(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022040098
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】2つのコンピュータシステム間で周辺装置を切り替えるための方法
(51)【国際特許分類】
G06F 13/14 20060101AFI20220303BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20220303BHJP
G06F 3/00 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
G06F13/14 310D
G06F3/14 360A
G06F3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021138878
(22)【出願日】2021-08-27
(31)【優先権主張番号】10 2020 122 586.5
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】トビアス・バール
【テーマコード(参考)】
5B069
【Fターム(参考)】
5B069AA01
5B069BB11
5B069KA06
(57)【要約】
【課題】2つのコンピュータシステム間で周辺装置を切り替えるための方法を提供する。
【解決手段】本発明は、2つのコンピュータシステム(2,3)間で周辺装置(1)を切り替えるための方法に関する。周辺装置(1)及び2つのコンピュータシステム(2,3)は、共通のディスプレイ(4)に接続され、周辺装置(1)は、共通のディスプレイ(4)を介して2つのコンピュータシステム(2,3)のうちの第1のものにリンクされる。この方法によれば、ソフトウェアベースの変更コマンド(5)は、2つのコンピュータシステム(2,3)のうち1つにおけるソフトウェア(6,7)によって生成され、ディスプレイ(4)に送信される。ディスプレイ(4)では、ソフトウェアベースの変更コマンド(5)に基づいて、切り替えコンポーネント(8)における切り替えがトリガされ、それにより周辺装置(1)の接続が、2つのコンピュータシステム(2,3)のうちの第1のものから2つのコンピュータシステム(2,3)のうちの第2のものに切り替わる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのコンピュータシステム間で少なくとも1つの周辺装置を切り替えるための方法であって、
前記周辺装置及び前記2つのコンピュータシステムは、共通のディスプレイにリンクされ、
前記周辺装置は、前記共通のディスプレイを介して前記2つのコンピュータシステムのうちの第1のものにリンクされ、前記方法は、
前記2つコンピュータシステムのうちの1つにおけるソフトウェアによって、ソフトウェアベースの変更コマンドを生成することと、
前記ソフトウェアベースの変更コマンドを前記ディスプレイに送信することと、
前記ソフトウェアベースの変更コマンドに基づいて、前記ディスプレイ内の切り替えコンポーネントにおける切り替えをトリガすることと、
前記切り替えコンポーネントを用いて、前記2つのコンピュータシステムのうちの前記第1のものから前記2つのコンピュータうちの第2のものに前記周辺装置の接続を切り替えることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記ソフトウェアベースの変更コマンドは、前記ディスプレイ内の評価ユニットによって処理され、前記評価ユニットは、前記切り替えコンポーネントにおける前記切り替えをトリガする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ソフトウェアベースの変更コマンドは、
Monitor Control Command Set 規格に従ったVirtual Control Panelコマンドコードであるか、
Monitor Control Command Set 規格に従ったVirtual Control Panelに影響を与えるか、又は
前記ディスプレイ内でMonitor Control Command Set規格に従ったVirtual Control Panelコマンドコードの変更を引き起こす、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
トリガコマンドは、前記周辺装置から前記ディスプレイに送信され、前記ディスプレイを用いて前記2つのコンピュータシステムのうちの1つに送信され、前記トリガコマンドは、前記ソフトウェアベースの変更コマンドを生成するために、前記2つのコンピュータシステムのうちの前記1つによって評価される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記トリガコマンドは、Human Interface Device規格に従ったコマンドである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも2つのコンピュータシステム及び周辺装置を接続するためのインターフェースを含むディスプレイであって、前記ディスプレイは、
前記ディスプレイに接続された少なくとも2つのコンピュータシステムのうちの1つからソフトウェアによって生成されたソフトウェアベースの変更コマンドを受信することと、
前記ソフトウェアベースの変更コマンドに基づいて、前記ディスプレイ内の切り替えコンポーネントにおける切り替えをトリガすることと、
前記ディスプレイに接続され、かつ前記少なくとも2つのコンピュータシステムのうちの第1のものに接続された周辺装置に関して、前記切り替えコンポーネントを用いて前記少なくとも2つのコンピュータシステムのうちの前記第1のものから前記少なくとも2つのコンピュータシステムのうちの第2のものに前記周辺装置のリンクを切り替えることと、を行うように構成されている、ディスプレイ。
【請求項7】
前記ディスプレイは、受信された前記ソフトウェアベースの変更コマンドを処理し、前記切り替えコンポーネントにおける前記切り替えをトリガするように構成されている内部評価ユニットを含む、請求項6に記載のディスプレイ。
【請求項8】
前記ディスプレイは、受信された前記ソフトウェアベースの変更コマンドが、Monitor Control Command Set規格に従ってVirtual Control Panelコマンドコードとして認識され、及び/又は、Monitor Control Command Set規格に従ってVirtual Control Panelに影響を与え、及び/又は、前記ディスプレイ内でMonitor Control Command Set規格に従ってVirtual Control Panelコマンドコードの変更を引き起こす、請求項6又は7に記載のディスプレイ。
【請求項9】
前記ディスプレイは、前記周辺装置からトリガコマンドを受信し、前記ソフトウェアベースの変更コマンドを生成するために、前記少なくとも2つのコンピュータシステムのうちの1つに前記トリガコマンドを送信するように構成されている、請求項6~8のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【請求項10】
ディスプレイに接続するための1つ以上のインターフェースを含むコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは、前記少なくとも1つのインターフェースを用いて前記コンピュータシステムに接続されたディスプレイを介して、前記コンピュータシステムに周辺装置をリンクさせるように構成されており、前記周辺装置は、前記ディスプレイに追加的に接続され、
前記コンピュータシステムが、ソフトウェアベースの変更コマンドを生成するように構成されているソフトウェアをさらに含み、
前記コンピュータシステムは、前記コンピュータシステムと、前記ディスプレイに追加的に接続された別のコンピュータシステムとの間で前記周辺装置の前記接続を切り替えるために、前記ソフトウェアベースの変更コマンドを前記ディスプレイに送信するように構成されている、コンピュータシステム。
【請求項11】
前記コンピュータシステムは、前記ディスプレイを用いて、前記周辺装置によって生成されたトリガコマンドを受信し、前記ソフトウェアベースの変更コマンドを生成するための前記ソフトウェアによって前記トリガコマンドを評価するように構成されている、請求項10に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
ディスプレイ、少なくとも1つの周辺装置、及び少なくとも2つのコンピュータシステムを有するアセンブリであって、
前記周辺装置と前記2つのコンピュータシステムは、共に前記ディスプレイに接続され、
前記周辺装置は、共通ディスプレイを介して前記2つのコンピュータシステムのうちの1つに接続することができ、
前記2つのコンピュータシステムのうちの少なくとも1つは、請求項10又は11の記載により実装され、
前記ディスプレイは、請求項6~9のいずれか一項の記載により実装される、アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つのコンピュータシステム間で周辺装置を切り替えるための方法に関する。さらに、本発明は、ディスプレイ及びコンピュータシステムに関する。追加的に、本発明は、このようなディスプレイと、少なくとも1つの周辺装置と、2つのコンピュータシステム間で周辺装置を切り替えるように構成されている少なくとも2つのコンピュータシステムとを有するアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
少なくとも2つのコンピュータシステムがディスプレイに接続され、異なるコンピュータシステムからの画像/ビデオ信号がディスプレイを介して表示可能なアプリケーションがますます望まれている。画面領域の大きさが増すにつれて、いわゆるPbP(Picture-by-Picture)機能もより一般的になってきている。この機能により、異なるコンピュータシステムの様々な画像/ビデオソースからのコンテンツを、1つのディスプレイ画面上に同時に示すことができる。
【0003】
ディスプレイに追加的に接続された周辺装置は、所定の時間に、異なるコンピュータシステムのうちの1つのみにリンクすることができる。例えば、ディスプレイに接続されたコンピュータマウス又はキーボードは、一度に複数のコンピュータシステムのうちの1つのみを制御又はこれと対話することができる。同じことが、スマートフォン、カメラ、スキャナ、プリンタ、タブレットなどの他のタイプの周辺装置にも同様に当てはまる。
【0004】
従来、ディスプレイを用いてコンピュータシステムの1つにリンクされた周辺装置の接続を変更するためには、ユーザは、主画像/ビデオ入力を手動で切り替えるか、又は例えばディスプレイのOSD(On Screen Display)においてUSB上流セッティングを調整しなければならない。これらの従来のオプションは煩雑で、ユーザのワークフローを中断する。
【0005】
代替的な解決策は、ネットワーク接続を介して複数のコンピュータシステム間で周辺装置リンクを切り替えることを伴う。しかし、これには、関与するコンピュータシステムが同じネットワークを介して接続されなければならないという欠点がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、方法、ディスプレイ、コンピュータシステム、及びこれらのコンポーネントを有するアセンブリを説明することであり、これらは、2つのコンピュータシステム間の周辺装置の改善された、より容易な切り替えを可能にする。
【0007】
第1の態様によれば、この目的は、請求項1に記載の方法によって解決される。さらなる実装は、従属請求項において開示される。
【0008】
本方法は、少なくとも2つのコンピュータシステム間で周辺装置(少なくとも1つの周辺装置)を切り替えるために実装され、周辺装置と2つのコンピュータシステムは共通のディスプレイ(スクリーン、コンピュータモニタ、コンピュータディスプレイ)に接続される。本明細書で使用される「共通」という用語は、周辺装置又は装置及び少なくとも2つのコンピュータシステムが並列に又は同時にディスプレイに接続されることを意味する。例えば、並列に又は同時に、周辺装置は、第1のインターフェースを介してディスプレイに接続され、第1のコンピュータシステムは、1つ以上の第2のインターフェースを介してディスプレイに接続され、第2のコンピュータシステムは、1つ以上の第3のインターフェースを介して、ディスプレイに接続される。例えば、周辺装置又は装置は、USB(Universal Serial Bus)インターフェースを介してディスプレイに接続される。例えば、少なくとも2つのコンピュータシステムのうちの1つ以上は、各々、USBインターフェース(データインターフェース又は電力供給)及び画像/ビデオ信号インターフェースを介してディスプレイに接続される。このようにして、少なくとも2つのコンピュータシステムのうちの1つ以上は、USBインターフェースを介してディスプレイとデータ/電力を交換し、並列に、画像/ビデオ信号を画像/ビデオ信号インターフェースを介してディスプレイに送信するか、又はディスプレイから対応するフィードバック情報を受信することができる。ここで用いることができる共通の画像/ビデオ信号インターフェースは、例えば、DVI(Digital Visual Interface)、VGA(Video Graphics Array)、DP(Display Port)又はHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)である。
【0009】
周辺装置は、共通ディスプレイを介して少なくとも2つのコンピュータシステムのうちの第1のものにリンクされる。このようにして、周辺装置は、第1のコンピュータシステムを制御又はこれと対話することができ、その逆も可能である。シグナリングは、ディスプレイ上のそれぞれのインターフェースポートを介して発生する。
【0010】
本方法は、
2つのコンピュータシステムのうちの1つにおけるソフトウェアによって、ソフトウェアベースの変更コマンドを生成することと、
ソフトウェアベースの変更コマンドをディスプレイに送信することと、
ソフトウェアベースの変更コマンドに基づいて、ディスプレイ内の切り替えコンポーネントにおける切り替えをトリガすることと、
切り替えコンポーネントを使用して、2つのコンピュータシステムの第1のものから2つのコンピュータシステムの第2のものに周辺装置の接続を切り替えることと、を含む。
【0011】
例示的な実装では、2つのコンピュータシステムのうちの1つにおけるソフトウェアによって、ソフトウェアベースの変更コマンドを生成するステップの前に、コンピュータマウス、キーボード、又は他の周辺装置からの自由に定義可能な入力又はイベントを介してユーザからの切り替え要求を検出する。しかし、これはオプションであり、本方法では必須ではない。
【0012】
例示的な実装では、ソフトウェアベースの変更コマンドを生成するコンピュータシステムからディスプレイへのソフトウェアベースの変更コマンドの送信は、ビデオインターフェースのデータラインを介する。これは、既存のビデオインターフェースを送信に使用でき、送信のために追加のインターフェースを設定する必要がないという利点がある。
【0013】
切り替えコンポーネントは、例えば、周辺装置又は装置の接続を切り替えるため、又は関連するコンピュータシステム間で上流セッティングを切り替えるための、いわゆるKVMスイッチ(KVMはキーボード、ビデオ、マウスを意味する)である。
【0014】
説明した方法では、コンピュータシステムのうちの1つは、周辺装置のリンクを切り替えるためのトリガシステムである。トリガシステムは、周辺装置が最初にリンクされる最初のコンピュータシステムであってもよいし、周辺装置がリンクされていないがリンクされるべき他のコンピュータシステムであってもよい。
【0015】
従来の解決法と比較して、説明した方法は、複数のコンピュータシステム間の周辺装置又は装置のリンクの自動化されたソフトウェアベースの切り替えを、ディスプレイ上のオンスクリーンメニューにおいて特定のセッティングを行う必要なしに、又はディスプレイ上のインターフェース接続を手動で再接続又は再設定する必要なしに、実行可能であるという利点がある。これにより、2つのコンピュータシステム間の周辺装置のより簡単かつ高速な切り替えが可能になる。切り替えは、ソフトウェアベースの変更コマンドを生成することにより、起動システムのソフトウェアを介して制御又は命令される。
【0016】
本方法の代替的又は補足的な実施形態又は実装では、ソフトウェアベースの変更コマンドは、ディスプレイ内の評価ユニットによって処理され、評価ユニットは、切り替えコンポーネント内の切り替えをトリガする。評価ユニットは、例えば、ソフトウェアベースの変更コマンドを評価し、切り替えコンポーネント内の切り替えをトリガするための特殊な回路、例えば、集積回路、マイクロコントローラなどである。代替的又は相補的に、評価ユニットは、処理コンポーネントによって、又は処理コンポーネント内、例えば、ディスプレイ内のいわゆるスケーラチップのファームウェア内に実装される。
【0017】
このように、評価ユニットは、2つのコンピュータシステムのうちの1つにおけるソフトウェアによるソフトウェアベースの変更コマンドの生成と、ディスプレイ内の切り替えコンポーネントとの間のリンクコンポーネントを構成し、評価ユニットによるソフトウェアベースの変更コマンドの簡単な評価と、その後の切り替えコンポーネントの制御が実行される。したがって、切り替えコンポーネントは、本明細書で説明する方法のニーズに特別に適合させることなく、従来の標準的なコンポーネントとすることができる。むしろ、ディスプレイ内の切り替えコンポーネントとは別にセットアップされた評価ユニット内の「インテリジェンス」が、ソフトウェアベースの変更コマンドを評価するために活用される。
【0018】
代替的な実装では、評価ユニット及び切り替えコンポーネントは、ディスプレイ内の単一のユニットで実装されるか、又は評価ユニットの機能性及び切り替えコンポーネントの機能性は、ディスプレイ内の単一のユニットによって実装される。
【0019】
代替的な実装では、ソフトウェアベースの変更コマンドは、ディスプレイ内の切り替えコンポーネントによって直接評価又は解釈される。したがって、別個の評価ユニットは必要とされない。
【0020】
本方法の代替的又は補足的なさらなる実施形態又は実装では、ソフトウェアベースの変更コマンドは、いわゆるVESA MCCS(Monitor Control Command Set)規格に従ったいわゆるVCP(Virtual Control Panel)コマンドコードである。代替的又は相補的に、ソフトウェアベースの変更コマンドは、MCCS規格に従っていわゆるバーチャル制御パネル(Virtual Control Panel)を引き起こす。代替的又は相補的に、ソフトウェアベースの変更コマンドは、ディスプレイ内のMCCS規格に従ったVCPコマンドコードの生成/変更を引き起こす。
【0021】
例えば、ソフトウェアベースの変更コマンドは、画像/ビデオ信号インターフェースを用いて、いわゆるDDC/CI(Display Data Channel Command Interface)規格に従って、1つのコンピュータシステム(そのソフトウェアによって生成)からディスプレイに送信される。これは、コンピュータシステムとディスプレイとの間の他のいかなるデータラインにも特別なバス信号を必要とせず、又はディスプレイ内のより複雑なインテリジェンスを介して特別なバス信号を処理する必要がないという利点がある。むしろ、コンピュータシステムとディスプレイとの間の画像/ビデオ信号インターフェースの実装しやすい送信規格を使用して、ソフトウェアベースの変更コマンドをディスプレイに送信することができる。ディスプレイ、又はディスプレイ内の評価ユニット若しくは切り替えコンポーネントは、MCCSコマンドセットに従って変更コマンドを解釈し、切り替えコンポーネントを使用して切り替えをトリガする。
【0022】
例えば、トリガを行うコンピュータシステムは、所定のVCPコマンドコード又は修正されたVCPコマンドコードを、ソフトウェアベースの変更コマンドとしてディスプレイ(又は、該当する場合、ディスプレイ内の評価ユニット)に送信し、切り替えコンポーネント内の切り替えをトリガする。代替的又は相補的に、トリガを行うコンピュータシステムは、ソフトウェアベースの変更コマンドをディスプレイに送信し、これにより、所定のVCPコマンドコード、又は、ディスプレイ内の評価ユニット及び/又は切り替えコンポーネントにおけるVCPコマンドコードへの変更を引き起こす。そのようなVCPコマンドコード又はVCPコマンドコードの変更は、次いで、切り替えコンポーネント内の切り替えをトリガするか、又は切り替えコンポーネント内の切り替えのための追加コマンドを生成する。本明細書で説明するタイプのVCPコマンドコードは、例えば、本明細書で説明するように、関連するコンピュータシステム間で周辺装置の切り替えを制御/トリガするために、製造業者が特に定義するものである。
【0023】
本方法の代替的又は補足的なさらなる実施形態又は実装では、トリガコマンドが周辺装置からディスプレイに送信され、ディスプレイ(切り替えコンポーネントを介して切り替えされる)を用いて2つのコンピュータシステムのうちの1つに送信される。トリガコマンドは、ソフトウェアベースの変更コマンドを生成するために、2つのコンピュータシステムのうちの1つにおけるソフトウェアによって評価される。これは、コンピュータシステム間の周辺装置の切り替えが周辺装置内のトリガコマンドによってトリガされることを可能にする効果を有する。トリガコマンドが2つのコンピュータシステムのうちの1つのソフトウェアによって評価されるということは、トリガコマンドがソフトウェアを用いて自由に設定可能であるか、又はその生成/解釈のタイプがソフトウェアを用いて自由に設定可能であることを意味する。
【0024】
トリガコマンドは、例えば、特定キー又はキーの組み合わせを、おそらく特定の時間内に押すことである。例えば、これは、周辺装置としてディスプレイに接続されたキーボード上で行われる。代替的又は相補的に、トリガコマンドは、周辺装置としてディスプレイに接続されているマウス上の、必要であれば、指定の時間内のマウスのマウスポインタの指定の位置及び/又は動き、又は指定のキー又はキーの組み合わせの作動である。このようなトリガコマンドは、例えば、ディスプレイのディスプレイ画面上に表示されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)のボタン又はマーカと協働して実装される。
【0025】
代替的又は相補的に、周辺装置内、コンピュータシステムに直接接続された周辺装置内、コンピュータシステム内、又はディスプレイ内、又はそれらの組み合わせ内の任意の他の(周辺)コンポーネント又はセンサの状態が、切り替えのためのトリガコマンドとして使用されてもよい。
【0026】
本方法の代替的又は相補的なさらなる実施形態又は実装では、トリガコマンドは、いわゆるヒューマンインターフェースデバイス(HID)規格に従ったコマンドである。HIDコマンドは、本明細書で説明する目的のために、容易に実装可能であり、識別可能であり、処理可能である。
【0027】
上記目的は、請求項6に記載のディスプレイによって、第2の態様に従って解決される。さらなる実施形態が、従属請求項に開示されている。
【0028】
ディスプレイは、少なくとも2つのコンピュータシステム及び周辺装置を接続するためのインターフェースを含む。ディスプレイのインターフェースは、例えば、(それぞれ、データ交換及び電力供給に関して)周辺装置並びに2つのコンピュータシステムを接続するためのUSBインターフェースと、(それぞれ、画像/ビデオ信号の交換及び対応する通信信号に関して)2つのコンピュータシステムを接続するための画像/ビデオ信号インターフェース、例えば、DVI又はHDMIを含む。
【0029】
ディスプレイは、
ディスプレイに接続された少なくとも2つのコンピュータシステムのうちの1つからソフトウェアによって生成されたソフトウェアベースソフトウェアベースの変更コマンドを受信することと、
ソフトウェアベースの変更コマンドに基づいて、ディスプレイ内の切り替えコンポーネントにおける切り替えをトリガすることと、
ディスプレイに接続され、かつ少なくとも2つのコンピュータシステムのうちの第1のものにリンクされている周辺装置に関して、切り替えコンポーネントを用いて少なくとも2つのコンピュータシステムのうちの第1のものから少なくとも2つのコンピュータシステムのうちの第2のものに周辺装置のリンクを切り替えることと、を行うように構成されている。
【0030】
また、このようなディスプレイは、対応する方法に関連して上述したように、2つのコンピュータシステム間の周辺装置のリンクの簡略化された切り替えの実装を可能にする。特に、ディスプレイは、ユーザがディスプレイ上のインターフェース構成を変更したり、ディスプレイ上の画面メニューのセッティングを変更したりする退屈なプロセスに従事することなく、自動的な切り替えを可能にする。むしろ、ディスプレイは、受信されたソフトウェアベースの変更コマンドに基づいて、ディスプレイ内の切り替えコンポーネントを使用して、自動化されたソフトウェアベースの切り替えを可能にする。上述した方法のさらなる実装は全て、ディスプレイの代替的又は補足的なさらなる実施形態における構造的表現を見出す。
【0031】
上記目的は、請求項10に記載のコンピュータシステムによって第3の態様によって解決される。さらなる実施形態が、従属請求項に開示されている。
【0032】
コンピュータシステムは、ディスプレイ、特に上述のタイプのディスプレイに接続するための1つ以上のインターフェースを含む。ディスプレイのインターフェースは、例えば、(それぞれ、データ交換及び電力供給に関して)コンピュータシステムを接続するためのUSBインターフェースと、(それぞれ、画像/ビデオ信号の交換及び対応する通信信号に関して)コンピュータシステムを接続するための画像/ビデオ信号インターフェース、例えば、DVI又はHDMIを含む。コンピュータシステムは、少なくとも1つのインターフェースを用いてコンピュータシステムに接続されるディスプレイを介して周辺装置をコンピュータシステムに接続するように構成され、周辺装置は、ディスプレイに追加的に接続される。これは、周辺装置及びコンピュータシステムが並列にディスプレイに接続され、かつ同時にディスプレイに接続されることを意味し、周辺装置はディスプレイを介してコンピュータシステムにリンクされる。
【0033】
コンピュータシステムは、ソフトウェアベースの変更コマンドを生成するように構成されているソフトウェアをさらに含む。コンピュータシステムは、さらに、コンピュータシステムと、ディスプレイに追加的に接続される別のコンピュータシステムとの間の周辺装置のリンクを切り替えるために、ソフトウェアベースの変更コマンドをディスプレイに送信するように構成される。
【0034】
また、このようなコンピュータシステムは、上述したタイプの方法やディスプレイに関して説明したように、複数のコンピュータシステム間での周辺装置の簡単な切り替えの達成を可能にする。例えば、本明細書で説明するコンピュータシステムは、ディスプレイを介して、ディスプレイに接続される周辺装置とも接続される。コンピュータシステムのソフトウェアにおけるソフトウェアベースの変更コマンドをトリガすることによって、コンピュータシステムから他のコンピュータシステムへの周辺装置の接続の自動化された切り替えがトリガされる。代替的には、本明細書で説明するコンピュータシステムは、周辺装置のリンクを要求し、この目的のためにコンピュータシステムのソフトウェアによるソフトウェアベースの変更コマンドをトリガするコンピュータシステムである。これにより、周辺装置の(ディスプレイに接続されている)別のコンピュータシステムからこの要求を行うコンピュータシステムへのリンクが自動的に切り替えられる。このようにして、周辺装置は、本明細書で説明するコンピュータシステムを用いて、並列にかつ同時にディスプレイに接続される参加しているコンピュータシステム間で容易に切り替えることができる。上述した方法のさらなる実装は全て、コンピュータシステムの代替的又は補足的なさらなる実施形態における構造的表現を見出す。
【0035】
上記目的は、請求項12に記載のアセンブリによって、第4の態様に従って解決される。このアセンブリは、ディスプレイと、周辺装置と、少なくとも2つのコンピュータシステムとを含む周辺装置と2台のコンピュータシステムは、共にディスプレイに接続されている。周辺装置は、共通ディスプレイを介して、2つのコンピュータシステムのうちの1つにリンク可能である。アセンブリでは、2つのコンピュータシステム及びディスプレイのうちの少なくとも1つは、上述したそれぞれのタイプに従って実装される。
【0036】
また、このようなアセンブリは、方法、ディスプレイ、及びコンピュータシステムに関連して上述したように、ディスプレイに並列かつ同時に接続された2つのコンピュータシステム間の周辺装置の自動化された簡単な切り替えを可能にする。
【0037】
上述の方法の全ての特徴、態様、効果、及び実装は、上述のディスプレイ、コンピュータシステム、及びアセンブリそれぞれの対応する特徴、態様、効果、及び実装において、それらの表現を見出すことができ、その逆も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本発明は、いくつかの図面の助けを借りて、例示的な実施形態を参照して以下でより詳細に説明される。
【0039】
【
図1】ディスプレイ及びそれに接続された周辺装置並びに第1及び第2のコンピュータシステムを有するアセンブリの実施形態の概略図を示す。
【
図2】接続されたコンピュータシステム間で周辺装置を切り替えるための、
図1によるアセンブリ内の様々な状態又は措置を示す。
【
図3】接続されたコンピュータシステム間で周辺装置を切り替えるための、
図1によるアセンブリ内の様々な状態又は措置を示す。
【
図4】接続されたコンピュータシステム間で周辺装置を切り替えるための、
図1によるアセンブリ内の様々な状態又は措置を示す。
【
図5】接続されたコンピュータシステム間で周辺装置を切り替えるための、
図1によるアセンブリ内の様々な状態又は措置を示す。
【
図6】接続されたコンピュータシステム間で周辺装置を切り替えるための、
図1によるアセンブリ内の様々な状態又は措置を示す。
【
図7】接続されたコンピュータシステム間で周辺装置を切り替えるための、
図1によるアセンブリ内の様々な状態又は措置を示す。
【
図8】ディスプレイ及びそれに接続された周辺装置並びに第1の状態にある第1のコンピュータシステム及び第2のコンピュータシステムを有するアセンブリのさらなる例示的な実施形態を示す。
【
図9】さらなる状態における
図8によるアセンブリを示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、周辺装置1、第1のコンピュータシステム2、及び第2のコンピュータシステム3を備えたアセンブリを示し、これらはすべてディスプレイ4に接続されている。ディスプレイ4は、例えば、コンピュータシステム2及び3の一方又は両方によってディスプレイ4に送信された画像又はビデオ信号を表示するためのコンピュータスクリーン又はコンピュータディスプレイである。この目的のために、
図1による実施形態におけるコンピュータシステム2及び3の両方は、各々、画像/ビデオ信号インターフェース又はグラフィックスインターフェース(図示せず)を介してディスプレイ4に接続される。追加的に、
図1による実施形態における2つのコンピュータシステム2及び3は、各々、データインターフェースを介してディスプレイ4に接続される。データインターフェースは、例えばUSBインターフェースであり、画像/ビデオ信号インターフェース又はグラフィックスインターフェースは、例えばDVI又はHDMIインターフェースである。
【0041】
周辺装置1は、データインターフェースを介してディスプレイ4に接続される。データインターフェースはまた、例えばUSBインターフェースである。
【0042】
対応するデータインターフェースを介して周辺装置1を接続するために、ディスプレイ4は、USBインターフェース11aを含む。同様に、ディスプレイ4はまた、対応するデータインターフェースを介してコンピュータシステム2及び3を接続するためのUSBインターフェース11b及び11cも含む。
図1による例示的な実施形態では、周辺装置1はインターフェース11aに接続され、コンピュータシステム2はインターフェース11bに接続され、コンピュータシステム3はディスプレイ4のインターフェース11cに接続される。
【0043】
周辺装置1は、例えば、コンピュータシステム2及び3のいずれかを制御又はこれと対話するためのキーボード及び/又はコンピュータマウスである。代替的又は追加的に、周辺装置1は、スマートフォン、タブレット、カメラ、プリンタ、スキャナなどである。
【0044】
周辺装置1は、内部トリガコマンド10を生成することができ、その機能については、以下により詳細に説明する。コンピュータシステム2及び3は各々、ソフトウェアベースの変更コマンドを生成するように構成されている内部ソフトウェア6及び7を含み、これについては以下により詳細に説明する。ソフトウェア6及び7は、同一/同じ、又は異なるものであってもよい。
【0045】
また、ディスプレイ4は、内部USBインターフェース11a~11c、画像/ビデオ信号インターフェース、グラフィックスインターフェース(図示せず)に加えて、切り替えコンポーネント8、評価ユニット9、及び設定ユニット12を有する。
図1による実施形態では、切り替えコンポーネント8は、例えば、いわゆるKVMスイッチである。切り替えコンポーネント8は、周辺装置1の接続をコンピュータシステム2又はコンピュータシステム3のいずれかに切り替えるために使用され、インターフェース11aを介した周辺装置1と、ディスプレイ4内のそれぞれのインターフェース11b又は11cを介したコンピュータシステム2又は3のうちの1つとの間の通信の対応する信号切り替えに使用される。
【0046】
ディスプレイ4内の評価ユニット9は、コンピュータシステム2及びコンピュータシステム3のソフトウェア6及び7のうちの1つによって生成されるソフトウェアベースの変更コマンドをそれぞれ評価するために使用される。この機能性については、以下でさらに詳しく説明する。評価ユニット9は、例えば、専用の集積回路又はマイクロコントローラである。代替的には、
図1による実施形態では、評価ユニット9は、ディスプレイ4のいわゆるスケーラチップ内に実装される。例えば、そのような実装では、評価ユニット9は、例えばレジスタとして、スケーラチップのファームウェア内に構成される。このレジスタは、例えば、設定ユニット12によって、かつ(例えば、DDC/CIによる)画像/ビデオ信号インターフェース又はグラフィックスインターフェースのI
2Cチャネルを介しての両方を用いて読み出し又は修正することができる。
【0047】
図1による実施形態では、ディスプレイ4内の設定ユニット12は、例えば、ユーザがディスプレイ4上で特定のセッティングを行うことができるように、オンスクリーンメニュー(OSD)を生成するためのコンポーネントである。
【0048】
図1による実施形態では、設定ユニット12は、例えば、オンスクリーンメニューOSDを表示するために、評価ユニット9を制御することができる。評価ユニット9は、次に、インターフェース11b及び11cを用いてコンピュータシステム2とコンピュータシステム3との間のインターフェース11aを介した周辺装置1の通信の切り替えをトリガするための切り替えコンポーネント8を制御することができる。
【0049】
図1のアセンブリのそれぞれのコンポーネント間の対応する可能性のあるシグナリング又は対応する可能性のある信号の流れは、それぞれのコンポーネント間の破線の矢印によって示される。
図2~
図7を活用して、コンピュータシステム2と3との間の周辺装置1の接続の自動的な切り替えと、それぞれのコンポーネント、特にディスプレイ4、周辺装置1、コンピュータシステム2及び3内の対応措置についての方法について以下に説明する。関与するコンポーネント間のそれぞれの方法のステップ又は措置に対する重要な信号の流れは、太字で強調された実線の矢印又はアセンブリのコンポーネントによって示されている。
図2によれば、
図1からのアセンブリは、周辺装置1が最初にコンピュータシステム2にリンクされる状態にある。この目的のために、信号の流れは周辺装置1のデータインターフェースを介してディスプレイ4の内部インターフェース11aに向かって起きて、信号の流れは切り替えコンポーネント8及びインターフェース11bを介してコンピュータシステム2に伝達される。同様のことが、コンピュータシステム2からインターフェース11b及びディスプレイ4内の切り替えコンポーネント8を介してインターフェース11a、最終的には周辺装置1への対応する信号の流れにも当てはまる。このように、周辺装置1は、コンピュータシステム2と対話するか、コンピュータシステム2の機能を制御するか、又はその逆を行う。
【0050】
トリガコマンド10は、周辺装置1によってトリガされてもよい。キーボードとしての周辺装置1の実装の場合、トリガコマンド10は、例えば、特定のキー又はキーの組み合わせを、おそらく特定の時間ウィンドウで押すことである。例えば、トリガコマンド10は、制御キー(CTRL)を1秒以内に2回押すことによって実装される。コンピュータマウスとしての周辺装置1の実装の場合、トリガコマンド10は、例えば、マウスボタンの作動、1つ以上のマウスボタン及び/又は特定のマウスの動きの作動パターン、ディスプレイ4のディスプレイ画面上のマウスポインタの位置、又はそれらの組み合わせである。これは、ディスプレイ4のディスプレイ画面に表示されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を考慮/影響/制御しながら行うことができる。例えば、ユーザは、コンピュータマウスでGUIの特定のボタンをクリック又は操作することができる。
【0051】
例えば、周辺装置1が各種機器(コンピュータシステム2又は3とは別か、又は一体)として実装されている場合、周辺装置1内の指定のトリガ機能を介してトリガコマンド10が指定される。トリガ機能は、例えば、周辺装置1の1つ以上のセンサを介して、例えば、ユーザを識別するための生体認証センサなどを介してトリガされる。
【0052】
図2によれば、トリガコマンド10は、インターフェース11a、切り替えコンポーネント8及びインターフェース11bを介してリンクされたコンピュータシステム2にそれに従って送信される。コンピュータシステム2内では、送信されたトリガコマンド10が評価され、それに従って解釈される。本明細書で説明する実装によれば、これは、コンピュータシステム2のソフトウェア6内で行われる。
【0053】
さらに別の措置、又はさらなる方法のステップにより、コンピュータシステム2のソフトウェア6は、周辺装置1のトリガコマンド10の解釈に基づいてソフトウェアベースの変更コマンドを生成する。ここで説明した実施形態では、ソフトウェアベースの変更コマンド5は、例えば、コンピュータシステム2とディスプレイ4との間のグラフィックスインターフェースを介して、ディスプレイ4内の評価ユニット9に送信される。これを
図3に示す。特に、ソフトウェア6は、ディスプレイ4内の評価ユニット9にソフトウェアベースの変更コマンド5を送信する。ソフトウェアベースの変更コマンド5は、例えば、VCPコマンドコードであるか、又はディスプレイ4内のVCPコマンドコードの変更をトリガする。VCPコマンドコードは、例えば、製造業者固有コード「0xE2」である。ソフトウェアベースの変更コマンド5は、ディスプレイ4における評価ユニット9によって評価又は解釈される。特に、評価ユニット9は、MCCS規格言語を使用する。ソフトウェアベースの変更コマンド5は、例えば、コンピュータシステム2とディスプレイ4との間のグラフィックスインターフェースを用いてDDC/CI規格に従って送信される。これは、ディスプレイ4内で、コンピュータシステム2とディスプレイ4との間のこのようなコマンドの規格化された単純な処理又は解釈が実装できるという利点がある。特に、ディスプレイ4内の規格化されたコンポーネントをこの目的のために使用することができる。さらに、シグナリングは、インターフェース11bを用いてディスプレイ4とコンピュータシステム2との間で任意の他のデータ接続をアクティブにする必要なく、このようにして実行することができる。また、これは、ディスプレイ4とコンピュータシステム2との間のインターフェース11bの使用データ信号規格に従って処理するディスプレイ4内の対応する評価コンポーネントのより複雑な実装を必要としない。これはまた、ここで説明する手順の実施を容易にする。
【0054】
さらに、
図4によれば、ディスプレイ4内の評価ユニット9は、コンピュータシステム2の対応して受信されたソフトウェアベースの変更コマンド5(具体的には、コンピュータシステム2内のソフトウェア6)を評価し、切り替えコンポーネント8内で、インターフェース11bからインターフェース11cへ転送する信号の切り替えをトリガする。具体的には、切り替えコンポーネント8は、
図4に示すように、データインターフェース11b(上記参照)からデータインターフェース11cへ転送する信号を切り替える。したがって、インターフェース11bの代わりに、周辺装置1とコンピュータシステム3との間の接続及び信号転送のためにディスプレイ4のインターフェース11cがアクティブになる。インターフェース11bを介したデータ接続又は信号転送は、この状態の切り替えコンポーネント8を用いて非アクティブにされる。
【0055】
上述の措置の例示的な実施において、例えば、製造業者固有VCPコード「0xE2」は、デフォルトではディスプレイ4のファームウェアの値「0x00」に設定され、(例えば、設定ユニット12を介して)設定セッティング「USB Upstream: Primary」に割り当てられる。ソフトウェア6(又はソフトウェア7も)は、例えばDDC/CIチャネルを介して最初に瞬時値を読み出すことができる。トリガコマンドが認識された場合、ソフトウェア6は、DDC/CIに従って、画像/ビデオ信号インターフェース又はグラフィックスインターフェースのI2Cバスを介してコマンドを送信することができ、これは、VCPコード「0xE2」を値「0x01」に変更する。VCPコードの変更は、自動的に、設定セッティングの「USB Upstream: Secondary」への変更を生成し、したがって、例えば、ディスプレイ4内のスケーラチップが、切り替えコンポーネント8への対応するPIN接続を介して、GPIO信号を介して切り替えをトリガするようにする。
【0056】
これらの措置の結果、
図5に示すように、周辺装置1は、ここで作動したインターフェース11cを用いてインターフェース11a及び切り替えコンポーネント8を介してコンピュータシステム3に接続される。
【0057】
これは、
図2に関連して上述したように、
図5による周辺装置1は、コンピュータシステム2にリンクされる代わりに、ここでコンピュータシステム3にリンクされることを意味する。
【0058】
図5によれば、ここで、周辺装置1とコンピュータシステム3との間に接続又は信号通信がある。このような通信は、インターフェース11a、切り替えコンポーネント8、及びディスプレイ4内のインターフェース11cへの転送を用いて管理される。上述の手順と同様に、
図5によるトリガコマンド10は、周辺装置1内で再びトリガされ得る。これは、インターフェース11a、切り替えコンポーネント8及びインターフェース11cを介してコンピュータシステム3に伝達される。
【0059】
最後に、
図6によれば、周辺装置1の別の生成されたトリガコマンド10の評価は、コンピュータシステム3のソフトウェア7内で起きる。この実装では、この手順は、
図3に従うソフトウェア6に関連して上述した手順と類似している。
【0060】
図6によれば、ソフトウェア7は、対応して生成されたソフトウェアベースの変更コマンド5を、グラフィックスインターフェースを用いてコンピュータシステム3のインターフェース接続を介してディスプレイ4に送信し、変更コマンド5は、評価ユニット9においても受信され、解釈される。上述の手順と同様に、
図7に示すように、切り替えコンポーネント8における切り替えが評価ユニット9によってトリガされ、次に、信号通信がインターフェース11cからインターフェース11bに切り替えられる。この点において、コンピュータシステム3の接続は、コンピュータシステム2の接続に戻るように自動的に切り替えられる。
図7に示す措置を実施した後、
図2による初期状態が再び設定され、周辺装置1は、再びコンピュータシステム2にリンクされる。適当なシグナリングが、再び、ディスプレイ4のインターフェース11a、8、及び11bを用いて、周辺装置1とコンピュータシステム2との間で設定される。
【0061】
このようにして、周辺装置1内のトリガコマンド10によって、例えば、キーボード1の単純なキーストローク又は単純なキー組み合わせによって、2つのコンピュータシステム2と3との間の周辺装置1の自動切り替えを実行することができる。それにより、全ての信号通信は、評価ユニット9及び切り替えコンポーネント8を介して、対応するソフトウェア6又は7のソフトウェアベースの変更コマンド5を用いて自動化される。
【0062】
各ソフトウェア6、7で生成されたソフトウェアベースの変更コマンド5は、ソフトウェア6、7を介して所望のようにセット又は設定することができる。このように、変更コマンド5は、ディスプレイ4内の内部インテリジェンスの構成に依存しないが、ソフトウェア6、7を用いて柔軟にプログラムすることができる。また、複数のイベントの累積発生、例えば、キーの組み合わせを押すと同時に、例えば、生体計測センサの特定の検出パターン又は信号をトリガすることを変更コマンドとして設定することができる。
【0063】
図8は、周辺装置1、ディスプレイ4、並びに2つのコンピュータシステム2及び3を有するアセンブリの別の実施形態を示す。
図8による実施形態では、周辺装置1は、上記説明に従ってディスプレイ4に接続されたキーボード及びコンピュータマウスを含む。さらに、
図8のコンピュータシステム2及び3も、上記説明と同様にディスプレイ4に接続される。
【0064】
図8は、いわゆるピクチャバイピクチャ機能が実装されたディスプレイ4の機能性を示す図である。これは、ディスプレイ4において、特にディスプレイ4のディスプレイ画面上で、2つのディスプレイ領域が、コンピュータシステム2及び3によって並列に生成される並列スクリーンコンテンツの同時表示のために構成されることを意味する。これは、第1のディスプレイ領域Iにおいて、コンピュータシステム2によって生成されたビデオ又は画像のコンテンツを表示することができることを意味する。追加的に、コンピュータシステム3によって生成され得るビデオ又は画像のコンテンツは、第2のディスプレイ領域IIに表示することができる。
図8によれば、マウスポインタ13は、ディスプレイ4のディスプレイ画面上の第1のディスプレイ領域Iに位置する。
【0065】
この構成では、周辺装置1は、コンピュータシステム2で制御又はこれと対話する。これは、例えば、ディスプレイ4のディスプレイ画面上の第1のディスプレイ領域Iのマウスポインタ13をマウス1の移動/クリックによって制御できることを意味する。例えば、キーボード1で特定のキーを押すこと、マウス1の特定の押下、マウス1のマウスボタンを特定の動作にすること、マウス1の特定の移動、又はマウス1の他のジェスチャを必要とする
図1~
図7に関連する上記の説明に従ってトリガコマンド10がトリガされる場合、上述の措置に従って、コンピュータシステム2からコンピュータシステム3への周辺装置1の接続の自動的な切り替えが実行される。
【0066】
このように、コンピュータシステム3に周辺装置1の接続が変更された切り替えを
図9に説明する。ここでは、周辺装置1がコンピュータシステム3にリンクされている。その結果、マウスポインタ13は、ディスプレイ4のディスプレイ画面の第2のディスプレイ領域IIにおいて周辺装置1を介して制御することができる。第1のディスプレイ領域Iのマウスポインタ13は、周辺装置1を介してもはや制御できなくなっている。ここで、周辺装置1は、コンピュータシステム3を制御又はこれと対話する。
【0067】
したがって、
図8及び
図9及び対応する説明は、ディスプレイ4の画像ごとの機能性を示しており、周辺装置1は、コンピュータシステム2及び3が切り替えられ得る接続において容易に切り替えることができる。このようにして、ユーザは、上述したタイプのトリガコマンド10を実行することによって、画面内容がディスプレイ4に表示されているコンピュータシステム2の制御とコンピュータシステム3の制御との間を、非常に迅速に切り替えることができる。
【0068】
図示された実施形態及び実装は、例としてのみ選択される。
【符号の説明】
【0069】
1 周辺装置
2 コンピュータシステム
3 コンピュータシステム
4 ディスプレイ
5 変更コマンド
6 ソフトウェア
7 ソフトウェア
8 切り替えコンポーネント
9 評価ユニット
10 トリガコマンド
11a、11b、11c インターフェース
12 設定ユニット
13 マウスポインタ
I 第1のディスプレイ領域
II 第2のディスプレイ領域