(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022040135
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】カメラ用アクチュエータ、カメラモジュール、およびカメラ搭載装置
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20210101AFI20220303BHJP
G02B 7/04 20210101ALI20220303BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20220303BHJP
G03B 17/17 20210101ALI20220303BHJP
H02K 33/16 20060101ALI20220303BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G02B7/04 E
G03B17/02
G03B17/17
H02K33/16 A
H02K33/16 B
H04N5/225 100
H04N5/225 700
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021203614
(22)【出願日】2021-12-15
(62)【分割の表示】P 2017209582の分割
【原出願日】2017-10-30
(31)【優先権主張番号】P 2017103954
(32)【優先日】2017-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017119447
(32)【優先日】2017-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠田 洋平
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 政大
(72)【発明者】
【氏名】其阿弥 一隆
(72)【発明者】
【氏名】松田 裕史
(57)【要約】
【課題】光路屈曲部材の周囲における設計の自由度を向上できるカメラ用アクチュエータを提供する。
【解決手段】カメラ用アクチュエータは、第一光軸の方向に沿う入射光を第二光軸の方向に屈曲させる光路屈曲部材の後段に配置されたレンズ部と、光路屈曲部材の近傍に配置され、光路屈曲部材を変位させる第一アクチュエータと、レンズ部の近傍で第一光軸の方向に平行な第一方向において互いに離間した状態で重なるように配置され、レンズ部を、第一方向に直交しかつ互いに直交する第二方向および第三方向のそれぞれにおいて変位させる第二アクチュエータおよび第三アクチュエータと備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一光軸の方向に沿う入射光を第二光軸の方向に屈曲させる光路屈曲部材の後段に配置されたレンズ部と、
前記光路屈曲部材の近傍に配置され、前記光路屈曲部材を変位させる第一アクチュエータと、
前記レンズ部の近傍で前記第一光軸の方向に平行な第一方向において互いに離間した状態で重なるように配置され、前記レンズ部を、前記第一方向に直交しかつ互いに直交する第二方向および第三方向のそれぞれにおいて変位させる第二アクチュエータおよび第三アクチュエータと、
を備えるカメラ用アクチュエータ。
【請求項2】
前記光路屈曲部材は光路屈曲面を有し、
前記第一アクチュエータは、前記光路屈曲部材に対して前記光路屈曲面の裏側に配置される、
請求項1に記載のカメラ用アクチュエータ。
【請求項3】
前記光路屈曲部材および前記第一アクチュエータは、前記第一光軸の方向において互いに離間して配置される、
請求項1に記載のカメラ用アクチュエータ。
【請求項4】
前記第二アクチュエータ及び前記第三アクチュエータはそれぞれ、マグネット及びコイルを有し、
前記第一方向における前記第二アクチュエータの前記マグネットと前記第三アクチュエータの前記マグネットとの間に、磁性金属製のシールド板が配置されている、
請求項1~3の何れか一項に記載のカメラ用アクチュエータ。
【請求項5】
前記第一光軸の方向は、前記カメラ用アクチュエータの上部から底部に向かって延在し、
前記第一アクチュエータは、前記カメラ用アクチュエータの底部に配置される、
請求項1~4の何れか一項に記載のカメラ用アクチュエータ。
【請求項6】
前記第一アクチュエータは、前記第一光軸の方向および前記第二光軸の方向に直交する揺動中心軸を中心に前記光路屈曲部材を揺動させる、請求項1~4の何れか一項に記載のカメラ用アクチュエータ。
【請求項7】
前記第二アクチュエータは、前記第一光軸の方向および前記第二光軸の方向に直交する方向に前記レンズ部を変位させる、請求項1~5の何れか一項に記載のカメラ用アクチュエータ。
【請求項8】
前記第一アクチュエータおよび前記第二アクチュエータは、振れ補正用アクチュエータを構成し、
前記第三アクチュエータは、オートフォーカス用アクチュエータを構成する、
請求項1~7の何れか一項に記載のカメラ用アクチュエータ。
【請求項9】
前記光路屈曲部材を保持するホルダと、
前記ホルダを揺動可能に支持する軸受部を有する第一ベースと、
前記ホルダを前記第一ベースに向けて付勢する付勢機構と、をさらに備える請求項1に記載のカメラ用アクチュエータ。
【請求項10】
前記付勢機構が、前記ホルダを、前記ホルダの幅方向における両側から幅方向の中央部に向かって付勢する、請求項9に記載のカメラ用アクチュエータ。
【請求項11】
前記付勢機構が、前記ホルダを前記第一ベースに対して付勢するとともに、前記ホルダの幅方向における両側から幅方向の中央部に向かって付勢するバネ部材である、請求項10に記載のカメラ用アクチュエータ。
【請求項12】
前記付勢機構が、前記ホルダに固定された第一マグネットと、前記第一ベースに固定されたヨークと、により構成され、
前記付勢機構は、前記第一マグネットと前記ヨークとの間に生じる磁力に基づいて、前記ホルダを前記第一ベースに対して付勢する、請求項9に記載のカメラ用アクチュエータ。
【請求項13】
前記レンズ部を保持するレンズガイドと、
前記レンズガイドを収容可能な第二ベースと、
前記第二方向および前記第三方向の変位を可能に、前記レンズガイドを前記第二ベースに支持する複数個のスプリングと、を備える請求項1に記載のカメラ用アクチュエータ。
【請求項14】
前記複数個のスプリングが、前記レンズガイドの周辺に分散配置され、前記複数個のスプリングの分散配置の中心位置が、前記レンズガイドおよび前記レンズガイドとともに変位可能な部材により構成される可動部の重心位置と一致している、請求項13に記載のカメラ用アクチュエータ。
【請求項15】
前記光路屈曲部材を保持するホルダと、
前記ホルダを揺動可能に支持する第一ベースと、
前記ホルダと前記第一ベースとの間に設けられ、少なくとも一部に球面状の揺動ガイド面を有する揺動ガイド部材と、をさらに備え、
前記ホルダは、前記揺動ガイド部材を介して、前記第一ベースに揺動可能に支持されている、
請求項1に記載のカメラ用アクチュエータ。
【請求項16】
前記レンズ部を保持するレンズガイドを、さらに備え、
前記第二アクチュエータおよび前記第三アクチュエータのうちの少なくとも一方のアクチュエータは、所定方向に対向する一対の側面に一対の面取部が形成されたマグネットを有し、
前記レンズガイドは、
一対の傾斜面部を有するマグネット保持部であって、前記一対の面取部と前記一対の傾斜面部とが対向した状態で前記マグネットを保持する前記マグネット保持部を有する、
請求項1に記載のカメラ用アクチュエータ。
【請求項17】
請求項1に記載のカメラ用アクチュエータと、
レンズ部の後段に配置された撮像素子と、
を備えるカメラモジュール。
【請求項18】
請求項17に記載のカメラモジュールと、
前記カメラモジュールを制御する制御部と、
を有するカメラ搭載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ用アクチュエータ、カメラモジュール、およびカメラ搭載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォンやデジタルカメラなど、カメラモジュールを搭載した薄型のカメラ搭載装置が知られている。カメラモジュールは、1以上のレンズを有するレンズ部と、レンズ部により結像された被写体像を撮像する撮像素子とを備える。
【0003】
また、レンズ部の前段に設けられた光路屈曲部材であるプリズムにより、第一光軸に沿う被写体からの光を第二光軸の方向に屈曲して後段のレンズ部に導光する屈曲光学系を備えるカメラモジュールも提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
特許文献1に開示されたカメラモジュールは、カメラに生じる手振れを補正する振れ補正装置、および、オートフォーカスを行うオートフォーカス装置を備えている。このようなカメラモジュールは、カメラ用アクチュエータとして振れ補正用アクチュエータおよびオートフォーカス用アクチュエータを有する。このうちの振れ補正用アクチュエータは、異なる二軸を中心にプリズムを揺動させる第一アクチュエータおよび第二アクチュエータを備えている。カメラに手振れが生じると、制御部の制御下で振れ補正用アクチュエータがプリズムを揺動させる。これによりカメラに生じた手振れが補正される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述のような特許文献1に開示されたカメラ用アクチュエータの場合、振れ補正用アクチュエータの第一アクチュエータおよび第二アクチュエータが、プリズムの周囲に配置されているため、当該プリズムの周囲における設計の自由度が低くなってしまう可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、光路屈曲部材の周囲における設計の自由度を向上できるカメラ用アクチュエータ、カメラモジュール、およびカメラ搭載装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るカメラ用アクチュエータの一態様は、第一光軸の方向に沿う入射光を第二光軸の方向に屈曲させる光路屈曲部材の後段に配置されたレンズ部と、上記光路屈曲部材の近傍に配置され、上記光路屈曲部材を変位させる第一アクチュエータと、上記レンズ部の近傍で前記第一光軸の方向に平行な第一方向において互いに離間した状態で重なるように配置され、上記レンズ部を、上記第一方向に直交しかつ互いに直交する第二方向および第三方向のそれぞれにおいて変位させる第二アクチュエータおよび第三アクチュエータと、を備える。
【0009】
本発明に係るカメラモジュールの一態様は、上述のカメラ用アクチュエータと、レンズ部の後段に配置された撮像素子と、を備える。
【0010】
本発明に係るカメラ搭載装置の一態様は、上述のカメラモジュールと、当該カメラモジュールを制御する制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、光路屈曲部材の周囲における設計の自由度を向上できるカメラ用アクチュエータ、カメラモジュール、およびカメラ搭載装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態1に係るカメラモジュールの斜視図である。
【
図2】ケースを省略した状態のカメラモジュールの斜視図である。
【
図3】ケースを省略した状態で
図2と別の角度から見たカメラモジュールの斜視図である。
【
図8】第一ベースにホルダを組み付けた状態の斜視図である。
【
図9】
図9Aは、第一カバーを省略した状態のプリズムモジュールの斜視図であって、
図9Bは、抑えバネの押圧部がホルダの被押圧部を押圧した状態を説明するための
図9AのE-E断面に相当する断面図である。
【
図10】抑えバネのみを取り出して示す斜視図である。
【
図11】レンズモジュールを
図1のD-D線で切断した場合の断面図である。
【
図12】第二カバーを省略した状態のレンズモジュールの斜視図である。
【
図13】
図12と別の角度から見た第二カバーを省略した状態のレンズモジュールの斜視図である。
【
図15】
図14と別の角度から見た第二ベースの斜視図である。
【
図17】スプリングを組付状態の配置のまま取り出して示す斜視図である。
【
図18】レンズモジュールのFPCのみを取り出して示す斜視図である。
【
図19】基準部材のみを取り出して示す斜視図である。
【
図20】実施形態2に係るカメラモジュールの斜視図である。
【
図21】カメラモジュールのプリズムモジュール部分の断面図である。
【
図22】カメラモジュールを搭載したカメラ搭載装置の一例を示す斜視図である。
【
図23】実施形態3に係るカメラモジュールのプリズムモジュールを
図1のC-C線で切断した場合の断面図である。
【
図25】プリズムモジュールを
図1のA-A線で切断した場合の断面図である。
【
図26】第一ベースに一部の部材を組み付けた状態の斜視図である。
【
図27】
図26に示す状態の第一ベースに揺動支持バネを組み付けた状態の斜視図である。
【
図28】第一カバーおよびプリズムを省略した状態のプリズムモジュールの斜視図である。
【
図29】第一カバーを省略した状態のプリズムモジュールの斜視図である。
【
図30】揺動支持バネを組付状態の配置のまま取り出して示す斜視図である。
【
図33】実施形態4に係るカメラモジュールの第二アクチュエータおよびAFアクチェエータを取り出して示す斜視図である。
【
図34】実施形態5に係るカメラモジュールのレンズモジュールを一部の部材を省略した状態で示す斜視図である。
【
図35】第二アクチュエータ、AFアクチェエータ、補強プレート、およびFPCを取り出して示す斜視図である。
【
図36】第二アクチュエータ、AFアクチェエータ、および補強プレートを取り出して示す斜視図である。
【
図37】実施形態6に係るカメラモジュールの第二アクチュエータおよびAFアクチェエータを取り出して示す斜視図である。
【
図38】実施形態7に係るカメラモジュールのレンズモジュールを一部の部材を省略した状態で示す斜視図である。
【
図39】第二アクチュエータおよびAFアクチェエータを取り出して示す斜視図である。
【
図40】本発明の実施形態8に係るカメラモジュールのプリズムモジュールを一部の部材を省略した状態で示す斜視図である。
【
図41】一部の部材を省略したプリズムモジュールを
図40と別角度から見た状態で示す斜視図である。
【
図42】第一ベースにホルダを組み付けた状態の斜視図である。
【
図45】抑えバネのみを取り出して示す斜視図である。
【
図46】一部の部材を省略したレンズモジュールの斜視図である。
【
図47】一部の部材を省略したレンズモジュールを
図46と別角度から見た状態で示す斜視図である。
【
図48】第二ベースを省略したレンズモジュールの側面図である。
【
図49】第二ベースを省略したレンズモジュールを、
図48と反対側から見た状態で示す側面図である。
【
図50】レンズモジュールのFPCのみを取り出して示す斜視図である。
【
図51】スプリングを組付状態の配置のまま取り出して示す斜視図である。
【
図52】
図52Aは、実施形態8に係るスプリングのゲル係止部を示す模式図であって、
図52Bは、ゲル係止部の変形例1を示す模式図であって、
図52Cは、ゲル係止部の変形例2を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態のいくつかの例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態同士は、技術的に矛盾しない限り、適宜組み合わせて実施できる。
【0014】
[1.実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係るカメラモジュール1の斜視図である。
図2、3は、ケースを外した状態のカメラモジュール1の斜視図である。さらに、
図4は、
図1のA-A断面図であり、
図5は、
図1のB-B断面図である。以下、カメラモジュール1の概要について説明した後、カメラモジュール1が備えるプリズムモジュール2、レンズモジュール3、および撮像素子モジュール4の具体的構造について説明する。
【0015】
[1.1 カメラモジュールについて]
カメラモジュール1は、例えばスマートフォン(
図22参照)、携帯電話機、デジタルカメラ、ノート型パソコン、タブレット端末、携帯型ゲーム機、車載カメラなどの薄型のカメラ搭載装置に搭載される。
【0016】
以下、本実施形態のカメラモジュール1を構成する各部については、カメラモジュール1に組み込まれた状態を基準として説明する。また、本実施形態のカメラモジュール1の構造を説明するにあたり、直交座標系(X,Y,Z)を使用する。後述する図においても共通の直交座標系(X,Y,Z)で示している。
【0017】
カメラモジュール1は、カメラ搭載装置で実際に撮影が行われる場合に、例えばX方向が左右方向、Y方向が上下方向、Z方向が前後方向となるように搭載される。被写体からの光は、
図4に破線α(第一光軸ともいう。)で示すように、Z方向+側(プラス側)からプリズムモジュール2のプリズム23に入射する。プリズム23に入射した光は、
図4に破線β(第二光軸ともいう。)で示すように、プリズム23の光路屈曲面231で屈曲して、プリズム23よりも後段(つまり、X方向+側)に配置されたレンズモジュール3のレンズ部33へと導光される。そして、レンズ部33(
図4参照)により結像された被写体像が、レンズモジュール3の後段に配置された撮像素子モジュール4により撮像される。
【0018】
上述のカメラモジュール1は、プリズムモジュール2に組み込まれた第一振れ補正装置24(
図4参照)、および、レンズモジュール3に組み込まれた第二振れ補正装置37(
図5参照)により、振れ補正(OIS:Optical Image Stabilization)を行う。また、上述のカメラモジュール1は、レンズモジュール3に組み込まれたAF装置36によりレンズ部33をX方向に変位させて、オートフォーカスを行う。
【0019】
[1.1.1 カメラ用アクチュエータについて]
上述のカメラモジュール1は、第一振れ補正装置24、第二振れ補正装置37、およびAF装置36を駆動するカメラ用アクチュエータを有する。このようなカメラ用アクチュエータは、第一振れ補正装置24を駆動する第一アクチュエータ244、第二振れ補正装置37を駆動する一対の第二アクチュエータ370a、370b、およびAF装置36を駆動する一対のAFアクチュエータ364a、364bを有する。
【0020】
本実施形態の場合、光路屈曲部材であるプリズム23の周囲における設計の自由度を向上すべく、第一アクチュエータ244の配置態様を工夫するとともに、レンズモジュール3における第二アクチュエータ370a、370bおよびAFアクチュエータ364a、364bの配置態様を工夫している。各アクチュエータの配置態様は、後述するプリズムモジュール2およびレンズモジュール3の説明により明らかとなる。
【0021】
以下、
図1~19を参照して、本実施形態のカメラモジュール1が備える、プリズムモジュール2、レンズモジュール3、および撮像素子モジュール4について説明する。
【0022】
[1.1.2 プリズムモジュールについて]
プリズムモジュール2は、
図4に示すように、第一カバー21、第一ベース22、プリズム23、および第一振れ補正装置24を備える。
【0023】
[第一カバー]
第一カバー21は、
図4、5に示すように、例えば合成樹脂製または非磁性金属製であり、Z方向両側およびX方向+側が開口した箱状部材である。被写体側からの光は、第一カバー21のZ方向+側の開口部を通過して第一カバー21の内部空間に侵入可能である。以上のような第一カバー21は、後述する第一ベース22にZ方向+側から組み合わされている。
【0024】
[第一ベース]
第一ベース22は、後述する第一振れ補正装置24のホルダ241(
図4、8参照)を、Y方向に平行な第一軸を中心とした揺動を可能に支持する。このために、第一ベース22は、軸受部である第一軸受部225aおよび第二軸受部225b(
図7参照)を有する。
【0025】
本実施形態の場合、第一ベース22は、Z方向+側およびX方向+側がそれぞれ開口した箱状部材である。なお、第一ベース22のZ方向-側の壁部(つまり、底壁部229)には、ベース第一開口部220(
図4参照)が形成されている。
図7では、ベース第一開口部220に後述する第一アクチュエータ244の第一コイル244cおよび第一ホール素子244eなどが配置されている。このような第一ベース22は、上述の第一カバー21と組み合わされることにより、第一振れ補正装置24およびプリズム23を配置可能な第一収容空間223(
図4参照)を形成する。
【0026】
また、第一ベース22は、Y方向両端部にY方向に対向した第一側壁部224a、224b(
図7参照)を有する。Y方向+側の第一側壁部224aには、第一軸受部225aが設けられている。一方、Y方向-側の第一側壁部224bには、第二軸受部225bが設けられている。
【0027】
第一軸受部225aと第二軸受部225bとは、互いにY方向に対称な形状を有する。以下、第一軸受部225aの構造について説明する。第一軸受部225aは、Y方向視でZ方向+側が開口した略V字の切り欠き状である。このような第一軸受部225aのX方向両側面は、曲面状である。
【0028】
また、第一側壁部224a、224bのZ方向+側の端面にはそれぞれ、第一位置決め凸部226、第二位置決め凸部227、および第三位置決め凸部228(
図7参照)が形成されている。第一位置決め凸部226および第二位置決め凸部227は、後述する一対の抑えバネ242(
図10参照)と係合して、一対の抑えバネ242のY方向のずれを防止する。一方、第三位置決め凸部228は、一対の抑えバネ242と係合することにより、一対の抑えバネ242の組み付け時の位置決めを図る。
【0029】
なお、軸受部の構造は図示の場合に限定されない。軸受部は、例えば、転がり軸受、滑り軸受などの軸受であってもよい。
【0030】
[プリズム]
プリズム23は、三角柱状であって、後述する第一振れ補正装置24のホルダ241(
図4、8参照)に保持された状態で第一収容空間223に配置されている。
【0031】
このようなプリズム23は、被写体側(つまり、Z方向+側)からの入射光を光路屈曲面231(
図4参照)で屈曲させて後述するレンズ部33の方向(つまり、X方向+側)に導光する。
【0032】
光路屈曲面231は、Y方向に平行な面であり、上述のような導光が可能となるように第一光軸(つまり、Z方向)に対して所定角度(本実施形態では45°)だけ傾斜している。なお、プリズム23の構造は、被写体側からの入射光をレンズ部33に導光できれば、本実施形態と異なってもよい。
【0033】
[第一振れ補正装置]
第一振れ補正装置24は、Y方向に平行な第一軸を中心にプリズム23を揺動させて、当該第一軸を中心とした回転方向の振れ補正を行う。このような第一振れ補正装置24は、第一収容空間223(
図4参照)に配置されている。
【0034】
第一振れ補正装置24(
図2、4参照)は、ホルダ241、一対の抑えバネ242、および第一アクチュエータ244を備える。
【0035】
このような第一振れ補正装置24において、ホルダ241は、第一ベース22に揺動可能に支持されている。この状態でホルダ241は、第一アクチュエータ244の駆動力に基づいて第一軸を中心に揺動できる。制御部(図示省略)の制御下で第一アクチュエータ244が駆動されると、ホルダ241およびプリズム23が第一軸を中心に揺動する。これにより、当該第一軸を中心とした回転方向の振れが補正される。以下、ホルダ241、抑えバネ242、および第一アクチュエータ244の具体的構造について説明する。
【0036】
[ホルダ]
ホルダ241(
図6、8参照)は、例えば、合成樹脂製であって、第一ベース22に対してプリズム23を揺動可能な状態で保持する。
【0037】
ホルダ241は、プリズム23の光路屈曲面231に裏側(Z方向-側)から対面する載置面241a(
図6、8参照)を有する。載置面241aは、例えば、光路屈曲面231と平行な面を有する。なお、載置面241aは、本実施形態の構造に限定されず、例えば、プリズム23の位置決めを可能な形状を有するボスなどでもよい。
【0038】
ホルダ241は、互いに同軸に設けられた一対の揺動支持部241c、241d(
図6、8参照)を有する。揺動支持部241c、241dの中心軸が、ホルダ241の揺動中心軸(つまり、第一軸)である。
【0039】
揺動支持部241c、241dはそれぞれ、載置面241aをY方向両側から挟む一対の対向壁部241f、241g(
図6、8参照)に設けられている。具体的には、揺動支持部241cは、対向壁部241fのY方向+側面に設けられている。このような揺動支持部241cは、第一ベース22の第一軸受部225aと係合している。
【0040】
一方、揺動支持部241dは、対向壁部241gのY方向-側面に設けられている。このような揺動支持部241dは、第一ベース22の第二軸受部225bと係合している。
【0041】
また、ホルダ241は、被押圧部241i、241k(
図2、3、8参照)を有している。このような被押圧部241i、241kはそれぞれ、後述する1対の抑えバネ242によりZ方向-側に(つまり、第一ベース22に向けて)押圧されている。これにより、ホルダ241は、Z方向における位置決めを図られている。
【0042】
本実施形態の場合、Y方向+側の被押圧部241i(
図2、8参照)は、対向壁部241fのY方向+側面に形成された二個の凸部である。具体的には、被押圧部241iは、対向壁部241fのY方向+側面において揺動支持部241cのX方向両側に設けられている。
【0043】
一方、Y方向-側の被押圧部241k(
図3参照)は、対向壁部241gのY方向-側面に形成された二個の凸部である。具体的には、被押圧部241kは、対向壁部241gのY方向-側面における揺動支持部241dのX方向両側に設けられている。
【0044】
上述のような被押圧部241i、241kはそれぞれ、球面状の外周面を有する。具体的には、被押圧部241i、241kはそれぞれ、ZX平面に平行な面で切断した断面形状が、対向壁部241f、241gから離れるほど直径が小さくなる円形である。このため、被押圧部241i、241kの外周面と一対の抑えバネ242との接触が点接触となる。
【0045】
また、被押圧部241i、241kの外周面を球面状にすることにより、一対の抑えバネ242が被押圧部241i、241kを押圧する力に、ホルダ241のY方向における中央向きの成分が含まれる。このような構成により、ホルダ241は、Y方向の位置決め、および、がたつきの低減が図られている。
【0046】
さらに、ホルダ241は、後述する第一アクチュエータ244への通電が切れた場合に、一対の抑えバネ242の弾性力に基づいて初期位置に復帰する。なお、ホルダ241の初期位置とは、ホルダ241が第一アクチュエータ244により揺動させられていない状態をいう。
【0047】
[抑えバネ]
一対の抑えバネ242(
図9、10参照)はそれぞれ、付勢機構であって、第一ベース22に固定されている。このような抑えバネ242はそれぞれ、ホルダ241をZ方向-側(つまり、第一ベース22に向かう方向)に押圧する。これとともに、抑えバネ242はそれぞれ、Y方向両側からY方向中央に向けてホルダ241を押圧している。
【0048】
具体的には、抑えバネ242はそれぞれ、第一ベース22における一対の第一側壁部224a、224bの一部(具体的には、Z方向+側の端面)に接着などの固定手段により固定されている。固定手段は、例えば、締結用部品(例えば、リベット、ボルト、ボルトおよびナットの組)を用いた固定手段でもよい。
【0049】
上述のような一対の抑えバネ242はそれぞれ、
図10に示すように、金属製の板バネであって、固定基部242aおよび一対の押圧部242cを有する。
【0050】
固定基部242aは、第一ベース22に固定される部分である。このような固定基部242aには、バネ側第一孔242e、バネ側第二孔242g、およびバネ側第三孔242iが形成されている。
【0051】
バネ側第一孔242eおよびバネ側第二孔242gには、第一ベース22の第一位置決め凸部226および第二位置決め凸部227が挿通されている(
図2、3参照)。この構成により、ホルダ241からの反力による抑えバネ242のY方向のずれが防止される。
【0052】
バネ側第三孔242iには、第一ベース22の第三位置決め凸部228が挿通されている(
図2、3参照)。この構成により、抑えバネ242を第一ベース22に組み付ける際の位置決めが図られる。
【0053】
一対の押圧部242cはそれぞれ、固定基部242aの二箇所からホルダ241に近づく方向に延在している。このような一対の押圧部242cはそれぞれ、ホルダ241の被押圧部241iをZ方向-側に押圧している。これによりホルダ241の揺動支持部241cが、第一ベース22の第一軸受部225aに押し付けられている。また、一対の押圧部242cはそれぞれ、ホルダ241の被押圧部241iを、ホルダ241のY方向の中央に向けて押圧している。
【0054】
[第一アクチュエータ]
第一アクチュエータ244(
図4、6参照)は、第一軸を中心にホルダ241を揺動させる。本実施形態の場合、第一アクチュエータ244は、プリズム23の光路屈曲面231およびホルダ241とZ方向(つまり、第一光軸の方向)に重なるようにプリズム23およびホルダ241の裏側(つまり、Z方向-側)に配置されている。なお、本実施形態の場合、第一光軸の方向が、第一方向に相当する。
【0055】
具体的には、第一アクチュエータ244は、第一マグネット244a、第一コイル244c、および第一ホール素子244eを備える。このような第一アクチュエータ244は、第一マグネット244aが可動側部材であるホルダ241に固定されるとともに第一コイル244cが固定側部材である第一ベース22に固定された、いわゆるムービングマグネット型のアクチュエータである。
【0056】
なお、第一アクチュエータ244は、第一コイル244cがホルダ241に固定されるとともに第一マグネット244aが第一ベース22に固定された、いわゆるムービングコイル型のアクチュエータであってもよい。このような第一アクチュエータ244を構成する各部の構造は、従来から知られている構造とほぼ同様であるため、詳しい説明は省略する。以下、第一アクチュエータ244を構成する各部の配置について説明する。
【0057】
第一マグネット244aは、ホルダ241の裏側面(つまり、Z方向-側の面)に固定されている。本実施形態の場合、第一マグネット244aは、着磁方向がZ方向であって、片側に2つの磁極を有する。第一コイル244cおよび第一ホール素子244eは、第一ベース22の裏側面に固定された、フレキシブルプリント回路基板(以下、FPC)25の表面(つまり、Z方向+側の面)に固定されている。
【0058】
第一コイル244cおよび第一ホール素子244eは、第一ベース22のベース第一開口部220(
図4、6参照)に配置されている。なお、本実施形態の場合、第一コイル244cは、長円形状のいわゆる空心コイルである。第一ホール素子244eは、第一コイル244cの径方向の内側に配置されている。
【0059】
以上のような構成を有する第一アクチュエータ244の場合、手振れ補正用の制御部(図示省略)の制御下で、FPC25を介して第一コイル244cに電流が流れると、第一マグネット244aをX方向に変位させるローレンツ力が生じる。第一マグネット244aはホルダ241に固定されているため、上記ローレンツ力に基づいてホルダ241には、第一軸を中心としたモーメントが作用する。この結果、ホルダ241は、第一軸を中心に揺動する。第一コイル244cに流れる電流の向きを制御することにより、ホルダ241の変位方向が切り換わる。
【0060】
[1.1.3 レンズモジュールについて]
レンズモジュール3は、
図11~19に示すように、第二カバー31、第二ベース32、レンズ部33、AF装置36、第二振れ補正装置37、および基準部材38を備える。
【0061】
[第二カバー]
第二カバー31は、例えば合成樹脂製または非磁性金属製であり、X方向両側およびZ方向-側(つまり、裏側)が開口した箱状部材である。以上のような第二カバー31は、後述する第二ベース32にZ方向+側から組み合わされる。
【0062】
[第二ベース]
第二ベース32(
図14、15参照)は、上述の第二カバー31と組み合わされることにより、レンズ部33、AF装置36、および第二振れ補正装置37を配置可能な第二収容空間320(
図11参照)を形成する。
【0063】
第二ベース32は、底面部321および一対の第二側壁部322a、322bを有する。底面部321は、合成樹脂製の基部と、当該基部にインサート成形された金属製の補強プレート323とを有する。このような補強プレート323は、底面部321の高剛性化、薄肉化に資する。
【0064】
第二ベース32の補強プレート323は、後述するレンズガイド361よりもZ方向-側に、レンズガイド361に対して重なるように配置されている。具体的には、レンズガイド361がオートフォーカスの動作の際に移動可能な範囲(つまり、X方向に移動可能な範囲)および振れ補正の動作の際に移動可能な範囲(つまり、Y方向に移動可能な範囲)の何れの位置に存在する場合でも、補強プレート323のZ方向+側にはレンズガイド361が存在するようにしている。このため、補強プレート323の表面(つまり、Z方向+側の面)は、常にレンズガイド361により覆われて露出していない。これにより、補強プレート323による反射光が、レンズ部33、ひいては後述する撮像素子モジュール4の撮像素子に入光しないようにしている。
【0065】
底面部321における補強プレート323のY方向両側部分には、それぞれ底面貫通孔321a、321b(
図15参照)が形成されている。底面貫通孔321a、321bには、後述する一対のAFアクチュエータ364a、364bのAF用コイル366a、366bが配置されている(
図5、11参照)。
【0066】
第二側壁部322a、322bはそれぞれ、底面部321のY方向両端部からZ方向+側に延在している。第二側壁部322a、322bはそれぞれ、コイル載置部322d、322eを有する。このようなコイル載置部322d、322eにはそれぞれ、後述する第二振れ補正装置37の第二コイル372a、372bが載置されている(
図5、11参照)。
【0067】
また、一対のコイル載置部322d、322eと底面部321との間には、一対のマグネット用空間322g、322h(
図11参照)が形成されている。このようなマグネット用空間322g、322hにはそれぞれ、後述する一対のAFアクチュエータ364a、364bのAF用マグネット365a、365bが配置されている。
【0068】
本実施形態の場合、底面貫通孔321a、321bとコイル載置部322d、322eとがZ方向に所定の間隔をあけて重なっている。したがって、底面貫通孔321a、321bに配置されているAF用コイル366a、366bと、コイル載置部322d、322eに載置されている第二コイル372a、372bとが、Z方向に所定の間隔をあけて重なっている。
【0069】
また、第二側壁部322aは、Y方向+側の側面におけるX方向両端部に、後述するスプリング362a、362cを配置するためのスプリング配置部324a、324c(
図2参照)を有する。一方、第二側壁部322bは、Y方向-側の側面におけるX方向両端部に、後述するスプリング362b、362dを配置するためのスプリング配置部324b、324d(
図3参照)を有する。なお、スプリング配置部324a~324dにはそれぞれ、スプリング362a~362dを覆ったゲル状の制震部材が配置されてもよい。
【0070】
[レンズ部]
レンズ部33は、後述するレンズガイド361に保持された状態で、第二収容空間320に配置されている。このようなレンズ部33は、筒状のレンズバレル、および、レンズバレルに保持された1以上のレンズを有する。一例として、レンズ部33は、レンズバレルのX方向-側の端部とレンズバレルのX方向+側の端部との間に固定された、たとえば光学3倍以上の望遠レンズ群を有する。なお、レンズ部33の構造は、上述の構造に限定されない。
【0071】
[AF装置]
AF装置36(
図5参照)は、オートフォーカスを目的として、レンズ部33をX方向に変位させる。具体的には、AF装置36は、レンズガイド361、複数個(本実施形態の場合4個)のスプリング362a~362d、FPC363、および一対のAFアクチュエータ364a、364bを有している。
【0072】
[レンズガイド]
レンズガイド361(
図11、16参照)は、レンズバレルを保持可能な収容空間を有する。このようなレンズガイド361は、X方向(つまり、第二光軸の方向)およびY方向の変位を可能な状態で、上述の第二収容空間320に配置されている。
【0073】
レンズガイド361は、後述する一対のAFアクチュエータ364a、364bのAF用マグネット365a、365bを保持する一対の第一マグネット保持部361a、361b(
図11参照)を有する。本実施形態の場合、一対の第一マグネット保持部361a、361bはそれぞれ、第二ベース32のマグネット用空間322g、322hに配置されている。
【0074】
レンズガイド361は、後述する一対の第二アクチュエータ370a、370bの第二マグネット371a、371bを保持する一対の第二マグネット保持部368a、368b(
図11参照)を有する。本実施形態の場合、一対の第二マグネット保持部368a、368bはそれぞれ、第二ベース32のコイル載置部322d、322eとZ方向に所定の間隔をあけて重なっている。
【0075】
[スプリング]
複数個(本実施形態の場合4個)のスプリング362a~362d(
図12、13、17参照)は、レンズガイド361を第二ベース32に弾性的に支持している。この状態で、レンズ部33は、第二ベース32に対してX方向およびY方向に変位できる。
【0076】
本実施形態の場合、スプリング362aは、レンズガイド361のX方向+側かつY方向+側の端部を第二ベース32に支持している(
図12参照)。スプリング362bは、レンズガイド361のX方向+側かつY方向-側の端部を第二ベース32に支持している(
図13参照)。スプリング362cは、レンズガイド361のX方向-側かつY方向+側の端部を第二ベース32に支持している(
図12参照)。さらに、スプリング362dは、レンズガイド361のX方向-側かつY方向-側の端部を第二ベース32に支持している(
図13参照)。
【0077】
スプリング362a~362dはそれぞれ、第一固定部362f、第二固定部362g、および弾性変形部362h(
図17参照)を有する。尚、
図17は、組付状態における配置のままのスプリング362a~362dを示している。
【0078】
第一固定部362fは、可動側部材であるレンズガイド361に固定されている。第二固定部362gは、固定側部材である第二ベース32に固定されている。弾性変形部362hは、第一固定部362fと第二固定部362gとを連続している。弾性変形部362hは、例えば、蛇行状に曲げ成形された線状部材からなる。
【0079】
なお、本実施形態の場合、弾性変形部362hは、X方向において方向性を有している。上述のスプリング362a~362dはそれぞれ、弾性変形部362hのX方向における方向性が同じ状態で配置されている。
【0080】
本実施形態の場合、
図17に示すように、Z方向から見てレンズガイド361の対角位置に配置されたスプリング362aの中心とスプリング362dの中心とを結んだ線分をL
1とし、スプリング362bの中心とスプリング362cの中心とを結んだ線分をL
2とした場合に、L
1とL
2との交点(分散配置の中心位置ともいう。)が、基準位置における可動部の重心Gと一致またはほぼ一致している。なお、可動部とは、本実施形態の場合、レンズガイド361、および、レンズガイド361に固定され、レンズガイド361とともに変位可能な各部材をいう。具体的には、本実施形態の場合、可動部は、レンズガイド361、レンズ部33、一対のAFアクチュエータ364a、364bのAF用マグネット365a、365b、後述する一対の第二アクチュエータ370a、370bの第二マグネット371a、371b、およびシールド板6a、6bを含んで構成される。
【0081】
各スプリングの中心とは、例えば、各スプリングのZ方向の中央位置かつX方向中央位置である。また、レンズガイド361の基準位置とは、オートフォーカス機能によりレンズガイド361がX方向に変位していない状態、かつ、後述する第二振れ補正装置37によりY方向に変位していない状態をいう。このような構成により、上記可動部の重心を通りかつZ方向に平行な直線L3周りのレンズガイド361の共振が低減される。
【0082】
なお、上述のような各スプリング362a~362dは、以下のようにして配置される。上記重心Gを通り第二光軸の方向(つまり、X方向)に平行な直線を直線L
4(
図17参照)とした場合に、X方向+側の一対のスプリング362a、362bは、上記直線L
4に関して対称、かつ、重心GからX方向+側(
図17の右側)に所定距離だけ離れた2箇所位置に配置される。一方、X方向-側の一対のスプリング362c、362dは、上記直線L
4に関して対称、かつ、重心GからX方向-側(
図17の左側)に上記所定距離だけ離れた2箇所位置に配置される。これにより、上記直線L
1と上記直線L
2との交点が、上記重心Gに一致する。
【0083】
[FPC]
FPC363(
図11、18参照)は、フレキシブルプリント回路基板であって、第二ベース32に固定されている。このようなFPC363は、例えば、後述するAF装置36および第二振れ補正装置37の第二アクチュエータ370a、370bに電力を供給する。
【0084】
具体的には、FPC363は、連続した一枚のフレキシブルプリント回路基板であって、一対の第一コイル固定部363a、363bおよび一対の第二コイル固定部363d、363eを有する。
【0085】
第一コイル固定部363aには、AF装置36のAF用コイル366a(
図11参照)が基板7aを介して固定されている。この状態で、第一コイル固定部363aおよびAF用コイル366aは、第二ベース32の底面貫通孔321aに配置されている。
【0086】
一方、第一コイル固定部363bには、AF装置36のAF用コイル366b(
図11参照)が、基板7bを介して固定されている。この状態で、第一コイル固定部363bおよびAF用コイル366bは、第二ベース32の底面貫通孔321bに配置されている。なお、上述の基板7a、7bは、第一コイル固定部363a、363bに、はんだにより固定されている。このような構造に対して、第一コイル固定部363a、363bにFPC補強板を設ける場合には、上述の基板7a、7bを省略して、AF用コイル366a、366bを、FPC363に直接設けることもできる。このような構造の場合には、基板7a、7bを省略できるため、基板7a、7bと第一コイル固定部363a、363bとのはんだも不要となる。
【0087】
第二コイル固定部363d、363eはそれぞれ、第一コイル固定部363a、363bに対してZ方向に所定の間隔をあけて重なっている。第二コイル固定部363d、363eの表面にはそれぞれ、後述する第二振れ補正装置37の第二コイル372a、372bが固定されている(
図11参照)。この状態で、第二コイル固定部363d、363eはそれぞれ、第二ベース32のコイル載置部322d、コイル載置部322eの表面に載置されている。
【0088】
[AFアクチュエータ]
一対のAFアクチュエータ364a、364b(
図11参照)はそれぞれ、オートフォーカス用となる第三アクチュエータである。Y方向+側のAFアクチュエータ364aは、AF用マグネット365a、およびAF用コイル366aを有する。一方、Y方向-側のAFアクチュエータ364bは、AF用マグネット365b、AF用コイル366b、およびAF用ホール素子367を有する。
【0089】
このようなAFアクチュエータ364a、364bはそれぞれ、AF用マグネット365a、365bが可動側部材であるレンズガイド361に固定されるとともに、AF用コイル366a、366bが固定側部材である第二ベース32にFPC363を介して固定されたムービングマグネット型のアクチュエータである。
【0090】
なお、AFアクチュエータ364a、364bはムービングコイル型のアクチュエータであってもよい。このようなAFアクチュエータ364a、364bを構成する各部の構造は、従来から知られている構造とほぼ同様であるため、詳しい説明は省略する。以下、AFアクチュエータ364a、364bを構成する各部の配置について説明する。
【0091】
AF用マグネット365a、365bはそれぞれ、レンズガイド361の第一マグネット保持部361a、361bに保持されている。この状態でAF用マグネット365a、365bはそれぞれ、第二ベース32のマグネット用空間322g、322h(
図11参照)に配置されている。本実施形態の場合、AF用マグネット365a、365bはそれぞれ、Z方向に着磁され、片側に二つの磁極を有する。
【0092】
AF用コイル366a、366bは、長円形状のいわゆる空心コイルである。AF用コイル366a、366bは、長軸がY方向に一致した状態で、FPC363の第一コイル固定部363a、363bに基板7a、7bを介して固定されている。AF用ホール素子367は、AF用コイル366bの径方向の内側に配置されている。
【0093】
以上のような構成を有するAFアクチュエータ364a、364bの場合、オートフォーカス用の制御部(図示省略)の制御下でFPC363を介してAF用コイル366a、366bに電流が流れると、AF用マグネット365a、365bをX方向に変位させるローレンツ力が生じる。AF用マグネット365a、365bはレンズガイド361に固定されているため、上記ローレンツ力に基づいてレンズガイド361が、X方向(第三方向ともいう。)に変位する。なお、AF用コイル366a、366bに流れる電流の向きを制御することにより、レンズガイド361の変位方向が切り換わる。このようにしてオートフォーカスが行われる。
【0094】
なお、本実施形態の場合、上述のようにスプリング362a~362dおよびレンズガイド361の配置を工夫することにより上記直線L
3(
図17参照)周りのレンズガイド361の共振を低減している。ただし、当該共振を完全になくすことができない場合には、AFアクチュエータ364aの駆動力とAFアクチュエータ364bの駆動力に差をつけることにより、当該共振を相殺する方向にレンズガイド361を揺動させてもよい。なお、AFアクチュエータ364a、364bに流す電流を異ならせることにより、AFアクチュエータ364a、364b同士の駆動力に差をつけることができる。
【0095】
[第二振れ補正装置]
第二振れ補正装置37(
図5参照)は、レンズ部33をY方向(第二方向ともいう。)に変位させることにより、Y方向の振れ補正を行う。このような第二振れ補正装置37は、上述の第二収容空間320(
図4参照)に配置されている。
【0096】
第二振れ補正装置37は、上述したレンズガイド361、上述した複数個のスプリング362a~362d、上述したFPC363、および一対の第二アクチュエータ370a、370bを有する。レンズガイド361、362a~362d、およびFPC363は、AF装置36と共通である。
【0097】
Y方向+側の第二アクチュエータ370a(
図11参照)は、上述のAFアクチュエータ364aに対して、Z方向(第一方向ともいう。)に所定の間隔をあけて重なった状態で配置されている。このような第二アクチュエータ370aは、第二マグネット371a、および第二コイル372aを有する。
【0098】
一方、Y方向-側の第二アクチュエータ370bは、上述のAFアクチュエータ364bに対して、Z方向(第一方向ともいう。)に所定の間隔をあけて重なった状態で配置されている。このような第二アクチュエータ370aは、第二マグネット371b、第二コイル372b、および第二ホール素子373を有する。
【0099】
第二アクチュエータ370a、370bとAFアクチュエータ364a、364bとを上述のように配置することにより、第二アクチュエータ370a、370bの駆動力の中心が、AFアクチュエータ364a、364bの駆動力の中心に一致する。この構成により、オートフォーカスおよび振れ補正の際、レンズガイド361がチルト変位(つまり、X方向またはY方向に平行な軸を中心とした揺動変位)しにくくなる。
【0100】
上述のような第二アクチュエータ370a、370bはそれぞれ、第二マグネット371a、371bが可動側部材であるレンズガイド361に固定されるとともに第二コイル372a、372bが固定側部材である第二ベース32にFPC363を介して固定されたムービングマグネット型のアクチュエータである。ただし、第二アクチュエータ370a、370bはムービングコイル型のアクチュエータであってもよい。
【0101】
このような第二アクチュエータ370a、370bを構成する各部の構造は、従来から知られている構造とほぼ同様であるため、詳しい説明は省略する。以下、第二アクチュエータ370a、370bを構成する各部の配置について説明する。
【0102】
第二マグネット371a、371bはそれぞれ、レンズガイド361の第二マグネット保持部368a、368bに保持されている。本実施形態の場合、第二マグネット371a、371bはそれぞれ、Z方向に着磁され、片側に二つの磁極を有する。
【0103】
第二コイル372a、372bはそれぞれ、長円形状のいわゆる空心コイルである。第二コイル372a、372bはそれぞれ、長軸がX方向に一致した状態で、FPC363の第二コイル固定部363d、363eに固定されている。
【0104】
この状態で、第二コイル372a、372bはそれぞれ、第二マグネット371a、371bとZ方向に所定の間隔をあけて重なっている。第二ホール素子373は、FPC363の第二コイル固定部363eの表面、かつ、第二コイル372bの径方向の外側に固定されている。なお、第二ホール素子373は、第二コイル372bの径方向の内側に配置されてもよい。
【0105】
以上のような構成を有する第二アクチュエータ370a、370bの場合、手振れ補正用の制御部(図示省略)の制御下で、FPC363を介して第二コイル372a、372bに電流が流れると、第二マグネット371a、371bをY方向に変位させるローレンツ力が生じる。第二マグネット371a、371bはそれぞれレンズガイド361に固定されているため、上記ローレンツ力に基づいてレンズガイド361が、Y方向に変位する。なお、第二コイル372a、372bに流れる電流の向きを制御することにより、レンズガイド361の変位方向が切り換わる。
【0106】
なお、本実施形態の場合、第二アクチュエータ370a、370bと、AFアクチュエータ364a、364bとのクロストークを防止するために、第二マグネット371a、371bとAF用マグネット365a、365bとのZ方向の間部分に、磁性金属製のシールド板6a、6bが配置されている。
【0107】
[基準部材]
基準部材38(
図12、19参照)は、第二ベース32のX方向+側の端部に固定された板状部材である。このような基準部材38のX方向+側の側面は、後述する撮像素子モジュール4のX方向の基準面となる。基準部材38の中央部には、レンズ部33を通過した光を撮像素子モジュール4に導光する貫通孔38aが形成されている。
【0108】
基準部材38のX方向-側の側面には、オートフォーカスの際のレンズ部33のX方向+側の変位を所定範囲に規制する一対のストッパ部380a、380bが設けられている。このようなストッパ部380a、380bのX方向-側の端面(以下、単に「ストッパ面」という。)はそれぞれ、
図5に示すように、レンズガイド361が基準位置にある状態で、レンズガイド361の一部とX方向に所定間隔をあけて対向している。
【0109】
本実施形態の場合、上記各ストッパ面はそれぞれ、レンズガイド361の第一マグネット保持部361a、361bのX方向+側の端面(以下、「第一被ストッパ面」という。)とX方向に対面している。レンズガイド361が上記所定間隔よりも大きくX方向+側に変位すると、上記第一被ストッパ面が上記ストッパ面に突き当たる。このようにして、レンズガイド361は、Y方向+側の変位が所定範囲に規制されている。
【0110】
一方、レンズガイド361は、レンズガイド361の第一マグネット保持部361a、361bのX方向-側の端面(以下、「第二被ストッパ面」という。)と、当該第二被ストッパ面とX方向に対向する第二ベース32の一部(第二ストッパ面ともいう。)とにより、Y方向-側の変位が所定範囲に規制されている。
【0111】
また、レンズガイド361は、第一マグネット保持部361a、361bのY方向両端面と、第二ベース32の一対の第二側壁部322a、322bとにより、Y方向の変位が所定範囲に規制されている。
【0112】
また、レンズガイド361は、レンズガイド361のZ方向+側の端面と第二カバー31とによりZ方向+側の変位が所定範囲に規制されている。さらに、レンズガイド361は、レンズガイド361のZ方向-側の端面と第二ベース32の底面部321とによりZ方向-側の変位が所定範囲に規制されている。
【0113】
なお、ストッパ部380aよりもY方向+側にスプリング362bを配置可能なスプリング用空間383(
図2、3参照)が形成されている。一方、ストッパ部380bよりもY方向-側にスプリング362aを配置可能なスプリング用空間383が形成されている。
【0114】
スプリング用空間383にはそれぞれ、スプリング362b、スプリング362aを覆ったゲル状の制震部材が配置されてもよい。
【0115】
[1.1.4 撮像素子モジュール]
撮像素子モジュール4は、レンズ部33よりもX方向+側に配置されている。撮像素子モジュール4は、例えばCCD(charge-coupled device)型イメージセンサー、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)型イメージセンサー等の撮像素子を含んで構成される。撮像素子モジュール4の撮像素子は、レンズ部33により結像された被写体像を撮像し、被写体像に対応する電気信号を出力する。撮像素子モジュール4の基板(図示省略)にはプリント配線基板(図示省略)が電気的に接続され、このプリント配線基板を介して撮像素子モジュール4への給電及び撮像素子モジュール4で撮像された被写体像の電気信号の出力が行われる。このような撮像素子モジュール4は、従来から知られている構造のものを採用できる。
【0116】
[1.2 本実施形態の作用・効果について]
以上のような構成を有する本実施形態のカメラ用アクチュエータおよびカメラモジュール1の場合、プリズムモジュール2に、第一振れ補正装置24の第一アクチュエータ244のみが設けられている。しかも、第一アクチュエータ244は、プリズム23とZ方向(つまり、第一光軸の方向)に重なるようにプリズム23の裏側(つまり、Z方向-側)に配置されている。したがって、プリズム23のX方向の周囲およびY方向の周囲にカメラ用アクチュエータが配置されていない。このため、プリズム23のX方向の周囲およびY方向の周囲における設計の自由度を向上できる。このような設計の自由度の向上は、プリズムモジュール2のX方向およびY方向の小型化に資する。
【0117】
また、レンズモジュール3において、第二振れ補正装置37の駆動装置である一対の第二アクチュエータ370a、370bは、一対のAFアクチュエータ364a、364bに対して、Z方向に所定の間隔をあけて重なった状態で配置されている。このような配置は、レンズモジュール3のX方向およびY方向の小型化に資する。
【0118】
また、従来から、例えば、
図22に示すような、広角用カメラOC1と望遠用カメラOC2とからなるデュアルカメラを搭載したカメラ搭載装置(図示の場合スマートフォンM)が知られている。このようなスマートフォンMの場合、望遠用カメラOC2のX方向-側(
図22Bの左側)に広角用カメラOC1が配置される。具体的には、
図1、4に示す本実施形態のカメラモジュール1を望遠用カメラOC2とした場合に、広角用カメラOC1が、カメラモジュール1よりもX方向-側(
図1、4の左側)に配置される。また、スマートフォンMは、広角用カメラOC1および望遠用カメラOC2を制御する制御部(図示省略)を有する。なお、広角用カメラOC1は、カメラモジュール1よりもY方向+側(
図4の表側)に配置される場合もある。
【0119】
このような構造において、望遠用カメラOC2のカメラ用アクチュエータと、広角カメラOC1のカメラ用アクチュエータとが近いと、いわゆるクロストークが生じることが知られている。このようなクロストークが問題となる配置として、例えば、
図1、4において、望遠用カメラOC2の第一アクチュエータがプリズム23のX方向-側に配置されている場合が挙げられる。
【0120】
これに対して、本実施形態の場合、カメラモジュール1の第一アクチュエータ244を、広角用カメラOC1から遠いプリズム23のZ方向-側に配置している。したがって、上述のデュアルカメラに適用した場合に、本実施形態に係るカメラモジュール1は、広角用カメラOC1のアクチュエータとのクロストークの発生を抑止できる。
【0121】
上述のようなスマートフォンMの望遠用カメラOC2として本実施形態のカメラモジュール1を採用すれば、第一アクチュエータ244が、広角用カメラOC1のアクチュエータから遠い位置に配置されるため、広角用カメラOC1とのクロストークを生じにくくできる。
【0122】
[1.3 付記]
本実施形態では、第二振れ補正装置37の第二アクチュエータ370a、370bがZ方向+側に、AF装置36のAFアクチュエータ364a、364bがZ方向-側に配置されているが、第二振れ補正装置37の第二アクチュエータ370a、370bがZ方向-側に、AF装置36のAFアクチュエータ364a、364bがZ方向+側に配置されてもよい。
【0123】
なお、本実施形態のカメラモジュール1は、上述のプリズムモジュール2とレンズモジュール3とを同時に備えている。ただし、上述のプリズムモジュール2とレンズモジュール3とは、必ずしも同時に実施される必要はない。すなわち、上述のプリズムモジュール2と上述のレンズモジュール3とのうちの一方を備えたカメラモジュールを実施することもできる。さらに、上述のプリズムモジュール2またはレンズモジュール3から一部の構成を取り出して実施してもよい。
【0124】
[2.実施形態2]
図20、21は、本発明の実施形態2に係るカメラモジュール1aを示す斜視図である。本実施形態のカメラモジュール1aは、プリズムモジュール2aのホルダ241をZ方向-側(つまり、第一ベース22に向かう方向)に押圧する付勢機構の構造が、上述の実施形態1と異なる。その他のカメラモジュール1aの構造は、上述の実施形態1と同様である。このため、以下、本実施形態に係るカメラモジュール1aの構造について、上述の実施形態1と相違する部分の構造を中心に説明する。
【0125】
カメラモジュール1aのプリズムモジュール2aは、上述の実施形態1のプリズムモジュール2が有する抑えバネ242(
図9、10参照)を有していない。その代わりに、プリズムモジュール2aは、第一ベース22の裏側面(つまり、Z方向-側の面)に固定されたFPC25の裏面に固定された、磁性金属製で矩形環状のヨーク26を有する。なお、ヨーク26の形状は、本実施形態の場合に限定されない。
【0126】
本実施形態の場合、ホルダ241の裏側面(つまり、Z方向-側の面)に固定された第一マグネット244aと、ヨーク26との間に生じる互いに引き合う方向の磁力に基づいて、ホルダ241が、第一ベース22に押し付けられる。これにより、ホルダ241は、Z方向における位置決めを図られている。
【0127】
なお、本実施の形態実施形態の場合、第一アクチュエータ244への通電が切れると、ホルダ241は、第一マグネット244aとヨーク26との間に生じる互いに引き合う方向の磁力に基づいて初期位置に復帰する。その他の構造および作用・効果は上述の実施形態1と同様である。
【0128】
[3.実施形態3]
図23~32を参照して、本発明の実施形態3に係るカメラモジュールについて説明する。本実施形態の場合、プリズムモジュール2bの構造が、前述の実施形態1と異なる。具体的には、後述する第一ベース22aに対して、ホルダ241Aを揺動可能に支持する部分の構造が、実施形態1と異なる。
【0129】
一方、レンズモジュールの構造は、実施形態1と同様である。以下、本実施形態に係るカメラモジュールの構造について、実施形態1と相違する部分の構造を中心に説明する。
【0130】
[3.1 プリズムモジュールについて]
本実施形態に係るカメラモジュールのプリズムモジュール2bは、第一カバー21、第一ベース22a、プリズム23、および第一振れ補正装置24aを備える。第一カバー21およびプリズム23の構造は、前述の実施形態1と同様である。
【0131】
[第一ベース]
第一ベース22aは、前述の実施形態1の第一ベース22と同様に、Z方向+側およびX方向+側がそれぞれ開口した箱状部材である。第一ベース22aのZ方向-側の底壁部229には、ベース第一開口部220(
図25参照)が形成されている。
【0132】
本実施形態の場合、ベース第一開口部220に、後述する第一アクチュエータ244Aの第一コイル244cおよび第一ホール素子244e、ならびに、後述するスペーサ246が配置されている。
【0133】
また、第一ベース22aは、後述する第一振れ補正装置24aのホルダ241A(
図23、28、29参照)を、Y方向に平行な第一軸を中心とした揺動を可能に支持する。このために、第一ベース22aは、後述する揺動ガイド部材245を保持するための第一受部225cおよび第二受部225d(
図26、31参照)を有する。
【0134】
第一受部225cは、第一ベース22aにおけるY方向+側の第一側壁部224aに設けられる。一方、第二受部225dは、第一ベース22aにおけるY方向-側の第一側壁部224bに設けられる。
【0135】
このような第一受部225cと第二受部225dとは、互いにY方向に対称な形状を有する。具体的には、第一受部225cおよび第二受部225dはそれぞれ、Y方向視でZ方向+側が開口した略V字の切り欠き状である。
【0136】
また、第一受部225cおよび第二受部225dはそれぞれ、第一ベース22aにおけるY方向中央側がストッパ面225e、225fにより塞がれる。一方、第一受部225cおよび第二受部225dはそれぞれ、第一ベース22aにおけるY方向(幅方向ともいう。)外側が開口する。
【0137】
第一側壁部224a、224bのZ方向+側の端面にはそれぞれ、第一位置決め凸部226aおよび第二位置決め凸部227a(
図26、27参照)が設けられる。第一位置決め凸部226aおよび第二位置決め凸部227aは、後述する一対の揺動支持バネ243(
図27、30参照)と係合して、一対の揺動支持バネ243を位置決めする。
【0138】
[第一振れ補正装置]
第一振れ補正装置24aは、前述した実施形態1と同様に、Y方向に平行な第一軸を中心にプリズム23を揺動させて、当該第一軸を中心とした回転方向の振れ補正を行う。このような第一振れ補正装置24aは、第一収容空間223(
図25参照)に配置される。
【0139】
第一振れ補正装置24aは、一対の揺動ガイド部材245、一対の揺動支持バネ243、スペーサ246、ホルダ241A、および第一アクチュエータ244Aを備える。
【0140】
本実施形態の場合も、第一振れ補正装置24aにおいて、ホルダ241Aは、第一ベース22aに揺動可能に支持される。この状態でホルダ241Aは、第一アクチュエータ244Aの駆動力に基づいて第一軸を中心に揺動する。制御部(図示省略)の制御下で第一アクチュエータ244Aが駆動すると、ホルダ241Aおよびプリズム23が第一軸を中心に揺動する。これにより、当該第一軸を中心とした回転方向の振れが補正される。以下、第一振れ補正装置24aが備える各部材の具体的構造について説明する。
【0141】
[揺動ガイド部材]
一対の揺動ガイド部材245は、それぞれ、たとえば、セラミック製、金属製、合成樹脂製の球体である。一対の揺動ガイド部材245のうちの一方(つまり、Y方向+側)の揺動ガイド部材245は、第一ベース22aの第一受部225cに配置される。一方、他方(つまり、Y方向-側)の揺動ガイド部材245は、第一ベース22aの第二受部225dに配置される。
【0142】
この状態で、一方の揺動ガイド部材245は第一受部225cに、他方の揺動ガイド部材245は第二受部225dに、それぞれ2個所で当接する。
【0143】
また、一対の揺動ガイド部材245のZ方向+側の半部は、揺動ガイド面245a(揺動ガイド部ともいう。)である。揺動ガイド面245aは、第一受部225cおよび第二受部225dよりもZ方向+側に突出する。
【0144】
また、各揺動ガイド面245aにおけるZ方向+側の端部は、第一側壁部224a、224bのZ方向+側の端面における、第一位置決め凸部226aおよび第二位置決め凸部227a以外の部分よりもZ方向+側に位置している。
【0145】
なお、揺動ガイド部材245は、球体に限らず、たとえば、半球体、円柱、半円柱であってもよい。また、揺動ガイド部材245は、第一ベース22aと一体でもよい。すなわち、揺動ガイド部材は、第一ベース22aの一部により構成されてもよい。
【0146】
[揺動支持バネ]
一対の揺動支持バネ243は、後述するホルダ241Aを、第一ベース22aに対して揺動可能に支持する。一対の揺動支持バネ243はそれぞれ、金属製の板バネであって、一対の揺動ガイド部材245のZ方向+側に配置される。
【0147】
以下、一対の揺動支持バネ243のうち一方(つまり、Y方向+側)の揺動支持バネ243について説明する。他方(つまり、Y方向-側)の揺動支持バネ243は、一方の揺動支持バネ243とY方向に対称である。
【0148】
一方の揺動支持バネ243は、
図30、31に示すように、一対の第一係止部243a、243b、第二係止部243c、捩じれ許容部243g、およびバネ側ガイド面243hを有する。
【0149】
一対の第一係止部243a、243bのうち一方(つまり、X方向+側)の第一係止部243aは、一方の揺動支持バネ243におけるX方向+側の端部に設けられる。このような一方の第一係止部243aは、第一貫通孔243dを有する。
【0150】
一方、他方(つまり、X方向-側)の第一係止部243bは、一方の揺動支持バネ243におけるX方向-側の端部に設けられる。このような他方の第一係止部243bは、第一貫通孔243eを有する。一対の第一係止部243a、243b同士は、X方向に延在した連続部243iにより連続される。
【0151】
一対の第一係止部243a、243bのZ方向-側の面は、第一ベース22aの第一側壁部224aにおけるZ方向+側の端面に接着固定される。この状態で、第一貫通孔243d、243eには、それぞれ第一ベース22aの第一位置決め凸部226a、227aが挿通される。
【0152】
なお、他方(Y方向-側)の揺動支持バネ243の場合、一対の第一係止部243a、243bのZ方向-側の面は、第一ベース22aの第一側壁部224bにおけるZ方向+側の端面に接着固定される。
【0153】
第二係止部243cは、第一係止部243a、243b同士のX方向における間部分に、X方向の隙間を介して設けられる。第二係止部243cは、一対の第二貫通孔243fを有する。
【0154】
第二係止部243cのZ方向+側の面は、後述するホルダ241Aのバネ座面241s(
図32参照)に接着固定される。この状態で、一対の第二貫通孔243fにはそれぞれ、ホルダ241Aの一対のホルダ側位置決め凸部241u(
図32参照)が挿通される。なお、他方(Y方向-側)の揺動支持バネ243の場合、第二係止部243cのZ方向+側の面は、ホルダ241Aのバネ座面241tに接着固定される。
【0155】
捩じれ許容部243gは、Y方向に延在した板状部材であって、連続部243iのX方向中間部と、第二係止部243cとを連続する。このような捩じれ許容部243gは、捩じれることにより、第二係止部243cの、各第一係止部243a、243bに対する捩じれを許容する。
【0156】
また、捩じれ許容部243gは、弾性変形することにより、各第一係止部243a、243bと第二係止部243cとのZ方向の相対変位を許容する。
【0157】
バネ側ガイド面243hは、第二係止部243cの裏面(つまり、Z方向-側の面)により構成される。このようなバネ側ガイド面243hは、揺動ガイド部材245の揺動ガイド面245aと当接する。
【0158】
一対の揺動支持バネ243は、自由状態(非組付状態ともいう。)において、全体的に平坦な板状部材である。一方、組付状態において、一対の揺動支持バネ243は、捩じれ許容部243gの弾性変形に基づいて、第二係止部243cが第一係止部243a、243bよりもZ方向+側に位置する(
図31参照)。
【0159】
具体的には、組付状態において、捩じれ許容部243gが、第二係止部243cに向かうほどZ方向+側に向かうように弾性変形する。このような弾性変形に基づいて、一対の揺動支持バネ243のバネ側ガイド面243hは、揺動ガイド部材245をZ方向-側に付勢する。
【0160】
[スペーサ]
スペーサ246は、第一ベース22aの底壁部229のZ方向-側の面(つまり、底面)に形成された底溝229a(
図25、29参照)に配置される。このようなスペーサ246は、第一マグネット244fと第一コイル244cとのZ方向における衝突を防止する。
【0161】
具体的には、スペーサ246は、板状部材であって、後述する第一アクチュエータ244Aの第一コイル244cを内側に配置可能なスペーサ側貫通孔246aを有する。
【0162】
スペーサ246の一部は、後述する第一アクチュエータ244Aの第一コイル244cと、ベース第一開口部220(
図25、26参照)との間に配置される。
【0163】
スペーサ246における第一コイル244cの周囲に配置される部分(衝突防止部ともいう。)のZ方向+側の面(衝突防止面ともいう。)は、第一コイル244cのZ方向+側の面よりも、Z方向+側に位置する(
図25参照)。
【0164】
上記衝突防止面は、後述するホルダ241Aの衝突防止凸部241m、241n、241p(
図25、32参照)とZ方向に対向する。
【0165】
この状態で、上記衝突防止面と衝突防止凸部241m、241n、241pとの間に存在するZ方向の隙間は、第一アクチュエータ244Aの第一マグネット244fと第一コイル244cとの間に存在するZ方向の隙間よりも小さい。
【0166】
したがって、後述するホルダ241Aとともに第一マグネット244fがZ方向-側に変位した場合でも、第一マグネット244fが第一コイル244cと当接する前に、衝突防止凸部241m、241n、241pがスペーサ246に当接する。これにより、第一マグネット244fと第一コイル244cとの衝突が防止される。なお、スペーサ246は省略されてもよい。図示は省略するが、スペーサ246を省略する場合には、第一ベース22aの底壁部229におけるZ方向+側の面(つまり、表面)の一部(衝突防止面ともいう。)を、第一コイル244cのZ方向+側の面よりも、Z方向+側に位置させる。この場合には、後述するホルダ241Aの衝突防止凸部241m、241n、241p(
図25、32参照)の位置を調整し、衝突防止面と衝突防止凸部241m、241n、241pとをZ方向に対向させる。これにより、第一マグネット244fと第一コイル244cとの当接を防止する。
【0167】
[ホルダ]
ホルダ241A(
図29、32参照)は、例えば、合成樹脂製であって、第一ベース22aに対してプリズム23を揺動可能な状態で保持する。
【0168】
ホルダ241Aは、載置面241a、一対の対向壁部241f、241g、複数の衝突防止凸部241m、241n、241p、および一対の張出し部241q、241rを備える。載置面241aおよび一対の対向壁部241fの構造は、前述した実施形態1のホルダ241の場合とほぼ同様である。
【0169】
複数の衝突防止凸部241m、241n、241pはそれぞれ、ホルダ241Aの裏面(つまり、Z方向-側の面)の複数個所(本実施形態の場合、3個所)に設けられる。なお、衝突防止凸部の位置は、本実施形態の位置に限定されない。
【0170】
衝突防止凸部241m、241n、241pの先端面(つまり、Z方向-側の端面)は、ホルダ241Aの他の部分よりもZ方向-側に位置する。このような衝突防止凸部241m、241n、241pの先端面はそれぞれ、スペーサ246の表面(つまり、Z方向+側の面)とZ方向の隙間を介して対向する。
【0171】
一対の張出し部241q、241rはそれぞれ、一対の対向壁部241f、241gに設けられる。このような一対の張出し部241q、241rはそれぞれ、ホルダ241Aを、第一ベース22aに対して揺動可能に支持する。
【0172】
具体的には、一方(つまり、Y方向+側)の張出し部241qは、対向壁部241fのY方向+側面に、当該側面からY方向+側に張り出した状態で設けられている。
【0173】
一方、他方(つまり、Y方向-側)の張出し部241rは、対向壁部241gのY方向-側面に、当該側面からY方向-側に張り出す。
【0174】
また、一対の張出し部241q、241rはそれぞれ、裏面(つまり、Z方向-側の面)に、平坦面状のバネ座面241s、241tを有する。
【0175】
バネ座面241s、241tのX方向に離隔した2箇所には、Z方向-側に突出した一対のホルダ側位置決め凸部241uが形成される。
【0176】
バネ座面241s、241tにはそれぞれ、一対の揺動支持バネ243の第二係止部243cのZ方向+側の面が接着固定される。この状態で、一対のホルダ側位置決め凸部241uはそれぞれ、揺動支持バネ243の一対の第二貫通孔243fに挿通される。この構造により、ホルダ241Aは、第一ベース22aに対して揺動可能に支持される。
【0177】
[第一アクチュエータ]
第一アクチュエータ244Aは、第一軸を中心にホルダ241Aを揺動させる。本実施形態の場合、第一軸とは、一対の揺動ガイド部材245の揺動ガイド面245aと、一対の揺動支持バネ243のバネ側ガイド面243hとの当接部を通るY軸に平行な直線である。
【0178】
第一アクチュエータ244Aは、前述した実施形態1と同様に、プリズム23の光路屈曲面231およびホルダ241AとZ方向(つまり、第一光軸の方向)に重なるようにプリズム23およびホルダ241Aの裏側(つまり、Z方向-側)に配置される。なお、本実施形態の場合も、第一光軸の方向が、第一方向に相当する。
【0179】
本実施形態の場合も、第一アクチュエータ244Aは、第一マグネット244f、第一コイル244c、および第一ホール素子244eを備える。
【0180】
第一マグネット244fは、可動側部材であるホルダ241Aの裏側面(つまり、Z方向-側の面)に固定される。本実施形態の場合、第一マグネット244fは、X方向に隣り合う2個のマグネット素子からなる。これら各マグネット素子はそれぞれ、Z方向に着磁され、片側に一つの磁極を有する。各マグネット素子の磁極の向きは、互いに反対である。
【0181】
上述のような第一マグネット244fによれば、第一マグネット244fのX方向中央部分の非着磁部分を、前述の実施形態1のような片側に二つの磁極を有する構造と比べて少なくできる。
【0182】
第一コイル244cおよび第一ホール素子244eは、第一ベース22aの裏側面に固定された、フレキシブルプリント回路基板(以下、FPC)25の表面(つまり、Z方向+側の面)に固定される。
【0183】
第一コイル244cおよび第一ホール素子244eは、第一ベース22aのベース第一開口部220(
図25、26参照)に配置される。なお、本実施形態の場合、第一コイル244cは、長円形状のいわゆる空心コイルである。第一ホール素子244eは、第一コイル244cの径方向の内側に配置される。また、第一コイル244cの外側には、スペーサ246が配置される。
【0184】
以上のような構成を有する第一アクチュエータ244Aは、前述の実施形態1と同様に、手振れ補正用の制御部(図示省略)の制御下で、ホルダ241Aを第一軸を中心に揺動させる。
【0185】
以下、
図31を参照しつつ、ホルダ241Aが第一軸を中心に揺動する際の動作について説明する。
【0186】
第一アクチュエータ244Aは、第一コイル244cに電流が流れると、第一マグネット244fをX方向に変位させるローレンツ力を発生する。第一マグネット244fはホルダ241Aに固定されているため、上記ローレンツ力に基づいてホルダ241Aには、ホルダ241AをX方向(たとえば、
図31の矢印Fの方向)に変位させる力が作用する。
【0187】
ところで、前述のように、ホルダ241Aに固定された一対の揺動支持バネ243の各バネ側ガイド面243hは、一対の揺動ガイド部材245の各揺動ガイド面245aをZ方向-側(
図31の矢印Z
aの方向)に押圧する。
【0188】
上述のような押圧に基づいて、
図31の二点鎖線L
1のように傾く(つまり、各揺動ガイド面245a上を転がる)。なお、説明の便宜のため、二点鎖線L
1の傾斜角度は、実際の各バネ側ガイド面243hの傾斜角度よりも誇張した状態で示される。
【0189】
この際、一対の揺動支持バネ243の各捩じれ許容部243gは、各バネ側ガイド面243hの傾きを許容するように捩じれる。上述のように各バネ側ガイド面243hが傾くと、ホルダ241Aは、第一軸を中心に揺動する。
【0190】
なお、第一コイル244cに流れる電流の向きを制御することにより、ホルダ241Aの変位方向が切り換わる。第一アクチュエータ244Aへの通電が切れると、ホルダ241Aは、一対の揺動支持バネ243の弾性力に基づいて初期位置に復帰する。ホルダ241Aの初期位置とは、ホルダ241Aが揺動していない状態である。その他の構造および作用・効果は前述した実施形態1と同様である。
【0191】
[4.実施形態4]
図33を参照して、本発明の実施形態4に係るカメラモジュールについて説明する。本実施形態の場合、レンズモジュールの構造が、前述した実施形態1と異なる。特に、本実施形態の場合、レンズモジュールを構成する一対のAFアクチュエータ364c、364dおよび一対の第二アクチュエータ370c、370dの構造が、前述の実施形態1と異なる。
【0192】
主に、後述する一対のAFアクチュエータ364c、364dにおいて、AF用マグネット365a、365bの構造、AF用ホール素子367aの配置、および、新たにAF用第二マグネット369a、369bを設けた点が、実施形態1と異なる。また、一対の第二アクチュエータ370c、370dにおいて、第二マグネット371c、371dの構造、および、第二ホール素子373の配置が、実施形態1と異なる。
【0193】
以下、
図33を参照して、一対のAFアクチュエータ364c、364dおよび一対の第二アクチュエータ370c、370dの構造について説明する。なお、
図33は、一対のAFアクチュエータ364c、364dおよび一対の第二アクチュエータ370c、370dのみを取り出して示す斜視図である。
【0194】
図示は省略するが、レンズガイドの構造も、前述の実施形態1のレンズガイド361(
図11、16参照)と異なる。
【0195】
レンズガイドの構造については、一対のAFアクチュエータ364c、364dおよび一対の第二アクチュエータ370c、370dの説明とともに簡単に説明する。一対のAFアクチュエータ364c、364d、一対の第二アクチュエータ370c、370d、およびレンズガイド以外のレンズモジュールの構造については、前述の実施形態1のレンズモジュール3とほぼ同様である。
【0196】
なお、プリズムモジュールの構造は、前述の実施形態1~3と同様である。以下、本実施形態に係るカメラモジュールの構造について、実施形態1と異なる部分の構造を中心に説明する。
【0197】
[4.1 AFアクチュエータについて]
一対のAFアクチュエータ364c、364dはそれぞれ、オートフォーカス用となる第三アクチュエータである。一方(つまり、Y方向+側)のAFアクチュエータ364cは、AF用マグネット365a、AF用コイル366a、およびAF用第二マグネット369aを有する。
【0198】
一方、他方(つまり、Y方向-側)のAFアクチュエータ364dは、AF用マグネット365b、AF用コイル366b、AF用ホール素子367a、およびAF用第二マグネット369bを有する。
【0199】
なお、AF用マグネット365a、365bおよびAF用コイル366a、366bの構造および配置は、前述の実施形態1と同様である。一対のAFアクチュエータ364c、364d同士は、AF用ホール素子367aを除いて、Y方向に対称である。このため、以下、実施形態1と同様の構造についての説明は省略し、他方のAFアクチュエータ364dにおけるAF用ホール素子367aおよびAF用第二マグネット369bの構造および配置についてのみ説明する。
【0200】
他方のAFアクチュエータ364dのAF用ホール素子367aには、AF装置用のデバイスドライバが内蔵される。このようなAF用ホール素子367aは、AF用コイル366bの近傍かつAF用コイル366bよりもX方向-側に配置される。
【0201】
AF用ホール素子367aは、FPC(図示省略)に、はんだにより直接固定される。また、FPC(図示省略)においてAF用ホール素子367aが固定された部分の裏面に、補強プレート(図示省略)が設けられる。なお、AF用ホール素子367aは、FPCに、基板(図示省略)を介して固定されてもよい。この場合には、上記補強プレートは省略されてもよい。
【0202】
AF用第二マグネット369bは、AF用マグネット365bとは別のマグネットである。具体的には、AF用第二マグネット369bは、着磁方向がZ方向であって、片側に1つの磁極を有する。
【0203】
AF用第二マグネット369bは、AF用マグネット365bの近傍かつX方向-側で、AF用ホール素子367aとZ方向に対面する。このようなAF用第二マグネット369bは、AF用ホール素子367aを通過する磁束密度を高める。なお、AF用第二マグネット369bも、レンズガイド(図示省略)に設けられた保持部に保持される。
【0204】
[4.2 第二アクチュエータについて]
一対の第二アクチュエータ370c、370dのうち一方(つまり、Y方向+側)の第二アクチュエータ370cは、一方(つまり、Y方向+側)のAFアクチュエータ364cに対して、Z方向に所定の間隔をあけて対向する。このような一方の第二アクチュエータ370cは、第二マグネット371c、第二コイル372a、および第二ホール素子373を有する。
【0205】
一方、他方(つまり、Y方向-側)の第二アクチュエータ370dは、他方(つまり、Y方向-側)のAFアクチュエータ364dに対して、Z方向に所定の間隔をあけて対向する。このような他方の第二アクチュエータ370dは、第二マグネット371dおよび第二コイル372bを有する。
【0206】
なお、第二コイル372a、372bの構造および配置は、前述の実施形態1と同様である。一対の第二アクチュエータ370c、370d同士は、第二ホール素子373を除いて、Y方向に対称である。このため、以下、前述の実施形態1と同様の構造については説明を省略し、一方の第二アクチュエータ370cにおける第二マグネット371cおよび第二ホール素子373の構造および配置についてのみ説明する。
【0207】
一方の第二アクチュエータ370cにおける第二マグネット371cはそれぞれ、Y方向に隣り合う2個のマグネット素子からなる。各マグネット素子はそれぞれ、X方向に長い直方体であって、Z方向に着磁される。各マグネット素子の磁極の向きは、互いに反対である。第二マグネット371cはそれぞれ、レンズガイド(図示省略)に設けられた保持部に保持される。
【0208】
第二ホール素子373は、第二コイル372aの近傍かつ第二コイル372aよりもZ方向-側に設けられる。第二ホール素子373は、FPC(図示省略)に、はんだにより直接固定される。このような第二ホール素子373の配置態様は、第二コイル372aの大型化を可能とする。大型の第二コイル372aを採用すれば、第二振れ補正装置37の出力は増大する。
【0209】
[4.3 付記]
第二マグネット371c、371dとAF用マグネット365a、365bとのZ方向の間部分に、磁性金属製のシールド板6a、6bが設けられる。これにより、一対の第二アクチュエータ370c、370dと、一対のAFアクチュエータ364c、364dとのクロストークが防止される。その他の構造および作用・効果は前述の実施形態1と同様である。
【0210】
[5.実施形態5]
図34~36を参照して、本発明の実施形態5に係るカメラモジュールについて説明する。本実施形態の場合、レンズモジュールの構造が、前述した実施形態1と異なる。特に、本実施形態の場合、レンズモジュールを構成する一対のAFアクチュエータ364e、364f、一対の第二アクチュエータ370e、370f、およびFPC363Aの構造が、前述した実施形態1と異なる。
【0211】
主に、一対のAFアクチュエータ364e、364fにおいて、AF用マグネット365a、365bの構造および個数、AF用コイル366a、366bの個数、ならびに、AF用ホール素子367aの配置が、実施形態1と異なる。
【0212】
[5.1 AFアクチュエータについて]
一対のAFアクチュエータ364e、364fはそれぞれ、オートフォーカス用となる第三アクチュエータである。一方(つまり、Y方向+側)のAFアクチュエータ364eは、一対のAF用マグネット365a、一対のAF用コイル366a、およびAF用ホール素子367aを有する。
【0213】
一方、他方(つまり、Y方向-側)のAFアクチュエータ364fは、一対のAF用マグネット365b、一対のAF用コイル366bを有する。
【0214】
なお、一対のAFアクチュエータ364e、364f同士は、AF用ホール素子367aを除いて、Y方向に対称である。このため、以下、一方のAFアクチュエータ364eの構造および配置についてのみ説明する。
【0215】
一方のAFアクチュエータ364eにおいて、一対のAF用マグネット365aは、X方向に離れた状態で隣り合う。なお、一対のAF用マグネット365aはそれぞれ、片側に一つの磁極を有する2個のマグネット素子を組み合わせた構造でもよい。あるいは、一対のAF用マグネット365aはそれぞれ、片側に二つの磁極を有する構造であってもよい。このような一対のAF用マグネット365aはそれぞれ、レンズガイド(図示省略)の保持部に保持される。
【0216】
一対のAF用コイル366aは、X方向に離れた状態で隣り合う。このような一対のAF用コイル366aはそれぞれ、一対のAF用マグネット365aのZ方向-側に配置される。この状態で、一対のAF用コイル366aはそれぞれ、一対のAF用マグネット365aと所定の間隔をあけてZ方向に対向する。
【0217】
具体的には、一対のAF用コイル366aはそれぞれ、長円形状のいわゆる空心コイルである。一対のAF用コイル366aはそれぞれ、長軸がY方向に一致した状態で、FPC363Aの第一コイル固定部363aに直接固定される。
【0218】
なお、FPC363Aにおける第一コイル固定部363Aの裏面に、第一補強プレート391aが設けられる。また、FPC363Aにおいて、他方のAFアクチュエータ364fの一対のAF用コイル366aが固定される第一コイル固定部363bの裏面には、第一補強プレート391bが設けられる。さらに、第一補強プレート391aの裏面に、非磁性体からなる第二補強プレート392aが設けられる。また、第一補強プレート391bの裏面に非磁性体からなる第二補強プレート392bが設けられる。なお、第二補強プレート392a、392bはそれぞれ、磁性体であってもよい。磁性体の第二補強プレート392a、392bはそれぞれ、AF用コイル366a、366bを通過する磁束密度の向上に寄与する。
【0219】
AF用ホール素子367aは、AF装置用のデバイスドライバが内蔵されている。このようなAF用ホール素子367aは、一対のAF用コイル366a同士の間に配置される。このようなAF用ホール素子367aは、FPC363Aにおける第一コイル固定部363aの表面に、はんだにより直接固定される。
【0220】
なお、一対のAFアクチュエータ364e、364fは、前述の実施形態4の一対のAFアクチュエータ364c、370dに置き換えてもよい。
【0221】
[5.2 第二アクチュエータについて]
一対の第二アクチュエータ370e、370fのうち一方(つまり、Y方向+側)の第二アクチュエータ370eは、一方のAFアクチュエータ364eに対して、Z方向に所定の間隔をあけて対向する。このような第二アクチュエータ370eは、第二マグネット371c、第二コイル372a、および第二ホール素子373を有する。
【0222】
一方、他方(つまり、Y方向-側)の第二アクチュエータ370fは、第二マグネット371dおよび第二コイル372bを有する。
【0223】
なお、第二マグネット371c、371d、第二コイル372a、372b、および第二ホール素子373の構造は、前述の実施形態4と同様である。ただし、本実施形態の場合、これら各部材の配置態様が、前述の実施形態4と異なる。
【0224】
また、一対の第二アクチュエータ370e、370f同士は、第二ホール素子373を除いて、Y方向に対称である。このため、以下、前述の実施形態4と同様の部分についての説明は省略し、一方の第二アクチュエータ370eにおいて、前述の実施形態4と異なる部分を説明する。
【0225】
一方の第二アクチュエータ370eの第二コイル372aは、第二マグネット371cよりもZ方向+側に設けられる。第二コイル372aは、FPC363Aの第二コイル固定部363fの裏面に固定される。
【0226】
また、FPC363Aにおいて、第二コイル固定部363fの表面には、第一補強プレート391cが設けられる。なお、FPC363Aにおいて、他方の第二アクチュエータ370fの第二コイル372bが固定される第二コイル固定部363gの表面には、第一補強プレート391dが設けられる。さらに、第一補強プレート391cの表面に、非磁性体からなる第二補強プレート392cが設けられる。また、第一補強プレート391dの表面に非磁性体からなる第二補強プレート392dが設けられる。なお、第二補強プレート392c、392dはそれぞれ、磁性体であってもよい。磁性体の第二補強プレート392c、392dはそれぞれ、第二コイル372a、372bを通過する磁束密度の向上に寄与する。
【0227】
第二ホール素子373は、第二コイル372aの近傍かつ第二コイル372aよりもX方向+側に設けられる。
【0228】
[5.3 付記]
また、第二マグネット371cとAF用マグネット365aとの間、および、第二マグネット371dとAF用マグネット365bとのZ方向の間部分のそれぞれ、磁性金属製の1対のシールド板6a、6bが配置される。これにより、一対の第二アクチュエータ370e、370fと、一対のAFアクチュエータ364e、364fとのクロストークが防止される。その他の構造および作用・効果は前述の実施形態1と同様である。
【0229】
[6.実施形態6]
図37を参照して、本発明の実施形態6に係るカメラモジュールについて説明する。本実施形態の場合、一対のAFアクチュエータ364e、364fの構造は、AF用ホール素子367aの位置を、一対のAFアクチュエータ364e、364fとの間で入れ替えた点を除いて、前述の実施形態5とほぼ同様である。このため、一対のAFアクチュエータ364e、364fについての、詳しい説明は省略する。
【0230】
[6.1 第二アクチュエータについて]
一対の第二アクチュエータ370g、370hのうち一方(つまり、Y方向+側)の第二アクチュエータ370gは、第二マグネット371a、第二コイル372a、および第三マグネット374aを有する。
【0231】
一方、他方(つまり、Y方向-側)の第二アクチュエータ370hは、第二マグネット371b、第二コイル372b、第二ホール素子373、および第三マグネット374bを有する。
【0232】
第二マグネット371a、371bおよび第二コイル372a、372bの構造および配置は、前述の実施形態1と同様である。一対の第二アクチュエータ370g、370h同士は、第二ホール素子373を除いて、Y方向に対称である。このため、以下、前述の実施形態1と同様の部分についての説明は省略し、他方の第二アクチュエータ370hにおける第二ホール素子373および第三マグネット374bの構造および配置についてのみ説明する。
【0233】
なお、第二マグネット371a、371bは、片側に一つの磁極を有する2個のマグネット素子を組み合わせた構造でもよい。あるいは、第二マグネット371a、371bは、片側に二つの磁極を有する構造であってもよい。
【0234】
他方の第二アクチュエータ370hの第二ホール素子373は、第二コイル372bよりもZ方向-側かつX方向-側に配置される。このような第二ホール素子373は、FPC(図示省略)に固定される。
【0235】
他方の第二アクチュエータ370hの第三マグネット374bは、第二マグネット371aとは別のマグネットである。具体的には、第三マグネット374bは、着磁方向がY方向であって、片側に一つの磁極を有する。このような第三マグネット374bは、第二ホール素子373よりもZ方向-側に配置され、かつ、第二ホール素子373とZ方向に対向する。第三マグネット374bは、レンズガイド(図示省略)に設けられた保持部に保持される。
【0236】
[6.2 付記]
本実施形態の場合、第二マグネット371a、371bのZ方向+側に隣接する位置に、磁性金属製のシールド板(ヨークともいう。)6a、6bが配置される。このようなシールド板6a、6bは、第二マグネット371a、371bのヨークとして機能する。その他の構造および作用・効果は前述の実施形態1と同様である。
【0237】
[7.実施形態7]
図38、39を参照して、本発明の実施形態7に係るカメラモジュールについて説明する。本実施形態の場合、一対のAFアクチュエータ364e、364fの構造は、前述の実施形態5とほぼ同様である。
【0238】
[7.1 第二アクチュエータについて]
一対の第二アクチュエータ370i、370jのうちY方向+側の第二アクチュエータ370iは、一対の第二マグネット371a、第二コイル372a、および第二ホール素子373を有する。本実施形態の場合、前述の実施形態1の構造と比べて、第二マグネット371aが一つ増えている。なお、これら各部材の構造は、実施形態1と同様である。
【0239】
一対の第二マグネット371aおよび後述する一対の第二マグネット371bはそれぞれ、片側に一つの磁極を有する2個のマグネット素子を組み合わせた構造でもよい。あるいは、一対の第二マグネット371aおよび一対の第二マグネット371bはそれぞれ、片側に二つの磁極を有する構造であってもよい。
【0240】
このような一対の第二マグネット371aは、所定の間隔をあけて第二コイル372aをZ方向から挟むように配置される。一方(つまり、Z方向+側)の第二マグネット371aは、レンズガイド361Aの一方の第二マグネット保持部368aに保持される。一方、Z方向-側の第二マグネット371aは、レンズガイド361Aの一方の第三マグネット保持部368cに保持される。
【0241】
一方、他方(つまり、Y方向-側)の第二アクチュエータ370jは、一対の第二マグネット371bおよび第二コイル372bを有する。他方の第二アクチュエータ370jにおいても、前述の実施形態1の構造と比べて、第二マグネット371bが一つ増えている。なお、これら各部材の構造は、実施形態1と同様である。
【0242】
このような一対の第二マグネット371bは、所定の間隔をあけて第二コイル372bをZ方向から挟むように配置される。一方(つまり、Z方向+側)の第二マグネット371bは、レンズガイド361Aの他方の第二マグネット保持部(図示省略)に保持される。一方、他方(つまり、Z方向-側)の第二マグネット371bは、レンズガイド361の他方の第三マグネット保持部(図示省略)に保持される。
【0243】
以上のような本実施形態の場合、一対の第二アクチュエータ370i、370jにおいて、それぞれ一対の第二マグネット371a、371bを設けているため、第二振れ補正装置37(
図5参照)の出力を増大できる。その他の構造および作用・効果は前述の実施形態1と同様である。
【0244】
[8 実施形態8]
図40~52を参照して、本発明の実施形態8に係るカメラモジュールについて説明する。本実施形態の場合、プリズムモジュール2cおよびレンズモジュール3aの構造が、前述の実施形態1および実施形態3と異なる。以下、本実施形態に係るカメラモジュールの構造について、実施形態1および実施形態3と異なる部分を中心に説明する。
【0245】
[8.1 プリズムモジュールについて]
本実施形態に係るカメラモジュールのプリズムモジュール2cは、第一カバー21(
図1参照)、第一ベース22b、プリズム23、および第一振れ補正装置24b(
図40および
図41参照)を備える。第一カバー21およびプリズム23の構造は、前述の実施形態1と同様である。
【0246】
[第一ベース]
第一ベース22bは、前述した実施形態1の第一ベース22と同様に、Z方向+側およびX方向+側がそれぞれ開口した箱状部材である。第一ベース22bは、Z方向-側の底壁部229bに、ベース第一開口部220(
図43参照)を有する。
【0247】
本実施形態の場合、ベース第一開口部220に、第一アクチュエータ244Aの第一コイル244cおよび第一ホール素子244eが配置される。
【0248】
第一ベース22bは、第一振れ補正装置24bのホルダ241B(
図40参照)を、Y方向に平行な第一軸を中心とした揺動を可能に支持する。このために、第一ベース22bは、前述の実施形態3と同様に、揺動ガイド部材245を保持するための第一受部225c1および第二受部225d1(
図44参照)を有する。
【0249】
第一受部225c1は、第一ベース22bにおけるY方向+側の第一側壁部224a1に設けられる。一方、第二受部225d1は、第一ベース22bにおけるY方向-側の第一側壁部224b1に設けられる。
【0250】
このような第一受部225c1と第二受部225d1とは、互いにY方向に対称な形状を有する。具体的には、第一受部225c1および第二受部225d1はそれぞれ、第一側壁部224a1および第一側壁部224b1のZ方向+側の端面(上面)にのみ開口する円柱状の凹部である。
【0251】
第一側壁部224a1は、上面のY方向内端縁と第一受部225c1との間に第一堰部224c1(
図44参照)を有する。一方、第二側壁部224b1は、上面のY方向内端縁と第一受部225d1との間に第一堰部224c2(
図44参照)を有する。第一堰部224c1および第一堰部224c2はそれぞれ、第一受部225c1および第一受部225d1に、揺動ガイド部材245(
図43参照)を固定する接着剤の、Y方向中央側への流出防止に寄与する。
【0252】
第一側壁部224a1は、上面における第一受部225c1のY方向外側半部の一部を囲む部分に第二堰部224d1(
図44参照)を有する。一方、第二側壁部224b1は、上面における第一受部225d1のY方向外側半部の一部を囲む部分に第二堰部224d2を有する。第二堰部224d1および第二堰部224d2はそれぞれ、第一受部225c1および第一受部225d1に、揺動ガイド部材245を固定する接着剤の、Y方向外側への流出防止に寄与する。
【0253】
第一側壁部224a1は、上面における第二堰部224d1よりもY方向外側部分に、バネ配置空間224e1、224e2(
図44参照)を有する。本実施形態の場合、バネ配置空間224e1とバネ配置空間224e2とは、X方向に離隔する。
【0254】
一方、第一側壁部224b1は、上面における第二堰部224d2よりもY方向外側部分に、バネ配置空間224f1、224f2(
図44参照)を有する。バネ配置空間224f1とバネ配置空間224f2とは、X方向に離隔する。バネ配置空間224e1、224e2およびバネ配置空間224f1、224f2にはそれぞれ、後述する揺動支持バネ243A(
図45参照)の連続部243i1の一部(具体的には基端側連続部243j1)が配置される。
【0255】
第一側壁部224a1は、上面における第二堰部224d1よりもY方向外側部分に、X方向+側から順に3個の凸部224g1、224g2、224g3を有する。凸部224g1と凸部224g3とは、X方向に離隔し、かつ、X方向からの平面視で重なる。凸部224g2は、凸部224g1および凸部224g3よりもY方向外側(
図44の下側)に位置する。
【0256】
バネ配置空間224e1は、凸部224g1と凸部224g2との間に存在する空間である。一方、バネ配置空間224e2は、凸部224g2と凸部224g3との間に存在する空間である。
【0257】
第一側壁部224b1は、上面における第二堰部224d2よりもY方向外側部分に、X方向+側から順に3個の凸部224h1、224h2、224h3を有する。凸部224h1と凸部224h3とは、X方向に離隔し、かつ、Y方向からの平面視で重なる。凸部224h2は、凸部224h1および凸部224h3よりもY方向外側(
図44の上側)に位置する。
【0258】
バネ配置空間224f1は、凸部224h1と凸部224h2との間に存在する空間である。一方、バネ配置空間224f2は、凸部224h2と凸部224h3との間に存在する空間である。
【0259】
第一側壁部224a1、224b1はそれぞれ、上面におけるX方向両端部に、第一位置決め凸部226a1および第二位置決め凸部227a1(
図44参照)を有する。第一位置決め凸部226a1および第二位置決め凸部227a1はそれぞれ、後述する一対の揺動支持バネ243A(
図45参照)と係合して、一対の揺動支持バネ243Aを位置決めする。
【0260】
[第一振れ補正装置]
第一振れ補正装置24bは、前述した実施形態1および実施形態3と同様に、Y方向に平行な第一軸を中心にプリズム23を揺動させて、当該第一軸を中心とした回転方向の振れ補正を行う。このような第一振れ補正装置24bは、第一収容空間223(
図6参照)に配置される。
【0261】
第一振れ補正装置24bは、一対の揺動ガイド部材245(
図43参照)、一対の揺動支持バネ243A、ホルダ241B(
図42参照)、および第一アクチュエータ244A(
図43参照)を備える。
【0262】
本実施形態の場合も、第一振れ補正装置24bにおいて、ホルダ241Bは、第一ベース22bに揺動可能に支持される。この状態でホルダ241Bは、第一アクチュエータ244Aの駆動力に基づいて第一軸を中心に揺動する。制御部(図示省略)の制御下で第一アクチュエータ244Aが駆動すると、ホルダ241Bおよびプリズム23が第一軸を中心に揺動する。これにより、当該第一軸を中心とした回転方向の振れが補正される。以下、第一振れ補正装置24bが備える各部材の具体的構造について説明する。
【0263】
[揺動ガイド部材]
一対の揺動ガイド部材245はそれぞれ、たとえば、セラミック製、金属製、合成樹脂製の球体である。一対の揺動ガイド部材245のうちの一方(つまり、Y方向+側)の揺動ガイド部材245は、第一ベース22bの第一受部225c1(
図44参照)に配置される。一方、他方(つまり、Y方向-側)の揺動ガイド部材245は、第一ベース22bの第二受部225d1に配置される。
【0264】
一対の揺動ガイド部材245はそれぞれ、第一受部225c1および第二受部225d1に接着剤により固定される。この状態において、一対の揺動ガイド部材245のZ方向+側の半部は、揺動ガイド面245a(揺動ガイド部ともいう。
図23参照)である。揺動ガイド面245aは、第一受部225c1および第二受部225d1よりもZ方向+側に突出する。
【0265】
また、各揺動ガイド面245aにおけるZ方向+側の端部は、第一側壁部224a1、224b1のZ方向+側の端面における、第一位置決め凸部226a1および第二位置決め凸部227a1以外の部分よりもZ方向+側に位置する(
図31参照)。なお、揺動ガイド部材245は、球体に限らず、たとえば、半球体、円柱、半円柱であってもよい。また、揺動ガイド部材245は、第一ベース22bと一体でもよい。すなわち、揺動ガイド部材は、第一ベース22bの一部により構成されてもよい。
【0266】
[揺動支持バネ]
一対の揺動支持バネ243Aは、後述するホルダ241Bを、第一ベース22bに対して揺動可能に支持する。一対の揺動支持バネ243Aはそれぞれ、金属製の板バネであって、一対の揺動ガイド部材245のZ方向+側に配置される。
【0267】
以下、一対の揺動支持バネ243Aのうち一方(つまり、Y方向+側)の揺動支持バネ243Aについて、
図45を参照して説明する。他方(つまり、Y方向-側)の揺動支持バネ243Aは、一方の揺動支持バネ243AとY方向に対称である。
【0268】
一方の揺動支持バネ243Aは、一対の第一係止部243a1、243b1、第二係止部243c1、捩じれ許容部243g1、およびバネ側ガイド面243h1を有する。
【0269】
一対の第一係止部243a1、243b1のうち一方(つまり、X方向+側)の第一係止部243a1は、一方の揺動支持バネ243AにおけるX方向+側の端部に配置される。このような一方の第一係止部243a1は、第一貫通孔243d1を有する。
【0270】
一方、他方(つまり、X方向-側)の第一係止部243b1は、一方の揺動支持バネ243AにおけるX方向-側の端部に配置される。このような他方の第一係止部243b1は、第一貫通孔243e1を有する。一対の第一係止部243a1、243b1同士は、X方向に延在した連続部243i1により連続される。
【0271】
連続部243i1は、後述する捩じれ許容部243g1よりもX方向+側に配置された連続部要素243j、および、捩じれ許容部243g1よりもX方向-側に配置された連続部要素243kを有する。連続部要素243jは、捩じれ許容部243g1と第一係止部243a1とを連続する。一方、連続部要素243kは、捩じれ許容部243g1と第一係止部243b1とを連続する。
【0272】
以下、連続部要素243jについて説明する。連続部要素243jは、基端側連続部243j1および蛇行連続部243j2を有する。基端側連続部243j1と蛇行連続部243j2とは、連続する。
【0273】
基端側連続部243j1は、連続部要素243jにおいて、捩じれ許容部243g1に近い側の端部に設けられる。基端側連続部243j1の一端(捩じれ許容部243g1に近い側の端部)は、捩じれ許容部243g1に連続する。蛇行連続部243j2は、略S字状である。
【0274】
蛇行連続部243j2の一端(捩じれ許容部243g1に近い側の端部)は、基端側連続部243j1に連続する。蛇行連続部243j2の他端(捩じれ許容部243g1から遠い側の端部)は、第一係止部243a1に連続する。連続部要素243kは、連続部要素243jとX方向に対称である。このため、連続部要素243kについては、連続部要素243jの構成部材と同一符号を付して、説明を省略する。
【0275】
一対の第一係止部243a1、243b1のZ方向-側の面は、第一ベース22bの第一側壁部224a1におけるZ方向+側の端面に接着固定される。この状態で、第一貫通孔243d1、243e1には、それぞれ第一ベース22bの第一位置決め凸部226a1、227a1が挿通される(
図43参照)。
【0276】
なお、他方(Y方向-側)の揺動支持バネ243Aの場合、一対の第一係止部243a1、243b1のZ方向-側の面は、第一ベース22bの第一側壁部224b1におけるZ方向+側の端面に接着固定される。
【0277】
第二係止部243c1は、第一係止部243a1、243b1同士のX方向における間部分に、X方向の隙間を介して設けられる。第二係止部243c1は、一対の第二貫通孔243f1を有する。
【0278】
第二係止部243c1のZ方向+側の面は、後述するホルダ241Bのバネ座面241s1(
図32参照)に接着固定される。この状態で、一対の第二貫通孔243f1にはそれぞれ、ホルダ241Bの一対のホルダ側位置決め凸部241u(
図32参照)が挿通される。なお、他方(Y方向-側)の揺動支持バネ243Aの場合、第二係止部243c1のZ方向+側の面は、ホルダ241Bのバネ座面241t(
図32参照)に接着固定される。
【0279】
捩じれ許容部243g1は、Y方向に延在した板状部材であって、連続部243i1のX方向中間部(具体的には、各基端側連続部243j1の一端)と、第二係止部243c1とを連続する。このような捩じれ許容部243g1は、捩じれることにより、第二係止部243c1の、第一係止部243a1、243b1に対する捩じれを許容する。
【0280】
また、捩じれ許容部243g1は、弾性変形することにより、各第一係止部243a、243bと第二係止部243cとのZ方向の相対変位を許容する。
【0281】
バネ側ガイド面243h1は、第二係止部243c1の裏面(つまり、Z方向-側の面)により構成される。このようなバネ側ガイド面243h1は、揺動ガイド部材245の揺動ガイド面245a(
図31参照)と当接する。
【0282】
一対の揺動支持バネ243Aは、自由状態(非組付状態ともいう。)において、全体的に平坦な板状部材である。一方、組付状態において、一対の揺動支持バネ243Aは、捩じれ許容部243g1の弾性変形に基づいて、第二係止部243c1が第一係止部243a1、243b1よりもZ方向+側に位置する(
図31参照)。
【0283】
具体的には、組付状態において、捩じれ許容部243g1が、第二係止部243c1に向かうほどZ方向+側に向かうように弾性変形する。このような弾性変形に基づいて、一対の揺動支持バネ243Aのバネ側ガイド面243h1は、揺動ガイド部材245をZ方向-側に付勢する。
【0284】
以上のような一対の揺動支持バネ243Aの組付状態において、バネ配置空間224e1、224e2およびバネ配置空間224f1、224f2にはそれぞれ、一対の揺動支持バネ243Aの基端側連続部243j1が配置される。さらに、バネ配置空間224e1、224e2およびバネ配置空間224f1、224f2には、基端側連続部243j1を覆うようにゲル状の制震部材27が配置される(
図43参照)。
【0285】
制震部材27は、一対の揺動支持バネ243Aの不要共振の抑制に効果的である。不要共振を抑制する観点から、制震部材27は、一対の揺動支持バネ243Aにおいて使用時に最も大きく変形する部分の近くに設けるのが好ましい。本実施形態の場合、使用時に最も大きく変形する部分は捩じれ許容部243g1である。このため、制震部材27は、一対の揺動支持バネ243Aにおける捩じれ許容部243g1に近い部分を覆うのが好ましい。
【0286】
[ホルダ]
ホルダ241B(
図40参照)は、例えば、合成樹脂製であって、第一ベース22bに対してプリズム23を揺動可能な状態で保持する。ホルダ241Bの基本的な構成は、前述の実施形態3のホルダ241A(
図32参照)とほぼ同様である。以下、ホルダ241Bについて、実施形態3のホルダ241Aと異なる構成を説明する。
【0287】
ホルダ241Bの張出し部241q1、241r1は、一対の対向壁部241f、241g(
図32参照)からのY方向への突出量が、実施形態3のホルダ241Aの張出し部241q、241r(
図32参照)よりも小さい。したがって、組付状態において、ホルダ241BのY方向における両端面(つまり、張出し部241q1、241r1のY方向における外側の端面)の位置は、第一ベース22bのY方向における両端面よりも、Y方向中央側に位置する。このような構成は、ホルダ241Bの小型・軽量化に寄与する。
【0288】
また、本実施形態の場合、実施形態3のスペーサ246(
図25参照)が省略されているため、ホルダ241Bの裏面(つまり、Z方向-側の面)には、衝突防止凸部241m、241n、241p(
図32参照)が設けられていない。その他のホルダ241Bの構造は、前述した実施形態1のホルダ241または実施形態3のホルダ241Aとほぼ同様である。
【0289】
[第一アクチュエータ]
第一アクチュエータ244Aは、第一軸を中心にホルダ241Bを揺動させる。本実施形態の場合、第一軸とは、一対の揺動ガイド部材245の揺動ガイド面245aと、一対の揺動支持バネ243Aのバネ側ガイド面243h1との当接部を通るY軸に平行な直線である。なお、第一アクチュエータ244Aの構造は、前述した実施形態3と同様である。このような第一アクチュエータ244Aは、前述の実施形態3と同様に、手振れ補正用の制御部(図示省略)の制御下で、ホルダ241Bを、第一軸を中心に揺動させる。ホルダ241Bが第一軸を中心に揺動する際の動作については、
図31を参照して説明した前述した実施形態3の場合と同様である。
【0290】
次に、本実施形態に係るカメラモジュールのレンズモジュール3aについて説明する。レンズモジュール3aの基本的構成は、前述した実施形態1のレンズモジュール3とほぼ同様である。以下、レンズモジュール3aについて、実施形態1のレンズモジュール3と異なる部分を中心に説明する。
【0291】
[8.2 レンズモジュールについて]
レンズモジュール3aは、
図46~52に示すように、第二カバー31(
図1参照)、第二ベース32A、レンズ部33、AF装置36A、第二振れ補正装置37A、および基準部材38を備える。第二カバー31、レンズ部33、および基準部材38は、前述した実施形態1と同様である。
【0292】
[第二ベース]
第二ベース32A(
図46および
図47参照)は、上述の第二カバー31と組み合わされることにより、レンズ部33、AF装置36A、および第二振れ補正装置37Aを配置可能な第二収容空間320(
図4参照)を形成する。
【0293】
第二ベース32Aの基本的構成は、前述した実施形態1の第二ベース32とほぼ同様である。このため、以下、第二ベース32Aについて、実施形態1の第二ベース32と異なる部分を中心に説明する。
【0294】
第二ベース32Aの第二側壁部322a1は、Y方向+側の側面におけるX方向両端部に、スプリング配置部324a1、324c1(
図46参照)を有する。スプリング配置部324a1およびスプリング配置部324c1にはそれぞれ、後述するスプリング362a1およびスプリング362c1が配置される。
【0295】
第二ベース32Aの第二側壁部322a1は、Y方向+側の側面に、スリット322i(
図46参照)を有する。スリット322iは、後述するFPC363B(
図50参照)の第一連続部363iを配置可能な空間を有する。当該空間は、ZY平面に平行な空間である。スリット322iは、Y方向+側およびZ方向両側に開口する。
【0296】
一方、第二ベース32Aの第二側壁部322b1は、Y方向-側の側面におけるX方向両端部に、スプリング配置部324b1、324d1(
図47参照)を有する。スプリング配置部324b1およびスプリング配置部324d1にはそれぞれ、後述するスプリング362b1およびスプリング362d1が配置される。
【0297】
第二ベース32Aの第二側壁部322b1は、Y方向-側の側面に、一対の凹部322jを有する。凹部322jにはそれぞれ、後述するFPC363Bの一対の第二連続部363jが配置される。なお、凹部322jの構成は、図示の場合に限定されない。
【0298】
スプリング配置部324a1~324d1はそれぞれ、ゲル配置部324e~324hを有する。本実施形態の場合、スプリング配置部324a1~324d1はそれぞれ、Z方向+側の端部にゲル配置部324e~324hを有する。ゲル配置部324e~324hはそれぞれ、スプリング362a1~362d1の一部を覆ったゲル状の制震部材325a~325dを保持可能に構成される。
【0299】
[レンズ部]
レンズ部33は、後述するレンズガイド361Bに保持された状態で、第二収容空間320に配置される。このようなレンズ部33は、筒状のレンズバレル、および、レンズバレルに保持された1以上のレンズを有する。一例として、レンズ部33は、レンズバレルのX方向-側の端部とレンズバレルのX方向+側の端部との間に固定された、たとえば光学3倍以上の望遠レンズ群を有する。なお、レンズ部33の構造は、上述の構造に限定されない。
【0300】
[AF装置]
AF装置36A(
図48および
図49参照)は、オートフォーカスを目的として、レンズ部33をX方向に変位させる。具体的には、AF装置36Aは、レンズガイド361B、複数個(本実施形態の場合4個)のスプリング362a1~362d1、FPC363B、および一対のAFアクチュエータ364a1、364b1を有する。
【0301】
[レンズガイド]
レンズガイド361B(
図46~
図48参照)は、レンズバレルを保持可能な収容空間を有する。このようなレンズガイド361Bは、X方向(つまり、第二光軸の方向)およびY方向の変位を可能な状態で、上述の第二収容空間320に配置されている。
【0302】
レンズガイド361Bは、後述する一対のAFアクチュエータ364a1、364b1のAF用マグネット365a1、365b1を保持する一対の第一マグネット保持部361a1、361b1(
図48および
図49参照)を有する。本実施形態の場合、一対の第一マグネット保持部361a1、361b1はそれぞれ、第二ベース32Aのマグネット用空間322g、322h(
図11参照)に配置される。なお、
図48は、一部の部材を省略した状態のレンズモジュール3aを、Y方向+側から見た側面図である。一方、
図49は、一部の部材を省略した状態のレンズモジュール3aを、Y方向-側から見た側面図である。
【0303】
本実施形態の場合、Y方向からの平面視(
図48および
図49に示す状態)で、一対の第一マグネット保持部361a1、361b1の形状が、前述した実施形態1の場合と異なる。具体的には、一対の第一マグネット保持部361a1、361b1はそれぞれ、Y方向からの平面視で、Z方向-側が開口した凹部である。このような一対の第一マグネット保持部361a1、361b1はそれぞれ、AF用マグネット365a1、365b1を保持した状態において、AF用マグネット365a1、365b1の面取部365c1、365c2と対面する傾斜面部361e1、361e2を有する。
【0304】
具体的には、一対の第一マグネット保持部361a1、361b1はそれぞれ、X方向に離隔し、かつ、X方向に対面した一対の側面部361c1、361c2を有する。一対の第一マグネット保持部361a1、361b1はそれぞれ、一対の側面部361c1、361c2のZ方向+側の端部同士を、X方向に連続する上面部361dを有する。
【0305】
また、一対の側面部361c1、361c2はそれぞれ、Z方向-側の端部に、上述の傾斜面部361e1、361e2を有する。傾斜面部361e1、361e2は、AF用マグネット365a1、365b1の面取部365c1、365c2に沿う傾斜面である。
【0306】
具体的には、傾斜面部361e1および傾斜面部361e2は、Z方向-側(
図48および
図49の下側)に向かうほど、X方向における互いの距離が短くなる方向に傾斜する。すなわち、傾斜面部361e1と傾斜面部361e2との間のX方向における距離は、Z方向-側の端部において最も小さい。このような傾斜面部361e1、361e2は、組付状態において、AF用マグネット365a1、365b1のZ方向-側の抜け止めに寄与する。
【0307】
レンズガイド361Bは、後述する一対の第二アクチュエータ370a1、370b1の第二マグネット371a1、371b1を保持する一対の第二マグネット保持部368a1、368b1(
図48および
図49参照)を有する。本実施形態の場合、一対の第二マグネット保持部368a1、368b1はそれぞれ、第二ベース32A(
図46および
図47参照)のコイル載置部322d、322eとZ方向に所定の間隔をあけて重なる。
【0308】
本実施形態の場合、Y方向からの平面視(
図48および
図49に示す状態)で、一対の第二マグネット保持部368a1、368b1の形状が、前述した実施形態1の場合と異なる。具体的には、一対の第二マグネット保持部368a1、368b1はそれぞれ、Y方向からの平面視で、Z方向-側が開口した凹部である。このような一対の第二マグネット保持部368a1、368b1はそれぞれ、第二マグネット371a1、371b1を保持した状態において、第二マグネット371a1、371b1の面取部371e1、371e2と対面する傾斜面部368f1、368f2を有する。
【0309】
具体的には、一対の第二マグネット保持部368a1、368b1はそれぞれ、X方向に離隔し、かつ、X方向に対面した一対の側面部368d1、368d2を有する。一対の第二マグネット保持部368a1、368b1はそれぞれ、一対の側面部368d1、368d2のZ方向+側の端部同士をX方向に連続する上面部368eを有する。
【0310】
また、一対の側面部368d1、368d2はそれぞれ、Z方向-側の端部に、上述の傾斜面部368f1、368f2を有する。傾斜面部368f1、368f2は、第二マグネット371a1、371b1の面取部371e1、371e2に沿う傾斜面である。
【0311】
具体的には、傾斜面部368f1および傾斜面部368f2は、Z方向-側に向かうほど、X方向における互いの距離が短くなる方向に傾斜する。すなわち、傾斜面部368f1と傾斜面部368f2との間のX方向における距離は、Z方向-側の端部において最も小さい。このような傾斜面部368f1、368f2は、組付状態において、第二マグネット371a1、371b1のZ方向-側の抜け止めに寄与する。
【0312】
[スプリング]
複数個(本実施形態の場合4個)のスプリング362a1~362d1(
図46および
図47参照)は、レンズガイド361Bを第二ベース32Aに弾性的に支持する。この状態で、レンズ部33は、第二ベース32Aに対してX方向およびY方向に変位できる。
【0313】
本実施形態の場合、スプリング362a1は、レンズガイド361BのX方向+側かつY方向+側の端部を第二ベース32Aに支持する(
図46参照)。スプリング362b1は、レンズガイド361BのX方向+側かつY方向-側の端部を第二ベース32Aに支持する(
図47参照)。スプリング362c1は、レンズガイド361BのX方向-側かつY方向+側の端部を第二ベース32に支持する(
図46参照)。さらに、スプリング362d1は、レンズガイド361BのX方向-側かつY方向-側の端部を第二ベース32Aに支持する(
図47参照)。
【0314】
スプリング362a1~362d1はそれぞれ、第一固定部362f1、第二固定部362g1、および弾性変形部362h1(
図51参照)を有する。尚、
図51は、組付状態における配置のままのスプリング362a1~362d1を示す。
【0315】
第一固定部362f1は、可動側部材であるレンズガイド361Bに固定される。第二固定部362g1は、固定側部材である第二ベース32Aに固定される。弾性変形部362h1は、第一固定部362f1と第二固定部362g1とを連続する。弾性変形部362h1は、例えば、少なくとも一部が蛇行状に曲げ成形された線状部材からなる。
【0316】
スプリング362a1~362d1の弾性変形部362h1はそれぞれ、中間部にゲル係止部362i1を有する。組付状態において、ゲル係止部362i1は、制震部材325a、325b、325c、325d(
図46および
図47参照)に覆われる。このようなゲル係止部362i1は、制震部材325a、325b、325c、325dと係合することにより、制震部材325a、325b、325c、325dとの密着性の向上に寄与する。
【0317】
本実施形態の場合、ゲル係止部362i1は、弾性変形部362h1の直線部からX方向に突出するように湾曲した曲線部により構成される。スプリング362a1、362b1におけるゲル係止部362i1は、弾性変形部362h1の直線部からX方向-側に突出する。一方、スプリング362c1、362d1におけるゲル係止部362i1は、弾性変形部362h1の直線部からX方向+側に突出する。つまり、スプリング362a1、362b1におけるゲル係止部362i1と、スプリング362c1、362d1におけるゲル係止部362i1とは互いに、弾性変形部362h1の直線部からX方向における逆方向に突出する。
【0318】
ゲル係止部362i1の形状は、本実施形態の場合に限定されない。
図52Bに示すゲル係止部362i2は、ゲル係止部362i1の変形例である。ゲル係止部362i2は、連続部362jおよび環状部362kを有する。
【0319】
連続部362jは、弾性変形部362h1の直線部からX方向に、直線状に延在する。環状部362kは、環状であって、連続部362jの先端部に連続する。連続部362jは、直線状でなくてもよい。スプリング362a1、362b1における連続部362jは、弾性変形部362h1の直線部からX方向-側に延在する。一方、スプリング362c1、362d1における連続部362jは、弾性変形部362h1の直線部からX方向+側に延在する。たとえば、連続部362jは、蛇行状であってもよい。また、環状部362kの形状は、図示の場合に限定されない。たとえば、環状部362kの形状は、円形、楕円形、多角形であってもよい。なお、
図52Cに示すように、ゲル係止部362i2は、省略されてもよい。
【0320】
組付状態において、スプリング362a1~362d1はそれぞれ、第二ベース32Aのスプリング配置部324a1~324d1(
図46および
図47参照)に配置される。この状態において、スプリング362a1~362d1のゲル係止部362i1はそれぞれ、スプリング配置部324a1~324d1におけるゲル配置部324e~324hに配置される。そして、スプリング362a1~362d1のゲル係止部362i1はそれぞれ、ゲル配置部324e~324hに配置されたゲル状の制震部材325a~325dにより覆われる。
【0321】
なお、本実施形態の場合、弾性変形部362hは、X方向において方向性を有する。スプリング362a1とスプリング362b1とは、X方向において同方向となるように配置される。換言すれば、スプリング362a1とスプリング362b1とは、Y方向からの平面視で、少なくとも弾性変形部362h1が重なるように配置される。
【0322】
スプリング362c1とスプリング362d1とは、X方向において同方向となるように配置される。換言すれば、スプリング362c1とスプリング362d1とは、Y方向からの平面視で、少なくとも弾性変形部362h1が重なるように配置される。
【0323】
スプリング362a1とスプリング362c1とは、X方向において、弾性変形部362h1のゲル係止部362i2のみが逆方向を向くように配置される。すなわち、スプリング362a1とスプリング362c1とは、X方向において、弾性変形部362h1のゲル係止部362i2以外の部分が同方向を向くように配置される。
【0324】
スプリング362b1とスプリング362d1とは、X方向において、弾性変形部362h1のゲル係止部362i2のみが逆方向を向くように配置される。すなわち、スプリング362b1とスプリング362d1とは、X方向において、弾性変形部362h1のゲル係止部362i2以外の部分が同方向を向くように配置される。
【0325】
[FPC]
FPC363B(
図50参照)は、フレキシブルプリント回路基板であって、第二ベース32A(
図46および
図47参照)に固定される。FPC363Bは、例えば、後述するAF装置36Aおよび第二振れ補正装置37Aの第二アクチュエータ370a1、370b1に電力を供給する。
【0326】
具体的には、FPC363Bは、連続した一枚のフレキシブルプリント回路基板であって、FPC基部363hと、一対の第一コイル固定部363a、363b、および一対の第二コイル固定部363d、363eを有する。
【0327】
FPC基部363hは、Y方向に延在する板状部材であって、第二ベース32Aの底面部321(
図46および
図47参照)に固定される。第一コイル固定部363aには、AF装置36のAF用コイル366a(
図48参照)が基板7aを介して固定される。この状態で、第一コイル固定部363aおよびAF用コイル366aは、第二ベース32Aの底面貫通孔321a(
図15参照)に配置される。
【0328】
一方、第一コイル固定部363bには、AF装置36のAF用コイル366b(
図49参照)が、基板7bを介して固定される。この状態で、第一コイル固定部363bおよびAF用コイル366bは、第二ベース32Aの底面貫通孔321bに配置される。
【0329】
第二コイル固定部363d、363eはそれぞれ、第一コイル固定部363a、363bに対してZ方向に所定の間隔をあけて重なる。第二コイル固定部363d、363eの表面にはそれぞれ、後述する第二振れ補正装置37Aの第二コイル372a、372bが固定される(
図48および
図49参照)。この状態で、第二コイル固定部363d、363eはそれぞれ、第二ベース32Aのコイル載置部322d、コイル載置部322e(
図11参照)の表面に載置される。
【0330】
第二コイル固定部363dは、第一連続部363iを介して、FPC基部363hに連続する。第一連続部363iは、ZY平面に平行は板状部材である。第一連続部363iは、第二ベース32Aにおける第二側壁部322a1のY方向+側の側面に形成されたスリット322i(
図46参照)に配置される。
【0331】
一方、第二コイル固定部363eは、第二連続部363jを介して、FPC基部363hに連続する。第二連続部363jは、XZ平面に平行は板状部材である。第二連続部363jは、第二ベース32Aにおける第二側壁部322b1の凹部322j(
図47参照)に配置される。
【0332】
[AFアクチュエータ]
一対のAFアクチュエータ364a1、364b1(
図48および
図49参照)はそれぞれ、オートフォーカス用となる第三アクチュエータである。Y方向+側のAFアクチュエータ364a1は、AF用マグネット365a1、およびAF用コイル366aを有する。一方、Y方向-側のAFアクチュエータ364b1は、AF用マグネット365b1、AF用コイル366b、およびAF用ホール素子367を有する。以下、一対のAFアクチュエータ364a1、364b1について、前述の実施形態1と相違する部分の構造を中心に説明する。
【0333】
AF用マグネット365a1、365b1はそれぞれ、X方向に長く、かつ、Y方向からの平面視(
図48および
図49に示す状態)の形状が略六角形状の六角柱状である。
【0334】
AF用マグネット365a、365bはそれぞれ、一対の面取部365c1、365c2を有する。一対の面取部365c1、365c2はそれぞれ、AF用マグネット365a、365bにおいてX方向に対向する一対の側面に設けられる。面取部365c1と面取部365c2とは、X方向からの平面視で重なる。また、面取部365c1および面取部365c2は、Y方向からの平面視で、Z方向-側に向かうほどX方向における互いの距離が近づく方向に傾斜する。
【0335】
このような面取部365c1および面取部365c2はそれぞれ、組付状態において、レンズガイド361Bにおける一対の第一マグネット保持部361a1、361b1の傾斜面部361e1、361e2と対面する。その他の、一対のAFアクチュエータ364a1、364b1の構造は、前述の実施形態1の一対のAFアクチュエータ364a、364bと同様である。
【0336】
[第二振れ補正装置]
第二振れ補正装置37A(
図48および
図49参照)は、レンズ部33をY方向に変位させることにより、Y方向の振れ補正を行う。このような第二振れ補正装置37Aは、上述の第二収容空間320(
図4参照)に配置される。
【0337】
第二振れ補正装置37Aは、上述したレンズガイド361B、上述した複数個のスプリング362a1~362d1、上述したFPC363B、および一対の第二アクチュエータ370a1、370b1を有する。レンズガイド361B、スプリング362a1~362d1、およびFPC363Bは、AF装置36Aと共通である。
【0338】
Y方向+側の第二アクチュエータ370a1(
図48参照)は、上述のAFアクチュエータ364a1に対して、Z方向に所定の間隔をあけて重なった状態で配置される。このような第二アクチュエータ370a1は、第二マグネット371a1、および第二コイル372aを有する。第二コイル372aは、前述の実施形態1と同様である。
【0339】
一方、Y方向-側の第二アクチュエータ370b1(
図49参照)は、上述のAFアクチュエータ364b1に対して、Z方向に所定の間隔をあけて重なった状態で配置される。このような第二アクチュエータ370a1は、第二マグネット371b1、第二コイル372b、および第二ホール素子373を有する。第二コイル372b、および第二ホール素子373は、前述の実施形態1と同様である。以下、一対の第二アクチュエータ370a1、370b1について、前述の実施形態1と相違する部分の構造を中心に説明する。
【0340】
一対の第二アクチュエータ370a1、370b1の第二マグネット371a1、371b1はそれぞれ、レンズガイド361Bの第二マグネット保持部368a1、368b1に保持される。
【0341】
第二マグネット371a1、371b1はそれぞれ、X方向に長く、かつ、Y方向からの平面視(
図48および
図49に示す状態)の形状が略六角形状の六角柱状である。
【0342】
第二マグネット371a1、371b1はそれぞれ、一対の面取部371e1、371e2を有する。一対の面取部371e1、371e2はそれぞれ、第二マグネット371a1、371b1においてX方向に対向する一対の側面に設けられる。面取部371e1と面取部371e2とは、X方向からの平面視で重なる。また、面取部371e1および面取部371e2は、Y方向からの平面視で、Z方向-側に向かうほどX方向における互いの距離が近づく方向に傾斜する。
【0343】
このような面取部371e1および面取部371e2はそれぞれ、組付状態において、レンズガイド361Bにおける一対の第二マグネット保持部368a1、368b1の傾斜面部368f1、368f2と対面する。一対の第二アクチュエータ370a1、370b1におけるその他の部分の構造は、前述の実施形態1の一対の第二アクチュエータ370a、370bと同様である。また、本実施形態に係るカメラモジュールにおいて、上述の説明以外の部分の構成および作用・効果については、前述の実施形態1と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0344】
本発明に係るカメラ用アクチュエータおよびカメラモジュールは、例えば、スマートフォン、携帯電話機、デジタルカメラ、ノート型パソコン、タブレット端末、携帯型ゲーム機、車載カメラなどの薄型のカメラ搭載装置に搭載できる。
【符号の説明】
【0345】
1、1a カメラモジュール
2、2a、2b、2c プリズムモジュール
21 第一カバー
22、22a、22b 第一ベース
220 ベース第一開口部
223 第一収容空間
224a、224b、224a1、224b1 第一側壁部
224c1、224c2 第一堰部
224d1、224d2 第二堰部
224e1、224e2、224f1、224f2 バネ配置空間
224g1、224g2、224g3 凸部
224h1、224h2、224h3 凸部
225a 第一軸受部
225b 第二軸受部
225c、225c1 第一受部
225d、225d1 第二受部
225e ストッパ面
225f ストッパ面
226、226a 第一位置決め凸部
227、227a 第二位置決め凸部
228 第三位置決め凸部
229、229b 底壁部
229a 底溝
23 プリズム
231 光路屈曲面
24、24a、24b 第一振れ補正装置
241、241A、241B ホルダ
241a 載置面
241c、241d 揺動支持部
241f、241g 対向壁部
241i、241k 被押圧部
241m、241n、241p 衝突防止凸部
241q、241r、241q1、241r1 張出し部
241s、241t バネ座面
241u ホルダ側位置決め凸部
242 抑えバネ
242a 固定基部
242c 押圧部
242e バネ側第一孔
242g バネ側第二孔
242i バネ側第三孔
243、243A 揺動支持バネ
243a、243b、243a1、243b1 第一係止部
243c、243c1 第二係止部
243d、243e、243d1、243e1 第一貫通孔
243f、243f1 第二貫通孔
243g、243g1 捩じれ許容部
243h、243h1 バネ側ガイド面
243i、243i1 連続部
243j、243k 連続部要素
243j1 基端側連続部
244、244A 第一アクチュエータ
244a 第一マグネット
244c 第一コイル
244e 第一ホール素子
244f 第一マグネット
245 揺動ガイド部材
245a 揺動ガイド面
246 スペーサ
246a スペーサ側貫通孔
25 FPC
26 ヨーク
27 制震部材
3、3a レンズモジュール
31 第二カバー
32、32A 第二ベース
320 第二収容空間
321 底面部
321a、321b 底面貫通孔
322a、322b、322a1、322b1 第二側壁部
322d、322e コイル載置部
322g、322h マグネット用空間
322i スリット
322j 凹部
323 補強プレート
324a、324b、324c、324d、324a1、324b1、324c1、324d1 スプリング配置部
324e、324f、324g、324h ゲル配置部
325a、325b、325c、325d 制震部材
33 レンズ部
36、36A AF装置
361、361A、361B レンズガイド
361a、361b、361a1、361b1 第一マグネット保持部
361c1、361c2 側面部
361d 上面部
361e1、361e2 傾斜面部
362a、362b、362c、362d、362a1、362b1、362c1、362d1 スプリング
362f、362f1 第一固定部
362g、362g1 第二固定部
362h、362h1 弾性変形部
362i1、362i2 ゲル係止部
362j 連続部
362k 環状部
363、363A、363B FPC
363a、363b 第一コイル固定部
363d、363e、363f、363g 第二コイル固定部
363h FPC基部
363i 第一連続部
363j 第二連続部
364a、364b、364c、364d、364e、364f、364a1、364b1 AFアクチュエータ(第三アクチュエータ)
365a、365b、365a1、365b1 AF用マグネット
365c1、365c2 面取部
366a、366b AF用コイル
367、367a AF用ホール素子
368a、368b、368a1、368b1 第二マグネット保持部
368d1、371d2 側面部
368e 上面部
368f1、368f2 傾斜面部
368c 第三マグネット保持部
369a、369b AF用第二マグネット
37、37A 第二振れ補正装置
370a、370b、370c、370d、370e、370f、370g、370h、370i、370j、370a1、370b1 第二アクチュエータ
371a、371b、371c、371d、371a1、371b1 第二マグネット
371e1、371e2 面取部
372a、372b 第二コイル
373 第二ホール素子
374a、374b 第三マグネット
38 基準部材
38a 貫通孔
380a、380b ストッパ部
383 スプリング用空間
391a、391b、391c、391d 第一補強プレート
4 撮像素子モジュール
6a、6b シールド板
7a、7b 基板
【手続補正書】
【提出日】2022-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一光軸の方向に沿う入射光を屈曲させる光路屈曲部材を保持する可動側部材と、
前記可動側部材を揺動可能に支持する固定側部材と、
前記第一光軸の方向に対向したマグネット及びコイルを有し、前記可動側部材を揺動させる駆動部と、を備え、
前記固定側部材は、前記マグネット及び前記コイルのうちの一方の部材を支持し、
前記可動側部材は、前記マグネット及び前記コイルのうちの他方の部材を裏面に支持し、前記固定側部材又は前記固定側部材に固定された部材に設けられた被当接面と前記第一光軸の方向に対向する凸部を前記裏面に有する、
カメラ用アクチュエータ。
【請求項2】
複数の前記凸部が、前記裏面において、分散して配置されている、請求項1に記載のカメラ用アクチュエータ。
【請求項3】
複数の前記凸部は、前記裏面において、前記第一光軸の方向に平行な第一方向に直交し且つ互いに直交する第二方向及び第三方向における両端部に設けられている、請求項2に記載のカメラ用アクチュエータ。
【請求項4】
前記固定側部材は、
前記一方の部材を配置するための開口部を有する底壁部を有し、
前記固定側部材に固定された部材は、前記一方の部材を囲むように前記開口部に設けられ、前記第一光軸の方向において前記凸部と対向するスペーサであり、
前記被当接面は、前記スペーサに設けられている、請求項1~3の何れか一項に記載のカメラ用アクチュエータ。
【請求項5】
前記被当接面は、前記一方の部材において前記他方の部材と対向する面よりも、前記可動側部材に近い、請求項1~4の何れか一項に記載のカメラ用アクチュエータ。
【請求項6】
請求項1~5に記載のカメラ用アクチュエータと、
レンズ部の後段に配置された撮像素子と、
を備えるカメラモジュール。
【請求項7】
請求項6に記載のカメラモジュールと、
前記カメラモジュールを制御する制御部と、
を有するカメラ搭載装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明に係るカメラ用アクチュエータの一態様は、
第一光軸の方向に沿う入射光を屈曲させる光路屈曲部材を保持する可動側部材と、
可動側部材を揺動可能に支持する固定側部材と、
第一光軸の方向に対向したマグネット及びコイルを有し、可動側部材を揺動させる駆動部と、を備え、
固定側部材は、マグネット及びコイルのうちの一方の部材を支持し、
可動側部材は、マグネット及びコイルのうちの他方の部材を裏面に支持し、固定側部材又は固定側部材に固定された部材に設けられた被当接面と第一光軸の方向に対向する凸部を裏面に有する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】