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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022040058
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】研究室機器ドアのためのドアヒンジ
(51)【国際特許分類】
   F16C 11/04 20060101AFI20220303BHJP
   E05D 11/04 20060101ALI20220303BHJP
   E05D 7/00 20060101ALI20220303BHJP
   E05D 11/06 20060101ALI20220303BHJP
   F16C 11/10 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
F16C11/04 B
E05D11/04
E05D7/00
E05D11/06
F16C11/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021136854
(22)【出願日】2021-08-25
(31)【優先権主張番号】20193174
(32)【優先日】2020-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163061
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・マイヤー
【テーマコード(参考)】
2E030
2E032
3J105
【Fターム(参考)】
2E030AB01
2E030BB01
2E030FA01
2E030FB00
2E030FC02
2E030FD01
2E032BA01
2E032CA02
2E032DA02
2E032DB05
2E032DC03
3J105AA03
3J105AA12
3J105AB02
3J105AB13
3J105AB24
3J105AC06
3J105BB25
3J105BB32
3J105BB34
3J105BC14
3J105DA13
3J105DA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】研究室機器のニーズに良好に供される、コンパクトなドアヒンジを提供する。
【解決手段】ドアヒンジ10は、第1の縦方向軸16と、軌道20を含む湾曲した側壁18とを持つ中空ボディ14を含み、軌道20の少なくとも一部は、第1の縦方向軸16に対して傾いており、ドアヒンジ10は、第1の縦方向軸16に平行な第2の縦方向軸24を持つ直線状の案内要素22をさらに含み、直線状の案内要素22の少なくとも一部は、中空ボディ14内に配置されており、直線状の案内要素22と中空ボディ14とは、互いに対して回転可能であり、ドアヒンジ10は、突出ピン28を含むボディ26をさらに含み、ボディ26は、直線状の案内要素22に移動可能に取り付けられており、ボディ26が、第2の縦方向軸16に沿って2つの反対方向に移動可能であり、突出ピン28が、軌道上を移動可能になっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研究室機器ドア(50)のためのドアヒンジ(10)であって、
第1の縦方向軸(16)を持つ中空ボディ(14)であって、前記中空ボディ(14)は、湾曲した側壁(18)を含み、前記湾曲した側壁(18)は、軌道(20)を含み、前記軌道(20)の少なくとも一部は、前記第1の縦方向軸(16)に対して傾いている、中空ボディ(14)と、
前記第1の縦方向軸(16)に平行な第2の縦方向軸(24)を持つ直線状の案内要素(22)であって、前記直線状の案内要素(22)の少なくとも一部は、前記中空ボディ(14)内に配置されており、前記直線状の案内要素(22)と前記中空ボディ(14)とは、互いに対して回転可能である、直線状の案内要素(22)と、
突出ピン(28)を含むボディ(26)であって、前記ボディ(26)は、前記直線状の案内要素(22)に移動可能に取り付けられており、前記ボディ(26)が、前記第2の縦方向軸(24)に沿って2つの反対方向(32、33)に移動可能であり、前記突出ピン(28)が、前記軌道(20)上を移動可能になっている、ボディ(26)と、
を含み、
前記ドアヒンジ(10)は、前記ボディ(26)を、前記2つの反対方向(32、33)の第1の方向(32)に移動させるために、前記ボディ(26)上に力を働かせるよう構成されている力発生装置(30)をさらに含み、
前記力発生装置(30)は、前記直線状の案内要素(22)と前記ボディ(26)とを接続する弾性部材(31)であり、前記力は、前記弾性部材(31)の張力緩和である、
研究室機器ドア(50)のためのドアヒンジ(10)。
【請求項2】
前記突出ピン(28)は、前記ボディ(26)の横方向の突起であり、
前記直線状の案内要素(22)は、直線状の貫通孔(34)を含み、
前記直線状の貫通孔(34)は、前記第2の縦方向軸(24)に平行であり、前記突出ピン(28)を案内するよう適合されている、請求項1に記載の研究室機器ドア(50)のためのドアヒンジ(10)。
【請求項3】
前記軌道(20)は、第1のセクション(36)と、移動セクション(38)と、第2のセクション(40)と、を含み、
前記移動セクション(38)は、前記第1のセクション(36)と前記第2のセクション(40)とを接続しており、
前記移動セクション(38)は、前記第1の縦方向軸(16)に対して傾いている、請求項1又は2に記載の研究室機器ドア(50)のためのドアヒンジ(10)。
【請求項4】
第2のセクション(40)は、前記第1の縦方向軸(16)に対して直角に向けられ、前記突出ピン(28)が、前記第2のセクション(40)において止められて保持されるようになっている、請求項1から3のいずれか一項に記載の研究室機器ドア(50)のためのドアヒンジ(10)。
【請求項5】
第1のセクション(36)は、前記第1の縦方向軸(16)に対して直角に向けられ、前記突出ピン(28)が、前記第1のセクション(36)において止められて保持されるようになっている、請求項1から4のいずれか一項に記載の研究室機器ドア(50)のためのドアヒンジ(10)。
【請求項6】
前記軌道(20)は、第3のセクション(42)を含み、
移動セクション(38)は、第1のパート(44)と、第2のパート(46)と、を含み、
前記移動セクション(38)の前記第1のパート(44)は、前記軌道(20)の第1のセクション(36)と前記第3のセクション(42)とを接続しており、
前記移動セクション(38)の前記第2のパート(46)は、前記軌道(20)の前記第3のセクション(42)と第2のセクション(40)とを接続しており、
前記第3のセクション(42)は、前記第1の縦方向軸(16)に対して直角に向けられ、
前記突出ピン(28)が、前記第3のセクション(42)において止められて保持されるようになっている、請求項1から5のいずれか一項に記載の研究室機器ドア(50)のためのドアヒンジ(10)。
【請求項7】
前記直線状の案内要素(22)は、前記直線状の案内要素(22)を、ドアフレーム(52)又はドアリーフ(54)上に載置するよう適合されている支持要素(48)を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の研究室機器ドア(50)のためのドアヒンジ(10)。
【請求項8】
前記直線状の案内要素(22)は、前記中空ボディ(14)を超えて突出し、
前記直線状の案内要素(22)は、前記中空ボディ(14)に移動可能に取り付けられており、
前記突出ピン(28)が、前記軌道(20)の第1のセクション(36)、第2のセクション(38)、又は第3のセクション(40)上に保持されると、前記第1の縦方向軸(16)に沿って、第3の方向(56)と、前記第3の方向(56)とは反対の第4の方向(58)と、に移動可能である、請求項1から7のいずれか一項に記載の研究室機器ドア(50)のためのドアヒンジ(10)。
【請求項9】
研究室機器ドア(50)であって、
ドアフレーム(52)と、
前記直線状の案内要素(22)又は前記中空ボディ(14)が、前記ドアフレーム(52)上に載置されている、請求項1から8のいずれか一項に記載のドアヒンジ(10)と、
ドアリーフ(54)であって、前記直線状の案内要素(22)が、前記ドアフレーム(52)上に載置されている場合、前記中空ボディ(14)は、前記ドアリーフ(54)上に載置され、前記中空ボディ(14)が、前記ドアフレーム(52)上に載置されている場合、前記直線状の案内要素(22)は、前記ドアリーフ(54)上に載置される、ドアリーフ(54)と、
を含む、研究室機器ドア(50)。
【請求項10】
前記ドアフレーム(52)は、前記ボディ(26)が前記第1の方向(32)に動くと、前記ドアリーフ(54)を止めるよう構成されており、
前記ドアフレーム(52)が前記ドアリーフ(54)を止めると、前記突出ピン(28)が、移動セクション(38)上に止められるようになっている、請求項9に記載の研究室機器ドア(50)。
【請求項11】
研究室機器(60)であって、
請求項9又は10に記載の研究室機器ドア(50)と、
ハウジング(62)であって、前記ドアフレーム(52)が前記ハウジング(62)上に載置される、又は、前記ドアフレーム(52)が前記ハウジング(62)に含まれる、ハウジング(62)と、
を含む、研究室機器(60)。
【請求項12】
研究室機器ドア組み立てキット(64)であって、
ドアフレーム(52)と、
請求項8に記載のドアヒンジ(10)と、
ドアリーフ(54)と、
を含み、
前記ドアリーフ(54)又は前記ドアフレーム(52)は、前記中空ボディ(14)を載置するよう構成されている載置要素(66)を含み、
前記ドアリーフ(54)が前記載置要素(66)を含む場合には、前記ドアフレーム(52)は、載置構造(68)を含み、又は、前記ドアフレーム(52)が前記載置要素(66)を含む場合には、前記ドアリーフ(54)は、前記載置構造(68)を含み、
前記載置構造(68)は、前記直線状の案内要素(22)を載置するよう構成されており、
前記載置構造(68)は、
第1の側(72)と、第2の側(74)と、細長いスロット(76)と、固定位置(78)と、を含む固定板(70)であって、前記細長いスロット(76)は、前記直線状の案内要素(22)を前記固定位置(78)に挿入するよう構成されており、前記中空ボディ(14)は、前記直線状の案内要素(22)が前記細長いスロット(76)に挿入されると、前記固定板(70)の前記第1の側(72)上をスライド可能である、固定板(70)と、
前記直線状の案内要素(22)が前記細長いスロット(76)に挿入されると、さらなる力を前記直線状の案内要素(22)上に働かせるよう構成されている導入スロープ(80)であって、前記直線状の案内要素(22)は、前記導入スロープ(80)が、前記さらなる力を前記直線状の案内要素(22)上に働かせると、前記第3の方向(56)に移動可能であり、前記弾性部材(31)は、前記直線状の案内要素(22)が前記第3の方向(56)に移動すると、張力を作り上げることができる、導入スロープ(80)と、
前記直線状の案内要素(22)を固定するよう構成されている固定リセス(82)であって、前記弾性部材(31)は、前記直線状の案内要素(22)が前記固定位置(78)にあると、その張力を緩和でき、前記直線状の案内要素(22)は、前記弾性部材(31)がその張力を緩和すると、前記第4の方向(58)に移動可能であり、前記直線状の案内要素(22)は、前記直線状の案内要素(22)が前記第4の方向(58)に移動すると、前記固定リセス(82)内に移動可能であり、前記直線状の案内要素(22)の支持要素(48)は、前記直線状の案内要素(22)が前記第4の方向(58)に移動すると、前記固定板(70)の前記第2の側(74)を押圧することができる、固定リセス(82)と、
を含む、
研究室機器ドア組み立てキット(64)。
【請求項13】
請求項12に記載の研究室機器ドア組み立てキット(64)を組み立てるための方法(84)であって、該方法(84)は、
a)前記中空ボディ(14)を、前記載置要素(66)上に載置すること(86)と、
b)前記直線状の案内要素(22)を、前記載置構造(68)の前記細長いスロット(76)に、前記直線状の案内要素(22)が前記固定位置(78)に入るまで挿入すること(88)と、
を含む方法(84)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、研究室機器の分野に関する。この分野において、これは、研究室機器ドアのためのドアヒンジと、研究室機器ドアと、研究室機器と、研究室機器ドア組み立てキットと、研究室機器ドア組み立てキットを組み立てるための方法と、に関する。
【背景技術】
【0002】
診断研究室では、分析前装置、分析装置、又は分析後装置などの、自動化された研究室機器が、医師にとって重要な情報を表す、正確で信頼性の高いテスト結果を生成するために、各種のサンプル処理ステップに使用される。
【0003】
典型的には、そのような研究室機器の内部には、サンプル処理デバイス、消耗品、サンプル容器、試薬コンテナなどが備わっている。その内部を、環境要因(例えば、温度、湿度、ほこり、など)から保護するために、及び/又は、研究室機器の内部への望まないアクセスを防ぐために、その内部は、研究室機器の周りのものから、ハウジングにより遮蔽されている。しかし、消耗品、サンプル容器、及び試薬コンテナの手動又は自動での搬入/搬出のために、又は、サンプル処理デバイスのメンテナンス活動のために、その内部へのアクセスが時々必要となる。したがって、ハウジングは、研究室機器ドアが閉位置と開位置との間を移動することにより閉じたり開いたりすることができるエントリ又はゲートを含む。
【0004】
通常、研究室機器ドアは、ドアリーフ又はフードとドアフレームとを枢軸可能に接続する1つ又はそれ以上のドアヒンジを含み、ドアリーフ又はフードが、閉位置と開位置との間を移動可能になっている。ドアリーフ又はフードの動きを促進するために、アクチュエータ又はスプリングメカニズムが使用され得る。例えば、EP3290926(特許文献1)は、フードが枢軸可能に載置されたフレームを含むハウジングを持つ研究室機器を開示する。ハウジングは、フードの旋回運動を促進するために、フード及びフレーム上に載置されているガススプリングを含む。しかし、そのような構造は、ガススプリングのための追加的空間を必要とし、ドアリーフが旋回することを、限られた角度にのみ可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3290926号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、ドアリーフ又はフードの高く柔軟な運動を可能にし、これにより、研究室機器のニーズに良好に供される、コンパクトなドアヒンジの必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、研究室機器ドアのためのドアヒンジと、研究室機器ドアと、研究室機器と、研究室機器ドア組み立てキットと、研究室機器ドア組み立てキットを組み立てるための方法と、に向けられている。
【0008】
本開示は、第1の縦方向軸を持つ中空ボディを含む、研究室機器ドアのためのドアヒンジに関する。中空ボディは、湾曲した側壁を含む。湾曲した側壁は、軌道を含む。軌道の少なくとも一部は、第1の縦方向軸に対して傾いている。研究室機器ドアのためのドアヒンジは、第1の縦方向軸に平行な第2の縦方向軸を持つ直線状の案内要素をさらに含む。直線状の案内要素の少なくとも一部は、中空ボディ内に配置されている。直線状の案内要素と中空ボディとは、互いに対して回転可能である。研究室機器ドアのためのドアヒンジは、突出ピンを含むボディをさらに含む。ボディは、直線状の案内要素に移動可能に取り付けられており、ボディが、第2の縦方向軸に沿って2つの反対方向に移動可能であり、突出ピンが、軌道上を移動可能になっている。ドアヒンジは、ボディを、2つの反対方向の第1の方向に移動させるために、ボディ上に力を働かせるよう構成されている力発生装置をさらに含む。力発生装置は、直線状の案内要素とボディとを接続する弾性部材である。ここで、力は、弾性部材の張力緩和である。
【0009】
本開示はまた、ドアフレームと、ここに説明するようなドアヒンジと、ドアリーフと、を含む研究室機器ドアにも関する。直線状の案内要素又は中空ボディは、ドアフレーム上に載置される。直線状の案内要素が、ドアフレーム上に載置されていれば、中空ボディは、ドアリーフ上に載置される。中空ボディが、ドアフレーム上に載置されていれば、直線状の案内要素は、ドアリーフ上に載置される。
【0010】
本開示はさらに、ここに説明するような研究室機器ドアと、ハウジングと、を含む研究室機器に関する。ドアフレームは、ハウジング上に載置される。又は、ドアフレームは、ハウジングに含まれる。
【0011】
本開示はさらに、ドアフレームと、ここに説明するようなドアヒンジと、ドアリーフと、を含む研究室機器ドア組み立てキットに関する。ドアリーフ又はドアフレームは、中空ボディを載置するよう構成されている載置要素を含む。ドアリーフが載置要素を含む場合には、ドアフレームは、載置構造を含む。又は、ドアフレームが載置要素を含む場合には、ドアリーフは、載置構造を含む。載置構造は、直線状の案内要素を載置するよう構成されている。載置構造は、第1の側と、第2の側と、細長いスロットと、固定位置と、を含む固定板を含む。細長いスロットは、直線状の案内要素を、固定位置に挿入するよう構成されている。中空ボディは、直線状の案内要素が細長いスロットに挿入されると、固定板の第1の側上をスライド可能となる。載置構造は、直線状の案内要素が細長いスロットに挿入されると、さらなる力を、直線状の案内要素上に働かせるよう構成されている導入スロープをさらに含む。直線状の案内要素は、導入スロープが、さらなる力を、直線状の案内要素上に働かせると、第3の方向に移動可能となる。弾性部材は、直線状の案内要素が第3の方向に移動すると、張力を作り上げることができる。載置構造は、直線状の案内要素を固定するよう構成されている固定リセスをさらに含む。弾性部材は、直線状の案内要素が固定位置にあると、その張力を緩和できる。直線状の案内要素は、弾性部材がその張力を緩和すると、第4の方向に移動可能となる。直線状の案内要素は、直線状の案内要素が第4の方向に移動すると、固定リセス内に移動可能となる。直線状の案内要素の支持要素は、直線状の案内要素が第4の方向に移動すると、固定板の第2の側を押圧することができる。
【0012】
本開示はさらに、ここに説明するような、研究室機器ドア組み立てキットを組み立てるための方法に関する。本方法は、
中空ボディを、載置要素上に載置することと、
直線状の案内要素を、載置構造の細長いスロットに、直線状の案内要素が固定位置に入るまで挿入することと、
を含む。
【0013】
(詳細な説明)
本開示は、第1の縦方向軸を持つ中空ボディを含む、研究室機器ドアのためのドアヒンジに関する。中空ボディは、湾曲した側壁を含む。湾曲した側壁は、軌道を含む。軌道の少なくとも一部は、第1の縦方向軸に対して傾いている。研究室機器ドアのためのドアヒンジは、第1の縦方向軸に平行な第2の縦方向軸を持つ直線状の案内要素をさらに含む。直線状の案内要素の少なくとも一部は、中空ボディ内に配置されている。直線状の案内要素と中空ボディとは、互いに対して回転可能である。研究室機器ドアのためのドアヒンジは、突出ピンを含むボディをさらに含む。ボディは、直線状の案内要素に移動可能に取り付けられており、ボディが、第2の縦方向軸に沿って2つの反対方向に移動可能であり、突出ピンが、軌道上を移動可能になっている。したがって、突出ピンを含むボディの動きが、直線状の案内要素と、中空ボディの軌道と、により案内される。結果として、ボディの直線状の動きが、直線状の案内要素と中空ボディとの間の回転に変換される。ドアヒンジは、ボディを、2つの反対方向の第1の方向に移動させるために、ボディ上に力を働かせるよう構成されている力発生装置をさらに含む。力発生装置は、直線状の案内要素とボディとを接続する弾性部材である。ここで、力は、弾性部材の張力緩和である。
【0014】
ここで使用するように、「研究室機器ドア(laboratory instrument door)」という言葉は、以下にさらに説明するような、ドアフレームと、ドアヒンジと、ドアリーフと、を含むアセンブリに関する。
【0015】
ここで使用するように、「ドアヒンジ(door hinge)」という言葉は、ドアリーフが、それが開いたり閉じたりする際に、回転軸上を旋回又は回転できるようにするデバイスに関する。中空ボディがドアリーフ上に載置されていれば、ドアリーフの回転軸は、第1の縦方向軸により決定される。直線状の案内要素がドアリーフ上に載置されていれば、ドアリーフの回転軸は、第2の縦方向軸により決定される。一実施形態では、第1の縦方向軸と第2の縦方向軸とは、同心又は同軸である。結果として、ドアリーフの回転軸は、第1及び第2の縦方向軸により決定される。一実施形態では、第1及び第2の縦方向軸は垂直である。したがって、ドアリーフは、例えば、従来のドアリーフを開いたり閉じたりするために、ドアリーフの水平回転により開いたり閉じたりすることができる。代替的な実施形態では、第1及び第2の縦方向軸は水平である。したがって、ドアリーフは、例えば、機器フードを開いたり閉じたりするために、ドアリーフの垂直回転により開いたり閉じたりすることができる。
【0016】
ここで使用するように、「ドアリーフ(door leaf)」という言葉は、バリアに関し、これにより、研究室機器の内部へのエントリ又はゲートが閉じたり開いたりする。したがって、ドアリーフは、研究室機器の内部へのアクセスを防ぐ閉位置から、研究室機器の内部が露出してアクセスが可能となる開位置に、又はその逆に、回転できる。ドアリーフは、研究室機器又は研究室機器フードに適合された従来のドアリーフであってよい。
【0017】
一実施形態では、中空ボディは水平断面を有し、第1の縦方向軸は、その水平断面の中間点に垂直であり、そこに位置する。一実施形態では、中空ボディはパイプである。したがって、中空ボディは、1つの円形の側壁を含み、側壁全体が湾曲している。別の実施形態では、中空ボディは、プロファイルを形成する複数の側壁を含む。また、複数の側壁の少なくとも1つは、湾曲した側壁である。「プロファイル(profile)」という言葉は、ここで使用するように、細長い構造部材を指す。例えば、中空ボディは、立方体状のプロファイルを形成する4つの側壁を含む。ここでは、4つの側壁の少なくとも1つが、湾曲した側壁である。中空ボディは、上端部及び下端部、又は、左端部及び右端部などの、2つの向かい合う端部を含む。一実施形態では、2つの向かい合う端部の1つ又は双方は、開端部である。例えば、中空ボディは、開いた上端部及び/又は開いた下端部を含む。一実施形態では、中空ボディは、円筒状のボアホールを持つ立方体又は直方体である。これは、第1の縦方向軸に平行であり、湾曲した側壁を形成する。
【0018】
ここで使用するように、「軌道(track)」という言葉は、ボディの突出ピンの動きを案内するための、湾曲した側壁からなる案内構造に関する。軌道は、湾曲した側壁の、画定されたアングルアーク上を伸長する。湾曲した側壁の、画定されたアングルアークは、中空ボディと直線状の案内要素との間の最大回転角を画定し得る。中空ボディがパイプであり、円形断面を含む場合、軌道は、画定されたサーキュラアーク上を伸長する。このサーキュラアークは、中空ボディと直線状の案内との間の最大回転角を画定し得る。例えば、アングルアーク又はサーキュラアークが45度の場合、中空ボディと直線状の案内要素とは、互いに対して45度回転可能である。直線状の案内要素の少なくとも一部が、中空ボディ内に配置されているため、ヒンジに対する空間要件は、中空ボディと直線状の案内要素との間の最大回転角から独立している。結果として、研究室機器のためのドアヒンジは、非常にコンパクトに構築できる。
【0019】
一実施形態では、軌道は、細長い貫通孔を湾曲した側壁に含む。別の実施形態では、湾曲した側壁は内面を含み、軌道は、内面における細長い凹み又は溝である。そのような凹み又は溝は、直線状の案内要素と中空ボディとの、互いに対する360度の回転を可能にする。
【0020】
ここで使用するように、「傾いている(inclined)」という言葉は、軌道の少なくとも一部が、第1の縦方向軸に対して平行して向いておらず、直角にも向いていないことを意味する。一実施形態では、軌道の面法線と第1の縦方向軸に平行なベクトルとは、0度でも90度でもない傾斜角度αを囲む。一実施形態では、傾斜角度αは、45度から80度の間、場合により、45度から70度の間、45度から60度の間、又は、場合により、45度から50度の間にある。より具体的な実施形態では、傾斜角度αは45度である。軌道の傾斜の程度又は傾斜角度αは、載置されたドアリーフを開く又は閉じることに必要な力はどれほどか、及び/又は、載置されたドアリーフをどれほど早く開く又は閉じることができるかについて決定する。
【0021】
ここで使用するように、「直線状の案内要素(linear guiding element)」という言葉は、ドアヒンジのボディを、第2の縦方向軸に沿って2つの反対方向に案内するよう適合されているデバイスに関する。一実施形態では、直線状の案内要素は水平断面を有し、第2の縦方向軸は、その水平断面の中間点に垂直であり、そこに位置する。一実施形態では、直線状の案内要素は、側壁を含む。一実施形態では、直線状の案内要素は、さらなるパイプである。したがって、直線状の案内要素は、1つのさらなる円形の側壁を含む。別の実施形態では、直線状の案内要素は、側壁を含む矩形板である。別の実施形態では、直線状の案内要素は、プロファイルを形成する複数の側壁を含む。例えば、直線状の案内要素は、立方体状形状のプロファイルを形成する4つの側壁を含む。より具体的な実施形態では、複数の側壁の、すべてではない、1つ又はそれ以上は、開いた側壁である。直線状の案内要素は、上端部及び下端部、又は、左端部及び右端部などの、2つの向かい合う端部を含む。一実施形態では、2つの向かい合う端部の1つ又は双方は、閉端部である。例えば、直線状の案内要素は、閉じた上端部及び/又は閉じた下端部を含む。
【0022】
一実施形態では、突出ピンは、ボディの横方向の突起である。直線状の案内要素は、直線状の貫通孔を含む。直線状の貫通孔は、第2の縦方向軸に平行であり、突出ピンを案内するよう適合されている。一実施形態では、直線状の貫通孔は、突出ピンを、第2の縦方向軸に沿って2つの反対方向に案内するよう構成されている。したがって、突出ピンを含むボディの動きが、直線状の貫通孔と軌道とにより、同時に案内され、中空ボディと直線状の案内要素との、互いに対する回転を引き起こす。一実施形態では、直線状の案内要素の側壁は、直線状の貫通孔を含む。例えば、直線状の案内要素がさらなるパイプであれば、さらなるパイプの側壁は、直線状の貫通孔を含む。
【0023】
一実施形態では、直線状の案内要素は、直線状の案内要素を、ドアフレーム又はドアリーフ上に載置するよう適合されている支持要素を含む。より具体的な実施形態では、支持要素は、第2の縦方向軸に垂直な板を含む。一実施形態では、支持要素は、ベアリングを含む。ベアリングは、中空ボディと直線状の案内要素との、互いに対する回転を改善し得る。
【0024】
一実施形態では、中空ボディは、中空ボディを、直線状の案内要素上に移動可能に載置するよう適合されているさらなる支持要素を含む。より具体的な実施形態では、さらなる支持要素は、中空ボディを囲み、第1の縦方向軸に垂直な板を含む。
【0025】
一実施形態では、直線状の案内要素の長さは、中空ボディの長さより長い。結果として、直線状の案内要素は、中空ボディから突出する。例えば、中空ボディがパイプであって、直線状の案内要素がさらなるパイプであれば、パイプの長さは、さらなるパイプの長さより短い。結果として、さらなるパイプは、パイプから突出する。
【0026】
一実施形態では、ボディは、直線状の案内要素に移動可能に、回転不可能に取り付けられる。一実施形態では、ボディは、2つの端部を含む。一実施形態では、ボディはピストンであり、突出ピンは、ピストンの横方向の突起である。ピストンは、直線状の案内要素に移動可能に取り付けられる。より具体的な実施形態では、ピストンは、円筒形状を有する。例えば、直線状の案内要素がさらなるパイプであれば、ピストンは円筒状であり、さらなるパイプ内に移動可能に載置される。
【0027】
一実施形態では、ボディは、さらなる突出ピンを含む。直線状の案内要素は、さらなる直線状の貫通孔を含む。さらなる直線状の貫通孔は、第2の縦方向軸に平行であり、さらなる突出ピンを案内するよう適合されている。一実施形態では、さらなる直線状の貫通孔は、さらなる突出ピンを、第2の縦方向軸に沿って2つの反対方向に案内するよう適合されている。一実施形態では、突出ピンとさらなる突出ピンとは、互いに向かい合って位置する。直線状の貫通孔とさらなる直線状の貫通孔とは、互いに向かい合って位置する。例えば、直線状の案内要素がさらなるパイプであれば、さらなるパイプの側壁もまた、さらなる直線状の貫通孔を含む。又は、直線状の案内要素が、立方体状のプロファイルを形成する複数の側壁を含む場合、直線状の貫通孔を含む側壁とさらなる直線状の貫通孔を含む側壁とは、互いに向かい合って位置する。
【0028】
一実施形態では、中空ボディ、直線状の案内要素、及び/又は、突出ピンを含むボディは、三次元印刷製品である。「三次元印刷製品(3D printing product)」という言葉は、ここで使用するように、三次元印刷のプロセスを通して作られたソリッドな製品に関する。三次元プリンタは、実質的に自由に形成可能な中空ボディ、直線状の案内要素、及び/又は、突出ピンを含むボディを、熱可塑性ポリマー、デュロプラスチックポリマー、金属、合金、焼結金属、又は焼結合金からなるフィラメントから生成できる。
【0029】
一実施形態では、ドアヒンジは、ボディを、2つの反対方向の第1の方向に移動させるために、ボディ上に力を働かせるよう構成されている力発生装置をさらに含む。具体的な実施形態では、力発生装置はボディにより提供され、力は、ボディの重量により決定される。別の具体的な実施形態では、力発生装置は、ボディに取り付けられたウェイトピースであり、力は、ウェイトピースの重量により決定される。別の具体的な実施形態では、力発生装置は、直線状の案内要素とボディとを接続する弾性部材である。力は、弾性部材の張力緩和である。より具体的な実施形態では、弾性部材は、スプリングである。より具体的な実施形態では、スプリングは、直線状のスプリングである。直線状のスプリングは、ボディの1つの端部と、直線状の案内要素の1つの閉端部と、を接続する。例えば、直線状のスプリングは、ボディの上端部と、直線状の案内要素の閉じた上端部と、を接続する。したがって、直線状のスプリングは、ボディと、直線状の案内要素の閉じた上端部と、の間に位置する。力発生装置は、直線状の案内要素と中空ボディとの間の、互いに対する回転を促進又は自動化し得る。
【0030】
具体的な実施形態では、張力緩和は、ボディを、2つの反対方向の第1の方向に押す。代替的かつ具体的な実施形態では、張力緩和は、ボディを、2つの反対方向の第1の方向に引く。
【0031】
一実施形態では、弾性部材の張力は、以下にさらに説明するように、ボディが、第1の方向とは反対の第2の方向に動くと作り上げられる。
【0032】
一実施形態では、軌道は、第1のセクションと、移動セクションと、第2のセクションと、を含む。移動セクションは、第1のセクションと第2のセクションとを接続する。移動セクションは、第1の縦方向軸に対して傾いている。一実施形態では、移動セクションの面法線と第1の縦方向軸に平行なベクトルとは、0度でも90度でもない傾斜角度αを囲む。一実施形態では、傾斜角度αは、45度から80度の間、場合により、45度から70度の間、45度から60度の間、又は、場合により、45度から50度の間にある。より具体的な実施形態では、傾斜角度は45度である。
【0033】
一実施形態では、突出ピンは、ボディが2つの反対方向に動くと、第1のセクションと第2のセクションとの間を移動可能となる。中空ボディは、突出ピンが、第1のセクションと第2のセクションとの間を動くと、第1の縦方向軸の周りを、2つの反対の回転方向に回転可能となる。又は、直線状の案内要素とボディとは、突出ピンが、第1のセクションと第2のセクションとの間を動くと、第2の縦方向軸の周りを、2つの反対の回転方向に回転可能となる。
【0034】
一実施形態では、ボディは、第2の縦方向軸に沿って、2つの反対方向の第1の方向に移動可能であり、例えば、力発生装置は、上述するように、ボディを第1の方向に移動させるために、力をボディ上に働かせる。突出ピンは、ボディが第1の方向に動くと、第1のセクションから第2のセクションに向かって移動可能となる。中空ボディは、突出ピンが、第1のセクションから第2のセクションに向かって動くと、第1の縦方向軸の周りを、2つの反対の回転方向の第1の回転方向に回転可能となる。又は、直線状の案内要素とボディとは、突出ピンが、第1のセクションから第2のセクションに向かって動くと、第2の縦方向軸の周りを、2つの反対の回転方向の第1の回転方向に回転可能となる。中空ボディの第1の回転方向は、直線状の案内要素とボディとの第1の回転方向とは反対である。
【0035】
一実施形態では、中空ボディは、第1の縦方向軸の周りを、2つの反対の回転方向の第2の回転方向に回転可能である、又は、直線状の案内要素とボディとは、第2の縦方向軸の周りを、2つの反対の回転方向の第2の回転方向に回転可能である。突出ピンは、中空ボディが、第1の縦方向軸の周りを、2つの反対の回転方向の第2の回転方向に回転すると、又は、直線状の案内要素とボディとが、第2の縦方向軸の周りを、2つの反対の回転方向の第2の回転方向に回転すると、第2のセクションから第1のセクションに向かって移動可能となる。ボディは、突出ピンが第2のセクションから第1のセクションに向かって動くと、第2の縦方向軸に沿って、2つの反対方向の第2の方向に移動可能となる。中空ボディの第2の回転方向は、直線状の案内要素とボディとの第2の回転方向とは反対である。
【0036】
一実施形態では、中空ボディは、第1の縦方向軸の周りを、第1の回転方向に回転可能であり、これにより、中空ボディがドアリーフ上に載置されており、直線状の案内要素が、研究室機器ドアのドアフレーム上に載置されていれば、研究室機器ドアのドアリーフを開いたり閉じたりする。代替的な実施形態では、直線状の案内要素とボディとは、第2の縦方向軸の周りを、第1の回転方向に回転可能であり、これにより、直線状の案内要素がドアリーフ上に載置されており、中空ボディが、研究室機器ドアのドアフレーム上に載置されていれば、研究室機器ドアのドアリーフを閉じたり開いたりする。
【0037】
一実施形態では、弾性部材の張力は、ボディが、2つの反対方向の第2の方向に動くと作り上げられる。ボディは、突出ピンが、第2のセクションから第1のセクションに向かって動くことにより、第2の方向に移動可能となる。突出ピンは、中空ボディが、第1の縦方向軸の周りを、第2の回転方向に回転することにより、又は、直線状の案内要素が、ボディと共に、第2の縦方向軸の周りを、第2の回転方向に回転することにより、第2のセクションから第1のセクションに向けて移動可能となる。
【0038】
一実施形態では、中空ボディは、中空ボディが載置されたドアリーフが、開位置から閉位置に、又は、閉位置から開位置に動くことにより、第2の回転方向に回転可能となる。代替的な実施形態では、直線状の案内要素は、ボディと共に、直線状の案内要素が載置されたドアリーフが、開位置から閉位置に、又は、閉位置から開位置に動くことにより、第2の回転方向に回転可能となる。一実施形態では、ドアリーフは、手動又は自動で移動可能又は旋回可能である。例えば、オペレータは、ドアリーフを、閉位置から開位置に、又は、開位置から閉位置に移動又は旋回させることにより、ドアを開いたり閉じたりできる。別の実施形態では、駆動された物が、ドアリーフを、開位置から閉位置に、又は、閉位置から開位置に移動又は旋回させるために、ドアリーフを押圧する、又は、押す。別の実施形態では、アクチュエータが、ドアリーフを、開位置から閉位置に、又は、閉位置から開位置に移動又は旋回させる。
【0039】
一実施形態では、中空ボディの第1の回転方向への回転速度、又は、直線状の案内要素とボディとの第1の回転方向への回転速度は、力発生装置が生じる力により、及び、第1の縦方向軸に対して傾いている軌道の一部の傾斜の程度、又は、傾斜角度αにより、決定される。したがって、異なる回転速度が、一定の力を想定して、傾斜の程度/傾斜角度αを適合させることにより、又は、一定の傾斜の程度/傾斜角度αを想定して、力を適合させることにより、実現できる。例えば、異なるスプリング強度を持つスプリングが、回転速度を上げたり下げたりすることに使用されてよい。
【0040】
一実施形態では、第2のセクションは、第1の縦方向軸に対して直角に向けられ、突出ピンが、第2のセクションにおいて止められて保持されるようになっている。一実施形態では、第2のセクションの面法線と第1の縦方向軸に平行なベクトルとは、互いに平行であり、突出ピンが、第2のセクションにおいて止められて保持されるようになっている。結果として、ボディが、第1の方向のその直線状の動きにおいて、中空ボディに対する相対位置にて止められ、中空ボディと、直線状の案内要素とボディと、の間の互いに対する回転が止められる。例えば、突出ピンは、ボディが第1の方向に動き、中空ボディが、又は、直線状の案内要素がボディと共に、第1の縦方向軸の周りを、第1の回転方向に回転すると、第2のセクションにおいて止められて保持されるようになっている。
【0041】
一実施形態では、第1のセクションは、第1の縦方向軸に対して直角に向けられ、突出ピンが、第1のセクションにおいて止められて保持されるようになっている。一実施形態では、第1のセクションの面法線と第1の縦方向軸に平行なベクトルとは、互いに平行であり、突出ピンが、第1のセクションにおいて止められて保持されるようになっている。結果として、ボディが、第2の方向のその直線状の動きにおいて、中空ボディに対する相対位置にて止められ、中空ボディと、直線状の案内要素とボディと、の間の回転が止められる。例えば、突出ピンは、ボディが第2の方向に動き、中空ボディが、又は、直線状の案内要素がボディと共に、第1の縦方向軸の周りを、第2の回転方向に回転すると、第1のセクションにおいて止められて保持されるようになっている。
【0042】
一実施形態では、第1のセクションにより保持された突出ピンは、中空ボディの、第1の回転方向への初期回転により、第1のセクションから移動セクションに移動可能である。中空ボディの、第1の回転方向への初期回転は、中空ボディが載置されたドアリーフを移動又は旋回させることを含む。代替的な実施形態では、第1のセクションにより保持された突出ピンは、直線状の案内要素の、ボディとの、第1の回転方向への初期回転により、第1のセクションから移動セクションに移動可能である。直線状の案内要素の、ボディとの、第1の回転方向への初期回転は、直線状の案内要素が載置されたドアリーフを移動又は旋回させることを含む。一実施形態では、ドアリーフは、手動又は自動で移動可能又は旋回可能である。例えば、オペレータは、ドアリーフを移動又は旋回させることができる。別の実施形態では、駆動された物は、ドアリーフを移動又は旋回させるために、ドアリーフを押圧する、又は、押す。別の実施形態では、アクチュエータが、ドアリーフを移動又は旋回させる。
【0043】
一実施形態では、軌道は、第3のセクションを含む。移動セクションは、第1のパートと第2のパートとを含む。移動セクションの第1のパートは、軌道の第1のセクションと第3のセクションとを接続しており、移動セクションの第2のパートは、軌道の第3のセクションと第2のセクションとを接続する。第3のセクションは、第1の縦方向軸に対して直角に向けられ、突出ピンが、第3のセクションにおいて止められて保持されるようになっている。一実施形態では、第3のセクションの面法線と第1の縦方向軸に平行なベクトルとは互いに平行であり、突出ピンが、第3のセクションにおいて止められて保持されるようになっている。結果として、ボディは、その直線状の動きにおいて、中空ボディに対する相対位置にて止められ、中空ボディと、直線状の案内要素とボディと、の間の互いに対する回転が止められる。例えば、突出ピンが、移動セクションの第1のパート上を第3のセクションに向かって動くと、突出ピンは、軌道の第3のセクションにて止められて保持される。一実施形態では、軌道の第3のセクションにより保持された突出ピンは、中空ボディの、第1の回転方向へのさらなる初期回転により、第2のセクションに向けてのさらなる移動のために、第3のセクションから移動セクションの第2のパートに移動可能である。中空ボディの、第1の回転方向へのさらなる初期回転は、中空ボディが載置されたドアリーフを移動又は旋回させることを含む。代替的な実施形態では、軌道の第3のセクションにより保持された突出ピンは、直線状の案内要素の、ボディとの、第1の回転方向へのさらなる初期回転により、第2のセクションに向けてのさらなる移動のために、第3のセクションから移動セクションの第2のパートに移動可能である。直線状の案内要素の、ボディとの、第1の回転方向へのさらなる初期回転は、直線状の案内要素が載置されたドアを移動又は旋回させることを含む。一実施形態では、ドアリーフは、手動又は自動で移動可能又は旋回可能である。例えば、オペレータは、ドアリーフを移動又は旋回させることができる。別の実施形態では、駆動された物は、ドアリーフを移動又は旋回させるために、ドアリーフを押圧する、又は、押す。別の実施形態では、アクチュエータが、ドアリーフを移動又は旋回させる。
【0044】
一実施形態では、移動セクションの第1のパートの面法線と第1の縦方向軸に平行なベクトルとは、0度でも90度でもない傾斜角度αを囲み、移動セクションの第2のパートの面法線と第1の縦方向軸に平行なベクトルとは、0度でも90度でもない傾斜角度βを囲む。一実施形態では、傾斜角度αと傾斜角度βとは、同じであるか、又は異なる。一実施形態では、傾斜角度αは、45度から80度の間、場合により、45度から70度の間、場合により、45度から60度の間、又は、場合により、50度から40度の間にあり、傾斜角度βは、45度から80度の間、場合により、45度から70度の間、場合により、45度から60度の間、又は、場合により、45度から50度の間にある。一実施形態では、傾斜角度αは、45度から80度の間、場合により、45度から70度の間、45度から60度の間、又は、場合により、45度から50度の間にあり、傾斜角度βは、-45度から-80度の間、場合により、-45度から-70度の間、-45度から-60度の間、又は、場合により、-45度から-50度の間にある。より具体的な実施形態では、傾斜角度αと傾斜角度βとは、45度である。別のより具体的な実施形態では、傾斜角度αは45度であり、傾斜角度βは-45度である。
【0045】
一実施形態では、直線状の案内要素は、中空ボディを超えて突出する。直線状の案内要素は、中空ボディに移動可能に取り付けられており、突出ピンが、軌道の第1のセクション、第2のセクション、又は第3のセクション上に保持されると、第1の縦方向軸に沿って、第3の方向と、第3の方向とは反対の第4の方向と、に移動可能となる。例えば、直線状の案内要素は、さらなる力が、直線状の案内要素上に働くことにより、第3の方向に移動可能となる。これにより、張力を、弾力要素上に作り上げる。直線状の案内要素は、作り上げられた張力が緩和されることにより、第4の方向に移動可能となる。この実施形態は、以下にさらに説明するような、スクリュ又はボルトなどの固定要素を使用することなく、研究室機器ドア組み立てキットを組み立てることに好適であり得る。
【0046】
本開示はまた、ドアフレームと、ここに説明するようなドアヒンジと、ドアリーフと、を含む研究室機器ドアにも関する。直線状の案内要素又は中空ボディは、ドアフレーム上に載置される。直線状の案内要素が、ドアフレーム上に載置されていれば、中空ボディは、ドアリーフ上に載置される。中空ボディが、ドアフレーム上に載置されていれば、直線状の案内要素は、ドアリーフ上に載置される。
【0047】
一実施形態では、ドアリーフ又はドアフレームは、中空ボディを載置するよう構成されている載置要素を含む。ドアリーフが載置要素を含む場合には、ドアフレームは、直線状の案内要素を載置するよう構成されている載置構造を含む。又は、ドアフレームが載置要素を含む場合には、ドアリーフは、載置構造を含む。一実施形態では、載置要素は、中空ボディを挿入して固定できる固定孔である。また、載置構造は、直線状の案内要素を、例えば、支持要素と、スクリュ又はボルトと、を介して載置することができるプラットフォームである。
【0048】
一実施形態では、ドアリーフは、閉位置と開位置との間を移動可能又は旋回可能である。ドアリーフは、ボディが第1の方向に動くと、閉位置又は開位置に移動可能又は旋回可能となる。一実施形態では、ドアリーフの閉位置と開位置との間の角度は、軌道がその上を伸長する湾曲した側壁のアングルアーク又はサーキュラアングルの2つのエンドポイントにより画定される。例えば、軌道は、湾曲した側の、45度のアングルアーク又はサーキュラアーク上を伸長する。ドアリーフの開位置と閉位置との間の角度は、45度である。
【0049】
一実施形態では、ドアリーフが開位置にあれば、突出ピンは、第1のセクションに位置し、ドアリーフが閉位置にあれば、突出ピンは、第2のセクションに位置する。別の実施形態では、ドアリーフが閉位置にあれば、ピンは、第1のセクションに位置し、ドアリーフが開位置にあれば、ピンは、第2のセクションに位置する。
【0050】
一実施形態では、ドアフレームは、ボディが第1の方向に動くと、ドアリーフを止めるよう構成されており、ドアフレームがドアリーフを止めると、突出ピンが、移動セクション上に止められるようになっている。突出ピンが、傾いている移動セクション上に止められると、ボディを第1の方向に移動させるためのボディ上の力が、ドアリーフを、ドアフレームに向けて押圧する。したがって、ドアは、閉位置に良好に維持される。ボディ上に働く力により、ドアを閉位置に維持するための追加的なロック機構が不要となる。一実施形態では、ドアリーフの閉位置と開位置との間の角度は、軌道がその上を伸長する湾曲した側壁のアングルアーク又はサーキュラアングルより小さい。例えば、軌道は、湾曲した側の、50度のアングルアーク又はサーキュラアーク上を伸長する。ドアリーフの開位置と閉位置との間の角度は、45度のみである。
【0051】
本開示はさらに、ここに説明するような研究室機器ドアと、ハウジングと、を含む研究室機器に関する。ドアフレームは、ハウジング上に載置される。又は、ドアフレームは、ハウジングに含まれる。
【0052】
ここで使用するように、「研究室機器(laboratory instrument)」という言葉は、診断研究室の分析前装置、分析装置、又は分析後装置に関する。分析前装置は、通常、テストサンプル又はテストサンプル容器の前処理に使用され得る。分析装置は、例えば、これに基づいて、検体が存在するか否か、及び、必要であれば、その濃度はどれほどか、を判定することができる、測定可能な信号を生成するために、テストサンプル、又は、テストサンプルの一部、及び、テスト試薬を使用するように設計され得る。分析後装置は、通常、テストサンプル又はテストサンプル容器のアーカイブなど、テストサンプル又はテストサンプル容器の後処理に使用され得る。分析前装置、分析装置及び分析後装置は、例えば、次のデバイスのグループからの少なくとも1つのデバイスを含んでよい:テストサンプル容器をソートするソーティングデバイス、テストサンプル容器のキャップ又は封止を取り外すキャップ取り外しデバイス、テストサンプル容器にキャップ又は封止を取り付けるキャップ取り付けデバイス、テストサンプル容器からキャップ又は封止を取り外す/テストサンプル容器にキャップ又は封止を取り付けるキャップ取り外し/取り付けデバイス、テストサンプルにピペット操作するピペッティングデバイス、テストサンプルを分割するアリクォーティングデバイス、テストサンプルを遠心分離するセントリフュージングデバイス、テストサンプルを分析するアナライジングデバイス、テストサンプルを加熱するヒーティングデバイス、テストサンプルを冷却するクーリングデバイス、テストサンプルを混合するミキシングデバイス、テストサンプルの検体を分離するセパレーションデバイス、テストサンプルを保存するストーリングデバイス、テストサンプルをアーカイブするアーカイビングデバイス、テストサンプル容器のタイプを判定するテストサンプル容器タイプ判定デバイス、テストサンプルの品質を判定するテストサンプル品質判定デバイス、及び、テストサンプル容器を識別するテストサンプル容器識別デバイス。そのような分析前装置、分析装置、分析後装置、及びデバイスは、当該技術分野において周知である。
【0053】
ここで使用するように、「ハウジング(housing)」という言葉は、研究室機器の内部を、環境要因(例えば、温度、湿度、ほこり、など)から保護する、及び/又、研究室機器の内部へのアクセスを防ぐ強固なカバー又はケースに関する。ハウジングは、研究室機器の内部へのエントリ又はゲートを含む。エントリ又はゲートは、研究室機器ドアのドアリーフを、開位置から閉位置へ、及び、閉位置から開位置へ移動又は旋回させることにより、閉じたり開いたりすることができる。一実施形態では、研究室機器ドアのドアリーフの、開位置から閉位置への、又は、閉位置から開位置への移動又は旋回は、上述するような、ドアヒンジの力発生装置により駆動される。
【0054】
本開示はさらに、ドアフレームと、ここに説明するようなドアヒンジと、ドアリーフと、を含む研究室機器ドア組み立てキットに関する。ドアリーフ又はドアフレームは、中空ボディを載置するよう構成されている載置要素を含む。ドアリーフが載置要素を含む場合には、ドアフレームは、載置構造を含む。又は、ドアフレームが載置要素を含む場合には、ドアリーフは、載置構造を含む。載置構造は、直線状の案内要素を載置するよう構成されている。載置構造は、第1の側と、第2の側と、細長いスロットと、固定位置と、を含む固定板を含む。細長いスロットは、直線状の案内要素を、固定位置に挿入するよう構成されている。中空ボディは、直線状の案内要素が細長いスロットに挿入されると、固定板の第1の側上をスライド可能となる。載置構造は、直線状の案内要素が細長いスロットに挿入されると、さらなる力を、直線状の案内要素上に働かせるよう構成されている導入スロープをさらに含む。直線状の案内要素は、導入スロープが、さらなる力を、直線状の案内要素上に働かせると、第3の方向に移動可能となる。弾性部材は、直線状の案内要素が第3の方向に移動すると、張力を作り上げることができる。載置構造は、直線状の案内要素を固定するよう構成されている固定リセスをさらに含む。弾性部材は、直線状の案内要素が固定位置にあると、その張力を緩和できる。直線状の案内要素は、弾性部材がその張力を緩和すると、第4の方向に移動可能となる。直線状の案内要素は、直線状の案内要素が第4の方向に移動すると、固定リセス内に移動可能となる。直線状の案内要素の支持要素は、直線状の案内要素が第4の方向に移動すると、固定板の第2の側を押圧することができる。
【0055】
そのような研究室機器ドア組み立てキットは、スクリュ又はボルトなどの固定要素を使用することなく、研究室機器ドアを組み立てることを可能にする。
【0056】
本開示はさらに、ここに説明するような、研究室機器ドア組み立てキットを組み立てるための方法に関する。本方法は、
中空ボディを、載置要素上に載置することと、
直線状の案内要素を、載置構造の細長いスロットに、直線状の案内要素が固定位置に入るまで挿入することと、
を含む。
【0057】
一実施形態では、ステップa)は、ステップb)の前に実行される。代替的な実施形態では、ステップb)は、ステップa)の前に実行される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1図1(A)から図1(C)は、研究室機器ドアのためのドアヒンジの実施形態を示す。
図2図2(A)及び図2(B)は、突出ピンを含むボディと、直線状の案内要素と、の実施形態を示す。
図3図3(A)から図3(D)は、中空ボディと、軌道と、の実施形態を描く。
図4図4(A)及び図4(B)は、研究室機器ドアの実施形態を示す。
図5】研究室機器の実施形態を示す。
図6図6(A)及び図6(B)は、研究室機器ドアのためのドアヒンジの実施形態の模式的な側面図を示す。
図7図7(A)及び図7(B)は、研究室機器ドア組み立てキットの実施形態の模式図を示す。
図8図8(A)から図8(D)は、研究室機器ドア組み立てキットを組み立てるための方法の一連のステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1(A)から図1(C)は、研究室機器ドア(50)のためのドアヒンジ(10)の実施形態を示す。図1(A)及び図1(B)に示すように、ドアヒンジ(10)は、第1の縦方向軸(16)を持つ中空ボディ(14)を含む。中空ボディ(14)は、湾曲した側壁(18)を含む。湾曲した側壁(18)は、軌道(20)を含む。これは、図1(A)及び図1(B)に一部のみ見ることができる。軌道(20)の少なくとも一部は、図3に示すように、第1の縦方向軸(16)に対して傾いている。図1(A)及び図1(C)に示すように、ドアヒンジ(10)は、第1の縦方向軸(16)に平行な第2の縦方向軸(24)を持つ直線状の案内要素(22)をさらに含む。ここに示す実施形態では、第1の縦方向軸(16)と第2の縦方向軸(24)とは、同心又は同軸である。直線状の案内要素(22)の少なくとも一部は、図1(A)に示すように、中空ボディ(14)内に配置されている。直線状の案内要素(22)と中空ボディ(14)とは、2つの向かい合って回る矢印が示すように、互いに対して回転可能である。図1(C)及び図2(A)に示すように、ドアヒンジ(10)は、突出ピン(28)を含むボディ(26)をさらに含む。図1(A)では、突出ピン(28)のみを見ることができる。ボディ(26)は、直線状の案内要素(22)に移動可能に取り付けられており、ボディ(26)が、第2の縦方向軸(24)に沿って2つの反対方向(32、33)に移動可能であり、一方で、突出ピン(28)が、軌道(20、図示せず)上を移動可能になっている。ここに示す実施形態では、中空ボディ(14)はパイプであり、直線状の案内要素(22)は、さらなるパイプである。ここに示す直線状の案内要素(22)は、図4に示すように、直線状の案内要素(22)を、ドアフレーム(52)又はドアリーフ(54)上に載置するよう適合されている支持要素(48)を含む。ここに示す中空ボディ(14)は、中空ボディ(14)を、直線状の案内要素(22)上に載置するよう適合されているさらなる支持要素(49)を含む。図1(B)では、ドアヒンジ(10)の中空ボディ(14)のみを示す。中空ボディ(14)は、第1の縦方向軸(16)と、湾曲した側壁(18)と、さらなる支持要素(49)と、を含む。中空ボディは、軌道(20)をさらに含む。これは、図1(B)に一部のみ見ることができる。図1(C)では、直線状の案内要素(22)と、突出ピン(28)を含むボディ(26)と、のみを示す。ボディ(26)は、直線状の案内要素(22)に移動可能に取り付けられており、図1(C)にて反対の直線状の矢印が示すように、ボディ(26)が、第2の縦方向軸(24)に沿って2つの反対方向(32、33)に移動可能になっている。図1(C)にさらに示すように、突出ピン(28)は、ボディ(26)の横方向の突起である。直線状の案内要素(22)は、直線状の貫通孔(34)を含む。直線状の貫通孔(34)は、第2の縦方向軸(24)に平行であり、突出ピン(28)を、2つの反対方向(32、33)に案内するよう適合されている。直線状の案内要素(22)の、ここに示す支持要素(48)は、中空ボディ(14)と直線状の案内要素(22)との、互いに対する回転を改善するベアリング(47)を含む。図1(A)及び図1(C)にさらに示すように、ドアヒンジ(10)は、ボディ(26)を、2つの反対方向(32、33)の第1の方向(32)に移動させるために、ボディ(26)上に力を働かせるよう構成されている力発生装置(30)を含む。ここに示す実施形態では、力発生装置(30)は弾性部材(31)であり、具体的には、直線状の案内要素(22)の閉じた上端部と、ボディ(26)の上端部と、を接続する直線状のスプリングである。したがって、弾性部材(31)は、ボディ(26)と、直線状の案内要素(22)の閉じた上端部と、の間に位置する。
【0060】
図2(A)から図2(B)は、図1(A)及び図1(C)に示すような、突出ピン(28)を含む同じボディ(26)と、直線状の案内要素(22)と、を示す。図2(A)では、突出ピン(28)を含むボディ(26)のみを示す。ここに示す実施形態では、ボディ(26)は、さらなる突出ピン(29)を含む。突出ピン(28)とさらなる突出ピン(29)とは、互いに向かい合って位置する。図2(B)では、その第2の縦方向軸(24)と、直線状の貫通孔(34)と、支持要素(48)と、を持つ直線状の案内要素(22)のみを示す。ここに示す実施形態では、直線状の案内要素(22)は、さらなる直線状の貫通孔(35)を含む。さらなる直線状の貫通孔(35)は、第2の縦方向軸(24)に平行であり、さらなる突出ピン(29)を、第2の縦方向軸(24)に沿って2つの反対方向(32、33)に案内するよう適合されている。ここに示すさらなる直線状の貫通孔(35)は、直線状の貫通孔(34)に向かい合って位置する。2つの直線状の貫通孔(34、35)により、ボディ(26)の2つの突出ピン(28、29)を案内することは、ボディ(26)を、2つの反対方向(32、33)に案内することを改善する。
【0061】
図3(A)から図3(D)は、中空ボディ(14)と、軌道(20)と、の実施形態を描く。図3(A)は、図1(A)及び図1(B)に示すような、その第1の縦方向軸(16)と、湾曲した側壁(18)と、を持つ中空ボディ(14)の断面の斜視図を示す。図3(B)は、図3(A)に示すような、中空ボディ(14)の断面の側面図を示す。図3(A)及び図3(B)に示すように、湾曲した側壁(18)は、突出ピン(28)が移動可能である軌道(20)を含む。ここに示す実施形態では、軌道(20)は、湾曲した側壁(18)の内面の細長い凹み又は溝であり、第1のセクション(36)と、移動セクション(38)と、第2のセクション(40)と、を含む。移動セクション(38)は、第1のセクション(36)と第2のセクション(40)とを接続する。移動セクション(38)は、第1の縦方向軸(16)に対して傾いている。図3(B)に示すように、移動セクション(38)の面法線(39)と第1の縦方向軸(16)に平行なベクトル(17)とは、0度でも90度でもない傾斜角度α(43)を囲む。ここに示す実施形態では、傾斜角度αは50度である。突出ピン(28)は、ボディ(26)が第1の方向(32)に動くと、第1のセクション(36)から第2のセクション(40)に向けて移動可能となる。したがって、突出ピン(28)の動きが、軌道(20)と直線状の貫通孔(34)とにより案内され、中空ボディ(14)と直線状の案内要素(22)との、互いに対する回転を引き起こす。例えば、突出ピン(28)の、第1のセクション(36)から第2のセクション(40)への動きは、中空ボディ(14)の、第1の縦方向軸(16)の周りの、第1の回転方向への回転を引き起こすか、又は、直線状の案内要素(22)とボディ(28)との、第2の縦方向軸(24)の周りの、第1の回転方向への回転を引き起こす。図3(B)にさらに示すように、第2のセクション(40)は、第1の縦方向軸(16)に対して直角に向けられ、ボディ(26)が第1の方向(32)に動くと、突出ピン(28)が、第2のセクション(40)において止められて保持されるようになっている。第2のセクション(40)の面法線(41)と第1の縦方向軸(17)に平行なベクトル(17)とは、互いに平行であり、ボディ(28)が第1の方向(32)に動くと、突出ピンが、第2のセクション(40)において止められて保持されるようになっている。第2のセクション(40)は、研究室機器ドア(50)のドアリーフ(54)の開位置又は閉位置を画定し得る。ここに示す第1のセクション(36)もまた、第1の縦方向軸(16)に対して直角に向けられ、ボディ(28)が、第1の方向(32)とは反対の第2の方向(33)に動くと、突出ピン(28)が、第1のセクション(36)において止められて保持されるようになっている。第1のセクション(36)の面法線(37)と第1の縦方向軸(17)に平行なベクトル(17)とは、互いに平行であり、ボディ(28)が、第1の方向(32)とは反対の第2の方向(33)に動くと、突出ピンが、第1のセクション(36)において止められて保持されるようになっている。第1のセクション(36)は、研究室機器ドア(50)のドアリーフ(54)の閉位置又は開位置を画定し得る。図3(C)は、中空ボディ(14)のさらなる実施形態の断面の模式的な側面図を示す。ここに示す中空ボディ(14)は、第3のセクション(42)を持つ軌道(20)を含む。移動セクション(38)は、第1のパート(44)と、第2のパート(46)と、を含む。移動セクション(38)の第1のパート(44)は、軌道(20)の第1のセクション(36)と第3のセクション(42)とを接続する。移動セクション(38)の第2のパート(46)は、軌道(20)の第3のセクション(42)と第2のセクション(40)とを接続する。第3のセクション(42)は、第1の縦方向軸(16)に対して直角に向けられ、ボディ(28)が第1の方向(32)又は第2の方向(33)に動くと、突出ピン(28)が、第3のセクション(42)において止められて保持されるようになっている。第3のセクション(42)の面法線(図示せず)と第1の縦方向軸(16)に平行なベクトル(図示せず)とは、互いに平行であり、ボディ(28)が第1の方向(32)又は第2の方向(33)に動くと、突出ピン(28)が、第3のセクション(42)において止められて保持されるようになっている。したがって、第3のセクション(40)は、研究室機器ドア(50)のドアリーフ(54)の開位置及び閉位置の間の中間位置を画定し得る。図3(C)では、移動セクション(38)の第1のパート(44)と第2のパート(46)とは、第1の縦方向軸(16)に対して同じ傾斜角度を有する。移動セクション(38)の第1のパート(44)の面法線と第1の縦方向軸(16)に平行なベクトルとは、傾斜角度α(43)を囲む。移動セクション(38)の第2のパート(46)の面法線と第1の縦方向軸に平行なベクトルとは、傾斜角度β(45)を囲む。傾斜角度α(43)と傾斜β(45)とは、図3(C)では同じである。しかし、第1のセクション(36)と、第2のセクション(40)と、第3のセクション(42)と、は、図3(D)に示すように、移動セクション(38)の第1のパート(44)がポジティブな傾斜角度α(43)を有し、移動セクション(38)の第2のパート(46)がネガティブな傾斜角度β(45)を有するよう配置され得る。軌道(20)のこの配置は、ドアリーフ(54)を、1つの閉位置から2つの異なる開位置へ、又は、1つの開位置から2つの異なる閉位置へ移動させることに好適であり得る。
【0062】
図4(A)から図4(B)は、研究室機器ドア(50)の実施形態を示す。図4(A)に示すような研究室ドア(50)は、ドアフレーム(52)と、図1(A)に示すようなドアヒンジ(10)と、ドアリーフ(54)と、を含む。ここに示す実施形態では、直線状の案内要素(22)は、支持要素(48)を介して、ドアフレーム(52)上に載置される。中空ボディ(14)は、さらなる支持要素(49)を介して、ドアリーフ(54)上と、直線状の案内要素(22)上と、に載置される。中空ボディ(14)は、載置要素(66)を介して、ドアリーフ(54)上に載置される。ドアリーフ(54)は、中空ボディ(14)を挿入して固定できる固定孔の形態の載置要素(66)を含む。図4(B)は、ドアリーフ(54)のない研究室機器ドア(55)を示す。ここに示す実施形態では、支持要素(48)は、ドアフレーム(52)のプラットフォーム(55)の形態の載置構造(68)上に、スクリュ(53)を用いて載置される。
【0063】
図5は、研究室機器(60)の実施形態の模式的な側面図を示す。研究室機器(60)は、図4に示すような研究室機器ドア(50)と、ハウジング(62)と、を含む。ここに示す例では、ドアフレーム(52)はハウジング(62)上に載置されており、ドアリーフ(54)は開位置にある。ドアリーフ(54)は、2つのドアヒンジ(10)により、ドアフレーム(52)上に載置される。しかし、ドアリーフ(52)は、1つのドアヒンジ(10)を用いて、又は、2つを超えるドアヒンジ(10)を用いて載置することができる。ここに説明するようなドアヒンジ(10)と、ドアリーフ(54)をドアフレーム(52)上に載置するための従来のドアヒンジと、の組み合わせを使用することもまた可能である。
【0064】
図6(A)から図6(B)は、図1(A)に示すような、研究室機器ドア(50)のためのドアヒンジ(10)の断面の模式的な側面図を示す。図6(A)に示すように、ドアヒンジ(10)は、直線状の案内要素(22)を含み、これは、中空ボディ(14)を超えて突出する。突出ピン(28)は、第1の縦方向軸(16)に対して直角である第2のセクション(40)上に保持されている。直線状の案内要素(22)は、中空ボディ(14)に移動可能に取り付けられ、第1の縦方向軸(16)に沿って、図6(A)にて矢印が示すような第3の方向(56)に移動可能である。例えば、直線状の案内要素(22)は、さらなる力が、直線状の案内要素(22)の上端部上に働くことにより、第3の方向(56)に移動し得る。突出ピン(28)が、軌道(20)の、第1の縦方向軸(16)に対して直角である第1のセクション(36)又は第3のセクション(40、図示せず)上に保持されると、直線状の案内要素(22)もまた、第1の縦方向軸(16)に沿って、第3の方向(56)に移動可能となる。直線状の案内要素(22)が第3の方向(56)に移動することにより、直線状の案内要素(22)と突出ピン(28)を含むボディ(26)とを接続する弾性部材(31)の張力が、図6(B)に示すように作り上げられる。図6(B)は、直線状の案内要素(22)が、第1の縦方向軸(16)に沿って、矢印が示すような、第3の方向(56)とは反対の第4の方向(58)に移動可能であることをさらに示す。直線状の案内要素(22)は、弾性部材(31)の張力緩和により、第4の方向(56)に移動する。
【0065】
図7(A)から図7(B)は、ドアフレーム(52)と、図6に示すようなドアヒンジ(10)と、ドアリーフ(54)と、を含む研究室機器ドア組み立てキット(64)の実施形態の模式的な側面図を示す。ここに示す実施形態では、ドアリーフ(54)は、中空ボディ(14)を挿入して固定できる固定孔の形態の載置要素(66)を含む。ドアフレーム(52)は、直線状の案内要素(22)を載置するよう構成されている載置構造(68)を含む。代替的な実施形態では、ドアフレーム(52)は、中空ボディ(14)を、ドアリーフ(54)上に載置するよう構成されている載置要素(66)を含み、ドアリーフ(54)は、直線状の案内要素(22)を載置するよう構成されている載置構造(68)を含む。ここに示す載置構造(68)は、第1の側(72)と、第2の側(74)と、細長いスロット(76)と、固定位置(78)と、を含む固定板(70)を含む。固定板(70)の上面図を図7(B)に示す。細長いスロット(76)は、図8(B)及び図8(C)に示すように、直線状の案内要素(22)を、固定位置(78)に挿入するよう構成されている。図8(C)にさらに示すように、中空ボディ(14)は、直線状の案内要素(22)が細長いスロット(76)に挿入されると、固定板(70)の第1の側(72)上をスライド可能となる。載置構造(68)は、直線状の案内要素(22)が細長いスロット(76)に挿入されると、さらなる力を、直線状の案内要素(22)上に働かせるよう構成されている導入スロープ(80)をさらに含む。直線状の案内要素(22)は、図8(C)に示すように、導入スロープ(80)が、さらなる力を、直線状の案内要素(22)上に働かせると、第3の方向(56)に移動可能となる。図6(B)及び図8(C)に示すように、弾性部材(31)は、直線状の案内要素(22)が第3の方向(56)に移動すると、張力を作り上げることができる。載置構造(68)は、図8(D)に示すように、直線状の案内要素(22)を固定するよう構成されている固定リセス(82)をさらに含む。図8(D)にさらに示すように、弾性部材(31)は、直線状の案内要素(22)が固定位置(78)にあると、その張力を緩和する。直線状の案内要素(22)は、弾性部材(31)がその張力を緩和すると、第4の方向(58)に移動可能となる。
【0066】
直線状の案内要素(22)は、直線状の案内要素(22)が第4の方向(58)に動くと、固定リセス(82)内に移動可能となる。直線状の案内要素(22)の支持要素(48)は、直線状の案内要素(22)が第4の方向(58)に動くと、固定板(70)の第2の側(74)を押圧することができる。
【0067】
図8(A)から図8(D)は、図7に示すような、研究室機器ドア組み立てキット(64)を組み立てるための方法(84)の一連のステップ(86、88)を示す。方法(84)のステップa)(86)では、中空ボディ(14)が、載置要素(66)上に載置される。例えば、中空ボディ(14)は、図8(A)にて矢印が示すように、固定孔に挿入される。続いて、方法(84)のステップb)(88)では、直線状の案内要素(22)は、直線状の案内(22)が、図8(D)に示すような固定位置(78)になるまで、図8(B)及び図8(C)にて矢印が示すように、細長いスロット(76)に挿入される。図8(C)に示すように、導入スロープ(80)は、直線状の案内要素(22)が細長いスロット(76)に挿入されると、さらなる力を、直線状の案内要素(22)上に働かせる。直線状の案内要素(22)は、導入スロープ(80)が、さらなる力を、直線状の案内要素(22)上に働かせ、弾性部材(31)が張力を作り上げると、第3の方向(56)に動く。図8(D)では、直線状の案内要素(22)が固定位置(78)にあり、弾性部材(31)は、その張力を緩和する。弾性部材(31)の張力を緩和させることにより、直線状の案内要素(22)が第4の方向(58)に動いて固定リセス(82)に入り、直線状の案内要素(22)の支持要素(48)が、固定板(70)の第2の側(74)を押圧する。
【0068】
前述の説明及び図では、本開示の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が示されている。しかしながら、当業者には、本教示を実施するために特定の詳細を使用する必要がないことは明らかであろう。他の例では、本開示を曖昧にすることを回避するために、周知の材料又は方法は詳細に説明されていない。
【0069】
特に、上記の説明を踏まえ、開示された実施形態変更及びバリエーションが確かに可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内で、上記の例に具体的に記載されている以外の方法で本発明を実施できることを理解されたい。
【0070】
また、本明細書全体を通して「一実施形態」、「実施形態」、「一例」又は「例」への言及は、実施形態又は例に関して説明される特定の特徴、構造又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な場所での「一実施形態では」、「実施形態では」、「一例」又は「例」という句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態又は例を指すとは限らない。
【符号の説明】
【0071】
10 ドアヒンジ
14 中空ボディ
16 第1の縦方向軸
17 第1の縦方向軸に平行なベクトル
18 湾曲した側壁
20 軌道
22 直線状の案内要素
24 第2の縦方向軸
26 ボディ
28 突出ピン
29 さらなる突出ピン
30 力発生装置
31 弾性部材
32 第1の方向
33 第2の方向
34 直線状の貫通孔
35 さらなる直線状の貫通孔
36 第1のセクション
37 第1のセクションの面法線
38 移動セクション
39 移動セクションの面法線
40 第2のセクション
41 第2のセクションの面法線
42 第3のセクション
43 傾斜角度α
44 移動セクションの第1のパート
45 傾斜角度β
46 移動セクションの第2のパート
47 ベアリング
48 支持要素
49 さらなる支持要素
50 研究室機器ドア
52 ドアフレーム
53 スクリュ
54 ドアリーフ
55 プラットフォーム
56 第3の方向
58 第4の方向
60 研究室機器
62 ハウジング
64 研究室機器ドア組み立てキット
66 載置要素
68 載置構造
70 固定板
72 第1の側
74 第2の側
76 細長いスロット
78 固定位置
80 導入スロープ
82 固定リセス
84 研究室機器ドア組み立てキットを組み立てるための方法
86 方法ステップa)
88 方法ステップb)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】