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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022040039
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】燃料ノズル先端部を整備する方法
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/00 20060101AFI20220303BHJP
   F02C 7/232 20060101ALI20220303BHJP
   F23R 3/28 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
F02C7/00 D
F02C7/232 B
F23R3/28 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021135281
(22)【出願日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】17/006,045
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ・クリストファー・モナハン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ・ウェイド・ワード
(72)【発明者】
【氏名】ポーラ・マリー・ワード
(57)【要約】      (修正有)
【課題】燃料ノズルを整備する方法を提供する。
【解決手段】燃料ノズル(100)を整備する方法を提供する。燃料ノズル(100)を整備する方法は、前記燃料ノズル(100)のノズル先端部(115)から材料を機械加工して、前記ノズル先端部(115)内に環状溝(208)を形成するステップを含む。方法は、交換クーポン(214)を環状溝(208)に挿入するステップをさらに含む。交換クーポン(214)は、環状溝(208)に対応する半径方向最外側及び取り外し後接触面(216)を有する。本方法は、交換クーポン(214)の半径方向最外側を環状溝(208)に固定的に結合するステップをさらに含む。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ノズル(100)を整備する方法(1200、1300)であって、
前記燃料ノズル(100)のノズル先端部(115)から材料(201)を取り外して、前記ノズル先端部(115)内に環状溝(208)を形成する、取り外すステップと、
交換クーポン(214)を前記環状溝(208)に挿入するステップであって、前記交換クーポン(214)は、前記環状溝(208)に対応する半径方向最外面(218)及び取り外し後接触面(216)を有する、挿入するステップと、
前記交換クーポン(214)の前記半径方向最外面(218)を前記環状溝(208)に固定的に結合するステップと
を含む方法(1200、1300)。
【請求項2】
前記燃料ノズル(100)は、前記燃料ノズル(100)の前端部(102)に配置されたフランジ(110)と、前記燃料ノズル(100)の後端部(104)に配置され、後面(116)を画定するノズル先端部(115)と、前記フランジ(110)と前記ノズル先端部(115)との間に軸方向に延在するノズル本体(105)と、前記ノズル本体(105)から半径方向外向きに延在し、前記燃料ノズル(100)の前記前端部(102)と前記後端部(104)との間に配置されたスワーラ(122)と、前記ノズル本体(105)内に配置され、前記フランジ(110)から前記後面(116)まで延在する内側チューブ(150)とを備える、請求項1に記載の方法(1200、1300)。
【請求項3】
前記ノズル先端部(115)は、内側チューブ(150)と摩耗した締まり嵌めを形成する取り外し前接触面(204)を含む、請求項1に記載の方法(1200、1300)。
【請求項4】
前記取り外すステップの前に前記内側チューブ(150)を取り外すステップをさらに含む、請求項3に記載の方法(1200、1300)。
【請求項5】
前記取り外し前接触面(204)は、前記環状溝(208)を形成するために前記取り外すステップ中に取り外される、請求項4に記載の方法(1200、1300)。
【請求項6】
前記固定的に結合するステップの後に前記内側チューブ(150)を再挿入するステップをさらに含み、前記取り外し後接触面(216)は前記内側チューブ(150)と修復した締まり嵌めを形成する、請求項4に記載の方法(1200、1300)。
【請求項7】
前記固定的に結合するステップが、前記交換クーポン(214)の前記半径方向最外面(218)を前記ノズル先端部(115)にろう付け又は溶接するステップを含む、請求項1に記載の方法(1200、1300)。
【請求項8】
前記取り外すステップは、従来の機械加工プロセス又は非従来の機械加工プロセスのうちの1つを使用して実行される、請求項1に記載の方法(1200、1300)。
【請求項9】
前記取り外すステップによって形成された前記環状溝(208)は、半径方向内向きに延在する突起(210)を含む、請求項1に記載の方法(1200、1300)。
【請求項10】
前記交換クーポン(214)の前記寸法は、前記環状溝(208)を形成するために取り外された前記材料(201)と実質的に同じである、請求項1に記載の方法(1200、1300)。
【請求項11】
前記ノズル先端部(115)は第1の材料(201)を含み、前記交換クーポン(214)は、前記第1の材料(201)よりも高い耐摩耗性を有する第2の材料(201)を含む、請求項1に記載の方法(1200、1300)。
【請求項12】
少なくとも1つのデューティサイクルを経た前記燃料ノズル(100)を供給するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法(1200、1300)。
【請求項13】
燃料ノズル(100)であって、
前記燃料ノズル(100)の前端部(102)に配置されたフランジ(110)と、
前記燃料ノズル(100)の後端部(104)に配置され、後面(116)及び環状溝(208)を画定するノズル先端部(115)と、
前記環状溝(208)内に配置され、固定接続ライン(117)が前記ノズル先端部(115)の前記後面(116)上に画定されるように前記環状溝(208)に固定的に結合された半径方向最外面(218)を有する交換クーポン(214)と
を備える燃料ノズル(100)。
【請求項14】
前記ノズル先端部(115)は、第1の材料(201)を含み、前記交換クーポン(214)は、前記第1の材料(201)よりも高い耐摩耗性を有する第2の材料(201)を含む、請求項12に記載の燃料ノズル(100)。
【請求項15】
前記燃料ノズル(100)内に配置され、前記フランジ(110)から前記ノズル先端部(115)の前記後面(116)まで延在する内側チューブ(150)をさらに備える、請求項12に記載の燃料ノズル(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ターボ機械の燃料ノズルに関する。特に、本開示は、ターボ機械の燃料ノズル先端部を整備する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ターボ機械は、エネルギー伝達の目的で、様々な産業及び用途において利用されている。例えば、ガスタービンエンジンは、一般に、圧縮機セクションと、燃焼セクションと、タービンセクションと、排気セクションとを含む。圧縮機セクションは、ガスタービンエンジンに入る作動流体の圧力を徐々に高め、この圧縮された作動流体を燃焼セクションに供給する。圧縮された作動流体及び燃料(例えば、天然ガス)が、燃焼セクション内で混合され、燃焼チャンバ内で燃焼して、高圧かつ高温の燃焼ガスを生成する。燃焼ガスは、燃焼セクションからタービンセクションへと流れ、タービンセクションにおいて膨張して仕事を生じる。例えば、タービンセクションにおける燃焼ガスの膨張は、例えば、発電機に接続されたロータシャフトを回転させ、電気を発生させることができる。次いで、燃焼ガスは、排気セクションを介してガスタービンから出る。
【0003】
ガスタービンは、通常、燃焼器セクションに燃料ノズルを含む。各燃料ノズルは、点火のために燃料と空気との混合物を燃焼チャンバに送達するための1つ又は複数の通路を有する構成要素である。ターボ機械の動作中、燃料ノズルの各々は、経時的に燃料ノズルの1つ又は複数の下位構成要素を摩耗させる可能性がある様々な力及び応力、例えば振動力及び熱応力にさらされる恐れがある。場合によっては、燃料ノズルの単一の下位構成要素の摩耗は、燃料ノズル全体の修理又は交換をもたらす可能性があり、これは費用及び時間のかかる整備プロセスとなる可能性がある。
【0004】
したがって、燃料ノズルを整備するための改善された方法が当技術分野において望まれている。特に、下位構成要素及び/又は燃料ノズル全体を交換することなく、摩耗した燃料ノズル下位構成要素を有利に修復する、燃料ノズルを整備する方法が望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本開示による、燃料ノズルを整備する方法の態様及び利点は、以下の説明に部分的に記載されており、又は説明から明らかとなり、又は本技術の実践を通して学ぶことができる。
【0006】
一実施形態によれば、燃料ノズルを整備する方法が提供される。本方法は、燃料ノズルのノズル先端部から材料を取り外して、ノズル先端部内に環状溝を形成するステップを含む。本方法は、交換クーポンを環状溝に挿入するステップをさらに含む。交換クーポンは、環状溝に対応する半径方向最外側及び取り外し後接触面を有する。本方法は、交換クーポンの半径方向最外側を環状溝に固定的に結合するステップをさらに含む。
【0007】
別の実施形態によれば、燃料ノズルを整備する方法が提供される。本方法は、少なくとも1つのデューティサイクルを経た燃料ノズルを供給するステップを含む。本方法は、燃料ノズルのノズル先端部から材料を取り外して、ノズル先端部内に環状溝を形成するステップをさらに含む。本方法は、交換クーポンを環状溝に挿入するステップをさらに含む。交換クーポンは、環状溝に対応する半径方向最外側及び取り外し後接触面を有する。本方法は、交換クーポンの半径方向最外側を環状溝に固定的に結合するステップをさらに含む。
【0008】
燃料ノズルを整備する本方法のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を参照して、よりよく理解されるであろう。添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成するものであるが、本技術の実施形態を例示し、明細書における説明と併せて本技術の原理を説明するのに役立つ。
【0009】
当業者へと向けられた本システム及び方法を製造及び使用する最良の形態を含む、燃料ノズルを整備する本方法の完全かつ可能な開示が、添付の図面を参照して本明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態による、ターボ機械の概略図である。
図2】本開示の実施形態による、図1のターボ機械と共に使用するのに適した燃焼器を示す図である。
図3】本開示の実施形態による、図2の燃焼器内で使用するための燃料ノズルの斜視図である。
図4】本開示の実施形態による、燃料ノズルの断面側面図である。
図5】本開示の実施形態による、任意の修理が実行される前の燃料ノズルの後端部の拡大断面図である。
図6】本開示の実施形態による、ノズル先端部の拡大断面図である。
図7】本開示の実施形態による、ノズル先端部の拡大断面図である。
図8】本開示の実施形態による、ノズル先端部の拡大断面図である。
図9】本開示の実施形態による、ノズル先端部の拡大断面図である。
図10】本開示の実施形態による、ノズル先端部の拡大断面図である。
図11】本開示の実施形態による、燃料ノズルの軸方向中心線に沿った燃料ノズルの後面の平面図である。
図12】本開示の実施形態による、燃料インジェクタを整備する方法のフローチャートである。
図13】本開示の実施形態による、燃料インジェクタを整備する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、燃料ノズルを整備する本方法の実施形態を詳細に参照するが、その1つ又は複数の例が図面に示されている。各例は、本技術の説明のために提供するものであって、本技術を限定するものではない。実際に、特許請求される技術の範囲又は趣旨を逸脱することなく、修正及び変更が本技術において可能であることは、当業者にとって明らかであろう。例えば、ある実施形態の一部として図示又は記載された特徴を別の実施形態において使用して、またさらなる実施形態をもたらすことができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内にあるそのような修正及び変更を包含することを意図している。
【0012】
詳細な説明では、図面の特徴を参照するために、数字及び文字の符号を使用する。図面及び説明における類似又は同様の符号は、本発明の類似又は同様の部分を指すために使用されている。本明細書で使用する場合、「第1の」、「第2の」、及び「第3の」という用語は、ある構成要素を別の構成要素から区別するために交換可能に使用することができ、個々の構成要素の位置又は重要性を示すことを意図するものではない。
【0013】
本明細書で使用する場合、「上流」(又は「前方」)、及び「下流」(又は「後方」)という用語は、流体経路における流体の流れに関する相対的な方向を指す。例えば、「上流」は、流体が流れてくる方向を指し、「下流」は、流体が流れていく方向を指す。「半径方向に」という用語は、特定の構成要素の軸方向中心線に実質的に垂直な相対的な方向を指し、「軸方向に」という用語は、特定の構成要素の軸方向中心線に実質的に平行及び/又は同軸に整列する相対的な方向を指し、「円周方向に」という用語は、特定の構成要素の軸方向中心線の周囲に延在する相対的な方向を指す。「概して」、又は「約」などの近似の用語は、記載された値のプラスマイナス10パーセントの範囲内の値を含む。角度又は方向の文脈で使用されるとき、そのような用語は、記載された角度又は方向のプラスマイナス10度の範囲を含む。例えば、「ほぼ垂直」は、垂直から任意の方向、例えば、時計回り又は反時計回りに10度の範囲内の方向を含む。
【0014】
ここで図面を参照すると、図1は、ターボ機械の一実施形態の概略図を示しており、ターボ機械は図示の実施形態ではガスタービン10である。産業用又は陸上用のガスタービンが本明細書に示されて説明されているが、本開示は、特許請求の範囲に特に明記されない限り、陸上用及び/又は産業用ガスタービンに限定されない。例えば、本明細書に記載の燃料ノズルは、限定はされないが、蒸気タービン、航空機用ガスタービン、又は船舶用ガスタービンを含む任意のタイプのターボ機械に使用することができる。
【0015】
図示のように、ガスタービン10は、一般に、入口セクション12と、入口セクション12の下流に配置された圧縮機セクション14と、圧縮機セクション14の下流に配置された燃焼器セクション16内の複数の燃焼器17(そのうち1つを図2に示す)と、燃焼器セクション16の下流に配置されたタービンセクション18と、タービンセクション18の下流に配置された排気セクション20とを含む。加えて、ガスタービン10は、圧縮機セクション14とタービンセクション18との間に結合された1つ又は複数のシャフト22を含むことができる。
【0016】
圧縮機セクション14は、一般に、複数のロータディスク24(そのうちの1つが示されている)と、各ロータディスク24から半径方向外向きに延在し、各ロータディスク24に接続された複数のロータブレード26とを含むことができる。次いで、各ロータディスク24は、圧縮機セクション14を通って延在するシャフト22の一部に結合されるか、又はシャフト22の一部を形成してもよい。
【0017】
タービンセクション18は、一般に、複数のロータディスク28(そのうちの1つが示されている)と、各ロータディスク28から半径方向外向きに延在し、各ロータディスク28に接続された複数のロータブレード30とを含むことができる。次いで、各ロータディスク28は、タービンセクション18を通って延在するシャフト22の一部に結合されるか、又はシャフト22の一部を形成してもよい。タービンセクション18は、シャフト22の一部及びロータブレード30を円周方向に囲む外側ケーシング31をさらに含み、それにより、タービンセクション18を通る高温ガス経路32を少なくとも部分的に画定する。
【0018】
動作中、空気などの作動流体が入口セクション12を通って圧縮機セクション14に流入し、ここで空気が徐々に圧縮され、それにより、加圧空気27が燃焼器セクション16の燃焼器に提供される。加圧空気27は燃料と混合され、各燃焼器内で燃焼されて燃焼ガス34を発生させる。燃焼ガス34は、高温ガス経路32を通って燃焼器セクション16からタービンセクション18に流入し、ここで、エネルギー(運動エネルギー及び/又は熱エネルギー)が燃焼ガス34からロータブレード30に伝達されることにより、シャフト22が回転する。次いで、この機械的回転エネルギーを、圧縮機セクション14への動力供給及び/又は発電に使用することができる。次いで、タービンセクション18を出た燃焼ガス34は、排気セクション20を介してガスタービン10から排気することができる。
【0019】
図2に示すように、燃焼器17は、圧縮機排出ケーシングと呼ぶことができる外側ケーシング31によって少なくとも部分的に囲まれてもよい。外側ケーシング31は、燃焼器17の様々な構成要素を少なくとも部分的に囲む高圧プレナム35を少なくとも部分的に画定することができる。高圧プレナム35は、圧縮機14(図1)と流体連通し、圧縮空気27をそこから受け取ることができる。エンドカバー36は、外側ケーシング31に結合されてもよい。特定の実施形態では、外側ケーシング31及びエンドカバー36は、燃焼器17のヘッドエンド容積部又はヘッドエンド部分38を少なくとも部分的に画定することができる。
【0020】
特定の実施形態では、ヘッドエンド部分38は、高圧プレナム35及び/又は圧縮機14と流体連通する。1つ又は複数のライナ又はダクト40は、燃料空気混合物を燃焼させるための燃焼チャンバ又は燃焼ゾーン42を少なくとも部分的に画定することができ、かつ/又は燃焼ガス34をタービン18の入口に向けて導くための、矢印43で示すような燃焼器を通る高温ガス経路を少なくとも部分的に画定することができる。
【0021】
様々な実施形態において、燃焼器17は、ヘッドエンド部分38に少なくとも1つの燃料ノズル100を含む。図2に示すように、燃料ノズル100は、燃焼器17のエンドカバー36の下流及び/又はそこから離間し、燃焼チャンバ42の上流の外側ケーシング31内に配置することができる。特定の実施形態では、燃料ノズル100の各々は、燃料供給源48と流体連通してもよい。
【0022】
図3は燃料ノズル100の斜視図であり、図4は燃料ノズル100の断面図である。図示のように、燃料ノズル100は、軸方向A、及び軸方向Aの周りに延在する円周方向Cを画定することができる。燃料ノズル100はまた、軸方向Aに垂直な半径方向Rを画定することができる。
【0023】
特定の実施形態では、燃料ノズル100は、前端部102と後端部104との間に延在してもよい。多くの実施形態では、燃料ノズル100は、燃料ノズル100の前端部102に配置されたフランジ110と、後端部104に配置されたノズル先端部115とを含むことができる。フランジ110は、燃料ノズル100を燃焼器17のエンドカバー36に結合することができる。図示のように、ノズル先端部115は、燃料ノズル100の最後方面であってもよい後面116を画定することができる。多くの実施形態では、燃料ノズル100は、フランジ110とノズル先端部115との間で軸方向に延在するノズル本体105を含むことができる。その先端部分において、燃料ノズル100はまた、ノズル先端部115に前方燃料/空気送達セクションを含む。様々な実施形態では、燃料ノズル100は、ノズル本体105から半径方向外向きに延在し、燃料ノズル100の前端部102と後端部104との間に配置されたスワーラ122をさらに含むことができる。スワーラは、ノズル本体105の一部を囲むカラー120を含むことができる。環状通路125は、カラー120とノズル本体105との間に画定することができる。複数のスワラベーン130は、環状通路125内に配置されてもよく、それぞれノズル本体105とカラー120との間に延在してもよい。図示のように、複数のスワラベーン130は、複数の半径方向燃料インジェクタ135の上流に位置決めすることができ、その各々には、予混合ガスなどの燃料を燃焼器の予混合チャンバ内の通路125に排出するための複数の排出オリフィス145が形成されている。
【0024】
図4を特に参照すると、燃料ノズル100は、ノズル本体105内で軸方向に延在し、内側通路155を画定する内側チューブ150をさらに含むことができる。例えば、多くの実施形態では、内側チューブ150は、フランジ110から後面116まで延在することができる。特定の実施形態では、内側チューブ150は、内側チューブ150とノズル先端部115との間の第1の締まり結合部、及び内側チューブとフランジ110の半径方向内面との間の第2の締まり結合部を介して定位置に保持されてもよい。締まり嵌め(プレス嵌め又は摩擦嵌めとしても知られる)は、2つの部品間の嵌合であり、1つの部品の外寸が、嵌合する必要のある部品の内寸をわずかに超える。例えば、この場合、内側チューブ150の外面の寸法は、フランジ110の内寸及びノズル先端部115の内寸をわずかに超えることができる。
【0025】
様々な実施形態では、内側通路155は、燃焼ゾーン42に空気を供給することができ、又は液体燃料送達カートリッジを受け入れるように構成することができる。いくつかの実施形態では、中間チューブ160は、ノズル本体105内で軸方向に延在することができる。中間チューブ160は内側チューブ150の周りに、同心円状ではあるがより大きな直径を有するように位置決めされて、中間通路165を形成する。中間通路165は、オリフィス166を通過する、例えば、拡散ガス、幕状空気、又はパージ空気の流れを提供する。同様に、外側チューブ170は、ノズル本体105に沿って軸方向に延びる。外側チューブ170は中間チューブ160の周りに、同心円状ではあるがより大きな直径を有するように位置決めされて、外側通路175を形成する。外側通路175は、予混合ガスなどの燃料を運ぶためのものである。燃料ノズル100の通常の(非火炎保持)動作中、燃料は、半径方向燃料インジェクタ135の排出オリフィス145を通って出ることによって、外側通路175から排出されるように強制される。
【0026】
さらに図3及び図4に示すノズルを参照すると、多くの実施形態では、ノズル先端部115は、燃料ノズルの後端部104に位置してもよい。ノズル先端部115は、ノズル本体105と係合するような大きさであり、典型的には境界面180でノズル本体105に溶接される。様々な実施形態では、ノズル先端部115には、中間チューブ160の前縁を受け、この前縁において溶接又はろう付けされる内部環状肩部185(図2)が形成されてもよい。肩部185又はその近くはまた、中間通路165の前端部又は下流端部が閉じられる場所である。
【0027】
図5は、本開示の実施形態による、任意の修理が実行される前の燃料ノズル100の後端部104の拡大断面図を示す。図示するように、ノズル先端部115は、半径方向内向きに、例えば燃料ノズル100の軸方向中心線202に向かって延在する半径方向突起200を含むことができる。例示的な実施形態では、半径方向突起200は、内側チューブ150の周りに環状に延在してもよく、内側チューブ150が締まり嵌めを介して半径方向突起200によって定位置に保持されるように、内側チューブ150と接触してもよい。図4に示すように、半径方向突起200は、後面116のすぐ前方に配置されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、半径方向突起200は、後面116と環状肩部185との間に軸方向に配置されてもよい。
【0028】
特定の実施形態では、ノズル先端部115は、内側チューブ150と摩耗した締まり嵌めを形成する取り外し前接触面204を含む。より具体的には、ノズル先端部115の半径方向突起200は、取り外し前接触面204がノズル先端部115の半径方向の最内側面であるように、取り外し前接触面204を画定することができる。ガスタービン10の動作中、取り外し前接触面204は、様々な力及び応力、例えばガスタービン10の振動力及び燃焼ゾーン42の高温によって引き起こされる熱応力にさらされる恐れがある。これらの力及び応力は、取り外し前接触面204と内側チューブ150との間の摩擦摩耗を経時的に引き起こし、それにより、取り外し前接触面204が内側チューブ150との効果的な圧入又は締まり嵌めを形成する能力を阻害する恐れがある。このようにして、取り外し前接触面204は、ガスタービンの動作中に摩耗した材料のために内側チューブ150と効果的な締まり嵌めを形成することができず、漏れ及び/又は効率の低下をもたらす恐れがある。
【0029】
図6図10は、有利にはノズル先端部115と内側チューブ150との間の適切な締まり嵌めを修復することができる、本明細書に記載の燃料ノズルを整備する方法1200及び1300などの整備方法の異なる段階に沿ったノズル先端部115を示す。多くの実施形態では、整備方法は、図6図9に示す順序で実行することができる。例えば、図6は、機械加工の前に取り外し前接触面204を露出させるために、内側チューブ150が燃料ノズル100から分離されて取り外されたノズル先端部115を示す。図6に示すように、破線206は、機械加工プロセスによって取り外される材料201を表すことができ、すなわち、破線206から半径方向内側の材料201は、機械加工プロセスによって取り外される。例示的な実施形態では、取り外される材料201は、ガスタービン10内での使用のために摩耗し、かつ/又は設計公差から外れている。
【0030】
図7は、取り外し前接触面204が機械加工される、取り外しプロセスを経たノズル先端部を示す。様々な実施形態において、取り外しプロセスは、従来の(若しくは従前の)機械加工プロセス又は非従来の(若しくは非従前の)機械加工プロセスのいずれか又は両方を利用することができる。例えば、従来の機械加工プロセスは、これらに限定されないが、旋削、ボーリング、穿孔、スウェニング、ブローチ加工、充填、平削り、及び/又はフライス加工プロセスを含むことができる。さらに、非従来の機械加工プロセスは、これらに限定されないが、超音波加工(USM)、ウォータージェット加工(WJM)、化学加工(CHM)、電気化学加工(ECM)、放電加工(EDM)、レーザービーム加工(LBM)、及び/又はプラズマビーム加工(PBM)を含むことができる。従来及び非従来の機械加工プロセスは、当業者によって一般に理解されており、したがって、明確さ及び簡潔さのために、本明細書ではさらに詳細に図示又は説明されない。
【0031】
図示のように、機械加工プロセスが完了した後、ノズル先端部115は環状溝208を画定することができる。多くの実施形態では、環状溝208は、半径方向内向きに延在する突起210を含むことができる。他の実施形態(図示せず)では、環状溝の半径方向最内面は、環状溝によって画定された突起がないように、ほぼ直線的に延在してもよい。突起210は、交換クーポン214(図8)が接触するための表面積を増加させ、それによってノズル先端部115と環状溝208との間の固定接続の保持強度を増加させることができる。様々な実施形態では、交換クーポン214は、ろう付け又は溶接を介して環状溝208に固定的に結合することができる。しかしながら、例示的な実施形態では、交換クーポン214は、ろう付けプロセスを介して環状溝208に固定的に結合されてもよい。そのような実施形態では、突起210は、ろう付け材料の堆積のための表面を提供することができ、その後、ろう付け炉を使用して加熱して、交換クーポン214を環状溝208に固定的に結合することができる。多くの実施形態では、ろう付け材料は、環状溝208と交換クーポン214との間に直接配置することができる。様々な実施形態では、ろう付け材料は、これらに限定されないが、銅、ニッケル、銀、アルミニウム、金、又は他の適切な材料であってもよい。
【0032】
ノズル先端部115に画定された環状溝208と交換クーポン214との間の固定接続が確立されると、ノズル先端部115及び交換クーポン214は、ノズル先端部115と交換クーポン214との間に空隙、隙間、又は空洞が生じないように、互いと連続面を形成することができる。例示的な実施形態では、交換クーポン214は、環状溝208に対応する半径方向最外面218を含むことができる。このようにして、交換クーポンは、環状溝208内に完全に着座し、完全に接触することができる。
【0033】
特定の実施形態では、交換クーポン214の寸法は、環状溝208を形成するために取り外された材料と実質的に同じである。例えば、いくつかの実施形態では、交換クーポン214の寸法は、環状溝208を形成するために取り外された材料の(+/-)10%以内であってもよい。他の実施形態では、交換クーポン214の寸法は、環状溝208を形成するために取り外された材料の(+/-)5%以内であってもよい。様々な実施形態では、交換クーポン214の寸法は、環状溝208を形成するために取り外された材料の(+/-)2.5%以内であってもよい。
【0034】
図10に示すように、修理プロセスの後、内側チューブ150をノズル100に挿入して戻すことができる。特定の実施形態では、交換クーポン214は、有利には内側チューブ150と修復した締まり嵌めを形成する接触面又は取り外し後接触面216を画定することができる。例えば、取り外し後接触面は、厳格な設計公差を修復し、交換クーポン214の取り外し後接触面216が内側チューブ150と締まり嵌めを形成することを可能にする。このようにして、燃料ノズル100は、交換クーポン214と内側チューブ150との間の締まり嵌めによって形成された継手において漏れなしに動作可能とすることができる。例示的な実施形態では、内側チューブ150が燃料ノズル100に再挿入されると、取り外し後接触面は、内側チューブ150を環状に取り囲み、内側チューブ150と修復した締まり嵌めを形成することができる。図10に示すように、接触面又は取り外し後接触面216は、交換クーポン214の半径方向最内面であってもよい。
【0035】
多くの実施形態では、ノズル先端部115は、第1の材料で形成されてもよく、交換クーポンは、第2の材料で形成されてもよい。第2の材料は、第1の材料よりも大きい耐摩耗性を有することができる。これにより、燃料ノズル100の寿命を有利に延ばすことができる。例えば、交換クーポン214の耐摩耗性の向上により、修理のために取り外す必要なく、燃料ノズル100をガスタービン10内でより長期間使用することが可能になり、発電プラントの全体的な効率を有利に改善することができる。
【0036】
これに関して、本明細書に記載の燃料ノズルを整備する方法は、デューティサイクルを経て修理を必要とする燃料ノズル、デューティサイクルを経て修理を必要としない燃料ノズル、又はデューティサイクルを経ていない燃料ノズルに対して実行することができる。例えば、交換クーポン214の耐摩耗性の向上は、燃料ノズルが動作しているか否かにかかわらず、燃料ノズルの寿命を有利に増加させることができる。本明細書で使用する場合、「デューティサイクル」は、ガスタービン内での動作に一定の時間を費やした1つ又は複数の構成要素を指すことができる。このように、デューティサイクルを経ていない構成要素は、ガスタービンの動作に使用されたことがない。
【0037】
図11は、軸方向中心線202に沿った燃料ノズル100の後面116の平面図である。図5に示す燃料ノズルは、ノズル先端部115の後面116と交換クーポン214との間に配置された固定接続ライン117によって示されるように、本明細書に記載の整備方法1200又は1300などの整備方法を受けている。上述したように、固定接続ライン117は、交換クーポン214の半径方向最外面218と環状溝208との間の結合であってもよい。
【0038】
図12は、本開示の実施形態による、燃料ノズル(本明細書に記載の燃料ノズル100など)を整備する方法1200を定義する、一連のステップ1202から1210のフローチャートである。図示のように、方法1200は、(破線のボックスで示されているような)任意選択のステップ及び(実線のボックスで示されているような)任意選択ではないステップを含むことができる。例えば、方法1200は、燃料ノズル100(図6)から内側チューブ150を取り外す任意選択のステップ1202を含むことができる。様々な実施形態では、方法1200は、ノズル先端部115から材料201を取り外して、ノズル先端部115内に環状溝208を形成するステップ1204をさらに含むことができる。例示的な実施形態では、ステップ1202は、ステップ1204の前に実行されてもよい。多くの実施形態では、本方法は、交換クーポン214を環状溝208に挿入するステップ1206をさらに含むことができる。交換クーポン214は、環状溝208に対応する半径方向最外面218を画定することができる。例示的な実施形態では、交換クーポン214はまた、取り外し後接触面216を画定することができる。多くの実施形態では、方法1200は、交換クーポン214の半径方向最外面218を環状溝208に固定的に結合するステップ1208をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、方法1200は、内側チューブ150を再挿入する任意選択のステップ1210を含むことができる。
【0039】
図13は、本開示の実施形態による、燃料ノズル(本明細書に記載の燃料ノズル100など)を整備する方法1300を定義する、一連のステップ1302から1312のフローチャートである。図示のように、方法1300は、(破線のボックスで示されているような)任意選択のステップ及び(実線のボックスで示されているような)任意選択ではないステップを含むことができる。例えば、方法1300は、少なくとも1つのデューティサイクルを事前に経ている燃料ノズル100を供給する任意選択のステップ1302を含むことができる。多くの実施形態では、方法1300は、燃料ノズル100(図6)から内側チューブ150を取り外すステップ1304をさらに含むことができる。様々な実施形態では、方法1300は、ノズル先端部115から材料201を取り外して、ノズル先端部115内に環状溝208を形成するステップ1306をさらに含むことができる。例示的な実施形態では、ステップ1304は、ステップ1306の前に実行されてもよい。多くの実施形態では、方法1300は、交換クーポン214を環状溝208に挿入するステップ1308をさらに含むことができる。交換クーポン214は、環状溝208に対応する半径方向最外面218を画定することができる。例示的な実施形態では、交換クーポン214はまた、取り外し後接触面216を画定することができる。多くの実施形態では、方法1300は、交換クーポン214の半径方向最外面218を環状溝208に固定的に結合するステップ1310をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、方法1300は、内側チューブ150を再挿入する任意選択のステップ1312を含むことができる。
【0040】
本明細書に記載の燃料ノズルを整備する方法は、有利には、ノズル先端部全体を交換する必要なく、ノズル先端部と内側チューブとの間の締まり嵌めの修復を可能にすることができる。これにより、燃料ノズルの整備に必要なコスト及び時間の両方が有利に低減される。
【0041】
本明細書は、本発明を最良の態様も含めて開示すると共に、あらゆる装置又はシステムの製作及び使用並びにあらゆる関連の方法の実行を含む本発明の実施を当業者にとって可能にするために、実施例を使用している。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、特許請求の範囲の文言との差がない構造要素を含む場合、又は特許請求の範囲の文言との実質的な差がない等価の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることを意図している。
【符号の説明】
【0042】
10 ガスタービン
12 入口セクション
14 圧縮機セクション、圧縮機
16 燃焼器セクション
17 燃焼器
18 タービンセクション、タービン
20 排気セクション
22 シャフト
24 ロータディスク
26 ロータブレード
27 加圧空気、圧縮空気
28 ロータディスク
30 ロータブレード
31 外側ケーシング
32 高温ガス経路
34 燃焼ガス
35 高圧プレナム
36 エンドカバー
38 ヘッドエンド部分
40 ダクト
42 燃焼チャンバ、燃焼ゾーン
43 矢印
48 燃料供給源
100 燃料ノズル
102 前端部
104 後端部
105 ノズル本体
110 フランジ
115 ノズル先端部
116 後面
117 固定接続ライン
120 カラー
122 スワーラ
125 環状通路
130 スワラベーン
135 半径方向燃料インジェクタ
145 排出オリフィス
150 内側チューブ
155 内側通路
160 中間チューブ
165 中間通路
166 オリフィス
170 外側チューブ
175 外側通路
180 境界面
185 内部環状肩部
200 半径方向突起
201 材料
202 軸方向中心線
204 取り外し前接触面
206 破線
208 環状溝
210 突起
214 交換クーポン
216 取り外し後接触面
218 半径方向最外面
1200 整備方法
1300 整備方法
A 軸方向
C 円周方向
R 半径方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【外国語明細書】