図3」と称した領域の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図を参照して説明する。図中、同一または類似の部品には同じ参照番号で示されている。図1を参照すると、水準器10が図示されており、キャリア軸Aを規定する長手形状のキャリア10’と、水平方向または垂直方向となる面に突き合わされる2つの平行なエッジまたは面E1およびE2とを含む。
【0018】
本発明では、測定感度の異なる2セット以上の連携する気泡管を使用する。好ましい一実施形態では、連携する管の各セットは、2つの管を含むが、後に明らかになるように、2つ以上の連携する歪曲を使用することができる。図1に示す実施形態では、第1の液体充填気泡管12が、キャリア10’に取り付けられていると共に、第1の管の軸A1と、第1の管感度を提供するために所定の曲率を有する曲線によって形成された前記第1の管の軸A1を中心とする回転12aの概ね樽状の内部の面とを有する。第2の液体充填気泡管は、第2の管の軸A2を規定すると共に、前述の所定の曲率よりも小さい曲率を有する曲線によって形成された第2の管の軸A2を中心とする回転14aの概ね樽状の面を有する。第1および第2の管12、14は、当技術分野で周知のように、水準測定中に湾曲面に沿って最高点を求める気泡12b、14をそれぞれもたらす流体または液体で部分的に充填される。
【0019】
図1では、連携する管12、14の1セットS1は、第1および第2の管の軸A1、A2が概ね整列または同軸上に並び、これらの軸が概ねキャリア軸Aに平行になるように配置されている。また、図1から見て左側に示されているように、2つの追加のセットの管S2、S3が示されている。セットS1と同様に、所定のセット内のすべての管は、それらの軸が互いに平行になるように配置される。
【0020】
セットS2を形成する複数の管も、それらの軸はキャリア軸Aに概ね平行であるが、第1および第2の管の軸はキャリア軸Aに垂直な方向に沿って互いにオフセットされている。セットS3は、これらの管の軸がキャリア軸Aに直角または垂直になるように角度が90°ずれていることを除いて、セットS2と同様である。
【0021】
通常、セットS1またはS2のいずれか一方は、面E1またはE2のエッジの一方を水平にする面に当てて、面を水平にするために使用することができる。セットS3は、面E1またはE2の端部を概ね垂直面に当てて、垂直面を垂直方向にする場合に使用される。
【0022】
本発明の重要な特徴は、少なくとも2つの連携する気泡管の少なくとも1つのセットを使用することに加えて、任意のセット内の管のそれぞれが異なる感度を有し、それらは一般的に互いに平行または同様の向きに配置されていることである。管の感度とは、管のそれぞれに異なる水平または角度の曲率を使用することを意味する。図2を参照すると、例えば、管12は、半径R1を有する円弧によって形成された所定の曲率半径を有する回転面12aを有する一方、第2の管14の回転面14aは、半径R2を有する円弧によって形成されており、R1はR2よりも小さくなっている。R2に対するR1の比は、2つの管の感度の範囲を決定し、したがって、測定の精度の範囲を決定する。この比率は2以上であることが考えられるが、5から10の間の比率であれば満足のいく結果が得られる。
【0023】
キャリア10’上の管S1~S3の各セットの特定の位置は重要ではなく、これらまたは他の管の各セットは、キャリア10’の長手方向の両端、中央、またはキャリアに沿った他のどこかに配置することができる。図1および3を参照すると、管12’および14’は、管12、14と同様に水平方向を測定するために使用される一方、管12”および14”は、垂直方向を測定するために使用される。
【0024】
湾曲した面12a、14aは、キャリア10’の本体内に形成されているように示されているが、これは単純化または例示の目的のためだけである。これらの面は、典型的には、キャリア10’上に取り付けられた管モジュール内に形成された単独の管または複数の管内に提供される。
【0025】
市販されている湾曲管や管モジュールの多くは、円弧による回転面として形成された樽型の曲率を持っているが、本発明は、回転面を形成する曲線の特定の曲率や構成に限定されるものではないことを理解されたい。双曲線や放物線など、感度の異なる管を作成するために使用できる曲率であればよい。
【0026】
図3を参照すると、管の少なくとも1つにはマーキング12c、14cが設けられている。このようなマーキングは従来のものであり、マーキングまたはマーカー12cは、実質的な水準器の向きを示すために気泡を概ね中央に向けて配置するために使用することができる。これはいくつかの用途では十分に正確であるが、図に示すように、より敏感に管の気泡を中心に持ってくるために、水平にする面をより慎重に向きを合わせて配置をすることによって、より正確な水準器の測定値を得ることができる。
【0027】
したがって、本発明は、第1の管の軸と第1の管感度を規定する第1の液体充填気泡管と、第2の管の軸と第2の管感度を規定する第2の液体充填気泡管とを備え、前記第1および第2の管の軸が互いに概ね平行である水準器に関するものである。異なる感度を持つ湾曲した管の場合、異なる感度で同じ測定を行うためには、一般的にこれらを同様の向きに配置させる必要がある。
【0028】
本発明による水準器を用いた測定方法は、キャリア軸を規定する長手形状のキャリアを測定対象の面に配置する。キャリア上の第1および第2の液体充填気泡管は、それぞれ第1および第2の管の軸または配置の向きを規定する。第1および第2の管の軸は互いに平行であるか、または湾曲した管は互いに相対的に同様の向きに配置しており、一方の管は第2の管よりも大きな感度を有している。水準器を使用する際には、第1の管内の気泡が実質的に判別できるようになるまで、水準器を設置する面を移動させながら、感度の低い管を観察する。第1の管内の液体が充填された気泡が実質的に中心にあるとき、第2の液体充填気泡の管内の気泡も実質的に判別できるまで、面を動かしながら観察する。ここでは、第1の液体充填気泡管が粗い測定を行い、第2の液体充填気泡管が細かい測定を行うことで、測定の精度を向上させている。
【0029】
本発明は、管の各セットに感度の異なる2つの管を用いて説明してきたが、本発明は、各セットに2つ以上の管を有する管のセットも企図していることが理解されるであろう。したがって、例えば、管のセットは、それぞれが異なる感度を有する3つの管を含むことができ、3つの管のすべての軸が、互いに平行であるか、キャリアの軸に対して平行または垂直であるように配置される。
【0030】
上述のように、各セットの管に2つの管を使用することで、より迅速な精密測定を行うことができ、また、先行技術のような1つの管を利用して2つ以上の水準器に相当するものを提供することができ、複数の水準器を購入し、潜在的に輸送・保管する必要性がなくなり、結果的に利便性とコストの削減につながる。
【0031】
上述の内容は、本発明の原理を説明するためのものと考えられる。さらに、多くの修正および変更が当業者には容易に生じるので、本発明を図示および説明された正確な構造および動作に限定することは望まれず、したがって、本発明の範囲内に入るような、すべての適切な修正および同等物に頼ることができる。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2021-06-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア軸を規定する概ね長手形状のキャリアと、
前記キャリアに取り付けられ、第1の管の軸を規定し、所定の曲率を有する曲線によって形成された前記第1の管の軸を中心として回転する概ね樽状の内部の面を有する第1の液体充填気泡管と、
第2の管の軸を規定し、前記第2の管の軸を中心として回転する概ね樽状の内部の面を有し、前記所定の曲率よりも小さい曲率を有する曲線によって形成された第2の液体充填気泡管とを備え、
前記第1および第2の管の軸は概ね互いに平行であることを特徴とする、水準器。
【請求項2】
前記第1および第2の管の軸は、前記キャリア軸に概ね平行であることを特徴とする請求項1に記載の水準器。
【請求項3】
前記第1および第2の管の軸は、前記キャリア軸に垂直な方向に沿って互いにオフセットされていることを特徴とする、請求項2に記載の水準器。
【請求項4】
前記第1および第2の管の軸は、前記キャリア軸に対して概ね垂直であることを特徴とする、請求項1に記載の水準器。
【請求項5】
前記所定の曲率は、半径R1を有する円弧によって形成され、前記第2の管の前記回転面は、半径R2を有する円弧によって形成され、R1<R2であることを特徴とする、請求項1に記載の水準器。
【請求項6】
R2/R1>2であることを特徴とする、請求項に記載の水準器。
【請求項7】
R2/R1>5であることを特徴とする、請求項に記載の水準器。
【請求項8】
前記第1および第2の管が、前記キャリアの1つの軸の端部の領域の前記長手形状のキャリア上に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の水準器。
【請求項9】
前記キャリアは、前記キャリア軸に概ね平行な第1および第2の液体充填気泡管を有する第1および第2の管の軸と、第1および第2の管の軸が前記キャリア軸に概ね垂直または直角な別のセットの第1および第2の管とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の水準器。
【請求項10】
前記曲率が非円形であることを特徴とする、請求項1に記載の水準器。
【請求項11】
前記管の少なくとも1つにマーキングが施されていることを特徴とする、請求項1に記載の水準器。
【請求項12】
前記第1の管には、前記第1の管の充填液体中の気泡とが前記第1の管の軸に沿って実質的に中心に位置することを示すマーキングが設けられ、前記第2の管には、前記第2の管の充填液体中の気泡が前記第2の管の軸に沿って実質的に中心に位置していることを示すマーキングが設けられていることを特徴とする、請求項10に記載の水準器。
【請求項13】
前記第1および第2の液体充填気泡管が、前記長手形状のキャリアに取り付けられた別々のブロックまたは部材に組み込まれていることを特徴とする、請求項1に記載の水準器。
【請求項14】
キャリア軸を規定する概ね長手形状のキャリアと、第1の管の軸と第1の管感度を規定する第1の液体充填気泡管と、第2の管の軸と第2の管感度を規定する第2の液体充填気泡管とを備え、前記第1および第2の管の軸は互いに概ね平行であることを特徴とする、水準器。
【請求項15】
前記第2の管の感度は、前記第1の管の感度よりも大きいことを特徴とする、請求項14に記載の水準器。
【請求項16】
水準器を用いて測定を行う方法であって、
測定対象の面上にキャリア軸を規定する長手形状のキャリアを配置するステップと、
第1および第2の管の軸をそれぞれ規定する前記キャリア上に、第1および第2の液体充填気泡管を設けるステップであって、前記第1および第2の管の軸は互いに平行であり、前記第1の管は所定の感度を有する一方、前記第2の管は前記所定の感度よりも大きい感度を有する、ステップと、
前記液体充填気泡および前記第1の管が前記第1の管の軸に沿って実質的に中心になるまで、前記液体充填気泡および前記第1の管を移動させながら、前記面を観察するステップと、
前記液体充填気泡および前記第1の管が実質的に中心にあるときに、前記第2液体充填気泡管内の気泡を観察し、前記第2液体充填気泡管内の気泡が実質的に中心になるまで面を移動させ、それによって、前記第1液体充填気泡管が粗い測定値を提供し、前記第2液体充填気泡管がより細かい測定値を提供するととにより、測定の精度を向上させるステップと、
を含むを特徴とする、方法。
【請求項17】
前記第1および第2の管の軸は、前記キャリア軸に概ね平行であることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1および第2の管の軸は、前記キャリア軸に対して概ね垂直であることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記長手形状のキャリア上に管の少なくとも2つのセットまたはペアを提供するステップをさらに含み、第1および第2の液体充填気泡管の少なくとも1つのセットは、前記キャリア軸に概ね平行な軸に配置され、第1および第2の液体充填気泡管の少なくとも1つのセットは、前記キャリア軸に概ね垂直な軸に配置されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【外国語明細書】