(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022040190
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】乾燥装置
(51)【国際特許分類】
F26B 21/00 20060101AFI20220303BHJP
D06F 58/00 20200101ALI20220303BHJP
【FI】
F26B21/00 B
D06F58/00 D
D06F58/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021214896
(22)【出願日】2021-12-28
(62)【分割の表示】P 2020068123の分割
【原出願日】2018-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】坂上 勝哉
(72)【発明者】
【氏名】河阪 雅之
(57)【要約】
【課題】 より広い領域に温風を行き渡らせることが可能な乾燥機を提供すること。
【解決手段】 送風手段2からの風が加熱手段3によって加熱されることにより生成された温風が流入する入側開口40と、2つの出側ダクト41,42と、を有する分岐部4を備え、2つの吐出部5は、2つの出側ダクト41,42に各々の入側端が各別に取り付けられ、送風手段2は、2つの出側ダクト41,42の並び方向について2つの出側ダクト41,42のうち一方側寄りに位置するファン21を有し、加熱手段3は、筐体1において、並び方向について2つの出側ダクト41,42のうち一方側寄りに位置する。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口を有する筐体と、
前記筐体内に収容された送風手段と、
前記送風手段により送り出される空気を加熱する加熱手段と、
2つの吐出部と、を備える乾燥装置であって、
前記送風手段からの風が前記加熱手段によって加熱されることにより生成された温風が流入する入側開口と、2つの出側ダクトと、を有する分岐部を備え、
前記2つの吐出部は、前記2つの出側ダクトに各々の入側端が各別に取り付けられ、
前記送風手段は、前記2つの出側ダクトの並び方向について前記2つの出側ダクトのうち一方側寄りに位置するファンを有し、
前記加熱手段は、前記筐体において、前記並び方向について前記2つの出側ダクトのうち前記一方側寄りに位置する、乾燥装置。
【請求項2】
吸気口を有する筐体と、
前記筐体内に収容された送風手段と、
前記送風手段により送り出される空気を加熱する加熱手段と、
2つの吐出部と、を備える乾燥装置であって、
前記送風手段からの風が前記加熱手段によって加熱されることにより生成された温風が流入する入側開口と、2つの出側ダクトと、を有する分岐部を備え、
前記2つの吐出部は、前記2つの出側ダクトに各々の入側端が各別に取り付けられ、
前記分岐部は、第1方向に延びる第1出側ダクトと、前記第1方向と交差する方向に延びる第2出側ダクトと、を前記2つの出側ダクトとして含み、
前記2つの出側ダクトの並び方向について、前記2つの出側ダクトの出側端側の幅は、前記2つの出側ダクトの前記入側開口側の幅より大きい、乾燥装置。
【請求項3】
前記2つの出側ダクトのうち一方側である第1出側ダクトは、第1方向に延び、
前記2つの出側ダクトのうち他方側である第2出側ダクトは、前記第1方向と交差する方向に延びる、請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項4】
前記2つの出側ダクトのうち一方側である第1出側ダクトは、第1方向に延び、
前記2つの出側ダクトのうち他方側である第2出側ダクトは、第1方向に対して傾いた第2方向に延びる、請求項1または2に記載の乾燥装置。
【請求項5】
前記2つの出側ダクトのうち一方側である第1出側ダクトは、第1方向に延び、
前記2つの出側ダクトのうち他方側である第2出側ダクトの出側縁部は、前記送風手段のファンおよび前記加熱手段に対して、前記並び方向において前記第1出側ダクトと反対側に寄っている、請求項1ないし4のいずれかに記載の乾燥装置。
【請求項6】
前記分岐部は、前記2つの出側ダクトの間を区画する隔壁を有する、請求項1ないし5のいずれかに記載の乾燥装置。
【請求項7】
前記分岐部は、前記筐体よりも耐熱性が高い材料で構成される、請求項1ないし6のいずれかに記載の乾燥装置。
【請求項8】
前記分岐部は、前記入側開口から流入した温風を前記2つの出側ダクトにより別々に吐出する、請求項1ないし7のいずれかに記載の乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
布団などの生活用品を乾燥する乾燥装置が知られている。特許文献1には、従来の乾燥装置の一例が開示されている。同文献の乾燥装置は、送風機および加熱手段を収容する筐体と、筐体から延びる吐出部とを備えている。この吐出部は、筐体に固定された1本の第1ホースと、分岐継手を介して第1ホースに接続された2本の第2ホースとを有する。2本の第2ホースを有することにより、複数の領域に乾燥のための温風を吐出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、第1ホースに取り付けられた分岐継手に2本の第2ホースが収まるように構成されているため、第2ホースの径が第1ホースに対して細く設定されている。このため、第2ホースのそれぞれから吐出される温風の風量が不足することが懸念される。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、より広い領域に温風を行き渡らせることが可能な乾燥機を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面によって提供される乾燥装置は、吸気口を有する筐体と、前記筐体内に収容された送風手段と、前記送風手段により送り出される空気を加熱する加熱手段と、2つの吐出部と、を備える乾燥装置であって、前記送風手段からの風が前記加熱手段によって加熱されることにより生成された温風が流入する入側開口と、2つの出側ダクトと、を有する分岐部を備え、前記2つの吐出部は、前記2つの出側ダクトに各々の入側端が各別に取り付けられ、前記送風手段は、前記2つの出側ダクトの並び方向について前記2つの出側ダクトのうち一方側寄りに位置するファンを有し、前記加熱手段は、前記筐体において、前記並び方向について前記2つの出側ダクトのうち前記一方側寄りに位置する。
また、本発明の第2の側面によって提供される乾燥装置は、吸気口を有する筐体と、前記筐体内に収容された送風手段と、前記送風手段により送り出される空気を加熱する加熱手段と、2つの吐出部と、を備える乾燥装置であって、前記送風手段からの風が前記加熱手段によって加熱されることにより生成された温風が流入する入側開口と、2つの出側ダクトと、を有する分岐部を備え、前記2つの吐出部は、前記2つの出側ダクトに各々の入側端が各別に取り付けられ、前記分岐部は、第1方向に延びる第1出側ダクトと、前記第1方向と交差する方向に延びる第2出側ダクトと、を前記2つの出側ダクトとして含み、前記2つの出側ダクトの並び方向について、前記2つの出側ダクトの出側端側の幅は、前記2つの出側ダクトの前記入側開口側の幅より大きい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より広い領域に温風を行き渡らせることができる。
【0008】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る乾燥機を示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る乾燥機を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る乾燥機を示す平面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る乾燥機を示す正面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る乾燥機を示す底面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る乾燥機を示す背面図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る乾燥機を示す左側面図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係る乾燥機を示す右側面図である。
【
図9】本発明の第1実施形態に係る乾燥機を示す分解斜視図である。
【
図10】本発明の第1実施形態に係る乾燥機を示す分解斜視図である。
【
図12】
図3のXII-XII線に沿う断面図である。
【
図13】
図3のXIII-XIII線に沿う断面図である。
【
図14】本発明の第1実施形態に係る乾燥機を示す要部斜視図である。
【
図15】本発明の第1実施形態に係る乾燥機の分岐部を示す斜視図である。
【
図16】本発明の第1実施形態に係る乾燥機の分岐部を示す正面図である。
【
図17】本発明の第1実施形態に係る乾燥機の分岐部を示す平面図である。
【
図18】本発明の第1実施形態に係る乾燥機の分岐部を示す底面図である。
【
図20】本発明の第1実施形態に係る乾燥機の吐出部を示す斜視図である。
【
図21】本発明の第1実施形態に係る乾燥機の吐出部を示す斜視図である。
【
図22】本発明の第1実施形態に係る乾燥機の吐出ノズルを示す正面図である。
【
図23】本発明の第1実施形態に係る乾燥機の吐出ノズルを示す側面図である。
【
図25】本発明の第1実施形態に係る乾燥機の吐出ノズルを示す側面図である。
【
図26】本発明の第1実施形態に係る乾燥機の一使用例を示す平面図である。
【
図27】本発明の第1実施形態に係る乾燥機の他の使用例を示す平面図である。
【
図28】本発明の第1実施形態に係る乾燥機の他の使用例を示す側面図である。
【
図29】本発明の第2実施形態に係る乾燥機の吐出ノズルを示す側面図である。
【
図30】本発明の第3実施形態に係る乾燥機の吐出部を示す斜視図である。
【
図31】本発明の第4実施形態に係る乾燥機を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0011】
<第1実施形態>
図1~
図14は、本発明の第1実施形態に係る乾燥機を示している。本実施形態の乾燥装置A1は、筐体1、送風手段2、加熱手段3、分岐部4、2つの吐出部5、操作部7および電源部8を備えている。乾燥装置A1は、布団などの生活用品を乾燥するために用いられる。
【0012】
図1は、乾燥装置A1を示す斜視図である。
図2は、乾燥装置A1を示す斜視図である。
図3は、乾燥装置A1を示す平面図である。
図4は、乾燥装置A1を示す正面図である。
図5は、乾燥装置A1を示す底面図である。
図6は、乾燥装置A1を示す背面図である。
図7は、乾燥装置A1を示す左側面図である。
図8は、乾燥装置A1を示す右側面図である。
図9は、乾燥装置A1を示す分解斜視図である。
図10は、乾燥装置A1を示す分解斜視図である。
図11は、
図3のXI-XI線に沿う断面図である。
図12は、
図3のXII-XII線に沿う断面図である。
図13は、
図3のXIII-XIII線に沿う断面図である。
図14は、乾燥装置A1を示す要部斜視図である。これらの図において、z方向の一方側を「上」、他方側を「下」と称する場合がある。また、x方向の一方側を「右」、他方側を「左」と称する場合がある。また、y方向の一方側を「前」、他方側を「後」と称する場合がある。また、
図15~
図25は、乾燥装置A1の各部を説明するための図であり、説明において適宜参照する。
【0013】
<筐体1>
筐体1は、送風手段2、加熱手段3、操作部7および電源部8を収容しており、乾燥装置A1の外観の大部分をなしている。筐体1は、例えばABS樹脂等の樹脂材料からなるが、その材質は特に限定されない。また、筐体1は、全体が一体的に形成されていてもよいし、複数の別体の部位によって形成されていてもよい。乾燥装置A1の製造や使用の便宜から、筐体1は、複数の別体の部位によって形成されていることが好ましい。
【0014】
本実施形態の筐体1は、
図1及び
図2に示すように、z方向に起立した姿勢で設置可能な形状であり、z方向視において四隅がラウンド形状とされた矩形状である。筐体1は、前面101、後面102、上面103、下面104、側面105及び側面106を有する。
【0015】
前面101は、
図3、
図4、
図7及び
図8に示すように、y方向前側を向く面であり、z方向に対して略平行である。
図3、
図6、
図7及び
図8に示すように、後面102は、y方向後ろ側を向く面であり、z方向対して略平行である。また、後面102は、膨出部1021を有する(
図10参照)。膨出部1021は、後面102のz方向下側の一部が、y方向後ろ側に膨出した部分である。
【0016】
上面103は、
図3、
図4、
図7及び
図8に示すように、z方向上側に位置する面であり、図示された例においては、略平坦な面である。上面103は、z方向に対して略直角である。上面103は、送風手段2からの風を吐出部5に通風させるために開口している。また、図示された例においては、上面103には、通気口1031が設けられている。通気口1031は、上面103を貫通する複数の貫通孔からなり、例えば電源部8からの熱を外部に逃がすためのものである。
【0017】
下面104は、
図4、
図5、
図7及び
図8に示すように、z方向下側を向く面であり、乾燥装置A1を床面等に載置する際に、床面等に正対する面であり、z方向に対して直角である。
図1、
図2、
図4~8に示すように、本実施形態においては、筐体1は、複数の脚部14及び脚部15を有する。複数の脚部14は、下面104のx方向両側において、z方向下方に突出するリブ状の部位である。複数の脚部15は、下面104のy方向両側において、z方向下方に突出するブロック状の部位である。複数の脚部14及び複数の脚部15のz方向下端は、z方向に対して略同じ位置にある。複数の脚部14及び複数の脚部15は、乾燥装置A1を床面等に載置する際に、床面等に当接する部位である。
【0018】
側面105は、
図3、
図4及び
図7に示すように、y方向正面視においてx方向左側に位置する面であり、z方向に対して略平行である。側面106は、
図3、
図4及び
図8に示すように、y方向正面視においてx方向右側に位置する面であり、z方向に対して略平行である。
【0019】
また、筐体1は、
図5、
図7及び
図8に示すように、吸気口1041、吸気口1051及び吸気口1061を有する。吸気口1041、吸気口1051及び吸気口1061は、送風手段2に向けて外気を吸気するためのものである。吸気口1041は、下面104に設けられており、複数の貫通孔からなる。吸気口1051は、側面105に設けられており、複数の貫通孔からなる。吸気口1061は、側面106に設けられており、複数の貫通孔からなる。また、
図9に示された例においては、筐体1は、フィルタ161,162,163を有する。フィルタ161,162,163は、吸気される外気の埃等を除去するためのものである。フィルタ161は、吸気口1041の内側に設けられている。フィルタ162は、吸気口1051の内側に設けられている。フィルタ163は、吸気口1061の内側に設けられている。
【0020】
また、筐体1は、
図1、
図2、
図9及び
図10に示すように、ホース係合部11、ハンドル部12、電源ケーブル収容部13及び通風部17を有する。
【0021】
ホース係合部11は、後面102のz方向上側部分に設けられており、2つの吐出部5の一部を係合することにより、吐出部5を保持するためのものである。
図12、
図13及び
図14に示すように、図示された例においては、ホース係合部11は、2つの突片収容部111を有する。なお、
図14は、2つの吐出部5及び後述のホースベース54を省略した要部斜視図である。
【0022】
2つの突片収容部111は、x方向に離間して形成されている。突片収容部111は、z方向上側が開口した凹部である。突片収容部111には、後述の吐出部5のホース保持具53の係合突片532(
図21参照)が収容される。
【0023】
ハンドル部12は、
図1、
図2、
図3、
図4、
図12及び
図13に示すように、上面103からz方向上方に突出するように設けられている。図示された例においては、ハンドル部12は、上面103のy方向前側部分から、前面101と略面一となるように設けられている。ハンドル部12は、使用者が乾燥装置A1を持ち運び等する際に、筐体1を把持するための部分として用いられる。図示された例においては、ハンドル部12は、y方向正面視において、x方向に長く延びる偏平な環状部分をなしている。
【0024】
電源ケーブル収容部13は、
図10、
図11及び
図13に示すように、筐体1のz方向上側のx方向右側部分に設けられており、内方に凹んだ部位である。電源ケーブル収容部13は、図示しない乾燥装置A1の電源ケーブルを、不使用時に収容するためのものである。図示された例においては、筐体1は、カバー131を有する。カバー131は、電源ケーブル収容部13を塞ぐための部品であり、側面106のz方向上側部分に対して脱着自在である。
【0025】
通風部17は、送風手段2からの風を吐出部5へ通風させるための部位であり、
図9~
図14に示すように、上面103の直下に設けられている。図示された例においては、通風部17は、z方向を通風方向とする短軸筒状であり、z方向視において略矩形状である。また、本実施形態においては、通風部17は、2つの吐出部5が固定される部位である。なお、2つの吐出部5を筐体1に固定する手段や固定される部位は、何ら限定されない。
【0026】
<送風手段2>
送風手段2は、乾燥装置A1が吐出する温風のもととなる風を発生させるためのものである。
図9~
図13に示すように、本実施形態の送風手段2は、ファン21、モータ22及びケーシング23を有する。送風手段2は、筐体1内においてz方向下側寄りに収容されている。
【0027】
ファン21は、複数の翼体を有しており、風を発生させる部位である。ファン21の形式は特に限定されず、図示された例においては、ファン21は、いわゆるシロッコファンとして構成されている。ファン21は、x方向に延びる軸周りに回転自在である。複数の翼体は、各々がx方向に長く延びており、x方向に延びる軸周りに配置されている。図示された例においては、ファン21は、筐体1内においてx方向左側寄り(側面105寄り)に配置されている。
【0028】
モータ22は、ファン21を回転させるための駆動源であり、ファン21に連結されている。モータ22の具体的構成は特に限定されない。図示された例においては、モータ22は、ファン21に対してx方向右側(側面106側)に配置されている。
【0029】
ケーシング23は、ファン21を収容しており、ファン21の回転によって風を発生させるための空間を規定している。図示された例においては、ケーシング23は、筐体1内においてx方向左側寄り(側面105寄り)に配置されており、吸入口231及び送風口232を有する。吸入口231は、ケーシング23へと外気を吸入する部位であり、図示された例においては、x方向左側(側面105側)に開口している。送風口232は、ファン21によって発生した風が送り出される部位であり、z方向上方に開口している。図示された例においては、吸入口231は、通風部17のz方向下方に位置している。なお、図示された例においては、x方向視において円形をなす筒状であるケーシング23に対応して、筐体1の膨出部1021がy方向後方に膨出している。
【0030】
<加熱手段3>
加熱手段3は、送風手段2から発生した風を、布団等の生活用品を乾燥させるのに適した温度に加熱するためのものである。加熱手段3の具体的な構成は特に限定されず、
図9~
図12に示すように、本実施形態においては、加熱手段3は、加熱部31及び複数の端子部32を有する。加熱手段3は、送風手段2の下流側に配置されており、図示された例においては、z方向において送風手段2のケーシング23の送風口232と筐体1の通風部17との間に配置されている。
【0031】
加熱部31は、電源部8からの電力供給により発熱する部位である。加熱部31の具体的構成は特に限定されず、従来公知の様々な電気式ヒータが適宜用いられる。例えば、加熱部31は、送風手段2からの風をz方向下方から上方へと通風させることが可能なように、複数のヒータ要素が隙間や穴を構成するように設けられる。
【0032】
複数の端子部32は、図示しないケーブルによって電源部8と接続される部位である。端子部32は、加熱部31の複数のヒータ要素に導通しており、それぞれのヒータ要素に通電させるためのものである。
【0033】
<分岐部4>
分岐部4は、送風手段2によって発生した風を分岐させて2つの吐出部5に導くためのものである。
図9~
図19に示すように、分岐部4は、入側開口40、2つの出側ダクト41,42、入側ベース部43及び隔壁44を有する。
図15は、分岐部4を示す斜視図である。
図16は、分岐部4を示す正面図である。
図17は、分岐部4を示す平面図である。
図18は、分岐部4を示す底面図である。
図19は、
図17のXIX-XIX線に沿う断面図である。分岐部4の材質は特に限定されず、種々の樹脂材料等を用いることができる。分岐部4は、耐熱性に優れた材料によって形成されることが好ましい。分岐部4は、加熱手段3の下流側に配置されるものであり、たとえば本実施形態においては加熱手段3の直上に配置されている。このため、分岐部4には、高温の温風が当たりやすい。分岐部4を筐体1とは別部材によって形成することにより、筐体1の材質よりも耐熱性に優れた別の材料によって分岐部4を形成することが可能である。これにより、筐体1と分岐部4とを同じ材料で一体で構成する場合に比べて耐熱性を向上させることができる。
【0034】
入側開口40は、送風手段2からの風が加熱手段3によって加熱されることにより生成された温風が流入する部位である。入側開口40は、加熱手段3より下流側において筐体1に固定されている。本実施形態においては、入側開口40は、筐体1のz方向上側部分に固定されており、より具体的には、筐体1の通風部17に固定されている。図示された例においては、入側ベース部43が、入側開口40を通風部17に固定するための部位として用いられている。
図18によく表れているように、入側開口40及び入側ベース部43は、z方向視においてx方向に長く延びる長矩形状である。
【0035】
2つの出側ダクト41,42は、入側開口40から流入した温風を各々を通じて別々に吐出するためのものである。2つの出側ダクト41,42には、2つの吐出部5の入側端が各別に取り付けられる。
【0036】
本実施形態においては、2つの出側ダクト41,42を、第1出側ダクト41及び第2出側ダクト42として説明する。第1出側ダクト41は、全体として
図19に示す第1方向N1に延びており、第2出側ダクト42は、全体として、第1方向N1と交差する方向である第2方向N2に延びている。第2方向N2が第1方向N1となす角度は特に限定されず、図示された例においては、例えば45度程度である。
図11に示すように、図示された例においては、第1出側ダクト41は、x方向左側に設けられており、第1出側ダクト41の略全体が、ファン21、送風口232および加熱手段3のz方向直上に位置している。第2出側ダクト42は、x方向右側に設けられている。第2出側ダクト42の下端は、ファン21、送風口232および加熱手段3のz方向直上に位置するものの、第2出側ダクト42の上端は、ファン21、送風口232および加熱手段3からx方向右側にシフトした位置に設けられている。第2出側ダクト42のz方向直下には、電源ケーブル収容部13や送風手段2のモータ22が配置されている。
【0037】
隔壁44は、第1出側ダクト41と第2出側ダクト42とを区画する壁であり、y方向視において、z方向上方に向かうほどx方向右側に位置するように傾いている。
【0038】
図19に示すように、図示された例においては、第1出側ダクト41は、直状内側面411、屈曲内側面412及び出側縁部413を有する。直状内側面411は、x方向左側に位置する内側面であり、z方向に沿って起立した面である。屈曲内側面412は、x方向右側に位置する内側面であり、隔壁44のx方向左側の面である。屈曲内側面412は、屈曲した形状であり、全体としてz方向に対して傾いている。出側縁部413は、第1出側ダクト41の出側に設けられた環状のフランジ状の部位であり、吐出部5が取り付けられる部位である。出側縁部413は、z方向視において例えば円形状とされている。本実施形態においては、出側縁部413は、z方向視においてその大部分が入側開口40と重なっている。
【0039】
また、図示された例においては、第2出側ダクト42は、屈曲内側面421、屈曲内側面422及び出側縁部423を有する。屈曲内側面421は、x方向左側に位置する内側面であり、隔壁44のx方向右側の面である。屈曲内側面421は、屈曲した形状であり、全体としてz方向に対して傾いている。屈曲内側面422は、x方向右側に位置する内側面である。屈曲内側面422は、屈曲した形状であり、全体としてz方向に対して傾いている。出側縁部423は、第2出側ダクト42の出側に設けられた環状のフランジ状の部位であり、吐出部5が取り付けられる部位である。出側縁部423は、z方向視において例えば円形状とされている。本実施形態においては、出側縁部423は、z方向視において一部のみが入側開口40と重なっており、大部分が入側開口40からはみ出している。すなわち、z方向視において、出側縁部423が入側開口40と重なる部分の大きさは、出側縁部413が入側開口40と重なる部分の大きさよりも小さい。出側縁部413と出側縁部423とは、x方向に並んで配置されている。
【0040】
<吐出部5>
2つの吐出部5は、送風手段2及び加熱手段3によって生成された温風を各々が吐出するためのものである。
図1~
図3及び
図9~
図11に示すように、2つの吐出部5は、分岐部4の第1出側ダクト41及び第2出側ダクト42に各々の入側端が各別に取り付けられている。なお、2つの吐出部5は、筐体1に対して固定されていればよく、固定手法や固定箇所は、何ら限定されない。
【0041】
図12、
図13及び
図20~
図25に示すように、吐出部5は、吐出ノズル51、ホース52及びホース保持具53を有する。なお、
図20は、本発明の第1実施形態に係る乾燥機の吐出部を示す斜視図である。
図21は、吐出部5を示す斜視図である。
図22は、吐出ノズル51を示す正面図である。
図23は、吐出ノズル51を示す側面図である。
図24は、
図22のXXIV-XXIV線に沿う断面図である。
図25は、吐出ノズル51を示す側面図である。
【0042】
吐出ノズル51は、温風を吐出する部位であり、図示された例においては、筒状部材510及び第1可動部511を有する。吐出ノズル51の材質は特に限定されず、例えばABS樹脂等の樹脂材料からなる。
【0043】
筒状部材510は、温風を通風させるための部材であり、入側口5101、吐出口5102及び2つの側方吐出孔5103を有する。入側口5101は、温風が流入する開口であり、筒状部材510の一方側の端部に設けられている。吐出口5102は、温風が吐出される開口であり、筒状部材510の他方側の端部に設けられている。なお、図示された例においては、吐出ノズル51は、アロマ保持部515を有している。図示された例においては、吐出口5102が、x方向左右側に位置する2つの開口を有する構成とされており、これらの開口の間にアロマ保持部515が装着されている。アロマ保持部515は、温風に所望の芳香を付与するためのアロマ剤を保持するためのものである。なお、吐出ノズル51は、アロマ保持部515を有するものに限定されず、アロマ保持部515を有さない構成であってもよい。また、吐出口5102は、1つのみの開口または、3つ以上の開口を有していてもよい。
【0044】
2つの側方吐出孔5103は、筒状部材510のx方向両側に設けられており、x方向右側及び左側に温風を吐出するためのものである。図示された例においては、側方吐出孔5103は、z方向に配列された複数の貫通孔によって構成されている。図示された例においては、これらの複数の貫通孔は、吐出口5102側に位置する相対的に小さい貫通孔と、入側口5101側に位置する相対的に大きな貫通孔とからなる。
【0045】
第1可動部511は、筒状部材510に対して可動であり、
図23に示す、通風方向に沿う第1状態と、
図25に示す、通風方向と交差する方向に沿う第2状態と、に可動する。図示された例においては、第1可動部511は、主板部5111、2つの側板部5112及び2つの回転軸部材5113を有する。
【0046】
主板部5111は、z方向に延びる板状部材であり、
図23に示す第1状態において、筒状部材510に対してy方向後側から沿うように配置されている。2つの側板部5112は、主板部5111のx方向両側に繋がっており、z方向に延びる板状部材である。2つの側板部5112は、
図23に示す第1状態において、筒状部材510に対してx方向両側から沿うように配置されている。図示された例においては、2つの側板部5112は、第1状態において、2つの側方吐出孔5103を覆っており、これらを塞いでいる。
【0047】
2つの回転軸部材5113は、2つの側板部5112のz方向上側部分と筒状部材510のz方向上側部分とを互いに相対回転可能に連結している。2つの回転軸部材5113を有することにより、第1可動部511は、
図23及び
図25に示すように、2つの回転軸部材5113を通るx方向に延びる軸周りに回転可動する。
図23の第1状態から
図25に示す第2状態に第1可動部511が回転可動すると、第1可動部511がy方向に沿う状態となり、2つの側方吐出孔5103が第1可動部511の2つの側板部5112から露出する。
【0048】
ホース52は、分岐部4の第1出側ダクト41または第2出側ダクト42に取り付けられるものであり、屈曲自在の管状部材である。ホース52の具体的構成は特に限定されず、例えば一般的な蛇腹ホースが用いられる。図示された例においては、ホース52の一端にホース脱着部521が設けられている。ホース脱着部521は、ホース52の一端を第1出側ダクト41の出側縁部413または第2出側ダクト42の出側縁部423に脱着自在に取り付けるための部材である。ホース52の他端は、吐出ノズル51に取り付けられている。
【0049】
ホース保持具53は、ホース52を
図1、
図2、
図12及び
図13に示すように屈曲した状態で筐体1に保持させるためのものである。図示された例においては、
図21、
図23及び
図24に示すように、ホース保持具53は、リング状部531及び係合突片532を有する。リング状部531は、吐出ノズル51の入側口5101に取り付けられる部位であり、例えば円環形状の部位である。係合突片532は、リング状部531からz方向下方に向けて突出した突片状部位である。
【0050】
図12及び
図13に示すように、ホース保持具53の係合突片532が、筐体1のホース係合部11の突片収容部111にz方向上方から挿入されて収容されることにより、ホース保持具53が突片収容部111に係合する。これにより、ホース52が屈曲した状態で筐体1に保持される。
【0051】
また、図示された例においては、乾燥装置A1は、
図1、
図2、
図7、
図8及び
図11~
図13に示すように、ホースベース54を有する。ホースベース54は、2つのホース保持具53と分岐部4との接続部分と分岐部4とを覆っている。ホースベース54の材質は特に限定されず、例えば樹脂材料からなる。なお、乾燥装置A1は、ホースベース54を有する構成に限定されず、例えば分岐部4が外観に露出した構成であってもよい。または、ホースベース54と分岐部4とが一体的に形成されている構成であってもよい。
【0052】
<操作部7>
操作部7は、
図1及び
図4に示すように、筐体1の前面101に設けられており、乾燥装置A1の使用者が乾燥装置A1の操作を行うためのものである。操作部7は、例えば複数の操作ボタン71を有する。また、本実施形態においては、
図9、
図12及び
図13に示すように、操作部7は、操作基板72を有する。操作基板72は、筐体1の前面101の内側に沿うように配置されており、複数の操作ボタン71の押下動作に伴って電気信号を生成する電子部品等が実装されている。また、操作基板72には、乾燥装置A1の一部または全体の動作を制御する制御部(図示略)が適宜実装されていてもよい。
【0053】
<電源部8>
電源部8は、例えば商用の100V交流電力を、送風手段2のモータ22や加熱手段3を駆動するのに適した電力に変換するためのものである。図示された例においては、電源部8は、
図10及び
図13に示すように、電源ケーブル収容部13及びモータ22のy方向前側に配置されており、zx平面に沿う姿勢とされた基板を有する。
図13に示すように、電源部8のz方向直上には、筐体1の通気口1031が位置している。
【0054】
次に、乾燥装置A1の作用について説明する。
【0055】
図26は、乾燥装置A1の一使用例を示している。筐体1を例えば後面102がz方向下方を向く姿勢で敷布団Fbに横たえて、掛布団Foと敷布団Fbとの間に2つの吐出部5を挿入する。この状態で乾燥装置A1を稼動させると、2つの吐出ノズル51の吐出口5102から温風がそれぞれ吐出される。この際、2つの吐出ノズル51を異なる位置に配置したり、異なる方向を向かせたりすることにより、掛布団Foおよび敷布団Fbのより広い範囲を乾燥させたり温めたり、または送風したりすることができる。なお、同図は、第1可動部511が第1状態である例を示している。
【0056】
そして、本実施形態の乾燥装置A1は、
図11及び
図14に示すように、分岐部4を介して2つの吐出部5が筐体1に取り付けられている。分岐部4の入側開口40は、筐体1(通風部17)に直接固定されており、分岐部4と筐体1との間にホース等は介在していない。このため、送風手段2及び加熱手段3によって生成された温風が2つの吐出部5に到達するまでの経路が、例えば1つのホースによって構成された区間を有することから通風抵抗が大きくなるといったことを回避することができる。また、2つの吐出部5のホース52は、例えば分岐部4のz方向視の大きさに収めるといった必要がなく、それぞれを比較的大径のホースを選択することができる。したがって、2つの吐出部5からより大風量の温風を吐出することが可能であり、より広い領域に温風を行き渡らせることができる。
【0057】
また、本実施形態においては、分岐部4が筐体1から露出している。これにより、筐体1の小型化を図ることができる。また、分岐部4は、温風を通風し分岐するための部材であり、比較的高温になりやすい。このような分岐部4を外部に露出させることにより、分岐部4が過度に高温となることを回避することができる。なお、ホースベース54を有する構成は、分岐部4が高温となった際に、使用者が誤って分岐部4に触れることを防止するのに好ましい。
【0058】
図11に示すように、第1出側ダクト41は、z方向に沿う第1方向N1に延びており、第2出側ダクト42は、第1方向N1に対して傾いた第2方向N2に沿って延びている。これにより、筐体1内においてファン21、送風口232及び加熱手段3をx方向の一方側(図示された例における左側)に配置し、この直上に第1出側ダクト41の出側縁部413を配置する一方、第2出側ダクト42の出側縁部423をファン21、送風口232及び加熱手段3に対してx方向右側にずれた位置に配置することができる。すなわち、2つの吐出部5を、筐体1の中心を挟んでx方向両側に対称的に接続することが可能である一方、ファン21、送風口232及び加熱手段3を筐体1内においてx方向の一方側に偏って配置することが可能である。これは、ファン21、送風口232及び加熱手段3を筐体1のx方向中央に配置する場合と比べて、筐体1の小型化を図るのに有利である。また、
図11及び
図13に示すように、第2出側ダクト42の出側縁部423のz方向直下に電源ケーブル収容部13やモータ22を配置することにより、筐体1の小型化をさらに促進することができる。
【0059】
筐体1がホース係合部11を有し2つの吐出部5がそれぞれホース保持具53を有することにより、
図1、
図2、
図12及び
図13に示すように、乾燥装置A1の不使用時において2つの吐出部5のホース52をそれぞれ屈曲した状態で、筐体1に保持させることができる。
【0060】
図27及び
図28は、乾燥装置A1の他の使用例を示している。本使用例においては、2つの吐出部5の吐出ノズル51の第1可動部511が、
図25に示した第2状態とされている。これにより、
図28に示すように、筒状部材510から起立した姿勢の第1可動部511によって、掛布団Foの一部を敷布団Fbから遠ざけることが可能であり、掛布団Foと敷布団Fbとの間により大きな空間を形成することが可能である。したがって、吐出ノズル51からの温風をさらに広い領域に行き渡らせることができる。なお、本実施形態においては、ハンドル部12のホースベース54との間に、掛布団Foの端部を挟み込むことが可能である。これにより、掛布団Foの端部を保持した状態で、掛布団Foの他の部分(吐出ノズル51を覆う部分)を敷布団Fbから持ち上げることが可能である。これにより、第1可動部511に第2状態をとらせることにより、掛布団Foを敷布団Fbからさらに遠ざけつつ、掛布団Foの端部が敷布団Fbから意図せず離れてしまい、吐出ノズル51からの温風が、掛布団Foの端部から外側に漏れてしまうことを抑制することができる。
【0061】
また、
図27に示すように、第1可動部511が第2状態をとると、筒状部材510の2つの側方吐出孔5103が第1可動部511によって覆われず、露出する。これにより、吐出口5102からの吐出に加えて、2つの側方吐出孔5103から温風を吐出することが可能である。これにより、第2可動部512が第2状態をとることによって拡大された掛布団Foと敷布団Fbとの間の空間に、温風をより万遍なく行き渡らせることができる。これは、掛布団Foや敷布団Fbを乾燥したり温めたりするのに好適である。
【0062】
なお、2つの吐出部5が、それぞれ第1可動部511を有する吐出ノズル51を備える構成に限定されず、一方の吐出部5の吐出ノズル51のみが第1可動部511を有する構成であってもよい。また、本実施形態とは異なり、1つのみの吐出部5を備える乾燥装置において、
図20~
図25に示す吐出部5の構成を採用してもよい。このような構成であっても、
図27及び
図28に示すように掛布団Foを敷布団Fbから離間させる効果や、2つの側方吐出孔5103から温風を吐出することより、より広い領域に温風を行き渡らせる効果を奏する。
【0063】
図29~
図31は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0064】
<第2実施形態>
図29は、本発明の第2実施形態に係る乾燥装置の吐出ノズル51を示している。本実施形態の吐出ノズル51は、筒状部材510、第1可動部511及び第2可動部512を有する。
【0065】
第2可動部512は、筒状部材510のうち第1可動部511とは異なる位置に設けられている。図示された例においては、第2可動部512は、筒状部材510に対して第1可動部511とはy方向における反対側に取り付けられている。第2可動部512は、例えば、主板部5121、2つの側板部5122及び2つの回転軸部材5123を有する。主板部5121、2つの側板部5122及び2つの回転軸部材5123の構成は、上述した主板部5111、2つの側板部5112及び2つの回転軸部材5113と同様である。
【0066】
第2可動部512は、第1可動部511と同様に、通風方向に沿う第1状態と、通風方向と交差する方向に沿う第2状態と、に可動する。第1可動部511及び第2可動部512を第1状態とした場合、吐出ノズル51は、吐出口5102のみから温風を吐出する。
【0067】
第1可動部511及び第2可動部512を第2状態とした場合、第1可動部511及び第2可動部512は、
図29におけるy方向の両側に突出した状態となる。例えば、
図28における掛布団Foに第1可動部511の先端を当接させ、敷布団Fbに第2可動部512の先端を当接させるように使用すると、掛布団Foと敷布団Fbとをより大きく離間させることが可能であり、掛布団Foと敷布団Fbとの間の空間をより拡大することができる。
【0068】
あるいは、
図27における平面視両側に第1可動部511及び第2可動部512が突出するように使用すると、平面視におけるより広い領域において、掛布団Foと敷布団Fbとを離間させることができる。なお、この使用例の場合、第1可動部511の主板部5111と第2可動部512の主板部5121とに覆われるように、筒状部材510の2つの側方吐出孔5103を設けることにより、
図27に図示された方向に温風を吐出することができる。
【0069】
なお、2つの吐出部5が、それぞれ第1可動部511及び第2可動部512を有する吐出ノズル51を備える構成に限定されず、一方の吐出部5の吐出ノズル51のみが第1可動部511または第2可動部512を有する構成であってもよい。また、本実施形態とは異なり、1つのみの吐出部5を備える乾燥装置において、
図29に示す吐出ノズル51を有する吐出部5の構成を採用してもよい。このような構成であっても、掛布団Foを敷布団Fbから離間させる効果や、2つの側方吐出孔5103から温風を吐出することより、より広い領域に温風を行き渡らせる効果を奏する。
【0070】
<第3実施形態>
図30は、本発明の第3実施形態に係る乾燥装置の吐出部5を示している。本実施形態の吐出部5は、靴用アタッチメント57を更に備えている。靴用アタッチメント57は、一足の靴を乾燥する際に用いられるものであり、吐出ノズル51の筒状部材510の吐出口5102に取り付けられている。
【0071】
靴用アタッチメント57は、2つの分岐吐出口571を有する。靴用アタッチメント57内において、吐出口5102から吐出された温風が分岐され、2つの分岐吐出口571のそれぞれから温風が吐出される。2つの分岐吐出口571のそれぞれを片方ずつの靴に挿入することにより、一足の靴を同時に乾燥することができる。
【0072】
なお、靴用アタッチメント57が、脱着自在である場合、上述した第1実施形態または第2実施形態の乾燥装置に靴用アタッチメント57を取り付けることにより、本実施形態の乾燥装置を構成することができる。
【0073】
<第4実施形態>
図31は、本発明の第4実施形態に係る乾燥装置を示している。本実施形態の乾燥装置A4は、2つの起立用アタッチメント58を更に備えている。乾燥装置A4の他の構成は、上述した第1ないし第3実施形態の乾燥装置の構成を適宜採用可能であり、図示された例においては、乾燥装置A1と同様の構成である。
【0074】
2つの起立用アタッチメント58は、各々がホース52の長さと同じか若干短い程度の長さであり、断面円弧形状の図中z方向に延びる部材である。起立用アタッチメント58の内径は、ホース52の外形と略同じか若干大きい。起立用アタッチメント58の材質は特に限定されず、吐出部5を起立させる程度の剛性を確保しつつ、適度な可撓性を有する樹脂材料等が適宜選択される。
【0075】
2つの起立用アタッチメント58は、例えば筐体1の下面104を床面等に正対させた状態で筐体1を起立させ、z方向に沿うように延ばした2つのホース52にそれぞれ嵌め込む。これにより、2つのホース52をz方向に沿うように起立させることが可能であり、吐出口5102がz方向上方に向くように2つの吐出ノズル51を配置することができる。このような状態の乾燥装置A4は、例えば室内においてハンガーに掛けられた衣服にz方向下側から温風を吹きかけることにより、衣類を乾燥することができる。また、2つの起立用アタッチメント58によって、2つのホース52のそれぞれを斜めに起立させ、互いにV字をなす状態とすれば、より広い領域に温風を吹きかけることが可能である。このように、乾燥装置A4は、布団の乾燥と、衣類の乾燥とのそれぞれに適した形態で乾燥機能を果たすことができる。
【0076】
なお、2つの吐出部5に、それぞれ起立用アタッチメント58を装着する構成に限定されず、一方の吐出部5の52のみに起立用アタッチメント58を装着する構成であってもよい。また、本実施形態とは異なり、1つのみの吐出部5を備える乾燥装置において、ホース52に起立用アタッチメント58を装着する構成を採用してもよい。このような構成であっても、布団の乾燥と、衣類の乾燥とのそれぞれに適した形態で乾燥機能を果たすことができる。
以上説明したように、本発明によって提供される乾燥装置は、吸気口を有する筐体と、前記筐体内に収容された送風手段と、前記送風手段により送り出される空気を加熱する加熱手段と、2つの吐出部と、を備える乾燥装置であって、前記加熱手段より下流側において前記筐体に固定された入側開口と、2つの出側ダクトと、を有する分岐部を備え、前記2つの吐出部は、前記2つの出側ダクトに各々の入側端が各別に取り付けられることを特徴としている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記分岐部は、前記筐体から露出している。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記2つの出側ダクトは、第1方向に延びる第1出側ダクトと、前記第1方向と交差する方向に延びる第2出側ダクトと、を含む。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記吐出部は、筒状部材および当該筒状部材に対して可動する第1可動部を有し且つ出側端に設けられた吐出ノズルを含み、前記第1可動部は、前記筒状部材の通風方向に沿う第1状態と、当該通風方向と交差する方向に沿う第2状態と、に可動する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記吐出ノズルは、前記筒状部材のうち前記第1可動部とは異なる位置に設けられ、前記筒状部材に対して可動する第2可動部を有し、前記第2可動部は、前記筒状部材の通風方向に沿う第1状態と、当該通風方向と交差する方向に沿う第2状態と、に可動する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記吐出部は、前記出側ダクトに取り付けられる屈曲自在なホースと、当該ホースの出側端寄りに取り付けられたホース保持具と、を有し、前記ホース保持具は、前記筐体に保持される。
【0077】
本発明に係る乾燥装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る乾燥装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0078】
A1,A4 :乾燥装置
1 :筐体
2 :送風手段
3 :加熱手段
4 :分岐部
5 :吐出部
7 :操作部
8 :電源部
11 :ホース係合部
12 :ハンドル部
13 :電源ケーブル収容部
14 :脚部
15 :脚部
17 :通風部
21 :ファン
22 :モータ
23 :ケーシング
31 :加熱部
32 :端子部
40 :入側開口
41 :第1出側ダクト
42 :第2出側ダクト
43 :入側ベース部
44 :隔壁
51 :吐出ノズル
52 :ホース
53 :ホース保持具
54 :ホースベース
57 :靴用アタッチメント
58 :起立用アタッチメント
71 :操作ボタン
72 :操作基板
101 :前面
102 :後面
103 :上面
104 :下面
105,106:側面
111 :突片収容部
131 :カバー
161,162,163:フィルタ
231 :吸入口
232 :送風口
411 :直状内側面
412 :屈曲内側面
413 :出側縁部
421,422:屈曲内側面
423 :出側縁部
510 :筒状部材
511 :第1可動部
512 :第2可動部
515 :アロマ保持部
521 :ホース脱着部
531 :リング状部
532 :係合突片
571 :分岐吐出口
1021 :膨出部
1031 :通気口
1041,1051,1061:吸気口
5101 :入側口
5102 :吐出口
5103 :側方吐出孔
5111,5121:主板部
5112,5122:側板部
5113,5123:回転軸部材
Fb :敷布団
Fo :掛布団
N1 :第1方向
N2 :第2方向